説明

液晶表示装置

【課題】消費電力を低く抑え、カラーブレイクの発生を防ぎ、高精細なカラーの三次元画像の表示を行うことができる液晶表示装置。
【解決手段】第1表示領域及び第2表示領域を少なくとも有する画素部と、互いに異なる色相を有する複数の光を第1表示領域及び第2表示領域のそれぞれに順に供給する光供給部と、光学系とを有する。上記複数の光のうち、第1表示領域及び第2表示領域に並行して供給される2つの光の色相は、互いに異なる。上記第1表示領域及び第2表示領域のそれぞれには、右目及び左目に対応した一対の画素が複数組配置されている。上記複数の光を第1表示領域及び第2表示領域に供給することで、右目に対応した画素から第1の光が得られ、左目に対応した画素から第2の光が得られる。上記光学系によって、第1の光の進行方向が右目に向かうよう、第2の光の進行方向が左目に向かうよう、制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
三次元画像の表示を行う液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
三次元画像に対応した表示装置の市場が拡大傾向にある。三次元画像の表示は、両眼で立体の対象物を見たときに生ずるであろう、両眼間の網膜像の差異(両眼視差)を表示装置において作為的に作り出すことで、行うことができる。上記両眼視差を利用した三次元画像用の表示装置は、各種の表示方式が開発され商品化されているが、携帯情報端末や携帯型ゲーム機などの小型の表示装置では、パララックスバリア、レンチキュラーレンズ、マイクロレンズアレイなどの光学系を利用した直視タイプの表示方式が、主に採用されている。
【0003】
ところで、三次元画像の表示を行う液晶表示装置も、二次元画像の表示を行う液晶表示装置と同様に、バックライトやフロントライトなどの光供給部における消費電力が、液晶表示装置全体の消費電力に大きく影響を及ぼす。特に、携帯情報端末や携帯型ゲーム機などの、電力の供給を常時受けることが困難な携帯用電子機器の場合、光供給部における消費電力が低いほど、長い連続使用時間を確保することができるので好ましい。光供給部における消費電力を低く抑える方法の一つとして、フィールドシーケンシャル駆動(FS駆動)が有効である。FS駆動は、異なる色相の光を発する複数の光源を順次点灯させることでカラーの画像を表示する駆動方法である。FS駆動ではカラーフィルタを用いる必要がないため、パネルの内部における光の損失を低減することができる。よって、光供給部からの光の利用効率を高めることができ、液晶表示装置全体の消費電力を低減させることができる。また、FS駆動では、1つの画素で各色に対応する画像の表示を行うことができるため、高精細な画像の表示を行うことができる。
【0004】
下記の特許文献1には、パララックスバリアを用いることで、右目には右目用の画像が、左目には左目用の画像が映るようにし、三次元画像を表示する技術について開示されている。また、下記の特許文献2には、三次元画像の表示を行うことができる、FS駆動の液晶表示装置について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−036145号公報
【特許文献2】特開2003−259395号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、FS駆動では、各色の画像が合成されずに個別に視認される、カラーブレイクと呼ばれる現象が起こりやすい。特に、カラーブレイクは動画を表示する際に顕著に起こりやすい。
【0007】
また、パララックスバリア、レンチキュラーレンズ、マイクロレンズアレイなどの光学系を利用した三次元画像の表示方式では、右目に対応した画素からの光を右目に、左目に対応した画素からの光を左目に入射させる。よって、各行において、画像の表示に寄与する画素数が実際の画素数の半分となるため、高精細な画像の表示が妨げられる。
【0008】
上述の課題に鑑み、本発明は、消費電力を低く抑え、カラーブレイクの発生を防ぎ、高精細なカラーの三次元画像の表示を行うことができる液晶表示装置の提案を課題の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の一態様では、第1表示領域及び第2表示領域を少なくとも有する画素部と、互いに異なる色相を有する複数の光を第1表示領域及び第2表示領域のそれぞれに順に供給する光供給部と、光学系とを有する。そして、上記複数の光のうち、第1表示領域及び第2表示領域に並行して供給される2つの光の色相は、互いに異なるものとする。また、上記第1表示領域及び第2表示領域のそれぞれには、右目及び左目に対応した一対の画素が複数組配置されている。上記複数の光を第1表示領域及び第2表示領域に供給することで、右目に対応した画素から第1の光が得られ、なおかつ、左目に対応した画素から第2の光が得られる。すなわち、上記第1の光が右目用の画像情報を含んでおり、上記第2の光が左目用の画像情報を含んでいる。
【0010】
さらに、上記第1の光と上記第2の光の進行方向は、上記光学系によって、互いに異なる方向に制御される。具体的に、第1の光の進行方向は、観察者の右目に向かうように、第2の光の進行方向は、観察者の左目に向かうように、それぞれ制御される。なお、上記光学系は、パララックスバリア、レンチキュラーレンズ、マイクロレンズアレイなどの、光の進行方向を制御する光学素子を意味する。光学系は、上記光学素子を幾つか組み合わせたものであっても良い。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様に係る液晶表示装置は、画素部を複数の表示領域に分割し、表示領域ごとに異なる色相の光を順次供給することで、フルカラー画像の表示を行う。よって、特定の時刻に着目すると、隣接する表示領域に供給される光の色相を、互いに異ならせることができる。よって、各色の画像が合成されずに個別に視認されるのを防ぐことができ、FS駆動の場合とは異なり、動画の表示を行う際に起きやすかったカラーブレイクの発生を防ぐことができる。また、本発明の一態様に係る液晶表示装置は、カラーフィルタを用いる必要がないため、光供給部から発せられる光の利用効率を高めることができ、液晶表示装置全体の消費電力を低減させることができる。すなわち、本発明の一態様では、消費電力を低減できるというFS駆動のメリットを享受しつつ、カラーブレイクの発生というFS駆動のデメリットを防ぐことができる。
【0012】
さらに、本発明の一態様では、1つの画素で各色に対応する画像の表示を行うことができるため、カラーフィルタ―方式に比べて高精細な画像の表示を行うことができる。よって、光学系を利用した三次元画像の表示方式を採用した場合であっても、各行において、画像の表示に寄与する画素数が低減するのを抑え、高精細な三次元画像の表示を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】液晶表示装置のブロック図と、画素の配列の形態を示す模式図。
【図2】画素部と駆動回路の構成を示す図。
【図3】画素部における画像信号の書き込みのタイミングと、光供給部における光の供給のタイミングとを示す図。
【図4】各表示領域における画素の配列を示す図。
【図5】画素部と、パララックスバリアと、観察者の右目と左目の位置関係を示す図。
【図6】画素部と、レンチキュラーレンズと、観察者の右目と左目の位置関係を示す図。
【図7】レンチキュラーレンズとマイクロレンズアレイの斜視図。
【図8】液晶表示装置の構成を示すブロック図。
【図9】信号線駆動回路の構成を示す図。
【図10】走査線駆動回路の構成を示す図。
【図11】走査線駆動回路の動作を示すタイミングチャート。
【図12】画素の上面図及び断面図。
【図13】画素の上面図及び断面図。
【図14】液晶表示装置の構造を示す斜視図。
【図15】液晶表示装置の構造を示す斜視図。
【図16】電子機器の図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は、以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0015】
(実施の形態1)
<液晶表示装置100の構成例>
図1(A)は、本発明の一態様に係る液晶表示装置の一形態を示すブロック図である。液晶表示装置100は、画像の表示を行う画素部101と、画素部101から出る光の進行方向を制御する光学系102と、画素部101への光の供給を行う光供給部103とを有する。
【0016】
画素部101は複数の画素104を有する。画素104は、液晶素子を有しており、画像信号に従って上記液晶素子が階調を表示することで、画素部101に画像を表示することができる。
【0017】
また、画素部101は、複数の表示領域に分けられる。具体的に、図1(A)では、画素部101が第1表示領域105aと、第2表示領域105bと、第3表示領域105cとに分けられている場合を例示している。さらに、上記各表示領域は、複数の画素104を有している。そして、複数の画素104は、右目に対応した右目用画素104a(Rpix)と、左目に対応した左目用画素104b(Lpix)とを含んでいる。
【0018】
図1(B)に、画素104の配列の一形態を、模式的に示す。図1(B)において、右目用画素104a(Rpix)が右目に対応した画素104に相当し、左目用画素104b(Lpix)が左目に対応した画素104に相当する。右目用画素104aと左目用画素104bは、矢印で示した走査線が伸びている方向に沿って、交互に並んでいる。右目用画素104a(Rpix)に右目用画像が表示され、左目用画素104b(Lpix)に左目用画像が表示されることで、三次元画像の表示を行うことができる。
【0019】
光学系102には、例えばパララックスバリア、レンチキュラーレンズ、マイクロレンズアレイなどの光学素子を、1つ、または複数組み合わせて用いることができる。なお、光学系102は上記光学素子に限定されず、右目用画素104a(Rpix)から出る光の進行方向と、左目用画素104b(Lpix)から出る光の進行方向とを、個別に制御できる光学素子であれば、本発明の一態様に係る液晶表示装置に用いることができる。また、液晶パネルをパララックスバリアの代わりとして用いることも可能である。
【0020】
上記光学系102により、観察者は、右目用画素104a(Rpix)に表示された右目用画像を右目で選択的に見ることができ、左目用画素104b(Lpix)に表示された左目用画像を左目で選択的に見ることができる。その結果、観察者は三次元画像を認識することができる。
【0021】
また、光供給部103は、異なる色相の光を発する複数の光源を有する。そして、上記光源を順に、または同時に発光させることで、複数の色相に対応した光を画素部101に順に供給することができる。光供給部103の光源としては、冷陰極蛍光ランプ、発光ダイオード(LED)、電場を加えることでルミネッセンス(Electroluminescence)が発生するOLED素子などを用いることができる。
【0022】
<画素部101の構成例>
次いで、画素部101の具体的な構成について説明する。図2に、画素部101の回路図と、画素部101の動作を制御する駆動回路の構成を、一例として示す。
【0023】
図2において、画素部101は、画素104を選択するための複数の走査線と、選択された画素104に画像信号を供給するための複数の信号線とを有している。
【0024】
なお、図2では、画素部101が、第1表示領域105aと、第2表示領域105bと、第3表示領域105cとに分けられている場合を例示している。そして、第1表示領域105a、第2表示領域105b、及び第3表示領域105cが有する各画素104は、信号線S1から信号線Sxの少なくとも1つに接続されている。また、第1表示領域105aが有する各画素104は、走査線G1から走査線Gyのうち、走査線G1から走査線Gjの少なくとも1つに接続されている。また、第2表示領域105bが有する各画素104は、走査線G1から走査線Gyのうち、走査線Gj+1から走査線G2jの少なくとも1つに接続されている。また、第3表示領域105cが有する各画素104は、走査線G1から走査線Gyのうち、走査線G2j+1から走査線Gy(走査線G3j)の少なくとも1つに接続されている。
【0025】
なお、信号線への画像信号の供給は信号線駆動回路109によって制御され、走査線の電位は走査線駆動回路110によって制御されている。なお、図2では、3つの走査線駆動回路110によって、第1表示領域105aが有する走査線G1から走査線Gjの電位と、第2表示領域105bが有する走査線Gj+1から走査線G2jの電位と、第3表示領域105cが有する走査線G2j+1から走査線Gyの電位とが、それぞれ制御されている場合を例示している。しかし、本発明の一態様ではこの構成に限定されず、一の走査線駆動回路110によって、全ての表示領域が有する走査線の電位を制御するようにしても良い。
【0026】
また、各画素104は、液晶素子106と、当該液晶素子106への画像信号の供給を制御するトランジスタ107と、液晶素子106の画素電極と共通電極間の電圧を保持するための容量素子108とを有する。液晶素子106は、画素電極と、共通電極と、画素電極と共通電極の間の電圧が印加される液晶を含んだ液晶層とを有している。
【0027】
トランジスタ107は、液晶素子106の画素電極に、信号線の電位を与えるか否かを制御する。液晶素子106の共通電極には、所定の基準電位が与えられている。
【0028】
液晶層には、例えば、サーモトロピック液晶またはリオトロピック液晶に分類される液晶材料を用いることができる。或いは、液晶層には、例えば、ネマチック液晶、スメクチック液晶、コレステリック液晶、または、ディスコチック液晶に分類される液晶材料を用いることができる。或いは、液晶層には、例えば、強誘電性液晶、または反強誘電性液晶に分類される液晶材料を用いることができる。或いは、液晶層には、例えば、主鎖型高分子液晶、側鎖型高分子液晶、或いは、複合型高分子液晶などの高分子液晶、または低分子液晶に分類される液晶材料を用いることができる。或いは、液晶層には、例えば、高分子分散型液晶(PDLC)に分類される液晶材料を用いることができる。
【0029】
また、配向膜を用いないブルー相を示す液晶を液晶層に用いてもよい。ブルー相は液晶相の一つであり、コレステリック液晶を昇温していくと、コレステリック相から等方相へ転移する直前に発現する相である。ブルー相は狭い温度範囲でしか発現しないため、カイラル剤や紫外線硬化樹脂を添加して温度範囲を改善する。ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、応答速度が1msec以下と短く、光学的等方性であるため配向処理が不要であり、視野角依存性が小さいため好ましい。
【0030】
また液晶の駆動方法としては、TN(Twisted Nematic)モード、STN(Super Twisted Nematic)モード、VA(Vertical Alignment)モード、IPS(In−Plane Switching)モード、OCB(Optically Compensated Birefringence)モード、FFS(Fringe Field Switching)モード、ブルー相モード、TBA(Transverse Bend Alignment)モード、VA−IPSモード、ECB(Electrically Controlled Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)モードなどを適用することが可能である。
【0031】
なお、トランジスタが有するソース端子とドレイン端子は、トランジスタの極性及び各電極に与えられる電位の高低差によって、その呼び方が入れ替わる。一般的に、nチャネル型トランジスタでは、低い電位が与えられる電極がソース端子と呼ばれ、高い電位が与えられる電極がドレイン端子と呼ばれる。また、pチャネル型トランジスタでは、低い電位が与えられる電極がドレイン端子と呼ばれ、高い電位が与えられる電極がソース端子と呼ばれる。以下、ソース電極とドレイン電極のいずれか一方を第1端子、他方を第2端子とし、トランジスタ107と液晶素子106の具体的な接続関係について説明する。
【0032】
また、トランジスタのソース端子とは、活性層の一部であるソース領域、或いは活性層に接続されたソース電極を意味する。同様に、トランジスタのドレイン端子とは、活性層の一部であるドレイン領域、或いは活性層に接続されたドレイン電極を意味する。
【0033】
具体的に、トランジスタ107のゲート電極は、第1表示領域105a、第2表示領域105b、第3表示領域105cのいずれに含まれている画素104のトランジスタ107なのかによって異なるが、走査線G1から走査線Gyのうちいずれか1つに接続されている。トランジスタ107の第1端子は信号線S1から信号線Sxのいずれか1つに接続され、トランジスタ107の第2端子は、液晶素子106の画素電極に接続されている。
【0034】
なお、画素104は、必要に応じて、トランジスタ、ダイオード、抵抗素子、容量素子、インダクタなどのその他の回路素子を、さらに有していても良い。
【0035】
図2では、画素104において、一のトランジスタ107をスイッチング素子として用いている場合について示しているが、本発明はこの構成に限定されない。一のスイッチング素子として機能する複数のトランジスタを用いていても良い。複数のトランジスタが一のスイッチング素子として機能する場合、上記複数のトランジスタは並列に接続されていても良いし、直列に接続されていても良いし、直列と並列が組み合わされて接続されていても良い。
【0036】
本明細書において、トランジスタが直列に接続されている状態とは、例えば、第1のトランジスタの第1端子と第2端子のいずれか一方のみが、第2のトランジスタの第1端子と第2端子のいずれか一方のみに接続されている状態を意味する。また、トランジスタが並列に接続されている状態とは、第1のトランジスタの第1端子が第2のトランジスタの第1端子に接続され、第1のトランジスタの第2端子が第2のトランジスタの第2端子に接続されている状態を意味する。
【0037】
なお、本明細書において接続とは電気的な接続を意味しており、電流、電圧または電位が、供給可能、或いは伝送可能な状態に相当する。従って、接続している状態とは、直接接続している状態を必ずしも指すわけではなく、電流、電圧または電位が、供給可能、或いは伝送可能であるように、配線、抵抗、ダイオード、トランジスタなどの回路素子を介して間接的に接続している状態も、その範疇に含む。
【0038】
また、回路図上は独立している構成要素どうしが接続されている場合であっても、実際には、例えば配線の一部が電極として機能する場合など、一の導電膜が、複数の構成要素の機能を併せ持っている場合もある。本明細書において接続とは、このような、一の導電膜が、複数の構成要素の機能を併せ持っている場合も、その範疇に含める。
【0039】
そして、本発明の一態様では、信号線S1から信号線Sxのうち、信号線S1、信号線S3、、、、などの奇数番目の信号線に接続された画素104が、右目用画素に相当し、信号線S2、信号線S4、、、、などの偶数番目の信号線に接続された画素104が、左目用画素に相当するものとする。或いは、逆に、奇数番目の信号線に接続された画素104が左目用画素に相当し、偶数番目の信号線に接続された画素104が右目用画素に相当していても良い。
【0040】
<画素部101の動作例>
次いで、図2に示す画素部101の動作の一例について説明する。
【0041】
まず、走査線G1にパルスを有する信号が入力されることで、走査線G1が選択される。選択された走査線G1に接続された複数の各画素104において、トランジスタ107がオンになる。そして、トランジスタ107がオンの状態の時に、信号線S1から信号線Sxに画像信号の電位が与えられる。具体的には、奇数番目の信号線S1、信号線S3、、、には右目用画像に対応した画像信号の電位が、偶数番目の信号線S2、信号線S4、、、には左目用画像に対応した画像信号の電位が、それぞれ与えられる。そして、信号線S1から信号線Sxに与えられた画像信号の電位に従い、オンのトランジスタ107を介して、容量素子108に電荷が蓄積される。また、上記画像信号の電位は、オンのトランジスタ107を介して、液晶素子106の画素電極に与えられる。
【0042】
液晶素子106では、画素電極と共通電極の間に与えられる電圧の値に従って、液晶分子の配向が変化し、透過率が変化する。よって、液晶素子106は、画像信号の電位によってその透過率が制御されることで、階調を表示することができる。
【0043】
信号線S1から信号線Sxへの画像信号の入力が終了すると、走査線G1の選択は終了する。走査線G1の選択が終了すると、該走査線G1を有する画素104において、トランジスタ107がオフになる。すると、液晶素子106は、画素電極と共通電極の間に与えられた電圧を保持することで、階調の表示を維持する。
【0044】
そして、同様に、走査線G2から走査線Gyが順に選択され、走査線G1が選択されていた期間と同様の動作が、走査線G2から走査線Gyの各走査線に接続された画素104において順次繰り返される。上記動作により、第1表示領域105a、第2表示領域105b、第3表示領域105cのそれぞれにおいて、奇数番目の信号線に接続された画素104が右目用画像を表示し、偶数番目の信号線に接続された画素104が左目用画像を表示することができる。
【0045】
なお、本発明の一態様では、必ずしも走査線G1乃至走査線Gyを順に選択する必要はない。例えば、複数の各表示領域から順に一つずつ走査線を選択しても良い。具体的には、例えば、第1の表示領域105aが有する走査線G1を選択して画素104への画像信号の書き込みを行った後、第2の表示領域105bが有する走査線Gj+1を選択して画素104への画像信号の書き込みを行い、次いで、第3の表示領域105cが有する走査線G2j+1を選択して画素104への画像信号の書き込みを行う。そして、次に、第1の表示領域105aが有する走査線G2を選択して画素104への画像信号の書き込みを行った後、第2の表示領域105bが有する走査線Gj+2を選択して画素104への画像信号の書き込みを行い、次いで、第3の表示領域105cが有する走査線G2j+2を選択して画素104への画像信号の書き込みを行う。上記動作を繰り返していくことで、全ての画素に画像信号の書き込みを行うことができる。
【0046】
<光供給部103の動作例>
次いで、図1に示した液晶表示装置100が有する、光供給部103の動作について説明する。
【0047】
本発明の一態様に係る液晶表示装置では、複数のサブフレーム期間により1フレーム期間が構成されるように、駆動を行う。画素部101では、サブフレーム期間ごとに各色相に対応する画像信号が、各表示領域に書き込まれる。そして、1フレーム期間内に全ての色相に対応した画像信号が順に各表示領域に書き込まれることで、1画像が形成される。
【0048】
一方、光供給部103では、各表示領域に供給する光の色相を、サブフレーム期間ごとに切り換える。すなわち、画素部101における上記画像信号の書き込みに同期するように、1フレーム期間内に全ての色相に対応した光が、順に各表示領域に供給される。また、1つのサブフレーム期間に着目すると、隣接する少なくとも2つの表示領域には、互いに異なる色相を有する光が、それぞれ並行して供給される。
【0049】
図3に、画素部101における画像信号の書き込みのタイミングと、光供給部103における光の供給のタイミングとを示す。なお、図3において横方向は時間を表している。また、図3において縦方向は、第1表示領域105a、第2表示領域105b、及び第3表示領域105cにおける、走査線の位置を示している。ただし、図3では、各表示領域が有する走査線を、4つのグループに分割した場合を例示している。すなわち、第1表示領域105aが有する走査線G1乃至Gjを、GL1−1乃至GL1−4までの4つのグループに分割し、第2表示領域105bが有する走査線Gj+1乃至G2jを、GL2−1乃至GL2−4までの4つのグループに分割し、第3表示領域105cが有する走査線G2j+1乃至G3jを、GL3−1乃至GL3−4までの4つのグループに分割している。
【0050】
まず、第1サブフレーム期間SF1において、第1表示領域105aに赤色に対応した画像信号の書き込みが行われ、第2表示領域105bに緑色に対応した画像信号の書き込みが行われ、第3表示領域105cに青色に対応した画像信号の書き込みが行われる。
【0051】
具体的に図3では、第1サブフレーム期間SF1において、GL1−1に属する走査線G1に接続された画素104に、赤色に対応した画像信号を書き込む。次いで、GL2−1に属する走査線Gj+1に接続された画素104に、緑色に対応した画像信号を書き込む。次いで、GL3−1に属する走査線G2j+1に接続された画素104に、青色に対応した画像信号を書き込む。次いで、GL1−1に属する走査線G2に接続された画素104に、赤色に対応した画像信号を書き込む。
【0052】
以下、同様の動作が、GL1−1に属する走査線に接続された画素104と、GL2−1に属する走査線に接続された画素104と、GL3−1に属する走査線に接続された画素104において、順に行われる。
【0053】
そして、GL1−1に属する走査線に接続された全ての画素104に、赤色に対応した画像信号が書き込まれたら、次にGL1−2に属する走査線に接続された全ての画素104に、GL1−1の場合と同様に、赤色に対応した画像信号を順に書き込む。また、GL2−1に属する走査線に接続された全ての画素104に、緑色に対応した画像信号が書き込まれたら、次にGL2−2に属する走査線に接続された全ての画素104に、GL2−1の場合と同様に、緑色に対応した画像信号を順に書き込む。また、GL3−1に属する走査線に接続された全ての画素104に、青色に対応した画像信号が書き込まれたら、次にGL3−2に属する走査線に接続された全ての画素104に、GL3−1の場合と同様に、青色に対応した画像信号を順に書き込む。
【0054】
上記動作を順次繰り返すことで、最終的には、第1サブフレーム期間SF1において、第1表示領域105aが有する全ての画素104に、赤色に対応した画像信号が書き込まれる。また、第2表示領域105bが有する全ての画素104に、緑色に対応した画像信号が書き込まれる。また、第3表示領域105cが有する全ての画素104に、青色に対応した画像信号が書き込まれる。
【0055】
一方、GL1−1に属する走査線に接続された全ての画素104に、赤色に対応した画像信号が書き込まれた後、光供給部103から上記画素104に赤色の光が供給される。図3では、赤色に対応した画像信号が画素104に書き込まれる期間を、書き込み期間Ta_Rとし、光供給部103から画素104に赤色の光が供給される期間を、表示期間Tr_Rとして示す。なお、GL1−1に属する走査線に接続された画素104への光の供給は、GL1−1以外の走査線に接続された画素104への画像信号の書き込みと、並行して行うことができる。
【0056】
また、同様に、GL2−1に属する走査線に接続された全ての画素104に、緑色に対応した画像信号が書き込まれた後、光供給部103から上記画素104に緑色の光が供給される。図3では、緑色に対応した画像信号が画素104に書き込まれる期間を、書き込み期間Ta_Gとし、光供給部103から画素104に緑色の光が供給される期間を、表示期間Tr_Gとして示す。そして、GL2−1に属する走査線に接続された画素104への光の供給は、GL2−1以外の走査線に接続された画素104への画像信号の書き込みと、並行して行うことができる。
【0057】
また、同様に、GL3−1に属する走査線に接続された全ての画素104に、青色に対応した画像信号が書き込まれた後、光供給部103から上記画素104に青色の光が供給される。図3では、青色に対応した画像信号が画素104に書き込まれる期間を、書き込み期間Ta_Bとし、光供給部103から画素104に青色の光が供給される期間を、表示期間Tr_Bとして示す。そして、GL3−1に属する走査線に接続された画素104への光の供給は、GL3−1以外の走査線に接続された画素104への画像信号の書き込みと、並行して行うことができる。
【0058】
そして、GL1−1の場合と同様に、GL1−2乃至GL1−4に属する走査線に接続された全ての画素104に対しても、光供給部103から順に赤色の光が供給される。その結果、最終的には、第1サブフレーム期間SF1において、第1表示領域105aに、赤色に対応した画像の一部が表示される。また、GL2−1の場合と同様に、GL2−2乃至GL2−4に属する走査線に接続された全ての画素104に対しても、光供給部103から順に緑色の光が供給される。その結果、最終的には、第1サブフレーム期間SF1において、第2表示領域105bに、緑色に対応した画像の一部が表示される。また、GL3−1の場合と同様に、GL3−2乃至GL3−4に属する走査線に接続された全ての画素104に対しても、光供給部103から順に青色の光が供給される。その結果、最終的には、第1サブフレーム期間SF1において、第3表示領域105cに、青色に対応した画像の一部が表示される。
【0059】
なお、図3では、画像信号が書き込まれた後、上記画像信号の電位に従って液晶層に含まれる液晶分子の配向の変化が収束するのを待ってから、画素104への光の供給を行う場合を例示している。そのため、例えば、書き込み期間Ta_Rが終了してから、表示期間Tr_Rが開始されるまで、所定の時間が設けられている。上記所定の時間は、液晶の応答速度に合わせて定めることができる。
【0060】
また、図3では、複数の各表示領域から順に一走査線ずつ選択し、選択された走査線に接続された画素に画像信号を書き込む場合を例に挙げている。しかし、本発明の一態様では、走査線G1乃至走査線Gyを順に選択し、選択された走査線に接続された画素に画像信号を書き込むようにしても良い。
【0061】
次いで、第2のサブフレーム期間SF2及び第3のサブフレーム期間SF3においても、第1のサブフレーム期間SF1と同様の動作を繰り返す。ただし、第2のサブフレーム期間SF2では、第1表示領域105aにおいて、青色に対応した画像信号の書き込み及び青色の光の供給を行い、第2表示領域105bにおいて、赤色に対応した画像信号の書き込み及び赤色の光の供給を行い、第3表示領域105cにおいて、緑色に対応した画像信号の書き込み及び緑色の光の供給を行うようにする。また、第3のサブフレーム期間SF3では、第1表示領域105aにおいて、緑色に対応した画像信号の書き込み及び緑色の光の供給を行い、第2表示領域105bにおいて、青色に対応した画像信号の書き込み及び青色の光の供給を行い、第3表示領域105cにおいて、赤色に対応した画像信号の書き込み及び赤色の光の供給を行うようにする。
【0062】
そして、第1表示領域105a、第2表示領域105b、第3表示領域105cの全てにおいて、第1のサブフレーム期間SF1乃至第3のサブフレーム期間SF3が終了する、すなわち1フレーム期間が終了することで、フルカラーの画像を画素部101に表示することができる。なお、フルカラーの画像とは、異なる色相の色を複数用い、各色の階調により表示される画像を意味する。
【0063】
また、図3では、各表示領域が有する走査線を、それぞれ4つのグループに分割した場合を例示している。しかし、各表示領域が有する走査線は必ずしも4つのグループに分割する必要は無く、4以外の数のグループで分割しても良いし、分割しなくとも良い。
【0064】
また、図3では、上記グループごとに画像信号の書き込みが終了した時点で、光供給部からの光の供給を順次開始している。上記構成により、画素部の全ての画素において画像信号の書き込みが終了した時点で、光供給部からの光の供給を開始する場合よりも、表示期間を長く確保することができる、或いは1フレーム期間を短くすることができる。
【0065】
また、図3では、書き込み期間において、光供給部103から画素104への光の供給は行われていない。しかし、書き込み期間が開始された直後は、液晶層における液晶分子の配向の変化は小さい。よって、書き込み期間が開始されてから液晶分子の配向の変化が観察者に視認されるまでの間は、光供給部103から画素104への光の供給を行うようにしても良い。ただし、書き込み期間の当初に画素104に供給される光の色相は、上記書き込み期間の前に設けられた表示期間における光の色相と同じとする。
【0066】
また、上述したように、各表示領域は、右目用画素及び左目用画素を有しており、右目用画素には右目用画像の画像情報を有する画像信号が、左目用画素には左目用画像の画像情報を有する画像信号が、それぞれ入力される。図4に、図2に示した第1表示領域105aと、第2表示領域105bと、第3表示領域105cとを構成する画素104の配列と、各画素104に入力される画像信号の画像情報とを、一例として模式的に示す。
【0067】
図4では、第1表示領域105aを構成する走査線G1乃至走査線Gjに接続された画素104のうち、奇数番目の信号線S1、信号線S3、信号線S5、、、に接続された右目用画素104aに、赤色に対応した右目用画像の画像情報を有する画像信号(右R)が、書き込まれている。また、第1表示領域105aを構成する走査線G1乃至走査線Gjに接続された画素104のうち、偶数番目の信号線S2、信号線S4、信号線S6、、、に接続された左目用画素104bに、赤色に対応した左目用画像の画像情報を有する画像信号(左R)が、書き込まれている。
【0068】
さらに、図4では、第2表示領域105bを構成する走査線Gj+1乃至走査線G2jに接続された画素104のうち、奇数番目の信号線S1、信号線S3、信号線S5、、、に接続された右目用画素104aに、緑色に対応した右目用画像の画像情報を有する画像信号(右G)が、書き込まれている。また、第2表示領域105bを構成する走査線Gj+1乃至走査線G2jに接続された画素104のうち、偶数番目の信号線S2、信号線S4、信号線S6、、、に接続された左目用画素104bに、緑色に対応した左目用画像の画像情報を有する画像信号(左G)が、書き込まれている。
【0069】
さらに、図4では、第3表示領域105cを構成する走査線G2j+1乃至走査線G3jに接続された画素104のうち、奇数番目の信号線S1、信号線S3、信号線S5、、、に接続された右目用画素104aに、青色に対応した右目用画像の画像情報を有する画像信号(右B)が、書き込まれている。また、第3表示領域105cを構成する走査線G2j+1乃至走査線G3jに接続された左目用画素104bのうち、偶数番目の信号線S2、信号線S4、信号線S6、、、に接続された画素104に、青色に対応した左目用画像の画像情報を有する画像信号(左B)が、書き込まれている。
【0070】
このように、各色相に対応した右目用画像の画像情報を有する画像信号が、右目用画素104aに書き込まれ、各色相に対応した左目用画像の画像情報を有する画像信号が、左目用画素104bに書き込まれることで、フルカラーの三次元画像の表示を行うことができる。
【0071】
なお、上記駆動では、光供給部103として、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色に対応する光源を用いる構成について示したが、本発明の一態様では、当該構成に限定されない。本発明の一態様では、光供給部103に、任意の色の光を供給する光源を用いることが可能である。例えば、光供給部103に、赤(R)、緑(G)、青(B)、白(W)、若しくは赤(R)、緑(G)、青(B)、黄(Y)の4色に対応した光源を組み合わせて用いること、又はシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の3色に対応した光源を組み合わせて用いることなどが可能である。
【0072】
また、白(W)の光を混色により形成するのではなく、白(W)の光を発する光源をさらに光供給部103に設けるようにしても良い。白(W)の光を発する光源は、発光効率が高いため、当該光源を用いて光供給部103を構成することで、消費電力を低減することが可能である。また、光供給部103が補色の関係にある2色の光を発する光源を有する場合(例えば、青(B)と黄(Y)の2色を有する場合)、当該2色の光を混色することで白(W)の光を形成することも可能である。さらに、淡色の赤(R)、緑(G)、及び青(B)、並びに濃色の赤(R)、緑(G)、及び青(B)の6色を組み合わせて用いること、又は赤(R)、緑(G)、青(B)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の6色を組み合わせて用いることなども可能である。
【0073】
なお、例えば、赤(R)、緑(G)、及び青(B)の光源を用いて表現できる色は、色度図上のそれぞれの発光色に対応する3点が描く三角形の内側に示される色に限られる。従って、赤(R)、緑(G)、青(B)、黄(Y)の光源を用いた場合のように、色度図上の該三角形の外側に発光色が存在する光源を別途加えることで、当該液晶表示装置において表現できる色域を拡大し、色再現性を豊かにすることができる。
【0074】
例えば、色度図の中心から、色度図上の青色の光源Bに対応する点に向かって概ね外側に位置する点で表される深い青色(Deep Blue:DB)や、色度図の中心から、赤(R)に対応する色度図上の点に向かって概ね外側に位置する点で表されるより深い赤色(Deep Red:DR)を発する光源を、赤(R)、緑(G)、及び青(B)の光源を有する光供給部に加えて使用することができる。
【0075】
なお、異なる色相を有する複数の光源を用いてフルカラー画像の表示を行う場合、単色の光源とカラーフィルタを組み合わせる場合とは異なり、上記複数の光源を順次切り換えて発光させる必要がある。そして、上記光源の切り換えが行われる周波数は、単色の光源を用いた場合のフレーム周波数よりも高い値に設定する必要がある。例えば、単色の光源を用いた場合のフレーム周波数を60Hzとすると、赤、緑、青の各色に対応する光源を用いて駆動を行う場合、光源の切り替えを行う周波数は、3倍の180Hzとなる。よって、駆動回路も上記光源の周波数に合わせて動作させるので、非常に高い周波数で動作を行うことになる。しかし、上述したように、ブルー相を示す液晶は、応答速度が1msec以下と短い。そのため、ブルー相を示す液晶を液晶層に用いることで、画像信号の画素への書き込みを高速で行うことができ、フレーム周波数を高めることができる。特に、本発明の一態様のように、1フレーム期間が複数のサブフレーム期間で構成される場合、画素部への画像信号の書き込み回数がカラーフィルタ方式の場合よりも増えるため、フレーム周波数が低くなりやすい。しかし、本発明の一態様に係る液晶表示装置において、液晶素子が有する液晶層にブルー相を示す液晶を用いることで、フレーム周波数が低くなるのを防ぎ、カラーブレイクやフリッカの発生を防ぐことができる。
【0076】
<光学系102の構成例>
本発明の一態様では、画素部101から出る光の進行方向を、光学系102により制御する。光学系102には、上述したように、パララックスバリア、レンチキュラーレンズ、マイクロレンズアレイなどの、光の進行方向を制御する光学素子や、液晶パネルなどを用いることができる。
【0077】
図5に、画素部101と、パララックスバリア120と、観察者の右目122と左目123の位置関係を示す。
【0078】
図5では、画素部101が有する複数の画素のうち、任意の一走査線に接続された1行の画素を示している。上記1行の画素は、交互に配置された右目用画素104a(Rpix)と左目用画素104b(Lpix)とを含んでいる。
【0079】
また、図5では、光学系にパララックスバリア120を用いた例を示しており、パララックスバリア120には、光を遮る遮光部124と、光を通過させる開口部125とが交互に複数設けられている。そして、パララックスバリア120は、観察者の右目122及び左目123と画素部101とを結ぶ光の経路上に設けられている。
【0080】
画素部101の右目用画素104a(Rpix)と左目用画素104b(Lpix)とから発せられた光の一部は、パララックスバリア120の開口部125を通過し、観察者の右目122または左目123に入射する。そして、開口部125の形状または大きさと、画素部101のサイズと、右目122と左目123の距離とを最適化することで、右目用画素104a(Rpix)からの光を右目122に、左目用画素104b(Lpix)からの光を左目123に、選択的に入射させることができる。その結果、右目用画像と左目用画像とから構成される三次元画像を観察者に認識させることができる。
【0081】
なお、パララックスバリア120は、画素部101を有する液晶パネル内に形成されていても良い。
【0082】
次いで、光学系にレンチキュラーレンズを用いた場合について説明する。図6に、画素部101と、レンチキュラーレンズ130と、観察者の右目122と左目123の位置関係を示す。
【0083】
図6では、図5と同様に、画素部101が有する複数の画素のうち、任意の一走査線に接続された1行の画素を示している。上記1行の画素は、交互に配置された右目用画素104a(Rpix)と左目用画素104b(Lpix)とを含んでいる。
【0084】
図7(A)にレンチキュラーレンズ130の斜視図を示す。レンチキュラーレンズ130は、蒲鉾型のレンズを複数連ねたような形状を有しており、半円形状の凸部において光が集光され、その進行方向が制御される。
【0085】
図6において、レンチキュラーレンズ130が有する凸部の長手方向は、一走査線が伸びている方向、すなわち右目用画素104a(Rpix)と左目用画素104b(Lpix)の配列方向と、交差している。そして、レンチキュラーレンズ130は、観察者の右目122及び左目123と画素部101とを結ぶ光の経路上に設けられている。
【0086】
画素部101の右目用画素104a(Rpix)と左目用画素104b(Lpix)とから発せられた光の一部は、レンチキュラーレンズ130によって集光され、観察者の右目122または左目123に入射する。そして、レンチキュラーレンズ130の焦点深度を最適化することで、右目用画素104a(Rpix)からの光を右目122に、左目用画素104b(Lpix)からの光を左目123に、選択的に入射させることができる。その結果、右目用画像と左目用画像とから構成される三次元画像を観察者に認識させることができる。
【0087】
なお、光学系にマイクロレンズアレイを用いる場合も、レンチキュラーレンズを用いる場合と同様に、レンズの各凸部において光が集光されることで、左目用画素104b(Lpix)からの光を左目123に、選択的に入射させることができる。
【0088】
図7(B)に、マイクロレンズアレイ140の斜視図を示す。マイクロレンズアレイ140は、複数の平凸レンズがマトリックス状に連なるように設けられている。
【0089】
レンチキュラーレンズやマイクロレンズアレイのように、光を遮蔽せずに有効に活用することができる光学系を用いることで、3次元画像の輝度が2次元画像の輝度よりも著しく低くなるのを防ぐことができる。
【0090】
一方、パララックスバリアは、上記レンチキュラーレンズやマイクロレンズアレイよりも画素に対する位置合わせが容易であり、また作製が容易である。
【0091】
本発明の一態様に係る液晶表示装置は、画素部を複数の領域に分割し、領域ごとに異なる色相の光を順次供給することで、フルカラー画像の表示を行う。よって、特定の時刻に着目すると、隣接する領域に供給される光の色相を、互いに異ならせることができる。よって、各色の画像が合成されずに個別に視認されるのを防ぐことができ、FS駆動の場合とは異なり、動画の表示を行う際に起きやすかったカラーブレイクの発生を防ぐことができる。また、本発明の一態様に係る液晶表示装置は、カラーフィルタを用いる必要がないため、光供給部から発せられる光の利用効率を高めることができ、液晶表示装置全体の消費電力を低減させることができる。すなわち、本発明の一態様では、消費電力を低減できるというFS駆動のメリットを享受しつつ、カラーブレイクの発生というFS駆動のデメリットを防ぐことができる。
【0092】
さらに、本発明の一態様では、1つの画素で各色に対応する画像の表示を行うことができるため、カラーフィルタ―方式に比べて高精細な画像の表示を行うことができる。よって、光学系を利用した三次元画像の表示方式を採用した場合であっても、各行において、画像の表示に寄与する画素数が低減するのを抑え、高精細な三次元画像の表示を行うことができる。
【0093】
(実施の形態2)
本明細書において液晶表示装置とは、コントローラなどの外付け回路を含んでいても良い。本実施の形態では、本発明の一態様に係る液晶表示装置が有する、外付け回路の構成と、画素部の動作を制御する駆動回路の構成について、例を挙げて説明する。
【0094】
図8に、液晶表示装置400の構成を、一例としてブロック図で示す。なお、ブロック図では、構成要素を機能ごとに分類し、互いに独立したブロックとして示しているが、実際の構成要素は機能ごとに完全に切り分けることが難しく、一つの構成要素が複数の機能に係わることもあり得る。
【0095】
図8に示すように、本実施の形態の液晶表示装置400は、複数の画像メモリ401と、画像処理回路402と、コントローラ403と、液晶パネル404と、光供給部405と、光供給部制御回路406と、光学系407とを有する。
【0096】
液晶表示装置400には、フルカラー画像に対応する画像データ(フルカラー画像データ411)が入力される。画像処理回路402は、複数の画像メモリ401へのフルカラー画像データ411の書き込みと、複数の画像メモリ401からのフルカラー画像データ411の読み出しとを行う。フルカラー画像データ411には、複数の色相にそれぞれ対応する画像データが含まれている。複数の各画像メモリ401には、各色相に対応する画像データがそれぞれ記憶される。
【0097】
画像メモリ401は、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)等の記憶回路を用いることができる。或いは、画像メモリ401に、VRAM(Video RAM)を用いても良い。
【0098】
画像処理回路402から、複数の画像メモリ401に記憶されている、各色相に対応する画像データの読み出しは、コントローラ403からの命令に従って行われる。複数の画像メモリ401から読み出された各色相に対応する画像データは、液晶パネル404に送られる。
【0099】
また、コントローラ403は、フルカラー画像データ411に同期した駆動信号またはフルカラー画像の表示を行う際に用いられる電源電位を、液晶パネル404に供給する。
【0100】
液晶パネル404は、各画素に液晶素子を有する画素部408と、信号線駆動回路409、走査線駆動回路410などの駆動回路とを有する。画素部408は、複数の表示領域を有している。図8では、画素部408が、第1表示領域420と第2表示領域421と第3の表示領域422とを有する場合を例示している。
【0101】
液晶パネル404に入力された各色相に対応する画像データは、信号線駆動回路409に与えられる。また、コントローラ403からの駆動信号または電源電位は、信号線駆動回路409または走査線駆動回路410に与えられる。
【0102】
なお、駆動信号には、信号線駆動回路409の動作を制御する信号線駆動回路用のスタートパルス信号SSP、信号線駆動回路用のクロック信号SCK、ラッチ信号LP、走査線駆動回路410の動作を制御する走査線駆動回路用のスタートパルス信号GSP、走査線駆動回路用のクロック信号GCK、パルス幅制御信号PWCなどが含まれる。
【0103】
光供給部405には、色相の異なる光を発する複数の光源が設けられている。コントローラ403は、光供給部制御回路406を介して光供給部405が有する光源の駆動を制御する。
【0104】
次いで、信号線駆動回路409の構成について説明する。図9に、信号線駆動回路409の構成を一例として示す。図9に示す信号線駆動回路409は、シフトレジスタ450、レベルシフタ451、デジタルバッファ452、第1記憶回路453、第2記憶回路454、アナログバッファ455を有している。
【0105】
信号線駆動回路409の動作について説明する。シフトレジスタ450に、スタートパルス信号SSPと、クロック信号SCKと、クロック信号SCKとは逆位相の電位を有するクロック信号SCKBとが入力されると、シフトレジスタ450は、パルスが順次シフトするタイミング信号を生成する。
【0106】
シフトレジスタ450から出力されたタイミング信号は、レベルシフタ451においてその電位の振幅が調整された後、デジタルバッファ452を介して第1記憶回路453に入力される。
【0107】
第1記憶回路453には、画像信号IMGが入力される。第1記憶回路453にタイミング信号が入力されると、該タイミング信号のパルスに従って、画像信号IMGがサンプリングされ、第1記憶回路453が有する複数の記憶素子に順に書き込まれる。すなわち、シリアルで信号線駆動回路409に入力された画像信号IMGが、第1記憶回路453にパラレルで書き込まれる。第1記憶回路453に書き込まれた画像信号IMGは、保持される。
【0108】
なお、第1記憶回路453が有する複数の記憶素子に順に画像信号IMGを書き込んでも良いが、第1記憶回路453が有する複数の記憶素子をいくつかのグループに分け、該グループごとに並行して画像信号IMGを入力する、いわゆる分割駆動を行っても良い。なおこのときのグループ数を分割数と呼ぶ。例えば記憶素子を4つのグループに分けた場合、4分割で分割駆動することになる。
【0109】
第2記憶回路454には、ラッチ信号LPが入力される。第1記憶回路453への、画像信号IMGの書き込みが一通り終了した後、帰線期間において、第2記憶回路454に入力されるラッチ信号LPのパルスに従い、第1記憶回路453に保持されている画像信号IMGが、第2記憶回路454に一斉に書き込まれ、保持される。画像信号IMGを第2記憶回路454に送出し終えた第1記憶回路453では、再びシフトレジスタ450からのタイミング信号に従って、次の画像信号IMGの書き込みが順次行われる。この2順目の1ライン期間中には、第2記憶回路454に書き込まれ、保持されている画像信号IMGが、アナログバッファ455を介して信号線に送られる。
【0110】
次いで、各走査線駆動回路410の構成について説明する。図10に、走査線駆動回路410の構成を一例として示す。図10に示す走査線駆動回路410は、シフトレジスタ460、セレクタ461、レベルシフタ462、デジタルバッファ463を有している。
【0111】
図11に示すタイミングチャートを用いて、図10に示す走査線駆動回路410の動作について説明する。走査線駆動回路410において、シフトレジスタ460は、スタートパルス信号GSPと、クロック信号GCKと、クロック信号GCKとは逆位相の電位を有するクロック信号GCKBとが入力されると、パルスが順次シフトする走査信号SROUTを生成する。
【0112】
なお、図10では、シフトレジスタ460が、複数のフリップフロップGSRを有している場合を例示している。そして、複数のフリップフロップGSRのそれぞれから、走査信号SROUTが出力される。具体的には、初段のフリップフロップGSRから走査信号SROUT1が出力され、二段目のフリップフロップGSRから走査信号SROUT2が出力され、三段目のフリップフロップGSRから走査信号SROUT3が出力される。すなわち、シフトレジスタ460がy段のフリップフロップGSRを有しているならば、シフトレジスタ460から走査信号SROUT1乃至走査信号SROUTyが出力されることとなる。
【0113】
なお、図10では、複数の走査線駆動回路410の1つを例示しているが、液晶表示装置400が3つの走査線駆動回路410を有する場合、3つの各走査線駆動回路410が有するシフトレジスタ460から、それぞれ走査信号SROUTが出力される。例えば、一段目の走査線駆動回路410が有するシフトレジスタ460から、走査信号SROUT1乃至走査信号SROUTjが出力され、二段目の走査線駆動回路410が有するシフトレジスタ460から、走査信号SROUTj+1乃至走査信号SROUT2jが出力され、三段目の走査線駆動回路410が有するシフトレジスタ460から、走査信号SROUT2j+1乃至走査信号SROUT3jが出力される。
【0114】
シフトレジスタ460から出力された走査信号SROUTは、セレクタ461に入力される。また、セレクタ461には、パルス幅制御信号PWCも入力されている。セレクタ461は、走査信号SROUTのパルスに従って、パルス幅制御信号PWCの電位の出力を制御することで、選択信号Goutを生成する。
【0115】
なお、図10では、複数の走査線駆動回路410の1つを例示しているが、液晶表示装置400が3つの走査線駆動回路410を有する場合、図11に示すように、パルス幅制御信号PWC1乃至パルス幅制御信号PWC6を用いる。
【0116】
具体的に、図11では、一段目の走査線駆動回路410が有するセレクタ461に、パルス幅制御信号PWC1及びパルス幅制御信号PWC4が入力される。また、一段目の走査線駆動回路410が有するセレクタ461は、複数のセレクタSELを有しており、上記複数の各セレクタSELには、パルス幅制御信号PWC1とパルス幅制御信号PWC4のいずれか一方が入力される。上記構成により、一段目の走査線駆動回路410が有するセレクタ461において、選択信号Gout1乃至選択信号Goutjが生成される。
【0117】
同様に、二段目の走査線駆動回路410が有するセレクタ461に、パルス幅制御信号PWC2及びパルス幅制御信号PWC5が入力される。また、二段目の走査線駆動回路410が有するセレクタ461は、複数のセレクタSELを有しており、上記複数の各セレクタSELには、パルス幅制御信号PWC2とパルス幅制御信号PWC5のいずれか一方が入力される。上記構成により、二段目の走査線駆動回路410が有するセレクタ461において、選択信号Goutj+1乃至選択信号Gout2jが生成される。
【0118】
同様に、三段目の走査線駆動回路410が有するセレクタ461に、パルス幅制御信号PWC3及びパルス幅制御信号PWC6が入力される。また、三段目の走査線駆動回路410が有するセレクタ461は、複数のセレクタSELを有しており、上記複数の各セレクタSELには、パルス幅制御信号PWC3とパルス幅制御信号PWC6のいずれか一方が入力される。上記構成により、三段目の走査線駆動回路410が有するセレクタ461において、選択信号Gout2j+1乃至選択信号Gout3jが生成される。
【0119】
セレクタ461において生成された選択信号Goutは、レベルシフタ462においてその電位の振幅が調整された後、デジタルバッファ463を介して画素部408の走査線に入力される。
【0120】
具体的には、選択信号Gout1乃至選択信号Goutjが、第1表示領域420が有する走査線G1乃至走査線Gjにそれぞれ入力される。選択信号Goutj+1乃至選択信号Gout2jが、第2表示領域421が有する走査線Gj+1乃至走査線G2jにそれぞれ入力される。選択信号Gout2j+1乃至選択信号Gout3jが、第3表示領域422が有する走査線G2j+1乃至走査線G3jにそれぞれ入力される。
【0121】
画素部408が有する画素は、走査線駆動回路410から入力された選択信号Goutにより選択される。信号線駆動回路409から信号線を介して画素部408に送られた画像信号IMGは、上記選択された画素に入力される。
【0122】
本実施の形態は、上記実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0123】
(実施の形態3)
本実施の形態では、図2に示す画素104の、具体的な構成について説明する。
【0124】
図12(A)に、画素の上面図を一例として示す。また、図12(B)に、図12(A)の破線A1―A2、及び破線B1−B2における断面図を示す。
【0125】
図12(A)、図12(B)に示す画素は、導電膜501が、走査線G、またはトランジスタ107のゲート電極として機能する。また、導電膜502は、信号線S、またはトランジスタ107の第1端子として機能する。導電膜503は、容量素子108が有する電極の一つとして機能する。導電膜504は、トランジスタ107の第2端子、または容量素子108が有する電極の別の一つとして機能する。
【0126】
導電膜501、導電膜503上にはゲート絶縁膜506が形成されている。トランジスタ107の活性層507は、導電膜501と重なる位置においてゲート絶縁膜506上に形成されている。
【0127】
また、図12(A)、図12(B)に示す画素では、導電膜503と導電膜502とが重なる位置において、ゲート絶縁膜506及び半導体膜520が設けられている。具体的には、導電膜503上にゲート絶縁膜506が設けられ、ゲート絶縁膜506上に半導体膜520が設けられ、半導体膜520上に導電膜502が設けられている。半導体膜520を導電膜502と導電膜503の間に設けることで、導電膜502と導電膜503の間に形成される寄生容量を小さく抑えることができる。
【0128】
また、図12(A)、図12(B)に示す画素では、導電膜501と導電膜502とが重なる位置において、ゲート絶縁膜506及び半導体膜523が設けられている。具体的には、導電膜501上にゲート絶縁膜506が設けられ、ゲート絶縁膜506上に半導体膜523が設けられ、半導体膜523上に導電膜502が設けられている。半導体膜523を導電膜501と導電膜502の間に設けることで、導電膜501と導電膜502の間に形成される寄生容量を小さく抑えることができる。
【0129】
なお、導電膜501、導電膜503は、絶縁表面を有する基板500上に形成された一の導電膜を所望の形状に加工することで形成することができる。活性層507、半導体膜520、半導体膜523は、ゲート絶縁膜506上に形成された一の半導体膜を所望の形状に加工することで形成することができる。導電膜502、導電膜504は、ゲート絶縁膜506、活性層507、半導体膜520及び半導体膜523上に形成された一の導電膜を所望の形状に加工することで形成することができる。
【0130】
さらに、図12(A)、図12(B)に示す画素は、活性層507、半導体膜520、半導体膜523、導電膜502、導電膜504を覆うように、絶縁膜512が形成されている。そして、絶縁膜512に形成されたコンタクトホールを介して導電膜504と接するように、絶縁膜512上に導電膜521が形成されている。そして、導電膜521及び絶縁膜512上に、絶縁膜513が形成されている。そして、絶縁膜513上には画素電極505が形成されており、絶縁膜513に形成されたコンタクトホールを介して、導電膜521と画素電極505とが接している。
【0131】
なお、図12(A)、図12(B)に示す画素では、導電膜504と画素電極505が、導電膜521を介して接続されているが、本発明の一態様では、導電膜521を設けずに、導電膜504と画素電極505が接する構成であっても良い。
【0132】
導電膜503と、導電膜504とが、ゲート絶縁膜506を間に挟んで重なり合っている部分が、容量素子108として機能する。
【0133】
また、本実施の形態では、導電膜521と画素電極505とが重なる位置において、画素電極505上にスペーサ510が形成されている。
【0134】
なお、図12(A)では、スペーサ510までが形成された画素の上面図を示している。図12(B)では、スペーサ510までが形成されている基板500と対峙するように、基板514が配置されている様子を示す。
【0135】
基板514上には対向電極515が形成されており、画素電極505と対向電極515の間には液晶を含む液晶層516が設けられている。画素電極505と、対向電極515と、液晶層516とが重なる部分に液晶素子106が形成される。
【0136】
透過型の液晶表示装置である場合、画素電極505と対向電極515には、例えば、酸化珪素を含む酸化インジウムスズ(ITSO)、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム亜鉛、ガリウムを添加した酸化亜鉛(GZO)などの透光性を有する導電材料を用いることができる。反射型の液晶表示装置である場合は、対向電極515に、光を反射もしくは遮蔽する材料、例えば、窒化チタン、窒化ジルコニウム、チタン、タングステン、ニッケル、白金、クロム、銀、アルミニウム等を用いることができる。
【0137】
なお、画素電極505と液晶層516の間、または対向電極515と液晶層516の間に、配向膜を適宜設けても良い。配向膜は、ポリイミド、ポリビニルアルコールなどの有機樹脂を用いて形成することができ、その表面には、ラビングなどの、液晶分子を一定方向に配列させるための配向処理が施されている。ラビングは、配向膜に接するように、ナイロンなどの布を巻いたローラーを回転させて、上記配向膜の表面を一定方向に擦ることで、行うことができる。なお、酸化珪素などの無機材料を用い、配向処理を施すことなく、蒸着法で配向特性を有する配向膜を直接形成することも可能である。
【0138】
また、液晶層516を形成するために行われる液晶の注入は、ディスペンサ式(滴下式)を用いても良いし、ディップ式(汲み上げ式)を用いていても良い。
【0139】
なお、基板514上には、画素間における液晶の配向の乱れに起因するディスクリネーションが視認されるのを防ぐため、或いは、拡散した光が隣接する複数の画素に入射するのを防ぐために、光を遮蔽することができる遮蔽膜517が設けられている。遮蔽膜517には、カーボンブラック、二酸化チタンよりも酸化数が小さい低次酸化チタンなどの黒色顔料を含む有機樹脂を用いることができる。または、クロムを用いた膜で、遮蔽膜を形成することも可能である。
【0140】
なお、図12では、画素電極505と対向電極515の間に液晶層516が挟まれている構造を有する液晶素子106を例に挙げて説明したが、本発明の一態様に係る液晶表示装置はこの構成に限定されない。IPS型の液晶素子やブルー相を用いた液晶素子のように、一対の電極が共に一の基板に形成されていても良い。
【0141】
次いで、液晶素子が有する液晶層にブルー相を示す液晶を用いた場合の、図2に示す画素104の具体的な構成について説明する。
【0142】
図13(A)に、画素の上面図を一例として示す。また、図13(B)に、図13(A)の破線C1―C2における断面図を示す。
【0143】
図13(A)、図13(B)に示す画素は、導電膜601が、走査線G、またはトランジスタ107のゲート電極として機能する。また、導電膜602は、信号線S、またはトランジスタ107の第1端子として機能する。導電膜603は、容量素子108が有する電極の一つとして機能する。導電膜604は、トランジスタ107の第2端子、または容量素子108が有する電極の別の一つとして機能する。
【0144】
導電膜601、導電膜603上にはゲート絶縁膜606が形成されている。トランジスタ107の活性層607は、導電膜601と重なる位置においてゲート絶縁膜606上に形成されている。さらに、活性層607、導電膜602、導電膜604を覆うように、絶縁膜612と、絶縁膜613とが順に形成されている。そして、絶縁膜613上には画素電極605及び共通電極608が形成されており、絶縁膜612及び絶縁膜613に形成されたコンタクトホールを介して、導電膜604と画素電極605とが接続されている。
【0145】
導電膜601、導電膜603は、絶縁表面を有する基板600上に形成された一の導電膜を所望の形状に加工することで形成することができる。導電膜601、導電膜603上にはゲート絶縁膜606が形成されている。導電膜602、導電膜604は、活性層607及びゲート絶縁膜606上に形成された一の導電膜を所望の形状に加工することで形成することができる。
【0146】
なお、導電膜603と、導電膜604とが、ゲート絶縁膜606を間に挟んで重なり合っている部分が、容量素子108として機能する。
【0147】
また、図13(A)及び図13(B)に示す画素では、導電膜603とゲート絶縁膜606の間に絶縁膜609が形成されている。そして、画素電極605と絶縁膜609とが重なる位置において、画素電極605上にスペーサ610が形成されている。
【0148】
なお、図13(A)では、スペーサ610までが形成された画素の上面図を示している。図13(B)では、スペーサ610までが形成されている基板600と対峙するように、基板614が配置されている様子を示す。
【0149】
基板614と、画素電極605及び共通電極608との間には、液晶を含む液晶層616が設けられている。画素電極605と、共通電極608と、液晶層616とを含む領域に液晶素子106が形成される。
【0150】
画素電極605と共通電極608には、例えば、酸化珪素を含む酸化インジウムスズ(ITSO)、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム亜鉛、ガリウムを添加した酸化亜鉛(GZO)などの透光性を有する導電材料を用いることができる。
【0151】
液晶層616を形成するために行われる液晶の注入は、ディスペンサ式(滴下式)を用いても良いし、ディップ式(汲み上げ式)を用いていても良い。
【0152】
なお、基板614上には、画素間における液晶の配向の乱れに起因するディスクリネーションが視認されるのを防ぐため、或いは、拡散した光が隣接する複数の画素に入射するのを防ぐために、光を遮蔽することができる遮蔽膜が設けられていても良い。遮蔽膜には、カーボンブラック、二酸化チタンよりも酸化数が小さい低次酸化チタンなどの黒色顔料を含む有機樹脂を用いることができる。または、クロムを用いた膜で、遮蔽膜を形成することも可能である。
【0153】
なお、図12または図13において、トランジスタ107は、酸化物半導体などのワイドギャップ半導体を活性層507或いは活性層607に有していても良いし、非晶質、微結晶、多結晶又は単結晶である、シリコン又はゲルマニウムなどの半導体を活性層507或いは活性層607に有していても良い。
【0154】
酸化物半導体は、シリコンよりもバンドギャップが広く、真性キャリア密度がシリコンよりも低いため、酸化物半導体をトランジスタの活性層に用いることで、通常のシリコンやゲルマニウムなどの半導体を活性層に有するトランジスタに比べて、オフ電流が極めて低いトランジスタを実現することができる。
【0155】
なお、電子供与体(ドナー)となる水分又は水素などの不純物が低減され、なおかつ酸素欠損が低減されることで高純度化された酸化物半導体(purified Oxide Semiconductor)は、i型(真性半導体)又はi型に限りなく近い。そのため、上記酸化物半導体を用いたトランジスタは、オフ電流が著しく低いという特性を有する。具体的に、高純度化された酸化物半導体は、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectroscopy)による水素濃度の測定値が、5×1019/cm以下、好ましくは5×1018/cm以下、より好ましくは5×1017/cm以下、更に好ましくは1×1016/cm以下とする。また、ホール効果測定により測定できる酸化物半導体膜のキャリア密度は、1×1014/cm未満、好ましくは1×1012/cm未満、更に好ましくは1×1011/cm未満とする。また、酸化物半導体のバンドギャップは、2eV以上、好ましくは2.5eV以上、より好ましくは3eV以上である。水分又は水素などの不純物濃度が十分に低減され、なおかつ酸素欠損が低減されることで高純度化された酸化物半導体膜を用いることにより、トランジスタのオフ電流を下げることができる。
【0156】
ここで、酸化物半導体膜中の、水素濃度の分析について触れておく。半導体膜中の水素濃度測定は、SIMSで行う。SIMSは、その原理上、試料表面近傍や、材質が異なる膜との積層界面近傍のデータを正確に得ることが困難であることが知られている。そこで、膜中における水素濃度の厚さ方向の分布をSIMSで分析する場合、対象となる膜が存在する範囲において、値に極端な変動がなく、ほぼ一定の値が得られる領域における平均値を、水素濃度として採用する。また、測定の対象となる膜の厚さが小さい場合、隣接する膜内の水素濃度の影響を受けて、ほぼ一定の値が得られる領域を見いだせない場合がある。この場合、当該膜が存在する領域における、水素濃度の極大値又は極小値を、当該膜中の水素濃度として採用する。更に、当該膜が存在する領域において、極大値を有する山型のピーク、極小値を有する谷型のピークが存在しない場合、変曲点の値を水素濃度として採用する。
【0157】
具体的に、高純度化された酸化物半導体膜を活性層として用いたトランジスタのオフ電流が低いことは、いろいろな実験により証明できる。例えば、チャネル幅が1×10μmでチャネル長が10μmの、酸化物半導体膜を活性層として用いたトランジスタであっても、ソース端子とドレイン端子間の電圧(ドレイン電圧)が1Vから10Vの範囲において、オフ電流が、半導体パラメータアナライザの測定限界以下、すなわち1×10−13A以下という特性を得ることができる。この場合、オフ電流をトランジスタのチャネル幅で除した数値に相当するオフ電流密度は、100zA/μm以下であることが分かる。
【0158】
なお、酸化物半導体としては、少なくともインジウム(In)あるいは亜鉛(Zn)を含むことが好ましい。特にInとZnを含むことが好ましい。また、該酸化物を用いたトランジスタの電気的特性のばらつきを減らすためのスタビライザーとして、それらに加えてガリウム(Ga)を有することが好ましい。また、スタビライザーとしてスズ(Sn)を有することが好ましい。また、スタビライザーとしてハフニウム(Hf)を有することが好ましい。また、スタビライザーとしてアルミニウム(Al)を有することが好ましい。
【0159】
また、他のスタビライザーとして、ランタノイドである、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)のいずれか一種または複数種を含んでいてもよい。
【0160】
例えば、酸化物半導体として、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、二元系金属の酸化物であるIn−Zn系酸化物、Sn−Zn系酸化物、Al−Zn系酸化物、Zn−Mg系酸化物、Sn−Mg系酸化物、In−Mg系酸化物、In−Ga系酸化物、三元系金属の酸化物であるIn−Ga−Zn系酸化物(IGZOとも表記する)、In−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Zn系酸化物、Sn−Ga−Zn系酸化物、Al−Ga−Zn系酸化物、Sn−Al−Zn系酸化物、In−Hf−Zn系酸化物、In−La−Zn系酸化物、In−Ce−Zn系酸化物、In−Pr−Zn系酸化物、In−Nd−Zn系酸化物、In−Sm−Zn系酸化物、In−Eu−Zn系酸化物、In−Gd−Zn系酸化物、In−Tb−Zn系酸化物、In−Dy−Zn系酸化物、In−Ho−Zn系酸化物、In−Er−Zn系酸化物、In−Tm−Zn系酸化物、In−Yb−Zn系酸化物、In−Lu−Zn系酸化物、四元系金属の酸化物であるIn−Sn−Ga−Zn系酸化物、In−Hf−Ga−Zn系酸化物、In−Al−Ga−Zn系酸化物、In−Sn−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Hf−Zn系酸化物、In−Hf−Al−Zn系酸化物を用いることができる。また、上記酸化物半導体は、珪素を含んでいてもよい。
【0161】
なお、例えば、In−Ga−Zn系酸化物とは、InとGaとZnを含む酸化物という意味であり、InとGaとZnの比率は問わない。また、InとGaとZn以外の金属元素を含んでいてもよい。In−Ga−Zn系酸化物は、無電界時の抵抗が十分に高くオフ電流を十分に小さくすることが可能であり、また、移動度も高いため、半導体装置に用いる半導体材料としては好適である。
【0162】
例えば、In:Ga:Zn=1:1:1(=1/3:1/3:1/3)あるいはIn:Ga:Zn=2:2:1(=2/5:2/5:1/5)の原子比のIn−Ga−Zn系酸化物やその組成の近傍の酸化物を用いることができる。あるいは、In:Sn:Zn=1:1:1(=1/3:1/3:1/3)、In:Sn:Zn=2:1:3(=1/3:1/6:1/2)あるいはIn:Sn:Zn=2:1:5(=1/4:1/8:5/8)の原子比のIn−Sn−Zn系酸化物やその組成の近傍の酸化物を用いるとよい。
【0163】
しかし、これらに限られず、必要とする半導体特性(移動度、しきい値、ばらつき等)に応じて適切な組成のものを用いればよい。また、必要とする半導体特性を得るために、キャリア密度や不純物濃度、欠陥密度、金属元素と酸素の原子数比、原子間結合距離、密度等を適切なものとすることが好ましい。
【0164】
例えば、In−Sn−Zn系酸化物では比較的容易に高い移動度が得られる。しかしながら、In−Ga−Zn系酸化物でも、バルク内欠陥密度を低減することにより移動度を上げることができる。
【0165】
なお、例えば、In、Ga、Znの原子数比がIn:Ga:Zn=a:b:c(a+b+c=1)である酸化物の組成が、原子数比がIn:Ga:Zn=A:B:C(A+B+C=1)の酸化物の組成の近傍であるとは、a、b、cが、(a―A)+(b―B)+(c―C)≦rを満たすことを言い、rは、例えば、0.05とすればよい。他の酸化物でも同様である。
【0166】
なお、特に断りがない限り、本明細書でオフ電流とは、nチャネル型トランジスタにおいては、ドレイン端子をソース端子とゲート電極よりも高い電位とした状態において、ソース端子の電位を基準としたときのゲート端子の電位が0以下であるときに、ソース端子とドレイン端子の間に流れる電流のことを意味する。或いは、本明細書でオフ電流とは、pチャネル型トランジスタにおいては、ドレイン端子をソース端子とゲート電極よりも低い電位とした状態において、ソース端子の電位を基準としたときのゲート電極の電位が0以上であるときに、ソース端子とドレイン端子の間に流れる電流のことを意味する。
【0167】
また、シリコンよりもバンドギャップが広く、真性キャリア密度がシリコンよりも低い半導体材料の一例として、酸化物半導体の他に、炭化シリコン(SiC)、窒化ガリウム(GaN)などの化合物半導体を挙げることができる。酸化物半導体は、炭化シリコンや窒化ガリウムなどの化合物半導体とは異なり、スパッタリング法や湿式法などにより作製可能であり、量産性に優れるといった利点がある。また、炭化シリコンまたは窒化ガリウムとは異なり、酸化物半導体は室温でも成膜が可能なため、ガラス基板上への成膜、或いはシリコンを用いた集積回路上への成膜が可能である。また、酸化物半導体は、多結晶シリコン、微結晶シリコンなどの結晶性を有するシリコンや、炭化シリコン、窒化ガリウムなどとは異なり、第6世代以上の大型基板への対応が可能である。よって、酸化物半導体は量産性が高いというメリットを特に有する。また、トランジスタの性能(例えば電界効果移動度)を向上させるために結晶性の酸化物半導体を得ようとする場合でも、250℃から800℃の熱処理によって容易に結晶性の酸化物半導体を得ることができる。
【0168】
液晶表示装置では、画像信号の電位の極性を、共通電極の電位を基準として反転させる反転駆動を行うことで、焼き付きと呼ばれる液晶の劣化を防ぐことができる。しかし、反転駆動を行うと、画像信号の極性が変化する際に信号線に与えられる電位の変化が大きくなるため、スイッチング素子として機能するトランジスタ107のソース端子とドレイン端子の電位差が大きくなる。特に、ブルー相を示す液晶を液晶層が含んでいる場合は上記電位差が非常に大きくなる。例えばTN液晶を液晶層に含んでいる場合だと、上記電位差が十数V程度であるのに対し、ブルー相を示す液晶を液晶層が含んでいる場合は、上記電位差が数十Vにも及ぶ。よって、トランジスタ107は、閾値電圧がシフトするなどの特性劣化が生じやすい。また、液晶素子に保持されている電圧を維持するために、ソース端子とドレイン端子の電位差が大きくても、オフ電流が低いことが要求される。トランジスタ107に、シリコンまたはゲルマニウムよりもバンドギャップが大きく、真性キャリア密度が低い酸化物半導体などの半導体を用いることで、トランジスタ107の耐圧性を高め、オフ電流を著しく低くすることができる。よって、通常のシリコンやゲルマニウムなどの半導体材料で形成されたトランジスタを用いた場合に比べて、トランジスタ107の劣化を防ぎ、液晶素子に保持されている電圧を維持することができる。
【0169】
なお、トランジスタ107は、活性層507或いは活性層607の片側にだけ存在するゲート電極を少なくとも有していれば良いが、活性層507或いは活性層607を間に挟んで存在する一対のゲート電極を有していても良い。また、トランジスタ107は、単数のゲート電極と単数のチャネル形成領域を有するシングルゲート構造であっても良いし、電気的に接続された複数のゲート電極を有することで、チャネル形成領域を複数有する、マルチゲート構造であっても良い。
【0170】
また、導電膜501乃至導電膜504と、導電膜521と、導電膜601乃至導電膜604とは、アルミニウム、クロム、銅、タンタル、チタン、モリブデン、タングステンから選ばれた元素、又は上述した元素を成分とする合金か、上述した元素を組み合わせた合金膜等が挙げられる。また、アルミニウム、銅などの金属膜の下側もしくは上側にクロム、タンタル、チタン、モリブデン、タングステンなどの高融点金属膜を積層させた構成としても良い。また、アルミニウム又は銅は、耐熱性や腐食性の問題を回避するために、高融点金属材料と組み合わせて用いると良い。高融点金属材料としては、モリブデン、チタン、クロム、タンタル、タングステン、ネオジム、スカンジウム、イットリウム等を用いることができる。また、Cu−Mg−Al合金、Mo−Ti合金、Ti、Mo、は、酸化膜との密着性が高い。よって、下層にCu−Mg−Al合金、Mo−Ti合金、Ti、或いはMoで構成される導電膜、上層にCuで構成される導電膜を積層し、上記積層された導電膜を導電膜501乃至導電膜504と、導電膜521と、導電膜601乃至導電膜604とに用いることで、酸化膜である絶縁膜と、導電膜501乃至導電膜504と、導電膜521と、導電膜601乃至導電膜604との密着性を高めることができる。
【0171】
活性層507或いは活性層607に酸化物半導体膜を用いる場合、酸化物半導体膜の成膜は、減圧状態に保持された処理室内に基板を保持し、処理室内の残留水分を除去しつつ水素及び水分が除去されたスパッタガスを導入し、ターゲットを用いて行うことができる。成膜時に、基板温度を100℃以上600℃以下、好ましくは200℃以上400℃以下としても良い。基板を加熱しながら成膜することにより、成膜した酸化物半導体膜に含まれる不純物濃度を低減することができる。また、スパッタリングによる損傷が軽減される。処理室内の残留水分を除去するためには、吸着型の真空ポンプを用いることが好ましい。例えば、クライオポンプ、イオンポンプ、チタンサブリメーションポンプを用いることが好ましい。また、排気手段としては、ターボポンプにコールドトラップを加えたものであってもよい。クライオポンプを用いて成膜室を排気すると、例えば、水素原子、水(HO)など水素原子を含む化合物(より好ましくは炭素原子を含む化合物も)等が排気されるため、当該成膜室で成膜した酸化物半導体膜に含まれる不純物の濃度を低減できる。
【0172】
また、スパッタリング装置の処理室のリークレートを1×10−10Pa・m/秒以下とすることで、スパッタリング法による成膜途中における酸化物半導体膜への、アルカリ金属、水素化物等の不純物の混入を低減することができる。また、排気系として上述した吸着型の真空ポンプを用いることで、排気系からのアルカリ金属、水素原子、水素分子、水、水酸基、または水素化物等の不純物の逆流を低減することができる。
【0173】
また、ターゲットの純度を、99.99%以上とすることで、酸化物半導体膜に混入するアルカリ金属、水素原子、水素分子、水、水酸基、または水素化物等を低減することができる。また、当該ターゲットを用いることで、酸化物半導体膜において、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属の濃度を低減することができる。
【0174】
なお、スパッタ等で成膜された酸化物半導体膜中には、不純物としての水分又は水素(水酸基を含む)が多量に含まれていることがある。水分又は水素はドナー準位を形成しやすいため、酸化物半導体にとっては不純物である。そこで、酸化物半導体膜中の水分又は水素などの不純物を低減(脱水化または脱水素化)するために、酸化物半導体膜に対して、減圧雰囲気下、窒素や希ガスなどの不活性ガス雰囲気下、酸素ガス雰囲気下、又は超乾燥エア(CRDS(キャビティリングダウンレーザー分光法)方式の露点計を用いて測定した場合の水分量が20ppm(露点換算で−55℃)以下、好ましくは1ppm以下、好ましくは10ppb以下の空気)雰囲気下で、加熱処理を施しておくことが望ましい。
【0175】
酸化物半導体膜に加熱処理を施すことで、酸化物半導体膜中の水分又は水素を脱離させることができる。具体的には、250℃以上750℃以下、好ましくは400℃以上基板の歪み点未満の温度で加熱処理を行えば良い。例えば、500℃、3分間以上6分間以下程度で行えばよい。加熱処理にRTA法を用いれば、短時間に脱水化又は脱水素化が行えるため、ガラス基板の歪点を超える温度でも処理することができる。
【0176】
なお、加熱処理装置は電気炉の他に、抵抗発熱体などの発熱体からの熱伝導又は熱輻射によって、被処理物を加熱する装置を備えていてもよい。例えば、GRTA(Gas Rapid Thermal Annealing)装置、LRTA(Lamp Rapid Thermal Annealing)装置等のRTA(Rapid Thermal Annealing)装置を用いることができる。LRTA装置は、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、キセノンアークランプ、カーボンアークランプ、高圧ナトリウムランプ、高圧水銀ランプなどのランプから発する光(電磁波)の輻射により、被処理物を加熱する装置である。GRTA装置は、高温のガスを用いて加熱処理を行う装置である。気体には、アルゴンなどの希ガス、又は窒素のような、加熱処理によって被処理物と反応しない不活性気体が用いられる。
【0177】
加熱処理においては、窒素、又はヘリウム、ネオン、アルゴン等の希ガスに、水分又は水素などが含まれないことが好ましい。又は、加熱処理装置に導入する窒素、又はヘリウム、ネオン、アルゴン等の希ガスの純度を、6N(99.9999%)以上、好ましくは7N(99.99999%)以上、(即ち不純物濃度を1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下)とすることが好ましい。
【0178】
なお、酸化物半導体は不純物に対して鈍感であり、膜中にはかなりの金属不純物が含まれていても問題がなく、ナトリウムのようなアルカリ金属が多量に含まれる廉価なソーダ石灰ガラスも使えると指摘されている(神谷、野村、細野、「アモルファス酸化物半導体の物性とデバイス開発の現状」、固体物理、2009年9月号、Vol.44、pp.621−633.)。しかし、このような指摘は適切でない。アルカリ金属は酸化物半導体を構成する元素ではないため、不純物である。アルカリ土類金属も、酸化物半導体を構成する元素ではない場合において、不純物となる。特に、アルカリ金属のうちNaは、酸化物半導体膜に接する絶縁膜が酸化物である場合、当該絶縁膜中に拡散してNaとなる。また、Naは、酸化物半導体膜内において、酸化物半導体を構成する金属と酸素の結合を分断する、或いは、その結合中に割り込む。その結果、例えば、閾値電圧がマイナス方向にシフトすることによるノーマリオン化、移動度の低下等の、トランジスタの特性の劣化が起こり、加えて、特性のばらつきも生じる。この不純物によりもたらされるトランジスタの特性の劣化と、特性のばらつきは、酸化物半導体膜中の水素濃度が十分に低い場合において顕著に現れる。従って、酸化物半導体膜中の水素濃度が1×1018/cm以下、より好ましくは1×1017/cm以下である場合には、上記不純物の濃度を低減することが望ましい。具体的に、二次イオン質量分析法によるNa濃度の測定値は、5×1016/cm以下、好ましくは1×1016/cm以下、更に好ましくは1×1015/cm以下とするとよい。同様に、Li濃度の測定値は、5×1015/cm以下、好ましくは1×1015/cm以下とするとよい。同様に、K濃度の測定値は、5×1015/cm以下、好ましくは1×1015/cm以下とするとよい。
【0179】
酸化物半導体膜中の水素の濃度を低減し、高純度化することで、酸化物半導体膜の安定化を図ることができる。また、ガラス転移温度以下の加熱処理で、キャリア密度が極端に少なく、バンドギャップの広い酸化物半導体膜を形成することができる。このため、大面積基板を用いてトランジスタを作製することができ、量産性を高めることができる。また、当該水素濃度が低減され高純度化された酸化物半導体膜を用いることで、耐圧性が高く、オフ電流の著しく低いトランジスタを作製することができる。上記加熱処理は、酸化物半導体膜の成膜以降であれば、いつでも行うことができる。
【0180】
なお、酸化物半導体膜は非晶質であっても良いが、結晶性を有していても良い。結晶性を有する酸化物半導体膜としては、c軸配向を有した結晶性酸化物半導体(C Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor:CAACとも呼ぶ)であっても、トランジスタの信頼性を高めるという効果を得ることができるので、好ましい。
【0181】
CAACで構成された酸化物半導体膜は、スパッタリング法によっても作製することができる。スパッタリング法によってCAACを得るには酸化物半導体膜の堆積初期段階において六方晶の結晶が形成されるようにすることと、当該結晶を種として結晶が成長されるようにすることが肝要である。そのためには、ターゲットと基板の距離を広くとり(例えば、150mm〜200mm程度)、基板加熱温度を100℃〜500℃、好適には200℃〜400℃、さらに好適には250℃〜300℃にすると好ましい。また、これに加えて、成膜時の基板加熱温度よりも高い温度で、堆積された酸化物半導体膜を熱処理することで膜中に含まれるミクロな欠陥や、積層界面の欠陥を修復することができる。
【0182】
具体的に、CAACは、絶縁膜表面に平行なa−b面において六角形の格子を有する結合を有し、なおかつ、a−b面に概略垂直なc軸配向を有する、六方晶構造の亜鉛を含む結晶を有する。
【0183】
CAACは、非晶質の酸化物半導体と比較して、金属と酸素の結合が秩序化している。すなわち、酸化物半導体が非晶質の場合は、個々の金属原子によって配位数が異なることも有り得るが、CAACでは金属原子の配位数はほぼ一定となる。そのため、微視的な酸素の欠損が減少し、水素原子(水素イオンを含む)やアルカリ金属原子の脱着による電荷の移動や不安定性を減少させる効果がある。
【0184】
従って、CAACで構成された酸化物半導体膜を用いてトランジスタを作製することで、トランジスタへの光照射またはバイアス−熱ストレス(BT)の付加を行った後に生じる、トランジスタのしきい値電圧の変化量を、低減することができる。よって、安定した電気的特性を有するトランジスタを作製することができる。
【0185】
また、酸化物半導体膜を活性層507或いは活性層607に用いる場合、酸化物半導体膜に接するゲート絶縁膜506、絶縁膜512、ゲート絶縁膜606、絶縁膜612などの絶縁膜には、プラズマCVD法又はスパッタリング法などを用い、酸化珪素、窒化酸化珪素、酸化窒化珪素、窒化珪素、酸化ハフニウム、酸化アルミニウム又は酸化タンタル、酸化イットリウム、ハフニウムシリケート(HfSi(x>0、y>0))、窒素が添加されたハフニウムシリケート(HfSi(x>0、y>0))、窒素が添加されたハフニウムアルミネート(HfAl(x>0、y>0))等を含む膜を、単数で、又は複数積層させることで、形成することができる。
【0186】
酸素を含む無機材料を上記絶縁膜に用いることで、水分または水素を低減させるための加熱処理により酸化物半導体膜中に酸素欠損が発生していたとしても、酸化物半導体膜に上記絶縁膜から酸素を供給し、ドナーとなる酸素欠損を低減して化学量論組成比を満たす構成とすることが可能である。よって、チャネル形成領域を、i型に近づけることができ、酸素欠損によるトランジスタ107の電気特性のばらつきを軽減し、電気特性の向上を実現することができる。
【0187】
また、酸化物半導体膜に接するゲート絶縁膜506、絶縁膜512、ゲート絶縁膜606、絶縁膜612などの絶縁膜は、第13族元素及び酸素を含む絶縁材料を用いるようにしても良い。酸化物半導体には第13族元素を含むものが多く、第13族元素を含む絶縁材料は酸化物半導体との相性が良く、これを酸化物半導体膜に接する絶縁膜に用いることで、酸化物半導体膜との界面の状態を良好に保つことができる。
【0188】
第13族元素を含む絶縁材料とは、絶縁材料に一又は複数の第13族元素を含むことを意味する。第13族元素を含む絶縁材料としては、例えば、酸化ガリウム、酸化アルミニウム、酸化アルミニウムガリウム、酸化ガリウムアルミニウムなどがある。ここで、酸化アルミニウムガリウムとは、ガリウムの含有量(原子%)よりアルミニウムの含有量(原子%)が多いものを示し、酸化ガリウムアルミニウムとは、ガリウムの含有量(原子%)がアルミニウムの含有量(原子%)以上のものを示す。
【0189】
例えば、ガリウムを含有する酸化物半導体膜に接して絶縁膜を形成する場合に、絶縁膜に酸化ガリウムを含む材料を用いることで酸化物半導体膜と絶縁膜の界面特性を良好に保つことができる。例えば、酸化物半導体膜と酸化ガリウムを含む絶縁膜とを接して設けることにより、酸化物半導体膜と絶縁膜の界面における水素のパイルアップを低減することができる。なお、絶縁膜に酸化物半導体の成分元素と同じ族の元素を用いる場合には、同様の効果を得ることが可能である。例えば、酸化アルミニウムを含む材料を用いて絶縁膜を形成することも有効である。なお、酸化アルミニウムは、水を透過させにくいという特性を有しているため、当該材料を用いることは、酸化物半導体膜への水の侵入防止という点においても好ましい。
【0190】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0191】
(実施の形態4)
図14は、液晶表示装置の構造を示す、斜視図の一例である。図14に示す液晶表示装置は、光学系1630と、画素部を有する液晶パネル1601と、第1の拡散板1602と、プリズムシート1603と、第2の拡散板1604と、導光板1605と、バックライトパネル1607と、回路基板1608と、信号線駆動回路の形成された基板1611とを有している。
【0192】
光学系1630と、液晶パネル1601と、第1の拡散板1602と、プリズムシート1603と、第2の拡散板1604と、導光板1605と、バックライトパネル1607とは、順に積層されている。バックライトパネル1607は、複数の光源で構成されたバックライト1612を有している。導光板1605内部に拡散されたバックライト1612からの光は、第1の拡散板1602、プリズムシート1603及び第2の拡散板1604によって、液晶パネル1601に照射される。
【0193】
なお、本実施の形態では、第1の拡散板1602と第2の拡散板1604とを用いているが、拡散板の数はこれに限定されず、単数であっても3以上であっても良い。そして、拡散板は導光板1605と液晶パネル1601の間に設けられていれば良い。よって、プリズムシート1603よりも液晶パネル1601に近い側にのみ拡散板が設けられていても良いし、プリズムシート1603よりも導光板1605に近い側にのみ拡散板が設けられていても良い。
【0194】
またプリズムシート1603は、図14に示した断面が鋸歯状の形状に限定されず、導光板1605からの光を液晶パネル1601側に集光できる形状を有していれば良い。
【0195】
回路基板1608には、液晶パネル1601に入力される各種信号を生成する回路、またはこれら信号に処理を施す回路などが設けられている。そして、図14では、回路基板1608と液晶パネル1601とが、COFテープ1609を介して接続されている。また、信号線駆動回路の形成された基板1611が、COF(Chip ON Film)法を用いてCOFテープ1609に接続されている。
【0196】
図14では、バックライト1612の駆動を制御する制御系の回路が回路基板1608に設けられており、該制御系の回路とバックライトパネル1607とがFPC1610を介して接続されている例を示している。ただし、上記制御系の回路は液晶パネル1601に形成されていても良く、この場合は液晶パネル1601とバックライトパネル1607とがFPCなどにより接続されるようにする。
【0197】
なお、図14では、光供給部として、液晶パネル1601の直下に配置される直下型のバックライト1612を用いている場合を例示しているが、本発明はこの構成に限定されない。本発明の一態様では、光供給部として、液晶パネル1601の端部に配置されたエッジライト型のバックライトを用いていても良い。或いは、本発明の一態様では、光供給部として、フロントライトを用いていても良い。
【0198】
図15に、エッジライト型のバックライト1620を用いた、液晶表示装置の構造を斜視図で示す。図15では、バックライト1620が導光板1605の端部に配置されている。バックライト1620から導光板1605に入射した光は、導光板1605の表面で反射を繰り返すことで、液晶パネル1601に供給される。
【0199】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【実施例1】
【0200】
本発明の一態様に係る液晶表示装置は、カラーブレイクの抑制、低消費電力、高精細な三次元画像の表示という効果を得ることができる。よって、上記液晶表示装置を用いた電子機器は、低消費電力であり、視認性の高い三次元画像の表示を行うことができる。特に電力の供給を常時受けることが困難な携帯用の電子機器の場合、低消費電力である液晶表示装置を用いることで、連続使用時間が長くなるといったメリットが得られる。
【0201】
本発明の一態様に係る液晶表示装置は、表示装置、ノート型パーソナルコンピュータ、記録媒体を備えた画像再生装置(代表的にはDVD:Digital Versatile Disc等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを有する装置)に用いることができる。その他に、本発明の一態様に係る液晶表示装置を用いることができる電子機器として、携帯電話、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、電子書籍、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、デジタルオーディオプレイヤー等)、複写機、ファクシミリ、プリンター、プリンター複合機、現金自動預け入れ払い機(ATM)、自動販売機などが挙げられる。これら電子機器の具体例を図16に示す。
【0202】
図16(A)は携帯型ゲーム機であり、筐体5001、筐体5002、表示部5003、表示部5004、マイクロホン5005、スピーカー5006、操作キー5007、スタイラス5008等を有する。本発明の一態様に係る液晶表示装置は、表示部5003または表示部5004に用いることができる。表示部5003または表示部5004に本発明の一態様に係る液晶表示装置を用いることで、低消費電力であり、視認性の高い三次元画像の表示を行うことができる携帯型ゲーム機を提供することができる。また、本発明の一態様に係る液晶表示装置を携帯型ゲーム機に用いることで、携帯型ゲーム機の連続使用時間を長くすることができる。なお、図16(A)に示した携帯型ゲーム機は、2つの表示部5003と表示部5004とを有しているが、携帯型ゲーム機が有する表示部の数は、これに限定されない。
【0203】
図16(B)はノート型パーソナルコンピュータであり、筐体5201、表示部5202、キーボード5203、ポインティングデバイス5204等を有する。本発明の一態様に係る液晶表示装置は、表示部5202に用いることができる。表示部5202に本発明の一態様に係る液晶表示装置を用いることで、低消費電力であり、視認性の高い三次元画像の表示を行うことができるノート型パーソナルコンピュータを提供することができる。また、本発明の一態様に係る液晶表示装置をノート型パーソナルコンピュータに用いることで、ノート型パーソナルコンピュータの連続使用時間を長くすることができる。
【0204】
図16(C)は携帯情報端末であり、筐体5401、表示部5402、操作キー5403等を有する。本発明の一態様に係る液晶表示装置は、表示部5402に用いることができる。表示部5402に本発明の一態様に係る液晶表示装置を用いることで、低消費電力であり、視認性の高い三次元画像の表示を行うことができる携帯情報端末を提供することができる。また、本発明の一態様に係る液晶表示装置を携帯情報端末に用いることで、携帯情報端末の連続使用時間を長くすることができる。
【0205】
以上の様に、本発明の適用範囲は極めて広く、あらゆる分野の電子機器に用いることが可能である。
【0206】
本実施例は、上記実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0207】
100 液晶表示装置
101 画素部
102 光学系
103 光供給部
104 画素
106 液晶素子
107 トランジスタ
108 容量素子
109 信号線駆動回路
110 走査線駆動回路
120 パララックスバリア
122 右目
123 左目
124 遮光部
125 開口部
130 レンチキュラーレンズ
140 マイクロレンズアレイ
400 液晶表示装置
401 画像メモリ
402 画像処理回路
403 コントローラ
404 液晶パネル
405 光供給部
406 光供給部制御回路
407 光学系
408 画素部
409 信号線駆動回路
410 走査線駆動回路
411 フルカラー画像データ
420 表示領域
421 表示領域
422 表示領域
450 シフトレジスタ
451 レベルシフタ
452 デジタルバッファ
453 記憶回路
454 記憶回路
455 アナログバッファ
460 シフトレジスタ
461 セレクタ
462 レベルシフタ
463 デジタルバッファ
500 基板
501 導電膜
502 導電膜
503 導電膜
504 導電膜
505 画素電極
506 ゲート絶縁膜
507 活性層
510 スペーサ
512 絶縁膜
513 絶縁膜
514 基板
515 対向電極
516 液晶層
517 遮蔽膜
520 半導体膜
521 導電膜
523 半導体膜
600 基板
601 導電膜
602 導電膜
603 導電膜
604 導電膜
605 画素電極
606 ゲート絶縁膜
607 活性層
608 共通電極
609 絶縁膜
610 スペーサ
612 絶縁膜
613 絶縁膜
614 基板
616 液晶層
104a 右目用画素
104b 左目用画素
105a 表示領域
105b 表示領域
105c 表示領域
1601 液晶パネル
1602 拡散板
1603 プリズムシート
1604 拡散板
1605 導光板
1607 バックライトパネル
1608 回路基板
1609 COFテープ
1610 FPC
1611 基板
1612 バックライト
1620 バックライト
1630 光学系
5001 筐体
5002 筐体
5003 表示部
5004 表示部
5005 マイクロホン
5006 スピーカー
5007 操作キー
5008 スタイラス
5201 筐体
5202 表示部
5203 キーボード
5204 ポインティングデバイス
5401 筐体
5402 表示部
5403 操作キー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1表示領域及び第2表示領域を少なくとも有する画素部と、互いに異なる色相を有する複数の光を前記第1表示領域及び前記第2表示領域のそれぞれに順に供給する光供給部と、光学系とを有し、
前記複数の光のうち、前記第1表示領域及び前記第2表示領域に並行して供給される2つの光の色相は、互いに異なり、
前記第1表示領域及び前記第2表示領域のそれぞれには、右目及び左目に対応した一対の画素が複数組配置されており、
前記複数の光を前記第1表示領域及び前記第2表示領域に供給することで、右目に対応した前記画素から第1の光が得られ、なおかつ、左目に対応した前記画素から第2の光が得られ、
前記第1の光の進行方向及び前記第2の光の進行方向は、前記光学系によって、互いに異なる向きに制御される液晶表示装置。
【請求項2】
第1表示領域及び第2表示領域を少なくとも有する画素部と、互いに異なる色相を有する複数の光を前記第1表示領域及び前記第2表示領域のそれぞれに順に供給する光供給部と、光学系とを有し、
前記複数の光のうち、前記第1表示領域及び前記第2表示領域に並行して供給される2つの光の色相は、互いに異なり、
前記第1表示領域及び前記第2表示領域のそれぞれには、隣接した一対の画素が複数組配置されており、
前記複数の光を前記第1表示領域及び前記第2表示領域に供給することで、前記一対の画素の一方から第1の光が得られ、なおかつ、前記一対の画素の他方から第2の光が得られ、
前記光学系によって、前記第1の光の進行方向は観察者の右目に向けられ、前記第2の光の進行方向は観察者の左目に向けられるように、それぞれ制御される液晶表示装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、
前記画素は、トランジスタと、前記トランジスタを介して画像信号が与えられる液晶素子とを有し、
前記トランジスタは、活性層に酸化物半導体を含み、
前記液晶素子が有する液晶層は、ブルー相を示す液晶を用いている液晶表示装置。
【請求項4】
請求項3において、前記酸化物半導体は、In−Ga−Zn系の酸化物半導体である液晶表示装置。
【請求項5】
請求項4において、前記酸化物半導体の水素濃度は、5×1019/cm以下である液晶表示装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか1項において、前記光学系はパララックスバリア、レンチキュラーレンズ、またはマイクロレンズアレイである液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−141602(P2012−141602A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−274245(P2011−274245)
【出願日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】