説明

無端状環状体および画像形成装置

【課題】繰り返し使用による位置検知の精度の低下を抑制する。
【解決手段】少なくとも樹脂および導電性粒子を含有する無端状環状体本体1を有し、無端状環状体本体1側から順に、無端状環状体本体1の位置を検知するための位置検知用膜3と、第1の接着層5と、位置検知用膜3を密閉し且つ第1の接着層5側の面に第1の接着層5と直に接する第2の接着層6を有する透明膜7と、を無端状環状体本体1の外周面上の一部に有する画像形成装置用の無端状環状体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無端状環状体および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置においては、像保持体上に形成されたトナー像を、記録媒体搬送用環状体によって搬送された記録媒体に直接転写するか、または一旦中間転写用環状体に転写しその後記録媒体に転写して画像を記録する方法がある。
【0003】
これら記録媒体搬送用環状体や中間転写用環状体の位置を検知する方法として、種々の方法が提案されている。
例えば、中間転写体の両端部に中間転写体基準位置検出用のスリットを設ける方法(例えば特許文献1参照)や、ベルト上に設けられた位置情報検知用の被検出部材(マーク)と装置本体側に設けられた検出部材によりベルトの位置情報を検知する手段を備えた画像形成装置において、あらかじめ被検出部材(マーク)が設けられたシート状部材を前記ベルト上に取り付ける方法(例えば特許文献2参照)等が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平05−158314号公報
【特許文献2】特開平07−295392号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、無端状環状体本体側から順に、位置検知用膜と、第1の接着層と、第1の接着層側の面に該第1の接着層と直に接する第2の接着層を有する透明膜と、を有しない場合に比べ、繰り返し使用による位置検知の精度の低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題は、以下の本発明によって達成される。
即ち、請求項1に係る発明は、
少なくとも樹脂および導電性粒子を含有する無端状環状体本体を有し、
該無端状環状体本体側から順に、前記無端状環状体本体の位置を検知するための位置検知用膜と、第1の接着層と、前記位置検知用膜を密閉し且つ前記第1の接着層側の面に該第1の接着層と直に接する第2の接着層を有する透明膜と、を前記無端状環状体本体の外周面上の一部に有する画像形成装置用の無端状環状体である。
【0007】
請求項2に係る発明は、
前記位置検知用膜の前記無端状環状体本体側の面が、該無端状環状体本体に接着していない請求項1に記載の画像形成装置用の無端状環状体である。
【0008】
請求項3に係る発明は、
前記第1の接着層が予め前記位置検知用膜上に形成され、その後前記位置検知用膜の前記第1の接着層が形成された側の面と前記透明膜の前記第2の接着層を有する側の面とを貼り合わせることで、前記位置検知用膜、第1の接着層および透明膜が積層された請求項1または請求項2に記載の画像形成装置用の無端状環状体である。
【0009】
請求項4に係る発明は、
像保持体と、
該像保持体を帯電させる帯電装置と、
帯電された前記像保持体表面を露光して静電潜像を形成する潜像形成装置と、
前記静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、
請求項1に記載の無端状環状体を用いてなる中間転写用環状体と、
前記像保持体上の前記トナー像を前記中間転写用環状体表面に転写する一次転写装置と、
前記中間転写用環状体に転写された前記トナー像を記録媒体に転写する二次転写装置と、
前記中間転写用環状体における前記位置検知用膜の位置を検知する検知装置と、
を備える画像形成装置である。
【0010】
請求項5に係る発明は、
像保持体と、
該像保持体を帯電させる帯電装置と、
帯電された前記像保持体表面を露光して静電潜像を形成する潜像形成装置と、
前記静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、
請求項1に記載の無端状環状体を用いてなる記録媒体搬送用環状体と、
前記像保持体上の前記トナー像を前記記録媒体搬送用環状体によって搬送された記録媒体に転写する転写装置と、
前記記録媒体搬送用環状体における前記位置検知用膜の位置を検知する検知装置と、
を備える画像形成装置である。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明によれば、無端状環状体本体側から順に、位置検知用膜と、第1の接着層と、第1の接着層側の面に該第1の接着層と直に接する第2の接着層を有する透明膜と、を有しない場合に比べ、繰り返し使用による位置検知の精度の低下が抑制される。
【0012】
請求項2に係る発明によれば、位置検知用膜の無端状環状体本体側の面が該無端状環状体本体に接着している場合に比べ、繰り返し使用による位置検知の精度の低下が抑制される。
【0013】
請求項3に係る発明によれば、第1の接着層が予め位置検知用膜上に形成され、その後位置検知用膜の第1の接着層が形成された側の面と透明膜の第2の接着層を有する側の面とを貼り合わせることで、位置検知用膜、第1の接着層および透明膜が積層されていない場合に比べ、繰り返し使用による位置検知の精度の低下が抑制される。
【0014】
請求項4に係る発明によれば、無端状環状体において、無端状環状体本体側から順に、位置検知用膜と、第1の接着層と、第1の接着層側の面に該第1の接着層と直に接する第2の接着層を有する透明膜と、を有しない場合に比べ、繰り返し使用による中間転写用環状体の位置検知の精度の低下が抑制される。
【0015】
請求項5に係る発明によれば、無端状環状体において、無端状環状体本体側から順に、位置検知用膜と、第1の接着層と、第1の接着層側の面に該第1の接着層と直に接する第2の接着層を有する透明膜と、を有しない場合に比べ、繰り返し使用による記録媒体搬送用環状体の位置検知の精度の低下が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施形態に係る環状体の位置検知用膜を有する箇所における断面図である。
【図2】本実施形態の別の例に係る環状体の位置検知用膜を有する箇所における断面図である。
【図3】回転塗布法(フロー塗布法)により環状体本体を製造する装置を示す概略構成図である。
【図4】本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
【図5】本実施形態に係る画像形成装置において検知装置(位置検知センサー)を有する部分を拡大して示す概略構成図である。
【図6】比較例にて製造した環状体の位置検知用膜を有する箇所における断面図である。
【図7】比較例にて製造した環状体の位置検知用膜を有する箇所における断面図である。
【図8】比較例にて製造した環状体の位置検知用膜を有する箇所における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0018】
<無端状環状体>
本実施形態に係る画像形成装置用の無端状環状体(以下単に「環状体」と称す)は、少なくとも樹脂および導電性粒子を含有する無端状環状体本体(以下単に「環状体本体」と称す)を有し、該環状体本体側から順に、前記環状体本体の位置を検知するための位置検知用膜と、第1の接着層と、前記位置検知用膜を密閉し且つ前記第1の接着層側の面に該第1の接着層と直に接する第2の接着層を有する透明膜と、を前記環状体本体の外周面上の一部に有する。
【0019】
環状体に位置検知用膜を設ける場合、該位置検知用膜とそれを密閉して保護する透明膜との接着は、該透明膜が有する接着層の接着力のみにより行なわれていた。しかし、この環状体では、長期にわたり画像形成を繰り返すと、位置検知用膜と透明膜との界面にトナーが入り込んで位置検知用膜の表面が汚れるため、検知不良が発生していた。
また、位置検知用膜として片面に離型剤処理が施されたものもあり、この離型剤処理が施された面と透明膜との接着の際に、接着強度を高めるため予め位置検知用膜の上記離型剤を除去した後に透明膜を貼り付ける方法もあるが、この環状体の場合にも、長期にわたり画像形成を繰り返すと、位置検知用膜と透明膜との界面にトナーが入り込んで位置検知用膜の表面が汚れるため、検知不良が発生していた。
【0020】
これに対し本実施形態に係る環状体では、位置検知用膜と透明膜との間に更に前記第1の接着層がもう1層設けられることで、接着力が十分に発揮されるため、長期にわたって画像形成を繰り返しても透明膜と位置検知用膜との界面へのトナーの入り込みが抑制され、位置検知用膜の検知される側の表面(環状体本体とは反対側の表面)の汚れが抑制されて、その結果繰り返し使用による位置検知の精度の低下が抑制される。
【0021】
また本実施形態に係る環状体では、前記位置検知用膜の環状体本体側の面が、該環状体本体に接着していない態様であることが好ましい。
位置検知用膜と環状体本体とが接着していないため、長期にわたって画像形成を繰り返すことにより透明膜と環状体本体との間にトナーの入り込みが発生した場合であっても、そのトナーは、第1の接着層と第2の接着層とによって強力に接着された「位置検知用膜と透明膜との界面」に入り込のではなく、接着されていない「位置検知用膜と環状体本体との界面」に入り込むものと推察される。そのため、位置検知用膜の検知される側の表面の汚れが抑制され、その結果繰り返し使用による位置検知の精度の低下が抑制される。
【0022】
尚、従来において、環状体に位置検知用膜と該位置検知用膜を密閉して保護する透明膜とを設ける場合、片面に接着層を備えた位置検知用膜の該接着層側の面を環状体本体に貼り付け、ついで片面に接着層を備えた透明膜を前記位置検知用膜を覆い密閉するようにして環状体本体に貼り付ける手法により行なわれていた。
これに対し、位置検知用膜と環状体本体とが接着していない態様の前記環状体は、片面に接着層を備えた位置検知用膜の該接着層側の面を、片面に接着層を備えた透明膜の該接着層側の面に貼り付け、ついでその位置検知用膜が貼り付けられた透明膜の接着層側の面(位置検知用膜が貼り付けられた側の面)を環状体本体に貼り付ける手法により行ない得る。即ち、従来の環状体の製造方法に対し位置検知用膜の面の向きを反転させるだけで製造し得る態様であり、工程数を増やすことなく容易に製造し得る。
【0023】
即ち、本実施形態に係る環状体では、前記第1の接着層が予め前記位置検知用膜上に形成され、その後前記位置検知用膜の前記第1の接着層が形成された側の面と前記透明膜の前記第2の接着層を有する側の面とを貼り合わせることで、前記位置検知用膜、第1の接着層および透明膜が積層された態様であることが好ましい。
【0024】
〔環状体の態様〕
尚、本実施形態に係る環状体の態様としては、特に限定されるものではないが、例えば以下の二通りが挙げられる。
・第1の態様 : 図1に示すごとく、環状体本体1、環状体本体1と位置検知用膜3とを接着する第3の接着層2、位置検知用膜3、第1の接着層5、第2の接着層6、および、透明膜7がこの順に積層された態様である。尚、第1の接着層5は、図1に示すごとく、プライマー層4を介して位置検知用膜3表面に備えられていてもよい。
・第2の態様 : 図2に示すごとく、環状体本体1、位置検知用膜3、第1の接着層5、第2の接着層6、および、透明膜7がこの順に積層された態様である。即ち、位置検知用膜3と環状体本体1とが接着していない態様である。また、図示していないが第1の接着層5は、プライマー層を介して位置検知用膜3表面に備えられていてもよい。
【0025】
尚、図1は、第1の態様に係る環状体において位置検知用膜3を有する箇所における断面図を表し、図2は、第2の態様に係る環状体において位置検知用膜3が形成された箇所における断面図を表す。図1および図2においては、左右方向が環状体における軸方向を、奥および手前方向が環状体における周方向を表す。
【0026】
ここで、本実施形態に係る環状体において位置検知用膜3が設けられる位置としては、特に該環状体を画像形成装置における中間転写用環状体や記録媒体搬送用環状体等として用いる場合であれば、環状体本体1の軸方向(図1や図2においては左右方向)の端部に形成することが好ましい。より具体的には、中間転写用環状体として用いる環状体であれば、像保持体からトナー像が転写されない領域(端部)に位置検知用膜3を有することが好ましい。また、記録媒体搬送用環状体として用いる環状体であれば、記録媒体を保持しない領域(端部)に位置検知用膜3を有することが好ましい。
但し、本実施形態に係る環状体はこれに限定されるものではなく、用途によって上記端部以外の位置に設けてもよい。
【0027】
また、本実施形態に係る環状体において位置検知用膜3を設ける箇所の数は、環状体の周方向(回転駆動方向)に1箇所であってもよいし、複数の箇所に設けてもよい。
【0028】
〔環状体の製造方法〕
・第1の態様
前記第1の態様に係る環状体であれば、まず、位置検知用膜3の片面に第3の接着層2を形成する(この際予め第3の接着層2を備えた位置検知用膜3(位置検知用シール)を用いてもよい)。この位置検知用膜3の該第3の接着層2側の面を環状体本体1の軸方向端部に貼り付け、ついで位置検知用膜3の前記第3の接着層2とは反対側の面に接着剤を付与して第1の接着層5を形成する。尚、第1の接着層5の形成は、先にプライマーを付与してプライマー層4を設けた後に行なってもよい。その後、透明膜7の片面に第2の接着層6を形成する(この際予め第2の接着層6を備えた透明膜7を用いてもよい)。この透明膜7の第2の接着層6側の面を、前記位置検知用膜3を覆い密閉するようにして環状体本体1に貼り付け、環状体が作製される。
【0029】
・第2の態様
次いで第2の態様に係る環状体であれば、まず、位置検知用膜3の片面に第1の接着層5を形成する(この際予め第1の接着層5を備えた位置検知用膜3(位置検知用シール)を用いてもよい)。また、透明膜7の片面に第2の接着層6を形成する(この際予め第2の接着層6を備えた透明膜7を用いてもよい)。上記位置検知用膜3の第1の接着層5側の面を、上記透明膜7の第2の接着層6側の面に貼り付け、ついでその位置検知用膜3が貼り付けられた透明膜7の第2の接着層6側の面(位置検知用膜3が貼り付けられた側の面)を、前記位置検知用膜3を覆い密閉するようにして環状体本体1の軸方向端部に貼り付け、環状体が作製される。
【0030】
〔位置検知用膜〕
位置検知用膜としては、例えば、画像形成装置に備えられる検知装置(位置検知用センサー)から発せられる光を反射して、その反射光を該位置検知用センサーに読み込ませる位置検知方式に適用する、反射膜が挙げられる。
上記反射膜の材質としては、環状体本体と光学特性(光の反射特性等)が異なる材質が用いられ、例えば、金属を蒸着した膜等が挙げられる。上記金属としては、アルミニウム、ステンレス、銅等が挙げられる。
【0031】
尚、前記第1の態様における「第3の接着層2を備えた位置検知用膜3(位置検知用シール)」や、第2の態様における「第1の接着層5を備えた位置検知用膜3(位置検知用シール)」等として、予め接着層を備えた位置検知用膜を用いてもよく、例えば市販品として、日東電工社製リビックテープNo.401等が挙げられる。
【0032】
〔第1の接着層〕
次いで、第1の接着層5に適用される接着剤について説明する。尚、以下に示す接着剤は、前述の第3の接着層2(環状体本体1と位置検知用膜3とを接着する接着層)や第2の接着層6の接着剤として適用してもよい。
【0033】
接着剤としては、公知のアクリル系、ポリエーテル系、シリコーン系、ゴム系等の接着剤が、特に制限されることなく用いられる。
特に好ましい接着剤としては、セメダイン社製スーパーX No.8008が挙げられる。
【0034】
また、前記第2の態様における「第1の接着層5を備えた位置検知用膜3(位置検知用シール)」として予め接着層を備えた位置検知用膜を用いる場合には、前述の市販品等が用いられる。
【0035】
〔プライマー層〕
また、前記第1の接着層5は、プライマー層4を介して位置検知用膜3上に形成してもよい。プライマー層4に用いられるプライマー(下塗り剤)は、被着材(位置検知用膜3)の表面の接着性を改善するために塗布する素材である。
位置検知用膜3の材質や第1の接着層5の材質により適用するプライマーの種類は異なるが、従来公知のもの、例えばポリウレタン系、アクリル系、ポリエステル系、シリコーン系、ゴム系等のプライマーが用いられる。
【0036】
〔透明膜〕
透明膜7は、位置検知用膜3を密閉して保護する役割を担う。
透明膜7の材質としては、例えば、ポリエステル、ポリエチレン、PET樹脂、ポリプロピレン、ポリカーボネート等が挙げられ、これらの中でも特に、ポリエステルが好ましい。
【0037】
尚、前記第1および第2の態様における「第2の接着層6を備えた透明膜7」として、予め接着層を備えた透明膜を用いてもよく、例えば市販品として、日東電工社製No.31B等が挙げられる。
【0038】
〔第2の接着層〕
第2の接着層6に適用される接着剤としては、前記第1の接着層5の接着剤として列挙されたものが適用される。
尚、前記第1および第2の態様における「第2の接着層6を備えた透明膜7」として、予め接着層を備えた透明膜を用いる場合には、前述の市販品等が用いられる。
【0039】
〔環状体本体〕
・樹脂
環状体本体には、少なくとも樹脂が用いられる。樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリイミド樹脂、およびポリアミドイミド樹脂等、特に限定されることなく画像形成装置の環状体として用いられる樹脂であれば使用し得る。これらの中でも、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂が最も適している。尚、上記樹脂は単独で用いても混合して用いてもよい。
【0040】
・導電性粒子
環状体本体には、導電性(即ち体積抵抗率が10Ω・cm以上1014Ω・cm以下の範囲内)を付与する観点から、導電性粒子が含有される。
上記導電性粒子としては、例えばカーボンブラック、イオン導電性樹脂、および導電性高分子材料等が挙げられ、特にカーボンブラックが好適に用いられる。上記カーボンブラックとしては、例えばオイルファーネスブラック、チャンネルブラック、およびアセチレンブラック等が挙げられ、中でもチャンネルブラックが特に好ましい。尚、上記導電材料は単独で用いても混合して用いてもよい。
【0041】
・その他の添加剤
上記環状体本体には、上記のほかにも酸化防止剤や界面活性剤等、画像形成装置の環状体に用いられる各種の添加剤を用いてもよい。
【0042】
・環状体本体の製造方法
環状体本体1を製造する方法について、図3に示す回転塗布法(フロー塗布法)により行なう方法を一例に挙げて説明する。
回転塗布法では、環状体本体の長さに対応した外径を有する円筒成形管111を用意する。円筒成形管111外周面に沿った位置に、環状体本体形成用の塗布液(前記樹脂と前記導電性粒子とを少なくとも含有する塗布液)116を円筒成形管111外周面上に吐出するためのノズル115を配し、ノズル115は配管を通じて塗布液容器114に接続されており、さらに塗布液容器114は配管を通じて加圧装置117に接続している。また、ノズル115の下方には、吐出された塗布液116を円筒成形管111外周面上において押し付けるためのブレード118が配置されている。
【0043】
円筒成形管111を円筒成形管回転方向(矢印D)の向きに回転し、ノズル115から塗布液116を円筒成形管111外周面上に吐出し、ブレード118で円筒成形管111外周面上に均す。ノズル115とブレード118は、ノズルおよびブレード移動方向(矢印E)に移動し、塗布液116が円筒成形管111外周面上に塗布される。なお、塗布液116は加圧装置117によりノズル115から吐出するように調節されている。これにより、円筒成形管111外周面上に塗布液116の塗膜が形成される。
【0044】
次いで、塗布液116の塗膜を加熱乾燥して環状体本体を成形した後、冷却して円筒成形管111から剥離し定められた幅で切断することで環状体本体が得られる。
例えば、塗布液(樹脂溶液)116の樹脂材料としてポリイミド前駆体を用いる場合には、円筒成形管111外周面上に塗布液116塗膜を形成した後、80℃以上170℃以下で乾燥することにより溶媒を除去し(乾燥工程)、さらに250℃以上350℃以下に加熱することでイミド転化(焼成工程)させてポリイミド樹脂膜を形成する。
【0045】
こうして得られる環状体本体の厚みとしては、特に画像形成装置の記録媒体搬送用環状体や中間転写用環状体として用いる場合であれば、50μm以上150μm以下であることが好ましい。
また、環状体本体には、内周表面側や外周表面側に、表面保護層や抵抗調整層等の他の層を設けてもよい。
【0046】
<画像形成装置>
次いで、画像形成装置について説明する。
前述の本実施形態に係る環状体は、特に画像形成装置において中間転写用環状体や記録媒体搬送用環状体として好適に用いられる。
【0047】
ここで、前記環状体を中間転写用環状体として適用した画像形成装置としては、像保持体と、該像保持体を帯電させる帯電装置と、帯電された前記像保持体表面を露光して静電潜像を形成する潜像形成装置と、前記静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、前述の本実施形態に係る環状体を用いてなる中間転写用環状体と、前記像保持体上の前記トナー像を前記中間転写用環状体表面に転写する一次転写装置と、前記中間転写用環状体に転写された前記トナー像を記録媒体に転写する二次転写装置と、前記中間転写用環状体における前記位置検知用膜の位置を検知する検知装置と、を備える画像形成装置が挙げられる。
【0048】
また、前記環状体を記録媒体搬送用環状体として適用した画像形成装置としては、像保持体と、該像保持体を帯電させる帯電装置と、帯電された前記像保持体表面を露光して静電潜像を形成する潜像形成装置と、前記静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、前述の本実施形態に係る環状体を用いてなる記録媒体搬送用環状体と、前記像保持体上の前記トナー像を前記記録媒体搬送用環状体によって搬送された記録媒体に転写する転写装置と、前記記録媒体搬送用環状体における前記位置検知用膜の位置を検知する検知装置と、を備える画像形成装置が挙げられる。
【0049】
次いで、本実施形態に係る画像形成装置に関し、図を用いて説明する。
図4は多色の画像を形成し得る画像形成装置の概略構成を示す図である。同図において、感光体ドラム(像保持体)11は矢線A方向への回転に伴い、その表面に帯電装置12および図示外の露光装置(図中露光ビームを符号13で示す)などの周知の電子写真プロセスによって画像情報に応じた静電潜像が形成される。また、この感光体ドラム11には、ブラック(Bk)現像器14、イエロー(Y)現像器15、マゼンタ(M)現像器16、シアン(C)現像器17を具備したロータリー状の現像器が配置されている。感光体ドラム11に形成された静電潜像を、各色毎に現像し中間転写用環状体(中間転写ベルト)20へと転写される。これを各色毎に繰り返し、中間転写用環状体上で多色画像を形成する。
【0050】
また、感光体ドラム11の表面に接触して配置された中間転写用環状体(中間転写ベルト)20は、複数(本態様では4つ)のロール21乃至24に張架されて環状体張架装置を形成し、矢線B方向へ回転駆動し得るよう配置されている。ここで、本態様では、符号21は中間転写ベルト20の駆動ロール、22は従動ロール、23は中間転写ベルト20の張力を一定に制御する張架ロール、24は二次転写用の対向ロールである。本態様では、上記中間転写ベルト20として、前述の本実施形態に係る環状体が適用されている。
【0051】
また、中間転写ベルト20の感光体ドラム11に対向する部位(一次転写位置)において、中間転写ベルト20の裏面側には一次転写装置(本態様では一次転写ロール)18が配設され、この一次転写ロール18にトナーの帯電極性と逆極性の電圧を印加することで、感光体ドラム11上のトナー像Tが中間転写ベルト20に静電吸引される。
【0052】
また、記録媒体としての用紙Pの搬送経路に面した中間転写ベルト20の二次転写位置には二次転写装置40が配設されており、本態様では、中間転写ベルト20のトナー像保持面(外周面)側に接触配置される二次転写ロール25と、中間転写ベルト20の内周面側に配置されて二次転写ロール25の対向電極をなす対向ロール24とを備えている。そして、本態様では、二次転写ロール25が接地されており、また、対向ロール24にはトナーの帯電極性と同極性のバイアスが給電ロール26を介して印加されている。尚、二次転写ロール25には例えばウレタンゴムからなるクリーニングブレード28が付設されている。
【0053】
本態様においては、上記対向ロール24として、例えば、金属芯材の外周に発泡弾性体層と導電層とをこの順に被覆してなる2層構成のEPDMが用い得る。外側の導電層はカーボンブラックを分散した半導電性のEPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)発泡ゴムで構成されている。また、二次転写ロール25は芯金とこの芯金の周囲に固着されたカーボンブラック分散発泡EPDM材料からなるコア層にスキン層を介してカーボンブラック分散のフッ素樹脂系材料でコーティングして構成されている。
【0054】
更に、二次転写装置40の下流側には、中間転写ベルト20上の残留トナーを除去するベルトクリーナ(クリーニングスクレーパ)41が設けられている。
そして、中間転写ベルト20の二次転写装置40の下流側で且つクリーニングスクレーパ41の上流側には、中間転写ベルト20における位置検知用膜の位置を検知するための検知装置(位置検知センサー)42が中間転写ベルト20の外周面(トナー像保持面)側に対向配置されている。
【0055】
また、本態様において用紙搬送系は、用紙収納部50からの用紙Pを送出ロール51で送出し、位置合せロール52で一旦位置決め停止させた後に定められたタイミングで二次転写位置へと用紙Pを送り込み、二次転写後の用紙Pを図示しない用紙搬送ガイドを介して搬送ベルト53へと導き、この搬送ベルト53にて定着器54へと搬送する。
【0056】
〔検知装置〕
ここで、検知装置(位置検知センサー)42について図を用いて説明する。
図5に示される中間転写ベルト20では、外周面側の画像が形成されない非画像領域であって、軸方向端部に位置検知用膜3が設けられている。尚、図5では位置検知用膜3のみを示し、第1の接着層5、透明膜7等は省略している。
【0057】
中間転写ベルト20が回転するのに伴い位置検知用膜3が移動し、移動する位置検知用膜3と対向するように、この位置検知用膜3の通過を検知する検知装置(位置検知センサー)42が設けられている。この検知装置42としては、例えば中間転写ベルト20に光を発してその反射光を読み込み、位置検知用膜3が設けられている部分と設けられていない部分との反射の差により位置を検知する方式が挙げられ、具体的には、受光素子であって、レーザー光やLED光等を照射し位置検知用膜3から反射される光と位置検知用膜3が無い部分から反射される光の反射光量の違いにより、位置検知用膜3の通過を検知して回転する中間転写ベルト20の位置を検知する装置が適用される。
【0058】
そして、この検知装置42によって検知された検知データに基づいて、図示しない制御部が、図4に示すトナー像Tの転写タイミングを制御して、トナー画像が正確に重ね合わされるよう制御されている。
【0059】
次に、本態様に係る画像形成装置の作像プロセスについて説明する。
図示しないスタートスイッチがオン操作されると作像プロセスが実行される。具体的には、感光体ドラム11に書き込まれた静電潜像が例えばイエローの画像情報に対応したものであれば、この静電潜像はイエロー(Y)のトナーを内包する現像器15で現像され、感光体ドラム11上にはイエローのトナー像Tが形成される。そして、感光体ドラム11上に形成された未定着トナー像Tは、感光体ドラム11と中間転写ベルト20とが接する一次転写位置で感光体ドラム11から中間転写ベルト20の表面に転写される。
【0060】
このとき、単色画像を形成する場合には、中間転写ベルト20に一次転写されたトナー像Tを用紙Pに二次転写するのであるが、複数色のトナー像を重ね合わせたカラー画像を形成する場合には、感光体ドラム11上でのトナー像の形成並びにこのトナー像Tの一次転写の工程が色数分だけ繰り返される。例えば4色のトナー像を重ね合わせた多色画像を形成する場合には、感光体ドラム11上にはその一回転毎にブラック、イエロー、マゼンタおよびシアンのトナー像Tが形成され、これらトナー像Tは順次中間転写ベルト20に一次転写される。一方、中間転写ベルト20は最初に一次転写されたブラックのトナー像Tを保持したまま感光体ドラム11と同周期で回転駆動し、中間転写ベルト20上にはその一回転毎にイエロー、マゼンタおよびシアンのトナー像Tが転写される。
【0061】
こうして中間転写ベルト20に一次転写されたトナー像Tは、中間転写ベルト20の回転駆動に伴って二次転写位置へと搬送される。一方、用紙Pは位置合せロール52にて定められたタイミングで二次転写位置へと供給され、対向ロール24に対して二次転写ロール25が用紙Pをニップする。すると、二次転写位置では、二次転写装置40である二次転写ロール25と対向ロール24とで挟まれる領域(ニップ領域)に形成される転写電界の作用で、中間転写ベルト20に保持されたトナー像Tが二次転写位置において用紙Pに静電転写される。この後、二次転写された用紙Pは搬送ベルト53を経て定着器54へと搬送され、用紙P上のトナー像Tが定着される。
【0062】
尚、検知装置42によって検知された中間転写ベルト20の位置検知データに基づいて、未定着トナー像Tの中間転写ベルト20への転写タイミングが制御され、トナー画像が正確に重ね合わされるよう制御されている。
【実施例】
【0063】
以下、実施例および比較例を用いて本発明について説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0064】
〔実施例1〕
(環状体の作製)
図1に示す、環状体本体1、環状体本体1と位置検知用膜3とを接着する第3の接着層2、位置検知用膜3、プライマー層4、第1の接着層5、第2の接着層6、および、透明膜7がこの順に積層された環状体を、以下のようにして作製した。
【0065】
尚、環状体を構成する各部材は以下の通りである。
・環状体本体1:カーボンブラックが分散されたポリイミド樹脂製のベルト
(φ168mm、幅364.8mm)
・第3の接着層2を備えた位置検知用膜3
:日東電工社製の商品名リビックテープNo.401
・プライマー層4:東レ・ダウコーニング社製の商品名プライマーC
・第1の接着層5:セメダイン社製の商品名スーパーX No.8008
・第2の接着層6を備えた透明膜7:日東電工社製の商品名No.31
【0066】
まず、片面に第3の接着層2を備えた位置検知用膜3の該第3の接着層2側の面を環状体本体1の軸方向端部に貼り付け、ついで位置検知用膜3の前記第3の接着層2とは反対側の面にプライマーおよび接着剤をこの順に付与してプライマー層4、第1の接着層5を形成した。その後、片面に第2の接着層6を備えた透明膜7の該第2の接着層6側の面を、前記位置検知用膜3を覆い密閉するようにして環状体本体1に貼り付け、環状体を作製した。
【0067】
〔実施例2〕
(環状体の作製)
図2に示す、環状体本体1、位置検知用膜3、第1の接着層5、第2の接着層6、および、透明膜7がこの順に積層された、位置検知用膜3と環状体本体1とが接着していない態様の環状体を、以下のようにして作製した。
【0068】
尚、環状体を構成する各部材は以下の通りである。
・環状体本体1:実施例1にて用いたもの
・第1の接着層5を備えた位置検知用膜3
:実施例1にて「第3の接着層2を備えた位置検知用膜3」として用いたもの
・第2の接着層6を備えた透明膜7:実施例1にて用いたもの
【0069】
まず、片面に第1の接着層5を備えた位置検知用膜3の該第1の接着層5側の面を、片面に第2の接着層6を備えた透明膜7の該第2の接着層6側の面に貼り付け、ついでその位置検知用膜3が貼り付けられた透明膜7の第2の接着層6側の面(位置検知用膜3が貼り付けられた側の面)を、前記位置検知用膜3を覆い密閉するようにして環状体本体1の軸方向端部に貼り付け、環状体を作製した。
【0070】
〔比較例1〕
(環状体の作製)
図6に示す、環状体本体101、環状体本体101と位置検知用膜103Aとを接着する第3の接着層102、位置検知用膜103A、第2の接着層106、および、透明膜107がこの順に積層された環状体を、以下のようにして作製した。
【0071】
尚、環状体を構成する各部材は以下の通りである。
・環状体本体101:実施例1にて用いたもの
・第3の接着層102を備えた位置検知用膜103A:実施例1にて用いたもの
・第2の接着層106を備えた透明膜107:実施例1にて用いたもの
【0072】
まず、片面に第3の接着層102を備えた位置検知用膜103Aの該第3の接着層102側の面を環状体本体101の軸方向端部に貼り付け、ついで片面に第2の接着層106を備えた透明膜107の該第2の接着層106側の面を、前記位置検知用膜103Aを覆い密閉するようにして環状体本体101に貼り付け、環状体を作製した。
【0073】
〔比較例2〕
(環状体の作製)
図7に示す、環状体本体101、環状体本体101と位置検知用膜103Bとを接着する第3の接着層102、位置検知用膜103B、第2の接着層106、および、透明膜107がこの順に積層された環状体を、以下のようにして作製した。
【0074】
尚、環状体を構成する各部材は以下の通りである。
・環状体本体101:実施例1にて用いたもの
・第3の接着層102を備えた位置検知用膜103B:実施例1にて用いた位置検知用膜の第3の接着層102を備えた側と反対側の面の離型剤を除去する処理を施したもの
・第2の接着層106を備えた透明膜107:実施例1にて用いたもの
【0075】
まず、片面に第3の接着層102を備えた位置検知用膜103Bの該第3の接着層102側の面を環状体本体101の軸方向端部に貼り付け、ついで片面に第2の接着層106を備えた透明膜107の該第2の接着層106側の面を、前記位置検知用膜103Bを覆い密閉するようにして環状体本体101に貼り付け、環状体を作製した。
【0076】
〔比較例3〕
(環状体の作製)
図8に示す、環状体本体101、環状体本体101と位置検知用膜103Aとを接着する第3の接着層102、および、位置検知用膜103Aがこの順に積層された環状体を、以下のようにして作製した。
【0077】
尚、環状体を構成する各部材は以下の通りである。
・環状体本体101:実施例1にて用いたもの
・第3の接着層102を備えた位置検知用膜103A:実施例1にて用いたもの
【0078】
片面に第3の接着層102を備えた位置検知用膜103Aの該第3の接着層102側の面を環状体本体101の軸方向端部に貼り付け、環状体を作製した。
【0079】
<評価試験>
1つの像保持体(感光体)と中間転写用環状体とを備え、該像保持体上にトナー画像を形成して中間転写用環状体に転写することをシアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y),ブラック(Bk)の4色分繰り返して中間転写用環状体上にカラーの画像を形成する方式(いわゆる4サイクル方式)の画像形成装置として、DocuColor1257(富士ゼロックス社製)の、位置検知用センサーの光の出力を電圧制御により調整し得るよう改造した装置に、前記実施例および比較例にて得た環状体を中間転写用環状体として設置し、A3用紙(J紙、富士ゼロックス社製)を用いて、2万枚の画像形成(プリント)を行ない、以下の評価をした。
【0080】
−トナー入り込み評価−
2万枚プリント後の環状体の位置検知用膜における外周側表面(位置検知用センサーの光を反射する面)を目視により観察し、トナーによる汚れの発生を評価した。評価基準は以下の通りである。
○:汚れの発生なし
×:トナーが位置検知用膜と透明膜との間に入り込むことにより汚れ発生
【0081】
−位置検知精度評価−
2万枚プリントの初期と2万枚プリント後とにおける、中間転写用環状体の位置検知の精度を評価した。評価基準は以下の通りである。
○:検知良好(即ち検知光が正常に反射し、センサーにて正しく読み取れている状態)
×:検知不良(即ち検知光が正常には反射せず、センサーにて正しく読み取れていない状態)
【0082】
【表1】

【符号の説明】
【0083】
1,101 環状体本体
2,102 第3の接着層
3,103A,103B 位置検知用膜
4 プライマー層
5 第1の接着層
6,106 第2の接着層
7,107 透明膜
11 感光体ドラム
12 帯電装置
13 露光ビーム
14,15,16,17 現像器
18 一次転写ロール
20 中間転写ベルト
21 駆動ロール
22 従動ロール
23 張架ロール
24 対向ロール
25 二次転写ロール
26 給電ロール
28 クリーニングブレード
40 二次転写装置
41 クリーニングスクレーパ
42 検知装置(位置検知センサー)
50 用紙収納部
51 送出ロール
52 位置合せロール
53 搬送ベルト
54 定着器
111 円筒成形管
114 塗布液容器
115 ノズル
116 塗布液
117 加圧装置
118 ブレード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも樹脂および導電性粒子を含有する無端状環状体本体を有し、
該無端状環状体本体側から順に、前記無端状環状体本体の位置を検知するための位置検知用膜と、第1の接着層と、前記位置検知用膜を密閉し且つ前記第1の接着層側の面に該第1の接着層と直に接する第2の接着層を有する透明膜と、を前記無端状環状体本体の外周面上の一部に有する画像形成装置用の無端状環状体。
【請求項2】
前記位置検知用膜の前記無端状環状体本体側の面が、該無端状環状体本体に接着していない請求項1に記載の画像形成装置用の無端状環状体。
【請求項3】
前記第1の接着層が予め前記位置検知用膜上に形成され、その後前記位置検知用膜の前記第1の接着層が形成された側の面と前記透明膜の前記第2の接着層を有する側の面とを貼り合わせることで、前記位置検知用膜、第1の接着層および透明膜が積層された請求項1または請求項2に記載の画像形成装置用の無端状環状体。
【請求項4】
像保持体と、
該像保持体を帯電させる帯電装置と、
帯電された前記像保持体表面を露光して静電潜像を形成する潜像形成装置と、
前記静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、
請求項1に記載の無端状環状体を用いてなる中間転写用環状体と、
前記像保持体上の前記トナー像を前記中間転写用環状体表面に転写する一次転写装置と、
前記中間転写用環状体に転写された前記トナー像を記録媒体に転写する二次転写装置と、
前記中間転写用環状体における前記位置検知用膜の位置を検知する検知装置と、
を備える画像形成装置。
【請求項5】
像保持体と、
該像保持体を帯電させる帯電装置と、
帯電された前記像保持体表面を露光して静電潜像を形成する潜像形成装置と、
前記静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置と、
請求項1に記載の無端状環状体を用いてなる記録媒体搬送用環状体と、
前記像保持体上の前記トナー像を前記記録媒体搬送用環状体によって搬送された記録媒体に転写する転写装置と、
前記記録媒体搬送用環状体における前記位置検知用膜の位置を検知する検知装置と、
を備える画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−203031(P2012−203031A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−64674(P2011−64674)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】