説明

潤滑組成物

【課題】内燃機関を潤滑する方法を提供すること
【解決手段】少なくとも1600キロワットの出力を備えた内燃機関を潤滑組成物で潤滑させる方法であって、以下の工程を包含する:(1)該内燃機関の1つ以上の性能特性をモニターする工程;(2)潤滑組成物に所望のTBNレベルを与えるように添加剤パッケージを選択して該内燃機関の該性能特性を変える工程;(3)工程(2)の該添加剤パッケージと、(a)約2〜12mm/sの粘度を有し、ライトニュートラル基油を含有する成分と、必要に応じて(b)12mm/sより高く約40mm/sまでの粘度を有し、ヘビーニュートラル基油またはブライトストックを含有する成分とを混ぜ合わせる工程;そして(4)工程(3)の該潤滑組成物を該内燃機関に供給する工程。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、US 60/592,356(2004年7月20日)およびUS 60/660,650(2005年5月11日)から優先権を主張している。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、エンジンの性能をモニターすることにより、それに応じて添加剤パッケージを加えることにより、内燃機関を潤滑させる方法に関する。本発明は、さらに、該方法に適当な組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
摩耗を減らして清浄度を向上させるために、ディーゼルエンジンまたはガソリンエンジン(例えば、2−ストロークエンジン)用の潤滑粘性のあるオイルに種々の添加剤を添加することは、公知である。ディーゼルエンジンにおいて、潤滑粘性のあるオイルは、特に、シリンダーライナーおよびピストンリングの摩耗を減らすために、特に使用される。しばしば、エンジンの操作温度および圧力は、シリンダーの内壁にある潤滑粘性のあるオイルの薄膜を破壊するのに十分であり、また、堆積物が原因の摩耗の上昇およびエンジン清浄度の低下が起こる。
【0004】
多くの2−ストロークエンジン(特に、船舶ディーゼルエンジンまたは定置出力ディーゼルエンジン)において、2種の潤滑組成物が存在している。1つの組成物は、一般に、12mm/s未満の粘度を有するシステム油であり、これは、2−ストロークエンジンのクランクケースを潤滑させるのに使用され、そして低い全塩基価(TBN)を有する。このシステム油は、通常、そのTBNおよび粘度が低いために、シリンダーライナーおよびピストンリングを潤滑させるには不適当である。2−ストロークエンジンで使用される第二の潤滑組成物は、高い粘度およびTBNを有し、そしてシリンダーライナーおよびピストンリングを潤滑させるのに適当である。これは、時には、シリンダー油と呼ばれる。(本明細書中で報告された全ての粘度は、特に明記しない限り、100℃で測定された動粘度である)。
【0005】
さらに、船舶または定置出力ステーションに付随した2−ストロークエンジンにおいて、シリンダーライナーおよびピストンリングを潤滑させるのに適当な十分に調合された典型的な潤滑組成物は、70〜80の全塩基価を有する。しかしながら、燃料のイオウ含量の変化が原因で、必要なTBNの量は、燃焼中に発生する硫酸を中和するのに必要な塩基の量が変わると共に、変化する。添加剤パッケージ中においてTBNを与える未反応化合物(例えば、清浄剤)が過剰量で存在すると、堆積物形成の原因となり得る。燃料中のイオウ含量の違いを克服するために、TBNが異なる2種またはそれ以上の潤滑組成物が、別個に、使用可能である。1つの潤滑組成物は、低イオウ含有燃料に適当な40〜50のTBNを有するのに対して、第二の潤滑組成物は、それより高いイオウ含有燃料に適当な70以上のTBNを有する。
【0006】
シリンダーの摩耗から生じる堆積物および不純物の量が高くなると、システム油および/またはシリンダーライナーおよびピストンリングを潤滑させるのに適当な他の未使用油を汚染することが知られている。システム油および/またはシリンダーライナーおよびピストンリングを潤滑させるのに適当な油は、汚染されると、汚染物が性能に対して悪影響を及ぼすのを防止するために、補充する必要がある。
【0007】
このシステム油は、「Guidelines for the Lubrication of Two−Stroke Crosshead Diesel Engines」(42ページ、セクション8、1997)の表題のCIMACガイドラインで規定されたレベルを超えるレベルまで汚染されると、クランクケースから取り除かれ、新しいシステム油が補充される。取り除かれたシステム油は、典型的には、廃棄物処理をかけられるまで、スラッジタンクで保管される。
【0008】
特許文献1は、実際のエンジン条件に応答して潤滑剤の流速の変動を達成するために器具を使用する方法を開示している。この方法は、塩基価測定のための器具(例えば、XRFまたはIR)を使って、1つまたはそれ以上のエンジンパラメータを定期的にモニターする。測定されたエンジンパラメータは、エンジンへの潤滑剤の供給量を測定するために、使用される。
【0009】
特許文献2は、全損潤滑系の1つまたはそれ以上のエンジンパラメータを定期的にモニターして、エンジンパラメータから、操作中にエンジンに適用する改良ベース潤滑剤を作成ために基油に加える必要がある二次流体の量を計算する方法を開示している。
【0010】
特許文献3は、実際の操作条件に応答してエンジン潤滑油の特性をリアルタイムで最適化する装置および方法を開示している。この方法は、ベース潤滑剤を再循環するシステムと対象位置での1つまたはそれ以上のシステム条件パラメータとを繰り返し測定することによる潤滑剤のオンライン改良を包含する。次いで、この方法は、その潤滑剤に添加される二次流体の量を計算し、続いて、基油を二次流体と混合して改良ベース潤滑剤を作成し、そして対象位置に適用する。
【0011】
特許文献4は、15〜27mm/s(またはcSt)の粘度、少なくとも95の粘度指数および少なくとも40mg KOH/gのTBNを有するディーゼルシリンダー油を開示している。このオイルは、100℃で725以下のSUS粘度およびオイルの2〜15wt%のポリイソブチレン(これは、100℃で1500〜8000mm/s(cSt)の粘度を有する)を有するニュートラルベースストックである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許出願第2003/0196632 A1号明細書
【特許文献2】米国特許出願第2003/0159672 A1号明細書
【特許文献3】米国特許出願第2003/0183188 A1号明細書
【特許文献4】国際公開第99/64543 A1号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従って、堆積物の形成、摩耗を抑制し廃棄物処理コストを低くする正しい特性を与える潤滑組成物および方法を提供することが有利である。本発明は、選択された添加剤パッケージを使用して堆積物の形成または摩耗を抑制するような特性を与える潤滑組成物および方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
(発明の要旨)
1実施態様では、本発明は、少なくとも1600キロワットの出力を備えた内燃機関を潤滑組成物で潤滑させる方法を提供し、該方法は、以下の工程を包含する:
(1)該内燃機関の1つまたはそれ以上の性能特性をモニターする工程;
(2)潤滑組成物に所望のTBNレベルを与えるように添加剤パッケージを選択して、該内燃機関の該性能特性を変える工程;
(3)工程(2)の該添加剤パッケージと、(a)2mm/s〜12mm/sの粘度を有し、ライトニュートラル基油を含有する成分と、必要に応じて、(b)12mm/sより高く35mm/sまたは40mm/sまでの粘度を有し、ヘビーニュートラル基油またはブライトストックを含有する成分とを混ぜ合わせて潤滑組成物を形成する工程;そして
(4)工程(3)の該潤滑組成物を該内燃機関に供給する工程、
ここで、該潤滑組成物は、少なくとも10mg KOH/gの全塩基価を有する;そして該ライトニュートラル基油を含有する該成分は、内燃機関に利用できるオイルリザーバから供給される。
【0015】
1実施態様では、本発明は、さらに、少なくとも1600キロワットの出力を備えた内燃機関を潤滑組成物で潤滑させる方法を提供し、該方法は、該内燃機関を、以下を含有する潤滑組成物と接触させる(すなわち、潤滑させるか供給する)工程を包含する:
(a)2mm/s〜12mm/sのライトニュートラル基油;
(b)0〜20重量パーセントのヘビーニュートラル基油またはブライトストックであって、該ヘビーニュートラル基油またはブライトストックは、12mm/sより高く40mm/sまでの粘度を有する;および
(c)以下を含有する少なくとも1種の性能添加剤:高分子増粘剤、分散剤、耐摩耗剤、清浄剤またはそれらの混合物;
ここで、該高分子増粘剤は、存在するとき、8000より高い重量平均分子量(Mw)を有し、そして12mm/s〜29mm/sの全粘度を該組成物に与える量で存在している;該分散剤または清浄剤は、存在するとき、該潤滑組成物に塩基性を与える;そして該組成物は、少なくとも約10mg KOH/gの全塩基価を有する。
【0016】
1実施態様では、本発明は、さらに、以下を含有する潤滑組成物を提供する:
(a)2mm/s〜12mm/sのライトニュートラル基油;
(b)ヘビーニュートラル基油またはブライトストックであって、該ヘビーニュートラル基油またはブライトストックは、12mm/sより高く35mm/sまたは40mm/sまでの粘度を有する;および
(c)以下を含有する少なくとも1種の性能添加剤:高分子増粘剤、分散剤、耐摩耗剤、清浄剤またはそれらの混合物;
ここで、該高分子増粘剤は、存在するとき、8000より高い重量平均分子量(Mw)を有し、そして12mm/sまたは15mm/s〜26.1mm/sまたは29mm/sの全粘度を該組成物に与える量で存在している;該分散剤または清浄剤は、存在するとき、該潤滑組成物に塩基性を与える;そして該組成物は、少なくとも10mg KOH/gの全塩基価を有する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(発明の詳細な説明)
本発明は、上記内燃機関を潤滑させる方法を提供する。
【0018】
本明細書中で使用するライトニュートラル基油およびヘビーニュートラル基油の全ての粘度測定値は、100℃であり、そしてmm/s(またはcSt)の単位で引用されている。
【0019】
1実施態様では、このヘビーニュートラル基油またはブライトストックは、12mm/sより高く35mm/sまでの粘度、別の実施態様では、12mm/sより高く40mm/sまでの粘度を有する。
【0020】
1実施態様では、この潤滑組成物の全粘度は、12mm/sまたは15mm/s〜26.1mm/s、別の実施態様では、12mm/sまたは15mm/s〜21.9mm/sである。典型的には、12mm/sまたは15mm/s〜26.1mm/sの全粘度を有する潤滑組成物は、SAE 60等級であり、SAE 50等級の潤滑組成物は、12mm/sまたは15mm/s〜21.9mm/sの粘度を有する。
【0021】
モニターされ得る内燃機関の性能特性には、摩耗、エンジン負荷、TBNの変化、堆積物、または腐食が挙げられ、これらは、直接的または間接的にモニターされ得る。「該内燃機関の1つまたはそれ以上の性能特性をモニターする工程」との用語は、機械的または出力の測定だけでなく、さらに、内燃機関における潤滑油の化学的または物理的特性を含む。摩耗は、多数の技術により測定され、これには、シリンダーライナーから削り取られた潤滑剤中に存在している金属または金属酸化物粒子を測定することが挙げられる。内燃機関の性能をモニターする他の例には、燃料のイオウ含量、エンジン性能および潤滑剤のTBNを測定することが挙げられる。内燃機関の性能特性をモニターする可能な技術のさらに詳細な説明は、米国特許出願2003/0159672で開示されている。
【0022】
潤滑組成物に所望のTBNレベルを与える添加剤パッケージの選択は、燃料の特性(例えば、イオウ含量または上記の他の特性)を分析することにより、決定され得る。1実施態様では、この燃料のイオウ含量が低い(しばしば、燃料の4wt%未満)とき、燃焼中の発生する酸(例えば、硫酸)を中和するのに必要なTBNの量は、少なくなり、その添加剤パッケージは、より少ない清浄剤を含有し得る。この添加剤パッケージにより与えられるTBNは、典型的には、大部分は、この添加剤パッケージ中にオーバーベース化清浄剤(これは、以下でさらに詳細に記述する)を存在させることにより、提供される。1実施態様では、この燃料のイオウ含量は、高く(しばしば、燃料の4wt%を超える)、結果として、清浄剤から必要なTBNの量は、高くなり得る。
【0023】
この潤滑組成物の全塩基価(TBN)は、1実施態様では、30またはそれ以上、別の実施態様では、40またはそれ以上、別の実施態様では、50またはそれ以上、別の実施態様では、60またはそれ以上、別の実施態様では、65またはそれ以上、別の実施態様では、70またはそれ以上である。この潤滑組成物のTBNの例には、40、50、60、65、70、80または100が挙げられる。
【0024】
工程(2)の選択された添加剤パッケージは、公知方法(例えば、ブレンダー)により、上で規定した基油と混ぜ合わされる。1実施態様では、このブレンダーは、典型的には、内燃機関に対して利用可能な場所に位置しており、これは、典型的には、少なくとも1600キロワットの出力を有する。1実施態様では、この内燃機関は、少なくとも2000キロワット、別の実施態様では、少なくとも3000キロワット、別の実施態様では、少なくとも4700キロワットの出力を有する。
【0025】
工程(3)の潤滑組成物は、1実施態様では、「デイタンク」(またはシリンダー油サービスタンク)から、別の実施態様では、貯蔵タンクから、直接的に、内燃機関に供給される。
【0026】
1実施態様では、本発明は、以下を含有する潤滑組成物を提供する:
(a)2mm/s〜12mm/sのライトニュートラル基油;
(b)ヘビーニュートラル基油またはブライトストックであって、該ヘビーニュートラル基油またはブライトストックは、12mm/sより高く40mm/sまでの粘度を有する;および
(c)以下を含有する少なくとも1種の性能添加剤:高分子増粘剤、分散剤、耐摩耗剤、清浄剤またはそれらの混合物;
ここで、該高分子増粘剤は、存在するとき、8000より高い重量平均分子量(Mw)を有し、そして15mm/s〜29mm/sの全粘度を該組成物に与える量で存在している;該分散剤または清浄剤は、存在するとき、該潤滑組成物に塩基性を与える;そして該組成物は、少なくとも10mg KOH/gの全塩基価を有する。
【0027】
1実施態様では、本発明は、さらに、以下を含有する潤滑組成物を提供する:
(a)2mm/s〜12mm/sのライトニュートラル基油;
(b)ヘビーニュートラル基油またはブライトストックであって、該ヘビーニュートラル基油またはブライトストックは、12mm/sより高く40mm/sまでの粘度を有する;
(c)高分子増粘剤;および
(d)以下を含有する少なくとも1種の性能添加剤:、分散剤、耐摩耗剤、清浄剤またはそれらの混合物;
ここで、該高分子増粘剤は、8000より高い重量平均分子量(Mw)を有し、そして15mm/s〜29mm/sの全粘度を該組成物に与える量で存在している;該分散剤または清浄剤は、存在するとき、該潤滑組成物に塩基性を与える;そして該組成物は、少なくとも10mg KOH/gの全塩基価を有する。
【0028】
1実施態様では、本発明は、以下を含有する潤滑組成物を提供する:
(a)2mm/s〜12mm/sのライトニュートラル基油;
(b)0〜20重量%のヘビーニュートラル基油またはブライトストックであって、該ヘビーニュートラル基油またはブライトストックは、12mm/sより高く40mm/sまでの粘度を有する;
(c)高分子増粘剤;および
(d)以下を含有する少なくとも1種の性能添加剤:、分散剤、耐摩耗剤、清浄剤またはそれらの混合物;
ここで、該高分子増粘剤は、8000より高い重量平均分子量(Mw)を有し、そして15mm/s〜29mm/sの全粘度(またはSAE 30〜SAE 60(典型的には、SAE 50)の範囲の粘度等級)を該潤滑組成物に与える量で存在している;該分散剤または清浄剤は、存在するとき、該潤滑組成物に塩基性を与える;そして該組成物は、少なくとも10mg KOH/gの全塩基価を有する。
【0029】
1実施態様では、本発明は、2mm/s〜12mm/s(典型的には、SAE 30等級)のライトニュートラル基油および必要に応じて、12mm/sより高く40mm/sまでの粘度のヘビーニュートラル基油またはブライトストックを有する潤滑粘性のあるオイルを使用する。このようなオイルには、天然油および合成油、水素化分解、水素化、ハイドロフィニッシングから誘導されたオイル、未精製油、精製油および再精製油、およびそれらの混合物が挙げられる。水素処理したナフテン油もまた公知であり、そしてフィッシャー−トロプシュ気液合成手順により調製されたオイルおよび他の気液オイルと同様に、使用できる。1実施態様では、本発明の分散剤混合物は、気液オイルで使用するとき、有用である。
【0030】
このライトニュートラル基油の原料は、1実施態様では、2−ストロークエンジンから得た新規または使用済みクランクケースシステム油、またはさらにプロセシングすることなくシステム油タンクから得たシステム油である。1実施態様では、使用済みシステム油は、シリンダー潤滑剤として有用にするために、添加剤パッケージと共に添加される。1実施態様では、使用済みシステム油は、工程(1)のモニタリングデータに基づいて、このシステム油のオイル寿命を延ばすか性能を向上させるために、添加剤パッケージと共に添加される。
【0031】
このヘビーニュートラル基油またはブライトストックは、存在するとき、1実施態様では、内燃機関を潤滑させるのに使用される油だめから得た使用済みオイルである。
【0032】
1実施態様では、この潤滑組成物は、SAE 50等級の潤滑剤である。
【0033】
このライトニュートラル基油は、1実施態様では、この潤滑組成物の40〜99.9重量パーセント、別の実施態様では、50〜99.9重量パーセント、別の実施態様では、60〜99.9重量パーセント、別の実施態様では、70〜99.9重量パーセントで存在している。
【0034】
このヘビーニュートラル基油またはブライトストックは、1実施態様では、この潤滑組成物の0〜35重量パーセント、別の実施態様では、0〜30重量パーセント、別の実施態様では、0.01〜25重量パーセント、別の実施態様では、0.05〜20重量パーセントで存在している。1実施態様では、このヘビーニュートラル基油は、この潤滑組成物の1〜25または5〜20重量パーセントで存在している。
【0035】
いくつかの他の実施態様では、ヘビーニュートラル基油またはブライトストックの量は、この潤滑組成物の0〜20重量パーセント、または0〜10重量パーセントまたは0〜5重量パーセントで存在している。1実施態様では、ヘビーニュートラル基油またはブライトストックの量は、0重量パーセントである。
【0036】
(性能添加剤)
必要に応じて、この潤滑組成物は、少なくとも1種の性能添加剤を含有し、これらは、金属不活性化剤、高分子増粘剤、分散剤、酸化防止剤、耐摩耗剤、腐食防止剤、耐スカッフィング剤、極圧剤、発泡防止剤、解乳化剤、摩擦調整剤、流動点降下剤およびそれらの混合物からなる群から選択される。典型的には、十分に調合した潤滑油は、1種またはそれ以上のこれらの性能添加剤を含有する。
【0037】
存在している任意の性能添加剤を合わせた全量は、1実施態様では、この潤滑組成物の0または0.01〜25重量パーセント、別の実施態様では、0または0.01〜20重量パーセント、別の実施態様では、0または0.01〜15重量パーセント、別の実施態様では、0.05または0.1または0.5〜10重量パーセントである。
【0038】
(高分子増粘剤)
この高分子増粘剤には、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレン共重合体、水素化スチレン−イソプレン重合体、水素化ラジカルイソプレン重合体、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリアルキルスチレン、ポリオレフィン(例えば、ポリイソブチレン)、ポリメタクリル酸アルキル、および無水マレイン酸−スチレン共重合体のエステルが挙げられる。1実施態様では、この高分子増粘剤は、ポリイソブチレンを含まない;別の実施態様では、この高分子増粘剤は、ポリイソブチレンである。1実施態様では、この高分子増粘剤は、ポリ(メタ)アクリレートである。
【0039】
この高分子増粘剤は、いくつかの実施態様では、8000より高い、または8400以上、少なくとも10,000、または少なくとも15,000、または少なくとも25,000または少なくとも35、000の重量平均分子量(Mw)を有する。この高分子増粘剤は、一般に、Mwに上限はないが、しかしながら、1実施態様では、そのMwは、2,000,000未満、別の実施態様では、500,000未満、別の実施態様では、150,000未満である。Mwの適当な範囲の例には、1実施態様では、12,000〜1,000,000、別の実施態様では、20,000〜300,000、別の実施態様では、30,000〜75,000が挙げられる。
【0040】
もし、ポリイソブチレン高分子増粘剤が存在しているなら、その重量平均分子量(Mw)は、8000より高く、または8400以上、少なくとも10,000〜15,000または25,000である。適当な範囲の例には、8000より高く25,000まで、または8400〜15,000が挙げられる。
【0041】
この高分子増粘剤は、1実施態様では、この潤滑組成物の0または0.01〜15重量パーセント、別の実施態様では、0.05〜10重量パーセントで、存在している。
【0042】
(耐摩耗剤)
本発明の1実施態様では、この潤滑組成物は、さらに、耐摩耗剤(例えば、ヒドロカルビルジチオリン酸金属)を含有する。ヒドロカルビルジチオリン酸金属の例には、ジヒドロカルビルジチオリン酸金属(これは、しばしば、ZDDP、ZDPまたはZDTPと呼ばれる)が挙げられる。適当なヒドロカルビルジチオリン酸亜鉛化合物の例には、ブチル/ペンチル、ヘプチル、オクチルおよび/またはノニルジチオリン酸亜鉛塩の反応生成物またはそれらの混合物が挙げられる。
【0043】
代替実施態様では、この耐摩耗剤は、無灰であり、すなわち、この耐摩耗剤は、(他の成分と混合する前に)金属を含まない。1実施態様では、金属を含まない耐摩耗剤は、アミン塩である。この無灰耐摩耗剤は、しばしば、イオウ、リン、ホウ素またはそれらの混合物を含めた原子を含有する。
【0044】
(清浄剤)
本発明は、必要に応じて、清浄剤(例えば、オーバーベース化スルホネート清浄剤)を含む。この組成物のスルホネート清浄剤は、次式で表わされる化合物を含有する:
(R−A−SOM (I)
ここで、各Rは、1実施態様では、6個〜40個、別の実施態様では、8個〜35個、別の実施態様では、12個〜30個の炭素原子を含有するヒドロカルビル基である;Aは、別個に、環式または非環式二価または多価炭化水素基であり得る;Mは、水素、金属イオンの原子価、アンモニウムイオンまたはそれらの混合物である;そしてkは、0〜5の整数、例えば、0、1、2、3、4、5である。1実施態様では、kは、1、2または3、別の実施態様では、1または2、別の実施態様では、1である。別の実施態様では、Mは、水素であり、そして利用可能なM要素の30%未満、別の実施態様では、20%未満、別の実施態様では、10%未満、さらに別の実施態様では、5%未満を占め、M要素の残りは、金属またはアンモニウムイオンである。
【0045】
1実施態様では、kは、1であり、そしてRは、6個〜40個の炭素原子を有する分枝アルキルである。1実施態様では、kは、1であり、そしてRは、6個〜40個の炭素原子を有する直鎖アルキル基である。
【0046】
オーバーベース化スルホネート清浄剤を形成できる適当なスルホン酸の例には、ポリプロペンベンゼンスルホン酸、ウンデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、トリデシルベンゼンスルホン酸、テトラデシルベンゼンスルホン酸、ペンタデシルベンゼンスルホン酸、ヘキサデシルベンゼンスルホン酸およびそれらの混合物が挙げられる。1実施態様では、このスルホン酸には、トリデシルベンゼンスルホン酸、テトラデシルベンゼンスルホン酸、オクタデシルベンゼンスルホン酸、テトラエイコキシルベンゼンスルホン酸またはそれらの混合物が挙げられる。本発明の1実施態様では、このスルホン酸は、ポリプロペンベンゼンスルホン酸であり、ここで、このポリプロペンは、しばしば、18個〜30個の炭素原子を含有する。
【0047】
本発明の1実施態様では、このスルホネート成分は、カルシウムポリプロペンベンゼンスルホネートおよびカルシウムモノアルキルおよびジアルキルベンゼンスルホネートであり、ここで、これらのアルキル基は、少なくとも10個または12個の炭素、例えば、11個、12個、13個、14個、15個、18個、24個または30個の炭素原子を含有する。
【0048】
Mが金属イオンの原子価であるとき、この金属は、一価、二価、三価またはこのような金属の混合物であり得る。一価であるとき、金属Mは、アルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウムまたはカリウム)を含み、二価であるとき、金属Mは、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム、カルシウムまたはバリウム)を含む。1実施態様では、この金属は、アルカリ土類金属である。1実施態様では、この金属は、カルシウムである。
【0049】
Aが環式炭化水素基であるとき、適当な基には、フェニレンまたは縮合二環式基(例えば、ナフチレン、インデニレン、インダニレン、ビシクロペンタジエニレンまたはそれらの混合物)が挙げられる。1実施態様では、Aは、ベンゼン環を含む。
【0050】
Aが非環式二価炭化水素基であるとき、その炭素鎖は、直鎖または分枝であり得る。1実施態様では、Aは、非環式直鎖炭化水素基である。
【0051】
このオーバーベース化スルホネート清浄剤は、1実施態様では、少なくとも350、別の実施態様では、少なくとも400、別の実施態様では、少なくとも425、別の実施態様では、少なくとも450、別の実施態様では、少なくとも475のTBN(全塩基価)を有する。1実施態様では、このオーバーベース化スルホネート清浄剤は、400または500のTBNを有する。
【0052】
このスルホネート清浄剤は、1実施態様では、この潤滑組成物の0.1〜35重量パーセント、別の実施態様では、2〜30重量パーセント、別の実施態様では、5〜25重量パーセント、別の実施態様では、10〜25重量パーセントで存在している。
【0053】
(スルホネート清浄剤のオーバーベース化)
1実施態様では、このスルホネート清浄剤は、オーバーベースされる。オーバーベース化物質は、別に、オーバーベース化塩またはスーパーベース化塩と呼ばれるが、一般に、単一相の均一なニュートン系であり、これは、その金属および金属と反応される特定の酸性有機化合物の化学量論に従って中和するために必要な金属含量よりも過剰の金属含量により、特徴付けられる。これらのオーバーベース化物質は、酸性物質(典型的には、無機酸または低級カルボン酸、しばしば、二酸化炭素)と、以下を含有する混合物とを反応させることにより、調製される:酸性有機化合物、少なくとも1種の有機溶媒を含む反応媒体、および促進剤(例えば、フェノールまたはアルコール混合物)。アルコールの混合物は、典型的には、メタノールと、2個〜7個の炭素原子を有する少なくとも1種のアルコールとを含有し、そして50〜60モルパーセントのメタノールを含有し得る。この酸性有機物質(基質)は、通常、オイルにて一定程度の溶解度を与えるのに十分な数の炭素原子を有する。過剰な金属量は、通常、基質:金属比で表わされる。「金属:基質比」または「金属比」との用語は、この基質の当量に対する金属の全当量の比である。オーバーベース化スルホネート清浄剤は、典型的には、12.5:1〜40:1、1実施態様では、13.5:1〜40:1、別の実施態様では、14.5:1〜40:1、別の実施態様では、15.5:1〜40:1、別の実施態様では、16.5:1〜40:1の金属比を有する。さらに、このオーバーベース化清浄剤は、しばしば、低い製造過程粘度および低い最終粘度を有する。
【0054】
500TBNを有するスルホネート清浄剤およびその調製は、米国特許第5,792,732で開示されている。その実施例2では、500TBN全直鎖アルキルベンゼンスルホネートは、n−ヘプタンおよびメタノール中にて、Witco Corp.(現在では、Cromptonとして、知られている)製のアルキルベンゼンスルホネートとCa(OH)およびCaOとを反応させることにより、そしてCOを泡立たせることにより、調製される。前述の特許(5欄)において、非常に分枝したアルキルベンゼンスルホネートを含有する500TBNオーバーベース化スルホネートは、Petronate(登録商標)C−500として、Witco Corp.(現在では、Cromptonとして、知られている)から入手できる。高い金属比のオーバーベース化スルホネート清浄剤を調製する他の方法は、米国特許第6,444,625号(例えば、3欄、下部を参照)で開示されている。後者の方法は、スルホン酸を反応器に供給する工程、中和およびオーバーベース化用の石灰反応物を加える工程、低脂肪族C〜Cアルコールおよび炭化水素溶媒を加える工程、およびプロセス混合物を二酸化炭素で炭酸化する工程を包含し、その過程では、この反応の発熱は、27℃と57℃の間で維持される。あるいは、高い金属比の清浄剤は、炭化水素溶媒と共にまたはそれなしで、短鎖アルコールを使用することにより、石灰反応物および二酸化炭素の添加を複数回反復して行うことにより調製され得、もし望ましいなら、石灰および二酸化炭素を加える工程および揮発性物質を除去する工程は、繰り返すことができる。本発明のオーバーベース化スルホネート清浄剤は、単独で、または他のオーバーベース化スルホネートと併用して、使用され得る。1実施態様では、このスルホネート清浄剤は、他のスルホネート清浄剤との混合物中にある。あるいは、500 TBN スルホネート清浄剤は、調製実施例S−1で示された方法により、調製され得る。
【0055】
(調製実施例S−1)
フランジおよびクリップ、オーバーヘッド攪拌機(パドル付き)およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)攪拌機グランド、ディーン・スタークトラップおよび二重表面冷却器、マントル/熱電対温度制御システムを付けた容器を使用して、500TBNスルホネートの試料を調製するが、この装置は、マントルのすぐ上から、冷却器のすぐ下まで、ガラスウールで覆われている。この容器に、C16〜C24アルキルベンゼンスルホン酸35.1重量部および鉱油(SN 150)31.8重量部を充填し、そして30℃まで加熱する。この反応器に、ポートを通って、アルコール(これは、メタノールおよびイソブタノール/アミルアルコール混合物を含有する)11.6重量部を充填する。メタノールとイソブタノール/アミルアルコール混合物との重量比は、1.31である。この反応器に、水酸化カルシウム14.9重量部を充填し、その混合物を54℃まで加熱し、この温度で、二酸化炭素を加えて、炭酸化生成物を形成する。この炭酸化生成物を、さらに、水酸化カルシウムおよび二酸化炭素の類似(すなわち、等しい)部分で、もう3回処理する。ストリッピングにより水を除去した後、アルコール、水酸化カルシウムおよび二酸化炭素の添加を2回繰り返す。その生成物をストリッピングし、そして濾過する。
【0056】
必要に応じて、この潤滑組成物は、さらに、フェネート清浄剤を含有する。このフェネート清浄剤は、公知であり、イオウ含有フェネート、非硫化フェネートまたはそれらの混合物の中性またはオーバーベース化金属塩が挙げられる。適当な金属塩は、スルホネート清浄剤について記述したものと同じである。
【0057】
このフェネート清浄剤は、1実施態様では、30〜450、別の実施態様では、30〜350または290、別の実施態様では、40〜265、別の実施態様では、50〜190、別の実施態様では、70〜175のTBNを有する。1実施態様では、このイオウ含有フェネート清浄剤は、150のTBN、別の実施態様では、225のTBN、別の実施態様では、250のTBNを有する。
【0058】
他の適当な清浄剤化合物には、サリチレート、カルボキシレート、ホスフェート、サリキサレートまたはそれらの混合物が挙げられる。
【0059】
(分散剤)
本発明は、必要に応じて、さらに、分散剤を含む。この分散剤は、公知であり、灰分含有分散剤または無灰型分散剤が挙げられ、「無灰」分散剤は、その潤滑剤の他の成分と混合する前に、硫酸塩灰分を形成する金属を含有しないので、そう命名されている。もちろん、混合後は、それらは、他の成分に由来の金属イオンを獲得し得る;しかし、それらは、依然として、通常、「無灰分散剤」と呼ばれる。この分散剤は、単独で、または他の分散剤と併用して、使用され得る。1実施態様では、この無灰分散剤は、灰分を形成する金属を含有しない。無灰型分散剤は、比較的に高分子量の炭化水素鎖に結合された極性基により、特徴付けられる。典型的な無灰分散剤には、N−置換長鎖炭化水素スクシンイミド(例えば、アルケニルスクシンイミド)が挙げられる。N−置換長鎖アルケニルスクシンイミドの例は、1実施態様では、350〜5000の範囲、別の実施態様では、500〜3000の範囲のポリイソブテニル置換基の数平均分子量を有するポリイソブチレンスクシンイミドが挙げられる。スクシンイミド分散剤およびそれらの調製は、例えば、米国特許第4,234,435号で開示されている。スクシンイミド分散剤は、典型的には、ポリアミン(典型的には、ポリ(エチレンアミン))から形成されたイミドである。
【0060】
本発明の1実施態様では、この分散剤は、亜鉛とのポリイソブチレンスクシンイミド錯体を形成するために、ポリイソブチレン、アミンおよび酸化亜鉛から誘導される。
【0061】
1実施態様では、この分散剤は、長鎖炭化水素アシル化剤(例えば、長鎖アルケニルコハク酸/無水物)の半エステル、エステルまたは塩から誘導される。
【0062】
他の種類の無灰分散剤には、マンニッヒ塩基がある。マンニッヒ分散剤は、アルキルフェノールとアルデヒド(特に、ホルムアルデヒド)およびアミン(特に、ポリアルキレンポリアミン)との反応生成物である。そのアルキル基は、少なくとも30個の炭素原子を含有する。
【0063】
この分散剤はまた、種々の任意の試薬との反応による通常方法により、後処理され得る。これらには、尿素、チオ尿素、ジメルカプトチアジアゾールまたはそれらの誘導体、二硫化炭素、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、炭化水素置換無水コハク酸、無水マレイン酸、アクリロニトリル、エポキシド、ホウ素化合物およびリン化合物がある。
【0064】
本発明の1実施態様では、この分散剤は、種々の形状のホウ酸(メタホウ酸(HBO)、オルトホウ酸(HBO)およびテトラホウ酸(H)を含めて)、酸化ホウ素、三酸化ホウ素、およびホウ酸アルキルからなる群から選択される試薬を使用して、ホウ酸塩化される。
【0065】
このホウ酸塩化分散剤は、ホウ素化合物とN−置換長鎖アルケニルスクシンイミドとをブレンドすることにより、そしてそれらを、所望の反応が起こるまで、適当な温度(1実施態様では、80℃〜250℃、別の実施態様では、90℃〜230℃、別の実施態様では、100℃〜210℃)で加熱することにより、調製され得る。これらのホウ素化合物とN−置換長鎖アルケニルスクシンイミドとのモル比は、典型的には、10:1〜1:4、別の実施態様では、4:1〜1:3、別の実施態様では、1:2である。この反応を実行する際には、不活性液体が使用され得る。この液体には、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジメチルホルムアミドおよびそれらの混合物が挙げられ得る。
【0066】
他の任意の性能添加剤、例えば、酸化防止剤(ジフェニルアミン、ヒンダードフェノール、ジチオカルバミン酸モリブデン、硫化オレフィンおよびそれらの混合物)(1実施態様では、この潤滑組成物は、酸化防止剤を含まない);腐食防止剤(これには、オクタン酸オクチルアミン、ドデセニルコハク酸または無水物および脂肪酸(例えば、オレイン酸)とポリアミンの縮合生成物が挙げられる);金属不活性化剤(これには、ベンゾトリアゾール、1,2,4−トリアゾール、ベンゾイミダゾール、2−アルキルジチオベンゾイミダゾールまたは2−アルキルジチオベンゾチアゾールが挙げられる);発泡防止剤(これらは、アクリル酸エチルと、アクリル酸2−エチルヘキシルと、必要に応じて、酢酸ビニルとの共重合体が挙げられる);解乳化剤(これには、リン酸トリアルキル、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドおよび(エチレンオキシド−プロピレンオキシド)重合体が挙げられる);流動点降下剤(これには、無水マレイン酸−スチレンのエステル、ポリメタクリレート、ポリアクリレートまたはポリアクリルアミドが挙げられる);摩擦調整剤(これには、脂肪酸誘導体(例えば、アミン、エステル、エポキシド、脂肪イミダゾリン、カルボン酸とポリアルキレン−ポリアミンとの縮合生成物、およびアルキルリン酸のアミン塩が挙げられる)は、使用され得る。
【0067】
(方法)
本発明はまた、潤滑組成物を調製する方法を含み、該方法は、以下を混合する工程を包含する:
(a)2mm/s〜12mm/sのライトニュートラル基油;
(b)ヘビーニュートラル基油またはブライトストックであって、該ヘビーニュートラル基油またはブライトストックは、12mm/sより高く40mm/sまでの粘度を有する;および
(c)以下を含有する少なくとも1種の性能添加剤:高分子増粘剤、分散剤、耐摩耗剤、清浄剤またはそれらの混合物;
ここで、該高分子増粘剤は、8000より高い重量平均分子量(Mw)を有し、そして12mm/sまたは15mm/s〜29mm/sの全粘度を該組成物に与える量で存在している;該分散剤または清浄剤は、存在するとき、該潤滑組成物に塩基性を与える;そして該組成物は、少なくとも10mg KOH/gの全塩基価を有する。
【0068】
その混合条件は、1実施態様では、15℃〜130℃、別の実施態様では、20℃〜120℃、別の実施態様では、25℃〜110℃の温度;そして1実施態様では、30秒間〜48時間、別の実施態様では、2分間〜24時間、他の実施態様では、5分間〜16時間または20分間〜4時間の時間;そして1実施態様では、86kPa〜270kPa(650mmHg〜2000mmHg)、別の実施態様では、92kPa〜200kPa(690mmHg〜1500mmHg)、別の実施態様では、95kPa〜130kPa(715mmHg〜1000mmHg)の圧力を含む。
【0069】
この方法は、必要に応じて、上記他の性能添加剤を混合する工程を包含する。これらの任意の性能添加剤は、連続して、別々に、または濃縮物として、加えられ得る。1実施態様では、この組成物は、濃縮物である。
【0070】
(工業用途)
本発明の潤滑組成物は、内燃機関(例えば、定置内燃機関(例えば、出力ステーション内燃機関);ディーゼル燃料機関、ガソリン燃料機関、天然ガス燃料機関または混合ガソリン/アルコール燃料機関)に有用である。1実施態様では、この内燃機関は、4−ストロークであり、別の実施態様では、2−ストロークエンジンである。1実施態様では、このディーゼル燃料機関は、船舶ディーゼル機関である。
【0071】
1実施態様では、本発明は、内燃機関を潤滑させる方法を提供し、この方法は、そこに、本明細書中で記述した組成物を含有する潤滑剤を供給する工程を包含する。この組成物を使用すると、TBNの抑制、清浄化特性、耐摩耗性能および堆積物の抑制の1つまたはそれ以上がなされ得る。
【0072】
1実施態様では、本発明は、2−ストローク船舶ディーゼルシリンダーを潤滑させる方法を提供し、この方法は、以下を含有する潤滑組成物で該2−ストローク船舶ディーゼルシリンダーを潤滑させる工程を包含する:
(a)2mm/s〜12mm/sのライトニュートラル基油;
(b)0〜20重量%のヘビーニュートラル基油またはブライトストックであって、該ヘビーニュートラル基油またはブライトストックは、12mm/sより高く40mm/sまでの粘度を有する;
(c)高分子増粘剤;および
(d)以下を含有する少なくとも1種の性能添加剤:、分散剤、耐摩耗剤、清浄剤またはそれらの混合物;
ここで、該高分子増粘剤は、8000より高い重量平均分子量(Mw)を有し、そして12mmまたは15mm/s〜29mm/sの全粘度(またはSAE 40〜SAE 60の範囲の粘度等級)を該潤滑組成物に与える量で存在している;該分散剤または清浄剤は、存在するとき、該潤滑組成物に塩基性を与える;そして該組成物は、少なくとも10mg KOH/gの全塩基価を有する。
【0073】
以下の実施例は、本発明を例示する。これらの実施例は、全てを網羅するものではなく、本発明の範囲を限定するとは解釈されない。
【実施例】
【0074】
調製実施例1〜7で使用した全ての添加剤成分は、The Lubrizol Corporationから市販されている。これらの実施例で使用した全ての性能添加剤は、通常の量の希釈剤を含めて、供給された重量パーセントを引用する。
【0075】
(調製実施例1:システム油組成物(P1))
1〜15のTBNを有し、分散剤1wt%、ZDDP(0.5wt%)、250TBNフェネート清浄剤6wt%、ニュートラルスルホネート清浄剤0.5wt%および基油(これは、ライト溶媒ニュートラル油およびブライトストックを含む)を含有するシステム油を調製する。このシステム油組成物は、11mm/sの粘度を有する。
【0076】
(調製実施例2:システム油組成物(P2))
2〜7のTBNを有し、分散剤0.5wt%、ZDDP(0.3wt%)、250TBNフェネート清浄剤1.0wt%、ニュートラルスルホネート清浄剤1.2wt%、酸化防止剤0.2wt%および基油(これは、Exxon 150ライトニュートラル基油4.8wt%およびExxon 600ライトニュートラルブライトストック92.2wt%を含む)を含有するシステム油を調製する。このシステム油組成物は、11mm/sの粘度を有する。
【0077】
(調製実施例3:SAE50潤滑油組成物(P3))
3〜30のTBNを有し、分散剤1.5wt%、ZDDP(0.5wt%)、250TBNフェネート12wt%、および基油(これは、溶媒ニュートラル油およびブライトストックを含む)を含有するコア潤滑油組成物を調製する。このコア潤滑油組成物は、19.5mm/sの粘度を有する。
【0078】
(調製実施例4:SAE 50 潤滑油組成物(P4))
4〜10のTBNを有し、ホウ酸塩化分散剤1wt%、250TBNフェネート6.5wt%、および基油(これは、溶媒ニュートラル油およびブライトストックを含む)を含有するコア潤滑油組成物を調製する。このコア潤滑油組成物は、19.5mm/sの粘度を有する。
【0079】
(調製実施例5:高TBN組成物(P5))
400TBNオーバーベース化スルホネート清浄剤50wt%および500SNベースストック50wt%の200TBN濃縮物から、高TBN組成物を調製する。
【0080】
(調製実施例6:高TBN組成物(P6))
500TBNオーバーベース化スルホネート清浄剤80wt%および500SNベースストックの400TBN濃縮物20wt%から、高TBN組成物を調製する。
【0081】
(調製実施例7:高分子増粘剤組成物(P7))
調製実施例7は、10〜10の重量平均分子量Mwを有するポリメタクリレート粘度指数向上剤である。
【0082】
(実施例1〜10)
実施例1〜10は、以下で示す調製実施例1〜7の一部をブレンドすることにより、調製される:
【0083】
【化1】

(実施例11(EX11))
調製実施例2から得た新鮮システム油79.4wt%、150TBNフェネート清浄剤2.6wt%、400TBNスルホネート清浄剤15wt%、ホウ酸塩化分散剤0.8wt%および調製実施例7の生成物2.2wt%から、潤滑組成物を調製する。この潤滑組成物は、67.2のTBN、および18.1mm/sの粘度を有する。
【0084】
(実施例12(EX12))
調製実施例2から得た新鮮システム油40.3wt%、調製実施例2から得た使用済みシステム油(これは、エンジンスタッフィングボックス(スタッフィングボックスは、使用済みシリンダー油からシステム油を分離するために、クランクケースに取り付けられている)に由来の汚染物を含有する)40.3wt%から、潤滑組成物を調製する。この使用済みシステム油は、最初は、調製実施例2のシステム油から誘導される。この潤滑組成物は、さらに、150TBNフェネート清浄剤2.5wt%、400TBNスルホネート清浄剤14.2wt%、ホウ酸塩化分散剤0.7wt%および調製実施例7の生成物2wt%を含有する。この潤滑組成物は、67.2のTBN、および18.1mm/sの粘度を有する。
【0085】
(実施例13(EX13))
調製実施例2から得た使用済みシステム油(これは、エンジンスタッフィングボックスに由来の汚染物を含有する)81.7wt%から、潤滑組成物を調製する。この使用済みシステム油は、最初は、調製実施例2のシステム油から誘導される。この潤滑組成物は、さらに、150TBNフェネート清浄剤2.3wt%、400TBNスルホネート清浄剤13.4wt%、ホウ酸塩化分散剤0.7wt%および調製実施例7の生成物1.9wt%を含有する。この潤滑組成物は、66.2のTBN、および17.8mm/sの粘度を有する。
【0086】
(参考例1(RF1))
参考例は、調製実施例7の化合物が存在しないこと以外は、実施例11と同じである。さらに、そのシステム油は、Exxon 600N基油55wt%およびExxon 150ブライトストック基油23.7wt%で置き換える。この参考例は、68.9のTBN、および18.7mm/sの粘度を有する。
【0087】
(参考例2(RF2))
参考例は、調製実施例7の化合物が存在しないこと、およびZDDPが0.5wt%で存在すること以外は、実施例11と同じである。さらに、そのシステム油は、Exxon
600N基油55.9wt%およびExxon 150ブライトストック基油23.8wt%で置き換える。この参考例は、68.9のTBN、および18.7mm/sの粘度を有する。
【0088】
(試験1:Cameron Plint摩耗試験)
Cameron Plint TE−77(商標)は、往復摩耗試験機である。この試験では、鋼球上部試験片を、鋼鉄製フラット下部試験片に接して、往復させる。潤滑剤試料は、まず最初に、硫酸3.5wt%で処理する。次いで、このCameron Plintに、試料10mlを充填し、50℃まで加熱し、そして20分間保持する。次いで、この試料を、2分間にわたって、240Nの負荷にかけると同時に、15mmのストローク長にわたって、10Hzで、往復を開始する。次いで、この試料を、1分間あたり2℃で、350℃まで加熱し、次いで、その温度で、3時間保持する。この試験の最後に、薄膜破壊の開始を測定する。薄膜破壊の開始は、接触薄膜で測定される油膜が最初にその初期値の80%まで低下する温度により、決定される。指定した実施例の潤滑剤を試験することにより得られた結果は、以下で示すとおりである:
【0089】
【化2】

得られた実験データを分析すると、本発明の添加剤パッケージの存在により、システム油に対して、TBNの抑制、清浄化特性、耐摩耗性能および堆積物の抑制の1つまたはそれ以上が得られる。
【0090】
(実施例14〜26)
実施例14〜26は、種々のポリメタクリレート高分子増粘剤2wt%、スクシンイミド分散剤1.5wt%、ブライトストック基油7wt%、67.4と72.3wt%の間のライトニュートラル基油および清浄剤パッケージを含有する。実施例14〜22の清浄剤パッケージは、350〜500TBNの範囲のTBNを有するスルホネート清浄剤の混合物を含有する。実施例23〜26は、スルホネート清浄剤とフェネート清浄剤の混合物を含有する。
【0091】
参考例3(RF3)は、市販の船舶ディーゼルシリンダー潤滑剤である。
【0092】
(試験2:パネルコーカー(Panel Coker))
およそ233gの試料を250mL Panel Coker装置に入れ、そして325℃まで加熱する。この試料を、15秒間にわたって、金属板に跳ねかけ、次いで、45秒間焼き付ける。この跳ねかけおよび焼き付けのサイクルを、およそ3時間継続する。この試料を室温まで冷却しそして金属プレート上に残っている堆積物の量を測定する。指定した実施例の潤滑剤を試験することにより得られた結果は、以下で示すとおりである:
【0093】
【化3】

要約すると、パネルコーカー試験の結果は、本発明の組成物が従来の船舶ディーゼルシリンダー潤滑剤よりも堆積物の形成が少ないことを証明している。
【0094】
本発明を説明しているものの、それらの種々の変更は、本明細書を読めば、当業者に明らかなことが理解できるはずである。従って、本明細書中で開示の発明は、添付の請求の範囲に入るこれらの変更を含むべく意図されていることが理解できるはずである。
【0095】
上で引用した各文献の内容は、本明細書中で参考として援用されている。実施例を除いて、他に明らかに指示がなければ、物質の量を特定している本記述の全ての数値量、反応条件、分子量、炭素原子数などは、「約」という用語により修飾されることが分かる。他に指示がなければ、本明細書中で言及した各化学物質または組成物は、その異性体、副生成物、誘導体、および市販等級の物質中に存在すると通常考えられているような他のこのような物質を含有し得る、市販等級の物質であると解釈されるべきである。しかしながら、各化学成分の量は、他に指示がなければ、市販等級の物質に通例存在し得る溶媒または希釈油を除いて、提示されている。同様に、本発明の各要素の範囲および量は、他の要素のいずれかの範囲または量と併用され得る。本明細書中で示した上限および下限の量、範囲および比は、別個に組み合わされ得ることが分かる。本明細書中で使用するように、属(またはリスト)のいずれかの要素は、請求項から除外される場合がある。
【0096】
本明細書中で使用する「ヒドロカルビル置換基」または「ヒドロカルビル基」との用語は、通常の意味で使用され、これは、当業者に周知である。具体的には、それは、分子の残部に直接結合した炭素原子を有しそして炭化水素的性質または主として炭化水素的な性質を有する基を意味する。ヒドロカルビル基の例には、以下が挙げられる:
(i)炭化水素置換基、すなわち、脂肪族置換基(例えば、アルキルまたはアルケニル)、脂環族置換基(例えば、シクロアルキル、シクロアルケニル)、および芳香族置換された芳香族置換基、脂肪族置換された芳香族置換基および脂環族置換された芳香族置換基などだけでなく、環状置換基。ここで、この環は、分子の他の部分により、完成されている(例えば、2個の置換基は、一緒になって、環を形成する);
(ii)置換された炭化水素置換基、すなわち、非炭化水素基を含有する置換基。この非炭化水素基は、本発明の文脈では、置換基の主な炭化水素的性質を変化させない(例えば、ハロ(特に、クロロおよびフルオロ)、ヒドロキシ、アルコキシ、メルカプト、アルキルメルカプト、ニトロ、ニトロソ、およびスルホキシ);
(iii)ヘテロ置換基、すなわち、本発明の文脈内では、主として炭化水素的性質を有しながら、環または鎖の中に存在する炭素以外の原子を有するが、その他は炭素原子で構成されている基。ヘテロ原子には、イオウ、酸素、窒素が挙げられ、ピリジル、フリル、チエニルおよびイミダゾリルのような置換基を包含する。一般に、このヒドロカルビル基では、各10個の炭素原子に対し、2個以下の非炭化水素置換基、または1個以下の非炭化水素置換基が存在する。典型的には、このヒドロカルビル基には、このような非炭化水素置換基は存在しない。
【0097】
上記物質のいくつかは、最終調合物と相互作用し得、その結果、最終調合物の成分は、最初に加えたものとは異なり得ることが知られている。そのように形成された生成物は、本発明の組成物をその目的用途で使用すると形成される生成物を含めて、簡単に記述できない場合がある。それにもかかわらず、このような全ての改良および反応生成物は、本発明の範囲内に含まれる;本発明は、上記成分を混合することにより調製された組成物を包含する。
【産業上の利用可能性】
【0098】
例えば、本発明の好ましい実施形態では、以下が提供される。
(項1)
少なくとも1600キロワットの出力を備えた内燃機関を潤滑組成物で潤滑させる方法であって、該方法は、以下の工程を包含する:
(1)該内燃機関の1つまたはそれ以上の性能特性をモニターする工程;
(2)潤滑組成物に所望のTBNレベルを与えるように添加剤パッケージを選択して、該内燃機関の該性能特性を変える工程;
(3)工程(2)の該添加剤パッケージと、(a)約2mm/s〜12mm/sの粘度を有し、ライトニュートラル基油を含有する成分と、必要に応じて、(b)12mm/sより高く約40mm/sまでの粘度を有し、ヘビーニュートラル基油またはブライトストックを含有する成分とを混ぜ合わせて潤滑組成物を形成する工程;そして
(4)工程(3)の該潤滑組成物を該内燃機関に供給する工程;
ここで、該潤滑組成物は、少なくとも10mg KOH/gの全塩基価を有する;そして、ここで、該ライトニュートラル基油を含有する該成分は、内燃機関に利用できるオイルリザーバから供給される、
方法。
(項2)
前記潤滑組成物の前記全塩基価が、約30またはそれ以上である、上記項1に記載の方法。
(項3)
前記内燃機関が、少なくとも約3000キロワットの出力を有する、上記項1に記載の方法。
(項4)
前記内燃機関が、2−ストローク船舶ディーゼルエンジンである、上記項1に記載の方法。
(項5)
前記ライトニュートラル基油が、新規または使用済みクランクケースシステム油から提供される、上記項1に記載の方法。
(項6)
前記潤滑組成物の前記全塩基価が、30mg KOH/g以上である、上記項1に記載の方法。
(項7)
前記機関の前記1つまたはそれ以上の特性が、摩耗、エンジン負荷、TBNの変化、堆積物、または腐食を含む、上記項1に記載の方法。
(項8)
前記リザーバが、デイタンクまたはシリンダー油サービスタンクまたは貯蔵タンクである、上記項1に記載の方法。
(項9)
工程(2)の前記添加剤パッケージが、ブレンダーにおいて、基油と混ぜ合わされる、上記項1に記載の方法。
(項10)
工程(2)の前記添加剤パッケージが、さらに、少なくとも1種の性能添加剤を含有し、該性能添加剤が、高分子増粘剤、分散剤、耐摩耗剤、清浄剤またはそれらの混合物を含む、上記項1に記載の方法。
(項11)
前記高分子増粘剤が、約8000より高く約25,000までの重量平均分子量Mwを有するポリイソブチレンまたは約20,000〜約300,000の重量平均分子量Mwを有するポリ(メタ)アクリレートを含有する、上記項10に記載の方法。
(項12)
前記清浄剤が、スルホネート、フェネートまたはそれらの混合物を含有する、上記項10に記載の方法。
(項13)
前記分散剤が、ポリイソブチレンスクシンイミドを含有する、上記項10に記載の方法。
(項14)
前記耐摩耗剤が、ヒドロカルビルジチオリン酸金属を含有する、上記項10に記載の方法。
(項15)
前記ライトニュートラル基油が、前記潤滑組成物の約50〜約99.9重量パーセントで存在している;前記ヘビーニュートラル基油またはブライトストックが、該潤滑組成物の約0.01〜約25重量パーセントで存在している;そして少なくとも1種の性能添加剤が、該潤滑組成物の約0.01〜約25重量パーセントで存在している、上記項1に記載の方法。
(項16)
シリンダー潤滑剤を製造するための、添加剤パッケージを添加したシステム油の使用。
(項17)
2−ストローク船舶ディーゼルエンジンにおけるシリンダー潤滑剤としての、上記項16に記載のシステム油の使用。
(項18)
前記システム油が、使用済みクランクケースシステム油に由来している、上記項16に記載のシステム油。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明


【公開番号】特開2012−193384(P2012−193384A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−156756(P2012−156756)
【出願日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【分割の表示】特願2007−523690(P2007−523690)の分割
【原出願日】平成17年7月22日(2005.7.22)
【出願人】(591131338)ザ ルブリゾル コーポレイション (203)
【氏名又は名称原語表記】THE LUBRIZOL CORPORATION
【住所又は居所原語表記】29400 Lakeland Boulevard, Wickliffe, Ohio 44092, United States of America
【Fターム(参考)】