説明

混合造粒装置

【課題】タンク内に設けられた回転羽根を用いて材料の造粒を行う混合造粒装置において、材料の造粒を実質的に連続的に行うことができるようにすること。
【解決手段】混合造粒装置1の制御装置6は、検出されたタンク15内の材料の温度Tが所定の下限温度T4未満の場合には、フィーダ2からタンク15内への材料の供給を停止させるとともに、タンク15の内部を排出口24に連通させる開閉弁を閉じる。また、検出された温度Tが所定の上限温度T3を超過する場合には、フィーダ2からの材料の供給を停止させ、噴霧装置5によって水をタンク15内に噴霧させる。検出された温度Tが上限温度T3と下限温度T4との間の場合において、フィーダ2からの材料の供給を開始させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、混合造粒装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、資源の有効活用の観点から、プラスチックフィルムなどの廃材のリサイクルが検討され、実用化されつつある。
このような廃材のリサイクルは、通常、廃材を粉砕装置に投入して、粉砕した後、マテリアルリサイクル、あるいは、サーマルリサイクルなどに供することが知られている。
しかし、このような廃材は、たとえば、ポリエチレンフィルム(PE)、ポリプロピレンフィルム(PP)あるいはポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)などから形成されており、粉砕装置によって粉砕すると、嵩密度が非常に小さくなり、また、ブリッジ性も大きいため、その後の処理効率が低く、さらには、風などによって容易に飛散してしまうことから、その取り扱いが非常に煩雑となっている。
【0003】
そのため、粉砕装置によって粉砕した後に、さらに造粒することにより、減容化を図ることが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−159705号公報([0034]、[0035]段落)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の造粒装置は、廃材などの材料が受け入れられるタンクと、タンク内に設けられた回転羽根とを備えており、回転羽根の回転に起因するせん断熱などによって、廃材が減容される。
前記の減容は、バッチ処理操作を行うことで達成されている。具体的には、タンク内に一定量の廃材を投入して、この廃材の減容および造粒を行う。この減容および造粒が完了すると、タンク内の廃材を全て排出し、タンク内に次の廃材を投入する。このように、材料の造粒作業は、1のバッチ処理操作と次のバッチ処理操作との間で不連続である。
【0005】
しかしながら、不連続な造粒動作では、造粒の効率が低下する。また、このようなバッチ処理操作では、1回のバッチ処理操作に必要な、造粒前の廃材の容積が大きいことから、この廃材の貯蔵、計量および搬送のための装置が大型になる。また、タンクから一度に大量の廃材が排出されることから、排出後の廃材の搬送および貯蔵のための装置が大型になってしまう。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、造粒の効率を高めることができ、且つ小型化を達成できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、混合造粒装置であって、タンク、前記タンク内に配置され水平方向に延びる回転羽根、および前記回転羽根の回転によって造粒された前記タンク内の材料を排出するための排出口を含むミキサーと、前記タンク内に材料を供給するためのフィーダと、前記排出口を開閉するための開閉弁と、前記タンク内に冷媒を供給するための冷媒供給手段と、前記タンク内の材料の温度を検出する温度検出手段と、前記温度検出手段により検出された温度に基づいて、前記フィーダ、前記開閉弁および前記冷媒供給手段を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、検出された温度が所定の下限値未満の場合には、前記フィーダからの前記材料の供給を停止させるとともに前記開閉弁を閉じ、検出された温度が所定の上限値を超過する場合には、前記フィーダからの前記材料の供給を停止させ、前記冷媒供給手段に前記冷媒を供給させ、検出された温度が前記上限値と前記下限値との間の場合において、前記開閉弁を開き、前記フィーダからの前記材料の供給を開始させることを特徴としている。
【0008】
このような構成によると、材料の造粒動作を実質的に連続して行うことができる。具体的には、検出された温度が上限値と下限値との間にあり、材料の造粒に適した温度である場合には、材料をフィーダからタンクに供給するとともに、開閉弁を開いておくことにより、材料を連続的に造粒してタンクから排出することができる。
また、検出された温度が下限値未満となり、タンク内の材料の温度が造粒に必要な温度を下回った場合には、タンク内の材料温度に比べて低温(常温)のフィーダからの材料の供給を停止させることにより、タンク内の材料温度低下を防ぐ。さらに、開閉弁を閉じることにより、せん断熱を帯びたタンク内の材料の排出を防いだ状態で、回転羽根の回転によってタンク内の材料温度を迅速に上昇できる。これにより、タンク内の材料温度を造粒に適した値に迅速に回復でき、造粒ができない時間を可及的に短くできる。
【0009】
さらに、検出された温度が上限値を超過し、タンク内の材料温度が高すぎることから造粒に不適である場合には、冷媒供給手段に冷媒を供給させることで、タンク内の材料温度を迅速に低下することができる。これにより、タンク内の材料温度を造粒に適した値に迅速に回復でき、タンク内の材料の過溶融による過大な大きさの造粒品の発生と、タンク内部に材料が過溶融して固着化することの双方を防止できる。
【0010】
このようにして、タンク内の材料の温度が、材料の造粒に適した温度未満の場合と、超過した場合の双方において、造粒ができない時間を可及的に短くできることと、材料の過溶融を防止することができることから、材料の造粒を実質的に連続して行うことができる。
材料の造粒動作を実質的に連続して行うことができるので、造粒の効率を高めることができる。また、材料の造粒を実質的に連続して行うことができることにより、フィーダによる単位時間当たりの材料の供給量を少なくできることから、フィーダを小型化でき、混合造粒装置を小型化できる。
【0011】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、検出された温度が前記下限値と前記上限値との間の場合において、前記フィーダによる前記材料の供給を開始する温度が、前記開閉弁を開く温度よりも高いことを特徴としている。
このような構成によると、タンク内の材料の温度上昇に伴い、開閉弁が相対的に早く開き、フィーダによる材料の供給が相対的に遅く開始される。これにより、タンク内で造粒された材料の排出の開始後に、タンク内への材料の供給を開始することができ、タンク内で材料が溢れてしまうことを防止できる。
【0012】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記排出口から排出された前記材料を搬送しながら冷却する冷却手段を備えていることを特徴としている。
このような構成によると、タンクから排出された高温の材料が凝縮化することを防止しながら搬送することができる。また、造粒された材料が高温のまま貯留されると、ブリッジが生じ易いことから、ブリッジ破壊装置を設ける必要があるが、本発明の構成によれば、材料を冷却した後に貯蔵することができるので、ブリッジの発生を防止でき、ブリッジ破壊装置が不要である。したがって、混合造粒装置の更なる小型化とコストの低減を実現できる。
【0013】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、前記冷媒供給手段は、前記冷媒を噴霧する噴霧機構を含んでいることを特徴としている。
このような構成によると、タンク内の材料温度を短時間で上限値と下限値の間の範囲にすることができ、材料の過溶融による過大な大きさの造粒品の発生と、タンク内部へ材料が過溶融して固着化することの双方を防止できる。
【0014】
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記噴霧機構は、所定時間の間に断続的に前記冷媒を噴霧することを特徴としている。
このような構成によると、タンク内の材料が必要以上に急激に冷却されることを防止でき、材料温度の急速な低下による下限値未満への低下を抑制できる。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の発明において、前記タンクは、前記タンク内の材料のうち、粒径が所定以下に造粒された前記材料が前記排出口に排出されることを許容する多孔板を備えていることを特徴としている。
【0015】
このような構成によると、粒径が過大な造粒品が排出されることとを防止できる。
また、請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の発明において、前記開閉弁は、全開と全閉の間の任意の開度を維持することが可能であることを特徴としている。
このような構成によると、開閉弁の開度を任意に設定することができる。これにより、排出口から熱を帯びた材料が過剰に排出されることを防止でき、タンク内の材料温度が下限値未満に低下することを抑制できる。
【発明の効果】
【0016】
以上述べたように、請求項1記載の発明によれば、材料の造粒を実質的に連続して行うことができる。
請求項2に記載の発明によれば、タンク内で材料が溢れてしまうことを防止できる。
請求項3に記載の発明によれば、タンクから排出された高温の材料が凝縮化することを防止しながら搬送することができる。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、材料の過溶融による過大な大きさの造粒品の発生と、タンク内部へ材料が過溶融して固着化することの双方を防止できる。
請求項5に記載の発明によれば、タンク内が必要以上に急激に冷却されることを防止でき、材料温度の急速な低下による下限値未満への低下を抑制できる。
請求項6に記載の発明によれば、粒径が過大な造粒品が排出されることを防止できる。
【0018】
請求項7に記載の発明によれば、排出口から熱を帯びた材料が過剰に排出されることを防止でき、タンク内の材料温度が下限値未満に低下することを抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1は、本発明の混合造粒装置の一実施形態を模式的に示す斜視図である。図1において、混合造粒装置1は、材料を混合および造粒することにより、この材料を乾燥および減容することができる。
前記の材料としては、廃材としてのプラスチックフィルムを予め破砕したものを例示することができる。このプラスチックフィルムは、たとえば、ポリエチレンフィルム(PE)、ポリプロピレンフィルム(PP)、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)、ポリスチレンフィルム(PS)、あるいはポリ塩化ビニルフィルム(PVC)などを含んでおり、異なる種類の材料が混在している。また、前記の材料に発砲ポリスチレンが混在していることもある。
【0020】
前記の材料は、たとえば、容器包装リサイクル法に基づいて回収されたプラスチックを含んでおり、前記の材料の単位容積当たりにおいて、複数種類のプラスチックが不均一な割合で混在している。また、容器包装リサイクル法に基づいて回収されたプラスチックを材料として用いる場合には、食品残渣排除を行うために水洗、および乾燥が行われており、含水率が概ね5質量%〜15質量%と比較的多いものとなっている。
【0021】
このような破砕物は、マテリアルリサイクルや、サーマルリサイクルなどのために、取り扱いの容易化を図るべく造粒が必要とされるものである。造粒された後の材料をプラスチック製品の材料として用いることにより、マテリアルリサイクルを行う場合には、押出機や成形機への材料の供給を容易に行うことができるという利点がある。
混合造粒装置1は、フィーダ2と、ミキサー3と、冷却手段としての搬送冷却装置4と、冷媒供給手段としての噴霧機構である噴霧装置5と、これらの各部の動作を制御する制御手段としての制御装置6とを備えている。
【0022】
フィーダ2は、ミキサー3の後述するタンク15内に材料を供給するためのものであり、たとえば、フライトコンベア機構を含んでいる。このフィーダ2は、材料が貯蔵されるホッパ7と、ホッパ7が接続されるトラフ8と、トラフ8内に配置された複数のフライト(スクレーパ)9と、これらのフライト9を駆動するための駆動機構10とを備えている。
【0023】
ホッパ7には、所定量の材料を貯蔵することができる。ホッパ7における材料の許容貯蔵量は、従来のバッチ処理操作を行って造粒を行う場合と比べて、少なくすることができるが、多くてもよいし、同じでもよい。
トラフ8は、搬送開始位置Sから搬送終了位置Eまで材料を搬送できるように、材料搬送方向Dに沿って水平方向および上下方向(鉛直方向)に延びるように略クランク状に形成された、中空の部材である。下側に配置される搬送開始位置Sにおいて、ホッパ7に貯留された材料がトラフ8内に供給されるようになっている。上側に配置される搬送終了位置Eにおいて、トラフ8に、材料が排出される排出口11が下向きに開口形成されている。
【0024】
駆動機構10は、エンドレス状のローラチェーンなどを含む可撓性の伝動部材12と、この伝動部材12を回転駆動するためのフィーダモータ13と、フィーダモータ13の出力回転を変速して伝動部材12に伝える変速機構14とを備えている。
伝動部材12は、トラフ8内に設けられたガイド部材(図示せず)によって、トラフ8の形状に対応する形状(この実施形態において、クランク形状)に張られている。この伝動部材12には、フィーダモータ13の出力回転が、変速機構14を介して伝達される。
【0025】
これにより、伝動部材12が回転するようになっている。フィーダモータ13は、トラフ8のうちの、排出口11の近傍に配置されている。変速機構14は、フィーダモータ13に隣接して配置されており、たとえば、チェーン機構(図示せず)を含んでいる。
フライト9は、板状に形成されており、材料搬送方向Dに対して直交する方向に平らに延びている。各フライト9は、伝動部材12の周方向に沿って等間隔に配置されており、伝動部材12によって、伝動部材12の周方向に移動可能に支持されている。
【0026】
このフィーダ2によって材料を搬送するには、まず、フィーダモータ13を駆動させる。そうすると、伝動部材12が、トラフ8に沿って周回移動する。そして、搬送開始位置Sにおいて、材料をホッパ7から投入すると、材料は、各フライト9とトラフ8との間を材料搬送方向Dの下流側に向けて送られる。
そして、搬送終了位置Eに到達した材料は、排出口11から自重により落下し排出される。なお、材料の搬送を終了したフライト9は、再び搬送開始位置Sに到達し、再び、ホッパ7から投入される材料を、材料搬送方向Dの下流側に搬送する。
【0027】
フィーダ2には、材料の供給量を任意に調整することのできる速度制御装置(図示せず)が設けられている。
なお、前記のフィーダ2に換えて、プレートコンベア機構を含むフィーダや、振動フィーダや、スクリューを含むスクリューフィーダや、ベルトコンベアーを用いてもよい。
図2は、図1のミキサー3の要部の縦断面図である。図1および図2を参照して、ミキサー3は、フィーダ2から供給された材料を造粒するためのものであり、タンク15と、タンク15内に配置された回転羽根16と、回転羽根16を駆動するための駆動源としてのミキサーモータ17と、タンク15およびミキサーモータ17を支持する支持フレーム18とを備えている。
【0028】
タンク15は、フィーダ2のトラフ8の排出口11から排出される材料を受け入れるために、上方が開放される有底円筒形状をなしており、円筒状の周側壁19と、周側壁19の底部側に設けられた底壁20とを含んでいる。
図3は、図2のミキサー3の横断面図である。図2および図3を参照して、このタンク15の下部側方には、造粒されたタンク15内の材料を排出するための排出部21が設けられている。排出部21は、タンク15の周側壁19のうちの底壁20の近傍に貫通形成された貫通孔22と、貫通孔22に嵌め込まれた多孔板としてのパンチング部材23と、貫通孔22に連通する排出口24と、排出口24と貫通孔22との間を開閉するための開閉ゲートとしての開閉弁25とを含んでいる。
【0029】
パンチング部材23は、たとえば、パンチングメタルを用いて形成されており、その肉厚方向を貫く複数の貫通孔26が、パンチング部材23の全域に亘って略等間隔に形成されている。各貫通孔26の直径は、たとえば、3mm〜8mmに設定されており、これにより、タンク15内の材料のうち、粒径が所定以下に造粒された材料が排出口24に排出されることが許容されている。また、タンク15内の材料のうち、粒径が上記所定値を超える大きさに造粒された材料が排出口24に排出されないようになっている。
【0030】
開閉弁25が開いている場合には、タンク15の内側は、貫通孔22(パンチング部材23)を介して排出口24に連通しており、開閉弁25が閉じている場合には、タンク15の内側は、排出口24とは連通していない。
開閉弁25には開閉弁用圧力シリンダ27が設けられており、開閉弁25は、その開閉弁用圧力シリンダ27の駆動により開閉動作される。排出口24の下方には、搬送冷却装置4の後述する受入口40が接続されている。
【0031】
この開閉弁用圧力シリンダ27は、そのピストン(図示せず)の位置を、可動範囲における任意の位置に維持することにより、開閉弁25を、全開にしたり、全閉にしたり、全開と全閉の間の任意の開度に維持したりすることができる。
また、このタンク15内には、タンク15内の材料の温度を検出する温度検出手段としての温度センサ28が設けられている。温度センサ28は、タンク15の周側壁19のうちの底壁20の近傍に設けられており、温度を検出する検出面がタンク15内に突出している。
【0032】
回転羽根16は、回転軸30と、その回転軸30から径方向に延びる、下羽根31および上羽根32とを備えている。回転軸30は、タンク15内に設けられており、タンク15の底壁20の中央部から上方に向かって突出されている。この回転軸30は、底壁20の下方において、軸受29に回転自在に支持されている。
回転軸30の軸方向中間部には、従動プーリ33が同行回転可能に連結されている。この従動プーリ33には、ミキサーモータの出力回転が、エンドレス状のベルトなどを介して伝達されるようになっている。これにより、回転軸30、下羽根31および上羽根32は、従動プーリ33とともに回転駆動される。
【0033】
下羽根31および上羽根32は、水平方向Hに延びており、回転軸30の回りを高速回転することにより、タンク15内の材料を破砕するとともに、この材料にせん断熱を生じさせる。これにより、タンク15内の材料が造粒される。下羽根31および上羽根32の先端の周速は、たとえば、30m/sec〜60m/secの範囲に設定される。
図4(a)は、搬送冷却装置4の平面図であり、図4(b)は、搬送冷却装置4の一部破断側面図である。図4(a)および図4(b)を参照して、搬送冷却装置4は、タンク内で造粒された後に排出された材料を、搬送しながら冷却するものであり、スクリューユニット34と、スクリュー用モータ35と、これらスクリューユニット34およびスクリュー用モータ35を支持する支持フレーム36とを備えている。
【0034】
スクリューユニット34は、ハウジングとしての胴部37と、胴部37内に収容されたスクリュー38とを備えている。胴部37は、たとえば、比較的薄い数mm程度の鋼板を円筒状に形成したものであり、胴部37内の熱を外側に逃がし易くされている。胴部37の長手方向に、材料搬送方向Dが沿っている。
胴部37のうち、材料搬送方向Dの上流側には、胴部37の径方向に沿って延びる筒状のシュータ39が設けられている。シュータ39の一端は、受入口40とされている。受入口40は、ミキサー3の排出部21の排出口24(図2参照)に接続されており、排出口24から排出された材料を受け入れるようになっている。シュータ39の他端は、胴部37に接続されている。
【0035】
胴部37のうち、材料搬送方向Dの下流側には、胴部37内の材料が排出される排出口41が開口形成されている。排出口41は、下方に向けて開放されており、排出口41から排出された材料は、貯留タンク42に貯留される。
スクリュー38は、螺旋羽根43と、螺旋羽根43を支持する支軸44とを備えている。支軸44の一端は、軸受(図示せず)を含む軸受ユニット45によって回転自在に支持されている。この軸受ユニット45は、胴部37のうちの、材料搬送方向Dの上流側に設けられている。
【0036】
支軸44の他端は、軸受(図示せず)を含む軸受ユニット46によって回転自在に支持されている。この軸受ユニット46は、胴部37のうちの、材料搬送方向Dの下流側に設けられている。支軸44の一端部および他端部は相対的に細径に形成されている。一方、支軸44の中間部は、相対的に大径に形成された大径部47とされている。
螺旋羽根43は、胴部37内の材料を、材料搬送方向Dに沿って搬送するためのものであり、支軸44の大径部47に一体的に突出形成され、この支軸44と同行回転可能となっている。胴部37の長手方向において、螺旋羽根43は、受入口40よりも胴部37の一端側に近い位置から、排出口41が開口形成された位置まで延びている。前記の構成により、螺旋羽根43が回転すると、受入口40から受け入れられた材料は、螺旋羽根43によって胴部37内を材料搬送方向Dに搬送され、さらには排出口41まで導かれ、さらには貯留タンク42に排出される。
【0037】
この螺旋羽根43のピッチは、胴部37内における材料の量や、螺旋羽根43の回転速度、すなわち、材料の搬送速度などに応じて、適宜設定することができる。また、螺旋羽根43の径方向の先端と胴部37の内周面との間の間隔は、材料の詰まりなどを生じないように適宜設定される。
スクリュー用モータ35の出力回転は、伝達機構48を介して、スクリュー38の支軸44に伝達されるようになっている。具体的には、伝達機構48は、たとえば、チェーン機構を含んでおり、スクリュー用モータ35の回転軸30に同行回転可能に連結された駆動側スプロケット49と、スクリュー38の支軸44の一端に同行回転可能に連結された従動側スプロケット50と、これら駆動側スプロケット49と従動側スプロケット50との間に掛け渡されたエンドレス状のローラチェーン51とを備えている。
【0038】
スクリュー用モータ35の回転軸30が回転すると、駆動側スプロケット49が同行回転し、これによってローラチェーン51が駆動され、さらには、ローラチェーン51の駆動によって従動側スプロケット50が回転される。これにより、スクリュー38が回転される。
図1を参照して、噴霧装置5は、タンク15内に冷媒としての水を噴霧することにより、タンク15内の材料を冷却し、タンク15内の材料が過熱されることを防止するものである。この噴霧装置5は、冷媒としての水が貯留される水タンク53と、水タンク53から噴霧装置5の外部への水の供給および水の供給の停止を行うためのオンオフ用電磁弁54と、水タンク53からの水を加圧するポンプユニット55と、加圧された水(加圧水)が供給される噴霧用のノズル56と、ポンプユニット55からの加圧水を、水タンク53およびポンプユニット55に循環させるためのバイパス用電磁弁59とを備えている。
【0039】
水タンク53には、供給管60の上流側の一端が接続されている。供給管60の途中部には、供給管60の上流側から順に、ポンプユニット55の後述するポンプ本体57、バイパス管61、オンオフ用電磁弁54、およびノズル56が接続されている。
バイパス管61の一端は、供給管60に接続されており、他端は水タンク53に接続されている。バイパス管61の途中部には、バイパス用電磁弁59が接続されている。
【0040】
オンオフ用電磁弁54は、たとえば、電磁コイル(図示せず)の磁力により、弁体を弁座に対して離接して弁の開閉を行う電磁弁を用いて形成されている。オンオフ用電磁弁54が開かれることにより、ポンプユニット55からの加圧水がノズル56に供給される。また、オンオフ用電磁弁54が閉じられることにより、ポンプユニット55からの加圧水の、ノズル56への供給が遮断される。
【0041】
ポンプユニット55は、ギヤポンプなどのポンプ本体57と、ポンプ本体57を駆動するためのポンプ用モータ58とを備えている。
バイパス用電磁弁59は、たとえば、オンオフ用電磁弁54と同様の電磁弁を用いて形成されている。バイパス用電磁弁59が開かれることにより、ポンプユニット55からの加圧水が水タンク53に戻される。また、バイパス用電磁弁59が閉じられることにより、ポンプユニット55からの加圧水の、水タンク53への戻りが遮断される。
【0042】
ノズル56は、水を霧状にしてタンク15内に供給するものである。このノズル56は、タンク15よりも上方に配置されており、タンク15の上方からタンク15内に向けて水を噴霧する。なお、ノズル56は、タンク15内において、タンク15の上端側に配置されていてもよい。
噴霧機構5による噴霧が行われない場合は、オンオフ用電磁弁54を閉じるとともにバイパス用電磁弁59を開いた状態で、ポンプ用モータ58をオンにしておく。これにより、水タンク53の水は、供給管60を流れることによりポンプ本体57に導かれて加圧され、バイパス管61およびバイパス用電磁弁59を介して水タンク53に戻される。
【0043】
噴霧機構5による噴霧を行う場合には、オンオフ用電磁弁54を開くとともにバイパス用電磁弁59を閉じた状態で、ポンプ用モータ58をオンにしておく。これにより、水タンク53の水は、供給管60を流れてポンプ本体57に導かれて加圧され、オンオフ用電磁弁54を介してノズル56から霧状に排出される。
なお、噴霧機構5の外部から加圧水が供給される構成の場合には、水タンク53、ポンプユニット55、バイパス用電磁弁59、およびバイパス管61は不要である。この場合、上記加圧水を供給する配管は、供給管60の上流側に接続される。
【0044】
また、タンク15への水の供給口(噴霧用でない通常のノズル)が複数箇所に設けられている場合には、各供給口から水を霧状にすることなくタンク15に供給してもよい。
制御装置6は、たとえば、CPU,ROMおよびRAMを備えており、ミキサー3の近傍に配置されている。図5は、混合造粒装置1の制御に関する構成を示すブロック図である。図5を参照して、制御装置6は、制御対象としてのフィーダモータ13、ミキサーモータ17、開閉弁用圧力シリンダ27、スクリュー用モータ35、オンオフ用電磁弁54バイパス用電磁弁59およびポンプ用モータ58のそれぞれに接続されている。また、制御装置6は、温度センサ28と接続されている。
【0045】
制御装置6は、温度センサ28によって検出された温度に基づいて、前記フィーダモータ13、ミキサーモータ17、開閉弁用圧力シリンダ27、スクリュー用モータ35、オンオフ用電磁弁54、バイパス用電磁弁59およびポンプ用モータ58のそれぞれを独立して制御する。
図1および図5を参照して、より具体的には、制御装置6は、フィーダモータ13の駆動を制御することにより、フィーダ2からタンク15内への材料の供給のオン/オフ、および材料の供給量を制御する。また、制御装置6は、ミキサーモータ17をオン/オフすることにより、タンク15内の材料の造粒動作のオン/オフを制御する。また、制御装置6は、開閉弁用圧力シリンダ27の駆動を制御することにより、開閉弁25の開閉を制御する。また、制御装置6は、スクリュー用モータ35の駆動を制御することにより、搬送冷却装置4による材料の搬送のオン/オフ、および搬送速度を制御する。さらに、制御装置6は、オンオフ用電磁弁54、バイパス用電磁弁59およびポンプ用モータ58を制御することにより、タンク15内への水の噴霧のオン/オフ、および噴霧量を制御する。
【0046】
制御装置6は、フィーダ2からタンク15内へ供給される材料の量と、タンク15から排出される材料の量とがバランスするように(タンク15内での材料のマスフローがバランスよくなされるように)、フィーダモータ13および開閉弁用圧力シリンダ27の動作を制御する。
図6は、制御装置6による混合造粒の処理操作の手順を示すフロー図である。図6を参照して、制御装置6の制御による混合造粒処理について詳述する。
【0047】
混合造粒処理の開始時には、制御装置6の制御によって、まず、開閉弁用圧力シリンダ27が駆動されることにより、開閉弁25が閉じられる(S1)とともに、ミキサーモータ17がオンされる(S2)。これにより、ミキサー3においては、排出部21の排出口24が閉じられた状態で、回転羽根16が回転される。
次いで、フィーダ2からタンク15内に材料が所定量供給される(S3)。このときの材料の供給は、たとえば、フィーダモータ13を所定時間駆動することにより行われるか、または、所定量に計量された材料をホッパ7に投入しておき、このホッパ7が空になるまでフィーダモータ13を駆動することにより行われる。
【0048】
このとき、フィーダ2のホッパ7からトラフ8内に供給された材料は、フィーダモータ13の駆動に伴うフライト9の駆動により、トラフ8内を材料搬送方向Dに搬送され、その結果、トラフ8の排出口11から所定量の材料がタンク15内に供給される。タンク15内に投入された材料の温度は、回転羽根16の回転によるせん断熱などによって上昇する。フィーダ2から所定量の材料が供給された後、フィーダモータ13の駆動が一時的に停止される。
【0049】
所定量の材料がタンク15内に供給された後、回転羽根16の回転によりタンク15内の材料の温度Tが所定の温度T1に到達するまで待機する(S4:NO)。タンク15内の材料の温度Tが所定の温度T1未満である場合には、回転羽根16のせん断力を受けて破砕されることにより粉化した材料が、排出部21の排出口24に排出され易いので、開閉弁25が閉じられていることにより、この粉化した材料が排出口24に排出されてしまうことが防止されている。
【0050】
タンク15内の材料の温度Tが所定の温度T1以上になると(S4:YES)、開閉弁用圧力シリンダ27が駆動されることにより、開閉弁25が予め設定された開度まで開かれる(S5)。この所定の温度T1は、材料の造粒に必要な、後述する下限温度T4よりも高く設定されており(T4<T1)、材料の種類に応じて、たとえば、110℃〜120℃の範囲に設定されている。すなわち、タンク15内の材料の温度が所定の温度T1以上となっている場合には、タンク15内の材料の少なくとも一部が造粒された状態となっている。
【0051】
開閉弁25が開かれたことに続いてスクリュー用モータ35がオンされ(S6)、スクリュー38が回転を始める。タンク15内から、パンチング部材23の貫通孔26および排出口24を介して搬送冷却装置4の受入口40に導かれた材料は、胴部37内に至り、スクリュー38の回転により、胴部37内を材料搬送方向Dに案内される。このとき、胴部37に導かれた材料は、タンク15から排出された直後であることから、高温である。しかしながら、材料が胴部37内を搬送されている間、材料の熱が、胴部37に伝わり、さらに胴部37の外側に放出される。これにより、材料は胴部37内を移動している間に冷却(放熱)される。
【0052】
次いで、タンク15内の材料の温度Tが所定の温度T2以上になるまで待機し(S7:NO)、タンク15内の材料の温度Tが所定の温度T2以上になると(S7:YES)、フィーダモータ13がオンされる(S8)。これにより、フィーダ2からタンク15内に、材料が連続的に供給される。
前記所定の温度T2は、前記所定の温度T1よりも高く設定されている(T1<T2)。この所定の温度T2は、供給される材料の材質や含水率などに応じて適宜設定されるものである。なお、前記所定の温度T2を、前記所定の温度T1以上に設定してもよい(T1≦T2)。この所定の温度T2は、たとえば、120℃〜150℃の範囲に設定される。
【0053】
フィーダ2からタンク15内に常温且つ水分を含んだ材料が連続的に供給されることにより、タンク15内の温度は低下する。すなわち、材料が冷媒として作用し、タンク15内を冷却する効果が生じる。
フィーダ2からタンク15内に材料が供給されている間、タンク15内の材料は、回転羽根16の回転による加熱により凝縮化され、一定の粒径になっていき、造粒される。造粒された材料は、パンチング部材23などを介して排出口24に排出される。
【0054】
フィーダモータ13がオンにされ、フィーダ2からの材料の連続的な供給が開始された後、検出された温度が所定の下限値としての下限温度T4未満になっているか否かを判断する(S9)。この下限温度T4は、材料の造粒を行うことのできる下限の温度であり、材料の材質などに応じて適宜に設定される。下限温度T4は、たとえば、100℃〜110℃の範囲に設定される。
【0055】
タンク15内の材料の温度Tが下限温度T4以上である場合(S9:NO)には、検出された材料の温度Tが所定の上限値としての上限温度T3を超過しているか否かを判断する(S10)。この上限温度T3は、材料がタンク15内でリング状になって徘徊もしくは固着化することを防止できる上限の温度であり、材料の材質などに応じて適宜に設定される。この上限温度T3は、所定の温度T2よりも高く設定されるものであり(T3>T2)、たとえば、160℃〜180℃の範囲に設定される。
【0056】
タンク15内の材料の温度Tが上限温度T3以下である場合には(S10:NO)、材料の混合造粒操作を停止する停止信号が入力されているか否かを判断する(S11)。この停止信号は、たとえば、制御装置6に備えられる停止ボタン(図示せず)が操作されることにより入力される。
停止信号が入力されていない場合(S11:NO)には、フィーダモータ13がオンにされてフィーダ2から材料が連続的にタンク15内に供給された状態が維持され、これにより、タンク15内への材料の供給および材料の造粒が連続的に行われる。このとき、検出された温度Tが下限温度T4未満になっているか否かの判断(S9)と、検出された温度Tが上限温度T3を超過しているか否かの判断(S10)と、材料の混合造粒操作を停止する停止信号が入力されているか否かの判断(S11)とが繰り返し行われる。
【0057】
一方、S9において、検出されたタンク15内の材料の温度Tが下限温度T4未満である場合(S9:YES)、フィーダモータ13がオフされ(S12)、フィーダ2からタンク15内への材料の供給が停止される。次いで、開閉弁用圧力シリンダ27が駆動されることにより、開閉弁25が閉じられる(S13)。これにより、タンク15内の材料が排出されなくなる。この場合、タンク15内の材料は、回転羽根16の回転によって破砕され続けており、せん断熱が発生していることから、タンク15内の材料の温度Tが上昇する。
【0058】
開閉弁25が閉じられた後、タンク15内の材料の温度Tを判断する(S14)。タンク15内の材料の温度Tが十分に上昇しておらず、所定の温度T1未満の場合には(S14:NO)、タンク15内の材料の温度Tが所定の温度T1に到達するまで待機する。一方、タンク15内の材料の温度Tが所定の温度T1以上になった場合には(S14:YES)、開閉弁用圧力シリンダ27が駆動されることにより、開閉弁25が開かれる(S15)。これにより、タンク15内の材料の温度Tが十分に昇温されたことにより造粒された材料を、排出部21の排出口24に排出することができる。
【0059】
次いで、タンク15内の材料の温度Tが所定の温度T2以上になるまで待機し(S7:NO)、タンク15内の材料の温度Tが所定の温度T2以上になると(S7:YES)、フィーダモータ13がオンされる(S8)。これにより、フィーダ2からタンク15内に、材料が連続的に供給される。このように、開閉弁25が閉じられている時間は、下限温度T4付近に低下したタンク15内の材料の温度Tを、所定の温度T2まで昇温するわずかな時間で済み、タンク15内への材料の供給および材料の造粒は、実質的に連続的に行われる。
【0060】
一方、S10において、検出されたタンク15内の材料の温度Tが上限温度T3を超過している場合(S10:YES)、フィーダモータ13がオフされ(S16)、フィーダ2からタンク15内への材料の供給が停止される。
フィーダ2からタンク15内への材料の供給が停止された後、噴霧装置5のオンオフ用電磁弁54が開かれるとともに、バイパス用電磁弁55が閉じられることにより、水タンク53の水がノズル56からタンク15内に噴霧される(S17)。なお、タンク15内に噴霧を行っていない待機状態のときは、オンオフ用電磁弁54が閉じられているとともに、バイパス用電磁弁59が開かれた状態で、ポンプ用モータ58がオンにされている。
【0061】
このときの水噴霧は、たとえば、合計で100ml〜300mlの水が所定の時間の間に、断続的にノズル56から噴霧されることにより行われる。このときの所定の時間は、たとえば、10秒〜30秒の間に設定される。また、水の断続的な噴霧は、オンオフ用電磁弁54の開およびバイパス用電磁弁59の閉と、オンオフ用電磁弁54の閉およびバイパス用電磁弁59の開とが、交互に行われることにより達成される。このように水噴霧が行われることにより、タンク15内の材料が冷却され、その結果、材料が過熱してタンク15内でリング状になって徘徊すること、もしくは固着化が防止できる。また、タンク15内の材料の造粒が促進される。
【0062】
次いで、水噴霧が行われてから、予め定められた時間の径過後、タンク15内の材料の温度Tが判断される(S18)。タンク15内の材料の温度Tが、いまだ所定の温度T3を超過しており(S18:NO)、タンク15内の材料の冷却が十分でない場合には、再び水噴射を行い(S18)、タンク15内の材料を冷却する。タンク15内の材料の温度が上限温度T3以下になるまで、S17とS18とを繰り返す。
【0063】
一方、タンク15内の材料の温度Tが所定の温度T3以下になっており(S18:YES)、タンク15内の材料が十分に冷却された場合には、タンク15内の材料の温度Tが判断される(S7)。水噴霧によってタンク15内の材料の温度Tが所定の温度T2未満となっている場合には(S7:NO)、回転羽根16の回転によってタンク15内の材料の温度Tが所定の温度T2以上に昇温されるのを待つ。
【0064】
一方、タンク15内の材料の温度Tが所定の温度T2以上となっている場合(S7:YES)には、再びフィーダモータ13がオンされる(S8)。これにより、フィーダ2からタンク15内に、材料が連続的に供給される。このように、開閉弁25が閉じられている時間は、タンク15内の材料の温度Tを、所定の温度T3以下まで降下するわずかな時間で済み、タンク15内への材料の供給および材料の造粒は、実質的に連続的に行われる。
【0065】
また、検出されたタンク15内の材料の温度Tが、下限温度T4以上(S9:NO)且つ上限温度T3以下(S10:NO)である場合に、停止信号が入力されると(S11:YES)、まず、フィーダモータ13がオフされ(S19)、フィーダ2からタンク15内への材料の供給が停止される。次いで、所定時間待機(S20)した後に、ミキサーモータ17がオフされ(S21)、タンク15内の材料の造粒動作が停止される。ミキサーモータ17がオフされてから所定時間待機(S22)した後に、スクリュー用モータ35がオフされる(S23)。これにより、タンク15内から排出された材料が、搬送冷却装置4の胴部37内に残留される量を少なくしつつ、混合造粒装置1の混合造粒動作が停止される。
【0066】
以上説明したように、本実施形態によれば、材料の造粒動作を実質的に連続して行うことができる。具体的には、温度センサ28によって検出されたタンク15内の材料の温度Tが上限温度T3と下限温度T4との間にあり、材料の造粒に適した温度である場合には、材料をフィーダ2からタンク15に供給するとともに、開閉弁25を開いておくことにより、材料を連続的に造粒してタンク15から排出することができる。
【0067】
また、温度センサ28によって検出された温度Tが下限温度T4未満となり、タンク15内の材料の温度Tが造粒に必要な温度を下回った場合には、タンク15内の材料の温度Tに比べて低温(常温)のフィーダ2からの材料の供給を停止させることにより、タンク15内の材料温度低下を防ぐ。さらに、開閉弁25を閉じることにより、せん断熱を帯びたタンク15内の材料の排出を防いだ状態で、回転羽根16の回転によってタンク15内の材料の温度Tを迅速に上昇できる。これにより、タンク15内の材料の温度Tを造粒に適した値に迅速に回復でき、造粒ができない時間を可及的に短くできる。
【0068】
さらに、温度センサ28によって検出された温度Tが上限温度T3を超過し、タンク15内の材料の温度Tが高すぎることから造粒に不適である場合には、噴霧装置5に冷媒を供給させることで、タンク15内の材料の温度Tを迅速に低下することができる。これにより、タンク15内の材料の温度Tを造粒に適した値に迅速に回復でき、タンク15内の材料の過溶融による過大な大きさの造粒品の発生と、タンク15内部に材料が過溶融して固着化することの双方を防止できる。
【0069】
このようにして、タンク15内の材料の温度Tが、材料の造粒に適した下限温度T4未満の場合と、上限温度T3を超過した場合の双方において、造粒ができない時間を可及的に短くできることと、材料の過溶融を防止することができることから、材料の造粒を実質的に連続して行うことができる。
材料の造粒動作を実質的に連続して行うことができるので、造粒の効率を高めることができる。また、材料の造粒を実質的に連続して行うことができることにより、フィーダ2による単位時間当たりの材料の供給量を少なくできることから、フィーダ2を小型化でき、混合造粒装置1を小型化できる。
【0070】
また、一度に大量の材料をタンク15から排出する必要がないことから、搬送冷却装置4の単位時間当たりの許容搬送量や、貯留タンク15の許容貯蔵量を少なくできる。その結果、混合造粒装置1全体としての更なる小型化を達成できる。
また、タンク15から排出された高温の材料を、搬送冷却装置4によって搬送しながら冷却していることにより、タンク15から排出された高温の材料が凝縮化することを防止しながら搬送することができる。また、造粒された材料が高温のまま貯留されると、ブリッジが生じ易いことから、ブリッジ破壊装置を設ける必要があるが、本実施形態によれば、材料を冷却した後に貯蔵することができるので、ブリッジの発生を防止でき、ブリッジ破壊装置が不要である。したがって、混合造粒装置1の更なる小型化とコストの低減を実現できる。
【0071】
また、従来から、連続式造粒装置としてペレットミルなどの圧搾造粒装置が知られているが、材料の材質が安定していないと、圧搾のためのリング孔が詰まり易いことから、連続造粒をし難く、また、含水率が多いと造粒に至らないため、所望の造粒態様を達成できないおそれがある。特に、容器包装リサイクル法に基づいて回収されたプラスチック系の容器の場合、前記したように、含水率が多く、圧搾造粒の運転の調整を常に行う必要があり、効率が悪くなり易い。
【0072】
これに対し、本実施形態によれば、バッチ式の造粒装置として用いられていたのと同様の構成を有するミキサー3を用いて造粒を行うようにしており、圧搾動作を採用していないことから、造粒操作を安定して継続し易く、効率がよい。
また、2つの場合、すなわち、混合造粒装置1による混合造粒処理が開始される場合と、タンク15内の材料の温度Tが下限温度T4未満になった後に、所定の温度T2にまで昇温されることにより、フィーダモータ13が再びオンにされる場合のそれぞれにおいて、タンク15内の材料の温度上昇に伴い、相対的に低い所定の温度T1以上になったときに開閉弁25が相対的に早く開き、相対的に高い所定の温度T2以上になったときにフィーダ2による材料の供給が相対的に遅く開始される。これにより、タンク15内で造粒された材料の排出の開始後に、タンク15内への材料の供給を開始することができ、タンク15内で材料が溢れてしまうことを防止できる。
【0073】
さらに、噴霧装置5を用いてタンク15内に水を噴霧することにより、タンク15内の材料温度Tを短時間で上限値T3と下限値T4の間の範囲にすることができ、材料の過溶融による過大な大きさの造粒品の発生と、タンク15内部へ材料が過溶融して固着化することの双方を防止できる。
また、噴霧機構5は、所定時間の間に断続的に水を噴霧するようにしている。これにより、タンク15内の材料が必要以上に急激に冷却されることを防止でき、材料温度Tの急速な低下による下限値T4未満への低下を抑制できる。
【0074】
さらに、タンク15にパンチング部材23を設けることにより、タンク15内の材料のうち、粒径が所定の範囲内に造粒された材料が排出口24に排出されることを許容している。これにより、粒径が過大な造粒品が排出されることを防止できる。
また、開閉弁25は、開閉弁用圧力シリンダ27によって、全開と全閉の間の任意の開度を維持することが可能である。これにより、開閉弁25の開度を任意に設定することができる。その結果、排出口24から熱を帯びた材料が過剰に排出されることを防止でき、タンク15内の材料の温度Tが下限値T4未満に低下することを抑制できる。
【0075】
本発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の混合造粒装置の一実施形態を模式的に示す斜視図である。
【図2】図1のミキサーの要部の縦断面図である。
【図3】図2のミキサーの横断面図である。
【図4】(a)は、搬送冷却装置の平面図であり、(b)は、搬送冷却装置の一部破断側面図である。
【図5】混合造粒装置の制御に関する構成を示すブロック図である。
【図6】制御装置による混合造粒の処理操作の手順を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0077】
1 混合造粒装置
2 フィーダ
3 ミキサー
4 搬送冷却装置(冷却手段)
5 噴霧装置(冷媒供給手段、噴霧機構)
6 制御装置(制御手段)
15 タンク
16 回転羽根
23 パンチング部材(多孔板)
24 (ミキサーの)排出口
25 開閉弁
28 温度センサ(温度検出手段)
H 水平方向
T (タンク内の)温度
T1 所定の温度(開閉弁を開く温度)
T2 所定の温度(フィーダによる材料の供給を開始する温度)
T3 上限温度(所定の上限値)
T4 下限温度(所定の下限値)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンク、前記タンク内に配置され水平方向に延びる回転羽根、および前記回転羽根の回転によって造粒された前記タンク内の材料を排出するための排出口を含むミキサーと、
前記タンク内に材料を供給するためのフィーダと、
前記排出口を開閉するための開閉弁と、
前記タンク内に冷媒を供給するための冷媒供給手段と、
前記タンク内の材料の温度を検出する温度検出手段と、
前記温度検出手段により検出された温度に基づいて、前記フィーダ、前記開閉弁および前記冷媒供給手段を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、検出された温度が所定の下限値未満の場合には、前記フィーダからの前記材料の供給を停止させるとともに前記開閉弁を閉じ、検出された温度が所定の上限値を超過する場合には、前記フィーダからの前記材料の供給を停止させ、前記冷媒供給手段に前記冷媒を供給させ、検出された温度が前記上限値と前記下限値との間の場合において、前記開閉弁を開き、前記フィーダからの前記材料の供給を開始させることを特徴とする、混合造粒装置。
【請求項2】
検出された温度が前記下限値と前記上限値との間の場合において、前記フィーダによる前記材料の供給を開始する温度が、前記開閉弁を開く温度よりも高いことを特徴とする、請求項1に記載の混合造粒装置。
【請求項3】
前記排出口から排出された前記材料を搬送しながら冷却する冷却手段を備えていることを特徴とする、請求項1または2に記載の混合造粒装置。
【請求項4】
前記冷媒供給手段は、前記冷媒を噴霧する噴霧機構を含んでいることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の混合造粒装置。
【請求項5】
前記噴霧機構は、所定時間の間に断続的に前記冷媒を噴霧することを特徴とする、請求項4に記載の混合造粒装置。
【請求項6】
前記タンクは、前記タンク内の材料のうち、粒径が所定以下に造粒された前記材料が前記排出口に排出されることを許容する多孔板を備えていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の混合造粒装置。
【請求項7】
前記開閉弁は、全開と全閉の間の任意の開度を維持することが可能であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の混合造粒装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−137123(P2009−137123A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−314910(P2007−314910)
【出願日】平成19年12月5日(2007.12.5)
【出願人】(000129183)株式会社カワタ (120)
【Fターム(参考)】