液滴吐出装置、液滴吐出方法及びカラーフィルターの製造方法
【課題】複数の領域毎に所望の量の液状体を生産性良く塗布可能な液滴吐出装置を提供する。
【解決手段】液滴吐出装置は液滴29を吐出するノズルを複数有する液滴吐出ヘッド22を備える。液滴吐出ヘッド22は複数種類の吐出量の液滴29を同時に吐出する。液滴吐出装置は吐出制御部を備え、吐出制御部はノズル毎に吐出量を制御する。液滴吐出ヘッド22はノズル毎に液滴29を吐出する駆動素子を備え、吐出制御部は吐出量に対応する駆動波形74を駆動素子毎に出力し、駆動素子は駆動波形74に応じて液滴29を吐出する。
【解決手段】液滴吐出装置は液滴29を吐出するノズルを複数有する液滴吐出ヘッド22を備える。液滴吐出ヘッド22は複数種類の吐出量の液滴29を同時に吐出する。液滴吐出装置は吐出制御部を備え、吐出制御部はノズル毎に吐出量を制御する。液滴吐出ヘッド22はノズル毎に液滴29を吐出する駆動素子を備え、吐出制御部は吐出量に対応する駆動波形74を駆動素子毎に出力し、駆動素子は駆動波形74に応じて液滴29を吐出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液滴吐出方法にかかわり、特に、面積の異なる複数の領域に機能液を塗布する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
機能液を液滴にして吐出するインクジェット法を用いて塗布し、塗布された機能液を固化して膜を形成する方法が広く採用されている。そして、機能液には染料や顔料を含んで着色する機能を有する液状体や、金属粒子を含んで金属配線を形成する機能を有する液状体等の多種類の液状体が用いられている。
【0003】
カラーフィルターの製造においては、マトリクス状に区画された領域を着色する機能液が塗布される。このとき、カラーフィルターが透過する光の色調の品質を良くするためには機能液の量を品質よく塗布する必要がある。
【0004】
インクジェット法を用いて基板に機能液を塗布する液滴吐出装置が特許文献1に開示されている。液滴吐出装置は液滴吐出ヘッドを備え、液滴吐出ヘッドには液滴を吐出する複数のノズルが形成されている。液滴吐出ヘッドには各ノズルと連通するキャビティとキャビティの体積を増減させる振動子が設置されている。そして、振動子がキャビティの体積を増減させることにより、キャビティに充填された液状体が液滴となってノズルから吐出される。
【0005】
液滴吐出装置はワークを移動させるワーク移動機構と液滴吐出ヘッドを移動させるヘッド移動機構とを備えている。このワークと液滴吐出ヘッドとは直交する方向に移動する。そして、機能液を塗布する場所と対向する場所に液滴吐出ヘッドが位置するときに、液滴吐出ヘッドから液滴を吐出する。これにより、所定の位置に液滴を着弾させてワークに所定のパターンを描画していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−94044号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
1枚の基板上に複数種類のカラーフィルターを形成することにより、複数種類のカラーフィルターを同時に製造することができる。これにより、要求される多種類のカラーフィルターを早く製造することができる。カラーフィルターは種類毎に着色する領域である各画素の広さが異なっている。従って、広さの異なる領域毎に液滴の量と吐出回数を設定し所定の量の機能液を塗布する必要がある。これまでは、1つの液滴吐出ヘッドから1種類の吐出量の液滴しか吐出できなかった。そのため、広さの異なる複数の領域に同時に液滴を吐出することができなかったので、広さの異なる領域は別々に液滴を吐出する必要があった。そこで、複数の領域毎に所望の量の液状体を生産性良く塗布可能な液滴吐出装置が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0009】
[適用例1]
本適用例にかかる液滴吐出装置は、液滴を吐出するノズルを複数有する液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置であって、前記液滴吐出ヘッドは複数種類の吐出量の前記液滴を同時に吐出することを特徴とする。
【0010】
この液滴吐出装置によれば、液滴吐出ヘッドは複数のノズルを備えているので、複数の場所に同時に液滴を吐出することができる。そして、複数種類の吐出量の液滴を吐出することができる為、吐出する場所で異なる吐出量の液滴を着弾させることができる。従って、各場所に着弾させる液滴の量を制御することができる為、複数の場所に所定量の液状体を生産性良く塗布することができる。
【0011】
[適用例2]
上記適用例にかかる液滴吐出装置において、前記吐出量を制御する吐出制御部を備え、前記吐出制御部は前記ノズル毎に前記吐出量を制御することを特徴とする。
【0012】
この液滴吐出装置によれば、吐出制御部は各ノズルの吐出量を異なる量に制御することができる。従って、吐出制御部は着弾させる液滴の量を着弾位置毎に制御することができる。
【0013】
[適用例3]
上記適用例にかかる液滴吐出装置において、前記液滴吐出ヘッドは前記ノズル毎に前記液滴を吐出する駆動素子を備え、前記吐出制御部は前記吐出量に対応する駆動信号を前記駆動素子毎に出力し、前記駆動素子は前記駆動信号に応じて前記液滴を吐出することを特徴とする。
【0014】
この液滴吐出装置によれば、吐出制御部は吐出量に対応する駆動信号を個別に各駆動素子に出力する。従って、駆動素子は個々の駆動信号に対応する吐出量の液滴を吐出することができる。
【0015】
[適用例4]
上記適用例にかかる液滴吐出装置において、前記駆動素子は印加される電圧に応じて前記吐出量が変わる素子であり、前記駆動信号は所定の区間で所定の駆動電圧に維持される駆動波形であり、前記吐出制御部は前記吐出量に応じて前記駆動電圧を制御することを特徴とする。
【0016】
この液滴吐出装置によれば、駆動波形の駆動電圧を制御することにより吐出量を切り替えている。電圧を制御するのは簡便な電気回路にて実施可能であることから簡便な装置で制御することができる。
【0017】
[適用例5]
本適用例にかかる液滴吐出方法は、基材に設けられた複数の膜形成領域に向けて液滴を吐出する液滴吐出方法であって、複数種類の吐出量の前記液滴を液滴吐出ヘッドから複数の前記膜形成領域に同時に吐出することを特徴とする。
【0018】
この液滴吐出方法によれば、液滴吐出ヘッドは複数の場所に同時に液滴を吐出する。そして、液滴吐出ヘッドは複数種類の吐出量の液滴を吐出することができる為、各膜形成領域にそれぞれ所定の吐出量の液滴を着弾させることができる。従って、各膜形成領域に着弾させる液滴の量を制御することができる為、複数の膜形成領域に所定量の液状体を生産性良く塗布することができる。
【0019】
[適用例6]
上記適用例にかかる液滴吐出方法において、前記膜形成領域に吐出する前記液滴の総和の目標値である吐出目標値を整数にて除算した値に前記吐出量を設定することを特徴とする。
【0020】
この液滴吐出方法によれば、吐出量は吐出目標値を整数にて除算した値に設定されている。従って、吐出量の液滴を所定の回数吐出することにより、吐出目標値と同量の液滴を膜形成領域に吐出することができる。
【0021】
[適用例7]
本適用例にかかるカラーフィルターの製造方法は、基材上に区画形成された複数の膜形成領域に着色膜を有するカラーフィルターの製造方法であって、前記膜形成領域は面積の異なる第1膜形成領域と第2膜形成領域とを有し、前記第1膜形成領域と前記第2膜形成領域とへ吐出量の異なる液滴を同時に吐出する描画工程と、吐出された前記液滴を固化して前記着色膜を形成する固化工程と、前記基材を分離して前記第1膜形成領域を含む第1カラーフィルターと前記第2膜形成領域を含む第2カラーフィルターとを形成する分離工程と、を有することを特徴とする。
【0022】
このカラーフィルターの製造方法によれば、描画工程にて第1膜形成領域と第2膜形成領域とに液滴を吐出し、固化工程にて液滴を固化して着色膜を形成している。そして、分離工程において基材を分離して第1カラーフィルターと第2カラーフィルターとを形成している。描画工程において液滴吐出ヘッドは第1膜形成領域と第2膜形成領域とに同時に液滴を吐出する。このとき、第1膜形成領域と第2膜形成領域とで異なる吐出量の液滴を着弾させている。従って、第1膜形成領域に液滴を吐出した後、第2膜形成領域に液滴を吐出する場合に比べて各膜形成領域に所定量の液滴を生産性良く着弾させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】第1の実施形態にかかわり、(a)は、カラーフィルターを示す模式平面図、(b)は、カラーフィルターの模式断面図。
【図2】(a)は、液滴吐出装置の構成を示す概略斜視図、(b)は、液滴吐出ヘッドの配置を示す模式平面図、(c)は、液滴吐出ヘッドの構造を説明するための要部模式断面図。
【図3】(a)は、吐出量測定装置を示す模式断面図、(b)は、載置面上に配置された基板を示す模式平面図。
【図4】液滴吐出装置の電気制御ブロック図。
【図5】(a)は、液滴吐出ヘッドの電気制御ブロック図、(b)は、駆動波形を示すタイムチャート。
【図6】カラーフィルターを製造する製造工程を示すフローチャート。
【図7】描画方法を説明するための模式図。
【図8】描画方法を説明するための模式図。
【図9】描画方法を説明するための模式図。
【図10】第2の実施形態にかかわる圧電素子の駆動波形を説明するためのタイムチャート。
【図11】第3の実施形態にかかわり、(a)は、液滴吐出ヘッドの電気制御ブロック図、(b)は、駆動波形を示すタイムチャート。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、具体化した実施形態について図面に従って説明する。尚、各図面における各部材は、各図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎に縮尺を異ならせて図示している。
【0025】
(第1の実施形態)
本実施形態における特徴的な液滴吐出装置の例とこの液滴吐出装置を用いて液滴を吐出してカラーフィルターを形成する特徴的な製造方法の例とについて図1〜図9に従って説明する。
【0026】
(カラーフィルター)
最初に、カラーフィルター1について図1を用いて説明する。図1(a)は、カラーフィルターを示す模式平面図である。図1(b)は、図1(a)のカラーフィルターのA−A’線に沿う模式断面図である。カラーフィルター1は液晶テレビ等の表示装置に用いられる。画像信号に応じた輝度分布をもつ白色光をカラーフィルター1に通過させることにより、カラー画像が形成される。図1に示すように、カラーフィルター1は基材としての基板2を備えている。この基板2は光透過性があり、張力に対して破れ難い強度があればよく、ガラス板、プラスチック板、プラスチックシート等を用いることができる。本実施形態においては、例えば、ガラス板を採用している。基板2の上面には着色素子3が縦横並んで配列して形成されている。そして、着色素子3は赤、青、緑色の着色素子3により構成され、各色の着色素子3が列毎に配列して配置されている。図1(a)において、上から赤色素子列3a、青色素子列3b、緑色素子列3cの順に着色素子3が配列して配置されている。そして、図中の上から下へ、この順番を繰り返してストライプ状に配置されている。
【0027】
着色素子3は格子状に形成された隔壁4を備え、隔壁4は着色された樹脂材料によって形成されている。これにより隔壁4を光が透過しないようになっている。隔壁4によって矩形に仕切られた場所には赤色着色膜5a、青色着色膜5b、緑色着色膜5c等の着色膜5が形成されている。赤色素子列3aの着色素子3には赤色着色膜5aが形成され、青色素子列3b、緑色素子列3cにはそれぞれ青色着色膜5b、緑色着色膜5cが形成されている。
【0028】
(液滴吐出装置)
次に、基板2に液滴を吐出して着色膜5を形成する液滴吐出装置6について図2に従って説明する。液滴吐出装置に関しては様々な種類の装置があるが、インクジェット法を用いた装置が好ましい。インクジェット法は微小な液滴の吐出が可能であるため、微細加工に適している。
【0029】
図2(a)は、液滴吐出装置の構成を示す概略斜視図である。液滴吐出装置6により液滴が吐出される。図2(a)に示すように、液滴吐出装置6には直方体形状に形成された基台7を備えている。本実施形態では、この基台7の長手方向をY方向とし水平面上でY方向と直交する方向をX方向とする。そして、鉛直方向をZ方向とする。液滴を吐出するときに液滴吐出ヘッドと被吐出物である基板2とが相対移動する方向を主走査方向とする。そして、主走査方向と直交する方向を副走査方向とする。副走査方向は改行するときに液滴吐出ヘッドと被吐出物とが相対移動する方向である。本実施形態ではY方向を主走査方向とし、X方向を副走査方向とする。
【0030】
基台7の上面7aには、Y方向に延在する一対の案内レール8がY方向全幅にわたり凸設されている。その基台7の上側には、一対の案内レール8に対応する図示しない直動機構を備えたステージ9が取付けられている。そのステージ9の直動機構にはリニアモーターやネジ式直動機構等の機構を用いることができる。本実施形態では、例えば、リニアモーターを採用している。そして、ステージ9はY方向に沿って所定の速度で往動または復動するようになっている。往動と復動を繰り返すことを走査移動と称す。さらに、基台7の上面7aには案内レール8と平行に主走査位置検出装置10が配置され、主走査位置検出装置10によりステージ9の位置が検出される。
【0031】
そのステージ9の上面には載置面11が形成され、その載置面11には図示しない吸引式の基板チャック機構が設けられている。載置面11上には基板2が設置され、基板2は基板チャック機構により載置面11に固定されている。この基板2には隔壁4が形成されている。
【0032】
基台7のX方向両側には一対の支持台12が立設され、その一対の支持台12にはX方向に延びる案内部材13が架設されている。その案内部材13の上側には吐出する機能液を供給可能に収容する収容タンク14が設置されている。収容タンク14は3つの容器に仕切られており、各容器にはそれぞれ赤色、青色、緑色の染料または顔料を含む機能液が収納されている。
【0033】
案内部材13の下側にはX方向に延びる案内レール15がX方向全幅にわたって設置されている。案内レール15に沿って移動可能に取り付けられるキャリッジ16は略直方体形状に形成されている。そのキャリッジ16は直動機構を備え、その直動機構は、例えば、ステージ9が備える直動機構と同様の機構を用いることができる。そして、キャリッジ16が案内レール15に沿って走査移動する。案内部材13とキャリッジ16との間には副走査位置検出装置17が配置され、キャリッジ16の位置が検出される。キャリッジ16の下側にはヘッドユニット18が設置され、このヘッドユニット18のステージ9側には図示しない液滴吐出ヘッドが凸設されている。
【0034】
基台7の−X方向側の側面であって案内部材13と対向する場所には吐出量測定装置19が配置されている。この吐出量測定装置19は電子天秤を備え、液滴吐出ヘッドから吐出される液滴の重量を測定する機能を備えている。
【0035】
図2(b)は、液滴吐出ヘッドの配置を示す模式平面図である。図2(b)に示すように、1つのヘッドユニット18には、3個の吐出部としての液滴吐出ヘッド22がY方向において等間隔に配列して配置されている。そして、この各色の機能液を吐出する液滴吐出ヘッド22はそれぞれX方向に千鳥状に配列して配置されている。各液滴吐出ヘッド22には番号が付番されている。−Y方向側の液滴吐出ヘッド22には−X側から+X側に向けて1番〜3番の番号が付番されている。Y方向中側の液滴吐出ヘッド22には−X側から+X側に向けて4番〜6番の番号が付番されている。さらに、+Y方向側の液滴吐出ヘッド22には−X側から+X側に向けて7番〜9番の番号が付番されている。1番〜3番の液滴吐出ヘッド22には赤色の機能液が供給されている。そして、4番〜6番の液滴吐出ヘッド22には青色の機能液が供給され、7番〜9番の液滴吐出ヘッド22には緑色の機能液が供給されている。
【0036】
そして、液滴吐出ヘッド22の表面にはノズルプレート23が配置され、ノズルプレート23にはノズル24が複数形成されている。ノズル24の数や配列は吐出するパターンと基板2の大きさとに合わせて設定すればよい。本実施形態においては、例えば、1個のノズルプレート23にはノズル24の配列が1列形成され、1列には15個のノズル24が配置されている。このノズル24は−X側から+X側に向けて1番〜15番の番号が付番されている。
【0037】
図2(c)は、液滴吐出ヘッドの構造を説明するための要部模式断面図である。図2(c)に示すように、液滴吐出ヘッド22は、ノズルプレート23を備え、ノズルプレート23には、ノズル24が形成されている。ノズルプレート23の図中上側であって、ノズル24と対向する位置には、ノズル24と連通する圧力室としてのキャビティ25が形成されている。そして、液滴吐出ヘッド22のキャビティ25には、収容タンク14に貯留されている液状体としての機能液26が図示しない流路を介して供給される。
【0038】
キャビティ25の上側には、上下方向(Z方向)に振動して、キャビティ25内の容積を拡大縮小する振動板27と、上下方向に伸縮して振動板27を振動させる駆動素子としての圧電素子28が配設されている。そして、液滴吐出ヘッド22が圧電素子28を制御駆動するための駆動信号を受けると、圧電素子28が伸縮する。これにより、振動板27がキャビティ25内の容積を拡大縮小してキャビティ25を加圧する。その結果、液滴吐出ヘッド22のノズル24から、縮小した容積分の機能液26が液滴29として吐出される。
【0039】
図3(a)は、吐出量測定装置を示す模式断面図である。図3(a)において、吐出量測定装置19は土台30を備え、土台30の上には内部に空洞を備えた外装部31が設置されている。外装部31の内部には3台の電子天秤32がY方向に配列して設置されている。各電子天秤32には受皿33が配置され、受皿33のZ方向側にはスポンジ状の吸収体34が設置されている。そして、液滴吐出ヘッド22から受皿33に吐出された液滴29が跳ねて受皿33の外に出ないようになっている。受皿33に着弾した液滴29は合体して機能液26の液溜まりとなり、吸収体34を通過して受皿33上に蓄積される。液滴吐出ヘッド22が液滴29を複数回吐出し、吐出する前後で電子天秤32は受皿33と受皿33に吐出された液滴29とを合わせた重量を測定する。そして、吐出前後における受皿33の重量の差分を演算することにより、吐出量測定装置19は吐出された液滴29の重量を算出する。そして、算出された液滴29の重量を吐出回数にて除算することにより、吐出量測定装置19は1回の吐出における液滴29の重量を検出することができる。
【0040】
図3(b)は、載置面上に配置された基板を示す模式平面図である。図3(b)において、基板2上には隔壁4によって2つの第1パターン35と3つの第2パターン36とが形成されている。第1パターン35と第2パターン36とは相似形のパターンであり、第1パターン35は第2パターン36を拡大した図形となっている。第1パターン35において隔壁4に区分けされた領域を第1膜形成領域としての第1塗布領域37とし、第2パターン36において隔壁4に区分けされた領域を第2膜形成領域としての第2塗布領域38とする。第1塗布領域37及び第2塗布領域38が液滴吐出装置6によって機能液26が塗布される場所となっている。2つの第1パターン35は主走査方向であるY方向に並んで配置され、3つの第2パターン36もY方向に並んで配置されている。そして、副走査方向であるX方向には第1パターン35と第2パターン36とが並んで配置されている。
【0041】
第1パターン35及び第2パターン36を取り囲んで矩形の切断予定線39が設定される。切断予定線39はカラーフィルター1の外形となる線である。基板2は切断予定線39に沿って分離されることにより個々のカラーフィルター1となる。
【0042】
図4は、液滴吐出装置の電気制御ブロック図である。図4に示すように、液滴吐出装置6は液滴吐出装置6の動作を制御する制御部としての制御装置42を備えている。そして、制御装置42はプロセッサーとして各種の演算処理を行うCPU(中央演算処理装置)43と、各種情報を記憶する記憶部としてのメモリー44とを備えている。
【0043】
主走査駆動装置45、主走査位置検出装置10、副走査駆動装置46、副走査位置検出装置17は、入出力インターフェイス47及びデータバス48を介してCPU43に接続されている。さらに、液滴吐出ヘッド22を駆動するヘッド駆動回路49、吐出量測定装置19、入力装置50、表示装置51も入出力インターフェイス47及びデータバス48を介してCPU43に接続されている。
【0044】
主走査駆動装置45はステージ9の移動を制御する装置であり、副走査駆動装置46はキャリッジ16の移動を制御する装置である。主走査位置検出装置10がステージ9の位置を検出し、主走査駆動装置45がステージ9を駆動することにより、ステージ9を所望の速度で移動して停止することが可能になっている。同じく、副走査位置検出装置17がキャリッジ16の位置を検出し、副走査駆動装置46がキャリッジ16を駆動することにより、キャリッジ16を所望の位置に移動して停止することが可能となっている。
【0045】
入力装置50は液滴29を吐出する各種加工条件を入力する装置であり、例えば、基板2に液滴29を吐出する座標を図示しない外部装置から受信して入力する装置である。表示装置51は加工条件や作業状況を表示する装置であり、操作者は表示装置51に表示される情報を確認し入力装置50を用いて入力操作を行う。
【0046】
メモリー44は、RAM、ROM等といった半導体メモリーや、ハードディスク、DVD−ROMといった外部記憶装置を含む概念である。機能的には液滴吐出装置6における動作の制御手順が記述されたプログラムソフト52を記憶する記憶領域が設定される。さらに、基板2上に吐出する吐出位置の座標データである吐出位置データ53を記憶するための記憶領域も設定される。
【0047】
他にも、液滴吐出ヘッド22を駆動するときの駆動波形の電圧と吐出量の関係を示すデータである駆動電圧データ54や液滴吐出ヘッド22を駆動する波形の形状を示す駆動波形データ55等の吐出条件を複数記憶するための記憶領域が設定される。さらに、吐出する各場所における駆動波形の電圧のデータである吐出計画データ56を記憶するための記憶領域が設定される。さらに、CPU43のためのワークエリアやテンポラリーファイル等として機能する記憶領域やその他各種類の記憶領域が設定される。
【0048】
CPU43は、メモリー44内に記憶されたプログラムソフト52に従って基板2上の所定の位置に液滴29を吐出するための制御を行うものである。具体的な機能実現部として、液滴吐出ヘッド22から液滴29を吐出して描画するための制御を行う描画制御部57を有する。描画制御部57を詳しく分割すれば、描画制御部57はステージ9を主走査方向へ所定の速度で走査移動させるための制御を行う主走査制御部58を有する。他にも、描画制御部57は液滴吐出ヘッド22を副走査方向へ所定の副走査量で移動させるための制御を行う副走査制御部59を有する。さらに、描画制御部57は液滴吐出ヘッド22内に複数あるノズルのうち、どのノズルに対応する圧電素子28を作動させて液滴29を吐出するかを制御する吐出制御部60等といった各種の制御部を有する。
【0049】
他にも、液滴吐出ヘッド22及び吐出量測定装置19を駆動して液滴吐出ヘッド22が吐出する液滴29の重量である吐出量を測定する吐出量測定制御部61を有する。さらに、第1塗布領域37及び第2塗布領域38に吐出する機能液26の量と吐出特性からノズル24から吐出する液滴29の吐出量と吐出回数を設定する吐出条件設定部62を有する。他にも液滴29を吐出する各場所における圧電素子28の駆動波形を設定する吐出計画設定部63を有する。
【0050】
図5(a)は、液滴吐出ヘッドの電気制御ブロック図である。図5(a)に示すように、液滴吐出ヘッド22はヘッド駆動回路49と電気的に接続され、ヘッド駆動回路49は制御装置42と電気的に接続されている。ヘッド駆動回路49は液滴吐出ヘッド22を駆動する回路であり、制御装置42は液滴吐出装置6の動作を制御する装置である。
【0051】
制御装置42は機能液26を吐出するノズル24にかかわるデータや、吐出するときに圧電素子28を駆動する駆動信号データ及び吐出タイミングデータ等をヘッド駆動回路49に出力する。ヘッド駆動回路49は、主に吐出制御回路66と9個の駆動信号回路67及び電力供給回路68とを備え、吐出制御回路66は駆動信号回路67及び電力供給回路68と電気的に接続されている。ヘッドユニット18には9個の液滴吐出ヘッド22が配置されており、1個の液滴吐出ヘッド22に対して駆動信号回路67が1個配置されている。吐出制御回路66、駆動信号回路67、電力供給回路68の個数は、これに限らず、装置の仕様に合わせて適正な個数を配置するのが好ましい。
【0052】
制御装置42からヘッド駆動回路49へ出力されたデータは吐出制御回路66に入力される。吐出制御回路66は入力されたノズル24にかかわるデータ及び駆動信号データを液滴吐出ヘッド22毎に区分する。そして、吐出制御回路66は区分した駆動信号データと吐出タイミングデータを駆動信号回路67に分配して出力する。さらに、駆動電圧データを電力供給回路68に出力する。駆動信号回路67は入力した吐出波形データや吐出タイミングデータ等のデータを用いて吐出波形信号を形成する。
【0053】
液滴吐出ヘッド22は、分配回路69と圧電素子28とを備え、駆動信号回路67及び電力供給回路68は分配回路69と電気的に接続されている。さらに、分配回路69は圧電素子28と電気的に接続されている。そして、駆動信号回路67は機能液26を吐出するタイミングに合わせて、圧電素子28を駆動する駆動波形の電圧信号を分配回路69に出力する。さらに、電力供給回路68は入力した駆動電圧データに対応する供給電圧を分配回路69に出力する。
【0054】
分配回路69は、入力した吐出波形信号と供給電圧とを用いて各圧電素子28に駆動波形を出力する。そして、各圧電素子28は駆動波形を入力し、駆動波形に対応して収縮した後伸長する。これにより、液滴吐出ヘッド22から機能液26が吐出される。
【0055】
図5(b)は、駆動波形を示すタイムチャートである。図5(b)において、縦軸は電圧を示し、上側が下側より高い電圧になっている。横軸は時間の経過を示し時間は図中左から右に推移する。吐出波形信号70は駆動信号回路67が分配回路69に出力する信号を示している。吐出波形信号70の波形は電圧が0〜1ボルトの間で変化し台形状に形成されている。吐出波形信号70の例として第1吐出波形信号70a、第2吐出波形信号70b、第3吐出波形信号70cの3種類の波形が示されている。
【0056】
吐出波形信号70は所定の電圧まで上昇し所定の区間電圧を維持した後下降する。電圧が上昇するタイミングにて圧電素子28が収縮してキャビティ25の体積が増える。電圧が下降するタイミングにて圧電素子28が伸長してキャビティ25の体積が減少する。従って、電圧が上昇するタイミングにてキャビティ25内に機能液26が流入し、電圧が下降するタイミングにて液滴29が吐出される。電圧が上昇するタイミングと電圧が下降するタイミングとの間隔は略一定の間隔が維持される。これにより、吐出量が品質良く制御される。第1吐出波形信号70a、第2吐出波形信号70b、第3吐出波形信号70cの各吐出波形信号70における波形高さ71をそれぞれ0.9ボルトの第1波形高さ71a、0.8ボルトの第2波形高さ71b、0.7ボルトの第3波形高さ71cとする。
【0057】
供給電圧波形72は電力供給回路68が分配回路69に出力する供給電圧73の波形を示す。供給電圧波形72に示すように供給電圧73は30ボルトの一定な電圧となっている。
【0058】
駆動信号としての駆動波形74は分配回路69が圧電素子28に出力する電圧の波形である。駆動波形74は吐出波形信号70と供給電圧波形72とが乗算されて形成されている。吐出波形信号70の波形高さが第1波形高さ71a、第2波形高さ71b、第3波形高さ71cのときの駆動波形74をそれぞれ第1駆動波形74a、第2駆動波形74b、第3駆動波形74cとする。そして、駆動波形74が上昇して所定の区間維持される電圧を駆動電圧75とする。このとき、第1駆動波形74aの駆動電圧75である第1駆動電圧75aは0.9ボルトの第1波形高さ71aと30ボルトの供給電圧73とを乗算した27ボルトになっている。同様に、第2駆動波形74bの駆動電圧75である第2駆動電圧75bは0.8ボルトの第2波形高さ71bと30ボルトの供給電圧73とを乗算した24ボルトになっている。第3駆動波形74cの駆動電圧75である第3駆動電圧75cは0.7ボルトの第3波形高さ71cと30ボルトの供給電圧73とを乗算した21ボルトになっている。
【0059】
分配回路69は駆動波形74の電圧信号を圧電素子28に出力する。このとき、分配回路69はノズル24毎に設定された駆動波形74の電圧信号を圧電素子28に出力する。そして、1つの液滴吐出ヘッド22内の圧電素子28には各々吐出量に対応する駆動波形74が出力される。吐出波形信号70の波形高さ71は吐出毎に切り替えられるので、吐出する毎に駆動波形74の駆動電圧75を変更することが可能になっている。
【0060】
(描画方法)
次に、上述した液滴吐出装置6を使って、液滴吐出ヘッド22から基板2に吐出して描画する描画方法について図6〜図9を用いて説明する。図6は、基板に液滴を吐出してカラーフィルターを製造する製造工程を示すフローチャートである。図7〜図9は、液滴吐出装置を使った描画方法を説明するための模式図である。
【0061】
ステップS1は吐出特性測定工程に相当する。この工程では圧電素子を駆動する駆動波形を変えてノズルから液滴を吐出する。そして、駆動波形を変更したときに吐出される液滴の量の変化を測定する工程である。次にステップS2に移行する。ステップS2は電圧−吐出位置設定工程に相当する。この工程は基板における液滴吐出ヘッドの各位置に対して圧電素子を駆動する駆動波形を設定する工程である。次にステップS3に移行する。ステップS3は給材工程に相当し、基板をステージの載置面に載置する工程である。次にステップS4に移行する。ステップS4は吐出条件設定工程に相当する。この工程では予め設定されている駆動波形吐出波形信号を駆動信号回路に設定する。そして、2回目以降の走査移動後では改行してステージの移動方向を変更する工程である。次にステップS5に移行する。ステップS5は吐出工程に相当し、ステージを移動させながらノズルから液滴を吐出する工程である。次にステップS6に移行する。ステップS6は終了判断工程に相当し、液滴を吐出する予定の総ての場所に液滴を吐出したかの判断をする工程である。まだ吐出していない場所があるので吐出を継続するときステップS4に移行する。予定した総ての場所に液滴を吐出したので吐出を終了するときステップS7に移行する。ステップS4からステップS6までの工程を合わせてステップS11の描画工程とする。この工程は基板に所定のパターンを描画する工程である。次にステップS7に移行する。ステップS7は除材工程に相当し、基板を載置面から移動して次の工程へ基板を移動する工程である。ステップS8は、固化工程に相当し、基板に塗布された機能液を固化して膜を形成する工程である。次にステップS9に移行する。ステップS9は、分離工程に相当し、基板を切断して個々のカラーフィルターに分割する工程である。以上にて基板に液滴を吐出してカラーフィルターを製造する製造工程を終了する。
【0062】
次に、図7〜図9を用いて図6に示したステップと対応させて、液滴吐出ヘッド22から液滴29を吐出してカラーフィルター1を製造する製造方法を詳細に説明する。図7(a)及び図7(b)は、ステップS1の吐出特性測定工程に対応する図である。図7(a)に示すように、ステップS1において液滴吐出ヘッド22の吐出量を検出する。吐出量測定制御部61は駆動波形74の駆動電圧75を所定の電圧に設定する。そして、吐出量測定制御部61はノズル24から液滴29を吐出する。そして、吐出量測定制御部61は吐出量測定装置19を駆動して吐出された液滴29の重量である吐出量を検出する。
【0063】
詳細には、まず、吐出量測定制御部61は電子天秤32に受皿33の重量を測定させる。次に、吐出量測定制御部61はヘッド駆動回路49を駆動することにより液滴吐出ヘッド22のノズル24から所定の吐出回数の吐出を行う。このとき1つの液滴吐出ヘッド22でステップS11の描画工程で使用する総てのノズル24から液滴29を吐出する。液滴29を吐出するノズル24の数を吐出ノズル数とする。吐出回数が多い程測定精度が良くなるが消費する機能液26の量が多量になるので、吐出回数は必要な測定精度を満たす条件内で少ない回数が良い。吐出回数は特に限定されないが本実施形態では例えば1000回に設定している。
【0064】
液滴29を吐出した後で吐出量測定制御部61は再度電子天秤32に受皿33の重量を測定させる。そして、液滴29を吐出した後の受皿33の重量から液滴29を吐出する前の受皿33の重量の差を演算する。その後、重量の差の値を吐出回数と吐出ノズル数とで除算することにより1つのノズル24から1回吐出する液滴29の吐出量を算出する。つまり、この吐出量は1つの液滴吐出ヘッド22における吐出量の平均値となっている。尚、吐出量の検出において、ノズル24毎に吐出量を検出しても良い。その場合には、各ノズル24の吐出量を精度良く検出することができる。
【0065】
続いて、吐出量測定制御部61は駆動波形74の駆動電圧75を変更する。そして、吐出量測定制御部61は同様の方法にて吐出量を検出する。吐出量測定制御部61は駆動電圧75の変更と吐出量の検出を繰り返して駆動電圧75と吐出量との相関関係を検出する。
【0066】
その結果、図7(b)に示すように駆動電圧と吐出量との関係を示すグラフが得られる。図7(b)において、横軸は駆動電圧75を示し右側が左側より高い電圧となっている。縦軸は吐出量を示し上側が下側より大きな量となっている。駆動電圧吐出量相関線76は駆動電圧75と吐出量との関係を示す相関線である。駆動電圧吐出量相関線76では駆動電圧75が高くなる程吐出量が大きくなる相関関係となっている。この関係は液滴吐出ヘッド22の吐出特性により変わるので液滴吐出ヘッド22毎に検出するのが好ましい。
【0067】
駆動電圧吐出量相関線76の例において、駆動電圧75が第1駆動電圧75aの27ボルトのとき吐出量は11ngとなり、この吐出量を第1吐出量77aとする。同様に、駆動電圧75が第2駆動電圧75bの24ボルトのとき吐出量は9ngとなり、この吐出量を第2吐出量77bとする。吐出量測定制御部61は駆動電圧吐出量相関線76のデータを駆動電圧データ54としてメモリー44に出力し記憶させる。
【0068】
図7(c)及び図7(d)はステップS2の電圧−吐出位置設定工程に対応する図である。図7(c)に示すように、ステップS2において、吐出条件設定部62は第1塗布領域37及び第2塗布領域38に吐出する液滴29の総量の目標値である吐出目標値を設定する。吐出目標値は第1塗布領域37及び第2塗布領域38の面積と着色膜5の厚さとを乗算し機能液26の固化前後の体積減少率にて除算することによって算出される。本実施形態では、例えば、第1塗布領域37における吐出目標値は1100ngとし、第2塗布領域38における吐出目標値は630ngとする。
【0069】
続いて、吐出条件設定部62は各領域における吐出量を設定する。このとき、吐出条件設定部62は吐出量を整数倍した値が吐出目標値に近くなるように吐出量を設定する。吐出量を整数倍した値が吐出目標値と同じ値となる場合はさらに好ましい。換言すれば、吐出条件設定部62を整数にて除算した値に吐出量を設定するのが好ましい。
【0070】
第1塗布領域37では吐出量を第1吐出量77aの11ngにして100回吐出することにより吐出目標値の1100ngに対応する量の機能液26を塗布することができる。第1吐出量77aの11ngに対応する駆動電圧75は第1駆動電圧75aの27ボルトなので、第1塗布領域37において圧電素子28を駆動する駆動電圧75は第1駆動電圧75aの27ボルトに設定する。同様に、第2塗布領域38では吐出量を第2吐出量77bの9ngにして70回吐出することにより吐出目標値の630ngに対応する量の機能液26を塗布することができる。第2吐出量77bに対応する駆動電圧75は第2駆動電圧75bの24ボルトなので、第2塗布領域38において圧電素子28を駆動する駆動電圧75は第2駆動電圧75bの24ボルトに設定する。
【0071】
つまり、第1吐出量77a及び第2吐出量77bを選定するとき、第1吐出量77a及び第2吐出量77bを整数倍した値が吐出目標値となるように第1吐出量77a及び第2吐出量77bを選定している。これにより、吐出する液滴29の総量を吐出目標値と同じにすることができる。尚、吐出量を選択可能な範囲内にこのような吐出条件が見出せない場合には、第1吐出量77a及び第2吐出量77bを整数倍した値が吐出目標値と近い値になるように第1吐出量77a及び第2吐出量77bを選定するのが好ましい。
【0072】
図7(d)に示すように、吐出計画設定部63は液滴吐出ヘッド22が移動する位置毎にノズル24と対応する圧電素子28を駆動するための吐出波形信号70の波形高さ71を設定する。番号の欄は液滴吐出ヘッド22の番号が記載され1番〜9番のヘッド番号のいずれかが設定される。X座標とY座標には液滴吐出ヘッド22の位置を示す座標が記載され、単位はmmとなっている。ノズル番号/波形高さ×100の欄にはノズル番号を示す1〜15の欄が設けられている。各欄には吐出波形信号70の波形高さ71の値に100を乗算した値が記載される。供給電圧73は30ボルトで一定の電圧とするので波形高さ71を設定することにより駆動電圧75が設定される。
【0073】
本実施形態では、例えば、1番の液滴吐出ヘッド22においてX座標が100.00mm、Y座標が150.40mmの場所に位置するとき、吐出計画設定部63はこの液滴吐出ヘッド22の総ての波形高さ71の値を第1波形高さ71aの0.9と設定する。図中波形高さ71は100倍した値が表示されているので90の値が表示されている。このとき、圧電素子28には供給電圧73の30ボルトと第1波形高さ71aの0.9を乗算した27ボルトの第1駆動波形74aが出力される。
【0074】
また、1番の液滴吐出ヘッド22においてX座標が700.00mm、Y座標が950.80mmの場所に位置するとき、吐出計画設定部63はノズル番号が1番〜4番、5番〜10番、11番〜15番の各波形高さ71を0.9、0、0.8とする。このとき、ノズル番号が1番〜4番のノズル24と対応する圧電素子28には第1駆動波形74aが出力される。ノズル番号が5番〜10番のノズル24と対応する圧電素子28には駆動波形74が出力されない。ノズル番号が11番〜15番のノズル24と対応する圧電素子28には第2駆動波形74bが出力される。この様に、各ノズル24と対応する圧電素子28には各ノズル24から出力する液滴29の吐出量に対応する駆動電圧75が液滴吐出ヘッド22の場所毎に設定される。
【0075】
吐出計画設定部63は第1塗布領域37に第1吐出量77aの液滴29を100回吐出するように設定する。さらに、吐出計画設定部63は第2塗布領域38に第2吐出量77bの液滴29を70回吐出するように設定する。これにより、吐出計画設定部63は第1塗布領域37及び第2塗布領域38に塗布される機能液26の量を吐出目標値に設定する。そして、吐出計画設定部63は設定した機能液26を吐出する位置と波形高さ71のデータを吐出計画データ56としてメモリー44に記憶する。
【0076】
図8(a)はステップS3の給材工程に対応する図である。図8(a)に示すように、ステップS3において操作者は基板2をステージ9の載置面11上に載置する。基板2には予め隔壁4が形成されている。隔壁4はフォトリソグラフィーの方法を用いて製造することができる。尚、この製造方法は公知な方法であり、説明を省略する。次に、液滴吐出装置6は吸引式の基板チャック機構を駆動させることにより基板2を載置面11に固定する。尚、わかり易くするために図中の液滴吐出ヘッド22及びノズル24は1個のみ表示され、他の液滴吐出ヘッド22、ノズル24やヘッドユニット18は省略されている。
【0077】
図8(b)はステップS4の吐出条件設定工程に対応する図である。図8(b)に示すように、ステージ9が走査移動する区間は3つの区間に区分けされる。第1設定区間78aは基板2がY方向に1回移動する間の描画条件を設定する区間である。ステップS4において、描画制御部57はメモリー44から吐出計画データ56を入力する。そして、各区間で液滴吐出ヘッド22に対向する基板2の位置に対応して吐出するノズル24と吐出波形信号70のデータをヘッド駆動回路49に出力する準備を行う。
【0078】
第2設定区間78bは第1パターン35の第1塗布領域37及び第2パターン36の第2塗布領域38に液滴29を吐出する区間である。第1塗布領域37と対向する場所のノズル24の圧電素子28には吐出制御部60が第1駆動波形74aを出力させる。そして、駆動電圧75は第1駆動電圧75aの27ボルトに設定される。さらに、第2塗布領域38と対向する場所のノズル24の圧電素子28には吐出制御部60が第2駆動波形74bを出力させる。そして、駆動電圧75は第2駆動電圧75bの24ボルトに設定される。
【0079】
第3設定区間78cは基板2が−Y方向に1回移動する間の描画条件を設定する区間である。描画制御部57は第1設定区間78aと同様に各区間で液滴吐出ヘッド22に対向する基板2の位置に対応して吐出するノズル24と吐出波形信号70のデータをヘッド駆動回路49に出力する準備を行う。さらに、副走査制御部59がキャリッジ16を移動させて改行動作を行い、主走査制御部58がステージ9の移動方向を変更する。
【0080】
続いて、液滴吐出ヘッド22が第3設定区間78cから第1設定区間78aに向かって移動する。その後、第1設定区間78aにおいて描画制御部57は再度第2設定区間78bで液滴吐出ヘッド22に対向する基板2の位置に対応して吐出するノズル24と吐出波形信号70のデータをヘッド駆動回路49に出力する準備を行う。さらに、副走査制御部59がキャリッジ16を移動させて改行動作を行い、主走査制御部58がステージ9の移動方向を変更する。以上のように、第1設定区間78a及び第3設定区間78cにおいて液滴吐出ヘッド22と基板2とが1方向に相対移動する間の吐出準備を行う。そして、液滴吐出ヘッド22と基板2とを相対的に往復移動させながら吐出する吐出条件を設定する。
【0081】
図8(c)〜図9(c)はステップS5の吐出工程に対応する図である。図8(c)に示すように、ステップS5において、主走査制御部58はステージ9をY方向に走査移動させる。そして、第1設定区間78a及び第3設定区間78cにて副走査制御部59はキャリッジ16を駆動させて改行を行う。第2設定区間78bにおいて液滴29を吐出する場所と対向する場所に液滴吐出ヘッド22が位置するとき、吐出制御部60はノズル24から第1塗布領域37及び第2塗布領域38に液滴29を吐出させる。
【0082】
主走査制御部58がステージ9を移動させることにより液滴吐出ヘッド22と基板2とがY方向に相対移動する。これにより、図9(a)に示すように、液滴吐出ヘッド22が第1塗布領域37と対向する場所に位置する。吐出制御部60はヘッド駆動回路49に第1駆動波形74aで圧電素子28を駆動させる。これにより、液滴吐出ヘッド22は第1塗布領域37に第1吐出量77aである11ngの液滴を吐出する。吐出制御部60は吐出計画データ56に基づいて液滴29を吐出するので第1塗布領域37には100回の吐出が行われる。その結果、第1塗布領域37には吐出目標値である1100ngの機能液26が塗布される。
【0083】
副走査制御部59がキャリッジ16を移動させて改行を行う。続いて、主走査制御部58がステージ9を移動させることにより液滴吐出ヘッド22と基板2とがY方向に相対移動する。この動作を複数回実施する。これにより、図9(b)に示すように、液滴吐出ヘッド22の一部が第1塗布領域37と対向する場所に位置し、一部が第2塗布領域38と対向する場所に位置する。この場所においても吐出制御部60はヘッド駆動回路49を駆動する。吐出制御部60は、第1塗布領域37と対向するノズル24と対応する圧電素子28をヘッド駆動回路49に第1駆動波形74aで駆動させる。同時に、吐出制御部60は、第2塗布領域38と対向するノズル24と対応する圧電素子28をヘッド駆動回路49に第2駆動波形74bで駆動させる。これにより、液滴吐出ヘッド22は第1塗布領域37に第1吐出量77aである11ngの液滴を吐出する。同時に、液滴吐出ヘッド22は第2塗布領域38に第2吐出量77bである9ngの液滴を吐出する。吐出制御部60は吐出計画データ56に基づいて液滴29を吐出するので第1塗布領域37には液滴29が100回吐出され、第2塗布領域38には液滴29が70回吐出される。その結果、第1塗布領域37には吐出目標値である1100ngの機能液26が塗布され、第2塗布領域38には吐出目標値である630ngの機能液26が塗布される。
【0084】
さらに、副走査制御部59がキャリッジ16を移動させて改行を行う。続いて、主走査制御部58がステージ9を移動させることにより液滴吐出ヘッド22と基板2とがY方向に相対移動する。これにより、図9(c)に示すように、液滴吐出ヘッド22が第2塗布領域38と対向する場所に位置する。吐出制御部60はヘッド駆動回路49に第2駆動波形74bで圧電素子28を駆動させる。これにより、液滴吐出ヘッド22は第2塗布領域38に第2吐出量77bである9ngの液滴を吐出する。吐出制御部60は吐出計画データ56に基づいて液滴29を吐出するので第2塗布領域38には70回の吐出が行われる。その結果、第2塗布領域38には吐出目標値である630ngの機能液26が塗布される。
【0085】
ステップS6の終了判断工程において予定した総ての場所に液滴29を吐出したことを確認するまでステップS11の描画工程が行われる。予定した総ての場所に液滴29を吐出したときステップS7の除材工程に移行する。ステップS7では操作者が基板チャック機構を解除し基板2を載置面11から次工程に移動する。
【0086】
図9(d)はステップS8の固化工程に対応する図である。図9(d)に示すように、ステップS8において機能液26が塗布された基板2を乾燥装置81の内部に配置する。乾燥装置81は乾燥室82を備えている。乾燥室82は載置台83を備え、基板2がこの載置台83に設置される。乾燥室82は図中上側の供給管84及び供給バルブ85を介して乾燥気体供給部86と接続されている。さらに、乾燥室82は図中下側の排気管87及び排気バルブ88を介して排気部89と接続されている。そして、乾燥気体供給部86から供給される乾燥気体90が供給バルブ85及び供給管84を介して乾燥室82に供給される。次に、乾燥気体90は基板2に塗布された機能液26に沿って流動する。このとき、機能液26に含まれる溶媒及び分散媒を乾燥気体90に蒸発させて除去することにより、乾燥装置81は機能液26を乾燥させる。そして、機能液26が乾燥することにより、着色膜5が形成される。次に、溶媒及び分散媒を含んだ乾燥気体90は排気管87及び排気バルブ88を通過して、排気部89により図示しない排気処理装置に排気される。
【0087】
ステップS9の分離工程では基板2が分離される。基板2がガラス板の場合には作業者が基板2上でカラーフィルター1の外形を形成する切断予定線39に沿ってガラスカッターを摺動する。これにより基板2には切断予定線39線に沿ってクラックが形成される。そして、クラックが開くように基板2に応力を加えることにより基板2を分断する。個々のカラーフィルター1についても同様の処理を行い、カラーフィルター1を総て分離する。これにより、カラーフィルター1が完成する。以上の工程により、基板2に液滴29を吐出してカラーフィルター1を製造する製造工程を終了する。
【0088】
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、液滴吐出ヘッド22は複数のノズル24を備えているので、複数の場所に同時に液滴29を吐出することができる。そして、複数種類の吐出量の液滴29を吐出することができる為、吐出する場所で異なる吐出量の液滴29を着弾させることができる。従って、各場所に塗布する機能液26の量を制御することができる。
【0089】
(2)本実施形態によれば、吐出制御部60はノズル24毎に吐出量を異なる量に制御することができる。従って、吐出制御部60は着弾させる液滴29の量を着弾位置毎に制御することができる。
【0090】
(3)本実施形態によれば、吐出制御部60は吐出量に対応する駆動波形74を個別に各圧電素子28に出力する。従って、圧電素子28は個々の駆動波形74に対応する吐出量の液滴29を吐出させることができる。
【0091】
(4)本実施形態によれば、駆動波形74の駆動電圧75を切り替えることにより吐出量を切り替えている。電圧を切り替えるのは簡便な電気回路にて実施可能であることから簡便な装置で制御することができる。
【0092】
(5)本実施形態によれば、第1吐出量77aである11ngは第1塗布領域37の吐出目標値である1100ngを100で割り切れる値に設定されている。従って、第1吐出量77aの液滴29を100回吐出することにより、第1塗布領域37に吐出目標値の量の機能液26を塗布することができる。同様に、第2吐出量77bである9ngは第2塗布領域38の吐出目標値である630ngを70で割り切れる値に設定されている。従って、第2吐出量77bの液滴29を70回吐出することにより、第2塗布領域38に吐出目標値の量の機能液26を塗布することができる。
【0093】
(6)本実施形態によれば、ステップS11の描画工程において液滴吐出ヘッド22は第1塗布領域37と第2塗布領域38とに同時に液滴29を吐出している。このとき、第1塗布領域37と第2塗布領域38とで異なる吐出量の液滴29を着弾させている。従って、液滴吐出装置6は第1塗布領域37に液滴29を吐出した後、吐出量を切り替えて第2塗布領域38に液滴29を吐出する場合に比べて生産性良く液滴29を吐出することができる。
【0094】
(第2の実施形態)
次に、液滴吐出装置の一実施形態について図10の圧電素子の駆動波形を説明するためのタイムチャートを用いて説明する。本実施形態が第1の実施形態と異なるところは、図5(b)に示した駆動波形74の形状が異なる点にある。尚、第1の実施形態と同じ点については説明を省略する。
【0095】
すなわち、本実施形態では、図10に示したように駆動波形の形状を変えることにより吐出条件を切り替える3つの例を示している。尚、吐出条件を切り替える例はこれに限らず液滴吐出ヘッド22の特性に合わせて操作し易い方法を選択してもよい。図の横軸は時間の経過を示し、時間は左から右へ推移する。縦軸は電圧を示し、上側は下側より高い電圧となっている。図10(a)において第1波形93a、第2波形93b、第3波形93cは波長94が異なる駆動波形93の一例を示している。第1波形93a、第2波形93b、第3波形93cの波長94はそれぞれ、第1波長94a、第2波長94b、第3波長94cである。この3つの駆動波形93において第1波長94aが最も長く、第3波長94cが最も短くなっている。
【0096】
本実施形態の液滴吐出ヘッド22では波長94が長い方が短い方に比べて吐出量が多い特性を有している。尚、この特性は液滴吐出ヘッド22の構造によって異なる。そして、ステップS1の吐出特性測定工程において駆動電圧75を所定の電圧に固定して波長94を変える。そして、吐出量測定制御部61は各波長94の駆動波形93にて圧電素子28を駆動する。これにより、波長94に対する吐出量の関係を示す波長吐出量相関線を設定することができる。この波長吐出量相関線は第1の実施形態における駆動電圧吐出量相関線76に対応する線である。そして、吐出量が第1吐出量77aとなる駆動波形93の第1波長94aと吐出量が第2吐出量77bとなる駆動波形93の第2波長94bを算出する。ステップS5の吐出工程では吐出量に対応して駆動波形93の波長94を切り替える。これにより、描画制御部57は第1塗布領域37及び第2塗布領域38に塗布する機能液26の量を吐出目標値となるように制御することができる。
【0097】
図10(b)において第4波形95a、第5波形95b、第6波形95cは波形が異なる駆動波形95の一例を示している。駆動波形95は台形状の正電圧の前部波形96とこの波形の後に続けて台形状の負電圧の後部波形97とから構成されている。前部波形96の前部駆動電圧98は各駆動波形95共に同じ電圧に設定されている。一方、後部波形97の後部駆動電圧99は駆動波形95毎に異なる電圧に設定されている。例えば、第4波形95aにおける第4後部駆動電圧99aは第5波形95bにおける第5後部駆動電圧99bより低い負の電圧に設定されている。第6波形95cでは後部駆動電圧99が0ボルトとなっており、後部波形97が形成されていない。
【0098】
本実施形態の液滴吐出ヘッド22では後部駆動電圧99が低い方が高い方に比べて吐出量が多い特性を有している。尚、この特性は液滴吐出ヘッド22の構造によって異なる。そして、ステップS1の吐出特性測定工程では後部駆動電圧99を変える。そして、吐出量測定制御部61は各後部駆動電圧99の駆動波形95にて圧電素子28を駆動する。これにより、後部駆動電圧99に対する吐出量の関係を示す電圧吐出量相関線を設定することができる。この電圧吐出量相関線は第1の実施形態における駆動電圧吐出量相関線76に対応する線である。そして、吐出量が第1吐出量77aとなる駆動波形95の第4後部駆動電圧99aと吐出量が第2吐出量77bとなる駆動波形95の第5後部駆動電圧99bを算出する。ステップS5の吐出工程では吐出量に対応して駆動波形95の後部駆動電圧99を切り替える。これにより、描画制御部57は第1塗布領域37及び第2塗布領域38に塗布する機能液26の量を吐出目標値となるように制御することができる。
【0099】
図10(c)において第7波形100a、第8波形100b、第9波形100cは波形が異なる駆動波形100を示している。駆動波形100の駆動電圧101は各駆動波形100共に同じ電圧に設定されている。そして、駆動波形100は台形状の波形において電圧が降下するのに要する降下時間102が駆動波形100毎に異なる時間に設定されている。例えば、第7波形100aにおける降下時間102である第7降下時間102aは第8波形100bにおける降下時間102である第8降下時間102bより短い時間に設定されている。第8波形100bにおける降下時間102である第8降下時間102bは第9波形100cにおける降下時間102である第9降下時間102cより短い時間に設定されている。
【0100】
本実施形態の液滴吐出ヘッド22では降下時間102が短い方が長い方に比べて吐出量が多い特性を有している。尚、この特性は液滴吐出ヘッド22の構造によって異なる。ステップS1の吐出特性測定工程では駆動波形100の降下時間102を変える。そして、吐出量測定制御部61は各降下時間102の駆動波形100にて圧電素子28を駆動する。これにより、降下時間102に対する吐出量を示す降下時間吐出量相関線を設定することができる。この降下時間吐出量相関線は第1の実施形態における駆動電圧吐出量相関線76に対応する線である。そして、吐出量が第1吐出量77aとなる駆動波形100の第7降下時間102aと吐出量が第2吐出量77bとなる駆動波形100の第8降下時間102bを算出する。ステップS5の吐出工程では吐出量に対応して駆動波形100の降下時間102を切り替える。これにより、描画制御部57は第1塗布領域37及び第2塗布領域38に塗布する機能液26の量を吐出目標値となるように制御することができる。
【0101】
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、吐出量に対応して圧電素子28を駆動する駆動波形93,95,100を切り替えて吐出している。このとき、駆動波形93,95,100の条件と吐出量の関係を示すデータを用いて、各吐出領域で駆動する駆動波形93,95,100と吐出回数を切り替えている。従って、各吐出領域で吐出量の総量を吐出目標値にすることができる。
【0102】
(第3の実施形態)
次に、液滴吐出装置の一実施形態について図11(a)の液滴吐出ヘッドの電気制御ブロック図及び図11(b)の駆動波形を示すタイムチャートを用いて説明する。本実施形態が第1の実施形態と異なるところは、図5(b)に示した供給電圧73を切り替えることにより駆動電圧75を切り替える点にある。尚、第1の実施形態と同じ点については説明を省略する。
【0103】
図11(a)に示すように、液滴吐出装置105は液滴吐出ヘッド106を備え、液滴吐出ヘッド106はヘッド駆動回路107と電気的に接続されている。そして、ヘッド駆動回路107は制御装置42と電気的に接続されている。ヘッド駆動回路107は液滴吐出ヘッド106を駆動する回路であり、制御装置42は液滴吐出装置105の動作を制御する装置である。
【0104】
制御装置42は機能液26を吐出するノズル24にかかわるデータや、吐出するときに圧電素子28を駆動する駆動信号データ及び吐出タイミングデータ等をヘッド駆動回路107に出力する。ヘッド駆動回路107は、主に吐出制御回路108と9個の駆動信号回路67及び電力供給回路109とを備え、吐出制御回路108は駆動信号回路67及び電力供給回路109と電気的に接続されている。ヘッドユニット110には9個の液滴吐出ヘッド106が配置されており、1個の液滴吐出ヘッド106に対して駆動信号回路67及び電力供給回路109が各1個配置されている。
【0105】
制御装置42からヘッド駆動回路107へ出力されたデータは吐出制御回路108に入力される。吐出制御回路108は入力されたノズル24にかかわるデータ及び駆動信号データを液滴吐出ヘッド106毎に区分する。そして、吐出制御回路108は区分した駆動信号データと吐出タイミングデータを駆動信号回路67に出力する。さらに、駆動電圧データを電力供給回路109に出力する。駆動信号回路67は入力した吐出波形データや吐出タイミングデータ等のデータを用いて吐出波形信号を形成する。
【0106】
液滴吐出ヘッド106は、分配回路111と圧電素子28とを備え、駆動信号回路67及び電力供給回路109は分配回路111と電気的に接続されている。さらに、分配回路111は圧電素子28と電気的に接続されている。そして、駆動信号回路67は機能液26を吐出するタイミングに合わせて、圧電素子28を駆動する駆動波形の信号を分配回路111に出力する。さらに、電力供給回路109は入力した駆動電圧データに対応する供給電圧を分配回路111に出力する。この供給電圧は圧電素子28毎のデータとなっている。
【0107】
分配回路111は、入力した吐出波形信号と供給電圧とを用いて各圧電素子28に駆動波形を出力する。そして、各圧電素子28は駆動波形を入力し、駆動波形に対応して収縮した後伸長する。これにより、液滴吐出ヘッド106から機能液26が吐出される。
【0108】
図11(b)において、縦軸は電圧を示し、上側が下側より高い電圧になっている。横軸は時間の経過を示し時間は図中左から右に推移する。吐出波形信号112は駆動信号回路67が分配回路111に出力する信号を示している。吐出波形信号112の波形は電圧が0〜1ボルトの間で変化し台形状に形成されている。吐出波形信号112の例として第1吐出波形信号112a、第2吐出波形信号112b、第3吐出波形信号112cの3種類の波形が示されている。
【0109】
吐出波形信号112は1ボルトの電圧まで上昇し所定の区間電圧を維持した後下降する。電圧が上昇するタイミングにて圧電素子28が収縮してキャビティ25の体積が増える。電圧が下降するタイミングにて圧電素子28が伸長してキャビティ25の体積が減少する。従って、電圧が上昇するタイミングにてキャビティ25内に機能液26が流入し、電圧が下降するタイミングにて液滴29が吐出される。電圧が上昇するタイミングと電圧が下降するタイミングとの間隔は略一定の間隔が維持される。これにより、吐出量が品質良く制御される。第1吐出波形信号112a、第2吐出波形信号112b、第3吐出波形信号112cは波形高さ113が共通でタイミングの異なる波形となっている。
【0110】
供給電圧波形114は電力供給回路109が分配回路111に出力する供給電圧115の波形を示す。電力供給回路109は分配回路111が分配する圧電素子28の数と同じ数の供給電圧波形114を出力する。第1電圧115a、第2電圧115b、第3電圧115cは供給電圧115の1例である。そして、この例では第1電圧115a、第2電圧115b、第3電圧115cの順に電圧が小さくなっている。供給電圧波形114は吐出波形信号112が上昇するタイミングより前に供給電圧115の切り替えが行われ、吐出波形信号112が下降するタイミングより後に供給電圧115の切り替えが行われる。
【0111】
駆動波形116は分配回路111が圧電素子28に出力する電圧の波形である。駆動波形116は吐出波形信号112と供給電圧波形114とが乗算されて形成されている。吐出波形信号112の波形高さ113は1ボルトの電圧となっているので、駆動波形116の電圧は供給電圧波形114と同じ電圧となる。供給電圧115が第1電圧115a、第2電圧115b、第3電圧115cのときの駆動波形116をそれぞれ第1駆動波形116a、第2駆動波形116b、第3駆動波形116cとする。そして、駆動波形116が上昇して所定の区間維持される電圧を駆動電圧117とする。このとき、第1駆動波形116aの駆動電圧117である第1駆動電圧117aは第1電圧115aと同じ電圧になる。同様に、第2駆動波形116bの駆動電圧117である第2駆動電圧117bは第2電圧115bと同じ電圧になり、第3駆動波形116cの駆動電圧117である第3駆動電圧117cは第3電圧115cと同じ電圧になる。
【0112】
分配回路111は駆動波形116の電圧信号を圧電素子28に出力する。このとき、分配回路111は液滴29を吐出する予定のノズル24に対応する圧電素子28にのみ駆動波形116の電圧信号を出力する。そして、各圧電素子28にはそれぞれ供給電圧115の駆動波形116が出力される。供給電圧波形114の供給電圧115の電圧は吐出毎に切り替えられるので、吐出する毎に駆動波形116の駆動電圧117を変更することが可能になっている。
【0113】
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、供給電圧波形114の供給電圧115を切り替えることにより吐出条件を切り替えている。電圧を切り替えるのは簡便な電気回路にて実施可能であることから簡便な装置で制御することができる。
【0114】
尚、本実施形態は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変更や改良を加えることも可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)
前記第1の実施形態では、第1吐出量77aが11ngであり、第2吐出量77bが9ngであった。吐出量は整数に限らず、小数点以下を含んだ値にしても良い。吐出目標値に合わせやすい値にしても良い。吐出量を設定し易くすることができる。
【0115】
(変形例2)
前記第1の実施形態では、キャビティ25を加圧する加圧手段に、圧電素子28を用いたが、他の方法でも良い。例えば、コイルと磁石とを用いて振動板27を変形させて加圧しても良い。他に、キャビティ25内にヒーター配線を配置して、ヒーター配線を加熱することにより、機能液26を気化させたり、機能液26に含む気体を膨張させたりして加圧しても良い。他にも、静電気の引力及び斥力を用いて振動板27を変形させて加圧しても良い。尚、コイルやヒーター配線のように駆動する電流で吐出量を制御できる場合には、駆動波形は電流の波形でも良い。前記実施形態と同様にノズル毎に加圧手段を駆動する駆動波形を切り替えることによりノズル毎に所定の吐出量の液滴29を吐出することができる。
【0116】
(変形例3)
前記第1の実施形態では、着色する機能を有する機能液26を塗布して、カラーフィルター1を製造する例を示した。塗布する機能液26はこれに限らない。例えば、通電性の機能液26を塗布して配線や電極を形成しても良い。他にも、正孔輸送層や発光層の材料を含む機能液26を塗布して有機EL(エレクトロルミネッセンス)表示装置を形成しても良い。これらの場合にも、液滴29を吐出する駆動波形を切り替えることにより複数のパターンに対して異なる吐出量の液滴を吐出することができる。
【0117】
(変形例4)
前記第1の実施形態では、カラーフィルター1の基板2に機能液26を吐出して塗布したが、塗布する基材は基板2に限らず、直方体等のようにZ方向の高さがある物や凹凸のある物にも適用することができる。この場合にも吐出目標値の液滴29を吐出することができる。
【0118】
(変形例5)
前記第1の実施形態では、基板2に2種類のパターンを配置し、2種類の駆動波形74を用いて圧電素子28を駆動した。パターンの数や駆動波形74の種類の数は3種類以上でもよい。この場合にもノズル24から多種類の吐出量の液滴29を吐出することにより、各領域に塗布する機能液26の量を制御することができる。
【符号の説明】
【0119】
1…カラーフィルター、2…基材としての基板、5…着色膜、6…液滴吐出装置、22…液滴吐出ヘッド、24…ノズル、28…圧電素子、29…液滴、37…第1膜形成領域としての第1塗布領域、38…第2膜形成領域としての第2塗布領域、60…吐出制御部、74…駆動信号としての駆動波形、75…駆動電圧。
【技術分野】
【0001】
本発明は、液滴吐出方法にかかわり、特に、面積の異なる複数の領域に機能液を塗布する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
機能液を液滴にして吐出するインクジェット法を用いて塗布し、塗布された機能液を固化して膜を形成する方法が広く採用されている。そして、機能液には染料や顔料を含んで着色する機能を有する液状体や、金属粒子を含んで金属配線を形成する機能を有する液状体等の多種類の液状体が用いられている。
【0003】
カラーフィルターの製造においては、マトリクス状に区画された領域を着色する機能液が塗布される。このとき、カラーフィルターが透過する光の色調の品質を良くするためには機能液の量を品質よく塗布する必要がある。
【0004】
インクジェット法を用いて基板に機能液を塗布する液滴吐出装置が特許文献1に開示されている。液滴吐出装置は液滴吐出ヘッドを備え、液滴吐出ヘッドには液滴を吐出する複数のノズルが形成されている。液滴吐出ヘッドには各ノズルと連通するキャビティとキャビティの体積を増減させる振動子が設置されている。そして、振動子がキャビティの体積を増減させることにより、キャビティに充填された液状体が液滴となってノズルから吐出される。
【0005】
液滴吐出装置はワークを移動させるワーク移動機構と液滴吐出ヘッドを移動させるヘッド移動機構とを備えている。このワークと液滴吐出ヘッドとは直交する方向に移動する。そして、機能液を塗布する場所と対向する場所に液滴吐出ヘッドが位置するときに、液滴吐出ヘッドから液滴を吐出する。これにより、所定の位置に液滴を着弾させてワークに所定のパターンを描画していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−94044号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
1枚の基板上に複数種類のカラーフィルターを形成することにより、複数種類のカラーフィルターを同時に製造することができる。これにより、要求される多種類のカラーフィルターを早く製造することができる。カラーフィルターは種類毎に着色する領域である各画素の広さが異なっている。従って、広さの異なる領域毎に液滴の量と吐出回数を設定し所定の量の機能液を塗布する必要がある。これまでは、1つの液滴吐出ヘッドから1種類の吐出量の液滴しか吐出できなかった。そのため、広さの異なる複数の領域に同時に液滴を吐出することができなかったので、広さの異なる領域は別々に液滴を吐出する必要があった。そこで、複数の領域毎に所望の量の液状体を生産性良く塗布可能な液滴吐出装置が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0009】
[適用例1]
本適用例にかかる液滴吐出装置は、液滴を吐出するノズルを複数有する液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置であって、前記液滴吐出ヘッドは複数種類の吐出量の前記液滴を同時に吐出することを特徴とする。
【0010】
この液滴吐出装置によれば、液滴吐出ヘッドは複数のノズルを備えているので、複数の場所に同時に液滴を吐出することができる。そして、複数種類の吐出量の液滴を吐出することができる為、吐出する場所で異なる吐出量の液滴を着弾させることができる。従って、各場所に着弾させる液滴の量を制御することができる為、複数の場所に所定量の液状体を生産性良く塗布することができる。
【0011】
[適用例2]
上記適用例にかかる液滴吐出装置において、前記吐出量を制御する吐出制御部を備え、前記吐出制御部は前記ノズル毎に前記吐出量を制御することを特徴とする。
【0012】
この液滴吐出装置によれば、吐出制御部は各ノズルの吐出量を異なる量に制御することができる。従って、吐出制御部は着弾させる液滴の量を着弾位置毎に制御することができる。
【0013】
[適用例3]
上記適用例にかかる液滴吐出装置において、前記液滴吐出ヘッドは前記ノズル毎に前記液滴を吐出する駆動素子を備え、前記吐出制御部は前記吐出量に対応する駆動信号を前記駆動素子毎に出力し、前記駆動素子は前記駆動信号に応じて前記液滴を吐出することを特徴とする。
【0014】
この液滴吐出装置によれば、吐出制御部は吐出量に対応する駆動信号を個別に各駆動素子に出力する。従って、駆動素子は個々の駆動信号に対応する吐出量の液滴を吐出することができる。
【0015】
[適用例4]
上記適用例にかかる液滴吐出装置において、前記駆動素子は印加される電圧に応じて前記吐出量が変わる素子であり、前記駆動信号は所定の区間で所定の駆動電圧に維持される駆動波形であり、前記吐出制御部は前記吐出量に応じて前記駆動電圧を制御することを特徴とする。
【0016】
この液滴吐出装置によれば、駆動波形の駆動電圧を制御することにより吐出量を切り替えている。電圧を制御するのは簡便な電気回路にて実施可能であることから簡便な装置で制御することができる。
【0017】
[適用例5]
本適用例にかかる液滴吐出方法は、基材に設けられた複数の膜形成領域に向けて液滴を吐出する液滴吐出方法であって、複数種類の吐出量の前記液滴を液滴吐出ヘッドから複数の前記膜形成領域に同時に吐出することを特徴とする。
【0018】
この液滴吐出方法によれば、液滴吐出ヘッドは複数の場所に同時に液滴を吐出する。そして、液滴吐出ヘッドは複数種類の吐出量の液滴を吐出することができる為、各膜形成領域にそれぞれ所定の吐出量の液滴を着弾させることができる。従って、各膜形成領域に着弾させる液滴の量を制御することができる為、複数の膜形成領域に所定量の液状体を生産性良く塗布することができる。
【0019】
[適用例6]
上記適用例にかかる液滴吐出方法において、前記膜形成領域に吐出する前記液滴の総和の目標値である吐出目標値を整数にて除算した値に前記吐出量を設定することを特徴とする。
【0020】
この液滴吐出方法によれば、吐出量は吐出目標値を整数にて除算した値に設定されている。従って、吐出量の液滴を所定の回数吐出することにより、吐出目標値と同量の液滴を膜形成領域に吐出することができる。
【0021】
[適用例7]
本適用例にかかるカラーフィルターの製造方法は、基材上に区画形成された複数の膜形成領域に着色膜を有するカラーフィルターの製造方法であって、前記膜形成領域は面積の異なる第1膜形成領域と第2膜形成領域とを有し、前記第1膜形成領域と前記第2膜形成領域とへ吐出量の異なる液滴を同時に吐出する描画工程と、吐出された前記液滴を固化して前記着色膜を形成する固化工程と、前記基材を分離して前記第1膜形成領域を含む第1カラーフィルターと前記第2膜形成領域を含む第2カラーフィルターとを形成する分離工程と、を有することを特徴とする。
【0022】
このカラーフィルターの製造方法によれば、描画工程にて第1膜形成領域と第2膜形成領域とに液滴を吐出し、固化工程にて液滴を固化して着色膜を形成している。そして、分離工程において基材を分離して第1カラーフィルターと第2カラーフィルターとを形成している。描画工程において液滴吐出ヘッドは第1膜形成領域と第2膜形成領域とに同時に液滴を吐出する。このとき、第1膜形成領域と第2膜形成領域とで異なる吐出量の液滴を着弾させている。従って、第1膜形成領域に液滴を吐出した後、第2膜形成領域に液滴を吐出する場合に比べて各膜形成領域に所定量の液滴を生産性良く着弾させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】第1の実施形態にかかわり、(a)は、カラーフィルターを示す模式平面図、(b)は、カラーフィルターの模式断面図。
【図2】(a)は、液滴吐出装置の構成を示す概略斜視図、(b)は、液滴吐出ヘッドの配置を示す模式平面図、(c)は、液滴吐出ヘッドの構造を説明するための要部模式断面図。
【図3】(a)は、吐出量測定装置を示す模式断面図、(b)は、載置面上に配置された基板を示す模式平面図。
【図4】液滴吐出装置の電気制御ブロック図。
【図5】(a)は、液滴吐出ヘッドの電気制御ブロック図、(b)は、駆動波形を示すタイムチャート。
【図6】カラーフィルターを製造する製造工程を示すフローチャート。
【図7】描画方法を説明するための模式図。
【図8】描画方法を説明するための模式図。
【図9】描画方法を説明するための模式図。
【図10】第2の実施形態にかかわる圧電素子の駆動波形を説明するためのタイムチャート。
【図11】第3の実施形態にかかわり、(a)は、液滴吐出ヘッドの電気制御ブロック図、(b)は、駆動波形を示すタイムチャート。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、具体化した実施形態について図面に従って説明する。尚、各図面における各部材は、各図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎に縮尺を異ならせて図示している。
【0025】
(第1の実施形態)
本実施形態における特徴的な液滴吐出装置の例とこの液滴吐出装置を用いて液滴を吐出してカラーフィルターを形成する特徴的な製造方法の例とについて図1〜図9に従って説明する。
【0026】
(カラーフィルター)
最初に、カラーフィルター1について図1を用いて説明する。図1(a)は、カラーフィルターを示す模式平面図である。図1(b)は、図1(a)のカラーフィルターのA−A’線に沿う模式断面図である。カラーフィルター1は液晶テレビ等の表示装置に用いられる。画像信号に応じた輝度分布をもつ白色光をカラーフィルター1に通過させることにより、カラー画像が形成される。図1に示すように、カラーフィルター1は基材としての基板2を備えている。この基板2は光透過性があり、張力に対して破れ難い強度があればよく、ガラス板、プラスチック板、プラスチックシート等を用いることができる。本実施形態においては、例えば、ガラス板を採用している。基板2の上面には着色素子3が縦横並んで配列して形成されている。そして、着色素子3は赤、青、緑色の着色素子3により構成され、各色の着色素子3が列毎に配列して配置されている。図1(a)において、上から赤色素子列3a、青色素子列3b、緑色素子列3cの順に着色素子3が配列して配置されている。そして、図中の上から下へ、この順番を繰り返してストライプ状に配置されている。
【0027】
着色素子3は格子状に形成された隔壁4を備え、隔壁4は着色された樹脂材料によって形成されている。これにより隔壁4を光が透過しないようになっている。隔壁4によって矩形に仕切られた場所には赤色着色膜5a、青色着色膜5b、緑色着色膜5c等の着色膜5が形成されている。赤色素子列3aの着色素子3には赤色着色膜5aが形成され、青色素子列3b、緑色素子列3cにはそれぞれ青色着色膜5b、緑色着色膜5cが形成されている。
【0028】
(液滴吐出装置)
次に、基板2に液滴を吐出して着色膜5を形成する液滴吐出装置6について図2に従って説明する。液滴吐出装置に関しては様々な種類の装置があるが、インクジェット法を用いた装置が好ましい。インクジェット法は微小な液滴の吐出が可能であるため、微細加工に適している。
【0029】
図2(a)は、液滴吐出装置の構成を示す概略斜視図である。液滴吐出装置6により液滴が吐出される。図2(a)に示すように、液滴吐出装置6には直方体形状に形成された基台7を備えている。本実施形態では、この基台7の長手方向をY方向とし水平面上でY方向と直交する方向をX方向とする。そして、鉛直方向をZ方向とする。液滴を吐出するときに液滴吐出ヘッドと被吐出物である基板2とが相対移動する方向を主走査方向とする。そして、主走査方向と直交する方向を副走査方向とする。副走査方向は改行するときに液滴吐出ヘッドと被吐出物とが相対移動する方向である。本実施形態ではY方向を主走査方向とし、X方向を副走査方向とする。
【0030】
基台7の上面7aには、Y方向に延在する一対の案内レール8がY方向全幅にわたり凸設されている。その基台7の上側には、一対の案内レール8に対応する図示しない直動機構を備えたステージ9が取付けられている。そのステージ9の直動機構にはリニアモーターやネジ式直動機構等の機構を用いることができる。本実施形態では、例えば、リニアモーターを採用している。そして、ステージ9はY方向に沿って所定の速度で往動または復動するようになっている。往動と復動を繰り返すことを走査移動と称す。さらに、基台7の上面7aには案内レール8と平行に主走査位置検出装置10が配置され、主走査位置検出装置10によりステージ9の位置が検出される。
【0031】
そのステージ9の上面には載置面11が形成され、その載置面11には図示しない吸引式の基板チャック機構が設けられている。載置面11上には基板2が設置され、基板2は基板チャック機構により載置面11に固定されている。この基板2には隔壁4が形成されている。
【0032】
基台7のX方向両側には一対の支持台12が立設され、その一対の支持台12にはX方向に延びる案内部材13が架設されている。その案内部材13の上側には吐出する機能液を供給可能に収容する収容タンク14が設置されている。収容タンク14は3つの容器に仕切られており、各容器にはそれぞれ赤色、青色、緑色の染料または顔料を含む機能液が収納されている。
【0033】
案内部材13の下側にはX方向に延びる案内レール15がX方向全幅にわたって設置されている。案内レール15に沿って移動可能に取り付けられるキャリッジ16は略直方体形状に形成されている。そのキャリッジ16は直動機構を備え、その直動機構は、例えば、ステージ9が備える直動機構と同様の機構を用いることができる。そして、キャリッジ16が案内レール15に沿って走査移動する。案内部材13とキャリッジ16との間には副走査位置検出装置17が配置され、キャリッジ16の位置が検出される。キャリッジ16の下側にはヘッドユニット18が設置され、このヘッドユニット18のステージ9側には図示しない液滴吐出ヘッドが凸設されている。
【0034】
基台7の−X方向側の側面であって案内部材13と対向する場所には吐出量測定装置19が配置されている。この吐出量測定装置19は電子天秤を備え、液滴吐出ヘッドから吐出される液滴の重量を測定する機能を備えている。
【0035】
図2(b)は、液滴吐出ヘッドの配置を示す模式平面図である。図2(b)に示すように、1つのヘッドユニット18には、3個の吐出部としての液滴吐出ヘッド22がY方向において等間隔に配列して配置されている。そして、この各色の機能液を吐出する液滴吐出ヘッド22はそれぞれX方向に千鳥状に配列して配置されている。各液滴吐出ヘッド22には番号が付番されている。−Y方向側の液滴吐出ヘッド22には−X側から+X側に向けて1番〜3番の番号が付番されている。Y方向中側の液滴吐出ヘッド22には−X側から+X側に向けて4番〜6番の番号が付番されている。さらに、+Y方向側の液滴吐出ヘッド22には−X側から+X側に向けて7番〜9番の番号が付番されている。1番〜3番の液滴吐出ヘッド22には赤色の機能液が供給されている。そして、4番〜6番の液滴吐出ヘッド22には青色の機能液が供給され、7番〜9番の液滴吐出ヘッド22には緑色の機能液が供給されている。
【0036】
そして、液滴吐出ヘッド22の表面にはノズルプレート23が配置され、ノズルプレート23にはノズル24が複数形成されている。ノズル24の数や配列は吐出するパターンと基板2の大きさとに合わせて設定すればよい。本実施形態においては、例えば、1個のノズルプレート23にはノズル24の配列が1列形成され、1列には15個のノズル24が配置されている。このノズル24は−X側から+X側に向けて1番〜15番の番号が付番されている。
【0037】
図2(c)は、液滴吐出ヘッドの構造を説明するための要部模式断面図である。図2(c)に示すように、液滴吐出ヘッド22は、ノズルプレート23を備え、ノズルプレート23には、ノズル24が形成されている。ノズルプレート23の図中上側であって、ノズル24と対向する位置には、ノズル24と連通する圧力室としてのキャビティ25が形成されている。そして、液滴吐出ヘッド22のキャビティ25には、収容タンク14に貯留されている液状体としての機能液26が図示しない流路を介して供給される。
【0038】
キャビティ25の上側には、上下方向(Z方向)に振動して、キャビティ25内の容積を拡大縮小する振動板27と、上下方向に伸縮して振動板27を振動させる駆動素子としての圧電素子28が配設されている。そして、液滴吐出ヘッド22が圧電素子28を制御駆動するための駆動信号を受けると、圧電素子28が伸縮する。これにより、振動板27がキャビティ25内の容積を拡大縮小してキャビティ25を加圧する。その結果、液滴吐出ヘッド22のノズル24から、縮小した容積分の機能液26が液滴29として吐出される。
【0039】
図3(a)は、吐出量測定装置を示す模式断面図である。図3(a)において、吐出量測定装置19は土台30を備え、土台30の上には内部に空洞を備えた外装部31が設置されている。外装部31の内部には3台の電子天秤32がY方向に配列して設置されている。各電子天秤32には受皿33が配置され、受皿33のZ方向側にはスポンジ状の吸収体34が設置されている。そして、液滴吐出ヘッド22から受皿33に吐出された液滴29が跳ねて受皿33の外に出ないようになっている。受皿33に着弾した液滴29は合体して機能液26の液溜まりとなり、吸収体34を通過して受皿33上に蓄積される。液滴吐出ヘッド22が液滴29を複数回吐出し、吐出する前後で電子天秤32は受皿33と受皿33に吐出された液滴29とを合わせた重量を測定する。そして、吐出前後における受皿33の重量の差分を演算することにより、吐出量測定装置19は吐出された液滴29の重量を算出する。そして、算出された液滴29の重量を吐出回数にて除算することにより、吐出量測定装置19は1回の吐出における液滴29の重量を検出することができる。
【0040】
図3(b)は、載置面上に配置された基板を示す模式平面図である。図3(b)において、基板2上には隔壁4によって2つの第1パターン35と3つの第2パターン36とが形成されている。第1パターン35と第2パターン36とは相似形のパターンであり、第1パターン35は第2パターン36を拡大した図形となっている。第1パターン35において隔壁4に区分けされた領域を第1膜形成領域としての第1塗布領域37とし、第2パターン36において隔壁4に区分けされた領域を第2膜形成領域としての第2塗布領域38とする。第1塗布領域37及び第2塗布領域38が液滴吐出装置6によって機能液26が塗布される場所となっている。2つの第1パターン35は主走査方向であるY方向に並んで配置され、3つの第2パターン36もY方向に並んで配置されている。そして、副走査方向であるX方向には第1パターン35と第2パターン36とが並んで配置されている。
【0041】
第1パターン35及び第2パターン36を取り囲んで矩形の切断予定線39が設定される。切断予定線39はカラーフィルター1の外形となる線である。基板2は切断予定線39に沿って分離されることにより個々のカラーフィルター1となる。
【0042】
図4は、液滴吐出装置の電気制御ブロック図である。図4に示すように、液滴吐出装置6は液滴吐出装置6の動作を制御する制御部としての制御装置42を備えている。そして、制御装置42はプロセッサーとして各種の演算処理を行うCPU(中央演算処理装置)43と、各種情報を記憶する記憶部としてのメモリー44とを備えている。
【0043】
主走査駆動装置45、主走査位置検出装置10、副走査駆動装置46、副走査位置検出装置17は、入出力インターフェイス47及びデータバス48を介してCPU43に接続されている。さらに、液滴吐出ヘッド22を駆動するヘッド駆動回路49、吐出量測定装置19、入力装置50、表示装置51も入出力インターフェイス47及びデータバス48を介してCPU43に接続されている。
【0044】
主走査駆動装置45はステージ9の移動を制御する装置であり、副走査駆動装置46はキャリッジ16の移動を制御する装置である。主走査位置検出装置10がステージ9の位置を検出し、主走査駆動装置45がステージ9を駆動することにより、ステージ9を所望の速度で移動して停止することが可能になっている。同じく、副走査位置検出装置17がキャリッジ16の位置を検出し、副走査駆動装置46がキャリッジ16を駆動することにより、キャリッジ16を所望の位置に移動して停止することが可能となっている。
【0045】
入力装置50は液滴29を吐出する各種加工条件を入力する装置であり、例えば、基板2に液滴29を吐出する座標を図示しない外部装置から受信して入力する装置である。表示装置51は加工条件や作業状況を表示する装置であり、操作者は表示装置51に表示される情報を確認し入力装置50を用いて入力操作を行う。
【0046】
メモリー44は、RAM、ROM等といった半導体メモリーや、ハードディスク、DVD−ROMといった外部記憶装置を含む概念である。機能的には液滴吐出装置6における動作の制御手順が記述されたプログラムソフト52を記憶する記憶領域が設定される。さらに、基板2上に吐出する吐出位置の座標データである吐出位置データ53を記憶するための記憶領域も設定される。
【0047】
他にも、液滴吐出ヘッド22を駆動するときの駆動波形の電圧と吐出量の関係を示すデータである駆動電圧データ54や液滴吐出ヘッド22を駆動する波形の形状を示す駆動波形データ55等の吐出条件を複数記憶するための記憶領域が設定される。さらに、吐出する各場所における駆動波形の電圧のデータである吐出計画データ56を記憶するための記憶領域が設定される。さらに、CPU43のためのワークエリアやテンポラリーファイル等として機能する記憶領域やその他各種類の記憶領域が設定される。
【0048】
CPU43は、メモリー44内に記憶されたプログラムソフト52に従って基板2上の所定の位置に液滴29を吐出するための制御を行うものである。具体的な機能実現部として、液滴吐出ヘッド22から液滴29を吐出して描画するための制御を行う描画制御部57を有する。描画制御部57を詳しく分割すれば、描画制御部57はステージ9を主走査方向へ所定の速度で走査移動させるための制御を行う主走査制御部58を有する。他にも、描画制御部57は液滴吐出ヘッド22を副走査方向へ所定の副走査量で移動させるための制御を行う副走査制御部59を有する。さらに、描画制御部57は液滴吐出ヘッド22内に複数あるノズルのうち、どのノズルに対応する圧電素子28を作動させて液滴29を吐出するかを制御する吐出制御部60等といった各種の制御部を有する。
【0049】
他にも、液滴吐出ヘッド22及び吐出量測定装置19を駆動して液滴吐出ヘッド22が吐出する液滴29の重量である吐出量を測定する吐出量測定制御部61を有する。さらに、第1塗布領域37及び第2塗布領域38に吐出する機能液26の量と吐出特性からノズル24から吐出する液滴29の吐出量と吐出回数を設定する吐出条件設定部62を有する。他にも液滴29を吐出する各場所における圧電素子28の駆動波形を設定する吐出計画設定部63を有する。
【0050】
図5(a)は、液滴吐出ヘッドの電気制御ブロック図である。図5(a)に示すように、液滴吐出ヘッド22はヘッド駆動回路49と電気的に接続され、ヘッド駆動回路49は制御装置42と電気的に接続されている。ヘッド駆動回路49は液滴吐出ヘッド22を駆動する回路であり、制御装置42は液滴吐出装置6の動作を制御する装置である。
【0051】
制御装置42は機能液26を吐出するノズル24にかかわるデータや、吐出するときに圧電素子28を駆動する駆動信号データ及び吐出タイミングデータ等をヘッド駆動回路49に出力する。ヘッド駆動回路49は、主に吐出制御回路66と9個の駆動信号回路67及び電力供給回路68とを備え、吐出制御回路66は駆動信号回路67及び電力供給回路68と電気的に接続されている。ヘッドユニット18には9個の液滴吐出ヘッド22が配置されており、1個の液滴吐出ヘッド22に対して駆動信号回路67が1個配置されている。吐出制御回路66、駆動信号回路67、電力供給回路68の個数は、これに限らず、装置の仕様に合わせて適正な個数を配置するのが好ましい。
【0052】
制御装置42からヘッド駆動回路49へ出力されたデータは吐出制御回路66に入力される。吐出制御回路66は入力されたノズル24にかかわるデータ及び駆動信号データを液滴吐出ヘッド22毎に区分する。そして、吐出制御回路66は区分した駆動信号データと吐出タイミングデータを駆動信号回路67に分配して出力する。さらに、駆動電圧データを電力供給回路68に出力する。駆動信号回路67は入力した吐出波形データや吐出タイミングデータ等のデータを用いて吐出波形信号を形成する。
【0053】
液滴吐出ヘッド22は、分配回路69と圧電素子28とを備え、駆動信号回路67及び電力供給回路68は分配回路69と電気的に接続されている。さらに、分配回路69は圧電素子28と電気的に接続されている。そして、駆動信号回路67は機能液26を吐出するタイミングに合わせて、圧電素子28を駆動する駆動波形の電圧信号を分配回路69に出力する。さらに、電力供給回路68は入力した駆動電圧データに対応する供給電圧を分配回路69に出力する。
【0054】
分配回路69は、入力した吐出波形信号と供給電圧とを用いて各圧電素子28に駆動波形を出力する。そして、各圧電素子28は駆動波形を入力し、駆動波形に対応して収縮した後伸長する。これにより、液滴吐出ヘッド22から機能液26が吐出される。
【0055】
図5(b)は、駆動波形を示すタイムチャートである。図5(b)において、縦軸は電圧を示し、上側が下側より高い電圧になっている。横軸は時間の経過を示し時間は図中左から右に推移する。吐出波形信号70は駆動信号回路67が分配回路69に出力する信号を示している。吐出波形信号70の波形は電圧が0〜1ボルトの間で変化し台形状に形成されている。吐出波形信号70の例として第1吐出波形信号70a、第2吐出波形信号70b、第3吐出波形信号70cの3種類の波形が示されている。
【0056】
吐出波形信号70は所定の電圧まで上昇し所定の区間電圧を維持した後下降する。電圧が上昇するタイミングにて圧電素子28が収縮してキャビティ25の体積が増える。電圧が下降するタイミングにて圧電素子28が伸長してキャビティ25の体積が減少する。従って、電圧が上昇するタイミングにてキャビティ25内に機能液26が流入し、電圧が下降するタイミングにて液滴29が吐出される。電圧が上昇するタイミングと電圧が下降するタイミングとの間隔は略一定の間隔が維持される。これにより、吐出量が品質良く制御される。第1吐出波形信号70a、第2吐出波形信号70b、第3吐出波形信号70cの各吐出波形信号70における波形高さ71をそれぞれ0.9ボルトの第1波形高さ71a、0.8ボルトの第2波形高さ71b、0.7ボルトの第3波形高さ71cとする。
【0057】
供給電圧波形72は電力供給回路68が分配回路69に出力する供給電圧73の波形を示す。供給電圧波形72に示すように供給電圧73は30ボルトの一定な電圧となっている。
【0058】
駆動信号としての駆動波形74は分配回路69が圧電素子28に出力する電圧の波形である。駆動波形74は吐出波形信号70と供給電圧波形72とが乗算されて形成されている。吐出波形信号70の波形高さが第1波形高さ71a、第2波形高さ71b、第3波形高さ71cのときの駆動波形74をそれぞれ第1駆動波形74a、第2駆動波形74b、第3駆動波形74cとする。そして、駆動波形74が上昇して所定の区間維持される電圧を駆動電圧75とする。このとき、第1駆動波形74aの駆動電圧75である第1駆動電圧75aは0.9ボルトの第1波形高さ71aと30ボルトの供給電圧73とを乗算した27ボルトになっている。同様に、第2駆動波形74bの駆動電圧75である第2駆動電圧75bは0.8ボルトの第2波形高さ71bと30ボルトの供給電圧73とを乗算した24ボルトになっている。第3駆動波形74cの駆動電圧75である第3駆動電圧75cは0.7ボルトの第3波形高さ71cと30ボルトの供給電圧73とを乗算した21ボルトになっている。
【0059】
分配回路69は駆動波形74の電圧信号を圧電素子28に出力する。このとき、分配回路69はノズル24毎に設定された駆動波形74の電圧信号を圧電素子28に出力する。そして、1つの液滴吐出ヘッド22内の圧電素子28には各々吐出量に対応する駆動波形74が出力される。吐出波形信号70の波形高さ71は吐出毎に切り替えられるので、吐出する毎に駆動波形74の駆動電圧75を変更することが可能になっている。
【0060】
(描画方法)
次に、上述した液滴吐出装置6を使って、液滴吐出ヘッド22から基板2に吐出して描画する描画方法について図6〜図9を用いて説明する。図6は、基板に液滴を吐出してカラーフィルターを製造する製造工程を示すフローチャートである。図7〜図9は、液滴吐出装置を使った描画方法を説明するための模式図である。
【0061】
ステップS1は吐出特性測定工程に相当する。この工程では圧電素子を駆動する駆動波形を変えてノズルから液滴を吐出する。そして、駆動波形を変更したときに吐出される液滴の量の変化を測定する工程である。次にステップS2に移行する。ステップS2は電圧−吐出位置設定工程に相当する。この工程は基板における液滴吐出ヘッドの各位置に対して圧電素子を駆動する駆動波形を設定する工程である。次にステップS3に移行する。ステップS3は給材工程に相当し、基板をステージの載置面に載置する工程である。次にステップS4に移行する。ステップS4は吐出条件設定工程に相当する。この工程では予め設定されている駆動波形吐出波形信号を駆動信号回路に設定する。そして、2回目以降の走査移動後では改行してステージの移動方向を変更する工程である。次にステップS5に移行する。ステップS5は吐出工程に相当し、ステージを移動させながらノズルから液滴を吐出する工程である。次にステップS6に移行する。ステップS6は終了判断工程に相当し、液滴を吐出する予定の総ての場所に液滴を吐出したかの判断をする工程である。まだ吐出していない場所があるので吐出を継続するときステップS4に移行する。予定した総ての場所に液滴を吐出したので吐出を終了するときステップS7に移行する。ステップS4からステップS6までの工程を合わせてステップS11の描画工程とする。この工程は基板に所定のパターンを描画する工程である。次にステップS7に移行する。ステップS7は除材工程に相当し、基板を載置面から移動して次の工程へ基板を移動する工程である。ステップS8は、固化工程に相当し、基板に塗布された機能液を固化して膜を形成する工程である。次にステップS9に移行する。ステップS9は、分離工程に相当し、基板を切断して個々のカラーフィルターに分割する工程である。以上にて基板に液滴を吐出してカラーフィルターを製造する製造工程を終了する。
【0062】
次に、図7〜図9を用いて図6に示したステップと対応させて、液滴吐出ヘッド22から液滴29を吐出してカラーフィルター1を製造する製造方法を詳細に説明する。図7(a)及び図7(b)は、ステップS1の吐出特性測定工程に対応する図である。図7(a)に示すように、ステップS1において液滴吐出ヘッド22の吐出量を検出する。吐出量測定制御部61は駆動波形74の駆動電圧75を所定の電圧に設定する。そして、吐出量測定制御部61はノズル24から液滴29を吐出する。そして、吐出量測定制御部61は吐出量測定装置19を駆動して吐出された液滴29の重量である吐出量を検出する。
【0063】
詳細には、まず、吐出量測定制御部61は電子天秤32に受皿33の重量を測定させる。次に、吐出量測定制御部61はヘッド駆動回路49を駆動することにより液滴吐出ヘッド22のノズル24から所定の吐出回数の吐出を行う。このとき1つの液滴吐出ヘッド22でステップS11の描画工程で使用する総てのノズル24から液滴29を吐出する。液滴29を吐出するノズル24の数を吐出ノズル数とする。吐出回数が多い程測定精度が良くなるが消費する機能液26の量が多量になるので、吐出回数は必要な測定精度を満たす条件内で少ない回数が良い。吐出回数は特に限定されないが本実施形態では例えば1000回に設定している。
【0064】
液滴29を吐出した後で吐出量測定制御部61は再度電子天秤32に受皿33の重量を測定させる。そして、液滴29を吐出した後の受皿33の重量から液滴29を吐出する前の受皿33の重量の差を演算する。その後、重量の差の値を吐出回数と吐出ノズル数とで除算することにより1つのノズル24から1回吐出する液滴29の吐出量を算出する。つまり、この吐出量は1つの液滴吐出ヘッド22における吐出量の平均値となっている。尚、吐出量の検出において、ノズル24毎に吐出量を検出しても良い。その場合には、各ノズル24の吐出量を精度良く検出することができる。
【0065】
続いて、吐出量測定制御部61は駆動波形74の駆動電圧75を変更する。そして、吐出量測定制御部61は同様の方法にて吐出量を検出する。吐出量測定制御部61は駆動電圧75の変更と吐出量の検出を繰り返して駆動電圧75と吐出量との相関関係を検出する。
【0066】
その結果、図7(b)に示すように駆動電圧と吐出量との関係を示すグラフが得られる。図7(b)において、横軸は駆動電圧75を示し右側が左側より高い電圧となっている。縦軸は吐出量を示し上側が下側より大きな量となっている。駆動電圧吐出量相関線76は駆動電圧75と吐出量との関係を示す相関線である。駆動電圧吐出量相関線76では駆動電圧75が高くなる程吐出量が大きくなる相関関係となっている。この関係は液滴吐出ヘッド22の吐出特性により変わるので液滴吐出ヘッド22毎に検出するのが好ましい。
【0067】
駆動電圧吐出量相関線76の例において、駆動電圧75が第1駆動電圧75aの27ボルトのとき吐出量は11ngとなり、この吐出量を第1吐出量77aとする。同様に、駆動電圧75が第2駆動電圧75bの24ボルトのとき吐出量は9ngとなり、この吐出量を第2吐出量77bとする。吐出量測定制御部61は駆動電圧吐出量相関線76のデータを駆動電圧データ54としてメモリー44に出力し記憶させる。
【0068】
図7(c)及び図7(d)はステップS2の電圧−吐出位置設定工程に対応する図である。図7(c)に示すように、ステップS2において、吐出条件設定部62は第1塗布領域37及び第2塗布領域38に吐出する液滴29の総量の目標値である吐出目標値を設定する。吐出目標値は第1塗布領域37及び第2塗布領域38の面積と着色膜5の厚さとを乗算し機能液26の固化前後の体積減少率にて除算することによって算出される。本実施形態では、例えば、第1塗布領域37における吐出目標値は1100ngとし、第2塗布領域38における吐出目標値は630ngとする。
【0069】
続いて、吐出条件設定部62は各領域における吐出量を設定する。このとき、吐出条件設定部62は吐出量を整数倍した値が吐出目標値に近くなるように吐出量を設定する。吐出量を整数倍した値が吐出目標値と同じ値となる場合はさらに好ましい。換言すれば、吐出条件設定部62を整数にて除算した値に吐出量を設定するのが好ましい。
【0070】
第1塗布領域37では吐出量を第1吐出量77aの11ngにして100回吐出することにより吐出目標値の1100ngに対応する量の機能液26を塗布することができる。第1吐出量77aの11ngに対応する駆動電圧75は第1駆動電圧75aの27ボルトなので、第1塗布領域37において圧電素子28を駆動する駆動電圧75は第1駆動電圧75aの27ボルトに設定する。同様に、第2塗布領域38では吐出量を第2吐出量77bの9ngにして70回吐出することにより吐出目標値の630ngに対応する量の機能液26を塗布することができる。第2吐出量77bに対応する駆動電圧75は第2駆動電圧75bの24ボルトなので、第2塗布領域38において圧電素子28を駆動する駆動電圧75は第2駆動電圧75bの24ボルトに設定する。
【0071】
つまり、第1吐出量77a及び第2吐出量77bを選定するとき、第1吐出量77a及び第2吐出量77bを整数倍した値が吐出目標値となるように第1吐出量77a及び第2吐出量77bを選定している。これにより、吐出する液滴29の総量を吐出目標値と同じにすることができる。尚、吐出量を選択可能な範囲内にこのような吐出条件が見出せない場合には、第1吐出量77a及び第2吐出量77bを整数倍した値が吐出目標値と近い値になるように第1吐出量77a及び第2吐出量77bを選定するのが好ましい。
【0072】
図7(d)に示すように、吐出計画設定部63は液滴吐出ヘッド22が移動する位置毎にノズル24と対応する圧電素子28を駆動するための吐出波形信号70の波形高さ71を設定する。番号の欄は液滴吐出ヘッド22の番号が記載され1番〜9番のヘッド番号のいずれかが設定される。X座標とY座標には液滴吐出ヘッド22の位置を示す座標が記載され、単位はmmとなっている。ノズル番号/波形高さ×100の欄にはノズル番号を示す1〜15の欄が設けられている。各欄には吐出波形信号70の波形高さ71の値に100を乗算した値が記載される。供給電圧73は30ボルトで一定の電圧とするので波形高さ71を設定することにより駆動電圧75が設定される。
【0073】
本実施形態では、例えば、1番の液滴吐出ヘッド22においてX座標が100.00mm、Y座標が150.40mmの場所に位置するとき、吐出計画設定部63はこの液滴吐出ヘッド22の総ての波形高さ71の値を第1波形高さ71aの0.9と設定する。図中波形高さ71は100倍した値が表示されているので90の値が表示されている。このとき、圧電素子28には供給電圧73の30ボルトと第1波形高さ71aの0.9を乗算した27ボルトの第1駆動波形74aが出力される。
【0074】
また、1番の液滴吐出ヘッド22においてX座標が700.00mm、Y座標が950.80mmの場所に位置するとき、吐出計画設定部63はノズル番号が1番〜4番、5番〜10番、11番〜15番の各波形高さ71を0.9、0、0.8とする。このとき、ノズル番号が1番〜4番のノズル24と対応する圧電素子28には第1駆動波形74aが出力される。ノズル番号が5番〜10番のノズル24と対応する圧電素子28には駆動波形74が出力されない。ノズル番号が11番〜15番のノズル24と対応する圧電素子28には第2駆動波形74bが出力される。この様に、各ノズル24と対応する圧電素子28には各ノズル24から出力する液滴29の吐出量に対応する駆動電圧75が液滴吐出ヘッド22の場所毎に設定される。
【0075】
吐出計画設定部63は第1塗布領域37に第1吐出量77aの液滴29を100回吐出するように設定する。さらに、吐出計画設定部63は第2塗布領域38に第2吐出量77bの液滴29を70回吐出するように設定する。これにより、吐出計画設定部63は第1塗布領域37及び第2塗布領域38に塗布される機能液26の量を吐出目標値に設定する。そして、吐出計画設定部63は設定した機能液26を吐出する位置と波形高さ71のデータを吐出計画データ56としてメモリー44に記憶する。
【0076】
図8(a)はステップS3の給材工程に対応する図である。図8(a)に示すように、ステップS3において操作者は基板2をステージ9の載置面11上に載置する。基板2には予め隔壁4が形成されている。隔壁4はフォトリソグラフィーの方法を用いて製造することができる。尚、この製造方法は公知な方法であり、説明を省略する。次に、液滴吐出装置6は吸引式の基板チャック機構を駆動させることにより基板2を載置面11に固定する。尚、わかり易くするために図中の液滴吐出ヘッド22及びノズル24は1個のみ表示され、他の液滴吐出ヘッド22、ノズル24やヘッドユニット18は省略されている。
【0077】
図8(b)はステップS4の吐出条件設定工程に対応する図である。図8(b)に示すように、ステージ9が走査移動する区間は3つの区間に区分けされる。第1設定区間78aは基板2がY方向に1回移動する間の描画条件を設定する区間である。ステップS4において、描画制御部57はメモリー44から吐出計画データ56を入力する。そして、各区間で液滴吐出ヘッド22に対向する基板2の位置に対応して吐出するノズル24と吐出波形信号70のデータをヘッド駆動回路49に出力する準備を行う。
【0078】
第2設定区間78bは第1パターン35の第1塗布領域37及び第2パターン36の第2塗布領域38に液滴29を吐出する区間である。第1塗布領域37と対向する場所のノズル24の圧電素子28には吐出制御部60が第1駆動波形74aを出力させる。そして、駆動電圧75は第1駆動電圧75aの27ボルトに設定される。さらに、第2塗布領域38と対向する場所のノズル24の圧電素子28には吐出制御部60が第2駆動波形74bを出力させる。そして、駆動電圧75は第2駆動電圧75bの24ボルトに設定される。
【0079】
第3設定区間78cは基板2が−Y方向に1回移動する間の描画条件を設定する区間である。描画制御部57は第1設定区間78aと同様に各区間で液滴吐出ヘッド22に対向する基板2の位置に対応して吐出するノズル24と吐出波形信号70のデータをヘッド駆動回路49に出力する準備を行う。さらに、副走査制御部59がキャリッジ16を移動させて改行動作を行い、主走査制御部58がステージ9の移動方向を変更する。
【0080】
続いて、液滴吐出ヘッド22が第3設定区間78cから第1設定区間78aに向かって移動する。その後、第1設定区間78aにおいて描画制御部57は再度第2設定区間78bで液滴吐出ヘッド22に対向する基板2の位置に対応して吐出するノズル24と吐出波形信号70のデータをヘッド駆動回路49に出力する準備を行う。さらに、副走査制御部59がキャリッジ16を移動させて改行動作を行い、主走査制御部58がステージ9の移動方向を変更する。以上のように、第1設定区間78a及び第3設定区間78cにおいて液滴吐出ヘッド22と基板2とが1方向に相対移動する間の吐出準備を行う。そして、液滴吐出ヘッド22と基板2とを相対的に往復移動させながら吐出する吐出条件を設定する。
【0081】
図8(c)〜図9(c)はステップS5の吐出工程に対応する図である。図8(c)に示すように、ステップS5において、主走査制御部58はステージ9をY方向に走査移動させる。そして、第1設定区間78a及び第3設定区間78cにて副走査制御部59はキャリッジ16を駆動させて改行を行う。第2設定区間78bにおいて液滴29を吐出する場所と対向する場所に液滴吐出ヘッド22が位置するとき、吐出制御部60はノズル24から第1塗布領域37及び第2塗布領域38に液滴29を吐出させる。
【0082】
主走査制御部58がステージ9を移動させることにより液滴吐出ヘッド22と基板2とがY方向に相対移動する。これにより、図9(a)に示すように、液滴吐出ヘッド22が第1塗布領域37と対向する場所に位置する。吐出制御部60はヘッド駆動回路49に第1駆動波形74aで圧電素子28を駆動させる。これにより、液滴吐出ヘッド22は第1塗布領域37に第1吐出量77aである11ngの液滴を吐出する。吐出制御部60は吐出計画データ56に基づいて液滴29を吐出するので第1塗布領域37には100回の吐出が行われる。その結果、第1塗布領域37には吐出目標値である1100ngの機能液26が塗布される。
【0083】
副走査制御部59がキャリッジ16を移動させて改行を行う。続いて、主走査制御部58がステージ9を移動させることにより液滴吐出ヘッド22と基板2とがY方向に相対移動する。この動作を複数回実施する。これにより、図9(b)に示すように、液滴吐出ヘッド22の一部が第1塗布領域37と対向する場所に位置し、一部が第2塗布領域38と対向する場所に位置する。この場所においても吐出制御部60はヘッド駆動回路49を駆動する。吐出制御部60は、第1塗布領域37と対向するノズル24と対応する圧電素子28をヘッド駆動回路49に第1駆動波形74aで駆動させる。同時に、吐出制御部60は、第2塗布領域38と対向するノズル24と対応する圧電素子28をヘッド駆動回路49に第2駆動波形74bで駆動させる。これにより、液滴吐出ヘッド22は第1塗布領域37に第1吐出量77aである11ngの液滴を吐出する。同時に、液滴吐出ヘッド22は第2塗布領域38に第2吐出量77bである9ngの液滴を吐出する。吐出制御部60は吐出計画データ56に基づいて液滴29を吐出するので第1塗布領域37には液滴29が100回吐出され、第2塗布領域38には液滴29が70回吐出される。その結果、第1塗布領域37には吐出目標値である1100ngの機能液26が塗布され、第2塗布領域38には吐出目標値である630ngの機能液26が塗布される。
【0084】
さらに、副走査制御部59がキャリッジ16を移動させて改行を行う。続いて、主走査制御部58がステージ9を移動させることにより液滴吐出ヘッド22と基板2とがY方向に相対移動する。これにより、図9(c)に示すように、液滴吐出ヘッド22が第2塗布領域38と対向する場所に位置する。吐出制御部60はヘッド駆動回路49に第2駆動波形74bで圧電素子28を駆動させる。これにより、液滴吐出ヘッド22は第2塗布領域38に第2吐出量77bである9ngの液滴を吐出する。吐出制御部60は吐出計画データ56に基づいて液滴29を吐出するので第2塗布領域38には70回の吐出が行われる。その結果、第2塗布領域38には吐出目標値である630ngの機能液26が塗布される。
【0085】
ステップS6の終了判断工程において予定した総ての場所に液滴29を吐出したことを確認するまでステップS11の描画工程が行われる。予定した総ての場所に液滴29を吐出したときステップS7の除材工程に移行する。ステップS7では操作者が基板チャック機構を解除し基板2を載置面11から次工程に移動する。
【0086】
図9(d)はステップS8の固化工程に対応する図である。図9(d)に示すように、ステップS8において機能液26が塗布された基板2を乾燥装置81の内部に配置する。乾燥装置81は乾燥室82を備えている。乾燥室82は載置台83を備え、基板2がこの載置台83に設置される。乾燥室82は図中上側の供給管84及び供給バルブ85を介して乾燥気体供給部86と接続されている。さらに、乾燥室82は図中下側の排気管87及び排気バルブ88を介して排気部89と接続されている。そして、乾燥気体供給部86から供給される乾燥気体90が供給バルブ85及び供給管84を介して乾燥室82に供給される。次に、乾燥気体90は基板2に塗布された機能液26に沿って流動する。このとき、機能液26に含まれる溶媒及び分散媒を乾燥気体90に蒸発させて除去することにより、乾燥装置81は機能液26を乾燥させる。そして、機能液26が乾燥することにより、着色膜5が形成される。次に、溶媒及び分散媒を含んだ乾燥気体90は排気管87及び排気バルブ88を通過して、排気部89により図示しない排気処理装置に排気される。
【0087】
ステップS9の分離工程では基板2が分離される。基板2がガラス板の場合には作業者が基板2上でカラーフィルター1の外形を形成する切断予定線39に沿ってガラスカッターを摺動する。これにより基板2には切断予定線39線に沿ってクラックが形成される。そして、クラックが開くように基板2に応力を加えることにより基板2を分断する。個々のカラーフィルター1についても同様の処理を行い、カラーフィルター1を総て分離する。これにより、カラーフィルター1が完成する。以上の工程により、基板2に液滴29を吐出してカラーフィルター1を製造する製造工程を終了する。
【0088】
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、液滴吐出ヘッド22は複数のノズル24を備えているので、複数の場所に同時に液滴29を吐出することができる。そして、複数種類の吐出量の液滴29を吐出することができる為、吐出する場所で異なる吐出量の液滴29を着弾させることができる。従って、各場所に塗布する機能液26の量を制御することができる。
【0089】
(2)本実施形態によれば、吐出制御部60はノズル24毎に吐出量を異なる量に制御することができる。従って、吐出制御部60は着弾させる液滴29の量を着弾位置毎に制御することができる。
【0090】
(3)本実施形態によれば、吐出制御部60は吐出量に対応する駆動波形74を個別に各圧電素子28に出力する。従って、圧電素子28は個々の駆動波形74に対応する吐出量の液滴29を吐出させることができる。
【0091】
(4)本実施形態によれば、駆動波形74の駆動電圧75を切り替えることにより吐出量を切り替えている。電圧を切り替えるのは簡便な電気回路にて実施可能であることから簡便な装置で制御することができる。
【0092】
(5)本実施形態によれば、第1吐出量77aである11ngは第1塗布領域37の吐出目標値である1100ngを100で割り切れる値に設定されている。従って、第1吐出量77aの液滴29を100回吐出することにより、第1塗布領域37に吐出目標値の量の機能液26を塗布することができる。同様に、第2吐出量77bである9ngは第2塗布領域38の吐出目標値である630ngを70で割り切れる値に設定されている。従って、第2吐出量77bの液滴29を70回吐出することにより、第2塗布領域38に吐出目標値の量の機能液26を塗布することができる。
【0093】
(6)本実施形態によれば、ステップS11の描画工程において液滴吐出ヘッド22は第1塗布領域37と第2塗布領域38とに同時に液滴29を吐出している。このとき、第1塗布領域37と第2塗布領域38とで異なる吐出量の液滴29を着弾させている。従って、液滴吐出装置6は第1塗布領域37に液滴29を吐出した後、吐出量を切り替えて第2塗布領域38に液滴29を吐出する場合に比べて生産性良く液滴29を吐出することができる。
【0094】
(第2の実施形態)
次に、液滴吐出装置の一実施形態について図10の圧電素子の駆動波形を説明するためのタイムチャートを用いて説明する。本実施形態が第1の実施形態と異なるところは、図5(b)に示した駆動波形74の形状が異なる点にある。尚、第1の実施形態と同じ点については説明を省略する。
【0095】
すなわち、本実施形態では、図10に示したように駆動波形の形状を変えることにより吐出条件を切り替える3つの例を示している。尚、吐出条件を切り替える例はこれに限らず液滴吐出ヘッド22の特性に合わせて操作し易い方法を選択してもよい。図の横軸は時間の経過を示し、時間は左から右へ推移する。縦軸は電圧を示し、上側は下側より高い電圧となっている。図10(a)において第1波形93a、第2波形93b、第3波形93cは波長94が異なる駆動波形93の一例を示している。第1波形93a、第2波形93b、第3波形93cの波長94はそれぞれ、第1波長94a、第2波長94b、第3波長94cである。この3つの駆動波形93において第1波長94aが最も長く、第3波長94cが最も短くなっている。
【0096】
本実施形態の液滴吐出ヘッド22では波長94が長い方が短い方に比べて吐出量が多い特性を有している。尚、この特性は液滴吐出ヘッド22の構造によって異なる。そして、ステップS1の吐出特性測定工程において駆動電圧75を所定の電圧に固定して波長94を変える。そして、吐出量測定制御部61は各波長94の駆動波形93にて圧電素子28を駆動する。これにより、波長94に対する吐出量の関係を示す波長吐出量相関線を設定することができる。この波長吐出量相関線は第1の実施形態における駆動電圧吐出量相関線76に対応する線である。そして、吐出量が第1吐出量77aとなる駆動波形93の第1波長94aと吐出量が第2吐出量77bとなる駆動波形93の第2波長94bを算出する。ステップS5の吐出工程では吐出量に対応して駆動波形93の波長94を切り替える。これにより、描画制御部57は第1塗布領域37及び第2塗布領域38に塗布する機能液26の量を吐出目標値となるように制御することができる。
【0097】
図10(b)において第4波形95a、第5波形95b、第6波形95cは波形が異なる駆動波形95の一例を示している。駆動波形95は台形状の正電圧の前部波形96とこの波形の後に続けて台形状の負電圧の後部波形97とから構成されている。前部波形96の前部駆動電圧98は各駆動波形95共に同じ電圧に設定されている。一方、後部波形97の後部駆動電圧99は駆動波形95毎に異なる電圧に設定されている。例えば、第4波形95aにおける第4後部駆動電圧99aは第5波形95bにおける第5後部駆動電圧99bより低い負の電圧に設定されている。第6波形95cでは後部駆動電圧99が0ボルトとなっており、後部波形97が形成されていない。
【0098】
本実施形態の液滴吐出ヘッド22では後部駆動電圧99が低い方が高い方に比べて吐出量が多い特性を有している。尚、この特性は液滴吐出ヘッド22の構造によって異なる。そして、ステップS1の吐出特性測定工程では後部駆動電圧99を変える。そして、吐出量測定制御部61は各後部駆動電圧99の駆動波形95にて圧電素子28を駆動する。これにより、後部駆動電圧99に対する吐出量の関係を示す電圧吐出量相関線を設定することができる。この電圧吐出量相関線は第1の実施形態における駆動電圧吐出量相関線76に対応する線である。そして、吐出量が第1吐出量77aとなる駆動波形95の第4後部駆動電圧99aと吐出量が第2吐出量77bとなる駆動波形95の第5後部駆動電圧99bを算出する。ステップS5の吐出工程では吐出量に対応して駆動波形95の後部駆動電圧99を切り替える。これにより、描画制御部57は第1塗布領域37及び第2塗布領域38に塗布する機能液26の量を吐出目標値となるように制御することができる。
【0099】
図10(c)において第7波形100a、第8波形100b、第9波形100cは波形が異なる駆動波形100を示している。駆動波形100の駆動電圧101は各駆動波形100共に同じ電圧に設定されている。そして、駆動波形100は台形状の波形において電圧が降下するのに要する降下時間102が駆動波形100毎に異なる時間に設定されている。例えば、第7波形100aにおける降下時間102である第7降下時間102aは第8波形100bにおける降下時間102である第8降下時間102bより短い時間に設定されている。第8波形100bにおける降下時間102である第8降下時間102bは第9波形100cにおける降下時間102である第9降下時間102cより短い時間に設定されている。
【0100】
本実施形態の液滴吐出ヘッド22では降下時間102が短い方が長い方に比べて吐出量が多い特性を有している。尚、この特性は液滴吐出ヘッド22の構造によって異なる。ステップS1の吐出特性測定工程では駆動波形100の降下時間102を変える。そして、吐出量測定制御部61は各降下時間102の駆動波形100にて圧電素子28を駆動する。これにより、降下時間102に対する吐出量を示す降下時間吐出量相関線を設定することができる。この降下時間吐出量相関線は第1の実施形態における駆動電圧吐出量相関線76に対応する線である。そして、吐出量が第1吐出量77aとなる駆動波形100の第7降下時間102aと吐出量が第2吐出量77bとなる駆動波形100の第8降下時間102bを算出する。ステップS5の吐出工程では吐出量に対応して駆動波形100の降下時間102を切り替える。これにより、描画制御部57は第1塗布領域37及び第2塗布領域38に塗布する機能液26の量を吐出目標値となるように制御することができる。
【0101】
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、吐出量に対応して圧電素子28を駆動する駆動波形93,95,100を切り替えて吐出している。このとき、駆動波形93,95,100の条件と吐出量の関係を示すデータを用いて、各吐出領域で駆動する駆動波形93,95,100と吐出回数を切り替えている。従って、各吐出領域で吐出量の総量を吐出目標値にすることができる。
【0102】
(第3の実施形態)
次に、液滴吐出装置の一実施形態について図11(a)の液滴吐出ヘッドの電気制御ブロック図及び図11(b)の駆動波形を示すタイムチャートを用いて説明する。本実施形態が第1の実施形態と異なるところは、図5(b)に示した供給電圧73を切り替えることにより駆動電圧75を切り替える点にある。尚、第1の実施形態と同じ点については説明を省略する。
【0103】
図11(a)に示すように、液滴吐出装置105は液滴吐出ヘッド106を備え、液滴吐出ヘッド106はヘッド駆動回路107と電気的に接続されている。そして、ヘッド駆動回路107は制御装置42と電気的に接続されている。ヘッド駆動回路107は液滴吐出ヘッド106を駆動する回路であり、制御装置42は液滴吐出装置105の動作を制御する装置である。
【0104】
制御装置42は機能液26を吐出するノズル24にかかわるデータや、吐出するときに圧電素子28を駆動する駆動信号データ及び吐出タイミングデータ等をヘッド駆動回路107に出力する。ヘッド駆動回路107は、主に吐出制御回路108と9個の駆動信号回路67及び電力供給回路109とを備え、吐出制御回路108は駆動信号回路67及び電力供給回路109と電気的に接続されている。ヘッドユニット110には9個の液滴吐出ヘッド106が配置されており、1個の液滴吐出ヘッド106に対して駆動信号回路67及び電力供給回路109が各1個配置されている。
【0105】
制御装置42からヘッド駆動回路107へ出力されたデータは吐出制御回路108に入力される。吐出制御回路108は入力されたノズル24にかかわるデータ及び駆動信号データを液滴吐出ヘッド106毎に区分する。そして、吐出制御回路108は区分した駆動信号データと吐出タイミングデータを駆動信号回路67に出力する。さらに、駆動電圧データを電力供給回路109に出力する。駆動信号回路67は入力した吐出波形データや吐出タイミングデータ等のデータを用いて吐出波形信号を形成する。
【0106】
液滴吐出ヘッド106は、分配回路111と圧電素子28とを備え、駆動信号回路67及び電力供給回路109は分配回路111と電気的に接続されている。さらに、分配回路111は圧電素子28と電気的に接続されている。そして、駆動信号回路67は機能液26を吐出するタイミングに合わせて、圧電素子28を駆動する駆動波形の信号を分配回路111に出力する。さらに、電力供給回路109は入力した駆動電圧データに対応する供給電圧を分配回路111に出力する。この供給電圧は圧電素子28毎のデータとなっている。
【0107】
分配回路111は、入力した吐出波形信号と供給電圧とを用いて各圧電素子28に駆動波形を出力する。そして、各圧電素子28は駆動波形を入力し、駆動波形に対応して収縮した後伸長する。これにより、液滴吐出ヘッド106から機能液26が吐出される。
【0108】
図11(b)において、縦軸は電圧を示し、上側が下側より高い電圧になっている。横軸は時間の経過を示し時間は図中左から右に推移する。吐出波形信号112は駆動信号回路67が分配回路111に出力する信号を示している。吐出波形信号112の波形は電圧が0〜1ボルトの間で変化し台形状に形成されている。吐出波形信号112の例として第1吐出波形信号112a、第2吐出波形信号112b、第3吐出波形信号112cの3種類の波形が示されている。
【0109】
吐出波形信号112は1ボルトの電圧まで上昇し所定の区間電圧を維持した後下降する。電圧が上昇するタイミングにて圧電素子28が収縮してキャビティ25の体積が増える。電圧が下降するタイミングにて圧電素子28が伸長してキャビティ25の体積が減少する。従って、電圧が上昇するタイミングにてキャビティ25内に機能液26が流入し、電圧が下降するタイミングにて液滴29が吐出される。電圧が上昇するタイミングと電圧が下降するタイミングとの間隔は略一定の間隔が維持される。これにより、吐出量が品質良く制御される。第1吐出波形信号112a、第2吐出波形信号112b、第3吐出波形信号112cは波形高さ113が共通でタイミングの異なる波形となっている。
【0110】
供給電圧波形114は電力供給回路109が分配回路111に出力する供給電圧115の波形を示す。電力供給回路109は分配回路111が分配する圧電素子28の数と同じ数の供給電圧波形114を出力する。第1電圧115a、第2電圧115b、第3電圧115cは供給電圧115の1例である。そして、この例では第1電圧115a、第2電圧115b、第3電圧115cの順に電圧が小さくなっている。供給電圧波形114は吐出波形信号112が上昇するタイミングより前に供給電圧115の切り替えが行われ、吐出波形信号112が下降するタイミングより後に供給電圧115の切り替えが行われる。
【0111】
駆動波形116は分配回路111が圧電素子28に出力する電圧の波形である。駆動波形116は吐出波形信号112と供給電圧波形114とが乗算されて形成されている。吐出波形信号112の波形高さ113は1ボルトの電圧となっているので、駆動波形116の電圧は供給電圧波形114と同じ電圧となる。供給電圧115が第1電圧115a、第2電圧115b、第3電圧115cのときの駆動波形116をそれぞれ第1駆動波形116a、第2駆動波形116b、第3駆動波形116cとする。そして、駆動波形116が上昇して所定の区間維持される電圧を駆動電圧117とする。このとき、第1駆動波形116aの駆動電圧117である第1駆動電圧117aは第1電圧115aと同じ電圧になる。同様に、第2駆動波形116bの駆動電圧117である第2駆動電圧117bは第2電圧115bと同じ電圧になり、第3駆動波形116cの駆動電圧117である第3駆動電圧117cは第3電圧115cと同じ電圧になる。
【0112】
分配回路111は駆動波形116の電圧信号を圧電素子28に出力する。このとき、分配回路111は液滴29を吐出する予定のノズル24に対応する圧電素子28にのみ駆動波形116の電圧信号を出力する。そして、各圧電素子28にはそれぞれ供給電圧115の駆動波形116が出力される。供給電圧波形114の供給電圧115の電圧は吐出毎に切り替えられるので、吐出する毎に駆動波形116の駆動電圧117を変更することが可能になっている。
【0113】
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、供給電圧波形114の供給電圧115を切り替えることにより吐出条件を切り替えている。電圧を切り替えるのは簡便な電気回路にて実施可能であることから簡便な装置で制御することができる。
【0114】
尚、本実施形態は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変更や改良を加えることも可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)
前記第1の実施形態では、第1吐出量77aが11ngであり、第2吐出量77bが9ngであった。吐出量は整数に限らず、小数点以下を含んだ値にしても良い。吐出目標値に合わせやすい値にしても良い。吐出量を設定し易くすることができる。
【0115】
(変形例2)
前記第1の実施形態では、キャビティ25を加圧する加圧手段に、圧電素子28を用いたが、他の方法でも良い。例えば、コイルと磁石とを用いて振動板27を変形させて加圧しても良い。他に、キャビティ25内にヒーター配線を配置して、ヒーター配線を加熱することにより、機能液26を気化させたり、機能液26に含む気体を膨張させたりして加圧しても良い。他にも、静電気の引力及び斥力を用いて振動板27を変形させて加圧しても良い。尚、コイルやヒーター配線のように駆動する電流で吐出量を制御できる場合には、駆動波形は電流の波形でも良い。前記実施形態と同様にノズル毎に加圧手段を駆動する駆動波形を切り替えることによりノズル毎に所定の吐出量の液滴29を吐出することができる。
【0116】
(変形例3)
前記第1の実施形態では、着色する機能を有する機能液26を塗布して、カラーフィルター1を製造する例を示した。塗布する機能液26はこれに限らない。例えば、通電性の機能液26を塗布して配線や電極を形成しても良い。他にも、正孔輸送層や発光層の材料を含む機能液26を塗布して有機EL(エレクトロルミネッセンス)表示装置を形成しても良い。これらの場合にも、液滴29を吐出する駆動波形を切り替えることにより複数のパターンに対して異なる吐出量の液滴を吐出することができる。
【0117】
(変形例4)
前記第1の実施形態では、カラーフィルター1の基板2に機能液26を吐出して塗布したが、塗布する基材は基板2に限らず、直方体等のようにZ方向の高さがある物や凹凸のある物にも適用することができる。この場合にも吐出目標値の液滴29を吐出することができる。
【0118】
(変形例5)
前記第1の実施形態では、基板2に2種類のパターンを配置し、2種類の駆動波形74を用いて圧電素子28を駆動した。パターンの数や駆動波形74の種類の数は3種類以上でもよい。この場合にもノズル24から多種類の吐出量の液滴29を吐出することにより、各領域に塗布する機能液26の量を制御することができる。
【符号の説明】
【0119】
1…カラーフィルター、2…基材としての基板、5…着色膜、6…液滴吐出装置、22…液滴吐出ヘッド、24…ノズル、28…圧電素子、29…液滴、37…第1膜形成領域としての第1塗布領域、38…第2膜形成領域としての第2塗布領域、60…吐出制御部、74…駆動信号としての駆動波形、75…駆動電圧。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液滴を吐出するノズルを複数有する液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置であって、
前記液滴吐出ヘッドは複数種類の吐出量の前記液滴を同時に吐出することを特徴とする液滴吐出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の液滴吐出装置であって、
前記吐出量を制御する吐出制御部を備え、
前記吐出制御部は前記ノズル毎に前記吐出量を制御することを特徴とする液滴吐出装置。
【請求項3】
請求項2に記載の液滴吐出装置であって、
前記液滴吐出ヘッドは前記ノズル毎に前記液滴を吐出する駆動素子を備え、
前記吐出制御部は前記吐出量に対応する駆動信号を前記駆動素子毎に出力し、前記駆動素子は前記駆動信号に応じて前記液滴を吐出することを特徴とする液滴吐出装置。
【請求項4】
請求項3に記載の液滴吐出装置であって、
前記駆動素子は印加される電圧に応じて前記吐出量が変わる素子であり、前記駆動信号は所定の区間で所定の駆動電圧に維持される駆動波形であり、前記吐出制御部は前記吐出量に応じて前記駆動電圧を制御することを特徴とする液滴吐出装置。
【請求項5】
基材に設けられた複数の膜形成領域に向けて液滴を吐出する液滴吐出方法であって、
複数種類の吐出量の前記液滴を液滴吐出ヘッドから複数の前記膜形成領域に同時に吐出することを特徴とする液滴吐出方法。
【請求項6】
請求項5に記載の液滴吐出方法であって、
前記膜形成領域に吐出する前記液滴の総和の目標値である吐出目標値を整数にて除算した値に前記吐出量を設定することを特徴とする液滴吐出方法。
【請求項7】
基材上に区画形成された複数の膜形成領域に着色膜を有するカラーフィルターの製造方法であって、
前記膜形成領域は面積の異なる第1膜形成領域と第2膜形成領域とを有し、前記第1膜形成領域と前記第2膜形成領域とへ吐出量の異なる液滴を同時に吐出する描画工程と、
吐出された前記液滴を固化して前記着色膜を形成する固化工程と、
前記基材を分離して前記第1膜形成領域を含む第1カラーフィルターと前記第2膜形成領域を含む第2カラーフィルターとを形成する分離工程と、を有することを特徴とするカラーフィルターの製造方法。
【請求項1】
液滴を吐出するノズルを複数有する液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置であって、
前記液滴吐出ヘッドは複数種類の吐出量の前記液滴を同時に吐出することを特徴とする液滴吐出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の液滴吐出装置であって、
前記吐出量を制御する吐出制御部を備え、
前記吐出制御部は前記ノズル毎に前記吐出量を制御することを特徴とする液滴吐出装置。
【請求項3】
請求項2に記載の液滴吐出装置であって、
前記液滴吐出ヘッドは前記ノズル毎に前記液滴を吐出する駆動素子を備え、
前記吐出制御部は前記吐出量に対応する駆動信号を前記駆動素子毎に出力し、前記駆動素子は前記駆動信号に応じて前記液滴を吐出することを特徴とする液滴吐出装置。
【請求項4】
請求項3に記載の液滴吐出装置であって、
前記駆動素子は印加される電圧に応じて前記吐出量が変わる素子であり、前記駆動信号は所定の区間で所定の駆動電圧に維持される駆動波形であり、前記吐出制御部は前記吐出量に応じて前記駆動電圧を制御することを特徴とする液滴吐出装置。
【請求項5】
基材に設けられた複数の膜形成領域に向けて液滴を吐出する液滴吐出方法であって、
複数種類の吐出量の前記液滴を液滴吐出ヘッドから複数の前記膜形成領域に同時に吐出することを特徴とする液滴吐出方法。
【請求項6】
請求項5に記載の液滴吐出方法であって、
前記膜形成領域に吐出する前記液滴の総和の目標値である吐出目標値を整数にて除算した値に前記吐出量を設定することを特徴とする液滴吐出方法。
【請求項7】
基材上に区画形成された複数の膜形成領域に着色膜を有するカラーフィルターの製造方法であって、
前記膜形成領域は面積の異なる第1膜形成領域と第2膜形成領域とを有し、前記第1膜形成領域と前記第2膜形成領域とへ吐出量の異なる液滴を同時に吐出する描画工程と、
吐出された前記液滴を固化して前記着色膜を形成する固化工程と、
前記基材を分離して前記第1膜形成領域を含む第1カラーフィルターと前記第2膜形成領域を含む第2カラーフィルターとを形成する分離工程と、を有することを特徴とするカラーフィルターの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−177660(P2011−177660A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−44989(P2010−44989)
【出願日】平成22年3月2日(2010.3.2)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月2日(2010.3.2)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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