説明

液体散布装置及び液体散布方法

【課題】 目標散布量を確実に実現し得るとともに、散布についての各種データの中でも利用価値の高い実散布幅を常時表示する場合等にも有用な液体散布装置を提供する。
【解決手段】 散布幅Wと移動速度Vのいずれが変化しても単位面積当たりの目標散布量q通りの散布が可能とされている液体散布装置1であって、第一のセンサとしての流量センサ11と、散布幅Wを知るために必要な要素を検知する第二のセンサ12と、移動速度センサ13と、これらのセンサ11,12,13の検知結果に基づく散布幅Wと移動速度Vと前記目標散布量qとの乗算により該目標散布量qを実現するのに必要な単位時間当たりの液体流量Qを演算するとともに該液体流量Qが実現されるように制御する制御装置14と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、散布幅と移動速度のいずれが変化しても単位面積当たりの目標散布量通りの散布が可能とされている液体散布装置に関するものである。本発明はまた、散布幅と移動速度のいずれが変化しても単位面積当たりの目標散布量通りの散布が可能とされる液体散布方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、前記の如き液体散布装置の一例としての農用ブームスプレーヤは、その進行方向左右外方へブームを展張して、進行しながら、該ブームの長さ方向に沿って所定間隔をおいて配設された多数の散布ノズルから、地面の作物へ向けて、防除剤や肥料等の散布液の広幅散布を行う。
【0003】
前記の如きブームスプレーヤにおいては、圃場の外周形状等に応じて散布幅を変更できることが望ましい。
【0004】
このため、前記ブームとして、いわゆるスライドブームと呼ばれる伸縮式のブームを採用したり、あるいは、その長さ方向の途中の一又は二箇所で折り畳むことができる折り畳み式のブームを採用したりしている。そして、前記伸縮式ブームの場合には、複数に分割されたブームの相対収縮によりそれぞれのブームに配設されたノズルの位置が互いに重なり合っても、散布は重なり合わないように、前記各ノズルにコックを付設し、これらのコックが前記ブームの伸縮に連動して自動的に開いたり閉じたりするようになっている。同様に、前記折り畳み式ブームの場合には、散布を止めて折り畳まれる等したブームのノズル群への前記散布液の供給を制御するためのコックが設けられている。
【0005】
しかし、前記伸縮式ブームにおいても、前記折り畳み式ブームにおいても、その伸縮や折り畳み等によって、実際に前記散布液を吐出するノズルの数が変化するので、何らの措置も講じないと、散布幅の変更によって、個々のノズルからの液体吐出量が変化してしまい、地面に対する単位面積当たりの散布量が不均一となってしまう。
【0006】
そこで、実際に散布液を吐出しているノズルの数と移動速度のいずれが変化しても単位面積当たりの目標散布量通りの散布を可能にせしめた散布装置として、例えば、下記特許文献に記載のものが提案されている。
【特許文献1】特許第3445090号公報
【特許文献2】特開平1−130753号公報
【特許文献3】特開2002−1180号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記いずれの提案においても、目標散布量を実現するための演算過程に、速度、圧力、流量、ノズル口径のデータを利用するものであり、実作業上重要な要素である散布幅が考慮されておらず、制御精度、使い勝手等に不都合があった。
【0008】
本発明は、前記の如き事情に鑑みてなされたもので、目標散布量を確実に実現し得るとともに、散布についての各種データの中でも有用な散布幅データが利用できる、液体散布装置及び液体散布方法を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、本発明に係る液体散布装置は、散布幅と移動速度のいずれが変化しても単位面積当たりの目標散布量通りの散布が可能とされている液体散布装置であって、第一のセンサとしての流量センサと、散布幅を知るために必要な要素を検知する第二のセンサと、液体散布装置移動速度センサと、これらのセンサの検知結果に基づく散布幅と移動速度と前記目標散布量との乗算により該目標散布量を実現するのに必要な単位時間当たりの液体流量を演算するとともに該液体流量が実現されるように制御する制御装置と、を備えたものである(請求項1)。
【0010】
前記液体散布装置においては、前記第二のセンサの検知結果に基づいて、前記制御装置において、前記散布幅が確定される。そして、該確定された散布幅と前記移動速度センサの検知結果としての移動速度と前記単位面積当たりの目標散布量との乗算により、前記制御装置において、前記目標散布量を実現するのに必要な単位時間当たりの液体流量が演算され、その演算結果が実現されるように制御される。その結果、散布幅と移動速度のいずれが変化しても、目標散布量通りの散布が可能となる。本発明においては、前記制御装置において、散布幅の確定が可能であるので、均一散布が確実に行えるとともに、散布データの中でも有用な実散布幅や実反当散布量の常時表示等にも適する等の利点がある。
【0011】
本発明において、次のような実施の形態とすることもできる。
【0012】
前記第二のセンサとしては、前記散布幅を直接検知し得るセンサを使用することもできるし(請求項2)、実際に散布液を散布するノズルの数を検知する稼働ノズル数センサを用いることもできる(請求項3)。後者の場合には、前記制御装置において、前記稼働ノズル数センサで検知された稼働ノズル数に、ノズル間距離を乗算することで、前記散布幅を算出することができる。
【0013】
また、前記第二のセンサとして、前記流量センサから得られる情報との組み合わせにより前記制御装置において前記散布幅を演算可能な情報を提供するセンサを用いることもできる(請求項4)。この場合、前記第二のセンサとして、散布圧力センサを用いることもできる(請求項5)。
【0014】
さらにまた、前記第一のセンサとして、実際に散布される散布液の流量を検知する散布流量センサと、前記散布液を散布する個々のノズルからの液体吐出量に対して常に一定比率量の前記液体の流通を許容する分流管路の液体流量を検知する分流量センサと、のいずれか一方を用い、前記第二のセンサとして、前記散布流量センサと前記分流量センサのいずれか他方を用いたものとすることもできる(請求項6)。
【0015】
一方、本発明に係る液体散布方法は、散布幅と移動速度のいずれが変化しても単位面積当たりの目標散布量通りの散布が可能とされる液体散布方法であって、散布幅と移動速度と前記目標散布量との乗算により該目標散布量を実現するのに必要な単位時間当たりの液体流量を演算するとともに該演算結果にしたがって散布液を散布するものである(請求項7)。
【0016】
好適な実施の一形態として、流量センサを含む複数のセンサから得られる情報の組み合わせにより、前記制御装置において前記散布幅が算出されるものとすることもできる(請求項8)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施の形態に係る液体散布装置の、制御回路を含む配管図、図2は、他の実施の形態に係る液体散布装置の、制御回路を含む配管図、図3は、さらに他の実施の形態に係る液体散布装置の、制御回路を含む配管図である。これらいずれの実施の形態においても、前記液体散布装置は、図示しない農用トラクタ等の走行機体に搭載されて、圃場内を走行しながら防除液や液肥等を散布する農用ブームスプレーヤであり、中でも特に、いわゆるスライドブームと呼ばれる伸縮式ブームを備えたブームスプレーヤについて、本発明を適用した例である。しかし、これには限定されず、折り畳み式ブームを有する、いわゆる条止め式散布装置についても適用できることは言うまでもない。
【0019】
図1の液体散布装置であるブームスプレーヤ1において、高圧プランジャ式等の液体圧送用のポンプ2は、その吸入口3が、散布液Lを貯留するタンク4に連通されるとともに、その吐出口5が、吐出管路6を介して、液体分配筐7に連通されている。該液体分配筐7からは、ブームの分割数に対応した複数本(本実施の形態では二本)のホース等よりなる送液管路8,8が延び出していて、該二本の送液管路8,8は、それぞれ、その長さ方向に沿って多数の散布ノズルnを有するノズル管9,9へと連通している。該各ノズル管9,9は、その長さ方向に沿ってそれ自体周知の構成により相対伸縮自在に結合せしめられた一対のブーム10,10’のそれぞれの下面に沿って取着されている。
【0020】
前記各散布ノズルnは、互いに同一使用のものであり、いずれの散布ノズルnからも、互いに同一量の散布液Lが吐出されるようになっている。すなわち、前記各散布ノズルnは、その噴口の形状および大きさ(吐出孔径)が互いに同一で、その内部に挿入された中子等の噴霧形態制御部材も、互いに同一のものとされている。
【0021】
前記ブームスプレーヤ1によれば、前記一対のブーム10,10’を、前記走行機体の進行方向に対して左右方向外方へ向けて長く伸ばして、圃場内を走行しながら、前記多数の散布ノズルnによって広幅の液体散布を行うことができる。しかも、必要に応じて前記一対のブーム10,10’を伸縮操作してブーム全長(散布幅W)を変更することにより、圃場の外周形状変化等に適宜に対応しながら散布を行うことができる。
【0022】
前記ブームスプレーヤ1においては、例えば、前記一対のブーム10,10’の内の一方の固定ブーム10側の前記各散布ノズルnに図示しないコックをそれぞれ付設し、これらのコックが、前記他方の移動ブーム10’の相対伸縮に応じて自動的に開閉操作されるようにせしめて、前記移動ブーム10’の収縮により前記散布ノズルnの位置が前記両ブーム10,10’で重なり合っても、液体吐出は重なり合わないようにされている。すなわち、本実施の形態では、前記一対のブーム10,10’が相対伸縮することによって、実際に前記散布液Lを吐出する散布ノズル(稼働ノズル)nの数Kが変化し、散布幅Wが変化することになる。
【0023】
前記ブームスプレーヤ1においては、前記散布幅Wと移動速度Vのいずれが変化しても、単位面積当たりの目標散布量q通りの散布が可能とされている。すなわち、前記ブームスプレーヤ1は、第一のセンサとしての流量センサ11と、散布幅W(前記ブーム10,10’全体としての伸長幅)を知るために必要な要素を検知する第二のセンサ12と、液体散布装置移動速度センサ13と、これらのセンサ11,12,13の検知結果に基づく散布幅Wと移動速度Vと前記目標散布量qとの乗算により該目標散布量qを実現するのに必要な単位時間当たりの液体流量Qを演算するとともに該演算結果が実現されるように前記散布液Lの散布を制御する制御装置14と、を備えている。
【0024】
本実施の形態では、前記流量センサ11は、散布流量センサとして、前記吐出管路6に介装されている。前記散布流量センサ11は、前記ポンプ2により前記液体分配筐7へと所定圧力値で圧送される散布液Lの流量、すなわち、前記稼働ノズルnから実際に散布される散布液Lの流量を検知する。
【0025】
前記第二のセンサ12は、それ自体が、例えば、前記移動ブーム10’の伸び出し量を計測して散布幅Wを直接検知するものであっても良いし、前記散布流量センサ11から得られる情報との組み合わせにより、前記制御装置14を構成するマイクロコンピュータを含む演算部14aにおいて前記散布幅Wを演算可能な情報を提供する、適宜の他のセンサであっても良い。本実施の形態では、前記散布幅Wを直接検知可能なセンサ(散布幅検出手段)として、ブーム長計測用距離センサ12aを用いている。該距離センサ12aとしては、ビームセンサ又はバーコードセンサ等、それ自体周知の適宜の他の構成のものを使用することができる。
【0026】
前記移動速度センサ13は、液体散布装置(ブームスプレーヤ1)を構成する前記散布ノズルnの地面に対する移動速度(前記走行機体の走行速度)を検知するセンサである。前記移動速度センサ13は、前記走行機体の車軸の回転速度を検知するものでも良いし、該車軸の回転速度と比例関係にある、他の回転要素の速度を検知するものであっても良い。
【0027】
また、前記ブームスプレーヤ1は、前記吐出管路6における前記散布流量センサ11の上流側に、前記タンク4へと連通する余水管路15を備えていて、該余水管路15には、前記制御装置14を構成する自動調節手段として、電動式等の調量弁14bが介装されている。該調量弁14bの調量値は、前記制御装置14を構成するマイクロコンピュータによって自動制御される。
【0028】
前記構成において、前記散布流量センサ11、前記ブーム長計測用距離センサ12a及び前記移動速度センサ13からの信号は、前記制御装置14の前記演算部14aへと送られる。該演算部14aでは、前記各センサ11,12a,13からの情報信号に基づいて、前記目標散布量qを実現するのに必要な単位時間当たりの液体流量Qが、次の計算式を利用して、連続的に演算される。
【0029】
計算式:単位面積当たりの目標散布量を実現するのに必要な単位時間当たりの液体流量Q(L/min)=散布幅W(m)×単位面積当たりの目標散布量q(L/10a)×移動速度V(km/h)×1/60
そして、前記制御装置14のマイクロコンピュータは、前記演算結果に基づき目標散布量が実現されるように、例えば、前記調量弁14bの調量値を連続的に自動制御する。その結果、前記余水管路15を介して前記ポンプ2から前記タンク4へと戻される余水の量が変化するので、前記液体分配筐7へと送られる散布液Lの流量、すなわち、前記各稼働ノズルnからの実散布量も、自動的に調節される。よって、前記散布幅Wと移動速度Vのいずれが変化しても、単位面積当たりの目標散布量q通りの散布が可能となる。前記吐出管路6における散布液流量は、前記制御装置14へと連続的に出力されているので、計算通りの均一量散布が行われているか否かが、常に前記制御装置14でチェックされ、信頼性が向上する。
【0030】
ところで、前記計算式を利用する場合、前記単位面積当たりの目標散布量qは、散布される薬液の種類や、栽培作物の種類等に応じて予め設定され、前記移動速度Vは、前記移動速度センサ13からの情報によって具体的な数値が定まるので、あとは、前記散布幅Wの具体的な数値が確定されれば良い。既に説明した図1に示す実施の形態は、前記散布幅Wをブームの長さとして直接検知する距離センサ12aを、前記第二のセンサ12として用いた例であるが、前記散布幅Wは、互いに一定の相関関係を有する二以上の要素の組み合わせ演算により算出することも可能である。
【0031】
例えば、図1において、前記ブーム長計測用距離センサ12aに代えて、実際に前記散布液Lを吐出する液体吐出ノズル(稼働ノズル)nの数Kを検知する稼働ノズル数センサ12bを、前記第二のセンサ12として設けたものとすることもできる。散布幅検出手段としての前記稼働ノズル数センサ12bとしては、前記各散布ノズルnの前記各コックからその開閉信号を得て、その個数Kを計数するノズルカウンタや、相対伸縮する前記ブーム10,10’において、前記各散布ノズルnが所定のコック開閉位置を通過したか否かをそれぞれ検知するリミットスイッチ等を含むものを採用することができる。
【0032】
この場合には、前記制御装置14の前記演算部14aにおいて、前記ノズル数センサ12bから得られた稼働ノズル数Kと、予め入力されたノズル間距離と、の乗算により、散布幅Wを演算することができる。散布幅Wが算出されれば、前記演算部14aで前記計算式により、単位面積当たりの目標散布量qを実現するのに必要な単位時間当たりの液体流量Qが演算可能であるので、この液体流量Qが実現されるように、前記制御装置14において前記調量弁14bの調量値を自動制御すればよい。
【0033】
さらに他の実施の形態として、図2に示すように、図1の前記ブーム長計測用距離センサ12aに代えて、前記散布流量センサ11の下流側で前記吐出管路6内の圧力を検知する圧力センサ(散布圧力センサ)12cを、前記第二のセンサ12として用いることもできる。この場合には、前記散布圧力センサ12cと前記散布流量センサ11が、散布幅検出手段としての役割を果たすことになる。
【0034】
例えば、前記稼働ノズルnの数Kの様々な値に対して、前記散布圧力センサ12cで検出される散布圧力と、前記散布流量センサ11で検出される散布流量と、の間には、一定の相関関係(流量値は、圧力値の平方根に比例する。)がある。このため、前記散布流量センサ11で検出される散布流量値と、前記散布圧力センサ12cで検出される散布圧力値と、の組み合わせから、前記制御装置14の前記演算部14aにおいて、稼働ノズルnの個数Kを割り出すことができる。したがって、前記演算部14aでは、得られた稼働ノズル数Kと、予め入力されたノズル間距離と、の乗算により、散布幅Wを演算することができる。散布幅Wが算出されれば、前記演算部14aで前記計算式により、単位面積当たりの目標散布量qを実現するのに必要な単位時間当たりの液体流量Qが演算可能であるので、この液体流量Qが実現されるように、前記制御装置14で自動制御すればよい。
【0035】
さらに他の実施の形態として、図3に示すように、図2の前記散布圧力センサ12cに代えて、個々の前記散布ノズルnからの液体吐出量に対して常に一定比率量の前記散布液Lの流通を許容する分流管路17の液体流量を検知する分流量センサ12dを、前記第二のセンサ12として用いることもできる。本実施の形態では、前記分流管路17は、前記吐出管路6における前記余水管路15との接続部の下流側と、前記散布流量センサ11と、の間から分岐して延び出している。限定はされないが、前記分流管路17は、前記タンク4へと連通せしめて、前記分流管路17から前記タンク4へと戻される分流によって、前記タンク4内の、粉状薬剤を水に溶かして作った前記散布液Lが常時攪拌されるようにせしめると、好適である。
【0036】
図3の実施の形態においては、第一のセンサとしての前記散布流量センサ11と、第二のセンサとしての前記分流量センサ12dとが、散布幅検出手段としての役割を果たすことになる。すなわち、前記構成においては、前記分流管路17が、個々の前記散布ノズルnからの液体吐出量に対して常に一定比率量の前記散布液Lの流通を許容するものとなっているので、前記散布流量センサ11で検出される散布流量値(各稼働ノズルnからの噴霧量の合計値)と、前記分流量センサ12dで検出される分流量値と、の比率と、稼働ノズルnの個数と、の間に、一定の相関関係が存在する。このため、前記散布流量センサ11で検出される散布流量値と、前記分流量センサ12dで検出される分流量値と、の組み合わせから、前記制御装置14の前記演算部14aにおいて、稼働ノズルnの個数Kを割り出すことができる。したがって、前記演算部14aでは、得られた稼働ノズル数Kと、予め入力されたノズル間距離と、の乗算により、散布幅Wを演算することができる。散布幅Wが算出されれば、前記演算部14aで前記計算式により、単位面積当たりの目標散布量qを実現するのに必要な単位時間当たりの液体流量Qが演算可能であるので、この液体流量Qが実現されるように、前記制御装置14において前記調量弁14bの調量値を自動制御すればよい。
【0037】
なお、図3の実施の形態の場合には、前記分流量センサ12dを前記第一のセンサとしてとらえ、前記散布流量センサ11を、前記第二のセンサとしてとらえることもできる。
【0038】
また、さらに他の実施の形態として、折り畳み式ブームを有する、いわゆる条止め式散布装置の場合には、散布幅Wを知るために必要な要素を検知する第二のセンサ12として、ブームの折り畳み作動を検知するリミットスイッチや、折り畳まれたブームのノズル管へつながる送液管路を開閉するための散布コックの開閉を検知するセンサ等を使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施の形態に係る液体散布装置の、制御回路を含む配管図である。
【図2】他の実施の形態に係る液体散布装置の、制御回路を含む配管図である。
【図3】さらに他の実施の形態に係る液体散布装置の、制御回路を含む配管図である。
【符号の説明】
【0040】
1 液体散布装置(ブームスプレーヤ)
11 第一のセンサ[流量センサ(散布流量センサ、分流量センサ)]
12 第二のセンサ
12a 第二のセンサ(ブーム長計測用距離センサ)
12b 第二のセンサ(稼働ノズル数センサ)
12c 第二のセンサ(散布圧力センサ)
12d 第二のセンサ(分流量センサ)
13 液体散布装置移動速度センサ
14 制御装置
14a 制御装置(マイクロコンピュータを含む演算部)
14b 制御装置(調量弁)
L 散布液
Q 単位面積当たりの目標散布量を実現するのに必要な単位時間当たりの液体流量
q 単位面積当たりの目標散布量
W 散布幅
V 移動速度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
散布幅(W)と移動速度(V)のいずれが変化しても単位面積当たりの目標散布量(q)通りの散布が可能とされている液体散布装置(1)であって、第一のセンサとしての流量センサ(11)と、散布幅(W)を知るために必要な要素を検知する第二のセンサ(12)と、液体散布装置移動速度センサ(13)と、これらのセンサ(11,12,13)の検知結果に基づく散布幅(W)と移動速度(V)と目標散布量(q)との乗算により該目標散布量(q)を実現するのに必要な単位時間当たりの液体流量(Q)を演算するとともに該液体流量(Q)が実現されるように制御する制御装置(14:14a,14b)と、を備えている、液体散布装置。
【請求項2】
前記第二のセンサとして、前記散布幅(W)を直接検知し得るセンサ(12a)が用いられている、請求項1に記載の液体散布装置。
【請求項3】
前記第二のセンサとして、実際に散布液(L)を散布するノズル(n)の数(K)を検知する稼働ノズル数センサ(12b)が用いられている、請求項1に記載の液体散布装置。
【請求項4】
前記第二のセンサとして、前記流量センサ(11)から得られる情報との組み合わせにより前記制御装置(14)において前記散布幅(W)を演算可能な情報を提供するセンサ(12c,12d)が用いられている、請求項1に記載の液体散布装置。
【請求項5】
前記第二のセンサとして、散布圧力センサ(12c)が用いられている、請求項4に記載の液体散布装置。
【請求項6】
前記第一のセンサとして、実際に散布される散布液(L)の流量を検知する散布流量センサ(11)と、前記散布液(L)を散布する個々のノズル(n)からの液体吐出量に対して常に一定比率量の前記散布液(L)の流通を許容する分流管路(17)の液体流量を検知する分流量センサ(12d)と、のいずれか一方が用いられ、前記第二のセンサとして、前記散布流量センサ(11)と前記分流量センサ(12d)のいずれか他方が用いられている、請求項4に記載の液体散布装置。
【請求項7】
散布幅(W)と移動速度(V)のいずれが変化しても単位面積当たりの目標散布量(q)通りの散布が可能とされる液体散布方法であって、散布幅(W)と移動速度(V)と前記目標散布量(q)との乗算により該目標散布量(q)を実現するのに必要な単位時間当たりの液体流量(Q)を演算するとともに該演算結果にしたがって散布液(L)を散布する、液体散布方法。
【請求項8】
流量センサ(11,12d)を含む複数のセンサから得られる情報の組み合わせにより、前記制御装置(14)において前記散布幅(W)が算出される、請求項7に記載の液体散布方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2006−230337(P2006−230337A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−52699(P2005−52699)
【出願日】平成17年2月28日(2005.2.28)
【出願人】(000141990)株式会社共立 (110)
【Fターム(参考)】