説明

無人車両の誘導走行制御装置

【課題】無人車両が走路幅からはみだすことを防止しつつ、誘導速度を上げて、作業効率を向上させる。
【解決手段】走行可能境界線81までの距離dが大きくなるほど、無人車両10の目標速度Vが大きく設定される。誘導可能境界線91までの距離εが大きくなるほど、無人車両10の目標速度Vが増加し、誘導可能境界線91までの距離εが小さくなるほど、無人車両10の目標速度Vが減少する。対面側車線62の車両10´が無人車両10に接近したと判断されると、無人車両10の目標速度Vが減少されて、より低い誘導速度で走行される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無人車両の誘導走行制御装置に関し、特に、目標走行コースと無人車両の現在位置との誘導誤差がなくなるように、無人車両を目標走行コースに沿って目標速度で誘導走行させる装置に関する。
【背景技術】
【0002】
砕石現場、鉱山などの広域の作業現場では、土砂運搬作業を行なうに際して、無人車両、つまり無人のダンプトラックを走行させて作業が行なわれる。図1に示すように、無人車両10は、目標走行コース70上の目標位置Qと、無人車両10の現在位置Pとの誘導誤差ΔPをフィードバックして、誘導誤差ΔPがゼロになるように、目標走行コース70に沿って目標速度Vで誘導走行される。無人車両10は、操舵機構および走行機構を自動制御することで誘導走行される。
【0003】
広域作業現場は、険しい地形であることが通例であり、無人車両10の走行が可能な走路幅80は、場所によって狭くなったり広くなったりする。走路幅80の境界線81外は、路肩、崖下、対面側車線などの無人車両10の走行が不可能な領域である。
【0004】
無人車両10を誘導走行制御する上で、制御上の誤差や、車輪のスリップに伴う誤差が生じる。このため誘導誤差ΔPが生じることは、避けられない。
【0005】
一般的に、目標速度Vを上げ、無人車両10の誘導速度を増加させるに伴い、誘導誤差ΔPが増加する傾向にあることが知られている。このため、無人車両10が走路幅80からはみ出すおそれのある速度まで、目標速度Vを上げることはできない。
【0006】
そこで、従来は、無人車両10の走行路のうちで、走路幅80が最も狭くなる場所を基準として、目標速度Vを設定していた。すなわち、最も走路幅80が狭くなる場所であっても無人車両10が走路幅80からはみださない低く抑えられた目標速度Vが設定されていた。
【0007】
また、走路幅80が最も狭くなる場所の幅に合わせて、誘導可能幅90が設定されていた。無人車両10は、この誘導可能幅90の範囲内で、誘導走行制御される。
【0008】
無人車両10が誘導可能幅90内を誘導走行中に、目標走行コース70上の目標位置Qと無人車両10の現在位置Pとの誘導誤差ΔPが一定レベルを超えて誘導可能幅90の境界線91に接近すると、無人車両10を減速させたり停止させるなどの速度制御が実施される。これにより、無人車両10が誘導可能幅90をはみ出して走路幅80の境界線81に接近することが防止される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
広域作業現場では、無人車両の誘導速度を上げて、土砂運搬作業の効率を向上させたいとの要請がある。
【0010】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、無人車両が走路幅からはみだすことを防止しつつ、誘導速度を上げて、作業効率を向上させることを解決課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1発明によれば、図2に示すように、目標走行コース70上の現在の地点Qから、無人車両10の走行が可能な走路幅80の境界を示す走行可能境界線81までの距離dが大きくなるほど、無人車両10の目標速度Vが大きく設定される。そして、この設定された目標速度Vが得られるように、無人車両10が目標走行コース70に沿って誘導走行される。
【0012】
このため、走路幅80が狭い場所では、低い目標速度V1が設定されて無人車両10は低い誘導速度で走行されるため、従来とかわらず走路幅80からはみ出すことが防止される。走路幅80が広い場所では、高い目標速度V2が設定されて高い誘導速度で無人車両10が走行する。走路幅80が広い場所では誘導速度が大きくなり、それに応じて誘導誤差が大きくなったとしても、走路幅80が広いため無人車両10が走路幅80をはみ出すことはない。走路幅80が広いほど、高い誘導速度で無人車両10は走行することができるため、従来と比べて作業効率が向上する。
【0013】
第2発明によれば、図3に示すように、目標走行コース70上の現在の地点Qから、無人車両10の走行が可能な走路幅80の境界を示す走行可能境界線81までの距離dが大きくなるほど、誘導可能幅90が大きく設定される。そして、誘導可能幅90が大きくなるほど、無人車両10の目標速度Vが高くように、目標速度Vが設定される。そして、
この設定された目標速度Vが得られるように、無人車両10が目標走行コース70に沿って誘導走行される。
【0014】
このため、第1発明と同様に、走路幅80が広いほど、高い誘導速度で無人車両10が走行できるため、従来と比べて作業効率が向上する。更に、走路幅80が広いほど、誘導可能幅90が広がり、無人車両10が誘導制御される幅を広げることができる。
【0015】
第3発明によれば、図7(c)、(d)に示すように、無人車両10の現在位置Pから、誘導可能境界線91までの距離εが大きくなるほど、無人車両10の目標速度Vが増加し、無人車両10の現在位置Pから、誘導可能境界線91までの距離εが小さくなるほど、無人車両10の目標速度Vが減少する。このため、走路幅80が広い場所と狭い場所を比較したとき、無人車両10が、誘導誤差なく走行している場合はもちろんのこと、無人車両10が目標走行コース70からずれて走行している場合であっても、ずれ量ΔPが同じであれば走路幅80が広い場所を走行しているときの方が狭い場所を走行しているときよりも、より高い目標速度Vが設定されて、より高い誘導速度で走行する。
【0016】
このように走路幅80(誘導可能幅90)が広くなるほど、より高い目標速度Vが設定され、より高い誘導速度で無人車両10が走行するため、作業効率が向上する。しかも、目標走行コース70からの位置ずれが大きくなり誘導可能幅90の境界線91に接近するほど、目標速度Vが低くなり、より低い誘導速度で車両10が走行するため、誘導可能幅90からはみ出して走路幅80の境界線81に接近することが防止される。
【0017】
第4発明によれば、図4に示すように、無人車両10は、隣接する往復の車線61、62を備えた走行路60に沿って対面走行する。対面側車線62の車両10´が無人車両10に接近したと判断されると、無人車両10の目標速度Vが減少されて、より低い誘導速度で走行される。これにより対面走行する車両10´との干渉の危険が防止されて、より安全に誘導走行させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明に係る無人車両の誘導走行制御装置の実施の形態について説明する。なお、本実施形態では、無人車両としてダンプトラックを想定している。
【0019】
図3(a)、図4は、無人車両10が走行する走行路60を上面図にて示している。
【0020】
図3(a)は、単一の車線の走行路60を無人車両10が走行する場合を示している。図4は、隣接する往復の車線61、62を備えた走行路60に沿って無人車両10、10´が対面走行する場合を示している。
【0021】
図11は、実施例装置を無人砕石現場、鉱山などの広域の作業現場に適用した場合における各構成要素の位置関係を示している。
【0022】
広域作業現場には、積込場61と、排土場62と、積込場61と排土場62とを結ぶ走行路60と、積込場61に存在する積込作業用の作業車両11と、排土場62に存在する排土作業用の作業車両12と、走行路60を走行する複数の無人車両10、10´…と、複数の無人車両10、10´…を管理、監視する管制局20とが配置されている。また天空には、GPS(グローバル ポジショニング システム)衛星63が飛翔している。
【0023】
なお、以下では、複数台の無人車両10、10´…を挙げることが必要な場合を除き、無人車両10、10´…のうち無人車両10を代表させて説明する。
【0024】
無人車両10は、積込場61で荷を積み込むと、排土場62に向けて走行路60を走行する。また、無人車両10は、排土場62で荷を排土すると、積込場61に向けて走行路60を走行する。
【0025】
無人車両10が走行路60を走行する際、無人車両10は、目標走行コース70に沿って誘導走行される。無人車両10には、実際の誘導走行前の教示作業時にオペレータが乗車して、教示作業が行なわれ、目標走行コース70、つまり目標走行コース70上の各目標位置Qが教示される。なお、測量によって目標走行コース70のデータを実際の誘導走行前に取得しておいてもよい。
【0026】
また、無人車両10の実際の誘導走行前には、走行路60の地形データが予め取得される。走行路60の地形データは、走行路60のサーベイライン(境界線)の情報を含む。走行路60のサーベイラインとは、走行路60の路肩など走行可能な領域と走行不可能な領域との境界の情報のことである。サーベイラインの情報から、無人車両10が走行可能な走路幅80および走路幅80の境界線81が求められる。走路幅80とは、目標走行コース70から左右いずれかの境界線81までの幅をいうものとする。走路幅80の境界線81外は、路肩、崖下、対面側車線62などの無人車両10の走行が不可能な領域である。
【0027】
作業現場には、複数の無人車両10、10´を管理、監視する管制局20が設けられている。
【0028】
本実施例では、管制局20にて各無人車両10、10´の目標走行コース70が作成され、管制局20から各無人車両10、10´に対して目標走行コース70のデータが配信されることで、各無人車両10、10´がそれぞれ目標走行コース70に沿って誘導走行される。
【0029】
無人車両10は、走路幅80よりも狭く設定された誘導可能幅90内で、誘導走行制御される。誘導可能幅90とは、目標走行コース70から左右いずれかの境界線91までの幅をいうものとする。誘導可能幅90は、無人車両10が誘導可能幅90をはみ出して走路幅80の境界線81に接近することを防止するために設けられている。
【0030】
誘導可能幅90を管制局20で作成する場合と、無人車両10で作成する場合の2つの方法がある。
【0031】
図5は、無人車両10の内部構成と管制局20の内部構成を示している。
【0032】
管制局20には、無線通信システム21と、管制誘導システム22とが設けられている。一方、無人車両10には、車両制御システム11と、位置計測システム12と、誘導システム13と、無線通信システム14とが設けられている。
【0033】
図12は、車両制御システム11の構成図である。図13(a)、(b)、(c)はそれぞれ、位置計測システム12の構成図、誘導システム13の構成図、無線通信システム14の構成図である。
【0034】
図14(a)、(b)はそれぞれ、管制誘導システム22の構成図、無線通信システム21の構成図である。
【0035】
なお、他の無人車両10´も同一構成である。
【0036】
無人車両10の位置計測システム12では、位置情報入力機器12Aにより、位置情報が入力され、車両位置計測モジュール12Bにて、自車両の現在の位置および進行方向が計測される。位置および進行方向の計測の手段、つまり位置情報入力機器12Aとしては、たとえばGPSが使用される。また、タイヤ回転数センサなどの距離計の出力信号とジャイロの出力信号とに基づいて、車両位置および車両進行方向を計測してもよい。車両位置および車両進行方向の計測結果は、車両位置出力モジュール12Cから出力される。
【0037】
また、車両位置を微分処理することにより無人車両10の車速が計測から、車両位置出力モジュール12Cから出力される。
【0038】
誘導システム13の位置および速度情報入力モジュール13Aは、教示作業時に無人車両10にオペレータが乗車して有人走行される際に、位置および進行方向の計測データを位置計測システム12から取り込み、車両誘導目標計算モジュール13Bでは、そのときの位置および進行方向の計測データを、目標走行コース70の教示データ(位置および進行方向)とする処理が行われる。誘導システム13の車両誘導目標出力モジュール13Cは、無線通信システム14に、教示データを送出する処理を行う。無線通信システム14の送信モジュール14Bは、教示データを管制局20の無線通信システム21に無線通信にて送信する。
無人車両10が目標走行コース70に沿って誘導走行される際に誘導システム13の位置および速度情報入力モジュール13Aには、位置計測システム12で計測された自車両10の位置Pおよび進行方向および車速のデータが所定時間毎に取り込まれる。
【0039】
位置計測システム12の車両位置出力モジュール12Cは、無人車両10の車両位置Pおよび進行方向および車速の逐次のデータを無線通信システム14に送出する処理を行う。無線通信システム14の送信モジュール14Bは、車両位置Pおよび進行方向および車速の逐次のデータを管制局20の無線通信システム21に無線通信にて送信する。
【0040】
無線通信システム14の受信モジュール14Aでは、管制局20の無線通信装置21から送信された目標走行コース70のデータが受信される。また、誘導可能幅90が管制局20で作成される場合には、無線通信システム14の受信モジュール14Aで、管制局20の無線通信システム21から送信された誘導可能幅90のデータが受信される。
【0041】
誘導システム13の車両誘導目標計算モジュール13Bには、目標走行コース70のデータが取り込まれる。誘導可能幅90が管制局20で作成される場合には、誘導可能幅90のデータも取り込まれる。
【0042】
誘導可能幅90が無人車両10で作成される場合には、誘導システム13の車両誘導目標計算モジュール13Bで誘導可能幅90のデータが作成される。
【0043】
誘導システム13の車両誘導目標計算モジュール13Bでは、誘導可能幅90のデータに基づいて目標速度Vが設定される。
【0044】
誘導システム13の車両誘導目標出力モジュール13Cは、目標走行コース70および誘導可能幅90および目標速度のデータを出力して、目標走行コース70に沿って自車両10を操舵制御するように、車両制御システム11に指示する。また、目標速度Vとなるように自己車両10を速度制御するように、車両制御システム11に指示する。
【0045】
車両制御システム11の位置情報および速度入力モジュール11Aには、位置計測システム12で計測された自車両10の位置Pおよび進行方向および車速のデータが所定時間毎に取り込まれる。車両制御システム11の車両誘導目標入力モジュール11Bは、誘導システム13の車両誘導目標出力モジュール13Cから目標走行コース70および誘導可能幅90および目標速度のデータを入力する。
【0046】
車両制御システム11の車両誘導アクチュエータ制御モジュール11Cは、誘導システム13から操舵制御および速度制御の指示を受け、目標走行コース70および誘導可能幅90および目標速度のデータを入力すると、これらデータと、自車両10の現在の位置Pおよび現在の進行方向および現在の車速とに基づいて、目標走行コース70に沿って目標速度Vで自己車両10を走行させるように走行機構および操舵機構(図示せず)を制御する。すなわち、位置計測システム12で計測される自己車両10の現在の車両位置Pおよび車両進行方向と、目標走行コース70上の逐次の通過点の目標位置Qおよび目標進行方向とを比較しつつ、自己車両10が目標走行コース70上の逐次の通過点位置Qを、目標位置Pおよび目標進行方向に対してずれなく辿るように、走行指令および操舵指令を生成して、走行機構部および操舵機構部に出力する。また無人車両10の誘導速度が目標速度Vとなるように、増減速指令を走行機構部に出力する。この結果、無人車両10は、予定された走行コース70に沿って目標速度Vで誘導走行される。車両誘導アクチュエータ制御モジュール11Cは、ステアリング操舵角、ブレーキ作動、アクセル開度、トランスミッションの選択速度段等を検出する各センサ11Dに基づいて、ステアリング、ブレーキ、アクセル、トランスミッションを作動させる各アクチュエータ11Eを駆動制御する。
【0047】
車両制御システム11は、今回の目標走行コース70に沿った誘導走行が終了すると、その旨を誘導システム13に送出する。誘導システム13は、今回の目標走行コース70に沿った誘導走行が終了された旨のデータが取り込まれると、つぎの目標走行コースに沿った誘導走行を行なうべく、コース要求のデータを生成する。なお、無人車両10の電源が投入された初期状態でも、同様にコース要求のデータが生成される。誘導システム13は、生成されたコース要求のデータを無線通信システム14に送出する処理を行う。無線通信システム14の送信モジュール14Bは、コース要求のデータを管制局20の無線通信システム21に無線通信にて送信する。コース要求のデータには、コース要求をした車両(無人車両10、10´)を識別する符号が付与されている。
【0048】
つぎに管制局20側について説明する。
【0049】
管制局20の無線通信システム21の受信モジュール21Aでは、無人車両10側の無線通信システム14から送信されたデータが受信される。受信されたデータは、管制誘導システム22に送出される。
【0050】
管制誘導システム22は、車両誘導管制モジュール22Aを含んで構成されている。車両誘導管制モジュール22Aは、大きくは、無人車両誘導パーミッション計算モジュール22Cと無人車両誘導幅計算モジュール22Bとからなる。無人車両誘導パーミッション計算モジュール22Cは、無人車両10の走行を許可する目標走行コース70を計算するために設けられている。無人車両誘導幅計算モジュール22Bは、無人車両10の誘導可能幅90を計算するために設けられている。
【0051】
無人車両誘導パーミッション計算モジュール22Cの車両位置および速度入力モジュール22Dには、無人車両10の車両位置Pおよび進行方向および車速のデータ、ならびに無人車両10の教示データ、さらに無人車両10からのコース要求のデータが管制誘導システム22の車両位置および速度入力モジュール22Cに取り込まれる。
【0052】
また、無人車両誘導パーミッション計算モジュール22Cの境界領域入力モジュール22Eには、データベースより、走行路60の地形データ、つまり走行路60のサーベイラインの情報が取り込まれる。
【0053】
また、無人車両誘導パーミッション計算モジュール22Cの車両位置および速度入力モジュール22Gには、広域作業現場内の有人車両の位置および車速のデータが取り込まれる。無人車両誘導パーミッション計算モジュール22Cの有人車両干渉領域計算モジュール22Fでは、有人車両の位置および車速に基づき無人車両10の誘導走行を許可しない有人車両干渉領域が計算される。有人車両干渉領域計算モジュール22Fは、有人車両干渉領域に無人車両10が立ち入ることを許可しないことで無人車両10が有人車両10と干渉することを回避するために設けられている。
【0054】
無人車両誘導パーミッション計算モジュール22Cに、無人車両10側からのコース要求のデータが取り込まれると、教示データと、無人車両10の現在の車両位置Pおよび現在の進行方向および現在の車速と、走行路60の地形データ(サーベイライン情報)と、有人車両干渉領域とに基づいて、コース要求をした無人車両10の誘導走行を許可する今回の目標走行コース70を生成する。
【0055】
生成された目標走行コース70のデータは、無線通信システム21に送出される。無線通信システム21の送信モジュール21Bは、目標走行コース70のデータを、コース要求元の無人車両10の無線通信システム14に向けて送信する。
【0056】
誘導可能幅90が管制局20で作成される場合には、無人車両誘導幅計算モジュール22Bの車両位置および速度入力モジュール22Hに、無人車両10の車両位置Pおよび車速のデータが取り込まれる。無人車両誘導幅計算モジュール22Bの境界領域入力モジュール22Iには、データベースより、走行路60の地形データ、つまり走行路60のサーベイラインの情報が取り込まれる。
【0057】
無人車両誘導幅計算モジュール22Bでは、無人車両10の現在位置Pおよび現在の車速と、走行路60の地形データ(サーベイライン情報)とに基づいて、誘導可能幅90が作成される。誘導可能幅90のデータは、無線通信システム21に送出される。無線通信システム21の送信モジュール21Bは、誘導可能幅90のデータを、無人車両10の無線通信システム14に向けて送信する。
【0058】
誘導可能幅90が無人車両10で作成される場合には、走行路60の地形データが無線通信システム21を介して無人車両10の無線通信システム14に送られる。
【0059】
図4に示すように、無人車両10が対面通行の走行路60を走行している場合には、対面側車線62を走行している無人車両10´の現在位置の情報が、無線通信システム21を介して無人車両10の無線通信システム14に送られる。
【0060】
以下、各フローチャートを併せ参照して各実施例を説明する。
【0061】
(第1実施例;管制局20で誘導可能幅90を作成する場合)
本実施例では、誘導可能幅90を管制局20で作成する場合を想定している。
【0062】
図6は、第1実施例の処理手順をフローチャートで示している。
【0063】
図6(a)は、無人車両10で行なわれる処理を示し、図6(b)は、管制局20で行なわれる処理を示す。
【0064】
管制局20では、無人車両10の現在位置Pと、目標走行コース70と、走行路60の地形データ(サーベイライン情報)が読み出される(ステップ106)。
【0065】
つぎに、無人車両10の現在位置Pと、目標走行コース70と、走行路60の地形データ(サーベイライン情報)とに基づいて、誘導可能幅90が設定される。
【0066】
管制局20では、無人車両10から送られてくる現在位置Pのデータから、無人車両10が、目標走行コース70上のいずれの目標地点Qを走行しているかが判別される。そこで、図3(a)に示すように、目標走行コース70上の現在の地点Qから、走行可能境界線81までの距離dが大きくなるほど、誘導可能幅90が大きく設定される。たとえば、目標走行コース70上の現在の地点がQ1である場合には、走路幅80が狭くなっているため、走行可能境界線81までの距離d1が小さく、小さい幅の誘導可能幅90が設定される。これに対して、目標走行コース70上の現在の地点がQ2である場合には、走路幅80が広くなっているため、走行可能境界線81までの距離d2が小さく、大きい幅の誘導可能幅90が設定される。誘導可能幅90は、無人車両10が目標走行コース70を一定区間、走行する毎に作成される(ステップ107)。
【0067】
誘導可能幅90を作成する処理の詳細を図9に示す。この処理は、上記ステップ106、107に相当する。
【0068】
無人車両10の現在位置Pと、目標走行コース70と、走行路60の地形データ(サーベイライン情報)が読み出される。また誘導可能幅90の初期値が予め記憶されており、この誘導可能幅90の初期値が読み出される(ステップ301)。
【0069】
無人車両10の現在位置Pのデータから、無人車両10が、目標走行コース70上のいずれの目標地点Qを走行しているかが判別される。図3(a)に示すように、目標走行コース70上の現在の地点Qと、走行可能境界線81とが比較され、目標走行コース70上の現在の地点Qから走行可能境界線81までの距離dが求められる。この距離dを求める処理は、無人車両10が一定の区間走行する毎に行なわれる。今回(n)求められた距離dをdnとする(ステップ302)。
【0070】
つぎに、今回求められた距離dnと前回求められた距離dn-1とが比較され、これらの差Δdが求められ、今回求められた距離dnが前回求められた距離dn-1よりも大きいか否かが判断される。図7(a)は、距離差Δdと、誘導可能幅90を増減する増減量ΔSとの関係を示す(ステップ303)。
【0071】
今回求められた距離dnが前回求められた距離dn-1よりも大きい場合には(ステップ303の判断YES)、距離差Δdに対応する量ΔSだけ、前回の誘導可能幅90に対して今回の誘導可能幅90を広げるように、誘導可能幅90が設定される。たとえば、図3(b)に示すように、誘導可能幅90の初期値がS0であった場合には、初回の次の回の誘導可能幅90の値S1は、S0+ΔSに設定される。前回n-1の誘導可能幅90の値がSn-1であった場合には、今回nの誘導可能幅90の値Snは、Sn-1+ΔSに設定される(ステップ304)。
【0072】
今回求められた距離dnが前回求められた距離dn-1よりも小さい場合には(ステップ303の判断NO)、距離差Δdに対応する量ΔSだけ、前回の誘導可能幅90に対して今回の誘導可能幅90が狭まるように、誘導可能幅90が設定される。たとえば、誘導可能幅90の初期値がS0であった場合には、初回の次の回の誘導可能幅90の値S1は、S0-ΔSに設定される。前回n-1の誘導可能幅90の値がSn-1であった場合には、今回nの誘導可能幅90の値Snは、Sn-1-ΔSに設定される(ステップ305)。
【0073】
作成された誘導可能幅90と目標走行コース70の情報は、管制局20から無人車両10に送信される(ステップ108)。
【0074】
無人車両10では、誘導可能幅90と目標走行コース70の情報が受信され、誘導可能幅90と目標走行コース70の情報が読み出される。また自己車両10の現在位置Pのデータが読み出される(ステップ101)。
【0075】
つぎに、無人車両10の現在位置P、目標走行コース70のデータ、誘導可能幅90に基づいて、無人車両10の目標速度Vが設定される。誘導可能幅90が大きくなるほど、無人車両10の目標速度Vが高くなるように、目標速度Vが設定される。たとえば、図3(a)あるいは図4に示すように、無人車両10の現在位置PがP1であり、目標走行コース70上の地点Q1を目標位置としている場合には、狭い誘導可能幅90が設定されている。このため狭い誘導可能幅90に対応して、低い目標速度V1が設定される。これに対して、無人車両10の現在位置PがP2であり、目標走行コース70上の地点Q2を目標位置としている場合には、広い誘導可能幅90が設定されている。このため広い誘導可能幅90に対応して、高い目標速度V2が設定される(ステップ102)。
【0076】
目標速度Vを設定する処理の詳細を図10に示す。この処理は、上記ステップ102に相当する。
【0077】
無人車両10では、自車両10の現在位置P、目標走行コース70のデータ、誘導可能幅90が読み出される。また目標速度Vの初期値が予め記憶され、読み出される(ステップ401)。
【0078】
つぎに、目標位置Qと現在位置Pとの誘導誤差ΔPが計算され、無人車両10の現在位置Pから誘導可能境界線91までの距離εが計算される。
【0079】
距離εを求める処理は、無人車両10が一定の区間走行する毎に行なわれる。今回(n)求められた距離εをεnとする((ステップ402)。
【0080】
つぎに、今回求められた距離εnと前回求められた距離εn-1とが比較され、これらの差Δεが求められ、今回求められた距離εnが前回求められた距離εn-1よりも大きいか否かが判断される。図7(c)は、距離差Δεと、目標速度Vを増減する増減量ΔVとの関係を示す(ステップ403)。
【0081】
今回求められた距離εnが前回求められた距離εn-1よりも大きい場合には(ステップ403の判断YES)、距離差Δεに対応する量ΔVだけ、前回の目標速度Vに対して今回の目標速度Vが高くように、目標速度Vが設定される。たとえば、目標速度Vの前回の値がV1であった場合には、今回の目標速度V2は、V1+ΔVに設定される(ステップ404)。
【0082】
今回求められた距離εnが前回求められた距離εn-1よりも小さい場合には(ステップ403の判断NO)、距離差Δdに対応する量ΔVだけ、前回の目標速度Vに対して今回の目標速度Vが低くなる。たとえば、目標速度Vの前回の値がV1´であった場合には、今回の目標速度V2´は、V1´-ΔVに設定される(ステップ405)。
【0083】
図7(c)は、狭い誘導可能幅90が設定されたときに、設定される目標速度V1の大きさの分布を、無人車両10の現在位置Pに対応させて示したものである。無人車両10が目標地点Q1にずれなく位置しているものとすると、誘導可能幅90の境界線91までの距離εは最大となり、最大の目標速度V1maxが設定される。無人車両10が目標地点Q1からずれると、そのずれ量である誘導誤差ΔPが大きくなるに伴って、つまり現在位置Pから誘導可能幅90の境界線91までの距離εが小さくなるに伴って、目標速度V1は徐々に減少する。目標地点Q1からのずれ量が最大となり、現在位置Pから誘導可能幅90の境界線91までの距離εが0になると、最小の目標速度V1minが設定される。
【0084】
図7(c)は、広い誘導可能幅90が設定されたときに、設定される目標速度V2の大きさの分布を、無人車両10の現在位置Pに対応させて示したものである。同様に、現在位置Pから誘導可能幅90の境界線91までの距離εの大きさに応じて、最大目標速度V2maxから最小目標速度V2minの範囲で変化する。
【0085】
図7(c)、(d)からわかるように、無人車両10の現在位置Pから、誘導可能境界線91までの距離εが大きくなるほど、無人車両10の目標速度Vが増加し、無人車両10の現在位置Pから、誘導可能境界線91までの距離εが小さくなるほど、無人車両10の目標速度Vが減少する。走路幅80(誘導可能幅90)が広い場所と狭い場所を比較したとき、無人車両10が、誘導誤差なく走行している場合には、走路幅80(誘導可能幅90)が広い場所を走行しているとき(図7(d))の方が狭い場所を走行しているとき(図7(c))よりも、より高い目標速度Vが設定される(V2max>V1max)。また無人車両10が目標走行コース70からずれて走行している場合であっても、ずれ量ΔPが同じであれば、走路幅80(誘導可能幅90)が広い場所を走行しているとき(図7(d))の方が、狭い場所を走行しているとき(図7(c))よりも、より高い目標速度Vが設定される(V2>V1)。
【0086】
つぎに、対面側車線62の無人車両10´が接近しているか否かが判断される。この判断は、管制局20から送られてくる対面側車線62の無人車両10´の現在位置の情報と、自車両10の現在位置Pの情報とを比較することにより行なわれる。
【0087】
なお、車両間の無線通信システムが各車両10、10´に搭載されている場合には、車両10、10´間で直接、位置情報の送受信を行い、取得された他車両10´の位置情報に基づき上記比較、判断を行なうようにしてもよい(ステップ103)。
【0088】
この結果、図4に示すように、車線61を走行している無人車両10が、隣接する対面側車線62を走行している他の無人車両10´に接近したと判断されると(ステップ103の判断YES)、ステップ102で設定された目標速度Vから所定量減じられた速度に変更される。そして、この変更された目標速度Vが得られるように、無人車両10が目標走行コース70に沿って誘導走行される(ステップ104)。
【0089】
また、車線61を走行している無人車両10が、隣接する対面側車線62を走行している他の無人車両10´に接近しているとは判断されなかった場合には(ステップ103の判断NO)、ステップ102で設定された目標速度Vが得られるように、無人車両10が目標走行コース70に沿って誘導走行される(ステップ105)。
【0090】
以上のように、本実施例によれば、走路幅80が狭い場所では、低い目標速度V1が設定されて無人車両10は低い誘導速度で走行されるため、従来とかわらず走路幅80からはみ出すことが防止される。走路幅80が広い場所では、高い目標速度V2が設定されて高い誘導速度で無人車両10が走行する。走路幅80が広い場所では誘導速度が大きくなり、それに応じて誘導誤差ΔPが大きくなったとしても、無人車両10が走路幅80をはみ出すことはない。走路幅80が広いほど、高い誘導速度で無人車両10は走行することができるため、従来と比べて作業効率が向上する。
【0091】
更に、本実施例によれば、走路幅80が広いほど、誘導可能幅90が広がり、無人車両10が誘導制御される幅を広げることができる。
【0092】
また、本実施例によれば、図7(c)、(d)に示すように、無人車両10の現在位置Pから、誘導可能境界線91までの距離εが大きくなるほど、無人車両10の目標速度Vが増加し、無人車両10の現在位置Pから、誘導可能境界線91までの距離εが小さくなるほど、無人車両10の目標速度Vが減少する。このため、走路幅80(誘導可能幅90)が広い場所と狭い場所を比較したとき、無人車両10が、誘導誤差なく走行している場合はもちろんのこと、無人車両10が目標走行コース70からずれて走行している場合であっても、ずれ量ΔPが同じであれば走路幅80(誘導可能幅90)が広い場所を走行しているときの方が狭い場所を走行しているときよりも、より高い目標速度Vが設定されて、より高い誘導速度で走行する。
【0093】
このように走路幅80(誘導可能幅90)が広くなるほど、より高い目標速度Vが設定され、より高い誘導速度で無人車両10が走行するため、作業効率が向上する。しかも、目標走行コース70からの位置ずれが大きくなり誘導可能幅90の境界線91に接近するほど、目標速度Vが低くなり、より低い誘導速度で車両10が走行するため、誘導可能幅90からはみ出して走路幅80の境界線81に接近することが防止される。
【0094】
また本実施例によれば、図4に示すように、無人車両10が対面走行するに際して、対面側車線62の車両10´が無人車両10に接近したと判断されると、無人車両10の目標速度Vが減少されて、より低い誘導速度で走行されることになる。これにより対面走行する車両10´との干渉の危険が防止されて、より安全に誘導走行させることができる。
【0095】
(第2実施例;無人車両10で誘導可能幅90を作成する場合)
本実施例では、誘導可能幅90を無人車両10で作成する場合を想定している。
【0096】
図8は、第2実施例の処理手順をフローチャートで示している。
【0097】
無人車両10では、無人車両10の現在位置Pと、目標走行コース70と、走行路60の地形データ(サーベイライン情報)が読み出される(ステップ201)。
【0098】
つぎに、無人車両10の現在位置Pと、目標走行コース70と、走行路60の地形データ(サーベイライン情報)とに基づいて、誘導可能幅90が作成される。
【0099】
無人車両10では、自己車両10の現在位置Pのデータから、無人車両10が、目標走行コース70上のいずれの目標地点Qを走行しているかが判別される。、図3(a)に示すように、目標走行コース70上の現在の地点Qから、走行可能境界線81までの距離dが大きくなるほど、誘導可能幅90が大きく設定される。たとえば、目標走行コース70上の現在の地点がQ1である場合には、走路幅80が狭くなっているため、走行可能境界線81までの距離d1が小さく、小さい幅の誘導可能幅90が設定される。これに対して、目標走行コース70上の現在の地点がQ2である場合には、走路幅80が広くなっているため、走行可能境界線81までの距離d2が大きく、大きい幅の誘導可能幅90が設定される。誘導可能幅90は、無人車両10が目標走行コース70を一定区間、走行する毎に作成される(ステップ202)。
【0100】
誘導可能幅90を作成する処理は、前述の図9に示すごとく行われる。この処理は、上記ステップ201、202に相当する。
【0101】
つぎに、上記のごとく作成、設定された誘導可能幅90に基づいて、無人車両10の目標速度Vが設定される。誘導可能幅90が大きくなるほど、無人車両10の目標速度Vが高くように、目標速度Vが設定される。たとえば、図3(a)あるいは図4に示すように、無人車両10の現在位置PがP1であり、目標走行コース70上の地点Q1を目標位置としている場合には、狭い誘導可能幅90が設定されている。このため狭い誘導可能幅90に対応して、低い目標速度V1が設定される。これに対して、無人車両10の現在位置PがP2であり、目標走行コース70上の地点Q2を目標位置としている場合には、広い誘導可能幅90が設定されている。このため広い誘導可能幅90に対応して、高い目標速度V2が設定される(ステップ203)。
【0102】
目標速度Vを設定する処理は、前述の図10に示すごとく行われる。この処理は、上記ステップ103に相当する。
【0103】
つぎに、対面側車線62の無人車両10´が接近しているか否かが判断される。この判断は、管制局20から送られてくる対面側車線62の無人車両10´の現在位置の情報と、自車両10の現在位置Pの情報とを比較することにより行なわれる。なお、車両間の無線通信システムが各車両10、10´に搭載されている場合には、車両10、10´間で直接、位置情報の送受信を行い、取得された他車両10´の位置情報に基づき上記比較、判断を行なうようにしてもよい(ステップ204)。
【0104】
この結果、図4に示すように、車線61を走行している無人車両10が、隣接する対面側車線62を走行している他の無人車両10´に接近したと判断されると(ステップ204の判断YES)、ステップ203で設定された目標速度Vから所定量減じられた速度に変更される。そして、この変更された目標速度Vが得られるように、無人車両10が目標走行コース70に沿って誘導走行される(ステップ205)。
【0105】
また、車線61を走行している無人車両10が、隣接する対面側車線62を走行している他の無人車両10´に接近しているとは判断されなかった場合には(ステップ204の判断NO)、ステップ203で設定された目標速度Vが得られるように、無人車両10が目標走行コース70に沿って誘導走行される(ステップ206)。
【0106】
この第2実施例によれば、第1実施例と同様の効果が得られる。
【0107】
なお、以上の実施例では、誘導可能幅90の大きさに応じて目標速度Vを設定するようにしているが、誘導可能幅90を設けて誘導走行制御することが必要ではない場合には、誘導可能幅90を設定することなく、走路幅80の大きさに応じて目標速度Vを設定してもよい。すなわち、図2に示すように、目標走行コース70上の現在の地点Qから、走路幅80の境界を示す走行可能境界線81までの距離dが大きくなるほど、無人車両10の目標速度Vが大きく設定される。たとえば、同図2に示すように、無人車両10の現在位置PがP1であるときには、走路幅80が狭く、現在の目標地点Q1から境界線81までの距離dは短い。このため狭い走路幅80、つまり短い距離d1に対応して、低い目標速度V1が設定される。これに対して、無人車両10の現在位置PがP2であるときには、道路幅80が広く、現在の目標地点Q2から境界線81までの距離dは長い。このため広い走路幅80、つまり長い距離d2に対応して、高い目標速度V2が設定される。
【0108】
そして、この設定された目標速度Vが得られるように、無人車両10が目標走行コース70に沿って誘導走行される。
【0109】
このため、走路幅80が狭い場所では、低い目標速度Vが設定されて無人車両10は低い誘導速度で走行されるため、従来とかわらず走路幅80からはみ出すことが防止される。走路幅80が広い場所では、目標速度Vが高く設定されて高い速度で無人車両10が走行する。走路幅80が広い場所では誘導速度が大きくなり、それに応じて誘導誤差が大きくなったとしても、走路幅80が広いため無人車両10が走路幅80をはみ出すことはない。走路幅80が広いほど、高い誘導速度で無人車両10は走行することができるため、従来と比べて作業効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】図1は、従来技術を示す図で、無人車両が目標走行コースに沿って走行するように誘導走行制御されている様子を説明する図である。
【図2】図2は、目標走行コースと走路幅の関係を説明する図である。
【図3】図3は、目標走行コースと誘導可能幅の関係を説明する図である。
【図4】図4は、対 面通行が行なわれる走行路を説明する図である。
【図5】図5は、無人車両の内部構成と管制局の内部構成を示した図である。
【図6】図6(a)、(b)は第1実施例の処理手順を示したフローチャートである。
【図7】図7(a)、(b)、(c)、(d)は、実施例の各対応関係を説明するために用いた図である。
【図8】図8は、第2実施例の処理手順を示したフローチャートである。
【図9】図9は、誘導可能幅を演算する処理の手順を示したフローチャートである。
【図10】図10は、目標速度を演算する処理の手順を示したフローチャートである。
【図11】図11は、実施例装置を無人砕石現場、鉱山などの広域の作業現場に適用した場合における各構成要素の位置関係を示した図である。
【図12】図12は、車両制御システムの構成図である。
【図13】図13(a)、(b)、(c)はそれぞれ、位置計測システムの構成図、誘導システムの構成図、無線通信システムの構成図である。
【図14】図14(a)、(b)はそれぞれ、管制誘導システムの構成図、無線通信システムの構成図である。
【符号の説明】
【0111】
10 無人車両、60 走行路、61、62 往復車線、70 目標走行コース、80 走路幅、90 誘導可能幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無人車両を目標走行コースに沿って目標速度で誘導走行させる無人車両の誘導走行制御装置であって、
目標走行コース上の現在の地点から、無人車両の走行が可能な走路幅の境界を示す走行可能境界線までの距離が大きくなるほど、無人車両の目標速度を大きく設定する目標速度設定手段と、
この設定された目標速度が得られるように、無人車両を目標走行コースに沿って誘導走行させる誘導走行制御手段とを備えたこと
を特徴とする無人車両の誘導走行制御装置。
【請求項2】
無人車両を目標走行コースに沿って目標速度で誘導走行させる無人車両の誘導走行制御装置であって、
目標走行コース上の現在の地点から、無人車両の走行が可能な走路幅の境界を示す走行可能境界線までの距離が大きくなるほど、誘導可能幅を大きく設定する誘導可能幅設定手段と、
誘導可能幅が大きくなるほど、無人車両の目標速度が高くなるように、無人車両の目標速度を設定する目標速度設定手段と、
この設定された目標速度が得られるように、無人車両を目標走行コースに沿って誘導走行させる誘導走行制御手段とを備えたこと
を特徴とする無人車両の誘導走行制御装置。
【請求項3】
目標速度設定手段は、
無人車両の現在位置から、誘導可能境界線までの距離が大きくなるほど、無人車両の目標速度を増加させるとともに、無人車両の現在位置から、誘導可能境界線までの距離が小さくなるほど、無人車両の目標速度を減少させることで、無人車両の目標速度を設定するものであること
を特徴とする請求項2記載の無人車両の誘導走行制御装置。
【請求項4】
無人車両は、隣接する往復の車線を備えた走行路に沿って対面走行するものであって、
対面側車線の車両が無人車両に接近したことを判断する判断手段が備えられ、
誘導走行制御手段は、
対面側車線の車両が無人車両に接近した場合には、無人車両の目標速度を減少させること
を特徴とする請求項1または2または3に記載の無人車両の誘導走行制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−65808(P2008−65808A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−155142(P2007−155142)
【出願日】平成19年6月12日(2007.6.12)
【出願人】(000001236)株式会社小松製作所 (1,686)
【Fターム(参考)】