説明

熱収縮チュ−ブ用縦型加熱収縮装置

【課題】火気を使わずに、画一的に収縮させることができ、且つ省人化が可能な熱収縮チュ−ブ用縦型加熱収縮装置の提供
【解決手段】この発明の熱収縮チュ−ブ用縦型加熱収縮装置は、下側にカ−テンレ−ル1を取付けた環状の上部締着部材2と環状の下部締着部材3間に、上縁部aにカ−テンレ−ル1に掛けるフック4を取付け、長さ方向の一端部bにスプリング5を取付けた所定長の面ヒ−タ6の他端部cを固定するための面ヒ−タ締着部材7を取付け、スプリング5を伸張状態で係止するためのコ字状の支持部材8を上部締着部材1と下部締着部材2に固定している。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、縦方向に配管されたガス管、水道管、下水管等の管体の損傷部の補修や接続部の被覆又は防食用として使用される熱収縮チュ−ブの縦型加熱収縮装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、前記管体の損傷部や接続部にセットされた熱収縮チュ−ブは、ガスバ−ナ等の熱源によって加熱収縮させていたので、次のような問題点があった。
■火気の使用が禁止されている作業現場では適用できない。この場合には、ドライヤ−等の熱源を使用している。
■大口径の管体では、収縮ムラができやすいので、収縮作業には熟練を要する。
■熱収縮チュ−ブを焦がさないように、細心の注意を払いながら、常にバ−ナを前後上下左右に移動させていなければならないために、精神的ストレスが蓄積し、連続作業が困難である。
■一カ所の作業現場に、少なくとも、熱収縮チュ−ブがずり落ちないように支持する作業者と収縮させる作業者の2名が必要であり、省人化ができない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、従来の技術で記述した問題点を解消するためになされたもので、火気を使わずに、画一的に収縮させることができ、且つ省人化が可能な熱収縮チュ−ブ用縦型加熱収縮装置の提供を目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明の熱収縮チュ−ブ用縦型加熱収縮装置は、下側にカ−テンレ−ルを取付けた環状の上部締着部材と環状の下部締着部材の間に、上縁部に前記カ−テンレ−ルに掛けるフックを取付け、長さ方向の一端部にスプリングを取付けた所定長の面ヒ−タの他端部を固定するための面ヒ−タ締着部材を取付け、前記スプリングを伸張状態で係止するためのコ字状の支持部材を前記上部締着部材と前記下部締着部材に固定していることを特徴とするものである。
【0005】
【発明の実施の形態】この発明の実施の形態の一例を図面を参照しながら説明する。図1−図2に示すように、下側にカ−テンレ−ル1を取付けた環状の上部締着部材2と環状の下部締着部材3間に、上縁部aにカ−テンレ−ル1に掛けるフック4を取付け、長さ方向の一端部bにスプリング5を取付けた所定長の面ヒ−タ6の他端部cを固定するための面ヒ−タ締着部材7を、図1に示すように、ネジ等によって、上部締着部材2と下部締着部材3に取付け、スプリング5を伸張状態で係止するためのコ字状の支持部材8を上部締着部材2と環状の下部締着部材3に、図1に示すように、ネジ等によって、固定している。
【0006】なお、面ヒ−タ6は、ファスナ−12による繋ぎ合わせが可能で、外径の異なる多サイズの管体11に対して適用できるようになっている。
【0007】環状の上部締着部材2及び環状の下部締着部材3は、例えば、図1に示すように、半円状の部材d,dの一端を蝶番9等で開閉可能に連結し、他端を蝶ネジ10等によって結合させ、環状に仕上げることができるようになっている。
【0008】カ−テンレ−ル1も同様に、半円状に成形したカ−テンレ−ル部材の一端を蝶番等で開閉可能に連結し、他端を蝶ネジ等によって結合させ、環状に仕上げることができるようになっている。
【0009】実施に際しては、図3に示すように、熱収縮チュ−ブ(図示は省略)を管体11の所定箇所にセットしたのち、上部締着部材2及び下部締着部材3を管体11に固定する。このとき、熱収縮チュ−ブは上部締着部材2及び下部締着部材3の間に位置させている。
【0010】ついで、面状ヒ−タ6の他端部cを面ヒ−タ締着部材7に固定し、フック4をカ−テンレ−ル1に掛け、熱収縮チュ−ブを包みように、展開させ、面状ヒ−タ6の一端部bに取付けているスプリング5を伸張状態で、図3に示すように、コ字状の支持部材8に係止させ、面ヒ−タ6をスプリング5のバネ力によって、常時、熱収縮チュ−ブの表面に密接した状態にし、面ヒ−タ6の電源を入れる。
【0011】すると、熱収縮チュ−ブは面状ヒ−タ6の熱で収縮し、それにつれて面状ヒ−タ6はスプリング5のバネ力で引っ張られ、常に熱収縮チュ−ブの表面に密接した状態で移動し、熱収縮チュ−ブを均等に加熱収縮させて、熱収縮チュ−ブを管体11上に密接に装着させる。
【0012】
【発明の効果】この発明は以上のように構成されているので、次のような効果を呈する。
■火気を使用しないので、火気厳禁の作業現場でも適用できる。
■収縮チュ−ブは面ヒ−タで支持されるので、ずり落ちることがない。
■ずり落ちないように支持する作業者が不要になる。
■熟練を要しないので、初心者でも容易に収縮させることができる。
■面状ヒ−タが常に熱収縮チュ−ブの表面に密接しているので、熱収縮チュ−ブをむらなく、均一に収縮させることができる。
■本願の装置を装着して、面状ヒ−タの電源を入れるだけで、その後は、無人で自動的に収縮させることができるので、省人化ができる。
■同一作業現場の複数箇の処理箇所を並行して処理できるので、作業能率が向上する。
■面状ヒ−タの厚さが薄いので、管が並行して付設されている場所でも使用できる。
■面ヒ−タは、ファスナ−で繋ぎ合わせができるので、外径の異なる多サイズの管体に対して適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の一例を示す概略斜視図
【図2】面ヒ−タの一例を示す正面図
【図3】使用例を示す概略斜視図
【符号の説明】
1 カ−テンレ−ル
2 上部締着部材
3 下部締着部材
4 フック
5 スプリング
6 面ヒ−タ
7 面ヒ−タ締着部材
8 コ字状の支持部材
9 蝶番
10 蝶ネジ
11 管体
12 ファスナ−
a 面ヒ−タの上縁部
b 面ヒ−タの一端部
c 面ヒ−タの他端部
d 半円状の部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】下側にカ−テンレ−ル(1)を取付けた環状の上部締着部材(2)と環状の下部締着部材(3)間に、上縁部(a)に前記カ−テンレ−ル(1)に掛けるフック(4)を取付け、長さ方向の一端部(b)にスプリング(5)を取付けた所定長の面ヒ−タ(6)の他端部(c)を固定するための面ヒ−タ締着部材(7)を取付け、前記スプリング(5)を伸張状態で係止するためのコ字状の支持部材(8)を前記上部締着部材(2)と前記下部締着部材(3)に固定していることを特徴とする熱収縮チュ−ブ用縦型加熱収縮装置

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2002−295784(P2002−295784A)
【公開日】平成14年10月9日(2002.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−91589(P2001−91589)
【出願日】平成13年3月28日(2001.3.28)
【出願人】(000196565)西日本電線株式会社 (57)
【Fターム(参考)】