説明

無線中継装置およびその通信インタフェース選択方法

【課題】通信を中断させることなく、さらに有利な通信インタフェース部への切り替えを行うことができる無線中継装置および通信インタフェース選択方法を提供する。
【解決手段】WAN側通信部で通信中の通信インタフェース部のトラヒックを監視し、一定時間トラヒックを検出しないときに、通信中の通信インタフェース部より有利な通信インタフェース部があればそれを起動し、その通信インタフェース部が基地局を検出したときに、通信中の通信インタフェース部のトラヒックが検出されないことを再度確認してから当該有利な通信インタフェース部に切り替える制御を中継処理手段に対して行う送受信監視手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定のアクセスネットワーク(例えば無線LAN)に接続可能な無線端末(例えば無線LAN端末)を、無線インタフェースの異なる様々な種類のアクセスネットワークに接続する無線中継装置およびその通信インタフェース選択方法に関する。
【0002】
ここで、様々な種類のアクセスネットワークとしては、例えば無線LAN、第3世代および第3.5 世代の携帯電話(以下「3G/3.5G携帯電話」という)、WiMAX(Worldwide interoperability for microwave access)などを想定している。また、3G/3.5G携帯電話規格とは、例えばHSDPA(High speed downlink packet access)、WCDMA(Wide band code division multiple access)、EDGE(Enhanced data rates for GSM evolution)などである。
【背景技術】
【0003】
ノートパソコンや携帯通信機器やゲーム機器などのデジタルデバイスが普及し、市場を拡大している。これらのデバイスは、通信インタフェースとして無線LANを搭載しているため、これを介してインターネットに接続するとともに、各デバイスにWebブラウザ等を実装してインターネット上のサービスを利用することが可能になっている。
【0004】
一方、ブロードバンドアクセスの普及から、日本の家庭ではFTTHやADSL等の広帯域回線が一般に利用されており、また家庭内のネットワークで無線LANの普及も進んでいる。したがって、上記デバイスのユーザが在宅中の場合は、デバイスのインターネット接続機能を十分に発揮できる環境にあると考えられる。
【0005】
ところが、上記デバイスを外出先でインターネットに接続するには、公衆無線LANスポットを利用する方法があるが、このようなスポット状のサービスエリアでは、ユーザが使いたいときに、いつでも使えるわけではない。そのため、外出先では上記デバイスのインターネット接続機能を十分に発揮することができず、ユーザの利便性が大きく損なわれる状況にある。
【0006】
そこで、外出先において公衆無線LANスポットのエリア外では、広範囲な無線サービスを提供する3G/3.5G携帯電話やWiMAX等のサービスを利用することにより、この問題を解決する手法が考えられる。すなわち、無線LANに接続できるデジタルデバイスと3G/3.5G携帯電話やWiMAXとの間の通信を中継する無線中継装置を利用し、無線中継装置とデジタルデバイスとの間は無線LANで通信し、無線中継装置と3G/3.5G携帯電話基地局やWiMAX基地局との間はそれぞれの通信方式により通信することにより、デジタルデバイスはいつでもどこでもインターネットに接続することができる。また、公衆無線LANスポットの高速なインターネットサービスを併せて利用すると、ユーザの利便性が向上する。そのためには、複数の無線インタフェースに対応する無線中継装置が必要であり、かつ、これは可搬性のために小型である必要がある。
【0007】
図1は、従来の無線中継装置の構成例を示す(特許文献1)。
図1において、無線中継装置1は、外部のネットワークとの無線通信に用いるWAN側通信部10と、無線LAN端末19との無線通信に用いるLAN側通信部11とを備える。無線中継装置1は、WAN側通信部10とLAN側通信部11との間のデータの転送を行う中継機能部5と、中継機能部5を介してWAN側通信部10の複数の通信インタフェース部の1つを選択するインタフェース選択部8を備える。さらに無線中継装置1は、一定時間の経過をインタフェース選択部8に通知するタイマ部9と、無線中継装置1が動作する電源を供給するバッテリ部6とを備える。
【0008】
WAN側通信部10は、無線LANインタフェース部2、3G/3.5G携帯電話インタフェース部3、WiMAXインタフェース部4を備える。
【0009】
LAN側通信部11は、無線LANインタフェース部7を備える。なお、LAN側通信部11は、複数の通信インタフェース部を備えてもよい。例えば、LAN側通信部11は、Bluetooth(登録商標) 規格により通信する無線通信インタフェース部や、ZigBee(登録商標) 規格により通信する通信インタフェース部などを備えてもよい。
【0010】
中継機能部5は、WAN側通信部10とLAN側通信部11の無線通信方式が互いに異なる場合に、各々の無線通信規格に応じてデータ形式を変換する。
【0011】
ここで、無線中継装置1のWAN側通信部10は、無線中継装置1の置かれている状況によって異なる動作をする。すなわち、無線中継装置1が無線LAN基地局13のサービスエリアに位置する場合、無線LANインタフェース部2が無線LAN基地局13と接続して通信する。また、無線中継装置1が3G/3.5G携帯電話基地局15のサービスエリアに位置する場合、3G/3.5G携帯電話インタフェース部3が3G/3.5G携帯電話基地局15と接続して通信する。また、無線中継装置1がWiMAX基地局17のサービスエリアに位置する場合、WiMAXインタフェース部4がWiMAX基地局17と接続して通信する。
【0012】
無線中継装置1のLAN側通信部11は、無線LANインタフェース部7を介して無線LAN端末19と接続して通信する。なお、WAN側通信部10において、複数の通信インタフェース部がそれぞれの基地局と接続できる場合、インタフェース選択部8は、WAN側通信部10の無線LANインタフェース部2、3G/3.5G携帯電話インタフェース部3、WiMAXインタフェース部4の1つを選択する。
【0013】
図2は、従来の無線中継装置の通信インタフェース部の選択処理手順を示す。ここに示す処理手順は、消費電力の小さい通信インタフェース部を選択するためのものであるが、通信インタフェース部の選択処理は当該方法に限らず、いろいろな方法がある。
【0014】
(1) インタフェースの選択
まず、ユーザの操作により無線中継装置1が起動すると、インタフェース選択部8はLAN側通信部11を起動する。LAN側通信部11に備えられる無線LANインタフェース部7は、動作を開始して無線LAN端末19のアクセス信号を受信すると、インタフェース選択部に対してその旨を通知する。
【0015】
次に、無線LAN端末19の接続通知を受けたインタフェース選択部8は、中継機能部5を介してWAN側通信部10を起動し、基地局の探索を開始させる。これにより、WAN側通信部10の無線LANインタフェース部2、3G/3.5G携帯電話インタフェース部3、WiMAXインタフェース部4は、それぞれ基地局の探索を行い、探索の結果をインタフェース選択部8に出力する(S1)。インタフェース選択部8は、1または2以上の通信インタフェース部が基地局を検出したか否かを判定する(S2)。1つの通信インタフェース部が基地局を検出した場合にはその通信インタフェース部を選択し、2つ以上の通信インタフェース部がそれぞれ基地局を検出した場合には、インタフェース選択部8に予め記憶している通信インタフェース部の通信規格ごとの消費電力値に従い、消費電力が最小の通信インタフェース部を選択する(S3)。ここで、通信規格ごとの消費電力値は、小さい順に無線LAN、WiMAX、3G/3.5G携帯電話となっている。また、いずれの通信インタフェース部も基地局を検出できない場合(S2;No) 、インタフェース選択部8は、ステップS1,S2の動作を繰り返す。
【0016】
(2) インタフェースの切替
ステップS3で選択した通信インタフェース部を介して中継処理を開始すると(S4)、タイマ部9はカウントを開始し、一定時間が経過すると、インタフェース選択部8に一定時間が経過したことを通知する(S5;Yes)。インタフェース選択部8は、中継機能部5を介してWAN側通信部10を起動する。これにより、WAN側通信部10の無線LANインタフェース部2、3G/3.5G携帯電話インタフェース部3、WiMAXインタフェース部4は、それぞれ基地局の探索を行う。以後、ステップS1以降の動作を繰り返す。ここで、無線中継装置の移動等により、前回と異なる通信インタフェース部の基地局が検出および選択されれば、当該基地局へのハンドオーバが行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開2010−021878号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
従来の無線中継装置では、WAN側で複数の基地局が検出される場合に、例えば消費電力が最小の通信インタフェース部が選択される。また、一定時間ごとにWAN側通信部10を起動して基地局を探索するシーケンスでは、その間に通信に使用していない通信インタフェース部を休止させることにより、省電力化が可能になっている。
【0019】
ところで、例えば3G/3.5G携帯電話に接続している無線中継装置が、3G/3.5G携帯電話のサービスエリア内に点在している無線LANスポットに移動しても、一定時間が経過するまでWAN側通信部10で基地局の探索を行わないため、ただちに無線LAN接続に切り替えることができない。
【0020】
一方、3G/3.5G携帯電話で通信中に、一定時間が経過して基地局の探索が行われ、3G/3.5G携帯電話と無線LANの両方の基地局が検出されれば、上記アルゴリズムに従って例えば消費電力が小さい無線LANへの切り替えが行われる。これにより、無線LANによる高速通信と無線中継装置の消費電力の低減が可能になる。しかし、WAN側通信部10は一定時間ごとに基地局探索を行うため、通信中の3G/3.5G携帯電話は中断し、無線LANへの切り替え、あるいは3G/3.5G携帯電話への再接続が行われる。このように中継しているトラヒックの有無に関わりなく基地局の探索が定期的に行われる方式では、その都度、例えば3G/3.5G携帯電話でのデータ通信が中止になることがあり、不都合であった。
【0021】
本発明は、通信を中断させることなく、さらに有利な通信インタフェース部への切り替えを行うことができる無線中継装置および通信インタフェース選択方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
第1の発明は、無線端末に無線接続する少なくとも1つの通信インタフェース部を有するLAN側通信部と、複数のネットワークの基地局にそれぞれ無線接続する複数の通信インタフェース部を有するWAN側通信部と、WAN側通信部の複数の通信インタフェース部を起動してそれぞれ接続可能な基地局を探索し、1つの通信インタフェース部が基地局を検出した場合にはその通信インタフェース部を選択し、2以上の通信インタフェース部がそれぞれ基地局を検出した場合には、所定の基準でその中の1つの通信インタフェース部を選択し、選択した通信インタフェース部とLAN側通信部とを接続して無線端末と当該通信インタフェース部に対応するネットワークとの中継処理を行う中継処理手段とを備えた無線中継装置において、WAN側通信部で通信中の通信インタフェース部のトラヒックを監視し、一定時間トラヒックを検出しないときに、通信中の通信インタフェース部より有利な通信インタフェース部があればそれを起動し、その通信インタフェース部が基地局を検出したときに、通信中の通信インタフェース部のトラヒックが検出されないことを再度確認してから当該有利な通信インタフェース部に切り替える制御を中継処理手段に対して行う送受信監視手段を備える。
【0023】
第2の発明は、無線端末に無線接続する少なくとも1つの通信インタフェース部を有するLAN側通信部と、複数のネットワークの基地局にそれぞれ無線接続する複数の通信インタフェース部を有するWAN側通信部と、WAN側通信部の複数の通信インタフェース部を起動してそれぞれ接続可能な基地局を探索し、1つの通信インタフェース部が基地局を検出した場合にはその通信インタフェース部を選択し、2以上の通信インタフェース部がそれぞれ基地局を検出した場合には、所定の基準でその中の1つの通信インタフェース部を選択し、選択した通信インタフェース部とLAN側通信部とを接続して無線端末と当該通信インタフェース部に対応するネットワークとの中継処理を行う中継処理手段とを備えた無線中継装置において、通信中の通信インタフェース部より有利な通信インタフェース部に接続可能な基地局をバックグラウンドで探索し、WAN側通信部で通信中の通信インタフェース部のトラヒックを監視し、一定時間トラヒックを検出せず、かつ当該有利な通信インタフェース部が基地局を検出したときに、当該有利な通信インタフェース部に切り替える制御を中継処理手段に対して行う送受信監視手段を備える。
【0024】
第1または第2の発明の無線中継装置において、中継処理手段は、WAN側通信部の複数の通信インタフェース部を起動し、2以上の通信インタフェース部がそれぞれ基地局を検出した場合には、所定の基準として消費電力が最小、または通信速度が最大、またはユーザが定める優先度が最大の通信インタフェース部を選択する構成としてもよい。
【0025】
第1または第2の発明の無線中継装置において、送受信監視手段は、WAN側通信部で通信中の通信インタフェース部で一定時間トラヒックを検出しないときに、通信中の通信インタフェース部より消費電力が小さい通信インタフェース部が基地局を検出したときに、当該消費電力が小さい通信インタフェース部に切り替える構成としてもよい。
【0026】
第1または第2の発明の無線中継装置において、送受信監視手段は、WAN側通信部で通信中の通信インタフェース部で一定時間トラヒックを検出しないときに、通信中の通信インタフェース部より通信速度が速い通信インタフェース部を検出したときに、当該通信速度が速い通信インタフェース部に切り替える構成としてもよい。
【0027】
第1または第2の発明の無線中継装置において、送受信監視手段は、WAN側通信部で通信中の通信インタフェース部で一定時間トラヒックを検出しないときに、通信中の通信インタフェース部よりユーザが定める優先度が高い通信インタフェース部が基地局を検出したときに、当該優先度が高い通信インタフェース部に切り替える構成としてもよい。
【0028】
第1または第2の発明の無線中継装置において、送受信監視手段は、WAN側通信部で通信中の通信インタフェース部でトラヒックがある間、あるいはトラヒックなしと判断されるまでの一定時間は、他の通信インタフェース部を休止状態に設定する構成としてもよい。
【0029】
第1または第2の発明の無線中継装置において、送受信監視手段は、通信中の通信インタフェース部のトラヒックを一定時間検出しないときに、当該通信インタフェース部の他の所定の通信インタフェース部を起動する前に、LAN側通信部に接続される無線端末の有無を監視し、無線端末の接続がなければ当該通信インタフェース部を起動しない構成としてもよい。
【0030】
第3の発明は、LAN側通信部が、無線端末に無線接続する少なくとも1つの通信インタフェース部を有し、WAN側通信部が、複数のネットワークの基地局にそれぞれ無線接続する複数の通信インタフェース部を有し、中継処理手段が、WAN側通信部の複数の通信インタフェース部を起動してそれぞれ接続可能な基地局を探索し、1つの通信インタフェース部が基地局を検出した場合にはその通信インタフェース部を選択し、2以上の通信インタフェース部がそれぞれ基地局を検出した場合には、所定の基準でその中の1つの通信インタフェース部を選択し、選択した通信インタフェース部とLAN側通信部とを接続して無線端末と当該通信インタフェース部に対応するネットワークとの中継処理を行う無線中継装置の通信インタフェース選択方法において、WAN側通信部で通信中の通信インタフェース部のトラヒックを監視する送受信監視手段を備え、送受信監視手段が一定時間トラヒックを検出しないときに、当該通信インタフェース部より有利な通信インタフェース部があればそれを起動し、その通信インタフェース部が基地局を検出したときに、通信中の通信インタフェース部のトラヒックが検出されないことを再度確認してから当該有利な通信インタフェース部に切り替える制御を行うことを特徴とする。
【0031】
第4の発明は、LAN側通信部が、無線端末に無線接続する少なくとも1つの通信インタフェース部を有し、WAN側通信部が、複数のネットワークの基地局にそれぞれ無線接続する複数の通信インタフェース部を有し、中継処理手段が、WAN側通信部の複数の通信インタフェース部を起動してそれぞれ接続可能な基地局を探索し、1つの通信インタフェース部が基地局を検出した場合にはその通信インタフェース部を選択し、2以上の通信インタフェース部がそれぞれ基地局を検出した場合には、所定の基準でその中の1つの通信インタフェース部を選択し、選択した通信インタフェース部とLAN側通信部とを接続して無線端末と当該通信インタフェース部に対応するネットワークとの中継処理を行う無線中継装置の通信インタフェース選択方法において、WAN側通信部で通信中の通信インタフェース部のトラヒックを監視する送受信監視手段を備え、送受信監視手段は、通信中の通信インタフェース部より有利な通信インタフェース部に接続可能な基地局をバックグラウンドで探索し、WAN側通信部で通信中の通信インタフェース部のトラヒックを監視し、一定時間トラヒックを検出せず、かつバックグラウンドで動作中の通信インタフェース部が基地局を検出したときに、当該有利な通信インタフェース部に切り替える制御を行うことを特徴とする。
【0032】
第3または第4の発明の無線中継装置の通信インタフェース選択方法において、中継処理手段は、WAN側通信部の複数の通信インタフェース部を起動し、2以上の通信インタフェース部がそれぞれ基地局を検出した場合には、所定の基準としてその中の消費電力が最小、または通信速度が最大、またはユーザが定める優先度が最大の通信インタフェース部を選択するとしてもよい。
【0033】
第3または第4の発明の無線中継装置の通信インタフェース選択方法において、送受信監視手段は、WAN側通信部で通信中の通信インタフェース部で一定時間トラヒックを検出しないときに、通信中の通信インタフェース部より消費電力が小さい通信インタフェース部が基地局を検出したときに、当該消費電力が小さい通信インタフェース部に切り替えるとしてもよい。
【0034】
第3または第4の発明の無線中継装置の通信インタフェース選択方法において、送受信監視手段は、WAN側通信部で通信中の通信インタフェース部で一定時間トラヒックを検出しないときに、通信中の通信インタフェース部より通信速度が速い通信インタフェース部を検出したときに、当該通信速度が速い通信インタフェース部に切り替えるとしてもよい。
【0035】
第3または第4の発明の無線中継装置の通信インタフェース選択方法において、送受信監視手段は、WAN側通信部で通信中の通信インタフェース部で一定時間トラヒックを検出しないときに、通信中の通信インタフェース部よりユーザが定める優先度が高い通信インタフェース部が基地局を検出したときに、当該優先度が高い通信インタフェース部に切り替えるとしてもよい。
【0036】
第3または第4の発明の無線中継装置の通信インタフェース選択方法において、送受信監視手段は、WAN側通信部で通信中の通信インタフェース部でトラヒックがある間、あるいはトラヒックなしと判断されるまでの一定時間は、他の通信インタフェース部を休止状態に設定するとしてもよい。
【0037】
第3または第4の発明の無線中継装置の通信インタフェース選択方法において、送受信監視手段は、通信中の通信インタフェース部のトラヒックを一定時間検出しないときに、当該通信インタフェース部の他の所定の通信インタフェース部を起動する前に、LAN側通信部に接続される無線端末の有無を監視し、無線端末の接続がなければ当該通信インタフェース部を起動しない制御を行うとしてもよい。
【発明の効果】
【0038】
本発明は、選択したWAN側通信部の通信インタフェース部で中継中のトラヒックが一定時間途切れたときに、例えば通信中の通信インタフェース部より消費電力の小さい、あるいは通信速度が速い、あるいは優先度が高い通信インタフェース部の基地局を探索し、当該通信インタフェース部の基地局が検出できれば、その時点で中継中のトラヒックがないことを確認して当該通信インタフェース部に切り替える。すなわち、より有利な通信インタフェース部の基地局を探索中に、中継中のトラヒックが再開していれば、通信インタフェース部の切り替えは行わない。これにより、中継中の通信を中断させることなく、より有利な通信インタフェース部への切り替えを行うことができる。
【0039】
また、本発明は、通信中のトラヒックがある間、あるいはトラヒックなしと判断されるまでの一定時間は、WAN側通信部の他の通信インタフェース部を休止状態に設定することにより、無線中継装置における省電力化を実現することができる。
【0040】
また、本発明は、LAN側通信部に無線端末が接続されていない状態では、より有利な通信インタフェース部の探索処理を起動しないように設定することにより、通信インタフェース部の無駄な稼働を回避して無線中継装置における省電力化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】従来の無線中継装置の構成例を示す図である。
【図2】従来の無線中継装置の通信インタフェース部の選択処理手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明の無線中継装置の実施例1の構成例を示す図である。
【図4】本発明の無線中継装置の実施例1における通信インタフェース部の選択処理手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の無線中継装置の実施例2の構成例を示す図である。
【図6】本発明の無線中継装置の実施例3における通信インタフェース部の選択処理手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明の無線中継装置の実施例3における動作例を示す図である。
【図8】本発明の無線中継装置の実施例4における通信インタフェース部の選択処理手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明の無線中継装置の実施例4における動作例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0042】
図3は、本発明の無線中継装置の実施例1の構成例を示す。
図3において、無線中継装置1を構成するWAN側通信部10、LAN側通信部11、中継機能部5、インタフェース選択部8、バッテリ部6と、WAN側通信部10を構成する無線LANインタフェース部2、3G/3.5G携帯電話インタフェース部3、WiMAXインタフェース部4と、LAN側通信部11を構成する無線LANインタフェース部7は、図1に示す従来構成と同様の機能を有する。
【0043】
本実施例の無線中継装置1の特徴は、送受信監視部12が無線LANインタフェース部2、3G/3.5G携帯電話インタフェース部3、WiMAXインタフェース部4における送受信レベルやトラヒックを監視し、インタフェース選択部8および中継機能部5を介して通信インタフェース部の選択制御を行うところにある。また、トラヒックの監視期間は、各通信インタフェース部がそれぞれ内蔵するタイマによって設定される。
【0044】
図4は、本発明の無線中継装置の実施例1における通信インタフェース部の選択処理手順を示す。ここでは、消費電力が大きい3G/3.5G携帯電話インタフェース部3と、消費電力が小さい無線LANインタフェース部2との間の選択処理を例に説明する。
【0045】
まず、無線中継装置1が起動してLAN側通信部11を起動するとともに、インタフェース選択部8は、WAN側通信部10の無線LANインタフェース部2、3G/3.5G携帯電話インタフェース部3、WiMAXインタフェース部4を起動し、それぞれ基地局の探索を行う(S1)。そして、1または2以上の通信インタフェース部が基地局を検出したか否かを判定する(S2)。1つの通信インタフェース部が基地局を検出した場合にはその通信インタフェース部を選択し、2つ以上の通信インタフェース部がそれぞれ基地局を検出した場合には、消費電力が最小の通信インタフェース部を選択する(S3)。また、いずれの通信インタフェース部も基地局を検出できない場合(S2;No) は、ステップS1,S2の動作を繰り返す。以上の処理は、図2に示す従来の処理手順と同じである。
【0046】
ステップS3でWAN側通信部10の1つの通信インタフェース部を選択したときに、それが無線LANインタフェース部2であれば(S11;Yes )、無線LANの圏外にでるまで無線LANインタフェース部2を介して接続し、中継処理を行う(S18,S19)。そして、送受信監視部12は、受信レベルの低下等により無線LANの圏外に出たことを検出したときに(S19;Yes )、インタフェース選択部8を制御してステップS1に戻り、WAN側通信部10を起動して基地局の探索を行い、検出できたWAN側基地局へのハンドオーバを行う。
【0047】
また、ステップS3でWAN側通信部10の1つの通信インタフェース部を選択したときに、それが例えば3G/3.5G携帯電話インタフェース部3であれば(S11;No)、その通信インタフェース部を介して接続し、中継処理を行う(S12)。そして、送受信監視部12は、受信レベルの低下等により3G/3.5G携帯電話の圏外に出たことを検出したときに(S13;Yes )、インタフェース選択部8を制御してステップS1に戻り、WAN側通信部10を起動して基地局の探索を行い、検出できたWAN側基地局へのハンドオーバを行う。
【0048】
一方、送受信監視部12は、受信レベルの監視により3G/3.5G携帯電話の圏内であることを検出すれば(S13;No)、3G/3.5G携帯電話インタフェース部3のトラヒックの有無を監視する(S14)。ここでは、3G/3.5G携帯電話インタフェース部3の送信バッファまたは受信バッファからトラヒックの有無を取得する。トラヒックが確認できれば(S14;No)、ステップS12に戻り、3G/3.5G携帯電話インタフェース部3における接続を継続する。一方、3G/3.5G携帯電話の圏内にいて通信ができる状態にもかかわらず、例えばユーザが無線LAN端末19の操作を停止し、3G/3.5G携帯電話インタフェース部3のトラヒックを検出しない場合に、3G/3.5G携帯電話インタフェース部3は内蔵のタイマを起動し、トラヒックを検出しない状態が一定時間継続してタイムアウトした場合には(S14;Yes )、送受信監視部12に対して無線LANの基地局を探索するように指示する。
【0049】
送受信監視部12は、インタフェース選択部8および中継機能部5を介して無線LANインタフェース部2を起動し、基地局の探索を開始する(S15)。ここで、無線LANの基地局を検出しない場合には(S16;No)、ステップS12に戻り、3G/3.5G携帯電話インタフェース部3における接続を継続する。一方、無線LANの基地局を検出した場合には(S16;Yes )、その時点で3G/3.5G携帯電話インタフェース部3のトラヒックの有無を再度確認し(S17)、トラヒックが確認できれば(S17;Yes )、無線LANインタフェース部2への切り替えを行わずにステップS12に戻り、3G/3.5G携帯電話インタフェース部3における接続を継続する。一方、3G/3.5G携帯電話インタフェース部3のトラヒックを検出しなければ(S17;No)、無線LANインタフェース部2へ切り替えを行って中継処理を行う(S18)。そして無線LANの圏外にでるまで無線LANインタフェース部2を介して接続し、中継処理を行う(S18,S19)。
【0050】
なお、以上の説明は、消費電力が大きい3G/3.5G携帯電話インタフェース部3と消費電力が小さい無線LANインタフェース部2との間において、最初に接続できた3G/3.5G携帯電話インタフェース部3でトラヒックがある間はそれを維持し、トラヒックが一定時間ないときに、より消費電力の小さい無線LANインタフェース部2へ切り替る例であった。同様に、消費電力の大小関係により、3G/3.5G携帯電話インタフェース部3からWiMAXインタフェース部4への切り替え、WiMAXインタフェース部4から無線LANインタフェース部2への切り替えにおいても、図3の対応する通信インタフェース部を入れ替えることにより同様に処理することができる。また、通信インタフェース部を選択する他の基準として、各通信インタフェース部の通信速度の高低やユーザが定める優先度の高低を用いる場合についても同様である。以下に示す実施例においても同様である。
【0051】
このように、中継に使用している通信インタフェース部でトラヒックが一定時間ないときに、より有利な通信インタフェース部の基地局を探索し、当該基地局が見つかった時点で、さらに中継に使用している通信インタフェース部でトラヒックがないことを再確認して当該通信インタフェース部への切り替えを行うことにより、中継中の通信が中断または中止になる事態を回避することができる。すなわち、中継中の通信を優先しながら、より有利な通信インタフェース部への切り替えを行うことができる。
【0052】
なお、中継に使用している通信インタフェース部でトラヒックがある間、あるいはトラヒックなしと判断されるまでの期間は、他の通信インタフェース部を休止状態にして無線中継装置の省電力化を図ることもできる。
【実施例2】
【0053】
図5は、本発明の無線中継装置の実施例2の構成例を示す。
本実施例は、図3に示す実施例1の構成に加えて、送受信監視部12がLAN側通信部11の無線LANインタフェース部7の状態も監視し、インタフェース選択部8を制御する構成である。
【0054】
図4に示す実施例1の選択処理手順では、無線中継装置1が起動してLAN側通信部11を起動するとともに、WAN側通信部10を起動して基地局の探索を開始する手順(ステップS1)になっている。本実施例の送受信監視部12は、インタフェース選択部8が中継機能部5を介してWAN側通信部10を起動する前に、LAN側通信部11の無線LANインタフェース部7に無線LAN端末19が接続されているか否かを判断し、無線LAN端末19が接続されていない状態ではWAN側通信部10を起動せず、無線LAN端末19からの接続要求を待ち受けするために必要な無線LANインタフェース部7以外のすべての機能を休止状態とする。
【0055】
ここで、無線LANインタフェース部7は、無線LAN端末19のアクセス信号を検出すると送受信監視部12に通知し、送受信監視部12が無線中継装置1の各機能部を起動する。そして、送受信監視部12が、LAN側通信部11の無線LANインタフェース部7を介して無線LAN端末19と通信ができる状態になったことを確認した後に、インタフェース選択部8が中継機能部5を介してWAN側通信部10を起動する手順とする。
【0056】
また、この処理は、図4に示すステップS14で、3G/3.5G携帯電話インタフェース部3のトラヒックを一定時間検出しない場合に、次の無線LANインタフェース部2を起動するステップS15の前に行ってもよい。すなわち、送受信監視部12は、3G/3.5G携帯電話インタフェース部3のトラヒックを一定時間検出しないときに、LAN側通信部11の無線LANインタフェース部7に無線LAN端末19が接続されているか否かを確認する。そして、送受信監視部12は、無線LAN端末19が接続されていない状態が一定時間継続したときに、あるいは無線LAN端末19との切断が通知されたときに、無線LAN端末19からの接続要求を待ち受けするために必要な無線LANインタフェース部7以外のすべての機能を休止状態とする。
【0057】
これにより、接続している無線LAN端末19がなく、中継処理を必要としないときには、WAN側通信部10の起動(S1)や、例えば3G/3.5G携帯電話から無線LANへの切り替えるための無線LANインタフェース部2の起動(S15)を行わないようにすることができ、効果的に無線中継装置の省電力化を図ることができる。
【実施例3】
【0058】
図6は、本発明の無線中継装置の実施例3における通信インタフェース部の選択処理手順を示す。図7は、本発明の無線中継装置の実施例3における動作例を示す。
【0059】
図4に示す実施例1では、通信中の3G/3.5G携帯電話インタフェース部のトラヒックが一定時間ないとき(S14;Yes )、それより例えば消費電力が小さい無線LANインタフェース部を起動し(S15)、その基地局を検出でき(S16;Yes )、かつ通信中の通信インタフェース部のトラヒックが再開していないときに、無線LANインタフェース部に切り替える手順であった(S17;No、S18)。
【0060】
本実施例の特徴は、通信中の3G/3.5G携帯電話インタフェース部より例えば消費電力が小さい無線LANインタフェース部をバックグラウンドで起動してその基地局を探索し(図6:S21)、3G/3.5G携帯電話インタフェース部のトラヒックが一定時間ないとき(S14;Yes )、無線LANの基地局と接続し(S22;Yes )、3G/3.5G携帯電話インタフェース部のトラヒックが再開していないときに、無線LANインタフェース部に切り替える(S17;No、S18)。その他の手順は実施例1と同様である。
【0061】
これにより、3G/3.5G携帯電話インタフェース部のトラヒックが一定時間ないとき、すでに無線LANインタフェース部がバックグラウンドで基地局を探索しているため、検出できた基地局に直ちに接続することができる。したがって、3G/3.5G携帯電話インタフェース部のトラヒックが再開していなければ、ただちに無線LANインタフェース部への切り替えを実行することができる。
【実施例4】
【0062】
図8は、本発明の無線中継装置の実施例4における通信インタフェース部の選択処理手順を示す。図9は、本発明の無線中継装置の実施例4における動作例を示す。
【0063】
本実施例の特徴は、図6に示す実施例3のステップS21に替えて、通信中の3G/3.5G携帯電話インタフェース部より例えば消費電力が小さい無線LANインタフェース部をバックグラウンドで起動し、その基地局を探索し、検出できた基地局に接続をしておく(図8:S23)。これにより、ステップS22、S17の処理が不要となり、3G/3.5G携帯電話インタフェース部のトラヒックが一定時間ないとき、ただちに無線LANインタフェース部に切り替える(S14;Yes 、S18)。その他の手順は実施例1と同様である。
【0064】
これにより、3G/3.5G携帯電話インタフェース部のトラヒックが一定時間ないとき、すでに無線LANインタフェース部がバックグラウンドで基地局を探索し、接続しているため、ただちに無線LANインタフェース部への切り替えを実行することができる。
【符号の説明】
【0065】
1 無線中継装置
2 無線LANインタフェース部
3 3G/3.5G携帯電話インタフェース部
4 WiMAXインタフェース部
5 中継機能部
6 バッテリ部
7 無線LANインタフェース部
8 インタフェース選択部
9 タイマ部
10 WAN側通信部
11 LAN側通信部
12 送受信監視部
13 無線LAN基地局
15 3G/3.5G携帯電話基地局
17 WiMAX基地局
19 無線LAN端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線端末に無線接続する少なくとも1つの通信インタフェース部を有するLAN側通信部と、
複数のネットワークの基地局にそれぞれ無線接続する複数の通信インタフェース部を有するWAN側通信部と、
前記WAN側通信部の複数の通信インタフェース部を起動してそれぞれ接続可能な基地局を探索し、1つの通信インタフェース部が基地局を検出した場合にはその通信インタフェース部を選択し、2以上の通信インタフェース部がそれぞれ基地局を検出した場合には、所定の基準でその中の1つの通信インタフェース部を選択し、選択した通信インタフェース部と前記LAN側通信部とを接続して前記無線端末と当該通信インタフェース部に対応するネットワークとの中継処理を行う中継処理手段と
を備えた無線中継装置において、
前記WAN側通信部で通信中の通信インタフェース部のトラヒックを監視し、一定時間トラヒックを検出しないときに、通信中の通信インタフェース部より有利な通信インタフェース部があればそれを起動し、その通信インタフェース部が基地局を検出したときに、通信中の通信インタフェース部のトラヒックが検出されないことを再度確認してから当該有利な通信インタフェース部に切り替える制御を前記中継処理手段に対して行う送受信監視手段を備えた
ことを特徴とする無線中継装置。
【請求項2】
無線端末に無線接続する少なくとも1つの通信インタフェース部を有するLAN側通信部と、
複数のネットワークの基地局にそれぞれ無線接続する複数の通信インタフェース部を有するWAN側通信部と、
前記WAN側通信部の複数の通信インタフェース部を起動してそれぞれ接続可能な基地局を探索し、1つの通信インタフェース部が基地局を検出した場合にはその通信インタフェース部を選択し、2以上の通信インタフェース部がそれぞれ基地局を検出した場合には、所定の基準でその中の1つの通信インタフェース部を選択し、選択した通信インタフェース部と前記LAN側通信部とを接続して前記無線端末と当該通信インタフェース部に対応するネットワークとの中継処理を行う中継処理手段と
を備えた無線中継装置において、
通信中の通信インタフェース部より有利な通信インタフェース部に接続可能な基地局をバックグラウンドで探索し、前記WAN側通信部で通信中の通信インタフェース部のトラヒックを監視し、一定時間トラヒックを検出せず、かつ当該有利な通信インタフェース部が基地局を検出したときに、当該有利な通信インタフェース部に切り替える制御を前記中継処理手段に対して行う送受信監視手段を備えた
ことを特徴とする無線中継装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の無線中継装置において、
前記中継処理手段は、前記WAN側通信部の複数の通信インタフェース部を起動し、2以上の通信インタフェース部がそれぞれ基地局を検出した場合には、前記所定の基準として消費電力が最小、または通信速度が最大、またはユーザが定める優先度が最大の通信インタフェース部を選択する構成である
ことを特徴とする無線中継装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の無線中継装置において、
前記送受信監視手段は、前記WAN側通信部で通信中の通信インタフェース部で一定時間トラヒックを検出しないときに、前記通信中の通信インタフェース部より消費電力が小さい通信インタフェース部が基地局を検出したときに、当該消費電力が小さい通信インタフェース部に切り替える構成である
ことを特徴とする無線中継装置。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載の無線中継装置において、
前記送受信監視手段は、前記WAN側通信部で通信中の通信インタフェース部で一定時間トラヒックを検出しないときに、前記通信中の通信インタフェース部より通信速度が速い通信インタフェース部を検出したときに、当該通信速度が速い通信インタフェース部に切り替える構成である
ことを特徴とする無線中継装置。
【請求項6】
請求項1または請求項2に記載の無線中継装置において、
前記送受信監視手段は、前記WAN側通信部で通信中の通信インタフェース部で一定時間トラヒックを検出しないときに、前記通信中の通信インタフェース部よりユーザが定める優先度が高い通信インタフェース部が基地局を検出したときに、当該優先度が高い通信インタフェース部に切り替える構成である
ことを特徴とする無線中継装置。
【請求項7】
請求項1または請求項2に記載の無線中継装置において、
前記送受信監視手段は、前記WAN側通信部で通信中の通信インタフェース部でトラヒックがある間、あるいはトラヒックなしと判断されるまでの一定時間は、他の通信インタフェース部を休止状態に設定する構成である
ことを特徴とする無線中継装置。
【請求項8】
請求項1または請求項2に記載の無線中継装置において、
前記送受信監視手段は、前記通信中の通信インタフェース部のトラヒックを一定時間検出しないときに、当該通信インタフェース部の他の所定の通信インタフェース部を起動する前に、前記LAN側通信部に接続される前記無線端末の有無を監視し、前記無線端末の接続がなければ当該通信インタフェース部を起動しない構成である
ことを特徴とする無線中継装置。
【請求項9】
LAN側通信部が、無線端末に無線接続する少なくとも1つの通信インタフェース部を有し、
WAN側通信部が、複数のネットワークの基地局にそれぞれ無線接続する複数の通信インタフェース部を有し、
中継処理手段が、前記WAN側通信部の複数の通信インタフェース部を起動してそれぞれ接続可能な基地局を探索し、1つの通信インタフェース部が基地局を検出した場合にはその通信インタフェース部を選択し、2以上の通信インタフェース部がそれぞれ基地局を検出した場合には、所定の基準でその中の1つの通信インタフェース部を選択し、選択した通信インタフェース部と前記LAN側通信部とを接続して前記無線端末と当該通信インタフェース部に対応するネットワークとの中継処理を行う無線中継装置の通信インタフェース選択方法において、
前記WAN側通信部で通信中の通信インタフェース部のトラヒックを監視する送受信監視手段を備え、
前記送受信監視手段が一定時間トラヒックを検出しないときに、当該通信インタフェース部より有利な通信インタフェース部があればそれを起動し、その通信インタフェース部が基地局を検出したときに、通信中の通信インタフェース部のトラヒックが検出されないことを再度確認してから当該有利な通信インタフェース部に切り替える制御を行う
ことを特徴とする無線中継装置の通信インタフェース選択方法。
【請求項10】
LAN側通信部が、無線端末に無線接続する少なくとも1つの通信インタフェース部を有し、
WAN側通信部が、複数のネットワークの基地局にそれぞれ無線接続する複数の通信インタフェース部を有し、
中継処理手段が、前記WAN側通信部の複数の通信インタフェース部を起動してそれぞれ接続可能な基地局を探索し、1つの通信インタフェース部が基地局を検出した場合にはその通信インタフェース部を選択し、2以上の通信インタフェース部がそれぞれ基地局を検出した場合には、所定の基準でその中の1つの通信インタフェース部を選択し、選択した通信インタフェース部と前記LAN側通信部とを接続して前記無線端末と当該通信インタフェース部に対応するネットワークとの中継処理を行う無線中継装置の通信インタフェース選択方法において、
前記WAN側通信部で通信中の通信インタフェース部のトラヒックを監視する送受信監視手段を備え、
前記送受信監視手段は、通信中の通信インタフェース部より有利な通信インタフェース部に接続可能な基地局をバックグラウンドで探索し、前記WAN側通信部で通信中の通信インタフェース部のトラヒックを監視し、一定時間トラヒックを検出せず、かつバックグラウンドで動作中の通信インタフェース部が基地局を検出したときに、当該有利な通信インタフェース部に切り替える制御を行う
ことを特徴とする無線中継装置の通信インタフェース選択方法。
【請求項11】
請求項9または請求項10に記載の無線中継装置の通信インタフェース選択方法において、
前記中継処理手段は、前記WAN側通信部の複数の通信インタフェース部を起動し、2以上の通信インタフェース部がそれぞれ基地局を検出した場合には、前記所定の基準として消費電力が最小、または通信速度が最大、またはユーザが定める優先度が最大の通信インタフェース部を選択する
ことを特徴とする無線中継装置の通信インタフェース選択方法。
【請求項12】
請求項9または請求項10に記載の無線中継装置の通信インタフェース選択方法において、
前記送受信監視手段は、前記WAN側通信部で通信中の通信インタフェース部で一定時間トラヒックを検出しないときに、前記通信中の通信インタフェース部より消費電力が小さい通信インタフェース部が基地局を検出したときに、当該消費電力が小さい通信インタフェース部に切り替える
ことを特徴とする無線中継装置の通信インタフェース選択方法。
【請求項13】
請求項9または請求項10に記載の無線中継装置の通信インタフェース選択方法において、
前記送受信監視手段は、前記WAN側通信部で通信中の通信インタフェース部で一定時間トラヒックを検出しないときに、前記通信中の通信インタフェース部より通信速度が速い通信インタフェース部を検出したときに、当該通信速度が速い通信インタフェース部に切り替える
ことを特徴とする無線中継装置の通信インタフェース選択方法。
【請求項14】
請求項9または請求項10に記載の無線中継装置の通信インタフェース選択方法において、
前記送受信監視手段は、前記WAN側通信部で通信中の通信インタフェース部で一定時間トラヒックを検出しないときに、前記通信中の通信インタフェース部よりユーザが定める優先度が高い通信インタフェース部が基地局を検出したときに、当該優先度が高い通信インタフェース部に切り替える
ことを特徴とする無線中継装置の通信インタフェース選択方法。
【請求項15】
請求項9または請求項10に記載の無線中継装置の通信インタフェース選択方法において、
前記送受信監視手段は、前記WAN側通信部で通信中の通信インタフェース部でトラヒックがある間、あるいはトラヒックなしと判断されるまでの一定時間は、他の通信インタフェース部を休止状態に設定する
ことを特徴とする無線中継装置の通信インタフェース選択方法。
【請求項16】
請求項9または請求項10に記載の無線中継装置の通信インタフェース選択方法において、
前記送受信監視手段は、前記通信中の通信インタフェース部のトラヒックを一定時間検出しないときに、当該通信インタフェース部の他の所定の通信インタフェース部を起動する前に、前記LAN側通信部に接続される前記無線端末の有無を監視し、前記無線端末の接続がなければ当該通信インタフェース部を起動しない制御を行う
ことを特徴とする無線中継装置の通信インタフェース選択方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−244325(P2011−244325A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−116343(P2010−116343)
【出願日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】