測位システム、端末装置、端末装置の制御方法、端末装置の制御プログラム、端末装置の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体
【課題】通信基地局の大幅なシステム変更を必要とすることなく、通信基地局からの通信電波を使用する測位を可能にすることができる基地局間非同期方式の通信網における測位システム等を提供すること。
【解決手段】通信基地局20A等は、複数のフレームが乗せられた通信電波CS1等を送信する通信電波送信手段を有し、情報提供装置40は、送信衛星時刻情報生成手段と、周波数偏移情報生成手段等を有し、放送装置60は、時刻情報を放送する時刻情報放送手段等を有し、端末装置80は、端末側時刻情報受信手段と、通信基地局20A等から通信電波CS1等を受信する端末側通信電波受信手段と、端末側受信時刻情報生成手段と、3個以上の通信基地局20A等の基地局位置情報、送信時刻情報、送信衛星時刻情報、周波数偏移情報及び端末側受信時刻情報に基づいて、端末装置80の位置を測位する通信電波測位手段と、を有する。
【解決手段】通信基地局20A等は、複数のフレームが乗せられた通信電波CS1等を送信する通信電波送信手段を有し、情報提供装置40は、送信衛星時刻情報生成手段と、周波数偏移情報生成手段等を有し、放送装置60は、時刻情報を放送する時刻情報放送手段等を有し、端末装置80は、端末側時刻情報受信手段と、通信基地局20A等から通信電波CS1等を受信する端末側通信電波受信手段と、端末側受信時刻情報生成手段と、3個以上の通信基地局20A等の基地局位置情報、送信時刻情報、送信衛星時刻情報、周波数偏移情報及び端末側受信時刻情報に基づいて、端末装置80の位置を測位する通信電波測位手段と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信基地局間において同一のクロックなどの共通の基準タイミングを持たない基地局間非同期方式の通信網における測位システム、端末装置、端末装置の制御方法、端末装置の制御プログラム、端末装置の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、CDMA(Code Devision Multiple Access)方式のいわゆるデジタル移動通信システムにおいて、複数の基地局間における時刻同期を確保する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。このような技術によって、複数の基地局間において時刻同期がとられている場合には、複数の基地局と移動無線端末装置間での受信信号の到達時間差により位置を検出することができる(例えば、特開平7−181242号公報)。
【特許文献1】特表2003―509953号公報(図1等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、全国に多数存在する基地局間において時刻同期をとるためのシステムの構築のためには、経済的負担が大きいという問題がある。
【0004】
そこで、本発明は、通信基地局の大幅なシステム変更を必要とすることなく、通信基地局からの通信電波を使用する測位を可能にすることができる基地局間非同期方式の通信網における測位システム、端末装置、端末装置の制御方法、端末装置の制御プログラム、端末装置の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的は、第1の発明によれば、固定位置に位置する複数の通信基地局と、前記通信基地局と通信可能な情報提供装置と、前記情報提供装置と通信可能な放送装置と、前記放送装置から放送電波を受信可能な端末装置と、を有する通信基地局間非同期の測位システムであって、前記通信基地局は、送信時刻を示す送信時刻情報を含むフレームを通信電波によって送信するフレーム送信手段を有し、前記情報提供装置は、測位衛星からの衛星電波に基づいて、前記測位衛星の時刻である衛星時刻を示す衛星時刻情報を生成する衛星時刻情報生成手段と、前記通信基地局から前記フレームを受信するフレーム受信手段と、前記フレームを受信した前記衛星時刻と、前記通信基地局の前記固定位置を示す基地局位置情報及び前記情報提供装置の位置を示す情報提供装置位置情報に基づいて、前記通信基地局から前記フレームが送信された前記衛星時刻を示す送信衛星時刻情報を生成する送信衛星時刻情報生成手段と、前記通信基地局が計測する前記送信時刻の基礎となる基礎周波数と、前記基礎周波数と前記通信電波の基準周波数との関係を示す情報と、前記通信電波の受信周波数とに基づいて、前記基礎周波数の偏移を示す周波数偏移情報を生成する周波数偏移情報生成手段と、前記放送装置に対して、前記送信衛星時刻情報及び前記周波数偏移情報を含む時刻情報を送信する時刻情報送信手段と、を有し、前記放送装置は、前記情報提供装置から前記時刻情報を受信する時刻情報受信手段と、前記時刻情報を放送する時刻情報放送手段と、を有し、前記端末装置は、前記測位衛星からの前記衛星電波に基づいて、前記衛星時刻を示す端末側衛星時刻情報を生成する端末側衛星時刻情報生成手段と、前記放送装置から前記時刻情報を受信する端末側時刻情報受信手段と、前記通信基地局から前記フレームを受信する端末側フレーム受信手段と、前記フレームを受信した前記衛星時刻を示す端末側受信衛星時刻情報を生成する端末側受信衛星時刻情報生成手段と、3個以上の前記通信基地局の前記基地局位置情報、前記送信時刻情報、前記送信衛星時刻情報、前記周波数偏移情報及び前記端末側受信衛星時刻情報に基づいて、前記端末装置の位置を測位する通信電波測位手段と、を有することを特徴とする通信基地局間非同期の測位システムにより達成される。
【0006】
第1の発明の構成によれば、前記情報提供装置は、前記衛星時刻情報生成手段によって、前記衛星時刻情報を生成することができる。複数の前記衛星電波に基づいて、現在位置の測位を行い、その結果として測位位置情報とともに正確な前記衛星時刻を取得することができる。
また、前記情報提供装置は、前記送信衛星時刻情報生成手段を有するから、前記送信衛星時刻情報を生成することができ、前記周波数偏移情報生成手段を有するから、前記周波数偏移情報を生成することができる。
前記周波数偏移情報は前記基礎周波数の偏移を示す情報である。また、前記基礎周波数は、前記通信基地局が計測する前記送信時刻の基礎となる情報である。このため、前記周波数偏移情報は前記送信時刻のずれを算出するための情報として使用することができる。すなわち、前記送信時刻情報と同様に、前記周波数偏移情報も前記通信基地局の時刻に関する情報である。
そして、前記情報提供装置は、前記時刻情報送信手段を有するから、前記放送装置に対して、前記送信衛星時刻情報及び前記周波数偏移情報を含む時刻情報を送信することができる。
【0007】
そして、前記放送装置は、前記時刻情報受信手段を有するから、前記情報提供装置から前記時刻情報を受信することができ、前記時刻情報放送手段を有するから、前記時刻情報を放送することができる。
【0008】
そして、前記端末装置は、前記端末側時刻情報受信手段を有するから、前記放送装置が放送した前記時刻情報を受信することができる。
また、前記端末装置は、前記端末側フレーム受信手段を有するから、前記通信基地局から前記フレームを受信することができる。
そして、前記端末装置は、前記端末側受信衛星時刻情報生成手段を有するから、前記端末側受信衛星時刻情報を生成することができる。
さらに、前記端末装置は、前記通信電波測位手段を有するから、3個以上の前記通信基地局についての前記基地局位置情報、前記送信時刻情報、前記送信衛星時刻情報、前記周波数偏移情報及び前記端末側受信時刻情報に基づいて、各前記通信基地局から前記通信電波が前記端末装置に到達するまでの伝搬時間を正確に算出することができるから、前記端末装置に位置の測位が可能である。
【0009】
上述のように、前記通信基地局は、前記送信時刻を前記衛星時刻に同期させるのではなくて、前記送信時刻情報を含むフレームを送信するだけであるから、その構成は簡易であり、前記通信基地局の大幅なシステム変更を必要としない。
これにより、通信基地局の大幅なシステム変更を必要とすることなく、通信基地局からの通信電波を使用する測位を可能にすることができる。
【0010】
前記目的は、第2の発明によれば、情報提供装置と通信可能な放送装置から放送を受信可能な端末装置であって、測位衛星からの衛星電波に基づいて、前記測位衛星の時刻である衛星時刻を示す端末側衛星時刻情報を生成する端末側衛星時刻情報生成手段と、前記通信基地局から前記情報提供装置が前記フレームを受信した前記衛星時刻と、前記放送装置と通信可能な前記通信基地局の固定位置を示す基地局位置情報及び前記情報提供装置の位置を示す情報提供装置位置情報とに基づいて生成された、前記通信基地局から前記フレームが送信された前記衛星時刻を示す送信衛星時刻情報、及び、前記通信基地局が生成する前記送信時刻の基礎となる基礎周波数と、前記基礎周波数と前記通信電波の基準周波数との関係を示す情報と、前記通信電波の受信周波数とに基づいて生成された前記基礎周波数の偏移を示す周波数偏移情報と、を含む時刻情報を受信する端末側時刻情報受信手段と、
前記通信基地局から前記フレームを受信する端末側フレーム受信手段と、前記フレームを受信した前記衛星時刻を示す端末側受信衛星時刻情報を生成する端末側受信衛星時刻情報生成手段と、3個以上の前記通信基地局の前記基地局位置情報、前記送信時刻情報、前記送信衛星時刻情報、前記周波数偏移情報及び前記端末側受信衛星時刻情報に基づいて、前記端末装置の位置を測位する通信電波測位手段と、を有することを特徴とする端末装置によって達成される。
【0011】
第2の発明の構成によれば、第1の発明の構成と同様に、通信基地局の大幅なシステム変更を必要とすることなく、通信基地局からの通信電波を使用する測位を可能にすることができる。
【0012】
第3の発明は、第2の発明の構成において、前記衛星電波に基づいて、前記端末装置の位置を測位する衛星電波測位手段と、前記衛星電波、前記通信基地局の前記基地局位置情報、前記送信時刻情報、前記送信衛星時刻情報、前記周波数偏移情報及び前記端末側受信衛星時刻情報に基づいて、前記端末装置の位置を測位する複合測位手段と、を有することを特徴とする端末装置である。
【0013】
0個乃至2個の前記通信基地局からしか前記通信電波を受信することができない場合には、前記通信電波測位手段による測位をすることはできない。
この点、前記端末装置は、前記衛星電波測位手段及び前記複合測位手段を有するから、0個乃至2個の前記通信基地局からしか前記通信電波を受信することができない場合には、前記通信電波と前記衛星電波に基づいて、あるいは、複数の前記測位衛星からの前記衛星電波のみに基づいて、測位をすることができる。
このため、前記端末装置は、3個以上の前記通信基地局からの前記通信電波を受信できない場合であっても測位することができる。
これにより、第3の発明の構成によれば、通信基地局の大幅なシステム変更を必要とすることなく、3個以上の通信基地局からの通信電波を受信できない場合であっても測位することができる。
【0014】
第4の発明は、第3の発明の構成において、前記端末側時刻情報受信は、前記放送電波測位手段、前記衛星電波測位手段又は前記複合測位手段による測位に先立って、前記放送装置から前記時刻情報を受信する構成となっていることを特徴とする端末装置である。
【0015】
前記送信時刻情報と前記送信衛星時刻情報とから前記通信基地局の時刻と前記衛星時刻との時刻差を知ることができ、この時刻差は、一定期間は大きく変動しない。また、前記周波数偏移情報に示される前記基準周波数と前記受信周波数のずれも、一定期間は大きく変動しない。
このため、一度、前記放送装置から前記送信時刻情報等を取得しておけば、一定期間は、その後の前記通信電波測位手段による測位に使用することができる。
この点、第4の発明の構成によれば、前記端末側時刻情報受信手段は、前記通信電波測位手段等による測位に先立って、前記時刻情報を受信する構成となっているから、測位時に、前記送信時刻情報、前記送信衛星時刻情報及び、前記周波数偏移情報を取得する必要がない。この結果、測位に必要な時間を短縮することができる。
【0016】
第5の発明は、第3の発明の構成において、前記端末側時刻情報受信手段は、前記送信時刻情報と前記送信衛星時刻情報及び/又は前記周波数偏移情報の有効期間に基づいて規定される間隔時間ごとに、前記放送装置から前記時刻情報を受信する構成となっていることを特徴とする端末装置である。
【0017】
第5の発明の構成によれば、前記端末側時刻情報受信手段は、前記送信時刻情報と前記送信衛星時刻情報及び/又は前記周波数偏移情報の有効期間に基づいて規定される間隔時間ごとに、前記放送装置から前記時刻情報を受信する構成となっているから、測位時に、前記送信時刻情報、前記送信衛星時刻情報及び、前記周波数偏移情報を取得する必要がない。この結果、測位に必要な時間を短縮することができる。
【0018】
前記目的は、第6の発明によれば、情報提供装置と通信可能な放送装置から放送を受信可能な端末装置が、測位衛星からの衛星電波に基づいて、前記測位衛星の時刻である衛星時刻を示す端末側衛星時刻情報を生成する端末側衛星時刻情報生成ステップと、前記端末装置が、前記通信基地局から前記情報提供装置が前記フレームを受信した前記衛星時刻と、前記放送装置と通信可能な前記通信基地局の固定位置を示す基地局位置情報及び前記情報提供装置の位置を示す情報提供装置位置情報とに基づいて生成された、前記通信基地局から前記フレームが送信された前記衛星時刻を示す送信衛星時刻情報、及び、前記通信基地局が生成する前記送信時刻の基礎となる基礎周波数と、前記基礎周波数と前記通信電波の基準周波数との関係を示す情報と、前記通信電波の受信周波数とに基づいて生成された前記基礎周波数の偏移を示す周波数偏移情報と、を含む時刻情報を受信する端末側時刻情報受信ステップと、前記端末装置が、前記通信基地局から前記フレームを受信する端末側フレーム受信ステップと、前記端末装置が、前記フレームを受信した前記衛星時刻を示す端末側受信衛星時刻情報を生成する端末側受信衛星時刻情報生成ステップと、前記端末装置が、3個以上の前記通信基地局の前記基地局位置情報、前記送信時刻情報、前記送信衛星時刻情報、前記周波数偏移情報及び前記端末側受信衛星時刻情報に基づいて、前記端末装置の位置を測位する通信電波測位ステップと、を有することを特徴とする端末装置の制御方法によって達成される。
【0019】
第6の発明の構成によれば、第2の発明の構成と同様に、通信基地局の大幅なシステム変更を必要とすることなく、通信基地局からの通信電波を使用する測位を可能にすることができる。
【0020】
前記目的は、第7の発明によれば、コンピュータに、情報提供装置と通信可能な放送装置から放送を受信可能な端末装置が、測位衛星からの衛星電波に基づいて、前記測位衛星の時刻である衛星時刻を示す端末側衛星時刻情報を生成する端末側衛星時刻情報生成ステップと、前記端末装置が、前記通信基地局から前記情報提供装置が前記フレームを受信した前記衛星時刻と、前記放送装置と通信可能な前記通信基地局の固定位置を示す基地局位置情報及び前記情報提供装置の位置を示す情報提供装置位置情報とに基づいて生成された、前記通信基地局から前記フレームが送信された前記衛星時刻を示す送信衛星時刻情報、及び、前記通信基地局が生成する前記送信時刻の基礎となる基礎周波数と、前記基礎周波数と前記通信電波の基準周波数との関係を示す情報と、前記通信電波の受信周波数とに基づいて生成された前記基礎周波数の偏移を示す周波数偏移情報と、を含む時刻情報を受信する端末側時刻情報受信ステップと、前記端末装置が、前記通信基地局から前記フレームを受信する端末側フレーム受信ステップと、前記端末装置が、前記フレームを受信した前記衛星時刻を示す端末側受信衛星時刻情報を生成する端末側受信衛星時刻情報生成ステップと、前記端末装置が、3個以上の前記通信基地局の前記基地局位置情報、前記送信時刻情報、前記送信衛星時刻情報、前記周波数偏移情報及び前記端末側受信衛星時刻情報に基づいて、前記端末装置の位置を測位する通信電波測位ステップと、を実行させることを特徴とする端末装置の制御プログラムによって達成される。
【0021】
前記目的は、第8の発明によれば、コンピュータに、情報提供装置と通信可能な放送装置から放送を受信可能な端末装置が、測位衛星からの衛星電波に基づいて、前記測位衛星の時刻である衛星時刻を示す端末側衛星時刻情報を生成する端末側衛星時刻情報生成ステップと、前記端末装置が、前記通信基地局から前記情報提供装置が前記フレームを受信した前記衛星時刻と、前記放送装置と通信可能な前記通信基地局の固定位置を示す基地局位置情報及び前記情報提供装置の位置を示す情報提供装置位置情報とに基づいて生成された、前記通信基地局から前記フレームが送信された前記衛星時刻を示す送信衛星時刻情報、及び、前記通信基地局が生成する前記送信時刻の基礎となる基礎周波数と、前記基礎周波数と前記通信電波の基準周波数との関係を示す情報と、前記通信電波の受信周波数とに基づいて生成された前記基礎周波数の偏移を示す周波数偏移情報と、を含む時刻情報を受信する端末側時刻情報受信ステップと、前記端末装置が、前記通信基地局から前記フレームを受信する端末側フレーム受信ステップと、前記端末装置が、前記フレームを受信した前記衛星時刻を示す端末側受信衛星時刻情報を生成する端末側受信衛星時刻情報生成ステップと、前記端末装置が、3個以上の前記通信基地局の前記基地局位置情報、前記送信時刻情報、前記送信衛星時刻情報、前記周波数偏移情報及び前記端末側受信衛星時刻情報に基づいて、前記端末装置の位置を測位する通信電波測位ステップと、を実行させることを特徴とする端末装置の制御プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体によって達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、この発明の好適な実施の形態を添付図面等を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0023】
図1は、本発明の実施の形態に係る測位システム10等を示す概略図である。
図1に示すように、測位システム10は、固定位置に位置する通信基地局20A,20B及び20C(以下、それぞれ、基地局20A,20B,20Cと呼ぶ)を有する。この基地局20A等は、複数の通信基地局の一例である。基地局20Aは通信電波CS1を,基地局20Bは通信電波CS2を,基地局20Cは通信電波CS3を送信することができる。
【0024】
測位システム10は、また、基地局20A等と通信可能な時刻情報提供装置40(以下、提供装置40と呼ぶ)を有する、この提供装置40は、情報提供装置の一例である。提供装置40は、GPS装置50を有し、GPS受信アンテナ50aによって、測位衛星である例えば、GPS衛星12a,12b,12c及び12dからの衛星電波である例えば、衛星電波S1,S2,S3及びS4を受信することができる。提供装置40は、また、通信装置52を有し、通信アンテナ52aによって基地局20A等からの通信電波CS1等を受信することができ、また、後述のラジオ放送局60に通信電波GSを送信することができる。
【0025】
測位システム10は、また、提供装置40と通信可能なラジオ放送局60(以下、放送局60と呼ぶ)を有する。放送局60は、放送装置の一例である。放送局60は、放送局側通信装置70によって、提供装置40から通信電波GSを受信することができる。放送局60は、放送装置72によって、放送電波BSを送信することができる。
測位システム10は、また、端末80を有する。この端末80は、端末装置の一例である。端末80は、端末側GPS装置90によって、GPS衛星12a等から衛星電波S1等を受信することができる。端末80は、また、放送受信装置92によって、放送局60から放送電波BSを受信可能になっている。端末80は、また、端末側通信装置94によって、基地局20A等から通信電波CS1等を受信することができる。
【0026】
提供装置40及び端末80は例えば、携帯電話機、PHS(Personal Handy−phone System)、PDA(Personal Digital Assistance)等であるが、これらに限らない。また、提供装置40は、移動可能ではなくて、固定位置に位置してもよい。
【0027】
なお、本実施の形態とは異なり、GPS衛星12a等は3個でもよいし、5個以上でもよい。また、本実施の形態とは異なり、基地局20A等は5個以上でもよく、端末80は2個以上でもよい。
なお、本実施の形態とは異なり、GPS衛星12a等の替わりに、準天頂衛星を使用してもよい。準天頂衛星は、複数の準天頂衛星のうち少なくとも1個が日本では高仰角である例えば、仰角70度以上となる軌道で運用されるシステムにおける人口衛星である。詳細には、準天頂衛星は、例えば、高度36,000キロメートル(km)の円軌道を赤道から約45度傾けた軌道に置く衛星システムであって、少なくとも3個の準天頂衛星を同期して配置することにより、常に1個の準天頂衛星が日本の天頂付近に滞留するようになっている。このように、準天頂衛星は仰角が高いから、準天頂衛星から受信する電波は、GPS衛星12a等からの衛星電波S1等よりも、マルチパスの影響を受けにくいという利点がある。
【0028】
(基地局20Aの主なハードウエア構成について)
図2は基地局20Aの主なハードウエア構成を示す概略図である。
なお、基地局20B及び20Cの主なハードウエア構成は、基地局20Aと同様であるので、説明を省略する。
図2に示すように、基地局20Aは、コンピュータを有しており、コンピュータは、バス22を有する。
このバス22には、CPU(Central Processing Unit)24、記憶装置26、外部記憶装置28等が接続されている。記憶装置26は例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等である。外部記憶装置28は例えば、HD(Hard Disk)である。
【0029】
また、このバス22には、各種情報等を入力するための入力装置30、基地局通信装置32が接続されている。基地局通信装置32は、通信電波CS1を送信するための構成である。
また、このバス22には、各種情報等を表示するための表示装置34、基地局時計36が接続されている。基地局時計36は、他の基地局20B等の基地局時計36と同期しておらず、GPS衛星12a等の時刻(以後、GPS時刻と呼ぶ)とも同期していない。
すなわち、基地局20A乃至20Cにおいては、時刻同期がとられていない。
【0030】
(提供装置40の主なハードウエア構成について)
図3は提供装置40の主なハードウエア構成を示す概略図である。
図3に示すように、提供装置40は、コンピュータを有しており、コンピュータは、バス42を有する。
このバス42には、CPU44、記憶装置46、入力装置48、GPS装置50、通信装置52、表示装置54及び時計56が接続されている。時計56の時刻は、GPS時刻と差がない状態に維持されている。
【0031】
(放送局60の主なハードウエア構成について)
図4は、放送局60の主なハードウエア構成を示す概略図である。
図4に示すように、放送局60は、コンピュータを有しており、コンピュータは、バス62を有する。
このバス62には、CPU64、記憶装置66、入力装置68、放送局側通信装置70、放送装置72及び表示装置74が接続されている。
【0032】
(端末80の主なハードウエア構成について)
図5は、端末80の主なハードウエア構成を示す概略図である。
図5に示すように、端末80は、コンピュータを有しており、コンピュータは、バス82を有する。
このバス82には、CPU84、記憶装置86、入力装置88、端末GPS装置90、放送受信装置92、端末側通信装置94、表示装置96及び端末時計98が接続されて。端末時計98が計測する時刻は、GPS時刻と差がない状態に維持することができる。
【0033】
(基地局20Aの主なソフトウエア構成について)
図6は、基地局20Aの主なソフトウエア構成を示す概略図である。
なお、基地局20B及び20Cの主なソフトウエア構成は、基地局20Aと同様なので、説明を省略する。
図6に示すように、基地局20Aは、各部を制御する基地局制御部100、図2の基地局通信装置装置32に対応する基地局通信部102等を有する。この基地局通信部102は、通信電波CS1を送信する通信電波送信手段の一例である。
基地局20Aは、また、図2の基地局時計36に対応する基地局計時部104、各種プログラムを格納する基地局第1記憶部110、各種情報を格納する基地局第2記憶部150を有する。
【0034】
図6に示すように、基地局20Aは、基地局第2記憶部150に、基地局ID−1を示す基地局識別情報151を格納している。基地局識別情報151は、基地局20Aを他の基地局20Bと識別するための情報であり、基地局ID−1は例えば、4桁の番号である。
図6に示すように、基地局20Aは、基地局第2記憶部150に、基地局位置情報152を格納している。基地局位置情報152は、基地局20Aの位置Pを示す情報であり、例えば、基地局20Aの位置Pが緯度、経度及び高度によって示されている。基地局位置情報152は、基地局位置情報の一例である。
【0035】
図6に示すように、基地局20Aは、基地局第1記憶部110に、送信フレーム生成プログラム112を格納している。送信フレーム生成プログラム112は、基地局制御部100が、基地局位置情報152及び送信時刻情報156を含む送信フレーム154を生成するためのプログラムである。
基地局20Aは、基地局計時部104によって、通信電波CS1の送信時刻t1等を示す送信時刻情報156を生成する。基地局制御部100は、送信時刻情報156を基地局第2記憶部150に格納する。
【0036】
図7は、基地局通信部102が通信電波CS1によって送信する送信フレーム154の一例等を示す概略図である。
図7に示すように、送信フレーム154は、複数のフレームF1等から構成される。
各フレームF1乃至F3は、通信網(図示せず)を使って通信する情報の単位である。すなわち、基地局20Aは、フレームF1等を単位として、情報を送信するようになっている。
各フレームF1等には、例えば、フレーム番号である例えば、F1等、送信時刻情報156に示される送信時刻t1等、基地局識別情報151に示される基地局ID−1、基地局位置情報152に示される位置Pが含まれている。送信時刻t1等を、タイムタグとも呼ぶ。
基地局20Aは、基地局通信部102によって、各フレームF1等及びタイミング信号TS1を乗せた通信電波CS1を継続的に送信している。
【0037】
(提供装置40の主なソフトウエア構成について)
図8は、提供装置40の主なソフトウエア構成を示す概略図である。
図9は、ドリフト情報262の生成方法の一例の説明図である。
図10は、時刻情報258の構造の一例を示す図である。
図8に示すように、提供装置40は、各部を制御する制御部200、図3のGPS装置50に対応するGPS部202、図3の通信装置52に対応する通信部204、図3の時計56に対応する計時部206、各種プログラムを格納する第1記憶部210、各種情報を格納する第2記憶部250を有する。
【0038】
図8に示すように、提供装置40は、第2記憶部250に、提供装置位置情報251を格納している。提供装置位置情報251は、提供装置40の位置Qを例えば、緯度、経度及び高度によって示す情報である。提供装置位置情報251は、情報提供装置位置情報の一例である。
【0039】
図8に示すように、提供装置40は、第2記憶部250に、衛星軌道情報252を格納している。衛星軌道情報252は、すべてのGPS衛星12a等(図1参照)の概略の軌道を示すアルマナック(Almanac)252a及び、各GPS衛星12a等の精密な軌道を示すエフェメリス(Ephemeris)252bを含む。
【0040】
図8に示すように、提供装置40は、第1記憶部210に、GPS時刻生成プログラム212を格納している。GPS時刻生成プログラム212は、制御部200が、GPS衛星12a等からの衛星電波S1等(図1参照)に基づいて、GPS時刻を示すGPS時刻情報254を生成するためのプログラムである。すなわち、GPS時刻生成プログラム212と制御部200は、衛星時刻情報生成手段の一例である。
制御部200は、衛星軌道情報252を使用して、GPS部202によって受信した複数の衛星電波S1等に基づいて、現在位置の測位を行うとともに、ミリ秒(ms)単位での正確なGPS時刻を示すGPS時刻情報254を生成し、第2記憶部250に格納する。
【0041】
図8に示すように、提供装置40は、第1記憶部210に、時計補正プログラム214を格納している。時計補正プログラム214は、制御部200が、上述のGPS時刻情報254に基づいて、計時部206の時刻を、GPS時刻と差がない状態に維持するためのプログラムである。
これにより、基地局20Aは、時計56が計測する時刻をGPS時刻と差がない状態に維持することができる。
【0042】
図8に示すように、提供装置40は、第1記憶部210に、基地局通信電波受信プログラム216を格納している。基地局通信電波受信プログラム216は、制御部200が、通信部204によって、基地局20A等からフレームF1等が乗せられた通信電波CS1等を受信するためのプログラムである。すなわち、基地局通信電波受信プログラム216、制御部200及び通信部204は、フレーム受信手段の一例である。
【0043】
図8に示すように、提供装置40は、第1記憶部210に、時刻情報生成プログラム218を格納している。時刻情報生成プログラム218は、送信時刻情報生成プログラム220及びドリフト情報生成プログラム222を含む。
【0044】
送信時刻情報生成プログラム218は、制御部200が、基地局20A等から各フレームF1等を受信したGPS時刻tr(図示せず)と、基地局位置情報152(図6参照)及び提供装置位置情報251に基づいて、基地局20A等から各フレームF1等が送信されたGPS時刻tsを示す送信GPS時刻情報260を生成するためのプログラムである。送信GPS時刻情報260は送信衛星時刻情報の一例であり、時刻情報生成プログラム218と制御部200は送信衛星時刻情報生成手段の一例である。
制御部200は、基地局20A等からの信号電波CS1の各フレームF1等を受信したGPS時刻を、計時部206によって計測する。
制御部200は、基地局位置情報152を、基地局20A等からのフレームF1等から取得する。
制御部200は、提供装置位置情報251を、第2記憶部250から取得する。
例えば、基地局20Aの位置Pと、提供装置40の位置Qとから、基地局20Aと提供装置40との距離d(図示せず)を算出することができる。そして、フレームF1等を乗せた通信電波CS1等の伝搬速度は光速C(図示せず)であるから、距離dを通信電波CS1が伝搬するのに必要な伝搬時間td(図示せず)を正確に算出することができる。そして、例えば、フレームF1を受信したGPS時刻trから、伝搬時間tdを遡ることによって、送信GPS時刻tsを算出することができ、送信GPS時刻情報260を生成することができる。送信GPS時刻tsを、バイアスとも呼ぶ。
【0045】
ドリフト情報生成プログラム222は、制御部200が、基地局時計36(図2参照)による計時の基礎となる基準周波数と、基準周波数と通信電波CS1等の基準周波数との関係を示す情報と、通信電波CS1等の受信周波数とに基づいて、基準周波数のずれであるドリフトhを示すドリフト情報262を生成するためのプログラムである。すなわち、、ドリフト情報生成プログラム222と制御部200は、周波数偏移情報生成手段の一例である。
基地局20A等の基地局時計36(図2参照)の基準となる基準周波数H1(図9参照)は例えば、水晶発振器(図示せず)によって生成される。この水晶発振器の振動数は、温度によって変化し、水晶発振器の周波数はH1+hとなる。ここで、水晶発振器の周波数の温度による偏移hをドリフトと呼ぶ。
【0046】
ドリフト情報262の生成方法の一例を、図9を使用して説明する。
まず、通信電波CS1の基準周波数H2は、基準周波数H1のa倍(aは定数)になっている。提供装置40は、基準周波数H1及び定数aを示す基地局基準周波数情報256を第2記憶部250に格納している。上述の基準周波数H1は、基礎周波数の一例である。基準周波数H2は、基準周波数の一例である。
図9(a)に示すように、ドリフトhが生じていない場合に基地局20A等が発信するする通信電波CSの周波数は基準周波数H2であり、提供装置40が受信する通信電波CSの受信周波数H3は、H2=H1×aに等しい。受信周波数H3は、受信周波数の一例である。ここで、基地局20A等と提供装置40との相対移動はなく、ドップラー効果は考慮しなくてよいものとする。
これに対して、図9(b)に示すように、ドリフトhが生じている場合に基地局20Aからの発信周波数H2Aは(H1+h)×aであり、提供装置40が受信する通信電波CSの受信周波数H3は、H2A=(H1+h)×aとなる。
ここで、提供装置40は、受信周波数H3は計測可能であり、基準周波数H1及び定数aを示す基地局基準周波数情報256を予め格納しているから、ドリフトhを算出することができる。
すなわち、制御部200は、H3=(H1+h)×aという方程式を解くことによって、ただ一つの未知数であるドリフトhを算出することができる。
【0047】
ドリフトhは、基地局20A等の基地局時計36の基準周波数H1のずれであるから、基地局時計36の時刻のずれを示すものでもある。
ドリフトhが発生していない場合には、基地局時計36の基礎単位である例えば、1秒間は、H/Hである。
これに対して、ドリフトhが発生している場合には、基地局時計36の1秒間は、H/H+hとなっている。
ドリフトhを使用することによって、基地局時計36の時刻のずれを、ナノ秒(ns)単位で算出することができる。
すなわち、送信時刻情報260をドリフト情報262で補正することによって、各フレームF1等のより精度が高い送信時刻を算出することができる。
【0048】
上述の送信時刻情報260及びドリフト情報262が時刻情報258を構成している。
図10に示すように、時刻情報258は、フレーム番号、基地局ID、タイムタグ、バイアス及びドリフトから構成されている。
例えば、フレームF1は、基地局ID−1、送信時刻t1を示すTimetab−1、送信GPS時刻tsを示すBias−1、及び、ドリフトhを示すDrift−1で構成される。タイムタグは、フレーム番号及び基地局IDとともに、バイアスとドリフトを検索するための検索キーとして使用される。
【0049】
図8に示すように、提供装置40は、第1記憶部210に、時刻情報送信プログラム224を格納している。時刻情報送信プログラム224は、制御部200が通信部204によって、時刻情報258を、放送局60に送信するためのプログラムである。すなわち、時刻情報送信プログラム224と制御部200と通信部204は、時刻情報送信手段の一例である。
【0050】
(放送局60主なソフトウエア構成について)
図11は、放送局60の主なソフトウエア構成を示す概略図である。
図11に示すように、放送局60は、各部を制御する放送局制御部300、図4の放送局側通信装置70に対応する放送局通信部302、図4の放送装置72に対応する放送部304、各種プログラムを格納する放送局第1記憶部310、各種情報を格納する放送局第2記憶部350を有する。
【0051】
図11に示すように、放送局60は、放送局第1記憶部310に、時刻情報受信プログラム312を格納している。時刻情報受信プログラム312は、放送局制御部300が、提供装置40から時刻情報258(図8参照)を受信するためのプログラムである。すなわち、時刻情報受信プログラム312と放送局制御部300は、時刻情報受信手段の一例である。
放送局制御部300は、受信した時刻情報258を放送局側時刻情報352として、放送局第2記憶部350に格納する。
【0052】
図11に示すように、放送局60は、放送局第1記憶部310に、時刻情報放送プログラム314を格納している。時刻情報放送プログラム314は、放送局制御部300が、放送局側時刻情報352を放送するためのプログラムである。すなわち、時刻情報放送プログラム314と放送局制御部300は、時刻情報送信手段の一例である。
【0053】
(端末80の主なソフトウエア構成について)
図12は、端末80の主なソフトウエア構成を示す概略図である。
図12に示すように端末80は、各部を制御する端末制御部400、図5の端末GPS装置90に対応する端末GPS部402、図5の端末側通信装置94に対応する端末通信部404、図5の端末時計98に対応する端末計時部406、図5の放送受信装置92に対応する放送受信部408等を有する。
端末80は、また、各種プログラムを格納する端末第1記憶部410、各種情報を格納する端末第2記憶部450を有する。
【0054】
図12に示すように、端末80は、端末第2記憶部250に、端末側衛星軌道情報452を格納している。端末側衛星軌道情報452は例えば、アルマナック及びエフェメリスを含む情報である。
【0055】
図12に示すように、端末80は、端末第1記憶部410に、端末側GPS時刻情報生成プログラム412を格納している。端末側GPS時刻情報生成プログラム412は、端末制御部400が、GPS衛星12a等からの衛星電波S1等(図1参照)に基づいて、GPS時刻を示す端末側GPS時刻情報454を生成するためのプログラムである。この端末側GPS時刻情報454は端末側衛星時刻情報の一例であり、端末側GPS時刻情報生成プログラム412と端末制御部400は、端末側衛星時刻情報生成手段の一例である。
【0056】
図12に示すように、端末80は、端末第1記憶部410に、端末時計補正プログラム414を格納している。端末時計補正プログラム414は、端末制御部400が、端末側GPS時刻情報454に基づいて、端末計時部406の時刻を補正するためのプログラムである。
これにより、端末80は、端末時計98の時刻をGPS時刻と差がない状態にすることができる。
【0057】
図12に示すように、端末80は、端末第1記憶部410に、時刻情報受信プログラム416を格納している。時刻情報受信プログラム416は、端末制御部400が放送受信部408によって、放送局60から放送局側時刻情報352の放送を受信するためのプログラムである。すなわち、時刻情報受信プログラム416、端末制御部400及び放送受信部408は、端末側時刻情報受信手段の一例である。
端末制御部400は、後述の基地局測位プログラム428による測位(以後、基地局測位と呼ぶ)及びハイブリッド測位プログラム430による測位(以後、ハイブリッド測位と呼ぶ)の測位時に、放送局60から放送局側時刻情報352の放送を受信するようになっている。
端末制御部400は、受信した放送局側時刻情報352を、端末側時刻情報456として、端末第2記憶部450に格納する。
【0058】
図12に示すように、端末80は、端末第1記憶部410に、上空衛星数判断プログラム418を格納している。上空衛星数判断プログラム418は、端末制御部400が、端末80の上空に位置し、観測可能なGPS衛星12a等の数を判断するためのプログラムである。
具体的には、端末制御部400は、端末側衛星軌道情報452に含まれるアルマナックを使用して、端末計時部406によって計測された現在時刻において、端末80の上空に位置し、観測可能なGPS衛星12a等の数を判断する。そして、端末制御部400は、上空に位置するGPS衛星12a等の数を示す上空衛星数情報462を端末第2記憶部450に格納する。
【0059】
図12に示すように、端末80は、端末第1記憶部410に、衛星測位プログラム420を格納している。衛星測位プログラム420は、端末制御部400が、3個以上のGPS衛星12a等からの衛星電波S1等(図1参照)に基づいて、端末80の位置の測位を行うためのプログラムである。すなわち、衛星測位プログラム420と端末制御部400は、衛星電波測位手段の一例である。
具体的には、端末制御部400は、衛星電波S1等が各GPS衛星12a等から発信された時刻と、衛星電波S1等を受信した時刻との差を算出して、衛星電波S1等の速度が光速であることに基づいて、各GPS衛星12a等と端末80との距離(擬似距離と呼ぶ)を算出する。一方で、端末側衛星軌道情報452に含まれるエフェメリスによって、端末計時部406によって計測した現時刻における各GPS衛星12a等の衛星軌道上の位置を算出する。
そして、上述の擬似距離と各GPS衛星12a等の衛星軌道上の位置に基づいて、現在位置を測位する。
端末制御部400は、測位によって生成した衛星測位位置情報464を端末第2記憶部450に格納する。
なお、端末制御部400が衛星測位プログラム420によって行う測位を、衛星測位と呼ぶ。
【0060】
図12に示すように、端末80は、端末第1記憶部410に、通信電波受信プログラム422を格納している。通信電波受信プログラム422は、端末制御部400が端末通信部404によって、基地局20A等から、フレームFが乗せられた通信電波CS1等を受信するためのプログラムである。すなわち、通信電波受信プログラム422、端末制御部400及び端末通信部404は、端末側フレーム受信手段の一例である。
通信電波受信プログラム422は、基地局情報抽出プログラム422aを含む。基地局情報抽出プログラム422aは、端末制御部400が、通信電波CS1等から、基地局識別情報151、基地局位置情報152及び送信時刻情報154(図6参照)を抽出するためのプログラムである。
端末制御部400は、抽出した基地局識別情報151、基地局位置情報152及び送信時刻情報154を端末側基地局情報466として、端末第2記憶部450に格納する。端末側基地局情報466は、基地局識別情報466a,基地局位置情報466b及び送信時刻情報466cを含む。
【0061】
図12に示すように、端末80は、端末第1記憶部410に、受信時刻情報生成プログラム424を格納している。受信時刻情報生成プログラム424は、端末制御部400が、通信電波CS1等を受信したGPS時刻を示す受信GPS時刻情報468を生成するためのプログラムである。この受信GPS時刻情報468は端末側受信衛星時刻情報の一例であり、受信時刻情報生成プログラム424と端末制御部400は、端末側受信衛星時刻情報生成手段の一例である。
具体的には、端末制御部400は、端末計時部406によって、通信電波CS1を受信したGPS時刻を計測し、受信GPS時刻情報468を生成する。
端末制御部400は、生成した受信GPS時刻情報468を、端末第2記憶部450に格納する。
【0062】
図12に示すように、端末80は、端末第1記憶部410に、基地局測位プログラム428を格納している。基地局測位プログラム428は、端末制御部400が、3個以上の基地局20A等の基地局位置情報466b、送信時刻情報466c、送信GPS時刻情報458、ドリフト情報460及び受信GPS時刻情報468に基づいて、端末80の位置を測位するためのプログラムである。すなわち、基地局測位プログラム428と端末制御部400は、通信電波測位手段の一例である。
【0063】
図13は、基地局測位方法の一例の説明図である。
図13(a)は、各基地局20A等の位置を示す図である。基地局20A等の位置は、基地局位置情報466bによって既知である。
図13(b)は、各基地局20A等からの通信電波CS1等の伝搬時間tb01等を示す図である。伝搬時間tb01等は、未知数である。ここで、通信電波CS1等の伝搬時間tb01等は、フレームF1等の伝搬時間と同義である。
図13(c)は、各通信電波CS1等の送信時刻t1等を示す図である。送信時刻t1等は、送信時刻情報466cによって既知である。ここで、通信電波CS1等の送信事項t1等は、フレームF1等の送信時刻t1等と同義である。なお、基地局20A等間においては、時刻同期していないから、t1、t2及びt3は、同時刻とは限らない。
図13(d)は、各基地局20A等の時差ta1等を示す図である。時差ta1等は、
送信時刻情報466cに示される時刻と、端末側時刻情報456から算出する通信電波CS1等の精密な送信時刻の差分として算出することができる。端末側時刻情報456は、通信電波S1等の各フレームF1等の送信時刻をミリ秒(ms)単位で示す送信GPS時刻情報458及び、各フレームF1等の送信時刻をナノ秒(ns)単位で算出する基礎となるドリフト情報460を含むから、端末80は、精密に各フレームF1等の送信時刻を算出することができる。
図13(e)は通信電波CS1等の伝搬速度を示す図である。通信電波CS1等は電波に乗せられているから、その伝搬速度は光速Cである。
図13(f)は、通信電波CS1等の送信時刻t1等と、端末80が通信電波CS1等を受信した時刻との時間差td01等を示す図である。図13(g)に示すように、端末80が通信電波CS1等を受信した時刻をt0とする。
図13(h)に示す端末80の位置(X,Y,Z)は、未知数である。
【0064】
以上を前提に、図13(i)乃至図13(k)に示す式(1)乃至(9)について説明する。
まず、各基地局20A等と端末80との距離は、通信電波CS1等の伝搬時間と電波の速度(光速C)を乗算したものに等しいから、図13(i)の式(1)乃至式(3)が成り立つ。
次に、送信時刻t1は、GPS時刻との時差ta1を含むから、図13(j)の式(4)乃至(6)が成り立つ。
さらに、図13(f)の時間差td01等については、図13(c)の送信時刻t1等、図13(b)の伝搬時間tb01及び図13(g)の時刻t0に基づいて、図13(k)の式(7)乃至式(9)が成り立つ。
ここで、未知数が端末80の位置を示す、X、Y、Z、伝搬時間tb01、tb02及びtb03の6個であるから、式(1)、(2)、(3)、(7)、(8)及び(9)を連立させて計算することによって、未知数をすべて算出することができる。
端末制御部400は、このようにして生成した基地局測位位置情報470を端末第2記憶部450に格納する。
なお、端末制御部400は、各フレームF1等、フレーム番号、基地局ID及びタイムタグを検索キーとして、端末側時刻情報456から対応する情報を抽出するようになっている。
【0065】
図12に示すように、端末80は、端末第1記憶部410に、ハイブリッド測位プログラム430を格納している。ハイブリッド測位プログラム430は、端末制御部400が、衛星電波S1等、基地局20A等の基地局位置情報466b、送信時刻情報466c、送信GPS時刻情報458、ドリフト情報460及び受信GPS時刻情報468に基づいて、端末80の位置を測位するためのプログラムである。すなわち、ハイブリッド測位プログラム430と端末制御部400は、複合測位手段の一例である。
端末制御部400がハイブリッド測位プログラム430に基づいて行う測位は、図13を使用して説明した上述の基地局測位プログラム428に基づいて行う測位方法において、1個又は2個の基地局20AをGPS衛星12a等に代替して行う。
なお、端末制御部400がハイブリッド測位プログラム430に基づいて行う測位をハイブリッド測位と呼ぶ。
端末制御部400は、ハイブリッド測位によって生成したハイブリッド測位位置情報472を端末第2記憶部450に格納する。
【0066】
図12に示すように、端末80は、端末第1記憶部410に、測位方法選択プログラム432を格納している。測位方法選択プログラム432は、端末制御部400が、上空衛星数情報462に示されるGPS衛星12a等の数に基づいて、衛星測位、基地局測位、又は、ハイブリッド測位のいずれかを選択するためのプログラムである。
具体的には、端末制御部400は、上空衛星数情報462に示されるGPS衛星12a等の数が3個以上である場合には、衛星測位を選択する。そして、端末制御部400は、上空衛星数情報462に示されるGPS衛星12a等の数が1個又は2個である場合には、ハイブリッド測位を選択する。そして、端末制御部400は、上空衛星数情報462に示されるGPS衛星12a等の数が0個である場合には、基地局測位を選択する。
【0067】
一般に、GPS衛星12a等からの衛星電波S1等に基づく測位の測位精度は、通信電波CS1等に基づく測位の測位精度よりも高い。この原因の一つとして、基地局20A等が、リピータと呼ぶ小型の仲介装置を有していることがある。リピータは、基地局20A等と同じ通信電波CS1等を送信しているため、リピータを介して受信した通信電波CS1等を受信した端末80は、基地局20A等と端末80との距離(擬似距離)を、基地局20A等から直接波として通信電波CS1等を受信する場合よりも長く算出する結果、測位誤差が大きくなる場合がある。これに対して、GPS衛星12a等は、リピータによる問題はないから、リピータによる測位精度の低下はない。
例えば、衛星測位による場合には、測位誤差は0メートル(m)乃至20メートル(m)であるのに対し、基地局測位による場合には、測位誤差が5メートル(m)乃至400メートル(m)である。
この点、端末80は、GPS衛星12a等から信号S1等を受信することができるかぎり、信号S1等のみ、又は、信号S1等と通信電波CS1等を使用して測位を行うことができる。
このため、端末80は、観測可能なGPS衛星12a等の数に応じて、最も高い測位精度において測位をすることができる。
なお、衛星測位には、基地局20A等と、測位のために通信する必要がないという利点もある。
これに対し、ハイブリッド測位又は基地局測位は、例えば、屋内などGPS衛星12a等が3個以上観測できない環境においては、屋内でも受信可能な通信電波CS1等を使用して、測位を行うことができるという利点がある。
【0068】
図12に示すように、端末80は、端末第1記憶部410に、測位位置情報表示プログラム434を格納している。測位位置情報表示プログラム434は、端末制御部400が、衛星測位位置情報464、基地局測位位置情報470、又は、ハイブリッド測位位置情報472のいずれかを表示装置96(図5参照)に表示するためのプログラムである。
【0069】
測位システム10は、以上のように構成されている。
上述のように、提供装置40は、基地局20A等から送信される各フレームF1等についての時刻情報258(図8参照)を生成し、放送局60に送信することができる。
そして、放送局60は、放送局側時刻情報352を放送することができる。
そして、端末80は、放送局60から放送局側時刻情報352(図11参照)を受信することができ、端末側時刻情報456(図12参照)として格納することができる。
そして、端末80は、3個以上の基地局20A等から通信電波CS1等を受信し、通信電波CS1等から取得する端末側基地局情報466及び、端末側時刻情報456に基づいて、通信電波CS1等を使用する基地局測位が可能である。
【0070】
上述のように、基地局20A等は、送信時刻をGPS時刻に同期させるのではなくて、送信時刻情報154(図6参照)を含むフレームF1等を通信電波CS1等によって送信するだけであるから、その構成は簡易であり、基地局20A等の大幅なシステム変更を必要としない。
これにより、通信基地局の大幅なシステム変更を必要とすることなく、通信基地局からの通信電波を使用する測位を可能にすることができる。
【0071】
以上が本実施の形態に係る測位システム10の構成であるが、以下、その動作例を主に図14を使用して説明する。
図14は本実施の形態に係る測位システム10の動作例を示す概略フローチャートである。
【0072】
基地局20A等は、継続的に通信電波CS1等を送信する(図14のステップST1)。
続いて、提供装置40は、基地局20A等から通信電波CS1等を受信する(ステップST2)。
続いて、提供装置40は、時刻情報258(図8参照)を生成する(ステップST3)。
続いて、提供装置40は、放送局60に対して、時刻情報258を送信する(ステップST4)。
【0073】
続いて、放送局60は、提供装置40から、時刻情報258を受信する(ステップST5)。放送局60は、時刻情報258を放送局側時刻情報352として、放送局第2記憶部350に格納する。
続いて、放送局60は、放送局側時刻情報352を放送する(ステップST6)。
【0074】
これに対して、端末80は、端末側GPS時刻情報454を定期的に、例えば、3分間ごとに生成する(ステップST1A)。このステップST1Aは、衛星時刻情報生成ステップの一例である。
そして、測位時に、放送局60から放送局側時刻情報352を受信する(ステップST8)。このステップST8は、時刻情報受信ステップの一例である。
【0075】
続いて、端末80は、端末80の上空に位置し、観測可能なGPS衛星12a等の数を判断する(ステップST9)。
端末80は、観測可能なGPS衛星12a等の数が、3個以上であると判断した場合には、衛星測位を実施し(ステップST101)、衛星測位位置情報464(図12参照)を生成する。
そして、端末80は、衛星測位位置情報464を、表示装置96(図5参照)に表示する(ステップST102)。
【0076】
ステップST9において、端末80が、観測可能なGPS衛星12a等の数が、1個又は2個であると判断した場合には、ハイブリッド測位を実施し(ステップST201)、ハイブリッド測位位置情報472(図12参照)を生成する。
そして、端末80は、ハイブリッド測位位置情報472を、表示装置96(図5参照)に表示する(ステップST202)。
【0077】
ステップST9において、端末80は、観測可能なGPS衛星12a等の数が、0個であると判断した場合には、基地局測位を実施し(ステップST301)、基地局測位位置情報470(図12参照)を生成する。基地局測位においては、端末80は、基地局20A等から通信電波CS1等を受信し、受信GPS時刻情報468(図12参照)を生成し、3個以上の基地局20A等の基地局位置情報466b、送信時刻情報466c、送信GPS時刻情報458、ドリフト情報460及び受信GPS時刻情報468に基づいて、端末80の位置を測位する。すなわち、ステップST301は、端末側通信電波受信ステップ、端末側受信時刻情報生成ステップ及び端末側通信電波測位ステップの一例である。
そして、端末80は、基地局測位位置情報470を、表示装置96(図5参照)に表示する(ステップST302)。
【0078】
以上で説明したように、測位システム10によれば、通信基地局の大幅なシステム変更を必要とすることなく、通信基地局からの通信電波を使用する測位を可能にすることができる。
なお、本実施の形態とは異なり、上述のステップST9において、GPS衛星12a等の数が3個以上であっても、ハイブリッド測位をするようにしてもよい。ハイブリッド測位では、GPS衛星12a等からの衛星電波S1等と、基地局20A等からの通信電波CS1等の両方を使用することができ、測位演算に使用することができる電波の数が増えるので、測位精度を安定して高くすることができる。
【0079】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施の形態の測位システム10Aの構成は、上記第1の実施の形態の測位システム10と多くの構成が共通するため共通する部分は同一の符号等とし、説明を省略し、以下、相違点を中心に説明する。
【0080】
図15は、第2の実施の形態の端末80Aの主なソフトウエア構成を示す概略図である。
図15に示すように、端末80Aは、端末第1記憶部410に、時刻情報受信プログラム416Aを格納している。
端末制御部400は、時刻情報受信プログラム416Aによって、衛星測位、基地局測位又はハイブリッド測位に先立って、放送局60から放送局側時刻情報352を受信するようになっている。
【0081】
端末80Aは、送信時刻情報466cと送信GPS時刻情報458とから基地局20Aの時刻とGPS時刻との時刻差を知ることができ、この時刻差は、一定期間である例えば、10分間は大きく変動しない。また、ドリフト情報460に示されるドリフトhも一定期間である例えば、10分間は大きく変動しない。
このため、送信時刻情報466c等を一度取得すれば、一定期間においては、その後に基地局20A等から受信した送信フレームFを使用する測位に使用することができる。
すなわち、端末80Aは、測位に先立って、放送局側時刻情報352を受信する構成となっているから、測位時に、送信時刻情報466cと送信GPS時刻情報458及び、ドリフト情報460を取得する必要がない。この結果、測位に必要な時間を短縮することができる。
【0082】
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施形態について説明する。第3の実施の形態の測位システム10Bの構成は、上記第1の実施の形態の測位システム10と多くの構成が共通するため共通する部分は同一の符号等とし、説明を省略し、以下、相違点を中心に説明する。
【0083】
図16は、第3の実施の形態の端末80Bの主なソフトウエア構成を示す概略図である。
図16に示すように、端末80Bは、端末第1記憶部410に、時刻情報受信プログラム416Bを格納している。
端末制御部400は、時刻情報受信プログラム416Bによって、送信時刻情報466cと送信GPS時刻情報458及び、ドリフト情報460の有効期間に基づいて規定される間隔時間ごとに放送局60から放送局側時刻情報352を受信するようになっている。
【0084】
上述のように、送信時刻情報466cと送信GPS時刻情報458とから基地局20Aの時刻とGPS時刻との時刻差は、一定期間である例えば、10分間は大きく変動しない。また、ドリフト情報460に示されるドリフトhも一定期間である例えば、10分間は大きく変動しない。すなわち、10分間という時間は、送信時刻情報466cと送信GPS時刻情報458及び、ドリフト情報460の有効期間である。
このため、送信時刻情報466c等は、一度、送信時刻情報466c等を取得すれば、、一定期間は、その後に基地局20A等から受信した送信フレームF1等を使用する測位に使用することができる。
すなわち、端末80Bは、例えば、10分間という間隔時間ごとに、放送局側時刻情報352を受信する構成となっているから、測位時に、送信時刻情報466cと送信GPS時刻情報458及び、ドリフト情報460を取得する必要がない。この結果、測位に必要な時間を短縮することができる。
【0085】
(プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体等について)
コンピュータに上述の動作例の衛星時刻情報生成ステップと、時刻情報受信ステップと、端末側通信電波受信ステップと、端末側受信時刻情報生成ステップと、通信電波測位ステップ等を実行させるための端末装置の制御プログラムとすることができる。
また、このような端末装置の制御プログラム等を記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体等とすることもできる。
【0086】
これら端末装置の制御プログラム等をコンピュータにインストールし、コンピュータによって実行可能な状態とするために用いられるプログラム格納媒体は、例えばフロッピー(登録商標)のようなフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Compact Disc−Recordable)、CD−RW(Compact Disc−rewritable)、DVD(Digital Versatile Disc)などのパッケージメディアのみならず、プログラムが一時的若しくは永続的に格納される半導体メモリ、磁気ディスクあるいは光磁気ディスクなどで実現することができる。
【0087】
本発明は、上述の各実施の形態に限定されない。さらに、上述の各実施の形態は、相互に組み合わせて構成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の実施の形態に係る測位システムを示す概略図である。
【図2】通信基地局の主なハードウエア構成を示す概略図である。
【図3】時刻情報提供装置の主なハードウエア構成を示す概略図である。
【図4】ラジオ放送局の主なハードウエア構成を示す概略図である。
【図5】端末の主なハードウエア構成を示す概略図である。
【図6】基地局の主なソフトウエア構成を示す概略図である。
【図7】送信フレームF等を示す概略図である。
【図8】時刻情報提供装置の主なソフトウエア構成を示す概略図である。
【図9】ドリフト情報の生成方法の一例の説明図である。
【図10】時刻情報の一例を示す図である。
【図11】ラジオ放送局の主なソフトウエア構成を示す概略図である。
【図12】端末の主なソフトウエア構成を示す概略図である。
【図13】基地局測位方法の一例を示す説明図である。
【図14】測位システムの動作例を示す概略フローチャートである。
【図15】端末の主なソフトウエア構成を示す概略図である。
【図16】端末の主なソフトウエア構成を示す概略図である。
【符号の説明】
【0089】
10,10A,10B・・・測位システム、12a,12b,12c,12d・・・GPS衛星、20A,20B,20C・・・基地局、102・・基地局通信部、104・・・基地局計時部、112・・・送信フレーム生成プログラム、212・・・GPS時刻生成プログラム、214・・・時計補正プログラム、216・・・基地局通信電波受信プログラム、218・・・時刻情報生成プログラム、220・・・送信時刻情報生成プログラム、222・・・ドリフト情報生成プログラム、224・・・時刻情報送信プログラム、312・・・時刻情報受信プログラム、314・・・時刻情報放送プログラム、412・・・端末側GPS時刻情報生成プログラム、414・・・端末時計補正プログラム、416,416A,416B・・・時刻情報受信プログラム、418・・・上空衛星数判断プログラム、420・・・衛星測位プログラム、422・・・通信電波受信プログラム、422a・・・基地局情報抽出プログラム、424・・・受信時刻情報生成プログラム、428・・・基地局測位プログラム、430・・・ハイブリッド測位プログラム、432・・・測位方法選択プログラム、434・・・測位位置情報表示プログラム
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信基地局間において同一のクロックなどの共通の基準タイミングを持たない基地局間非同期方式の通信網における測位システム、端末装置、端末装置の制御方法、端末装置の制御プログラム、端末装置の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、CDMA(Code Devision Multiple Access)方式のいわゆるデジタル移動通信システムにおいて、複数の基地局間における時刻同期を確保する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。このような技術によって、複数の基地局間において時刻同期がとられている場合には、複数の基地局と移動無線端末装置間での受信信号の到達時間差により位置を検出することができる(例えば、特開平7−181242号公報)。
【特許文献1】特表2003―509953号公報(図1等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、全国に多数存在する基地局間において時刻同期をとるためのシステムの構築のためには、経済的負担が大きいという問題がある。
【0004】
そこで、本発明は、通信基地局の大幅なシステム変更を必要とすることなく、通信基地局からの通信電波を使用する測位を可能にすることができる基地局間非同期方式の通信網における測位システム、端末装置、端末装置の制御方法、端末装置の制御プログラム、端末装置の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的は、第1の発明によれば、固定位置に位置する複数の通信基地局と、前記通信基地局と通信可能な情報提供装置と、前記情報提供装置と通信可能な放送装置と、前記放送装置から放送電波を受信可能な端末装置と、を有する通信基地局間非同期の測位システムであって、前記通信基地局は、送信時刻を示す送信時刻情報を含むフレームを通信電波によって送信するフレーム送信手段を有し、前記情報提供装置は、測位衛星からの衛星電波に基づいて、前記測位衛星の時刻である衛星時刻を示す衛星時刻情報を生成する衛星時刻情報生成手段と、前記通信基地局から前記フレームを受信するフレーム受信手段と、前記フレームを受信した前記衛星時刻と、前記通信基地局の前記固定位置を示す基地局位置情報及び前記情報提供装置の位置を示す情報提供装置位置情報に基づいて、前記通信基地局から前記フレームが送信された前記衛星時刻を示す送信衛星時刻情報を生成する送信衛星時刻情報生成手段と、前記通信基地局が計測する前記送信時刻の基礎となる基礎周波数と、前記基礎周波数と前記通信電波の基準周波数との関係を示す情報と、前記通信電波の受信周波数とに基づいて、前記基礎周波数の偏移を示す周波数偏移情報を生成する周波数偏移情報生成手段と、前記放送装置に対して、前記送信衛星時刻情報及び前記周波数偏移情報を含む時刻情報を送信する時刻情報送信手段と、を有し、前記放送装置は、前記情報提供装置から前記時刻情報を受信する時刻情報受信手段と、前記時刻情報を放送する時刻情報放送手段と、を有し、前記端末装置は、前記測位衛星からの前記衛星電波に基づいて、前記衛星時刻を示す端末側衛星時刻情報を生成する端末側衛星時刻情報生成手段と、前記放送装置から前記時刻情報を受信する端末側時刻情報受信手段と、前記通信基地局から前記フレームを受信する端末側フレーム受信手段と、前記フレームを受信した前記衛星時刻を示す端末側受信衛星時刻情報を生成する端末側受信衛星時刻情報生成手段と、3個以上の前記通信基地局の前記基地局位置情報、前記送信時刻情報、前記送信衛星時刻情報、前記周波数偏移情報及び前記端末側受信衛星時刻情報に基づいて、前記端末装置の位置を測位する通信電波測位手段と、を有することを特徴とする通信基地局間非同期の測位システムにより達成される。
【0006】
第1の発明の構成によれば、前記情報提供装置は、前記衛星時刻情報生成手段によって、前記衛星時刻情報を生成することができる。複数の前記衛星電波に基づいて、現在位置の測位を行い、その結果として測位位置情報とともに正確な前記衛星時刻を取得することができる。
また、前記情報提供装置は、前記送信衛星時刻情報生成手段を有するから、前記送信衛星時刻情報を生成することができ、前記周波数偏移情報生成手段を有するから、前記周波数偏移情報を生成することができる。
前記周波数偏移情報は前記基礎周波数の偏移を示す情報である。また、前記基礎周波数は、前記通信基地局が計測する前記送信時刻の基礎となる情報である。このため、前記周波数偏移情報は前記送信時刻のずれを算出するための情報として使用することができる。すなわち、前記送信時刻情報と同様に、前記周波数偏移情報も前記通信基地局の時刻に関する情報である。
そして、前記情報提供装置は、前記時刻情報送信手段を有するから、前記放送装置に対して、前記送信衛星時刻情報及び前記周波数偏移情報を含む時刻情報を送信することができる。
【0007】
そして、前記放送装置は、前記時刻情報受信手段を有するから、前記情報提供装置から前記時刻情報を受信することができ、前記時刻情報放送手段を有するから、前記時刻情報を放送することができる。
【0008】
そして、前記端末装置は、前記端末側時刻情報受信手段を有するから、前記放送装置が放送した前記時刻情報を受信することができる。
また、前記端末装置は、前記端末側フレーム受信手段を有するから、前記通信基地局から前記フレームを受信することができる。
そして、前記端末装置は、前記端末側受信衛星時刻情報生成手段を有するから、前記端末側受信衛星時刻情報を生成することができる。
さらに、前記端末装置は、前記通信電波測位手段を有するから、3個以上の前記通信基地局についての前記基地局位置情報、前記送信時刻情報、前記送信衛星時刻情報、前記周波数偏移情報及び前記端末側受信時刻情報に基づいて、各前記通信基地局から前記通信電波が前記端末装置に到達するまでの伝搬時間を正確に算出することができるから、前記端末装置に位置の測位が可能である。
【0009】
上述のように、前記通信基地局は、前記送信時刻を前記衛星時刻に同期させるのではなくて、前記送信時刻情報を含むフレームを送信するだけであるから、その構成は簡易であり、前記通信基地局の大幅なシステム変更を必要としない。
これにより、通信基地局の大幅なシステム変更を必要とすることなく、通信基地局からの通信電波を使用する測位を可能にすることができる。
【0010】
前記目的は、第2の発明によれば、情報提供装置と通信可能な放送装置から放送を受信可能な端末装置であって、測位衛星からの衛星電波に基づいて、前記測位衛星の時刻である衛星時刻を示す端末側衛星時刻情報を生成する端末側衛星時刻情報生成手段と、前記通信基地局から前記情報提供装置が前記フレームを受信した前記衛星時刻と、前記放送装置と通信可能な前記通信基地局の固定位置を示す基地局位置情報及び前記情報提供装置の位置を示す情報提供装置位置情報とに基づいて生成された、前記通信基地局から前記フレームが送信された前記衛星時刻を示す送信衛星時刻情報、及び、前記通信基地局が生成する前記送信時刻の基礎となる基礎周波数と、前記基礎周波数と前記通信電波の基準周波数との関係を示す情報と、前記通信電波の受信周波数とに基づいて生成された前記基礎周波数の偏移を示す周波数偏移情報と、を含む時刻情報を受信する端末側時刻情報受信手段と、
前記通信基地局から前記フレームを受信する端末側フレーム受信手段と、前記フレームを受信した前記衛星時刻を示す端末側受信衛星時刻情報を生成する端末側受信衛星時刻情報生成手段と、3個以上の前記通信基地局の前記基地局位置情報、前記送信時刻情報、前記送信衛星時刻情報、前記周波数偏移情報及び前記端末側受信衛星時刻情報に基づいて、前記端末装置の位置を測位する通信電波測位手段と、を有することを特徴とする端末装置によって達成される。
【0011】
第2の発明の構成によれば、第1の発明の構成と同様に、通信基地局の大幅なシステム変更を必要とすることなく、通信基地局からの通信電波を使用する測位を可能にすることができる。
【0012】
第3の発明は、第2の発明の構成において、前記衛星電波に基づいて、前記端末装置の位置を測位する衛星電波測位手段と、前記衛星電波、前記通信基地局の前記基地局位置情報、前記送信時刻情報、前記送信衛星時刻情報、前記周波数偏移情報及び前記端末側受信衛星時刻情報に基づいて、前記端末装置の位置を測位する複合測位手段と、を有することを特徴とする端末装置である。
【0013】
0個乃至2個の前記通信基地局からしか前記通信電波を受信することができない場合には、前記通信電波測位手段による測位をすることはできない。
この点、前記端末装置は、前記衛星電波測位手段及び前記複合測位手段を有するから、0個乃至2個の前記通信基地局からしか前記通信電波を受信することができない場合には、前記通信電波と前記衛星電波に基づいて、あるいは、複数の前記測位衛星からの前記衛星電波のみに基づいて、測位をすることができる。
このため、前記端末装置は、3個以上の前記通信基地局からの前記通信電波を受信できない場合であっても測位することができる。
これにより、第3の発明の構成によれば、通信基地局の大幅なシステム変更を必要とすることなく、3個以上の通信基地局からの通信電波を受信できない場合であっても測位することができる。
【0014】
第4の発明は、第3の発明の構成において、前記端末側時刻情報受信は、前記放送電波測位手段、前記衛星電波測位手段又は前記複合測位手段による測位に先立って、前記放送装置から前記時刻情報を受信する構成となっていることを特徴とする端末装置である。
【0015】
前記送信時刻情報と前記送信衛星時刻情報とから前記通信基地局の時刻と前記衛星時刻との時刻差を知ることができ、この時刻差は、一定期間は大きく変動しない。また、前記周波数偏移情報に示される前記基準周波数と前記受信周波数のずれも、一定期間は大きく変動しない。
このため、一度、前記放送装置から前記送信時刻情報等を取得しておけば、一定期間は、その後の前記通信電波測位手段による測位に使用することができる。
この点、第4の発明の構成によれば、前記端末側時刻情報受信手段は、前記通信電波測位手段等による測位に先立って、前記時刻情報を受信する構成となっているから、測位時に、前記送信時刻情報、前記送信衛星時刻情報及び、前記周波数偏移情報を取得する必要がない。この結果、測位に必要な時間を短縮することができる。
【0016】
第5の発明は、第3の発明の構成において、前記端末側時刻情報受信手段は、前記送信時刻情報と前記送信衛星時刻情報及び/又は前記周波数偏移情報の有効期間に基づいて規定される間隔時間ごとに、前記放送装置から前記時刻情報を受信する構成となっていることを特徴とする端末装置である。
【0017】
第5の発明の構成によれば、前記端末側時刻情報受信手段は、前記送信時刻情報と前記送信衛星時刻情報及び/又は前記周波数偏移情報の有効期間に基づいて規定される間隔時間ごとに、前記放送装置から前記時刻情報を受信する構成となっているから、測位時に、前記送信時刻情報、前記送信衛星時刻情報及び、前記周波数偏移情報を取得する必要がない。この結果、測位に必要な時間を短縮することができる。
【0018】
前記目的は、第6の発明によれば、情報提供装置と通信可能な放送装置から放送を受信可能な端末装置が、測位衛星からの衛星電波に基づいて、前記測位衛星の時刻である衛星時刻を示す端末側衛星時刻情報を生成する端末側衛星時刻情報生成ステップと、前記端末装置が、前記通信基地局から前記情報提供装置が前記フレームを受信した前記衛星時刻と、前記放送装置と通信可能な前記通信基地局の固定位置を示す基地局位置情報及び前記情報提供装置の位置を示す情報提供装置位置情報とに基づいて生成された、前記通信基地局から前記フレームが送信された前記衛星時刻を示す送信衛星時刻情報、及び、前記通信基地局が生成する前記送信時刻の基礎となる基礎周波数と、前記基礎周波数と前記通信電波の基準周波数との関係を示す情報と、前記通信電波の受信周波数とに基づいて生成された前記基礎周波数の偏移を示す周波数偏移情報と、を含む時刻情報を受信する端末側時刻情報受信ステップと、前記端末装置が、前記通信基地局から前記フレームを受信する端末側フレーム受信ステップと、前記端末装置が、前記フレームを受信した前記衛星時刻を示す端末側受信衛星時刻情報を生成する端末側受信衛星時刻情報生成ステップと、前記端末装置が、3個以上の前記通信基地局の前記基地局位置情報、前記送信時刻情報、前記送信衛星時刻情報、前記周波数偏移情報及び前記端末側受信衛星時刻情報に基づいて、前記端末装置の位置を測位する通信電波測位ステップと、を有することを特徴とする端末装置の制御方法によって達成される。
【0019】
第6の発明の構成によれば、第2の発明の構成と同様に、通信基地局の大幅なシステム変更を必要とすることなく、通信基地局からの通信電波を使用する測位を可能にすることができる。
【0020】
前記目的は、第7の発明によれば、コンピュータに、情報提供装置と通信可能な放送装置から放送を受信可能な端末装置が、測位衛星からの衛星電波に基づいて、前記測位衛星の時刻である衛星時刻を示す端末側衛星時刻情報を生成する端末側衛星時刻情報生成ステップと、前記端末装置が、前記通信基地局から前記情報提供装置が前記フレームを受信した前記衛星時刻と、前記放送装置と通信可能な前記通信基地局の固定位置を示す基地局位置情報及び前記情報提供装置の位置を示す情報提供装置位置情報とに基づいて生成された、前記通信基地局から前記フレームが送信された前記衛星時刻を示す送信衛星時刻情報、及び、前記通信基地局が生成する前記送信時刻の基礎となる基礎周波数と、前記基礎周波数と前記通信電波の基準周波数との関係を示す情報と、前記通信電波の受信周波数とに基づいて生成された前記基礎周波数の偏移を示す周波数偏移情報と、を含む時刻情報を受信する端末側時刻情報受信ステップと、前記端末装置が、前記通信基地局から前記フレームを受信する端末側フレーム受信ステップと、前記端末装置が、前記フレームを受信した前記衛星時刻を示す端末側受信衛星時刻情報を生成する端末側受信衛星時刻情報生成ステップと、前記端末装置が、3個以上の前記通信基地局の前記基地局位置情報、前記送信時刻情報、前記送信衛星時刻情報、前記周波数偏移情報及び前記端末側受信衛星時刻情報に基づいて、前記端末装置の位置を測位する通信電波測位ステップと、を実行させることを特徴とする端末装置の制御プログラムによって達成される。
【0021】
前記目的は、第8の発明によれば、コンピュータに、情報提供装置と通信可能な放送装置から放送を受信可能な端末装置が、測位衛星からの衛星電波に基づいて、前記測位衛星の時刻である衛星時刻を示す端末側衛星時刻情報を生成する端末側衛星時刻情報生成ステップと、前記端末装置が、前記通信基地局から前記情報提供装置が前記フレームを受信した前記衛星時刻と、前記放送装置と通信可能な前記通信基地局の固定位置を示す基地局位置情報及び前記情報提供装置の位置を示す情報提供装置位置情報とに基づいて生成された、前記通信基地局から前記フレームが送信された前記衛星時刻を示す送信衛星時刻情報、及び、前記通信基地局が生成する前記送信時刻の基礎となる基礎周波数と、前記基礎周波数と前記通信電波の基準周波数との関係を示す情報と、前記通信電波の受信周波数とに基づいて生成された前記基礎周波数の偏移を示す周波数偏移情報と、を含む時刻情報を受信する端末側時刻情報受信ステップと、前記端末装置が、前記通信基地局から前記フレームを受信する端末側フレーム受信ステップと、前記端末装置が、前記フレームを受信した前記衛星時刻を示す端末側受信衛星時刻情報を生成する端末側受信衛星時刻情報生成ステップと、前記端末装置が、3個以上の前記通信基地局の前記基地局位置情報、前記送信時刻情報、前記送信衛星時刻情報、前記周波数偏移情報及び前記端末側受信衛星時刻情報に基づいて、前記端末装置の位置を測位する通信電波測位ステップと、を実行させることを特徴とする端末装置の制御プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体によって達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、この発明の好適な実施の形態を添付図面等を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0023】
図1は、本発明の実施の形態に係る測位システム10等を示す概略図である。
図1に示すように、測位システム10は、固定位置に位置する通信基地局20A,20B及び20C(以下、それぞれ、基地局20A,20B,20Cと呼ぶ)を有する。この基地局20A等は、複数の通信基地局の一例である。基地局20Aは通信電波CS1を,基地局20Bは通信電波CS2を,基地局20Cは通信電波CS3を送信することができる。
【0024】
測位システム10は、また、基地局20A等と通信可能な時刻情報提供装置40(以下、提供装置40と呼ぶ)を有する、この提供装置40は、情報提供装置の一例である。提供装置40は、GPS装置50を有し、GPS受信アンテナ50aによって、測位衛星である例えば、GPS衛星12a,12b,12c及び12dからの衛星電波である例えば、衛星電波S1,S2,S3及びS4を受信することができる。提供装置40は、また、通信装置52を有し、通信アンテナ52aによって基地局20A等からの通信電波CS1等を受信することができ、また、後述のラジオ放送局60に通信電波GSを送信することができる。
【0025】
測位システム10は、また、提供装置40と通信可能なラジオ放送局60(以下、放送局60と呼ぶ)を有する。放送局60は、放送装置の一例である。放送局60は、放送局側通信装置70によって、提供装置40から通信電波GSを受信することができる。放送局60は、放送装置72によって、放送電波BSを送信することができる。
測位システム10は、また、端末80を有する。この端末80は、端末装置の一例である。端末80は、端末側GPS装置90によって、GPS衛星12a等から衛星電波S1等を受信することができる。端末80は、また、放送受信装置92によって、放送局60から放送電波BSを受信可能になっている。端末80は、また、端末側通信装置94によって、基地局20A等から通信電波CS1等を受信することができる。
【0026】
提供装置40及び端末80は例えば、携帯電話機、PHS(Personal Handy−phone System)、PDA(Personal Digital Assistance)等であるが、これらに限らない。また、提供装置40は、移動可能ではなくて、固定位置に位置してもよい。
【0027】
なお、本実施の形態とは異なり、GPS衛星12a等は3個でもよいし、5個以上でもよい。また、本実施の形態とは異なり、基地局20A等は5個以上でもよく、端末80は2個以上でもよい。
なお、本実施の形態とは異なり、GPS衛星12a等の替わりに、準天頂衛星を使用してもよい。準天頂衛星は、複数の準天頂衛星のうち少なくとも1個が日本では高仰角である例えば、仰角70度以上となる軌道で運用されるシステムにおける人口衛星である。詳細には、準天頂衛星は、例えば、高度36,000キロメートル(km)の円軌道を赤道から約45度傾けた軌道に置く衛星システムであって、少なくとも3個の準天頂衛星を同期して配置することにより、常に1個の準天頂衛星が日本の天頂付近に滞留するようになっている。このように、準天頂衛星は仰角が高いから、準天頂衛星から受信する電波は、GPS衛星12a等からの衛星電波S1等よりも、マルチパスの影響を受けにくいという利点がある。
【0028】
(基地局20Aの主なハードウエア構成について)
図2は基地局20Aの主なハードウエア構成を示す概略図である。
なお、基地局20B及び20Cの主なハードウエア構成は、基地局20Aと同様であるので、説明を省略する。
図2に示すように、基地局20Aは、コンピュータを有しており、コンピュータは、バス22を有する。
このバス22には、CPU(Central Processing Unit)24、記憶装置26、外部記憶装置28等が接続されている。記憶装置26は例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等である。外部記憶装置28は例えば、HD(Hard Disk)である。
【0029】
また、このバス22には、各種情報等を入力するための入力装置30、基地局通信装置32が接続されている。基地局通信装置32は、通信電波CS1を送信するための構成である。
また、このバス22には、各種情報等を表示するための表示装置34、基地局時計36が接続されている。基地局時計36は、他の基地局20B等の基地局時計36と同期しておらず、GPS衛星12a等の時刻(以後、GPS時刻と呼ぶ)とも同期していない。
すなわち、基地局20A乃至20Cにおいては、時刻同期がとられていない。
【0030】
(提供装置40の主なハードウエア構成について)
図3は提供装置40の主なハードウエア構成を示す概略図である。
図3に示すように、提供装置40は、コンピュータを有しており、コンピュータは、バス42を有する。
このバス42には、CPU44、記憶装置46、入力装置48、GPS装置50、通信装置52、表示装置54及び時計56が接続されている。時計56の時刻は、GPS時刻と差がない状態に維持されている。
【0031】
(放送局60の主なハードウエア構成について)
図4は、放送局60の主なハードウエア構成を示す概略図である。
図4に示すように、放送局60は、コンピュータを有しており、コンピュータは、バス62を有する。
このバス62には、CPU64、記憶装置66、入力装置68、放送局側通信装置70、放送装置72及び表示装置74が接続されている。
【0032】
(端末80の主なハードウエア構成について)
図5は、端末80の主なハードウエア構成を示す概略図である。
図5に示すように、端末80は、コンピュータを有しており、コンピュータは、バス82を有する。
このバス82には、CPU84、記憶装置86、入力装置88、端末GPS装置90、放送受信装置92、端末側通信装置94、表示装置96及び端末時計98が接続されて。端末時計98が計測する時刻は、GPS時刻と差がない状態に維持することができる。
【0033】
(基地局20Aの主なソフトウエア構成について)
図6は、基地局20Aの主なソフトウエア構成を示す概略図である。
なお、基地局20B及び20Cの主なソフトウエア構成は、基地局20Aと同様なので、説明を省略する。
図6に示すように、基地局20Aは、各部を制御する基地局制御部100、図2の基地局通信装置装置32に対応する基地局通信部102等を有する。この基地局通信部102は、通信電波CS1を送信する通信電波送信手段の一例である。
基地局20Aは、また、図2の基地局時計36に対応する基地局計時部104、各種プログラムを格納する基地局第1記憶部110、各種情報を格納する基地局第2記憶部150を有する。
【0034】
図6に示すように、基地局20Aは、基地局第2記憶部150に、基地局ID−1を示す基地局識別情報151を格納している。基地局識別情報151は、基地局20Aを他の基地局20Bと識別するための情報であり、基地局ID−1は例えば、4桁の番号である。
図6に示すように、基地局20Aは、基地局第2記憶部150に、基地局位置情報152を格納している。基地局位置情報152は、基地局20Aの位置Pを示す情報であり、例えば、基地局20Aの位置Pが緯度、経度及び高度によって示されている。基地局位置情報152は、基地局位置情報の一例である。
【0035】
図6に示すように、基地局20Aは、基地局第1記憶部110に、送信フレーム生成プログラム112を格納している。送信フレーム生成プログラム112は、基地局制御部100が、基地局位置情報152及び送信時刻情報156を含む送信フレーム154を生成するためのプログラムである。
基地局20Aは、基地局計時部104によって、通信電波CS1の送信時刻t1等を示す送信時刻情報156を生成する。基地局制御部100は、送信時刻情報156を基地局第2記憶部150に格納する。
【0036】
図7は、基地局通信部102が通信電波CS1によって送信する送信フレーム154の一例等を示す概略図である。
図7に示すように、送信フレーム154は、複数のフレームF1等から構成される。
各フレームF1乃至F3は、通信網(図示せず)を使って通信する情報の単位である。すなわち、基地局20Aは、フレームF1等を単位として、情報を送信するようになっている。
各フレームF1等には、例えば、フレーム番号である例えば、F1等、送信時刻情報156に示される送信時刻t1等、基地局識別情報151に示される基地局ID−1、基地局位置情報152に示される位置Pが含まれている。送信時刻t1等を、タイムタグとも呼ぶ。
基地局20Aは、基地局通信部102によって、各フレームF1等及びタイミング信号TS1を乗せた通信電波CS1を継続的に送信している。
【0037】
(提供装置40の主なソフトウエア構成について)
図8は、提供装置40の主なソフトウエア構成を示す概略図である。
図9は、ドリフト情報262の生成方法の一例の説明図である。
図10は、時刻情報258の構造の一例を示す図である。
図8に示すように、提供装置40は、各部を制御する制御部200、図3のGPS装置50に対応するGPS部202、図3の通信装置52に対応する通信部204、図3の時計56に対応する計時部206、各種プログラムを格納する第1記憶部210、各種情報を格納する第2記憶部250を有する。
【0038】
図8に示すように、提供装置40は、第2記憶部250に、提供装置位置情報251を格納している。提供装置位置情報251は、提供装置40の位置Qを例えば、緯度、経度及び高度によって示す情報である。提供装置位置情報251は、情報提供装置位置情報の一例である。
【0039】
図8に示すように、提供装置40は、第2記憶部250に、衛星軌道情報252を格納している。衛星軌道情報252は、すべてのGPS衛星12a等(図1参照)の概略の軌道を示すアルマナック(Almanac)252a及び、各GPS衛星12a等の精密な軌道を示すエフェメリス(Ephemeris)252bを含む。
【0040】
図8に示すように、提供装置40は、第1記憶部210に、GPS時刻生成プログラム212を格納している。GPS時刻生成プログラム212は、制御部200が、GPS衛星12a等からの衛星電波S1等(図1参照)に基づいて、GPS時刻を示すGPS時刻情報254を生成するためのプログラムである。すなわち、GPS時刻生成プログラム212と制御部200は、衛星時刻情報生成手段の一例である。
制御部200は、衛星軌道情報252を使用して、GPS部202によって受信した複数の衛星電波S1等に基づいて、現在位置の測位を行うとともに、ミリ秒(ms)単位での正確なGPS時刻を示すGPS時刻情報254を生成し、第2記憶部250に格納する。
【0041】
図8に示すように、提供装置40は、第1記憶部210に、時計補正プログラム214を格納している。時計補正プログラム214は、制御部200が、上述のGPS時刻情報254に基づいて、計時部206の時刻を、GPS時刻と差がない状態に維持するためのプログラムである。
これにより、基地局20Aは、時計56が計測する時刻をGPS時刻と差がない状態に維持することができる。
【0042】
図8に示すように、提供装置40は、第1記憶部210に、基地局通信電波受信プログラム216を格納している。基地局通信電波受信プログラム216は、制御部200が、通信部204によって、基地局20A等からフレームF1等が乗せられた通信電波CS1等を受信するためのプログラムである。すなわち、基地局通信電波受信プログラム216、制御部200及び通信部204は、フレーム受信手段の一例である。
【0043】
図8に示すように、提供装置40は、第1記憶部210に、時刻情報生成プログラム218を格納している。時刻情報生成プログラム218は、送信時刻情報生成プログラム220及びドリフト情報生成プログラム222を含む。
【0044】
送信時刻情報生成プログラム218は、制御部200が、基地局20A等から各フレームF1等を受信したGPS時刻tr(図示せず)と、基地局位置情報152(図6参照)及び提供装置位置情報251に基づいて、基地局20A等から各フレームF1等が送信されたGPS時刻tsを示す送信GPS時刻情報260を生成するためのプログラムである。送信GPS時刻情報260は送信衛星時刻情報の一例であり、時刻情報生成プログラム218と制御部200は送信衛星時刻情報生成手段の一例である。
制御部200は、基地局20A等からの信号電波CS1の各フレームF1等を受信したGPS時刻を、計時部206によって計測する。
制御部200は、基地局位置情報152を、基地局20A等からのフレームF1等から取得する。
制御部200は、提供装置位置情報251を、第2記憶部250から取得する。
例えば、基地局20Aの位置Pと、提供装置40の位置Qとから、基地局20Aと提供装置40との距離d(図示せず)を算出することができる。そして、フレームF1等を乗せた通信電波CS1等の伝搬速度は光速C(図示せず)であるから、距離dを通信電波CS1が伝搬するのに必要な伝搬時間td(図示せず)を正確に算出することができる。そして、例えば、フレームF1を受信したGPS時刻trから、伝搬時間tdを遡ることによって、送信GPS時刻tsを算出することができ、送信GPS時刻情報260を生成することができる。送信GPS時刻tsを、バイアスとも呼ぶ。
【0045】
ドリフト情報生成プログラム222は、制御部200が、基地局時計36(図2参照)による計時の基礎となる基準周波数と、基準周波数と通信電波CS1等の基準周波数との関係を示す情報と、通信電波CS1等の受信周波数とに基づいて、基準周波数のずれであるドリフトhを示すドリフト情報262を生成するためのプログラムである。すなわち、、ドリフト情報生成プログラム222と制御部200は、周波数偏移情報生成手段の一例である。
基地局20A等の基地局時計36(図2参照)の基準となる基準周波数H1(図9参照)は例えば、水晶発振器(図示せず)によって生成される。この水晶発振器の振動数は、温度によって変化し、水晶発振器の周波数はH1+hとなる。ここで、水晶発振器の周波数の温度による偏移hをドリフトと呼ぶ。
【0046】
ドリフト情報262の生成方法の一例を、図9を使用して説明する。
まず、通信電波CS1の基準周波数H2は、基準周波数H1のa倍(aは定数)になっている。提供装置40は、基準周波数H1及び定数aを示す基地局基準周波数情報256を第2記憶部250に格納している。上述の基準周波数H1は、基礎周波数の一例である。基準周波数H2は、基準周波数の一例である。
図9(a)に示すように、ドリフトhが生じていない場合に基地局20A等が発信するする通信電波CSの周波数は基準周波数H2であり、提供装置40が受信する通信電波CSの受信周波数H3は、H2=H1×aに等しい。受信周波数H3は、受信周波数の一例である。ここで、基地局20A等と提供装置40との相対移動はなく、ドップラー効果は考慮しなくてよいものとする。
これに対して、図9(b)に示すように、ドリフトhが生じている場合に基地局20Aからの発信周波数H2Aは(H1+h)×aであり、提供装置40が受信する通信電波CSの受信周波数H3は、H2A=(H1+h)×aとなる。
ここで、提供装置40は、受信周波数H3は計測可能であり、基準周波数H1及び定数aを示す基地局基準周波数情報256を予め格納しているから、ドリフトhを算出することができる。
すなわち、制御部200は、H3=(H1+h)×aという方程式を解くことによって、ただ一つの未知数であるドリフトhを算出することができる。
【0047】
ドリフトhは、基地局20A等の基地局時計36の基準周波数H1のずれであるから、基地局時計36の時刻のずれを示すものでもある。
ドリフトhが発生していない場合には、基地局時計36の基礎単位である例えば、1秒間は、H/Hである。
これに対して、ドリフトhが発生している場合には、基地局時計36の1秒間は、H/H+hとなっている。
ドリフトhを使用することによって、基地局時計36の時刻のずれを、ナノ秒(ns)単位で算出することができる。
すなわち、送信時刻情報260をドリフト情報262で補正することによって、各フレームF1等のより精度が高い送信時刻を算出することができる。
【0048】
上述の送信時刻情報260及びドリフト情報262が時刻情報258を構成している。
図10に示すように、時刻情報258は、フレーム番号、基地局ID、タイムタグ、バイアス及びドリフトから構成されている。
例えば、フレームF1は、基地局ID−1、送信時刻t1を示すTimetab−1、送信GPS時刻tsを示すBias−1、及び、ドリフトhを示すDrift−1で構成される。タイムタグは、フレーム番号及び基地局IDとともに、バイアスとドリフトを検索するための検索キーとして使用される。
【0049】
図8に示すように、提供装置40は、第1記憶部210に、時刻情報送信プログラム224を格納している。時刻情報送信プログラム224は、制御部200が通信部204によって、時刻情報258を、放送局60に送信するためのプログラムである。すなわち、時刻情報送信プログラム224と制御部200と通信部204は、時刻情報送信手段の一例である。
【0050】
(放送局60主なソフトウエア構成について)
図11は、放送局60の主なソフトウエア構成を示す概略図である。
図11に示すように、放送局60は、各部を制御する放送局制御部300、図4の放送局側通信装置70に対応する放送局通信部302、図4の放送装置72に対応する放送部304、各種プログラムを格納する放送局第1記憶部310、各種情報を格納する放送局第2記憶部350を有する。
【0051】
図11に示すように、放送局60は、放送局第1記憶部310に、時刻情報受信プログラム312を格納している。時刻情報受信プログラム312は、放送局制御部300が、提供装置40から時刻情報258(図8参照)を受信するためのプログラムである。すなわち、時刻情報受信プログラム312と放送局制御部300は、時刻情報受信手段の一例である。
放送局制御部300は、受信した時刻情報258を放送局側時刻情報352として、放送局第2記憶部350に格納する。
【0052】
図11に示すように、放送局60は、放送局第1記憶部310に、時刻情報放送プログラム314を格納している。時刻情報放送プログラム314は、放送局制御部300が、放送局側時刻情報352を放送するためのプログラムである。すなわち、時刻情報放送プログラム314と放送局制御部300は、時刻情報送信手段の一例である。
【0053】
(端末80の主なソフトウエア構成について)
図12は、端末80の主なソフトウエア構成を示す概略図である。
図12に示すように端末80は、各部を制御する端末制御部400、図5の端末GPS装置90に対応する端末GPS部402、図5の端末側通信装置94に対応する端末通信部404、図5の端末時計98に対応する端末計時部406、図5の放送受信装置92に対応する放送受信部408等を有する。
端末80は、また、各種プログラムを格納する端末第1記憶部410、各種情報を格納する端末第2記憶部450を有する。
【0054】
図12に示すように、端末80は、端末第2記憶部250に、端末側衛星軌道情報452を格納している。端末側衛星軌道情報452は例えば、アルマナック及びエフェメリスを含む情報である。
【0055】
図12に示すように、端末80は、端末第1記憶部410に、端末側GPS時刻情報生成プログラム412を格納している。端末側GPS時刻情報生成プログラム412は、端末制御部400が、GPS衛星12a等からの衛星電波S1等(図1参照)に基づいて、GPS時刻を示す端末側GPS時刻情報454を生成するためのプログラムである。この端末側GPS時刻情報454は端末側衛星時刻情報の一例であり、端末側GPS時刻情報生成プログラム412と端末制御部400は、端末側衛星時刻情報生成手段の一例である。
【0056】
図12に示すように、端末80は、端末第1記憶部410に、端末時計補正プログラム414を格納している。端末時計補正プログラム414は、端末制御部400が、端末側GPS時刻情報454に基づいて、端末計時部406の時刻を補正するためのプログラムである。
これにより、端末80は、端末時計98の時刻をGPS時刻と差がない状態にすることができる。
【0057】
図12に示すように、端末80は、端末第1記憶部410に、時刻情報受信プログラム416を格納している。時刻情報受信プログラム416は、端末制御部400が放送受信部408によって、放送局60から放送局側時刻情報352の放送を受信するためのプログラムである。すなわち、時刻情報受信プログラム416、端末制御部400及び放送受信部408は、端末側時刻情報受信手段の一例である。
端末制御部400は、後述の基地局測位プログラム428による測位(以後、基地局測位と呼ぶ)及びハイブリッド測位プログラム430による測位(以後、ハイブリッド測位と呼ぶ)の測位時に、放送局60から放送局側時刻情報352の放送を受信するようになっている。
端末制御部400は、受信した放送局側時刻情報352を、端末側時刻情報456として、端末第2記憶部450に格納する。
【0058】
図12に示すように、端末80は、端末第1記憶部410に、上空衛星数判断プログラム418を格納している。上空衛星数判断プログラム418は、端末制御部400が、端末80の上空に位置し、観測可能なGPS衛星12a等の数を判断するためのプログラムである。
具体的には、端末制御部400は、端末側衛星軌道情報452に含まれるアルマナックを使用して、端末計時部406によって計測された現在時刻において、端末80の上空に位置し、観測可能なGPS衛星12a等の数を判断する。そして、端末制御部400は、上空に位置するGPS衛星12a等の数を示す上空衛星数情報462を端末第2記憶部450に格納する。
【0059】
図12に示すように、端末80は、端末第1記憶部410に、衛星測位プログラム420を格納している。衛星測位プログラム420は、端末制御部400が、3個以上のGPS衛星12a等からの衛星電波S1等(図1参照)に基づいて、端末80の位置の測位を行うためのプログラムである。すなわち、衛星測位プログラム420と端末制御部400は、衛星電波測位手段の一例である。
具体的には、端末制御部400は、衛星電波S1等が各GPS衛星12a等から発信された時刻と、衛星電波S1等を受信した時刻との差を算出して、衛星電波S1等の速度が光速であることに基づいて、各GPS衛星12a等と端末80との距離(擬似距離と呼ぶ)を算出する。一方で、端末側衛星軌道情報452に含まれるエフェメリスによって、端末計時部406によって計測した現時刻における各GPS衛星12a等の衛星軌道上の位置を算出する。
そして、上述の擬似距離と各GPS衛星12a等の衛星軌道上の位置に基づいて、現在位置を測位する。
端末制御部400は、測位によって生成した衛星測位位置情報464を端末第2記憶部450に格納する。
なお、端末制御部400が衛星測位プログラム420によって行う測位を、衛星測位と呼ぶ。
【0060】
図12に示すように、端末80は、端末第1記憶部410に、通信電波受信プログラム422を格納している。通信電波受信プログラム422は、端末制御部400が端末通信部404によって、基地局20A等から、フレームFが乗せられた通信電波CS1等を受信するためのプログラムである。すなわち、通信電波受信プログラム422、端末制御部400及び端末通信部404は、端末側フレーム受信手段の一例である。
通信電波受信プログラム422は、基地局情報抽出プログラム422aを含む。基地局情報抽出プログラム422aは、端末制御部400が、通信電波CS1等から、基地局識別情報151、基地局位置情報152及び送信時刻情報154(図6参照)を抽出するためのプログラムである。
端末制御部400は、抽出した基地局識別情報151、基地局位置情報152及び送信時刻情報154を端末側基地局情報466として、端末第2記憶部450に格納する。端末側基地局情報466は、基地局識別情報466a,基地局位置情報466b及び送信時刻情報466cを含む。
【0061】
図12に示すように、端末80は、端末第1記憶部410に、受信時刻情報生成プログラム424を格納している。受信時刻情報生成プログラム424は、端末制御部400が、通信電波CS1等を受信したGPS時刻を示す受信GPS時刻情報468を生成するためのプログラムである。この受信GPS時刻情報468は端末側受信衛星時刻情報の一例であり、受信時刻情報生成プログラム424と端末制御部400は、端末側受信衛星時刻情報生成手段の一例である。
具体的には、端末制御部400は、端末計時部406によって、通信電波CS1を受信したGPS時刻を計測し、受信GPS時刻情報468を生成する。
端末制御部400は、生成した受信GPS時刻情報468を、端末第2記憶部450に格納する。
【0062】
図12に示すように、端末80は、端末第1記憶部410に、基地局測位プログラム428を格納している。基地局測位プログラム428は、端末制御部400が、3個以上の基地局20A等の基地局位置情報466b、送信時刻情報466c、送信GPS時刻情報458、ドリフト情報460及び受信GPS時刻情報468に基づいて、端末80の位置を測位するためのプログラムである。すなわち、基地局測位プログラム428と端末制御部400は、通信電波測位手段の一例である。
【0063】
図13は、基地局測位方法の一例の説明図である。
図13(a)は、各基地局20A等の位置を示す図である。基地局20A等の位置は、基地局位置情報466bによって既知である。
図13(b)は、各基地局20A等からの通信電波CS1等の伝搬時間tb01等を示す図である。伝搬時間tb01等は、未知数である。ここで、通信電波CS1等の伝搬時間tb01等は、フレームF1等の伝搬時間と同義である。
図13(c)は、各通信電波CS1等の送信時刻t1等を示す図である。送信時刻t1等は、送信時刻情報466cによって既知である。ここで、通信電波CS1等の送信事項t1等は、フレームF1等の送信時刻t1等と同義である。なお、基地局20A等間においては、時刻同期していないから、t1、t2及びt3は、同時刻とは限らない。
図13(d)は、各基地局20A等の時差ta1等を示す図である。時差ta1等は、
送信時刻情報466cに示される時刻と、端末側時刻情報456から算出する通信電波CS1等の精密な送信時刻の差分として算出することができる。端末側時刻情報456は、通信電波S1等の各フレームF1等の送信時刻をミリ秒(ms)単位で示す送信GPS時刻情報458及び、各フレームF1等の送信時刻をナノ秒(ns)単位で算出する基礎となるドリフト情報460を含むから、端末80は、精密に各フレームF1等の送信時刻を算出することができる。
図13(e)は通信電波CS1等の伝搬速度を示す図である。通信電波CS1等は電波に乗せられているから、その伝搬速度は光速Cである。
図13(f)は、通信電波CS1等の送信時刻t1等と、端末80が通信電波CS1等を受信した時刻との時間差td01等を示す図である。図13(g)に示すように、端末80が通信電波CS1等を受信した時刻をt0とする。
図13(h)に示す端末80の位置(X,Y,Z)は、未知数である。
【0064】
以上を前提に、図13(i)乃至図13(k)に示す式(1)乃至(9)について説明する。
まず、各基地局20A等と端末80との距離は、通信電波CS1等の伝搬時間と電波の速度(光速C)を乗算したものに等しいから、図13(i)の式(1)乃至式(3)が成り立つ。
次に、送信時刻t1は、GPS時刻との時差ta1を含むから、図13(j)の式(4)乃至(6)が成り立つ。
さらに、図13(f)の時間差td01等については、図13(c)の送信時刻t1等、図13(b)の伝搬時間tb01及び図13(g)の時刻t0に基づいて、図13(k)の式(7)乃至式(9)が成り立つ。
ここで、未知数が端末80の位置を示す、X、Y、Z、伝搬時間tb01、tb02及びtb03の6個であるから、式(1)、(2)、(3)、(7)、(8)及び(9)を連立させて計算することによって、未知数をすべて算出することができる。
端末制御部400は、このようにして生成した基地局測位位置情報470を端末第2記憶部450に格納する。
なお、端末制御部400は、各フレームF1等、フレーム番号、基地局ID及びタイムタグを検索キーとして、端末側時刻情報456から対応する情報を抽出するようになっている。
【0065】
図12に示すように、端末80は、端末第1記憶部410に、ハイブリッド測位プログラム430を格納している。ハイブリッド測位プログラム430は、端末制御部400が、衛星電波S1等、基地局20A等の基地局位置情報466b、送信時刻情報466c、送信GPS時刻情報458、ドリフト情報460及び受信GPS時刻情報468に基づいて、端末80の位置を測位するためのプログラムである。すなわち、ハイブリッド測位プログラム430と端末制御部400は、複合測位手段の一例である。
端末制御部400がハイブリッド測位プログラム430に基づいて行う測位は、図13を使用して説明した上述の基地局測位プログラム428に基づいて行う測位方法において、1個又は2個の基地局20AをGPS衛星12a等に代替して行う。
なお、端末制御部400がハイブリッド測位プログラム430に基づいて行う測位をハイブリッド測位と呼ぶ。
端末制御部400は、ハイブリッド測位によって生成したハイブリッド測位位置情報472を端末第2記憶部450に格納する。
【0066】
図12に示すように、端末80は、端末第1記憶部410に、測位方法選択プログラム432を格納している。測位方法選択プログラム432は、端末制御部400が、上空衛星数情報462に示されるGPS衛星12a等の数に基づいて、衛星測位、基地局測位、又は、ハイブリッド測位のいずれかを選択するためのプログラムである。
具体的には、端末制御部400は、上空衛星数情報462に示されるGPS衛星12a等の数が3個以上である場合には、衛星測位を選択する。そして、端末制御部400は、上空衛星数情報462に示されるGPS衛星12a等の数が1個又は2個である場合には、ハイブリッド測位を選択する。そして、端末制御部400は、上空衛星数情報462に示されるGPS衛星12a等の数が0個である場合には、基地局測位を選択する。
【0067】
一般に、GPS衛星12a等からの衛星電波S1等に基づく測位の測位精度は、通信電波CS1等に基づく測位の測位精度よりも高い。この原因の一つとして、基地局20A等が、リピータと呼ぶ小型の仲介装置を有していることがある。リピータは、基地局20A等と同じ通信電波CS1等を送信しているため、リピータを介して受信した通信電波CS1等を受信した端末80は、基地局20A等と端末80との距離(擬似距離)を、基地局20A等から直接波として通信電波CS1等を受信する場合よりも長く算出する結果、測位誤差が大きくなる場合がある。これに対して、GPS衛星12a等は、リピータによる問題はないから、リピータによる測位精度の低下はない。
例えば、衛星測位による場合には、測位誤差は0メートル(m)乃至20メートル(m)であるのに対し、基地局測位による場合には、測位誤差が5メートル(m)乃至400メートル(m)である。
この点、端末80は、GPS衛星12a等から信号S1等を受信することができるかぎり、信号S1等のみ、又は、信号S1等と通信電波CS1等を使用して測位を行うことができる。
このため、端末80は、観測可能なGPS衛星12a等の数に応じて、最も高い測位精度において測位をすることができる。
なお、衛星測位には、基地局20A等と、測位のために通信する必要がないという利点もある。
これに対し、ハイブリッド測位又は基地局測位は、例えば、屋内などGPS衛星12a等が3個以上観測できない環境においては、屋内でも受信可能な通信電波CS1等を使用して、測位を行うことができるという利点がある。
【0068】
図12に示すように、端末80は、端末第1記憶部410に、測位位置情報表示プログラム434を格納している。測位位置情報表示プログラム434は、端末制御部400が、衛星測位位置情報464、基地局測位位置情報470、又は、ハイブリッド測位位置情報472のいずれかを表示装置96(図5参照)に表示するためのプログラムである。
【0069】
測位システム10は、以上のように構成されている。
上述のように、提供装置40は、基地局20A等から送信される各フレームF1等についての時刻情報258(図8参照)を生成し、放送局60に送信することができる。
そして、放送局60は、放送局側時刻情報352を放送することができる。
そして、端末80は、放送局60から放送局側時刻情報352(図11参照)を受信することができ、端末側時刻情報456(図12参照)として格納することができる。
そして、端末80は、3個以上の基地局20A等から通信電波CS1等を受信し、通信電波CS1等から取得する端末側基地局情報466及び、端末側時刻情報456に基づいて、通信電波CS1等を使用する基地局測位が可能である。
【0070】
上述のように、基地局20A等は、送信時刻をGPS時刻に同期させるのではなくて、送信時刻情報154(図6参照)を含むフレームF1等を通信電波CS1等によって送信するだけであるから、その構成は簡易であり、基地局20A等の大幅なシステム変更を必要としない。
これにより、通信基地局の大幅なシステム変更を必要とすることなく、通信基地局からの通信電波を使用する測位を可能にすることができる。
【0071】
以上が本実施の形態に係る測位システム10の構成であるが、以下、その動作例を主に図14を使用して説明する。
図14は本実施の形態に係る測位システム10の動作例を示す概略フローチャートである。
【0072】
基地局20A等は、継続的に通信電波CS1等を送信する(図14のステップST1)。
続いて、提供装置40は、基地局20A等から通信電波CS1等を受信する(ステップST2)。
続いて、提供装置40は、時刻情報258(図8参照)を生成する(ステップST3)。
続いて、提供装置40は、放送局60に対して、時刻情報258を送信する(ステップST4)。
【0073】
続いて、放送局60は、提供装置40から、時刻情報258を受信する(ステップST5)。放送局60は、時刻情報258を放送局側時刻情報352として、放送局第2記憶部350に格納する。
続いて、放送局60は、放送局側時刻情報352を放送する(ステップST6)。
【0074】
これに対して、端末80は、端末側GPS時刻情報454を定期的に、例えば、3分間ごとに生成する(ステップST1A)。このステップST1Aは、衛星時刻情報生成ステップの一例である。
そして、測位時に、放送局60から放送局側時刻情報352を受信する(ステップST8)。このステップST8は、時刻情報受信ステップの一例である。
【0075】
続いて、端末80は、端末80の上空に位置し、観測可能なGPS衛星12a等の数を判断する(ステップST9)。
端末80は、観測可能なGPS衛星12a等の数が、3個以上であると判断した場合には、衛星測位を実施し(ステップST101)、衛星測位位置情報464(図12参照)を生成する。
そして、端末80は、衛星測位位置情報464を、表示装置96(図5参照)に表示する(ステップST102)。
【0076】
ステップST9において、端末80が、観測可能なGPS衛星12a等の数が、1個又は2個であると判断した場合には、ハイブリッド測位を実施し(ステップST201)、ハイブリッド測位位置情報472(図12参照)を生成する。
そして、端末80は、ハイブリッド測位位置情報472を、表示装置96(図5参照)に表示する(ステップST202)。
【0077】
ステップST9において、端末80は、観測可能なGPS衛星12a等の数が、0個であると判断した場合には、基地局測位を実施し(ステップST301)、基地局測位位置情報470(図12参照)を生成する。基地局測位においては、端末80は、基地局20A等から通信電波CS1等を受信し、受信GPS時刻情報468(図12参照)を生成し、3個以上の基地局20A等の基地局位置情報466b、送信時刻情報466c、送信GPS時刻情報458、ドリフト情報460及び受信GPS時刻情報468に基づいて、端末80の位置を測位する。すなわち、ステップST301は、端末側通信電波受信ステップ、端末側受信時刻情報生成ステップ及び端末側通信電波測位ステップの一例である。
そして、端末80は、基地局測位位置情報470を、表示装置96(図5参照)に表示する(ステップST302)。
【0078】
以上で説明したように、測位システム10によれば、通信基地局の大幅なシステム変更を必要とすることなく、通信基地局からの通信電波を使用する測位を可能にすることができる。
なお、本実施の形態とは異なり、上述のステップST9において、GPS衛星12a等の数が3個以上であっても、ハイブリッド測位をするようにしてもよい。ハイブリッド測位では、GPS衛星12a等からの衛星電波S1等と、基地局20A等からの通信電波CS1等の両方を使用することができ、測位演算に使用することができる電波の数が増えるので、測位精度を安定して高くすることができる。
【0079】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施の形態の測位システム10Aの構成は、上記第1の実施の形態の測位システム10と多くの構成が共通するため共通する部分は同一の符号等とし、説明を省略し、以下、相違点を中心に説明する。
【0080】
図15は、第2の実施の形態の端末80Aの主なソフトウエア構成を示す概略図である。
図15に示すように、端末80Aは、端末第1記憶部410に、時刻情報受信プログラム416Aを格納している。
端末制御部400は、時刻情報受信プログラム416Aによって、衛星測位、基地局測位又はハイブリッド測位に先立って、放送局60から放送局側時刻情報352を受信するようになっている。
【0081】
端末80Aは、送信時刻情報466cと送信GPS時刻情報458とから基地局20Aの時刻とGPS時刻との時刻差を知ることができ、この時刻差は、一定期間である例えば、10分間は大きく変動しない。また、ドリフト情報460に示されるドリフトhも一定期間である例えば、10分間は大きく変動しない。
このため、送信時刻情報466c等を一度取得すれば、一定期間においては、その後に基地局20A等から受信した送信フレームFを使用する測位に使用することができる。
すなわち、端末80Aは、測位に先立って、放送局側時刻情報352を受信する構成となっているから、測位時に、送信時刻情報466cと送信GPS時刻情報458及び、ドリフト情報460を取得する必要がない。この結果、測位に必要な時間を短縮することができる。
【0082】
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施形態について説明する。第3の実施の形態の測位システム10Bの構成は、上記第1の実施の形態の測位システム10と多くの構成が共通するため共通する部分は同一の符号等とし、説明を省略し、以下、相違点を中心に説明する。
【0083】
図16は、第3の実施の形態の端末80Bの主なソフトウエア構成を示す概略図である。
図16に示すように、端末80Bは、端末第1記憶部410に、時刻情報受信プログラム416Bを格納している。
端末制御部400は、時刻情報受信プログラム416Bによって、送信時刻情報466cと送信GPS時刻情報458及び、ドリフト情報460の有効期間に基づいて規定される間隔時間ごとに放送局60から放送局側時刻情報352を受信するようになっている。
【0084】
上述のように、送信時刻情報466cと送信GPS時刻情報458とから基地局20Aの時刻とGPS時刻との時刻差は、一定期間である例えば、10分間は大きく変動しない。また、ドリフト情報460に示されるドリフトhも一定期間である例えば、10分間は大きく変動しない。すなわち、10分間という時間は、送信時刻情報466cと送信GPS時刻情報458及び、ドリフト情報460の有効期間である。
このため、送信時刻情報466c等は、一度、送信時刻情報466c等を取得すれば、、一定期間は、その後に基地局20A等から受信した送信フレームF1等を使用する測位に使用することができる。
すなわち、端末80Bは、例えば、10分間という間隔時間ごとに、放送局側時刻情報352を受信する構成となっているから、測位時に、送信時刻情報466cと送信GPS時刻情報458及び、ドリフト情報460を取得する必要がない。この結果、測位に必要な時間を短縮することができる。
【0085】
(プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体等について)
コンピュータに上述の動作例の衛星時刻情報生成ステップと、時刻情報受信ステップと、端末側通信電波受信ステップと、端末側受信時刻情報生成ステップと、通信電波測位ステップ等を実行させるための端末装置の制御プログラムとすることができる。
また、このような端末装置の制御プログラム等を記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体等とすることもできる。
【0086】
これら端末装置の制御プログラム等をコンピュータにインストールし、コンピュータによって実行可能な状態とするために用いられるプログラム格納媒体は、例えばフロッピー(登録商標)のようなフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Compact Disc−Recordable)、CD−RW(Compact Disc−rewritable)、DVD(Digital Versatile Disc)などのパッケージメディアのみならず、プログラムが一時的若しくは永続的に格納される半導体メモリ、磁気ディスクあるいは光磁気ディスクなどで実現することができる。
【0087】
本発明は、上述の各実施の形態に限定されない。さらに、上述の各実施の形態は、相互に組み合わせて構成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の実施の形態に係る測位システムを示す概略図である。
【図2】通信基地局の主なハードウエア構成を示す概略図である。
【図3】時刻情報提供装置の主なハードウエア構成を示す概略図である。
【図4】ラジオ放送局の主なハードウエア構成を示す概略図である。
【図5】端末の主なハードウエア構成を示す概略図である。
【図6】基地局の主なソフトウエア構成を示す概略図である。
【図7】送信フレームF等を示す概略図である。
【図8】時刻情報提供装置の主なソフトウエア構成を示す概略図である。
【図9】ドリフト情報の生成方法の一例の説明図である。
【図10】時刻情報の一例を示す図である。
【図11】ラジオ放送局の主なソフトウエア構成を示す概略図である。
【図12】端末の主なソフトウエア構成を示す概略図である。
【図13】基地局測位方法の一例を示す説明図である。
【図14】測位システムの動作例を示す概略フローチャートである。
【図15】端末の主なソフトウエア構成を示す概略図である。
【図16】端末の主なソフトウエア構成を示す概略図である。
【符号の説明】
【0089】
10,10A,10B・・・測位システム、12a,12b,12c,12d・・・GPS衛星、20A,20B,20C・・・基地局、102・・基地局通信部、104・・・基地局計時部、112・・・送信フレーム生成プログラム、212・・・GPS時刻生成プログラム、214・・・時計補正プログラム、216・・・基地局通信電波受信プログラム、218・・・時刻情報生成プログラム、220・・・送信時刻情報生成プログラム、222・・・ドリフト情報生成プログラム、224・・・時刻情報送信プログラム、312・・・時刻情報受信プログラム、314・・・時刻情報放送プログラム、412・・・端末側GPS時刻情報生成プログラム、414・・・端末時計補正プログラム、416,416A,416B・・・時刻情報受信プログラム、418・・・上空衛星数判断プログラム、420・・・衛星測位プログラム、422・・・通信電波受信プログラム、422a・・・基地局情報抽出プログラム、424・・・受信時刻情報生成プログラム、428・・・基地局測位プログラム、430・・・ハイブリッド測位プログラム、432・・・測位方法選択プログラム、434・・・測位位置情報表示プログラム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定位置に位置する複数の通信基地局と、
前記通信基地局と通信可能な情報提供装置と、
前記情報提供装置と通信可能な放送装置と、
前記放送装置から放送電波を受信可能な端末装置と、
を有する通信基地局間非同期の測位システムであって、
前記通信基地局は、
送信時刻を示す送信時刻情報を含むフレームを通信電波によって送信するフレーム送信手段を有し、
前記情報提供装置は、
測位衛星からの衛星電波に基づいて、前記測位衛星の時刻である衛星時刻を示す衛星時刻情報を生成する衛星時刻情報生成手段と、
前記通信基地局から前記フレームを受信するフレーム受信手段と、
前記フレームを受信した前記衛星時刻と、前記通信基地局の前記固定位置を示す基地局位置情報及び前記情報提供装置の位置を示す情報提供装置位置情報に基づいて、前記通信基地局から前記フレームが送信された前記衛星時刻を示す送信衛星時刻情報を生成する送信衛星時刻情報生成手段と、
前記通信基地局が計測する前記送信時刻の基礎となる基礎周波数と、前記基礎周波数と前記通信電波の基準周波数との関係を示す情報と、前記通信電波の受信周波数とに基づいて、前記基礎周波数の偏移を示す周波数偏移情報を生成する周波数偏移情報生成手段と、
前記放送装置に対して、前記送信衛星時刻情報及び前記周波数偏移情報を含む時刻情報を送信する時刻情報送信手段と、
を有し、
前記放送装置は、
前記情報提供装置から前記時刻情報を受信する時刻情報受信手段と、
前記時刻情報を放送する時刻情報放送手段と、
を有し、
前記端末装置は、
前記測位衛星からの前記衛星電波に基づいて、前記衛星時刻を示す端末側衛星時刻情報を生成する端末側衛星時刻情報生成手段と、
前記放送装置から前記時刻情報を受信する端末側時刻情報受信手段と、
前記通信基地局から前記フレームを受信する端末側フレーム受信手段と、
前記フレームを受信した前記衛星時刻を示す端末側受信衛星時刻情報を生成する端末側受信衛星時刻情報生成手段と、
3個以上の前記通信基地局の前記基地局位置情報、前記送信時刻情報、前記送信衛星時刻情報、前記周波数偏移情報及び前記端末側受信衛星時刻情報に基づいて、前記端末装置の位置を測位する通信電波測位手段と、
を有することを特徴とする通信基地局間非同期の測位システム。
【請求項2】
情報提供装置と通信可能な放送装置から放送を受信可能な端末装置であって、
測位衛星からの衛星電波に基づいて、前記測位衛星の時刻である衛星時刻を示す端末側衛星時刻情報を生成する端末側衛星時刻情報生成手段と、
前記通信基地局から前記情報提供装置が前記フレームを受信した前記衛星時刻と、前記放送装置と通信可能な前記通信基地局の固定位置を示す基地局位置情報及び前記情報提供装置の位置を示す情報提供装置位置情報とに基づいて生成された、前記通信基地局から前記フレームが送信された前記衛星時刻を示す送信衛星時刻情報、及び、前記通信基地局が生成する前記送信時刻の基礎となる基礎周波数と、前記基礎周波数と前記通信電波の基準周波数との関係を示す情報と、前記通信電波の受信周波数とに基づいて生成された前記基礎周波数の偏移を示す周波数偏移情報と、を含む時刻情報を受信する端末側時刻情報受信手段と、
前記通信基地局から前記フレームを受信する端末側フレーム受信手段と、
前記フレームを受信した前記衛星時刻を示す端末側受信衛星時刻情報を生成する端末側受信衛星時刻情報生成手段と、
3個以上の前記通信基地局の前記基地局位置情報、前記送信時刻情報、前記送信衛星時刻情報、前記周波数偏移情報及び前記端末側受信衛星時刻情報に基づいて、前記端末装置の位置を測位する通信電波測位手段と、
を有することを特徴とする端末装置。
【請求項3】
前記衛星電波に基づいて、前記端末装置の位置を測位する衛星電波測位手段と、
前記衛星電波、前記通信基地局の前記基地局位置情報、前記送信時刻情報、前記送信衛星時刻情報、前記周波数偏移情報及び前記端末側受信衛星時刻情報に基づいて、前記端末装置の位置を測位する複合測位手段と、
を有することを特徴とする請求項2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記端末側時刻情報受信は、前記放送電波測位手段、前記衛星電波測位手段又は前記複合測位手段による測位に先立って、前記放送装置から前記時刻情報を受信する構成となっていることを特徴とする請求項3に記載の端末装置。
【請求項5】
前記端末側時刻情報受信手段は、前記送信時刻情報と前記送信衛星時刻情報及び/又は前記周波数偏移情報の有効期間に基づいて規定される間隔時間ごとに、前記放送装置から前記時刻情報を受信する構成となっていることを特徴とする請求項3に記載の端末装置。
【請求項6】
情報提供装置と通信可能な放送装置から放送を受信可能な端末装置が、測位衛星からの衛星電波に基づいて、前記測位衛星の時刻である衛星時刻を示す端末側衛星時刻情報を生成する端末側衛星時刻情報生成ステップと、
前記端末装置が、前記通信基地局から前記情報提供装置が前記フレームを受信した前記衛星時刻と、前記放送装置と通信可能な前記通信基地局の固定位置を示す基地局位置情報及び前記情報提供装置の位置を示す情報提供装置位置情報とに基づいて生成された、前記通信基地局から前記フレームが送信された前記衛星時刻を示す送信衛星時刻情報、及び、前記通信基地局が生成する前記送信時刻の基礎となる基礎周波数と、前記基礎周波数と前記通信電波の基準周波数との関係を示す情報と、前記通信電波の受信周波数とに基づいて生成された前記基礎周波数の偏移を示す周波数偏移情報と、を含む時刻情報を受信する端末側時刻情報受信ステップと、
前記端末装置が、前記通信基地局から前記フレームを受信する端末側フレーム受信ステップと、
前記端末装置が、前記フレームを受信した前記衛星時刻を示す端末側受信衛星時刻情報を生成する端末側受信衛星時刻情報生成ステップと、
前記端末装置が、3個以上の前記通信基地局の前記基地局位置情報、前記送信時刻情報、前記送信衛星時刻情報、前記周波数偏移情報及び前記端末側受信衛星時刻情報に基づいて、前記端末装置の位置を測位する通信電波測位ステップと、
を有することを特徴とする端末装置の制御方法。
【請求項7】
コンピュータに、
情報提供装置と通信可能な放送装置から放送を受信可能な端末装置が、測位衛星からの衛星電波に基づいて、前記測位衛星の時刻である衛星時刻を示す端末側衛星時刻情報を生成する端末側衛星時刻情報生成ステップと、
前記端末装置が、前記通信基地局から前記情報提供装置が前記フレームを受信した前記衛星時刻と、前記放送装置と通信可能な前記通信基地局の固定位置を示す基地局位置情報及び前記情報提供装置の位置を示す情報提供装置位置情報とに基づいて生成された、前記通信基地局から前記フレームが送信された前記衛星時刻を示す送信衛星時刻情報、及び、前記通信基地局が生成する前記送信時刻の基礎となる基礎周波数と、前記基礎周波数と前記通信電波の基準周波数との関係を示す情報と、前記通信電波の受信周波数とに基づいて生成された前記基礎周波数の偏移を示す周波数偏移情報と、を含む時刻情報を受信する端末側時刻情報受信ステップと、
前記端末装置が、前記通信基地局から前記フレームを受信する端末側フレーム受信ステップと、
前記端末装置が、前記フレームを受信した前記衛星時刻を示す端末側受信衛星時刻情報を生成する端末側受信衛星時刻情報生成ステップと、
前記端末装置が、3個以上の前記通信基地局の前記基地局位置情報、前記送信時刻情報、前記送信衛星時刻情報、前記周波数偏移情報及び前記端末側受信衛星時刻情報に基づいて、前記端末装置の位置を測位する通信電波測位ステップと、
を実行させることを特徴とする端末装置の制御プログラム。
【請求項8】
コンピュータに、
情報提供装置と通信可能な放送装置から放送を受信可能な端末装置が、測位衛星からの衛星電波に基づいて、前記測位衛星の時刻である衛星時刻を示す端末側衛星時刻情報を生成する端末側衛星時刻情報生成ステップと、
前記端末装置が、前記通信基地局から前記情報提供装置が前記フレームを受信した前記衛星時刻と、前記放送装置と通信可能な前記通信基地局の固定位置を示す基地局位置情報及び前記情報提供装置の位置を示す情報提供装置位置情報とに基づいて生成された、前記通信基地局から前記フレームが送信された前記衛星時刻を示す送信衛星時刻情報、及び、前記通信基地局が生成する前記送信時刻の基礎となる基礎周波数と、前記基礎周波数と前記通信電波の基準周波数との関係を示す情報と、前記通信電波の受信周波数とに基づいて生成された前記基礎周波数の偏移を示す周波数偏移情報と、を含む時刻情報を受信する端末側時刻情報受信ステップと、
前記端末装置が、前記通信基地局から前記フレームを受信する端末側フレーム受信ステップと、
前記端末装置が、前記フレームを受信した前記衛星時刻を示す端末側受信衛星時刻情報を生成する端末側受信衛星時刻情報生成ステップと、
前記端末装置が、3個以上の前記通信基地局の前記基地局位置情報、前記送信時刻情報、前記送信衛星時刻情報、前記周波数偏移情報及び前記端末側受信衛星時刻情報に基づいて、前記端末装置の位置を測位する通信電波測位ステップと、
を実行させることを特徴とする端末装置の制御プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項1】
固定位置に位置する複数の通信基地局と、
前記通信基地局と通信可能な情報提供装置と、
前記情報提供装置と通信可能な放送装置と、
前記放送装置から放送電波を受信可能な端末装置と、
を有する通信基地局間非同期の測位システムであって、
前記通信基地局は、
送信時刻を示す送信時刻情報を含むフレームを通信電波によって送信するフレーム送信手段を有し、
前記情報提供装置は、
測位衛星からの衛星電波に基づいて、前記測位衛星の時刻である衛星時刻を示す衛星時刻情報を生成する衛星時刻情報生成手段と、
前記通信基地局から前記フレームを受信するフレーム受信手段と、
前記フレームを受信した前記衛星時刻と、前記通信基地局の前記固定位置を示す基地局位置情報及び前記情報提供装置の位置を示す情報提供装置位置情報に基づいて、前記通信基地局から前記フレームが送信された前記衛星時刻を示す送信衛星時刻情報を生成する送信衛星時刻情報生成手段と、
前記通信基地局が計測する前記送信時刻の基礎となる基礎周波数と、前記基礎周波数と前記通信電波の基準周波数との関係を示す情報と、前記通信電波の受信周波数とに基づいて、前記基礎周波数の偏移を示す周波数偏移情報を生成する周波数偏移情報生成手段と、
前記放送装置に対して、前記送信衛星時刻情報及び前記周波数偏移情報を含む時刻情報を送信する時刻情報送信手段と、
を有し、
前記放送装置は、
前記情報提供装置から前記時刻情報を受信する時刻情報受信手段と、
前記時刻情報を放送する時刻情報放送手段と、
を有し、
前記端末装置は、
前記測位衛星からの前記衛星電波に基づいて、前記衛星時刻を示す端末側衛星時刻情報を生成する端末側衛星時刻情報生成手段と、
前記放送装置から前記時刻情報を受信する端末側時刻情報受信手段と、
前記通信基地局から前記フレームを受信する端末側フレーム受信手段と、
前記フレームを受信した前記衛星時刻を示す端末側受信衛星時刻情報を生成する端末側受信衛星時刻情報生成手段と、
3個以上の前記通信基地局の前記基地局位置情報、前記送信時刻情報、前記送信衛星時刻情報、前記周波数偏移情報及び前記端末側受信衛星時刻情報に基づいて、前記端末装置の位置を測位する通信電波測位手段と、
を有することを特徴とする通信基地局間非同期の測位システム。
【請求項2】
情報提供装置と通信可能な放送装置から放送を受信可能な端末装置であって、
測位衛星からの衛星電波に基づいて、前記測位衛星の時刻である衛星時刻を示す端末側衛星時刻情報を生成する端末側衛星時刻情報生成手段と、
前記通信基地局から前記情報提供装置が前記フレームを受信した前記衛星時刻と、前記放送装置と通信可能な前記通信基地局の固定位置を示す基地局位置情報及び前記情報提供装置の位置を示す情報提供装置位置情報とに基づいて生成された、前記通信基地局から前記フレームが送信された前記衛星時刻を示す送信衛星時刻情報、及び、前記通信基地局が生成する前記送信時刻の基礎となる基礎周波数と、前記基礎周波数と前記通信電波の基準周波数との関係を示す情報と、前記通信電波の受信周波数とに基づいて生成された前記基礎周波数の偏移を示す周波数偏移情報と、を含む時刻情報を受信する端末側時刻情報受信手段と、
前記通信基地局から前記フレームを受信する端末側フレーム受信手段と、
前記フレームを受信した前記衛星時刻を示す端末側受信衛星時刻情報を生成する端末側受信衛星時刻情報生成手段と、
3個以上の前記通信基地局の前記基地局位置情報、前記送信時刻情報、前記送信衛星時刻情報、前記周波数偏移情報及び前記端末側受信衛星時刻情報に基づいて、前記端末装置の位置を測位する通信電波測位手段と、
を有することを特徴とする端末装置。
【請求項3】
前記衛星電波に基づいて、前記端末装置の位置を測位する衛星電波測位手段と、
前記衛星電波、前記通信基地局の前記基地局位置情報、前記送信時刻情報、前記送信衛星時刻情報、前記周波数偏移情報及び前記端末側受信衛星時刻情報に基づいて、前記端末装置の位置を測位する複合測位手段と、
を有することを特徴とする請求項2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記端末側時刻情報受信は、前記放送電波測位手段、前記衛星電波測位手段又は前記複合測位手段による測位に先立って、前記放送装置から前記時刻情報を受信する構成となっていることを特徴とする請求項3に記載の端末装置。
【請求項5】
前記端末側時刻情報受信手段は、前記送信時刻情報と前記送信衛星時刻情報及び/又は前記周波数偏移情報の有効期間に基づいて規定される間隔時間ごとに、前記放送装置から前記時刻情報を受信する構成となっていることを特徴とする請求項3に記載の端末装置。
【請求項6】
情報提供装置と通信可能な放送装置から放送を受信可能な端末装置が、測位衛星からの衛星電波に基づいて、前記測位衛星の時刻である衛星時刻を示す端末側衛星時刻情報を生成する端末側衛星時刻情報生成ステップと、
前記端末装置が、前記通信基地局から前記情報提供装置が前記フレームを受信した前記衛星時刻と、前記放送装置と通信可能な前記通信基地局の固定位置を示す基地局位置情報及び前記情報提供装置の位置を示す情報提供装置位置情報とに基づいて生成された、前記通信基地局から前記フレームが送信された前記衛星時刻を示す送信衛星時刻情報、及び、前記通信基地局が生成する前記送信時刻の基礎となる基礎周波数と、前記基礎周波数と前記通信電波の基準周波数との関係を示す情報と、前記通信電波の受信周波数とに基づいて生成された前記基礎周波数の偏移を示す周波数偏移情報と、を含む時刻情報を受信する端末側時刻情報受信ステップと、
前記端末装置が、前記通信基地局から前記フレームを受信する端末側フレーム受信ステップと、
前記端末装置が、前記フレームを受信した前記衛星時刻を示す端末側受信衛星時刻情報を生成する端末側受信衛星時刻情報生成ステップと、
前記端末装置が、3個以上の前記通信基地局の前記基地局位置情報、前記送信時刻情報、前記送信衛星時刻情報、前記周波数偏移情報及び前記端末側受信衛星時刻情報に基づいて、前記端末装置の位置を測位する通信電波測位ステップと、
を有することを特徴とする端末装置の制御方法。
【請求項7】
コンピュータに、
情報提供装置と通信可能な放送装置から放送を受信可能な端末装置が、測位衛星からの衛星電波に基づいて、前記測位衛星の時刻である衛星時刻を示す端末側衛星時刻情報を生成する端末側衛星時刻情報生成ステップと、
前記端末装置が、前記通信基地局から前記情報提供装置が前記フレームを受信した前記衛星時刻と、前記放送装置と通信可能な前記通信基地局の固定位置を示す基地局位置情報及び前記情報提供装置の位置を示す情報提供装置位置情報とに基づいて生成された、前記通信基地局から前記フレームが送信された前記衛星時刻を示す送信衛星時刻情報、及び、前記通信基地局が生成する前記送信時刻の基礎となる基礎周波数と、前記基礎周波数と前記通信電波の基準周波数との関係を示す情報と、前記通信電波の受信周波数とに基づいて生成された前記基礎周波数の偏移を示す周波数偏移情報と、を含む時刻情報を受信する端末側時刻情報受信ステップと、
前記端末装置が、前記通信基地局から前記フレームを受信する端末側フレーム受信ステップと、
前記端末装置が、前記フレームを受信した前記衛星時刻を示す端末側受信衛星時刻情報を生成する端末側受信衛星時刻情報生成ステップと、
前記端末装置が、3個以上の前記通信基地局の前記基地局位置情報、前記送信時刻情報、前記送信衛星時刻情報、前記周波数偏移情報及び前記端末側受信衛星時刻情報に基づいて、前記端末装置の位置を測位する通信電波測位ステップと、
を実行させることを特徴とする端末装置の制御プログラム。
【請求項8】
コンピュータに、
情報提供装置と通信可能な放送装置から放送を受信可能な端末装置が、測位衛星からの衛星電波に基づいて、前記測位衛星の時刻である衛星時刻を示す端末側衛星時刻情報を生成する端末側衛星時刻情報生成ステップと、
前記端末装置が、前記通信基地局から前記情報提供装置が前記フレームを受信した前記衛星時刻と、前記放送装置と通信可能な前記通信基地局の固定位置を示す基地局位置情報及び前記情報提供装置の位置を示す情報提供装置位置情報とに基づいて生成された、前記通信基地局から前記フレームが送信された前記衛星時刻を示す送信衛星時刻情報、及び、前記通信基地局が生成する前記送信時刻の基礎となる基礎周波数と、前記基礎周波数と前記通信電波の基準周波数との関係を示す情報と、前記通信電波の受信周波数とに基づいて生成された前記基礎周波数の偏移を示す周波数偏移情報と、を含む時刻情報を受信する端末側時刻情報受信ステップと、
前記端末装置が、前記通信基地局から前記フレームを受信する端末側フレーム受信ステップと、
前記端末装置が、前記フレームを受信した前記衛星時刻を示す端末側受信衛星時刻情報を生成する端末側受信衛星時刻情報生成ステップと、
前記端末装置が、3個以上の前記通信基地局の前記基地局位置情報、前記送信時刻情報、前記送信衛星時刻情報、前記周波数偏移情報及び前記端末側受信衛星時刻情報に基づいて、前記端末装置の位置を測位する通信電波測位ステップと、
を実行させることを特徴とする端末装置の制御プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2006−220586(P2006−220586A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−35654(P2005−35654)
【出願日】平成17年2月14日(2005.2.14)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月14日(2005.2.14)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]