説明

無湿乾燥用ホッパー装置

【課題】成形材料の乾燥処理をドライエアーの温度を適切に維持しつつ効率よく短時間に行うことができる成形材料の無湿乾燥用ホッパー装置を提供する。
【解決手段】無湿乾燥用ホッパー装置1は、材料投入口4からの成形材料Mを本体2内において落下させる材料落下空間部5と、網状軸部6bと丸棒状軸部6cとを連結したスクリュー軸体6a及びスクリュー羽根13を具備し回転駆動される回転スクリュー体14と、この回転スクリュー体14を囲むスクリュー羽根包囲体15と、スクリュー羽根包囲体15内で成形材料Mと加熱したドライエアーとを向流接触させて成形材料Mの無湿乾燥を行う乾燥用スクリューホッパー部6と、成形材料Mの計量及び下方への放出を行う重量計量ホッパー部7と、外部からの圧縮エアーの作用下で網状軸部6bの上端側から成形材料Mの無湿乾燥に伴うエアー、水分、粉等を吸引し本体の外部に排出する吸引排出機構部8とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形材料の無湿乾燥用ホッパー装置に関し、詳しくは合成樹脂材の粉状物等からなる成形材料の成形処理前の無湿乾燥に好適な無湿乾燥用ホッパー装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、吸湿性の合成樹脂材からなる成形材料を使用して成形型により所望の成形品を成形すると、外観不良や物性低下を招くため、成形処理前に成形材料を乾燥させる処理が必須となる。
【0003】
成形処理前における成形材料の乾燥処理は、一般的に射出成形機の材料供給口に熱風乾燥機(ホッパードライヤー)、除湿乾燥機用乾燥ホッパー、又は除湿乾燥機で乾燥した成形材料を受けるホッパー等を設置して行われている。
【0004】
このうち、除湿乾燥機用乾燥ホッパーの場合、別途配置した除湿乾燥機からの−40℃の露点の乾燥加熱エアーの供給を受けて成形材料の乾燥を行うようにしているが、除湿乾燥機、除湿乾燥機用乾燥ホッパー間の距離が長いと、乾燥加熱エアーの温度が放熱により低下してしまい、成形材料の乾燥を的確に行うことが困難となる。
【0005】
特許文献1には、原料ホッパー17のシュート18内に少なくとも外周に通気部を有する傘状の原料分散板21を配置するとともに、中心の非通気部21aで原料をある程度分散させてから通気部21bで乾燥空気Dに接触させることにより乾燥効率を向上させ、原料分散板21の上方に設けた排気ダクト24により乾燥空気を排出するように構成した合成樹脂粉粒体の乾燥装置が提案されている。
【0006】
この特許文献1の乾燥装置の場合も、上述した場合と同様、乾燥空気供給ダクト23の配管距離が長いと乾燥空気の温度が放熱により低下してしまい、成形材料の乾燥を的確に行うことが困難となる。
【特許文献1】特開2002−160218号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする問題点は、成形処理前における成形材料の乾燥処理を乾燥空気(ドライエアー)の温度を適切に維持しつつ効率よく短時間に行うことができる乾燥手段が存在しない点である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の成形材料の無湿乾燥用ホッパー装置は、上端部に成形材料用の材料投入口を有する空洞状の本体と、前記材料投入口からの成形材料を下方に落下させる材料落下空間部と、前記材料落下空間部内に上端側を臨ませた網状軸部と丸棒状軸部とを上下配置に連結したスクリュー軸体と、このスクリュー軸体に取り付けたスクリュー羽根とを具備しスクリュー羽根包囲体により囲まれた回転スクリュー体を回転させ、前記材料落下空間部から落下する成形材料の下方への搬送を行いつつ前記成形材料と本体内に設けた加熱手段により加熱した外部からのドライエアーとをスクリュー羽根包囲体内で向流接触させて成形材料の無湿乾燥を行う乾燥用スクリューホッパー部と、前記乾燥用スクリューホッパー部の下部に連通され、搬送されてくる無湿乾燥済み成形材料の重量の計量、及び計量済みの成形材料の下方への放出を行う重量計量ホッパー部と、前記材料落下空間部の領域に配置されるとともに、前記乾燥用スクリューホッパー部における網状軸部の上端部に連通され、圧縮エアーの作用下で網状軸部の上端側から前記成形材料の無湿乾燥に伴うエアー、水分、粉等を吸引し本体の外部に排出する吸引排出機構部と、を有することを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の発明によれば、回転スクリュー体を回転させ、材料落下空間部から落下する成形材料の下方への搬送を行いつつ成形材料と本体内に設けた加熱手段により加熱したドライエアーとをスクリュー羽根包囲体内で向流接触させて成形材料の無湿乾燥を行うものであるから、成形材料にドライエアーを集中的に向流接触させ、成形材料の無湿乾燥を効率よく短時間に行うことができる成形材料の無湿乾燥用ホッパー装置を提供することができる。
【0010】
また、本体の下部に無湿乾燥済み成形材料の重量の計量、及び計量済みの成形材料の下方への放出を行う重量計量ホッパー部を備えているので、成形材料の無湿乾燥処理量の総量を的確に計量でき、装置自体の処理能力を確実に把握することができる。更に、本体の上部に成形材料、の無湿乾燥に伴うエアー、水分、粉等を吸引し外部に排出する吸引排出機構部を備えているので、無湿乾燥処理した成形材料の純度を高め、この成形材料を用いた成形品の品質を向上させることができる。
【0011】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様な効果を奏することに加えて、吸引排出機構部に間欠エアー供給部を付加しているので、網状軸部の網部分にエアーを吹き付けて目詰まりを防止することができ、これにより、この装置における水分を含むドライエアー等の吸引能力低下を防止することができる成形材料の無湿乾燥用ホッパー装置を提供することができる。
【0012】
請求項3記載の発明によれば、乾燥用スクリューホッパー部の加熱手段として筒状に形成したヒーターを用い、重量計量ホッパー部には開閉動するホッパーバケット及び成形材料の積算計量を行うロードセルを設け、吸引排出機構部には、ベンチュリー機構を含む圧縮エアー供給管及び排気管と、網状軸部の内部に挿入した間欠エアー供給管の孔から網状軸部の網部分に間欠的にエアーを吹き付ける間欠エアー供給部を移用した構成で、請求項2記載の発明と同様な効果を奏する成形材料の無湿乾燥用ホッパー装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は、成形処理前における成形材料の乾燥処理を乾燥空気(ドライエアー)の温度を適切に維持しつつ効率よく短時間に行うことができる成形材料の無湿乾燥用ホッパー装置を提供するという目的を、上端部に成形材料用の材料投入口を有する空洞状の本体と、前記材料投入口からの成形材料を本体内において分散、収集して下方に落下させる傘状分散体及び材料通過孔を設けた材料誘導体により区画される材料落下空間部と、前記材料落下空間部内に上端側を臨ませた網状軸部と丸棒状軸部とを上下配置に連結したスクリュー軸体と、このスクリュー軸体に取り付けたスクリュー羽根とを具備し回転駆動される回転スクリュー体と、この回転スクリュー体を囲むスクリュー羽根包囲体と、本体におけるスクリュー羽根包囲体の外側に配置した外部からのドライエアーを加熱する加熱手段と、外部からのドライエアーを加熱手段を経てスクリュー羽根包囲体の下端側に導くドライエアーの流路と、を有し、前記材料落下空間部から落下する成形材料を回転スクリュー体の回転により下方への搬送しつつ前記成形材料と前記加熱手段により加熱した外部からのドライエアーとをスクリュー羽根包囲体内で向流接触させて成形材料の無湿乾燥を行う乾燥用スクリューホッパー部と、前記乾燥用スクリューホッパー部の下部に配置した前記成形材料の流路を解放又は遮断するシャッター機構部と、シャッター機構部を経て流下する成形材料の収容及び本体下方への放出を行う開閉動するホッパーバケットと、このホッパーバケットに収容される成形材料の積算計量を行う計量手段と、を有する重量計量ホッパー部と、前記材料落下空間部の領域に本体を貫く状態で配置されるとともに、前記乾燥用スクリューホッパー部における網状軸部の上端部に連通したベンチュリー機構を含み、外部からの圧縮エアーの作用下でこの網状軸部の上端側から前記成形材料の無湿乾燥に伴うエアー、水分、粉等を吸引し本体の外部に排出する圧縮エアー供給管及び排気管と、前記網状軸部の網部分に間欠的にエアーを吹き付ける間欠エアー供給部と、を含む吸引排出機構部と、を有する構成により実現した。
【実施例】
【0014】
以下に、本発明の実施例に係る成形材料の無湿乾燥用ホッパー装置について図1を参照して詳細に説明する。
【0015】
本実施例に係る成形材料M(例えば合成樹脂材からなる成形材料)の無湿乾燥用ホッパー装置1は、全体として有底の略円筒状に形成した空洞状の本体2と、この本体2の上端部を閉塞するとともに中央部に材料投入口4を設けた上蓋3と、本体2内の上部に設けた材料投入口4からの成形材料Mを下方に落下させる材料落下空間部5と、本体2内の下部に設けた無湿乾燥済み成形材料Mの重量の計量、及び計量済みの成形材料Mの下方への放出を行う重量計量ホッパー部7と、前記材料落下空間部5内の中央部に、円筒状の網状軸部6bと丸棒状軸部6cとを上下配置に連結し、かつ、スクリュー羽根13付きのスクリュー軸体6aの上端側を臨ませ、前記重量計量ホッパー部7にスクリュー軸体6aの下端側を連通させた回転スクリュー体14を回転させ、材料落下空間部5から落下する成形材料Mの重量計量ホッパー部7への搬送を行いつつドライエアーの作用下で成形材料Mの無湿乾燥を行う乾燥用スクリューホッパー部6と、前記材料落下空間部5を水平方向に貫通する状態に配置されるとともに、中央部が前記乾燥用スクリューホッパー部6における円筒状の網状軸部6bの上端部に連通され、この網状軸部6bの上端側から成形材料Mの無湿乾燥に伴う空気、水分、粉等を吸引し本体2の外部側方に排出する吸引排出機構部8と、を有している。
【0016】
前記材料落下空間部5には、前記吸引排出機構部8の上側に配置されるとともに、傘状に形成されその最頂部11aを前記材料投入口4の近傍に、外周縁部11bを前記本体2の内壁近傍まで突出させた傘状分散体11と、前記吸引排出機構部8の下側に配置されるとともに逆円錐台形状に形成され、最大径の上端縁部12aを前記本体2の内壁に取り付け、最小径の下端部12bの中央に前記スクリュー軸体6aが隙間をもって貫通する孔径を有する材料通過孔12cを設けた材料誘導体12とを配置している。
本実施例に係る無湿乾燥用ホッパー装置1における前記傘状分散体11は、この傘状分散体11から成形材料Mを分散し、これを前記材料誘導体12に当てて成形材料Mからの粉を離して巻き上げるためのものであり、当該粉を離した後、前記網状軸部6bより吸引し排出させるように構成している。
【0017】
前記乾燥用スクリューホッパー部6は、上部側を円筒状の網状軸部6bとし、下部側を丸棒状軸部6cとし、これを真っすぐに連結して垂直配置で回転可能とした前記スクリュー軸体6aと、前記網状軸部6bの途中から前記丸棒状軸部6cの下端に至る範囲にわたってこのスクリュー軸体6aの回りに螺旋状に巻き付けた下部に至る程直径が漸減するスクリュー羽根13とからなる回転スクリュー体14と、この回転スクリュー体14の下端からスクリュー羽根13の存在する範囲にわたってスクリュー羽根13の外周近傍を包囲するように固定配置したスクリュー羽根13の形状に対応し下端が開口した逆円錐台形状のスクリュー羽根包囲体15と、スクリュー羽根包囲体15の上端と前記本体2の内壁との間に固定配置した前記材料通過孔12cから落下する成形材料Mをスクリュー羽根包囲体15の上端内部に誘導する内部ホッパー体16と、スクリュー羽根包囲体15の略外周全域を包囲するように本体2の内壁に取り付けた断熱材料からなる円筒状の断熱体17と、を有している。
【0018】
前記乾燥用スクリューホッパー部6は、更に、前記断熱体17の下端内部に固定配置した下部支持体18上で、かつ、断熱体17の内側に間隔をもって配置した加熱手段を構成する円筒状の外部ヒーター19と、前記スクリュー羽根包囲体15の上端近傍から垂直下方に、かつ、前記外部ヒーター19とは間隔を隔てつつその下端までは至らない範囲にわたって垂下した加熱手段を構成する円筒状の内部ヒーター20と、前記スクリュー羽根包囲体15の上端部分の近傍に相当する前記本体2の肉厚部分、断熱体17の肉厚部分を貫いて配置したドライエアー導入管26と、前記スクリュー羽根包囲体15の下端近傍位置においてこのスクリュー羽根包囲体15に穿設したドライエアー導入孔15aとを有している。
そして、ドライエアー導入管26からのドライエアー(詳細は後述する)を外部ヒーター19の上部から外部ヒーター19と内部ヒーター20との間の隙間21を通過させて加熱し、更に内部ヒーター20の下部から前記ドライエアー導入孔15aを経てスクリュー羽根包囲体15内に導き、スクリュー羽根13により下方に搬送される成形材料Mと、スクリュー羽根包囲体15内を上昇する加熱したドライエアーとを向流接触させるように構成している。
【0019】
前記ドライエアー導入管26には、本体2の外部に備えた除湿乾燥機24から−40℃乃至−45℃位の露点の除湿空気を供給するようになっている。
【0020】
また、ドライエアー導入管26には、ドライエアーの露点を検出し、検出した露点が適切でない場合に例えばブザー等を用いた警報装置25を駆動するための検出信号を出力する露点センサ22、及び、ドライエアーの風量を検出し、検出した風量が適切でない場合に前記警報装置25を駆動するための検出信号を出力する風量センサ23を取り付けている。
【0021】
前記重量計量ホッパー部7は、平坦な底板30aを備えた本体2を構成する下部支持体30を具備し、この下部支持体30の上端部に前記前記スクリュー羽根包囲体15の下端部からテーパー状の連通管31を経て落下してくる成形材料Mの流路を遮断又は解放するシャッター機構部32を設けている。
また、前記下部支持体30内において、前記シャッター機構部32の下側に、成形材料Mの重量を計量する重量計量用ホッパー40及びこの重量計量用ホッパー40の上面側を除く外周を囲み、下部側を下方に至るに従い小径となるテーパー状に形成し、下端中央部に設けた放出口50aを前記底板30aを貫いてこの底板30aの下端面に臨ませた放出用ホッパー50を設けている。
【0022】
前記シャッター機構部32は、下部支持体30の上部内壁部30bに前記連通管31を挟んで対向するように例えば電磁式のアクチェータ33、33を水平配置に取り付け、これらアクチェータ33、33により前記連通管31の下端近傍に臨ませたシャッター片34、34を水平方向に閉駆動又は開駆動することで、前記連通管31から重量計量用ホッパー40への成形材料Mの流路を閉じ又は開くようになっている。
【0023】
前記重量計量用ホッパー40は、前記シャッター機構部32の下側において下部支持体30に取り付けた環状体35に対して、例えば垂直方向中央部から2分割可能に構成した一対の対称形状の略半円筒状のホッパーバケット36、36の上端部分を開閉可能に支持し、両ホッパーバケット36、36を閉じた状態ではその内部に成形材料M用の収容空間を形成し、また、開いた状態では下方が開口して成形材料Mを前記放出用ホッパー50内に流下させ、更には前記放出口50aから外部に放出させるように構成している。両ホッパーバケット36、36の開閉方向を図1に矢印で示す。
【0024】
すなわち、前記ホッパーバケット36、36は、閉じた状態では上部が開口した略円筒状を呈するで、かつ、下部側を最下端が閉塞するテーパー形状を呈し、両ホッパーバケット36、36の相対向する上端部の中央部を各々前記環状体35により開閉可能に支持するようになっている。
【0025】
前記重量計量用ホッパー40は、更に両ホッパーバケット36、36内に落下する成形材料Mの重量を積算計量する計量手段であるロードセル37を前記ホッパーバケット36とともに変位するように配置している。
【0026】
前記吸引排出機構部8は、前記材料落下空間部5内を貫き本体2の外壁から側方に突出する直列配置の圧縮エアー用の圧縮エアー供給管51及び排気管52を具備している。圧縮エアー供給管51の前記排気管52の一端内部に嵌装した内方端部51aは先細状に形成され、また、排気管52の一端には空気等を吸引するベンチュリー機構を構成するテーパー状孔52aが設けられている。
【0027】
更に、前記ベンチュリー機構の領域は、前記乾燥用スクリューホッパー部6における円筒状の網状軸部6bの上端部に対して上部連通管53を介して連通している。上部連通管53は、網状軸部6bの回転を妨げない状態となるように配置している。
【0028】
前記吸引排出機構部8は、更に、間欠エアー供給部60を備えている。すなわち、前記本体2の外方からこの本体2の側壁を貫き、前記上部連通管53と網状軸部6bの連結部分で曲り、この網状軸部6bの内部を前記丸棒状軸部6cに到達する範囲まで間欠エアー供給管61を配置している。前記網状軸部6b内の間欠エアー供給管61には、多数の孔が設けられ、これらの孔から前記網状軸部6bの網部分に間欠的にエアーを吹き付けて網部分の目詰まりを無くすように構成している。
【0029】
前記圧縮エアー供給管51には、前記本体2の外部に備えた圧縮エアー供給源54(例えばエアーコンプレッサ)から圧縮エアーが供給されるようになっている。また、前記間欠エアー供給管61には、本体2の外部に備えた間欠エアー供給源62(例えばエアーコンプレッサ)からエアーが間欠的に供給されるようになっている。
【0030】
次に、図2をも参照して本実施例に係る成形材料の無湿乾燥用ホッパー装置1の制御系について説明する。
【0031】
本実施例に係る無湿乾燥用ホッパー装置1は、図2に示すように、この無湿乾燥用ホッパー装置1の動作プログラムを格納したプログラムメモリ71と、前記動作プログラムに基づき装置全体の制御を行う制御部70とを具備し、制御部70にこの無湿乾燥用ホッパー装置1の始動、停止等を行う操作部72、前記ロードセル37の計量値等を表示する表示部73を接続している。
【0032】
また、前記制御部70により、除湿乾燥機24、圧縮エアー供給源54、間欠エアー供給源62、前記回転スクリュー体14を回転駆動するモータ等を用いたスクリュー駆動源73、外部ヒーター19及び内部ヒーター20に所要の電力を供給する電源装置からなるヒーター加熱源74、前記ホッパーバケット36、36を開閉駆動するモータ等を用いたホッパー駆動源75の動作制御を各々行うように構成している。
更に、制御部70により前記露点センサ22、風量センサ23を制御し、これらの検出信号により警報装置25を鳴動させるとともに、前記ロードセル37の計量信号を基に前記表示部73にその計量値を表示する制御を行うように構成している。
【0033】
次に、本実施例の成形材料の無湿乾燥用ホッパー装置1の動作について説明する。本実施例に係る無湿乾燥用ホッパー装置1において、操作部72を操作して運転状態とし、前記スクリュー駆動源73により回転スクリュー体14を回転駆動する。
【0034】
また、前記除湿乾燥機24からドライエアー導入管26、前記外部ヒーター19と内部ヒーター20との間の隙間21、ドライエアー導入孔15aを経てスクリュー羽根包囲体15内にドライエアーを導入する。前記隙間21内を通過するドライエアーは、前記ヒーター加熱源74からの電力により発熱している外部ヒーター19及び内部ヒーター20により加熱される。
【0035】
この状態で、前記材料投入口4から成形材料Mを材料落下空間部5内に投入する。投入された成形材料Mは、傘状分散体11により一旦分散された後、材料誘導体12により中央に集められ、材料通過孔12cを経て前記乾燥用スクリューホッパー部6内に落下し、前記乾燥用スクリューホッパー部6内において回転駆動されている回転スクリュー体14により下方に搬送される。
【0036】
このとき、スクリュー羽根包囲体15内に導入され上昇する加熱状態のドライエアーが下方に搬送される成形材料Mと拡散状態ではなく集中的に向流接触し、これにより成形材料Mは効率よく短時間に除湿される。
この後、除湿された成形材料Mは、スクリュー羽根包囲体15の下端から前記シャッター機構部32に至り、このシャッター機構部32のアクチェータ33、33によりシャッター片34、34を適切なタイミングで開くことにより、除湿された成形材料Mは重量計量用ホッパー40内に落下する。
【0037】
このとき、前記ホッパーバケット36、36を閉状態として前記ロードセル37により成形材料Mの重量(何Kg等)を計量する。前記ロードセル37による成形材料Mの計量は、所要回数繰り返される成形材料Mの各計量値を順次積算するように行われ、前記ロードセル37の計量値は前記表示部73において可視的に表示されて、計量した総重量値を視覚にて判断できるようにしている。
【0038】
そして、適切なタイミングで、前記ホッパーバケット36、36を開状態とすることで、成形材料Mは前記放出用ホッパー50内に流下し、更には前記放出口50aから本体2の下方外部に放出される。
【0039】
一方、前記スクリュー羽根包囲体15内で成形材料Mと向流接触した前記ドライエアーは、除湿に伴う水分を包含しつつ前記スクリュー羽根包囲体15内を上昇するが、前記吸引排出機構部8における圧縮エアー供給管51及び排気管52により形成されるベンチュリー機構が前記網状軸部6bの上端部に対して上部連通管53を介して連通しているために、前記ドライエアーの吸引及び外部への排出機能を発揮し、水分を含むドライエアーや前記成形材料Mから飛散した細かな粉等が円筒状の網状軸部6b内に吸引され、更に前記ベンチュリー機構の領域を経て排気管52内を通り、本体2の側方に排出される。
【0040】
また、必要に応じて前記間欠エアー供給部60を動作させ、前記網状軸部6b内の間欠エアー供給管61から網状軸部6bの網部分に間欠的にエアーを吹き付けて網状軸部6bの網部分の目詰まりを防止する。
【0041】
このようにして、本実施例の無湿乾燥用ホッパー装置1による成形材料Mに対する一回分の無湿乾燥動作が実行され、このような動作が所要回数繰り返される。
【0042】
本実施例の無湿乾燥用ホッパー装置1によれば、前記乾燥用スクリューホッパー部6におけるスクリュー羽根包囲体15内に導入され上昇する加熱状態のドライエアーが、前記回転スクリュー体14のスクリュー羽根13により下方に搬送される成形材料Mと拡散状態ではなく集中的に向流接触するので、成形材料Mを効率よく短時間に除湿することができる。
【0043】
すなわち、例えば、除湿乾燥機24から加熱したドライエアーをスクリュー羽根包囲体15内に導入しても、途中で放熱により温度が下がってしまうが、本実施例の無湿乾燥用ホッパー装置1によれば、前記乾燥用スクリューホッパー部6に除湿空気加熱用の外部ヒーター19及び内部ヒーター20を設けているので、成形材料Mの除湿乾燥時のドライエアーの温度を適切に維持でき、成形材料Mを効率よく短時間に無湿乾燥することができ、この無湿乾燥用ホッパー装置1の消費電力削減を実現できる。
【0044】
また、本実施例の無湿乾燥用ホッパー装置1によれば、前記重量計量用ホッパー40に備えたロードセル37により成形機計量時と連動でワンショットの成形材料Mの投入量(無湿乾燥処理量)の総量を計量することが、この無湿乾燥用ホッパー装置1の処理能力を的確に把握できる。すなわち、成形機による成形材料Mの計量はボリューム計量で実際何Kg使用したかは製品重量×ショット数の値でしか把握できないのに比べ、本実施例に係る無湿乾燥用ホッパー装置1によるロードセル37を用いた計量手法の利点は大である。
【0045】
更に、本実施例の無湿乾燥用ホッパー装置1によれば、前記吸引排出機構部8により無湿乾燥処理に供した水分を含むドライエアーや前記成形材料Mから飛散した細かな粉等を確実に吸引除去できるので、無湿乾燥処理した成形材料Mの純度を高め、この成形材料Mを用いた成形品の品質を向上させることができる。
【0046】
更に、前記間欠エアー供給部60の動作により前記網状軸部6b内の間欠エアー供給管61から網状軸部6bの網部分にエアーを吹き付けて目詰まりを防止するので、網状軸部6bにおける網部分の水分を含むドライエアーや前記成形材料Mから飛散した細かな粉等に対する吸引能力低下を防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、上述した成形材料の無湿乾燥に適用する他、例えば、穀物粉の無湿乾燥等に幅広く適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施例に係る成形材料の無湿乾燥用ホッパー装置の構成を示す概略断面図である。
【図2】本実施例に係る成形材料の無湿乾燥用ホッパー装置の制御系を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0049】
1 無湿乾燥用ホッパー装置
2 本体
3 上蓋
4 材料投入口
5 材料落下空間部
6 乾燥用スクリューホッパー部
6a スクリュー軸体
6b 網状軸部
6c 丸棒状軸部
7 重量計量ホッパー部
8 吸引排出機構部
11 傘状分散体
11a 最頂部
11b 外周縁部
12 材料誘導体
12a 上端縁部
12b 下端部
12c 材料通過孔
13 スクリュー羽根
14 回転スクリュー体
15 スクリュー羽根包囲体
15a ドライエアー導入孔
16 内部ホッパー体
17 断熱体
18 下部支持体
19 外部ヒーター
20 内部ヒーター
21 隙間
22 露点センサ
23 風量センサ
24 除湿乾燥機
25 警報装置
26 ドライエアー導入管
30 下部支持体
30a 底板
30b 上部内壁部
31 連通管
32 シャッター機構部
33 アクチェータ
34 シャッター片
35 環状体
36 ホッパーバケット
37 ロードセル
40 重量計量用ホッパー
50 放出用ホッパー
50a 放出口
51 圧縮エアー供給管
51a 内方端部
52 排気管
52a テーパー状孔
53 上部連通管
54 圧縮エアー供給源
60 間欠エアー供給部
61 間欠エアー供給管
62 間欠エアー供給源
70 制御部
71 プログラムメモリ
72 操作部
73 スクリュー駆動源
73 表示部
74 ヒーター加熱源
75 ホッパー駆動源
M 成形材料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端部に成形材料用の材料投入口を有する空洞状の本体と、
前記材料投入口からの成形材料を下方に落下させる材料落下空間部と、
前記材料落下空間部内に上端側を臨ませた網状軸部と丸棒状軸部とを上下配置に連結したスクリュー軸体と、このスクリュー軸体に取り付けたスクリュー羽根とを具備しスクリュー羽根包囲体により囲まれた回転スクリュー体を回転させて、前記材料落下空間部から落下する成形材料の下方への搬送を行いつつ前記成形材料と本体内に設けた加熱手段により加熱した外部からのドライエアーとをスクリュー羽根包囲体内で向流接触させて成形材料の無湿乾燥を行う乾燥用スクリューホッパー部と、
前記乾燥用スクリューホッパー部の下部に連通されて、搬送されてくる無湿乾燥済み成形材料の重量の計量、及び計量済みの成形材料の下方への放出を行う重量計量ホッパー部と、
前記材料落下空間部の領域に配置されるとともに、前記乾燥用スクリューホッパー部における網状軸部の上端部に連通されて、圧縮エアーの作用下で、網状軸部の上端側から前記成形材料の無湿乾燥に伴うエアー、水分、粉等を吸引し本体の外部に排出する吸引排出機構部と、
を有することを特徴とする成形材料の無湿乾燥用ホッパー装置。
【請求項2】
上端部に成形材料用の材料投入口を有する空洞状の本体と、
前記材料投入口からの成形材料を本体内において分散、収集して下方に落下させる傘状分散体及び材料通過孔を設けた材料誘導体により区画される材料落下空間部と、
前記材料落下空間部内に上端側を臨ませた網状軸部と丸棒状軸部とを上下配置に連結したスクリュー軸体と、このスクリュー軸体に取り付けたスクリュー羽根とを具備し回転駆動される回転スクリュー体と、この回転スクリュー体を囲むスクリュー羽根包囲体と、本体におけるスクリュー羽根包囲体の外側に配置した外部からのドライエアーを加熱する加熱手段と、外部からのドライエアーを加熱手段を経てスクリュー羽根包囲体の下端側に導くドライエアーの流路と、を有し、前記材料落下空間部から落下する成形材料を回転スクリュー体の回転により下方への搬送しつつ前記成形材料と前記加熱手段により加熱した外部からのドライエアーとをスクリュー羽根包囲体内で向流接触させて成形材料の無湿乾燥を行う乾燥用スクリューホッパー部と、
前記乾燥用スクリューホッパー部の下部に配置した前記成形材料の流路を解放又は遮断するシャッター機構部と、シャッター機構部を経て流下する成形材料の収容及び本体下方への放出を行う開閉動するホッパーバケットと、ホッパーバケットに収容される成形材料の積算計量を行う計量手段と、を有する重量計量ホッパー部と
前記材料落下空間部の領域に本体を貫く状態で配置されるとともに、前記乾燥用スクリューホッパー部における網状軸部の上端部に連通したベンチュリー機構を含み、外部からの圧縮エアーの作用下で、この網状軸部の上端側から前記成形材料の無湿乾燥に伴うエアー、水分、粉等を吸引し本体の外部に排出する圧縮エアー供給管及び排気管と、前記網状軸部の網部分に間欠的にエアーを吹き付ける間欠エアー供給部と、を含む吸引排出機構部と、
を有することを特徴とする成形材料の無湿乾燥用ホッパー装置。
【請求項3】
上端部に成形材料用の材料投入口を有する空洞状の本体と、
前記材料投入口からの成形材料を本体内において分散、収集して下方に落下させる傘状分散体及び材料通過孔を設けた材料誘導体により区画される材料落下空間部と、
前記材料落下空間部内に上端側を臨ませた網状軸部と丸棒状軸部とを上下配置に連結したスクリュー軸体と、このスクリュー軸体に取り付けたスクリュー羽根とを具備し回転駆動される回転スクリュー体と、この回転スクリュー体を囲むスクリュー羽根包囲体と、本体におけるスクリュー羽根包囲体の外側に配置した外部からのドライエアーを加熱する筒状に形成したヒーターと、外部からのドライエアーをヒーターを経てスクリュー羽根包囲体の下端側に導くドライエアーの流路と、を有し、前記材料落下空間部から落下する成形材料を回転スクリュー体の回転により下方への搬送しつつ前記成形材料と前記ヒーターにより加熱した外部からのドライエアーとをスクリュー羽根包囲体内で向流接触させて成形材料の無湿乾燥を行う乾燥用スクリューホッパー部と、
前記乾燥用スクリューホッパー部の下部に配置した前記成形材料の流路を解放又は遮断するシャッター機構部と、シャッター機構部を経て流下する成形材料の収容及び本体下方への放出を行う開閉動するホッパーバケットと、ホッパーバケットに収容される成形材料の積算計量を行うロードセルと、を有する重量計量ホッパー部と
前記材料落下空間部の領域に本体を貫く状態で配置されるとともに、前記乾燥用スクリューホッパー部における網状軸部の上端部に連通したベンチュリー機構を含み、外部からの圧縮エアーの作用下で、この網状軸部の上端側から前記成形材料の無湿乾燥に伴うエアー、水分、粉等を吸引し本体の外部に排出する圧縮エアー供給管及び排気管と、前記網状軸部内に内部に挿入した間欠エアー供給管の孔から網状軸部の網部分に間欠的にエアーを吹き付ける間欠エアー供給部と、を含む吸引排出機構部と、
を有することを特徴とする成形材料の無湿乾燥用ホッパー装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−105270(P2008−105270A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−290281(P2006−290281)
【出願日】平成18年10月25日(2006.10.25)
【出願人】(501431350)株式会社シスコ (12)
【Fターム(参考)】