説明

無線操作システム及び携帯型電子機器

【課題】第2の機器が、操作性良く第1の機器の複数の状態それぞれを操作できる無線操作システムを提供する。
【解決手段】本発明に無線操作システム30は、第1及び第2の機能を実行する第1及び第2の状態を有する携帯電話10と該電話10を無線通信により操作する携帯型電子機器20とを備え、電話10は、第1又は第2の状態であることを示す第1又は第2状態信号を機器20に送信する第1送信部12aと、機器20により送信され第1の状態を操作する第1操作信号と該第1操作信号とは異なる第2の状態を操作する第2操作信号とを受信する第1受信部12bと、を有し、機器20は、操作部23と第1又は第2操作信号を電話10に送信する第2送信部22aと電話10が送信する第1及び第2状態信号を受信する第2受信部22bと、該受信部が、第1又は第2状態信号を受信した場合には、操作部23への入力操作に基づいて第2送信部22aから第1又は第2操作信号を送信するように制御する制御部21と、を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線操作システム及び携帯型電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話を身体から離れた状態で携行する場合に、無線通信により携帯電話への着信を知ることができる腕時計形態の携帯型電子機器が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、携帯電話を身体から離れた状態で携行する場合で、且つ着信音が聞こえないあるいは着信音を出せない場合であっても、携帯電話への着信を知ることができる腕時計形態の携帯電話補助装置が提案されている。
【0004】
この携帯電話補助装置は、携帯電話への着信があった場合、携帯電話を取り出し表示をみることなしに即座に発信者番号等の着信情報を知ることができる。
【0005】
また、この携帯電話補助装置は、携帯電話への着信があった場合、操作ボタンの操作に基づいて、携帯電話に予め録音しておいた数種類のメッセージの中から適切なものを指定する指令を携帯電話に送信することができる。そして、この指令を受信した携帯電話は、発信者に指定されたメッセージを送信する。
【0006】
【特許文献1】特開2002−335567号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年、携帯電話は、通話又はメールの送受信といった機能の他に、所定の時刻を通知するアラーム機能、カメラ機能等を有している。このように、携帯電話が多機能を実行できることに対応して、上述した腕時計形態の携帯型電子機器も、携帯電話が有する機能それぞれを操作できることが求められている。
【0008】
しかし、上記特許文献1に記載の携帯電話補助装置は、着信した通話への応答しか操作出来ない。
【0009】
また、腕時計形態の携帯型電子機器は、通常、複数の操作ボタンを有しており、この操作ボタンを操作して、携帯電話の機能を無線通信により操作する。しかし、腕時計形態の携帯型電子機器の寸法上の制限により、該機器に設けられる操作ボタンの数には限りがある。また、操作ボタンの数を単に増加すると、ボタンそれぞれの寸法が小さくなるので、操作性が悪くなるという問題点がある。
【0010】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決する無線操作システム及び携帯型電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、第1の発明に係る無線操作システムは、少なくとも第1の機能を実行する第1の状態と第2の機能を実行する第2の状態とを有する第1の機器と、該第1の機器を無線通信により操作する第2の機器とを備えており、上記第1の機器は、上記第1の状態であることを示す第1状態信号、又は、上記第2の状態であることを示す第2状態信号、を上記第2の機器に送信する第1送信手段と、上記第2の機器により送信され、上記第1の状態を操作するための第1操作信号と、上記第2の状態を操作するための、上記第1操作信号とは異なる第2操作信号とを、受信する第1受信手段と、を有しており、上記第2の機器は、この第2の機器への入力操作を行う操作手段と、上記第1操作信号又は上記第2操作信号を上記第1の機器に送信する第2送信手段と、上記第1の機器が送信する上記第1状態信号及び上記第2状態信号を受信する第2受信手段と、上記第2受信手段が、上記第1状態信号を受信した場合には、上記操作手段の入力操作に基づいて上記第2送信手段から上記第1操作信号を送信するように制御し、上記第2状態信号を受信した場合には、上記操作手段の入力操作に基づいて上記第2送信手段から上記第2操作信号を送信するように制御する制御手段と、を有していることを特徴とする。ここで、上記第1の機器は、例えば携帯電話であり、上記第2の機器は、例えば腕時計形態の携帯型電子機器である。
【0012】
また、上記目的を達成するために、第2の発明に係る無線操作システムは、少なくとも第1の機能を実行する第1の状態と、第2の機能を実行する第2の状態とを有する第1の機器と、該第1の機器を無線通信により操作する第2の機器とを備えており、上記第1の機器は、上記第1の状態であることを示す第1状態信号、又は、上記第2の状態であることを示す第2状態信号、を上記第2の機器に送信する第1送信手段と、上記第2の機器が送信する、上記第1の状態を操作する第1操作信号と、上記第2の状態を操作する第2操作信号と、を受信する第1受信手段と、を有しており、上記第2の機器は、この第2の機器への入力操作を行う操作手段と、上記第1操作信号又は上記第2操作信号を上記第1の機器に送信する第2送信手段と、上記第1の機器が送信する上記第1状態信号及び上記第2状態信号を受信する第2受信手段と、表示手段と、上記第1の機器の操作を行うための操作情報を上記表示手段に表示する制御手段と、を有しており、上記制御手段は、上記第2受信手段が上記第1状態信号を受信した場合には、上記操作情報として、上記第1操作信号を送信するための上記第1の機器における上記第1の状態の操作情報のみを上記表示手段に表示し、上記第2受信手段が上記第2状態信号を受信した場合には、上記操作情報として、上記第2操作信号を送信するための上記第1の機器における上記第2の状態の操作情報のみを上記表示手段に表示することを特徴とする。ここで、上記第1の機器は、例えば携帯電話であり、上記第2の機器は、例えば腕時計形態の携帯型電子機器である。
【0013】
また、上記目的を達成するために、第3の発明に係る携帯型電子機器は、複数の機能を実行する複数の状態を有する電子機器を無線通信により操作する携帯型電子機器であって、操作手段と、上記電子機器の上記複数の状態それぞれに対応して異なる、上記電子機器を操作する操作信号を、上記電子機器に送信する送信手段と、上記電子機器の上記複数の状態それぞれを示す状態信号を受信する受信手段と、上記操作手段の入力操作に基づいて、上記電子機器の上記複数の状態それぞれに対応する上記操作信号を上記送信手段から送信するように制御する制御手段と、を有していることを特徴とする。ここで、上記電子機器は、例えば携帯電話であり、上記携帯型電子機器は、例えば腕時計形態の携帯型電子機器である。
【0014】
更に、上記目的を達成するために、第4の発明に係る携帯型電子機器は、複数の機能を実行する複数の状態を有する電子機器を無線通信により操作する携帯型電子機器であって、操作手段と、上記電子機器を操作する操作信号を、上記電子機器に送信する送信手段と、上記電子機器の上記複数の状態を示す状態信号を受信する受信手段と、表示手段と、上記第1の機器の操作を行うための操作情報を上記表示手段に表示する制御手段と、を有しており、上記制御手段は、受信した状態信号に基づいて、上記操作情報として、上記電子機器の上記複数の状態それぞれに対応した操作情報のみを上記表示手段に表示することを特徴とする。ここで、上記電子機器は、例えば携帯電話であり、上記携帯型電子機器は、例えば腕時計形態の携帯型電子機器である。
【発明の効果】
【0015】
上述した無線操作システムによれば、上記第2の機器は、操作性良く、上記第1の機器の複数の状態それぞれを操作できる。
【0016】
また、上述した携帯型電子機器によれば、操作性良く、上記電子機器の複数の状態それぞれを操作できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係る無線操作システムの好ましい一実施形態を、図面を参照して説明する。図1は、本発明に係る無線操作システムの一実施形態の構成図である。図2は、図1に示す実施形態における各構成要素のブロック図である。
【0018】
本実施形態の無線操作システム30は、図1に示すように、少なくとも第1の機能を実行する第1の状態と第2の機能を実行する第2の状態とを有する第1の機器としての携帯電話10と、該携帯電話10を無線通信により操作する第2の機器としての携帯型電子機器20とを備えている。
【0019】
携帯電話10は、図2に示すように、第1の状態であることを示す第1状態信号、又は、第2の状態であることを示す第2状態信号、を携帯型電子機器20に送信する第1送信手段12aと、携帯型電子機器20により送信され、第1の状態にある携帯電話10を操作するための第1操作信号と、第2の状態にある携帯電話10を操作するための、上記第1操作信号とは異なる第2操作信号とを、受信する第1受信手段12bと、第1の状態又は第2の状態の開始、実行又は終了を制御する状態制御手段としての第1制御手段11と、を有している。第1制御手段11は、また、第1送信手段12a及び第1受信手段12bを制御する。
【0020】
携帯型電子機器20は、図2に示すように、この携帯型電子機器20への入力操作を行う操作手段23と、上記第1操作信号又は第2操作信号を携帯電話10に送信する第2送信手段22aと、携帯電話10が送信する上記第1状態信号及び第2状態信号を受信する第2受信手段22bと、表示手段24と、これらを制御する第2制御手段21と、を有している。
【0021】
また、第2制御手段21は、携帯電話10の操作を行うための操作情報を表示手段24に表示する。第2制御手段21は、第2受信手段22bが上記第1状態信号を受信した場合には、操作情報として、第1操作信号を送信するための携帯電話10における第1の状態の操作情報のみを表示手段24に表示し、第2受信手段22bが上記第2状態信号を受信した場合には、操作情報として、第2操作信号を送信するための携帯電話10における第2の状態の操作情報のみを表示手段24に表示する。
【0022】
更に、第2制御手段21は、第2受信手段22bが第1状態信号を受信した場合には、操作手段23の入力操作に基づいて第2送信手段22aから第1操作信号を送信するように制御し、第2受信手段22bが第2状態信号を受信した場合には、操作手段23の入力操作に基づいて第2送信手段22aから第2操作信号を送信するように制御する。
【0023】
本実施形態の携帯電話10について、更に以下に説明する。
【0024】
携帯電話10の上記第1の状態は、例えば、無線通信により通話する通話機能を実行する通話状態であり、上記第2の状態は、例えば、所定の時刻を通知するアラーム機能を実行するアラーム状態である。携帯電話10は、上記第1の状態及び第2の状態を含めて、2以上の複数の機能を実行する複数の状態を有していることが好ましい。例えば、携帯電話10は、また画像を撮影するカメラ機能を実行するカメラ状態を有している。
【0025】
本実施形態の携帯型電子機器20について、更に以下に説明する。
【0026】
携帯型電子機器20は、図1に示すように、ユーザの腕に装着可能な腕時計形態に構成されている。操作手段23は、図1に示すように、操作ボタン23a、23b、23c、23d及び23eにより構成される。
【0027】
携帯型電子機器20は、携帯電話10の操作を行うための操作情報として、携帯電話10の複数の状態それぞれに対応した上記操作信号を送信するための携帯電話10の状態の操作情報のみを表示手段24に表示する。ユーザは、携帯電話10の状態に対応して表示手段24に表示された操作情報を参照し、操作手段23を用いて、入力操作を携帯型電子機器20に入力する。携帯型電子機器20は、操作手段23の入力操作に基づいて、携帯電話10の複数の状態それぞれに対応する上記操作信号を第2送信手段22aから携帯電話10に送信する。このようにして、携帯型電子機器20は、無線通信により、携帯電話10の複数の状態それぞれを遠隔操作する。
【0028】
具体的には、携帯型電子機器20は、第2制御手段21が、携帯電話10における全ての上記複数の状態それぞれに対応して、無線通信により操作可能な操作を実行する操作信号を第2送信手段22aから送信するように制御する。
【0029】
また、携帯型電子機器20は、携帯電話10の操作とは別の機能を実行する状態として、腕時計が具備する機能を実行する時刻表示状態を有している。この時刻表示状態では、例えば日付、時刻等を表示する時刻表示機能やアラーム機能を実行する。
【0030】
以下、上述した本実施形態の無線操作システム30の一実施例(以下、本実施例ともいう)を、図面を参照しながら説明する。図3は、図1及び2に示す無線操作システム30の実施例を示すブロック図である。
【0031】
本実施例の無線操作システム30は、図3に示すように、携帯電話10と、腕時計形態の携帯型電子機器20とにより構成される。
【0032】
まず、本実施例の携帯電話10について、以下に説明する。
【0033】
携帯電話10は、第1アンテナ12c及び第1無線部12を有しており、第1アンテナ12cを介して、携帯型電子機器20との間で短距離無線通信を行えるように構成されている。第1無線部12は、上記第1送信手段としての第1送信部12aと、上記第1受信手段としての第1受信部12b等とにより構成される。上記短距離無線通信としては、Bluetooth(登録商標)方式、スペクトラム拡散方式による微弱電波や、IrDA仕様に基いた赤外線方式を用いることができる。本実施例では、短距離無線通信として、Bluetooth(登録商標)方式を用いている。
【0034】
また、携帯電話10は、CPU等を含んで構成される上記第1制御手段としての第1制御部11、RAM15a、ROM15b、マイク16a、操作ボタン等を含んで構成される操作部13、液晶ディスプレイ等を含んで構成される表示部14及びスピーカ16b等を有している。
【0035】
第1制御部11は、ROM15bに予め記憶されているプログラムに従い、携帯電話10の各要素の制御及び各種処理を行い、処理中に生じるデータを一時的に保存するためにRAM15aを利用する。
【0036】
また、携帯電話10は、第3アンテナ19a及び第3無線部19を有しており、第3アンテナ19aを介して、インターネット、公衆回線網、携帯電話交換網及び携帯電話交換網の基地局を通じて、他の携帯電話及び固定電話との間で通話を行え且つメールサーバとの間で電子メールの交換を行えるように構成されている。
【0037】
更に、携帯電話10は、画像を撮影するためのカメラ部17を有している。カメラ部17は、図示しないが、光学レンズと、該レンズを介して取り込んだ画像をデジタル情報に変換する画像化部とを備えている。デジタル情報に変換された画像データは、RAM15a、又はROM15bに記憶される。また、携帯電話10は、日時及び時刻表示のための表示データを作成する計時部18を有している。計時部18は、所定の時刻等を通知するためのアラーム機能を有している。この所定の時刻等には、ある時刻、又は、所定の時間値が経過したことをアラーム通知するためのタイマー設定値等が含まれる。
【0038】
上述した携帯電話10は、通話のために他の携帯電話等から呼出の着信を受けた場合に着信機能を実行する着信状態と、着信を受けた後通話機能を実行する通話状態と、着信を受けた後一時的に通話の保留機能を実行する保留状態とを有している。また、携帯電話10は、カメラ機能により画像の撮影機能を実行するカメラ状態と、所定の時刻等を通知するアラーム機能を実行するアラーム状態とを有している。
【0039】
第1制御部11は、上述した着信状態、通話状態、保留状態、カメラ状態又はアラーム状態それぞれの開始、実行又は終了を制御する。また、第1制御部11は、上記状態それぞれを開始した場合、着信状態であることを示す着信状態信号、通話状態であることを示す通話状態信号、保留状態であることを示す保留状態信号、カメラ状態であることを示すカメラ状態信号又はアラーム状態であることを示すアラーム状態信号を、第1送信部12aから携帯型電子機器20に送信する。
【0040】
また、第1制御部11は、携帯型電子機器20により送信され、携帯電話10の上記状態それぞれを操作する操作信号、例えば着信操作信号、通話操作信号、保留操作信号、カメラ操作信号又はアラーム操作信号を、第1受信部12bにより受信する。
【0041】
第1制御部11は、携帯型電子機器20からの上記操作信号を受信すると、操作信号に応じて携帯電話10の各要素の制御及び/又は処理を行う。
【0042】
更に、第1制御部11は、携帯電話10の上記状態それぞれを終了した場合、それぞれの状態終了信号を、例えば通話状態終了信号、保留状態終了信号、カメラ状態終了信号及びアラーム状態終了信号を、第1送信部12aから携帯型電子機器20に送信する。
【0043】
次に、本実施例の携帯型電子機器20について以下に説明する。
【0044】
携帯型電子機器20は、図3に示すように、第2アンテナ22c及び第2無線部22を有しており、第2アンテナ22cを介して、携帯電話10との間で短距離無線通信を行えるように構成されている。第2無線部22は、上記第2送信手段としての第2送信部22aと、上記第2受信手段としての第2受信部22b等とにより構成される。本実施例では、上記短距離無線通信としてBluetooth(登録商標)方式を用いている。
【0045】
ここで、携帯電話10から状態信号を受信する場合には、第2受信部22bは、第2アンテナ22cより受信した変調波に周波数変換処理等を施して受信変調波を作成し、該受信変調波から更に復調処理した状態信号を作成して、復調した状態信号を第2制御部21に出力する。携帯電話10へ操作信号を送信する場合には、第2送信部22aは、第2制御部21から入力された操作信号に変調処理を施して送信変調波を作成し、該送信変調波を無線周波数に変換して第2アンテナ22cから送信する。
【0046】
また、携帯型電子機器20は、図3に示すように、CPU等を含んで構成される上記第2制御手段としての第2制御部21、RAM26、ROM27、バイブレータを含んで構成される振動発生部28、携帯電話10の複数の状態それぞれを操作するための入力操作を行う操作ボタンを含んで構成される上記操作手段としての操作部23、携帯電話10の複数の状態それぞれの操作情報を表示するための液晶ディスプレイ等を含んで構成される上記表示手段としての表示部24、アラーム音等を出力するためのスピーカ25、日時及び時刻表示のための表示データを作成する計時部29等を有している。また、携帯型電子機器20が時刻表示状態の場合には、表示部24は、日時及び時刻表示、操作情報の表示等のために使用され、操作部23は、各種の設定等を行うメニュー表示、日時及び時刻調整用に使用される。
【0047】
第2制御部21は、ROM27に予め記憶されているプログラムに従い、携帯型電子機器20の各要素の制御及び各種処理を行い、処理中に生じるデータを一時的に保存するためにRAM26を利用する。また、ROM27には、携帯電話10の複数の状態それぞれを操作するための操作情報が記憶されている。
【0048】
操作部23は、図1に示すように、携帯型電子機器20への操作入力を行う操作入力部として5つの操作ボタン23a、23b、23c、23e及び23dを有している。第2制御部21は、上記操作ボタンのうちの何れか1つがの入力操作に基づいて、携帯電話10の複数の状態それぞれを操作する操作信号を、例えば着信操作信号、通話操作信号、保留操作信号、カメラ操作信号又はアラーム操作信号を、第2送信部22aから携帯電話10に送信する。携帯電話10の状態が異なれば、携帯型電子機器20の同じ操作ボタンが押されても、携帯電話10の状態に対応して、異なる操作信号が携帯型電子機器20から携帯電話10に送信される。
【0049】
第2制御部21は、携帯電話10が送信する上記状態信号を、例えば着信状態信号、通話状態信号、保留状態信号、カメラ状態信号又はアラーム状態信号を、第2受信部22bにより受信する。
【0050】
第2制御部21は、第2受信部22bにより受信した携帯電話10の上記状態信号に基づいて、携帯電話10の操作を行うための操作情報として、携帯電話10の複数の状態それぞれに対応した操作情報のみを表示部24に表示する。表示部24には、携帯電話10の一つの状態において無線通信により操作可能な操作情報のみが表示されており、携帯電話10の他の状態における操作情報は表示されない。
【0051】
ユーザは、携帯電話10の状態に対応して表示部24に表示された操作情報を参照し、操作部23を用いて、入力操作を携帯型電子機器20に入力する。第2制御部21は、操作部23の入力操作に基づいて、携帯電話10の複数の状態それぞれに対応する操作信号を、例えば着信操作信号、通話操作信号、保留操作信号、カメラ操作信号又はアラーム操作信号を、第2送信部22aから送信する。
【0052】
上記操作信号それぞれは、携帯電話10における対応する状態のみを操作可能であり、携帯電話10の対応しない状態は操作できない。
【0053】
また、第2制御部21は、携帯電話10が送信した上記状態終了信号それぞれを第2受信部22bにより受信した場合、操作部23の入力操作に基づいて、上記時刻表示状態における携帯型電子機器20を制御する。時刻表示状態では、第2制御部21は、現在の時刻及び日付等と共に、時刻表示状態における携帯型電子機器20を操作可能な操作情報のみを表示部24に表示する。
【0054】
このように、携帯型電子機器20は、携帯電話10が有する全ての複数の状態それぞれに対応する操作情報を表示部24に表示し、全ての上記状態それぞれにおける携帯電話10を操作する操作信号を無線通信により携帯電話10に送信して、携帯電話10の状態それぞれを遠隔操作する。
【0055】
上述した携帯電話10及び携帯型電子機器20それぞれは、互いに無線通信が可能な状況であることを確認する通信確認信号を繰り返し送受信する。この通信確認信号を送受信することにより、携帯電話10と携帯型電子機器20との間の通信接続が確立、維持される。
【0056】
一方、携帯型電子機器20の第2制御手段21は、携帯電話10からの通信確認信号を受信しない場合、第2送信手段22aからの送信を停止して消費電力を低減する。同様に、携帯電話10の第1制御手段11も、携帯型電子機器20からの通信確認信号を受信しない場合、第1送信手段12aからの送信を停止して消費電力を低減する。また、通信確認信号を受信しない場合、携帯電話10及び携帯型電子機器20それぞれの表示部には、通信が非接続中である旨が表示される。
【0057】
また、第2制御部21は、携帯電話10からの上記通信確認信号を受信しない場合、操作部23の入力操作に基づいて、時刻表示状態における携帯型電子機器20を制御する。
【0058】
上述した本実施例の無線操作システム30の動作の一例を、図4に示すシーケンス図を参照して、以下に説明する。図4には、携帯電話10に着信があり、ユーザが携帯型電子機器20を用いて、携帯電話10による通話を開始する例が示されている。
【0059】
携帯電話10は、例えば、待ち受け状態でユーザの鞄等にしまわれており、携帯型電子機器20がユーザの腕に装着されているものとする。携帯電話10に着信があった場合、ユーザは、携帯型電子機器20を用いて、携帯電話10を取り出すことなく遠隔操作できる。この状況は、以下に示す各動作例において共通する。
【0060】
図4に示す携帯電話10の動作は、主に第1制御部11がROM15bに予め記憶されているプログラムに従って実行する。同様に、携帯型電子機器20の動作は、主に第2制御部21がROM27に予め記憶されているプログラムに従って実行する。
【0061】
初めに、ユーザによって、携帯電話10及び携帯型電子機器20の電源がオンされ、互いに通信接続する操作を行なうと、ステップS100において、携帯電話10及び携帯型電子機器20それぞれは、通信確認信号を送受信して通信接続を確立し、通信を開始する。
【0062】
図5(a)に、携帯電話10が待ち受け状態にある場合の携帯型電子機器20の表示部24の例を示す。この場合、携帯型電子機器20は時刻表示状態にあり、表示部24には、時刻及び日付と、時刻表示状態において携帯型電子機器20を操作可能な操作情報が表示されている。
【0063】
ここで表示部24には、操作情報としては、携帯型電子機器20の名称、Bluetooth(登録商標)アドレス又は製造番号等の個体情報を表示するための情報ボタンが操作ボタン23aであること、携帯型電子機器20に通信可能に接続されている接続機器情報を表示するための接続機器ボタンが操作ボタン23bであること、メール機能等の他の機能を選択する表示への切替操作のための表示変更ボタンが操作ボタン23cであること、表示部24にライトを照らすためのライトボタンが操作ボタン23dであること、メニュー画面の表示への切替操作のためのメニューボタンが操作ボタン23eであることが表示されている。
【0064】
次に、ステップS101において、携帯電話10が、通話のために他の携帯電話等からの呼出の着信を受けると、携帯電話10は着信状態を開始する。携帯電話10は、着信状態では、スピーカ16bから着信音を出力する。
【0065】
次に、ステップS102において、携帯電話10は、着信状態であることを示す着信状態信号を第1送信部12aから携帯型電子機器20に送信する。ここで、着信状態信号の送信と共に、発信元の登録名称及び電話番号等のデータも送信することが可能である。
【0066】
次に、ステップS103において、携帯型電子機器20は、携帯電話10が送信した着信状態信号を第2受信部22bにより受信する。
【0067】
次に、ステップS104において、携帯型電子機器20は、携帯電話10の着信状態に対応した操作情報のみを表示部24に表示する。
【0068】
図5(b)に、着信状態に対応した操作情報のみを表示する表示部24の例を示す。表示部24には、携帯電話10が着信中である旨が表示される。表示部24には、また発信元の登録名称及び電話番号も表示されている。
【0069】
また、表示部24には、着信状態にある携帯電話10を無線通信により操作可能な操作情報として、通話機能により通話を開始する通話ボタンが操作ボタン23aであること、携帯電話10のスピーカ16bから発せられる着信音を消音又は低減(ミュート)するミュートボタンが操作ボタン23bであること、着信を切断する切断ボタンが操作ボタン23cであること、着信を一時的に保留する保留ボタンが操作ボタン23eであることが表示されている。尚、表示部24に表示はされていないが、操作ボタン23dの押し下げにより、表示部24をライトで照らすことも可能である。
【0070】
また、携帯型電子機器20は、上述したように着信状態に対応した操作情報のみを表示部24に表示すると共に、振動発生部28からバイブレーションを発生させ且つスピーカ25からアラーム音を出力する。尚、マナーモード等を設定し、バイブレーションのみ発生させアラーム音を消すようにしても良い。
【0071】
ユーザは、表示部24に表示された着信状態における携帯電話10の操作情報を参照し、操作部23を用いて、入力操作を携帯型電子機器20に入力する。図4の例では、ユーザは、ステップS105において、通話ボタンとしての操作ボタン23aを押し下げる。
【0072】
次に、ステップS106において、携帯型電子機器20は、着信操作信号としての通話開始信号を、第2送信部22aから携帯電話10に送信する。
【0073】
次に、ステップS107において、携帯電話10は、携帯型電子機器20が送信した通話開始信号を第1受信部12bにより受信する。
【0074】
次に、ステップS108において、携帯電話10は、通話状態を開始する。ユーザは、携帯電話10を取り出した後、マイク16a及びスピーカ16bを用いて、発信者との通話を開始する。
【0075】
次に、ステップS109において、携帯電話10は、通話機能を実行する通話状態であることを示す通話状態信号を、第1送信部12aから携帯型電子機器20に送信する。
【0076】
次に、ステップS110において、携帯型電子機器20は、携帯電話10が送信した通話状態信号を第2受信部22bにより受信する。
【0077】
次に、ステップS111において、携帯型電子機器20は、携帯電話10の通話状態に対応した操作情報のみを表示部24に表示する。図6(a)に、通話状態に対応した操作情報のみを表示する表示部24の例を示す。
【0078】
表示部24には、携帯電話10が通話中であることが示されている。表示部24には、操作情報として、通話を切断する切断ボタンが操作ボタン23cであることが表示されている。また、表示部24には、時刻も表示されている。携帯型電子機器20は、操作ボタン23cが押し下げられることにより、通話操作信号としての切断信号を携帯電話10に送信する。
【0079】
次に、ステップS112において、ユーザが、携帯電話10による通話を終了する。携帯電話10は、通話状態を終了して、待ち受け状態となる。
【0080】
次に、ステップS113において、携帯電話10は、通話状態終了信号を第1送信部12aから携帯型電子機器20に送信する。
【0081】
次に、ステップS114において、携帯型電子機器20は、携帯電話10が送信した通話状態終了信号を第2受信部22bにより受信する。
【0082】
然る後、ステップS115において、携帯型電子機器20は時刻表示状態となる。時刻表示状態では、第2制御部21は、図5(a)に示すように、現在の時刻及び日付等と共に、時刻表示状態で操作可能な操作情報のみを表示部24に表示する。時刻表示状態は、操作部23の入力操作に基づいて、第2制御部21により制御される。
【0083】
次に、本実施例の無線操作システム30の動作の他の例を、図7に示すシーケンス図を参照して、以下に説明する。図7には、携帯電話10に着信があり、ユーザが携帯型電子機器20を用いて、携帯電話10への着信を遠隔操作により保留する例が示されている。
【0084】
図7において、ステップS200からS204までの動作は、図4に示す例と同様であるので、ステップS205以降の動作を以下に説明する。
【0085】
ステップS205において、ユーザは、保留ボタンとしての操作ボタン23eを押し下げる。
【0086】
次に、ステップS206において、携帯型電子機器20は、着信操作信号としての保留開始信号を、第2送信部22aから携帯電話10に送信する。
【0087】
次に、ステップS207において、携帯電話10は、携帯型電子機器20が送信した保留開始信号を第1受信部12bにより受信する。
【0088】
次に、ステップS208において、携帯電話10は、着信を一時的に保留する保留状態を開始する。この保留状態では、携帯電話10は、発信者との通話を一度開始した後、通話を保留した状態にある。保留状態にある携帯電話10は、発信者に対して、回線留保用の音声案内や音楽を送信しても良い。
【0089】
次に、ステップS209において、携帯電話10は、保留機能を実行する保留状態であることを示す保留状態信号を、第1送信部12aから携帯型電子機器20に送信する。
【0090】
次に、ステップS210において、携帯型電子機器20は、携帯電話10が送信した保留状態信号を第2受信部22bにより受信する。
【0091】
次に、ステップS211において、携帯型電子機器20は、携帯電話10の保留状態に対応した操作情報のみを表示部24に表示する。図6(b)に、保留状態に対応した操作情報のみを表示する表示部24の例を示す。
【0092】
表示部24には、携帯電話10が保留中であることが示されている。表示部24には、操作情報として、通話を切断する切断ボタンが操作ボタン23cであることが表示されている。携帯型電子機器20は、操作ボタン23cが押し下げられることにより、保留操作信号としての切断信号を携帯電話10に送信する。
【0093】
次に、ステップS212において、ユーザは、携帯電話10の通話を切断して保留状態を終了する。携帯電話10の通話の切断は、ユーザが、携帯型電子機器20を用いて切断ボタンとしての操作ボタン23cを押し下げることにより実行しても良い。又は、ユーザが携帯電話10の操作部13を操作して切断して保留状態を終了しても良いし、又は発信者が携帯電話10への通信状態を切断することにより保留状態を終了しても良い。
【0094】
次に、ステップS213において、携帯電話10は、保留状態終了信号を第1送信部12aから携帯型電子機器20に送信する。
【0095】
次に、ステップS214において、携帯型電子機器20は、携帯電話10が送信した保留状態終了信号を第2受信部22bにより受信する。
【0096】
然る後、ステップS215において、携帯型電子機器20は、時刻表示状態で操作可能な操作情報のみを表示部24に表示して、時刻表示状態を制御する。
【0097】
次に、本実施例の無線操作システム30の動作のまた他の例を、図8に示すシーケンス図を参照して、以下に説明する。図8には、携帯電話10に着信があり、ユーザが携帯型電子機器20を用いて、携帯電話10への着信を遠隔操作により切断する例が示されている。
【0098】
図8において、ステップS300からS304までの動作は、図4に示す例と同様であるので、ステップS305以降の動作を以下に説明する。
【0099】
ステップS305において、ユーザは、切断ボタンとしての操作ボタン23cを押し下げる。
【0100】
次に、ステップS306において、携帯型電子機器20は、着信操作信号としての切断信号を、第2送信部22aから携帯電話10に送信する。
【0101】
次に、ステップS307において、携帯電話10は、携帯型電子機器20が送信した切断信号を第1受信部12bにより受信する。
【0102】
次に、ステップS308において、携帯電話10は、着信を切断し着信状態を終了して、待ち受け状態となる。
【0103】
次に、ステップS309において、携帯電話10は、着信状態終了信号を第1送信部12aから携帯型電子機器20に送信する。
【0104】
次に、ステップS310において、携帯型電子機器20は、携帯電話10が送信した着信状態終了信号を第2受信部22bにより受信する。
【0105】
然る後、ステップS311において、携帯型電子機器20は、時刻表示状態で操作可能な操作情報のみを表示部24に表示して、時刻表示状態を制御する。
【0106】
次に、本実施例の無線操作システム30の動作の更に他の例を、図9に示すシーケンス図を参照して、以下に説明する。図9には、携帯電話10に着信があり、ユーザが携帯型電子機器20を用いて、携帯電話10の着信音を遠隔操作によりミュートする例が示されている。
【0107】
図9において、ステップS400からS404までの動作は、図4に示す例と同様であるので、ステップS405以降の動作を以下に説明する。
【0108】
ステップS405において、ユーザは、ミュートボタンとしての操作ボタン23bを押し下げる。
【0109】
次に、ステップS406において、携帯型電子機器20は、着信操作信号としてのミュート信号を、第2送信部22aから携帯電話10に送信する。
【0110】
次に、ステップS407において、携帯電話10は、携帯型電子機器20が送信したミュート信号を第1受信部12bにより受信する。
【0111】
次に、ステップS408において、携帯電話10は、着信音をミュートする。この例では、携帯電話10は、着信音を停止する。
【0112】
次に、ステップS409において、ユーザは、携帯電話10への着信を切断して着信状態を終了する。携帯電話10への着信の切断は、ユーザが、携帯型電子機器20を用いて切断ボタンとしての操作ボタン23cを押し下げることにより実行しても良い。又は、ユーザが携帯電話10の操作部13を操作して切断して着信状態を終了しても良いし、又は発信者が携帯電話10への通信状態を切断することにより着信状態を終了しても良い。
【0113】
次に、ステップS410において、携帯電話10は、着信状態終了信号を第1送信部12aから携帯型電子機器20に送信する。
【0114】
次に、ステップS411において、携帯型電子機器20は、携帯電話10が送信した着信状態終了信号を第2受信部22bにより受信する。
【0115】
然る後、ステップS412において、携帯型電子機器20は、時刻表示状態で操作可能な操作情報のみを表示部24に表示して、時刻表示状態を制御する。
【0116】
次に、本実施例の無線操作システム30の動作の更にまた他の例を、図10に示すシーケンス図を参照して、以下に説明する。図10には、携帯電話10のアラーム機能により所定の時刻が通知され、ユーザが携帯型電子機器20を用いて、携帯電話10のアラーム音を遠隔操作によりミュート(消音)する例が示されている。
【0117】
図9において、ステップS500の動作は、図4に示す例と同様であるので、ステップS501以降の動作を以下に説明する。
【0118】
ステップS501において、携帯電話10は、アラーム機能により所定の時刻になったことを通知するアラーム状態を開始する。携帯電話10は、スピーカ16bからアラーム音を出力する。
【0119】
次に、ステップS502において、携帯電話10は、アラーム状態信号を第1送信部12aから携帯型電子機器20に送信する。
【0120】
次に、ステップS503において、携帯型電子機器20は、携帯電話10が送信したアラーム状態信号を第2受信部22bにより受信する。
【0121】
次に、ステップS504において、携帯型電子機器20は、携帯電話10のアラーム状態に対応した操作情報のみを表示部24に表示する。
【0122】
図11に、アラーム状態に対応した操作情報のみを表示する表示部24の例を示す。表示部24には、携帯電話10がアラーム通知中である旨が表示される。表示部24には、またアラーム機能に設定された時刻も表示されている。
【0123】
表示部24には、操作情報として、アラーム音をミュートするミュートボタンが操作ボタン23b、23eであることが表示されている。尚、操作ボタン23a、23cにも、ミュートボタンを割り当てても良い。
【0124】
また、携帯型電子機器20は、上述したようにアラーム状態に対応した操作情報のみを表示部24に表示すると共に、振動発生部28からバイブレーションを発生させ且つスピーカ25からアラーム音を出力する。尚、マナーモード等を設定し、バイブレーションのみ発生させアラーム音を消すようにしても良い。
【0125】
次に、ステップS505において、ユーザは、ミュートボタンとしての操作ボタン23b又は23eを押し下げる。
【0126】
次に、ステップS506において、携帯型電子機器20は、アラーム操作信号としてのミュート信号を、第2送信部22aから携帯電話10に送信する。
【0127】
次に、ステップS507において、携帯電話10は、携帯型電子機器20が送信したミュート信号を第1受信部12bにより受信する。
【0128】
次に、ステップS508において、携帯電話10は、アラーム音をミュートして、アラーム状態を終了し、待ち受け状態となる。
【0129】
次に、ステップS509において、携帯電話10は、アラーム状態終了信号を第1送信部12aから携帯型電子機器20に送信する。
【0130】
次に、ステップS510において、携帯型電子機器20は、携帯電話10が送信したアラーム状態終了信号を第2受信部22bにより受信する。
【0131】
然る後、ステップS511において、携帯型電子機器20は、時刻表示状態で操作可能な操作情報のみを表示部24に表示して、時刻表示状態を制御する。
【0132】
最後に、本実施例の無線操作システム30の動作のまた他の例を、図12に示すシーケンス図を参照して、以下に説明する。図12には、携帯電話10のカメラ機能を実行するカメラ状態において、ユーザが携帯型電子機器20を用いて、携帯電話10を遠隔操作してカメラ撮影する例が示されている。
【0133】
図12において、ステップS600の動作は、図4に示す例と同様であるので、ステップS601以降の動作を以下に説明する。
【0134】
ステップS601において、携帯電話10は、カメラ機能を実行するカメラ状態を開始する。
【0135】
次に、ステップS602において、携帯電話10は、カメラ状態信号を第1送信部12aから携帯型電子機器20に送信する。
【0136】
次に、ステップS603において、携帯型電子機器20は、携帯電話10が送信したカメラ状態信号を第2受信部22bにより受信する。
【0137】
次に、ステップS604において、携帯型電子機器20は、携帯電話10のカメラ状態に対応した操作情報のみを表示部24に表示する。
【0138】
図13に、カメラ状態に対応した操作情報のみを表示する表示部24の例を示す。表示部24には、携帯電話10がカメラ状態である旨が表示される。
【0139】
表示部24には、操作情報として、カメラ撮影するためのリモートシャッターボタンが操作ボタン23b、23eであることが表示されている。また、カメラ撮影する前に事前に、撮影対象に焦点を自動的に合わせるオートフォーカスボタンが操作ボタン23a、23cであることが表示されている。通常のカメラ撮影では、リモートシャッターボタンが押し下げられた後に、撮影対象に焦点が自動的に合わされて撮影される。一方、このオートフォーカスボタンを押すことにより、撮影前に撮影対象に自動的に焦点を合わすことができるので、リモートシャッターボタンが押し下げられると、焦点を合わせることなく即座にカメラ撮影がなされるため、シャッターチャンスを逃すことなくカメラ撮影が行える。また、表示部24には、時刻も表示されている。
【0140】
このように、ユーザは、携帯型電子機器20を用いて、携帯電話10のカメラ機能を無線通信により遠隔操作することができる。例えば、ユーザは、本実施例の無線操作システム30を用いて、該ユーザを含む集合写真等をカメラ撮影することができる。
【0141】
次に、ステップS605において、ユーザは、リモートシャッターボタンとしての操作ボタン23b又は23eを押し下げる。
【0142】
次に、ステップS606において、携帯型電子機器20は、カメラ操作信号としてのシャッター操作信号を、第2送信部22aから携帯電話10に送信する。
【0143】
次に、ステップS607において、携帯電話10は、携帯型電子機器20が送信したシャッター操作信号を第1受信部12bにより受信する。
【0144】
次に、ステップS608において、携帯電話10は、カメラ機能によりカメラ撮影を実行する。ユーザは、本実施例の無線操作システム30を用いて、必要な回数のカメラ撮影を行う。また、ユーザは、オートフォーカスボタンを押し下げて、撮影対象に焦点を自動的に合わせた後、リモートシャッターボタンを押し下げても良い。
【0145】
次に、ステップS609において、ユーザは、必要なカメラ撮影を終えた後、携帯電話10のカメラ状態を終了する。
【0146】
次に、ステップS610において、携帯電話10は、カメラ状態終了信号を第1送信部12aから携帯型電子機器20に送信する。
【0147】
次に、ステップS611において、携帯型電子機器20は、携帯電話10が送信したカメラ状態終了信号を第2受信部22bにより受信する。
【0148】
然る後、ステップS612において、携帯型電子機器20は、時刻表示状態で操作可能な操作情報のみを表示部24に表示して、時刻表示状態を制御する。
【0149】
このように、携帯電話10が、携帯型電子機器20によって無線操作可能な複数の無線操作状態を有しており、携帯電話10が各無線操作状態のいずれかに切り替わったことに応じて、携帯型電子機器20も、携帯電話10の状態に追従して対応する操作状態に切り替わるので、操作性に優れている。
また、携帯型電子機器20は、各無線操作状態にある携帯電話10を操作するための複数の操作信号のうち、携帯電話10の状態に応じて、携帯電話10を操作することができる操作信号だけが送信可能な状態に第2制御部21によって制御されているので、不要な操作信号が送信されず、無駄に消費電力を消費することはない。例えば、携帯電話10が図11に示すアラーム状態のときには、携帯型電子機器20は、アラーム状態にある携帯電話10を操作可能な操作信号であるミュート信号だけが送信可能であり、アラーム状態にある携帯電話10を操作可能ではない操作信号であるシャッター操作信号や、保留開始信号等は送信されない状態に制御されている。同様に、携帯電話10が図13に示すカメラ状態のときには、携帯型電子機器20は、カメラ状態にある携帯電話10を操作可能な操作信号であるシャッター操作信号と、オートフォーカス信号だけが送信可能である。このように、本実施例では、携帯型電子機器20は、携帯電話10の各無線操作状態に対応して、操作可能な操作信号だけが送信可能に制御されている。
また、上述した本実施例の無線操作システム30によれば、携帯型電子機器20は、表示部24に、携帯電話10の操作を行うための操作情報として、携帯電話10の現在の状態を無線通信により操作可能な操作情報のみを表示するので、ユーザは必要な操作情報のみを参照できる。また、ユーザは、携帯型電子機器20の表示部24に表示された操作情報に基づいて、操作部23の操作ボタンを操作することにより、携帯電話10の全ての複数の状態それぞれを無線通信により遠隔操作できるので、携帯型電子機器20は操作性に優れている。
【0150】
また、携帯型電子機器20は、限られた数の操作部23の操作ボタンを用いて、携帯電話10の全ての複数の状態それぞれを無線通信により、操作性良く遠隔操作できる。
【0151】
本発明の無線操作システム又は携帯型電子機器は、上述した実施形態又は実施例に制限されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更が可能である。
【0152】
例えば、上記の例では、上記第1の機器が携帯電話10であり、上記第2の機器が携帯型電子機器20であったが、上記第1の機器は、複数の機能を実行する状態を有する電子機器であり、上記第2の機器は、無線通信により上記第1の機器を操作する携帯型電子機器であれば、それぞれ、他の電子機器であっても良い。
また、上記の例では、携帯型電子機器20は、携帯電話10がカメラ状態の場合に操作ボタン23aを操作すると、シャッター操作信号を送信し、携帯電話10がアラーム状態の場合に操作ボタン23aを操作すると、ミュート信号を送信したように、携帯電話10の状態に応じて異なる操作信号を送信したが、上記第2の発明の無線操作システムにおいては、カメラ状態及びアラーム状態のいずれの場合にも、操作ボタン23bを操作したときに、そのことを示す、ボタンb操作信号を送信しても携帯電話10が同様の動作を行うように構成することができる。例えば、携帯電話10側で、カメラ状態のときにボタンb操作信号を受信したら、カメラ撮影動作を行い、アラーム状態のときにボタンb操作信号を受信したら、アラーム状態を終了させるように第1制御部11が制御するように構成すればよい。この場合も、携帯型電子機器20から送信されるボタンb操作信号は、カメラ状態にある携帯電話10や、アラーム状態にある携帯電話10を操作する操作信号であることに変わりはなく、携帯型電子機器20の表示部24に、図11や図13のような、アラーム状態やカメラ状態に対応した表示をすることにより、使用者は、ミュート信号やシャッター操作信号が送信されている場合と同様に操作を行うことができる。携帯型電子機器20における他の操作ボタンや、操作信号も同様である。
【0153】
また、上記の例では、携帯電話10は、着信状態、通話状態、保留状態、カメラ状態又はアラーム状態を有していたが、携帯電話10は、メールの送受信を実行するメール状態、配信されるニュースを受信するニュース受信状態等の他の機能を実行する状態を有しても良い。これら携帯電話10が有する状態それぞれは、携帯型電子機器20により、無線通信を用いて遠隔操作されることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0154】
【図1】本発明に係る無線操作システムの一実施形態の構成図である。
【図2】図1の各構成要素のブロック図である。
【図3】図2の実施形態を用いた一実施例を説明するブロック図である。
【図4】図3の実施例の動作の一例を説明するシーケンス図である。
【図5】図3の動作例における携帯型電子機器の表示部を示す図である。
【図6】(a)は、図4の動作例における携帯型電子機器の表示部の他の表示例を示しており、(b)は、図7の動作例における携帯型電子機器の表示部の表示例を示す図である。
【図7】図3の実施例の動作の他の一例を説明するシーケンス図である。
【図8】図3の実施例の動作のまた他の一例を説明するシーケンス図である。
【図9】図3の実施例の動作の更に他の一例を説明するシーケンス図である。
【図10】図3の実施例の動作の更にまた他の一例を説明するシーケンス図である。
【図11】図10の動作例における携帯型電子機器の表示部の表示例を示す図である。
【図12】図3の実施例の動作のまた他の一例を説明するシーケンス図である。
【図13】図12の動作例における携帯型電子機器の表示部の表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0155】
30 無線操作システム
10 携帯電話(第1の機器)
11 第1制御部(状態制御手段)
12 第1無線部
12a 第1送信部
12b 第1受信部
12c 第1アンテナ
13 操作部
14 表示部
15a RAM
15b ROM
16a マイク
16b スピーカ
17 カメラ部
18 計時部
19 第3無線部
19a 第3アンテナ
20 携帯型電子機器(第2の機器)
21 第1制御部(制御手段)
22 第2無線部
22a 第2送信部
22b 第2受信部
22c 第2アンテナ
23 操作部(操作手段)
23a、23b、23c、23d、23e 操作ボタン
24 表示部(表示手段)
25 スピーカ
26 RAM
27 ROM
28 振動発生部
29 計時部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1の機能を実行する第1の状態と第2の機能を実行する第2の状態とを有する第1の機器と、該第1の機器を無線通信により操作する第2の機器とを備えた無線操作システムであって、
前記第1の機器は、
前記第1の状態であることを示す第1状態信号、又は、前記第2の状態であることを示す第2状態信号、を前記第2の機器に送信する第1送信手段と、
前記第2の機器により送信され、前記第1の状態を操作するための第1操作信号と、前記第2の状態を操作するための、前記第1操作信号とは異なる第2操作信号とを、受信する第1受信手段と、を有しており、
前記第2の機器は、
この第2の機器への入力操作を行う操作手段と、
前記第1操作信号又は前記第2操作信号を前記第1の機器に送信する第2送信手段と、
前記第1の機器が送信する前記第1状態信号及び前記第2状態信号を受信する第2受信手段と、
前記第2受信手段が、前記第1状態信号を受信した場合には、前記操作手段の入力操作に基づいて前記第2送信手段から前記第1操作信号を送信するように制御し、前記第2状態信号を受信した場合には、前記操作手段の入力操作に基づいて前記第2送信手段から前記第2操作信号を送信するように制御する制御手段と、を有している、
ことを特徴とする無線操作システム。
【請求項2】
少なくとも第1の機能を実行する第1の状態と、第2の機能を実行する第2の状態とを有する第1の機器と、該第1の機器を無線通信により操作する第2の機器とを備えた無線操作システムであって、
前記第1の機器は、
前記第1の状態であることを示す第1状態信号、又は、前記第2の状態であることを示す第2状態信号、を前記第2の機器に送信する第1送信手段と、
前記第2の機器が送信する、前記第1の状態を操作する第1操作信号と、前記第2の状態を操作する第2操作信号と、を受信する第1受信手段と、を有しており、
前記第2の機器は、
この第2の機器への入力操作を行う操作手段と、
前記第1操作信号又は前記第2操作信号を前記第1の機器に送信する第2送信手段と、
前記第1の機器が送信する前記第1状態信号及び前記第2状態信号を受信する第2受信手段と、
表示手段と、
前記第1の機器の操作を行うための操作情報を前記表示手段に表示する制御手段と、を有しており、
前記制御手段は、前記第2受信手段が前記第1状態信号を受信した場合には、前記操作情報として、前記第1操作信号を送信するための前記第1の機器における前記第1の状態の操作情報のみを前記表示手段に表示し、前記第2受信手段が前記第2状態信号を受信した場合には、前記操作情報として、前記第2操作信号を送信するための前記第1の機器における前記第2の状態の操作情報のみを前記表示手段に表示することを特徴とする無線操作システム。
【請求項3】
前記操作手段は、操作入力を行う複数の操作入力部を有しており、
前記制御手段は、複数の前記操作入力部のうちの何れか1つの入力操作に基づいて、前記第1操作信号又は前記第2操作信号を、前記第2送信手段から前記第2の機器に送信する請求項1又は2に記載の無線操作システム。
【請求項4】
前記第1の機器及び前記第2の機器それぞれは、互いに無線通信が可能な状況であることを確認する通信確認信号を送受信し、
前記制御手段は、前記第1の機器からの前記通信確認信号を受信しない場合、前記第2送信手段から送信を停止する請求項1から3の何れか一項に記載の無線操作システム。
【請求項5】
前記第2の機器は、第3の機能を実行する第3の状態を有しており、
前記制御手段は、前記第1の機器からの前記通信確認信号を受信しない場合、前記操作手段の入力操作に基づいて、前記第3の状態を制御する請求項4に記載の無線操作システム。
【請求項6】
前記第1の機器は、
前記第1の状態又は前記第2の状態の開始又は終了を制御する状態制御手段を有しており、
前記状態制御手段は、前記第1の状態又は前記第2の状態を終了した場合、それぞれ、第1の状態終了信号又は第2の状態終了信号を、前記第1送信手段から第2の機器に送信し、
前記第2の機器は、
前記第2受信手段が、前記第1の状態終了信号又は前記第2の状態終了信号を受信した場合、前記制御手段が、前記操作手段の入力操作に基づいて、前記第3の状態を制御する請求項5項に記載の無線操作システム。
【請求項7】
前記第1操作信号は前記第1の機器における前記第1の状態のみを操作可能であり、前記第2操作信号は前記第1の機器における前記第2の状態のみを操作可能である請求項1から6の何れか一項に記載の無線操作システム。
【請求項8】
前記第1の機器は、
前記第1の状態及び前記第2の状態を含めて、複数の機能を実行する複数の状態を有しており、
前記第2の機器は、
前記制御手段が、前記第1の機器における全ての前記複数の状態それぞれに対応して、無線通信により操作可能な操作を実行する操作信号を前記第2送信手段から送信するように制御する請求項1から7の何れか一項に記載の無線操作システム。
【請求項9】
複数の機能を実行する複数の状態を有する電子機器を無線通信により操作する携帯型電子機器であって、
操作手段と、
前記電子機器の前記複数の状態それぞれに対応して異なる、前記電子機器を操作する操作信号を、前記電子機器に送信する送信手段と、
前記電子機器の前記複数の状態それぞれを示す状態信号を受信する受信手段と、
前記操作手段の入力操作に基づいて、前記電子機器の前記複数の状態それぞれに対応する前記操作信号を前記送信手段から送信するように制御する制御手段と、
を有していることを特徴とする携帯型電子機器。
【請求項10】
複数の機能を実行する複数の状態を有する電子機器を無線通信により操作する携帯型電子機器であって、
操作手段と、
前記電子機器を操作する操作信号を、前記電子機器に送信する送信手段と、
前記電子機器の前記複数の状態を示す状態信号を受信する受信手段と、
表示手段と、
前記第1の機器の操作を行うための操作情報を前記表示手段に表示する制御手段と、を有しており、
前記制御手段は、受信した状態信号に基づいて、前記操作情報として、前記電子機器の前記複数の状態それぞれに対応した操作情報のみを前記表示手段に表示することを特徴とする携帯型電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−105500(P2009−105500A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−273083(P2007−273083)
【出願日】平成19年10月19日(2007.10.19)
【出願人】(307023373)シチズン時計株式会社 (227)
【出願人】(501440684)ソフトバンクモバイル株式会社 (654)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】