照明装置及びそれに用いる投光管
【課題】簡単な操作で、異なる波長で観察しても対物レンズの後側焦点位置の変化による影響を受けることなく、標本に対して照明効率の高い照明を実現できる照明装置及びそれに用いる投光管を提供する。
【解決手段】光源部と、光源部からの光を対物レンズへ向けて集光する投光管2を有する。投光管2は、前記光のうち少なくとも2つの波長が夫々、これらの波長ごとに異なる対物レンズの夫々の後側焦点位置に集光するように、投光管2を構成する光学系全体の軸上色収差を補正する軸上色収差補正光学素子22を、コリメートレンズ21と視野絞り23との間に挿脱可能に備えている。さらに、次の条件式を満足する。
|f/L|>103
但し、fは軸上色収差補正光学素子22の所定基準波長における焦点距離、Lは光源部の出射位置から投光管2の所定基準波長における集光位置までの長さである。
【解決手段】光源部と、光源部からの光を対物レンズへ向けて集光する投光管2を有する。投光管2は、前記光のうち少なくとも2つの波長が夫々、これらの波長ごとに異なる対物レンズの夫々の後側焦点位置に集光するように、投光管2を構成する光学系全体の軸上色収差を補正する軸上色収差補正光学素子22を、コリメートレンズ21と視野絞り23との間に挿脱可能に備えている。さらに、次の条件式を満足する。
|f/L|>103
但し、fは軸上色収差補正光学素子22の所定基準波長における焦点距離、Lは光源部の出射位置から投光管2の所定基準波長における集光位置までの長さである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、顕微鏡観察において観察対象を照明するために用いる照明装置及びそれに用いる投光管に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の照明装置は、光源からの光を対物レンズの後側焦点位置に集光させ、対物レンズを介して観察対象に照明するように構成されている。
このような照明装置を備えた顕微鏡では、例えば、倍率の異なる対物レンズへの交換などにより、対物レンズの後側焦点位置が変化する。その結果、照明装置の集光位置と対物レンズの後側焦点位置とがすれるため、光を観察対象に効率よく照明することができない。
そこで、対物レンズの後側焦点位置の変更に合わせて、対物レンズの後側焦点位置と光源の位置とが共役になるように、光源の集光位置を調整することができるようにした照明装置が例えば次の特許文献1に提案されている。
【特許文献1】特開2001−272606号公報(図8)
【0003】
特許文献1に記載の照明装置は、レーザ光源と、光ファイバと、光ファイバを出射した光を試料に照射する照射光学系と、光ファイバから出射されたレーザ光を集光する集光レンズ系と、集光レンズ系あるいは光ファイバを光軸方向に移動させる移動機構とを備え、対物レンズの交換に伴って生じる後側焦点位置の変化に応じて、集光レンズ系或いは光ファイバを光軸方向に移動させることによって集光位置を調整することができるように構成されている。このように構成された特許文献1に記載の照射装置によれば、使用する対物レンズによって後側焦点位置が異なっても、光ファイバから射出されたレーザを常にその対物レンズの後側焦点位置に集光させることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、レンズには色収差があり、レンズを通る波長ごとに焦点位置や集光位置は異なるという特性がある。このため、特許文献1に記載の照明装置を用いても、顕微鏡観察において複数の波長を用いる場合、波長ごとに異なる対物レンズの後側焦点位置にそれぞれの波長を同時に集光させることはできない。
例えば、マルチ染色した試料(標本)を2波長で全反射蛍光顕微鏡観察(TIRFM観察)する場合、特許文献1に記載の照明装置では、一方の波長で対物レンズの後側焦点位置と光ファイバの出射端が共役になるように照明系の調整を行っても、他方の波長における光ファイバの出射端の共役位置は、対物レンズの瞳の色収差が原因で対物レンズの後側焦点位置からずれる。また、照射光学系による集光位置も双方の波長において異なったものとなる。そのため、対物レンズの後側焦点位置からずれた位置に集光した他方の波長の主光線と周辺光線とは、対物レンズを射出する際に平行とはならない。その結果、他方の波長の一部の光線は、カバーガラスと試料との境界で全反射を生じない角度でカバーガラスに入射するため、エバネッセント光を生じさせるための照明光を効率よく発生させることができなくなる。
【0005】
また、例えば、通常のケーラー照明による顕微鏡観察を行うような場合においても、照明波長を変えた場合、対物レンズの後側焦点位置が異なることによって標本位置での照明光束の大きさや強度が変わり、標本へ効率良く光を照射することができなくなる。このため、特許文献1に記載の照明装置では、照明波長を変えた場合には、集光レンズ系や光ファイバを光軸方向に移動して、照明波長ごとに対物レンズの後側焦点位置と光ファイバの出射端が共役になるように集光位置の調整を行うことによって照明光束の大きさや強度を調整する必要がある。しかし、観察対象によって異なる照明波長を用いる毎に、その都度、集光レンズ系や光ファイバを光軸方向に移動して集光位置を調整するのでは操作が煩雑となってしまう。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑みてさなれたものであり、簡単な操作で、異なる波長で観察しても対物レンズの後側焦点位置の変化による影響を受けることなく、標本に対して照明効率の高い照明を実現できる照明装置及びそれに用いる投光管を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明による照明装置は、光源部と、光源部からの光を対物レンズへ向けて集光する投光管を有し、前記光のうち少なくとも2つの波長が夫々、これらの波長ごとに異なる前記対物レンズの夫々の後側焦点位置に集光するように、前記投光管を構成する光学系全体の軸上色収差を補正する軸上色収差補正光学素子を、前記投光管の内部に備えたことを特徴としている。
【0008】
また、本発明の照明装置においては、前記軸上色収差補正光学素子を前記投光管内に挿脱可能に備えるのが好ましい。
【0009】
また、本発明の照明装置においては、前記投光管が、光源側から順に、コリメートレンズと、視野絞りと、フィールドレンズを有し、前記軸上色収差補正光学素子を前記コリメートレンズと視野絞りとの間に備えるのが好ましい。
【0010】
また、本発明の照明装置においては、次の条件式を満足するのが好ましい。
|f/L|>103
但し、fは前記軸上色収差補正光学素子の所定基準波長における焦点距離、Lは前記光源部の出射位置から前記投光管の所定基準波長における集光位置までの長さである。
【0011】
また、本発明の照明装置においては、前記軸上色収差補正光学素子が、負パワーを持つレンズと正パワーを持つレンズとの接合レンズからなり、且つ、接合面に曲率を有しているのが好ましい。
【0012】
また、本発明の照明装置においては、前記軸上色収差補正光学素子が、次の条件式を満足するのが好ましい。
ΔG=|(ν1−ν2)/(n1−n2)|>103
但し、ν1は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記光源部側に配置されたレンズのアッベ数、ν2は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記対物レンズ側に配置されたレンズのアッベ数、n1は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記光源部側に配置されたレンズの屈折率、n2は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記対物レンズ側に配置されたレンズの屈折率である。
【0013】
また、本発明の照明装置においては、前記軸上色収差補正光学素子が、回折光学素子(DOE)を有して構成されているのが好ましい。
【0014】
また、本発明による投光管は、光源部を有する照明装置に用いられ、該光源部からの光を対物レンズへ向けて集光する投光管であって、前記光のうち少なくとも2つの波長が夫々、これらの波長ごとに異なる前記対物レンズの夫々の後側焦点位置に集光するように、これらの波長の集光位置を補正する軸上色収差補正光学素子を管の内部に備えたことを特徴としている。
【0015】
また、本発明の投光管においては、前記軸上色収差補正光学素子を前記投光管内に挿脱可能に備えるのが好ましい。
【0016】
また、本発明の投光管においては、光源側から順に、コリメートレンズと、視野絞りと、フィールドレンズを有するとともに、前記軸上色収差補正光学素子を前記コリメートレンズと視野絞りとの間に備えるのが好ましい。
【0017】
また、本発明の投光管においては、次の条件式を満足するのが好ましい。
|f/L|>103
但し、fは前記軸上色収差補正光学素子の所定基準波長における焦点距離、Lは前記光源部の出射位置から前記投光管の所定基準波長における集光位置までの長さである。
【0018】
また、本発明の投光管においては、前記軸上色収差補正光学素子が、負パワーを持つレンズと正パワーを持つレンズとの接合レンズからなり、且つ、接合面に曲率を有するのが好ましい。
【0019】
また、本発明の投光管においては、前記軸上色収差補正光学素子が、次の条件式を満足するのが好ましい。
ΔG=|(ν1−ν2)/(n1−n2)|>103
但し、ν1は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記光源部側に配置されたレンズのアッベ数、ν2は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記対物レンズ側に配置されたレンズのアッベ数、n1は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記光源部側に配置されたレンズの屈折率、n2は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記対物レンズ側に配置されたレンズの屈折率である。
【0020】
また、本発明の投光管においては、前記軸上色収差補正光学素子が、回折光学素子(DOE)を有して構成されているのが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、簡単な操作で、異なる波長で観察しても対物レンズの後側焦点位置の変化による影響を受けることなく、標本に対して照明効率の高い照明を実現できる照明装置及びそれに用いる投光管が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
実施例の説明に先立ち、本発明の作用効果について説明する。
本発明の照明装置及びそれに用いる投光管では、光源部と、光源部からの光を対物レンズへ向けて集光する投光管を有し、前記光のうち少なくとも2つの波長が夫々、これらの波長ごとに異なる対物レンズの夫々の後側焦点位置に集光するように、前記投光管を構成する光学系全体の軸上色収差を補正する軸上色収差補正光学素子を、投光管の内部に備えた構成となっている。
対物レンズの瞳の色収差により、対物レンズを通過する波長ごとに焦点位置が異なる。また、照明装置を構成するレンズの色収差により、照明装置を構成するレンズを通過する波長ごとに集光位置が異なる。このため、例えば、マルチ染色した試料(標本)を2波長で全反射蛍光顕微鏡観察(TIRFM観察)する場合、従来の照明装置では、2波長のそれぞれにおける対物レンズの後側焦点位置と光ファイバの出射端とが同時に共役となるように照明系を調整することはできない。
【0023】
例えば、全反射蛍光観察では、レーザ光源と光ファイバを備えた光源部と、投光管と、対物レンズを有する顕微鏡を用いて、カバーガラスと、試料(標本)が入った液体との間の屈折率差を利用し、レーザ光を全反射させる。そして、このときに液体側に数100nmしみだすエバネッセント光を励起光としてカバーガラスの極く近傍に位置する試料中の蛍光分子のみを励起し、励起された蛍光を観察光学系を介して観察する。この場合における試料への照明は、レーザ光を対物レンズの後方から光軸に平行に入射させ、対物レンズの先端から角度をつけて出射させることによって行う。
このとき、従来の顕微鏡において、照明に用いるレーザ光の波長が1種類の場合には、対物レンズからの出射光が平行となるように照明系の調整を行なえば、主光線から周辺光線までのいずれのレーザ光線もカバーガラス面に対して同じ角度で入射し、カバーガラスと標本との境界面の照射範囲においてムラなく全反射し、エバネッセント光を発生させるために効率のよい照明となる。
【0024】
しかし、マルチ染色した試料(標本)を2波長同時に全反射蛍光顕微鏡観察(TIRFM観察)する場合、一方の波長で対物レンズの後側焦点位置と光ファイバの出射端が共役になるように照明系の調整を行うと、他方の波長における光ファイバの出射端の共役位置は、対物レンズの瞳の色収差が原因で対物レンズの後側焦点位置からずれる。このため、一方の波長で対物レンズの後側焦点位置と光ファイバの出射端とが共役になるように調整しても、他方の波長では対物レンズの後側焦点位置と光ファイバの出射端とが共役にはならない。そして、この対物レンズの後側焦点位置からずれた位置に集光した他方の波長の主光線と周辺光線とは、対物レンズを射出する際に平行とはならない。
その結果、他方の波長の一部の光線がカバーガラスと標本との境界面で全反射しないで透過してしまい、エバネッセント光を生じさせるための照明光を効率よく照射することができなくなる。
【0025】
しかるに、本発明の照明装置及びそれに用いる投光管のように、複数の波長に関し、対物レンズの瞳の色収差を原因とする後側焦点位置のずれに応じて、集光位置を変えるように投光管を構成する光学系全体の軸上色収差を補正する軸上色収差補正光学素子を投光管の内部に備えれば、夫々の所定波長において主光線と周辺光線とが、対物レンズを射出する際に平行となる。
このため、マルチ染色した試料(標本)を2波長で全反射蛍光顕微鏡観察(TIRFM観察)場合、その2波長に関し、対物レンズの瞳の色収差分に応じて、集光位置を変えるようにした軸上色収差補正光学素子を光路に備えれば、それぞれの波長の照明光をカバーガラスと試料に対し、エバネッセント光を生じさせるために効率よく照射することができる。
【0026】
また、本発明の照明装置及びそれに用いる投光管によれば、通常のケーラー照明による顕微鏡観察を行う場合において、観察に用いる照明波長を変えても、それぞれの波長に関し、対物レンズの瞳の色収差分に応じて集光位置を変える軸上色収差補正光学素子によって、光ファイバの出射端や集光レンズ系の位置を光軸方向へ移動する等の集光調整を行うことなく、標本へ効率良く光を照射することができる。
【0027】
また、本発明の照明装置及びそれに用いる投光管において、光学素子を投光管内に挿脱可能に備えれば、例えば多重波長によるTIRFM観察に用いる波長の組み合わせを変更するような場合、その波長の組み合わせに応じた軸上色収差特性を持つ軸上色収差補正光学素子を投光管の光路に入れ替えるだけの簡単な操作で、それぞれ波長における対物レンズの後側焦点位置に励起光を集光させることができる。
なお、挿脱可能な構成としては、例えば、夫々異なる波長に対応して夫々異なる収差特性を持つ複数種類の軸上色収差補正光学素子を回転円板やスライダに設けて、回転円板を回転させるか、或いはスライダを移動させることで、所望の収差特性を持つ軸上色収差補正光学素子が投光管の光路上に位置するようにすればよい。
【0028】
また、本発明の照明装置及びそれに用いる投光管において、前記投光管が、光源側から順に、コリメートレンズと、視野絞りと、フィールドレンズを有し、前記軸上色収差補正光学素子を前記コリメートレンズと視野絞りとの間に備えれば、瞳追跡光線の光線高が高くなる。このため、波長ごとに異なる対物レンズの後側焦点位置に合う位置に集光するための所望の軸上色収差を、投光管を構成する光学系に効率よく発生させて、集光位置を補正させ易くなる。
また、前記軸上色収差補正光学素子を前記コリメートレンズと視野絞りとの間に備えれば、視野絞りの像ボケがない。このため、マルチカラーによる観察をする場合に、絞りの色づきがなくて済む。また、前記軸上色収差補正光学素子を前記コリメートレンズと視野絞りとの間に備えれば、これらの間ではいずれの位置に配置しても前記軸上色収差補正光学素子に入射する光束の径が同じになる。このため、前記軸上色収差補正光学素子の光軸方向の配置スペースを広くとることができる。
【0029】
また、本発明の照明装置及びそれに用いる投光管においては、次の条件式(1)を満足するように構成するのが好ましい。
|f/L|>103 …(1)
但し、fは前記軸上色収差補正光学素子の所定基準波長における焦点距離、Lは前記光源部の出射位置から前記投光管の所定基準波長における集光位置までの長さである。
【0030】
本発明に用いる軸上色収差補正光学素子には、基準となる波長の集光位置を変えることなく所望の波長の集光位置を補正するために、焦点距離が長く、パワーを持たない特性を有することが求められる。条件式(1)は、それを満足するための条件である。
条件式(1)を満足すれば、軸上色収差補正光学素子を投光管の光路に挿脱しても、光源部の出射端から対物レンズに至るまでの長さがほとんど変化しない。このため、軸上色収差補正光学素子を、投光管の光路に挿脱したり、投光管の光路に挿入する軸上色収差補正光学素子を交換しても、光ファイバの出射端や投光管を移動させる構成する光学系の位置を調整しなくて済む。
また、軸上色収差補正光学素子のパワーが大きいと、偏心による光軸ずれが大きくなってしまう。しかし、本発明のように、条件式(1)を満足するように、軸上色収差補正光学素子のパワーを小さくすれば、偏心の影響を受けにくくなる。
また、本発明のように、条件式(1)を満足するように、軸上色収差補正光学素子のパワーを小さくすれば、像位置や倍率を変えることなく、対物レンズの色収差を原因とする後側焦点位置に集光するように、色収差を発生させることができる。
【0031】
つまり、軸上色収差補正光学素子のパワーが条件式(1)を下回る程度に大きいと、軸上色収差補正光学素子を光路に出し入れする際に、光ファイバの出射端等、光源部の出射端との共役位置が変化するため、光ファイバや投光管を光軸方向に移動させることが必要になる。
しかるに、本発明のように、軸上色収差補正光学素子のパワーが条件式(1)を満足する程度に小さくすれば、光ファイバや投光管を移動させる必要がない。
【0032】
更に、本発明の照明装置及びそれに用いる投光管においては、次の条件式(1-1)を満足するのが、像位置や倍率を変えることなく、対物レンズの色収差を原因とした後側焦点位置に集光するように、色収差を発生させるために、より一層好ましい。
|f/L|>104 …(1-1)
但し、fは前記軸上色収差補正光学素子の所定基準波長における焦点距離、Lは前記光源部の出射位置から前記投光管の所定基準波長における集光位置までの長さである。
【0033】
また、本発明の照明装置及びそれに用いる投光管において、前記軸上色収差補正光学素子を、負パワーを持つレンズと正パワーを持つレンズとを接合し、且つ、接合面に曲率を有した構成とすれば、軸上色収差補正光学素子の構成を非常に単純化することができる。また、対物レンズの瞳の軸上色収差に対応した位置に投光管の光学系からの光を集光させるための軸上色収差を接合面で発生させることができ、集光位置が調整し易くなる。
【0034】
また、本発明の照明装置及びそれを備えた投光管において、前記軸上色収差補正光学素子を、接合面以外の少なくとも1面に非球面を備えて構成すれば、投光管の光学系で発生する球面収差を補正することができ、対物レンズの後側焦点位置に集光するスポット径の広がりを抑えることができる。
全反射顕微鏡観察では、対物レンズからのレーザ出射角度(試料への入射角)の最大値は対物レンズの開口数(NA)によって定まり、全反射するためには、「対物レンズのNAが、標本の屈折率よりも大きいこと」が絶対条件となる。
細胞の屈折率は1.37〜1.38である。このため、レーザ光を全反射させるには、対物レンズの開口数NAが1.4以上の極めて狭い領域にレーザ光を集光させる必要がある。
しかるに、本発明の照明装置及びそれを備えた投光管において、軸上色収差補正光学素子が、接合面以外の少なくとも1面に非球面を備えれば、集光スポット径を小さくすることができる。このため、全反射しない領域にレーザ光が広がることなく、観察に必要な範囲を効率よく照明できる。
【0035】
接合面を非球面で構成した場合、上述のように対物レンズの色収差による後側焦点位置のずれに対応した位置に、投光管を経た光が集光するように、色収差を発生させることができる一方、球面収差を補正することはできない。即ち、本発明に用いる焦点位置補正光学素子は、接合レンズ同士の屈折率差を非常に小さくして、パワーを極力少なくした状態で色収差を発生させている。このため、球面収差を補正する能力は低い。しかるに、接合面でない空気に接した面を非球面にすれば、屈折率差が大きくなるため、球面収差を効率よく補正することができる。
【0036】
また、本発明の照明装置及びそれに用いる投光管においては、前記軸上色収差補正光学素子における接合レンズのアッベ数と屈折率の関係ΔGが、次の条件式(2)を満足するのが好ましい。
ΔG=|(ν1−ν2)/(n1−n2)|>103 …(2)
但し、ν1は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記光源部側に配置されたレンズのアッベ数、ν2は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記対物レンズ側に配置されたレンズのアッベ数、n1は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記光源部側に配置されたレンズの屈折率、n2は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記対物レンズ側に配置されたレンズの屈折率である。
【0037】
条件式(2)を満足する程度にアッベ数の差の絶対値△ν(=|ν1−ν2|)が大きくなるようにすれば、色収差の発生量が多くなる。このため、曲率をきつくする必要が無くて済み、接合レンズのパワーを大きくさせずに済む。
また、条件式(2)を満足する程度に屈折率差の絶対値△n(=|(n1−n2)|)が小さくなるようにすれば、接合レンズのパワーが大きくならない。このため、平行平面ガラスとしての作用をし、すなわち球面収差補正として作用する。
【0038】
更に、次の条件式(2-1)を満足するのがより好ましい。
ΔG=|(ν1−ν2)/(n1−n2)|>104 …(2-1)
但し、ν1は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記光源部側に配置されたレンズのアッベ数、ν2は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記対物レンズ側に配置されたレンズのアッベ数、n1は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記光源部側に配置されたレンズの屈折率、n2は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記対物レンズ側に配置されたレンズの屈折率である。
【0039】
また、本発明の照明装置及びそれに用いる投光管において、前記軸上色収差補正光学素子を、回折光学素子(DOE)を有して構成する、例えば、レンズと、DOEとを用いて構成するのが好ましい。
DOEを用いれば、軸上色収差補正光学素子の基盤に厚みを持たせずに済む。このため、軸上色収差補正光学素子の投光管内の光路への挿脱が容易となる。また、軸上色収差補正光学素子に、高価な非球面ガラスを使わないで球面収差の補正が可能となる。
【0040】
なお、回折型光学素子(DOE)を用いた従来の光学系としては、特開昭63−77003号、特開昭63−155432号、特開昭59−33636号、特開昭60−247611号、特開平2−1109号、特開平4−361201号の各公報に記載されたもの等がある。
又前記の回折現象を利用した回折型光学素子即ちディフラクチブ オプティクス エレメンツ[Diffractive Optics Elements(DOE)]は、オプトロニクス社発行の「光学デザイナーのための光学エレメント」第6,第7章、およびWilliam C.Sweatt著『NEWMETHODS OF DESIGNING HOLOGRAPHIC OPTICAL ELEMENTS』(SPIE.VOL.126,P46−53,1977)等に記載されているが、その原理を簡単に述べると下記の通りである。
通常の光学ガラスは、次の式(3)で表わされるスネルの法則に従って屈折する。
nsinθ=n’sinθ’ …(3)
但し、nは入射側媒質の屈折率、n’は出射側媒質の屈折率、θは光線の入射角、θ’は光線の出射角である。
一方、回折現象では、図5(a)に示すように、光は次の式(4)で表わす回折の法則にしたがって曲げられる。
nsinθ−n’sinθ’=mλ/d …(4)
但し、mは回折光の次数、λは波長、dは格子間隔である。
上記の式(4)に従って光線を屈折させるようにした光学素子が回折型光学素子である。尚、図5(a)では遮蔽部と透過部が間隔dで並設されたものを示したが、図5(b)に示すように透明体の表面に断面鋸歯状の回折面を設けてブレーズ化するか、図5(c)に示すようにそのバイナリー近似を行うと高い回折効率を得ることが出来る。
【0041】
以下、本発明の実施例を図面を用いて説明する。
まず、以下の各実施例において、共通の構成について説明する。
図1は本発明の各実施例の照明装置を適用可能な顕微鏡の一例として全反射顕微鏡の概略構成を示す概念図、図2は本発明の各実施例の照明装置に用いる投光管に共通の構成を示す光軸に沿う断面図である。図3は本発明の各実施例の照明装置に適用可能な軸上色収差補正光学素子の挿脱ユニットの一例を示す説明図である。図4は図2の照明装置において軸上色収差補正光学素子を投光管の光路に挿入しない状態における軸上色収差を示すグラフである。
図1の顕微鏡は、レーザ光源11と光ファイバ12を備えた光源部1と、投光管2と、対物レンズ3を有している。このような全反射顕微鏡では、レーザ光源11から出射し光ファイバ12を経たレーザ光を、その光軸が投光管2の光軸に平行となるように、投光管2を介して対物レンズ3の後方から入射させることによって、対物レンズ3の先端から角度をつけて出射させ、カバーガラス4と、試料(標本)5が入った液体との間の屈折率差を利用し、レーザ光を全反射させる。このとき液体側に数100nmしみだすエバネッセント光を励起光としてカバーガラスの極く近傍に位置する試料中の蛍光分子のみが励起される。この励起された蛍光を図示省略した観察光学系で観察するように構成されている。
【0042】
本発明の各実施例の照明装置は、図1の顕微鏡における光源部1と、光源部1からの光を対物レンズ3へ向けて集光する投光管2を有している。また、投光管2の内部には、軸上色収差補正光学素子22が投光管2の光路に挿脱可能に備えられている。
光源部1は、レーザ装置11と光ファイバ12とを有して構成されている。光ファイバ12にはマイクロメータ13が設けられている。マイクロメータ13は、投光管2の内部の光学系の光軸に垂直な方向に光ファイバ12を移動させるようになっている。そして、図1の照明装置では、マイクロメータ13を介して、投光管2の内部の光学系の光軸上に光ファイバ12の出射端が位置するときに、通常のケーラー照明が行うことができ、光軸から平行にずれて位置するときに、全反射照明が行うことができるように構成されている。
【0043】
投光管2は、図2に示すように、コリメートレンズ21と、軸上色収差補正光学素子22と、視野絞り23と、フィールドレンズ24を有している。なお、図2の投光管では、便宜上、図1に示すミラーを備えていないが、図1に示すミラーを備えた投光管と等価な構成となっている。
コリメートレンズ21は、光源側から順に、両凹レンズ211と両凸レンズ212との接合レンズと、対物レンズ側に凹面を向けた負メニスカスレンズ213と両凸レンズ214との接合レンズとで構成されている。
フィールドレンズ24は、光源側から順に、両凸レンズ241と光源側に凹面を向けた負メニスカスレンズ242との接合レンズと、両凸レンズ243と両凹レンズ244との接合レンズとで構成されている。
【0044】
軸上色収差補正光学素子22は、投光管2の光路に挿入したときに、少なくとも2つの波長が夫々、これらの波長ごとに異なる対物レンズ3の夫々の後側焦点位置に集光するように、所定波長の集光位置を補正する軸上色収差を生じる光学特性を有している。
また、各実施例の投光管2は、図3(a)に示すように、夫々異なる波長に対応して対物レンズの瞳の後側焦点位置に投光管の光学系からの光を集光させるように、夫々異なる軸上色収差特性を持つ複数種類の軸上色収差補正光学素子22a〜22dを着脱可能な回転円板25を備えている。そして、回転円板25を軸25aを中心に回転させることで、所望の収差特性を持つ軸上色収差補正光学素子を投光管の光路上に挿脱することができるようになっている。なお、各実施例の投光管2において、回転円板25の代わりに、例えば図3(b)に示すようなスライダ26を用いて所望の収差特性を持つ軸上色収差補正光学素子22a,22bを光路上に挿脱するようにしてもよい。
【0045】
また、各実施例の照明装置では、組み合わせる対物レンズ3として、波長488nmにおける後側焦点位置を基準としたときの、波長と対物レンズの後側焦点位置のずれ(対物レンズの瞳の軸上色収差)との関係が次の表1に示す特性を持つ60倍対物レンズを用いた。
表1
また、各実施例の照明装置において、軸上色収差補正光学素子22以外の光学系(コリメートレンズ21、視野絞り23、フィールドレンズ24)は全体で、投光管2に軸上色収差補正光学素子22を挿入していない状態での波長488nmにおける後側焦点位置を基準としたときの、波長と投光管2の光学系の集光位置のずれ(投光管2の光学系全体の軸上色収差)との関係が、次の表2に示す特性を持つように構成されている。
表2
表1,2からわかるように、各実施例の照明装置は、軸上色収差補正光学素子22を投光管2の光路に挿入していない状態において、488nmの波長のみが対物レンズ3の後側焦点位置に集光するように構成されており、それ以外の波長の集光位置は、夫々の波長における対物レンズ3の後側焦点位置とは一致しない。
【0046】
次に、各実施例の照明装置に用いる投光管を構成する光学部材の数値データを、各実施例における軸上色収差補正光学素子を光路に挿入しない状態で示す。
なお、数値データ中、r1、r2、・・・は投光管を構成する光学部材の曲率半径、d1、d2、・・・は投光管を構成する光学部材の面間隔、nd1、nd2は投光管を構成するレンズのd線の屈折率、νd1、νd2は投光管を構成するレンズのd線におけるアッベ数、Lは光ファイバの出射端から投光管を構成する光学系の波長488nmにおける集光位置までの長さである。
これらの記号は、以下の各実施例の数値データにおいて共通である。
【0047】
数値データ0(各実施例共通:軸上色収差補正光学素子を光路に挿入しない状態)
r0=∞ d0=78.353
r1=-20.331 d1=1.5149 nd1=1.6445 νd1=40.82
r2=25.355 d2=3.0119 nd2=1.834 νd2=37.16
r3=-42.1549 d3=0.3487
r4=51.4239 d4=1.7373 nd4=1.8061 νd4=40.95
r5=18.784 d5=3.8661 nd5=1.48749 νd5=70.2
r6=-34.377 d6=296
r7=68.7541 d7=7.7321 nd7=1.48749 νd7=70.2
r8=-37.5679 d8=3.4745 nd8=1.8061 νd8=40.95
r9=-102.8477 d9=0.6973
r10=84.3099 d10=6.0238 nd10=1.834 νd10=37.16
r11=-50.71 d11=3.0298 nd11=1.6445 νd11=40.82
r12=40.6619 d12=157.6152
r13=∞(集光面) d13=0
L:5.63×102
【0048】
また、本発明の以下の実施例において用いられる回折型光学素子(DOE)は上述した通りのものであるが、このような回折型光学素子を含む光学系の設計法として、ウルトラ−ハイ インデックス法(ultrahighindex methods)と呼ばれるものが知られている。これは、回折型光学素子を屈折率をきわめて大きい仮想的なレンズ(ウルトラーハイインデックス レンズ)に置き換えて設計する方法である。このことについては、SPIE 126巻46−53頁(1977年)に記載されているが図5(d)を用いて簡単に説明する。図5(d)において、1はウルトラ−ハイ インデックスレンズ、2は法線である。このウルトラ−ハイ インデックス レンズにおいては、次の式(5)で表わされる関係が成立つ。
(nU−1)dz/dh=nsinθ−n’sinθ’ …(5)
但し、nUはウルトラ−ハイ インデックス レンズの屈折率、zはウルトラ−ハイ インデックス レンズの光軸方向の座標、hは光軸からの距離、n,n’はそれぞれ入射側媒質および射出側媒質の屈折率、θ,θ’は光線の入射角および射出角である。なお、後に示す実施例の数値データ(実施例6、7における数値データ6、7)ではnU=10001としている。上記式(4)および式(5)から次の式(6)が求まる。
(nU−1)dz/dh=mλ/d …(6)
即ち、ウルトラ−ハイ インデックス レンズ(屈折率が極めて大きい屈折型レンズ)の面形状と回折型光学素子のピッチとの間には式(6)で与えられる等価関係が成立し、この式を通じてウルトラ−ハイ インデックス 法で設計したデータから回折型光学素子のピッチを定めることができるのである。
【0049】
また、一般的な軸対称非球面は、下記のように表わすことができる。
z=ch2/[{1−c2(k+1)h2}1/2]+Ah4+Bh6+Ch8+Dh10+・・・・
…(7)
但し、zは光軸(像の方向を正)、hは面とz軸との交点を原点としz軸に直交した座標軸のうちメリジオナル方向の座標軸、cは基準面の曲率、kは円錐定数でA,B,C,D・・・は夫々,4次,6次,8次,10次,・・・の非球面係数である。
【0050】
また、式(6),(7)より、ある光線高における上記非球面と等価の回折型光学素子のピッチdは、次の式(8)で表わされる。
d=mλ/[(n−1){ch/(1−c2(1+k)h2)1/2+4Ah3+
6Bh5+8Ch7+10Dh9+・・・・}] …(8)
なお、以下の各実施例では、非球面項は10次まで使用しているが、12次,14次,・・・の非球面項を使用してもよい。
【実施例1】
【0051】
図6は本発明の実施例1にかかる照明装置に用いる軸上色収差補正光学素子の光軸に沿う断面図、図7は本発明の実施例1にかかる照明装置に用いる投光管の、図6の軸上色収差補正光学素子を投光管の光路に挿入した状態における軸上色収差を示すグラフである。
実施例1の照明装置では、軸上色収差補正光学素子22は、光源側から順に、対物レンズ側に凹面を向けた負メニスカスレンズ221と、光源側に凸面を向けた正メニスカスレンズ222との接合レンズで構成されている。
また、軸上色収差補正光学素子22は、投光管2の光路に挿入したときに、488nmと405nmの2つの波長が夫々、これらの波長ごとに異なる対物レンズ3の夫々の後側焦点位置に集光するように、405nmの波長の集光位置を補正する軸上色収差を発生するように構成されている。
【0052】
次に、実施例1の照明装置に用いる投光管を構成する光学部材の数値データを、実施例1における軸上色収差補正光学素子を光路に挿入した状態で示す。
なお、fは軸上色収差補正光学素子の波長488nmにおける焦点距離である。この記号は、以下の各実施例の数値データにおいて共通である。
数値データ1(実施例1)
r0=∞ d0=78.353
r1=-20.331 d1=1.5149 nd1=1.6445 νd1=40.82
r2=25.355 d2=3.0119 nd2=1.834 νd2=37.16
r3=-42.1549 d3=0.3487
r4=51.4239 d4=1.7373 nd4=1.8061 νd4=40.95
r5=18.784 d5=3.8661 nd5=1.48749 νd5=70.2
r6=-34.377 d6=20
r7=-5723.3204 d7=3 nd7=1.58913 νd7=61.1
r8=288.9202 d8=3 nd8=1.58921 νd8=41
r9=-6496.2042 d9=270
r10=68.7541 d10=7.7321 nd10=1.48749 νd10=70.2
r11=-37.5679 d11=3.4745 nd11=1.8061 νd11=40.95
r12=-102.8477 d12=0.6973
r13=84.3099 d13=6.0238 nd13=1.834 νd13=37.16
r14=-50.71 d14=3.0298 nd14=1.6445 νd14=40.82
r15=40.6619 d15=157.6152
r16=∞(集光面) d16=0
f:−7.09×107
L:5.63×102
|f/L|=1.26×105
ΔG=2.51×105
【実施例2】
【0053】
図8は本発明の実施例2にかかる照明装置に用いる軸上色収差補正光学素子の光軸に沿う断面図、図9は本発明の実施例2にかかる照明装置に用いる投光管の、図8の軸上色収差補正光学素子を投光管の光路に挿入した状態における軸上色収差を示すグラフである。
実施例2の照明装置では、軸上色収差補正光学素子22は、光源側から順に、対物レンズ側に凸面を向けた正メニスカスレンズ221’と、光源側に凹面を向けた負メニスカスレンズ222’との接合レンズで構成されている。
また、軸上色収差補正光学素子22は、投光管2の光路に挿入したときに、488nmと543nmの2つの波長が夫々、これらの波長ごとに異なる対物レンズ3の夫々の後側焦点位置に集光するように、543nmの波長の集光位置を補正する軸上色収差を発生するように構成されている。
その他の光学部材の構成は実施例1の照明装置とほぼ同じである。
【0054】
次に、実施例2の照明装置に用いる投光管を構成する光学部材の数値データを、実施例2における軸上色収差補正光学素子を光路に挿入した状態で示す。
数値データ2(実施例2)
r0=∞ d0=78.353
r1=-20.331 d1=1.5149 nd1=1.6445 νd1=40.82
r2=25.355 d2=3.0119 nd2=1.834 νd2=37.16
r3=-42.1549 d3=0.3487
r4=51.4239 d4=1.7373 nd4=1.8061 νd4=40.95
r5=18.784 d5=3.8661 nd5=1.48749 νd5=70.2
r6=-34.377 d6=20
r7=-7359.9135 d7=3 nd7=1.58913 νd7=61.1
r8=-148.6175 d8=3 nd8=1.58921 νd8=41
r9=-5769.1511 d9=270
r10=68.7541 d10=7.7321 nd10=1.48749 νd10=70.2
r11=-37.5679 d11=3.4745 nd11=1.8061 νd11=40.95
r12=-102.8477 d12=0.6973
r13=84.3099 d13=6.0238 nd13=1.834 νd13=37.16
r14=-50.71 d14=3.0298 nd14=1.6445 νd14=40.82
r15=40.6619 d15=157.6152
r16=∞(集光面) d16=0
f:−7.58×107
L:5.63×102
|f/L|=1.34×105
ΔG=2.51×105
【実施例3】
【0055】
図10は本発明の実施例3にかかる照明装置に用いる軸上色収差補正光学素子の光軸に沿う断面図、図11は本発明の実施例3にかかる照明装置に用いる投光管の、図10の軸上色収差補正光学素子を投光管の光路に挿入した状態における軸上色収差を示すグラフである。
実施例3の照明装置では、軸上色収差補正光学素子22は、光源側から順に、対物レンズ側に凸面を向けた正メニスカスレンズ221’と、光源側に凹面を向けた負メニスカスレンズ222’との接合レンズで構成されている。
また、軸上色収差補正光学素子22は、投光管2の光路に挿入したときに、488nmと633nmの2つの波長が夫々、これらの波長ごとに異なる対物レンズ3の夫々の後側焦点位置に集光するように、633nmの波長の集光位置を補正する軸上色収差を発生するように構成されている。
【0056】
次に、実施例3の照明装置に用いる投光管を構成する光学部材の数値データを、実施例3における軸上色収差補正光学素子を光路に挿入した状態で示す。
数値データ3(実施例3)
r0=∞ d0=78.353
r1=-20.331 d1=1.5149 nd1=1.65535 νd1=40.82
r2=25.355 d2=3.0119 nd2=1.84944 νd2=37.16
r3=-42.1549 d3=0.3487
r4=51.4239 d4=1.7373 nd4=1.81961 νd4=40.95
r5=18.784 d5=3.8661 nd5=1.49218 νd5=70.2
r6=-34.377 d6=20
r7=-8093.0997 d7=3 nd7=1.58913 νd7=61.1
r8=-99.2828 d8=3 nd8=1.58921 νd8=41
r9=-5551.3679 d9=270
r10=68.7541 d10=7.7321 nd10=1.48749 νd10=70.2
r11=-37.5679 d11=3.4745 nd11=1.8061 νd11=40.95
r12=-102.8477 d12=0.6973
r13=84.3099 d13=6.0238 nd13=1.834 νd13=37.16
r14=-50.71 d14=3.0298 nd14=1.6445 νd14=40.82
r15=40.6619 d15=157.6152
r16=∞(集光面)
f:−7.34×107
L:5.63×102
|f/L|=1.30×105
ΔG=2.51×105
【実施例4】
【0057】
図12は本発明の実施例4にかかる照明装置に用いる軸上色収差補正光学素子の光軸に沿う断面図、図13は本発明の実施例4にかかる照明装置に用いる投光管の、図12の軸上色収差補正光学素子を投光管の光路に挿入した状態における軸上色収差を示すグラフである。
実施例4の照明装置では、軸上色収差補正光学素子22は、光源側から順に、対物レンズ側に凹面を向けた負メニスカスレンズ221と、光源側に凸面を向けた正メニスカスレンズ222との接合レンズで構成されている。軸上色収差補正光学素子22の接合面は、非球面に形成されている。
また、軸上色収差補正光学素子22は、投光管2の光路に挿入したときに、488nmと405nmの2つの波長が夫々、これらの波長ごとに異なる対物レンズ3の夫々の後側焦点位置に集光するように、405nmの波長の集光位置を補正する軸上色収差を発生するように構成されている。
その他の光学部材の構成は実施例1の照明装置とほぼ同じである。
【0058】
次に実施例4の照明装置に用いる投光管を構成する光学部材の数値データを、実施例4における軸上色収差補正光学素子を光路に挿入した状態で示す。
数値データ4(実施例4)
r0=∞ d0=78.353
r1=-20.331 d1=1.5149 nd1=1.65535 νd1=40.82
r2=25.355 d2=3.0119 nd2=1.84944 νd2=37.16
r3=-42.1549 d3=0.3487
r4=51.4239 d4=1.7373 nd4=1.81961 νd4=40.95
r5=18.784 d5=3.8661 nd5=1.49218 νd5=70.2
r6=-34.377 d6=20
r7=-5723.3281 d7=3 nd7=1.58913 νd7=61.1
r8=288.9203(非球面) d8=3 nd8=1.58921 νd8=41
r9=-6496.1943 d9=270
r10=68.7541 d10=7.7321 nd10=1.48749 νd10=70.2
r11=-37.5679 d11=3.4745 nd11=1.8061 νd11=40.95
r12=-102.8477 d12=0.6973
r13=84.3099 d13=6.0238 nd13=1.834 νd13=37.16
r14=-50.71 d14=3.0298 nd14=1.6445 νd14=40.82
r15=40.6619 d15=157.6152
r16=∞(集光面)
非球面係数
第8面
k=-1
A=-5.91×10-9 B=-1.08×10-9 C=-9.76×10-12 D=9.03×10-13
f:-7.23×107
L:5.63×102
|f/L|=1.28×105
ΔG=2.03×101
【実施例5】
【0059】
図14は本発明の実施例5にかかる照明装置に用いる軸上色収差補正光学素子の光軸に沿う断面図、図15は本発明の実施例5にかかる照明装置に用いる投光管の、図14の軸上色収差補正光学素子を投光管の光路に挿入した状態における軸上色収差を示すグラフである。
実施例5の照明装置では、軸上色収差補正光学素子22は、光源側から順に、対物レンズ側に凸面を向けた正メニスカスレンズ221’と光源側に凹面を向けた負メニスカスレンズ222’との接合レンズと、対物レンズ側に凹面を向けた負メニスカスレンズ223と光源側に凸面を向けた正メニスカスレンズ224との接合レンズとで構成されている。
また、軸上色収差補正光学素子22は、投光管2の光路に挿入したときに、488nmと405nmの2つの波長が夫々、これらの波長ごとに異なる対物レンズ3の夫々の後側焦点位置に集光するように、405nmの波長の集光位置を補正する軸上色収差を発生するように構成されている。
その他の光学部材の構成は実施例1の照明装置とほぼ同じである。
【0060】
次に、実施例5の照明装置に用いる投光管を構成する光学部材の数値データを、実施例5における軸上色収差補正光学素子を光路に挿入した状態で示す。
数値データ5(実施例5)
r0=∞ d0=78.353
r1=-20.331 d1=1.5149 nd1=1.6445 νd1=40.82
r2=25.355 d2=3.0119 nd2=1.834 νd2=37.16
r3=-42.1549 d3=0.3487
r4=51.4239 d4=1.7373 nd4=1.8061 νd4=40.95
r5=18.784 d5=3.8661 nd5=1.48749 νd5=70.2
r6=-34.377 d6=20
r7=-5958.4707 d7=3 nd7=1.58913 νd7=61.1
r8=-298.8792 d8=3 nd8=1.58921 νd8=41
r9=-6797.9643 d9=10
r10=∞ d10=3 nd10=1.58913 νd10=61.1
r11=147.1384 d11=3 nd11=1.58921 νd11=41
r12=∞ d12=254
r13=68.7541 d13=7.7321 nd13=1.48749 νd13=70.2
r14=-37.5679 d14=3.4745 nd14=1.8061 νd14=40.95
r15=-102.8477 d15=0.6973
r16=84.3099 d16=6.0238 nd16=1.834 νd16=37.16
r17=-50.71 d17=3.0298 nd17=1.6445 νd17=40.82
r18=40.6619 d18=157.6152
r19=∞(集光面)
f:-4.06×107
L:5.63×102
|f/L|=7.21×104
【実施例6】
【0061】
図16は本発明の実施例6にかかる照明装置に用いる軸上色収差補正光学素子の光軸に沿う断面図、図17は本発明の実施例6にかかる照明装置に用いる投光管の、図16の軸上色収差補正光学素子を投光管の光路に挿入した状態における軸上色収差を示すグラフである。
実施例6の照明装置では、軸上色収差補正光学素子22は、光源側から順に、光源側に負パワーの回折面を持つDOE221”と光源側が平面で対物レンズ側が凸面の平凸レンズ222”との接合レンズで構成されている。
また、軸上色収差補正光学素子22は、投光管2の光路に挿入したときに、488nmと405nmの2つの波長が夫々、これらの波長ごとに異なる対物レンズ3の夫々の後側焦点位置に集光するように、405nmの波長の集光位置を補正する軸上色収差を発生するように構成されている。
その他の光学部材の構成は実施例1の照明装置とほぼ同じである。
【0062】
次に、実施例6の照明装置に用いる投光管を構成する光学部材の数値データを、実施例6における軸上色収差補正光学素子を光路に挿入した状態で示す。
数値データ6(実施例6)
r0=∞ d0=78.353
r1=-20.331 d1=1.5149 nd1=1.6445 νd1=40.82
r2=25.355 d2=3.0119 nd2=1.834 νd2=37.16
r3=-42.1549 d3=0.3487
r4=51.4239 d4=1.7373 nd4=1.8061 νd4=40.95
r5=18.784 d5=3.8661 nd5=1.48749 νd5=70.2
r6=-34.377 d6=20
r7=-7.29×107(非球面)d7=0.15 nu=1.0001 νd7=-3.45
r8=∞ d8=3 nd8=1.51633 νd8=64.14
r9=-4580.6345 d9=272.85
r10=68.7541 d10=7.7321 nd10=1.48749 νd10=70.2
r11=-37.5679 d11=3.4745 nd11=1.8061 νd11=40.95
r12=-102.8477 d12=0.6973
r13=84.3099 d13=6.0238 nd13=1.834 νd13=37.16
r14=-50.71 d14=3.0298 nd14=1.6445 νd14=40.82
r15=40.6619 d15=157.6152
r16=∞(集光面) d16=0
非球面係数
第7面
k=-1
A=3.87×10-14 B=-1.80×10-16 C=-2.95×10-17 D=3.95×10-17
f:-1.22×108
L:563.4044323
|f/L|=2.17×105
【実施例7】
【0063】
図18は本発明の実施例7にかかる照明装置に用いる軸上色収差補正光学素子の光軸に沿う断面図、図18は本発明の実施例7にかかる照明装置に用いる投光管の、図19の軸上色収差補正光学素子を投光管の光路に挿入した状態における軸上色収差を示すグラフである。
実施例7の照明装置では、軸上色収差補正光学素子22は、光源側から順に、光源側に正パワーの回折面を持つDOE221”’と光源側が平面で対物レンズ側が凹面の平凹レンズ222”’との接合レンズで構成されている。
また、軸上色収差補正光学素子22は、投光管2の光路に挿入したときに、488nmと543nmの2つの波長が夫々、これらの波長ごとに異なる対物レンズ3の夫々の後側焦点位置に集光するように、543nmの波長の集光位置を補正する軸上色収差を発生するように構成されている。
その他の光学部材の構成は実施例1の照明装置とほぼ同じである。
【0064】
次に、実施例7の照明装置に用いる投光管を構成する光学部材の数値データを、実施例7における軸上色収差補正光学素子を光路に挿入した状態で示す。
数値データ7(実施例7)
r0=∞ d0=78.353
r1=-20.331 d1=1.5149 nd1=1.6445 νd1=40.82
r2=25.355 d2=3.0119 nd2=1.834 νd2=37.16
r3=-42.1549 d3=0.3487
r4=51.4239 d4=1.7373 nd4=1.8061 νd4=40.95
r5=18.784 d5=3.8661 nd5=1.48749 νd5=70.2
r6=-34.377 d6=20
r7=7.18×107(非球面) d7=0.15 nu=1.0001 νd7=-3.45
r8=∞ d8=3 nd8=1.51633 νd8=64.14
r9=4509.1212 d9=272.85
r10=68.7541 d10=7.7321 nd10=1.48749 νd10=70.2
r11=-37.5679 d11=3.4745 nd11=1.8061 νd11=40.95
r12=-102.8477 d12=0.6973
r13=84.3099 d13=6.0238 nd13=1.834 νd13=37.16
r14=-50.71 d14=3.0298 nd14=1.6445 νd14=40.82
r15=40.6619 d15=157.6152
r16=∞(集光面) d16=0
非球面係数
第7面
k=-1
A=5.97×10-16 B=-1.65×10-17 C=2.20×10-17 D=3.88×10-17
f:7.72×107
L:5.63×102
|f/L|=1.37×105
【0065】
次に、各実施例における基準波長を488nmとしたときの対物レンズの瞳の軸上色収差と投光管の光学系の軸上色収差との関係を次の表3に示す。
表3
【0066】
以上、本発明の照明装置及びそれに用いる投光管の実施例を全反射顕微鏡に用いた例で示したが、これらの実施例以外にも、通常の顕微鏡においてケーラー照明を行なう照明装置及びそれに用いる投光管にも本発明は適用可能である。
図20は通常の顕微鏡に用いた場合の本発明の照明装置及びそれに用いる投光管の一構成例を示す概念図である。
図20の例の顕微鏡は、光源11’からなる光源部1’と、投光管2’と、対物レンズ3を有している。
投光管2’は、コレクトレンズ21’と、軸上色収差補正素子22’と、照明レンズ23’と、開口絞り24’と、視野絞り25’と、照明レンズ26’を有している。
軸上色収差補正光学素子22’は、上記実施例1〜7のいずれかと同様の光学部材で構成されている。また、上記実施例1〜7と同様に、図3に示したような回転円板やスライダを介して光路上に挿脱可能に設けられている。
【0067】
そして、図20に示す照明装置は、軸上色収差補正光学素子22’を光路に挿入しない状態において、光源11’から出射した所定波長(ここでは第1の波長とする)の光が投光管2’の光軸上を通り対物レンズ3の後側焦点位置に一旦集光してから対物レンズ3に集光し、対物レンズ3から出射した光は平行光束となり、標本5がケーラー照明によって照明されるように構成されている。
また、図20に示す照明装置では、軸上色収差補正光学素子22’を光路に挿入した状態において、光源11’から第1の波長とは異なる第2の波長が出射された場合に、第2の波長が投光管2’の光軸上を通り対物レンズ3の後側焦点位置に集光するように、軸上色収差補正光学素子22’が軸上色収差特性を有している。
図20の例の照明装置によれば、通常のケーラー照明による顕微鏡観察を行う場合において、観察に用いる照明波長を変えても、それぞれの波長に関し、対物レンズ3の瞳の色収差分に応じて集光位置を変える軸上色収差補正光学素子22’によって、光源部1の出射端や投光管を構成するレンズ系の位置を光軸方向へ移動する等の調整を行うことなく、標本5へ効率良く光を照射することができる。
【0068】
以上のように、本発明の照明装置及びそれに用いる投光管は、特許請求の範囲に記載された発明の他に、次のような特徴を有している。
【0069】
(1)次の条件式を満足することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の照明装置。
|f/L|>104
但し、fは前記軸上色収差補正光学素子の所定基準波長における焦点距離、Lは前記光源部の出射位置から前記投光管の所定基準波長における集光位置までの長さである。
【0070】
(2)前記軸上色収差補正光学素子は、前記接合面以外の少なくとも1面が、非球面に構成されていることを特徴とする請求項5に記載の照明装置。
【0071】
(3)次の条件式を満足することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の照明装置。
ΔG=|(ν1−ν2)/(n1−n2)|>103
但し、ν1は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記光源部側に配置されたレンズのアッベ数、ν2は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記対物レンズ側に配置されたレンズのアッベ数、n1は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記光源部側に配置されたレンズの屈折率、n2は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記対物レンズ側に配置されたレンズの屈折率である。
【0072】
(4)次の条件式を満足することを特徴とする請求項1〜3、上記(1)、(2)のいずれかに記載の照明装置。
ΔG=|(ν1−ν2)/(n1−n2)|>104
但し、ν1は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記光源部側に配置されたレンズのアッベ数、ν2は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記対物レンズ側に配置されたレンズのアッベ数、n1は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記光源部側に配置されたレンズの屈折率、n2は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記対物レンズ側に配置されたレンズの屈折率である。
【0073】
(5)前記軸上色収差補正光学素子が、回折光学素子(DOE)を有して構成されていることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の照明装置。
【0074】
(6)次の条件式を満足することを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の投光管。
|f/L|>104
但し、fは前記軸上色収差補正光学素子の所定基準波長における焦点距離、Lは前記光源部の出射位置から前記投光管の所定基準波長における集光位置までの長さである。
【0075】
(7)前記軸上色収差補正学素子は、前記接合面以外の少なくとも1面が、非球面に構成されていることを特徴とする請求項12に記載の投光管。
【0076】
(8)次の条件式を満足することを特徴とする上記(6)又は(7)に記載の投光管。
ΔG=|(ν1−ν2)/(n1−n2)|>103
但し、ν1は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記光源部側に配置されたレンズのアッベ数、ν2は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記対物レンズ側に配置されたレンズのアッベ数、n1は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記光源部側に配置されたレンズの屈折率、n2は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記対物レンズ側に配置されたレンズの屈折率である。
【0077】
(9)次の条件式を満足することを特徴とする請求項8〜10、上記(6)、(7)のいずれかに記載の投光管。
ΔG=|(ν1−ν2)/(n1−n2)|>104
但し、ν1は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記光源部側に配置されたレンズのアッベ数、ν2は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記対物レンズ側に配置されたレンズのアッベ数、n1は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記光源部側に配置されたレンズの屈折率、n2は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記対物レンズ側に配置されたレンズの屈折率である。
【0078】
(10)前記軸上色収差補正光学素子が、回折光学素子(DOE)を有して構成されていることを特徴とする上記(6)〜(9)のいずれかに記載の投光管。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明の照明装置及びそれに用いる投光管は、射出瞳位置に照明光を集光する顕微鏡観察等に用いるもので、複数の波長での蛍光を多重観察したときの対物レンズの瞳の色収差に応じた集光レンズの色収差補正ができ、特に、多重波長による全反射蛍光観察を行う顕微鏡に適している。その他、通常のケーラー照明での多重波長による蛍光観察、多重波長による微分干渉観察等を行う顕微鏡にも適している。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の各実施例の照明装置を適用可能な顕微鏡の一例として全反射顕微鏡の概略構成を示す概念図である。
【図2】本発明の各実施例の照明装置に用いる投光管に共通の構成を示す光軸に沿う断面図である。
【図3】本発明の各実施例の照明装置に適用可能な軸上色収差補正光学素子の挿脱ユニットの一例を示す説明図である。
【図4】図2の照明装置において軸上色収差補正光学素子を投光管の光路に挿入しない状態における軸上色収差を示すグラフである。
【図5】回折光学素子(DOE)の説明図であり、(a)は回折光学素子の回折現象による光の屈折状況を表す説明図、(b)は回折光学素子のブレーズ化した状態での断面図、(c)は回折光学素子のバイナリー近似を行った状態での断面図、(d)ウルトラ−ハイ インデックスレンズにおける光の屈折状況を示す説明図である。
【図6】本発明の実施例1にかかる照明装置に用いる軸上色収差補正光学素子の光軸に沿う断面図である。
【図7】本発明の実施例1にかかる照明装置に用いる投光管の、図6の軸上色収差補正光学素子を投光管の光路に挿入した状態における軸上色収差を示すグラフである。
【図8】本発明の実施例2にかかる照明装置に用いる軸上色収差補正光学素子の光軸に沿う断面図である。
【図9】本発明の実施例2にかかる照明装置に用いる投光管の、図8の軸上色収差補正光学素子を投光管の光路に挿入した状態における軸上色収差を示すグラフである。
【図10】本発明の実施例3にかかる照明装置に用いる軸上色収差補正光学素子の光軸に沿う断面図である。
【図11】本発明の実施例3にかかる照明装置に用いる投光管の、図10の軸上色収差補正光学素子を投光管の光路に挿入した状態における軸上色収差を示すグラフである。
【図12】本発明の実施例4にかかる照明装置に用いる軸上色収差補正光学素子の光軸に沿う断面図である。
【図13】本発明の実施例4にかかる照明装置に用いる投光管の、図12の軸上色収差補正光学素子を投光管の光路に挿入した状態における軸上色収差を示すグラフである。
【図14】本発明の実施例5にかかる照明装置に用いる軸上色収差補正光学素子の光軸に沿う断面図である。
【図15】本発明の実施例5にかかる照明装置に用いる投光管の、図14の軸上色収差補正光学素子を投光管の光路に挿入した状態における軸上色収差を示すグラフである。
【図16】本発明の実施例6にかかる照明装置に用いる軸上色収差補正光学素子の光軸に沿う断面図である。
【図17】本発明の実施例6にかかる照明装置に用いる投光管の、図16の軸上色収差補正光学素子を投光管の光路に挿入した状態における軸上色収差を示すグラフである。
【図18】本発明の実施例7にかかる照明装置に用いる軸上色収差補正光学素子の光軸に沿う断面図である。
【図19】本発明の実施例7にかかる照明装置に用いる投光管の、図19の軸上色収差補正光学素子を投光管の光路に挿入した状態における軸上色収差を示すグラフである。
【図20】通常の顕微鏡に用いた場合の本発明の照明装置及びそれに用いる投光管の一構成例を示す概念図である。
【符号の説明】
【0081】
1,1’ 光源部
2,2’ 投光管
3 対物レンズ
4 カバーガラス
5 試料(標本)
11 レーザ光源
11’ 光源
12 光ファイバ
13 マイクロメータ
21 コリメートレンズ
21’ コレクトレンズ
22、22a、22b、22c、22d、21’ 軸上色収差補正光学素子
23、25’ 視野絞り
23’、26’ 照明レンズ
24 フィールドレンズ
24’ 開口絞り
25 回転円板
25a 軸
26 スライダ
211、244 両凹レンズ
212、214、241、243 両凸レンズ
213、221、223 対物レンズ側に凹面を向けた負メニスカスレンズ
242、222’ 光源側に凹面を向けた負メニスカスレンズ
222、224 光源側に凸面を向けた正メニスカスレンズ
221’ 対物レンズ側に凸面を向けた正メニスカスレンズ
221” 光源側に負パワーの回折面を持つDOE
222” 光源側が平面で対物レンズ側が凸面の平凸レンズ
221”’ 光源側に正パワーの回折面を持つDOE
222”’ 光源側が平面で対物レンズ側が凹面の平凹レンズ
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、顕微鏡観察において観察対象を照明するために用いる照明装置及びそれに用いる投光管に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の照明装置は、光源からの光を対物レンズの後側焦点位置に集光させ、対物レンズを介して観察対象に照明するように構成されている。
このような照明装置を備えた顕微鏡では、例えば、倍率の異なる対物レンズへの交換などにより、対物レンズの後側焦点位置が変化する。その結果、照明装置の集光位置と対物レンズの後側焦点位置とがすれるため、光を観察対象に効率よく照明することができない。
そこで、対物レンズの後側焦点位置の変更に合わせて、対物レンズの後側焦点位置と光源の位置とが共役になるように、光源の集光位置を調整することができるようにした照明装置が例えば次の特許文献1に提案されている。
【特許文献1】特開2001−272606号公報(図8)
【0003】
特許文献1に記載の照明装置は、レーザ光源と、光ファイバと、光ファイバを出射した光を試料に照射する照射光学系と、光ファイバから出射されたレーザ光を集光する集光レンズ系と、集光レンズ系あるいは光ファイバを光軸方向に移動させる移動機構とを備え、対物レンズの交換に伴って生じる後側焦点位置の変化に応じて、集光レンズ系或いは光ファイバを光軸方向に移動させることによって集光位置を調整することができるように構成されている。このように構成された特許文献1に記載の照射装置によれば、使用する対物レンズによって後側焦点位置が異なっても、光ファイバから射出されたレーザを常にその対物レンズの後側焦点位置に集光させることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、レンズには色収差があり、レンズを通る波長ごとに焦点位置や集光位置は異なるという特性がある。このため、特許文献1に記載の照明装置を用いても、顕微鏡観察において複数の波長を用いる場合、波長ごとに異なる対物レンズの後側焦点位置にそれぞれの波長を同時に集光させることはできない。
例えば、マルチ染色した試料(標本)を2波長で全反射蛍光顕微鏡観察(TIRFM観察)する場合、特許文献1に記載の照明装置では、一方の波長で対物レンズの後側焦点位置と光ファイバの出射端が共役になるように照明系の調整を行っても、他方の波長における光ファイバの出射端の共役位置は、対物レンズの瞳の色収差が原因で対物レンズの後側焦点位置からずれる。また、照射光学系による集光位置も双方の波長において異なったものとなる。そのため、対物レンズの後側焦点位置からずれた位置に集光した他方の波長の主光線と周辺光線とは、対物レンズを射出する際に平行とはならない。その結果、他方の波長の一部の光線は、カバーガラスと試料との境界で全反射を生じない角度でカバーガラスに入射するため、エバネッセント光を生じさせるための照明光を効率よく発生させることができなくなる。
【0005】
また、例えば、通常のケーラー照明による顕微鏡観察を行うような場合においても、照明波長を変えた場合、対物レンズの後側焦点位置が異なることによって標本位置での照明光束の大きさや強度が変わり、標本へ効率良く光を照射することができなくなる。このため、特許文献1に記載の照明装置では、照明波長を変えた場合には、集光レンズ系や光ファイバを光軸方向に移動して、照明波長ごとに対物レンズの後側焦点位置と光ファイバの出射端が共役になるように集光位置の調整を行うことによって照明光束の大きさや強度を調整する必要がある。しかし、観察対象によって異なる照明波長を用いる毎に、その都度、集光レンズ系や光ファイバを光軸方向に移動して集光位置を調整するのでは操作が煩雑となってしまう。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑みてさなれたものであり、簡単な操作で、異なる波長で観察しても対物レンズの後側焦点位置の変化による影響を受けることなく、標本に対して照明効率の高い照明を実現できる照明装置及びそれに用いる投光管を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明による照明装置は、光源部と、光源部からの光を対物レンズへ向けて集光する投光管を有し、前記光のうち少なくとも2つの波長が夫々、これらの波長ごとに異なる前記対物レンズの夫々の後側焦点位置に集光するように、前記投光管を構成する光学系全体の軸上色収差を補正する軸上色収差補正光学素子を、前記投光管の内部に備えたことを特徴としている。
【0008】
また、本発明の照明装置においては、前記軸上色収差補正光学素子を前記投光管内に挿脱可能に備えるのが好ましい。
【0009】
また、本発明の照明装置においては、前記投光管が、光源側から順に、コリメートレンズと、視野絞りと、フィールドレンズを有し、前記軸上色収差補正光学素子を前記コリメートレンズと視野絞りとの間に備えるのが好ましい。
【0010】
また、本発明の照明装置においては、次の条件式を満足するのが好ましい。
|f/L|>103
但し、fは前記軸上色収差補正光学素子の所定基準波長における焦点距離、Lは前記光源部の出射位置から前記投光管の所定基準波長における集光位置までの長さである。
【0011】
また、本発明の照明装置においては、前記軸上色収差補正光学素子が、負パワーを持つレンズと正パワーを持つレンズとの接合レンズからなり、且つ、接合面に曲率を有しているのが好ましい。
【0012】
また、本発明の照明装置においては、前記軸上色収差補正光学素子が、次の条件式を満足するのが好ましい。
ΔG=|(ν1−ν2)/(n1−n2)|>103
但し、ν1は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記光源部側に配置されたレンズのアッベ数、ν2は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記対物レンズ側に配置されたレンズのアッベ数、n1は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記光源部側に配置されたレンズの屈折率、n2は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記対物レンズ側に配置されたレンズの屈折率である。
【0013】
また、本発明の照明装置においては、前記軸上色収差補正光学素子が、回折光学素子(DOE)を有して構成されているのが好ましい。
【0014】
また、本発明による投光管は、光源部を有する照明装置に用いられ、該光源部からの光を対物レンズへ向けて集光する投光管であって、前記光のうち少なくとも2つの波長が夫々、これらの波長ごとに異なる前記対物レンズの夫々の後側焦点位置に集光するように、これらの波長の集光位置を補正する軸上色収差補正光学素子を管の内部に備えたことを特徴としている。
【0015】
また、本発明の投光管においては、前記軸上色収差補正光学素子を前記投光管内に挿脱可能に備えるのが好ましい。
【0016】
また、本発明の投光管においては、光源側から順に、コリメートレンズと、視野絞りと、フィールドレンズを有するとともに、前記軸上色収差補正光学素子を前記コリメートレンズと視野絞りとの間に備えるのが好ましい。
【0017】
また、本発明の投光管においては、次の条件式を満足するのが好ましい。
|f/L|>103
但し、fは前記軸上色収差補正光学素子の所定基準波長における焦点距離、Lは前記光源部の出射位置から前記投光管の所定基準波長における集光位置までの長さである。
【0018】
また、本発明の投光管においては、前記軸上色収差補正光学素子が、負パワーを持つレンズと正パワーを持つレンズとの接合レンズからなり、且つ、接合面に曲率を有するのが好ましい。
【0019】
また、本発明の投光管においては、前記軸上色収差補正光学素子が、次の条件式を満足するのが好ましい。
ΔG=|(ν1−ν2)/(n1−n2)|>103
但し、ν1は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記光源部側に配置されたレンズのアッベ数、ν2は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記対物レンズ側に配置されたレンズのアッベ数、n1は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記光源部側に配置されたレンズの屈折率、n2は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記対物レンズ側に配置されたレンズの屈折率である。
【0020】
また、本発明の投光管においては、前記軸上色収差補正光学素子が、回折光学素子(DOE)を有して構成されているのが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、簡単な操作で、異なる波長で観察しても対物レンズの後側焦点位置の変化による影響を受けることなく、標本に対して照明効率の高い照明を実現できる照明装置及びそれに用いる投光管が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
実施例の説明に先立ち、本発明の作用効果について説明する。
本発明の照明装置及びそれに用いる投光管では、光源部と、光源部からの光を対物レンズへ向けて集光する投光管を有し、前記光のうち少なくとも2つの波長が夫々、これらの波長ごとに異なる対物レンズの夫々の後側焦点位置に集光するように、前記投光管を構成する光学系全体の軸上色収差を補正する軸上色収差補正光学素子を、投光管の内部に備えた構成となっている。
対物レンズの瞳の色収差により、対物レンズを通過する波長ごとに焦点位置が異なる。また、照明装置を構成するレンズの色収差により、照明装置を構成するレンズを通過する波長ごとに集光位置が異なる。このため、例えば、マルチ染色した試料(標本)を2波長で全反射蛍光顕微鏡観察(TIRFM観察)する場合、従来の照明装置では、2波長のそれぞれにおける対物レンズの後側焦点位置と光ファイバの出射端とが同時に共役となるように照明系を調整することはできない。
【0023】
例えば、全反射蛍光観察では、レーザ光源と光ファイバを備えた光源部と、投光管と、対物レンズを有する顕微鏡を用いて、カバーガラスと、試料(標本)が入った液体との間の屈折率差を利用し、レーザ光を全反射させる。そして、このときに液体側に数100nmしみだすエバネッセント光を励起光としてカバーガラスの極く近傍に位置する試料中の蛍光分子のみを励起し、励起された蛍光を観察光学系を介して観察する。この場合における試料への照明は、レーザ光を対物レンズの後方から光軸に平行に入射させ、対物レンズの先端から角度をつけて出射させることによって行う。
このとき、従来の顕微鏡において、照明に用いるレーザ光の波長が1種類の場合には、対物レンズからの出射光が平行となるように照明系の調整を行なえば、主光線から周辺光線までのいずれのレーザ光線もカバーガラス面に対して同じ角度で入射し、カバーガラスと標本との境界面の照射範囲においてムラなく全反射し、エバネッセント光を発生させるために効率のよい照明となる。
【0024】
しかし、マルチ染色した試料(標本)を2波長同時に全反射蛍光顕微鏡観察(TIRFM観察)する場合、一方の波長で対物レンズの後側焦点位置と光ファイバの出射端が共役になるように照明系の調整を行うと、他方の波長における光ファイバの出射端の共役位置は、対物レンズの瞳の色収差が原因で対物レンズの後側焦点位置からずれる。このため、一方の波長で対物レンズの後側焦点位置と光ファイバの出射端とが共役になるように調整しても、他方の波長では対物レンズの後側焦点位置と光ファイバの出射端とが共役にはならない。そして、この対物レンズの後側焦点位置からずれた位置に集光した他方の波長の主光線と周辺光線とは、対物レンズを射出する際に平行とはならない。
その結果、他方の波長の一部の光線がカバーガラスと標本との境界面で全反射しないで透過してしまい、エバネッセント光を生じさせるための照明光を効率よく照射することができなくなる。
【0025】
しかるに、本発明の照明装置及びそれに用いる投光管のように、複数の波長に関し、対物レンズの瞳の色収差を原因とする後側焦点位置のずれに応じて、集光位置を変えるように投光管を構成する光学系全体の軸上色収差を補正する軸上色収差補正光学素子を投光管の内部に備えれば、夫々の所定波長において主光線と周辺光線とが、対物レンズを射出する際に平行となる。
このため、マルチ染色した試料(標本)を2波長で全反射蛍光顕微鏡観察(TIRFM観察)場合、その2波長に関し、対物レンズの瞳の色収差分に応じて、集光位置を変えるようにした軸上色収差補正光学素子を光路に備えれば、それぞれの波長の照明光をカバーガラスと試料に対し、エバネッセント光を生じさせるために効率よく照射することができる。
【0026】
また、本発明の照明装置及びそれに用いる投光管によれば、通常のケーラー照明による顕微鏡観察を行う場合において、観察に用いる照明波長を変えても、それぞれの波長に関し、対物レンズの瞳の色収差分に応じて集光位置を変える軸上色収差補正光学素子によって、光ファイバの出射端や集光レンズ系の位置を光軸方向へ移動する等の集光調整を行うことなく、標本へ効率良く光を照射することができる。
【0027】
また、本発明の照明装置及びそれに用いる投光管において、光学素子を投光管内に挿脱可能に備えれば、例えば多重波長によるTIRFM観察に用いる波長の組み合わせを変更するような場合、その波長の組み合わせに応じた軸上色収差特性を持つ軸上色収差補正光学素子を投光管の光路に入れ替えるだけの簡単な操作で、それぞれ波長における対物レンズの後側焦点位置に励起光を集光させることができる。
なお、挿脱可能な構成としては、例えば、夫々異なる波長に対応して夫々異なる収差特性を持つ複数種類の軸上色収差補正光学素子を回転円板やスライダに設けて、回転円板を回転させるか、或いはスライダを移動させることで、所望の収差特性を持つ軸上色収差補正光学素子が投光管の光路上に位置するようにすればよい。
【0028】
また、本発明の照明装置及びそれに用いる投光管において、前記投光管が、光源側から順に、コリメートレンズと、視野絞りと、フィールドレンズを有し、前記軸上色収差補正光学素子を前記コリメートレンズと視野絞りとの間に備えれば、瞳追跡光線の光線高が高くなる。このため、波長ごとに異なる対物レンズの後側焦点位置に合う位置に集光するための所望の軸上色収差を、投光管を構成する光学系に効率よく発生させて、集光位置を補正させ易くなる。
また、前記軸上色収差補正光学素子を前記コリメートレンズと視野絞りとの間に備えれば、視野絞りの像ボケがない。このため、マルチカラーによる観察をする場合に、絞りの色づきがなくて済む。また、前記軸上色収差補正光学素子を前記コリメートレンズと視野絞りとの間に備えれば、これらの間ではいずれの位置に配置しても前記軸上色収差補正光学素子に入射する光束の径が同じになる。このため、前記軸上色収差補正光学素子の光軸方向の配置スペースを広くとることができる。
【0029】
また、本発明の照明装置及びそれに用いる投光管においては、次の条件式(1)を満足するように構成するのが好ましい。
|f/L|>103 …(1)
但し、fは前記軸上色収差補正光学素子の所定基準波長における焦点距離、Lは前記光源部の出射位置から前記投光管の所定基準波長における集光位置までの長さである。
【0030】
本発明に用いる軸上色収差補正光学素子には、基準となる波長の集光位置を変えることなく所望の波長の集光位置を補正するために、焦点距離が長く、パワーを持たない特性を有することが求められる。条件式(1)は、それを満足するための条件である。
条件式(1)を満足すれば、軸上色収差補正光学素子を投光管の光路に挿脱しても、光源部の出射端から対物レンズに至るまでの長さがほとんど変化しない。このため、軸上色収差補正光学素子を、投光管の光路に挿脱したり、投光管の光路に挿入する軸上色収差補正光学素子を交換しても、光ファイバの出射端や投光管を移動させる構成する光学系の位置を調整しなくて済む。
また、軸上色収差補正光学素子のパワーが大きいと、偏心による光軸ずれが大きくなってしまう。しかし、本発明のように、条件式(1)を満足するように、軸上色収差補正光学素子のパワーを小さくすれば、偏心の影響を受けにくくなる。
また、本発明のように、条件式(1)を満足するように、軸上色収差補正光学素子のパワーを小さくすれば、像位置や倍率を変えることなく、対物レンズの色収差を原因とする後側焦点位置に集光するように、色収差を発生させることができる。
【0031】
つまり、軸上色収差補正光学素子のパワーが条件式(1)を下回る程度に大きいと、軸上色収差補正光学素子を光路に出し入れする際に、光ファイバの出射端等、光源部の出射端との共役位置が変化するため、光ファイバや投光管を光軸方向に移動させることが必要になる。
しかるに、本発明のように、軸上色収差補正光学素子のパワーが条件式(1)を満足する程度に小さくすれば、光ファイバや投光管を移動させる必要がない。
【0032】
更に、本発明の照明装置及びそれに用いる投光管においては、次の条件式(1-1)を満足するのが、像位置や倍率を変えることなく、対物レンズの色収差を原因とした後側焦点位置に集光するように、色収差を発生させるために、より一層好ましい。
|f/L|>104 …(1-1)
但し、fは前記軸上色収差補正光学素子の所定基準波長における焦点距離、Lは前記光源部の出射位置から前記投光管の所定基準波長における集光位置までの長さである。
【0033】
また、本発明の照明装置及びそれに用いる投光管において、前記軸上色収差補正光学素子を、負パワーを持つレンズと正パワーを持つレンズとを接合し、且つ、接合面に曲率を有した構成とすれば、軸上色収差補正光学素子の構成を非常に単純化することができる。また、対物レンズの瞳の軸上色収差に対応した位置に投光管の光学系からの光を集光させるための軸上色収差を接合面で発生させることができ、集光位置が調整し易くなる。
【0034】
また、本発明の照明装置及びそれを備えた投光管において、前記軸上色収差補正光学素子を、接合面以外の少なくとも1面に非球面を備えて構成すれば、投光管の光学系で発生する球面収差を補正することができ、対物レンズの後側焦点位置に集光するスポット径の広がりを抑えることができる。
全反射顕微鏡観察では、対物レンズからのレーザ出射角度(試料への入射角)の最大値は対物レンズの開口数(NA)によって定まり、全反射するためには、「対物レンズのNAが、標本の屈折率よりも大きいこと」が絶対条件となる。
細胞の屈折率は1.37〜1.38である。このため、レーザ光を全反射させるには、対物レンズの開口数NAが1.4以上の極めて狭い領域にレーザ光を集光させる必要がある。
しかるに、本発明の照明装置及びそれを備えた投光管において、軸上色収差補正光学素子が、接合面以外の少なくとも1面に非球面を備えれば、集光スポット径を小さくすることができる。このため、全反射しない領域にレーザ光が広がることなく、観察に必要な範囲を効率よく照明できる。
【0035】
接合面を非球面で構成した場合、上述のように対物レンズの色収差による後側焦点位置のずれに対応した位置に、投光管を経た光が集光するように、色収差を発生させることができる一方、球面収差を補正することはできない。即ち、本発明に用いる焦点位置補正光学素子は、接合レンズ同士の屈折率差を非常に小さくして、パワーを極力少なくした状態で色収差を発生させている。このため、球面収差を補正する能力は低い。しかるに、接合面でない空気に接した面を非球面にすれば、屈折率差が大きくなるため、球面収差を効率よく補正することができる。
【0036】
また、本発明の照明装置及びそれに用いる投光管においては、前記軸上色収差補正光学素子における接合レンズのアッベ数と屈折率の関係ΔGが、次の条件式(2)を満足するのが好ましい。
ΔG=|(ν1−ν2)/(n1−n2)|>103 …(2)
但し、ν1は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記光源部側に配置されたレンズのアッベ数、ν2は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記対物レンズ側に配置されたレンズのアッベ数、n1は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記光源部側に配置されたレンズの屈折率、n2は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記対物レンズ側に配置されたレンズの屈折率である。
【0037】
条件式(2)を満足する程度にアッベ数の差の絶対値△ν(=|ν1−ν2|)が大きくなるようにすれば、色収差の発生量が多くなる。このため、曲率をきつくする必要が無くて済み、接合レンズのパワーを大きくさせずに済む。
また、条件式(2)を満足する程度に屈折率差の絶対値△n(=|(n1−n2)|)が小さくなるようにすれば、接合レンズのパワーが大きくならない。このため、平行平面ガラスとしての作用をし、すなわち球面収差補正として作用する。
【0038】
更に、次の条件式(2-1)を満足するのがより好ましい。
ΔG=|(ν1−ν2)/(n1−n2)|>104 …(2-1)
但し、ν1は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記光源部側に配置されたレンズのアッベ数、ν2は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記対物レンズ側に配置されたレンズのアッベ数、n1は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記光源部側に配置されたレンズの屈折率、n2は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記対物レンズ側に配置されたレンズの屈折率である。
【0039】
また、本発明の照明装置及びそれに用いる投光管において、前記軸上色収差補正光学素子を、回折光学素子(DOE)を有して構成する、例えば、レンズと、DOEとを用いて構成するのが好ましい。
DOEを用いれば、軸上色収差補正光学素子の基盤に厚みを持たせずに済む。このため、軸上色収差補正光学素子の投光管内の光路への挿脱が容易となる。また、軸上色収差補正光学素子に、高価な非球面ガラスを使わないで球面収差の補正が可能となる。
【0040】
なお、回折型光学素子(DOE)を用いた従来の光学系としては、特開昭63−77003号、特開昭63−155432号、特開昭59−33636号、特開昭60−247611号、特開平2−1109号、特開平4−361201号の各公報に記載されたもの等がある。
又前記の回折現象を利用した回折型光学素子即ちディフラクチブ オプティクス エレメンツ[Diffractive Optics Elements(DOE)]は、オプトロニクス社発行の「光学デザイナーのための光学エレメント」第6,第7章、およびWilliam C.Sweatt著『NEWMETHODS OF DESIGNING HOLOGRAPHIC OPTICAL ELEMENTS』(SPIE.VOL.126,P46−53,1977)等に記載されているが、その原理を簡単に述べると下記の通りである。
通常の光学ガラスは、次の式(3)で表わされるスネルの法則に従って屈折する。
nsinθ=n’sinθ’ …(3)
但し、nは入射側媒質の屈折率、n’は出射側媒質の屈折率、θは光線の入射角、θ’は光線の出射角である。
一方、回折現象では、図5(a)に示すように、光は次の式(4)で表わす回折の法則にしたがって曲げられる。
nsinθ−n’sinθ’=mλ/d …(4)
但し、mは回折光の次数、λは波長、dは格子間隔である。
上記の式(4)に従って光線を屈折させるようにした光学素子が回折型光学素子である。尚、図5(a)では遮蔽部と透過部が間隔dで並設されたものを示したが、図5(b)に示すように透明体の表面に断面鋸歯状の回折面を設けてブレーズ化するか、図5(c)に示すようにそのバイナリー近似を行うと高い回折効率を得ることが出来る。
【0041】
以下、本発明の実施例を図面を用いて説明する。
まず、以下の各実施例において、共通の構成について説明する。
図1は本発明の各実施例の照明装置を適用可能な顕微鏡の一例として全反射顕微鏡の概略構成を示す概念図、図2は本発明の各実施例の照明装置に用いる投光管に共通の構成を示す光軸に沿う断面図である。図3は本発明の各実施例の照明装置に適用可能な軸上色収差補正光学素子の挿脱ユニットの一例を示す説明図である。図4は図2の照明装置において軸上色収差補正光学素子を投光管の光路に挿入しない状態における軸上色収差を示すグラフである。
図1の顕微鏡は、レーザ光源11と光ファイバ12を備えた光源部1と、投光管2と、対物レンズ3を有している。このような全反射顕微鏡では、レーザ光源11から出射し光ファイバ12を経たレーザ光を、その光軸が投光管2の光軸に平行となるように、投光管2を介して対物レンズ3の後方から入射させることによって、対物レンズ3の先端から角度をつけて出射させ、カバーガラス4と、試料(標本)5が入った液体との間の屈折率差を利用し、レーザ光を全反射させる。このとき液体側に数100nmしみだすエバネッセント光を励起光としてカバーガラスの極く近傍に位置する試料中の蛍光分子のみが励起される。この励起された蛍光を図示省略した観察光学系で観察するように構成されている。
【0042】
本発明の各実施例の照明装置は、図1の顕微鏡における光源部1と、光源部1からの光を対物レンズ3へ向けて集光する投光管2を有している。また、投光管2の内部には、軸上色収差補正光学素子22が投光管2の光路に挿脱可能に備えられている。
光源部1は、レーザ装置11と光ファイバ12とを有して構成されている。光ファイバ12にはマイクロメータ13が設けられている。マイクロメータ13は、投光管2の内部の光学系の光軸に垂直な方向に光ファイバ12を移動させるようになっている。そして、図1の照明装置では、マイクロメータ13を介して、投光管2の内部の光学系の光軸上に光ファイバ12の出射端が位置するときに、通常のケーラー照明が行うことができ、光軸から平行にずれて位置するときに、全反射照明が行うことができるように構成されている。
【0043】
投光管2は、図2に示すように、コリメートレンズ21と、軸上色収差補正光学素子22と、視野絞り23と、フィールドレンズ24を有している。なお、図2の投光管では、便宜上、図1に示すミラーを備えていないが、図1に示すミラーを備えた投光管と等価な構成となっている。
コリメートレンズ21は、光源側から順に、両凹レンズ211と両凸レンズ212との接合レンズと、対物レンズ側に凹面を向けた負メニスカスレンズ213と両凸レンズ214との接合レンズとで構成されている。
フィールドレンズ24は、光源側から順に、両凸レンズ241と光源側に凹面を向けた負メニスカスレンズ242との接合レンズと、両凸レンズ243と両凹レンズ244との接合レンズとで構成されている。
【0044】
軸上色収差補正光学素子22は、投光管2の光路に挿入したときに、少なくとも2つの波長が夫々、これらの波長ごとに異なる対物レンズ3の夫々の後側焦点位置に集光するように、所定波長の集光位置を補正する軸上色収差を生じる光学特性を有している。
また、各実施例の投光管2は、図3(a)に示すように、夫々異なる波長に対応して対物レンズの瞳の後側焦点位置に投光管の光学系からの光を集光させるように、夫々異なる軸上色収差特性を持つ複数種類の軸上色収差補正光学素子22a〜22dを着脱可能な回転円板25を備えている。そして、回転円板25を軸25aを中心に回転させることで、所望の収差特性を持つ軸上色収差補正光学素子を投光管の光路上に挿脱することができるようになっている。なお、各実施例の投光管2において、回転円板25の代わりに、例えば図3(b)に示すようなスライダ26を用いて所望の収差特性を持つ軸上色収差補正光学素子22a,22bを光路上に挿脱するようにしてもよい。
【0045】
また、各実施例の照明装置では、組み合わせる対物レンズ3として、波長488nmにおける後側焦点位置を基準としたときの、波長と対物レンズの後側焦点位置のずれ(対物レンズの瞳の軸上色収差)との関係が次の表1に示す特性を持つ60倍対物レンズを用いた。
表1
また、各実施例の照明装置において、軸上色収差補正光学素子22以外の光学系(コリメートレンズ21、視野絞り23、フィールドレンズ24)は全体で、投光管2に軸上色収差補正光学素子22を挿入していない状態での波長488nmにおける後側焦点位置を基準としたときの、波長と投光管2の光学系の集光位置のずれ(投光管2の光学系全体の軸上色収差)との関係が、次の表2に示す特性を持つように構成されている。
表2
表1,2からわかるように、各実施例の照明装置は、軸上色収差補正光学素子22を投光管2の光路に挿入していない状態において、488nmの波長のみが対物レンズ3の後側焦点位置に集光するように構成されており、それ以外の波長の集光位置は、夫々の波長における対物レンズ3の後側焦点位置とは一致しない。
【0046】
次に、各実施例の照明装置に用いる投光管を構成する光学部材の数値データを、各実施例における軸上色収差補正光学素子を光路に挿入しない状態で示す。
なお、数値データ中、r1、r2、・・・は投光管を構成する光学部材の曲率半径、d1、d2、・・・は投光管を構成する光学部材の面間隔、nd1、nd2は投光管を構成するレンズのd線の屈折率、νd1、νd2は投光管を構成するレンズのd線におけるアッベ数、Lは光ファイバの出射端から投光管を構成する光学系の波長488nmにおける集光位置までの長さである。
これらの記号は、以下の各実施例の数値データにおいて共通である。
【0047】
数値データ0(各実施例共通:軸上色収差補正光学素子を光路に挿入しない状態)
r0=∞ d0=78.353
r1=-20.331 d1=1.5149 nd1=1.6445 νd1=40.82
r2=25.355 d2=3.0119 nd2=1.834 νd2=37.16
r3=-42.1549 d3=0.3487
r4=51.4239 d4=1.7373 nd4=1.8061 νd4=40.95
r5=18.784 d5=3.8661 nd5=1.48749 νd5=70.2
r6=-34.377 d6=296
r7=68.7541 d7=7.7321 nd7=1.48749 νd7=70.2
r8=-37.5679 d8=3.4745 nd8=1.8061 νd8=40.95
r9=-102.8477 d9=0.6973
r10=84.3099 d10=6.0238 nd10=1.834 νd10=37.16
r11=-50.71 d11=3.0298 nd11=1.6445 νd11=40.82
r12=40.6619 d12=157.6152
r13=∞(集光面) d13=0
L:5.63×102
【0048】
また、本発明の以下の実施例において用いられる回折型光学素子(DOE)は上述した通りのものであるが、このような回折型光学素子を含む光学系の設計法として、ウルトラ−ハイ インデックス法(ultrahighindex methods)と呼ばれるものが知られている。これは、回折型光学素子を屈折率をきわめて大きい仮想的なレンズ(ウルトラーハイインデックス レンズ)に置き換えて設計する方法である。このことについては、SPIE 126巻46−53頁(1977年)に記載されているが図5(d)を用いて簡単に説明する。図5(d)において、1はウルトラ−ハイ インデックスレンズ、2は法線である。このウルトラ−ハイ インデックス レンズにおいては、次の式(5)で表わされる関係が成立つ。
(nU−1)dz/dh=nsinθ−n’sinθ’ …(5)
但し、nUはウルトラ−ハイ インデックス レンズの屈折率、zはウルトラ−ハイ インデックス レンズの光軸方向の座標、hは光軸からの距離、n,n’はそれぞれ入射側媒質および射出側媒質の屈折率、θ,θ’は光線の入射角および射出角である。なお、後に示す実施例の数値データ(実施例6、7における数値データ6、7)ではnU=10001としている。上記式(4)および式(5)から次の式(6)が求まる。
(nU−1)dz/dh=mλ/d …(6)
即ち、ウルトラ−ハイ インデックス レンズ(屈折率が極めて大きい屈折型レンズ)の面形状と回折型光学素子のピッチとの間には式(6)で与えられる等価関係が成立し、この式を通じてウルトラ−ハイ インデックス 法で設計したデータから回折型光学素子のピッチを定めることができるのである。
【0049】
また、一般的な軸対称非球面は、下記のように表わすことができる。
z=ch2/[{1−c2(k+1)h2}1/2]+Ah4+Bh6+Ch8+Dh10+・・・・
…(7)
但し、zは光軸(像の方向を正)、hは面とz軸との交点を原点としz軸に直交した座標軸のうちメリジオナル方向の座標軸、cは基準面の曲率、kは円錐定数でA,B,C,D・・・は夫々,4次,6次,8次,10次,・・・の非球面係数である。
【0050】
また、式(6),(7)より、ある光線高における上記非球面と等価の回折型光学素子のピッチdは、次の式(8)で表わされる。
d=mλ/[(n−1){ch/(1−c2(1+k)h2)1/2+4Ah3+
6Bh5+8Ch7+10Dh9+・・・・}] …(8)
なお、以下の各実施例では、非球面項は10次まで使用しているが、12次,14次,・・・の非球面項を使用してもよい。
【実施例1】
【0051】
図6は本発明の実施例1にかかる照明装置に用いる軸上色収差補正光学素子の光軸に沿う断面図、図7は本発明の実施例1にかかる照明装置に用いる投光管の、図6の軸上色収差補正光学素子を投光管の光路に挿入した状態における軸上色収差を示すグラフである。
実施例1の照明装置では、軸上色収差補正光学素子22は、光源側から順に、対物レンズ側に凹面を向けた負メニスカスレンズ221と、光源側に凸面を向けた正メニスカスレンズ222との接合レンズで構成されている。
また、軸上色収差補正光学素子22は、投光管2の光路に挿入したときに、488nmと405nmの2つの波長が夫々、これらの波長ごとに異なる対物レンズ3の夫々の後側焦点位置に集光するように、405nmの波長の集光位置を補正する軸上色収差を発生するように構成されている。
【0052】
次に、実施例1の照明装置に用いる投光管を構成する光学部材の数値データを、実施例1における軸上色収差補正光学素子を光路に挿入した状態で示す。
なお、fは軸上色収差補正光学素子の波長488nmにおける焦点距離である。この記号は、以下の各実施例の数値データにおいて共通である。
数値データ1(実施例1)
r0=∞ d0=78.353
r1=-20.331 d1=1.5149 nd1=1.6445 νd1=40.82
r2=25.355 d2=3.0119 nd2=1.834 νd2=37.16
r3=-42.1549 d3=0.3487
r4=51.4239 d4=1.7373 nd4=1.8061 νd4=40.95
r5=18.784 d5=3.8661 nd5=1.48749 νd5=70.2
r6=-34.377 d6=20
r7=-5723.3204 d7=3 nd7=1.58913 νd7=61.1
r8=288.9202 d8=3 nd8=1.58921 νd8=41
r9=-6496.2042 d9=270
r10=68.7541 d10=7.7321 nd10=1.48749 νd10=70.2
r11=-37.5679 d11=3.4745 nd11=1.8061 νd11=40.95
r12=-102.8477 d12=0.6973
r13=84.3099 d13=6.0238 nd13=1.834 νd13=37.16
r14=-50.71 d14=3.0298 nd14=1.6445 νd14=40.82
r15=40.6619 d15=157.6152
r16=∞(集光面) d16=0
f:−7.09×107
L:5.63×102
|f/L|=1.26×105
ΔG=2.51×105
【実施例2】
【0053】
図8は本発明の実施例2にかかる照明装置に用いる軸上色収差補正光学素子の光軸に沿う断面図、図9は本発明の実施例2にかかる照明装置に用いる投光管の、図8の軸上色収差補正光学素子を投光管の光路に挿入した状態における軸上色収差を示すグラフである。
実施例2の照明装置では、軸上色収差補正光学素子22は、光源側から順に、対物レンズ側に凸面を向けた正メニスカスレンズ221’と、光源側に凹面を向けた負メニスカスレンズ222’との接合レンズで構成されている。
また、軸上色収差補正光学素子22は、投光管2の光路に挿入したときに、488nmと543nmの2つの波長が夫々、これらの波長ごとに異なる対物レンズ3の夫々の後側焦点位置に集光するように、543nmの波長の集光位置を補正する軸上色収差を発生するように構成されている。
その他の光学部材の構成は実施例1の照明装置とほぼ同じである。
【0054】
次に、実施例2の照明装置に用いる投光管を構成する光学部材の数値データを、実施例2における軸上色収差補正光学素子を光路に挿入した状態で示す。
数値データ2(実施例2)
r0=∞ d0=78.353
r1=-20.331 d1=1.5149 nd1=1.6445 νd1=40.82
r2=25.355 d2=3.0119 nd2=1.834 νd2=37.16
r3=-42.1549 d3=0.3487
r4=51.4239 d4=1.7373 nd4=1.8061 νd4=40.95
r5=18.784 d5=3.8661 nd5=1.48749 νd5=70.2
r6=-34.377 d6=20
r7=-7359.9135 d7=3 nd7=1.58913 νd7=61.1
r8=-148.6175 d8=3 nd8=1.58921 νd8=41
r9=-5769.1511 d9=270
r10=68.7541 d10=7.7321 nd10=1.48749 νd10=70.2
r11=-37.5679 d11=3.4745 nd11=1.8061 νd11=40.95
r12=-102.8477 d12=0.6973
r13=84.3099 d13=6.0238 nd13=1.834 νd13=37.16
r14=-50.71 d14=3.0298 nd14=1.6445 νd14=40.82
r15=40.6619 d15=157.6152
r16=∞(集光面) d16=0
f:−7.58×107
L:5.63×102
|f/L|=1.34×105
ΔG=2.51×105
【実施例3】
【0055】
図10は本発明の実施例3にかかる照明装置に用いる軸上色収差補正光学素子の光軸に沿う断面図、図11は本発明の実施例3にかかる照明装置に用いる投光管の、図10の軸上色収差補正光学素子を投光管の光路に挿入した状態における軸上色収差を示すグラフである。
実施例3の照明装置では、軸上色収差補正光学素子22は、光源側から順に、対物レンズ側に凸面を向けた正メニスカスレンズ221’と、光源側に凹面を向けた負メニスカスレンズ222’との接合レンズで構成されている。
また、軸上色収差補正光学素子22は、投光管2の光路に挿入したときに、488nmと633nmの2つの波長が夫々、これらの波長ごとに異なる対物レンズ3の夫々の後側焦点位置に集光するように、633nmの波長の集光位置を補正する軸上色収差を発生するように構成されている。
【0056】
次に、実施例3の照明装置に用いる投光管を構成する光学部材の数値データを、実施例3における軸上色収差補正光学素子を光路に挿入した状態で示す。
数値データ3(実施例3)
r0=∞ d0=78.353
r1=-20.331 d1=1.5149 nd1=1.65535 νd1=40.82
r2=25.355 d2=3.0119 nd2=1.84944 νd2=37.16
r3=-42.1549 d3=0.3487
r4=51.4239 d4=1.7373 nd4=1.81961 νd4=40.95
r5=18.784 d5=3.8661 nd5=1.49218 νd5=70.2
r6=-34.377 d6=20
r7=-8093.0997 d7=3 nd7=1.58913 νd7=61.1
r8=-99.2828 d8=3 nd8=1.58921 νd8=41
r9=-5551.3679 d9=270
r10=68.7541 d10=7.7321 nd10=1.48749 νd10=70.2
r11=-37.5679 d11=3.4745 nd11=1.8061 νd11=40.95
r12=-102.8477 d12=0.6973
r13=84.3099 d13=6.0238 nd13=1.834 νd13=37.16
r14=-50.71 d14=3.0298 nd14=1.6445 νd14=40.82
r15=40.6619 d15=157.6152
r16=∞(集光面)
f:−7.34×107
L:5.63×102
|f/L|=1.30×105
ΔG=2.51×105
【実施例4】
【0057】
図12は本発明の実施例4にかかる照明装置に用いる軸上色収差補正光学素子の光軸に沿う断面図、図13は本発明の実施例4にかかる照明装置に用いる投光管の、図12の軸上色収差補正光学素子を投光管の光路に挿入した状態における軸上色収差を示すグラフである。
実施例4の照明装置では、軸上色収差補正光学素子22は、光源側から順に、対物レンズ側に凹面を向けた負メニスカスレンズ221と、光源側に凸面を向けた正メニスカスレンズ222との接合レンズで構成されている。軸上色収差補正光学素子22の接合面は、非球面に形成されている。
また、軸上色収差補正光学素子22は、投光管2の光路に挿入したときに、488nmと405nmの2つの波長が夫々、これらの波長ごとに異なる対物レンズ3の夫々の後側焦点位置に集光するように、405nmの波長の集光位置を補正する軸上色収差を発生するように構成されている。
その他の光学部材の構成は実施例1の照明装置とほぼ同じである。
【0058】
次に実施例4の照明装置に用いる投光管を構成する光学部材の数値データを、実施例4における軸上色収差補正光学素子を光路に挿入した状態で示す。
数値データ4(実施例4)
r0=∞ d0=78.353
r1=-20.331 d1=1.5149 nd1=1.65535 νd1=40.82
r2=25.355 d2=3.0119 nd2=1.84944 νd2=37.16
r3=-42.1549 d3=0.3487
r4=51.4239 d4=1.7373 nd4=1.81961 νd4=40.95
r5=18.784 d5=3.8661 nd5=1.49218 νd5=70.2
r6=-34.377 d6=20
r7=-5723.3281 d7=3 nd7=1.58913 νd7=61.1
r8=288.9203(非球面) d8=3 nd8=1.58921 νd8=41
r9=-6496.1943 d9=270
r10=68.7541 d10=7.7321 nd10=1.48749 νd10=70.2
r11=-37.5679 d11=3.4745 nd11=1.8061 νd11=40.95
r12=-102.8477 d12=0.6973
r13=84.3099 d13=6.0238 nd13=1.834 νd13=37.16
r14=-50.71 d14=3.0298 nd14=1.6445 νd14=40.82
r15=40.6619 d15=157.6152
r16=∞(集光面)
非球面係数
第8面
k=-1
A=-5.91×10-9 B=-1.08×10-9 C=-9.76×10-12 D=9.03×10-13
f:-7.23×107
L:5.63×102
|f/L|=1.28×105
ΔG=2.03×101
【実施例5】
【0059】
図14は本発明の実施例5にかかる照明装置に用いる軸上色収差補正光学素子の光軸に沿う断面図、図15は本発明の実施例5にかかる照明装置に用いる投光管の、図14の軸上色収差補正光学素子を投光管の光路に挿入した状態における軸上色収差を示すグラフである。
実施例5の照明装置では、軸上色収差補正光学素子22は、光源側から順に、対物レンズ側に凸面を向けた正メニスカスレンズ221’と光源側に凹面を向けた負メニスカスレンズ222’との接合レンズと、対物レンズ側に凹面を向けた負メニスカスレンズ223と光源側に凸面を向けた正メニスカスレンズ224との接合レンズとで構成されている。
また、軸上色収差補正光学素子22は、投光管2の光路に挿入したときに、488nmと405nmの2つの波長が夫々、これらの波長ごとに異なる対物レンズ3の夫々の後側焦点位置に集光するように、405nmの波長の集光位置を補正する軸上色収差を発生するように構成されている。
その他の光学部材の構成は実施例1の照明装置とほぼ同じである。
【0060】
次に、実施例5の照明装置に用いる投光管を構成する光学部材の数値データを、実施例5における軸上色収差補正光学素子を光路に挿入した状態で示す。
数値データ5(実施例5)
r0=∞ d0=78.353
r1=-20.331 d1=1.5149 nd1=1.6445 νd1=40.82
r2=25.355 d2=3.0119 nd2=1.834 νd2=37.16
r3=-42.1549 d3=0.3487
r4=51.4239 d4=1.7373 nd4=1.8061 νd4=40.95
r5=18.784 d5=3.8661 nd5=1.48749 νd5=70.2
r6=-34.377 d6=20
r7=-5958.4707 d7=3 nd7=1.58913 νd7=61.1
r8=-298.8792 d8=3 nd8=1.58921 νd8=41
r9=-6797.9643 d9=10
r10=∞ d10=3 nd10=1.58913 νd10=61.1
r11=147.1384 d11=3 nd11=1.58921 νd11=41
r12=∞ d12=254
r13=68.7541 d13=7.7321 nd13=1.48749 νd13=70.2
r14=-37.5679 d14=3.4745 nd14=1.8061 νd14=40.95
r15=-102.8477 d15=0.6973
r16=84.3099 d16=6.0238 nd16=1.834 νd16=37.16
r17=-50.71 d17=3.0298 nd17=1.6445 νd17=40.82
r18=40.6619 d18=157.6152
r19=∞(集光面)
f:-4.06×107
L:5.63×102
|f/L|=7.21×104
【実施例6】
【0061】
図16は本発明の実施例6にかかる照明装置に用いる軸上色収差補正光学素子の光軸に沿う断面図、図17は本発明の実施例6にかかる照明装置に用いる投光管の、図16の軸上色収差補正光学素子を投光管の光路に挿入した状態における軸上色収差を示すグラフである。
実施例6の照明装置では、軸上色収差補正光学素子22は、光源側から順に、光源側に負パワーの回折面を持つDOE221”と光源側が平面で対物レンズ側が凸面の平凸レンズ222”との接合レンズで構成されている。
また、軸上色収差補正光学素子22は、投光管2の光路に挿入したときに、488nmと405nmの2つの波長が夫々、これらの波長ごとに異なる対物レンズ3の夫々の後側焦点位置に集光するように、405nmの波長の集光位置を補正する軸上色収差を発生するように構成されている。
その他の光学部材の構成は実施例1の照明装置とほぼ同じである。
【0062】
次に、実施例6の照明装置に用いる投光管を構成する光学部材の数値データを、実施例6における軸上色収差補正光学素子を光路に挿入した状態で示す。
数値データ6(実施例6)
r0=∞ d0=78.353
r1=-20.331 d1=1.5149 nd1=1.6445 νd1=40.82
r2=25.355 d2=3.0119 nd2=1.834 νd2=37.16
r3=-42.1549 d3=0.3487
r4=51.4239 d4=1.7373 nd4=1.8061 νd4=40.95
r5=18.784 d5=3.8661 nd5=1.48749 νd5=70.2
r6=-34.377 d6=20
r7=-7.29×107(非球面)d7=0.15 nu=1.0001 νd7=-3.45
r8=∞ d8=3 nd8=1.51633 νd8=64.14
r9=-4580.6345 d9=272.85
r10=68.7541 d10=7.7321 nd10=1.48749 νd10=70.2
r11=-37.5679 d11=3.4745 nd11=1.8061 νd11=40.95
r12=-102.8477 d12=0.6973
r13=84.3099 d13=6.0238 nd13=1.834 νd13=37.16
r14=-50.71 d14=3.0298 nd14=1.6445 νd14=40.82
r15=40.6619 d15=157.6152
r16=∞(集光面) d16=0
非球面係数
第7面
k=-1
A=3.87×10-14 B=-1.80×10-16 C=-2.95×10-17 D=3.95×10-17
f:-1.22×108
L:563.4044323
|f/L|=2.17×105
【実施例7】
【0063】
図18は本発明の実施例7にかかる照明装置に用いる軸上色収差補正光学素子の光軸に沿う断面図、図18は本発明の実施例7にかかる照明装置に用いる投光管の、図19の軸上色収差補正光学素子を投光管の光路に挿入した状態における軸上色収差を示すグラフである。
実施例7の照明装置では、軸上色収差補正光学素子22は、光源側から順に、光源側に正パワーの回折面を持つDOE221”’と光源側が平面で対物レンズ側が凹面の平凹レンズ222”’との接合レンズで構成されている。
また、軸上色収差補正光学素子22は、投光管2の光路に挿入したときに、488nmと543nmの2つの波長が夫々、これらの波長ごとに異なる対物レンズ3の夫々の後側焦点位置に集光するように、543nmの波長の集光位置を補正する軸上色収差を発生するように構成されている。
その他の光学部材の構成は実施例1の照明装置とほぼ同じである。
【0064】
次に、実施例7の照明装置に用いる投光管を構成する光学部材の数値データを、実施例7における軸上色収差補正光学素子を光路に挿入した状態で示す。
数値データ7(実施例7)
r0=∞ d0=78.353
r1=-20.331 d1=1.5149 nd1=1.6445 νd1=40.82
r2=25.355 d2=3.0119 nd2=1.834 νd2=37.16
r3=-42.1549 d3=0.3487
r4=51.4239 d4=1.7373 nd4=1.8061 νd4=40.95
r5=18.784 d5=3.8661 nd5=1.48749 νd5=70.2
r6=-34.377 d6=20
r7=7.18×107(非球面) d7=0.15 nu=1.0001 νd7=-3.45
r8=∞ d8=3 nd8=1.51633 νd8=64.14
r9=4509.1212 d9=272.85
r10=68.7541 d10=7.7321 nd10=1.48749 νd10=70.2
r11=-37.5679 d11=3.4745 nd11=1.8061 νd11=40.95
r12=-102.8477 d12=0.6973
r13=84.3099 d13=6.0238 nd13=1.834 νd13=37.16
r14=-50.71 d14=3.0298 nd14=1.6445 νd14=40.82
r15=40.6619 d15=157.6152
r16=∞(集光面) d16=0
非球面係数
第7面
k=-1
A=5.97×10-16 B=-1.65×10-17 C=2.20×10-17 D=3.88×10-17
f:7.72×107
L:5.63×102
|f/L|=1.37×105
【0065】
次に、各実施例における基準波長を488nmとしたときの対物レンズの瞳の軸上色収差と投光管の光学系の軸上色収差との関係を次の表3に示す。
表3
【0066】
以上、本発明の照明装置及びそれに用いる投光管の実施例を全反射顕微鏡に用いた例で示したが、これらの実施例以外にも、通常の顕微鏡においてケーラー照明を行なう照明装置及びそれに用いる投光管にも本発明は適用可能である。
図20は通常の顕微鏡に用いた場合の本発明の照明装置及びそれに用いる投光管の一構成例を示す概念図である。
図20の例の顕微鏡は、光源11’からなる光源部1’と、投光管2’と、対物レンズ3を有している。
投光管2’は、コレクトレンズ21’と、軸上色収差補正素子22’と、照明レンズ23’と、開口絞り24’と、視野絞り25’と、照明レンズ26’を有している。
軸上色収差補正光学素子22’は、上記実施例1〜7のいずれかと同様の光学部材で構成されている。また、上記実施例1〜7と同様に、図3に示したような回転円板やスライダを介して光路上に挿脱可能に設けられている。
【0067】
そして、図20に示す照明装置は、軸上色収差補正光学素子22’を光路に挿入しない状態において、光源11’から出射した所定波長(ここでは第1の波長とする)の光が投光管2’の光軸上を通り対物レンズ3の後側焦点位置に一旦集光してから対物レンズ3に集光し、対物レンズ3から出射した光は平行光束となり、標本5がケーラー照明によって照明されるように構成されている。
また、図20に示す照明装置では、軸上色収差補正光学素子22’を光路に挿入した状態において、光源11’から第1の波長とは異なる第2の波長が出射された場合に、第2の波長が投光管2’の光軸上を通り対物レンズ3の後側焦点位置に集光するように、軸上色収差補正光学素子22’が軸上色収差特性を有している。
図20の例の照明装置によれば、通常のケーラー照明による顕微鏡観察を行う場合において、観察に用いる照明波長を変えても、それぞれの波長に関し、対物レンズ3の瞳の色収差分に応じて集光位置を変える軸上色収差補正光学素子22’によって、光源部1の出射端や投光管を構成するレンズ系の位置を光軸方向へ移動する等の調整を行うことなく、標本5へ効率良く光を照射することができる。
【0068】
以上のように、本発明の照明装置及びそれに用いる投光管は、特許請求の範囲に記載された発明の他に、次のような特徴を有している。
【0069】
(1)次の条件式を満足することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の照明装置。
|f/L|>104
但し、fは前記軸上色収差補正光学素子の所定基準波長における焦点距離、Lは前記光源部の出射位置から前記投光管の所定基準波長における集光位置までの長さである。
【0070】
(2)前記軸上色収差補正光学素子は、前記接合面以外の少なくとも1面が、非球面に構成されていることを特徴とする請求項5に記載の照明装置。
【0071】
(3)次の条件式を満足することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の照明装置。
ΔG=|(ν1−ν2)/(n1−n2)|>103
但し、ν1は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記光源部側に配置されたレンズのアッベ数、ν2は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記対物レンズ側に配置されたレンズのアッベ数、n1は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記光源部側に配置されたレンズの屈折率、n2は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記対物レンズ側に配置されたレンズの屈折率である。
【0072】
(4)次の条件式を満足することを特徴とする請求項1〜3、上記(1)、(2)のいずれかに記載の照明装置。
ΔG=|(ν1−ν2)/(n1−n2)|>104
但し、ν1は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記光源部側に配置されたレンズのアッベ数、ν2は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記対物レンズ側に配置されたレンズのアッベ数、n1は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記光源部側に配置されたレンズの屈折率、n2は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記対物レンズ側に配置されたレンズの屈折率である。
【0073】
(5)前記軸上色収差補正光学素子が、回折光学素子(DOE)を有して構成されていることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の照明装置。
【0074】
(6)次の条件式を満足することを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の投光管。
|f/L|>104
但し、fは前記軸上色収差補正光学素子の所定基準波長における焦点距離、Lは前記光源部の出射位置から前記投光管の所定基準波長における集光位置までの長さである。
【0075】
(7)前記軸上色収差補正学素子は、前記接合面以外の少なくとも1面が、非球面に構成されていることを特徴とする請求項12に記載の投光管。
【0076】
(8)次の条件式を満足することを特徴とする上記(6)又は(7)に記載の投光管。
ΔG=|(ν1−ν2)/(n1−n2)|>103
但し、ν1は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記光源部側に配置されたレンズのアッベ数、ν2は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記対物レンズ側に配置されたレンズのアッベ数、n1は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記光源部側に配置されたレンズの屈折率、n2は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記対物レンズ側に配置されたレンズの屈折率である。
【0077】
(9)次の条件式を満足することを特徴とする請求項8〜10、上記(6)、(7)のいずれかに記載の投光管。
ΔG=|(ν1−ν2)/(n1−n2)|>104
但し、ν1は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記光源部側に配置されたレンズのアッベ数、ν2は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記対物レンズ側に配置されたレンズのアッベ数、n1は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記光源部側に配置されたレンズの屈折率、n2は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記対物レンズ側に配置されたレンズの屈折率である。
【0078】
(10)前記軸上色収差補正光学素子が、回折光学素子(DOE)を有して構成されていることを特徴とする上記(6)〜(9)のいずれかに記載の投光管。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明の照明装置及びそれに用いる投光管は、射出瞳位置に照明光を集光する顕微鏡観察等に用いるもので、複数の波長での蛍光を多重観察したときの対物レンズの瞳の色収差に応じた集光レンズの色収差補正ができ、特に、多重波長による全反射蛍光観察を行う顕微鏡に適している。その他、通常のケーラー照明での多重波長による蛍光観察、多重波長による微分干渉観察等を行う顕微鏡にも適している。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の各実施例の照明装置を適用可能な顕微鏡の一例として全反射顕微鏡の概略構成を示す概念図である。
【図2】本発明の各実施例の照明装置に用いる投光管に共通の構成を示す光軸に沿う断面図である。
【図3】本発明の各実施例の照明装置に適用可能な軸上色収差補正光学素子の挿脱ユニットの一例を示す説明図である。
【図4】図2の照明装置において軸上色収差補正光学素子を投光管の光路に挿入しない状態における軸上色収差を示すグラフである。
【図5】回折光学素子(DOE)の説明図であり、(a)は回折光学素子の回折現象による光の屈折状況を表す説明図、(b)は回折光学素子のブレーズ化した状態での断面図、(c)は回折光学素子のバイナリー近似を行った状態での断面図、(d)ウルトラ−ハイ インデックスレンズにおける光の屈折状況を示す説明図である。
【図6】本発明の実施例1にかかる照明装置に用いる軸上色収差補正光学素子の光軸に沿う断面図である。
【図7】本発明の実施例1にかかる照明装置に用いる投光管の、図6の軸上色収差補正光学素子を投光管の光路に挿入した状態における軸上色収差を示すグラフである。
【図8】本発明の実施例2にかかる照明装置に用いる軸上色収差補正光学素子の光軸に沿う断面図である。
【図9】本発明の実施例2にかかる照明装置に用いる投光管の、図8の軸上色収差補正光学素子を投光管の光路に挿入した状態における軸上色収差を示すグラフである。
【図10】本発明の実施例3にかかる照明装置に用いる軸上色収差補正光学素子の光軸に沿う断面図である。
【図11】本発明の実施例3にかかる照明装置に用いる投光管の、図10の軸上色収差補正光学素子を投光管の光路に挿入した状態における軸上色収差を示すグラフである。
【図12】本発明の実施例4にかかる照明装置に用いる軸上色収差補正光学素子の光軸に沿う断面図である。
【図13】本発明の実施例4にかかる照明装置に用いる投光管の、図12の軸上色収差補正光学素子を投光管の光路に挿入した状態における軸上色収差を示すグラフである。
【図14】本発明の実施例5にかかる照明装置に用いる軸上色収差補正光学素子の光軸に沿う断面図である。
【図15】本発明の実施例5にかかる照明装置に用いる投光管の、図14の軸上色収差補正光学素子を投光管の光路に挿入した状態における軸上色収差を示すグラフである。
【図16】本発明の実施例6にかかる照明装置に用いる軸上色収差補正光学素子の光軸に沿う断面図である。
【図17】本発明の実施例6にかかる照明装置に用いる投光管の、図16の軸上色収差補正光学素子を投光管の光路に挿入した状態における軸上色収差を示すグラフである。
【図18】本発明の実施例7にかかる照明装置に用いる軸上色収差補正光学素子の光軸に沿う断面図である。
【図19】本発明の実施例7にかかる照明装置に用いる投光管の、図19の軸上色収差補正光学素子を投光管の光路に挿入した状態における軸上色収差を示すグラフである。
【図20】通常の顕微鏡に用いた場合の本発明の照明装置及びそれに用いる投光管の一構成例を示す概念図である。
【符号の説明】
【0081】
1,1’ 光源部
2,2’ 投光管
3 対物レンズ
4 カバーガラス
5 試料(標本)
11 レーザ光源
11’ 光源
12 光ファイバ
13 マイクロメータ
21 コリメートレンズ
21’ コレクトレンズ
22、22a、22b、22c、22d、21’ 軸上色収差補正光学素子
23、25’ 視野絞り
23’、26’ 照明レンズ
24 フィールドレンズ
24’ 開口絞り
25 回転円板
25a 軸
26 スライダ
211、244 両凹レンズ
212、214、241、243 両凸レンズ
213、221、223 対物レンズ側に凹面を向けた負メニスカスレンズ
242、222’ 光源側に凹面を向けた負メニスカスレンズ
222、224 光源側に凸面を向けた正メニスカスレンズ
221’ 対物レンズ側に凸面を向けた正メニスカスレンズ
221” 光源側に負パワーの回折面を持つDOE
222” 光源側が平面で対物レンズ側が凸面の平凸レンズ
221”’ 光源側に正パワーの回折面を持つDOE
222”’ 光源側が平面で対物レンズ側が凹面の平凹レンズ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源部と、光源部からの光を対物レンズへ向けて集光する投光管を有し、
前記光のうち少なくとも2つの波長が夫々、これらの波長ごとに異なる前記対物レンズの夫々の後側焦点位置に集光するように、前記投光管を構成する光学系全体の軸上色収差を補正する軸上色収差補正光学素子を、前記投光管の内部に備えたことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記軸上色収差補正光学素子を前記投光管内に挿脱可能に備えたことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記投光管が、光源側から順に、コリメートレンズと、視野絞りと、フィールドレンズを有し、前記軸上色収差補正光学素子を前記コリメートレンズと視野絞りとの間に備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項4】
次の条件式を満足することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の照明装置。
|f/L|>103
但し、fは前記軸上色収差補正光学素子の所定基準波長における焦点距離、Lは前記光源部の出射位置から前記投光管の該所定基準波長における集光位置までの長さである。
【請求項5】
前記軸上色収差補正光学素子が、負パワーを持つレンズと正パワーを持つレンズとの接合レンズからなり、且つ、接合面に曲率を有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の照明装置。
【請求項6】
前記軸上色収差補正光学素子が、次の条件式を満足することを特徴とする請求項5に記載の照明装置。
ΔG=|(ν1−ν2)/(n1−n2)|>103
但し、ν1は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記光源部側に配置されたレンズのアッベ数、ν2は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記対物レンズ側に配置されたレンズのアッベ数、n1は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記光源部側に配置されたレンズの屈折率、n2は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記対物レンズ側に配置されたレンズの屈折率である。
【請求項7】
前記軸上色収差補正光学素子が、回折光学素子(DOE)を有して構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の照明装置。
【請求項8】
光源部を有する照明装置に用いられ、該光源部からの光を対物レンズへ向けて集光する投光管であって、
前記光のうち少なくとも2つの波長が夫々、これらの波長ごとに異なる前記対物レンズの夫々の後側焦点位置に集光するように、前記投光管を構成する光学系全体の軸上色収差を補正する軸上色収差補正光学素子を管の内部に備えたことを特徴とする投光管。
【請求項9】
前記軸上色収差補正光学素子を前記投光管内に挿脱可能に備えたことを特徴とする請求項8に記載の投光管。
【請求項10】
光源側から順に、コリメートレンズと、視野絞りと、フィールドレンズを有し、前記軸上色収差補正光学素子を前記コリメートレンズと視野絞りとの間に備えたことを特徴とする請求項8又は9に記載の投光管。
【請求項11】
次の条件式を満足することを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の投光管。
|f/L|>103
但し、fは前記軸上色収差補正光学素子の所定基準波長における焦点距離、Lは前記光源部の出射位置から前記投光管の所定基準波長における集光位置までの長さである。
【請求項12】
前記軸上色収差補正光学素子が、負パワーを持つレンズと正パワーを持つレンズとの接合レンズからなり、且つ、接合面に曲率を有していることを特徴とする請求項8〜11のいずれかに記載の投光管。
【請求項13】
前記軸上色収差補正光学素子が、次の条件式を満足することを特徴とする請求項12に記載の投光管。
ΔG=|(ν1−ν2)/(n1−n2)|>103
但し、ν1は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記光源部側に配置されたレンズのアッベ数、ν2は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記対物レンズ側に配置されたレンズのアッベ数、n1は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記光源部側に配置されたレンズの屈折率、n2は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記対物レンズ側に配置されたレンズの屈折率である。
【請求項14】
前記軸上色収差補正光学素子が、回折光学素子(DOE)を有して構成されていることを特徴とする請求項8〜13のいずれかに記載の投光管。
【請求項1】
光源部と、光源部からの光を対物レンズへ向けて集光する投光管を有し、
前記光のうち少なくとも2つの波長が夫々、これらの波長ごとに異なる前記対物レンズの夫々の後側焦点位置に集光するように、前記投光管を構成する光学系全体の軸上色収差を補正する軸上色収差補正光学素子を、前記投光管の内部に備えたことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記軸上色収差補正光学素子を前記投光管内に挿脱可能に備えたことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記投光管が、光源側から順に、コリメートレンズと、視野絞りと、フィールドレンズを有し、前記軸上色収差補正光学素子を前記コリメートレンズと視野絞りとの間に備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項4】
次の条件式を満足することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の照明装置。
|f/L|>103
但し、fは前記軸上色収差補正光学素子の所定基準波長における焦点距離、Lは前記光源部の出射位置から前記投光管の該所定基準波長における集光位置までの長さである。
【請求項5】
前記軸上色収差補正光学素子が、負パワーを持つレンズと正パワーを持つレンズとの接合レンズからなり、且つ、接合面に曲率を有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の照明装置。
【請求項6】
前記軸上色収差補正光学素子が、次の条件式を満足することを特徴とする請求項5に記載の照明装置。
ΔG=|(ν1−ν2)/(n1−n2)|>103
但し、ν1は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記光源部側に配置されたレンズのアッベ数、ν2は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記対物レンズ側に配置されたレンズのアッベ数、n1は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記光源部側に配置されたレンズの屈折率、n2は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記対物レンズ側に配置されたレンズの屈折率である。
【請求項7】
前記軸上色収差補正光学素子が、回折光学素子(DOE)を有して構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の照明装置。
【請求項8】
光源部を有する照明装置に用いられ、該光源部からの光を対物レンズへ向けて集光する投光管であって、
前記光のうち少なくとも2つの波長が夫々、これらの波長ごとに異なる前記対物レンズの夫々の後側焦点位置に集光するように、前記投光管を構成する光学系全体の軸上色収差を補正する軸上色収差補正光学素子を管の内部に備えたことを特徴とする投光管。
【請求項9】
前記軸上色収差補正光学素子を前記投光管内に挿脱可能に備えたことを特徴とする請求項8に記載の投光管。
【請求項10】
光源側から順に、コリメートレンズと、視野絞りと、フィールドレンズを有し、前記軸上色収差補正光学素子を前記コリメートレンズと視野絞りとの間に備えたことを特徴とする請求項8又は9に記載の投光管。
【請求項11】
次の条件式を満足することを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の投光管。
|f/L|>103
但し、fは前記軸上色収差補正光学素子の所定基準波長における焦点距離、Lは前記光源部の出射位置から前記投光管の所定基準波長における集光位置までの長さである。
【請求項12】
前記軸上色収差補正光学素子が、負パワーを持つレンズと正パワーを持つレンズとの接合レンズからなり、且つ、接合面に曲率を有していることを特徴とする請求項8〜11のいずれかに記載の投光管。
【請求項13】
前記軸上色収差補正光学素子が、次の条件式を満足することを特徴とする請求項12に記載の投光管。
ΔG=|(ν1−ν2)/(n1−n2)|>103
但し、ν1は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記光源部側に配置されたレンズのアッベ数、ν2は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記対物レンズ側に配置されたレンズのアッベ数、n1は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記光源部側に配置されたレンズの屈折率、n2は前記軸上色収差補正光学素子を構成する前記接合レンズのうち前記対物レンズ側に配置されたレンズの屈折率である。
【請求項14】
前記軸上色収差補正光学素子が、回折光学素子(DOE)を有して構成されていることを特徴とする請求項8〜13のいずれかに記載の投光管。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2006−133638(P2006−133638A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−324740(P2004−324740)
【出願日】平成16年11月9日(2004.11.9)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月9日(2004.11.9)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
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