説明

無線通信システム

【課題】 制御データと同じ符号化器を用いて、FAX通信で用いられる固定伝送レートに適した通信レートで高速にデータ通信を行うことができる無線通信システムを提供する。
【解決手段】 移動局16にFAX装置19とモデム18とが接続された組を複数備え、通信開始時にモデム18同士が通信レートを決定し、送信側のモデム18aが移動局16aに当該通信レートを通知し、移動局16が、FAX通信で用いられる複数の通信レートを実現する符号化方式と送信スロット数の組み合わせを記憶しておき、モデム18aから通知された通信レートに対応して記憶された符号化方式と送信スロット数の組み合わせを用いて送信データを移動局16b宛に送信し、通信開始後にモデム18間で通信レートが変更されると、モデム18aが移動局16aに通知し、移動局16aが変更された通信レートに対応する符号化方式と送信スロット数で送信する無線通信システムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、TDMA方式の無線通信システムに係り、特にFAXの通信レートに適合した送信レートでの高速データ通信を可能とする無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
[従来の無線通信システム]
従来の無線通信システムにはTDMA方式を用いたものがあり、規格の例としては、ARIB STD-T79(都道府県・市町村デジタル移動通信システム)2.2版(非特許文献1)や、ARIB STD-T87(空港内デジタル移動通信システム)1.1版(非特許文献2)がある。
これらの無線通信システムにおいては、音声や非音声(FAXデータ 等)を伝送するチャネルとして、6.4kbpsのトラヒックチャネル(Traffic Channel、以下「TCH」)が設けられている。
【0003】
音声通信の場合は、EL−CELP(Extended Learned Code Excited Linear Prediction)音声符号化データが誤り訂正符号等を含めて6.4kbpsとなっている。そのため、物理層では、EL−CELP音声符号化データをそのままトラヒックチャネル(TCH)上にのせる。
【0004】
一方、FAXのデータを送信する場合等、FAXのデータをEL−CELP音声符号化データと同様に扱ってトラヒックチャネルで送信すると、符号化されていない生データのまま無線通信を行うため、多くのビット誤りが発生してしまう。
【0005】
そこで、FAXデータを誤り訂正符号化して伝送するため、ARIB STD-T79(都道府県・市町村デジタル移動通信システム)2.2版では、高速非音声通信方式に関する参考規格が記載されており、FAX等の非音声通信を行うチャネルとして、ユーザデータチャネル(User Data Channel、以下「UDCH」)が紹介されている。
【0006】
UDCHでは、誤り訂正無し、BCH符号による誤り訂正、畳み込み符号による誤り訂正の3種類の方式がある。
各誤り訂正方式に対応する伝送速度について説明する。
誤り訂正無しの場合、TDMAの1スロットを用いて伝送すると6.4kbpsであり、4スロットを用いて伝送すると、25.6kbpsとなる。
また、BCH符号による誤り訂正を行った場合、1スロット時は5.12kbpsであり、4スロット時は20.48kbpsとなる。
畳み込み符号を用いた場合、1スロット時は2.84kbps、4スロット時は11.36kbpsとなる。
【0007】
畳み込み符号化について説明する。
UDCHで使用される畳み込み符号は、拘束長K=9、符号化率1/2である。
一方、制御チャネルの高速付随制御チャネル(Fast ACCH、以下「FACCH」)で使用される畳み込み符号は、拘束長K=6、符号化率1/2である。
このように、両者は拘束長が異なるため、ビタビ復号器で必要となる状態数が異なり、同一のビタビ復号器を使うことができない。つまり、それぞれ専用の符号化器/復号化器が必要になる。
【0008】
また、UDCHの畳み込み符号のほうが拘束長が長いため、FACCHよりも雑音やフェージングに強い。しかし、通信シーケンスを考慮すると、制御チャネルでの通信が正常に行われないとユーザデータチャネルでの通信は成立しないため、UDCHの符号化方式はFACCHと同程度であればよく、FACCHより強くしても意味がない。
【0009】
FAX通信にFACCHと同じ符号化方式を適用し、同一の符号化器/復号化器を使用可能とした場合、データ通信用の8ビットのヘッダが毎回付加されるため、1スロットで88ビットが伝送可能となり、伝送速度は2.2kbpsとなる。
【0010】
ところで、FAX通信では、一般的に、FAX装置が有するモデムの機能によりモデム同士でネゴシエーションを行い、モデムの種類(機能)や回線状態に応じて通信速度を切り替える動作を行う。つまり、送信側装置が、受信側が受信でき、現在の回線状態に適合する最高速の伝送速度で送信を行うよう通信回線における送信レートを切り替えるものであり、この機能を自動シフトダウンと称する。
FAXの自動シフトダウン方式で選択される伝送レートとしては、2.4kbps、4.8kbps、7.2kbps、9.6kbps、12kbps、14.4kbpsの6種類の固定伝送レートがあり、これらの伝送レートの中から最適なレートが選択されて送信される。
FAXの自動シフトダウン方式についてはITU-T V.8(非特許文献3)及びITU-T V.34(非特許文献4)に記載されている。
【0011】
しかし、FACCHと同じ符号化方式をFAX通信に用いた場合、伝送レートは2.2kbpsとなり、これではFAX通信の自動シフトダウン方式の最低レートである2.4kbpsの通信でも1スロットで実現することはできず、FACCHと同じ符号化方式を用いて1スロットでFAX通信を行うことは不可能である。
すなわち、従来の無線通信システムでは、システム内の移動局から、誤り訂正符号化を行った上で、UDCHを用いてFAXの通信レートに適合した送信レートでデータ伝送を行うことができない。
【0012】
尚、無線通信システムに関する技術としては、特開2005−354270号公報「無線パケット転送装置」(出願人:株式会社日立国際電気、特許文献1)がある。
特許文献1には、テーブルに、プロトコル種別やアプリケーション種別に対応付けて要求されるQoSに基づく誤り訂正符号化率を格納しておき、送信パケットのヘッダから当該送信パケットのプロトコル種別及びアプリケーション種別を判定し、テーブルを参照して対応する符号化率で誤り訂正符号化して転送を行う無線パケット転送装置が記載されている。
【0013】
しかしながら、特許文献1は、FAX等のサービス固有の複数の固定伝送レートの中から当該サービスで選択される伝送速度に応じて、無線通信回線の通信レートを切り替えることや、送信スロット数を変更することは記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2005−354270号公報
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】ARIB STD-T79(都道府県・市町村デジタル移動通信システム)2.2版
【非特許文献2】ARIB STD-T87(空港内デジタル移動通信システム)1.1版
【非特許文献3】ITU-T V.8 "Procedures for starting sessions of data transmission over the public switched telephone network"
【非特許文献4】ITU-T V.34 "A modern operating at data signaling rates of up to 33600 bits/s for use on the general switched telephone network and on leased point-to-point 2 wire telephone-type circuits"
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、従来の無線通信システムでは、移動局からUDCHを用いてFAXにデータを送信する場合には、FAXデータを制御データとは異なる拘束長の符号化器で独立に符号化して送信しなければならず、装置コストがかかり処理が増大するという問題点があった。
【0017】
また、上記従来の無線通信システムでは、移動局からUDCHを用いてFAXにデータを送信する場合に、制御データと同じ符号化方式で符号化した場合には、通信レートが遅くなり、FAX通信に適した通信レートでの通信ができないという問題点があった。
【0018】
本発明は、上記実状に鑑みて為されたもので、制御データと同じ拘束長の符号化器を用いて、FAX通信で用いられる固定伝送レートに適した通信レートで高速にデータ通信を行うことができ、利便性を向上させることができる無線通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、無線通信を行う通信装置に、FAXデータの送受信を行うFAX装置と、FAX装置の通信制御を行うモデムとが接続された組を複数備え、FAX装置間の通信を無線通信を介して行う無線通信システムであって、送信側のモデムが、FAX装置間で通信を行う際に、受信側のモデムとの間で通信レートを決定して、当該通信レートを送信側の通信装置に通知し、通信開始後、受信側のモデムからの通信レートを変更する要求により通信レートを変更すると、変更された通信レートを送信側の通信装置に通知し、通信装置が、FAX通信で用いられる複数種類の通信レートに対応して、各通信レートを実現する符号化方式と送信スロット数の組み合わせを記憶しておき、送信側のモデムから通信レートが通知されると、通知された通信レートに対応して記憶されている符号化方式と送信スロット数の組み合わせを読み出し、FAX装置から入力された送信データを符号化方式で符号化して送信スロット数で受信側の通信装置に送信すると共に、通信開始後、送信側のモデムから変更された通信レートが通知されると、変更された通信レートに対応して記憶されている符号化方式と送信スロット数の組み合わせを用いて送信データを送信することを特徴としている。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、無線通信を行う通信装置に、FAXデータの送受信を行うFAX装置と、FAX装置の通信制御を行うモデムとが接続された組を複数備え、FAX装置間の通信を無線通信を介して行う無線通信システムであって、送信側のモデムが、FAX装置間で通信を行う際に、受信側のモデムとの間で通信レートを決定して、当該通信レートを送信側の通信装置に通知し、通信開始後、受信側のモデムからの通信レートを変更する要求により通信レートを変更すると、変更された通信レートを送信側の通信装置に通知し、通信装置が、FAX通信で用いられる複数種類の通信レートに対応して、各通信レートを実現する符号化方式と送信スロット数の組み合わせを記憶しておき、送信側のモデム通信レートが通知されると、通知された通信レートに対応して記憶されている符号化方式と送信スロット数の組み合わせを読み出し、FAX装置から入力された送信データを符号化方式で符号化して送信スロット数で受信側の通信装置に送信すると共に、通信開始後、送信側のモデムから変更された通信レートが通知されると、変更された通信レートに対応して記憶されている符号化方式と送信スロット数の組み合わせを用いて送信データを送信する無線通信システムとしているので、制御データと同一の拘束長で間引き率を変えることにより複数の符号化方式を実現して、1つの符号化器で相手先のFAX装置及び回線状態に適した通信レートで高速に送信できると共に、通信品質を良好に保つことができ、利便性を向上させることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態に係る無線通信システムの概略構成を示す構成ブロック図である。
【図2】本システムのFAX通信の動作の概要を示す説明図である。
【図3】本システムの移動局の構成を示す構成ブロック図である。
【図4】本移動局の送信処理部22aの構成ブロック図である。
【図5】符号化方式Aの符号化を示す模式説明図である。
【図6】符号化方式Bの符号化を示す模式説明図である。
【図7】符号化方式Cの符号化を示す模式説明図である。
【図8】(a)は、上りUDCH信号のフォーマットを示す模式説明図であり、(b)は、下りUDCH信号のフォーマットを示す模式説明図である。
【図9】FAX通信テーブルの模式説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
本発明の実施の形態に係る無線通信システムは、移動局に予めFAX通信の自動シフトダウンで用いられる複数の固定伝送レートを実現する符号化方式と送信スロット数の組み合わせを記憶しておき、モデムと移動局とを備えたFAX装置間の通信において、データ送信の前にモデム同士がやり取りを行って通信レートを決定し、送信側のモデムが送信側の移動局に当該通信レートを通知し、送信側の移動局が当該通信レートに対応する符号化方式と送信スロット数の組み合わせを選択して受信側の移動局に通知し、受信側の移動局からの応答があると、送信データを当該符号化方式で符号化して、符号化データを当該スロット数連続して受信側移動局宛に送信するようにしているので、制御データと同じ1種類の符号化器を用いて、相手先のFAX装置及び回線状態に適した通信レートで高速に送信することができ、利便性を向上させることができるものである。
【0023】
また、本発明の実施の形態に係る無線通信システムは、受信側のモデムが、受信データに基づいて回線状態を判断し、回線状態が悪い場合には通信レートを下げるよう送信側のモデムに要求し、送信側のモデムが応答して低速の通信レートを決定すると共に、送信側の移動局に当該通信レートを通知し、送信側の移動局が、当該通信レートに対応する符号化方式と送信スロット数の組み合わせを設定して受信側移動局に通知するようにしており、実際の無線伝送路の状態に応じて通信レート及び符号化方式と送信スロット数を適宜変更して通信の信頼性を向上させることができるものである。
【0024】
[本無線通信システムの概略構成:図1]
本発明の実施の形態に係る無線通信システムの概略構成について図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムの概略構成を示す構成ブロック図である。
本発明の実施の形態に係る無線通信システムは、ARIB STD-T79等に基づく通信システムであり、図1に示すように、LAN等の通信回線で接続された回線制御装置11と、無線制御装置12とを備え、更に、回線接続装置11には、構内交換機(PBX)13やFAX装置19dが接続され、PBX13には、内線電話機14やFAX装置19c等が接続されている。
【0025】
FAX装置19は、内部にモデムを備えており、従来と同様に、FAX装置間の通信時に通信相手や回線状態に応じて自動的に通信レートを変更する自動シフトダウンを行うものである。
【0026】
また、無線制御装置12には、移動局16(16a、16b、16c)と、車載端末17が無線によって接続されている。
そして、移動局16a,16bには、それぞれ、FAXモデム(図では「モデム」と記載、以下「モデム」とする)18a,18bと、FAX装置(図では「FAX」と記載)19a,19bが接続されている。
通常、無線制御装置12には中継局として複数の基地局が接続されているが、ここでは省略する。
【0027】
尚、移動局16の代わりに、基地局にモデム18とFAX19が接続された構成も可能であり、移動局16又は基地局が、請求項における「通信装置」に相当するものである。以下、通信装置の例として移動局を用いた場合について説明するが、基地局も移動局16と同様のデータを記憶し、同様の処理を行うものである。
【0028】
そして、無線制御装置12が無線通信の制御を行い、回線制御装置11が、回線制御を行うと共に、無線制御装置12と制御情報のやり取りを行って、無線ネットワークと有線ネットワークとの間で境界のない通信を実現するものである。
【0029】
[本システムのFAX通信:図1]
次に、本システムにおいて、FAX装置19aが移動局16aを介してFAX通信を行う場合の通信方法について説明する。
FAX装置19aのFAX通信の方法としては、無線制御装置12を介さずに、移動局16aと16bとの間の直接通信によってFAX通信を行う方法(1)と、無線制御装置12を介した移動局16aと16bとの通信によって通信を行う方法(2)と、無線制御装置12及び回線制御装置11を介してFAX装置19dと通信を行う方法(3)と、回線制御装置11から更にPBX13を介してFAX装置19cと通信を行う方法(4)とがある。
本システムでは、これらの内(1)及び(2)の通信方法における符号化方式及び送信スロット数を設定する処理が特徴となっている。上述したように、モデム18とFAX装置19が、移動局16ではなく基地局に接続されているものでも同様である。
【0030】
[本システムの動作概要:図2]
次に、本システムの特徴部分であるFAX通信の動作の概要について図2を用いて説明する。図2は、本システムのFAX通信の動作の概要を示す説明図である。
図2に示すように、FAX装置19aは、モデム18aを介して移動局16a(又は基地局)に接続されており、FAX装置19bは、モデム18bを介して移動局16b(又は基地局)に接続されている。
【0031】
そして、FAX装置19aがFAX装置19bと通信を行う場合、まず、モデム18aとモデム18bとのやり取りによって、従来と同様に回線品質や装置の種類に応じて通信レートを決定する(1)。通信レートは、FAXの自動シフトダウンで用いられる複数の固定レートの中から選択される。送信側のモデム18aは、接続する移動局16aに通信レートを通知する。
【0032】
そして、本システムの特徴として、移動局16a及び16bは、それぞれ、内部に通信レートに対応する符号化方式と送信スロット数の組み合わせを記憶しており、移動局16aは、モデム18aから指定された通信レートに応じた符号化方式と送信スロット数を選択して移動局16bに対して通知し、移動局16bからの確認応答を受信すると、符号化方式と送信スロット数の組み合わせを決定する(2)。
移動局16には、制御データと同一の拘束長で間引き率を変えた複数の符号化方式が備えられている。
【0033】
そして、移動局16aは、FAX装置19aから送信されたデータをモデム18aを介して入力し、移動局16bとの間で取り決めた符号化方式及び送信スロット数で移動局16b宛に送信する。移動局16bは、受信したデータを当該符号化方式及び送信スロット数に応じて復調及び復号化してモデム18bに出力し、FAX装置19bにおいて受信データを出力する。
このようにして、本システムにおけるFAX通信が行われる。
【0034】
更に、本システムでは、FAX通信を行っている際に、受信側のモデム18bが受信データに基づいて回線状態を判断し、回線状態が悪い場合には通信レートを低下させるようモデム18aに通知し(自動シフトダウン)、モデム18aがモデム18bに確認応答して新たな通信レートを決定すると共に移動局16aに通知する。通信レートが変更された場合には、移動局16aは、変更された通信レートに対応する符号化方式及び送信スロット数を移動局16bとのやり取りによって決定する。
反対に、受信側のモデム18bにおいて回線状態が十分良好であると判断した場合には、送信側のモデム18aに対して通信レートを上げるよう要求することもある。
【0035】
更に、受信側の移動局16bが受信データのビットエラーレートに基づいて回線状態を判断し、モデム18bが新たな通信レートをモデム18aに通知することにより、通信レートを変更することも可能である。
このように、本システムでは、通信中の回線状態に応じて適宜通信レート及び符号化方式と送信スロット数の組を設定でき、信頼性の高い通信を行うことができるものである。
【0036】
尚、本実施の形態では、移動局16(又は基地局)にモデム18とFAX装置19とが接続された構成同士の通信について説明するが、例えば、回線制御装置11にモデム18及びFAX装置19が接続された構成でもよく、この場合、回線制御装置11に移動局16と同様にFAX通信の通信レートに対応する符号化方式と送信スロット数の組み合わせを記憶しておき、同様の処理を行わせることにより、図1に示した(3)のように、回線制御装置11に接続されたFAX装置19dとの通信を行うことも可能である。
【0037】
[移動局の構成:図3]
次に、本システムの移動局16の概略構成について図3を用いて説明する。図3は、本システムの移動局の構成を示す構成ブロック図である。
図3に示すように、移動局16は、制御部21と、信号処理部22と、無線部23と、記憶部24と、入力部25と、表示部26とを備えている。
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等で構成され、記憶部24からプログラムを読み込んで実行することにより、通信に伴う処理やユーザインタフェースに対する制御を行う。
【0038】
特に、本移動局の特徴として、制御部21は、モデム18を介してFAX装置19と接続されており、別の移動局16宛にFAX通信を行う際の処理を行う。
具体的には、制御部21は、送信時には、モデム18から通知された通信レートに合わせて、送信データの符号化方式及び送信スロット数を選択すると共に、受信時には、送信側から通知された通信レートに合わせて受信信号の復調及び復号化を行うものである。
【0039】
信号処理部22は、MPUやDSP(Digital Signal Processor)等で構成され、通信に伴う符号化/復号化や通信フォーマットへの組み立て/分解等のデータ処理を行うものであり、送信に伴う処理を行う送信処理部22aと、受信に伴う処理を行う受信処理部22bとを備えている。
特に、本移動局では、送信処理部22aが、別の移動局16宛にFAX通信を行う際に、制御部21から指示された符号化方式で送信データを符号化する。また、受信処理部22bが、制御部21から指示された符号化方式に応じて復号化を行う。符号化方式については後で説明する。
【0040】
無線部23は、信号処理部22から入力された送信データを含む信号を変調して高周波信号として空中に放射すると共に、アンテナ部で受信した高周波信号を復調して信号処理部23に出力する。
また、本移動局の特徴として、無線部23は、制御部21からの指示に従って送信スロット数を設定する。具体的には、本システムでは、TDMA方式で最大4スロットまで連続送信可能となっており、その中でFAXの通信レートに応じたスロット数が設定されるようになっている。
【0041】
記憶部24は、制御部21及び信号処理部22における処理を実現するプログラムを記憶しており、更に、本移動局の特徴として、FAX装置の複数の固定伝送レートに対応して、各伝送レートを実現する符号化方式と送信スロット数の組み合わせをFAX通信テーブルとして記憶している。FAX通信テーブルについては後述する。
入力部25は、移動局の利用者が操作を行って指示を入力するものである。
表示部26は、各種データを表示するものである。
【0042】
[送信処理部22aの構成:図4]
次に、図3に示した信号処理部22の送信処理部22aの構成について図4を用いて説明する。図4は、本移動局16の送信処理部22aの構成ブロック図である。
送信処理部22aは、送信に伴うデータ処理を行う処理手段を備えており、各処理手段は、MPU又はDSPが対応する処理プログラムを実行することによって実現される。
図4に示すように、送信処理部22aは、ヘッダ付加手段31と、固定ビット挿入手段32と、CRC付加手段33と、Tail Bit挿入手段34と、畳み込み符号化器35と、パンクチャ符号器36と、分割セグメンテーション手段37と、インタリーブ手段38を備えている。
【0043】
特に、パンクチャ符号器36は、制御部21から指示された符号化方式に対応する間引き率で符号化データの間引き処理を行う。
具体的には、パンクチャ符号器36は、間引きなし、間引き率1/3、間引き率3/7の3種類の間引き処理を行うものであり、間引き率1/3、間引き率3/7に対応する消去パターンを備えている。
そして、制御部21から指示された符号化方式が間引き無しの場合には、入力された符号化データをそのまま出力し、間引き率1/3又は間引き率3/7の場合にはそれぞれ対応する消去パターンで符号化データを消去して出力する。
これにより、本移動局16は3種類の符号化方式を実現するものである。
送信処理部22aの各処理部については、図5を用いて具体的に説明する。
【0044】
[送信処理部22aの動作:図4]
送信処理部22aに入力されたデータは、ヘッダ付加手段31によりヘッダを付加され、固定ビット挿入手段32により固定ビットを挿入され、CRC付加手段33によりCRC符号が付加され、Tail Bit挿入手段34によりTail Bitが挿入される。
そして、畳み込み符号化器35において、符号化率1/2の畳み込み符号化が行われ、パンクチャ符号器36が、制御部21からの指示に従って所定の間引き率で符号化データを間引く処理を行い、分割セグメンテーション手段37で、特定ビット数のデータに分割され、インタリーブ手段でマトリクス状にデータを書き込み、行と列とを入れ替えて読み出し、無線部23に出力する。
【0045】
[符号化方式について]
本移動局では、FAX装置の通信レートに合わせるため、符号化方式と送信スロット数の組み合わせを複数記憶しているが、まず符号化方式について説明する。
上述したように、本移動局16では、パンクチャ符号器36での間引き処理を変えることにより、3種類の符号化方式を実現している。
【0046】
[符号化方式A(2.4kbps/1スロット):図5]
1スロットで2.4kbpsを実現するための符号化方式(符号化方式A)は、パンクチャ符号器36における間引き無しによって実現される。符号化方式Aとそれに続く送信動作について図5を用いて説明する。図5は、符号化方式Aの符号化を示す模式説明図である。
図5に示すように、符号化方式Aでは2.4kbpsを実現するため、96bitのデータに、図4に示した送信処理部22aのヘッダ付加手段31が16bitのヘッダHを付加し、更に固定ビット挿入手段32が固定ビットNを挿入する。固定ビットNは、零5bitから成る固定ビット列である。
【0047】
そして、誤りの有無を検出するためにCRC付加手段33が6bitのCRC符号を付加する。
6bitCRCの生成多項式は、1+X+X6 である。
更に、Tail Bit挿入手段34が5bitのTail Bitを挿入する。これは、拘束長6の畳み込み符号化器の終端を行うものであり、零5bitから成る。
これにより、データは128bitになる。
【0048】
そして、畳み込み符号化器35が、符号化率1/2、拘束長K=6で畳み込み符号化を行い、256bitの符号化データを生成する。
符号化256率1/2、拘束長6の畳み込み符号化器における生成多項式は、出力G1(D)、G2(D)のそれぞれについて、
G1(D)=1+D+D3+D5
G2(D)=1+D2+D3+D4+D5 である。
これは、FACCHにおける符号化と同一であり、制御チャネルと同じ符号化器を用いることができ、必要以上に強い符号化を行うことによる無駄な処理を防ぐことができるものである。
【0049】
そして、符号化方式Aでは、パンクチャ符号化器36では何も処理を行わずスルーさせて(又はパンクチャ符号器36をスキップさせて)、256bitの符号化データを分割セグメンテーション部で16bitずつの16ブロックに分割し、インタリーブ手段38で、セグメントの先頭からマトリクス状に書き込み、方向を変えて読み出す。
【0050】
その後、上り通信の場合には、108bitのブロックと、148bitのブロックとに分割する。そして、先に108bitのブロックを上りUDCH(108bit)の位置に組み込んで無線部23に出力し、送信する。そして、その1フレーム後に148bitのブロックを上りUDCH(148bit)の位置に組み込んで無線部23に出力し送信する。つまり、2フレームでのインタリーブを行う。
【0051】
また、下り通信の場合には、144bitと112bitのブロックに分割する。そして、先に144bitのブロックを下りUDCH(144bit)の位置で送信し、1フレーム後に112bitのブロックを下りUDCH(112bit)の位置で送信する。
このようにして、符号化方式Aの処理及び送信動作が行われる。
【0052】
[UDCH信号フォーマット:図8]
ここで、UDCH信号フォーマットについて図8を用いて説明する。図8(a)は、上りUDCH信号のフォーマットを示す模式説明図であり、(b)は、下りUDCH信号のフォーマットを示す模式説明図である。
図8(a)に示すように、上りUDCH信号は、バースト過渡応答用ガード時間(R)6bit、プリアンブル(P)2bit、ユーザデータチャネル(UDCH)148bit、同期ワード(SW)20bit、アイドルビット(I)2bit、カラーコード(CC)6bit、低速ACCH(SACCH)20bit、ユーザデータチャネル(UDCH)108bit、ガード時間(G)8bitとなっている。
【0053】
また、図8(b)に示すように、下りUDCH信号は、バースト過渡応答用ガード時間(R)6bit、プリアンブル(P)2bit、ユーザデータチャネル(UDCH)112bit、同期ワード(SW)20bit、キャリア情報(CI)2bit、カラーコード(CC)6bit、低速ACCH(SACCH)20bit、ユーザデータチャネル(UDCH)144bit、ビジー/アイドルビット(B/I)8bitとなっている。
【0054】
[符号化方式B(4kbps/1スロット):図6]
次に、1スロットで4kbpsを実現するための符号化方式(符号化方式B)とそれに続く送信動作について図6を用いて説明する。図6は、符号化方式Bの符号化を示す模式説明図である。
図6に示すように、符号化方式Bでは4kbpsとするため、送信すべきデータは160bitとなる。そして、図4と同様にヘッダHを付加し、固定ビットNを挿入し、CRC符号を付加し、Tail Bitを挿入する。これにより192bitとなる。
【0055】
そして、畳み込み符号化器35は、図5と同様に、符号化率1/2、拘束長K=6で畳み込み符号化を行い、384bitの符号化データを生成する。
次に、符号化方式Bでは、パンクチャ符号器36が、間引き率1/3で間引き処理を行う。
符号化方式Bの場合、パンクチャ符号器36における消去パターンは、畳み込み符号の生成多項式のG1とG2のそれぞれに対して、
G1:110
G2:101 であり、1は伝送、0は消去を示す。
パンクチャ符号器36の処理により256bitとなり、以降は図4と同様に、分割セグメンテーション、インタリーブを行い、2ブロックに分割して送信する。
【0056】
[符号化方式C(4.8kbps/1スロット):図7]
次に、1スロットで4.8kbpsを実現するための符号化方式(符号化方式C)とそれに続く送信動作について図7を用いて説明する。図7は、符号化方式Cの符号化を示す模式説明図である。
図7に示すように、符号化方式Cでは4.8kbpsとするため、送信すべきデータは符号化方式Aの2倍の192bitとなる。そして、図4と同様にヘッダを付加し、固定ビットNを挿入し、CRC符号を付加し、Tail Bitを挿入する。これにより224bitとなる。
【0057】
そして、畳み込み符号化器35は、図4と同様に、符号化率1/2、拘束長K=6で畳み込み符号化を行い、448bitの符号化データを生成する。
次に、符号化方式Cでは、パンクチャ符号器36が、間引き率3/7で間引き処理を行う。消去パターンは、畳み込み符号の生成多項式のG1とG2のそれぞれに対して、
G1:1111010
G2:1000101 である。
パンクチャ符号器36の処理により256bitとなり、以降は図4と同様に処理を行って送信する。
【0058】
本移動局16では、このようにして、1スロットで、2.4kbps、4kbps、4.8kbpsの通信レートを実現することが可能となるものである。
特に、符号化方式Aと符号化方式Cは、FAXの自動シフトダウンにおける通信レートの内、それぞれ2.4kbpsと4.8kbpsの通信レートでの送信を1スロットで実現するものである。
【0059】
[高速ユーザデータチャネル]
ところで、ARIB STD T-79やARIB STD T-87では、上述した符号化方式をA,B,Cを用いたチャネルは存在しないので、本システムでは、新たに、高速ユーザデータチャネル(High Speed User Data Channel;HS-UDCH)として定義している。信号フォーマットは図8に示したUDCHのフォーマットと同様である。
【0060】
[送信スロット数]
更に、本システムでは、上述した符号化方式を、連続送信スロット数とを組み合わせることにより、FAXの自動シフトダウンにおける固定通信レートを全て実現するようにしている。送信スロット数は、1〜4スロットの中で設定可能である。
【0061】
例えば、符号化方式Aで1スロット送信の場合には2.4kbpsであるが、同じ符号化方式Aで2スロット連続送信する場合には、4.8kbpsとなる。
また、符号化方式Bで1スロット送信の場合には4kbpsであり、これはFAX通信では用いれらないが、3スロット連続送信とすると、12kbpsとなりFAXの通信レートを実現できるものである。
本移動局では、記憶部24にFAXの通信レートと、それを実現する符号化方式と送信スロット数を記憶するFAX通信テーブルを備えている。
【0062】
[符号化方式と送信スロット数の組み合わせ:図9]
次に、本移動局におけるFAX通信テーブルについて図9を用いて説明する。図9は、FAX通信テーブルの模式説明図である。
図9に示すように、FAXの自動シフトダウンで用いられる通信レートは、2.4kbps、4.8kbps、7.2kbps、9.6kbps、12kbps、14.4kbpsであり、FAX通信テーブルでは、各通信レートを実現するための符号化方式及び連続送信スロット数とが対応付けられて記憶されている。
【0063】
そして、上述したように、まず、モデム18同士がやり取りを行って、最適な通信レートを決定し、当該通信レートをそれぞれ接続する移動局16に通知する。
移動局16では、モデム18から通信レートを通知されると、制御部21が、記憶部24のFAX通信テーブルを参照して、通知された通信レートに対応する符号化方式及び送信スロット数を読み取って、符号化方式を信号処理部22の送信処理部22aに指示し、送信スロット数を無線部23に指示する。
【0064】
例えば、回線制御部11から通知された通信レートが7.2kbpsであった場合には、制御部21は、符号化方式Aを送信処理部22aに指示し、送信スロット数3を無線部23に指示する。
そして、移動局16の制御部21は、通信を開始するにあたり、相手先となる移動局16に対して当該符号化方式及び送信スロット数の組を通知し、確認されると当該組み合わせて通信を開始する。
【0065】
また、4.8kbpsの場合には、符号化方式Aで2スロット送信と、符号化方式Cで1スロット送信の2通りの方法があるが、例えば、回線状態が良好な場合には符号化方式Cで1スロット送信とし、回線状態があまり良好ではない場合には間引きを行わない符号化方式Aで2スロット送信とする、といったように使い分けることが考えられる。回線状態は、後述するエラーレートに基づいて判断することが考えられる。
このようにして、本移動局では1種類の畳み込み符号化器を用いて、FAX通信の全ての通信レートを実現できるものである。
【0066】
[エラーレートに基づく適応制御]
更に、本システムでは、受信側からの通信品質のデータに基づいて、送信側の移動局において通信レートを適応的に制御することも可能としている。
FAX通信やデータ通信の場合、10-6程度のビットエラーレートが必要になるのに対し、無線回線はフェージングの影響等により刻々と回線の品質が変化する。そのため、同じ符号化方式で長時間の通信を続けると通信品質の劣化を招く恐れがある。
【0067】
具体的には、図8に示したように、UDCH信号フォーマットでは、1スロット毎にSACCHが設けられている。受信側の移動局16bは、受信データの6bitCRCより検出したスロットエラーレートをSACCHを用いて移動局16aに送信する。
そして、移動局16aが、当該エラーレートに基づいて回線状況を判断し、エラーレートが低い場合には現在の通信レートを維持し、エラーレートが高い場合には通信レートを1段階若しくは複数段階低くするよう、符号化方式及び送信スロット数を制御し、移動局16bに通知する。
このように、本システムでは、受信側の移動局16bで検出されたエラーレートに基づいて送信側の移動局16aで通信レートを適応制御することができ、良好な通信品質を保持することができるものである。
【0068】
また、従来と同様の自動シフトダウンの機能を用いて、受信側のモデム18bが、受信データに基づいて回線状態を判断し、回線状態が悪い場合には送信側のモデム18aに対して通信レートの低減を要請し、モデム18aと18bとの間で通信レートが決定されると、モデム18aが移動局16aに対して変更された通信レートを通知し、移動局16aが変更された通信レートに応じた符号化方式と送信スロット数の組み合わせを選択するようにしてもよい。
【0069】
[実施の形態の効果]
本発明の実施の形態に係る無線通信システムによれば、移動局16が、同一の拘束長で間引き率の異なる複数の符号化方式を備え、FAX通信の自動シフトダウン機能で用いられる複数の固定通信レートを実現する符号化方式と送信スロット数の組み合わせをFAX通信テーブルに記憶しており、モデム18とFAX装置19とが接続された移動局16間でFAXデータの通信を行う場合、まず、モデム18同士がやり取りを行って装置の種類や回線状態に基づいて通信レートを決定し、送信側のモデム18aが移動局16aに当該通信レートを通知し、移動局16aがFAX通信テーブルを参照して、当該通信レートに対応する符号化方式と送信スロット数の組み合わせを読み取って移動局16bに通知し、確認応答を受信すると、当該符号化方式で符号化したデータを当該送信スロット数で送信するようにしているので、制御チャネルと共通の畳み込み符号化器を用いて、FAX通信の6種類の通信レートに合わせた送信レートを実現することができ、利便性を向上させることができる効果がある。
【0070】
また、本システムでは、移動局16で、制御チャネルと同じ畳み込み符号化を行うので、制御チャネルよりも強い符号化を行う場合に比べて、無駄な処理や通信を行わずにすむ効果がある。
【0071】
また、本システムによれば、送信側の移動局16aが、受信側の移動局16bから送信されたスロットエラーレートに基づいて、誤りが多い場合には送信レートを下げるように、符号化方式と送信スロット数の組み合わせを選択するようにしているので、無線区間の回線状態に変化があっても、良好な通信品質を保持することができる効果がある。
【0072】
また、本システムによれば、受信側のモデム18bが、受信データに基づいて回線状態を判断し、回線状態が悪い場合には送信側のモデム18aに対して通信レートの低減を要請し、モデム18aと18bとの間で通信レートが決定されると、モデム18aが移動局16aに対して変更された通信レートを通知し、移動局16aが変更された通信レートに応じた符号化方式と送信スロット数の組み合わせを選択するようにしているので、回線状態に変化があっても、良好な通信品質を保持することができる効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、FAXの通信レートに適合した送信レートでの高速データ通信を可能とする無線通信システムに適している。
【符号の説明】
【0074】
11…回線制御装置、 12…無線制御装置、 13…構内交換機(PBX)、 14…内線電話機、 15…移動局、 16…FAX装置、 17…車載端末、 21…制御部、 22…信号処理部、 22a…送信処理部、 22b…受信処理部、 23…無線部、 24…記憶部、 25…入力部、 26…表示部、 31…ヘッダ付加手段、 32…固定ビット挿入手段、 33…CRC付加手段、 34…Tai Bit挿入手段、 35…畳み込み符号化器、 36…パンクチャ符号器、 37…分割セグメンテーション、 38…インタリーブ手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信を行う通信装置に、FAXデータの送受信を行うFAX装置と、前記FAX装置の通信制御を行うモデムとが接続された組を複数備え、前記FAX装置間の通信を無線通信を介して行う無線通信システムであって、
送信側のモデムが、前記FAX装置間で通信を行う際に、受信側のモデムとの間で通信レートを決定して、当該通信レートを送信側の通信装置に通知し、通信開始後、前記受信側のモデムからの通信レートを変更する要求により通信レートを変更すると、前記変更された通信レートを前記送信側の通信装置に通知し、
前記通信装置が、FAX通信で用いられる複数種類の通信レートに対応して、前記各通信レートを実現する符号化方式と送信スロット数の組み合わせを記憶しておき、前記送信側のモデムから通信レートが通知されると、前記通知された通信レートに対応して記憶されている符号化方式と送信スロット数の組み合わせを読み出し、前記FAX装置から入力された送信データを前記符号化方式で符号化して前記送信スロット数で受信側の通信装置に送信すると共に、通信開始後、前記送信側のモデムから変更された通信レートが通知されると、前記変更された通信レートに対応して記憶されている符号化方式と送信スロット数の組み合わせを用いて送信データを送信することを特徴とする無線通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−130151(P2011−130151A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−286243(P2009−286243)
【出願日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】