説明

火災報知システム

【課題】受信機からの指示で行われる火災感知器の自動試験に要する時間を大幅に短縮する。
【解決手段】受信機1から引き出された感知器回線2−1〜2−3に、受信機1の試験命令部14から指示により試験動作を実行して試験結果を応答する自動試験部を備えた火災感知器3−1〜3−4を接続する。受信機1の試験命令部14は、ある火災感知器に試験開始を指示してから試験終了となる以前に、他の火災感知器に試験開始を指示する。受信機1は、系統毎に分けて引出された感知器回線2−1〜2−3に自動試験機能を備えた火災感知器を接続しており、試験命令部14は、ある火災感知器に試験開始を指示してから試験終了となる以前に、同一系統又は別系統の信号線に接続している他の火災感知器に試験開始を指示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信機から引き出された信号線に複数の火災感知器を接続して火災を監視する火災報知システムに関し、特に、受信機からの試験指示により火災感知器の自動試験を行って試験結果を応答する火災報知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、P型として知られた火災報知システムにあっては、受信機から引き出された感知器回線に複数の火災感知器を接続し、回線単位に火災感知器からの発報信号を受信して火災を警報するようにしている。
【0003】
一方、R型として知られた火災報知システムにあっては、受信機から引き出された伝送路に、伝送機能を備えた中継器やアナログ火災感知器等の端末装置を接続し、火災検出時には例えば端末装置からの火災割込みに基づき、検索コマンドを発行して発報した端末装置のアドレスを特定し、火災発生アドレスを表示すると共に、特定した端末装置から火災データを収集して監視するようにしている。
【0004】
このような火災報知システムにあっては、火災感知器に自動試験機能を設け、受信機からの指示で自動試験を行い、試験動作で正常な試験応答が得られなかった火災感知器を障害感知器と判定して受信機で感知障害を警報表示し、障害感知器の交換修理が適切にできることで、システムの信頼性を保証している。
【特許文献1】特開平5−6493
【特許文献2】特開平7−230585
【特許文献3】特開平6−274780
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような従来の火災報知システムにあっては、受信機からの指示で火災感知器の自動試験を行う場合、1台の火災感知器の自動試験が終了した後に次の火災感知器の自動試験を行うようにしており、時間がかかり過ぎる問題があった。
【0006】
図20は従来の火災報知システムの概略であり、受信機110から例えばA系統、B系統およびC系統の3系統に分けて信号線112が引き出され、それぞれ自動試験機能付きの火災感知器111を複数接続している。
【0007】
このような従来の火災報知システムの自動試験は、図21のタイムチャートのように、例えば各系統に四台の火災感知器111を接続していたとすると、A系統につきアドレス1〜4の順、B系統につきアドレス1〜4の順、C系統につきアドレス1〜4の順というように1台ずつ順番に自動試験を行っている。
【0008】
このような火災感知器の自動試験は、例えばR型の火災報知システムの場合、試験コマンド送信による自動試験開始、サンプルコマンドによる試験検出データのサンプリングと保持、複数回のサンプリングによる火災判断、ポーリングコマンドによる試験検出データの応答、試験検出データにより火災と判断できた場合のポーリングコマンドによる試験発報の応答といった手順をとるため、火災感知器1台の自動試験に数秒程度かかる。そして中規模程度のシステムであっても、受信機に接続される火災感知器の数は数百台となり、そのためシステム全体の火災感知器の自動試験に30分を超える時間がかかる問題がある。
【0009】
この点は、P型の火災報知システムでも同様に受信機に接続される火災感知器の数は数百台となり、そのためシステム全体の火災感知器の自動試験にかなりの時間がかかる問題がある。
【0010】
本発明は、受信機からの指示で行われる火災感知器の自動試験に要する時間を大幅に短縮するようにした火災報知システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的を達成するため本発明は次のように構成する。
【0012】
本発明は、受信機又は中継器から引き出された信号線に、受信機又は中継器の試験命令部からの指示により試験動作を実行して試験結果を応答する自動試験部を備えた火災感知器を接続した火災報知システムに於いて、受信機又は中継器の試験命令部は、ある火災感知器に試験開始を指示してから試験終了となる以前に、他の火災感知器に試験開始を指示することを特徴とする。
【0013】
ここで、受信機又は中継器は、系統毎に分けて引出された信号線に自動試験機能を備えた前記火災感知器を接続しており、試験命令部は、ある火災感知器に試験開始を指示してから試験終了となる以前に、同一系統の信号線に接続している他の火災感知器に試験開始を指示する。
【0014】
また受信機又は中継器は、系統毎に分けて引出された信号線に自動試験機能を備えた火災感知器を接続しており、試験命令部は、ある火災感知器に試験開始を指示してから試験終了となる以前に、他の系統の信号線に接続している他の火災感知器に試験開始を指示する。
【0015】
更に、受信機又は中継器は、系統毎に分けて引出された信号線に自動試験機能を備えた前記火災感知器を接続しており、試験命令部は、ある火災感知器に試験開始を指示してから試験終了となる以前に、同一系統の信号線に接続している他の火災感知器に試験開始を指示すると共に、他の系統の信号線に接続している他の火災感知器に試験開始を指示する。
【0016】
本発明をP型システムとした場合、本発明で使用する火災感知器は、火災を感知した際に受信機又は中継器から引出された信号線間をスイッチングして発報電流を流すオンオフ型火災感知器であり、受信機は、火災感知器による信号線の発報電流を検出して信号線単位に火災発生を警報する受信機又は中継器である。
【0017】
また受信機又は中継器の試験命令部は、受信機又は中継器から引出された試験線に接続された火災感知器に試験電圧信号を出力して順次試験動作を行わせ、試験による発報電流を受信して正常感知器と判断し、試験による発報電流を受信しない場合は障害感知器と判断して前記信号線に強制復旧電圧信号を出力する。
【0018】
更に、火災感知器の自動試験部は、試験命令部からの試験電圧信号を受信して試験動作を行い、試験により発報した場合は次の火災感知器に試験電圧信号を出力し、試験により発報しない場合は試験命令部からの強制復旧電圧信号を受信して試験動作を復旧すると共に次の火災感知器に試験電圧信号を出力する。
【0019】
本発明をR型システムとした場合、本発明で使用する火災感知器は、受信機からのコマンドに基づいて検出データのサンプリングと応答を行うデータ伝送機能を備えた火災感知器であり、受信機は、一定周期毎に全火災感知器を対象にサンプルコマンドを送信して検出データをサンプリングさせた後に、感知器アドレスを順次指定したポーリングコマンドを送信してサンプリングされた検出データを応答させて火災を判断する受信機である。
【0020】
また受信機の試験命令部は、アドレスを指定した試験コマンドを火災感知器に送信して試験動作を行わせ、続いてサンプリングコマンドを送信して試験動作で得られた試験検出データをサンプリングし、続いてアドレスを指定したポーリングコマンドを送信して試験検出データと試験動作により火災判断を応答させた後に試験終了コマンドを送信する。
【0021】
更に火災感知器の自動試験部は、試験命令部からの自己アドレスを指定した試験コマンドを受信して試験動作を行い、続いてサンプリングコマンドを受信して試験動作で得られた試験検出データをサンプリングして保持し、続いて自己アドレスを指定したポーリングコマンドを受信して試験検出データを応答し、更に自己アドレスを指定したポーリングコマンドを受信して試験検出データから火災を判断して試験発報を応答する。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、ある火災感知器に試験を開始させて終了する前に他の火災感知器の試験を開始させることで、複数の火災感知器の試験動作を並行して行うことで、多数の火災感知器の自動試験に必要とする時間を大幅に短縮することができる。
【0023】
例えば二台の火災感知器の自動試験を並行して行えば、従来に比べ試験時間を概ね半分の時間に短縮でき、更に並行して自動試験を行う火災感知器の数を増やすことで、更なる時間短縮ができる。
【0024】
また系統毎に信号線が分けて引き出されている場合には、系統毎に独立した自動試験が可能であることから、系統毎に分けて順次もしくは同時に並行して自動試験を行うことで、複数系統であっても、概ね1系統について並行して自動試験を行ったと同じ時間で全系統の自動試験を終了できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図1は本発明が適用されたP型火災報知システムのブロック図である。図1において、受信機1からは感知器回線2−1,2−2,2−3が引き出され、それぞれ自動試験部を備えた火災感知器3−1,3−2,3−4を終端抵抗Rと共に接続している。感知器回線2−1〜2−3に接続される火災感知器3−1〜3−4としては、煙感知器、熱感知器などの各種の火災感知器を接続することができる。
【0026】
尚、この実施形態にあっては説明を簡単にするため受信機1から感知器回線2−1〜2−3には4台の火災感知器3−1〜3−4を接続した場合を例にとっているが、実際のP型火災感知報知設備にあっては、感知器回線1回線あたりに接続できる火災感知器の台数は、例えば32台あり、また受信機1に接続できる感知器回線の系統は、例えば20系統というように大規模なシステムとなる。
【0027】
受信機1からは、試験回線4−1,4−2,4−3が引き出されている。試験回線4−1〜4−3は試験線Tとループバック線LBで構成される。例えば試験回線4−1を例にとると、試験線Tは感知器回線2−1に接続している4台の火災感知器3−1〜3−4に設けられた自動試験部として機能する後の説明で明らかにする点検回路に接続されている。
【0028】
受信機1にはMPU5が設けられ、MPU5に対しては操作部8、警報表示部9、地区表示部10、移報出力部11及びメモリ12が設けられている。MPU5の感知器回線側には回線単位に受信回路部6−1,6−2,6−3が設けられ、それぞれ感知器回線2−1〜2−3が引き出されている。またMPU5の感知器回線側には試験制御部7−1,7−2,7−3が設けられ、それぞれ試験回線4−1,4−2,4−3が引き出されている。
【0029】
受信回路部6−1〜6−3は感知器回線2−1〜2−3に接続している火災感知器3−1〜3−4の火災発報により送信される発報電流を受信し、発報受信信号をMPU5に出力する。受信回路部6−1〜6−3に対応してMPU5には受信制御部13がプログラム制御による機能として設けられている。
【0030】
受信制御部13は受信回路部6−1〜6−3の発報受信信号を順次読込み、回線単位に火災を判別して警報表示、即ち火災代表表示と地区表示(発報回線表示)を行なう。
【0031】
試験制御部7−1〜7−3はMPU5にプログラム制御の機能として設けられた試験命令部14からの試験指示を受けて試験線Lに対し、例えば24Vの試験電圧信号を出力する。例えば試験制御部7−1を例にとると、試験制御部7−1が試験回線4−1の試験線Tに対し24Vの試験電圧信号を出力すると、この試験電圧信号は、まず火災感知器3−1に供給され、火災感知器3−1に設けている自動試験部としての点検回路が動作し、火災検出動作に相当する擬似火災検出としての試験動作を行なう。
【0032】
試験動作により火災感知器3−1が試験発報すると、火災検出時と同様、感知器回線2−1に対し発報信号が出力され、これを受信回路部6−1で受信してMPU5に出力することで、MPU5の試験命令部14は感知器回線2−1の最初の火災感知器3−1が正常に試験発報したことを判別する。
【0033】
火災感知器3−1で試験発報が行なわれて試験動作が正常に終了すると、試験発報に基づいて火災感知器3−1の点検回路が試験回線4−1をバイパスするスイッチ切替えを行い、これによって次の火災感知器3−2に24Vの試験電圧信号が供給され、自動試験が行われる。そして最後の火災感知器3−4で正常に試験動作が行なわれると、ループバック線LBに試験電圧信号が送出され、これが試験制御部7−1に戻ってくることで試験回線4−1に接続している4台の火災感知器3−1〜3−4の試験終了を確認できる。なお、試験制御部7−1による火災感知器3−1〜3−4の試験動作は予め定めた複数回連続して行なわれる。
【0034】
本発明の試験命令部14にあっては、A系統、B系統、C系統の3系統に分けて引き出された感知器回線2−1〜2−3に接続された火災感知器3−1〜3−4について、例えば感知器回線2−1のA系統の火災感知器3−1〜3−4に試験開始を指示してから試験終了となる以前に、他の系統である例えばB系統の感知器回線2−2に接続している火災感知器3−1〜3−4に試験開始を指示するようにしている。
【0035】
即ち、試験命令部14は、試験動作の際にはまず試験制御部7−1に試験開始を命令した後、その試験終了となる前に試験制御部7−2に試験開始を指示し、さらに試験制御部7−2で試験終了となる前に試験制御7−3に試験開始を指示する。その結果、試験制御部7−1〜7−3による火災感知器3−1〜3−4の試験動作が並行して実行されることになる。
【0036】
また試験命令部14による火災感知器の試験は、
(1)受信機1の電源投入によるパワーオンスタート時、
(2)一定時間ごと、例えば1日1回の定期試験、
(3)保守試験時の点検操作
のいずれかによって行なわれる。
【0037】
図2は図1の自動試験機能付の火災感知器の実施形態を示した回路ブロック図であり、散乱光式の煙感知器を例にとっている。図2において、火災感知器3は整流回路・ノイズ吸収回路15、スイッチング回路16、定電圧・電流制限回路17、作動表示灯24、制御回路部18、発振回路19、発光素子20、受光素子21、増幅回路22及び比較回路23で構成される。
【0038】
ここで整流回路・ノイズ吸収回路15は、例えばダイオードブリッジ、ツェナーダイオート、コンデンサなどにより回線L、C間の電流を無極性化し、さらにノイズを抑える。定電圧・電流制限回路17は回線L,C上の過電流を防止するための後段の回路部に対する供給電流を一定値に制限する。
【0039】
通常監視時、発振回路19により発光素子20がパルス駆動され周期的に発光される。火災により煙が発生すると発光素子20からの光は散乱して受光素子21で光電流に変換され、増幅回路22で信号増幅された後、比較回路23に入力される。
【0040】
比較回路23は入力した信号が規定値を超えている場合、発光素子20に同期して制御回路部18でカウントを行い、所定カウント数に達した時に火災発報信号をスイッチング回路16に出力する。
【0041】
スイッチング回路16は制御回路部18からの火災発報信号に基づいてスイッチングし、回線L、C間に発報電流を流すことで受信機1に対し火災発報信号を送信する。
【0042】
火災感知器3には自動試験機能を実現するため、試験スイッチ部25と点検回路27が設けられている。試験スイッチ部25は抵抗R1、レンジスタQ1、抵抗R2及び試験用発光素子26で構成され、点検回路27からの試験電圧信号を入力してトランジスタQ1をオンし、試験用発光素子26を発光駆動するようにしている。
【0043】
試験用発光素子26からの光は試験光として直接受光素子21に入射され試験光により火災と判断されるプリアラームに相当する散乱光の受光状態を擬似的に作り出している。
【0044】
点検回路27は、スイッチ回路28、29、発報検出回路30及び強制復旧回路31で構成されている。スイッチ回路28は受信機1側からの入力試験線Tinを接続し、受信機1側から出力された24Vの試験電圧信号を受けると、試験スイッチ部25に試験電圧信号を出力してトランジスタQ1をオンすることで試験用発光素子26の点灯で試験動作を行なう。
【0045】
試験スイッチ部25が正常に動作すれば、試験光による受光素子21からの受光信号を増幅回路22で増幅して比較回路23で規定値と比較すると、受光信号は規定値を超えることで比較回路23が出力し、制御回路部18で発振回路19による所定回数のカウントが行なわれたときに火災検出時と同様、試験に伴う発報検出信号をスイッチング回路16に出力し、スイッチング回路16が回線L,C間をスイッチングし、試験発報を検出する火災発報信号を受信機に送出する。
【0046】
また試験により火災発報信号を出力したスイッチング回路16の出力は点検回路27の発報検出回路30に与えられており、発報検出回路30が試験発報を検出するとスイッチ回路29を動作し、スイッチ回路28に加わっている24Vの試験信号電圧を次の火災感知器に対する出力試験線Toutに出力する。
【0047】
また発報検出回路30による試験発報検出が行なわれると、この検出出力はスイッチ回路28にも与えられ、スイッチ回路28から試験スイッチ部25に対する試験電圧信号の出力が停止され、火災感知器3の試験動作を停止する。
【0048】
強制復旧回路31は試験スイッチ部25による試験作動により正常に試験発報が行なわれなかった場合の強制復旧を行なう。この強制復旧は受信機1のMPU5に設けている試験命令部14に設けたタイマによる時間監視に基づいて行なわれる。即ち図1の受信機の試験命令部14にあっては火災感知器の試験開始と同時にタイマを起動し、タイマの設定時間以内に試験発報があればタイマをリセットして再スタートするが、設定時間に達する前に試験発報がなかった場合には試験を行なっている火災感知器の障害と判断し、試験制御部から試験回線の試験線Tに対し、例えば33Vの強制復旧電圧信号を出力する。
【0049】
この受信機1から出力された強制復旧電圧信号を強制復旧回路31が判別すると、スイッチ回路28,29を試験発報の際と同様に動作し、入力した24Vの試験電圧信号をスイッチ回路28,29を介して次の火災感知器に送出すると共に、試験スイッチ部25に対する試験電圧信号の出力を停止する。
【0050】
図3は図1のMPU5に設けた試験命令部14による火災感知器の自動試験動作の実施形態のタイムチャートである。
【0051】
図3においては、図1の感知器回線2−1の系統をA系統、感知器回線2−2の系統をB系統、感知器回線2−3の系統をC系統とし、また各感知回線2−1〜2−3に接続した4台の火災感知器3−1〜3−4のそれぞれをアドレス1〜4として示している。尚、アドレス1〜4は説明の都合上設定したものであり、実際に火災感知器にアドレスが割当てられているわけではない。
【0052】
図3において、試験命令部14は、まずA系統に対し24Vの試験電圧信号を出力し、このため時刻t1からアドレス1で示す最初の火災感知器3−1の自動試験が開始される。この自動試験は図2に示した点検回路27及び試験スイッチ部25によって行なわれ、試験動作が正常に行なわれて試験発報が行なわれるとアドレス1の自動試験が終了し、次のアドレス2の火災感知器3−2の自動試験が行われ、以下同様にしてアドレス3、アドレス4の火災感知器3−3,3−4の自動試験が行われる。
【0053】
一方、試験命令部14は時刻t1でA系統に試験開始を指示すると同時に、A系統の試験が終了する前に引き続いて時刻t2でB系統に対し24Vの試験制御電圧を出力して試験を開始させる。これによりB系統となる感知回線2−2に接続しているアドレス1〜4で示す感知器回線3−1〜3−4が順次自動試験を行う。
【0054】
更に試験命令部14はB系統の試験終了以前に時刻t3でC系統となる感知器回線2−3に対し24Vの試験電圧信号を出力してアドレス1〜4で示す感知器回線3−1〜3−4の自動試験を行なわせる。
【0055】
このような感知器回線で決まる系統につき、ある系統の試験開始を指示した後、試験が終了する前に次の系統に対し試験開始を指示することで、複数系統を並行して火災感知器の試験動作を行なうことができ、トータル的な試験時間を大幅に短縮することができる。
【0056】
図4は図1の試験命令部による火災感知器の自動試験動作の他の実施形態のタイムチャートであり、試験命令部14は時刻t1でA系統、B系統及びC系統の全てに対し試験動作の開始を指示することを特徴とする。このように全系統について同時に試験開始を指示すれば、図3のように順次試験開始を指示した場合に比べ、更に全体的な試験時間を短縮することができる。
【0057】
図5は図2の火災感知器3に設けた点検回路27による試験動作のタイムチャートである。図5において、時刻t1で図5(A)のように受信機1の試験命令部14より試験命令信号が出力されると、図5(D)のように試験線Tに対し24Vの試験電圧信号が出力される。
【0058】
この24Vの試験電圧信号によりまずアドレス1の火災感知器が時刻t2で試験発報し、続いて復旧動作が行なわれる。この復旧動作のタイミングで受信機側に設けているタイマがリセットされ、再度スタートする。
【0059】
アドレス1の感知器復旧により24Vの試験電圧信号は次のアドレス2の火災感知器に供給され、時刻t3で試験発報が行なわれた後に復旧する。次にアドレス3の火災感知器に24Vの試験電圧信号が供給されて、試験動作が開始された後、試験発報が感知器障害により行われなかったとする。
【0060】
この場合にはタイマが設定時間Tを経過した時刻t4で図5(D)で示す24Vの試験電圧信号に重畳して33Vの強制復旧信号を試験線Tに出力する。これによって試験発報しなかったアドレス3の火災感知器の強制復旧が行なわれ、次のアドレス4の火災感知器に24Vの試験電圧信号が供給される。
【0061】
アドレス4の火災感知器が正常に試験動作を行なって試験発報及び復旧動作を時刻t5,t6で行なうと、この復旧動作のタイミングで図5(E)に示すように受信機1に対しループバック線LBによりループバック電圧が戻り、これによって受信機1は1回の感知器試験動作が終了したことを認識し、試験動作を複数回設定することから次のアドレス1からの自動試験を同様にして行なうことになる。
【0062】
図6は図1の受信機1に対する受信機処理のフローチャートである。図6において、電源投入に伴いステップS1で初期設定が行なわれ後、ステップS2で試験の有無をチェックしており、試験でない通常時にあってはステップS3で回線発報を監視している。回線発報を判別した場合にはステップS4に進み、代表火災表示と回線に対応した地区表示を行なう。火災警報処理後はステップS5で火災復旧処理をチェックしており、火災復旧処理が行なわれるとステップS2に戻ってステップS2,ステップS3の回線発報の監視を行なう。
【0063】
一方、受信機1の電源投入に伴うパワーオンスタート時、1日1回といった定期試験、或いは保守点検でのスイッチ動作などによる試験をステップS2で判別するとステップS6に進み、図3または図4のタイムチャートに示したように、複数の回線系統に対し重複して試験開始を指示する。
【0064】
図7は図6のステップS6による試験制御処理のフローチャートである。図7において、試験命令部は試験制御部を介してステップS1で試験電圧を試験線Tに出力し、ステップS2でタイマをスタートする。続いてステップS3で試験発報の有無をチェックしており、試験発報があればステップS10で正常感知器と判別する。
【0065】
ステップS3で試験発報がなかった場合にはステップS4で設定時間到達をチェックしており、設定時間に到達しても試験発報がなかった場合にはステップS5に進み、強制復旧電圧信号を試験線Tに出力して試験動作中の火災感知器を強制復旧させる。そしてステップS6で現在試験中の感知器を障害感知器と判別する。
【0066】
ステップS10の正常感知器の判定またはステップS6の障害感知器の判定が済むとステップS7でループバック線LBによるループバック応答をチェックしており、ループバック応答が無かった場合にはステップS2に進み、再度タイマをスタートして第2の火災感知器に対する試験制御を行なう。
【0067】
感知器回線に出力している最後の火災感知器の試験が終了するとループバック線LBから24Vの信号電圧が受信されることから、これによってステップS7でループバック応答を判別し、ステップS8で設定試験回数をチェックし、設定試験回数に達していなければステップS2に戻って最初から試験動作を行なわせる。設定試験回数に達していた場合にはステップS8からステップS9に進み、試験電圧の出力を停止して一連の試験制御を終了する。
【0068】
尚、図1のP型の火災報知システムに設けている火災感知器3−1〜3−4の自動試験機能として図2の点検回路27による自動試験を例にとるものであったが、本発明はこれに限定されず、受信機1からの試験信号により同じ感知回線に接続されている火災感知器を順番に試験動作するものであれば適宜の自動試験部を使用することができる。受信機1から火災感知器に送る試験信号は、感知回線を介して各火災感知器に送るようにしてもよい。
【0069】
図8は本発明が適用されたR型火災報知システムのブロック図である。図8において、受信機40から引き出された伝送路41−1,41−2,41−3に対しては、それぞれアナログ火災感知器42−1,42−2,・・・42−4と終端抵抗Rを接続している。
【0070】
なお図8の実施形態にあっては、説明を簡単にするため、受信機40からA系統、B系統、C系統として伝送路41−1〜41−3を3系統について引き出し、各系統についてアナログ火災感知器42−1〜42−4を4台ずつ接続した場合を例に取っている。もちろん実際のR型システムにあっては、受信機40から適宜の数の伝送路が複数系統として引き出され、また各系統に接続できるアナログ火災感知器の数はアナログ火災感知器に設定可能なアドレス例えば127台接続できる。
【0071】
また図8の実施形態にあっては、端末としてアナログ火災感知器を例にとっているが、これ以外にアドレス設定により転送機能を備えたオン、オフ火災感知器を感知器回線に接続している感知器用中継器や、地区ベル防排煙機器などの制御負荷を制御線に接続している制御用中継器などを接続することもできる。
【0072】
受信機40にはMPU48が設けられ、MPU48に対しては、操作部51警報表示部52、地区表示部53、移報出力部54、メモリ55が設けられている。またMPU48の伝送路側には、伝送路41−1〜41−3単位に伝送部50−1,50−2,50−3が設けられ、MPU48からの指示のもとにアナログ火災感知器42−1〜42−4との間で火災監視及び試験制御に必要な情報のやり取りを行っている。
【0073】
受信機40のMPU48には、プログラム制御により実行される呼出制御部56、割込処理部57及び試験命令部58が設けられている。これに対応してアナログ火災感知器側には、伝送路41−1のアナログ火災感知器42−1に代表して示すように、呼出応答部44、割込制御部45及び試験制御部46が設けられている。
【0074】
受信機40の呼出制御部56は、伝送路41−1〜41−3ごとに各端末に対し一連の端末アドレスを設定しており、例えばアドレス1〜127の127アドレスが使用可能である。受信機40の呼出制御部56は、端末アドレスを含むポーリングコマンドを使用して一定周期ごとに端末を順次呼び出し、端末情報を応答送信させるポーリングを行っている。
【0075】
受信機40の呼出制御部56からのポーリングコマンドは火災感知器42−1の呼出応答部44で受信され、ポーリングコマンドに含まれる呼出アドレスと自己の端末アドレスとの照合一致が得られたときに、そのときメモリに保持している端末情報を端末応答信号として受信機40に送信する。
【0076】
ここで受信機40から端末に送信するポーリングコマンドは、コマンドフィールド、アドレスフィールド及びチェックサムで構成される。また端末からの応答信号は、データフィールドとチェックサムで構成される。このポーリングコマンド及び応答信号の伝送フォーマットは必要に応じて適宜の構成をとることができる。
【0077】
更に受信機40の呼出制御部56は端末アドレスを指定したポーリング処理とは無関係に、一定周期で全端末に対し、検出信号をAD変換によりサンプリングしてメモリに同時刻で保持するためのサンプリングコマンド(一括AD変換コマンド)を送信する。このサンプリングコマンド(一括AD変換コマンド)は例えば1秒間隔で送信する。
【0078】
アナログ火災感知器42−1の呼出応答部44は、受信機40からのサンプリングコマンドを判別すると、そのときの火災検出部による検出信号をAD変換して、メモリに検出データとして記憶保持する。メモリに記憶保持された検出データは、受信機40からの端末アドレスを指定したポーリングコマンドに対する応答信号の端末データとして送り返される。なおサンプリングコマンドによる検出信号の一括収集に限定されず、呼出信号を受けたときに検出信号をリアルタイムで端末データとして返送するようにしてもよい。
【0079】
アナログ火災感知器42−1に設けた割込制御部45は、受信機40からのサンプリングコマンドに基づいて検出した検出信号のAD変換による検出データから火災を判断した場合には、火災発生を受信機40に直ちに知らせるために割込信号を送信する。割込制御部45による割込信号の送信は、受信機40の呼出制御部56からのポーリングコマンドに対する応答タイミングで端末のいずれかから送信された応答信号を破壊するブレーク信号を送信することで行われる。
【0080】
ここで、受信機40からアナログ火災感知器側に対するポーリングコマンドは電圧モードで送られており、一方、端末から受信機40に対する応答信号は電流モードで送られている。このため割込制御部45は、端末応答信号のタイミングで端末のいずれかから送信された応答信号を破壊するブレーク信号を電流信号として伝送路に送出する。
【0081】
受信機40に設けた割込処理部57は、端末応答信号のタイミングで、通常の端末応答信号では得られない特異な信号例えばオール1を受信したときに、端末からの割込信号を受信したものと判断し、割込原因の詳細を得るために割込確認要求コマンドを送信する。
【0082】
割込要求確認コマンドに対し、アナログ火災感知器42−1の割込制御部45は割込詳細情報を送り返す。端末からの割込詳細情報を入手した受信機40の割込処理部57は、割込信号を送出した端末を特定するためのグループ検索を開始する。グループ検索は、端末アドレスを所定のグループに分け、グループごとに検索コマンドを発行して、火災検出が行われた端末を含むグループを特定し、グループが特定できたならばグループ内の端末を順次呼び出して、火災を検出した端末を特定する。このグループ検索は、これ以外に2分法などで行ってもよい。
【0083】
更に図8の受信機40は、MPU48に試験命令部58を設け、これに対応してアナログ火災感知器42−1に試験制御部46を設けている。受信機40の試験命令部58は、受信機40の電源投入によるパワーオンスタート時、例えば1日1回といった定期的なタイミング、更には保守点検の際の操作部51による試験指示の際に、アナログ火災感知器42−1〜42−4の自動試験に必要な試験動作を行う。
【0084】
試験命令部58は、まず端末に対する試験コマンドの送信に先立って割込禁止コマンドを送信し、また端末側の試験終了を確認すると割込禁止解除コマンドを送信する。アナログ火災感知器42−1の試験制御部46は、受信機40からの割込禁止コマンドを受信すると、割込制御部45による割込信号の送信機能を禁止する。
【0085】
また割込禁止コマンドを受信すると、禁止状態にある割込制御部45の割込信号の送信機能を回復させる。このため、受信機40からの試験コマンドによりアナログ火災感知器42−1の試験制御部46が試験動作を行って擬似的な火災検出信号が得られても、割込制御部45による割込信号の送信を行うことはない。
【0086】
試験動作により得られた試験データは、受信機40の呼出制御部56からのサンプリングコマンドに基づきAD変換されてメモリに記憶保持され、試験データについて所定の火災レベルを超えた場合に試験発報と判断し、受信機40からのポーリングコマンドに対する端末応答データとして受信機40に試験発報を送信し、試験命令部58で試験発報の受信で試験作動が正常に行われたことが確認される。もし試験発報が受信されなければ、正常な試験作動が行われなかったとして、試験命令部58は警報表示部52に端末故障表示を行う。
【0087】
ポーリングコマンドによりアナログ火災感知器42−1の試験発報が確認されると、試験命令部58はアナログ火災感知器42−1の試験が終了したものと判断し、アナログ火災感知器42−1の端末アドレスを指定して試験復旧コマンド及び割込禁止解除コマンドを送信する。
【0088】
更に本発明の試験命令部58にあっては、複数のアナログ火災感知器の自動試験を行う場合、あるアナログ火災感知器に試験開始を指示してから試験終了となる以前に他のアナログ火災感知器に試験開始を指示する。これによって複数のアナログ火災感知器の試験動作が並行して行われ、全てのアナログ火災感知器の試験に要する時間を短縮することができる。
【0089】
図8のR型の火災報知システムにあっては、A系統、B系統、C系統の3系統に分けて伝送路41−1〜41−3を引き出していることから、この場合には次のいずれかの試験動作を行う。
(1)あるアナログ火災感知器に試験開始を指示してから試験終了となる以前に、同一系統の伝送路に接続している他のアナログ火災感知器に試験開始を指示する。
(2)あるアナログ火災感知器に試験開始を指示してから試験終了となる以前に、他の系統の伝送路に接続している他のアナログ火災感知器に試験開始を指示する。
(3)あるアナログ火災感知器に試験開始を指示してから試験終了となる以前に、同一系統の伝送路に接続している他のアナログ火災感知器に試験開始を指示すると共に、他の系統の伝送路に接続している他のアナログ火災感知器に試験開始を指示する。
【0090】
図9は図8のアナログ火災感知器42−1〜42−4の実施形態を示したブロック図であり、アナログ煙感知器を例に取っている。
【0091】
図9において、アナログ火災感知器42は、感知器ベース42aと感知器本体42bで構成される。感知器ベース42aには発報表示灯回路60が設けられ、端子S,Cに受信機40からの信号線が接続される。感知器本体42bは、無極性化する整流回路61に続いてノイズ吸収回路62及び伝送信号検出回路63を設けている。伝送信号検出回路63は、受信機40からの電圧モードによる呼出信号を検出して伝送制御回路66に出力する。
【0092】
伝送制御回路66にはMPUが設けられ、図8のアナログ火災感知器42−1に示した呼出応答部44、割込制御部45及び試験制御部46の各機能がプログラム制御により実現されている。また伝送制御回路66に対しては種別アドレス設定回路67が設けられる。
【0093】
煙検出部は、発光駆動回路68、赤外線LED等を用いた発光素子69、フォトダイオードを用いた受光素子70及び増幅回路71で構成される。発光素子69は、例えば散乱光式の煙検出構造によって配置される。更に試験用発光素子72が設けられ、所定の煙濃度に対応した光を直接、受光素子70に照射して試験作動を行う。
【0094】
伝送制御回路66からの送信信号は応答信号出力回路64に与えられ、通常の応答信号は電流モードで受信機40側に送信される。また火災検出に基づく割込信号については、応答信号を受信機側でオール1とするようなブレーク電流信号を出力する。伝送制御回路66は受信機40からのサンプリングコマンドを受信すると、発光駆動回路68により発光素子69を発光駆動し、受光素子70及び増幅回路71より得られた受光信号をAD変換してメモリに記憶保持する。
【0095】
伝送制御回路66のメモリに記憶保持されたアナログ検出データは、受信機40からのアドレスを指定したポーリングコマンドが得られたときの応答信号のデータとして送信される。伝送信号検出回路63で受信機40からの試験コマンドを受信した場合には、発光駆動回路68により試験用発光素子72を駆動する。
【0096】
試験用発光素子72の発光駆動で発光素子70及び増幅回路71から得られた検出信号は、受信機40からのサンプリングコマンドに基づくAD変換により検出データとして伝送制御回路66のメモリに記憶保持され、自己アドレスを指定した呼出信号によるポーリングコマンドに対する応答信号に試験データ或いは試験発報結果を入れて受信機40に送信する。
【0097】
更に伝送制御回路66は、サンプリングコマンドに基づくAD変換によりサンプリングしたアナログ検出データから火災を判断した場合には、呼出信号に対する応答タイミングで受信機40に対し割込信号を送信する。
【0098】
割込信号の送信は、試験動作の際には試験コマンドに先立って割込禁止コマンドが送られてくるため、試験動作においてAD変換により得られたアナログ検出データが火災レベルを超えていても割込信号の送信は行わない。また試験動作が終了すると、受信機40からの試験復旧コマンドを受けて試験動作が停止され、続いて割込禁止コマンドを受けて割込信号の送信機能が回復される。
【0099】
図10は図8の受信機40に設けた試験命令部58によるアナログ火災感知器に対する自動試験動作の実施形態のタイムチャートである。なお、図10は図8におけるA系統、B系統、C系統のアナログ火災感知器42−1〜42−4について、それぞれアドレス1〜4として示している。
【0100】
図10における試験命令部58による試験動作は、まずA系統である伝送路40−1に接続したアナログ火災感知器42−1のアドレス1を指定して試験コマンドを送信し、試験動作を行わせる。もちろん、試験コマンドの送信に先立ち割込禁止コマンドを送信する。
【0101】
試験コマンドの送信によりアドレス1の試験動作が行われ、試験動作が終了する前に次のアナログ火災感知器42−2のアドレス2を指定して試験コマンドを発行する。以下同様に、アドレス2の試験終了前にアドレス3の試験コマンドを発行し、アドレス3の試験終了前にアドレス4の試験コマンドを発行する。これに続いてB系統、C系統についても、先行するアドレスの試験終了以前に次のアドレスの試験コマンドを順次発行する。
【0102】
図11は図8の受信機40に設けた試験命令部58によるアナログ火災感知器に対する試験動作の他の実施形態のタイムチャートである。図11の試験動作にあっては、A系統、B系統、C系統の各系統に分けて順次、試験動作を行わせるようにしたことを特徴する。
【0103】
図11の試験動作にあっては、まずA系統のアドレス1のアナログ火災感知器42−1を指定して試験コマンドを発行することにより試験動作を開始させる。続いてA系統のアドレス2のアナログ火災感知器42−2に対し、アドレス1の試験終了前に試験コマンドを発行して試験を開始させる。同時にB系統のアドレス1のアナログ火災感知器42−1に対しても試験コマンドを発行して試験を開始させる。
【0104】
即ち図11にあっては、A系統のアドレス1のアナログ火災感知器の試験開始から終了前に、同じA系統のアドレス2のアナログ火災感知器の試験を開始すると共に、他系統としてのB系統のアドレス1のアナログ火災感知器の試験を開始させるようにしている。
【0105】
B系統のアドレス1のアナログ火災感知器につき、時刻t1で試験が開始されると、その終了前の時刻t3でC系統のアドレス1のアナログ火災感知器について試験を開始させ、同時に同じB系統のアドレス2のアナログ火災感知器についても試験を開始させる。以下同様に、各系統間及び同一系統で先行するアドレスの試験終了前に次のアドレスの試験を開始させる。
【0106】
図12は図8の受信機40に設けた試験命令部58によるアナログ火災感知器の試験動作の他の実施形態のタイムチャートである。この図12の実施形態にあっては、A系統、B系統、C系統において、同一アドレスにつき同一タイミングで試験を開始させるようにしたことを特徴する。
【0107】
即ち図11にあっては、A系統、B系統、C系統の同一アドレスにつき、例えばアドレス1につき時刻t1、時刻t2、時刻t3に示すように順次、試験動作を開始させているが、図12にあってはA系統、B系統、C系統のアドレス1につき同じ時刻t1で同時に試験を開始させ、各系統におけるアドレス2,3,4につき先行するアドレスの試験終了前に試験を開始させている。
【0108】
図13は図8における受信機40とA系統となる伝送路41−1に接続しているアナログ火災感知器42−1〜42−4との間の通常監視の処理動作を示したタイムチャートである。
【0109】
図13(A)のように受信機40はサンプリングコマンド(一括AD変換コマンド)80を送信し、これに応じて図13(B)(C)のようにアドレス1〜4を設定したアナログ火災感知器42−1〜42−4で一斉に火災検出信号をAD変換によりサンプリングしてメモリに記憶保持するサンプリング81−1〜81−4が行われる。
【0110】
続いて受信機40は、アドレス1,2,3,4を指定したポーリングコマンド82−1,82−2,82−3,82−4を順次送信し、これに対しアナログ火災感知器42−1〜42−4は自己アドレスとの一致を判別した際に、メモリに記憶保持している検出データを応答データ83−1,83−2,83−3,83−4として受信機40に送信する。以下同様に、これを繰り返す。
【0111】
図14は図8における火災発生時の処理動作を示したタイムチャートである。いま図14(B)に示すようにアナログ火災感知器42−1で受信機40のサンプリングコマンド80に対応したサンプリング80−1の結果から火災判断84が行われると、ポーリングコマンド82−1に対する応答タイミングで受信機40における受信データがオール1となるようなブレーク信号としての割込信号を送信する割込85が行われる。
【0112】
なお、火災感知器は非火災報を防ぐため、サンプリングコマンド81−1でサンプリングした出力値が所定の閾値を連続して所定回数超えている場合に火災と判断し、割込信号を送信する。
【0113】
この割込85を受信した受信機40にあっては、次のポーリングタイミングでグループ検索コマンド86を送信し、これによって火災を判断したアナログ火災感知器42−1においてグループ応答による割込87が行われる。
【0114】
このグループ応答の割込87を受けて受信機40は、ポーリングコマンドのタイミングでグループ内の検索コマンド88を送信し、これを受けてアナログ火災感知器42−1は、火災を判断したアナログ火災感知器42−1からの応答を行うグループ内応答としての割込89を行う。この割込89により受信機40は、割込信号を送信したのはアナログ火災感知器42−1であることを認識し、代表火災表示や火災発生地区を示す地区表示などを行うことができる。
【0115】
図15は図8の受信機40に設けた試験命令部58が2台のアナログ火災感知器に並行して試験動作を行わせる場合のタイムチャートである。図15にあっては、A系統、B系統、C系統について時刻t1で一斉に試験コマンドを送信しているが、例えばA系統を例にとると、最初に試験を開始させたアドレス1について、その試験終了以前に次のアドレス2の試験を開始しており、2台のアナログ火災感知器を並行して試験動作を行わせている。
【0116】
アドレス1とアドレス2の試験が終了すると、次にアドレス3の試験を開始し、アドレス3の試験が終了する前にアドレス4の試験を開始しており、この場合にもアドレス3とアドレス4の2台の火災感知器の試験が並行している。この点はB系統及びC系統についても同様である。これに対し図12のタイムチャートの場合には、A系統、B系統、C系統について4台のアナログ火災感知器の試験動作を並行させた場合ということができる。
【0117】
図16は図15のように同一系統につき2台のアナログ火災感知器の試験動作を並行させる場合の図8のR型の火災報知システムにおける試験動作のタイムチャートである。まず図16(A)に示すように、受信機40は試験開始に伴いアドレス1及びアドレス2を指定した試験コマンド90,92を連続して発行する。
【0118】
アドレス1を指定した試験コマンド90により図16(B)のアナログ火災感知器42−1で試験開始91が行われ、アドレス2を指定した試験コマンド92により図16(C)のアナログ火災感知器42−2で試験開始93が行われる。なお実際の試験動作にあっては、試験コマンドに先立って割込禁止コマンドを送信するが、ここでは省略している。
【0119】
試験コマンド90,92によりアナログ火災感知器42−1,42−2で試験開始91,93が行われると、次の受信機40からのサンプリングコマンド80を受けてアナログ火災感知器42−1〜42−4で検出信号のAD変換によるサンプリングが行われ、このサンプリングは試験開始91,93となったアドレス1,アドレス2のアナログ火災感知器42−1,42−2にあっては試験サンプリング94−1,94−2となる。
【0120】
続いて、アドレス1を指定したポーリングコマンド82−1に対し、アナログ火災感知器42−1が試験サンプリング94−1で記憶保持している試験データを送信する試験応答95−1を行う。次のアドレス2を指定したポーリングコマンド82−2に対しては、アナログ火災感知器42−2が試験応答95−2を行う。以下、試験中におけるサンプリングコマンド80とポーリングコマンド82−1,82−2,・・・による試験データのサンプリングと試験応答が繰り返されている。
【0121】
そして試験時間が経過してアドレス1のアナログ火災感知器42−1において試験発報96が判断されると、ポーリングコマンド81−1に対し試験による発報応答97−1を返す。またアドレス2のアナログ火災感知器42−2で同様に試験発報98が得られると、ポーリングコマンド81−2に対し試験による発報応答97−2を返す。
【0122】
続いて図17に移行し、図16の試験による発報応答97−1,97−2を受信した受信機40は、アドレス1を指定した試験終了コマンド98を送信し、アナログ火災感知器42−1で試験終了99となる。続いてアドレス2を指定した試験終了コマンド100を送信し、アナログ火災感知器42−2が同様に試験終了101となる。なお試験終了コマンド98,100については、同時に割込禁止解除コマンドを送信して割込信号の送信機能を回復しているが、これは省略している。
【0123】
このようにしてアドレス1,アドレス2の2台のアナログ火災感知器42−1,42−2の並行した試験動作が終了すると、次のサンプリングコマンド80に続くタイミングで、アドレス3を指定した試験コマンド102とアドレス4を指定した試験コマンド104を送信し、2台のアナログ火災感知器42−3,42−4につき、試験開始103,105となって、並行した試験動作を同様にして行うことになる。
【0124】
図18は図8に示した受信機40の処理動作を示したフローチャートである。図18において、受信機40の電源を投入すると、ステップS1で初期設定が行われる。続いてステップS2で端末アドレスnを最初のn=1にセットする。続いてステップS3で作動試験か否かチェックする。この実施例にあっては、端末の作動試験は
(1)パワーオンスタート時、
(2)一定時間毎、例えば一日1回の定期試験、
(3)保守点検時の端末アドレスの指定による作動試験、
のいずれかが行われる。
【0125】
通常は作動試験でないことからステップS4に進み、アドレスn=1を指定したポーリングコマンドの送信によるポーリングを行う。続いてステップS5で端末からの応答信号を受信し、応答信号のデータからステップS6で状態変化の有無をチェックする。もし状態変化があればステップS7に進み、試験中か否かチェックした後、ステップS8で状態変化の内容に応じた対応処理を行う。
【0126】
この対応処理は火災処理、障害処理などの各種の対応処理が含まれる。続いてステップS9で例えば1秒毎のサンプリングタイミングに達したか否かチェックし、もしサンプリングタイミングに達していればステップS10でサンプリングコマンドを発行して、全端末に対し一斉にAD変換による端末情報の収集処理を指令する。
【0127】
続いてステップS11で最終端末アドレスか否かチェックし、最終端末アドレスでなければステップS23で端末アドレスを1つインクリメントし、同様な処理を繰り返す。またステップS11で最終端末アドレスであった場合にはステップS2に戻り、最初の端末アドレスからのポーリングを繰り返す。
【0128】
次にステップS3で試験が判別されるとステップS12に進み、2つのアナログ火災感知器のアドレスを指定して割込禁止コマンドを発行する。割込禁止コマンドがアナログ火災感知器側で受信されると応答信号が返されてくることから、ステップS13で応答受信を確認し、続いてステップS14で応答に対する確認コマンド(ACKコマンド)を送信する。これによって割込禁止コマンドの送信処理を終了する。
【0129】
次にステップS15で2つのアナログ火災感知器のアドレスを順次指定して試験コマンドを送信する。試験コマンドについてもステップS16の端末応答の受信確認に基づくステップS17の確認コマンドの発行を行う。
【0130】
試験コマンドを送信した後の試験データの収集は通常のポーリング処理を通じて行われる。即ち、試験コマンドの送信後にステップS4に進んで通常のポーリングを行い、ステップS5の応答信号の受信からステップS6で状態変化ありと判別した場合には、ステップS7で試験中か否かチェックする。
【0131】
試験中であればステップS19で正常に試験作動したか否か判断し、試験発報が受信されて正常の試験動作が行われていればステップS21で試験終了コマンドを送信し、続いてステップS22で割込禁止解除コマンドを送信する。この試験終了コマンドおよび割込禁止解除コマンドの送信についても割込禁止コマンドや試験コマンドの場合と同様、端末からの応答受信に対する確認コマンドの発行が行われるが、フローチャートでは省略している。
【0132】
また、ステップS19で試験発報が受信されずに試験作動が正常に行われなかった場合にはステップS20に進み、端末故障処理により障害発生を表示する。尚、故障と判定されたアナログ火災感知器については修理交換等が済むまでポーリング対象から除外するようにしてもよい。
【0133】
図19はアナログ火災感知器側の処理動作を示したフローチャートである。図19において、電源投入が行われるとステップS1で初期設定が行われ、ステップS2で信号受信の有無を監視する。信号受信が行われるとステップS3でサンプリングコマンドか否かチェックし、サンプリングコマンドでなければステップS4でアドレス一致をチェックする。
【0134】
アドレス一致が得られるとステップS5でポーリングコマンドか否かチェックする。通常呼出時のポーリングコマンドであればステップS6でメモリにサンプリングによって保持されているデータを送信する。またステップS7で割込禁止コマンドであった場合にはステップS8に進み、割込禁止フラグFLをFL=1にセットし、割込送信機能を禁止する。
【0135】
ステップS9で割込禁止解除コマンドが判別されるとステップS10で割込禁止フラグをFL=0にリセットする。ステップS11で試験コマンドが判別されると、ステップS12でアナログ火災感知器の作動試験を行う。さらにステップS13で試験終了コマンドであればステップS14で試験動作を終了する。
【0136】
一方、ステップS3でサンプリングコマンドが判別された場合にはステップS15に進み、検出信号をAD変換によりサンプリングしてメモリに保持する。続いてステップS16でサンプリングデータから火災検出の有無を判断し、火災検出であればステップS17で割込禁止フラグFLをチェックし、割込禁止フラグがFL=0とリセット状態にあればステップS18に進み、割込信号を送信する。
【0137】
このとき作動試験による火災検出であれば、試験コマンドに先立って割込禁止コマンドにより割込禁止フラグがFL=1にセットされていることから、ステップS16の割込信号の送信は行わない。
【0138】
なお上記のR型火災報知システムにおけるアナログ火災感知器からの割込信号については、通常の端末送信データを破壊するブレーク信号を送信しているが、ブレーク信号に限定されず、適宜の割込コード信号を使用してもよい。また上記の実施形態では、割込信号に続いて割込確認の呼出しを行って割込詳細情報を返送させているが、最初の割込コード信号に詳細情報を含めれば割込確認呼出しは不要である。
【0139】
また本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
【0140】
また、図1においては、火災信号送出用の感知器回線2と試験信号送出用の試験回線4が別線で構成しているが、これに限らず、試験信号も感知器回線2を使用して送出してもよい。例えば、図1の受信機の受信回路部6及び火災感知器はそれぞれ図8の伝送部50及びアナログ火災感知器42の呼出応答部44、試験制御部46の機能を備え、火災時には火災感知器3は感知器回線を略短絡させて火災信号を送出するようにし、試験時には受信機から感知器回線を介して端末特定の試験開始信号を火災感知器が受信することにより試験動作を行い、試験結果を感知器回線を使用して受信機に返信するようにしても良い。
【0141】
また、図8のR型システムにおいては、受信機から引き出された伝送線路41にはアナログ火災感知器42のみが接続されているが、これに限らず、火災時に感知器回線を短絡させて火災信号を送出するオンオフ型火災感知器が接続された感知器用中継器であっても良い。
【0142】
感知器用中継器は、内部に図1の受信機の試験命令部14、受信回路部6や試験制御部7と同様のものが設けられ、受信回路部から感知器回線が引き出されてオンオフ型火災感知器が接続される。受信機40から中継器に試験信号が送出されると、中継器は試験処理を行い、その結果を受信機に対して試験応答を行う。
【0143】
この中継器の試験処理は、火災感知器の状態にかかわらず、中継機内で試験状態にして、受信機に試験応答を行う構成でも良いが、火災感知器が図1のような試験機能のついた火災感知器の場合は、図1の受信機の動作同様に、中継器が特定の火災感知器、もしくは全ての火災感知器に対して順番に試験信号を送出し試験動作をさせ、その試験結果を中継器が受信機へ返信するような構成であっても良い。
【0144】
この場合に、中継器から複数の感知器回線が引き出されている場合には、図1の動作同様に中継器が複数の感知器回線に対して重複して試験を行うようにすれば、試験時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0145】
【図1】本発明が適用されたP型火災報知システムのブロック図
【図2】図1の自動試験機能付きの火災感知器の実施形態を示した回路ブロック図
【図3】図1の試験命令部による火災感知器の自動試験動作の実施形態のタイムチャート
【図4】図1の試験命令部による火災感知器の自動試験動作の他の実施形態のタイムチャート
【図5】図2の火災感知器に設けた点検回路による試験動作のタイムチャート
【図6】図1の受信機処理のフローチャート
【図7】図1の受信機における試験制御処理のフローチャート
【図8】本発明が適用されたR型火災報知システムのブロック図
【図9】図8の自動試験機能付きの火災感知器の実施形態を示した回路ブロック図
【図10】図8の試験命令部によるアナログ火災感知器の自動試験動作の実施形態のタイムチャート
【図11】図8の試験命令部によるアナログ火災感知器の自動試験動作の他の実施形態のタイムチャート
【図12】図8の試験命令部によるアナログ火災感知器の自動試験動作の他の実施形態のタイムチャート
【図13】図8の受信機とアナログ火災感知器における通常監視処理を示したタイムチャート
【図14】図8の受信機とアナログ火災感知器における火災発生時の処理を示したタイムチャート
【図15】図8において2台の火災感知器に並行して試験動作を行わせる実施形態のタイムチャート
【図16】図8の受信機とアナログ火災感知器における試験処理を示したタイムチャート
【図17】図16に続く試験処理を示したタイムチャート
【図18】図8の受信機処理のフローチャート
【図19】図8の感知器処理のフローチャート
【図20】従来の火災報知システムの概略を示した説明図
【図21】従来の自動試験動作のタイムチャート
【符号の説明】
【0146】
1、40:受信機
2−1〜2−3:感知器回線
3,3−1〜3−4:火災感知器
4:試験回線
5,48:MPU
6−1〜6−3:受信回路部
7−1〜7−3:試験制御部
8,51:操作部
9,52:警報表示部
10,53:地区表示部
11,54:移報出力部
12,55:メモリ
13:受信制御部
14,58:試験命令部
15:整流回路・ノイズ吸収回路
16:スイッチング回路
17:定電圧・電流制限回路
18:制御回路部
19:発振回路
20,69:発光素子
21,70:受光素子
22,71:増幅回路
23:比較回路
24:作動表示灯
25:試験スイッチ部
26,72:試験用発光素子
27:点検回路
28,29:スイッチ回路
30:発報検出回路
31:強制復旧回路
41−1〜41−3:伝送線
42−1〜42−4:アナログ火災感知器
44:呼出応答部
45:割込制御部
46:試験制御部
56:呼出制御部
57:割込処理部
60:発報表示灯回路
61:整流回路
62:ノイズ吸収回路
63:伝送信号検出回路
64:応答信号出力回路
65:定電圧回路
66:伝送制御回路
67:アドレス種別設定回路
68:発光駆動回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信機又は中継器から引き出された信号線に、前記受信機又は中継器の試験命令部からの指示により試験動作を実行して試験結果を応答する自動試験部を備えた火災感知器を接続した火災報知システムに於いて、
前記受信機又は中継器の試験命令部は、ある火災感知器に試験開始を指示してから試験終了となる以前に、他の火災感知器に試験開始を指示することを特徴とする火災報知システム。
【請求項2】
請求項1記載の火災報知システムに於いて、
前記受信機又は中継器は、系統毎に分けて引出された信号線に自動試験機能を備えた前記火災感知器を接続しており、
前記試験命令部は、ある火災感知器に試験開始を指示してから試験終了となる以前に、同一系統の信号線に接続している他の火災感知器に試験開始を指示することを特徴とする火災報知システム。
【請求項3】
請求項1記載の火災報知システムに於いて、
前記受信機又は中継器は、系統毎に分けて引出された信号線に自動試験機能を備えた前記火災感知器を接続しており、
前記試験命令部は、ある火災感知器に試験開始を指示してから試験終了となる以前に、他の系統の信号線に接続している他の火災感知器に試験開始を指示することを特徴とする火災報知システム。
【請求項4】
請求項1記載の火災報知システムに於いて、
前記受信機又は中継器は、系統毎に分けて引出された信号線に自動試験機能を備えた前記火災感知器を接続しており、
前記試験命令部は、ある火災感知器に試験開始を指示してから試験終了となる以前に、同一系統の信号線に接続している他の火災感知器に試験開始を指示すると共に、他の系統の信号線に接続している他の火災感知器に試験開始を指示することを特徴とする火災報知システム。
【請求項5】
請求項1記載の火災報知システムに於いて、
前記火災感知器は、火災を感知した際に受信機又は中継器から引出された信号線間をスイッチングして発報電流を流すオンオフ型火災感知器であり、
前記受信機又は中継器は、火災感知器による信号線の発報電流を検出して信号線単位に火災発生を警報する受信機であり、
前記受信機又は中継器の試験命令部は、受信機又は中継器から引出された試験線に接続された前記火災感知器に試験電圧信号を出力して順次試験動作を行わせ、試験による発報電流を受信して正常感知器と判断し、試験による発報電流を受信しない場合は障害感知器と判断して前記信号線に強制復旧電圧信号を出力し、
前記火災感知器の自動試験部は、前記試験命令部からの試験電圧信号を受信して試験動作を行い、試験により発報した場合は次の火災感知器に前記試験電圧信号を出力し、試験により発報しない場合は前記試験命令部からの強制復旧電圧信号を受信して試験動作を復旧すると共に次の火災感知器に前記試験電圧信号を出力することを特徴とする火災報知システム。
【請求項6】
請求項1記載の火災報知システムに於いて、
前記火災感知器は、受信機からのコマンドに基づいて検出データのサンプリングと応答を行うデータ伝送機能を備えた火災感知器であり、
前記受信機は、一定周期毎に全火災感知器を対象にサンプルコマンドを送信して検出データをサンプリングさせた後に、感知器アドレスを順次指定したポーリングコマンドを送信してサンプリングされた検出データを応答させて火災を判断する受信機であり、
前記受信機の試験命令部は、アドレスを指定した試験コマンドを火災感知器に送信して試験動作を行わせ、続いてサンプリングコマンドを送信して試験動作で得られた試験検出データをサンプリングし、続いてアドレスを指定したポーリングコマンドを送信して試験検出データと試験動作により火災判断を応答させた後に試験終了コマンドを送信し、
前記火災感知器の自動試験部は、前記試験命令部からの自己アドレスを指定した試験コマンドを受信して試験動作を行い、続いてサンプリングコマンドを受信して試験動作で得られた試験検出データをサンプリングして保持し、続いて自己アドレスを指定したポーリングコマンドを受信して試験検出データを応答し、更に自己アドレスを指定したポーリングコマンドを受信して前記試験検出データから火災を判断して試験発報を応答することを特徴とする火災報知システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate


【公開番号】特開2006−48211(P2006−48211A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−225484(P2004−225484)
【出願日】平成16年8月2日(2004.8.2)
【出願人】(000003403)ホーチキ株式会社 (792)
【Fターム(参考)】