説明

液状食品加熱装置

【課題】 構成が簡略でスペースを必要とせず、しかも、高い洗浄能力が得られる液状食品加熱装置を提供する。
【解決手段】 蒸気噴出ノズル14のノズル部14aに設けられ該蒸気噴出ノズル14が下降してノズル部14aが液状食品AFに挿入された後に液状食品AF内に蒸気を噴出して該噴出蒸気によって液状食品AFの加熱を行う加熱用蒸気噴出孔14eと、蒸気噴出ノズル14に設けられ該蒸気噴出ノズル14が上昇してそのノズル部14aが液状食品AFから引き抜かれるときに蒸気を噴出して該噴出蒸気によってノズル部14aの洗浄を行う洗浄用蒸気噴出孔14fを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸気を利用して液状食品を適温に加熱する液状食品加熱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の液状食品加熱装置は、昇降可能な蒸気噴出ノズルを加熱前の液状食品(以下、非加熱液状食品と言う)に挿入して該蒸気噴出ノズルから非加熱液状食品内に蒸気を噴出することにより該噴出蒸気によって非加熱液状食品を適温に加熱し、そして加熱後の液状食品(以下、加熱液状食品と言う)から蒸気噴出ノズルを引き抜いて復帰させる動作を行う。
【特許文献1】特許第3319830号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
加熱液状食品から引き抜かれる蒸気噴出ノズルの表面には多少を問わず加熱液状食品が付着するため、繰り返し使用される蒸気噴出ノズルを衛生的に保ち、且つ、付着物が次に加熱する非加熱液状食品に混入することを防ぐためには、該蒸気噴出ノズルを引き抜きの都度洗浄することが望ましい。
【0004】
特許文献1にはこの洗浄を行う手段が開示されており、該手段は、蒸気噴出ノズルが上昇したときに該蒸気噴出ノズルを傾斜させて退避させるノズル変位機構と、蒸気噴出ノズルが傾斜して退避した状態で該蒸気噴出ノズルの表面に沿わせて水道水等を加圧下で流下させるノズル洗浄機構とを備えている。
【0005】
前記のノズル変位機構は、昇降可能なノズルホルダにノズルを回転自在に軸支するピンと、ノズルを反時計回り方向に付勢する引っ張りバネと、ノズルに設けられたローラアームと、ローラアームの先端に回転自在に設けられたガイドローラと、ノズルが上昇したときにガイドローラと接触してノズルを引っ張りバネの付勢力に抗して時計回り方向に回転させるカム板を含んでいるが、機構自体が複雑でコストアップになると共に上昇時にノズルを傾斜させるためのスペースを余計に必要とする不具合がある。
【0006】
また、前記のノズル洗浄機構は、ノズルに装着された洗浄ヘッドと、一端を洗浄ヘッドに接続され他端を加圧給水源に接続された電磁弁介装の給水管とを含んでいるが、ノズル洗浄用の給水回路を別途必要とするためにコストアップになると共に常温の水道水等をノズルに流下させるだけなので洗浄能力がさほど得られない不具合がある。
【0007】
本発明は前記事情に鑑みて創作されたもので、その目的とするところは、構成が簡略でスペースを必要とせず、しかも、高い洗浄能力が得られる液状食品加熱装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため、本発明の液状食品加熱装置は、下降時に液状食品に挿入されるノズル部を有する昇降可能な蒸気噴出ノズルと、蒸気噴出ノズルを昇降させる昇降機構と、昇降する蒸気噴出ノズルに沿うように配置された固定部材と、蒸気噴出ノズルのノズル部に設けられ該蒸気噴出ノズルが下降してノズル部が液状食品に挿入された後に液状食品内に蒸気を噴出して該噴出蒸気によって液状食品の加熱を行う加熱用蒸気噴出孔と、蒸気噴出ノズルと固定部材のどちらか一方に設けられ該蒸気噴出ノズルが上昇してそのノズル部が液状食品から引き抜かれるときに蒸気を噴出して該噴出蒸気によってノズル部の洗浄を行う洗浄用蒸気噴出孔とを備える、ことをその特徴とする。
【0009】
この液状食品加熱装置によれば、蒸気噴出ノズルが下降してノズル部が液状食品に挿入された後に該ノズル部の加熱用蒸気噴出孔から液状食品内に蒸気を噴出して該噴出蒸気によって液状食品の加熱を行えると共に、蒸気噴出ノズルが上昇してノズル部が液状食品から引き抜かれるときに蒸気噴出ノズルと固定部材のどちらか一方に設けた洗浄用蒸気噴出孔から蒸気を噴出して該噴出蒸気によってノズル部の洗浄を行える。
【0010】
つまり、昇降可能な蒸気噴出ノズルが上昇する過程で洗浄用蒸気噴出孔から噴出される蒸気によってノズル部の洗浄が行えるので、従前の装置に比べて洗浄に係る構成が簡略化できてスペースも必要としないし、蒸気の水分及び温度を利用して洗浄を行うので洗浄能力も高い。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、構成が簡略でスペースを必要とせず、しかも、高い洗浄能力が得られる液状食品加熱装置を提供することができる。
【0012】
本発明の前記目的とそれ以外の目的と、構成特徴と、作用効果は、以下の説明と添付図面によって明らかとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
[第1実施形態]
図1〜図9は本発明(液状食品加熱装置)の第1実施形態を示す。図1は液状食品加熱装置の構成図、図2は図1に示した液状食品加熱装置の要部拡大断面図、図3は図1に示した液状食品加熱装置の回路図、図4は図1に示した液状食品加熱装置の蒸気生成機の温度制御に係るフローチャート、図5(A)及び図5(B)は図1に示した液状食品加熱装置の液状食品の加熱制御に係るフローチャート、図6〜図9は図1に示した液状食品加熱装置の動作説明図である。
【0014】
まず、図1及び図2を参照して、図1に示した液状食品加熱装置のメカニズムについて説明する。
【0015】
図1及び図2における符号11は蒸気生成機、12は電磁式の開閉弁、13は伝熱制御部材、14は蒸気噴出ノズル、15は固定部材、16は蒸気噴出ノズル用の昇降機構、P1は水供給管、P2は第1蒸気供給管、P3は第2蒸気供給管、CUはカップ、AFは液状食品である。
【0016】
蒸気生成機11は、アルミニウム等の金属から成る直方体形状の生成機本体11aと、ソケット兼用の入口11bと、ソケット兼用の出口11cと、生成機本体11a内に埋設され一端を入口11bに接続され他端を出口11cに接続されたステンレス等の金属から成る螺旋管11dと、生成機本体11a内の螺旋管11dの内側に埋設されたU字形の電熱ヒータ11eと、生成機本体11aの温度Thを検出する温度センサ11f(図3参照)とを有する。電熱ヒータ11eの端子は図示省略のリード線を介してヒータ用ドライバ22(図3参照)に接続されている。
【0017】
開閉弁12は、ソケット兼用の入口12aと、ソケット兼用の出口12bと、入口12aと出口12bを結ぶ内部通路(図示省略)と、内部通路の途中に設けられた弁座(図示省略)と、プランジャ(図示省略)と、プランジャの弁座と向き合う部分に設けられたシール材(図示省略)と、プランジャを弁座方向に付勢するコイルバネ(図示省略)と、通電によってプランジャを内部通路を開放する方向に引き込むソレノイド12c(図3参照)とを有する。この開閉弁12のシール材を除く部分はステンレス等の金属から成る。ソレノイド12cの端子は図示省略のリード線を介してソレノイド用ドライバ23(図3参照)に接続されている。
【0018】
また、開閉弁12は、溶融亜鉛メッキ鋼板(SGCC)等の金属から成る伝熱制御部材13を介して蒸気生成機11の生成機本体11aに取り付けられている。この伝熱制御部材13は、蒸気生成機11の生成機本体11aの熱を所定の伝熱率下で開閉弁12に伝える役割を果たす。
【0019】
蒸気噴出ノズル14は全体が略円柱状を成していて、下部に設けられた円柱状のノズル部14aと、ノズル部14aの上側に設けられた孔形成部14bと、内部に設けられた蒸気供給通路14cと、蒸気供給通路14cの上端に接続されたソケット兼用の入口14dと、ノズル部14aに設けられた加熱用蒸気噴出孔14eと、孔形成部14bに設けられた洗浄用蒸気噴出孔14fとを有する。この蒸気噴出ノズル14の少なくともノズル部14aは撥水性を有する材料、例えばポリプロピレン等のプラスチックから形成されている。
【0020】
蒸気供給通路14cは蒸気噴出ノズル14の上端からノズル部14aの下端近傍に至る長さを有している。ノズル部14aは所定の外径と長さを有し、加熱用蒸気噴出孔14eは内部の蒸気供給通路14cと連通するようにノズル部14aの表面下部に設けられている。ここでは、ノズル部14aの下面に設けられた少なくとも1つの孔と下部周面に設けられた複数の孔とその上側周面に設けられた複数の孔を称して加熱用蒸気噴出孔14eと言う。孔形成部14bの外径はノズル部14aの外径よりも大きく、該孔形成部14bは逆円錐形状の接触面14b1を有する。洗浄用蒸気噴出孔14fは内部の蒸気供給通路14cと連通するように孔形成部14bの接触面14b1に設けられている。ここでは、接触面14b1に設けられた複数の孔を称して洗浄用蒸気噴出孔14fと言う。
【0021】
固定部材15は全体が円柱状を成していて、内部に設けられた縦長の案内孔15aと、下面15bに設けられた突出孔15cと、案内孔15aの下部に孔形成部14bと当接可能に設けられた開閉部15dとを有する。この固定部材15は撥水性を有する材料、例えばポリプロピレン等のプラスチックから形成されている。
【0022】
案内孔15aは蒸気噴出ノズル14の加熱用蒸気噴出孔14eと洗浄用蒸気噴出孔14fの上下間隔、好ましくはノズル部14aの長さよりも大きい上下寸法と蒸気噴出ノズル14の孔形成部14bの外径よりも僅かに大きな内径を有していて、蒸気噴出ノズル14のノズル部14a及び孔形成部14bの昇降を許容する。突出孔15cは蒸気噴出ノズル14のノズル部14aの外径よりも僅かに大きな径を有していて、ノズル部14aの下方突出を許容する。開閉部15dは孔形成部14bの逆円錐形状の接触面14b1に整合した円錐形状の接触面15d1を有する。開閉部15dは好ましくは合成ゴムや軟質プラスチック等の弾性材料から成る。
【0023】
昇降機構16は、機構本体16aと、機構本体16aの上面及び下面との間に縦向きに架設された複数のガイドロッド16bと、各ガイドロッド16bが挿通されたブッシュ16c1を有する昇降スライダ16cと、上下一対のプーリ16dと、一対のプーリ16dに巻き付けられた無端ベルト16eと、一方のプーリを回転駆動する減速機付きモータ16fと、昇降スライダ16cの上昇位置を検知する位置センサ16gと(図3参照)、昇降スライダ16cの下降位置を検知する位置センサ16h(図3参照)とを有する。モータ16fの端子は図示省略のリード線を介してモータ用ドライバ24(図3参照)に接続されている。
【0024】
昇降スライダ16cはブラケット16c2を介して無端ベルト16eに連結されていて、モータ16fによる無端ベルト16eの回転に伴いガイドロッド16bに沿って上下方向に移動し得る。前記蒸気噴出ノズル14は昇降スライダ16cに貫通固定され、前記固定部材15は昇降する蒸気噴出ノズル14に沿うように機構本体16aの下面に貫通固定されている。図1及び図2に示す待機状態では、蒸気噴出ノズル14のノズル部14aと孔形成部14bの一部は固定部材15の案内孔15a内に位置し、ノズル部14aの下端は固定部材15の突出孔15c内に位置している。
【0025】
水供給管P1はその一端にプラグP1aを有し、該プラグP1aは蒸気生成器11の入口11bに接続されている。水供給管P1の他端は電磁式のポンプ17(図3参照)を介して蒸気用水を貯留している水タンク(図示省略)に接続されている。
【0026】
第1蒸気供給管P2は両端にプラグP2aを有し、一端側のプラグP2aは蒸気生成器11の出口11cに接続され、他端側のプラグP2aは開閉弁12の入口12aに接続されている。
【0027】
第2蒸気供給管P3は両端にプラグP3aを有し、一端側のプラグP3aは開閉弁12の出口12bに接続され、他端側のプラグP3aは機構本体16aの上面に設けられた孔16a1を通じて蒸気噴出ノズル14の入口14dに接続されている。
【0028】
次に、図3を参照して、図1に示した液状食品加熱装置のコントロールシステムについて説明する。
【0029】
図3における符号21はマイクロコンピュータを内蔵したコントローラ、22はヒータ用ドライバ、23はソレノイド用ドライバ、24はモータ用ドライバ、25はポンプ用ドライバ、26は温度センサ用ディテクタと、27は位置センサ用ディテクタ、HQは加熱要求である。
【0030】
コントローラ21のメモリには蒸気生成機の温度制御に係るプログラムと液状食品の加熱制御に係るプラグラムとこれらプログラムの実行に必要なデータ等が格納されている。このコントローラ21は各プログラムに従って各ドライバ22〜25に制御信号を送出する。
【0031】
ヒータ用ドライバ22はコントローラ21からの制御信号に基づいて所定の電力を蒸気生成機11の電熱ヒータ11eに供給する。ソレノイド用ドライバ23はコントローラ21からの制御信号に基づいて開閉弁12のソレノイド12cに所定の電力を供給する。モータ用ドライバ24はコントローラ21からの制御信号に基づいて昇降機構16のモータ16fに所定の電力を供給する。ポンプ用ドライバ25はコントローラ21からの制御信号に基づいてポンプ17の駆動系に所定の電力を供給する。
【0032】
温度センサ用ディテクタ26は蒸気生成機11の温度センサ11fの検知信号を変換してコントローラ21に送出する。位置センサ用ディテクタ27は昇降機構16の各位置センサ16g,16hの検知信号を変換してコントローラ21に送出する。
【0033】
次に、図4,図5(A)及び図6〜図9を主に参照して、図1に示した液状食品加熱装置の動作について説明する。
【0034】
液状食品加熱装置の主電源が投入されると、温度センサ11fの検知温度に基づき蒸気生成機11の電熱ヒータ11eに断続的に電力が供給されて、生成機本体11aの温度Thが蒸気生成に適した温度Ths、例えば約180℃に維持される(図4のステップST1〜ST3参照)。
【0035】
また、伝熱制御部材13を介して蒸気生成機11の生成機本体11aに取り付けられている開閉弁12は、伝熱制御部材13を通じて生成機本体11aから伝わる熱によってその内部通路を蒸気が通過する際に熱損失を生じない程度の温度、例えば約100℃に保たれる。
【0036】
加熱前の液状食品AF(以下、非加熱液状食品AFと言う)を収容したカップCUは、図1及び図2に示すように、待機位置にある蒸気噴出ノズル14の下側に自動的に或いは手動によって載置される。非加熱液状食品AFは適温に加熱されることで食用に適したものとなる具材入りのスープや具材入りのみそ汁等である。
【0037】
図示省略の押しボタンスイッチ等によって加熱要求HQが発せられると、図6に示すように、モータ16fによる無端ベルト16eの回転によって上昇位置(待機位置)にある昇降スライダ16cの下降が開始される(図5(A)のステップSP1,SP2参照)。この下降は昇降スライダ16cが位置センサ16hによって検知される下降位置に達したところで停止する(図5(A)のステップSP3参照)。
【0038】
この昇降スライダ16cの下降によって、図6に示すように、該昇降スライダ16cに固定されている蒸気噴出ノズル14が固定部材15の案内孔15a内を同一距離下降し、該蒸気噴出ノズル14のノズル部14aが固定部材15の突出孔15cから下方に突出してその下部が非加熱液状食品AF内に挿入される。また、蒸気噴出ノズル14の孔形成部14bの接触面14b1が固定部材15の開閉部15dの接触面15d1に当接し、孔形成部14bの接触面14b1に設けられている洗浄用蒸気噴出孔14fが開閉部15dによって閉塞される。
【0039】
下降完了後は、閉閉弁12が開放されると共にポンプ17が運転され、所定流量の水が水供給管P1を通じて蒸気生成機11の入口11bに送り込まれる(図5(A)のステップSP4参照)。
【0040】
蒸気生成機11の生成機本体11aは蒸気生成に適した温度Thsに維持されているため、蒸気生成機11の入口11bに送り込まれた水は螺旋管11d内を通過する過程で生成機本体11aの熱によって気化して蒸気(過熱蒸気)に変わり、該蒸気が蒸気生成機11の出口11cから第1蒸気供給管P2を通じて開閉弁12の入口12aに送り込まれ、内部通路を経由して開閉弁12の出口12bから第2蒸気供給管P3を通じて蒸気噴出ノズル14の入口14dに送り込まれる。
【0041】
蒸気生成機11の出口12bと蒸気噴出ノズル14の入口14dとの間には第1,第2蒸気供給管P2,P3の他に熱容量が大きな開閉弁12が存在するが、該開閉弁12はその内部通路を蒸気が通過する際に熱損失を生じない程度の温度に保たれているため、開閉弁12の内部通路を蒸気が通過する際に該蒸気から熱が奪われることが極力回避される。
【0042】
先に述べたように蒸気噴出ノズル14が下降位置にあるときには洗浄用蒸気噴出孔14fは固定部材15の開閉部15dによって閉塞されているため、図7に示すように、蒸気噴出ノズル14の入口14dに送り込まれた蒸気はノズル部14aの加熱用蒸気噴出孔14eから非加熱液状食品AF内に噴出され、洗浄用蒸気噴出孔14fからは噴出しない。
【0043】
ポンプ17の運転は非加熱液状食品AFの量及び種類に応じて予め定めた加熱時間だけ継続されるため、カップCU内の非加熱液状食品AFは加熱用蒸気噴出孔14eから継続的に噴出される蒸気によって適温、例えば約70℃に加熱される。また、カップCU内の非加熱液状食品AFは加熱用蒸気噴出孔14eから継続的に噴出される蒸気によって撹拌作用を受けるため、非加熱液状食品AFを均一な温度に加熱できると共に該非加熱液状食品AFに非溶解物等が含まれている場合でもその溶解を効果的に行うことができる。
【0044】
加熱時間経過後は、ポンプ17の運転が停止されて蒸気生成機11の入口11bへの水の送り込みが停止される(図5(A)のステップSP5,SP6参照)。そして、モータ16fによる無端ベルト16eの回転によって下降位置にある昇降スライダ16cの上昇が開始される(図5(A)のステップSP7参照)。
【0045】
昇降スライダ16cの上昇が開始されると、図8に示すように、該昇降スライダ16cに固定されている蒸気噴出ノズル14が固定部材15の案内孔15a内で上昇し、上昇開始直後に蒸気噴出ノズル14の孔形成部14bの接触面14b1が固定部材15の開閉部15dの接触面15d1から離れて、孔形成部14bの接触面14b1に設けられている洗浄用蒸気噴出孔14fが開放される。
【0046】
ポンプ17の運転を停止しても蒸気生成機11の螺旋管11d内には多少の水が残存しているため、ポンプ17の運転停止後も実際上では蒸気生成はしばらくの間、具体的には数秒程度続いて、余剰の蒸気が蒸気噴出ノズル14の入口14dに送り込まれる。先に述べたように蒸気噴出ノズル14の洗浄用蒸気噴出孔14fは該蒸気噴出ノズル14が上昇を開始した直後に開放されるため、蒸気噴出ノズル14の上昇開始後に蒸気噴出ノズル14の入口14dに送り込まれる蒸気はノズル部14aの加熱用蒸気噴出孔14eから噴出すると同時に洗浄用蒸気噴出孔14fからも噴出する。
【0047】
洗浄用蒸気噴出孔14fからの蒸気噴出は蒸気噴出ノズル14の上昇が開始した直後のみならずその後もしばらくの間は継続し、且つ、洗浄用蒸気噴出孔14fから噴出される蒸気はノズル部14aと固定部材15との間隙に主に放出されるため、加熱後の液状食品AF(以下、加熱液状食品AFと言う)から引き抜かれる蒸気噴出ノズル14のノズル部14aの表面に付着した加熱液状食品AFは洗浄用蒸気噴出孔14fから噴出される蒸気の水分及び温度によって該蒸気噴出ノズル14の上昇過程で除去され該ノズル部14aの表面が洗浄される。
【0048】
しかも、固定部材15の案内孔15aの上下寸法が蒸気噴出ノズル14の加熱用蒸気噴出孔14eと洗浄用蒸気噴出孔14fの上下間隔、好ましくはノズル部14aの長さよりも大きいため、蒸気噴出ノズル14が上昇する過程において洗浄用蒸気噴出孔14fから噴出される蒸気がノズル部14aの表面洗浄に有効利用されると共に、上昇完了間近では加熱用蒸気噴出孔14eから噴出される蒸気もノズル部14aの表面洗浄に利用される。
【0049】
とりわけ、蒸気噴出ノズル14及び固定部材15は撥水性を有する材料から形成されているので、ノズル部14aの表面に付着した加熱液状食品AFは洗浄用蒸気噴出孔14fから噴出される蒸気によって的確に洗浄されると共に、ノズル部14aの表面から除去された液状食品AFが固定部材15の案内孔15aの内面に付着したとしても該付着物は容易に除去される。特に、蒸気噴出ノズル14をプラスチックから形成した場合には、金属で形成した場合に比べて蒸気の熱がノズル部14aの表面に伝わり難いため、該ノズル部14aの表面に付着した加熱液状食品AFの乾燥が抑制されて前記の洗浄が容易に行われる。
【0050】
また、蒸気噴出ノズル14が上昇を開始した直後にその入口14dに送り込まれる蒸気はノズル部14aの加熱用蒸気噴出孔14eと洗浄用蒸気噴出孔14fの両方から噴出することになるため、蒸気噴出ノズル14の入口14dに送り込まれた蒸気の全てをノズル部14aの加熱用蒸気噴出孔14eのみから噴出する場合に比べて該加熱用蒸気噴出孔14eから噴出する蒸気の噴出圧力及び噴出量は低減することになる。この低減の度合は洗浄用蒸気噴出孔14fから噴出される蒸気の噴出圧力及び噴出量の割合によって適宜調整できることは言うまでもない。
【0051】
依って、ノズル部14aが加熱液状食品AFから引き抜かれるときに加熱用蒸気噴出孔14eから噴出される蒸気の噴出圧力によって加熱液状食品AFが飛散することがなく、飛散物によってカップCUや周囲機器等を汚してしまうことはない。しかも、加熱用蒸気噴出孔14eから噴出される蒸気の噴出圧力及び噴出量が低減されても蒸気供給通路14cの内圧は大気圧よりも低くなることはないため、ノズル部14aが加熱液状食品AFから引き抜かれるときに加熱液状食品AFが加熱用蒸気噴出孔14eを通じて蒸気供給通路14c内に吸い込まれることもない。
【0052】
上昇が開始された後の昇降スライダ16cは、図9に示すように、位置センサ16gによって検知される上降位置(待機位置)に達するまで上昇を継続し、該昇降スライダ16cに固定されている蒸気噴出ノズル14も固定部材15の案内孔15a内を同一距離上昇する。上昇完了後は、閉閉弁12が閉じられて一連の加熱処理が完了する(図5(A)のステップSP8,SP9参照)。
【0053】
このように、本第1実施形態によれば、蒸気噴出ノズル14が下降位置にあってノズル部14aの下部が非加熱液状食品AF内に挿入されているときには該蒸気噴出ノズル14の洗浄用蒸気噴出孔14fを固定部材15の開閉部15dによって閉塞して、蒸気噴出ノズル14の入口14dに送り込まれた蒸気をノズル部14aの加熱用蒸気噴出孔14eから非加熱液状食品AF内に予め定めた加熱時間だけ継続して噴出して該噴出蒸気によって非加熱液状食品AFを適温に加熱できる。
【0054】
また、本第1実施形態によれば、加熱時間経過後に蒸気噴出ノズル14が下降位置から上昇を開始した後は該蒸気噴出ノズル14の洗浄用蒸気噴出孔14fを開放して余剰の蒸気の一部を該洗浄用蒸気噴出孔14fから噴出させてノズル部14aと固定部材15との間隙に主に放出できるので、該蒸気の水分及び温度によってノズル部14aの表面に付着した加熱液状食品AFを蒸気噴出ノズル14の上昇過程で的確に除去して該ノズル部14aの表面を洗浄できる。
【0055】
つまり、昇降可能な蒸気噴出ノズル14が上昇する過程で該蒸気噴出ノズル14の洗浄用蒸気噴出孔14fから噴出される蒸気によってノズル部14aの洗浄が行えるので、従前の装置に比べて洗浄に係る構成が簡略化できてスペースも必要としないし、蒸気の水分及び温度を利用して洗浄を行うので洗浄能力も高い。
【0056】
しかも、固定部材15の案内孔15aの上下寸法を蒸気噴出ノズル14の加熱用蒸気噴出孔14eと洗浄用蒸気噴出孔14fの上下間隔、好ましくはノズル部14aの長さよりも大きくしてあるので、蒸気噴出ノズル14が上昇する過程において洗浄用蒸気噴出孔14fから噴出される蒸気をノズル部14aの表面洗浄に有効利用できると共に、上昇完了間近では加熱用蒸気噴出孔14eから噴出される蒸気もノズル部14aの表面洗浄に利用できる。
【0057】
とりわけ、蒸気噴出ノズル14及び固定部材15は撥水性を有する材料から形成されているので、ノズル部14aの表面に付着した加熱液状食品AFを洗浄用蒸気噴出孔14fから噴出される蒸気によって的確に洗浄できると共に、ノズル部14aの表面から除去された液状食品AFが固定部材15の案内孔15aの内面に付着したとしても該付着物を容易に除去できる。特に、蒸気噴出ノズル14をプラスチックから形成した場合には、金属で形成した場合に比べて蒸気の熱がノズル部14aの表面に伝わり難いので、該ノズル部14aの表面に付着した加熱液状食品AFの乾燥を抑制して前記の洗浄を容易に行える。
【0058】
さらに、本第1実施形態によれば、加熱時間経過後に蒸気噴出ノズル14が下降位置から上昇を開始した後は洗浄用蒸気噴出孔14fを開放して余剰の蒸気をノズル部14aの加熱用蒸気噴出孔14eと洗浄用蒸気噴出孔14fの両方から噴出させて、これによりノズル部14aの加熱用蒸気噴出孔14eから噴出する蒸気の噴出圧力及び噴出量を低減できるので、ノズル部14aが加熱液状食品AFから引き抜かれるときに加熱用蒸気噴出孔14eから噴出される蒸気の噴出圧力によって加熱液状食品AFが飛散することを確実に防止できると共に、飛散物によってカップCUや周囲機器等を汚してしまうことも確実に防止できる。
【0059】
しかも、加熱用蒸気噴出孔14eから噴出される蒸気の噴出圧力及び噴出量が低減されても蒸気供給通路14cの内圧は大気圧よりも低くなることはないため、ノズル部14aが加熱液状食品AFから引き抜かれるときに加熱液状食品AFが加熱用蒸気噴出孔14eを通じて蒸気供給通路14c内に吸い込まれて該蒸気供給通路14c内が汚損される恐れもない。
【0060】
尚、前述の第1実施形態では、蒸気噴出ノズル14の孔形成部14bの逆円錐形状の接触面14b1に洗浄用蒸気噴出孔14fを設け、該接触面14b1に整合する円錐形状の接触面15d1を固定部材15の開閉部15dに設けたが、両接触面14b1,15d1を相互接触可能な平坦な面にして平坦な接触面14b1に洗浄用蒸気噴出孔14fを設けても前記同様の作用効果を得ることができる。
【0061】
また、前述の第1実施形態では、ポンプ17の運転を停止してから蒸気噴出ノズル14を上昇させるようにしたが(図5(A)のステップSP6,SP7参照)、図5(B)に示すフローチャートのように、ポンプ17の運転を停止する前に蒸気噴出ノズル14を上昇させて上昇完了後にポンプ17の運転を停止するようにしても前記同様の作用効果を得ることができる。
【0062】
[第2実施形態]
図10〜図12は本発明(液状食品加熱装置)の第2実施形態を示す。図10は液状食品加熱装置の要部拡大断面図、図11,図12は図10に示した液状食品加熱装置の動作説明図である。
【0063】
本第2実施形態が前述の第1実施形態と異なるところは、洗浄用蒸気噴出孔15eを固定部材15’側に設けて開閉部14b’を蒸気噴出ノズル14’側に設けた点にある。
【0064】
詳しくは、蒸気噴出ノズル14’は全体が略円柱状を成していて、下部に設けられた円柱状のノズル部14aと、ノズル部14aの上側に設けられた開閉部14b’と、内部に設けられた蒸気供給通路14cと、蒸気供給通路14cの上端に接続されたソケット兼用の入口14dと、ノズル部14aに設けられた加熱用蒸気噴出孔14eと、上部表面に設けられたプラグ兼用の蒸気導出口14gとを有する。この蒸気噴出ノズル14’の少なくともノズル部14aは撥水性を有する材料、例えばポリプロピレン等のプラスチックから形成されている。
【0065】
蒸気供給通路14cは蒸気噴出ノズル14’の上端からノズル部14aの下端近傍に至る長さを有している。ノズル部14aは所定の外径と長さを有し、加熱用蒸気噴出孔14eは内部の蒸気供給通路14cと連通するようにノズル部14aの表面下部に設けられている。ここでは、ノズル部14aの下面に設けられた少なくとも1つの孔と下部周面に設けられた複数の孔とその上側周面に設けられた複数の孔を称して加熱用蒸気噴出孔14eと言う。開閉部14b’の外径はノズル部14aの外径よりも大きく、該開閉部14b’は逆円錐形状の接触面14b1を有する。蒸気導出口14gは内部の蒸気供給通路14cと連通する内孔を有する。
【0066】
固定部材15’は全体が円柱状を成していて、内部に設けられた縦長の案内孔15aと、下面15bに設けられた突出孔15cと、案内孔15aの下部に設けられた孔形成部15d’と、孔形成部15d’に設けられた洗浄用蒸気噴出孔15eと、下部表面に設けられたプラグ兼用の蒸気導入口15fとを有する。この固定部材15’は撥水性を有する材料、例えばポリプロピレン等のプラスチックから形成されている。
【0067】
案内孔15aはノズル部14aの長さよりも小さな上下寸法と蒸気噴出ノズル14’の開閉部14b’の外径よりも僅かに大きな内径を有していて、蒸気噴出ノズル14’のノズル部14a及び開閉部14b’の昇降を許容する。突出孔15cは蒸気噴出ノズル14’のノズル部14aの外径よりも僅かに大きな径を有していて、ノズル部14aの下方突出を許容する。孔形成部15d’は開閉部14b’の逆円錐形状の接触面14b1に整合した円錐形状の接触面15d1を有する。孔形成部15d’は好ましくは合成ゴムや軟質プラスチック等の弾性材料から成る。洗浄用蒸気噴出孔15eは蒸気導入口15fの内孔と連通するように孔形成部15d’の接触面15d1に設けられている。
【0068】
また、蒸気噴出ノズル14’の蒸気導出口14gには蒸気誘導管P4の一端に設けられたソケットP4aが接続され、固定部材15’の蒸気導入口15fには蒸気誘導管P4の他端に設けられたソケットP4aが接続されている。
【0069】
第2実施形態の他の構成は第1実施形態と同じであるので、同一符号を用いてその説明を省略する。
【0070】
次に、図11及び図12と第1実施形態で用いた図4及び図5(A)を主に参照して、図10に示した液状食品加熱装置の動作について説明する。
【0071】
液状食品加熱装置の主電源が投入されると、温度センサ11fの検知温度に基づき蒸気生成機11の電熱ヒータ11eに断続的に電力が供給されて、生成機本体11aの温度Thが蒸気生成に適した温度Ths、例えば約180℃に維持される(図4のステップST1〜ST3参照)。
【0072】
また、伝熱制御部材13を介して蒸気生成機11の生成機本体11aに取り付けられている開閉弁12は、伝熱制御部材13を通じて生成機本体11aから伝わる熱によってその内部通路を蒸気が通過する際に熱損失を生じない程度の温度、例えば約100℃に保たれる。
【0073】
非加熱液状食品AFを収容したカップCUは、図10に示すように、待機位置にある蒸気噴出ノズル14’の下側に自動的に或いは手動によって載置される。非加熱液状食品AFは適温に加熱されることで食用に適したものとなる具材入りのスープや具材入りのみそ汁等である。
【0074】
図示省略の押しボタンスイッチ等によって加熱要求HQが発せられると、図11に示すように、モータ16fによる無端ベルト16eの回転によって上昇位置(待機位置)にある昇降スライダ16cの下降が開始される(図5(A)のステップSP1,SP2参照)。この下降は昇降スライダ16cが位置センサ16hによって検知される下降位置に達したところで停止する(図5(A)のステップSP3参照)。
【0075】
この昇降スライダ16cの下降によって、図11に示すように、該昇降スライダ16cに固定されている蒸気噴出ノズル14’が固定部材15’の案内孔15a内を同一距離下降し、該蒸気噴出ノズル14’のノズル部14aが固定部材15’の突出孔15cから下方に突出してその下部が非加熱液状食品AF内に挿入される。また、蒸気噴出ノズル14’の開閉部14b’の接触面14b1が固定部材15’の孔形成部15d’の接触面15d1に当接し、孔形成部15d’の接触面15d1に設けられている洗浄用蒸気噴出孔15eが開閉部14b’によって閉塞される。
【0076】
下降完了後は、閉閉弁12が開放されると共にポンプ17が運転され、所定流量の水が水供給管P1を通じて蒸気生成機11の入口11bに送り込まれる(図5(A)のステップSP4参照)。
【0077】
蒸気生成機11の生成機本体11aは蒸気生成に適した温度Thsに維持されているため、蒸気生成機11の入口11bに送り込まれた水は螺旋管11d内を通過する過程で生成機本体11aの熱によって気化して蒸気(過熱蒸気)に変わり、該蒸気が蒸気生成機11の出口11cから第1蒸気供給管P2を通じて開閉弁12の入口12aに送り込まれ、内部通路を経由して開閉弁12の出口12bから第2蒸気供給管P3を通じて蒸気噴出ノズル14’の入口14dに送り込まれる。
【0078】
先に述べたように蒸気噴出ノズル14’が下降位置にあるときには洗浄用蒸気噴出孔15eは蒸気噴出ノズル14’の開閉部14b’によって閉塞されているため、図11に示すように、蒸気噴出ノズル14’の入口14dに送り込まれた蒸気はノズル部14aの加熱用蒸気噴出孔14eから非加熱液状食品AF内に噴出され、洗浄用蒸気噴出孔15eからは噴出しない。
【0079】
ポンプ17の運転は非加熱液状食品AFの量及び種類に応じて予め定めた加熱時間だけ継続されるため、カップCU内の非加熱液状食品AFは加熱用蒸気噴出孔14eから継続的に噴出される蒸気によって適温、例えば約70℃に加熱される。また、カップCU内の非加熱液状食品AFは加熱用蒸気噴出孔14eから継続的に噴出される蒸気によって撹拌作用を受けるため、非加熱液状食品AFを均一な温度に加熱できると共に該非加熱液状食品AFに非溶解物等が含まれている場合でもその溶解を効果的に行うことができる。
【0080】
加熱時間経過後は、ポンプ17の運転が停止されて蒸気生成機11の入口11bへの水の送り込みが停止される(図5(A)のステップSP5,SP6参照)。そして、モータ16fによる無端ベルト16eの回転によって下降位置にある昇降スライダ16cの上昇が開始される(図5(A)のステップSP7参照)。
【0081】
昇降スライダ16cの上昇が開始されると、図12に示すように、該昇降スライダ16cに固定されている蒸気噴出ノズル14’が固定部材15’の案内孔15a内で上昇し、上昇開始直後に蒸気噴出ノズル14’の開閉部14b’の接触面14b1が固定部材15’の孔形成部15d’の接触面15d1から離れて、孔形成部15d’の接触面15d1に設けられている洗浄用蒸気噴出孔15eが開放される。
【0082】
ポンプ17の運転を停止しても蒸気生成機11の螺旋管11d内には多少の水が残存しているため、ポンプ17の運転停止後も実際上では蒸気生成はしばらくの間、具体的には数秒程度続いて、余剰の蒸気が蒸気噴出ノズル14’の入口14dに送り込まれる。先に述べたように固定部材15’の洗浄用蒸気噴出孔15eは蒸気噴出ノズル14’が上昇を開始した直後に開放されるため、蒸気噴出ノズル14’の上昇開始後に蒸気噴出ノズル14’の入口14dに送り込まれる蒸気はノズル部14aの加熱用蒸気噴出孔14eから噴出すると同時に蒸気導出口14g,蒸気誘導管P4及び蒸気導入口15fを経由して固定部材15’の洗浄用蒸気噴出孔15eからも噴出する。
【0083】
洗浄用蒸気噴出孔15eからの蒸気噴出は蒸気噴出ノズル14’の上昇が開始した直後のみならずその後もしばらくの間は継続し、且つ、洗浄用蒸気噴出孔15eから噴出される蒸気は上昇するノズル部14aに向けて主に放出されるため、加熱液状食品AFから引き抜かれる蒸気噴出ノズル14’のノズル部14aの表面に付着した加熱液状食品AFは洗浄用蒸気噴出孔14fから噴出される蒸気の水分及び温度によって該蒸気噴出ノズル14’の上昇過程で除去され該ノズル部14aの表面が洗浄される。
【0084】
しかも、上昇する蒸気噴出ノズル14’に対して固定部材15’の洗浄用蒸気噴出孔15eの位置は不変であるため、洗浄用蒸気噴出孔15eから噴出される蒸気によるノズル部14aの表面洗浄はほぼ均一に行われると共に、上昇完了間近では加熱用蒸気噴出孔14eから噴出される蒸気もノズル部14aの表面洗浄に利用される。
【0085】
とりわけ、蒸気噴出ノズル14’及び固定部材15’は撥水性を有する材料から形成されているので、ノズル部14aの表面に付着した加熱液状食品AFは洗浄用蒸気噴出孔15eから噴出される蒸気によって容易に除去され該ノズル部14aの表面が的確に洗浄されると共に、ノズル部14aの表面から除去された液状食品AFが固定部材15’の案内孔15aの内面に付着したとしても該付着物は容易に除去される。特に、蒸気噴出ノズル14’をプラスチックから形成した場合には、金属で形成した場合に比べて蒸気の熱がノズル部14aの表面に伝わり難いため、該ノズル部14aの表面に付着した加熱液状食品AFの乾燥が抑制されて前記の洗浄が容易に行われる。
【0086】
また、蒸気噴出ノズル14’が上昇を開始した直後にその入口14dに送り込まれる蒸気はノズル部14aの加熱用蒸気噴出孔14eと固定部材15’の洗浄用蒸気噴出孔15eの両方から噴出することになるため、蒸気噴出ノズル14’の入口14dに送り込まれた蒸気の全てをノズル部14aの加熱用蒸気噴出孔14eのみから噴出する場合に比べて該加熱用蒸気噴出孔14eから噴出する蒸気の噴出圧力及び噴出量は低減することになる。この低減の度合は洗浄用蒸気噴出孔15eから噴出される蒸気の噴出圧力及び噴出量の割合によって適宜調整できることは言うまでもない。
【0087】
依って、ノズル部14aが加熱液状食品AFから引き抜かれるときに加熱用蒸気噴出孔14eから噴出される蒸気の噴出圧力によって加熱液状食品AFが飛散することがなく、飛散物によってカップCUや周囲機器等を汚してしまうことはない。しかも、加熱用蒸気噴出孔14eから噴出される蒸気の噴出圧力及び噴出量が低減されても蒸気供給通路14cの内圧は大気圧よりも低くなることはないため、ノズル部14aが加熱液状食品AFから引き抜かれるときに加熱液状食品AFが加熱用蒸気噴出孔14eを通じて蒸気供給通路14c内に吸い込まれることもない。
【0088】
上昇が開始された後の昇降スライダ16cは、位置センサ16gによって検知される上降位置(待機位置)に達するまで上昇を継続し、該昇降スライダ16cに固定されている蒸気噴出ノズル14’も固定部材15’の案内孔15a内を同一距離上昇する。上昇完了後は、閉閉弁12が閉じられて一連の加熱処理が完了する(図5(A)のステップSP8,SP9参照)。
【0089】
このように、本第2実施形態によれば、蒸気噴出ノズル14’が下降位置にあってノズル部14aの下部が非加熱液状食品AF内に挿入されているときには固定部材15’の洗浄用蒸気噴出孔15eを蒸気噴出ノズル14’の開閉部14b’によって閉塞して、蒸気噴出ノズル14’の入口14dに送り込まれた蒸気をノズル部14aの加熱用蒸気噴出孔14eから非加熱液状食品AF内に予め定めた加熱時間だけ継続して噴出して該噴出蒸気によって非加熱液状食品AFを適温に加熱できる。
【0090】
また、本第2実施形態によれば、加熱時間経過後に蒸気噴出ノズル14’が下降位置から上昇を開始した後は固定部材15’の洗浄用蒸気噴出孔15eを開放して余剰の蒸気の一部を該洗浄用蒸気噴出孔15eから噴出させてノズル部14aに向けて主に放出できるので、該蒸気の水分及び温度によってノズル部14aの表面に付着した加熱液状食品AFを蒸気噴出ノズル14’の上昇過程で的確に除去して該ノズル部14aの表面を洗浄できる。
【0091】
つまり、昇降可能な蒸気噴出ノズル14’が上昇する過程で固定部材15’の洗浄用蒸気噴出孔15eから噴出される蒸気によってノズル部14aの洗浄が行えるので、従前の装置に比べて洗浄に係る構成が簡略化できてスペースも必要としないし、蒸気の水分及び温度を利用して洗浄を行うので洗浄能力も高い。
【0092】
しかも、上昇する蒸気噴出ノズル14’に対して固定部材15’の洗浄用蒸気噴出孔15eの位置は不変であるので、該洗浄用蒸気噴出孔15eから噴出される蒸気によるノズル部14aの表面洗浄をほぼ均一に行えると共に、上昇完了間近では加熱用蒸気噴出孔14eから噴出される蒸気もノズル部14aの表面洗浄に利用できる。
【0093】
とりわけ、蒸気噴出ノズル14’及び固定部材15’は撥水性を有する材料から形成されているので、ノズル部14aの表面に付着した加熱液状食品AFを洗浄用蒸気噴出孔15eから噴出される蒸気によって的確に洗浄できると共に、ノズル部14aの表面から除去された液状食品AFが固定部材15の案内孔15aの内面に付着したとしても該付着物を容易に除去できる。特に、蒸気噴出ノズル14’をプラスチックから形成した場合には、金属で形成した場合に比べて蒸気の熱がノズル部14aの表面に伝わり難いので、該ノズル部14aの表面に付着した加熱液状食品AFの乾燥を抑制して前記の洗浄を容易に行える。
【0094】
さらに、本第2実施形態によれば、加熱時間経過後に蒸気噴出ノズル14’が下降位置から上昇を開始した後は洗浄用蒸気噴出孔15eを開放して余剰の蒸気をノズル部14aの加熱用蒸気噴出孔14eと固定部材15’の洗浄用蒸気噴出孔15eの両方から噴出させて、これによりノズル部14aの加熱用蒸気噴出孔14eから噴出する蒸気の噴出圧力及び噴出量を低減できるので、ノズル部14aが加熱液状食品AFから引き抜かれるときに加熱用蒸気噴出孔14eから噴出される蒸気の噴出圧力によって加熱液状食品AFが飛散することを確実に防止できると共に、飛散物によってカップCUや周囲機器等を汚してしまうことも確実に防止できる。
【0095】
しかも、加熱用蒸気噴出孔14eから噴出される蒸気の噴出圧力及び噴出量が低減されても蒸気供給通路14cの内圧は大気圧よりも低くなることはないため、ノズル部14aが加熱液状食品AFから引き抜かれるときに加熱液状食品AFが加熱用蒸気噴出孔14eを通じて蒸気供給通路14c内に吸い込まれて該蒸気供給通路14c内が汚損される恐れもない。
【0096】
尚、前述の第2実施形態では、固定部材15’の孔形成部材15d’の円錐形状の接触面15d1に洗浄用蒸気噴出孔15eを設け、該接触面15d1に整合する逆円錐形状の接触面14b1を蒸気噴出ノズル14の開閉部14b’に設けたが、両接触面15d1,14b1を相互接触可能な平坦な面にして平坦な接触面15d1に洗浄用蒸気噴出孔15eを設けても前記同様の作用効果を得ることができる。
【0097】
また、前述の第2実施形態では、ポンプ17の運転を停止してから蒸気噴出ノズル14’を上昇させるようにしたが(図5(A)のステップSP6,SP7参照)、図5(B)に示すフローチャートのように、ポンプ17の運転を停止する前に蒸気噴出ノズル14’を上昇させて上昇完了後にポンプ17の運転を停止するようにしても前記同様の作用効果を得ることができる。
【0098】
さらに、前述の第2実施形態では、固定部材15’の孔形成部15d’に1個の洗浄用蒸気噴出孔15eを設けたが、蒸気誘導管P4の下部を複数に分岐し、各分岐端を固定部材15’の下部表面に設けた複数の蒸気導入口に接続すれば、各蒸気導入口の内孔と連通する複数の孔(洗浄用蒸気噴出孔)を孔形成部15d’に設けることもできる。また、孔形成部15d’の外周面等に蒸気導入口15fの内孔と連通する環状通路を設ければ、該環状通路と連通する複数の孔(洗浄用蒸気噴出孔)を孔形成部15d’の環状通路内側部分に設けることもできる。
【0099】
[第3実施形態]
図13及び図14は本発明(液状食品加熱装置)の第3実施形態を示す。図13は液状食品加熱装置の要部拡大断面図、図14は図13に示した液状食品加熱装置の液状食品の加熱制御に係るフローチャートである。
【0100】
本第3実施形態が前述の第2実施形態と異なるところは、固定部材15’から孔形成部15d’を排除した点と、蒸気導入口15fと蒸気誘導管P4との間に電磁式の第2開閉弁18を設けた点にある。
【0101】
詳しくは、第2開閉弁18は、ソケット兼用の入口18aと、ソケット兼用の出口18bと、入口18aと出口18bを結ぶ内部通路(図示省略)と、内部通路の途中に設けられた弁座(図示省略)と、プランジャ(図示省略)と、プランジャの弁座と向き合う部分に設けられたシール材(図示省略)と、プランジャを弁座方向に付勢するコイルバネ(図示省略)と、通電によってプランジャを内部通路を開放する方向に引き込むソレノイド(図示省略)とを有する。ソレノイドの端子は図示省略のリード線を介してソレノイド用ドライバ23(図3参照)に接続されている。この第2開閉弁18の入口18aには蒸気誘導管P4の他端に設けられたプラグP4bが接続され、該第2開閉弁18の出口18bは固定部材15’の蒸気導入口15fに接続されている。本第3実施形態では蒸気導入口15fの内孔が洗浄用蒸気噴出孔15f1として用いられている。
【0102】
第3実施形態の他の構成は第2実施形態と同じであるので、同一符号を用いてその説明を省略する。
【0103】
次に、図14と第1実施形態で用いた図4を主に参照して、図13に示した液状食品加熱装置の動作について説明する。
【0104】
液状食品加熱装置の主電源が投入されると、温度センサ11fの検知温度に基づき蒸気生成機11の電熱ヒータ11eに断続的に電力が供給されて、生成機本体11aの温度Thが蒸気生成に適した温度Ths、例えば約180℃に維持される(図4のステップST1〜ST3参照)。
【0105】
また、伝熱制御部材13を介して蒸気生成機11の生成機本体11aに取り付けられている開閉弁12は、伝熱制御部材13を通じて生成機本体11aから伝わる熱によってその内部通路を蒸気が通過する際に熱損失を生じない程度の温度、例えば約100℃に保たれる。
【0106】
非加熱液状食品AFを収容したカップCUは、図13に示すように、待機位置にある蒸気噴出ノズル14’の下側に自動的に或いは手動によって載置される。非加熱液状食品AFは適温に加熱されることで食用に適したものとなる具材入りのスープや具材入りのみそ汁等である。
【0107】
図示省略の押しボタンスイッチ等によって加熱要求HQが発せられると、モータ16fによる無端ベルト16eの回転によって上昇位置(待機位置)にある昇降スライダ16cの下降が開始される(図14のステップSE1,SE2参照)。この下降は昇降スライダ16cが位置センサ16hによって検知される下降位置に達したところで停止する(図14のステップSE3参照)。
【0108】
この昇降スライダ16cの下降によって、該昇降スライダ16cに固定されている蒸気噴出ノズル14’が固定部材15’の案内孔15a内を同一距離下降し、該蒸気噴出ノズル14’のノズル部14aが固定部材15’の突出孔15cから下方に突出してその下部が非加熱液状食品AF内に挿入される。
【0109】
下降完了後は、閉閉弁12が開放されると共にポンプ17が運転され、所定流量の水が水供給管P1を通じて蒸気生成機11の入口11bに送り込まれる(図14のステップSE4参照)。
【0110】
蒸気生成機11の生成機本体11aは蒸気生成に適した温度Thsに維持されているため、蒸気生成機11の入口11bに送り込まれた水は螺旋管11d内を通過する過程で生成機本体11aの熱によって気化して蒸気(過熱蒸気)に変わり、該蒸気が蒸気生成機11の出口11cから第1蒸気供給管P2を通じて開閉弁12の入口12aに送り込まれ、内部通路を経由して開閉弁12の出口12bから第2蒸気供給管P3を通じて蒸気噴出ノズル14’の入口14dに送り込まれる。
【0111】
蒸気噴出ノズル14’が下降位置にあるときには洗浄用蒸気噴出孔15f1の上流側に存する第2開閉弁18は閉じているため、蒸気噴出ノズル14’の入口14dに送り込まれた蒸気はノズル部14aの加熱用蒸気噴出孔14eから非加熱液状食品AF内に噴出され、洗浄用蒸気噴出孔15f1からは噴出しない。
【0112】
ポンプ17の運転は非加熱液状食品AFの量及び種類に応じて予め定めた加熱時間だけ継続されるため、カップCU内の非加熱液状食品AFは加熱用蒸気噴出孔14eから継続的に噴出される蒸気によって適温、例えば約70℃に加熱される。また、カップCU内の非加熱液状食品AFは加熱用蒸気噴出孔14eから継続的に噴出される蒸気によって撹拌作用を受けるため、非加熱液状食品AFを均一な温度に加熱できると共に該非加熱液状食品AFに非溶解物等が含まれている場合でもその溶解を効果的に行うことができる。
【0113】
加熱時間経過後は、モータ16fによる無端ベルト16eの回転によって下降位置にある昇降スライダ16cの上昇が開始され、第2開閉弁18が開放される(図14のステップSE6,SE7参照)。
【0114】
つまり、蒸気噴出ノズル14’の上昇開始後は、蒸気噴出ノズル14’の入口14dに送り込まれる蒸気はノズル部14aの加熱用蒸気噴出孔14eから噴出すると同時に、蒸気導出口14g,蒸気誘導管P4,第2開閉弁18及び蒸気導入口15fを経由して固定部材15’の洗浄用蒸気噴出孔15f1からも噴出する。
【0115】
洗浄用蒸気噴出孔15f1からの蒸気噴出はポンプ17の運転を停止して所定の時間が経過するまで継続し、且つ、洗浄用蒸気噴出孔15f1から噴出される蒸気は上昇するノズル部14aに向けて主に放出されるため、加熱液状食品AFから引き抜かれる蒸気噴出ノズル14’のノズル部14aの表面に付着した加熱液状食品AFは洗浄用蒸気噴出孔14fから噴出される蒸気の水分及び温度によって該蒸気噴出ノズル14’の上昇過程で除去され該ノズル部14aの表面が洗浄される。
【0116】
しかも、上昇する蒸気噴出ノズル14’に対して固定部材15’の洗浄用蒸気噴出孔15f1の位置は不変であるため、洗浄用蒸気噴出孔15f1から噴出される蒸気によるノズル部14aの表面洗浄はほぼ均一に行われると共に、上昇完了間近では加熱用蒸気噴出孔14eから噴出される蒸気もノズル部14aの表面洗浄に利用される。
【0117】
とりわけ、蒸気噴出ノズル14’及び固定部材15’は撥水性を有する材料から形成されているので、ノズル部14aの表面に付着した加熱液状食品AFは洗浄用蒸気噴出孔15eから噴出される蒸気によって容易に除去され該ノズル部14aの表面が的確に洗浄されると共に、ノズル部14aの表面から除去された液状食品AFが固定部材15’の案内孔15aの内面に付着したとしても該付着物は容易に除去される。特に、蒸気噴出ノズル14’をプラスチックから形成した場合には、金属で形成した場合に比べて蒸気の熱がノズル部14aの表面に伝わり難いため、該ノズル部14aの表面に付着した加熱液状食品AFの乾燥が抑制されて前記の洗浄が容易に行われる。
【0118】
また、第2開閉弁18が開放された後に蒸気噴出ノズル14’の入口14dに送り込まれる蒸気はノズル部14aの加熱用蒸気噴出孔14eと固定部材15’の洗浄用蒸気噴出孔15f1の両方から噴出することになるため、蒸気噴出ノズル14’の入口14dに送り込まれた蒸気の全てをノズル部14aの加熱用蒸気噴出孔14eのみから噴出する場合に比べて該加熱用蒸気噴出孔14eから噴出する蒸気の噴出圧力及び噴出量は低減することになる。この低減の度合は洗浄用蒸気噴出孔15f1から噴出される蒸気の噴出圧力及び噴出量の割合によって適宜調整できることは言うまでもない。
【0119】
依って、ノズル部14aが加熱液状食品AFから引き抜かれるときに加熱用蒸気噴出孔14eから噴出される蒸気の噴出圧力によって加熱液状食品AFが飛散することがなく、飛散物によってカップCUや周囲機器等を汚してしまうことはない。しかも、加熱用蒸気噴出孔14eから噴出される蒸気の噴出圧力及び噴出量が低減されても蒸気供給通路14cの内圧は大気圧よりも低くなることはないため、ノズル部14aが加熱液状食品AFから引き抜かれるときに加熱液状食品AFが加熱用蒸気噴出孔14eを通じて蒸気供給通路14c内に吸い込まれることもない。
【0120】
上昇が開始された後の昇降スライダ16cは、位置センサ16gによって検知される上降位置(待機位置)に達するまで上昇を継続し、該昇降スライダ16cに固定されている蒸気噴出ノズル14’も固定部材15’の案内孔15a内を同一距離上昇する。上昇完了後は、ポンプ17の運転が停止され、開閉弁12及び第2開閉弁18が閉じられて一連の加熱処理が完了する(図14のステップSE8〜SE11参照)。
【0121】
このように、本第3実施形態によれば、蒸気噴出ノズル14’が下降位置にあってノズル部14aの下部が非加熱液状食品AF内に挿入されているときには第2開閉弁18を閉じて、蒸気噴出ノズル14’の入口14dに送り込まれた蒸気をノズル部14aの加熱用蒸気噴出孔14eから非加熱液状食品AF内に予め定めた加熱時間だけ継続して噴出して該噴出蒸気によって非加熱液状食品AFを適温に加熱できる。
【0122】
また、本第3実施形態によれば、加熱時間経過後に蒸気噴出ノズル14’が下降位置から上昇を開始した後は第2開閉弁18を開けて蒸気噴出ノズル14’の入口14dに送り込まれた蒸気の一部を固定部材15’の洗浄用蒸気噴出孔15f1から噴出させてノズル部14aに向けて主に放出できるので、該蒸気の水分及び温度によってノズル部14aの表面に付着した加熱液状食品AFを蒸気噴出ノズル14’の上昇過程で的確に除去して該ノズル部14aの表面を洗浄できる。
【0123】
つまり、昇降可能な蒸気噴出ノズル14’が上昇する過程で固定部材15’の洗浄用蒸気噴出孔15f1から噴出される蒸気によってノズル部14aの洗浄が行えるので、従前の装置に比べて洗浄に係る構成が簡略化できてスペースも必要としないし、蒸気の水分及び温度を利用して洗浄を行うので洗浄能力も高い。
【0124】
しかも、上昇する蒸気噴出ノズル14’に対して固定部材15’の洗浄用蒸気噴出孔15f1の位置は不変であるので、該洗浄用蒸気噴出孔15f1から噴出される蒸気によるノズル部14aの表面洗浄をほぼ均一に行えると共に、上昇完了間近では加熱用蒸気噴出孔14eから噴出される蒸気もノズル部14aの表面洗浄に利用できる。
【0125】
とりわけ、蒸気噴出ノズル14’及び固定部材15’は撥水性を有する材料から形成されているので、ノズル部14aの表面に付着した加熱液状食品AFを洗浄用蒸気噴出孔15f1から噴出される蒸気によって的確に洗浄できると共に、ノズル部14aの表面から除去された液状食品AFが固定部材15の案内孔15aの内面に付着したとしても該付着物を容易に除去できる。特に、蒸気噴出ノズル14’をプラスチックから形成した場合には、金属で形成した場合に比べて蒸気の熱がノズル部14aの表面に伝わり難いので、該ノズル部14aの表面に付着した加熱液状食品AFの乾燥を抑制して前記の洗浄を容易に行える。
【0126】
さらに、本第3実施形態によれば、加熱時間経過後に蒸気噴出ノズル14’が下降位置から上昇を開始した後は第2開閉弁18を開放して蒸気をノズル部14aの加熱用蒸気噴出孔14eと固定部材15’の洗浄用蒸気噴出孔15f1の両方から噴出させて、これによりノズル部14aの加熱用蒸気噴出孔14eから噴出する蒸気の噴出圧力及び噴出量を低減できるので、ノズル部14aが加熱液状食品AFから引き抜かれるときに加熱用蒸気噴出孔14eから噴出される蒸気の噴出圧力によって加熱液状食品AFが飛散することを確実に防止できると共に、飛散物によってカップCUや周囲機器等を汚してしまうことも確実に防止できる。
【0127】
しかも、加熱用蒸気噴出孔14eから噴出される蒸気の噴出圧力及び噴出量が低減されても蒸気供給通路14cの内圧は大気圧よりも低くなることはないため、ノズル部14aが加熱液状食品AFから引き抜かれるときに加熱液状食品AFが加熱用蒸気噴出孔14eを通じて蒸気供給通路14c内に吸い込まれて該蒸気供給通路14c内が汚損される恐れもない。
【0128】
さらに、本第3実施形態によれば、洗浄用蒸気噴出孔15f1からの蒸気噴出を第2開閉弁18の開閉によって制御できるので、任意のタイミング及び時間でノズル部14aの表面洗浄を行える。
【0129】
尚、前述の第3実施形態では、ポンプ17の運転を停止する前に蒸気噴出ノズル14’を上昇させて上昇完了後にポンプ17の運転を停止するようにしたが(図14のステップSE6〜SE9参照)、図5(A)に示したフローチャートのように、ポンプ17の運転を停止してから蒸気噴出ノズル14’を上昇させて余剰の蒸気の一部を洗浄用蒸気噴出孔15f1から噴出させるようにしても前記同様の作用効果を得ることができる。
【0130】
また、前述の第3実施形態では、固定部材15’に1個の洗浄用蒸気噴出孔15f1を設けたが、固定部材15’に複数の蒸気導入口15fを設けて各蒸気導入口15fを別の蒸気誘導管を介して第2開閉弁18の出口18bに接続すれば、複数の洗浄用蒸気噴出孔(複数の蒸気導入口15fの内孔)を固定部材15’に設けることもできる。また、固定部材15’の案内孔15aの下端部に洗浄用蒸気噴出孔15f1と連通する環状通路をその外周面に有する部品を設ければ、該環状通路と連通する複数の孔(洗浄用蒸気噴出孔)を該部品の内側部分に設けることもできる。
【0131】
[第4実施形態]
図15は本発明(液状食品加熱装置)の第4実施形態を示す、液状食品加熱装置の要部拡大断面図である。
【0132】
本第4実施形態が前述の第3実施形態と異なる点は、蒸気噴出ノズル14’から蒸気導出口14gを排除した点と、第3蒸気供給管P5の一端のソケットP5aを固定部材15’の蒸気導入口15fに接続して他端のプラグP5bを第2開閉弁18の出口18bに接続した点と、第2開閉弁18の入口18aに第4蒸気供給管P6の一端のプラグP6aを接続した点と、第4蒸気供給管P6の他端のプラグ(図示省略)を第1蒸気供給管P2の一端のプラグP2aと共に蒸気生成器11の出口11cに接続した点にある。
【0133】
第4実施形態の他の構成は第3実施形態と同じであるので、同一符号を用いてその説明を省略する。
【0134】
次に、第1実施形態で用いた図4と第3実施形態で用いた図14を主に参照して、図15に示した液状食品加熱装置の動作について説明する。
【0135】
液状食品加熱装置の主電源が投入されると、温度センサ11fの検知温度に基づき蒸気生成機11の電熱ヒータ11eに断続的に電力が供給されて、生成機本体11aの温度Thが蒸気生成に適した温度Ths、例えば約180℃に維持される(図4のステップST1〜ST3参照)。
【0136】
また、伝熱制御部材13を介して蒸気生成機11の生成機本体11aに取り付けられている開閉弁12は、伝熱制御部材13を通じて生成機本体11aから伝わる熱によってその内部通路を蒸気が通過する際に熱損失を生じない程度の温度、例えば約100℃に保たれる。
【0137】
非加熱液状食品AFを収容したカップCUは、図14に示すように、待機位置にある蒸気噴出ノズル14’の下側に自動的に或いは手動によって載置される。非加熱液状食品AFは適温に加熱されることで食用に適したものとなる具材入りのスープや具材入りのみそ汁等である。
【0138】
図示省略の押しボタンスイッチ等によって加熱要求HQが発せられると、モータ16fによる無端ベルト16eの回転によって上昇位置(待機位置)にある昇降スライダ16cの下降が開始される(図14のステップSE1,SE2参照)。この下降は昇降スライダ16cが位置センサ16hによって検知される下降位置に達したところで停止する(図14のステップSE3参照)。
【0139】
この昇降スライダ16cの下降によって、該昇降スライダ16cに固定されている蒸気噴出ノズル14’が固定部材15’の案内孔15a内を同一距離下降し、該蒸気噴出ノズル14’のノズル部14aが固定部材15’の突出孔15cから下方に突出してその下部が非加熱液状食品AF内に挿入される。
【0140】
下降完了後は、閉閉弁12が開放されると共にポンプ17が運転され、所定流量の水が水供給管P1を通じて蒸気生成機11の入口11bに送り込まれる(図14のステップSE4参照)。
【0141】
蒸気生成機11の生成機本体11aは蒸気生成に適した温度Thsに維持されているため、蒸気生成機11の入口11bに送り込まれた水は螺旋管11d内を通過する過程で生成機本体11aの熱によって気化して蒸気(過熱蒸気)に変わり、該蒸気が蒸気生成機11の出口11cから第1蒸気供給管P2を通じて開閉弁12の入口12aに送り込まれ、内部通路を経由して開閉弁12の出口12bから第2蒸気供給管P3を通じて蒸気噴出ノズル14’の入口14dに送り込まれる。
【0142】
蒸気噴出ノズル14’の入口14dに送り込まれた蒸気はノズル部14aの加熱用蒸気噴出孔14eから非加熱液状食品AF内に噴出される。蒸気噴出ノズル14’が下降位置にあるときには洗浄用蒸気噴出孔15f1の上流側に存する第2開閉弁18は閉じているため、蒸気生成機11で生成された蒸気は第4蒸気供給管P6には送り込まれず、洗浄用蒸気噴出孔15f1からは噴出しない。
【0143】
ポンプ17の運転は非加熱液状食品AFの量及び種類に応じて予め定めた加熱時間だけ継続されるため、カップCU内の非加熱液状食品AFは加熱用蒸気噴出孔14eから継続的に噴出される蒸気によって適温、例えば約70℃に加熱される。また、カップCU内の非加熱液状食品AFは加熱用蒸気噴出孔14eから継続的に噴出される蒸気によって撹拌作用を受けるため、非加熱液状食品AFを均一な温度に加熱できると共に該非加熱液状食品AFに非溶解物等が含まれている場合でもその溶解を効果的に行うことができる。
【0144】
加熱時間経過後は、モータ16fによる無端ベルト16eの回転によって下降位置にある昇降スライダ16cの上昇が開始され、第2開閉弁18が開放される(図14のステップSE6,SE7参照)。
【0145】
つまり、蒸気噴出ノズル14’の上昇開始後は、蒸気生成機11で生成された蒸気は第4蒸気供給管P6,第2開閉弁18及び第3蒸気供給管P5を通じて固定部材15’の洗浄用蒸気噴出孔15f1にも送り込まれるため、蒸気はノズル部14aの加熱用蒸気噴出孔14eから噴出すると同時に洗浄用蒸気噴出孔15f1からも噴出する。
【0146】
洗浄用蒸気噴出孔15f1からの蒸気噴出はポンプ17の運転を停止して所定の時間が経過するまで継続し、且つ、洗浄用蒸気噴出孔15f1から噴出される蒸気は上昇するノズル部14aに向けて主に放出されるため、加熱液状食品AFから引き抜かれる蒸気噴出ノズル14’のノズル部14aの表面に付着した加熱液状食品AFは洗浄用蒸気噴出孔14fから噴出される蒸気の水分及び温度によって該蒸気噴出ノズル14’の上昇過程で除去され該ノズル部14aの表面が洗浄される。
【0147】
しかも、上昇する蒸気噴出ノズル14’に対して固定部材15’の洗浄用蒸気噴出孔15f1の位置は不変であるため、洗浄用蒸気噴出孔15f1から噴出される蒸気によるノズル部14aの表面洗浄はほぼ均一に行われると共に、上昇完了間近では加熱用蒸気噴出孔14eから噴出される蒸気もノズル部14aの表面洗浄に利用される。
【0148】
とりわけ、蒸気噴出ノズル14’及び固定部材15’は撥水性を有する材料から形成されているので、ノズル部14aの表面に付着した加熱液状食品AFは洗浄用蒸気噴出孔15eから噴出される蒸気によって容易に除去され該ノズル部14aの表面が的確に洗浄されると共に、ノズル部14aの表面から除去された液状食品AFが固定部材15’の案内孔15aの内面に付着したとしても該付着物は容易に除去される。特に、蒸気噴出ノズル14’をプラスチックから形成した場合には、金属で形成した場合に比べて蒸気の熱がノズル部14aの表面に伝わり難いため、該ノズル部14aの表面に付着した加熱液状食品AFの乾燥が抑制されて前記の洗浄が容易に行われる。
【0149】
また、第2開閉弁18が開放された後は蒸気生成機11で生成される蒸気はノズル部14aの加熱用蒸気噴出孔14eと固定部材15’の洗浄用蒸気噴出孔15f1の両方から噴出することになるため、蒸気生成機11で生成された蒸気の全てをノズル部14aの加熱用蒸気噴出孔14eのみから噴出する場合に比べて該加熱用蒸気噴出孔14eから噴出する蒸気の噴出圧力及び噴出量は低減することになる。この低減の度合は洗浄用蒸気噴出孔15f1から噴出される蒸気の噴出圧力及び噴出量の割合によって適宜調整できることは言うまでもない。
【0150】
依って、ノズル部14aが加熱液状食品AFから引き抜かれるときに加熱用蒸気噴出孔14eから噴出される蒸気の噴出圧力によって加熱液状食品AFが飛散することがなく、飛散物によってカップCUや周囲機器等を汚してしまうことはない。しかも、加熱用蒸気噴出孔14eから噴出される蒸気の噴出圧力及び噴出量が低減されても蒸気供給通路14cの内圧は大気圧よりも低くなることはないため、ノズル部14aが加熱液状食品AFから引き抜かれるときに加熱液状食品AFが加熱用蒸気噴出孔14eを通じて蒸気供給通路14c内に吸い込まれることもない。
【0151】
上昇が開始された後の昇降スライダ16cは、位置センサ16gによって検知される上降位置(待機位置)に達するまで上昇を継続し、該昇降スライダ16cに固定されている蒸気噴出ノズル14’も固定部材15’の案内孔15a内を同一距離上昇する。上昇完了後は、ポンプ17の運転が停止され、開閉弁12及び第2開閉弁18が閉じられて一連の加熱処理が完了する(図14のステップSE8〜SE11参照)。
【0152】
このように、本第4実施形態によれば、蒸気噴出ノズル14’が下降位置にあってノズル部14aの下部が非加熱液状食品AF内に挿入されているときには第2開閉弁18を閉じて、蒸気噴出ノズル14’の入口14dに送り込まれた蒸気をノズル部14aの加熱用蒸気噴出孔14eから非加熱液状食品AF内に予め定めた加熱時間だけ継続して噴出して該噴出蒸気によって非加熱液状食品AFを適温に加熱できる。
【0153】
また、本第4実施形態によれば、加熱時間経過後に蒸気噴出ノズル14’が下降位置から上昇を開始した後は第2開閉弁18を開けて蒸気生成機11で生成された蒸気の一部を固定部材15’の洗浄用蒸気噴出孔15f1から噴出させてノズル部14aに向けて主に放出できるので、該蒸気の水分及び温度によってノズル部14aの表面に付着した加熱液状食品AFを蒸気噴出ノズル14’の上昇過程で的確に除去して該ノズル部14aの表面を洗浄できる。
【0154】
つまり、昇降可能な蒸気噴出ノズル14’が上昇する過程で固定部材15’の洗浄用蒸気噴出孔15f1から噴出される蒸気によってノズル部14aの洗浄が行えるので、従前の装置に比べて洗浄に係る構成が簡略化できてスペースも必要としないし、蒸気の水分及び温度を利用して洗浄を行うので洗浄能力も高い。
【0155】
しかも、上昇する蒸気噴出ノズル14’に対して固定部材15’の洗浄用蒸気噴出孔15f1の位置は不変であるので、該洗浄用蒸気噴出孔15f1から噴出される蒸気によるノズル部14aの表面洗浄をほぼ均一に行えると共に、上昇完了間近では加熱用蒸気噴出孔14eから噴出される蒸気もノズル部14aの表面洗浄に利用できる。
【0156】
とりわけ、蒸気噴出ノズル14’及び固定部材15’は撥水性を有する材料から形成されているので、ノズル部14aの表面に付着した加熱液状食品AFを洗浄用蒸気噴出孔15f1から噴出される蒸気によって的確に洗浄できると共に、ノズル部14aの表面から除去された液状食品AFが固定部材15の案内孔15aの内面に付着したとしても該付着物を容易に除去できる。特に、蒸気噴出ノズル14’をプラスチックから形成した場合には、金属で形成した場合に比べて蒸気の熱がノズル部14aの表面に伝わり難いので、該ノズル部14aの表面に付着した加熱液状食品AFの乾燥を抑制して前記の洗浄を容易に行える。
【0157】
さらに、本第4実施形態によれば、加熱時間経過後に蒸気噴出ノズル14’が下降位置から上昇を開始した後は第2開閉弁18を開放して蒸気をノズル部14aの加熱用蒸気噴出孔14eと固定部材15’の洗浄用蒸気噴出孔15f1の両方から噴出させて、これによりノズル部14aの加熱用蒸気噴出孔14eから噴出する蒸気の噴出圧力及び噴出量を低減できるので、ノズル部14aが加熱液状食品AFから引き抜かれるときに加熱用蒸気噴出孔14eから噴出される蒸気の噴出圧力によって加熱液状食品AFが飛散することを確実に防止できると共に、飛散物によってカップCUや周囲機器等を汚してしまうことも確実に防止できる。
【0158】
しかも、加熱用蒸気噴出孔14eから噴出される蒸気の噴出圧力及び噴出量が低減されても蒸気供給通路14cの内圧は大気圧よりも低くなることはないため、ノズル部14aが加熱液状食品AFから引き抜かれるときに加熱液状食品AFが加熱用蒸気噴出孔14eを通じて蒸気供給通路14c内に吸い込まれて該蒸気供給通路14c内が汚損される恐れもない。
【0159】
さらに、本第4実施形態によれば、洗浄用蒸気噴出孔15f1からの蒸気噴出を第2開閉弁18の開閉によって制御できるので、任意のタイミング及び時間でノズル部14aの表面洗浄を行える。
【0160】
尚、前述の第4実施形態では、ポンプ17の運転を停止する前に蒸気噴出ノズル14’を上昇させて上昇完了後にポンプ17の運転を停止するようにしたが(図14のステップSE6〜SE9参照)、図5(A)に示したフローチャートのように、ポンプ17の運転を停止してから蒸気噴出ノズル14’を上昇させて余剰の蒸気の一部を洗浄用蒸気噴出孔15f1から噴出させるようにしても前記同様の作用効果を得ることができる。
【0161】
また、前述の第4実施形態では、固定部材15’に1個の洗浄用蒸気噴出孔15f1を設けたが、固定部材15’に複数の蒸気導入口15fを設けて各蒸気導入口15fを別の蒸気誘導管を介して第2開閉弁18の出口18bに接続すれば、複数の洗浄用蒸気噴出孔(複数の蒸気導入口15fの内孔)を固定部材15’に設けることもできる。また、固定部材15’の案内孔15aの下端部に洗浄用蒸気噴出孔15f1と連通する環状通路をその外周面に有する部品を設ければ、該環状通路と連通する複数の孔(洗浄用蒸気噴出孔)を該部品の内側部分に設けることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0162】
【図1】本発明の第1実施形態を示す液状食品加熱装置の構成図である。
【図2】図1に示した液状食品加熱装置の要部拡大断面図である。
【図3】図1に示した液状食品加熱装置の回路図である。
【図4】図1に示した液状食品加熱装置の蒸気生成機の温度制御に係るフローチャートである。
【図5】図1に示した液状食品加熱装置の液状食品の加熱制御に係るフローチャートである。
【図6】図1に示した液状食品加熱装置の動作説明図である。
【図7】図1に示した液状食品加熱装置の動作説明図である。
【図8】図1に示した液状食品加熱装置の動作説明図である。
【図9】図1に示した液状食品加熱装置の動作説明図である。
【図10】本発明の第2実施形態を示す液状食品加熱装置の要部拡大断面図である。
【図11】図10に示した液状食品加熱装置の動作説明図である。
【図12】図10に示した液状食品加熱装置の動作説明図である。
【図13】本発明の第3実施形態を示す液状食品加熱装置の要部拡大断面図である。
【図14】図13に示した液状食品加熱装置の液状食品の加熱制御に係るフローチャートである。
【図15】本発明の第4実施形態を示す液状食品加熱装置の要部拡大断面図である。
【符号の説明】
【0163】
11…蒸気生成機、12…開閉弁、14,14’…蒸気噴出ノズル、14a…ノズル部、14b…孔形成部、14b’…開閉部、14c…蒸気供給通路、14d…入口、14e…加熱用蒸気噴出孔、14f…洗浄用蒸気噴出孔、14g…蒸気導出口、15,15’…固定部材、15a…案内孔、15c…突出孔、15d…開閉部、15d’…孔形成部、15e…洗浄用蒸気噴出孔、15f…蒸気導入口、15f1…洗浄用蒸気噴出孔、16…昇降機構、17…ポンプ、18…第2開閉弁、P1…水供給管、P2…第1蒸気供給管、P3…第2蒸気供給管、P4…蒸気誘導管、P5…第3蒸気供給管、P6…第4蒸気供給管、CU…カップ、AF…液状食品。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下降時に液状食品に挿入されるノズル部を有する昇降可能な蒸気噴出ノズルと、
蒸気噴出ノズルを昇降させる昇降機構と、
昇降する蒸気噴出ノズルに沿うように配置された固定部材と、
蒸気噴出ノズルのノズル部に設けられ該蒸気噴出ノズルが下降してノズル部が液状食品に挿入された後に液状食品内に蒸気を噴出して該噴出蒸気によって液状食品の加熱を行う加熱用蒸気噴出孔と、
蒸気噴出ノズルと固定部材のどちらか一方に設けられ該蒸気噴出ノズルが上昇してそのノズル部が液状食品から引き抜かれるときに蒸気を噴出して該噴出蒸気によってノズル部の洗浄を行う洗浄用蒸気噴出孔とを備える、
ことを特徴とする液状食品加熱装置。
【請求項2】
蒸気噴出ノズルと固定部材のどちらか他方は、蒸気噴出ノズルが下降位置にあるときに相互接触により洗浄用蒸気噴出孔を閉塞し、且つ、蒸気噴出ノズルが下降位置から上昇したときに相互接触を解除し洗浄用蒸気噴出孔を開放して洗浄用蒸気噴出孔からの蒸気噴出を制御する開閉部を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の液状食品加熱装置。
【請求項3】
洗浄用蒸気噴出孔は蒸気噴出ノズルに設けられ、且つ、開閉部は固定部材に設けられていて、
蒸気噴出ノズルは蒸気供給管が接続された蒸気供給通路を内部に有し、加熱用蒸気噴出孔と洗浄用蒸気噴出孔の両方は該蒸気供給通路に連通している、
ことを特徴とする請求項2に記載の液状食品加熱装置。
【請求項4】
固定部材は蒸気噴出ノズルの昇降を許容する案内孔とノズル部の下方突出を許容する突出孔とを備えた筒状を成し、固定部材の案内孔の上下寸法は蒸気噴出ノズルの加熱用蒸気噴出孔と洗浄用蒸気噴出孔との上下間隔よりも大きい、
ことを特徴とする請求項3に記載の液状食品加熱装置。
【請求項5】
洗浄用蒸気噴出孔は固定部材に設けられ、且つ、開閉部は蒸気噴出ノズルに設けられていて、
蒸気噴出ノズルは蒸気供給管が接続された蒸気供給通路を内部に有し、加熱用蒸気噴出孔は該蒸気供給通路に連通し、且つ、洗浄用蒸気噴出孔は蒸気誘導管を介して該蒸気供給通路に連通している、
ことを特徴とする請求項2に記載の液状食品加熱装置。
【請求項6】
洗浄用蒸気噴出孔は固定部材に設けられていて、
洗浄用蒸気噴出孔からの蒸気噴出を制御する開閉弁を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の液状食品加熱装置。
【請求項7】
蒸気噴出ノズルは蒸気供給管に接続された蒸気供給通路を内部に有し、加熱用蒸気噴出孔は該蒸気供給通路に連通し、且つ、洗浄用蒸気噴出孔は蒸気誘導管を介して該蒸気供給通路に連通しており、
開閉弁は蒸気誘導管に設けられている、
ことを特徴とする請求項6に記載の液状食品加熱装置。
【請求項8】
蒸気噴出ノズルは蒸気供給管に接続された蒸気供給通路を内部に有し、加熱用蒸気噴出孔は該蒸気供給通路に連通し、洗浄用蒸気噴出孔は固定部材に接続された他の蒸気供給管に通じており、
開閉弁は他の蒸気供給管に設けられている、
ことを特徴とする請求項6に記載の液状食品加熱装置。
【請求項9】
蒸気噴出ノズルのノズル部はプラスチックである、
ことを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の液状食品加熱装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−23175(P2008−23175A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−200813(P2006−200813)
【出願日】平成18年7月24日(2006.7.24)
【出願人】(000001845)サンデン株式会社 (1,791)
【Fターム(参考)】