説明

無線通信システムおよび無線通信方法

【課題】 無線通信システムを利用した位置情報サービスにおいて、逐次操作することなく、必要な場合にのみ位置情報の検索及び通知を行う。
【解決手段】 集中管理装置104は、各無線端末101の位置情報を定期的に基地局102から受取り、時刻毎の位置履歴を蓄積する。無線端末101は他の無線端末101の位置情報を検索する要求を集中管理装置104へ送り、位置情報を取得する。また、無線端末101は自己の位置情報を、他の無線端末101へ通知する要求を集中管理装置104へ送り、位置情報を知らせる。検索や通知の要求は、指示することで実行できる。これ以外に、指定した位置に無線端末101が入った場合や、指定した時刻になった場合などの条件をあらかじめ設定し、条件を満たした場合、指示することなく要求を実行することが可能である。よって、逐次操作することなく必要な場合にのみ位置情報の検索及び通知を行うことが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は位置検出機能を備えた無線通信システムおよび無線通信方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯電話やPHS(Personal Handyphone System)(登録商標)に代表されるように従来使用されている無線端末は、主に通話連絡手段として使用されている。または、従来使用されている無線端末は、データの転送を行うデータ通信手段として使用されている。
【0003】
従来の無線端末による通信は、識別番号が付与された複数の無線端末に対して、無線端末と通信回路網とを中継する無線基地局が至るところに設置されている。無線端末は、この無線基地局を介して他の無線端末と通信を行う。あるいは、無線端末は、通信回線網に接続した電話やネットワークコンピュータ等の情報機器と通信を行う。
【0004】
また、従来の無線通信システムを利用して通話をする場合、発信者は無線端末を使用して受信者側の番号を呼出す。すると、発信者側の無線端末から最寄りの無線基地局を介して受信者側に回線が接続さる。そして、受信者側の呼出信号を発するようになっている。
【0005】
通常、無線基地局の制御領域は半径数百mに予め設定されている。無線端末がある無線基地局Aの制御領域内にあるときは、無線端末は無線基地局Aを介して通信を行う。例えば現行で使用されているPHS(登録商標)では、1.9GHzの周波数帯で無線基地局の送信出力が10mWの場合、無線基地局の制御領域は半径約300mとなる。
【0006】
無線端末を制御する対象となる領域が、制御基地局の制御可能な範囲内にあるように、複数の制御基地局が設置される。これにより、無線端末が移動して無線基地局Aの制御領域から無線基地局Bの制御領域内に入った場合、新たに無線基地局Bを介して通信を行う。また、無線端末がいずれの無線基地局の制御領域内にもない場合、無線端末は通信を中断する。
【0007】
通常、無線基地局は定期的に制御信号を発信している。無線端末がある無線基地局の制御範囲内にある場合、無線端末はこの制御信号を受信する。そして、無線端末は、無線端末のインターフェースを通して通信可能な状態であるということを無線端末の所有者に通知する。
【0008】
各無線基地局は予め定められた一定出力の制御信号を発信している。無線端末は、対応する無線基地局から発信される制御信号に同期して、同期信号を定期的に発している。また無線端末が移動することにより、無線端末の位置が変化し、無線端末の制御を行う無線基地局が変更される。この場合、各無線基地局を制御する構内電話交換機(PBX)は、常に1台の無線基地局によって無線端末を制御するように、無線基地局間の調整を行う設定をされている。このようして電話交換機側では各無線端末の位置を無線基地局の制御領域レベルで認識することが可能である。
【特許文献1】特開平09−257508号公報
【特許文献2】特許第2984651号公報
【特許文献3】特開2000−106688号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来の無線通信システムにおいて、無線端末を利用して通信を行う発信者あるいは受信者は、交換機を介して基地局の制御領域レベルで相手の位置を検索する。そして無線端末を利用して通信を行う発信者あるいは受信者は、自分の位置を相手に通知することができる。
【0010】
無線端末の利用者は、常時、位置情報の検索及び通知は不要であり、必要な場合のみ位置情報の検索及び通知を行いたい場合が考えられる。従来の無線通信システムでは、常時、位置情報の検索及び通知を行うか、その都度操作をして位置情報の検索及び通知を行わなければならないという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するためにされた本発明は、ID(識別子)の付与された無線端末と基地局と集中管理装置とがネットワークを介して接続される無線通信システムにおいて、上記無線端末は、上記IDを上記基地局へ送信する無線端末送信部を備え、上記基地局は、上記無線端末送信部が送信した上記IDを受信する基地局受信部と、上記基地局受信部が受信した上記IDから上記無線端末の位置情報を検出する検出部と、上記IDと上記検出部が検出した上記位置情報とを上記集中管理装置へ送信する基地局送信部とを備え、上記集中管理装置は、上記基地局送信部が送信した上記IDと上記位置情報とを受信する集中管理装置受信部と、上記集中管理装置受信部が受信した上記IDと上記位置情報とを記憶する記憶部とを備え、上記無線端末は、さらに、条件を入力する条件入力部と、上記条件入力部が入力した上記条件を満たすかを判定する条件判定部と、上記条件判定部が上記条件を満たすと判定した場合、上記集中管理装置へ、他の無線端末の位置情報の検索を要求する検索要求部を備え、上記集中管理装置は、さらに、上記検索要求部の検索の要求に基づき、上記他の無線端末の上記位置情報を、上記記憶部から読み出し、上記無線端末へ通知する位置情報検索部を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明による無線通信システムおよび無線通信方法によれば、条件判定部の判定に従い検索要求部が検索または通知要求部が通知を行うので、無線通信システムを利用した位置情報サービスにおいて、逐次操作することなく、必要な場合にのみ位置情報の検索及び通知を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を図面に示す実施の形態に基づいて説明する。
【0014】
実施の形態1.
図1は、実施の形態の無線端末のブロック図を示している。図1において、無線信号処理部4は無線端末送信部41と無線端末受信部42とを備える。また無線信号処理部4は無線の送受信を行うアンテナ1を有する。無線端末送信部41は送信信号の変調機能を有する。無線端末送信部41はアンテナ1からデータの送信を行う。無線端末受信部42は受信信号の復調機能を有する。無線端末受信部42はアンテナ1からデータの受信を行う。
【0015】
音声処理部5は、無線信号処理部4の無線端末受信部42で復調された受信信号を復号する。音声処理部5は、復号した受信信号をスピーカー2にて音声出力させる。一方、音声処理部5は、マイク3から入力された送話用の音声信号を圧縮符号化する。無線信号処理部4の無線端末送信部41は、圧縮符号化した音声信号を送信している。
【0016】
入力部6は指示入力部61と条件入力部62とを備える。指示入力部61は検索の指示の入力を行う。条件入力部62は指定条件の入力を行う。表示部7は、位置情報の表示や、メッセージや時刻や動作状態を表示する。制御部8は各構成部の全体制御処理を行う。
【0017】
位置情報記憶部9は、現在無線端末自身がどの基地局の制御領域に属しているのかを記憶する。時計部10は、現在の時刻の管理や、経過時間の測定を行う。検索要求部11は、集中管理装置へ他の無線端末の位置情報を検索する要求を出す。通知要求部12は、集中管理装置へ自己の位置情報を他の無線端末へ通知する要求を出す。条件判定部13は、検索要求部11が検索の要求をするか、または通知要求部12が通知の要求をするかの判定を行う。
【0018】
図2は集中管理装置に位置情報を記憶する場合の無線通信システムの構成図を表す。図2中の無線端末101は、図1に示す無線端末を表す。無線端末101は基地局102aと無線通信を行う。基地局102aは、基地局受信部102a−1と検出部102a−2と基地局送信部102a−3とを備える。基地局102bと基地局102cとについても同様の構成となる。基地局102bは、基地局受信部102b−1と検出部102b−2と基地局送信部102b−3とを備える。基地局102cは、基地局受信部102c−1と検出部102c−2と基地局送信部102c−3とを備える。基地局受信部102a−1は無線端末101から送信されたデータを受信する。基地局受信部102b−1と基地局受信部102c−1とについても同様である。検出部102a−2は基地局102aの制御領域に基づく位置情報と位置情報を取得した時刻とを、基地局受信部102a−1が受信した情報に付加する。検出部102b−1と検出部102c−1とについても同様である。基地局送信部102a−3は無線端末101から受信したデータと位置情報と時刻とを交換機へ送信する。基地局送信部102b−3と基地局送信部102c−3とについても同様である。
【0019】
交換機103は、各基地局からのデータを受信し、集中管理装置104へ送信する。集中管理装置104は記憶部104−1と集中管理装置受信部104−2と位置情報検索部104−3と位置情報通知部104−4とを備える。記憶部104−1は各無線端末101の時刻毎の位置履歴を蓄積する。集中管理装置受信部104−2は交換機から送信されたデータを受信する。位置情報検索部104−3は無線端末からの位置情報の検索要求に対して、記憶部から位置情報を検索する。位置情報通知部104−4は無線端末からの位置情報の通知要求に対して、記憶部から位置情報を通知する。
【0020】
次に、本発明の実施形態の動作について図1と図2と図3とに基づいて説明する。
図3は集中管理装置に位置情報を記憶する動作のフローチャートを表す。
【0021】
時間計測ステップS101では、無線端末101は、時計部10で経過時間を計測する。
【0022】
無線端末送信ステップS102では、無線端末送信部41は、測定した経過時間により一定時間毎に基地局102aにID(識別子)を送信する。
【0023】
基地局受信ステップS103では、無線端末送信部41が、送信したIDを、基地局受信部102a−1は受信する。
【0024】
検出ステップS104では、検出部102a−2は、基地局受信部102a−1が受信したIDに基地局102aの制御領域に基づく位置情報と、位置情報を取得した時刻情報とを付加する。
【0025】
基地局送信ステップS105では、基地局送信部102a−3は、IDと位置情報と時刻情報とを交換機103へ送信する。
【0026】
集中管理装置受信ステップS106では、集中管理装置受信部104−2は、交換機103を介して送信されたIDと位置情報と時刻情報とを受信する。
【0027】
記憶ステップS107では、記憶部104−1は、集中管理装置受信部104−2が受信したIDと位置情報と時刻情報とを組として記憶する。
【0028】
上記により、集中管理装置104では、記憶部104−1に各無線端末の時刻毎の位置履歴を蓄積する。
【0029】
ここで、記憶部104−1は、集中管理装置内部にある記憶装置でも、集中管理装置とは別にデータベースサーバなどとして持っても構わない。
【0030】
また、基地局受信部102a−1が無線端末101からIDを受信した場合、基地局送信部102a−3は、基地局102aの制御領域に基づく位置情報を無線端末101へ送信する。無線端末受信部42は、基地局送信部102a−3が送信した位置情報を受信する。位置情報記憶部9は受信した位置情報を自己の最新の位置情報として保持する。
【0031】
次に無線端末が、他の無線端末の位置情報を検索する場合の動作について図1と図4と図5とに基づいて説明する。図4は他の無線端末の位置情報を検索する場合の無線通信システムの構成を表す。図4の構成は図2の構成と同様である。図4中の無線端末101aと無線端末101bとは、図1に示す無線端末を表す。無線端末101aは、無線端末101bの位置情報の検索を行う。図5は他の無線端末の位置情報を検索する場合の動作のフローチャートを表す。
【0032】
要求入力ステップS201では、図4の無線端末101aにおいて、指示入力部61は、無線端末101bの位置情報の検索をする指示を入力する。
【0033】
検索要求ステップS202では、無線端末101aの検索要求部11は、無線端末101aの指示入力部61の指示を受けると無線端末101bの位置情報の検索要求を、無線端末送信部41を介して送信する。
【0034】
要求受信ステップS203では、集中管理装置受信部104−2は、基地局102a及び交換機103を介して位置情報の検索要求を受信する。
【0035】
位置情報検索ステップS204では、位置情報検索部104−3は、受信した位置情報の検索要求に応じて記憶部104−1からIDと位置情報と時刻情報とを読み出す。
【0036】
位置情報返信ステップS205では、位置情報検索部104−3は、無線端末101bの位置情報を、交換機103及び基地局102aを介して位置情報の検索要求を送信した無線端末101aに通知する。
【0037】
位置情報出力ステップS206では、無線端末101aでは、通知された位置情報を表示部7により表示、または音声処理部5により音声メッセージとしてスピーカー2から出力する。
【0038】
無線端末101aは、上記のように無線端末101aの指示入力部61から指示を入力する以外に、以下のように一定の条件を指定して、条件を満たした場合に無線端末101bの位置情報の検索をする指示を出す。
【0039】
図6に条件を指定した場合の、他の無線端末の位置情報を検索する動作のフローチャートを表す。
【0040】
条件入力ステップS301では、無線端末101aの条件入力部62は、指定位置を入力する。
【0041】
条件判定ステップS302では、そして無線端末101aの条件判定部13は、現在の無線端末101a自身の位置情報の示す位置が、あらかじめ無線端末101aの条件入力部62で設定しておいた指定位置に含まれるかを判定する。
【0042】
要求指示ステップS303では、無線端末101aの条件判定部13が、現在の無線端末101a自身の位置情報の示す位置が指定位置に含まれると判定した場合、無線端末101aの制御部8は、検索要求部11へ無線端末101bの位置情報の検索をする指示を出す。
【0043】
検索要求ステップS304では、無線端末101aの検索要求部11は、無線端末送信部を介して無線端末101bの位置情報の検索要求を送信する。
【0044】
要求受信ステップS305では、集中管理装置受信部104−2は、基地局102a及び交換機103を介して位置情報の検索要求を受信する。
【0045】
位置情報検索ステップS306では、位置情報検索部104−3は、受信した位置情報の検索要求に応じて記憶部104−1からIDと位置情報と時刻情報とを読み出す。
【0046】
位置情報返信ステップS307では、位置情報検索部104−3は、無線端末101bの位置情報を、交換機103及び基地局102aを介して位置情報の検索要求を送信した無線端末101aに通知する。
【0047】
位置情報出力ステップS308では、無線端末101aでは、通知された位置情報を表示部7により表示、または音声処理部5により音声メッセージとしてスピーカー2から出力する。
【0048】
上記では無線端末101aの条件入力部62で入力する条件として指定位置を入力した。しかし、指定位置を入力する他にも指定時刻を入力する方法が考えられる。指定時刻を入力する方法は以下のように動作する。
【0049】
無線端末101aの条件入力部62は指定時刻を入力する。そして無線端末101aの条件判定部13は、無線端末101aの時計部10の示す時刻が、あらかじめ無線端末101aの条件入力部62で設定しておいた指定時刻であるかを判定する。無線端末101aの条件判定部13が、無線端末101aの時計部10の示す時刻が指定時刻であると判定した場合、無線端末101aの制御部8は、無線端末101aの検索要求部11へ無線端末101bの位置情報の検索をする指示を出す。無線端末101aの検索要求部11は無線端末送信部を介して無線端末101bの位置情報の検索要求を送信する。
【0050】
本実施の形態では、上記のように指定位置や指定時間以外の条件をあらかじめ設定することも可能である。そして本実施の形態では、設定した条件を満たす場合に位置情報の検索を行うようにすることが可能である。また本実施の形態では、上記の指定位置と指定時刻とを同時に条件として設定することも可能である。この場合、無線端末101aの制御部8は指定位置と指定時刻との両方の条件を満たしたときに、条件を満たしたとして位置情報の検索を行うようにすることが可能である。また無線端末101aの制御部8は指定位置と指定時刻のどちらかの条件だけを満たしたときに、条件を満たしたとして位置情報の検索を行うようにすることが可能である。
【0051】
また、上記の無線端末間の位置情報検索は、無線端末101a、101b相互に行うことも可能である。
【0052】
上記の指定位置と指定時刻または指定時間の範囲の設定例を図7に示す。
【0053】
図7において、時刻21は位置情報の検索を行う条件として指定時刻又は指定時間範囲を設定する。指定位置22は位置情報の検索を行う条件として指定位置又は場所の範囲を設定する。指定位置の在圏23は検索の要求を出す無線端末が指定位置にいる場合、あるいは、いない場合を条件として設定する。検索間隔24は条件入力部62で入力した条件を満たしている間に検索を実行する時間間隔を設定する。検索の要求を出す無線端末のID25は検索を行う無線端末のIDを設定する。検索を行う位置情報の時間範囲26は、集中管理装置104が検索を行う相手先無線端末の位置情報を取得した時間範囲を設定する。
【0054】
あらかじめ図7の条件1が設定されていたとする。その場合に、まず図8で示すように、検索の要求を出す無線端末が基地局aの制御領域Aに入る。次に基地局aから、検索の要求を出す無線端末は検索の要求を出す無線端末自身の位置情報を取得する。そして取得した位置情報で位置情報記憶部9が更新される。ここで、条件判定部13は条件1を満たしたと判定する。よって検索要求部11は、設定した検索される無線端末の最新の位置情報を要求する位置情報の検索要求を出す。検索要求部11は、条件1が成立している間、設定した時間間隔の10分毎に検索要求を出す。
【0055】
また、あらかじめ図7の条件2が設定されていたとする。検索の要求を出す無線端末の時計部10による現在時刻が設定時刻となった場合、条件判定部13は、条件2を満たしたと判定する。よって検索要求部11は、設定した被検索側無線端末の過去30分間の位置情報の検索要求を出す。
【0056】
以上のことから次のような効果を得ることができる。例えば、無線端末を携帯して外出している者同士で待ち合わせをしているとする。この場合に、自分の無線端末が特定エリアにいることを条件として設定する。すると、設定したエリアにいる場合に、位置情報の検索要求の操作をすることなく、相手の位置情報を検索することが可能である。さらに、自分が目的地に接近してから相手の位置情報を検索するので、位置情報の検索回数を減らすことが可能である。よって不要な課金を避けることができる。
【0057】
また、位置情報の検索要求として、相手の最新の位置情報だけでなく過去の位置情報履歴を要求することもできる。過去の位置情報履歴を要求することで、検索する無線端末の移動経路を知ることができる。
【0058】
実施の形態2.
次に、他の無線端末へ位置情報を通知する場合の動作について図1と図9と図10とに基づいて説明する。図9は他の無線端末へ位置情報を通知する場合の無線通信システムの構成を表す。図9の構成は図1の構成と同様である。図9中の無線端末101aと無線端末101bとは、図1に示す無線端末を表す。無線端末101bは無線端末101aへ、無線端末101bの位置情報を通知する。図10は他の無線端末へ位置情報を通知する場合の動作のフローチャートを表す。
【0059】
要求入力ステップS401では、図9の無線端末101bにおいて、指示入力部61より無線端末101aへの位置情報の通知する指示を出す。
【0060】
通知要求ステップS402では、無線端末101bの通知要求部12は、無線端末101bの指示入力部61の指示を受けると無線端末101aへの位置情報の通知要求を、無線端末送信部41を介して送信する。
【0061】
要求受信ステップS403では、集中管理装置受信部104−2は、基地局102a及び交換機103を介して位置情報の通知要求を受信する。
【0062】
位置情報通知ステップS404では、位置情報通知部104−4は、受信した位置情報の通知要求に応じて、記憶部104−1からIDと位置情報と時刻情報とを読み出す。
【0063】
位置情報送信ステップS405では、位置情報通知部104−4は、無線端末101bの位置情報を、交換機103及び基地局102aを介して位置情報の通知要求の通知指定先である無線端末101aに通知する。
【0064】
位置情報出力ステップS406では、無線端末101aでは、通知された位置情報を表示部7により表示、または音声処理部5により音声メッセージとしてスピーカー2から出力する。
【0065】
無線端末101bは、上記のように無線端末101bの指示入力部61から指示を入力する以外に、以下のように条件を指定して無線端末101bの位置情報の通知をする指示を出す。
【0066】
図11に条件を指定した場合の、他の無線端末へ位置情報を通知する場合の動作のフローチャートを表す。
【0067】
条件入力ステップS501では、無線端末101bの条件入力部62は、指定位置を入力する。
【0068】
条件判定ステップS502では、無線端末101bの条件判定部13は、現在の無線端末101b自身の位置情報の示す位置が、あらかじめ無線端末101bの条件入力部62で設定しておいた指定位置に含まれるかを判定する。
【0069】
要求指示ステップS503では、無線端末101bの条件判定部13が、現在の無線端末101b自身の位置情報の示す位置が指定位置に含まれると判定した場合、無線端末101bの制御部8は、無線端末101aの通知要求部12へ無線端末101bの位置情報を無線端末101aへ通知する指示を出す。
【0070】
通知要求ステップS504では、無線端末101bの通知要求部12は、無線端末送信部を介して無線端末101aへの位置情報の通知要求を送信する。
【0071】
要求受信ステップS505では、集中管理装置受信部104−2は、基地局102a及び交換機103を介して位置情報の通知要求を受信する。
【0072】
位置情報通知ステップS506では、位置情報通知部104−4は、受信した位置情報の通知要求に応じて、記憶部104−1からIDと位置情報と時刻情報とを読み出す。
【0073】
位置情報送信ステップS507では、位置情報通知部104−4は、無線端末101bの位置情報を、交換機103及び基地局102aを介して位置情報の通知要求の通知指定先である無線端末101aに通知する。
【0074】
位置情報出力ステップS508では、無線端末101aでは、通知された位置情報を表示部7により表示、または音声処理部5により音声メッセージとしてスピーカー2から出力する。
【0075】
上記では無線端末101bの条件入力部62で入力する条件として指定位置を入力した。しかし、指定位置を入力する他にも指定時刻を入力する方法が考えられる。指定時刻を入力する方法は以下のように動作する。
【0076】
無線端末101bの条件入力部62は指定時刻を入力する。そして無線端末101bの条件判定部13は、無線端末101bの時計部10の示す時刻が、あらかじめ無線端末101bの条件入力部62で設定しておいた指定時刻であるかを判定する。無線端末101bの条件判定部13が、無線端末101bの時計部10の示す時刻が指定時刻であると判定した場合、無線端末101bの制御部8は、無線端末101bの通知要求部12へ無線端末101bの位置情報を通知する指示を出す。通知要求部12は無線端末送信部を介して無線端末101aへの位置情報の通知要求を送信する。
【0077】
本実施の形態では、上記のように指定位置や指定時間以外の条件をあらかじめ設定することも可能である。そして本実施の形態では、設定した条件を満たす場合に位置情報の通知を行うようにすることが可能である。また本実施の形態は上記の指定位置と指定時刻とを同時に条件として設定することも可能である。この場合、無線端末101bの制御部8は指定位置と指定時刻との両方の条件を満たしたときに、条件を満たしたとして位置情報の通知を行うようにすることが可能である。また無線端末101bの制御部8は指定位置と指定時刻のどちらかだけ条件を満たしたときに、条件を満たしたとして位置情報の通知を行うようにすることが可能である。
【0078】
また、上記の無線端末間の位置情報の通知は、無線端末101a、101b相互に行うことも可能である。
【0079】
上記の指定位置と指定時刻または指定時間の範囲の設定例を図12に示す。
【0080】
図12において、時刻21は位置情報の通知を行う条件として指定時刻又は指定時間範囲を設定する。指定位置22は位置情報の通知を行う条件として指定位置又は場所の範囲を設定する。指定位置の在圏23は通知の要求を出す無線端末が指定位置にいる場合、あるいは、いない場合を条件として設定する。通知間隔24は条件入力部62で入力した条件を満たしている間に通知を実行する時間間隔を設定する。通知の要求を出す無線端末のID25は通知を行う無線端末のIDを設定する。通知を行う位置情報の時間範囲26は、通知を行う相手先無線端末の位置情報を取得した時間範囲を設定する。
【0081】
あらかじめ図12の条件3が設定されていたとする。その場合に、まず図13で示すように、通知の要求を出す無線端末が基地局bの制御領域Bから出る。次に、制御領域Bから出た場所を制御している基地局から、通知の要求を出す無線端末は、通知の要求を出す無線端末自身の位置情報を取得する。そして取得した位置情報で位置情報記憶部9が更新される。設定された時間範囲内に上記の位置情報記憶部9の更新がされた場合、条件判定部13は条件を満たしたと判定する。よって通知要求部12は、設定した通知される無線端末へ、通知の要求を出す無線端末の最新の位置情報を通知する位置情報の通知要求を出す。通知要求部12は、条件3が成立している間、設定した時間間隔の5分毎に通知要求を出す。
【0082】
そして、通知の要求を出す無線端末が基地局cの制御領域Cに入ると、条件3を満たしていないと判定される。よって通知要求部12は、位置情報の通知要求を出さなくなる。
【0083】
以上のことから次のような効果を得ることができる。例えば、ある被探索側の無線端末が夜間に特定エリアにいないことを条件として設定する。設定した条件を満たした場合、設定した無線端末に通知要求を出す無線端末の位置を、通知要求の操作をすることなく通知する。そのため、老齢者や子供の夜間の外出などにおいて、その保護者は外出者の位置を、検索操作などをすることなく把握することができる。また、特定のエリアに特定の時刻にいない場合のみ自己の位置を通知することができる。そのため、位置情報の通知回数を減らすことが可能である。よって不要な課金を避けることができる。
【0084】
また、位置情報の通知要求として、通知する自己の位置情報は最新のものだけでなく、過去の位置情報履歴を通知することもできる。過去の位置情報の履歴を通知することで、自己の移動経路を相手に知らせることができる。また、位置通知を行う相手先は複数の無線端末とすることもできる。
【0085】
実施の形態3.
図14は、実施の形態3の集中管理装置のブロック図を示している。図14において、交換機I/F(インターフェース)50は、交換機103とのI/F機能を有す。交換機I/F50は上述の実施の形態では集中管理装置受信部104−2を含むものである。入力部51は位置情報の検索要求と位置情報の通知要求とを入力する。また他の処理の指示も入力する。表示部43はメッセージや時刻や動作状態を表示する。制御部44は各構成部の全体制御処理を行う。記憶部45は上述の実施の形態の記憶部104−1と同様である。記憶部45は各無線端末の時刻毎の位置履歴を蓄積する。
【0086】
位置情報検索部46は、位置情報の検索要求に対して、記憶部45から無線端末のIDと位置情報と登録時刻との読み出し処理を行う。位置情報通知部47は位置情報の通知要求に対して、記憶部45から無線端末のIDと位置情報と登録時刻との読み出し処理を行う。移動速度演算部48は時刻毎の無線端末の位置情報に基づき、時間辺りの移動距離を演算し、無線端末の移動速度を求める。移動経路算出部49は時刻毎の無線端末の位置情報に基づき、移動経路を算出する。
【0087】
次に、実施の形態3の動作について図15に基づいて説明する。図15は無線端末の移動速度を算出する場合の動作のフローチャートを表す。
【0088】
算出要求ステップS601では、入力部51は、無線端末の移動速度を算出する指示を入力する。
【0089】
位置読み出しステップS602では、位置情報検索部46は、記憶部45から各無線端末の時刻毎の位置情報を読み出す。
【0090】
位置表示ステップS603では、表示部43は、位置情報検索部46が読み出した各無線端末の時刻毎の位置情報を表示する。
【0091】
経路作成ステップS604では、移動経路算出部49は、読み出した各無線端末の時刻毎の位置情報に基づき、各無線端末の移動経路を作成する。
【0092】
距離算出ステップS605では、移動速度演算部48は、各無線端末の時間当りの移動距離を算出する。
【0093】
速度算出ステップS606では、移動速度演算部48は、各無線端末の移動速度を求める。
【0094】
結果表示ステップS607では、表示部43は、移動速度演算部48の算出結果を表示する。
【0095】
無線端末から要求があった場合、上記の移動経路や移動速度を、無線端末へ送信することも可能である。また無線端末は、上述した指定位置や指定時刻などの条件に基づいて、要求を出すことも可能である。
【0096】
以上のことから次のような効果を得ることができる。上記により各無線端末の移動経路と移動速度とを把握することができる。そのため制御領域毎の基地局ch負荷を予測することができる。よって通信事業者のリソース管理が容易になる。
【0097】
さらに、例えば、車両無線システムなどへ以下のように利用することができる。車両無線システムの無線端末の移動経路を算出する。算出した移動経路によって無線端末を搭載した各車両が、指定された移動経路を通ったかを確認することができる。また車両無線システムの無線端末の移動速度を算出する。算出は短い時間毎に行うことができるため、平均速度の算出をするだけでなく、短時間の速度も算出することもできる。算出した移動速度によって、全ての時間帯において法定速度を守って走行していたかどうかを確認することができる。
【0098】
上述した全ての実施の形態の特徴をまとめると以下のようになる。無線通信システムは、個別の識別番号を有し識別番号を付加した情報を無線により授受する無線端末と、無線端末との間で無線により情報を授受する複数台の基地局と、基地局との間で信号路を介して情報を授受する交換機及び集中管理装置とからなる無線通信システムにおいて、無線端末は、基地局との間で無線により情報を授受する無線送受信手段と、識別番号を一定時間ごとに送信するためのタイマを備え、集中管理装置は、無線端末から一定時間ごとに送信される識別番号を時刻および無線端末の位置と組にして格納する記憶手段と、無線端末の位置情報検索要求又は位置情報通知要求に応じて識別番号と時刻を読み出し該当無線端末の位置情報を通知する手段を備えることを特徴とする。
【0099】
また、無線通信システムにおいて、無線端末は、特定の無線端末の位置情報検索要求をあらかじめ設定した特定時刻と特定位置情報からなる条件に基づいて自動的に送信する手段と、自己の位置情報通知要求をあらかじめ設定した特定時刻と特定位置情報からなる条件に基づいて、特定の無線端末へ自動的に通知する手段を備えることを特徴とする。
【0100】
さらに、無線通信システムにおいて、集中管理装置は、各無線端末の時刻毎の位置履歴に基づき、無線端末の移動経路及び移動方向及び移動速度を演算する手段を備えることを特徴とする。
【0101】
図16は、実施の形態における集中管理装置の外観の一例を示す図である。
図16において、集中管理装置100は、システムユニット910、CRT(Cathode Ray Tube)表示装置901、キーボード(K/B)902、マウス903、コンパクトディスク装置(CDD)905、プリンタ装置906、スキャナ装置907を備え、これらはケーブルで接続されている。
さらに、集中管理装置100は、FAX機932、電話器931とケーブルで接続され、また、ローカルエリアネットワーク(LAN)942、ゲートウェイ941を介してインターネット940に接続されている。
【0102】
図17は、実施の形態における集中管理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図17において、集中管理装置100は、プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)911を備えている。CPU911は、バス912を介してROM913、RAM914、通信ボード915、CRT表示装置901、K/B902、マウス903、FDD(Flexible Disk Drive)904、磁気ディスク装置920、CDD905、プリンタ装置906、スキャナ装置907と接続されている。
RAM914は、揮発性メモリの一例である。ROM913、FDD904、CDD905、磁気ディスク装置920は、不揮発性メモリの一例である。これらは、記憶装置あるいは記憶部の一例である。
通信ボード915は、FAX機932、電話器931、LAN942等に接続されている。
例えば、通信ボード915、K/B902、スキャナ装置907、FDD904などは、入力部の一例である。
また、例えば、通信ボード915、CRT表示装置901などは、出力部の一例である。
【0103】
ここで、通信ボード915は、LAN942に限らず、直接、インターネット940、或いはISDN等のWAN(ワイドエリアネットワーク)に接続されていても構わない。直接、インターネット940、或いはISDN等のWANに接続されている場合、集中管理装置100は、インターネット940、或いはISDN等のWANに接続され、ウェブサーバ941は不用となる。
磁気ディスク装置920には、オペレーティングシステム(OS)921、ウィンドウシステム922、プログラム群923、ファイル群924が記憶されている。プログラム群923は、CPU911、OS921、ウィンドウシステム922により実行される。
【0104】
上記プログラム群923には、上述した実施の形態の説明において「〜部」として説明する機能を実行するプログラムが記憶されている。プログラムは、CPU911により読み出され実行される。
ファイル群924には、上述した実施の形態の説明において、「〜の判定」、「〜の算出結果」として説明するものが、「〜ファイル」として記憶されている。
また、上述した実施の形態の説明において説明するフローチャートの矢印の部分は主としてデータの入出力を示し、そのデータの入出力のためにデータは、磁気ディスク装置920、FD(Flexible Disk)、光ディスク、CD(コンパクトディスク)、MD(ミニディスク)、DVD(Digital Versatile Disk)等のその他の記録媒体に記録される。あるいは、信号線やその他の伝送媒体により伝送される。
【0105】
また、上述した実施の形態の説明において「〜部」として説明するものは、ROM913に記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。或いは、ソフトウェアのみ、或いは、ハードウェアのみ、或いは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせで実施されても構わない。
【0106】
また、上述した実施の形態を実施するプログラムは、また、磁気ディスク装置920、FD(Flexible Disk)、光ディスク、CD(コンパクトディスク)、MD(ミニディスク)、DVD(Digital Versatile Disk)等のその他の記録媒体による記録装置を用いて記憶されても構わない。
【0107】
実施の形態における無線端末は、図17に示すハードウェア構成にマイク、スピーカー、アンテナなどが加えられたものなどである。
【0108】
実施の形態における基地局は、図17に示すハードウェア構成にアンテナなどが加えられたものなどである。
【産業上の利用可能性】
【0109】
携帯電話やPHS(登録商標)などに代表される無線通信システムに応用することで、位置情報サービスにおいて、逐次操作することなく、必要な場合にのみ位置情報の検索及び通知を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】実施形態の無線端末のブロック図を表す。
【図2】集中管理装置に位置情報を記憶する場合の無線通信システムの構成図を表す。
【図3】集中管理装置に位置情報を記憶する動作のフローチャートを表す。
【図4】他の無線端末の位置情報を検索する場合の無線通信システムの構成を表す。
【図5】他の無線端末の位置情報を検索する場合の動作のフローチャートを表す。
【図6】条件を指定した場合の、他の無線端末の位置情報を検索する動作のフローチャートを表す。
【図7】実施の形態の指定位置と指定時刻または指定時間の範囲の設定例を表す。
【図8】検索の要求を出す無線端末と基地局の制御領域との位置関係を表す。
【図9】他の無線端末へ位置情報を通知する場合の無線通信システムの構成を表す。
【図10】他の無線端末へ位置情報を通知する場合の動作のフローチャートを表す。
【図11】条件を指定した場合の、他の無線端末へ位置情報を通知する場合の動作のフローチャートを表す。
【図12】実施の形態の指定位置と指定時刻または指定時間の範囲の設定例を表す。
【図13】通知の要求を出す無線端末と基地局の制御領域との位置関係を表す。
【図14】実施の形態の集中管理装置のブロック図を表す。
【図15】無線端末の移動速度を算出する場合の動作のフローチャートを表す。
【図16】実施の形態における集中管理装置の外観の一例を表す。
【図17】実施の形態における集中管理装置のハードウェア構成の一例を表す。
【符号の説明】
【0111】
1 アンテナ、2 スピーカー、3 マイク、4 無線信号処理部、41 無線端末送信部、42 無線端末受信部、5 音声処理部、6 入力部、61 指示入力部、62 条件入力部、7 表示部、8 制御部、9 位置情報記憶部、10 時計部、11 検索要求部、12 通知要求部、13 条件判定部、101 無線端末、101a 無線端末、101b 無線端末、102a 基地局、102a−1 基地局受信部、102a−2 検出部、102a−3 基地局送信部、102b 基地局、102b−1 基地局受信部、102b−2 検出部、102b−3 基地局送信部、102c 基地局、102c−1 基地局受信部、102c−2 検出部、102c−3 基地局送信部、103 交換機、104 集中管理装置、104−1 記憶部、104−2 集中管理装置受信部、104−3 位置情報検索部、104−4 位置情報通知部、21 時刻、22 指定位置、23 指定位置の在圏、24 検索間隔、25 検索を行う無線端末のID、26 検索を行う位置情報の時間範囲、31 時刻、32 指定位置、33 指定位置の在圏、34 通知間隔、35 通知を行う無線端末のID、36 通知を行う位置情報の時間範囲、43 表示部、44 制御部、45 記憶部、46 位置情報検索部、47 位置情報通知部、48 移動速度演算部、49 移動経路算出部、50 交換機I/F、51 入力部、100 集中管理装置、901 CRT表示装置、902 K/B、903 マウス、904 FDD、905 CDD、906 プリンタ装置、907 スキャナ装置、910 システムユニット、911 CPU、912 バス、913 ROM、914 RAM、915 通信ボード、920 磁気ディスク装置、921 OS、922 ウィンドウシステム、923 プログラム群、924 ファイル群、931 電話器、932 FAX機、940 インターネット、941 ゲートウェイ、942 LAN。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ID(識別子)の付与された無線端末と基地局と集中管理装置とがネットワークを介して接続される無線通信システムにおいて、
上記無線端末は、上記IDを上記基地局へ送信する無線端末送信部を備え、
上記基地局は、上記無線端末送信部が送信した上記IDを受信する基地局受信部と、上記基地局受信部が受信した上記IDから上記無線端末の位置情報を検出する検出部と、上記IDと上記検出部が検出した上記位置情報とを上記集中管理装置へ送信する基地局送信部とを備え、
上記集中管理装置は、上記基地局送信部が送信した上記IDと上記位置情報とを受信する集中管理装置受信部と、上記集中管理装置受信部が受信した上記IDと上記位置情報とを記憶する記憶部とを備え、
上記無線端末は、さらに、条件を入力する条件入力部と、上記条件入力部が入力した上記条件を満たすかを判定する条件判定部と、上記条件判定部が上記条件を満たすと判定した場合、上記集中管理装置へ、他の無線端末の位置情報の検索を要求する検索要求部を備え、
上記集中管理装置は、さらに、上記検索要求部の検索の要求に基づき、上記他の無線端末の上記位置情報を、上記記憶部から読み出し、上記無線端末へ通知する位置情報検索部を備えることを特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
上記基地局送信部は、上記無線端末の上記位置情報を上記無線端末へ送信し、
上記無線端末は、さらに、上記基地局送信部が送信した上記位置情報を受信する無線端末受信部を備え、
上記条件入力部は、上記条件として指定位置を入力し、
上記条件判定部は、上記条件入力部が入力した上記指定位置に、上記無線端末受信部が受信した上記位置情報の示す位置が含まれるかを判定し、
上記検索要求部は、上記条件判定部が上記指定位置に上記位置情報の示す位置が含まれると判定した場合に、上記他の無線端末の位置情報を要求することを特徴とする請求項1記載の無線通信システム。
【請求項3】
上記無線端末は、さらに、時刻を示す時計部を備え、
上記条件入力部は、上記条件として指定時刻を入力する時刻入力部を備え、
上記条件判定部は、上記時計部の示す時刻が上記条件入力部で入力された上記指定時刻であるかを判定し、
上記検索要求部は、上記条件判定部が上記指定時刻であると判定した場合に、上記他の無線端末の位置情報を要求することを特徴とする請求項1記載の無線通信システム。
【請求項4】
上記基地局送信部は、上記検出部が上記位置情報を検出した検出時刻を、上記IDと上記位置情報とともに上記集中管理装置へ送信し、
上記集中管理装置受信部は、上記基地局送信部が送信した上記検出時刻を、上記IDと上記位置情報とともに受信し、
上記記憶部は、上記集中管理装置受信部が受信した上記検出時刻を、上記IDと上記位置情報とともに記憶し、
上記集中管理装置は、さらに、上記記憶部が記憶した、上記IDと上記検出時刻と上記位置情報とから上記無線端末の移動速度を算出する移動速度演算部を備えることを特徴とする請求項1記載の無線通信システム。
【請求項5】
上記基地局送信部は、上記検出部が上記位置情報を検出した検出時刻を、上記IDと上記位置情報とともに上記集中管理装置へ送信し、
上記集中管理装置受信部は、上記基地局送信部が送信した上記検出時刻を、上記IDと上記位置情報とともに受信し、
上記記憶部は、上記集中管理装置受信部が受信した上記検出時刻を、上記IDと上記位置情報とともに記憶し、
上記集中管理装置は、さらに、上記記憶部が記憶した上記IDの上記検出時刻毎の上記位置情報から上記無線端末の移動経路を算出する移動経路算出部を備えることを特徴とする請求項1記載の無線通信システム。
【請求項6】
ID(識別子)の付与された無線端末と基地局と集中管理装置とがネットワークを介して接続される無線通信システムの無線通信方法において、
上記無線端末は、上記IDを上記基地局へ送信する無線端末送信ステップを備え、
上記基地局は、上記無線端末送信ステップで送信した上記IDを受信する基地局受信ステップと、上記基地局受信ステップで受信した上記IDから上記無線端末の位置情報を検出する検出ステップと、上記IDと上記検出ステップで検出した上記位置情報とを上記集中管理装置へ送信する基地局送信ステップとを備え、
上記集中管理装置は、上記基地局送信ステップで送信した上記IDと上記位置情報とを受信する集中管理装置受信ステップと、上記集中管理装置受信ステップで受信した上記IDと上記位置情報とを記憶する記憶ステップとを備え、
上記無線端末は、さらに、条件を入力する条件入力ステップと、上記条件入力ステップで入力した上記条件を満たすかを判定する条件判定ステップと、上記条件判定ステップで上記条件を満たすと判定した場合、上記集中管理装置へ、他の無線端末の位置情報の検索を要求する検索要求ステップを備え、
上記集中管理装置は、さらに、上記検索要求ステップの検索の要求に基づき、上記他の無線端末の上記位置情報を、上記記憶ステップで記憶した上記位置情報から読み出し、上記無線端末へ通知する位置情報検索ステップを備えることを特徴とする無線通信方法。
【請求項7】
ID(識別子)の付与された無線端末と基地局と集中管理装置とがネットワークを介して接続される無線通信システムにおいて、
上記無線端末は、上記IDを上記基地局へ送信する無線端末送信部を備え、
上記基地局は、上記無線端末送信部が送信した上記IDを受信する基地局受信部と、上記基地局受信部が受信した上記IDから上記無線端末の位置情報を検出する検出部と、上記IDと上記検出部が検出した上記位置情報とを上記集中管理装置へ送信する基地局送信部とを備え、
上記集中管理装置は、上記基地局送信部が送信した上記IDと上記位置情報とを受信する集中管理装置受信部と、上記集中管理装置受信部が受信した上記IDと上記位置情報とを記憶する記憶部とを備え、
上記無線端末は、さらに、条件を入力する条件入力部と、上記条件入力部が入力した上記条件を満たすかを判定する条件判定部と、上記条件判定部が上記条件を満たすと判定した場合、上記集中管理装置へ、他の無線端末へ上記無線端末の上記位置情報の通知を要求する通知要求部を備え、
上記集中管理装置は、さらに、上記通知要求部の要求に基づき上記位置情報を上記記憶部から読み出し、上記他の無線端末へ通知する位置情報通知部を備えることを特徴とする無線通信システム。
【請求項8】
上記基地局送信部は、上記無線端末の上記位置情報を上記無線端末へ送信し、
上記無線端末は、さらに、上記基地局送信部が送信した上記位置情報を受信する無線端末受信部を備え、
上記条件入力部は、上記条件として指定位置を入力し、
上記条件判定部は、上記条件入力部が入力した上記指定位置に、上記無線端末受信部が受信した上記位置情報の示す位置が含まれるかを判定し、
上記通知要求部は、上記条件判定部が上記指定位置に上記位置情報の示す位置が含まれると判定した場合に、上記他の無線端末へ上記無線端末の上記位置情報の通知を要求することを特徴とする請求項7記載の無線通信システム。
【請求項9】
上記無線端末は、さらに、時刻を示す時計部を備え、
上記条件入力部は、上記条件として指定時刻を入力する時刻入力部を備え、
上記条件判定部は、上記時計部の示す時刻が上記条件入力部で入力された上記指定時刻であるかを判定し、
上記通知要求部は、上記条件判定部が上記指定時刻であると判定した場合に、上記他の無線端末へ上記無線端末の上記位置情報の通知を要求することを特徴とする請求項7記載の無線通信システム。
【請求項10】
上記基地局送信部は、上記検出部が上記位置情報を検出した検出時刻を、上記IDと上記位置情報とともに上記集中管理装置へ送信し、
上記集中管理装置受信部は、上記基地局送信部が送信した上記検出時刻を、上記IDと上記位置情報とともに受信し、
上記記憶部は、上記集中管理装置受信部が受信した上記検出時刻を、上記IDと上記位置情報とともに記憶し、
上記集中管理装置は、さらに、上記記憶部が記憶した、上記IDと上記検出時刻と上記位置情報とから上記無線端末の移動速度を算出する移動速度演算部を備えることを特徴とする請求項7記載の無線通信システム。
【請求項11】
上記基地局送信部は、上記検出部が上記位置情報を検出した検出時刻を、上記IDと上記位置情報とともに上記集中管理装置へ送信し、
上記集中管理装置受信部は、上記基地局送信部が送信した上記検出時刻を、上記IDと上記位置情報とともに受信し、
上記記憶部は、上記集中管理装置受信部が受信した上記検出時刻を、上記IDと上記位置情報とともに記憶し、
上記集中管理装置は、さらに、上記記憶部が記憶した上記IDの上記検出時刻毎の上記位置情報から上記無線端末の移動経路を算出する移動経路算出部を備えることを特徴とする請求項7記載の無線通信システム。
【請求項12】
ID(識別子)の付与された無線端末と基地局と集中管理装置とがネットワークを介して接続される無線通信システムの無線通信方法において、
上記無線端末は、上記IDを上記基地局へ送信する無線端末送信ステップを備え、
上記基地局は、上記無線端末送信ステップで送信した上記IDを受信する基地局受信ステップと、上記基地局受信ステップで受信した上記IDから上記無線端末の位置情報を検出する検出ステップと、上記IDと上記検出ステップで検出した上記位置情報とを上記集中管理装置へ送信する基地局送信ステップとを備え、
上記集中管理装置は、上記基地局送信ステップで送信した上記IDと上記位置情報とを受信する集中管理装置受信ステップと、上記集中管理装置受信ステップで受信した上記IDと上記位置情報とを記憶する記憶ステップとを備え、
上記無線端末は、さらに、条件を入力する条件入力ステップと、上記条件入力ステップで入力した上記条件を満たすかを判定する条件判定ステップと、上記条件判定ステップで上記条件を満たすと判定した場合、上記集中管理装置へ、他の無線端末へ上記無線端末の上記位置情報の通知を要求する通知要求ステップを備え、
上記集中管理装置は、さらに、上記通知要求ステップの要求に基づき上記位置情報を、上記記憶ステップで記憶した上記位置情報から読み出し、上記他の無線端末へ通知する位置情報通知ステップを備えることを特徴とする無線通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2006−210985(P2006−210985A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−16523(P2005−16523)
【出願日】平成17年1月25日(2005.1.25)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】