説明

炊飯器

【課題】地球環境に配慮して現状より少ない消費電力量で、可能な限り良食味に炊飯することのできる炊飯器を提供することを目的とする。
【解決手段】鍋2と、鍋加熱手段4と、鍋温度検知手段5と、開閉自在な蓋3と、鍋加熱手段4を制御する加熱制御手段6とを有し、蓋3の鍋対向面と鍋2の内面との少なくとも一方には、温度上昇により遠赤外線放射効果を付与する遠赤外線放射部12を設け、加熱制御手段6による鍋加熱手段4の加熱は、遠赤外線放射効果を付与しない場合に米を炊き上げるために必要な加熱量よりも少ない省エネモードに制御するようにした。これによって、炊飯時に遠赤外線放射部12から遠赤外線を放射するので、その効果によって炊飯の加熱効率を高め、米の主成分である澱粉の糊化を促進し、炊飯時消費電力量をこれまでよりも低減させ地球環境に配慮しながらも食味の良いごはんを炊き上げることができるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に家庭用に使用する炊飯器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
昔からの言い伝えにあるように、ごはんをおいしく炊くには「はじめチョロチョロなかパッパ〜赤子泣いても蓋とるな」と強火で一気に沸騰させ、吹き零れるほどの火力で炊くとよいとされている。
【0003】
現在の家庭用マイコン制御式の炊飯器においては、白米をおいしいごはんに炊き上げるための火加減を標準の炊飯シーケンスとしてマイコンに内蔵している。一般的には、「はじめチョロチョロ〜」の言い伝えをなぞり、米に水を吸水させる浸水工程と、一気に鍋内の温度を上げて沸騰させる炊き上げ工程と、沸騰を維持させてお米のでんぷんを糊化させてごはんにする沸騰維持工程と、炊き上がったごはんを蒸らして鍋内を均一に仕上げる蒸らし工程からなり、米を洗って水加減をしてスイッチを押せば、およそ30〜60分で自動的にごはんが炊き上がるようになっている。
【0004】
ここで、炊き上げの火力は強いほどごはんの食味は良好で、炊き上げ工程において、より強い火力を入力して炊飯した方がおいしいとされている(例えば、特許文献1参照)。また、美味なごはんを炊き上げるためにごはん表面部を積極的に加熱するよう、蓋加熱手段を設けた蓋放熱板からの放射熱量を増加させる構成のものもある(例えば、特許文献2参照)。さらに、現代においては、ごはんのおいしさが求められている一方、地球環境への配慮も求められているので、なるべく使用時の消費電力量を少なくし、COの排出量を減らすことが今後の課題となっている。炊飯時の消費電力量を減らそうとした場合、各工程の加熱を通常よりも弱い電力で長時間かけて行うようにしたものもある(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】特開平8−164066号公報
【特許文献2】特開平10−257966号公報
【特許文献3】特許第3299919号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来の特許文献1、2参照のものは、いずれも米の主成分である澱粉に多量のエネルギーを与えて澱粉の糊化を促進させより美味しいごはんを炊こうとしたもので、地球環境への配慮はなく、炊飯時の消費電力量を増加させ、COの排出量を増加させてしまうものである。また、特許文献3参照のものは、炊飯時の消費電力量を減らすものであるため、当然のことながら、ごはんの食味は低下し、炊飯時間も延びる。
【0006】
このように、ごはんをおいしく炊くためには、米に充分なエネルギーを供給することは必要不可欠であるので、消費電力量を抑えることと、ごはんのおいしさを維持向上させることは相反することであり、両立は非常に困難なことであった。
【0007】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、地球環境に配慮して現状より少ない消費電力量で、可能な限り良食味に炊飯することのできる炊飯器を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記従来の課題を解決するために、本発明の炊飯器は、米と水を収納する鍋と、前記鍋を加熱する鍋加熱手段と、前記鍋の温度を検知する鍋温度検知手段と、前記鍋の上面開口部を覆う開閉自在な蓋と、前記鍋加熱手段を制御する加熱制御手段とを有し、前記蓋の鍋対向面と鍋の内面との少なくとも一方には、温度上昇により遠赤外線放射効果を付与する遠赤外線放射部を設け、加熱制御手段による鍋加熱手段の加熱は、遠赤外線放射効果を付与しない場合に米を炊き上げるために必要な加熱量よりも少ない省エネモードに制御するようにしたものである。
【0009】
これによって、炊飯時に遠赤外線放射部の温度が上昇し遠赤外線を放射するので、その効果によって炊飯の加熱効率を高め、米の主成分である澱粉の糊化を促進し、炊飯時消費電力量をこれまでよりも低減させ地球環境に配慮しながらも食味の良いごはんを炊き上げることができるものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の炊飯器は、地球環境に配慮して現状より少ない消費電力量で、可能な限り良食味に炊飯することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
第1の発明は、米と水を収納する鍋と、前記鍋を加熱する鍋加熱手段と、前記鍋の温度を検知する鍋温度検知手段と、前記鍋の上面開口部を覆う開閉自在な蓋と、前記鍋加熱手段を制御する加熱制御手段とを有し、前記蓋の鍋対向面と鍋の内面との少なくとも一方には、温度上昇により遠赤外線放射効果を付与する遠赤外線放射部を設け、加熱制御手段による鍋加熱手段の加熱は、遠赤外線放射効果を付与しない場合に米を炊き上げるために必要な加熱量よりも少ない省エネモードに制御するようにした炊飯器とすることにより、炊飯時に遠赤外線放射部の温度が上昇し遠赤外線を放射するので、その効果によって炊飯の加熱効率を高め、米の主成分である澱粉の糊化を促進し、炊飯時消費電力量をこれまでよりも低減させ地球環境に配慮しながらも食味の良いごはんを炊き上げることができるものである。
【0012】
第2の発明は、特に、第1の発明において、蓋を直接または間接に加熱する蓋加熱手段を備え、加熱制御手段による鍋加熱手段の加熱は、蓋加熱手段の蓋加熱による遠赤外線放射効果を付与しない場合に米を炊き上げるために必要な加熱量よりも少ない省エネモードに制御するようにしたことにより、第1の発明と同様、炊飯時消費電力量をこれまでよりも低減させながらも食味の良いごはんを炊き上げることができる。
【0013】
第3の発明は、特に、第1の発明において、加熱制御手段による鍋加熱手段の加熱は、鍋の加熱による遠赤外線放射効果を付与しない場合に米を炊き上げるために必要な加熱量よりも少ない省エネモードに制御するようにしたことにより、炊飯時消費電力量を従来よりも低減させながらも食味の良いごはんを炊き上げることを特徴とするので、第1の発明と同様、炊飯時消費電力量をこれまでよりも低減させながらも食味の良いごはんを炊き上げることができる。
【0014】
第4の発明は、特に、第1〜第3のいずれか1つの発明において、炊飯の消費電力量を複数のパターンから選択できる炊飯時消費電力量選択手段を備え、炊飯時消費電力量選択手段の所期設定値を鍋加熱手段による省エネモードとしたことにより、使用者に手間や食味劣化などの不利益をかけずに、地球環境に配慮して炊飯時消費電力量をこれまでよりも低減させながらも食味の良いごはんを炊き上げることができる。
【0015】
第5の発明は、特に、第2の発明において、加熱制御手段は、省エネモード時において、鍋加熱手段による加熱を他モード選択時よりも低い加熱量とし、蓋加熱手段による加熱を他モード選択時よりも多い加熱量とし、蓋加熱手段の加熱増分は鍋加熱手段の加熱減分よりも少ないように加熱制御を行うようにしたことにより、鍋加熱手段による加熱を大きく低減させると同時に蓋から積極的に加熱することが可能であり、使用者に手間や食味劣化などの不利益をかけずに、地球環境に配慮して炊飯時消費電力量をこれまでよりも低減させながらも食味の良いごはんを炊き上げることができる。
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0017】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における炊飯器を示すものであり、一例として電気式IH加熱炊飯器を示している。
【0018】
図に示すように、本体1の内部には、米と水を収納し着脱自在に装備される鍋2と、鍋2の底側面部に対向するように配置され鍋2を加熱する鍋加熱手段4とを備え、前記本体1の上面開口部には、鍋2の上面開口部を開閉自在に覆う蓋3を備えている。また、鍋2の底面中央に外接して鍋2の温度を検知する鍋温度検知手段5を配置し、加熱制御手段6が鍋温度検知手段5の検知温度を入力し、鍋加熱手段4の加熱量を制御して鍋2を加熱し、鍋2内の米と水を炊飯するものである。また、蓋3は、蓋加熱手段9と蓋温度検知手段10を備え、さらに鍋2と対向するように内蓋11が配置され、内蓋11の鍋対向面と、鍋2の内面の底部および側面部との少なくとも一方には遠赤外線放射率の高い材料を塗布、または遠赤外線放射率の高い色を着色して、遠赤外線放射効果を付与する遠赤外線放射部12を設けている。
【0019】
本実施の形態では、遠赤外線放射率の高い、例えばカーボン粉末を混合したフッ素樹脂を内蓋11にコーティングしている場合を示している。当然のことであるが、このコーティングは、鍋2の内面の底部および側面部にのみ施してもよいし、内蓋11との両方に施してもよい。加熱制御手段6は蓋温度検知手段10の検知温度を入力し、蓋加熱手段9の加熱量をも制御して蓋3を加熱するものである。
【0020】
さらに、蓋3には炊飯を行う前に一定量のごはんを炊飯する場合の消費電力量を複数のパターンから選択できる炊飯時消費電力量選択手段7が設けられており、使用者が鍋2内に米と水を入れた後に、炊飯時消費電力量が少ないモードを選択する場合には、省エネモードを選択する。ここで、炊飯時消費電力量選択手段7の選択肢は標準モードおよび省エネモードとなっているが、より強い火力で炊き上げるパワフルモードも選択することができる。炊飯時消費電力量選択手段7で省エネモードを選択すると、工程設定手段8は炊飯時消費電力量の少なくなるよう設計されたシーケンス、すなわち鍋加熱手段4による加熱は他モード選択時よりも低く設計されたシーケンスを加熱制御手段6に伝え、加熱制御手段6はこの省エネモードに適したシーケンスと鍋温度検知手段5および蓋温度検知手段10からの出力を入力として鍋加熱手段4および蓋加熱手段9を制御し、鍋2内の被調理物を炊き上げるものである。
【0021】
炊飯時消費電力量の少なくなるよう設計されたシーケンス、すなわち鍋加熱手段4による加熱は他モード選択時よりも低く設計されたシーケンスとしては、本実施の形態では、浸漬・炊き上げ・沸騰維持・蒸らしからなる炊飯工程のうち蒸らし工程の鍋加熱手段4の加熱量を低減させているが、浸漬工程の加熱量や炊き上げ工程、沸騰維持工程の加熱量を低減させても構わない。
【0022】
このように構成された炊飯器について、図2、図3に先駆け、図4に基づいて動作、作用を説明する。
【0023】
図4は一般的な炊飯工程を示しており、主として、浸水工程A、炊き上げ工程B、沸騰維持工程C、蒸らし工程Dから成る。
【0024】
浸水工程Aでは、鍋2内の調理物が所定温度になるように、加熱制御手段6が鍋加熱手段4を制御し、所定時間、鍋2を加熱するものである。浸水工程Aは、糊化温度よりも低温の水に米を浸し、予め米に吸水させておくことで、以降の工程において、米の中心部まで十分に糊化させるための工程である。次に、浸水工程A終了後、炊き上げ工程Bに移行する。炊き上げ工程Bでは、蓋温度検知手段10の検知温度が所定温度T2(鍋内の調理物が略沸騰に到達する温度)になるまで、鍋加熱手段4が鍋2を加熱するものである。なお、本工程では、蓋温度検知手段10の検知温度により鍋加熱手段4を制御したが、鍋温度検知手段5の温度が所定温度に達するまで、鍋加熱手段4が鍋2を加熱する制御で代用することもできる。
【0025】
引き続き、炊き上げ工程B終了後、沸騰維持工程Cに移行する。沸騰維持工程Cでは、鍋2内の調理物が沸騰状態を維持するように加熱制御手段6が鍋加熱手段4を制御し、鍋加熱手段4が鍋2を加熱する。そして、沸騰維持工程Cが経過していくと、鍋2内の水が蒸発して、鍋2内に水がなくなると、鍋2の温度が急上昇し、鍋温度検知手段5の検知温度Taが、第三の所定温度T3(水の沸点以上)に到達すると、鍋2内に水がなくなったと判断し工程の終了とする。この工程は、米澱粉を糊化させる工程であり、炊飯後の飯の糊化度は100%近くに達するが、この工程終了時には糊化度は50〜60%程度となる。
【0026】
次に、蒸らし工程Dに進む。蒸らし工程Dでは、鍋2内の飯が100℃近い高温を保つことができるよう、第二の所定時間t2(通常15分前後)の間、鍋温度検知手段5の検知温度Taが第二の所定温度T2(通常100℃近傍)で推移するように加熱制御手段6が鍋加熱手段4を制御し、鍋加熱手段4が鍋2を加熱する。蒸らし工程Dは沸騰維持工程Cに引き続き、米澱粉を糊化させる工程であり、蒸らし工程Dの開始時には糊化度は50〜60%程度であったものが、蒸らし工程終了時、すなわち、炊飯終了時には、糊化度は100%近くに達するのである。
【0027】
図2は本実施の形態における炊飯器の通常モードの炊飯工程を示す。これは、本実施の形態において、図4に示した一般的な炊飯工程を実現したものである。また、図3は省エネモードの炊飯工程を示す。
【0028】
まず、使用者が鍋2内に米と水を入れた後に、炊飯時消費電力量を抑えて炊飯したい場合には、蓋3に設けられた炊飯時消費電力量選択手段7から省エネモードに設定し、炊飯を開始する。工程設定手段8は省エネに適した炊飯シーケンスを設定し、加熱制御手段6は、図3に示すように、浸水工程A、炊き上げ工程B、沸騰維持工程Cまでは通常のモードと同様の制御で炊飯を行ない、鍋2内の水がなくなって鍋温度が所定温度に上昇すると蒸らし工程Dに移行する。蒸らし工程Dでは、一定時間のON・OFFを繰り返して鍋2を加熱することで鍋2内のご飯の温度を100℃近い高温に保っているが、鍋加熱手段4による加熱量が通常モードよりも低くなるように、鍋加熱手段4の加熱量を弱め、さらに通常モードよりも一定時間のONを短くOFFを長く制御し、その一方で蓋加熱手段9の加熱量は通常モードよりも多くなるように制御する。ただし、このとき、鍋加熱手段4への加熱減分よりも蓋加熱手段9への加熱増分が消費電力量にして下回るように制御するものである。例えば、一例として、鍋加熱手段4の加熱量(例えば定格電力1200Wで通電率25%)を30%削減して蓋加熱手段9の加熱量(例えば定格電力200Wで通電率30%)を40%増加させる。
【0029】
以上のように制御して炊飯を行うと、遠赤外線の放射熱により鍋2内のご飯が効率良く加熱されて糊化が促進されるので、蓋加熱手段9による加熱量を少し増加させただけでご飯の火の通りが大幅に向上し、鍋加熱手段4による加熱量の低下を補完できるので、消費電力量を少なくしても食味の良いご飯を炊飯することができる。
【0030】
なお、炊飯時消費電力量の少なくなるよう設計された炊飯シーケンスとしては、鍋加熱手段4による加熱は他モード選択時よりも低い加熱量とし、蓋加熱手段9による加熱は他モード選択時と同じ加熱量とするシーケンスや、蓋加熱手段9による加熱を行わないシーケンスを採用してもよく、その場合は蓋加熱手段9による加熱量を増加させた場合より若干ご飯の火の通りは及ばないものの、遠赤外線の放射熱により鍋2内のご飯が効率良く加熱されて糊化が促進されるので、鍋加熱手段4による加熱量の低下を補完して、消費電力量を少なくしても比較的食味の良いご飯を炊飯することができる。なお、蓋加熱手段9により内蓋11の加熱を行わない場合でも炊飯時に発生する蒸気または伝導熱で内蓋11は温度上昇し、遠赤外線放射部12からの遠赤外線放射効果が得られるものである。
【0031】
以上のように、本実施の形態においては、省エネモードとすることにより、使用者に食味劣化などの不利益をかけずに、地球環境に配慮して現状より少ない消費電力量で、可能な限り良食味のごはんが得られるものである。
【0032】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2における炊飯器について説明する。炊飯器の構成は実施の形態1と同じであるためその説明を省略する。
【0033】
本実施の形態における炊飯器は、炊飯の消費電力量を複数のパターンから選択できる炊飯時消費電力量選択手段7の所期設定値を、最も炊飯時消費電力量の少ない鍋加熱手段4による省エネモードとしたものである。
【0034】
これにより、炊飯時消費電力量選択手段7の所期設定値が鍋加熱手段4による省エネモードに設定されているため、使用者に手間や食味劣化などの不利益をかけずに、地球環境に配慮して炊飯時消費電力量をこれまでよりも低減させながらも食味の良いごはんを炊き上げることができる。
【0035】
なお、上記実施の形態1、2は、電気式IH加熱炊飯器に限られるものではなく、マイコンにより制御されるその他の方式の炊飯器においても実施可能であることは言うまでもない。また、各炊飯工程における検知温度、工程時間、単位時間当りの通電率、各炊飯量ごとの沸騰維持工程の入力火力、沸騰維持工程終了温度、2回の追炊き加熱およびその間隔の時間、加熱量の変化率は一例を示したにすぎず、状況に応じて種々変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
以上のように、本発明にかかる炊飯器は、地球環境に配慮して現状より少ない消費電力量で、可能な限り良食味に炊飯することができるので、全面から包み込んで加熱することが求められるご飯以外の固形物の調理機能、例えばパン・ケーキ焼成機能などを併せ持つ炊飯器の用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施の形態1、2における炊飯器の構成を示す断面図
【図2】同炊飯器の通常モードの炊飯工程を示す図
【図3】同炊飯器の省エネモードの炊飯工程を示す図
【図4】一般的な炊飯工程を示す図
【符号の説明】
【0038】
2 鍋
3 蓋
4 鍋加熱手段
5 鍋温度検知手段
6 加熱制御手段
7 炊飯時消費電力量選択手段
8 工程設定手段
9 蓋加熱手段
10 蓋温度検知手段
11 内蓋
12 遠赤外線放射部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
米と水を収納する鍋と、前記鍋を加熱する鍋加熱手段と、前記鍋の温度を検知する鍋温度検知手段と、前記鍋の上面開口部を覆う開閉自在な蓋と、前記鍋加熱手段を制御する加熱制御手段とを有し、前記蓋の鍋対向面と鍋の内面との少なくとも一方には、温度上昇により遠赤外線放射効果を付与する遠赤外線放射部を設け、加熱制御手段による鍋加熱手段の加熱は、遠赤外線放射効果を付与しない場合に米を炊き上げるために必要な加熱量よりも少ない省エネモードに制御するようにした炊飯器。
【請求項2】
蓋を直接または間接に加熱する蓋加熱手段を備え、加熱制御手段による鍋加熱手段の加熱は、蓋加熱手段の蓋加熱による遠赤外線放射効果を付与しない場合に米を炊き上げるために必要な加熱量よりも少ない省エネモードに制御するようにした請求項1に記載の炊飯器。
【請求項3】
加熱制御手段による鍋加熱手段の加熱は、鍋の加熱による遠赤外線放射効果を付与しない場合に米を炊き上げるために必要な加熱量よりも少ない省エネモードに制御するようにした請求項1に記載の炊飯器。
【請求項4】
炊飯の消費電力量を複数のパターンから選択できる炊飯時消費電力量選択手段を備え、炊飯時消費電力量選択手段の所期設定値を鍋加熱手段による省エネモードとした請求項1〜3のいずれか1項に記載の炊飯器。
【請求項5】
加熱制御手段は、省エネモード時において、鍋加熱手段による加熱を他モード選択時よりも低い加熱量とし、蓋加熱手段による加熱を他モード選択時よりも多い加熱量とし、蓋加熱手段の加熱増分は鍋加熱手段の加熱減分よりも少ないように加熱制御を行うようにした請求項2に記載の炊飯器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−393(P2008−393A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−173335(P2006−173335)
【出願日】平成18年6月23日(2006.6.23)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】