説明

無線送受信装置及び送信電力調整方法

【課題】ICの機能で送信電力調整を実現可能な無線送受信装置を提供する。
【解決手段】送信モード1の送信無線信号を、送信出力電力が所定の送信電力となるように可変利得アンプ104で増幅し、可変利得アンプ104の出力を受信側の可変利得アンプ105に入力する。受信側利得制御部312は、受信信号復調回路107の出力レベルが所定レベルになるように可変利得アンプ105のゲインを調整し、ゲイン制御値を調整用ゲインテーブル315に記憶する。送信モード2で出力された送信無線信号を、可変利得アンプ104を経由して可変利得アンプ105に入力する。送信側利得調整部311は、調整用ゲインテーブル315を用いて、可変利得アンプ105のゲイン制御値が、所望の送信電力に対応したゲイン制御値になるように、可変利得アンプ104のゲインを調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線送受信装置及び送信電力調整方法に関し、更に詳しくは、複数の送信モードを有する無線送受信装置、及び、そのような無線送受信装置における送信電力調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信装置は、一般に、送信部と受信部とを有する。無線通信装置の使用に際しては、送信部及び受信部における送信レベル及び受信レベルの調整を行う。送信レベル及び受信レベルの調整に関して、特許文献1には、半二重方式の無線LAN装置における送信電力及び受信電力の調整が記載されている。図5は、特許文献1に記載の半二重方式の無線LAN装置を示している。無線LAN装置は、アンテナ211で受信した電波に含まれる情報を復調する受信部207と、情報を搬送波で変調してその変調波をアンテナ211から送信する送信部208とを有する。
【0003】
受信部207は、可変利得増幅器271、バンドパスフィルタ272、ミキサ273、バンドパスフィルタ274、可変利得増幅器275、復調回路276、A/Dコンバータ277、レベル検出回路278、A/Dコンバータ279、及び、D/Aコンバータ280を有する。送信部208は、D/Aコンバータ281、変調回路282、バンドパスフィルタ283、可変利得増幅器284、ミキサ285、バンドパスフィルタ286、電力増幅器287、及び、D/Aコンバータ288を有する。更に、受信部207及び送信部208は、共通に使用する発振器292と発振器293とを有する。
【0004】
受信部207の可変利得増幅器271は、アンテナ211の受信電波などの高調波増幅を行う。可変利得増幅器271の利得は、制御部209からの制御信号S3で制御される。可変利得増幅器275は、バンドパスフィルタ274の出力を増幅する。可変利得増幅器275の利得は、制御部209からの制御信号S4をD/Aコンバータ280でD/A変換した制御電圧を用いて制御される。送信部208の可変利得増幅器284は、バンドパスフィルタ283が出力する変調波の増幅を行う。可変利得増幅器284の利得は、制御部209からの制御信号S5をD/Aコンバータ288でD/A変換した制御電圧を用いて制御される。
【0005】
受信部207のレベル検出回路278は、バンドパスフィルタ274の出力、すなわち、受信部207における受信電力のレベルを検出し、その検出レベルに応じたアナログ電圧を出力する。A/Dコンバータ279は、レベル検出回路278が出力するアナログ電圧をデジタル変換し、制御部209に入力する。制御部209は、A/Dコンバータ279からの出力に基づいて、可変利得増幅器275に供給すべき制御電圧を決定する。制御部209は、可変利得増幅器275の出力が一定になるように、可変利得増幅器275の利得を制御する。
【0006】
送信電力調整モード時、制御部209は、スイッチ210の切替接点210b及び210cを閉状態し、切替接点210aを開状態にする。切替接点210b及び210cのみ閉じることで、送信部208の電力増幅器287は、受信部207の可変利得増幅器271に接続される。送信部208の出力は、受信部207に入力され、レベル検出回路278は、送信部208の送信電力のレベルを検出する。制御部209は、レベル検出回路278の検出レベルに基づいて、送信部208の可変利得増幅器284に供給すべき制御電圧を求め、求めた制御電圧を図示しないRAM(Random Access Memory)に記憶させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−235966号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1には、レベル検出回路278での検出レベルに基づいて送信部208の可変利得増幅器284に供給すべき制御電圧を決定するとの記載がある。しかし、その具体的な決定手法までは記載されていない。また、特許文献1では、アンテナ211の直前にスイッチ210を設け、スイッチ210で、送信部208の出力を受信部207に折り返している。一般に、図5の構成要素のうち、IC化可能な部分は、ミキサ273、285の部分までであり、バンドパスフィルタ272、286、可変利得増幅器271、及び、電力増幅器287の部分は、IC(Integrated Circuit)化できない。従って、スイッチ210をIC内に配置することができない。
【0009】
スイッチ210を送信回路及び受信回路を有するIC内に内蔵することができれば、送信電力調整の機能を、ICの機能として提供することができる。しかし、特許文献1では、スイッチ210をICに内蔵させることができないので、ICの機能で、送信電力調整を実現することができない。送信電力調整をICの機能で実現できれば、ICからアンテナ側の回路は既存回路をそのまま使用することができる。特許文献1では、そのようなことは実現できない。
【0010】
本発明は、ICの機能で送信電力調整を実現可能な無線送受信装置及び送信電力調整方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の送信電力調整方法は、複数の送信モードの中から選択された一の送信モードの送信無線信号を、アンテナからの送信出力電力が所定の送信電力となるように送信側可変利得アンプで増幅し、前記送信側可変利得アンプの出力を受信側可変利得アンプに入力し、前記受信側可変利得アンプで増幅された前記送信無線信号を受信信号復調回路で復調したときの出力レベルが所定レベルになるように前記受信側可変利得アンプのゲインを調整し、前記所定の送信電力と、前記受信側可変利得アンプのゲイン制御値とを対応付けて調整用ゲインテーブルに記憶し、前記一の送信モードとは異なる他の送信モードで出力された送信無線信号を、前記送信側可変利得アンプを経由して前記受信側可変利得アンプに入力し、前記調整用ゲインテーブルを用いて、前記受信信号復調回路の出力レベルが所定レベルになるように前記受信側可変利得アンプのゲインを調整した際のゲイン制御値が、所望の送信電力に対応したゲイン制御値になるように、前記送信側可変利得アンプのゲインを調整することを特徴とする。
【0012】
本発明の無線ICは、複数の送信モードの中から選択された送信モードで、アンテナから送信すべき送信無線信号を生成する送信信号変調回路と、前記送信信号変調回路が出力する送信無線信号を増幅する送信側可変利得アンプと、アンテナを介して受信する受信無線信号を増幅する受信側可変利得アンプと、前記受信側可変利得アンプが出力する受信無線信号を復号する受信信号復号回路と、前記送信側可変利得アンプの出力と前記受信側可変利得アンプの入力との接続及び切断を制御するスイッチとを備えることを特徴とする。
【0013】
本発明の無線送受信装置は、アンテナから送信すべき送信無線信号を生成する送信信号変調回路と、前記送信信号変調回路が出力する送信無線信号を増幅する送信側可変利得アンプと、アンテナを介して受信する受信無線信号を増幅する受信側可変利得アンプと、前記受信側可変利得アンプが出力する受信無線信号を復号する受信信号復号回路と、前記送信側可変利得アンプの出力と前記受信側可変利得アンプの入力との接続及び切断を制御するスイッチと、前記受信側可変利得アンプのゲインを、前記受信信号復号回路の出力レベルが所定レベルになるように制御する受信側利得制御部と、前記送信無線信号を前記複数の送信モードのうちの何れか一のモードで前記アンテナから送信した際の送信出力電力が所定の送信電力となるときに前記スイッチを用いて送信側可変利得アンプの出力と受信側可変利得アンプの入力とを接続したときの受信側利得制御部のゲイン制御値と前記所定の送信電力とを対応付けて記憶する調整用ゲインテーブルを用いて、前記送信信号変調回路が前記一のモードとは異なる送信モードで送信無線信号を出力し前記スイッチが前記送信側可変利得アンプの出力と前記受信側可変利得アンプの入力とを接続したとき、前記受信側利得制御部が制御する前記受信側可変利得アンプのゲイン制御値が所望の送信電力に対応するゲイン制御値となるように送信側可変利得アンプのゲインを制御する送信側利得調整部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の無線送受信装置及び送信電力調整方法は、送信電力調整をICの機能として提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態の無線送受信装置を示すブロック図。
【図2】送信電力調整の手順を示すフローチャート。
【図3】自動調整時の無線ICを示すブロック図。
【図4】本発明の変形例の無線送受信装置を示すブロック図。
【図5】特許文献1に記載の無線LAN装置を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態の無線送受信装置(無線通信装置)を示している。無線送受信装置は、無線IC(Integrated Circuit)101、バンドパスフィルタ201、203、205、アンプ202、204、アンテナ206、制御部301、D/A変換器302〜304、及び、A/D変換器305を有する。無線送受信装置は、例えば、携帯電話機などの移動体通信端末装置である。無線送受信装置は、複数の通信モードで通信を行う。例えば、無線送受信装置は、通常の音声通話・データ通信を行う通信モードと、高速データ通信を行う通信モードとを有する。
【0017】
制御部301は、送信データ(IQデータ信号)の生成、及び、受信データ(受信IQデータ信号)の処理を行う。また、制御部301は、無線送受信装置の各部の制御を行う。無線IC101は、制御部301からIQデータ信号を入力し、IQデータ信号を、無線信号(送信無線信号)に変換する。また、無線IC101は、アンテナ206側から入力する無線信号(受信無線信号)を、IQデータ信号に変換する。
【0018】
無線IC101は、スイッチ102、103、可変利得アンプ104、105、送信信号変調回路106、及び、受信信号復調回路107を有する。送信信号変調回路106は、制御部301からIQデータ信号を受け取り、アンテナ206から送信すべき送信無線信号を生成する。受信信号復調回路107は、アンテナ206を介して受信する受信無線信号を、受信IQデータ信号(IQアナログデータ)に変換する。A/D変換器305は、受信IQデータ信号をデジタル信号に変換し、制御部301に入力する。送信信号変調回路106及び受信信号復調回路107ついては、本発明の動作とは直接関係しないので、詳細な説明は省略する。
【0019】
送信側の可変利得アンプ104は、送信信号変調回路106が出力する送信無線信号を増幅する。可変利得アンプ104の利得は、制御部301が制御する。制御部301は、送信出力電力レベルを算出し、可変利得アンプ104のゲイン制御値を決定する。制御部301は、D/A変換器303を介して、ゲイン制御値に応じたアナログ制御電圧を、可変利得アンプ104に印加する。可変利得アンプ104は、アナログ制御電圧に応じたゲインで、送信無線信号を増幅する。
【0020】
受信側の可変利得アンプ105は、無線IC101に入力された受信無線信号を増幅する。可変利得アンプ105は、増幅した受信無線信号を受信信号復調回路107に出力する。制御部301は、受信信号復調回路107が出力するアナログ電圧をモニタし、そのアナログ電圧が所定のレベルに収束するように、可変利得アンプ105のゲインを制御する。制御部301は、D/A変換器304を介して、ゲイン制御値に応じたアナログ制御電圧を可変利得アンプ105に印加する。可変利得アンプ105は、アナログ制御電圧に応じたゲインで、受信無線信号を増幅する。
【0021】
スイッチ102及び103は、送信側の可変利得アンプ104の出力と受信側の可変利得アンプ105の入力との間の接続及び切断を制御する。スイッチ102及び103は、通常の使用状態、すなわち、無線信号の送受信時は、それぞれ、可変利得アンプ104とバンドパスフィルタ201、及び、バンドパスフィルタ203と可変利得アンプ105とを接続する。スイッチ102及び103は、送信レベル調整時は、送信側の可変利得アンプ104と受信側の可変利得アンプ105とを接続する。スイッチ102及び103の切り替えは、制御部301が行う。スイッチ102及び103には、ダイオードを用いることができる。
【0022】
バンドパスフィルタ201は、可変利得アンプ104が出力する送信無線信号に含まれる不要波を除去する。アンプ202は、バンドパスフィルタ201が出力する送信無線信号を、一定のゲイン(増幅度)で増幅する。バンドパスフィルタ205は、アンプ202で増幅された送信信号に含まれる不要波を除去し、アンテナ206へ出力する。スイッチ102が可変利得アンプ104とバンドパスフィルタ201とを接続するとき、可変利得アンプ104で増幅された送信無線信号は、バンドパスフィルタ201、アンプ202、及び、バンドパスフィルタ205を通り、アンテナ206から出力される。
【0023】
バンドパスフィルタ205は、アンテナ206から入力する受信無線信号に含まれる不要波を除去する。アンプ204は、バンドパスフィルタ205が出力する受信無線信号を、一定のゲインで増幅する。バンドパスフィルタ203は、アンプ204で増幅された受信無線信号に含まれる不要波を除去する。バンドパスフィルタ203は、不要波を除去した受信無線信号を、無線IC101に入力する。スイッチ103がバンドパスフィルタ203と可変利得アンプ105とを接続するとき、アンテナ206で受信された受信無線信号は、バンドパスフィルタ205、アンプ204、及び、バンドパスフィルタ203を通り、可変利得アンプ104で増幅される。
【0024】
制御部301は、送信側利得調整部311、受信側利得制御部312、スイッチ切替部313、送信用ゲインテーブル314、及び、調整用ゲインテーブル315を有する。受信側利得制御部312は、受信側の可変利得アンプ105に送るべきゲイン制御値を決定し、D/A変換器304にゲイン制御値を出力する。受信側利得制御部312は、可変利得アンプ105のゲインを、受信信号復調回路107の出力レベルが所定レベルに保たれるように制御する。スイッチ切替部313は、スイッチ102及び103の切り替えを行う。
【0025】
送信側利得調整部311は、送信側の可変利得アンプ104のゲイン調整を行う。可変利得アンプ104のゲイン調整には、手動調整と自動調整とがある。まず、手動調整について説明する。送信側利得調整部311は、D/A変換器302を介して送信信号変調回路106に送信信号を送る。送信信号変調回路106は、複数の送信モードの中から選択された一の送信モード(送信モード1)で、送信無線信号を生成する。スイッチ切替部313は、スイッチ102を制御し、可変利得アンプ104の出力をバンドパスフィルタ201に接続させる。可変利得アンプ104で増幅された送信無線信号は、バンドパスフィルタ201からアンプ202、バンドパスフィルタ205を通り、アンテナ206から出力される。
【0026】
送信側利得調整部311は、外部測定器を用いて測定したアンテナ206の送信出力電力が所定の送信電力になるように、可変利得アンプ104のゲインを制御する。送信側利得調整部311は、所定の送信電力が得られると、そのときの可変利得アンプ104のゲイン制御値を、送信モード1及び所定の送信電力と対応付けて、送信用ゲインテーブル314に記憶する。その後、送信側利得調整部311は、スイッチ切替部313を用いてスイッチ102及び103を制御し、スイッチ102のスイッチ103側の接点が閉じ、スイッチ103のスイッチ102側の接点が閉じた状態にする。スイッチ102及び103が切り替わることで、送信側の可変利得アンプ104の出力が受信側の可変利得アンプ105に入力されることになる。
【0027】
受信信号復調回路107は、送信信号変調回路106が出力する送信無線信号を、可変利得アンプ104及び105を通して受け取る。受信側利得制御部312は、受信信号復調回路107の出力レベルが所定のレベルに保たれるように、可変利得アンプ105のゲインを制御する。送信側利得調整部311は、このときの可変利得アンプ105のゲイン制御値を、所定の送信電力と対応付けて、調整用ゲインテーブル315に記憶する。
【0028】
送信側利得調整部311は、調整すべき送信電力が複数あるときは、そのそれぞれについて手動調整を行う。送信側利得調整部311は、上記と同様な動作で手動調整を行い、可変利得アンプ104のゲイン制御値を送信用ゲインテーブル314に記憶すると共に、スイッチ切替後の可変利得アンプ105のゲイン制御値を調整用ゲインテーブル315に記憶する。
【0029】
次いで、自動調整について説明する。自動調整は、手動調整の終了後に、すなわち、調整用ゲインテーブル315が得られた後に行う。送信側利得調整部311は、D/A変換器302を介して送信信号変調回路106に送信信号を送る。送信信号変調回路106は、手動調整を行った送信モード1以外の送信モード(送信モード2)で、送信無線信号を生成する。スイッチ切替部313は、スイッチ102及び103を制御し、送信側の可変利得アンプ104の出力と受信側の可変利得アンプ105の入力とを接続させる。受信信号復調回路107は、送信信号変調回路106が出力する送信無線信号を、可変利得アンプ104及び105を通して受け取る。受信側利得制御部312は、受信信号復調回路107の出力レベルが所定のレベルに保たれるように、可変利得アンプ105のゲインを制御する。
【0030】
送信側利得調整部311は、調整用ゲインテーブル315を参照し、所望の送信電力に対応する受信側利得制御部312のゲイン制御値、すなわち、アンテナ206からの送信出力電力が所望の送信電力となるように可変利得アンプ104のゲインを制御した状態で可変利得アンプ104の出力を可変利得アンプ105に入力したと仮定したときに、受信側利得制御部312が制御すべき可変利得アンプ105のゲイン制御値を求める。送信側利得調整部311は、受信側利得制御部312が制御するゲイン制御値が、所望の送信電力に対応するゲイン制御値になるように、可変利得アンプ104のゲインを調整する。送信側利得調整部311は、可変利得アンプ104のゲイン制御値を、送信モード2及び所望の送信電力と対応付けて送信用ゲインテーブル314に記憶する。
【0031】
送信側利得調整部311は、送信モード2で調整すべき送信電力が複数あるときは、そのそれぞれについて対応する可変利得アンプ105のゲイン制御値を求める。送信側利得調整部311は、可変利得アンプ104のゲインを、受信側利得制御部312が制御する可変利得アンプ105のゲイン制御値が求めたゲイン制御値になるように調整する。送信側利得調整部311は、調整後、ゲイン制御値を、送信モード及び送信電力と対応付けて送信用ゲインテーブル314に記憶する。送信モード2以外にも未調整の送信モードがあるときは、それらについて、送信モード2と同様な手順で自動調整を行う。
【0032】
図2に、送信側のレベル調整の手順を示す。送信側利得調整部311は、まず、手動調整で、送信モード1の送信電力の調整を行う。スイッチ102は、バンドパスフィルタ201側に接続している。送信側利得調整部311は、送信信号変調回路106に送信データを送り、送信信号変調回路106は、送信モード1で送信無線信号を生成する(ステップS1)。送信無線信号は、可変利得アンプ104、バンドパスフィルタ201、アンプ202、バンドパスフィルタ205を通り、アンテナ206から出力される。送信側利得調整部311は、外部測定器を用いて測定したアンテナ206からの送信出力電力が所定の送信電力となるように、可変利得アンプ104のゲイン制御値を制御する(ステップS2)。送信側利得調整部311は、ステップS2で制御したゲイン制御値を、送信電力と対応付けて、送信モード1における所定電力時のゲイン制御値として送信用ゲインテーブル314に記憶する(ステップS3)。
【0033】
スイッチ切替部313は、スイッチ102及び103を切り換えて、送信側の可変利得アンプ104の出力と受信側の可変利得アンプ105の入力とを接続する(ステップS4)。このとき、送信側利得調整部311は、可変利得アンプ104に出力するゲイン制御値を、ステップS2で制御したゲイン制御値に保つ。受信側利得制御部312は、送信信号変調回路106が出力した無線送信信号を受信信号復調回路107で復調した信号の出力レベルが所定レベルとなるように、可変利得アンプ105のゲインを制御する。送信側利得調整部311は、受信側利得制御部312が制御した可変利得アンプ105のゲイン制御値を、所定の送信電力と対応付けて調整用ゲインテーブル315に記憶する(ステップS5)。
【0034】
送信側利得調整部311は、複数の送信電力について、各送信電力が得られるときの可変利得アンプ104のゲイン制御値を、送信モード1のゲイン制御値として送信用ゲインテーブル314に記憶する。また、送信側利得調整部311は、スイッチ102及び103の切り換え後に、受信側利得制御部312が制御した可変利得アンプ105のゲイン制御値を、各送信電力に対応付けて調整用ゲインテーブル315に記憶する。
【0035】
具体的には、送信側利得調整部311は、ステップS2で、外部測定器を用いて測定したアンテナ206からの送信出力電力が−20dBmになるように、送信側の可変利得アンプ104のゲインを制御する。このときの可変利得アンプ104のゲイン制御値をA1とする。送信側利得調整部311は、ステップS3で、ゲイン制御値A1を、送信用ゲインテーブル314に記憶する。
【0036】
続いて、ステップS4で、ゲイン制御値をA1に保ったまま、スイッチ102及び103を切り替え、可変利得アンプ104の出力を受信側の可変利得アンプ105に入力する。受信側利得制御部312は、受信信号復調回路107からの出力が所定レベルになるように、可変利得アンプ105のゲインを制御する。このときの可変利得アンプ105のゲイン制御値をXとする。送信側利得調整部311は、ステップS5で、送信出力電力−20dBmとゲイン制御値Xとを対応付けて調整用ゲインテーブル315に記憶する。
【0037】
引き続き、送信側利得調整部311は、送信出力電力−40dBmについても、上記と同様に、送信出力電力−40dBmが得られる可変利得アンプ104のゲイン制御値(B1)を求め、求めたゲイン制御値B1を、送信出力電力−40dBmと対応付けて送信用ゲインテーブル314に記憶する。また、スイッチ102及び103を切り換え、可変利得アンプ104の出力を可変利得アンプ105に入力したときの、可変利得アンプ105のゲイン制御値(Y)を、送信出力電力−40dBmと対応付けて調整用ゲインテーブル315に記憶する。同じ動作を送信出力電力−60dBmについても行い、可変利得アンプ104のゲイン制御値(C1)を送信出力電力−60dBmと対応付けて送信用ゲインテーブル314に記憶し、可変利得アンプ105のゲイン制御値(Z)を送信出力電力−60dBmと対応付けて調整用ゲインテーブル315に記憶する。
【0038】
送信モード1の送信電力調整後、送信側利得調整部311は、残りの送信モードの可変利得アンプ104のゲイン調整を自動調整モードで行う。スイッチ切替部313は、スイッチ102及び103を切り替え、送信側の可変利得アンプ104と受信側の可変利得アンプ105とを接続する(ステップS6)。図3に、無線IC101内で可変利得アンプ104と可変利得アンプ105とが接続された状態を示す。この状態では、送信信号変調回路106が出力する送信無線信号は、可変利得アンプ104からスイッチ102、スイッチ103、及び、可変利得アンプ105を通り、受信信号復調回路107に入力される。自動調整は、この状態で行う。
【0039】
送信側利得調整部311は、残りの送信モードから1つ(送信モード2)を選択し、送信モード2の送信電力の調整を行う。送信側利得調整部311は、送信信号変調回路106に送信データを送り、送信信号変調回路106は、送信モード2で送信無線信号を生成する(ステップS7)。送信信号変調回路106が生成した送信無線信号は、可変利得アンプ104からスイッチ102及び103を経由して可変利得アンプ105に入力され、受信信号復調回路107で復調される。受信側利得制御部312は、受信信号復調回路107の出力レベルが所定レベルになるように、可変利得アンプ105のゲインを制御する。
【0040】
送信側利得調整部311は、調整用ゲインテーブル315を参照し、所望の送信電力に対応する可変利得アンプ105のゲイン制御値を求める。送信側利得調整部311は、受信側利得制御部312が制御する可変利得アンプ105のゲイン制御値が、所望の送信電力に対応する可変利得アンプ105のゲイン制御値となるように、送信側の可変利得アンプ104のゲイン制御値を調整する(ステップS8)。送信側利得調整部311は、調整した可変利得アンプ104のゲイン制御値を、送信用ゲインテーブル314に、送信モード2の所望の送信電力時のゲイン制御値として記憶する(ステップS9)。
【0041】
例えば、得たい送信電力が−20dBmであるとする。また、調整用ゲインテーブル315に、送信出力−20dBmに対してゲイン制御値Xが記憶されているとする。この場合、送信側利得調整部311は、ステップS8で、受信側利得制御部312が制御する受信側の可変利得アンプ105のゲイン制御値がゲイン制御値Xになるように、可変利得アンプ104のゲインを調整する。このときの可変利得アンプ104のゲイン制御値はA2であったとする。送信側利得調整部311は、ゲイン制御値A2を、送信モード2で送信電力を−20dBmとするときのゲイン制御値として送信用ゲインテーブル314に記憶する。
【0042】
ここで、受信側利得制御部312は、受信信号復調回路107の出力レベルを一定に保つように可変利得アンプ105のゲインを制御するので、ゲイン制御値の値は、可変利得アンプ105への入力レベル(電圧)に応じて決まる。すなわち、可変利得アンプ105への入力レベルが小さければ、ゲイン制御値は大きな値になり、入力レベルが大きければ、ゲイン制御値は小さな値になる。
【0043】
上記可変利得アンプ105のゲイン制御値Xは、送信モード1で送信電力−20dBmが得られるときの可変利得アンプ104の出力レベルに対応したゲイン制御値である。送信モード2で、可変利得アンプ105のゲイン制御値がXとなるということは、可変利得アンプ105への入力レベルが、送信モード1で送信電力−20dBmが得られるときの入力レベルと同じであることを意味する。従って、送信モード2でゲイン制御値Xが得られるときの可変利得アンプ104の出力レベルは、送信モード1でアンテナ出力−20dBmが得られるときの可変利得アンプ104の出力レベルと同じになる。
【0044】
送信無線信号が無線IC101を出力した後のバンドパスフィルタ201、アンプ202、バンドパスフィルタ205におけるロス又は増幅率は、どの送信モードでも一定である。このため、送信モード1と送信モード2とで、無線IC101から出力する信号のレベルが同じであれば、アンテナ206から出力される送信電力も同じになる。従って、送信モード2で、可変利得アンプ105のゲイン制御値がXとなるように送信側の可変利得アンプ104のゲイン制御値を調整することで、アンテナ出力−20dBmに対応する可変利得アンプ104のゲイン制御値が得られたことになる。
【0045】
なお、送信モード1と送信モード2とで調整すべき送信電力が異なるときは、調整用ゲインテーブル315に記憶された送信モード1での複数の送信電力に対応するゲイン制御値から、所望の送信電力に対応するゲイン制御値を推定して使用すればよい。例えば、調整用ゲインテーブル315に、送信電力−20dBmに対してゲイン制御値30が記憶され、送信電力−40dBmに対してゲイン制御値50が記憶されているとする。送信モード2で、調整すべき送信電力が−30dBmであれば、送信電力−30dBmに対応する可変利得アンプ105のゲイン制御値は40になる。
【0046】
送信側利得調整部311は、他の送信電力(−40dBm、−60dBm)についても上記と同様な動作で、可変利得アンプ104のゲイン調整を行い、ゲイン制御値(B2、C2)を得る。送信側利得調整部311は、ゲイン制御値(B2、C2)を、各送信電力と対応付けて、送信モード2でのゲイン制御値として送信用ゲインテーブル314に記憶する。
【0047】
送信側利得調整部311は、残りの送信モード(送信モード3以降)についても同様な処理を行い、各送信モードで所望の送信電力が得られる可変利得アンプ104のゲイン制御値を求める(ステップS10)。送信側利得調整部311は、各送信モードで、所望の送信電力が得られる可変利得アンプ104のゲイン制御値を、送信モード及び所望の送信電力と対応付けて送信用ゲインテーブル314に記憶する。
【0048】
送信側利得調整部311は、実際の無線信号の送信時は、図2の手順で得られた送信用ゲインテーブル314を用い、得たい送信電力に合わせて、可変利得アンプ104のゲインを制御する。例えば、送信側利得調整部311は、送信モード1のときに−40dBmの送信電力で送信無線信号の出力を行う際には、可変利得アンプ104のゲイン制御値をB1に制御し、可変利得アンプ104に、D/A変換器303を介して、ゲイン制御値B1に対応するアナログ制御電圧を印加する。また、送信モード2で−20dBmの送信電力で送信無線信号を出力する場合は、可変利得アンプ104のゲイン制御値をA2に制御し、可変利得アンプ104に、D/A変換器303を介してゲイン制御値A2に対応したアナログ制御電圧を印加する。
【0049】
本実施形態の送信電力調整方法の最小構成は、以下の手順で構成される。すなわち、複数の送信モードの中から選択された一の送信モードの送信無線信号を、アンテナからの送信出力電力が所定の送信電力となるように送信側の可変利得アンプ104で増幅し、そのときの可変利得アンプ104の出力を受信側の可変利得アンプ105に入力する。可変利得アンプ105で増幅された送信無線信号を受信信号復調回路107で復調し、その出力レベルが所定レベルになるように可変利得アンプ105のゲインを調整して、所定の送信電力と、可変利得アンプ105のゲイン制御値とを対応付けて調整用ゲインテーブル315に記憶する。その後、一の送信モードとは異なる他の送信モードで出力された送信無線信号を、可変利得アンプ104を経由して可変利得アンプ105に入力する。調整用ゲインテーブル315を用いて、受信信号復調回路107の出力レベルが所定レベルになるように受信側の可変利得アンプ105のゲインを調整した際のゲイン制御値が、所望の送信電力に対応したゲイン制御値になるように、送信側の可変利得アンプ104のゲインを調整する。
【0050】
本実施形態では、送信電力調整時に、送信側の可変利得アンプ104の出力を受信側の可変利得アンプ105に入力する。受信側利得制御部312は、受信信号復調回路107の出力レベルを一定に保つように可変利得アンプ105のゲインを制御することから、可変利得アンプ105のゲイン制御値が送信モード1と送信モード2とで同じであれば、アンテナ206から出力される送信無線信号の送信電力も送信モード1と送信モード2とで同じ送信電力になる。従って、調整用ゲインテーブル315から所望の送信電力に対応するゲイン制御値を求め、可変利得アンプ105のゲイン制御値が、求めたゲイン制御値となるように可変利得アンプ104のゲインを制御することで、所望の送信電力を実現できる可変利得アンプ104のゲイン制御値を求めることができる。
【0051】
本実施形態では、1つの送信モードで外部測定器を用いた送信電力の調整をすることで、その他の送信モードでは、外部測定器を用いなくても送信電力の調整が可能である。つまり、外部測定器を用いた調整を一部省略できる。従って、送信電力調整の手間を省くことができる。また、調整に要する時間を短縮できる。本実施形態では、無線IC101内にスイッチ102及び103を設け、送信電力調整時に、送信無線信号を無線IC101内で折り返している。従って、本実施形態では、送信電力調整の機能を、無線ICの機能として提供することができる。
【0052】
なお、スイッチ102及び103を用いて送信側の可変利得アンプ104の出力と受信側の可変利得アンプ105の入力を接続したとき、送信側の可変利得アンプ104の出力電力が受信側の可変利得アンプ105に許容される電力よりも高いと、可変利得アンプ105の出力が飽和することになる。これを防ぐために、可変利得アンプ104と可変利得アンプ105との間に、信号を減衰させるアッテネーターを挿入しても良い。
【0053】
図4は、アッテネーターを含む無線ICを示している。図4に示す構成では、可変利得アンプ104と可変利得アンプ105とを、アッテネーター108を介して接続する状態と、アッテネーターを介さずに接続する状態とを切り替え可能である。送信側の可変利得アンプ104の出力電力が大きいときは、出力電力をアッテネーター108を用いて減衰させることで、可変利得アンプ104の出力電力が可変利得アンプ105の入力に許容される電力より大きい場合でも、送信電力調整が可能である。つまり、アッテネーター108を用いることで、調整可能な電力範囲を広げることができる。アッテネーター108は1つには限られず、減衰量が異なる複数のアッテネーターを用意しておき、それらを切り替えて使用してもよい。
【0054】
ここで、W−CDMAやGSMなどの無線システムでは、受信周波数と送信周波数とが異なっている。このような無線システムの場合は、送信電力調整時に、受信側での受信周波数を、送信周波数まで設定できるようにしておけばよい。そのようにすることで、送信側から出力する送信無線信号を無線IC101内で受信側に折り返し、送信電力の調整を自動調整で行うことができるようになる。
【0055】
無線IC101を用いた無線通信装置にて、複数の受信モードを自動調整する機能を追加することも可能である。まず、外部測定器を用いて、送信出力レベルを調整する。次いで、受信モード1の受信レベル検出調整を実施する。その後、残りの受信モードについて、送信電力調整と同じ要領で、自動調整を行うことができる。
【0056】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明の無線送受信装置、及び、送信電力調整方法は、上記実施形態にのみ限定されるものではなく、上記実施形態の構成から種々の修正及び変更を施したものも、本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0057】
101:無線IC
102、103:スイッチ
104、105:可変利得アンプ
106:送信信号変調回路
107:受信信号復調回路
108:アッテネーター
201、203、205:バンドパスフィルタ
202、204:アンプ
206:アンテナ
301:制御部
302〜304:D/A変換器
305:A/D変換器
311:送信側利得調整部
312:受信側利得制御部
313;スイッチ切替部
314:送信用ゲインテーブル
315:調整用ゲインテーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の送信モードの中から選択された一の送信モードの送信無線信号を、アンテナからの送信出力電力が所定の送信電力となるように送信側可変利得アンプで増幅し、
前記送信側可変利得アンプの出力を受信側可変利得アンプに入力し、
前記受信側可変利得アンプで増幅された前記送信無線信号を受信信号復調回路で復調したときの出力レベルが所定レベルになるように前記受信側可変利得アンプのゲインを調整し、
前記所定の送信電力と、前記受信側可変利得アンプのゲイン制御値とを対応付けて調整用ゲインテーブルに記憶し、
前記一の送信モードとは異なる他の送信モードで出力された送信無線信号を、前記送信側可変利得アンプを経由して前記受信側可変利得アンプに入力し、
前記調整用ゲインテーブルを用いて、前記受信信号復調回路の出力レベルが所定レベルになるように前記受信側可変利得アンプのゲインを調整した際のゲイン制御値が、所望の送信電力に対応したゲイン制御値になるように、前記送信側可変利得アンプのゲインを調整する無線送受信装置における送信電力調整方法。
【請求項2】
前記送信側可変利得アンプのゲイン調整では、前記調整用ゲインテーブルを参照して、前記所望の送信電力に対応したゲイン制御値を求め、前記受信側可変利得アンプのゲイン制御値が前記求めたゲイン制御値になるように、前記送信側可変利得アンプのゲインを調整する、請求項1に記載の送信電力調整方法。
【請求項3】
前記一の送信モードで、前記アンテナからの送信出力電力が所定の送信電力となるように送信側可変利得アンプのゲインを調整した後に、送信モードと前記所定の送信電力と前記送信側可変利得アンプのゲイン制御値とを対応付けて送信用ゲインテーブルに記憶すると共に、前記他の送信モードで送信側可変利得アンプのゲインを調整した後に、送信モードと前記所望の送信電力と前記送信側可変利得アンプのゲイン制御値とを対応付けて前記送信用ゲインテーブルに記憶する、請求項1又は2に記載の送信電力調整方法。
【請求項4】
複数の送信モードの中から選択された送信モードで、アンテナから送信すべき送信無線信号を生成する送信信号変調回路と、
前記送信信号変調回路が出力する送信無線信号を増幅する送信側可変利得アンプと、
アンテナを介して受信する受信無線信号を増幅する受信側可変利得アンプと、
前記受信側可変利得アンプが出力する受信無線信号を復調する受信信号復調回路と、
前記送信側可変利得アンプの出力と前記受信側可変利得アンプの入力との接続及び切断を制御するスイッチとを備える無線IC(Integrated Circuit)。
【請求項5】
アンテナから送信すべき送信無線信号を生成する送信信号変調回路と、
前記送信信号変調回路が出力する送信無線信号を増幅する送信側可変利得アンプと、
アンテナを介して受信する受信無線信号を増幅する受信側可変利得アンプと、
前記受信側可変利得アンプが出力する受信無線信号を復調する受信信号復調回路と、
前記送信側可変利得アンプの出力と前記受信側可変利得アンプの入力との接続及び切断を制御するスイッチと、
前記受信側可変利得アンプのゲインを、前記受信信号復調回路の出力レベルが所定レベルになるように制御する受信側利得制御部と、
前記送信無線信号を前記複数の送信モードのうちの何れか一のモードで前記アンテナから送信した際の送信出力電力が所定の送信電力となるときに前記スイッチを用いて送信側可変利得アンプの出力と受信側可変利得アンプの入力とを接続したときの受信側利得制御部のゲイン制御値と前記所定の送信電力とを対応付けて記憶する調整用ゲインテーブルを用いて、前記送信信号変調回路が前記一のモードとは異なる送信モードで送信無線信号を出力し前記スイッチが前記送信側可変利得アンプの出力と前記受信側可変利得アンプの入力とを接続したとき、前記受信側利得制御部が制御する前記受信側可変利得アンプのゲイン制御値が所望の送信電力に対応するゲイン制御値となるように送信側可変利得アンプのゲインを制御する送信側利得調整部とを備える無線送受信装置。
【請求項6】
前記送信側利得調整部は、前記可変利得アンプのゲイン制御値を、送信モード及び前記所望の送信電力と対応付けて送信用ゲインテーブルに記憶する、請求項5に記載の無線送受信装置。
【請求項7】
前記送信側利得調整部は、前記送信無線信号を前記一の送信モードで前記アンテナから出力したときの送信出力電力が所定の送信電力になるように前記送信側可変利得アンプのゲインを制御し、前記所定の送信電力が得られる前記送信側可変利得アンプのゲイン制御値を、送信モード及び前記所定の送信電力と対応付けて前記送信用ゲインテーブルに記憶すると共に、前記スイッチを用いて前記送信側可変利得アンプの出力と前記受信側可変利得アンプの入力とを接続し、前記受信側利得制御部が制御する前記受信側利得可変アンプのゲイン制御値と前記所定の送信電力とを対応付けて調整用ゲインテーブルに記憶する、請求項6に記載の無線送受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−239403(P2010−239403A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−85397(P2009−85397)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】