説明

液体塗布方法および装置

【課題】微少量の液体でも安定して塗布可能な液体塗布方法および装置を提供する。
【解決手段】液体供給用のニードル1先端とニードル外壁面3のクリーニングを実施後に、被塗布物4の塗布位置までニードル1を移動し、ニードル1先端と被塗布物4塗布面との塗布間隔5を認識画面にて確認、調整する。塗布実施前のニードル内部状態を安定化させるためにディスペンサコントローラの予備塗布の設定値にて液体の予備突出を行う。この予備突出液体6の突出量を認識カメラにて確認し、所定の量となるまで調整して達したことを確認する。突出量を調整した後に、ディスペンサコントローラの本塗布条件によって液体7の供給を行い、被塗布物4に塗布する。この方法により空圧式のディスペンサユニットにおいても微少量の液体塗布を安定して行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被塗布物に対して接着剤等の液体を微少量塗布する液体塗布方法および装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の液体塗布方法は、接着剤等の液体をそれら液体の充填されているシリンジ内に所定の空気圧を所定時間付与することによって、シリンジ先端に配置されたニードル先端から所定の供給量を塗布する方法が知られている。この際、液体の粘度やニードルの内径との関係により、塗布圧力を付与していないにもかかわらず重力によってニードル先端から液体が垂れてしまうことがある。これを防ぐために塗布圧力を付与していない時は、シリンジ内を強制的に負圧にすることで液体の垂れを防止する方法が一般的にとられている。
【0003】
しかしながら、ニードル先端の液体垂れ防止のため、前記シリンジ内の負圧の設定圧力値によっては、ニードル先端の液体をニードル内部にまで引き込んでしまうことで、ニードル内部の液体量が把握できず、毎回の塗布における所定の塗布圧力、塗布時間による塗布ばらつきに加えて、ニードル内部に引き込まれている分の塗布量ばらつきが上乗せされてしまう。特に微少量の塗布の場合には、このニードル内部に引き込まれている液体の量が、塗布量全体における比率が高くなり、ばらつきの大きな要因になる。
【0004】
そこで、塗布工程における前記塗布圧力および塗布時間、並びにニードル内引き込み量のばらつきを抑制する方法として、例えば特許文献1に記載の液体塗布方法およびその装置が知られている(図11(a)〜(d),図12参照)。この特許文献1においては、ニードル先端にあらかじめ所定の量の液体を半球状に供給し、半球状の液体の投影図から供給量を判断し、半球状液体の増減の制御を行うことで供給量を安定させ、そのまま塗布位置に移動して被塗布物に液体を塗布する構成をとっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第2996235号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記特許文献1の構成では、あらかじめ塗布する液体量全体をニードル先端に供給するために、供給量が多くなった場合には図13(a)〜(c)に示すようにニードル外壁への液体の這い上がりが起きる可能性があり、また、ニードル先端に必要量の液体を供給した後、塗布位置までニードルを移動させる構成のために、その際に空圧配管の内部圧力の変動、または時間的な経過による供給量の変動があり、結果、塗布量にばらつきを生じてしまうという課題があった。
【0007】
本発明はこのような点に鑑み、微少量の液体でも安定して塗布可能な液体塗布方法および装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載した液体塗布方法は、液体を塗布するニードル先端と液体が塗布される被塗布物との間で、塗布する液体の量に応じた所望の間隔となる位置にニードル先端を移動して、ニードル先端から予備塗布条件の供給制御によって液体を突出させ、突出した液体の量を確認した後に、被塗布物に対して本塗布条件の供給制御により液体を塗布することを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に記載した発明は、請求項1の液体塗布方法において、ニードル先端と被塗布物との間隔をニードル先端と被塗布物の側面を同時に撮像する撮像手段により画像を取り込み、取り込んだ画像の画像処理を行うことで確認することを特徴とする。
【0010】
また、請求項3に記載した発明は、請求項2の液体塗布方法において、ニードル先端と被塗布物を撮像する撮像手段を斜め上方からニードル先端と被塗布物の側面を撮像する位置に配置することを特徴とする。
【0011】
また、請求項4に記載した発明は、請求項1〜3の液体塗布方法において、ニードル先端から予備塗布条件により突出する液体の量は、ニードル先端付近の外壁面と突出する液体との接触角が液体の外壁面への這い上がり開始角度に達しない液体の量を上限とすることを特徴とする。
【0012】
また、請求項5に記載した発明は、請求項1〜4の液体塗布方法において、ニードル先端から予備塗布条件により突出する液体の量の制御は、突出した液体の量を確認して、所定の量に達していない場合はニードル先端が配置されたシリンジ内に正圧を加え、所定の量を超過している場合はシリンジ内を負圧として突出の量を制御することを特徴とする。
【0013】
また、請求項6に記載した発明は、請求項1〜5の液体塗布方法において、突出した液体の量を確認した後の被塗布物に対して本塗布条件で液体を供給する際に、ニードル先端付近の外壁面と供給する液体との接触角を確認して、接触角が液体の外壁面への這い上がり開始角度に達する以前に、ニードル先端と被塗布物との間隔を広げる方向にニードル先端を移動させることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の請求項7に記載した液体塗布装置は、液体を貯留するシリンジと、シリンジの先端に配置され、先端から被塗布物に対して液体を塗布するニードルと、ニードル先端から突出させる液体および被塗布物に塗布する液体の所定の量を供給制御する制御手段と、ニードル先端と被塗布物との間隔を制御する手段と、ニードル先端と被塗布物との間隔およびニードル先端の状態を撮像する撮像手段とを備えたことを特徴とする。
【0015】
また、請求項8に記載した発明は、請求項7の液体塗布装置において、ニードル先端から供給される液体とニードル先端付近の外壁面との接触角を撮像画像で確認して、接触角が液体の外壁面への這い上がり開始角度に達した場合に、ニードル先端と被塗布物との間隔を制御する手段を備えたことを特徴とする。
【0016】
前記構成によれば、塗布位置に移動したニードル先端から液体を突出させ、突出した量を確認した後に塗布することで、微少量の液体を安定して供給することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、微少量の液体を塗布する場合においても、ばらつきの少ない安定した塗布が可能となり、また、ニードル先端径に対して比較的多量の液体を塗布する際にも、ニードル外壁面への液体の這い上がりを抑制することで安定した塗布ができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の1実施の形態における液体塗布方法(a)〜(e)を示す図
【図2】本実施の形態における塗布動作(a)〜(d)のニードル内部の状況を示す断面図
【図3】本実施の形態における液体塗布装置の概略構成を示すブロック図
【図4】本実施の形態における塗布工程の認識画像を示す図
【図5】本実施の形態における認識対象の(a)は水平面、(b)は水平面よりやや斜め上方からの視野図
【図6】本実施の形態における本塗布動作(a)〜(c)の液体の状態を示す図
【図7】塗布動作(a)〜(f)の液体の這い上がり現象を示す図
【図8】本実施の形態における接触角の認識画面を示す図
【図9】本実施の形態における本塗布動作(a)〜(e)の接触角の閾値制御を示す図
【図10】ニードルの先端部分(a),(b)を示す図
【図11】従来の液体塗布方法(a)〜(d)を示す図
【図12】従来の液体塗布装置を示すブロック図
【図13】従来の塗布動作(a)〜(c)の液体の這い上がり現象を示す図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明における実施の形態を詳細に説明する。
【0020】
図1は本発明の1実施の形態における液体塗布方法(a)〜(e)を示す図である。まず、図1(a)に示すニードルクリーナー2のような、吸引する空気の流れによりニードル1先端と付近のニードル外壁面3における付着物を掻き取り、または手拭作業によりニードル1先端周辺の残留液体のふき取りを行う。ニードル1先端に液滴、または何らかの異物が付着、残留していると、その箇所を起点として、後述する液体の這い上がり現象がニードル外壁面3に発生する可能性がある。そのため、ニードル1先端に付着している残留液体、異物等が除去されたことを確認した後に、図1(b)のように被塗布物4の配置された塗布位置までニードル1を移動する。さらには、ニードル1先端と被塗布物4の塗布面との塗布間隔5を認識画面にて確認する。
【0021】
所定の塗布間隔5であることを確認し、もし塗布間隔5にズレがあればニードル1の位置補正を行って、再度塗布間隔5を確認する。この際のニードル1と被塗布物4との塗布間隔5は、本塗布によりニードル1先端から吐き出す液体7の量によって、吐き出され半球状となった液体7が確実に被塗布物4に接触する高さより近接した位置になるように設定しておく必要がある。
【0022】
前述したニードルクリーニング工程におけるニードル1先端の付着物の掻き取り、および手拭作業によるふき取りに、加えて、液体の垂れを防止するためシリンジ内部への負圧付与によってニードル1内部に液体が引き込まれている可能性がある。このニードル1内部に残留する液体の量は、塗布の度に同等かどうかが不明である。そのため、塗布量の安定化を図るためにはニードル1先端状態を塗布の度に安定させる必要がある。ここで、ニードル1先端状態とはニードル外壁面3の残留付着物、または異物の有無と、ニードル1内部に残留する液体の量のことである。ニードル外壁面3の残留付着物および異物については外部からの観察系により確認は容易であるが、ニードル1内部に残留する液体の量は、特に負圧等によって引き込まれている場合には確認することができない。
【0023】
そこで、本実施の形態においては安定した塗布を行うため塗布実施前の予備突出を行う。まず、ニードル1先端の状態を確認し、ニードル1先端およびニードル外壁面3に液体等の付着物がないことを確認する。その後、図1(c)に示すように、ディスペンサコントローラ(図示せず)の予備塗布の設定値にて液体の予備突出を行う。ここで、予備突出液体6の突出量を認識画像で確認し、所定の突出量に達していなければ再度予備突出を行って、予備突出液体6の量を再度確認する。この動作を所定の予備突出量に達するまで繰り返す。なお、予備突出量の設定値の下限は認識画像で突出高さを確認できる範囲であれば好適であり、上限はニードル外壁面3への這い上がりが発生しない程度、または液滴が自重によって自然落下しない程度の量に設定する必要がある。
【0024】
予備塗布による予備突出液体6の量が所定の量に達した後、ディスペンサコントローラにあらかじめ登録してある本塗布条件で液体7の供給を行い、被塗布物4に液体7を塗布する。塗布の開始から塗布された液体7が被塗布物4に対して濡れ広がり、その濡れ広がりが安定するまでの時間以上、ニードル1の位置を保持する(図1(d)の状態)。その後、図1(e)に示すようにニードル1を上昇させ、ニードル1と塗布した液体7とを切り分ける。これにより塗布動作が完了する。
【0025】
図2(a)〜(d)は塗布動作時のニードル内部の状況を詳細に説明する断面図である。図2(a)に示すように、ニードル1内部に液体7が引き込まれた状態は、外部からの観察系ではどの程度の量が引き込まれているかは確認することはできない。そのため、ディスペンサコントローラ(図示せず)の予備突出設定値(圧力、時間)をシリンジ内部の液体に付与し、ニードル1先端から予備突出を行って、ニードル1先端から液体7を突出させる。この予備突出液体6を外部から撮像手段の認識カメラ(図示せず)で撮像することにより認識する(図2(b)参照)。その後、ディスペンサコントローラの本塗布条件にて塗布動作を行い(図2(c)参照)、被塗布物4に対する濡れ広がり時間を保持した後にニードル1を上昇させる(図2(d)参照)。
【0026】
図3は本実施の形態における液体塗布装置の概略構成を示すブロック図である。図3に示すように、被塗布物4を載置する塗布ステージ8と、その上面に配置された液体を塗布するニードル1、ニードル1を配したシリンジ9の上下動作を可能とする上下可動ユニット10と、塗布開始前のニードル1先端状態、塗布工程の状態観察、および被塗布物4に塗布された液体の形状観察を行う認識カメラ11と、認識カメラ11による撮影画像を取り込み、画像解析を行う画像認識部12、認識結果によってディスペンサコントローラ13の動作とニードル1の上下動作を制御する動作制御部14、ニードル1先端および被塗布物4等の認識画像の箇所を背面から照射する照明部15からなる。
【0027】
また、図4には塗布工程の認識画像を表し、先端部分のクリーニングが完了したニードル1が塗布位置に移動した状態を示す。まず、図4に示すように、被塗布物上面高さ17とニードル先端高さ16を認識し、両者の塗布間隔を認識する。この認識結果が所定の塗布間隔と異なっている場合、ニードル1を上下可動ユニット10により制御して所定の間隔に調整する。
【0028】
その後、予備塗布によってニードル1先端から突出した予備突出液体高さ18を認識画像で確認し、ニードル1先端から液体7の突出量を読み取る。この突出量の認識結果によって、ディスペンサコントローラ13の制御を行う。突出量が所定の量より多い場合はシリンジ内部を負圧にして制御し、所定の量より少ない場合はさらに予備塗布動作を行う。予備突出量が所定の量に到達したことを確認した後に、本塗布条件でディスペンサコントローラ13を制御、動作させる。
【0029】
図5(a),(b)はニードル先端および被塗布物、塗布した液体の形状確認を説明する視野図である。画像認識を行う際、図3に示す認識カメラ11を被塗布物4の塗布面と同一平面上に配置した場合(図5(a)参照)、認識カメラ11の焦点距離にもよるが、高倍率のレンズを使用した際に被塗布物端面19がぼやけて写りこむために、塗布された液滴の塗布液体端面20の状態認識が困難になる。
【0030】
図5(b)に示すように、認識カメラ11を水平面よりやや斜め上方から観察することで、被塗布物端面19の影響を受けずに塗布液体端面20の形状を明確に撮像および認識可能となる。一方、ニードル1先端側はニードル撮像端面21と液体7の突出部分の液体頭頂部22との焦点を確認すれば突出高さ認識は可能であるため、水平方向でも斜め方向からでも特に問題はない。そのため、本実施の形態で用いる認識カメラ11は、被塗布物4の塗布水平面よりやや斜め上方から塗布部分およびニードル1先端を認識する観察光軸を採用する。これにより、一視野の撮像範囲において焦点距離のみ調整、変更することで、ニードル1先端状態認識、予備突出液体6高さ認識、また、被塗布物4に対する塗布液滴の塗布状態観察までを行うことが可能となる。
【0031】
次に、図6(a)〜(c)は本実施の形態における本塗布動作を示す図である。図6(a)に示す所定の位置で予備塗布の動作によりニードル1先端に所定量の予備突出液体6を構成する。その後、図3のディスペンサコントローラ13において、本塗布の動作を行う。本塗布によりニードル1先端に供給された液体7が突出部分を構成する液体7とともに半球状となり被塗布物4に対し接触する。接触後に液体は被塗布物4に対して濡れ広がって行くために、ニードル外壁面3との接触角が、這い上がりの閾値を超える可能性が低く、這い上がりのない安定した塗布が可能となる。
【0032】
ただし、ディスペンサコントローラ13の設定によっては、ニードル1から吐き出される液体7の速度に対する濡れ広がりの速度、または被塗布物4表面の接着剤に対する濡れ広がり性の度合いによっては、ニードル外壁面3と液体7との接触角が徐々に小さくなり、閾値を超えた段階でそこを起点として液体7はニードル外壁面3に這い上がりを開始する可能性もある。
【0033】
図7(a)〜(f)を用いて、前述した這い上がり現象を説明する。図7(a)〜(c)においては、ニードル1先端に予備突出液体6の構成を行った後に本塗布動作に移行し、被塗布物4に対して液体7が濡れ広がって行く過程を示す。
【0034】
ここで、図7(d)に示すようにニードル1先端からの液体7の供給が、被塗布物4上の接着剤の塗れ広がりを上回ってしまうと、接触角が徐々に小さくなって行き、接触角が這い上がりの閾値を超えてしまった場合、図7(e)のようにニードル外壁面3への液体7の這い上がりが開始される。この現象は、ニードル1と被塗布物4との塗布間隔5が塗布量に対して狭い場合にも発生する。
【0035】
この這い上がり現象により、図7(f)のように本塗布後の所定の安定時間が経過した後、ニードル1を上昇させてニードル1と液体7を切り分けた際に、ニードル外壁面3に這い上がった液体7’も同時に上昇し、被塗布物4に供給しないで持ち帰ってしまう。この這い上がり量を制御することは非常に困難で、これにより結果的に被塗布物4に対する塗布量が不安定になり、塗布量ばらつきの大きな要因となる。
【0036】
そのため、図8に示すように、ニードル外壁面3とニードル1先端から供給されている液体7との接触角をリアルタイムに認識画像で確認する。また、図9(a)〜(e)を用いて、前述した接触角の閾値制御を説明する。図9(a)〜(c)においては、ニードル1先端に予備突出液体6の構成を行った後に本塗布動作に移行し、被塗布物4に対して液体7が濡れ広がって行く過程を示す。そして、図9(d)に示すようにニードル1先端からの液体7の供給が、被塗布物4上の接着剤の塗れ広がりを上回ってしまうと接触角が徐々に小さくなって行く。この状態を図8に示す認識画像によって、這い上がりが開始される可能性のある接触角の閾値に至る前に、図9(e)のようにニードル1を適宜上昇させる。つまり、被塗布物4とニードル1先端との塗布間隔5を増大させ、接触角の這い上がり開始の閾値を超えないように、被塗布物4に対するニードル1先端の塗布間隔制御を行う。
【0037】
これにより、ニードル外壁面3への液体7の這い上がりの起点を作ることを避けることが可能となり、液体7のニードル外壁面3への這い上がりを防止し、塗れ広がり安定時間経過後にニードル1を上昇させて、ニードル1と液体7の切り分けを行った際に、ニードル1の持ち帰り量はニードル1先端面に付着した分量だけとなり、ばらつきの少ない安定した塗布量が得られる。
【0038】
なお、前述の持ち帰り量についても図10(b)に示すように、ニードル1先端付近の面積(ニードル外壁面3)を図10(a)に比べてできるだけ小さくすることにより、ニードル1先端への付着で持ち帰ってしまう液体の量をも減らすことができる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明の液体塗布方法および装置は、一般的な空圧式ディスペンサにおいても超微量の液体塗布が可能となるため、安価なシステムで多種多様な液体塗布に適用できる。
【符号の説明】
【0040】
1 ニードル
2 ニードルクリーナー
3 ニードル外壁面
4 被塗布物
5 塗布間隔
6 予備突出液体
7 液体
8 塗布ステージ
9 シリンジ
10 上下可動ユニット
11 認識カメラ
12 画像認識部
13 ディスペンサコントローラ
14 動作制御部
15 照明部
16 ニードル先端高さ
17 被塗布物上面
18 予備突出液体高さ
19 被塗布物端面
20 塗布液体端面
21 ニードル撮像端面
22 液体頭頂部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を塗布するニードル先端と液体が塗布される被塗布物との間で、塗布する液体の量に応じた所望の間隔となる位置に前記ニードル先端を移動して、前記ニードル先端から予備塗布条件の供給制御によって液体を突出させ、前記突出した液体の量を確認した後に、前記被塗布物に対して本塗布条件の供給制御により液体を塗布することを特徴とする液体塗布方法。
【請求項2】
前記ニードル先端と前記被塗布物との間隔を前記ニードル先端と前記被塗布物の側面を同時に撮像する撮像手段により画像を取り込み、前記取り込んだ画像の画像処理を行うことで確認することを特徴とする請求項1記載の液体塗布方法。
【請求項3】
前記ニードル先端と前記被塗布物を撮像する撮像手段を斜め上方から前記ニードル先端と前記被塗布物の側面を撮像する位置に配置することを特徴とする請求項2記載の液体塗布方法。
【請求項4】
前記ニードル先端から予備塗布条件により突出する液体の量は、前記ニードル先端付近の外壁面と前記突出する液体との接触角が前記液体の外壁面への這い上がり開始角度に達しない液体の量を上限とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の液体塗布方法。
【請求項5】
前記ニードル先端から予備塗布条件により突出する液体の量の制御は、前記突出した液体の量を確認して、所定の量に達していない場合は前記ニードル先端が配置されたシリンジ内に正圧を加え、所定の量を超過している場合は前記シリンジ内を負圧として突出の量を制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の液体塗布方法。
【請求項6】
前記突出した液体の量を確認した後の被塗布物に対して本塗布条件で液体を供給する際に、ニードル先端付近の外壁面と前記供給する液体との接触角を確認して、前記接触角が前記液体の外壁面への這い上がり開始角度に達する以前に、前記ニードル先端と前記被塗布物との間隔を広げる方向に前記ニードル先端を移動させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の液体塗布方法。
【請求項7】
液体を貯留するシリンジと、前記シリンジの先端に配置され、先端から被塗布物に対して前記液体を塗布するニードルと、前記ニードル先端から突出させる液体および前記被塗布物に塗布する液体の所定の量を供給制御する制御手段と、前記ニードル先端と前記被塗布物との間隔を制御する手段と、前記ニードル先端と前記被塗布物との間隔および前記ニードル先端の状態を撮像する撮像手段とを備えたことを特徴とする液体塗布装置。
【請求項8】
前記ニードル先端から供給される液体と前記ニードル先端付近の外壁面との接触角を撮像画像で確認して、前記接触角が前記液体の外壁面への這い上がり開始角度に達した場合に、前記ニードル先端と前記被塗布物との間隔を制御する手段を備えたことを特徴とする請求項7記載の液体塗布装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−264380(P2010−264380A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−117577(P2009−117577)
【出願日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】