説明

照明制御用信号生成装置、プログラム

【課題】複数の照明装置の点灯制御の設定を行う際の作業の利便性を向上させる。
【解決手段】第一の空間に配置された色情報を、照明装置識別マークが任意に配置された第二の空間に投影する投影部3と、第二の空間に配置された一又は複数の照明装置識別マークに、第一の空間から投影された色情報を対応付ける対応付け部4と、照明装置識別マークに対応付けられた色情報を照明制御用信号に変換する情報変換部5と、色情報等の所定の状態を画像として示すモニタリング情報をディスプレイ30に表示させるモニタリング情報生成部7とを備え、照明制御用信号は、色情報が第一の空間内において占める位置を示す位置情報と色情報が第一の空間内における特定の位置を占める時間を示す時間情報とに依存して生成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置の制御信号を生成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、パチンコ機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機、及びスロットマシン等の遊技機においては、LED、電球、蛍光灯等の照明装置が多数配設されている。これらの照明装置は、遊技機の美観を向上させたり、遊技中に発生する各種イベントを演出する目的で、遊技機に設けられたLSIやマイクロコンピュータ等の制御装置が制御信号を出力することで点灯・消灯の制御が行われる(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−201777号公報
【特許文献2】特開2009−165898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1、特許文献2に記載の発明においては、それぞれの照明装置の点灯状態の調整は、制御装置に対し、個々の照明装置ごとに個別に手動で設定しなければならず、作業者が多大な労力と時間を要するという問題がある。
【0005】
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、複数の照明装置の点灯制御の設定を行う際の作業の利便性を向上させる照明制御用信号生成装置、及びプログラムを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を達成するために、請求項1に記載の発明は、経時的に配置状態が変化しうる色情報が配置される第一の空間と、固有の位置情報を有すると共に個々の照明装置を識別する情報を有する照明装置識別マークが任意に配置された第二の空間とが形成される照明制御用信号生成装置であって、前記第一の空間に配置された前記色情報を、前記第二の空間に投影する投影手段と、前記第二の空間に配置された一又は複数の前記照明装置識別マークに、前記第一の空間から投影された前記色情報を対応付ける対応付け手段と、前記照明装置識別マークに対応付けられた前記色情報を、照明装置の点灯状態を制御する照明制御用信号に変換する情報変換手段と、少なくとも前記色情報及び前記照明装置識別マークの所定の状態を画像として示すモニタリング情報を生成し、該モニタリング情報を表示手段に表示させるモニタリング情報生成手段とを備え、前記情報変換手段は、前記色情報が第一の空間内において占める位置を示す位置情報と前記色情報が第一の空間内における特定の位置を占める時間を示す時間情報とに依存した前記照明制御用信号を生成することを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加え、前記照明装置識別マークには、前記個々の照明装置を識別する情報として、前記照明装置を一意に認識するID情報が対応づけられたことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の構成に加え、前記色情報は、図、写真、静的イメージ、動的イメージのうち少なくとも何れか一つに基づいて生成されることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか一つに記載の構成に加え、前記照明制御用信号を補正する補正手段を備え、前記照明制御用信号は、前記照明装置識別マークに対応付けられた前記色情報に所定の変換を施して生成された輝度情報を、前記補正手段が、元の前記色情報に対応して設定された補正値で補正することにより生成されることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れか一つに記載の構成に加え、前記照明制御用信号は、フルカラーLEDの点灯状態を制御する信号であることを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の何れか一つに記載の構成に加え、前記照明制御用信号は、パチンコ機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機、及びスロットマシン等の遊技機に設けられた照明装置の点灯状態を制御する信号であることを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、プログラムであって、コンピュータを請求項1乃至6の何れか一つに記載の照明制御用信号生成装置として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、第二の空間内の一又は複数の照明装置識別マークに第一の空間から投影された色情報を関連付け、この色情報を照明制御用信号に変換することにより、一又は複数の照明装置の制御信号を一度に生成させることができる。また、照明制御用信号は、色情報が第一の空間内において占める位置を示す位置情報と色情報が第一の空間内における特定の位置を占める時間を示す時間情報とに依存して生成されることにより、第一の空間内における色情報の位置や大きさの経時的な変化に基づいて、それぞれの照明装置の照明制御用信号の点灯状態や点灯及び消灯のタイミングを設定でき、複数の照明装置の点灯状態を経時的に変化させることができる。また、少なくとも色情報及び照明装置識別マークの所定の状態をモニタリング情報として表示手段に表示させることにより、照明制御用信号を設定する作業者が制御用信号の生成状態を視覚的に確認できる。これにより、複数の照明装置の点灯制御の設定を行う際の作業の利便性を向上させることができる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、照明装置識別マークには、照明装置を一意に認識するID情報が対応づけられたことにより、照明制御用信号生成装置は照明装置識別マークと照明制御用信号との対応関係をID情報によって管理することができる。これにより、照明制御用信号生成装置は照明装置の配設位置を認識することなく各照明装置の照明制御用信号の生成や管理を行うことができ、複数の照明装置の点灯制御の設定を行う際の作業の利便性を一層向上させることができる。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、色情報は、図、写真、静的イメージ、動的イメージのうち少なくとも何れか一つに基づいて生成されることにより、画像情報を形成する色情報に基づいて照明制御用信号を生成することができ、複数の照明装置の点灯制御の設定を行う際の作業の利便性を一層向上させることができる。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、照明制御用信号は、照明装置識別マークに対応付けられた色情報に所定の変換を施して生成された輝度情報であることにより、簡易な変換で確実に照明を制御しうる信号を生成できる。また、照明制御用信号は、元の色情報に対応して設定された補正値で補正することで生成されるので、それぞれの色情報を輝度情報に変換する際の色毎の差異を簡易に是正できる。これにより、複数の照明装置の点灯制御の設定を行う際の作業の利便性を一層向上させることができる。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、照明制御用信号は、フルカラーLEDの点灯状態を制御する信号であることにより、小型で汎用性の高い複数の照明装置の点灯制御の設定を行う際の作業の利便性を一層向上させることができる。
【0018】
請求項6に記載の発明によれば、遊技機に設けられた複数の照明装置の点灯制御の設定を行う際の作業の利便性を一層向上させることができる。
【0019】
請求項7に記載の発明によれば、本発明の照明制御用信号生成装置をプログラム化し、多様なコンピュータハードウェア上で実現させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】この発明の実施の形態1の照明制御用信号生成装置におけるシステム構成図及び機能ブロック図である。
【図2】同上照明制御用信号生成装置の、照明装置識別マークの配置手順を示すフローチャートである。
【図3】照明装置識別マークが第二の空間に配置された状態を模式的に示した図である。
【図4】同上照明制御用信号生成装置の、照明装置識別マークに色情報を対応付けると共に色情報を照明制御用信号に変換する手順を示すフローチャートである。
【図5】画像取得部によって第一の空間に色情報が配置された状態を模式的に示した図である。
【図6】投影部によって第一の空間に配置された色情報を第二の空間に投影する処理、及び、モニタリング情報を生成する処理を模式的に示した図である。
【図7】照明制御用信号生成装置から制御装置に供給される照明制御用信号を模式的に示した図である。
【図8】この発明の実施の形態2の照明制御用信号生成装置において、投影部によって第一の空間に配置された色情報を第二の空間に投影する処理、及び、モニタリング情報を生成する処理を模式的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[発明の実施の形態1]
図1乃至図7に、この発明の実施の形態1を示す。
【0022】
図1は、この実施の形態1の照明制御用信号生成装置のシステム構成図及び機能ブロック図である。照明制御用信号生成装置1は、LSI、マイクロコンピュータ等にプログラム等を入力するための機器であり、主としてパーソナルコンピュータ等の各種コンピュータとプログラムライタとから成り、パチンコ機、パチンコ機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機、及びスロットマシン等の遊技機(以下単に「遊技機」と称する。)10の筐体11内部に配設されるLSI、マイクロコンピュータ等の制御装置12にプログラム等を入力するために用いられる。
【0023】
遊技機10の筐体11には、n個(n≧1)の照明装置13〜13が設けられている。この照明装置13〜13は、筐体11の遊技盤14の盤面上など、筐体11全体の任意の位置に配設されている。この実施の形態1における照明装置13〜13はフルカラーLEDであり、それぞれ赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のLEDが内蔵されている。照明装置13〜13は、制御装置12によってそれぞれの点灯タイミングや点灯状態が制御される。制御装置12は、フルカラーLEDの点灯状態を制御する照明制御用信号をそれぞれの照明装置13〜13に供給し、これにより、それぞれの照明装置13〜13は、遊技盤14の表面に配設されたLCD(Liquid Crystal Display)等の図柄表示パネル15に表示される図柄の種類や、特定遊技状態(いわゆる「大当たり」の状態)になった場合等の各種イベントの発生に伴い、点灯と消灯を繰り返し、また点灯パターンを変化させる。
【0024】
そして、照明制御用信号生成装置1は、複数のフルカラーLEDの点灯状態をそれぞれ制御するための照明制御用信号を生成し、制御装置12に記憶させる機能を有する。なお、この照明制御用信号は、照明装置13〜13の点灯状態を制御する制御装置12の動作を制御するための、制御データとして生成されて、制御装置12に供給される。
【0025】
図1には図示しないが、照明制御用信号生成装置1はCPUや記憶媒体を備え、CPUがプログラムやデータを演算処理することで各種機能を実現する。
【0026】
図1に示す通り、照明制御用信号生成装置1は、プログラムとハードウェア資源とに基づいて実現される機能手段として、画像取得部2、「投影手段」としての投影部3、「対応付け手段」としての対応付け部4、「情報変換手段」としての情報変換部5、「補正手段」としての補正部6、「モニタリング情報生成手段」としてのモニタリング情報生成部7、照明情報管理部8を有する。
【0027】
画像取得部2は、図、写真、静的イメージ、動的イメージのうち少なくとも何れか一つに基づいて生成される画像情報を取得し、この画像情報に基づく色情報を後述する第一の空間に配置する。
【0028】
なお、画像取得部2が取得する画像情報は、画像出力装置20から出力された各種ファイルである。この画像出力装置20は、撮像装置、DVDプレーヤ、イメージスキャナ等の画像形成装置が形成した図、写真、「静的イメージ」としての静止画像、「動的イメージ」としての動画像に基づいて、静止画像ファイルや動画像ファイルを生成し出力する。なお、静止画像や動画像には記号や文字も含まれる。また、この画像情報は、2次元画像のみならず、例えば3次元CADや3次元撮像装置等によって形成された3次元画像であってもよいし、1次元画像であってもよい。更に、画像出力装置20は画像形成装置に設けられていてもよいし、画像情報はファイル化されていない静止画像や動画像であってもよい。
【0029】
投影部3は、第一の空間に配置された色情報を、後述する第二の空間に投影(第一の空間の特定位置の位置情報を第二の空間の特定位置の位置情報に置き換える処理を行うこと。本明細書において同じ。)する。この第二の空間には、第二の空間において固有の位置情報を有すると共に個々の照明装置を識別する機能を有する照明装置識別マークが任意に配置される。
【0030】
対応付け部4は、一又は複数の照明装置識別マークに、第一の空間から投影された色情報を対応付ける。
【0031】
情報変換部5は、照明装置識別マークに対応付けられた色情報を、照明装置の点灯状態を制御する照明制御用信号に変換する。
【0032】
補正部6は、照明制御用信号を補正する。補正の具体的内容は後述する。
【0033】
モニタリング情報生成部7は、少なくとも色情報及び照明装置識別マークの所定の状態を画像として示すモニタリング情報を生成し、モニタリング情報を図1に示す「表示手段」としてのディスプレイ30に表示させる。なお、ディスプレイ30はLCD、ブラウン管等、画像情報を表示する各種機器である。
【0034】
照明情報管理部8は、照明装置識別マークを取得し、取得した照明装置識別マークの記録、変更、修正、第二の空間への配置等の各種処理を行う。
【0035】
次に、この実施の形態の処理手順について説明する。
【0036】
図2は、この実施の形態1の照明制御用信号生成装置1の、照明装置識別マークの配置手順を示すフローチャートである。同図に示す通り、まず、照明情報管理部8は、照明装置識別マークを取得する(ステップS1)。この照明装置識別マークは、制御装置12に予め記録されたデータのロードや、各種機器(例えば遊技機10を設計したCADに記録されたデータ)に記録された情報を供給されることで取得してもよいし、オペレータが手動で入力してもよい。
【0037】
次に、照明情報管理部8は、取得したそれぞれの照明装置識別マークにID情報を対応付ける(ステップS2)。ID番号は、例えば、照明装置識別マーク41はID番号1、照明装置識別マーク41はID番号2、・・・照明装置識別マーク41はID番号n、のように、それぞれの照明装置識別マーク41〜41に一意に対応付けられる。照明制御用信号生成装置1は、以後の手順において、このID番号を用いてそれぞれの照明装置識別マークの識別と管理とを行う。それぞれの照明装置識別マーク41〜41の識別と管理をID番号を用いて行うことにより、照明制御用信号生成装置1の利用者は、遊技機10における照明装置13〜13の配設状態や配設位置を意識することなく照明制御用信号の生成作業を行うことができるようになり、作業の利便性を向上させることができる。
【0038】
次に、照明情報管理部8は、それぞれの照明装置識別マークを第二の空間に配置する(ステップS3)。図3は、照明装置識別マークが第二の空間に配置された状態を模式的に示した図である。同図に示す通り、第二の空間40は、垂直方向(x方向)と水平方向(y方向)とに広がる2次元空間に相当する仮想的な空間であり、垂直方向と水平方向の位置情報(x座標,y座標に相当する情報)を有する。また、第二の空間40にはn個(n≧1)、即ち照明装置13〜13と同数の照明装置識別マーク41〜41が配置されている。これら照明装置識別マーク41〜41は、第二の空間40上において固有の位置情報(即ち、第二の空間40におけるx座標位置とy座標位置の情報)が付与される。また、これら照明装置識別マーク41〜41は、それぞれ付与されたID情報によって照明装置13〜13を識別する。なお、第二の空間40上の固有の位置情報は、遊技機10上における照明装置13〜13の配設位置に略等しいものであってもよいし、上記配設位置とは異なるものであってもよい。そして、第二の空間40における、遊技機10上における照明装置13〜13の配設位置に略等しい位置に照明装置識別マーク41〜41を配置する場合、遊技機10上における照明装置13〜13の配設位置の位置情報を、制御装置12に予め記録されたデータや、各種機器(例えば遊技機10を設計したCADに記録されたデータ)から取得してもよいし、オペレータが手動で入力してもよい。
【0039】
ステップS1〜S3までの手順によって第二の空間40に照明装置識別マーク41〜41を配置したのち、これらの照明装置識別マーク41〜41に色情報を対応付けると共に色情報を照明制御用信号に変換する処理を行う。
【0040】
図4は、この実施の形態の照明制御用信号生成装置1の、照明装置識別マーク41〜41に色情報を対応付けると共に色情報を照明制御用信号に変換する手順を示すフローチャートである。同図に示す通り、まず、画像取得部2が画像出力装置20によって出力された画像情報を取得する(ステップS11)。画像情報は、図、写真、静的イメージの場合は1の図、写真、静的イメージが取得され、動的イメージの場合には画像の1フレームが取得される。静的イメージ、及び動的イメージの場合は、ラスタイメージであってもベクタイメージであってもよい。画像情報はRGB値(例えば、R,G,Bがそれぞれ0〜255の数値で示された情報)によって形成されており、以後の手順において画像情報は色情報として用いられる。但し、画像情報がRGB以外の情報(例えばYUV値、YIQ値、CMY値等)で形成されている場合、画像取得部2は必要に応じ画像情報をRGB値に変換したのちに以後の手順を行う。
【0041】
次に、画像取得部2は色情報を第一の空間に配置する(ステップS12)。
【0042】
図5は、画像取得部2によって第一の空間50に色情報が配置された状態を模式的に示した図であって、第一の空間50への色情報の配置の原理を示すものである。
【0043】
同図に示す通り、第一の空間50は、垂直方向(x方向)、水平方向(y方向)、高さ方向(z方向)に広がる3次元空間に相当する仮想的な空間であり、垂直方向、水平方向、高さ方向の位置情報(x座標,y座標,z座標に相当する情報)を有する。
【0044】
第一の空間50にはm個(m≧1)の色情報51〜51(図5ではm=3)が配置されている。色情報51〜51は、ドットの集合によって形成され、画像出力装置20から出力された画像情報における構成要素の形状、大きさ、色、位置関係に依存して第一の空間50に配置される。図5においては、画像出力装置20から3次元画像が出力され、画像取得部2が、この画像情報の構成要素の形状、大きさ、色、位置関係と同一又は相似の色情報51〜51を、第一の空間50内に配置した状態を示している。
【0045】
これら色情報51〜51を形成する各ドットは、第一の空間50内において占める範囲を表す位置(即ちx座標、y座標、z座標)と色(即ちRGB情報)とを有する。画像取得部2が取得する画像が動的イメージの場合には、フレームが取得される毎に色情報51〜51を形成する各ドットの位置情報も逐次変化し、それゆえ、第一の空間50内においては、色情報51〜51の形状、大きさ、位置、色が経時的に変化する。
【0046】
なお、図5に示す色情報51〜51は板状でありそれぞれ分散しているが、これらが板状以外の形状(例えば六面体、球形、その他の立体形状)であってもよく、またこれらが結合して一つの色情報を形成していてもよいことは勿論である。
【0047】
また、画像取得部2が、画像出力装置20から出力された画像情報に適宜修正を加えた色情報51〜51を形成し、この修正を加えた色情報51〜51を第一の空間50に配置する構成としてもよい。このような構成としては、例えば、画像出力装置20から出力された画像情報が3次元画像であり、第一の空間50がx方向、及びy方向の広がりのみを有する2次元空間である場合に、画像取得部2が、取得した画像情報を平面上に投影する補正を施したのちに第一の空間50に配置させるような場合が考えられる。
【0048】
なお、図5において第一の空間50は3次元空間であり、色情報51〜51はいずれも矩形であるが、これに限定されず、第一の空間は2次元以下でも4次元以上でもよい(即ち、座標に相当する情報が幾つであってもよい)し、色情報はどのような形状や色であってもよい。
【0049】
次に、投影部3は、第一の空間50に配置された色情報51〜51を、第二の空間40に投影する(ステップS13)。図6の(a)は、投影部3によって第一の空間50に配置された色情報を第二の空間40に投影する処理を模式的に示した図であって、色情報を投影する処理の原理を示すものである。図6の(a)に示す通り、第一の空間50の色情報51〜51は、第二の空間40の仮想平面上に投影される態様で第二の空間40上に投影される。即ち、第一の空間50の色情報51〜51を形成するそれぞれのドットの位置情報(第一の空間50内のx座標、y座標、z座標)が、第二の空間40の対応する位置情報(第二の空間40内の特定位置のx座標、y座標)に置き換えられる。その結果、図6の(b)に示すように、第二の空間40の照明装置識別マーク41〜41と第二の空間40に投影された色情報51〜51とが重なった状態となる。
【0050】
この状態で、対応付け部4は、照明装置識別マーク41〜41に、第二の空間40に投影された色情報51〜51を対応付ける(ステップS14)。具体的には、照明装置識別マーク41〜41に、重なり合った色情報51〜51のRGB情報を記録する。たとえば図6の(a)においては、照明装置識別マーク41,41には、これらに重なり合った色情報51のRGB情報を、照明装置識別マーク41には、これに重なり合った色情報51のRGB情報をそれぞれ対応付ける。
【0051】
次に、情報変換部5は、照明装置識別マーク41〜41にそれぞれ対応付けられた色情報51〜51を照明制御用信号に変換する(ステップS15)。具体的には、色情報51〜51を形成するRGB情報を、RGBごとの輝度情報(例えば、Rの輝度、Gの輝度、Bの輝度のそれぞれが0〜255の数値で示される値)にそれぞれ変換する。RGB情報からRGBごとの輝度情報への変換は、周知の変換式を用いて変換してもよいし、独自の式や変換テーブルを用いて変換してもよい。
【0052】
そして、補正部6は、それぞれの照明装置識別マーク41〜41に対応付けられた照明装置制御用信号の補正を行う(ステップS16)。具体的には、例えば、RGBそれぞれについて予め定められた補正値を、ステップS15で変換された輝度信号の、Rの輝度信号、Gの輝度信号、Bの輝度信号のそれぞれに乗じることで、補正された輝度信号の値を得る。勿論、上記以外の方法で補正を行なってもよい。
【0053】
そして、モニタリング情報生成部7は、ステップS1〜S3、ステップS11〜S16までに形成された情報に基づいてモニタリング情報を生成し、ディスプレイ30に表示させる(ステップS17)。図6の(b)に、モニタリング情報を生成する処理を模式的に示す。同図に示す通り、第二の空間40上の情報をモニタリング情報空間60上に投影する態様でモニタリング情報を生成する。このモニタリング情報は、ビットマップ(登録商標)画像や、PNG(登録商標)画像等、ディスプレイ30に表示可能な形式に変換する。図6の(b)に示すように生成されたモニタリング情報は、ディスプレイ30に表示される。
【0054】
ステップS11〜S17が終了すると、生成された、照明装置識別マーク41〜41ごとの照明制御用信号は照明制御用信号生成装置1の記憶媒体(図示せず)に一時的に記憶される。そして、ステップS11〜S17は、全ての処理が完了する(具体的には、例えば画像出力装置20によって出力された画像の全てについて処理が完了する)まで行なわれる(ステップS18の“No”)。ステップS11〜S17の処理が繰り返される課程で、画像取得部2が取得した動的イメージに基づいて色情報51〜51が経時的に変化した場合には、それに伴って照明制御用信号も経時的に変化する。即ち、照明制御用信号は、色情報51〜51が第一の空間50内において占める位置を示す位置情報と色情報51〜51が第一の空間50内における特定の位置を占める時間を示す時間情報とに依存して生成されることになる。
【0055】
全ての処理が完了した場合(ステップS18の“Yes”)、照明制御用信号生成装置1は、ステップS11〜S178の処理によって生成されて一時的に記憶された全ての輝度信号を照明制御用信号として制御装置12に供給し、それぞれの照明装置識別マーク41〜41に対する輝度信号の値を制御装置12に記憶させる(ステップS19)。
【0056】
図7は、ステップS19において照明制御用信号生成装置1から制御装置12に供給される照明制御用信号を模式的に示した図である。同図に示す通り、照明制御用信号は、それぞれの照明装置識別マーク41〜41に付与されたID番号、RGBそれぞれの輝度の値(0〜255)、点灯時間等の情報を有する。そして、照明制御用信号は、それぞれの照明装置識別マーク41〜41に付与されたID番号を基準に、それぞれの照明装置13〜13の照明制御用信号として制御装置12に供給される。この照明制御用信号が記憶された制御装置12が遊技機10に配設されることで、照明装置13〜13を制御装置12によって点灯制御を行なうことが可能になる。なお、図7においては、表示の便宜上表として表したが、現実の照明制御用信号は、それぞれの照明装置13〜13において、同図に示す表に記載されたような事項を制御するための、制御データとして制御装置12に供給されることになる。
【0057】
以上、この実施の形態においては、第二の空間40内の一又は複数の照明装置識別マーク41〜41に第一の空間50から投影された色情報51〜51を関連付け、この色情報51〜51を照明制御用信号に変換することにより、一又は複数の照明制御用信号を一度に生成させることができる。また、照明制御用信号は、色情報51〜51が第一の空間50内において占める位置を示す位置情報と色情報51〜51が第一の空間50内における特定の位置を占める時間を示す時間情報とに依存して生成されることにより、第一の空間50内における色情報51〜51の位置や大きさの経時的な変化に基づいて、それぞれの照明装置13〜13の照明制御用信号の点灯状態や点灯及び消灯のタイミングを設定でき、複数の照明装置13〜13の点灯状態を経時的に変化させることができる。また、少なくとも色情報51〜51及び照明装置識別マーク41〜41の所定の状態をモニタリング情報としてディスプレイ30に表示させることにより、照明制御用信号を設定する作業者が制御用信号の生成状態を視覚的に確認できる。これにより、複数の照明装置の点灯制御の設定を行う際の作業の利便性を向上させることができる。
【0058】
この実施の形態においては、照明装置識別マーク41〜41には、個々の照明装置を識別する情報として、照明装置を一意に認識するID情報が対応づけられたことにより、照明制御用信号生成装置1は照明装置識別マーク41〜41と照明制御用信号との対応関係をID情報によって管理することができる。これにより、照明制御用信号生成装置は照明装置13〜13の配設位置を認識することなく各照明装置の照明制御用信号の生成や管理を行うことができる。
【0059】
この実施の形態においては、色情報51〜51は、図、写真、静的イメージ、動的イメージのうち少なくとも何れか一つに基づいて生成されることにより、画像情報を形成する色情報51〜51に基づいて照明制御用信号を生成することができる。
【0060】
この実施の形態においては、照明制御用信号は、照明装置識別マーク41〜41に対応付けられた色情報51〜51に所定の変換を施して生成された輝度情報であることにより、簡易な変換で確実に照明を制御しうる信号を生成できる。また、照明制御用信号は、元の色情報51〜51に対応して設定された補正値で補正することで生成されるので、それぞれの色情報51〜51を輝度情報に変換する際の色毎の差異を簡易に是正できる。
【0061】
この実施の形態においては、照明制御用信号は、照明装置13〜13としてのフルカラーLEDの点灯状態を制御する信号であることにより、小型で汎用性の高い複数の照明装置13〜13の点灯制御の設定を行う際の作業の利便性を一層向上させることができる。
【0062】
この実施の形態においては、遊技機10に設けられた複数の照明装置13〜13の点灯制御の設定を行う際の作業の利便性を一層向上させることができる。
[発明の実施の形態2]
図8に、この発明の実施の形態2を示す。
【0063】
この実施の形態2の照明制御用信号生成装置1は、実施の形態1の照明制御用信号生成装置1と全く同じ構成だが、画像取得部2によって取得する画像が具体的なイメージである点が実施の形態1と異なる。
【0064】
図8の(a)は、この実施の形態2において、画像取得部2によって第一の空間に色情報が配置された状態を模式的に示した図である(ステップS12)。同図においては、画像出力装置20から出力された画像情報が、楕円形の図形の中に白色の○と白色の数字の「1」とが表された2次元の画像であり、この画像情報から抽出された色情報51が第一の空間50に配置された状態が示されている。この画像情報は、静的イメージであっても動的イメージであってもよい。
【0065】
図8は、この実施の形態2において、投影部3が、第一の空間50に配置された色情報51(ステップS12)を第二の空間40に投影する処理(ステップS13)、及び、モニタリング情報を生成する処理(ステップS17)を模式的に示した図である。このうち、ステップS13については、図8の(a)に示す通り、第一の空間50の色情報51は、第二の空間40上に投影される。その結果、第二の空間40の照明装置識別マーク41〜41と第二の空間40に投影された色情報51とが重なった状態となる。この状態で、図8の(b)に示すようにモニタリング情報が生成されてディスプレイ30に表示される(ステップS17)。そして、その他の処理は実施の形態1と同じである。
【0066】
以上、この実施の形態2においては、実施の形態1における作用効果に加え、具体的なイメージに基づいて複数の照明装置の点灯制御の設定を行うことができる。
【0067】
なお、上記各実施の形態の照明制御用信号制御装置1は、コンピュータハードウェアとソフトウェアとの協働によって実現されるものとしたが、これに限定されず、照明制御用信号制御装置1の全てをハードウェアロジックによって実現させることもできる。
【0068】
上記各実施の形態においては、照明装置13〜13はフルカラーLEDであり、照明制御用信号制御装置1はフルカラーLED用の照明制御用信号を生成したが、これに限定されず、例えば照明装置13〜13は単色LED、白熱電球、ハロゲンランプ、ネオン管、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)等の照明装置であり、照明制御用信号はこれら照明装置13〜13の点灯状態を制御する点灯制御用信号であってもよい。
【0069】
また、上記各実施の形態においては、照明装置13〜13は遊技機10に設けられ、照明制御用信号は遊技機10に設けられた照明装置13〜13の点灯状態を制御する信号であったが、これに限定されず、照明装置は、例えばアーケードゲーム等の業務用ゲーム機器、家庭用ゲーム機器、メリーゴーランド等の遊園地用遊具、舞台装置、看板、ビルディングや電波塔等の建築物、プールやトンネル等の建設物に設けられたものであり、照明制御用信号はこれらの照明装置の点灯状態を制御する点灯制御用信号であってもよい。
【0070】
上記各実施の形態は本発明の例示であり、本発明が上記各実施の形態のみに限定されることを意味するものではないことは、いうまでもない。
【符号の説明】
【0071】
1・・・照明制御用信号生成装置
3・・・投影部(投影手段)
4・・・対応付け部(対応付け手段)
5・・・情報変換部(情報変換手段)
6・・・補正手段(補正部)
7・・・モニタリング情報生成部(モニタリング情報生成手段)
10・・・遊技機
13〜13・・・照明装置
30・・・ディスプレイ(表示手段)
40・・・第二の空間
41〜41・・・照明装置識別マーク
50・・・第一の空間
51〜51,51・・・色情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
経時的に配置状態が変化しうる色情報が配置される第一の空間と、
固有の位置情報を有すると共に個々の照明装置を識別する情報を有する照明装置識別マークが任意に配置された第二の空間とが形成される照明制御用信号生成装置であって、
前記第一の空間に配置された前記色情報を、前記第二の空間に投影する投影手段と、
前記第二の空間に配置された一又は複数の前記照明装置識別マークに、前記第一の空間から投影された前記色情報を対応付ける対応付け手段と、
前記照明装置識別マークに対応付けられた前記色情報を、照明装置の点灯状態を制御する照明制御用信号に変換する情報変換手段と、
少なくとも前記色情報及び前記照明装置識別マークの所定の状態を画像として示すモニタリング情報を生成し、該モニタリング情報を表示手段に表示させるモニタリング情報生成手段とを備え、
前記情報変換手段は、前記色情報が第一の空間内において占める位置を示す位置情報と前記色情報が第一の空間内における特定の位置を占める時間を示す時間情報とに依存した前記照明制御用信号を生成することを特徴とする照明制御用信号生成装置。
【請求項2】
前記照明装置識別マークには、前記個々の照明装置を識別する情報として、前記照明装置を一意に認識するID情報が対応づけられたことを特徴とする請求項1に記載の照明制御用信号生成装置。
【請求項3】
前記色情報は、図、写真、静的イメージ、動的イメージのうち少なくとも何れか一つに基づいて生成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の照明制御用信号生成装置。
【請求項4】
前記照明制御用信号を補正する補正手段を備え、
前記照明制御用信号は、前記照明装置識別マークに対応付けられた前記色情報に所定の変換を施して生成された輝度情報を、前記補正手段が、元の前記色情報に対応して設定された補正値で補正することにより生成されることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一つに記載の照明制御用信号生成装置。
【請求項5】
前記照明制御用信号は、フルカラーLEDの点灯状態を制御する信号であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一つに記載の照明制御用信号生成装置。
【請求項6】
前記照明制御用信号は、パチンコ機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機、及びスロットマシン等の遊技機に設けられた照明装置の点灯状態を制御する信号であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一つに記載の照明制御用信号生成装置。
【請求項7】
コンピュータを請求項1乃至6の何れか一つに記載の照明制御用信号生成装置として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図7】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−92582(P2011−92582A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−251349(P2009−251349)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【特許番号】特許第4555931号(P4555931)
【特許公報発行日】平成22年10月6日(2010.10.6)
【出願人】(398034168)株式会社アクセル (80)
【Fターム(参考)】