説明

測位装置

【課題】
周波数の推定に要する時間を短縮し、誤った周波数でロックされることのない測位装置の提供を図る。
【解決手段】
測位装置16は、信号処理部4で、測位用衛星Gからの信号を第1のPLL回路により追尾し、測位用衛星Fからの信号を第2のPLL回路により追尾する。インターフェイス20で移動体の移動情報を受け付ける。測位演算部15で、衛星Gと衛星Fの移動によるドップラーシフトと、ドップラーシフトの移動体の移動分と、衛星発振器のドリフトと、衛星Gを追尾するための第1のPLL回路の周波数修正値と、から、衛星Fを追尾するための第2のPLL回路の周波数修正値を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測位用衛星電波の信号追尾を支援する測位装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、移動体(車など)の速度や加速度の計測に車輪速センサや加速度センサが用いられている。そのうち車輪速センサは、移動体の複数の車輪に設けられることで、移動体の速度や回頭角を演算により測定するものである。また、このような車輪速センサの計測値を、測位装置からの測位データを基に補正することで、より高精度に移動体の速度や回頭角を測定する技術が公知である(特許文献1参照。)。
【0003】
また、移動体には測位装置(GPSなど)が装荷されるようになっており、測位用衛星からの測位信号を受信することで、受信点の三次元位置が測定可能となっている。このような測位装置では、4つ以上の衛星からの受信点の距離を求め、受信点の三次元位置と測位装置の受信機発振器のドリフト量とを未知数として測位演算を行う。
【0004】
ところで、上記したような測位装置では、複数の測位用衛星からのPSK変調された測位信号を並行して観測する。それぞれの測位用衛星からの測位信号は、各衛星の衛星発振器のドリフトと受信機発振器のドリフトとドップラーシフトとにより周波数にずれが生じる。
【0005】
そのため、従来から、1つの測位信号は1つのPLL回路を用いて観測され、さらに複数のPLL回路を用いて観測した複数の衛星信号のうち受信状態の良好ないくつかの信号を用いて測位演算が行われていた。
【0006】
具体的には、図1に示すようなPLL回路1により測位信号を追尾する。なお、ここでは、信号中のキャリア位相とコード位相とを分けずに説明するが実際にはコードNCOとキャリアNCOとによりキャリア位相とコード位相とを追尾する。また、PLL回路1には、複数の衛星のうちいずれか1つの衛星に関する衛星信号が入力されるが、ここでは測位用衛星Gからの測位信号が入力されるものとする。
【0007】
PLL回路1にはある測位用衛星からの衛星信号と基準信号とが入力される。周波数設定部6では、NCO5の周波数を、前回の観測に基づき予め信号処理コマンドにより指定された周波数修正値GAに設定する。この周波数修正値GAは衛星信号とNCOの発振信号が同一周波数で同位相になるようにマイクロプロセッサなどで位相差に基づき算出されたものである(以下、この位相差により周波数設定値を設定する処理を位相差方式の信号捕捉追尾処理という)。
【0008】
NCO5では、基準信号を周波数設定部6により指定された周波数に変換して、I成分信号と、I成分信号の位相が90°ずれたQ成分信号とを発生する。I成分信号は、掛算器2B・積算器3Bからなる相関器4Bに入力し、また、Q成分信号は、掛算器2A・積算器3Aからなる相関器4Aに入力する。また、衛星からの衛星信号は分配して、それぞれ、相関器4B・相関器4Aに入力する。そして相関器4Bでは、I成分信号の相関を求め、相関器4Aでは、Q成分信号の相関を求める。
【0009】
その結果、衛星信号とNCO5とのI信号相関値、およびQ信号相関値がPLL回路1から出力される。そしてこの相関値をもとに周波数修正値GAが位相差方式で演算される。
【特許文献1】特許第2647342号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
このように従来の位相差方式の信号捕捉追尾処理では、各衛星の衛星発振器のドリフトや受信機発振器のドリフト、ドップラーシフトなどにより周波数がずれても、その周波数のずれが小さな場合にはPLL回路により位相差方式で周波数修正値を算出して信号の捕捉・追尾が可能であった。
【0011】
しかし、衛星からの電波が何らかの要因により受信できなくなったり、微弱になってたりして周波数のずれが大きくなった場合には、NCOのフリーランが生じ、位相差方式によっても正しい周波数修正値を算出できない場合があった。その場合には、NCOを再びロックさせて信号の捕捉・追尾を再開することが困難となり、周波数の引込み時間(ある周波数から開始して衛星信号の周波数および位相をロックするまでの時間)が時として非常に大きくなっていた。
【0012】
また、位相差方式のみで衛星信号を追尾する場合には、単一周波数で評価を行うだけであり、そのため、サンプリング周期と衛星信号のキャリア周波数および位相との関係次第で、誤った周波数でロックされてしまう場合があった。
そこで、この発明の目的は、上述の従来の問題を解消して、周波数の推定に要する時間を短くし、誤った周波数でロックされることのないようにした測位装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明では、第1の測位信号に対して位相差方式の信号捕捉追尾処理を行う。そして、第2の測位信号が受信できなくなったり、微弱になった場合には、本発明で提案する方式の信号捕捉追尾処理(以下、車速方式の信号捕捉追尾処理という。)を第2の測位信号に対して行う。
具体的には、複数のPLL回路のうち位相差方式での信号捕捉追尾処理が成功しているPLL回路の周波数修正値と、慣性センサや車輪速センサなどのセンサから得た移動体の移動情報とを用いて、受信機発振器のドリフト分を求める。そして、衛星の航法メッセージから衛星発振器のドリフト分を求める。さらに、衛星の移動情報と移動体の移動情報からドップラーシフトの衛星の移動分と移動体の移動分とをそれぞれ求めることで、位相差方式での信号捕捉追尾処理に失敗したPLL回路の周波数修正値を求める。
そのため、まず、受信機発振器のドリフトによる周波数変化量GEを求める構成について説明する。
【0014】
本発明の測位装置は、各測位用衛星からの測位信号を捕捉・追尾する複数の測位信号捕捉追尾手段と、追尾・捕捉された測位信号から航法メッセージを取得し、測位を行う測位演算手段と、自装置の移動情報をセンサにより取得する移動情報取得手段と、を備えた測位装置である。また、前記移動情報取得手段は、前記移動情報に基づき自装置の移動に関する周波数変化量GBを算出する。また、前記測位演算手段は、前記航法メッセージから前記測位用衛星の発振器のドリフトに関する周波数変化量GCを算出するとともに、前記測位用衛星の移動に関する前記測位信号の周波数変化量GDを算出する。また、前記測位信号捕捉追尾手段は、前記測位信号の捕捉・追尾に使用する周波数修正値GAを取得し、該周波数修正値GAから、前記自装置の移動に関する周波数変化量GBと前記測位用衛星の発振器のドリフトに関する周波数変化量GCと前記測位用衛星の移動に関する周波数変化量GDとの加算値を減算して、自装置の発振器のドリフトによる周波数変化量GEを算出する。
【0015】
このため本発明によれば、測位用衛星Gからの測位信号を捕捉・追尾するPLL回路とセンサとにより、自装置の発振器(以下、受信機発振器)のドリフトによる周波数変化量GEを求めることができる。即ち、周波数変化量GEは、位相差方式で算出した周波数修正値GAから、ドップラーシフトの受信点の移動分である周波数変化量GBと、測位用衛星Gの発振器のドリフトによる測位信号の周波数変化量GCと、ドップラーシフトの測位用衛星Gの移動分である周波数変化量GDとの加算値を減算して算出することができる。
【0016】
次に、受信機発振器のドリフトによる衛星信号の周波数変化量GEを基に、第2の測位用衛星Fに対して、車速方式で信号捕捉追尾処理する構成について説明する。
本発明の測位装置は、第1の測位用衛星からの測位信号を第1の測位信号捕捉追尾手段で捕捉・追尾し、第2の測位用衛星からの測位信号を第2の測位信号捕捉追尾手段で捕捉・追尾する。また、第1の測位信号捕捉追尾手段は、自装置の発振器のドリフトによる前記周波数変化量GEを算出する。また、前記移動情報取得手段は、前記移動情報に基づき自装置の移動に関する第2の測位用衛星からの測位信号の周波数変化量FBを算出する。また、前記測位演算手段は、前記測位信号の航法メッセージから第2の測位用衛星の発振器のドリフトに関する周波数変化量FCを算出するとともに、第2の測位用衛星の移動に関する周波数変化量FDを算出する。また、第2の測位信号捕捉追尾手段は、自装置の発振器のドリフトによる周波数変化量GEに、自装置の移動に関する第2の測位用衛星からの測位信号の周波数変化量FBと第2の測位用衛星の発振器のドリフトに関する周波数変化量FCと第2の測位用衛星の移動に関する周波数変化量FDとを加算して、第2の測位信号の捕捉・追尾に使用する周波数修正値FAを算出する。
【0017】
このように、測位用衛星Gからの測位信号を位相差方式で捕捉・追尾し、それにより得た受信機発振器のドリフト分GEを基に、測位用衛星Fからの測位信号を捕捉・追尾するPLL回路の周波数修正値FAを算出できる。
【0018】
即ち、この周波数修正値FAは、位相差方式のPLL回路により算出した前記周波数変化量GEに、測位用衛星Fからの測位信号のドップラーシフトの受信点移動分である周波数変化量FBと測位用衛星Fの発振器のドリフト分である周波数変化量FCとドップラーシフトの測位用衛星Fの移動分である周波数変化量FDとを加算して、測位用衛星Fの測位信号を捕捉・追尾に使用するためのPLL回路の周波数修正値FAを算出できる。
【0019】
これにより、位相差方式による周波数の引込が正常に行うことができないPLL回路の場合(測位用衛星Fの測位信号の電波状態が悪化している場合など)には、車速方式で信号捕捉追尾処理を行うことで、周波数の推定に要する時間を短縮し、誤った周波数でのロックを防ぐことができる。
【0020】
また、前記課題を解決するための本発明の測位装置は、各測位用衛星からの測位信号を捕捉・追尾する複数の測位信号捕捉追尾手段と、追尾・捕捉された測位信号から航法メッセージを取得し、測位を行う測位演算手段と、自装置の移動情報をセンサにより取得する移動情報取得手段と、を備えた測位装置である。また、前記測位装置は、第1の測位用衛星からの第1の測位信号を第1の測位信号捕捉追尾手段で捕捉・追尾し、第2の測位用衛星からの第2の測位信号を第2の測位信号捕捉追尾手段で捕捉・追尾する。また、前記移動情報取得手段は、前記移動情報に基づき自装置の移動に関する第1の測位信号の周波数変化量GBと第2の測位信号の周波数変化量FBとを算出する。また、前記測位演算手段は、第1の測位信号の航法メッセージから第1の測位用衛星の発振器のドリフトに関する周波数変化量GCを算出するとともに、第1の測位用衛星の移動に関する周波数変化量GDを算出し、第2の測位信号の航法メッセージから第2の測位用衛星の発振器のドリフトに関する周波数変化量FCを算出するとともに、第2の測位用衛星の移動に関する周波数変化量FDを算出する。また、第1の測位信号捕捉追尾手段は、第1の測位信号の捕捉・追尾に使用する周波数修正値GAを取得する。また、第2の測位信号捕捉追尾手段は、前記周波数修正値GAから、前記自装置の移動に関する第1の測位信号の周波数変化量GBと第1の測位用衛星の発振器のドリフトに関する周波数変化量GCと第1の測位用衛星の移動に関する周波数変化量GDとの加算値を減算し、前記自装置の移動に関する第2の測位信号の周波数変化量FBと第2の測位用衛星の発振器のドリフトに関する周波数変化量FCと第2の測位用衛星の移動に関する周波数変化量FDとを加算して、第2の測位信号の捕捉・追尾に使用する周波数修正値FAを算出する。
【0021】
このように、第1の測位用衛星Gからの測位信号を捕捉・追尾するPLL回路とセンサからの移動情報とにより第2の測位用衛星Fからの測位信号を捕捉・追尾するPLL回路の周波数修正値FAを算出できる。
【0022】
即ち、位相差方式で算出した周波数修正値GAから、ドップラーシフトの受信点の移動分である周波数変化量GBと、測位用衛星Gの発振器のドリフトによる測位信号の周波数変化量GCと、ドップラーシフトの測位用衛星Gの移動分である周波数変化量GDとの加算値を減算し、測位用衛星Fのドップラーシフトの受信点の移動分である周波数変化量FBと測位用衛星Fの発振器のドリフトによる測位信号の周波数変化量FCとドップラーシフトの測位用衛星Fの移動分である周波数変化量FDとを加算して算出できる。
【0023】
これにより、位相差方式による周波数の引込が正常に行うことができないPLL回路の場合(対応する信号の電波状態が悪化している場合など)には、車速方式で信号捕捉追尾処理を行うことで、周波数の推定に要する時間を短縮し、誤った周波数でのロックを防ぐことができる。
【0024】
このように、周波数変化量GEを演算により算出して、間接的に、第2の測位用衛星Fからの信号を受信するための周波数修正値FAを求めても良く、また、周波数変化量GEを求めずに直接、周波数修正値FAを求めても良い。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、通常時に位相差方式で信号捕捉追尾処理を行い、測位信号の電波状態が悪化した場合に車速方式での信号捕捉追尾処理を行う。そのため位相差方式で信号捕捉追尾処理を行っていた測位信号の電波状態が悪化しても、位相差方式から車速方式に切り換えて測位信号捕捉追尾処理を行うことで、測位信号を捕捉・追尾し続けることができる。また、その測位信号を捕捉・追尾するPLL回路が周波数をロックする時間を短縮し、誤った周波数でのロックを防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
ここで、本発明の第1の実施形態について説明する。
図2のブロック図に示すように本実施形態の測位装置16を、車体に設けている方位センサ23と複数の車輪速センサ22とにインターフェース20を介して信号線で接続する。
【0027】
車輪速センサ22は移動体の複数の車輪にそれぞれ設けてあり、それぞれの車輪の車輪速パルスを検出する。また、方位センサ23は機首方位を検出する。そして、それらの車輪速パルス・機首方位を移動情報として測位装置16に出力する。
【0028】
測位装置16は、アンテナ12により、複数の測位用衛星からのPSK変調された測位信号を受信し、ケーブル等を介して高周波処理部13に出力する。これらの信号は略同一の周波数であり、それらの信号を高周波処理部13で低周波数のIF信号にダウンコンバートし、さらにサンプリングしてディジタルIF信号とする。そして、このディジタルIF信号を信号処理部14に出力する。また、基準信号を発信し、その基準信号も信号処理部14に出力する。
【0029】
信号処理部14では、複数のPLL回路11により、それぞれ1つの測位用衛星からの測位信号に対して、キャリアNCOやコードNCOなどのNCOの信号との相関を求め、相関値を測位演算部15に出力する。
【0030】
測位演算部15では、CPU17でROM18に予め書き込まれた各種演算用のプログラムを実行し、RAM19をプログラムの実行に際してのワーキングエリアとして用い、インタフェース20から外部装置(センサなど)からの各種データを取得する。
【0031】
そして、最終的に信号の捕捉・追尾ができた場合にはCPU17で衛星信号から航法メッセージを抽出し、時刻情報と複数の衛星の軌道情報およびコード位相から単独測位方式での受信点の測位演算を行う。また、CPU17では信号処理部14から入力された相関値を基に、信号の追尾ができているかの判定を行う。信号の追尾ができている場合には位相差方式での信号追尾演算を行う。また、信号の追尾ができていない場合には車速方式での信号追尾演算を行う。そして、PLL回路11の周波数修正値(GA、FAなど)を信号処理コマンドとして発生し信号処理部14に信号処理コマンドを出力する。
【0032】
このようにして、信号処理部14と測位演算部15との間で、衛星からの信号の追尾を行う閉ループを形成し、そして測位信号の周波数と位相とをロックするために、観測による周波数と信号追尾演算による周波数との差を打ち消す方向にPLL回路11の周波数を制御する。したがってPLL回路11がロックした状態では、測位用衛星からの信号とPLL回路11の発振信号とはそれぞれ同期した関係となる。なお、演算処理部15は、信号処理部14のように複数の組の処理チャンネルを実行するのではなく、1つのチャンネルを時分割して高速で切り換えることで複数の測位用衛星からの信号を実質的に並列処理する。
【0033】
本実施形態では、複数のPLL回路のうち位相差方式での信号捕捉追尾処理に成功している測位用衛星GのPLL回路の周波数修正値GAと、センサからの移動情報とを用いて、受信機発振器のドリフトによる周波数変化量GEを算出する。そして、この周波数変化量GEから位相差方式での信号捕捉追尾処理に失敗した測位用衛星FのPLL回路の周波数修正値FAを算出する。
【0034】
ここでこの車速方式での信号捕捉追尾処理を説明する。
測位演算部15では、移動情報として車輪速センサ22から車輪速パルスを、方位センサ23から機首方位を受け取る。そして、CPU17で移動体(受信点)の移動に関する周波数変化量GBを算出する。周波数変化量GBは、観測対象の測位用衛星Gに特有のものであり、この測位用衛星Gとのドップラーシフトにおける移動体(受信点)の移動分である。そのため、移動体(受信点)の測位用衛星G方向への成分速度を推定することで算出できる。
【0035】
ここで移動体の測位用衛星方向への成分速度を算出する測位演算部15での処理を、図3の処理フローに基づいて説明する。図3(A)は移動体の測位用衛星方向への成分速度を算出する処理フローであり、また図3(B)は移動体の速度ベクトルを算出する処理フローである。
【0036】
図3(A)で示すように、まず、観測対象とする測位用衛星の衛星番号を決定する(Q1)。ここでは、この測位用衛星のことを測位用衛星Gとする。次に、その測位用衛星Gに対応した軌道情報とそのときの時刻情報と移動体の測位データとをRAM19から読み出す(Q2)。なお、この軌道情報は以前に観測したその衛星番号に対応した航法メッセージに含まれている軌道情報であり、時刻情報は受信機発振器の時間カウントとGPS時刻とから算出したものであり、測位データは以前に観測したものである。次にこれらの情報を基にCPU17で、地球固定座標系での衛星位置を算出する(Q3)。次に、直前の測位演算により求めた測位データから地球固定座標系での移動体位置を読み出す(Q4)。次に、移動情報から移動体の速度ベクトルを後述する図3(B)の処理により算出する(Q5)。最後に移動体の衛星方向への成分速度を算出する(Q6)。
【0037】
移動情報から移動体の速度ベクトルを算出する処理(Q5)では、図3(B)で示すように、まず、車輪速センサ22から受け付けた車輪速パルスを車輪ごとにカウントする(R1)。次に、それらのパルスカウントのうち右輪と左輪とのパルスカウントの差分から移動体の相対移動ベクトルを算出する(R2)。次に、その相対移動ベクトルと方位センサ23から受け付けた移動体の機首方位とから、移動体の速度ベクトルを算出する(R3)。次に、上述のステップQ3の処理により求めた衛星位置とステップR3の処理で求めた速度ベクトルとから測位用衛星方向の成分速度を算出する(R4〜R5)。
【0038】
このようにして求めた測位用衛星方向の移動体の成分速度により、その成分速度によるドップラーシフトを求めることができる。
【0039】
なお、移動体の衛星方向の速度成分が取得できればこの周波数変化量GAは算出できるため、必ずしも車輪速センサと方位センサをともに用いる必要はない。例えば車輪速センサ22のみを用いて、車輪速パルスを移動情報として測位演算部15に出力し、機首方位(ベクトル)は測位装置での測位データをもとに算出しても好適である。車輪速パルスからは移動体の車速や相対回頭角などが算出できるため、測位装置16の測位データを用いて移動体の機首方位さえ得ることができれば、衛星方向の速度成分が取得できる。移動体の機首方位は、測位装置16の測位データを用いてを得た測位点の差分を用いたり、GPSコンパスの手法により複数の測位点の相対位置関係を用いて検出することができる。また、加速度センサを用いて速度の補正を行うとより好適である。
【0040】
また、以上のような周波数変化量GBの演算処理以外にも測位演算部15では、CPU17で測位用衛星Gの移動に関する周波数変化量GDも算出する。周波数変化量GDは、観測対象の測位用衛星Gに特有のものであり、この測位用衛星Gとのドップラーシフトにおける衛星移動分である。そのため、測位用衛星Gの移動体方向への成分速度を推定することで算出できる。
【0041】
ここで測位用衛星の移動体方向への成分速度を算出する測位演算部15での処理を、図4の処理フローに基づいて説明する。図4で示すように、まず、観測対象とする測位用衛星の衛星番号を決定する(S1)。次に、その衛星番号に対応した軌道情報とそのときの時刻情報と移動体の測位データとをRAM19から読み出す(S2)。次に、これらの情報を基にCPU17で、地球固定座標系での衛星位置を算出する(S3)。さらに、それらの情報からCPU17で、測位用衛星の速度ベクトルを算出する(S4)。なお、測位用衛星の速度ベクトルは樹脂に地と衛星位置から算出できる。次に、直前の測位演算により求めた測位データから移動体位置を読み出す(S5)。最後に測位用衛星の移動体方向への成分速度を算出する(S6)。
【0042】
このようにして求めた移動体方向の測位用衛星の成分速度により、その成分速度によるドップラーシフトを求めることができる。
【0043】
なお、ここでは速度ベクトルの算出手法については、説明を除くが、従来手法を用いて受信位置と衛星位置から算出することができる。
【0044】
また、以上の演算処理以外にも測位演算部15では、CPU17で測位用衛星Gの発振器のドリフトに関する周波数変化量GCも算出する。周波数変化量GCは、観測対象の測位用衛星ごとに異なるものであり、予め観測していた測位用衛星Gの航法メッセージをもとに算出する。実際の衛星発振器はルビジウム発振器やセシウム発振器などであり短時間でのドリフトが変化しない。そのため、この航法メッセージ上の衛星発振器のドリフトに関する情報は数時間の間隔でしか更新されない。これにより、周波数変化量GCを以前の測位用衛星Gの航法メッセージから算出することができる。
【0045】
以上のようにして、周波数変化量GB、周波数変化量GC、周波数変化量GDを算出できる。また、PLL回路の周波数修正値GAも従来の位相差方式での信号捕捉追尾処理により算出できる。
【0046】
すると、受信機発振器のドリフトによる周波数変化量GEを、周波数修正値GAから、周波数変化量GBと周波数変化量GCと周波数変化量GDとの加算値を減算する以下の式により算出できる。
GE=GA−(GB+GC+GD)
このことは、周波数修正値GA(測位信号の周波数のずれ)が、測位用衛星の発振器のドリフトと、受信機発振器の発振器のドリフトと、衛星および移動体間での相対速度によるドップラーシフトにより生じることから導出される。
【0047】
ここで受信機発振器のドリフトによる周波数変化量GEを算出する測位演算部15での処理を、図5(A)の処理フローに基づいて説明する。図5(A)に示すように、まず、位相差方式による信号捕捉追尾処理により周波数修正値GAを算出する(P1)。次に、移動体の移動による周波数変化量GBを算出する(P2)。次に、衛星発振器のドリフトによる周波数変化量GCを算出する(P3)。次に、衛星の移動による周波数変化量GDを算出する(P4)。最後に周波数変化量GEを、周波数修正値GAから周波数変化量GDと周波数変化量GCと周波数変化量GCとを減算して算出する(P5)。
【0048】
この受信機発振器のドリフトによる周波数変化量GEは観測している測位用衛星Gによらず、測位装置の発振器に起因するものである。そのため、この受信機発振器のドリフトによる周波数変化量GEは、このPLL回路についての演算以外に、他の衛星に対するPLL回路での各種演算にも用いることができる。
【0049】
この受信機発振器のドリフトによる周波数変化量GEを用いることで、測位用衛星Fの周波数修正値FAを求めることができる。
【0050】
測位用衛星Fの周波数修正値FAについては以下の式が成り立つ。
FA=FB+FC+FD+GE
即ち、周波数修正値FA(測位信号の周波数のずれ)は、測位用衛星Fの発振器のドリフトと、受信機発振器の発振器のドリフトと、衛星Fおよび受信点間での相対速度によるドップラーシフトとにより算出できる。
【0051】
ここで測位用衛星Fの測位信号を捕捉・追尾するPLL回路の周波数修正値FAを算出する測位演算部15での処理を、図5(B)の処理フローに基づいて説明する。図5(B)で示すように、まず、測位用衛星Gの位相差方式での信号捕捉追尾処理により受信機発振器のドリフトによる周波数変化量GEを算出する(M1)。次に、移動体の移動による測位用衛星Fの周波数変化量FCを算出する(M2)。次に測位用衛星Fの衛星発振器のドリフトによる周波数変化量FAを算出する(M3)。次に、測位用衛星Fの衛星移動による周波数変化量FBを算出する(M4)。最後にそれらを合算することで周波数修正値FAを算出する(M5)。
【0052】
このように、車速方式での信号捕捉追尾処理は、前述のように測位用衛星Gの信号捕捉追尾処理により算出した受信機発振器のドリフトによる周波数変化量GEと、測位用衛星Fの衛星発振器のドリフトによる周波数変化量FAと、衛星移動による周波数変化量FBと、移動体の移動による周波数変化量FCとの合算として求める。すると、位相差方式ではなく、本発明で提示する車速方式の演算により信号捕捉追尾処理を行うことができる。
【0053】
以上で示した車速方式での信号捕捉追尾処理は、図6に示す処理フローにより位相差方式での信号捕捉追尾処理と切り換えて実行する。なお、位相差方式の信号捕捉追尾処理については、説明を省くが従来の通りに処理すると良い。
【0054】
演算処理部は信号処理部から入力される相関値を基に位相を観測する(N1)。NCOで発振した周波数との位相差が所定範囲以内であれば、衛星信号のロックができているとみなし、従来と同様に位相差方式での信号捕捉追尾処理を行い(N2)、さらにその信号捕捉追尾処理の結果を基に受信機発振器のドリフト分を算出する。また、相関値の観測(N1)により衛星信号のロックができたいないとみなした場合には、車速方式での信号捕捉追尾処理を行う(N4)。
【0055】
このようにすることで、位相差方式による周波数の引込が正常に行うことができないPLL回路の場合(対応した信号の電波状態が悪化している場合など)には、車速方式での信号捕捉追尾処理を行うことで、周波数の推定に要する時間を短縮し、誤った周波数でのロックを防ぐことができる。
【0056】
なお、これらの周波数変化量の算出は、ここで示した順番でなくとも良く、処理順を問わない。また、測位用衛星Gとしては、位相差方式での信号捕捉追尾処理を行ったものであればどの測位用衛星でもよく、例えば直前に位相差方式で算出された周波数変化量を用いると好適である。
【0057】
次に本発明の第2の実施形態について説明する。
【0058】
本実施形態では、位相差方式で第1の測位用衛星Gの信号捕捉追尾処理を行い、車速方式で第2の測位用衛星Fの信号捕捉追尾処理を行う。この場合、第2の測位用衛星Fの周波数修正値FAについて以下の式が成り立つ。
FA=FB+FC+FD+(GA−(GB+GC+GD))・・・(1′)
即ち、位相差方式で信号捕捉追尾処理ができる第1の測位用衛星Gを用いて、周波数修正値GA、周波数変化量GB、GC、GDを求め、第2の測位用衛星Fの信号捕捉追尾処理では、以前の測位用衛星Fの航法メッセージと移動体の移動情報とから周波数変化量FB、FC、FDを求めることで、位相差方式ではなく、本発明で提示する車速方式の演算により信号捕捉追尾処理を行うことができる。
【0059】
即ち、周波数修正値FAは、第2の信号の、移動体(受信機)の移動による周波数変化量FBと、衛星発振器のドリフトによる周波数変化量FCと、衛星移動による周波数変化量FDと、第1の信号の周波数修正値GAとを合算し、そこから第1の信号の、移動体(受信機)の移動による周波数変化量GBと、衛星発振器のドリフトによる周波数変化量GCと、衛星移動による周波数変化量GDと、移動体(受信機)の移動による周波数変化量GBと、移動体(受信機)の移動による周波数変化量GBと、を減算したものとみなすことができるということである。
【0060】
これにより、位相差方式による周波数の引込が正常に行うことができないPLL回路の場合(対応する信号の電波状態が悪化している場合など)には、車速方式で信号捕捉追尾処理を行うことで、周波数の推定に要する時間を短縮し、誤った周波数でのロックを防ぐことができる。
【0061】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図7のブロック図に示すように本実施形態では、測位装置36を車体の電子制御ユニット(ECU)41とインターフェース40を介して信号線で接続する。ECU41には複数の車輪速センサ42を接続する。
【0062】
移動体の複数の車輪にそれぞれ設けた複数の車輪速センサ42は、それぞれの車輪の車輪速パルスを検出する。ECU41は、その移動情報である車輪速パルスをそのままインターフェイス40を介して測位装置36に出力する。また、測位演算部35からECU41に演算結果(測位データ)をインターフェイス40を介して出力する。
【0063】
またECU41では、機首方位(ベクトル)を測位装置36からの測位データをもとに算出する。測位データを用いて移動体の機首方位を算出するには、受信点位置の変化をベクトルとして算出する。そして、算出した機首方位をインターフェイス40を介して測位装置36に出力する。
【0064】
測位装置36では、前述の第1の実施形態および第2の実施形態で示した測位装置16と略同様な構成で上述の車速方式と位相差方式での捕捉追尾処理を行い、CPU37で周波数修正値を算出する。これにより、位相差方式による周波数の引込が正常に行うことができないPLL回路の場合(対応する信号の電波状態が悪化している場合など)であっても、車速方式で信号捕捉追尾処理を行うことで、周波数の推定に要する時間を短縮し、誤った周波数でのロックを防ぐことができる。
【0065】
以上に示した本実施形態の測位装置36のように、ECU41を介してセンサと測位装置36とを接続し、機首方位をECU41で算出しても本発明の実施に好適である。
【0066】
なお、他にもCPU37もしくはECU41において、GPSコンパスの手法を用いて移動体の機首方位を算出してもよく、また、方位センサを用いて機首方位を算出してもよい。機首方位や速度ベクトルの算出は、CPU37とECU41の何れで算出してもよく、特に問わない。
【0067】
次に、他の実施形態について説明する。
本実施形態の測位装置では、上記の車速パルス方式での衛星捕捉・追尾処理を行う衛星を含む3つ以上の各衛星について求めた周波数修正値(GAやFAなど)から各衛星からの信号を捕捉・追尾し、それぞれのキャリア位相を観測する。そして、従来のキャリア位相から偏位量を求める手法(特開2000−203466号を参照のこと。)を用いて、受信点の3次元方向の偏位量、すなわち、地球固定座標系での東西方向の偏位量Deと南北方向の偏位量Dnと垂直方向の偏位量Duとを算出できる。
【0068】
すると、受信点が偏位した間での角度勾配、即ち道路勾配θが以下の式により算出できる。
θ=atan(Du/(De2+Dn2 1/2
これにより、位相差方式による周波数の引込が正常に行うことができない場合(対応する信号の電波状態が悪化している場合など)であっても、そのPLL回路では車速方式で信号捕捉追尾処理を行うことで、周波数の推定に要する時間を短縮し、誤った周波数でのロックを防ぎながら、道路勾配θが算出できる。
【0069】
また、受信点の3次元方向の偏位量に代えて、受信点の3次元方向の速度成分、すなわち、地球固定座標系での東西方向の成分速度Veと南北方向の成分速度Vnと垂直方向の成分速度Vuとを算出することもでき、この受信点の3次元方向の速度成分によっても、角度勾配、即ち道路勾配θが以下の式により算出できる。
θ=atan(Vu/(Ve2+Vn2 1/2
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】従来のPLL回路の構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態の測位装置とセンサを示すブロック図である。
【図3】第1の実施形態の移動体の移動による周波数変化量の算出に係るフローを示す図である。
【図4】第1の実施形態の測位用衛星の移動による周波数変化量の算出に係るフローを示す図である。
【図5】第1の実施形態の車速方式の信号捕捉追尾処理に係るフローを示す図である。
【図6】第1の実施形態の測位演算部での処理に係るフローを示す図である。
【図7】第3の実施形態の測位装置とセンサとECUを示すブロック図である。
【符号の説明】
【0071】
1、11−PLL回路 2−掛算器 3−積算器 4−相関器 5−NCO
6−周波数設定部 12−アンテナ 13−高周波処理部 14−信号処理部
15、35−測位演算部 16、36−測位装置 17、37−CPU
18、38−ROM 19、39−RAM 20、40−インターフェイス
41−ECU 22、42−車輪速センサ 23−方位センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各測位用衛星からの測位信号を捕捉・追尾する複数の測位信号捕捉追尾手段と、追尾・捕捉された測位信号から航法メッセージを取得し、測位を行う測位演算手段と、自装置の移動情報をセンサにより取得する移動情報取得手段と、を備えた測位装置であって、
前記移動情報取得手段は、前記移動情報に基づき自装置の移動に関する周波数変化量GBを算出し、
前記測位演算手段は、前記航法メッセージから前記測位用衛星の発振器のドリフトに関する周波数変化量GCを算出するとともに、前記測位用衛星の移動に関する前記測位信号の周波数変化量GDを算出し、
前記測位信号捕捉追尾手段は、前記測位信号の捕捉・追尾に使用する周波数修正値GAを取得し、該周波数修正値GAから、前記自装置の移動に関する周波数変化量GBと前記測位用衛星の発振器のドリフトに関する周波数変化量GCと前記測位用衛星の移動に関する周波数変化量GDとの加算値を減算して、自装置の発振器のドリフトによる周波数変化量GEを算出する測位装置。
【請求項2】
前記測位装置は、第1の測位用衛星からの測位信号を第1の測位信号捕捉追尾手段で捕捉・追尾し、第2の測位用衛星からの測位信号を第2の測位信号捕捉追尾手段で捕捉・追尾し、
第1の測位信号捕捉追尾手段は、自装置の発振器のドリフトによる前記周波数変化量GEを算出し、
前記移動情報取得手段は、前記移動情報に基づき自装置の移動に関する第2の測位用衛星からの測位信号の周波数変化量FBを算出し、
前記測位演算手段は、前記測位信号の航法メッセージから第2の測位用衛星の発振器のドリフトに関する周波数変化量FCを算出するとともに、第2の測位用衛星の移動に関する周波数変化量FDを算出し、
第2の測位信号捕捉追尾手段は、自装置の発振器のドリフトによる周波数変化量GEに、自装置の移動に関する第2の測位用衛星からの測位信号の周波数変化量FBと第2の測位用衛星の発振器のドリフトに関する周波数変化量FCと第2の測位用衛星の移動に関する周波数変化量FDとを加算して、第2の測位信号の捕捉・追尾に使用する周波数修正値FAを算出する請求項1に記載の測位装置。
【請求項3】
各測位用衛星からの測位信号を捕捉・追尾する複数の測位信号捕捉追尾手段と、追尾・捕捉された測位信号から航法メッセージを取得し、測位を行う測位演算手段と、自装置の移動情報をセンサにより取得する移動情報取得手段と、を備えた測位装置であって、
前記測位装置は、第1の測位用衛星からの第1の測位信号を第1の測位信号捕捉追尾手段で捕捉・追尾し、第2の測位用衛星からの第2の測位信号を第2の測位信号捕捉追尾手段で捕捉・追尾し、
前記移動情報取得手段は、前記移動情報に基づき自装置の移動に関する第1の測位信号の周波数変化量GBと第2の測位信号の周波数変化量FBとを算出し、
前記測位演算手段は、第1の測位信号の航法メッセージから第1の測位用衛星の発振器のドリフトに関する周波数変化量GCを算出するとともに、第1の測位用衛星の移動に関する周波数変化量GDを算出し、第2の測位信号の航法メッセージから第2の測位用衛星の発振器のドリフトに関する周波数変化量FCを算出するとともに、第2の測位用衛星の移動に関する周波数変化量FDを算出し、
第1の測位信号捕捉追尾手段は、第1の測位信号の捕捉・追尾に使用する周波数修正値GAを取得し、
第2の測位信号捕捉追尾手段は、前記周波数修正値GAから、前記自装置の移動に関する第1の測位信号の周波数変化量GBと第1の測位用衛星の発振器のドリフトに関する周波数変化量GCと第1の測位用衛星の移動に関する周波数変化量GDとの加算値を減算し、前記自装置の移動に関する第2の測位信号の周波数変化量FBと第2の測位用衛星の発振器のドリフトに関する周波数変化量FCと第2の測位用衛星の移動に関する周波数変化量FDとを加算して、第2の測位信号の捕捉・追尾に使用する周波数修正値FAを算出する測位装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−329766(P2006−329766A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−152531(P2005−152531)
【出願日】平成17年5月25日(2005.5.25)
【出願人】(000166247)古野電気株式会社 (441)
【Fターム(参考)】