無線信号中継装置及び無線信号中継方法
【課題】処理遅延が少なく消費電力が低減された無線信号中継装置及び無線信号中継方法を提供する。
【解決手段】基地局装置BSと移動局装置UEとの間の無線信号の中継を行う無線信号中継装置1は、中継すべき前記移動局装置UEが記憶される移動局記憶手段25と、基地局装置BSから送信される制御チャネル情報により指示される、移動局記憶手段25に記憶された移動局装置UEに割り当てられた無線リソースを、増幅すべき無線信号が伝送されている無線リソースとして指定する無線リソース指定手段26と、無線リソース指定手段26により指定された無線リソース上で伝送される信号を、増幅する増幅手段15、70とを備える。
【解決手段】基地局装置BSと移動局装置UEとの間の無線信号の中継を行う無線信号中継装置1は、中継すべき前記移動局装置UEが記憶される移動局記憶手段25と、基地局装置BSから送信される制御チャネル情報により指示される、移動局記憶手段25に記憶された移動局装置UEに割り当てられた無線リソースを、増幅すべき無線信号が伝送されている無線リソースとして指定する無線リソース指定手段26と、無線リソース指定手段26により指定された無線リソース上で伝送される信号を、増幅する増幅手段15、70とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基地局装置と移動局装置の間で送受信される無線信号を受信し、増幅してから送信する無線信号中継装置及び無線信号中継方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線信号を中継する方式としては、非再生中継方式であるRF直接増幅方式と、ベースバンド再生中継方式とが知られている。RF直接増幅方式は、受信した無線信号を再生せずに増幅する方式である。ベースバンド再生中継方式は、受信信号を、復調及び復号してベースバンド信号に戻し、誤り訂正などを行って元の信号を再生してから再び符号化及び変調する方式である。
【0003】
なお、本願に関し、基地局から通知されたチャネル情報に基づき、所定のレベルより受信品質が低いサブキャリアを選択増幅し、移動局装置宛のマルチキャリア信号として中継送信する技術が知られている。
【0004】
また、TMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)信号を復調し、受信したディジタル放送信号に再送信する階層が含まれているかをチェックして、バンドパスフィルタからの出力をそのまま増幅部に出力する技術が知られている。
【0005】
【特許文献1】国際公開第2006/035902号パンフレット
【特許文献2】特開2005−341195号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
RF直接増幅方式には、構成が簡単であり処理遅延が殆ど発生しない。しかしRF直接増幅方式による中継は、中継の対象でない不要な信号まで増幅してしまうため、消費電力が増大してしまう。またRF直接増幅方式による中継は、中継の対象でない不要な信号まで増幅する結果、周波数帯を無駄に占有してしまうため周波数利用効率を低下させる。
【0007】
ベースバンド再生中継方式には、通信品質の改善が行われる。しかし、ベースバンド再生中継方式には、復調、復号、ベースバンド信号処理、符号化及び変調処理のために、処理遅延が生じる。
【0008】
開示の装置及び方法は、処理遅延が少なく消費電力が低減された無線信号中継装置及び無線信号中継方法を提供することを目的の1つとする。また、開示の装置及び方法は、処理遅延が少なく周波数利用効率が改善された無線信号中継装置及び無線信号中継方法を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
ある実施例の形態による無線信号中継装置は、基地局装置と移動局装置との間の無線信号の中継を行う。この無線信号中継装置は、中継すべき移動局装置が記憶される移動局記憶手段と、基地局装置から送信される制御チャネル情報により指示される、移動局記憶手段に記憶された移動局装置に割り当てられた無線リソースを、増幅すべき無線信号が伝送されている無線リソースとして指定する無線リソース指定手段と、基地局装置と移動局装置との間の無線信号を受信する受信手段と、受信手段により受信された信号であって無線リソース指定手段により指定された無線リソース上で伝送される信号を増幅する増幅手段と、増幅手段により増幅された信号を無線信号として送信する送信手段と、を有する。
【発明の効果】
【0010】
開示の装置及び方法によれば、無線信号中継装置は、移動局装置に割り当てられた無線リソースを知得するために制御チャネル情報のみ参照すればよいので、処理遅延が抑制される。また無線信号中継装置は、中継すべき移動局装置として指定された移動局装置に割り当てられた無線リソースを中継するので、中継の対象でない不要な信号まで中継しなくてすむため、消費電力が低減され、周波数利用効率が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、添付する図面を参照して実施例を説明する。図1は、開示の無線信号中継装置の第1実施例の全体構成図である。無線信号中継装置1は、基地局装置BSから移動局装置UEへ送信される下りリンク上の無線信号を中継する。すなわち無線信号中継装置1は、基地局装置BSから移動局装置UEへ送信される無線信号を受信し、この無線信号を増幅してから移動局装置UEへ送信する。また、無線信号中継装置1は、移動局装置UEから基地局装置BSへ送信される上りリンク上の無線信号を中継する。すなわち無線信号中継装置1は、移動局装置UEから基地局装置BSへ送信される無線信号を受信し、この無線信号を増幅してから基地局装置BSへ送信する。
【0012】
無線信号中継装置1は、アンテナ10及び17、共用器(DUP)11及び17、線形増幅器12及び18、アナログディジタル変換部(A/D)13及び19、フーリエ変換部(FFT)14及び20、逆フーリエ変換部(IFFT)21と、ディジタルアナログ変換部(D/A)22と、パワーアンプ23を備える。また、無線信号中継装置1は、増幅部15と、識別情報登録部24と、識別情報データベース25と、無線リソース指定部26を備える。
【0013】
以下に示す各実施例において、例えば、移動局装置UEは、直交周波数分割多元接続(OFDMA: Orthogonal Frequency Division Multiple Access)により、基地局装置BSに接続されている。例えば、移動局装置UE及び基地局装置BSは、3GPP(3rd Generation Partnership Project)で標準化が進められているLTE(Long Term Evolution)にて定められる通信規格に準拠するものであってよい。しかし、開示の無線信号中継装置は、LTEに準拠して定められた通信システムで使用されることに限られず、上りリンク及び/又は下りリンクについて移動局装置UEに割り当てられる無線リソースを、基地局装置BSから移動局装置UEに制御信号を用いて通知するような様々な通信システムに適用可能である。
【0014】
無線信号中継装置1は、基地局装置BSから移動局装置UEへ送信された下りリンク上の無線信号を、アンテナ10で受信する。線形増幅器12は、共用器11を介して入力される受信信号を増幅する。アナログディジタル変換部13は、線形増幅器12により増幅された信号をディジタル信号に変換する。フーリエ変換部14は、アナログディジタル変換部13によりディジタル信号に変換されたOFDMA信号をフーリエ変換することにより、各サブキャリア毎のシンボルに変換する。増幅部15は、フーリエ変換部14から出力された各サブキャリア毎のシンボルを、逆フーリエ変換によりOFDMA信号へ変換する。そして増幅部15は、このOFDMA信号を増幅する。なお、増幅部15の構成は後述する。アンテナ17は、共用器16を介して供給される、増幅部15が増幅したOFDMA信号を、移動局装置UEへ送信する。
【0015】
無線信号中継装置1は、移動局装置UEから基地局装置BSへ送信された上りリンク上の無線信号を、アンテナ17で受信する。線形増幅器18は、共用器16を介して入力される受信信号を増幅する。アナログディジタル変換部19は、線形増幅器18により増幅された信号をディジタル信号に変換する。フーリエ変換部20は、アナログディジタル変換部19によりディジタル信号に変換されたOFDMA信号をフーリエ変換することにより、各サブキャリア毎のシンボルに変換する。
【0016】
逆フーリエ変換部21は、フーリエ変換部20から出力された各サブキャリア毎のシンボルを、逆フーリエ変換によりOFDMA信号へ変換する。ディジタルアナログ変換部22は、逆フーリエ変換部21から出力されるOFDMA信号をアナログ信号へ変換する。パワーアンプ23は、ディジタルアナログ変換部22によって変換されたアナログ形式のOFDMA信号を増幅する。アンテナ10は、共用器11を介して供給される、パワーアンプ23が増幅したOFDMA信号を、基地局装置BSへ送信する。なお、各実施例においてOFDMA信号を一例として説明するが、LTE準拠の上りリンクの通信方式であるSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)信号の場合でも何ら違いはない。
【0017】
上りリンク上において移動局装置UEが基地局装置BSへ、移動局装置UEの識別情報を通知するとき、識別情報登録部24は、上りリンク上で伝送される移動局装置UEの識別情報を取得する。識別情報登録部24は、取得した識別情報を識別情報データベース(DB)25へ登録する。
【0018】
例えばLTEにて定められる通信規格では、移動局装置UEは、その識別情報を基地局装置BSへ、上りリンク上のランダムアクセスチャネル(RACH)を介して通知する。図2は、図1に示す識別情報登録部24の構成例を示す図である。
【0019】
識別情報登録部24は、RACH信号取得部30と、識別情報取得部31と、識別情報書込部32を備える。RACH信号取得部30は、移動局装置UEから受信した上りリンク上の信号から、ランダムアクセスチャネルを介して伝送されるRACH信号を取得する。識別情報取得部31は、RACH信号取得部30が取得したRACH信号に含まれている送信元の移動局装置UEの識別情報を取得する。識別情報書込部32は、識別情報取得部31により取得された識別情報を、この無線信号中継装置1によって基地局装置BSとの通信を中継する移動局装置の識別情報として、識別情報データベース25に書込む。
【0020】
識別情報登録部24によって、無線信号中継装置1と交信可能なエリア内にある移動局装置UEが、無線信号中継装置1によって基地局装置BSとの通信を中継される移動局装置UEとして識別情報データベース25に登録される。
【0021】
再び図1を参照する。無線リソース指定部26は、基地局装置BSから受信したOFDMA信号のうち、無線信号中継装置1により増幅されるべき信号の伝送に使用されている無線リソースを指定する。図3は、図1に示す無線リソース指定部26の構成例を示す図である。無線リソース指定部26は、制御信号取得部40と、復調部41と、復号部42と、無線リソース割当情報取得部43と、帯域指定部44を備える。
【0022】
制御信号取得部40は、下りリンク上にて基地局装置BSから移動局装置UEへ送信される制御信号を取得する。復調部41及び復号部42は、制御信号取得部40により取得された制御信号を、それぞれ復調及び復号する。
【0023】
無線リソース割当情報取得部43は、復号された制御信号から、基地局装置BSと接続されている各移動局装置UEの識別情報と、これら移動局装置UEに、下りリンクにおいて夫々割り当てられている周波数帯域を指示する無線リソース割当情報を取得する。無線リソース割当情報取得部43は、無線信号中継装置1によって中継される移動局装置として登録された移動局装置の識別情報を、識別情報データベース25から読み込む。無線リソース割当情報取得部43は、復号された制御信号に含まれている識別情報と、識別情報データベース25に登録された移動局装置UEの識別情報とを比較する。無線リソース割当情報取得部43は、制御信号に含まれた識別情報と識別情報データベース25に登録された識別情報とが一致するとき、制御情報においてこの識別情報に対応付けられて格納された無線リソース割当情報を取得する。無線リソース割当情報取得部43は、この無線リソース割当情報に従って、識別情報データベース25に登録された移動局装置UEに割り当てられた周波数帯域を特定する。
【0024】
帯域指定部44は、下りリンク上にて識別情報が送信されている期間では、識別情報の伝送に使用される周波数帯域を、増幅部15により増幅すべき周波数帯域として指定する。帯域指定部44は、下りリンク上にて、各移動局装置UEに割り当てた周波数帯域にてデータが送信されている期間では、無線リソース割当情報取得部43により特定された周波数帯域を、増幅部15により増幅すべき周波数帯域として指定する。
【0025】
図4は、無線信号のフレームフォーマットの例を示す図である。本フレームフォーマットは、LTEにて定められた下りリンク上の無線信号のフレームフォーマットを示す。1つのフレームは複数のサブフレームを含み、1つのサブフレームは制御信号部分50とデータ部分51を含んでいる。
【0026】
制御信号部分50には、制御チャネルがマッピングされる。制御チャネルは、報知情報を伝送する報知チャネル(BCH)と、各移動局装置UEに共通の制御情報を伝送する共通制御チャネル(CCH)と、各移動局装置#1〜#nの制御情報を伝送する個別制御チャネル(CCH#1〜CCH#n)を含む。共通制御チャネルCCHは、このサブフレームにおいてデータ部分51に送信データが含まれている移動局装置UEの識別情報を含む。個別制御チャネルCCH#1〜CCH#nは、共通制御チャネルCCHにて識別情報が指定された各移動局装置#1〜#nに対して割り当てられた周波数帯域を示す情報が含まれている。データ部分51には、各移動局装置#1〜#nに対して割り当てられたデータチャネル(DCH#1〜DCH#n)がマッピングされる。
【0027】
図5は、図1に示す増幅部15の構成例を示す図である。増幅部15は、フーリエ変換部14により各サブキャリア毎のシンボルを示す信号に変換されたOFDMA信号のうち、帯域指定部34により指定された周波数帯域の信号を増幅する。増幅部15は、乗算器60と、逆フーリエ変換部61と、ディジタルアナログ変換部62と、パワーアンプ63とを備えている。
【0028】
帯域指定部34は、増幅部15で増幅される周波数帯域を指定する帯域指定情報を、フーリエ変換部14から出力される各サブキャリア毎のシンボルのそれぞれに乗じる係数として、これらサブキャリア毎のシンボルに同期させて、増幅部15へ出力してよい。帯域指定情報は、増幅する周波数帯域に対応するサブキャリアのシンボルのための係数として非ゼロの係数を含み、それ以外のシンボルのための係数としてゼロを含んでいてよい。乗算器60は、フーリエ変換部14から出力される各サブキャリア毎のシンボルと、帯域指定情報とを乗算する。
【0029】
逆フーリエ変換部61は、乗算器60の演算結果を、逆フーリエ変換によりOFDMA信号へ変換する。ディジタルアナログ変換部62は、逆フーリエ変換部61から出力されるOFDMA信号をアナログ信号へ変換する。パワーアンプ63は、ディジタルアナログ変換部62によって変換されたアナログ形式のOFDMA信号を増幅し、共用器16へ出力する。
【0030】
乗算器60による演算結果は、帯域指定部34により指定された周波数帯域に対応するサブキャリアのシンボルのみ含み、その他のシンボルはマスクされる。したがって、パワーアンプ63は、帯域指定部34により指定された周波数帯域にて伝送される無線信号のみを増幅する。
【0031】
図6は、図1に示す無線信号中継装置1の動作を示すフローチャートである。ステップS1において識別情報登録部24は、上りリンクのランダムアクセスチャネルから、無線信号中継装置1の交信可能範囲にある移動局装置BSの識別情報を取得する。識別情報登録部24は、取得した識別情報を、中継の対象の移動局装置BSの識別情報として、識別情報データベース25に登録する。
【0032】
ステップS2において無線信号中継装置1は、下りリンク上の信号を受信する。ステップS3において、無線リソース指定部26の制御信号取得部40、復調部41及び復号部42は、ステップS2で受信した信号に含まれる制御信号を復調及び復号する。図4に示すフレームフォーマットの場合、制御信号取得部40、復調部41及び復号部42は、制御信号部分50を復調及び復号する。
【0033】
ステップS4において無線リソース割当情報取得部43は、復号された制御信号から、識別情報データベース25に登録された移動局装置UEに割り当てられた周波数帯域を取得する。例えば、図4に示すフレームフォーマットが使用される場合には、無線リソース割当情報取得部43は、復号された共通制御チャネル(CCH)の制御情報に含まれている移動局装置の識別情報を取得してよい。無線リソース割当情報取得部43は、制御情報から取得した識別情報を、識別情報データベース25に登録された識別情報と比較する。制御情報から取得した識別情報の中に、識別情報データベース25に登録された識別情報と一致するものがある場合、この識別情報の移動局装置UEのための個別制御チャネルの制御情報から、帯域情報を取得する。
【0034】
ステップS5において帯域指定部44は、下りリンク上にて識別情報が送信されている期間では、識別情報の伝送に使用される周波数帯域を、増幅部15により増幅すべき周波数帯域として指定する。また、帯域指定部44は、下りリンク上にて、各移動局装置UEに割り当てた周波数帯域にてデータが送信されている期間では、無線リソース割当情報取得部43により特定された周波数帯域を、増幅部15により増幅すべき周波数帯域として指定する。
【0035】
ステップS6において増幅部15は、受信信号のうち、帯域指定部44により指定された周波数帯域の部分を増幅する。ステップS7において無線信号中継装置1は、増幅された無線信号を下りリンク上で送信する。その後、無線信号中継装置1は、処理をステップS2へ戻す。
【0036】
本実施例によれば、図4に示す下りリンク上のサブフレームのデータ部分51の信号のうち、中継対象として識別情報データベース25に登録された移動局装置UE向けのデータに使用されている周波数帯域のみ増幅されるので、パワーアンプ63の消費電力が低減される。また本実施例によれば、識別情報データベース25に登録された移動局装置UE向けのデータに使用されている周波数帯域のみ増幅されるので、不要な帯域の増幅が無くなり、移動局装置UE間の干渉の発生を低減できる。また、データ部分51については復調及び復号処理を行わなくてすむので、処理遅延を少なくすることができる。
【0037】
図7は、開示の無線信号中継装置の第2実施例の全体構成図である。本実施例の無線信号中継装置1は、上りリンク上で各移動局装置UEから送信されるデータのうち、識別情報データベース25に登録された移動局装置UEから送信されるものだけを中継する。図1に示した構成要素と同様の構成要素については説明を省略し、同一の符号を付する。
【0038】
無線信号中継装置1は、逆フーリエ変換部27と、ディジタルアナログ変換部28と、パワーアンプ29を備える。また無線信号中継装置1は、増幅部70を備える。下りリンク上の信号の中継において、逆フーリエ変換部27は、フーリエ変換部14から出力された各サブキャリア毎のシンボルを、逆フーリエ変換によりOFDMA信号へ変換する。ディジタルアナログ変換部28は、逆フーリエ変換部27から出力されるOFDMA信号をアナログ信号へ変換する。パワーアンプ29は、ディジタルアナログ変換部28によって変換されたアナログ形式のOFDMA信号を増幅する。アンテナ17は、共用器16を介して供給される、パワーアンプ29が増幅したOFDMA信号を、移動局装置UEへ送信する。
【0039】
無線リソース指定部26は、識別情報データベース25に登録された移動局装置UEから信号が送信されるタイミングで、移動局装置UEからの上りリンク信号の伝送に使用されている周波数帯域を、増幅部70が増幅すべき周波数帯域として指定する。
【0040】
図8は、図7に示す無線リソース指定部26の構成例を示す図である。無線リソース指定部26は、制御信号取得部71と、復調部72と、復号部73と、無線リソース割当情報取得部74と、送信時期制御部75と、帯域指定部76とを備える。制御信号取得部71は、下りリンク上にて基地局装置BSから移動局装置UEへ送信される制御信号を取得する。復調部72及び復号部73は、制御信号取得部71により取得された制御信号を、それぞれ復調及び復号する。
【0041】
無線リソース割当情報取得部74は、復号された制御信号から、基地局装置BSが、各移動局装置UEに対して、上りリンクにおける信号の送信を許可する送信許可情報を取得する。送信許可情報は、基地局装置BSが、上りリンクにおいて各移動局装置UEに信号の送信が許可される時期を示す時期情報と、その送信に使用が許された周波数帯域情報を含んでいる。例えばLTEの場合、この送信許可情報としてUL grant 信号を使用してよい。
【0042】
無線リソース割当情報取得部74は、無線信号中継装置1によって中継される移動局装置として登録された移動局装置の識別情報を、識別情報データベース25から読み込む。無線リソース割当情報取得部74は、復号された制御信号に含まれている識別情報と、識別情報データベース25に登録された移動局装置BSの識別情報とを比較する。制御信号に含まれた識別情報と識別情報データベース25に登録された識別情報とが一致するとき、無線リソース割当情報取得部74は、制御信号においてこの識別情報に対応付けられて格納されている送信許可情報を取得する。無線リソース割当情報取得部74は、送信許可情報に従って識別情報データベース25に登録された各移動局装置UEに信号の送信が許可される時期と、使用が許された周波数帯域情報とを特定する。
【0043】
送信時期制御部75は、無線リソース割当情報取得部74により特定された送信時期に従って、帯域指定部76が、増幅部70に帯域指定情報を出力するタイミングを制御する。帯域指定部76は、無線リソース割当情報取得部74により特定された送信時期において、増幅部70により増幅する帯域を指定する帯域指定情報を、増幅部70に出力する。増幅部70は、図5を参照して説明した増幅部と同様であり、増幅部70は、フーリエ変換部20により各サブキャリア毎のシンボルを示す信号に変換されたOFDMA信号のうち、帯域指定部76により指定された周波数帯域の信号を増幅する。
【0044】
図9は、図7に示す無線信号中継装置1の動作を示すフローチャートである。ステップS10において識別情報登録部24は、無線信号中継装置1の交信可能範囲にある移動局装置BSの識別情報を、識別情報データベース25に登録する。ステップS11において無線信号中継装置1は、下りリンク上の信号を受信する。ステップS12において、無線リソース指定部26の制御信号取得部71、復調部72及び復号部73は、ステップS2で受信した信号に含まれる制御信号を復調及び復号する。
【0045】
ステップS13において無線リソース割当情報取得部74は、復号された制御信号から、識別情報データベース25に登録された移動局装置UEに対する送信許可情報を取得する。無線リソース割当情報取得部74は、送信許可情報に従って識別情報データベース25に登録された各移動局装置UEに信号の送信が許可される時期と、使用が許された周波数帯域情報とを特定する。
【0046】
ステップS14において無線信号中継装置1は、上りリンク上の信号を受信する。ステップS15において送信時期制御部15は、現時刻が、無線リソース割当情報取得部74により特定された送信時期に至ったか否かを判定する。現時刻が送信時期に至っていない場合には(ステップS15:N)処理はステップS14に戻り、現時刻が送信許可時期に至った場合には(ステップS15:Y)処理はステップS16へ進む。
【0047】
ステップS16において帯域指定部76は、無線リソース割当情報取得部74により特定された送信時期において、ステップS13で特定された周波数帯域を指定する帯域指定情報を、増幅部70に出力する。ステップS17において増幅部70は、受信信号のうち、帯域指定部76により指定された周波数帯域の部分を増幅する。ステップS18において無線信号中継装置1は、増幅された無線信号を上りリンク上で送信する。その後、無線信号中継装置1は、処理をステップS11へ戻す。
【0048】
本実施例によれば、上りリンク上において各移動局装置UEから送信されるデータのうち、中継対象として識別情報データベース25に登録された移動局装置UEから送信されるデータに関する信号のみ増幅されるので消費電力が低減される。また本実施例によれば、中継対象として登録された移動局装置UEからのデータに使用されている周波数帯域のみ増幅されるので、不要な帯域の増幅が無くなり、移動局装置UE間の干渉の発生を低減できる。また、各移動局装置UEから送信されるデータについては復調及び復号処理を行わなくてすむので、処理遅延を少なくすることができる。なお図7に示す無線信号中継装置1は、図1に示す無線信号中継装置と同様の構成要素を含むことにより、図1に示す無線信号中継装置と同様に、下りリンク上のデータのうち、識別情報データベース25に登録された移動局装置UEへ送信されるものだけ中継してもよい。
【0049】
図10は、開示の無線信号中継装置の第3実施例の全体構成図である。本実施例の無線信号中継装置1は、下りリンク信号の処理回路に、受信された下りリンク信号における回り込み干渉を抑圧する回り込み干渉抑圧処理部80を備える。図1に示した構成要素と同様の構成要素については説明を省略し、同一の符号を付する。回り込み干渉抑圧処理部80は、アンテナ17から送信される信号成分を、送信信号が受信回路へ回り込むのに要する時間を遅らせ、この遅らせた信号成分を受信信号から除去する。なお干渉抑圧処理のために、図5に示した乗算器60の演算結果を用いても良い。
【0050】
上述のとおり、無線信号中継装置1は、下りリンク上で伝送されるデータのうち、中継対象の移動局装置UEへ送信されるデータのみを中継することにより、移動局装置UE間の干渉を低減する。本実施例によれば、さらに、対象の移動局装置UEへの送信信号それ自身による回り込み干渉も低減され、信号品質がさらに向上する。なお、同様の回り込み干渉抑圧処理部を、図7に示す実施例の上りリンク信号の処理回路に設けてもよい。
【0051】
図11は、開示の無線信号中継装置の第4実施例の全体構成図である。本実施例の無線信号中継装置1は、遅延調整部81を備える。図10に示した構成要素と同様の構成要素については説明を省略し、同一の符号を付する。遅延調整部81は、無線リソース指定部26が下りリンク上の制御信号を復調及び復号して増幅する周波数帯を指定するのに要する時間分、増幅部15へ入力する受信信号を遅延させ、増幅部15へ入力する受信信号に対する周波数帯の指定の遅れを吸収する。本実施例によれば、無線リソース指定部26の実際の実装において生じる周波数帯の指定の遅れが吸収される。
【0052】
図12は、開示の無線信号中継装置の第5実施例の全体構成図である。図11に示した構成要素と同様の構成要素については説明を省略し、同一の符号を付する。本実施例において、回り込み干渉抑圧処理部80は、アナログディジタル変換部13から出力される時間領域信号のOFDMA信号に対して、回り込み干渉処理を行う。また、増幅部15は、アナログディジタル変換器13によりディジタル形式に変換されたRF信号である、ディジタル形式に変換されたOFDMA信号を、時間領域信号のまま増幅する。図13は、図12に示す増幅部15の構成例を示す図である。
【0053】
増幅部15は、逆フーリエ変換部61と、ディジタルアナログ変換部62と、パワーアンプ63と、畳み込み処理部82を備える。逆フーリエ変換部61は、逆フーリエ変換により、帯域指定部34にから出力される帯域指定情報を時間領域信号へ変換する。畳み込み処理部82は、遅延調整部81から出力された時間領域信号の受信信号と、逆フーリエ変換部61から出力される時間領域信号との間で畳み込み演算を行うことによって、指定された帯域において、受信信号を通過させるフィルタリング処理を行う。ディジタルアナログ変換部62は、畳み込み処理部82の出力信号をアナログ信号へ変換する。パワーアンプ63は、ディジタルアナログ変換部62によって変換されたアナログ形式のOFDMA信号を増幅し、共用器16へ出力する。
【0054】
図14は、開示の無線信号中継装置の第6実施例の全体構成図である。図1及び図7に示した構成要素と同様の構成要素については説明を省略し、同一の符号を付する。本実施例の無線信号中継装置1が使用される通信システムでは、移動局装置UEは、基地局装置BSとの接続を開始するときに、プリアンブル信号を送信する。基地局装置BSは、プリアンブル信号に対するランダムアクセス応答メッセージを送信する。このランダムアクセス応答メッセージを受信したときに、移動局装置UEは、自分の識別番号を含むランダムアクセスメッセージを送信する。
【0055】
無線信号中継装置1は、プリアンブル信号を受信したとき、プリアンブル信号を送信した移動局装置UEを仮登録する。移動局装置UEがランダムアクセスメッセージを送信したとき、無線信号中継装置1は、これに含まれる移動局装置UEの識別番号を取得し、これを識別情報データベース25へ登録する。無線信号中継装置1は、プリアンブル受信処理部90と、ランダムアクセス応答メッセージ受信処理部91と、ランダムアクセスメッセージ受信処理部92を備えている。
【0056】
プリアンブル受信処理部90は、上りリンク上で伝送される移動局装置UEから送信されたプリアンブル信号を検出する。プリアンブル信号を検出したとき、プリアンブル受信処理部90は、プリアンブル信号に含まれるプリアンブルパターンを、仮登録する移動局装置UEを識別する情報として識別情報データベース25に登録する。また、プリアンブル受信処理部90は、プリアンブルパターンを無線リソース指定部26へ通知する。
【0057】
図15は、図14に示す無線リソース指定部26の構成例を示す図である。無線リソース指定部26は、制御信号取得部100、復調部101、復号部102、報知チャネル(BCH)検出部103を備える。
【0058】
無線リソース指定部26は、DL無線リソース割当情報取得部104、ランダムアクセス応答メッセージ中継制御部105、DL送信時期制御部106、DL帯域指定部107を備える。無線リソース指定部26は、UL無線リソース割当情報取得部108、ランダムアクセスメッセージ中継制御部109、UL送信時期制御部110、UL帯域指定部111、プリアンブル中継処理部112を備える。
【0059】
制御信号取得部100は、下りリンク上にて基地局装置BSから移動局装置UEへ送信される制御信号を取得する。復調部101及び復号部102は、制御信号取得部100により取得された制御信号を、それぞれ復調及び復号する。
【0060】
報知チャネル検出部103は、復号された制御信号に含まれる報知情報を検出する。報知情報には、移動局装置UEがプリアンブル信号を送信することが許されている送信時期と、周波数帯域を示す情報が含まれている。報知チャネル検出部103は、プリアンブル信号を送信することが許されている送信時期と、周波数帯域を示す情報を、プリアンブル中継処理部112に与える。
【0061】
また、報知情報には、基地局装置BSがプリアンブル信号を受信してから、これに応答するランダムアクセス応答メッセージを送信するまでの間隔T1を指示する情報が含まれている。また、報知情報には、ランダムアクセス応答メッセージを受信してから、移動局装置UEがランダムアクセスメッセージを送信すべき時期までの間の間隔T2を指示する情報が含まれている。報知チャネル検出部103は、基地局装置BSがプリアンブル信号を受信してからランダムアクセス応答メッセージを送信するまでの間隔T1を指示する情報を、ランダムアクセス応答メッセージ制御部105に与える。また報知チャネル検出部103は、ランダムアクセス応答メッセージを受信してから、ランダムアクセスメッセージを送信すべき時期までの間の間隔T2を指示する情報を、ランダムアクセスメッセージ制御部109に与える。
【0062】
DL無線リソース割当情報取得部104は、図3に示す無線リソース割当情報取得部43と同様に、復号部102により復号された制御信号から、識別情報データベース25に登録された移動局装置BSに割り当てられた周波数帯域を取得する。帯域指定部107は、図3に示す帯域指定部44と同様に、DL無線リソース割当情報取得部104により特定された周波数帯域と、識別情報の伝送に使用される周波数帯域とを、増幅部15により増幅すべき周波数帯域として指定する。
【0063】
ランダムアクセス応答メッセージ中継制御部105は、プリアンブル受信処理部90からプリアンブルパターンを受信したとき、報知チャネル検出部103から与えられた、時間間隔T1を指示する時期情報に基づいて、ランダムアクセス応答メッセージが到来する時期を決定し、DL送信時期制御部106と、ランダムアクセス応答メッセージ受信処理部91と、ランダムアクセスメッセージ中継制御部109へ通知する。またランダムアクセス応答メッセージ中継制御部105は、ランダムアクセス応答メッセージの中継の際に、下りリンクにおいて使用される全周波数帯域が、増幅部15による増幅される帯域として指定されるように、DL帯域指定部107を制御する。
【0064】
DL送信時期制御部106は、ランダムアクセス応答メッセージ中継制御部105により指定された送信時期に従って、ランダムアクセス応答メッセージの中継の際にDL帯域指定部107が増幅部15に帯域指定情報を出力するタイミングを制御する。DL送信時期制御部106の制御により、DL帯域指定部107は、ランダムアクセス応答メッセージ中継制御部105により指定された送信時期において、下りリンクにおいて使用される全周波数帯域を指定する帯域指定情報を、増幅部15に出力する。
【0065】
増幅部15は、DL帯域指定部107による帯域指定情報に従って、ランダムアクセス応答メッセージの送信時期において、下りリンクにおいて使用される全周波数帯域を増幅することにより、ランダムアクセス応答メッセージを増幅する。
【0066】
UL無線リソース割当情報取得部108は、図8に示す無線リソース割当情報取得部74と同様に、識別情報データベース25に登録された移動局装置UEに対する送信許可情報を取得する。UL送信時期制御部110は、図8に示す送信時期制御部75と同様に、UL無線リソース割当情報取得部108により特定された送信時期に従って、UL帯域指定部111が増幅部70に帯域指定情報を出力するタイミングを制御する。UL帯域指定部111は、UL無線リソース割当情報取得部108により特定された送信時期において、増幅すべき帯域を指定する帯域指定情報を、増幅部70に出力する。
【0067】
プリアンブル中継処理部112は、報知情報に指定された、プリアンブル信号を送信することが許されている送信時期を示す情報を、UL送信時期制御部110に与える。また、プリアンブル中継処理部112は、プリアンブル信号の中継の際に、プリアンブル信号を送信することが許されている周波数帯域が、増幅部70による増幅される帯域として指定されるように、UL帯域指定部111を制御する。
【0068】
UL送信時期制御部110は、プリアンブル中継処理部112により指定された送信時期に従って、プリアンブル信号を送信できる時期にUL帯域指定部111が増幅部70に帯域指定情報を出力するように、UL帯域指定部111を制御する。UL帯域指定部111は、報知情報で指定されたプリアンブル信号の送信時期に、プリアンブル信号を送信することが許されている周波数帯域を指定する帯域指定情報を、増幅部70に出力する。
【0069】
増幅部70は、UL帯域指定部111による帯域指定情報に従って、上りリンクにおいてプリアンブル信号の送信に使用される周波数帯域を増幅する。
【0070】
ランダムアクセスメッセージ中継制御部109は、ランダムアクセス応答メッセージ中継制御部105から与えられたランダムアクセス応答メッセージの到来時期と、報知チャネル検出部103から与えられた、時間間隔T2を指示する時期情報に基づいて、移動局装置UEからランダムアクセスメッセージが到来する時期を決定する。ランダムアクセスメッセージ中継制御部109は、ランダムアクセス応答メッセージ受信処理部91から、ランダムアクセスメッセージが送信される送信時期を示す情報を取得してもよい。
【0071】
ランダムアクセスメッセージ中継制御部109は、ランダムアクセスメッセージが送信される時期を示す情報を、UL送信時期制御部110とランダムアクセスメッセージ受信処理部92に与える。また、ランダムアクセスメッセージの中継の際に、上りリンクにおいて使用される全周波数帯域が、増幅部70による増幅される帯域として指定されるように、UL帯域指定部111を制御する。
【0072】
図16は、図14に示すランダムアクセス応答メッセージ受信処理部91の構成例を示す図である。基地局装置BSから移動局装置UEへ送信されるランダムアクセス応答メッセージには、ランダムアクセス応答メッセージに対して移動局装置UEから送信されるランダムアクセスメッセージを送信する周波数帯域を指定する情報が含まれている。また、ランダムアクセス応答メッセージには、ランダムアクセスメッセージを送信する時期を指定する情報を含んでいてよい。
【0073】
ランダムアクセス応答メッセージ受信処理部91は、データチャネル信号取得部120と、復調部121と、復号部123と、無線リソース割当情報取得部124を備えている。データチャネル信号取得部120は、ランダムアクセス応答メッセージ中継制御部105から与えられたランダムアクセス応答メッセージの到来時期において、下りリンク上にて基地局装置BSから移動局装置UEへ送信されるデータチャネル信号を取得する。復調部121及び復号部123は、データチャネル信号取得部120により取得されたデータチャネル信号を、それぞれ復調及び復号する。無線リソース割当情報取得部124は、復号されたデータチャネル信号に含まれるランダムアクセス応答メッセージから、ランダムアクセスメッセージの送信に使用する周波数帯域を指定する情報を取得する。
【0074】
無線リソース割当情報取得部124は、ランダムアクセスメッセージの送信に使用する周波数帯域を指定する情報を、ランダムアクセスメッセージ受信処理部92へ与える。また、無線リソース割当情報取得部124は、ランダムアクセス応答メッセージから、ランダムアクセスメッセージの送信時期を指定する情報を取得してもよい。無線リソース割当情報取得部124は、ランダムアクセスメッセージの送信時期を指定する情報を、ランダムアクセスメッセージ中継制御部109に与えてもよい。
【0075】
図15を参照する。UL送信時期制御部110は、ランダムアクセスメッセージ中継制御部109により指定された送信時期に従って、ランダムアクセスメッセージの中継の際にUL帯域指定部111が増幅部70に帯域指定情報を出力するタイミングを制御する。UL送信時期制御部110の制御により、UL帯域指定部111は、ランダムアクセスメッセージ中継制御部109により指定された送信時期において、上りリンクにおいて使用される全周波数帯域を指定する帯域指定情報を、増幅部70に出力する。
【0076】
増幅部70は、UL帯域指定部111による帯域指定情報に従って、ランダムアクセスメッセージの送信時期において、上りリンクにおいて使用される全周波数帯域を増幅することにより、ランダムアクセスメッセージを増幅する。
【0077】
図17は、図14に示すランダムアクセスメッセージ受信処理部92の構成例を示す図である。ランダムアクセスメッセージ受信処理部92は、データチャネル信号取得部130と、復調部131と、復号部132と、識別情報取得部133を備えている。データチャネル信号取得部130は、ランダムアクセスメッセージの送信に使用する周波数帯域を指定する情報を、ランダムアクセス応答メッセージ受信処理部91から取得する。
【0078】
データチャネル信号取得部130は、指定された周波数帯域において、ランダムアクセスメッセージ中継制御部109から与えられたランダムアクセスメッセージの到来時期に、送信されるデータチャネル信号を取得する。復調部131及び復号部132は、データチャネル信号取得部130により取得されたデータチャネル信号を、それぞれ復調及び復号する。識別情報取得部133は、復号されたデータチャネル信号に含まれるランダムアクセスメッセージから、このランダムアクセスメッセージを送信した移動局装置UEの識別情報を取得し、識別情報登録部24へ与える。
【0079】
図18は、図14に示す識別情報登録部24の構成例を示す図である。識別情報登録部24は、識別情報取得部31と、識別情報書込部32を備える。識別情報取得部31は、ランダムアクセスメッセージ受信処理部92から識別情報を取得する。識別情報書込部32は、識別情報取得部31により取得された識別情報を、この無線信号中継装置1によって基地局装置BSとの通信を中継する移動局装置の識別情報として、識別情報データベース25に書込む。また、識別情報書込部32は、プリアンブル受信処理部90によって登録された移動局装置UEの仮登録を削除する。
【0080】
図19は、移動局装置の識別情報の取得処理の例を示すフローチャートであり、図20は、移動局装置の識別情報の取得処理の説明図である。ステップS20において、無線信号中継装置1が報知情報を受信したとき、報知チャネル検出部103は、報知情報を検出する。
【0081】
ステップS21において、報知チャネル検出部103は、報知情報に含まれている、プリアンブル信号の送信が許されている送信時期と周波数帯域を示す情報を、プリアンブル中継処理部112に与える。また報知チャネル検出部103は、報知情報に含まれている、基地局装置BSによるプリアンブル信号の受信からランダムアクセス応答メッセージの送信までの間隔T1を、ランダムアクセス応答メッセージ制御部105に与える。また報知チャネル検出部103は、報知情報に含まれている、移動局装置UEがランダムアクセス応答メッセージを受信してからランダムアクセスメッセージを送信するまでの間の間隔T2を、ランダムアクセスメッセージ制御部109に与える。
【0082】
ステップS23において無線信号中継装置1は、プリアンブル信号を受信する。時点を、図20において時刻t1として示す。この時点で、プリアンブル中継処理部112、UL送信時期制御部110及びUL帯域指定部111は、プリアンブル信号を送信することが許されている送信時期及び周波数帯域140において、上りリンク上の信号を増幅するように増幅部70を制御する。
【0083】
ステップS24において、ランダムアクセス応答メッセージ中継制御部105は、報知チャネル検出部103から与えられた時間間隔T1を指示する時期情報に基づいて、ランダムアクセス応答メッセージが到来する時期t2を決定する。ステップS25において、ランダムアクセス応答メッセージ中継制御部105、DL送信時期制御部106及びDL帯域指定部107は、ランダムアクセス応答メッセージが送信されるサブフレーム141において、下りリンクで利用される全ての帯域の無線信号を増幅する。
【0084】
ステップS26において、ランダムアクセス応答メッセージ受信処理部91は、無線信号中継装置1が受信したランダムアクセス応答メッセージを復調及び復号する。ステップS27においてランダムアクセス応答メッセージ受信処理部91の無線リソース割当情報取得部124は、ランダムアクセスメッセージの送信に使用する周波数帯域を指定する情報を取得する。
【0085】
ランダムアクセス応答メッセージにおいて、ランダムアクセスメッセージの送信時期の指定情報が与えられる場合には、無線リソース割当情報取得部124は、ランダムアクセスメッセージの送信時期の指定情報を取得してもよい。ステップS28において、ランダムアクセスメッセージ中継制御部109は、ランダムアクセス応答メッセージの送信時刻と、報知チャネル検出部103から与えられた時間間隔T2を指示する時期情報に基づいて、ランダムアクセスメッセージが到来する時期t3を決定する。これに代えて、ランダムアクセスメッセージ中継制御部109は、ランダムアクセス応答メッセージにおいて与えられたランダムアクセスメッセージの送信時期t3を使用してもよい。
【0086】
ステップS29において、ランダムアクセスメッセージ中継制御部109、UL送信時期制御部110及びDL帯域指定部111は、ランダムアクセスメッセージが送信されるサブフレーム142において、上りリンクで利用される全ての帯域の無線信号を増幅する。ステップS30において、ランダムアクセスメッセージ受信処理部92は、無線信号中継装置1が受信したランダムアクセスメッセージを復調及び復号する。ステップS31においてランダムアクセスメッセージ受信処理部92の識別情報取得部133は、ランダムアクセスメッセージに含まれている、移動局装置UEの識別情報を取得する。ステップS32において識別情報登録部24は、取得された識別情報を、無線信号中継装置1が中継すべき移動局装置UEの識別情報として、識別情報データベース25に登録する。
【0087】
その後、無線信号中継装置1は、時刻t4において、図1に示す無線信号中継装置1と同様に、下りリンク上のサブフレーム143に含まれる制御信号144とデータ145を中継する。また、無線信号中継装置1は、時刻t5において、図7に示す無線信号中継装置1と同様に、サブフレーム143の制御信号144に含まれる送信許可情報に従って、上りリンク上のデータ147を中継する。
【0088】
本実施例によれば、ランダムアクセスメッセージにて移動局装置UEの識別情報が与えられるシステムにおいて、開示の無線信号中継装置1を使用することが可能となる。
【0089】
以上の実施例を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0090】
(付記1)
基地局装置と移動局装置との間の無線信号の中継を行う無線信号中継装置であって、
中継すべき前記移動局装置が記憶される移動局記憶手段と、
前記基地局装置から送信される制御チャネル情報により指示される、前記移動局記憶手段に記憶された移動局装置に割り当てられた無線リソースを、増幅すべき無線信号が伝送されている無線リソースとして指定する無線リソース指定手段と、
前記基地局装置と前記移動局装置との間の前記無線信号を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された信号であって前記無線リソース指定手段により指定された前記無線リソース上で伝送される信号を、増幅する増幅手段と、
前記増幅手段により増幅された前記信号を無線信号として送信する送信手段と、
を備える無線信号中継装置。
【0091】
(付記2)
前記制御チャネル情報は、下りリンクにおいて前記移動局装置に割り当てられた周波数帯域を示す無線リソース割当情報を含み、
前記無線リソース指定手段は、前記移動局記憶手段に記憶された移動局装置に対して割り当てられた周波数帯域を、前記増幅すべき無線信号が伝送されている無線リソースとして指定する、付記1に記載の無線中継装置。
【0092】
(付記3)
前記制御チャネル情報は、上りリンクにおいて前記移動局装置に割り当てられた送信時期及び周波数帯域を示す無線リソース割当情報を含み、
前記無線リソース指定手段は、前記移動局記憶手段に記憶された移動局装置に対して割り当てられた送信時期と周波数帯域とを、前記増幅すべき無線信号が伝送されている無線リソースとして指定する、付記1に記載の無線中継装置。
【0093】
(付記4)
前記移動局装置から前記基地局装置へ送信されるプリアンブル信号の送信時期から、前記プリアンブル信号に対する前記基地局装置からの応答メッセージの送信時期までの間隔が、予め前記基地局装置から送信される報知情報により指定され、
前記応答メッセージの送信時期から、前記応答メッセージに対して前記移動局装置が送信するランダムアクセスメッセージの送信時期までの間隔が、前記報知情報により指定され、
前記ランダムアクセスメッセージの送信が許される周波数帯域が、前記応答メッセージにおいて指定され、
前記無線中継装置は、前記応答メッセージの送信時期と前記報知情報により送信時期が定められ、かつ前記応答メッセージにおいて送信周波数帯域が定められた前記ランダムアクセスメッセージから、前記プリアンブル信号を送信した前記移動局装置の識別情報を取得する識別情報取得部を、備え、
前記移動局記憶手段には、前記中継すべき前記移動局装置の識別子として、前記識別情報取得部により取得された前記移動局装置の識別情報が記憶される、付記1〜3のいずれか一項に記載の無線中継装置。
【0094】
(付記5)
前記受信手段が受信した受信信号に含まれる、前記送信手段からの送信信号を抑圧する回り込み干渉抑圧処理を行う回り込み干渉抑圧手段を備える付記1〜4の何れか一項に記載の無線中継装置。
【0095】
(付記6)
前記回り込み干渉抑圧手段は、前記受信信号の時間領域信号に対して前記回り込み干渉抑圧処理を行う付記5に記載の無線中継装置。
【0096】
(付記7)
前記受信手段により受信された信号が前記増幅手段に入力される時期に対する、前記無線リソース指定手段が前記無線リソースを指定する時期の遅延を吸収する遅延吸収手段を備える付記2に記載の無線中継装置。
【0097】
(付記8)
基地局装置と移動局装置との間の無線信号の中継を行う無線信号中継装置において前記無線信号の中継を行う中継方法であって、
中継すべき前記移動局装置を所定の移動局記憶手段に記憶し、
前記基地局装置から送信される制御チャネル情報により指示される、前記移動局記憶手段に記憶された移動局装置に割り当てられた無線リソースを、増幅すべき無線信号が伝送されている無線リソースとして指定し、
前記基地局装置と前記移動局装置との間の前記無線信号を所定の受信手段で受信し、
前記所定の受信手段で受信された信号であって、前記増幅すべき無線信号が伝送されている無線リソースとして指定された前記無線リソース上で伝送される信号を増幅し
増幅された前記信号を無線信号として送信する、中継方法。
【0098】
(付記9)
前記制御チャネル情報は、下りリンクにおいて前記移動局装置に割り当てられた周波数帯域を示す無線リソース割当情報を含み、
前記移動局記憶手段に記憶された移動局装置に対して割り当てられた周波数帯域を、前記増幅すべき無線信号が伝送されている無線リソースとして指定する、付記8に記載の中継方法。
【0099】
(付記10)
前記制御チャネル情報は、上りリンクにおいて前記移動局装置に割り当てられた送信時期及び周波数帯域を示す無線リソース割当情報を含み、
前記移動局記憶手段に記憶された移動局装置に対して割り当てられた送信時期と周波数帯域とを、前記増幅すべき無線信号が伝送されている無線リソースとして指定する、付記8に記載の中継方法。
【0100】
(付記11)
前記移動局装置から前記基地局装置へ送信されるプリアンブル信号の送信時期から、前記プリアンブル信号に対する前記基地局装置からの応答メッセージの送信時期までの間隔が、予め前記基地局装置から送信される報知情報により指定され、
前記応答メッセージの送信時期から、前記応答メッセージに対して前記移動局装置が送信するランダムアクセスメッセージの送信時期までの間隔が、前記報知情報により指定され、
前記ランダムアクセスメッセージの送信が許される周波数帯域が、前記応答メッセージにおいて指定され、
前記中継方法は、
前記応答メッセージの送信時期と前記報知情報により送信時期が定められ、かつ前記応答メッセージにおいて送信周波数帯域が定められた前記ランダムアクセスメッセージから、前記プリアンブル信号を送信した前記移動局装置の識別情報を取得し、
前記中継すべき前記移動局装置の識別子として、前記識別情報取得部により取得された前記移動局装置の識別情報を、記憶前記移動局記憶手段に記憶する、
付記8〜10のいずれか一項に記載の中継方法。
【0101】
(付記12)
基地局装置と、移動局装置と、これら基地局装置及び移動局装置の間の無線信号の中継を行う無線信号中継装置と、を備える無線通信システムにおいて、
前記無線信号中継装置は、
中継すべき前記移動局装置を所定の移動局記憶手段に記憶し、
前記基地局装置から送信される制御チャネル情報により指示される、前記移動局記憶手段に記憶された移動局装置に割り当てられた無線リソースを、増幅すべき無線信号が伝送されている無線リソースとして指定し、
前記基地局装置と前記移動局装置との間の前記無線信号を所定の受信手段で受信し、
前記所定の受信手段で受信された信号であって、前記増幅すべき無線信号が伝送されている無線リソースとして指定された前記無線リソース上で伝送される信号を増幅し、
増幅された前記信号を無線信号として送信する無線通信システム。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】開示の無線信号中継装置の第1実施例の全体構成図である。
【図2】図1に示す識別情報登録部の構成例を示す図である。
【図3】図1に示す無線リソース指定部の構成例を示す図である。
【図4】無線信号のフレームフォーマットの例を示す図である。
【図5】図1に示す増幅部の構成例を示す図である。
【図6】図1に示す無線信号中継装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】開示の無線信号中継装置の第2実施例の全体構成図である。
【図8】図7に示す無線リソース指定部の構成例を示す図である。
【図9】図7に示す無線信号中継装置の動作を示すフローチャートである。
【図10】開示の無線信号中継装置の第3実施例の全体構成図である。
【図11】開示の無線信号中継装置の第4実施例の全体構成図である。
【図12】開示の無線信号中継装置の第5実施例の全体構成図である。
【図13】図12に示す増幅部の構成例を示す図である。
【図14】開示の無線信号中継装置の第6実施例の全体構成図である。
【図15】図14に示す無線リソース指定部の構成例を示す図である。
【図16】図14に示すランダムアクセス応答メッセージ受信処理部の構成例を示す図である。
【図17】図14に示すランダムアクセスメッセージ受信処理部の構成例を示す図である。
【図18】図14に示す識別情報登録部の構成例を示す図である。
【図19】移動局装置の識別情報の取得処理の例を示すフローチャートである。
【図20】移動局装置の識別情報の取得処理の説明図である。
【符号の説明】
【0103】
1 無線信号中継装置
10、17 アンテナ
11、16 共用器
12、18 線形増幅器
13、19 アナログディジタル変換部
14、20 フーリエ変換部
21、27、61 逆フーリエ変換部
22、28、62 ディジタルアナログ変換部
23、29、63 パワーアンプ
BS 基地局装置
UE 移動局装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、基地局装置と移動局装置の間で送受信される無線信号を受信し、増幅してから送信する無線信号中継装置及び無線信号中継方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線信号を中継する方式としては、非再生中継方式であるRF直接増幅方式と、ベースバンド再生中継方式とが知られている。RF直接増幅方式は、受信した無線信号を再生せずに増幅する方式である。ベースバンド再生中継方式は、受信信号を、復調及び復号してベースバンド信号に戻し、誤り訂正などを行って元の信号を再生してから再び符号化及び変調する方式である。
【0003】
なお、本願に関し、基地局から通知されたチャネル情報に基づき、所定のレベルより受信品質が低いサブキャリアを選択増幅し、移動局装置宛のマルチキャリア信号として中継送信する技術が知られている。
【0004】
また、TMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)信号を復調し、受信したディジタル放送信号に再送信する階層が含まれているかをチェックして、バンドパスフィルタからの出力をそのまま増幅部に出力する技術が知られている。
【0005】
【特許文献1】国際公開第2006/035902号パンフレット
【特許文献2】特開2005−341195号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
RF直接増幅方式には、構成が簡単であり処理遅延が殆ど発生しない。しかしRF直接増幅方式による中継は、中継の対象でない不要な信号まで増幅してしまうため、消費電力が増大してしまう。またRF直接増幅方式による中継は、中継の対象でない不要な信号まで増幅する結果、周波数帯を無駄に占有してしまうため周波数利用効率を低下させる。
【0007】
ベースバンド再生中継方式には、通信品質の改善が行われる。しかし、ベースバンド再生中継方式には、復調、復号、ベースバンド信号処理、符号化及び変調処理のために、処理遅延が生じる。
【0008】
開示の装置及び方法は、処理遅延が少なく消費電力が低減された無線信号中継装置及び無線信号中継方法を提供することを目的の1つとする。また、開示の装置及び方法は、処理遅延が少なく周波数利用効率が改善された無線信号中継装置及び無線信号中継方法を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
ある実施例の形態による無線信号中継装置は、基地局装置と移動局装置との間の無線信号の中継を行う。この無線信号中継装置は、中継すべき移動局装置が記憶される移動局記憶手段と、基地局装置から送信される制御チャネル情報により指示される、移動局記憶手段に記憶された移動局装置に割り当てられた無線リソースを、増幅すべき無線信号が伝送されている無線リソースとして指定する無線リソース指定手段と、基地局装置と移動局装置との間の無線信号を受信する受信手段と、受信手段により受信された信号であって無線リソース指定手段により指定された無線リソース上で伝送される信号を増幅する増幅手段と、増幅手段により増幅された信号を無線信号として送信する送信手段と、を有する。
【発明の効果】
【0010】
開示の装置及び方法によれば、無線信号中継装置は、移動局装置に割り当てられた無線リソースを知得するために制御チャネル情報のみ参照すればよいので、処理遅延が抑制される。また無線信号中継装置は、中継すべき移動局装置として指定された移動局装置に割り当てられた無線リソースを中継するので、中継の対象でない不要な信号まで中継しなくてすむため、消費電力が低減され、周波数利用効率が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、添付する図面を参照して実施例を説明する。図1は、開示の無線信号中継装置の第1実施例の全体構成図である。無線信号中継装置1は、基地局装置BSから移動局装置UEへ送信される下りリンク上の無線信号を中継する。すなわち無線信号中継装置1は、基地局装置BSから移動局装置UEへ送信される無線信号を受信し、この無線信号を増幅してから移動局装置UEへ送信する。また、無線信号中継装置1は、移動局装置UEから基地局装置BSへ送信される上りリンク上の無線信号を中継する。すなわち無線信号中継装置1は、移動局装置UEから基地局装置BSへ送信される無線信号を受信し、この無線信号を増幅してから基地局装置BSへ送信する。
【0012】
無線信号中継装置1は、アンテナ10及び17、共用器(DUP)11及び17、線形増幅器12及び18、アナログディジタル変換部(A/D)13及び19、フーリエ変換部(FFT)14及び20、逆フーリエ変換部(IFFT)21と、ディジタルアナログ変換部(D/A)22と、パワーアンプ23を備える。また、無線信号中継装置1は、増幅部15と、識別情報登録部24と、識別情報データベース25と、無線リソース指定部26を備える。
【0013】
以下に示す各実施例において、例えば、移動局装置UEは、直交周波数分割多元接続(OFDMA: Orthogonal Frequency Division Multiple Access)により、基地局装置BSに接続されている。例えば、移動局装置UE及び基地局装置BSは、3GPP(3rd Generation Partnership Project)で標準化が進められているLTE(Long Term Evolution)にて定められる通信規格に準拠するものであってよい。しかし、開示の無線信号中継装置は、LTEに準拠して定められた通信システムで使用されることに限られず、上りリンク及び/又は下りリンクについて移動局装置UEに割り当てられる無線リソースを、基地局装置BSから移動局装置UEに制御信号を用いて通知するような様々な通信システムに適用可能である。
【0014】
無線信号中継装置1は、基地局装置BSから移動局装置UEへ送信された下りリンク上の無線信号を、アンテナ10で受信する。線形増幅器12は、共用器11を介して入力される受信信号を増幅する。アナログディジタル変換部13は、線形増幅器12により増幅された信号をディジタル信号に変換する。フーリエ変換部14は、アナログディジタル変換部13によりディジタル信号に変換されたOFDMA信号をフーリエ変換することにより、各サブキャリア毎のシンボルに変換する。増幅部15は、フーリエ変換部14から出力された各サブキャリア毎のシンボルを、逆フーリエ変換によりOFDMA信号へ変換する。そして増幅部15は、このOFDMA信号を増幅する。なお、増幅部15の構成は後述する。アンテナ17は、共用器16を介して供給される、増幅部15が増幅したOFDMA信号を、移動局装置UEへ送信する。
【0015】
無線信号中継装置1は、移動局装置UEから基地局装置BSへ送信された上りリンク上の無線信号を、アンテナ17で受信する。線形増幅器18は、共用器16を介して入力される受信信号を増幅する。アナログディジタル変換部19は、線形増幅器18により増幅された信号をディジタル信号に変換する。フーリエ変換部20は、アナログディジタル変換部19によりディジタル信号に変換されたOFDMA信号をフーリエ変換することにより、各サブキャリア毎のシンボルに変換する。
【0016】
逆フーリエ変換部21は、フーリエ変換部20から出力された各サブキャリア毎のシンボルを、逆フーリエ変換によりOFDMA信号へ変換する。ディジタルアナログ変換部22は、逆フーリエ変換部21から出力されるOFDMA信号をアナログ信号へ変換する。パワーアンプ23は、ディジタルアナログ変換部22によって変換されたアナログ形式のOFDMA信号を増幅する。アンテナ10は、共用器11を介して供給される、パワーアンプ23が増幅したOFDMA信号を、基地局装置BSへ送信する。なお、各実施例においてOFDMA信号を一例として説明するが、LTE準拠の上りリンクの通信方式であるSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)信号の場合でも何ら違いはない。
【0017】
上りリンク上において移動局装置UEが基地局装置BSへ、移動局装置UEの識別情報を通知するとき、識別情報登録部24は、上りリンク上で伝送される移動局装置UEの識別情報を取得する。識別情報登録部24は、取得した識別情報を識別情報データベース(DB)25へ登録する。
【0018】
例えばLTEにて定められる通信規格では、移動局装置UEは、その識別情報を基地局装置BSへ、上りリンク上のランダムアクセスチャネル(RACH)を介して通知する。図2は、図1に示す識別情報登録部24の構成例を示す図である。
【0019】
識別情報登録部24は、RACH信号取得部30と、識別情報取得部31と、識別情報書込部32を備える。RACH信号取得部30は、移動局装置UEから受信した上りリンク上の信号から、ランダムアクセスチャネルを介して伝送されるRACH信号を取得する。識別情報取得部31は、RACH信号取得部30が取得したRACH信号に含まれている送信元の移動局装置UEの識別情報を取得する。識別情報書込部32は、識別情報取得部31により取得された識別情報を、この無線信号中継装置1によって基地局装置BSとの通信を中継する移動局装置の識別情報として、識別情報データベース25に書込む。
【0020】
識別情報登録部24によって、無線信号中継装置1と交信可能なエリア内にある移動局装置UEが、無線信号中継装置1によって基地局装置BSとの通信を中継される移動局装置UEとして識別情報データベース25に登録される。
【0021】
再び図1を参照する。無線リソース指定部26は、基地局装置BSから受信したOFDMA信号のうち、無線信号中継装置1により増幅されるべき信号の伝送に使用されている無線リソースを指定する。図3は、図1に示す無線リソース指定部26の構成例を示す図である。無線リソース指定部26は、制御信号取得部40と、復調部41と、復号部42と、無線リソース割当情報取得部43と、帯域指定部44を備える。
【0022】
制御信号取得部40は、下りリンク上にて基地局装置BSから移動局装置UEへ送信される制御信号を取得する。復調部41及び復号部42は、制御信号取得部40により取得された制御信号を、それぞれ復調及び復号する。
【0023】
無線リソース割当情報取得部43は、復号された制御信号から、基地局装置BSと接続されている各移動局装置UEの識別情報と、これら移動局装置UEに、下りリンクにおいて夫々割り当てられている周波数帯域を指示する無線リソース割当情報を取得する。無線リソース割当情報取得部43は、無線信号中継装置1によって中継される移動局装置として登録された移動局装置の識別情報を、識別情報データベース25から読み込む。無線リソース割当情報取得部43は、復号された制御信号に含まれている識別情報と、識別情報データベース25に登録された移動局装置UEの識別情報とを比較する。無線リソース割当情報取得部43は、制御信号に含まれた識別情報と識別情報データベース25に登録された識別情報とが一致するとき、制御情報においてこの識別情報に対応付けられて格納された無線リソース割当情報を取得する。無線リソース割当情報取得部43は、この無線リソース割当情報に従って、識別情報データベース25に登録された移動局装置UEに割り当てられた周波数帯域を特定する。
【0024】
帯域指定部44は、下りリンク上にて識別情報が送信されている期間では、識別情報の伝送に使用される周波数帯域を、増幅部15により増幅すべき周波数帯域として指定する。帯域指定部44は、下りリンク上にて、各移動局装置UEに割り当てた周波数帯域にてデータが送信されている期間では、無線リソース割当情報取得部43により特定された周波数帯域を、増幅部15により増幅すべき周波数帯域として指定する。
【0025】
図4は、無線信号のフレームフォーマットの例を示す図である。本フレームフォーマットは、LTEにて定められた下りリンク上の無線信号のフレームフォーマットを示す。1つのフレームは複数のサブフレームを含み、1つのサブフレームは制御信号部分50とデータ部分51を含んでいる。
【0026】
制御信号部分50には、制御チャネルがマッピングされる。制御チャネルは、報知情報を伝送する報知チャネル(BCH)と、各移動局装置UEに共通の制御情報を伝送する共通制御チャネル(CCH)と、各移動局装置#1〜#nの制御情報を伝送する個別制御チャネル(CCH#1〜CCH#n)を含む。共通制御チャネルCCHは、このサブフレームにおいてデータ部分51に送信データが含まれている移動局装置UEの識別情報を含む。個別制御チャネルCCH#1〜CCH#nは、共通制御チャネルCCHにて識別情報が指定された各移動局装置#1〜#nに対して割り当てられた周波数帯域を示す情報が含まれている。データ部分51には、各移動局装置#1〜#nに対して割り当てられたデータチャネル(DCH#1〜DCH#n)がマッピングされる。
【0027】
図5は、図1に示す増幅部15の構成例を示す図である。増幅部15は、フーリエ変換部14により各サブキャリア毎のシンボルを示す信号に変換されたOFDMA信号のうち、帯域指定部34により指定された周波数帯域の信号を増幅する。増幅部15は、乗算器60と、逆フーリエ変換部61と、ディジタルアナログ変換部62と、パワーアンプ63とを備えている。
【0028】
帯域指定部34は、増幅部15で増幅される周波数帯域を指定する帯域指定情報を、フーリエ変換部14から出力される各サブキャリア毎のシンボルのそれぞれに乗じる係数として、これらサブキャリア毎のシンボルに同期させて、増幅部15へ出力してよい。帯域指定情報は、増幅する周波数帯域に対応するサブキャリアのシンボルのための係数として非ゼロの係数を含み、それ以外のシンボルのための係数としてゼロを含んでいてよい。乗算器60は、フーリエ変換部14から出力される各サブキャリア毎のシンボルと、帯域指定情報とを乗算する。
【0029】
逆フーリエ変換部61は、乗算器60の演算結果を、逆フーリエ変換によりOFDMA信号へ変換する。ディジタルアナログ変換部62は、逆フーリエ変換部61から出力されるOFDMA信号をアナログ信号へ変換する。パワーアンプ63は、ディジタルアナログ変換部62によって変換されたアナログ形式のOFDMA信号を増幅し、共用器16へ出力する。
【0030】
乗算器60による演算結果は、帯域指定部34により指定された周波数帯域に対応するサブキャリアのシンボルのみ含み、その他のシンボルはマスクされる。したがって、パワーアンプ63は、帯域指定部34により指定された周波数帯域にて伝送される無線信号のみを増幅する。
【0031】
図6は、図1に示す無線信号中継装置1の動作を示すフローチャートである。ステップS1において識別情報登録部24は、上りリンクのランダムアクセスチャネルから、無線信号中継装置1の交信可能範囲にある移動局装置BSの識別情報を取得する。識別情報登録部24は、取得した識別情報を、中継の対象の移動局装置BSの識別情報として、識別情報データベース25に登録する。
【0032】
ステップS2において無線信号中継装置1は、下りリンク上の信号を受信する。ステップS3において、無線リソース指定部26の制御信号取得部40、復調部41及び復号部42は、ステップS2で受信した信号に含まれる制御信号を復調及び復号する。図4に示すフレームフォーマットの場合、制御信号取得部40、復調部41及び復号部42は、制御信号部分50を復調及び復号する。
【0033】
ステップS4において無線リソース割当情報取得部43は、復号された制御信号から、識別情報データベース25に登録された移動局装置UEに割り当てられた周波数帯域を取得する。例えば、図4に示すフレームフォーマットが使用される場合には、無線リソース割当情報取得部43は、復号された共通制御チャネル(CCH)の制御情報に含まれている移動局装置の識別情報を取得してよい。無線リソース割当情報取得部43は、制御情報から取得した識別情報を、識別情報データベース25に登録された識別情報と比較する。制御情報から取得した識別情報の中に、識別情報データベース25に登録された識別情報と一致するものがある場合、この識別情報の移動局装置UEのための個別制御チャネルの制御情報から、帯域情報を取得する。
【0034】
ステップS5において帯域指定部44は、下りリンク上にて識別情報が送信されている期間では、識別情報の伝送に使用される周波数帯域を、増幅部15により増幅すべき周波数帯域として指定する。また、帯域指定部44は、下りリンク上にて、各移動局装置UEに割り当てた周波数帯域にてデータが送信されている期間では、無線リソース割当情報取得部43により特定された周波数帯域を、増幅部15により増幅すべき周波数帯域として指定する。
【0035】
ステップS6において増幅部15は、受信信号のうち、帯域指定部44により指定された周波数帯域の部分を増幅する。ステップS7において無線信号中継装置1は、増幅された無線信号を下りリンク上で送信する。その後、無線信号中継装置1は、処理をステップS2へ戻す。
【0036】
本実施例によれば、図4に示す下りリンク上のサブフレームのデータ部分51の信号のうち、中継対象として識別情報データベース25に登録された移動局装置UE向けのデータに使用されている周波数帯域のみ増幅されるので、パワーアンプ63の消費電力が低減される。また本実施例によれば、識別情報データベース25に登録された移動局装置UE向けのデータに使用されている周波数帯域のみ増幅されるので、不要な帯域の増幅が無くなり、移動局装置UE間の干渉の発生を低減できる。また、データ部分51については復調及び復号処理を行わなくてすむので、処理遅延を少なくすることができる。
【0037】
図7は、開示の無線信号中継装置の第2実施例の全体構成図である。本実施例の無線信号中継装置1は、上りリンク上で各移動局装置UEから送信されるデータのうち、識別情報データベース25に登録された移動局装置UEから送信されるものだけを中継する。図1に示した構成要素と同様の構成要素については説明を省略し、同一の符号を付する。
【0038】
無線信号中継装置1は、逆フーリエ変換部27と、ディジタルアナログ変換部28と、パワーアンプ29を備える。また無線信号中継装置1は、増幅部70を備える。下りリンク上の信号の中継において、逆フーリエ変換部27は、フーリエ変換部14から出力された各サブキャリア毎のシンボルを、逆フーリエ変換によりOFDMA信号へ変換する。ディジタルアナログ変換部28は、逆フーリエ変換部27から出力されるOFDMA信号をアナログ信号へ変換する。パワーアンプ29は、ディジタルアナログ変換部28によって変換されたアナログ形式のOFDMA信号を増幅する。アンテナ17は、共用器16を介して供給される、パワーアンプ29が増幅したOFDMA信号を、移動局装置UEへ送信する。
【0039】
無線リソース指定部26は、識別情報データベース25に登録された移動局装置UEから信号が送信されるタイミングで、移動局装置UEからの上りリンク信号の伝送に使用されている周波数帯域を、増幅部70が増幅すべき周波数帯域として指定する。
【0040】
図8は、図7に示す無線リソース指定部26の構成例を示す図である。無線リソース指定部26は、制御信号取得部71と、復調部72と、復号部73と、無線リソース割当情報取得部74と、送信時期制御部75と、帯域指定部76とを備える。制御信号取得部71は、下りリンク上にて基地局装置BSから移動局装置UEへ送信される制御信号を取得する。復調部72及び復号部73は、制御信号取得部71により取得された制御信号を、それぞれ復調及び復号する。
【0041】
無線リソース割当情報取得部74は、復号された制御信号から、基地局装置BSが、各移動局装置UEに対して、上りリンクにおける信号の送信を許可する送信許可情報を取得する。送信許可情報は、基地局装置BSが、上りリンクにおいて各移動局装置UEに信号の送信が許可される時期を示す時期情報と、その送信に使用が許された周波数帯域情報を含んでいる。例えばLTEの場合、この送信許可情報としてUL grant 信号を使用してよい。
【0042】
無線リソース割当情報取得部74は、無線信号中継装置1によって中継される移動局装置として登録された移動局装置の識別情報を、識別情報データベース25から読み込む。無線リソース割当情報取得部74は、復号された制御信号に含まれている識別情報と、識別情報データベース25に登録された移動局装置BSの識別情報とを比較する。制御信号に含まれた識別情報と識別情報データベース25に登録された識別情報とが一致するとき、無線リソース割当情報取得部74は、制御信号においてこの識別情報に対応付けられて格納されている送信許可情報を取得する。無線リソース割当情報取得部74は、送信許可情報に従って識別情報データベース25に登録された各移動局装置UEに信号の送信が許可される時期と、使用が許された周波数帯域情報とを特定する。
【0043】
送信時期制御部75は、無線リソース割当情報取得部74により特定された送信時期に従って、帯域指定部76が、増幅部70に帯域指定情報を出力するタイミングを制御する。帯域指定部76は、無線リソース割当情報取得部74により特定された送信時期において、増幅部70により増幅する帯域を指定する帯域指定情報を、増幅部70に出力する。増幅部70は、図5を参照して説明した増幅部と同様であり、増幅部70は、フーリエ変換部20により各サブキャリア毎のシンボルを示す信号に変換されたOFDMA信号のうち、帯域指定部76により指定された周波数帯域の信号を増幅する。
【0044】
図9は、図7に示す無線信号中継装置1の動作を示すフローチャートである。ステップS10において識別情報登録部24は、無線信号中継装置1の交信可能範囲にある移動局装置BSの識別情報を、識別情報データベース25に登録する。ステップS11において無線信号中継装置1は、下りリンク上の信号を受信する。ステップS12において、無線リソース指定部26の制御信号取得部71、復調部72及び復号部73は、ステップS2で受信した信号に含まれる制御信号を復調及び復号する。
【0045】
ステップS13において無線リソース割当情報取得部74は、復号された制御信号から、識別情報データベース25に登録された移動局装置UEに対する送信許可情報を取得する。無線リソース割当情報取得部74は、送信許可情報に従って識別情報データベース25に登録された各移動局装置UEに信号の送信が許可される時期と、使用が許された周波数帯域情報とを特定する。
【0046】
ステップS14において無線信号中継装置1は、上りリンク上の信号を受信する。ステップS15において送信時期制御部15は、現時刻が、無線リソース割当情報取得部74により特定された送信時期に至ったか否かを判定する。現時刻が送信時期に至っていない場合には(ステップS15:N)処理はステップS14に戻り、現時刻が送信許可時期に至った場合には(ステップS15:Y)処理はステップS16へ進む。
【0047】
ステップS16において帯域指定部76は、無線リソース割当情報取得部74により特定された送信時期において、ステップS13で特定された周波数帯域を指定する帯域指定情報を、増幅部70に出力する。ステップS17において増幅部70は、受信信号のうち、帯域指定部76により指定された周波数帯域の部分を増幅する。ステップS18において無線信号中継装置1は、増幅された無線信号を上りリンク上で送信する。その後、無線信号中継装置1は、処理をステップS11へ戻す。
【0048】
本実施例によれば、上りリンク上において各移動局装置UEから送信されるデータのうち、中継対象として識別情報データベース25に登録された移動局装置UEから送信されるデータに関する信号のみ増幅されるので消費電力が低減される。また本実施例によれば、中継対象として登録された移動局装置UEからのデータに使用されている周波数帯域のみ増幅されるので、不要な帯域の増幅が無くなり、移動局装置UE間の干渉の発生を低減できる。また、各移動局装置UEから送信されるデータについては復調及び復号処理を行わなくてすむので、処理遅延を少なくすることができる。なお図7に示す無線信号中継装置1は、図1に示す無線信号中継装置と同様の構成要素を含むことにより、図1に示す無線信号中継装置と同様に、下りリンク上のデータのうち、識別情報データベース25に登録された移動局装置UEへ送信されるものだけ中継してもよい。
【0049】
図10は、開示の無線信号中継装置の第3実施例の全体構成図である。本実施例の無線信号中継装置1は、下りリンク信号の処理回路に、受信された下りリンク信号における回り込み干渉を抑圧する回り込み干渉抑圧処理部80を備える。図1に示した構成要素と同様の構成要素については説明を省略し、同一の符号を付する。回り込み干渉抑圧処理部80は、アンテナ17から送信される信号成分を、送信信号が受信回路へ回り込むのに要する時間を遅らせ、この遅らせた信号成分を受信信号から除去する。なお干渉抑圧処理のために、図5に示した乗算器60の演算結果を用いても良い。
【0050】
上述のとおり、無線信号中継装置1は、下りリンク上で伝送されるデータのうち、中継対象の移動局装置UEへ送信されるデータのみを中継することにより、移動局装置UE間の干渉を低減する。本実施例によれば、さらに、対象の移動局装置UEへの送信信号それ自身による回り込み干渉も低減され、信号品質がさらに向上する。なお、同様の回り込み干渉抑圧処理部を、図7に示す実施例の上りリンク信号の処理回路に設けてもよい。
【0051】
図11は、開示の無線信号中継装置の第4実施例の全体構成図である。本実施例の無線信号中継装置1は、遅延調整部81を備える。図10に示した構成要素と同様の構成要素については説明を省略し、同一の符号を付する。遅延調整部81は、無線リソース指定部26が下りリンク上の制御信号を復調及び復号して増幅する周波数帯を指定するのに要する時間分、増幅部15へ入力する受信信号を遅延させ、増幅部15へ入力する受信信号に対する周波数帯の指定の遅れを吸収する。本実施例によれば、無線リソース指定部26の実際の実装において生じる周波数帯の指定の遅れが吸収される。
【0052】
図12は、開示の無線信号中継装置の第5実施例の全体構成図である。図11に示した構成要素と同様の構成要素については説明を省略し、同一の符号を付する。本実施例において、回り込み干渉抑圧処理部80は、アナログディジタル変換部13から出力される時間領域信号のOFDMA信号に対して、回り込み干渉処理を行う。また、増幅部15は、アナログディジタル変換器13によりディジタル形式に変換されたRF信号である、ディジタル形式に変換されたOFDMA信号を、時間領域信号のまま増幅する。図13は、図12に示す増幅部15の構成例を示す図である。
【0053】
増幅部15は、逆フーリエ変換部61と、ディジタルアナログ変換部62と、パワーアンプ63と、畳み込み処理部82を備える。逆フーリエ変換部61は、逆フーリエ変換により、帯域指定部34にから出力される帯域指定情報を時間領域信号へ変換する。畳み込み処理部82は、遅延調整部81から出力された時間領域信号の受信信号と、逆フーリエ変換部61から出力される時間領域信号との間で畳み込み演算を行うことによって、指定された帯域において、受信信号を通過させるフィルタリング処理を行う。ディジタルアナログ変換部62は、畳み込み処理部82の出力信号をアナログ信号へ変換する。パワーアンプ63は、ディジタルアナログ変換部62によって変換されたアナログ形式のOFDMA信号を増幅し、共用器16へ出力する。
【0054】
図14は、開示の無線信号中継装置の第6実施例の全体構成図である。図1及び図7に示した構成要素と同様の構成要素については説明を省略し、同一の符号を付する。本実施例の無線信号中継装置1が使用される通信システムでは、移動局装置UEは、基地局装置BSとの接続を開始するときに、プリアンブル信号を送信する。基地局装置BSは、プリアンブル信号に対するランダムアクセス応答メッセージを送信する。このランダムアクセス応答メッセージを受信したときに、移動局装置UEは、自分の識別番号を含むランダムアクセスメッセージを送信する。
【0055】
無線信号中継装置1は、プリアンブル信号を受信したとき、プリアンブル信号を送信した移動局装置UEを仮登録する。移動局装置UEがランダムアクセスメッセージを送信したとき、無線信号中継装置1は、これに含まれる移動局装置UEの識別番号を取得し、これを識別情報データベース25へ登録する。無線信号中継装置1は、プリアンブル受信処理部90と、ランダムアクセス応答メッセージ受信処理部91と、ランダムアクセスメッセージ受信処理部92を備えている。
【0056】
プリアンブル受信処理部90は、上りリンク上で伝送される移動局装置UEから送信されたプリアンブル信号を検出する。プリアンブル信号を検出したとき、プリアンブル受信処理部90は、プリアンブル信号に含まれるプリアンブルパターンを、仮登録する移動局装置UEを識別する情報として識別情報データベース25に登録する。また、プリアンブル受信処理部90は、プリアンブルパターンを無線リソース指定部26へ通知する。
【0057】
図15は、図14に示す無線リソース指定部26の構成例を示す図である。無線リソース指定部26は、制御信号取得部100、復調部101、復号部102、報知チャネル(BCH)検出部103を備える。
【0058】
無線リソース指定部26は、DL無線リソース割当情報取得部104、ランダムアクセス応答メッセージ中継制御部105、DL送信時期制御部106、DL帯域指定部107を備える。無線リソース指定部26は、UL無線リソース割当情報取得部108、ランダムアクセスメッセージ中継制御部109、UL送信時期制御部110、UL帯域指定部111、プリアンブル中継処理部112を備える。
【0059】
制御信号取得部100は、下りリンク上にて基地局装置BSから移動局装置UEへ送信される制御信号を取得する。復調部101及び復号部102は、制御信号取得部100により取得された制御信号を、それぞれ復調及び復号する。
【0060】
報知チャネル検出部103は、復号された制御信号に含まれる報知情報を検出する。報知情報には、移動局装置UEがプリアンブル信号を送信することが許されている送信時期と、周波数帯域を示す情報が含まれている。報知チャネル検出部103は、プリアンブル信号を送信することが許されている送信時期と、周波数帯域を示す情報を、プリアンブル中継処理部112に与える。
【0061】
また、報知情報には、基地局装置BSがプリアンブル信号を受信してから、これに応答するランダムアクセス応答メッセージを送信するまでの間隔T1を指示する情報が含まれている。また、報知情報には、ランダムアクセス応答メッセージを受信してから、移動局装置UEがランダムアクセスメッセージを送信すべき時期までの間の間隔T2を指示する情報が含まれている。報知チャネル検出部103は、基地局装置BSがプリアンブル信号を受信してからランダムアクセス応答メッセージを送信するまでの間隔T1を指示する情報を、ランダムアクセス応答メッセージ制御部105に与える。また報知チャネル検出部103は、ランダムアクセス応答メッセージを受信してから、ランダムアクセスメッセージを送信すべき時期までの間の間隔T2を指示する情報を、ランダムアクセスメッセージ制御部109に与える。
【0062】
DL無線リソース割当情報取得部104は、図3に示す無線リソース割当情報取得部43と同様に、復号部102により復号された制御信号から、識別情報データベース25に登録された移動局装置BSに割り当てられた周波数帯域を取得する。帯域指定部107は、図3に示す帯域指定部44と同様に、DL無線リソース割当情報取得部104により特定された周波数帯域と、識別情報の伝送に使用される周波数帯域とを、増幅部15により増幅すべき周波数帯域として指定する。
【0063】
ランダムアクセス応答メッセージ中継制御部105は、プリアンブル受信処理部90からプリアンブルパターンを受信したとき、報知チャネル検出部103から与えられた、時間間隔T1を指示する時期情報に基づいて、ランダムアクセス応答メッセージが到来する時期を決定し、DL送信時期制御部106と、ランダムアクセス応答メッセージ受信処理部91と、ランダムアクセスメッセージ中継制御部109へ通知する。またランダムアクセス応答メッセージ中継制御部105は、ランダムアクセス応答メッセージの中継の際に、下りリンクにおいて使用される全周波数帯域が、増幅部15による増幅される帯域として指定されるように、DL帯域指定部107を制御する。
【0064】
DL送信時期制御部106は、ランダムアクセス応答メッセージ中継制御部105により指定された送信時期に従って、ランダムアクセス応答メッセージの中継の際にDL帯域指定部107が増幅部15に帯域指定情報を出力するタイミングを制御する。DL送信時期制御部106の制御により、DL帯域指定部107は、ランダムアクセス応答メッセージ中継制御部105により指定された送信時期において、下りリンクにおいて使用される全周波数帯域を指定する帯域指定情報を、増幅部15に出力する。
【0065】
増幅部15は、DL帯域指定部107による帯域指定情報に従って、ランダムアクセス応答メッセージの送信時期において、下りリンクにおいて使用される全周波数帯域を増幅することにより、ランダムアクセス応答メッセージを増幅する。
【0066】
UL無線リソース割当情報取得部108は、図8に示す無線リソース割当情報取得部74と同様に、識別情報データベース25に登録された移動局装置UEに対する送信許可情報を取得する。UL送信時期制御部110は、図8に示す送信時期制御部75と同様に、UL無線リソース割当情報取得部108により特定された送信時期に従って、UL帯域指定部111が増幅部70に帯域指定情報を出力するタイミングを制御する。UL帯域指定部111は、UL無線リソース割当情報取得部108により特定された送信時期において、増幅すべき帯域を指定する帯域指定情報を、増幅部70に出力する。
【0067】
プリアンブル中継処理部112は、報知情報に指定された、プリアンブル信号を送信することが許されている送信時期を示す情報を、UL送信時期制御部110に与える。また、プリアンブル中継処理部112は、プリアンブル信号の中継の際に、プリアンブル信号を送信することが許されている周波数帯域が、増幅部70による増幅される帯域として指定されるように、UL帯域指定部111を制御する。
【0068】
UL送信時期制御部110は、プリアンブル中継処理部112により指定された送信時期に従って、プリアンブル信号を送信できる時期にUL帯域指定部111が増幅部70に帯域指定情報を出力するように、UL帯域指定部111を制御する。UL帯域指定部111は、報知情報で指定されたプリアンブル信号の送信時期に、プリアンブル信号を送信することが許されている周波数帯域を指定する帯域指定情報を、増幅部70に出力する。
【0069】
増幅部70は、UL帯域指定部111による帯域指定情報に従って、上りリンクにおいてプリアンブル信号の送信に使用される周波数帯域を増幅する。
【0070】
ランダムアクセスメッセージ中継制御部109は、ランダムアクセス応答メッセージ中継制御部105から与えられたランダムアクセス応答メッセージの到来時期と、報知チャネル検出部103から与えられた、時間間隔T2を指示する時期情報に基づいて、移動局装置UEからランダムアクセスメッセージが到来する時期を決定する。ランダムアクセスメッセージ中継制御部109は、ランダムアクセス応答メッセージ受信処理部91から、ランダムアクセスメッセージが送信される送信時期を示す情報を取得してもよい。
【0071】
ランダムアクセスメッセージ中継制御部109は、ランダムアクセスメッセージが送信される時期を示す情報を、UL送信時期制御部110とランダムアクセスメッセージ受信処理部92に与える。また、ランダムアクセスメッセージの中継の際に、上りリンクにおいて使用される全周波数帯域が、増幅部70による増幅される帯域として指定されるように、UL帯域指定部111を制御する。
【0072】
図16は、図14に示すランダムアクセス応答メッセージ受信処理部91の構成例を示す図である。基地局装置BSから移動局装置UEへ送信されるランダムアクセス応答メッセージには、ランダムアクセス応答メッセージに対して移動局装置UEから送信されるランダムアクセスメッセージを送信する周波数帯域を指定する情報が含まれている。また、ランダムアクセス応答メッセージには、ランダムアクセスメッセージを送信する時期を指定する情報を含んでいてよい。
【0073】
ランダムアクセス応答メッセージ受信処理部91は、データチャネル信号取得部120と、復調部121と、復号部123と、無線リソース割当情報取得部124を備えている。データチャネル信号取得部120は、ランダムアクセス応答メッセージ中継制御部105から与えられたランダムアクセス応答メッセージの到来時期において、下りリンク上にて基地局装置BSから移動局装置UEへ送信されるデータチャネル信号を取得する。復調部121及び復号部123は、データチャネル信号取得部120により取得されたデータチャネル信号を、それぞれ復調及び復号する。無線リソース割当情報取得部124は、復号されたデータチャネル信号に含まれるランダムアクセス応答メッセージから、ランダムアクセスメッセージの送信に使用する周波数帯域を指定する情報を取得する。
【0074】
無線リソース割当情報取得部124は、ランダムアクセスメッセージの送信に使用する周波数帯域を指定する情報を、ランダムアクセスメッセージ受信処理部92へ与える。また、無線リソース割当情報取得部124は、ランダムアクセス応答メッセージから、ランダムアクセスメッセージの送信時期を指定する情報を取得してもよい。無線リソース割当情報取得部124は、ランダムアクセスメッセージの送信時期を指定する情報を、ランダムアクセスメッセージ中継制御部109に与えてもよい。
【0075】
図15を参照する。UL送信時期制御部110は、ランダムアクセスメッセージ中継制御部109により指定された送信時期に従って、ランダムアクセスメッセージの中継の際にUL帯域指定部111が増幅部70に帯域指定情報を出力するタイミングを制御する。UL送信時期制御部110の制御により、UL帯域指定部111は、ランダムアクセスメッセージ中継制御部109により指定された送信時期において、上りリンクにおいて使用される全周波数帯域を指定する帯域指定情報を、増幅部70に出力する。
【0076】
増幅部70は、UL帯域指定部111による帯域指定情報に従って、ランダムアクセスメッセージの送信時期において、上りリンクにおいて使用される全周波数帯域を増幅することにより、ランダムアクセスメッセージを増幅する。
【0077】
図17は、図14に示すランダムアクセスメッセージ受信処理部92の構成例を示す図である。ランダムアクセスメッセージ受信処理部92は、データチャネル信号取得部130と、復調部131と、復号部132と、識別情報取得部133を備えている。データチャネル信号取得部130は、ランダムアクセスメッセージの送信に使用する周波数帯域を指定する情報を、ランダムアクセス応答メッセージ受信処理部91から取得する。
【0078】
データチャネル信号取得部130は、指定された周波数帯域において、ランダムアクセスメッセージ中継制御部109から与えられたランダムアクセスメッセージの到来時期に、送信されるデータチャネル信号を取得する。復調部131及び復号部132は、データチャネル信号取得部130により取得されたデータチャネル信号を、それぞれ復調及び復号する。識別情報取得部133は、復号されたデータチャネル信号に含まれるランダムアクセスメッセージから、このランダムアクセスメッセージを送信した移動局装置UEの識別情報を取得し、識別情報登録部24へ与える。
【0079】
図18は、図14に示す識別情報登録部24の構成例を示す図である。識別情報登録部24は、識別情報取得部31と、識別情報書込部32を備える。識別情報取得部31は、ランダムアクセスメッセージ受信処理部92から識別情報を取得する。識別情報書込部32は、識別情報取得部31により取得された識別情報を、この無線信号中継装置1によって基地局装置BSとの通信を中継する移動局装置の識別情報として、識別情報データベース25に書込む。また、識別情報書込部32は、プリアンブル受信処理部90によって登録された移動局装置UEの仮登録を削除する。
【0080】
図19は、移動局装置の識別情報の取得処理の例を示すフローチャートであり、図20は、移動局装置の識別情報の取得処理の説明図である。ステップS20において、無線信号中継装置1が報知情報を受信したとき、報知チャネル検出部103は、報知情報を検出する。
【0081】
ステップS21において、報知チャネル検出部103は、報知情報に含まれている、プリアンブル信号の送信が許されている送信時期と周波数帯域を示す情報を、プリアンブル中継処理部112に与える。また報知チャネル検出部103は、報知情報に含まれている、基地局装置BSによるプリアンブル信号の受信からランダムアクセス応答メッセージの送信までの間隔T1を、ランダムアクセス応答メッセージ制御部105に与える。また報知チャネル検出部103は、報知情報に含まれている、移動局装置UEがランダムアクセス応答メッセージを受信してからランダムアクセスメッセージを送信するまでの間の間隔T2を、ランダムアクセスメッセージ制御部109に与える。
【0082】
ステップS23において無線信号中継装置1は、プリアンブル信号を受信する。時点を、図20において時刻t1として示す。この時点で、プリアンブル中継処理部112、UL送信時期制御部110及びUL帯域指定部111は、プリアンブル信号を送信することが許されている送信時期及び周波数帯域140において、上りリンク上の信号を増幅するように増幅部70を制御する。
【0083】
ステップS24において、ランダムアクセス応答メッセージ中継制御部105は、報知チャネル検出部103から与えられた時間間隔T1を指示する時期情報に基づいて、ランダムアクセス応答メッセージが到来する時期t2を決定する。ステップS25において、ランダムアクセス応答メッセージ中継制御部105、DL送信時期制御部106及びDL帯域指定部107は、ランダムアクセス応答メッセージが送信されるサブフレーム141において、下りリンクで利用される全ての帯域の無線信号を増幅する。
【0084】
ステップS26において、ランダムアクセス応答メッセージ受信処理部91は、無線信号中継装置1が受信したランダムアクセス応答メッセージを復調及び復号する。ステップS27においてランダムアクセス応答メッセージ受信処理部91の無線リソース割当情報取得部124は、ランダムアクセスメッセージの送信に使用する周波数帯域を指定する情報を取得する。
【0085】
ランダムアクセス応答メッセージにおいて、ランダムアクセスメッセージの送信時期の指定情報が与えられる場合には、無線リソース割当情報取得部124は、ランダムアクセスメッセージの送信時期の指定情報を取得してもよい。ステップS28において、ランダムアクセスメッセージ中継制御部109は、ランダムアクセス応答メッセージの送信時刻と、報知チャネル検出部103から与えられた時間間隔T2を指示する時期情報に基づいて、ランダムアクセスメッセージが到来する時期t3を決定する。これに代えて、ランダムアクセスメッセージ中継制御部109は、ランダムアクセス応答メッセージにおいて与えられたランダムアクセスメッセージの送信時期t3を使用してもよい。
【0086】
ステップS29において、ランダムアクセスメッセージ中継制御部109、UL送信時期制御部110及びDL帯域指定部111は、ランダムアクセスメッセージが送信されるサブフレーム142において、上りリンクで利用される全ての帯域の無線信号を増幅する。ステップS30において、ランダムアクセスメッセージ受信処理部92は、無線信号中継装置1が受信したランダムアクセスメッセージを復調及び復号する。ステップS31においてランダムアクセスメッセージ受信処理部92の識別情報取得部133は、ランダムアクセスメッセージに含まれている、移動局装置UEの識別情報を取得する。ステップS32において識別情報登録部24は、取得された識別情報を、無線信号中継装置1が中継すべき移動局装置UEの識別情報として、識別情報データベース25に登録する。
【0087】
その後、無線信号中継装置1は、時刻t4において、図1に示す無線信号中継装置1と同様に、下りリンク上のサブフレーム143に含まれる制御信号144とデータ145を中継する。また、無線信号中継装置1は、時刻t5において、図7に示す無線信号中継装置1と同様に、サブフレーム143の制御信号144に含まれる送信許可情報に従って、上りリンク上のデータ147を中継する。
【0088】
本実施例によれば、ランダムアクセスメッセージにて移動局装置UEの識別情報が与えられるシステムにおいて、開示の無線信号中継装置1を使用することが可能となる。
【0089】
以上の実施例を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0090】
(付記1)
基地局装置と移動局装置との間の無線信号の中継を行う無線信号中継装置であって、
中継すべき前記移動局装置が記憶される移動局記憶手段と、
前記基地局装置から送信される制御チャネル情報により指示される、前記移動局記憶手段に記憶された移動局装置に割り当てられた無線リソースを、増幅すべき無線信号が伝送されている無線リソースとして指定する無線リソース指定手段と、
前記基地局装置と前記移動局装置との間の前記無線信号を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された信号であって前記無線リソース指定手段により指定された前記無線リソース上で伝送される信号を、増幅する増幅手段と、
前記増幅手段により増幅された前記信号を無線信号として送信する送信手段と、
を備える無線信号中継装置。
【0091】
(付記2)
前記制御チャネル情報は、下りリンクにおいて前記移動局装置に割り当てられた周波数帯域を示す無線リソース割当情報を含み、
前記無線リソース指定手段は、前記移動局記憶手段に記憶された移動局装置に対して割り当てられた周波数帯域を、前記増幅すべき無線信号が伝送されている無線リソースとして指定する、付記1に記載の無線中継装置。
【0092】
(付記3)
前記制御チャネル情報は、上りリンクにおいて前記移動局装置に割り当てられた送信時期及び周波数帯域を示す無線リソース割当情報を含み、
前記無線リソース指定手段は、前記移動局記憶手段に記憶された移動局装置に対して割り当てられた送信時期と周波数帯域とを、前記増幅すべき無線信号が伝送されている無線リソースとして指定する、付記1に記載の無線中継装置。
【0093】
(付記4)
前記移動局装置から前記基地局装置へ送信されるプリアンブル信号の送信時期から、前記プリアンブル信号に対する前記基地局装置からの応答メッセージの送信時期までの間隔が、予め前記基地局装置から送信される報知情報により指定され、
前記応答メッセージの送信時期から、前記応答メッセージに対して前記移動局装置が送信するランダムアクセスメッセージの送信時期までの間隔が、前記報知情報により指定され、
前記ランダムアクセスメッセージの送信が許される周波数帯域が、前記応答メッセージにおいて指定され、
前記無線中継装置は、前記応答メッセージの送信時期と前記報知情報により送信時期が定められ、かつ前記応答メッセージにおいて送信周波数帯域が定められた前記ランダムアクセスメッセージから、前記プリアンブル信号を送信した前記移動局装置の識別情報を取得する識別情報取得部を、備え、
前記移動局記憶手段には、前記中継すべき前記移動局装置の識別子として、前記識別情報取得部により取得された前記移動局装置の識別情報が記憶される、付記1〜3のいずれか一項に記載の無線中継装置。
【0094】
(付記5)
前記受信手段が受信した受信信号に含まれる、前記送信手段からの送信信号を抑圧する回り込み干渉抑圧処理を行う回り込み干渉抑圧手段を備える付記1〜4の何れか一項に記載の無線中継装置。
【0095】
(付記6)
前記回り込み干渉抑圧手段は、前記受信信号の時間領域信号に対して前記回り込み干渉抑圧処理を行う付記5に記載の無線中継装置。
【0096】
(付記7)
前記受信手段により受信された信号が前記増幅手段に入力される時期に対する、前記無線リソース指定手段が前記無線リソースを指定する時期の遅延を吸収する遅延吸収手段を備える付記2に記載の無線中継装置。
【0097】
(付記8)
基地局装置と移動局装置との間の無線信号の中継を行う無線信号中継装置において前記無線信号の中継を行う中継方法であって、
中継すべき前記移動局装置を所定の移動局記憶手段に記憶し、
前記基地局装置から送信される制御チャネル情報により指示される、前記移動局記憶手段に記憶された移動局装置に割り当てられた無線リソースを、増幅すべき無線信号が伝送されている無線リソースとして指定し、
前記基地局装置と前記移動局装置との間の前記無線信号を所定の受信手段で受信し、
前記所定の受信手段で受信された信号であって、前記増幅すべき無線信号が伝送されている無線リソースとして指定された前記無線リソース上で伝送される信号を増幅し
増幅された前記信号を無線信号として送信する、中継方法。
【0098】
(付記9)
前記制御チャネル情報は、下りリンクにおいて前記移動局装置に割り当てられた周波数帯域を示す無線リソース割当情報を含み、
前記移動局記憶手段に記憶された移動局装置に対して割り当てられた周波数帯域を、前記増幅すべき無線信号が伝送されている無線リソースとして指定する、付記8に記載の中継方法。
【0099】
(付記10)
前記制御チャネル情報は、上りリンクにおいて前記移動局装置に割り当てられた送信時期及び周波数帯域を示す無線リソース割当情報を含み、
前記移動局記憶手段に記憶された移動局装置に対して割り当てられた送信時期と周波数帯域とを、前記増幅すべき無線信号が伝送されている無線リソースとして指定する、付記8に記載の中継方法。
【0100】
(付記11)
前記移動局装置から前記基地局装置へ送信されるプリアンブル信号の送信時期から、前記プリアンブル信号に対する前記基地局装置からの応答メッセージの送信時期までの間隔が、予め前記基地局装置から送信される報知情報により指定され、
前記応答メッセージの送信時期から、前記応答メッセージに対して前記移動局装置が送信するランダムアクセスメッセージの送信時期までの間隔が、前記報知情報により指定され、
前記ランダムアクセスメッセージの送信が許される周波数帯域が、前記応答メッセージにおいて指定され、
前記中継方法は、
前記応答メッセージの送信時期と前記報知情報により送信時期が定められ、かつ前記応答メッセージにおいて送信周波数帯域が定められた前記ランダムアクセスメッセージから、前記プリアンブル信号を送信した前記移動局装置の識別情報を取得し、
前記中継すべき前記移動局装置の識別子として、前記識別情報取得部により取得された前記移動局装置の識別情報を、記憶前記移動局記憶手段に記憶する、
付記8〜10のいずれか一項に記載の中継方法。
【0101】
(付記12)
基地局装置と、移動局装置と、これら基地局装置及び移動局装置の間の無線信号の中継を行う無線信号中継装置と、を備える無線通信システムにおいて、
前記無線信号中継装置は、
中継すべき前記移動局装置を所定の移動局記憶手段に記憶し、
前記基地局装置から送信される制御チャネル情報により指示される、前記移動局記憶手段に記憶された移動局装置に割り当てられた無線リソースを、増幅すべき無線信号が伝送されている無線リソースとして指定し、
前記基地局装置と前記移動局装置との間の前記無線信号を所定の受信手段で受信し、
前記所定の受信手段で受信された信号であって、前記増幅すべき無線信号が伝送されている無線リソースとして指定された前記無線リソース上で伝送される信号を増幅し、
増幅された前記信号を無線信号として送信する無線通信システム。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】開示の無線信号中継装置の第1実施例の全体構成図である。
【図2】図1に示す識別情報登録部の構成例を示す図である。
【図3】図1に示す無線リソース指定部の構成例を示す図である。
【図4】無線信号のフレームフォーマットの例を示す図である。
【図5】図1に示す増幅部の構成例を示す図である。
【図6】図1に示す無線信号中継装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】開示の無線信号中継装置の第2実施例の全体構成図である。
【図8】図7に示す無線リソース指定部の構成例を示す図である。
【図9】図7に示す無線信号中継装置の動作を示すフローチャートである。
【図10】開示の無線信号中継装置の第3実施例の全体構成図である。
【図11】開示の無線信号中継装置の第4実施例の全体構成図である。
【図12】開示の無線信号中継装置の第5実施例の全体構成図である。
【図13】図12に示す増幅部の構成例を示す図である。
【図14】開示の無線信号中継装置の第6実施例の全体構成図である。
【図15】図14に示す無線リソース指定部の構成例を示す図である。
【図16】図14に示すランダムアクセス応答メッセージ受信処理部の構成例を示す図である。
【図17】図14に示すランダムアクセスメッセージ受信処理部の構成例を示す図である。
【図18】図14に示す識別情報登録部の構成例を示す図である。
【図19】移動局装置の識別情報の取得処理の例を示すフローチャートである。
【図20】移動局装置の識別情報の取得処理の説明図である。
【符号の説明】
【0103】
1 無線信号中継装置
10、17 アンテナ
11、16 共用器
12、18 線形増幅器
13、19 アナログディジタル変換部
14、20 フーリエ変換部
21、27、61 逆フーリエ変換部
22、28、62 ディジタルアナログ変換部
23、29、63 パワーアンプ
BS 基地局装置
UE 移動局装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局装置と移動局装置との間の無線信号の中継を行う無線信号中継装置であって、
中継すべき前記移動局装置が記憶される移動局記憶手段と、
前記基地局装置から送信される制御チャネル情報により指示される、前記移動局記憶手段に記憶された移動局装置に割り当てられた無線リソースを、増幅すべき無線信号が伝送されている無線リソースとして指定する無線リソース指定手段と、
前記基地局装置と前記移動局装置との間の前記無線信号を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された信号であって前記無線リソース指定手段により指定された前記無線リソース上で伝送される信号を、増幅する増幅手段と、
前記増幅手段により増幅された前記信号を無線信号として送信する送信手段と、
を備える無線信号中継装置。
【請求項2】
前記制御チャネル情報は、下りリンクにおいて前記移動局装置に割り当てられた周波数帯域を示す無線リソース割当情報を含み、
前記無線リソース指定手段は、前記移動局記憶手段に記憶された移動局装置に対して割り当てられた周波数帯域を、前記増幅すべき無線信号が伝送されている無線リソースとして指定する、請求項1に記載の無線中継装置。
【請求項3】
前記制御チャネル情報は、上りリンクにおいて前記移動局装置に割り当てられた送信時期及び周波数帯域を示す無線リソース割当情報を含み、
前記無線リソース指定手段は、前記移動局記憶手段に記憶された移動局装置に対して割り当てられた送信時期と周波数帯域とを、前記増幅すべき無線信号が伝送されている無線リソースとして指定する、請求項1に記載の無線中継装置。
【請求項4】
前記移動局装置から前記基地局装置へ送信されるプリアンブル信号の送信時期から、前記プリアンブル信号に対する前記基地局装置からの応答メッセージの送信時期までの間隔が、予め前記基地局装置から送信される報知情報により指定され、
前記応答メッセージの送信時期から、前記応答メッセージに対して前記移動局装置が送信するランダムアクセスメッセージの送信時期までの間隔が、前記報知情報により指定され、
前記ランダムアクセスメッセージの送信が許される周波数帯域が、前記応答メッセージにおいて指定され、
前記無線中継装置は、前記応答メッセージの送信時期と前記報知情報により送信時期が定められ、かつ前記応答メッセージにおいて送信周波数帯域が定められた前記ランダムアクセスメッセージから、前記プリアンブル信号を送信した前記移動局装置の識別情報を取得する識別情報取得部を、備え、
前記移動局記憶手段には、前記中継すべき前記移動局装置の識別子として、前記識別情報取得部により取得された前記移動局装置の識別情報が記憶される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の無線中継装置。
【請求項5】
前記受信手段が受信した受信信号に含まれる、前記送信手段からの送信信号を抑圧する回り込み干渉抑圧処理を行う回り込み干渉抑圧手段を備える請求項1〜4の何れか一項に記載の無線中継装置。
【請求項6】
前記回り込み干渉抑圧手段は、前記受信信号の時間領域信号に対して前記回り込み干渉抑圧処理を行う請求項5に記載の無線中継装置。
【請求項7】
前記受信手段により受信された信号が前記増幅手段に入力される時期に対する、前記無線リソース指定手段が前記無線リソースを指定する時期の遅延を吸収する遅延吸収手段を備える請求項2に記載の無線中継装置。
【請求項8】
基地局装置と移動局装置との間の無線信号の中継を行う無線信号中継装置において前記無線信号の中継を行う中継方法であって、
中継すべき前記移動局装置を所定の移動局記憶手段に記憶し、
前記基地局装置から送信される制御チャネル情報により指示される、前記移動局記憶手段に記憶された移動局装置に割り当てられた無線リソースを、増幅すべき無線信号が伝送されている無線リソースとして指定し、
前記基地局装置と前記移動局装置との間の前記無線信号を所定の受信手段で受信し、
前記所定の受信手段で受信された信号であって、前記増幅すべき無線信号が伝送されている無線リソースとして指定された前記無線リソース上で伝送される信号を増幅し、
増幅された前記信号を無線信号として送信する、中継方法。
【請求項9】
基地局装置と、移動局装置と、これら基地局装置及び移動局装置の間の無線信号の中継を行う無線信号中継装置と、を備える無線通信システムにおいて、
前記無線信号中継装置は、
中継すべき前記移動局装置を所定の移動局記憶手段に記憶し、
前記基地局装置から送信される制御チャネル情報により指示される、前記移動局記憶手段に記憶された移動局装置に割り当てられた無線リソースを、増幅すべき無線信号が伝送されている無線リソースとして指定し、
前記基地局装置と前記移動局装置との間の前記無線信号を所定の受信手段で受信し、
前記所定の受信手段で受信された信号であって、前記増幅すべき無線信号が伝送されている無線リソースとして指定された前記無線リソース上で伝送される信号を増幅し、
増幅された前記信号を無線信号として送信する無線通信システム。
【請求項1】
基地局装置と移動局装置との間の無線信号の中継を行う無線信号中継装置であって、
中継すべき前記移動局装置が記憶される移動局記憶手段と、
前記基地局装置から送信される制御チャネル情報により指示される、前記移動局記憶手段に記憶された移動局装置に割り当てられた無線リソースを、増幅すべき無線信号が伝送されている無線リソースとして指定する無線リソース指定手段と、
前記基地局装置と前記移動局装置との間の前記無線信号を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された信号であって前記無線リソース指定手段により指定された前記無線リソース上で伝送される信号を、増幅する増幅手段と、
前記増幅手段により増幅された前記信号を無線信号として送信する送信手段と、
を備える無線信号中継装置。
【請求項2】
前記制御チャネル情報は、下りリンクにおいて前記移動局装置に割り当てられた周波数帯域を示す無線リソース割当情報を含み、
前記無線リソース指定手段は、前記移動局記憶手段に記憶された移動局装置に対して割り当てられた周波数帯域を、前記増幅すべき無線信号が伝送されている無線リソースとして指定する、請求項1に記載の無線中継装置。
【請求項3】
前記制御チャネル情報は、上りリンクにおいて前記移動局装置に割り当てられた送信時期及び周波数帯域を示す無線リソース割当情報を含み、
前記無線リソース指定手段は、前記移動局記憶手段に記憶された移動局装置に対して割り当てられた送信時期と周波数帯域とを、前記増幅すべき無線信号が伝送されている無線リソースとして指定する、請求項1に記載の無線中継装置。
【請求項4】
前記移動局装置から前記基地局装置へ送信されるプリアンブル信号の送信時期から、前記プリアンブル信号に対する前記基地局装置からの応答メッセージの送信時期までの間隔が、予め前記基地局装置から送信される報知情報により指定され、
前記応答メッセージの送信時期から、前記応答メッセージに対して前記移動局装置が送信するランダムアクセスメッセージの送信時期までの間隔が、前記報知情報により指定され、
前記ランダムアクセスメッセージの送信が許される周波数帯域が、前記応答メッセージにおいて指定され、
前記無線中継装置は、前記応答メッセージの送信時期と前記報知情報により送信時期が定められ、かつ前記応答メッセージにおいて送信周波数帯域が定められた前記ランダムアクセスメッセージから、前記プリアンブル信号を送信した前記移動局装置の識別情報を取得する識別情報取得部を、備え、
前記移動局記憶手段には、前記中継すべき前記移動局装置の識別子として、前記識別情報取得部により取得された前記移動局装置の識別情報が記憶される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の無線中継装置。
【請求項5】
前記受信手段が受信した受信信号に含まれる、前記送信手段からの送信信号を抑圧する回り込み干渉抑圧処理を行う回り込み干渉抑圧手段を備える請求項1〜4の何れか一項に記載の無線中継装置。
【請求項6】
前記回り込み干渉抑圧手段は、前記受信信号の時間領域信号に対して前記回り込み干渉抑圧処理を行う請求項5に記載の無線中継装置。
【請求項7】
前記受信手段により受信された信号が前記増幅手段に入力される時期に対する、前記無線リソース指定手段が前記無線リソースを指定する時期の遅延を吸収する遅延吸収手段を備える請求項2に記載の無線中継装置。
【請求項8】
基地局装置と移動局装置との間の無線信号の中継を行う無線信号中継装置において前記無線信号の中継を行う中継方法であって、
中継すべき前記移動局装置を所定の移動局記憶手段に記憶し、
前記基地局装置から送信される制御チャネル情報により指示される、前記移動局記憶手段に記憶された移動局装置に割り当てられた無線リソースを、増幅すべき無線信号が伝送されている無線リソースとして指定し、
前記基地局装置と前記移動局装置との間の前記無線信号を所定の受信手段で受信し、
前記所定の受信手段で受信された信号であって、前記増幅すべき無線信号が伝送されている無線リソースとして指定された前記無線リソース上で伝送される信号を増幅し、
増幅された前記信号を無線信号として送信する、中継方法。
【請求項9】
基地局装置と、移動局装置と、これら基地局装置及び移動局装置の間の無線信号の中継を行う無線信号中継装置と、を備える無線通信システムにおいて、
前記無線信号中継装置は、
中継すべき前記移動局装置を所定の移動局記憶手段に記憶し、
前記基地局装置から送信される制御チャネル情報により指示される、前記移動局記憶手段に記憶された移動局装置に割り当てられた無線リソースを、増幅すべき無線信号が伝送されている無線リソースとして指定し、
前記基地局装置と前記移動局装置との間の前記無線信号を所定の受信手段で受信し、
前記所定の受信手段で受信された信号であって、前記増幅すべき無線信号が伝送されている無線リソースとして指定された前記無線リソース上で伝送される信号を増幅し、
増幅された前記信号を無線信号として送信する無線通信システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
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【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2010−154314(P2010−154314A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−331008(P2008−331008)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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