説明

熱可塑性エラストマー組成物およびその製造方法

【課題】耐紫外線劣化性および耐久性に優れた熱可塑性エラストマー組成物の製造方法を提供すること。
【解決手段】少なくとも1種の熱可塑性樹脂から構成される連続相と当該連続相中に微細に分散された動的架橋エラストマー粒子から構成される分散相とを含む相構造を有する熱可塑性エラストマー組成物の製造方法であって、動的架橋前または動的架橋中に少なくとも1種の架橋可能なエラストマー成分中に当該架橋可能なエラストマー成分100質量部に対して100〜260m2/gのBET窒素吸着比表面積および10〜25nmの一次粒子平均粒径を有するファーネスカーボンブラック1〜15質量部を分散させることを特徴とする、熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性エラストマー組成物およびその製造方法に関し、より詳細には、耐紫外線劣化性(耐UV劣化性)および耐久性に優れた熱可塑性エラストマー組成物およびその製造方法並びにそれを空気透過防止層(インナーライナー)として使用した空気入りタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
熱可塑性樹脂と未加硫(未架橋)エラストマー成分とを溶融混練してエラストマー成分を動的加硫させることにより得られた熱可塑性エラストマー組成物の層を空気透過防止層としてタイヤ内面に配置することによって、タイヤの軽量化を図ることが提案されている(例えば特許文献1および2参照)。しかし、かかる熱可塑性エラストマー組成物の層をタイヤ内面に有するタイヤを屋外の日光に曝される場所に置いた場合、熱可塑性エラストマー組成物の層は、紫外線の作用により劣化してしまうという問題があった。一方、ゴム組成物にカーボンブラックを配合することによりゴム組成物が紫外線により劣化しにくくなることが知られているが(特許文献3参照)、単にカーボンブラックを熱可塑性樹脂および未加硫エラストマー成分と溶融混練しただけでは、カーボンブラックが欠陥として作用して当該組成物の耐久性を低下させてしまうという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−216610号公報
【特許文献2】特開平8−217922号公報
【特許文献3】特表2001−512167号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明の目的は、耐UV劣化性と耐久性の両方に優れた熱可塑性エラストマー組成物の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、熱可塑性樹脂を含む連続相と架橋エラストマー成分を含む分散相とからなる相構造を有する熱可塑性エラストマー組成物の製造方法において、動的架橋前または動的架橋中に少なくとも1種の架橋可能なエラストマー成分中に特定量の特定のカーボンブラックを分散させた場合に、耐久性を損なうことなく耐UV劣化性が著しく向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
本発明によれば、少なくとも1種の熱可塑性樹脂から構成される連続相と当該連続相中に微細に分散された動的架橋エラストマー粒子から構成される分散相とを含む相構造を有する熱可塑性エラストマー組成物の製造方法であって、動的架橋前または動的架橋中に少なくとも1種の架橋可能なエラストマー成分中に当該架橋可能なエラストマー成分100質量部に対して100〜260m2/gのBET窒素吸着比表面積および10〜25nmの一次粒子平均粒径を有するファーネスカーボンブラック(以下、「中級カラーファーネスカーボンブラック」という)1〜15質量部を分散させることを特徴とする、熱可塑性エラストマー組成物の製造方法が提供される。
【0007】
本発明によれば、さらに、かかる方法により製造された熱可塑性エラストマー組成物から成る空気透過防止層がタイヤ内面に配置された空気入りタイヤが提供される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法において使用できる熱可塑性樹脂の例としては、ポリアミド系樹脂(例えばナイロン6(N6)、ナイロン66(N66)、ナイロン46(N46)、ナイロン11(N11)、ナイロン12(N12)、ナイロン610(N610)、ナイロン612(N612)、ナイロン6/66共重合体(N6/66)、ナイロン6/66/610共重合体(N6/66/610)、ナイロンMXD6、ナイロン6T、ナイロン6/6T共重合体、ナイロン66/PP共重合体、ナイロン66/PPS共重合体)、ポリエステル系樹脂(例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、PET/PEI共重合体、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、液晶ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート/テトラエチレングリコール共重合体、ポリオキシアルキレンジイミドジ酸/ポリブチレンテレフタレート共重合体などの芳香族ポリエステル)、ポリニトリル系樹脂(例えばポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル/スチレン共重合体(AS)、メタクリロニトリル/スチレン共重合体、メタクリロニトリル/スチレン/ブタジエン共重合体)、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂(例えばポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタクリル酸エチル)、ポリビニル系樹脂(例えば酢酸ビニル、ポリビニルアルコール(PVA)、ビニルアルコール/エチレン共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニリデン/メチルアクリレート共重合体)、セルロース系樹脂(例えば酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース)、フッ素系樹脂(例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリクロロフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフルオロエチレン/エチレン共重合体(ETFE)、イミド系樹脂(例えば芳香族ポリイミド(PI))などが挙げられる。連続相は、これらの熱可塑性樹脂のうちの1種または2種以上から構成することができる。気体バリア性や機械的物性などの観点から、熱可塑性樹脂としては、ポリアミド系樹脂、ポリビニルアルコールおよびエチレン−ビニルアルコール共重合体が好ましい。さらにポリアミド系樹脂としては、気体バリア性と機械的物性のバランスから、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6/66共重合体、ナイロン11、ナイロン12およびナイロンMXD6が好ましい。
【0009】
架橋可能なエラストマー成分の例としては、ジエン系ゴム及びその水添物(例えば天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、エポキシ化天然ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)(高シスBR及び低シスBR)、ニトリルゴム(NBR)、水素化NBR、水素化SBR)、オレフィン系ゴム(例えばエチレンプロピレンゴム(EPDM、EPM)、マレイン酸変性エチレンプロピレンゴム(M−EPM)、マレイン酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体、ブチルゴム(IIR)、イソブチレンと芳香族ビニル又はジエン系モノマー共重合体)、アクリルゴム(ACM)、含ハロゲンゴム(例えば臭素化ブチルゴム(Br−IIR)、塩素化ブチルゴム(Cl−IIR)、イソブチレンパラメチルスチレン共重合体の臭素化物(Br−IPMS)、クロロプレンゴム(CR)、ヒドリンゴム(CHR・CHC);クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、塩素化ポリエチレン(CM)、マレイン酸変性塩素化ポリエチレン(M−CM))、シリコンゴム(例えばメチルビニルシリコンゴム、ジメチルシリコンゴム、メチルフェニルビニルシリコンゴム)、含イオウゴム(例えばポリスルフィドゴム)、フッ素ゴム(例えばビニリデンフルオライド系ゴム、含フッ素ビニルエーテル系ゴム、テトラフルオロエチレン−プロピレン系ゴム、含フッ素シリコーン系ゴム、含フッ素ホスファゼン系ゴム)、熱可塑性エラストマー(例えばスチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー)などの架橋可能なエラストマー成分の架橋物が挙げられる。架橋可能なエラストマー成分は、これらのエラストマー成分の1種または2種以上から構成することができる。熱的安定性や用いる熱可塑性樹脂への分散性などの観点から、架橋可能なエラストマー成分としては、ハロゲン化ブチルゴム、ハロゲン化イソブチレン−パラメチルスチレン共重合体およびマレイン酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体が好ましい。
【0010】
本発明の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法において、熱可塑性樹脂100質量部に対して架橋可能なエラストマー成分の量が100〜250質量部であることが好ましい。熱可塑性樹脂100質量部に対して架橋可能なエラストマー成分の合計量が100質量部未満であると、熱可塑性エラストマー組成物をタイヤのインナーライナーとして使用した場合に疲労耐久性が低下する懸念があり、250質量部を超えると、連続相である熱可塑性樹脂相と分散相であるゴム相の相反転が生じ、所望の熱可塑性エラストマー組成物が得られない懸念がある。
【0011】
本発明の方法により製造される熱可塑性エラストマー組成物において、中級カラーファーネスカーボンブラックが架橋エラストマー粒子中に分散されており、さらに、架橋エラストマー粒子が連続相である熱可塑性樹脂中に微細に分散されているために、紫外線劣化防止剤として高い効果を発揮し、熱可塑性エラストマー組成物に高い耐UV劣化性を付与すると考えられる。本発明において使用される中級カラーファーネス(Medium Color Furnace)カーボンブラック(以下、「MCF」ともいう)は、印刷インキ、塗料などに黒色顔料として従来使用されているカラー用カーボンブラックのうちのファーネス法により製造された中級グレードのカーボンブラックを意味する。本発明において使用される中級カラーファーネスカーボンブラックは、好ましくは、BET窒素吸着比表面積が100〜260m2/gであり、一次粒子の平均粒径が10〜25nmであるものである。ここで、一次粒子とは、粒子の最小単位であり、それ以上分割されない粒子を意味する。上記範囲の一次粒子平均粒径よりも小さいカーボンブラックは、粉塵となって拡散しやすいために取り扱いが困難であり、架橋可能なエラストマー成分などとの混練加工性が劣る。また、カーボンブラックは、同じ配合量(質量基準)では、平均粒径が大きくなればなるほど、分散度はより低下し、欠陥として作用する傾向もより大きくなるので、上記の一次粒子平均粒径範囲を超えるカーボンブラックは好ましくない。本発明の熱可塑性エラストマー組成物において、耐久性と耐UV性を両立させるためには、熱可塑性樹脂中に微分散しているゴム粒子中にカーボンブラックが微細粒子として存在することが重要であり、造粒したカーボンブラックを使用する場合には、カーボンブラックの造粒した状態を崩すプロセスが必要となるため、中級カラーファーネスカーボンブラックは未造粒のものであることが好ましい。
【0012】
中級カラーファーネスカーボンブラックの配合量は、エラストマー成分の合計量100質量部に対して1〜15質量部である。中級カラーファーネスカーボンブラックの配合量が、エラストマー成分100質量部に対して1質量部未満であると、熱可塑性エラストマー組成物の耐UV劣化性を改善するには不十分であり、15質量部を超えると、熱可塑性エラストマー中でのカーボンブラックの異物(欠陥)としての作用が大きくなり、耐久性が低下する傾向がある。
【0013】
本発明の熱可塑性エラストマー組成物の製造に使用される架橋剤(加硫剤)の種類および量は、上記の架橋可能なエラストマー成分の種類および動的架橋条件に応じて、当業者が適宜選択することができる。架橋剤の具体例としては、酸化亜鉛、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、硫黄、有機過酸化物架橋剤、3,3’−ジアミノジフェニルスルホンが挙げられる。架橋剤の配合量は、典型的には、架橋可能なエラストマー成分100質量部に対して0.1〜10質量部である。
【0014】
さらに、熱可塑性エラストマー組成物には、上記必須成分に加えて、本発明の目的を損なわない範囲で任意の添加剤、例えば相溶化剤、老化防止剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、加硫遅延剤、可塑剤、充填剤、着色剤、加工助剤を適宜配合することができる。
【0015】
上記必須成分(すなわち、少なくとも1種の熱可塑性樹脂、少なくとも1種の架橋可能なエラストマー成分、中級カラーファーネスカーボンブラックおよび架橋剤)および任意添加剤の混練および動的架橋は、同一装置内で連続して行われても、2つ以上の装置を使用して混練および動的架橋を別々に行ってもよい。ここで、動的架橋とは、熱可塑性樹脂のマトリックス中に架橋可能なエラストマー成分をブレンドし、架橋剤とともに、架橋剤が架橋する温度以上で溶融混練しながらエラストマー成分を架橋させ、しかもそのエラストマー成分を微細に分散させるプロセスを意味する。この動的架橋により得られた組成物は、連続相となる熱可塑性樹脂中に架橋エラストマー粒子が微細に分散した状態となるため、成形加工に際しては熱可塑性樹脂に準じた加工が可能となる。
【0016】
本発明の上記製造方法により得られる熱可塑性エラストマー組成物において、連続相と当該連続相中に微細に分散された架橋エラストマー粒子から構成される分散相とはいわゆる海島構造を形成しており、架橋エラストマー粒子は熱可塑性樹脂の連続相(海相)中に不連続な島状に微細に分散している。架橋エラストマー粒子は、好ましくは、約0.1〜5μmの平均粒径を有する。架橋エラストマー粒子がこの範囲内の平均粒径を有する場合に、疲労耐久性などの特性に優れた熱可塑性エラストマー組成物が得られる。
【0017】
上記必須成分および任意添加剤の混練に使用できる混練機の例としては、ニーダー、バンバリーミキサー、二軸混練押出機等が挙げられるが、これらに限定されない。これらの混練機のうち、熱可塑性樹脂と架橋可能なエラストマー成分および中級カラーファーネスカーボンブラックの混練と動的加硫を同一装置内で行うことができるため、二軸混練押出機を使用することが好ましい。
【0018】
本発明の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法において、動的架橋前または動的架橋中に少なくとも1種の架橋可能なエラストマー成分中に中級カラーファーネスカーボンブラックを分散させることは、
(I)(a)少なくとも1種の架橋可能なエラストマー成分および中級カラーファーネスカーボンブラックを混練することにより架橋可能なエラストマー成分中に中級カラーファーネスカーボンブラックが分散した予備混合物を形成するか、または、(b)少なくとも1種の架橋可能なエラストマー成分と中級カラーファーネスカーボンブラックと架橋剤とを混練することにより架橋可能なエラストマー中に中級カラーファーネスカーボンブラックと架橋剤とが分散した予備混合物を形成し、
(II)前記予備混合物に少なくとも1種の熱可塑性樹脂を加え、
(III)前記予備混合物と前記熱可塑性樹脂とを溶融混練しながら前記架橋可能なエラストマー成分を動的架橋させることによって達成することができる。上記工程(I)において、少なくとも1種の架橋可能なエラストマー成分および中級カラーファーネスカーボンブラックを混練することにより架橋可能なエラストマー成分中に中級カラーファーネスカーボンブラックが分散した予備混合物を形成する場合((a)の場合)には、架橋剤は、架橋可能なエラストマー成分を動的架橋させるまでの任意の時点で上記予備混合物に添加することができる。
【0019】
上記必須成分と任意添加剤の配合順序は、中級カラーファーネスカーボンブラックが熱可塑性樹脂と同時または熱可塑性樹脂よりも先に架橋可能なエラストマー成分に添加され混練される限り、任意の順序であることができるが、中級カラーファーネスカーボンブラックが熱可塑性樹脂よりも先に架橋可能なエラストマー成分と混練することが好ましい。中級カラーファーネスカーボンブラックが熱可塑性樹脂よりも先に架橋可能なエラストマー成分と混練することによって、架橋可能なエラストマー成分の動的架橋が完了するまでに架橋可能なエラストマー成分中に中級カラーファーネスカーボンブラックを選択的に存在させ、その結果、熱可塑性樹脂中のカーボンブラックによる欠陥を最低限に抑えることができる。任意添加剤は、必須成分のうちの1種または2種以上と予め混合されても、架橋可能なエラストマー成分の動的架橋前の混練中または架橋可能なエラストマー成分の動的架橋中に必須成分のうちの2種以上の予備混合物に添加されてもよい。
【0020】
二軸混練押出機による動的架橋前に、少なくとも1種の架橋可能なエラストマー成分と中級カラーファーネスカーボンブラック、あるいは、少なくとも1種の架橋可能なエラストマー成分と中級カラーファーネスカーボンブラックと架橋剤とを、バンバリーミキサーもしくはニーダーにより混練して、架橋可能なエラストマー成分中に中級カラーファーネスカーボンブラックが分散した予備混合物、あるいは架橋可能なエラストマー成分中に中級カラーファーネスカーボンブラックと架橋剤とが分散した予備混合物を形成した後、当該予備混合物とともに少なくとも1種の熱可塑性樹脂を二軸混練押出機に供給して動的架橋を行ってもよい。予備混合物は、二軸混練押出機において少なくとも1種の熱可塑性樹脂と速やかに混合し、熱可塑性樹脂中に分散されるように、二軸混練押出機に供給される前に、ペレット状、顆粒状等の形状に成形されることが好ましい。また、架橋可能なエラストマー成分への中級カラーファーネスカーボンブラックの分散度がより高くなるように、架橋可能なエラストマー成分と中級カラーファーネスカーボンブラックとを予め混練することが好ましい。混練条件および動的架橋条件は、使用される熱可塑性樹脂、架橋可能なエラストマー成分および架橋剤のタイプおよび配合量などに応じるが、一般的には、バンバリーミキサーもしくはニーダーによる混練は、約50〜約100℃の温度で約2〜約5分間行い、動的架橋は、ゴムの架橋可能温度以上かつ熱可塑性樹脂の溶融温度以上の温度(通常、約160℃〜約300℃)で約30秒間〜約5分間の時間(滞留時間)で行う。
【0021】
二軸混練押出機とは別にバンバリーミキサーもしくはニーダー等の混練機を使用せずに上記必須成分と任意添加剤の混練および動的架橋を二軸混練押出機により行う場合には、二軸混練押出機は、少なくとも、混練ゾーンと、当該混練ゾーンの押出方向下流側に設けられた動的架橋ゾーンとを有する。動的架橋ゾーンよりも上流側で二軸混練押出機に、(i)少なくとも1種の熱可塑性樹脂、少なくとも1種の架橋可能なエラストマー成分、中級カラーファーネスカーボンブラックおよび架橋剤、または、(ii)少なくとも1種の架橋可能なエラストマー成分と中級カラーファーネスカーボンブラックと架橋剤との予備混合物および少なくとも1種の熱可塑性樹脂を供給する。この場合の混練条件および動的架橋条件は、使用される熱可塑性樹脂、架橋可能なエラストマー成分および架橋剤のタイプおよび配合量などに応じるが、一般的には、混合ゾーンにおける混練は約50〜約100℃の温度で約1〜約3分間の滞留時間で行い、動的架橋ゾーンにおける動的架橋はゴムの架橋可能温度以上かつ熱可塑性樹脂の溶融温度以上の温度(通常、約160℃〜約300℃)で約30秒間〜約5分間の滞留時間で行う。
【0022】
上記方法で製造された熱可塑性エラストマー組成物は、溶融状態で二軸混練押出機の吐出口に取り付けられたダイから通常の方法によりフィルム状、シート状またはチューブ状等の形状に押し出すか、あるいは、ストランド状に押し出し、樹脂用ペレタイザーで一旦ペレット化した後、得られたペレットをインフレーション成形、カレンダー成形、押出成形などの通常の樹脂成形法によりフィルム状、シート状またはチューブ状に成形することができる。
【0023】
本発明の熱可塑性エラストマー組成物から成る空気透過防止層を有する空気入りタイヤの製造方法について、空気透過防止層をカーカス層の内側に配置する場合の例を説明すると、本発明の熱可塑性エラストマー組成物を所定の幅と厚さを有するフィルムに成形し、それをタイヤ成型用ドラム上に円筒状に貼り着け、その上にカーカス層、ベルト層、トレッド層等のタイヤ部材を順次貼り重ね、タイヤ成型用ドラムからグリーンタイヤを取り外す。次いで、このグリーンタイヤを常法に従って加硫することにより、本発明の熱可塑性エラストマー組成物から成る空気透過防止層がタイヤ内面に配置された所望の空気入りタイヤを製造することができる。本発明の方法により製造された熱可塑性エラストマー組成物を空気入りタイヤの空気透過防止層として使用することにより、タイヤの保管時または未使用時に日光に曝された場合の劣化を防止し、その結果、空気入りタイヤの耐久性を向上することができる。
【実施例】
【0024】
以下に示す実施例及び比較例を参照して本発明をさらに詳しく説明するが、本発明の範囲は、これらの実施例によって限定されるものでないことは言うまでもない。
【0025】
熱可塑性エラストマー組成物の調製
実施例1
表1に示す量(質量部)で、架橋可能なエラストマー成分と、カーボンブラックと、架橋剤(酸化亜鉛、ステアリン酸およびステアリン酸亜鉛)を、密閉型バンバリーミキサー((株)神戸製鋼所製)に入れ、100℃で2分間混合して予備混合物を調製した。得られた予備混合物をゴムペレタイザー(モリヤマ製)によりペレット化した。ペレット状の予備混合物と、表1に示す量(質量部)の熱可塑性樹脂および変性ポリオレフィンを二軸混練押出機((株)日本製鋼所製)を使用して混練および動的架橋を行った。ペレット状の予備混合物と、熱可塑性樹脂としてナイロン6/66共重合体およびマレイン酸変性エチレン−アクリル酸エチル共重合体とを、二軸混練押出機の原料供給口からシリンダー内に導入し、温度250℃および滞留時間3分間に設定された動的架橋ゾーンで溶融混練することにより架橋可能なエラストマー成分を動的架橋させ、溶融混練物を吐出口に取り付けられたダイからストランド状に押し出した。得られたストランド状押出物を樹脂用ペレタイザーでペレット化し、熱可塑性エラストマー組成物のペレットを得た。
【0026】
実施例2
表1に示す量(質量部)で、架橋可能なエラストマー成分と、カーボンブラックと、架橋剤(酸化亜鉛、ステアリン酸およびステアリン酸亜鉛)を、加圧型ニーダー((株)モリヤマ製)にて100℃で2分間混合して予備混合物を調製した。得られた予備混合物を実施例1と同様にゴムペレタイザーによりペレット化した後、得られたペレット状の予備混合物と、表1に示す量(質量部)の熱可塑性樹脂を、実施例1と同様に、二軸混練押出機により処理し、ペレット化して、熱可塑性エラストマー組成物のペレットを得た。
【0027】
実施例3
この実施例は、スクリュー根元部に設けられた第1の原料供給口と、第1の原料供給口よりも押出方向下流側に順に設けられた混練ゾーンおよび動的架橋ゾーンと、混練ゾーンと動的架橋ゾーンの間に設けられた第2の原料供給口と、吐出口とを有する二軸混練押出機((株)日本製鋼所製)を使用して熱可塑性エラストマー組成物を調製したことを示す例である。表1に示す量(質量部)で、架橋可能なエラストマー成分と、カーボンブラックと、架橋剤(酸化亜鉛、ステアリン酸およびステアリン酸亜鉛)を第1の原料供給口からシリンダー内に導入し、温度100℃および滞留時間1分間に設定された混練ゾーンに搬送して混練することによりカーボンブラックおよび架橋剤を架橋可能なエラストマー成分中に分散させ、第2の原料供給口より熱可塑性樹脂をシリンダー内に導入し、温度250℃および滞留時間2分間に設定された動的架橋ゾーンで溶融混練することにより架橋可能なエラストマー成分を動的架橋させ、溶融混練物を吐出口に取り付けられたダイからストランド状に押し出した。得られたストランド状押出物を樹脂用ペレタイザーでペレット化し、熱可塑性エラストマー組成物のペレットを得た。
【0028】
実施例4および5
表1に示す量(質量部)で、架橋可能なエラストマー成分と、カーボンブラックと、架橋剤(酸化亜鉛、ステアリン酸およびステアリン酸亜鉛)を、実施例1と同様に密閉型バンバリーミキサー((株)神戸製鋼所製)に入れ、100℃で2分間混合して予備混合物を調製した。得られた予備混合物を実施例1と同様にゴムペレタイザーによりペレット化した後、得られたペレット状の予備混合物と、表1に示す配合量の熱可塑性樹脂を、実施例1と同様に、二軸混練押出機により処理し、ペレット化して、熱可塑性エラストマー組成物のペレットを得た。
【0029】
実施例6
カーボンブラックを第2の原料供給口からシリンダー内に導入したことを除いて、実施例3と同様にして熱可塑性エラストマー組成物のペレットを得た。
【0030】
比較例1
この実施例は、スクリュー根元部に設けられた第1の原料供給口と、第1の原料供給口よりも押出方向下流側に順に設けられた第1の混練ゾーン、動的架橋ゾーンおよび第2の混練ゾーンと、第1の混練ゾーンと動的架橋ゾーンの間に設けられた第2の原料供給口と、動的架橋ゾーンと第2の混練ゾーンとの間に設けられた第3の原料供給口と、吐出口とを有する二軸混練押出機((株)日本製鋼所製)を使用して熱可塑性エラストマー組成物を調製したことを示す例である。表1に示す量(質量部)で、架橋可能なエラストマー成分および架橋剤(酸化亜鉛、ステアリン酸およびステアリン酸亜鉛)を第1の原料供給口からシリンダー内に導入し、温度100℃および滞留時間1分間に設定された混練ゾーンに搬送し、第2の原料供給口より熱可塑性樹脂をシリンダー内に導入し、温度250℃および滞留時間2分間に設定された動的架橋ゾーンで溶融混練することにより架橋可能なエラストマー成分を動的架橋させた後、第3の原料供給口からカーボンブラックをシリンダー内に導入し、温度250℃および滞留時間1分間に設定された第2の混練ゾーンで溶融混練を続け、溶融混練物を吐出口に取り付けられたダイからストランド状に押し出した。得られたストランド状押出物を樹脂用ペレタイザーでペレット化し、熱可塑性エラストマー組成物のペレットを得た。
【0031】
比較例2〜6
表1に示す量(質量部)で、架橋可能なエラストマー成分と、カーボンブラックと、架橋剤(酸化亜鉛、ステアリン酸およびステアリン酸亜鉛)を、実施例1と同様に密閉型バンバリーミキサー((株)神戸製鋼所製)に入れ、100℃で2分間混合して予備混合物を調製した。得られた予備混合物を実施例1と同様にゴムペレタイザーによりペレット化した後、得られたペレット状の予備混合物と、表1に示す量(質量部)の熱可塑性樹脂を、実施例1と同様に、二軸混練押出機により処理し、ペレット化して、熱可塑性エラストマー組成物のペレットを得た。
【0032】
【表1】

【0033】
表1脚注:
(1)臭素化イソブチレン−パラメチルスチレン共重合体(エクソンモービルケミカル社製のExxpro MDX89−4)
(2)三菱化学(株)製のMA600(MCF級)(BET窒素吸着比表面積:140m2/g、一次粒子平均粒径:20nm)
(3)東海カーボン(株)製のシーストV(GPF級)(BET窒素吸着比表面積:62m2/g、一次粒子平均粒径:27nm)
(4)東海カーボン(株)製のシースト3(HAF級)(BET窒素吸着比表面積:79m2/g、一次粒子平均粒径:28nm)
(5)三菱化学(株)製の#2300(HCF級)(BET窒素吸着比表面積:320m2/g、一次粒子平均粒径:15nm)
(6)ナイロン6/66共重合体(宇部興産(株)製の5013B)
(7)マレイン酸変性エチレン−エチルアクリレート共重合体(三井デュポンポリケミカル(株)製のHPR AR201)
(8)正同化学(株)製の亜鉛華3号
(9)日本油脂(株)製のビーズステアリン酸
(10)堺化学工業(株)製
*カーボンブラック配合段階の「架橋前」は動的架橋前を意味し、「架橋後」は動的架橋後を意味する。
【0034】
実施例7〜12
下記表2に示すように、架橋可能なエラストマー成分、熱可塑性樹脂および架橋剤のタイプおよび量を変えたことを除き、それぞれ実施例1〜6と同様にして、実施例7〜12の熱可塑性エラストマー組成物のペレットを得た。
【0035】
比較例7〜9
下記表2に示すように、架橋可能なエラストマー成分、熱可塑性樹脂および架橋剤のタイプおよび量を変えたことを除き、比較例1と同様にして比較例7の熱可塑性エラストマー組成物のペレットを得、比較例2〜6と同様にして比較例9の熱可塑性エラストマー組成物のペレットを得た。
【0036】
【表2】

【0037】
表2脚注:
(1)無水マレイン酸変性エチレンプロピレン共重合体(三井化学(株)製のタフマーMP0620)
(2)三菱化学(株)製のMA600(MCF級)(BET窒素吸着比表面積:140m2/g、一次粒子平均粒径:20nm)
(3)ナイロン6/66共重合体(宇部興産(株)製の5033B)
(4)エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂(日本合成化学工業(株)製のソアノールA4412)
(5)3,3’−ジアミノジフェニルスルホン(三井化学ファイン(株)製)
*カーボンブラック配合段階の「架橋前」は動的架橋前を意味し、「架橋後」は動的架橋後を意味する。
【0038】
上記の実施例1〜12および比較例1〜9の熱可塑性エラストマー組成物の特性を下記の試験法により評価した。
(1)室内促進暴露試験法
実施例1〜12および比較例1〜9のペレット状の各熱可塑性エラストマー組成物を、インフレーション成形装置((株)プラコー製)を使用して温度230℃でインフレーション成形し、厚さ100μmのフィルムを得た。得られたフィルムを、縦15cmおよび横15cmの試験片に打ち抜いた。試験片を、サンシャインウェザーメーター(スガ試験機(株)製、光源:サンシャインカーボンアーク)を使用して、温度を63℃および降雨時間を60分あたり12分に設定して7日間(168時間)促進暴露にかけた。促進暴露後、試験片の表面を目視観察して、クラックの有無を調べた。クラックが認められたものを「不合格」、クラックが認められなかったものを「合格」と評価した。
(2)タイヤ耐光性試験法
タイヤの作製
まず、熱可塑性エラストマー組成物を空気透過防止層としてタイヤ内面に貼り付けるための粘接着剤組成物を調製した。粘接着剤組成物は、下記表3に示す成分をドライブレンドして二軸混練押出機((株)日本製鋼所製)に投入し、130℃で3分間混練することにより調製した。得られた混練物をストランド状に押出し、水冷した後、防着剤を塗布し、樹脂用ペレタイザーでペレット化して、粘接着剤組成物のペレットを得た。
【0039】
【表3】

【0040】
表3脚注:
(1)スチレン−ブタジエンブロック共重合体のエポキシ化物(ダイセル化学(株)製のエポフレンドAT501)
(2)正同化学(株)製の亜鉛華3号
(3)日本油脂(株)製のビーズステアリン酸YR
(4)大内新興化学(株)製のノクセラーTOT−N
(5)ヤスハラケミカル(株)製のYSレジンD105
【0041】
得られたペレット状の粘接着剤組成物と、実施例1〜12および比較例1〜9のペレット状の各熱可塑性エラストマー組成物とを、インフレーション成形装置((株)プラコー製)を使用して温度230℃でインフレーション成形し、粘接着剤組成物層と熱可塑性エラストマー組成物層から成る複層フィルムを得た。得られた複層フィルムでは、粘接着剤組成物層の厚みは20μmであり、熱可塑性エラストマー組成物層の厚みは100μmであった。複層フィルムを、タイヤ成型用ドラム上に、熱可塑性エラストマー組成物層がドラム側になるようにして配置した。その上にカーカス層、ベルト層、トレッド層等のタイヤ部材を積層し、タイヤ成型用ドラムからグリーンタイヤを取り外した。次いで、このグリーンタイヤを加硫機で加硫することにより、本発明の熱可塑性エラストマー組成物を空気タイヤサイズ165SR13(リム 13×41/2−J)のスチールラジアルタイヤを作製した。
【0042】
評価
上記のように作製したタイヤを、屋外の十分に日光に曝される地面に横置きにして12ヶ月間放置した後、乗用車に装着して、タイヤ空気圧140kPaおよびタイヤ荷重5.5kNで実路上を10000km走行した。走行後に、タイヤをリムから外し、タイヤ内面の空気透過防止層を目視観察し、空気透過防止層にクラックがあるもの、あるいはライナー層の剥離または浮き上がりがあるものを不合格、ないものを合格と判定した。結果は上記表1および2に示したとおりである。
【0043】
表1および2の結果から、本発明に従って所定量で中級カラーファーネスカーボンブラック(MCF)を使用して調製された熱可塑性エラストマー組成物は、クラック等の欠陥を発生しにくく、優れた耐UV劣化性を示すことが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
以上説明したように、本発明に従えば、耐UV劣化性および耐久性に優れた熱可塑性エラストマー組成物を得ることができ、この組成物を空気入りタイヤの空気透過防止層として使用することにより、タイヤの保管時または未使用時に日光に曝された場合の劣化を防止し、その結果、空気入りタイヤの耐久性を向上することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種の熱可塑性樹脂から構成される連続相と当該連続相中に微細に分散された動的架橋エラストマー粒子から構成される分散相とを含む相構造を有する熱可塑性エラストマー組成物の製造方法であって、動的架橋前または動的架橋中に少なくとも1種の架橋可能なエラストマー成分中に当該架橋可能なエラストマー成分100質量部に対して100〜260m2/gのBET窒素吸着比表面積および10〜25nmの一次粒子平均粒径を有するファーネスカーボンブラック1〜15質量部を分散させることを特徴とする、熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
【請求項2】
動的架橋前または動的架橋中に少なくとも1種の架橋可能なエラストマー成分中に前記ファーネスカーボンブラックを分散させることが、
(I)少なくとも1種の架橋可能なエラストマー成分および前記ファーネスカーボンブラックを混練することにより架橋可能なエラストマー成分中に前記ファーネスカーボンブラックが分散した予備混合物を形成するか、または、少なくとも1種の架橋可能なエラストマー成分と前記ファーネスカーボンブラックと架橋剤とを混練することにより架橋可能なエラストマー中に前記ファーネスカーボンブラックと架橋剤とが分散した予備混合物を形成し、
(II)前記予備混合物に少なくとも1種の熱可塑性樹脂を加え、
(III)前記予備混合物と前記熱可塑性樹脂とを溶融混練しながら前記架橋可能なエラストマー成分を動的架橋させること、
によって達成される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
動的架橋が二軸混練押出機を使用して行われる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記二軸混練押出機が、少なくとも、混練ゾーンと、当該混練ゾーンの押出方向下流側に設けられた動的架橋ゾーンとを有し、動的架橋ゾーンよりも上流側で前記二軸混練押出機に、
(i)少なくとも1種の熱可塑性樹脂、少なくとも1種の架橋可能なエラストマー成分、前記ファーネスカーボンブラックおよび架橋剤、または、
(ii)少なくとも1種の架橋可能なエラストマー成分と前記ファーネスカーボンブラックと架橋剤との予備混合物および少なくとも1種の熱可塑性樹脂、
を供給する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ファーネスカーボンブラックが未造粒のものである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1種の架橋可能なエラストマー成分が、ハロゲン化ブチルゴム、ハロゲン化イソブチレン−パラメチルスチレン共重合体およびマレイン酸変性エチレン−α−オレフィン共重合体からなる群から選ばれる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1種の熱可塑性樹脂がポリアミド系樹脂、ポリビニルアルコールおよびエチレン−ビニルアルコール共重合体からなる群から選ばれる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記ポリアミド樹脂が、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6/66共重合体およびナイロンMXD6からなる群から選ばれる請求項7に記載の方法。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法により製造された熱可塑性エラストマー組成物から成る空気透過防止層がタイヤ内面に配置された空気入りタイヤ。

【公開番号】特開2011−246626(P2011−246626A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−121903(P2010−121903)
【出願日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(000006714)横浜ゴム株式会社 (4,905)
【Fターム(参考)】