説明

液晶ポリエステル成形体の製造方法

【課題】液晶ポリエステル組成物を安定に可塑化させて成形できる液晶ポリエステル成形体の製造方法の提供。
【解決手段】フィード部121及びコンプレッション部122がシングルフライト12aで構成されたスクリュー12とポリアミド樹脂を含有する液晶ポリエステル組成物を用いることで、大型成形機で液晶ポリエステル組成物を成形しても、可塑化が安定するため、成形体の形状や寸法のばらつきが抑制される。また、成形機内に組成物が長時間滞留することもないため、分解が抑制されて、ガスの発生も抑制される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶ポリエステル成形体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ポリエステル組成物は、溶融流動性に優れ、構造によっては300℃以上の耐熱変形性を有することから、これまでOA、AV等の電気電子部品を製造するための成形材料として使用されてきたが、近年では自動車や航空機等の大型部品を製造するための成形材料としての検討も進められている。
【0003】
液晶ポリエステル組成物を成形する方法としては、射出成形や押出成形が一般的である。そして、射出成形においては、計量工程にかかる時間(可塑化時間)が一定となるように、また、押出成形においては、吐出量が一定となるように、液晶ポリエステル組成物を安定に可塑化させることが要求される。
【0004】
液晶ポリエステル組成物の押出成形では、プロピレン等の汎用樹脂の押出成形で用いられている一般的なスクリューを用いると、ニーディング部でのせん断速度差や、シリンダー壁から熱が伝わった部分でのみ粘度が下がることによって、シリンダー内の樹脂に大きな粘度差が生じて吐出不良が生じ、可塑化が安定し難いことから、メタリング部とフィード部の溝径等を規定したフルフライトタイプのスクリューを使用する技術が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−162670号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特に大型成形機においては、フルフライトタイプのスクリューを使用して液晶ポリエステル組成物を成形しても、可塑化が安定し難いため、成形体の反りや寸法にばらつきが生じたり、また、可塑化に時間がかかることにより、成形機内に樹脂が長時間滞留するため、ガスが発生したりする等の問題点があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、液晶ポリエステル組成物を安定に可塑化させて成形できる液晶ポリエステル成形体の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、
本発明は、シリンダー、スクリュー及びヒーターを備えた成形機で液晶ポリエステル組成物を成形することにより、液晶ポリエステル成形体を製造する方法であって、前記スクリューのフィード部及びコンプレッション部がシングルフライトで構成されており、前記液晶ポリエステル組成物が、液晶ポリエステル及びポリアミド樹脂を含有することを特徴とする液晶ポリエステル成形体の製造方法を提供する。
本発明の液晶ポリエステル成形体の製造方法においては、前記成形機のスクリューとシリンダーとの間隔が0.1〜0.25mmであることが好ましい。
本発明の液晶ポリエステル成形体の製造方法においては、前記スクリューがフルフライトスクリューであることが好ましい。
本発明の液晶ポリエステル成形体の製造方法においては、前記液晶ポリエステル組成物が、前記ポリアミド樹脂以外の含有成分の総量100質量部に対して、前記ポリアミド樹脂0.005〜1.0質量部を含有することが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、液晶ポリエステル組成物を安定に可塑化させて成形できる液晶ポリエステル成形体の製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明で用いるのに好適な射出成形機を例示する概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の液晶ポリエステル成形体の製造方法は、シリンダー、スクリュー及びヒーターを備えた成形機で液晶ポリエステル組成物を成形することにより、液晶ポリエステル成形体を製造する方法であって、前記スクリューのフィード部及びコンプレッション部がシングルフライトで構成されており、前記液晶ポリエステル組成物が、液晶ポリエステル及びポリアミド樹脂を含有することを特徴とする。
【0011】
液晶ポリエステルは、溶融状態で液晶性を示す液晶ポリエステルであり、450℃以下の温度で溶融するものであることが好ましい。なお、液晶ポリエステルは、液晶ポリエステルアミドであってもよいし、液晶ポリエステルエーテルであってもよいし、液晶ポリエステルカーボネートであってもよいし、液晶ポリエステルイミドであってもよい。液晶ポリエステルは、原料モノマーとして芳香族化合物のみを用いてなる全芳香族液晶ポリエステルであることが好ましい。
【0012】
液晶ポリエステルの典型的な例としては、
(I)芳香族ヒドロキシカルボン酸と、芳香族ジカルボン酸と、芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシアミン及び芳香族ジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物と、を重合(重縮合)させてなるもの、
(II)複数種の芳香族ヒドロキシカルボン酸を重合させてなるもの、
(III)芳香族ジカルボン酸と、芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシアミン及び芳香族ジアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物と、を重合させてなるもの、
(IV)ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルと、芳香族ヒドロキシカルボン酸と、を重合させてなるもの
が挙げられる。ここで、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシアミン及び芳香族ジアミンは、それぞれ独立に、その一部又は全部に代えて、その重合可能な誘導体が用いられてもよい。
【0013】
芳香族ヒドロキシカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸のようなカルボキシル基を有する化合物の重合可能な誘導体の例としては、カルボキシル基をアルコキシカルボニル基又はアリールオキシカルボニル基に変換してなるもの(エステル)、カルボキシル基をハロホルミル基に変換してなるもの(酸ハロゲン化物)、及びカルボキシル基をアシルオキシカルボニル基に変換してなるもの(酸無水物)が挙げられる。
芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジオール及び芳香族ヒドロキシアミンのようなヒドロキシル基を有する化合物の重合可能な誘導体の例としては、ヒドロキシル基をアシル化してアシルオキシル基に変換してなるもの(アシル化物)が挙げられる。
芳香族ヒドロキシアミン及び芳香族ジアミンのようなアミノ基を有する化合物の重合可能な誘導体の例としては、アミノ基をアシル化してアシルアミノ基に変換してなるもの(アシル化物)が挙げられる。
【0014】
液晶ポリエステルは、下記一般式(1)で表される繰返し単位(以下、「繰返し単位(1)」ということがある。)を有することが好ましく、繰返し単位(1)と、下記一般式(2)で表される繰返し単位(以下、「繰返し単位(2)」ということがある。)と、下記一般式(3)で表される繰返し単位(以下、「繰返し単位(3)」ということがある。)とを有することがより好ましい。
【0015】
(1)−O−Ar−CO−
(2)−CO−Ar−CO−
(3)−X−Ar−Y−
(式中、Arは、フェニレン基、ナフチレン基又はビフェニリレン基であり;Ar及びArは、それぞれ独立にフェニレン基、ナフチレン基、ビフェニリレン基又は下記一般式(4)で表される基であり;X及びYは、それぞれ独立に酸素原子又はイミノ基であり;前記Ar、Ar及びAr中の一つ以上の水素原子は、それぞれ独立にハロゲン原子、アルキル基又はアリール基で置換されていてもよい。)
(4)−Ar−Z−Ar
(式中、Ar及びArは、それぞれ独立にフェニレン基又はナフチレン基であり;Zは、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基又はアルキリデン基である。)
【0016】
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
前記アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、n−ノニル基及びn−デシル基が挙げられ、その炭素数は、1〜10であることが好ましい。
前記アリール基の例としては、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、1−ナフチル基及び2−ナフチル基が挙げられ、その炭素数は、6〜20であることが好ましい。
前記水素原子がこれらの基で置換されている場合、その数は、Ar、Ar又はArで表される前記基毎に、それぞれ独立に2個以下であることが好ましく、1個であることがより好ましい。
【0017】
前記アルキリデン基の例としては、メチレン基、エチリデン基、イソプロピリデン基、n−ブチリデン基及び2−エチルヘキシリデン基が挙げられ、その炭素数は1〜10であることが好ましい。
【0018】
繰返し単位(1)は、所定の芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する繰返し単位である。繰返し単位(1)としては、Arがp−フェニレン基であるもの(p−ヒドロキシ安息香酸に由来する繰返し単位)、及びArが2,6−ナフチレン基であるもの(6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸に由来する繰返し単位)が好ましい。
【0019】
繰返し単位(2)は、所定の芳香族ジカルボン酸に由来する繰返し単位である。繰返し単位(2)としては、Arがp−フェニレン基であるもの(テレフタル酸に由来する繰返し単位)、Arがm−フェニレン基であるもの(イソフタル酸に由来する繰返し単位)、Arが2,6−ナフチレン基であるもの(2,6−ナフタレンジカルボン酸に由来する繰返し単位)、及びArがジフェニルエ−テル−4,4’−ジイル基であるもの(ジフェニルエ−テル−4,4’−ジカルボン酸に由来する繰返し単位)が好ましい。
【0020】
繰返し単位(3)は、所定の芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシルアミン又は芳香族ジアミンに由来する繰返し単位である。繰返し単位(3)としては、Arがp−フェニレン基であるもの(ヒドロキノン、p−アミノフェノール又はp−フェニレンジアミンに由来する繰返し単位)、及びArが4,4’−ビフェニリレン基であるもの(4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4−アミノ−4’−ヒドロキシビフェニル又は4,4’−ジアミノビフェニルに由来する繰返し単位)が好ましい。
【0021】
繰返し単位(1)の含有量は、液晶ポリエステルを構成する全繰返し単位の合計量(液晶ポリエステルを構成する各繰返し単位の質量をその各繰返し単位の式量で割ることにより、各繰返し単位の物質量相当量(モル)を求め、それらを合計した値)に対して、好ましくは30モル%以上、より好ましくは30〜80モル%、さらに好ましくは40〜70モル%、特に好ましくは45〜65モル%である。
繰返し単位(2)の含有量は、液晶ポリエステルを構成する全繰返し単位の合計量に対して、好ましくは35モル%以下、より好ましくは10〜35モル%、さらに好ましくは15〜30モル%、特に好ましくは17.5〜27.5モル%である。
繰返し単位(3)の含有量は、液晶ポリエステルを構成する全繰返し単位の合計量に対して、好ましくは35モル%以下、より好ましくは10〜35モル%、さらに好ましくは15〜30モル%、特に好ましくは17.5〜27.5モル%である。
繰返し単位(1)の含有量が多いほど、溶融流動性、耐熱性、強度・剛性が向上し易いが、あまり多いと、溶融温度や溶融粘度が高くなり易く、成形に必要な温度が高くなり易い。
【0022】
繰返し単位(2)の含有量と繰返し単位(3)の含有量との割合は、[繰返し単位(2)の含有量]/[繰返し単位(3)の含有量](モル/モル)で表して、好ましくは0.9/1〜1/0.9、より好ましくは0.95/1〜1/0.95、さらに好ましくは0.98/1〜1/0.98である。
【0023】
なお、液晶ポリエステルは、繰返し単位(1)〜(3)を、それぞれ独立に二種以上有してもよい。また、液晶ポリエステルは、繰返し単位(1)〜(3)以外の繰返し単位を有してもよいが、その含有量は、液晶ポリエステルを構成する全繰返し単位の合計量に対して、好ましくは10モル%以下、より好ましくは5モル%以下である。
【0024】
液晶ポリエステルは、繰返し単位(3)として、X及びYがそれぞれ酸素原子であるものを有すること、すなわち、所定の芳香族ジオールに由来する繰返し単位を有することが好ましく、繰返し単位(3)として、X及びYがそれぞれ酸素原子であるもののみを有することがより好ましい。このようにすることで、液晶ポリエステルは、溶融粘度が低くなり易い。
【0025】
液晶ポリエステルは、これを構成する繰返し単位に対応する原料モノマーを溶融重合させ、得られた重合物(プレポリマー)を固相重合させることにより、製造することが好ましい。これにより、耐熱性や強度・剛性が高い高分子量の液晶ポリエステルを操作性良く製造することができる。溶融重合は、触媒の存在下で行ってもよく、この場合の触媒の例としては、酢酸マグネシウム、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸鉛、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、三酸化アンチモン等の金属化合物や、4−(ジメチルアミノ)ピリジン、1−メチルイミダゾール等の含窒素複素環式化合物が挙げられ、含窒素複素環式化合物が好ましく用いられる。
【0026】
液晶ポリエステルは、その流動開始温度が、好ましくは270℃以上、より好ましくは270℃〜400℃、さらに好ましくは280℃〜380℃である。流動開始温度が高いほど、耐熱性や強度・剛性が向上し易いが、高過ぎると、溶融温度や溶融粘度が高くなり易く、その成形に必要な温度が高くなり易い。
【0027】
なお、流動開始温度は、フロー温度又は流動温度とも呼ばれ、毛細管レオメーターを用いて、9.8MPa(100kg/cm)の荷重下、4℃/分の速度で昇温しながら、液晶ポリエステルを溶融させ、内径1mm及び長さ10mmのノズルから押し出すときに、4800Pa・s(48000ポイズ)の粘度を示す温度であり、液晶ポリエステルの分子量の目安となるものである(小出直之編、「液晶ポリマー−合成・成形・応用−」、株式会社シーエムシー、1987年6月5日、p.95参照)。
【0028】
前記ポリアミド樹脂の例としては、ナイロン6、ナイロン4,6、ナイロン6,6、ナイロン11 、ナイロン12 、ナイロン6 ,12などの脂肪族ポリアミド樹脂;ナイロン6T 、ナイロン9T などの半芳香族ポリアミド樹脂;フェニレンジアミン単位とテレフタル酸単位の交互共重合体などの全芳香族ポリアミド樹脂;ポリエステルアミド樹脂;ポリアミドイミド樹脂などが挙げられ、これらを1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらのなかでも、前記ポリアミド樹脂としては、可塑化がより安定する点から、脂肪族ポリアミド樹脂が好ましい。
【0029】
ポリアミド樹脂の融点は、30℃以上であることが好ましく、50℃以上であることがより好ましく、100℃以上であることが特に好ましい。融点が30℃以上であることで、成形前の液晶ポリエステル組成物の予備乾燥において、ポリアミド樹脂の一部が揮発するのが抑制され、可塑化がより安定する。
【0030】
ポリアミド樹脂は粉末状であることが好ましく、この場合のポリアミド樹脂の平均粒径は100μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましい。平均粒径が100μm以下の粉末状ポリアミド樹脂を使用することで、液晶ポリエステルとの混合が容易となり、可塑化がより安定する。
【0031】
液晶ポリエステル組成物は、前記液晶ポリエステル及びポリアミド樹脂以外に、必要に応じて、充填材、添加剤、液晶ポリエステル以外の樹脂等の他の成分を1種以上含有していてもよい。
【0032】
前記充填材は、繊維状充填材であってもよいし、板状充填材であってもよく、繊維状及び板状以外のその他の充填材であってもよい。その他の充填材としては、例えば、球状等の粒状充填材が挙げられる。
また、充填材は、無機充填材であってもよいし、有機充填材であってもよい。
繊維状無機充填材の例としては、ガラス繊維;パン系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維等の炭素繊維;シリカ繊維、アルミナ繊維、シリカアルミナ繊維等のセラミック繊維;ステンレス繊維等の金属繊維が挙げられる。また、チタン酸カリウムウイスカー、チタン酸バリウムウイスカー、ウォラストナイトウイスカー、ホウ酸アルミニウムウイスカー、窒化ケイ素ウイスカー、炭化ケイ素ウイスカー等のウイスカーも挙げられる。
繊維状有機充填材の例としては、ポリエステル繊維及びアラミド繊維が挙げられる。
板状無機充填材の例としては、タルク、マイカ、グラファイト、ウォラストナイト、ガラスフレーク、硫酸バリウム、炭酸カルシウムが挙げられる。マイカは、白雲母、金雲母、フッ素金雲母及び四ケイ素雲母のいずれでもよい。
粒状無機充填材の例としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン、ガラスビーズ、ガラスバルーン、窒化ホウ素、炭化ケイ素、炭酸カルシウムが挙げられる。
充填材の含有量は、液晶ポリエステル100質量部に対して、好ましくは0〜100質量部である。
【0033】
前記添加剤の例としては、レべリング剤、消泡剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、界面活性剤、難燃剤及び着色剤が挙げられ、その含有量は、液晶ポリエステル100質量部に対して、好ましくは0〜5質量部である。
【0034】
前記液晶ポリエステル以外の樹脂の例としては、ポリプロピレン、液晶ポリエステル以外のポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルイミド等の熱可塑性樹脂;フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、シアネート樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられ、その含有量は、液晶ポリエステル100質量部に対して、好ましくは0〜20質量部である。
【0035】
液晶ポリエステル組成物は、液晶ポリエステル、ポリアミド樹脂、及び必要に応じて用いられる他の成分を、該液晶ポリエステルの流動開始温度以下の温度で混合することにより得られる。また、押出機を用いて、液晶ポリエステル及び必要に応じて用いられる他の成分を溶融混練してペレット状にした後、これをポリアミド樹脂と混合してもよい。なお、流動開始温度以下の温度で混合する限りにおいて、混合方法は特に限定されず、例えば、室温又は加温雰囲気中、ヘンシェルミキサー、タンブラー等を用いて混合する方法などが挙げられる。
【0036】
前記液晶ポリエステル組成物において、前記ポリアミド樹脂の含有量は、前記ポリアミド樹脂以外の含有成分の総量100質量部に対して、0.005〜1.0質量部であることが好ましく、0.005〜0.2質量部であることがより好ましく、0.01〜0.02質量部であることが特に好ましい。すなわち、例えば、液晶ポリエステル組成物が、液晶ポリエステル及びポリアミド樹脂のみを含有する場合には、ポリアミド樹脂の含有量は、液晶ポリエステル100質量部に対して、0.005〜1.0質量部であることが好ましい。そして、液晶ポリエステル組成物が、液晶ポリエステル、ポリアミド樹脂及び他の成分を含有する場合には、ポリアミド樹脂の含有量は、液晶ポリエステル及び他の成分の合計100質量部に対して、0.005〜1.0質量部であることが好ましい。
ポリアミド樹脂の含有量が1.0質量部以下であることにより、成形加工時にポリアミド樹脂自身の分解に起因するガスの発生が抑制され、成形体におけるふくれの発生がより抑制される。また、ポリアミド樹脂の含有量が0.005質量以上であることにより、可塑化がより安定する。
【0037】
液晶ポリエステル組成物の成形法としては、射出成形法や押出成形法のような溶融成形法が採用される。射出成形法は、射出圧縮成形法であってもよい。押出成形法としては、ブロー成形法、インフレーション成形法及びTダイ成形法が例示できる。
【0038】
成形機は、シリンダー、スクリュー及びヒーターを備えたものである。そして、前記スクリューは、前記シリンダー内に設けられ、フィード部(供給部)、コンプレッション部(圧縮部)及びメタリング部(計量部)からなる。また、前記ヒーターは、前記シリンダーの外周部に設けられ、複数が設けられている場合には、それぞれが独立に温度調整可能であることが好ましい。
【0039】
スクリューは、フィード部及びコンプレッション部がシングルフライトで構成されたものである。そして、好ましいスクリューの例としては、さらに、メタリング部の一部がサブフライト(バリアフライト)又はミキシングで、他の部位がシングルフライトでそれぞれ構成されたスクリューや、メタリング部全体がシングルフライトで構成されたフルフライトスクリュー(フルシングルフライトスクリュー)が挙げられる。これらのなかでも、スクリューとしては、シリンダー内での液晶ポリエステル組成物の流れがより良好になる点から、フルフライトスクリューが好ましい。
【0040】
スクリューとシリンダーとの間隔(Δ)は、0.1〜0.25mmであることが好ましい。0.1mm以上であることで、スクリューとシリンダーとの接触が安定して抑制できる。また、0.25mm以下であることで、スクリュー先端側にある溶融した液晶ポリエステル組成物のスクリュー基端側への逆流がより安定して抑制でき、可塑化がより安定する。なお、ここで「スクリューとシリンダーとの間隔」とは、スクリューの外表面とシリンダーの内表面との間の最短距離を指し、通常は、各々のスクリューの山部外表面とシリンダーの内表面との間の最短距離を指す。
【0041】
スクリューにおけるフィード部の中心軸方向の長さ(L)は、スクリュー全体の中心軸方向の長さ(L)の40〜60%であることが好ましい。このような範囲であることで、コンプレッション部でヒーターの熱が液晶ポリエステル組成物全体に十分に伝わり、可塑化がより安定する。なお、本明細書においては、「スクリューの長さ」とは、特に断りがない限り、「スクリューの中心軸方向の長さ」を指すものとする。
【0042】
スクリューにおけるコンプレッション部の中心軸方向の長さ(L)は、スクリュー全体の中心軸方向の長さ(L)の10〜45%であることが好ましく、25〜40%であることがより好ましい。このような範囲であることで、可塑化がより安定する。
【0043】
スクリューの圧縮比は、1.3〜3.0であることが好ましく、1.5〜2.5であることがより好ましい。1.3以上であることで、液晶ポリエステル組成物がより溶融し易くなり、3.0以下であることで、液晶ポリエステル組成物の急激な圧縮が抑制され、可塑化がより安定する。なお、ここで「圧縮比」とは、フィード部のワンピッチ分の流路体積とメタリング部のワンピッチ分の流路体積との比を指す。
【0044】
スクリューは、スクリューのピッチ(P)をスクリューの外径(D)で除した値(P/D)が0.8〜1.2であることが好ましい。このような範囲であることで、ヒーターの熱が液晶ポリエステル組成物全体に十分に伝わり、可塑化がより安定する。
【0045】
図1は、本発明で用いるのに好適な射出成形機を例示する概略断面図である。
ここに示す成形機1は、略円筒状のシリンダー11と、その内部に一軸のスクリュー12とを備える。
スクリュー12は、モータ15aを備えた駆動部15によって回転駆動される。
シリンダー11には、スクリュー12の基端側の端部近傍に、液晶ポリエステル組成物を内部に供給するためのホッパー14が設けられている。また、シリンダー11の外周部には、独立に温度調整可能な複数のヒーター13,13・・・が、シリンダーの中心軸方向に並設されている。
【0046】
スクリュー12は、螺旋状のフライト12aが基端側から先端側にかけて一定のピッチで一条設けられたフルフライトスクリューであり、フライト12aによって螺旋状のスクリュー溝12bが形成されている。なお、フライト12aはスクリュー山部、スクリュー溝12bはスクリュー谷部に該当する。
スクリュー12(長さ:L)は、基端側から先端側へかけてフィード部121(長さ:L)、コンプレッション部122(長さ:L)及びメタリング部123(長さ:L)からなる。
中心軸方向において、スクリュー12の外径Dは一定であり、スクリュー12とシリンダー11との間隔Δも一定である。また、スクリュー12のピッチPも一定である。
一方、フィード部121におけるスクリュー溝121bの径と、メタリング部123におけるスクリュー溝123bの径は、いずれも中心軸方向において一定であり、スクリュー溝123bの径がスクリュー溝121bの径よりも大きくなっている。そして、コンプレッション部122におけるスクリュー溝122bの径は、フィード部121側からメタリング部123側に向かって連続的に大きくなっている。
【0047】
成形機1によれば、ホッパー14からシリンダー11の内部に供給された液晶ポリエステル組成物は、ヒーター13で加熱され、駆動部15で回転駆動されたスクリュー12によって溶融混練され、成形機1の先端部1aから射出される。
なお、成形機1は、本発明で用いるのに好適な一例として示したに過ぎず、成形機はこれに限定されるものではない。
【0048】
液晶ポリエステル成形体の製造方法としては、例えば、液晶ポリエステル組成物を溶融させて計量化する工程、金型を締め付けて型締めを行う工程、金型内に溶融させた液晶ポリエステル組成物を注入する工程、固化した樹脂を金型内から取り出す工程、を有する製造方法が挙げられる。
【0049】
金型を締め付ける機構としては、例えば、トグル機構によって金型の開閉、型締めを行うトグル式と、油圧シリンダー等によって直接的に型締めを行う直圧式などが挙げられる。
【0050】
大型部品を射出成形する場合には、型締め力が大きい成形機が、成形性の観点から好ましく、型締め力は4500kN以上であることが好ましく、5500kN以上であることがより好ましい。
【0051】
液晶ポリエステル成形体の用途としては、ランプリフレクター、LEDリフレクター等のリフレクター;ランプホルダー、ヒーターホルダー等のホルダー、コイルボビン、ハードディスクドライブ部品;オーブンウェア等の食器;車両部品;航空機部品;半導体用治具;自動車部品等が挙げられる。
【0052】
本発明によれば、フィード部及びコンプレッション部がシングルフライトで構成されたスクリューと ポリアミド樹脂を含有する液晶ポリエステル組成物を用いることで、大型成形機で液晶ポリエステル組成物を成形しても、可塑化が安定するため、成形体の形状や寸法のばらつきが抑制される。また、成形機内に組成物が長時間滞留することもないため、分解が抑制されて、ガスの発生も抑制される。
【実施例】
【0053】
以下、具体的実施例により、本発明についてさらに詳しく説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
なお、以下の実施例において、液晶ポリエステルの流動開始温度、成形体の発生ガス量は、それぞれ以下の方法で測定した。
【0054】
(液晶ポリエステルの流動開始温度の測定)
フローテスター(島津製作社所、CFT−500型)を用いて、液晶ポリエステル約2gを、内径1mm及び長さ10mmのノズルを有するダイを取り付けたシリンダーに充填し、9.8MPa(100kg/cm)の荷重下、4℃/分の速度で昇温しながら、液晶ポリエステルを溶融させ、ノズルから押し出し、4800Pa・s(48000ポイズ)の粘度を示す温度を測定した。
【0055】
(発生ガス量の測定)
成形体を切削して4gを精秤し、蒸留水で洗浄後、真空乾燥した25mlのバイアル瓶に入れ、ポリテトラフルオロエチレンからなるパッキングでシール後、温度を150℃に設定した熱風乾燥機の中で20時間加熱し、成形体からガスを発生させた。このバイアル瓶をヘッドスペースガスクロマトグラフ(島津製作所社製、GC−15A/HSS−3A) に装着し、120℃ に保ちながら、充填剤としてHR−1701(信和化学工業社製)を用いたカラム(長さ50m×直径0.25mm)に発生させたガスを注入し、注入と同時にカラム温度を40℃で5分間保持し、10℃/分で280℃ まで昇温して、その後5分間保持し、開始から34分までのガスの総量をディテクターで検出した。ディテクターとしてはFID型を用い、キャリヤーガスにはヘリウムを用いた。
【0056】
<液晶ポリエステルの製造>
[製造例1]
攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却器を備えた反応器に、p−ヒドロキシ安息香酸(994.5g、7.2モル)、テレフタル酸(299.1g、1.8モル)、イソフタル酸(99.7g、0.6モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル(446.9g、2.4モル)、(無水酢酸1347.6g、13.2モル)及び1−メチルイミダゾール0.2gを入れ、窒素ガス気流下、攪拌しながら、室温から150℃まで30分間かけて昇温し、150℃で1時間還流させた。次いで、1−メチルイミダゾールを0.9g添加し、副生酢酸及び未反応の無水酢酸を留去しながら、320℃まで2時間50分かけて昇温し、320℃でトルクの上昇が認められるまで保持した後、反応器から内容物を取り出し、これを室温まで冷却した。得られた固形物を、粉砕機で粉砕して、粉末状のプレポリマーを得た。次いで、このプレポリマーを、窒素ガス雰囲気下、室温から250℃まで1時間かけて昇温し、250℃から285℃まで5時間かけて昇温して、285℃で3時間保持することにより、固相重合させた後、冷却して、粉末状の液晶ポリエステルを得た。この液晶ポリエステルの流動開始温度は327℃であった。
【0057】
<液晶ポリエステル組成物の製造>
[製造例2]
製造例1で得られた液晶ポリエステル85質量部と、カーボンファイバー(三菱レイヨン社製、TCTR−03158)15質量部とをタンブラーで混合後、これを、二軸押出機(池貝鉄工社製、PCM30型)を用いてシリンダー温度340℃で造粒することで組成物を得た。得られた組成物100質量部に対して、ポリアミド樹脂(ダイセル・デグサ社製、VESTOSINT2070)0.02質量部を添加し、タンブラーを用いて混合することで、液晶ポリエステル組成物1を得た。
【0058】
[製造例3]
ポリアミド樹脂を使用しなかったこと以外は、製造例2と同様の方法で、液晶ポリエステル組成物1Rを得た。
【0059】
[製造例4]
ポリアミド樹脂に代えて、スミライザーGP(住友化学社製)0.0075質量部とアーモスリップE(ライオン社製)0.0075質量部とを用いたこと以外は、製造例2と同様の方法で、液晶ポリエステル組成物2Rを得た。
【0060】
<液晶ポリエステル成形体の製造>
[実施例1]
液晶ポリエステル組成物1を、射出成形機(日本製鋼所社製、J650AD、型締め力6500kN)と、スクリュー1(スクリュー外径:92mm、スクリュー全体の長さとスクリュー外径の比:22、圧縮比:1.7、P/D:1、フィード部の長さ:スクリュー全体の長さの50%、コンプレッション部の長さ:スクリュー全体の長さの40%、メタリング部の長さ:スクリュー全体の長さの10%、スクリュー構造:フルフライトスクリュー、スクリューとシリンダーとの間隔:0.2mm)とを用いて、シリンダー温度360℃、金型温度95℃で箱型成形体(400mm×300mm×100mm、厚み3mm)に成形し、10ショットの可塑化時間を測定した。また、箱型成形体の発生ガス量を測定した。
【0061】
[実施例2]
スクリュー1に代えて、スクリュー2(スクリュー外径:84mm、スクリュー全体の長さとスクリュー外径の比:22、圧縮比:1.7、P/D:1、フィード部の長さ:スクリュー全体の長さの50%、コンプレッション部の長さ:スクリュー全体の長さの40%、メタリング部の長さ:スクリュー全体の長さの10%、スクリュー構造:フィード部とコンプレッション部はシングルフライトで、メタリング部に2個のサブフライトを有するスクリュー、スクリューとシリンダーとの間隔:0.2mm)を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で、可塑化時間と発生ガス量を測定した。
【0062】
[比較例1]
液晶ポリエステル組成物1に代えて、液晶ポリエステル組成物1Rを使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で、可塑化時間と発生ガス量を測定した。
【0063】
[比較例2]
液晶ポリエステル組成物1に代えて、液晶ポリエステル組成物2Rを使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で、可塑化時間と発生ガス量を測定した。
【0064】
[比較例3]
液晶ポリエステル組成物1に代えて、液晶ポリエステル組成物1Rを使用したこと以外は、実施例2と同様の方法で、可塑化時間と発生ガス量を測定した。
【0065】
[比較例4]
液晶ポリエステル組成物1に代えて、液晶ポリエステル組成物2Rを使用したこと以外は、実施例2と同様の方法で、可塑化時間と発生ガス量を測定した。
【0066】
[比較例5]
スクリュー1に代えて、スクリュー3(スクリュー外径:92mm、スクリュー全体の長さとスクリュー外径の比:22、圧縮比:1.4、P/D:0.8、フィード部の長さ:スクリュー全体の長さの60%、コンプレッション部の長さ:スクリュー全体の長さの15%、メタリング部の長さ:スクリュー全体の長さの25%、スクリュー構造:フィード部はシングルフライト、コンプレッション部にサブフライト1個、メタリング部にサブフライト1個を有するスクリュー、スクリューとシリンダーとの間隔:0.2mm)を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法で、可塑化時間と発生ガス量を測定した。
【0067】
[比較例6]
液晶ポリエステル組成物1に代えて、液晶ポリエステル組成物1Rを使用したこと以外は、比較例5と同様の方法で、可塑化時間と発生ガス量を測定した。
【0068】
[比較例7]
液晶ポリエステル組成物1に代えて、液晶ポリエステル組成物2Rを使用したこと以外は、比較例5と同様の方法で、可塑化時間と発生ガス量を測定した。
【0069】
製造した液晶ポリエステル組成物の含有成分と比率を表1に、使用したスクリューの主たる構成を表2に、液晶ポリエステル成形体の主たる製造条件、可塑化時間及び発生ガス量を表3に、それぞれ示す。
【0070】
【表1】

【0071】
【表2】

【0072】
【表3】

【0073】
上記結果から明らかなように、実施例1及び2では、可塑化時間が短くかつ安定しており、成形機内に組成物が長時間滞留することもなく、発生ガス量が抑制できていた。
これに対して、ポリアミド樹脂を含有していない液晶ポリエステル組成物1Rを使用した比較例1及び3では、実施例1又は2と同じ成形機を使用しても、可塑化時間が長くかつ不安定であった。
また、ポリアミド樹脂に代えて、可塑化時間の安定化効果を有することが知られているスミライザーGP等を含有する液晶ポリエステル組成物2Rを使用した比較例2及び4では、実施例1又は2と同じ成形機を使用しても、可塑化時間が長くかつ不安定であり、発生ガス量も抑制できなかった。
また、コンプレッション部がシングルフライトで構成されていないスクリュー3を使用した比較例5では、実施例1及び2と同じ液晶ポリエステル組成物1を使用しても、可塑化時間が長くかつ不安定であった。そして、加えて比較例1及び3と同じ液晶ポリエステル組成物1Rを使用した比較例6、比較例2及び4と同じ液晶ポリエステル組成物2Rを使用した比較例7では、さらに可塑化時間が長くかつ不安定になった。
このように、液晶ポリエステル組成物1と、スクリュー1又は2を使用した実施例1及び2だけが際立って、可塑化時間の安定と、発生ガス量抑制の効果を有していた。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、電気電子部品から、自動車や航空機等の大型部品の製造にまで幅広く利用可能であり、特に大型部品の製造に好適である。
【符号の説明】
【0075】
1・・・成形機、11・・・シリンダー、12・・・スクリュー、12a・・・フライト、121・・・フィード部、122・・・コンプレッション部、13・・・ヒーター、Δ・・・スクリューとシリンダーとの間隔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダー、スクリュー及びヒーターを備えた成形機で液晶ポリエステル組成物を成形することにより、液晶ポリエステル成形体を製造する方法であって、
前記スクリューのフィード部及びコンプレッション部がシングルフライトで構成されており、
前記液晶ポリエステル組成物が、液晶ポリエステル及びポリアミド樹脂を含有することを特徴とする液晶ポリエステル成形体の製造方法。
【請求項2】
前記成形機のスクリューとシリンダーとの間隔が0.1〜0.25mmであることを特徴とする請求項1に記載の液晶ポリエステル成形体の製造方法。
【請求項3】
前記スクリューがフルフライトスクリューであることを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶ポリエステル成形体の製造方法。
【請求項4】
前記液晶ポリエステル組成物が、前記ポリアミド樹脂以外の含有成分の総量100質量部に対して、前記ポリアミド樹脂0.005〜1.0質量部を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の液晶ポリエステル成形体の製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2012−196877(P2012−196877A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−62436(P2011−62436)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】