説明

熱補助磁気記録ヘッド及びその製造方法

【課題】熱補助磁気記録ヘッド及びその製造方法を提供する。
【解決手段】磁気記録媒体に磁気記録場を印加するための記録ポールと、該記録ポールと磁気的に連結されて磁路を形成するリターンポールとを備える磁気記録ヘッド;光を生成出射する光源;磁気記録ヘッドの一方の側に位置されて、光源から入力された光の進行をガイドするフォトニック結晶導波路と、フォトニック結晶導波路を介して伝送された光の強度分布を変えることで光フィールドを強化させるナノアパーチャとを備える光伝送モジュール;を備えることを特徴とする熱補助磁気記録ヘッド及びその製造方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱補助磁気記録ヘッド及びその製造方法に係り、さらに詳細には、磁気記録ヘッドに光伝送モジュールの集積化が容易になされ、光経路を所望の通りに容易に変更することができる熱補助磁気記録ヘッド及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な磁気記録方式によっては、垂直磁気記録の磁気記録密度限界である500Gb/in以上の記録密度の具現が不可能であると知られている。
【0003】
磁気情報記録分野では、このような磁気記録密度の限界を克服して、さらに高密度化を実現するための研究が活発に進められている。
【0004】
高密度化のためには、単位情報が記録される磁気記録媒体のビットサイズを縮小する必要があり、このためには、記録媒体内の結晶粒のサイズを小さくしなければならない。結晶粒のサイズの縮小は、小さな記録ビットの熱的不安定性を増大させるので、保磁力の大きい媒体が必要である。
【0005】
ところが、磁気記録ヘッドにより記録媒体に印加される磁場の強度は限界があるため、熱的安定性のために保磁力の大きい材料で磁気記録媒体を形成する場合、記録が難しいという問題が発生する。
【0006】
したがって、これを克服するための方案として、小さな記録ビットの熱的不安定性限界を克服できる保磁力の大きい記録媒体を使用し、この保磁力の大きい記録媒体に局部的に熱を加えることで記録保磁力を低下させて、磁気記録ヘッドから印加された磁場によって記録させる熱補助磁気記録(heat−assisted magnetic recording)方式が開発されている。熱補助磁気記録方式とは、磁気記録媒体に局部的に熱を加えることによって保磁力を低下させて、磁気記録ヘッドから印加された磁場によって容易に磁化して記録させるものである。かかる熱補助磁気記録方式によれば、磁気記録媒体の結晶粒を小さくしても、熱的安定性を確保することができる。
【0007】
熱補助磁気記録ヘッド(Heat−Assisted Magnetic Recording Head、以下、HAMRヘッドという)には、光を照射して磁気記録媒体を局部的に加熱して、媒体の保磁力を一時的に低下させて記録を促進する近接場発生光伝送モジュールが適用されうる。
【0008】
図1は、特許文献1に開示されたHAMRヘッドを示す。
【0009】
図1を参照すれば、開示された従来のHAMRヘッドは、磁気記録部22と、磁気記録媒体16を加熱するための光伝送モジュールとを備える。
【0010】
磁気記録部22は、磁気記録媒体16に磁気記録場を印加するための記録ポール30と、ヨーク35によって記録ポール30と磁気的に連結されて磁路Hを形成するリターンポール32とを備える。
【0011】
前記光伝送モジュールは、近接場照明を通じて前記磁気記録媒体16の所定部位Aを加熱するためのものであって、光源52と、光ファイバー54を通じて光源52から伝送された光を導波する光導波路50とを備える。エア軸受面(Air bearing surface:ABS)に近接した前記光導波路50の先端部には、電磁波放射のための電磁波放射出射構造46が取り付けられている。
【0012】
ここで、前記加熱部位Aは、前記磁気記録媒体16の相対運動により前記記録ポール30の近くに位置する。したがって、前記記録ポール30が加熱された部分に対して垂直磁気記録を行うことによって、熱的不安定性が解消された状態で磁気記録を行うことができる。
【0013】
前記のように構成された従来のHAMRヘッドは、前記磁気記録部22の記録ポール30に先立って、磁気記録媒体16に光を照射するように前記光伝送モジュールを設置するに当って、前記記録ポール30の一方の側に前記光導波路50を付着する構造を有する。したがって、磁気記録媒体16の回転による空気動圧によって得られるエア軸受効果によって、前記磁気記録部22が前記磁気記録媒体16から浮上するとき、光導波路50と磁気記録媒体16との間に一定間隔が維持される。
【0014】
前記のような従来のHAMRヘッドでは、光導波路50が入射された光を直進的に導波して電磁波放射出射構造に伝達するので、光経路が制限され、それにより、光源の設置場所が限定される。したがって、このような光源の設置場所の限界によって、HAMRヘッド全体の設計自由度が制限され、実際の製造の自由度も制限される。
【0015】
また、電磁波放射出射構造を別途に製作して、これを光導波路50の先端部に取り付けられるので、ウェーハ工程(磁気ヘッド製作と集積化させうる半導体集積化工程)により製作することが困難である。
【特許文献1】米国特許出願公開第2003/0198146号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、前記問題点に鑑みて案出されたものであって、光源設置の自由度を高め、ウェーハ工程である半導体の一括工程を通じて磁気記録ヘッドと近接場発生光伝送モジュールとを集積化できる熱補助磁気記録ヘッド、及びその製造方法を提供するところにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記目的を達成するための本発明による熱補助磁気記録ヘッドは、磁気記録媒体に磁気記録場を印加するための記録ポールと、前記記録ポールと磁気的に連結されて磁路を形成するリターンポールとを備える磁気記録ヘッド;光を生成出射する光源;前記磁気記録ヘッドの一方の側に位置し、前記光源から入力された光の進行をガイドするフォトニック結晶導波路と、前記フォトニック結晶導波路を介して伝送された光の強度分布を変えることで光フィールドを強化させるナノアパーチャとを備える光伝送モジュール;を備えることを特徴とする。
【0018】
前記フォトニック結晶導波路は、屈折率が周期的に変わるフォトニック結晶から少なくとも1列以上の周期性を除去した光導波用の線欠陥領域を備え、前記光導波用の線欠陥領域は、直線形態または少なくとも一つ以上の屈曲を有する形態に形成されてもよい。
【0019】
前記フォトニック結晶導波路は、入力されて前記光導波用の線欠陥領域によってガイドされる光の一部を誘導して、モニター用の光としてガイドするモニタリング光導波用の線欠陥領域をさらに備えてもよい。
【0020】
本発明による熱補助磁気記録ヘッドは、前記ガイドされたモニター用の光を受光して、前記フォトニック結晶導波路に入力された光量をモニタリングするモニター用の光検出器をさらに備えてもよい。
【0021】
前記ナノアパーチャは、特定偏光の光に対して光フィールドを強化させ、前記フォトニック結晶導波路は、前記ナノアパーチャによって光フィールドが強化されるように、前記ナノアパーチャに適した特定偏光の光をガイドするように偏光制御機能を有するように形成されてもよい。
【0022】
前記ナノアパーチャは、C型ナノアパーチャと、スロットと該スロットの周辺に複数のグルーブとが形成されたスロット型ナノアパーチャとのうちいずれか一つを備えてもよい。
【0023】
前記フォトニック結晶導波路の前記磁気記録ヘッドから遠い側、または前記磁気記録ヘッドの前記フォトニック結晶導波路から遠い側に読み取りセンサーをさらに備えてもよい。
【0024】
前記磁気記録ヘッドと前記フォトニック結晶導波路の一方の側との間、及び前記フォトニック結晶導波路の他方の側のうち少なくともいずれか一方の側にクラッド層をさらに備えてもよい。
【0025】
前記目的を達成するための本発明による熱補助磁気記録ヘッドの製造方法は、磁気記録媒体に磁気記録場を印加するための記録ポールと、前記記録ポールと磁気的に連結されて磁路を形成するリターンポールとを備える磁気記録ヘッドを形成する段階と、前記磁気記録ヘッド上に光伝送モジュールを形成する段階とを含み、前記光伝送モジュールを形成する段階は、前記磁気記録ヘッド上に導波路層を蒸着する段階と、前記導波路層をパターニングして光の進行をガイドするフォトニック結晶導波路を形成する段階と、前記フォトニック結晶導波路の出力領域に前記フォトニック結晶導波路を介して伝送された光の強度分布を変えることで、光フィールドを強化させるナノアパーチャを形成する段階とを含むことを特徴とする。
【0026】
前記フォトニック結晶導波路は、前記導波路層にナノインプリント、または電子リソグラフィ及び乾式エッチングを含む工程によって形成することができる。
【0027】
前記ナノアパーチャを形成する段階は、前記フォトニック結晶導波路の出力領域に金属層が存在するように形成する段階と、前記出力領域に存在する前記金属層部分が露出されたフォトレジスト層を形成する段階と、FIB工程または乾式エッチング工程を通じて、前記金属層にナノアパーチャを形成し、フォトレジスト層を除去する段階とを含むことができる。
【0028】
前記金属層が存在するように形成する段階は、前記フォトニック結晶導波路層上にフォトレジスト層をコーティングする段階と、ナノアパーチャを形成する前記フォトニック結晶導波路の出力領域を露光する段階と、前記露光された領域を現像して、前記出力領域のフォトレジスト層を除去する段階と、金属を蒸着する段階と、残りのフォトレジスト層を除去して、前記出力領域にのみ金属層が存在するようにする段階とを含むことができる。
【0029】
前記磁気記録ヘッドを形成する段階と前記光伝送モジュールを形成する段階との間に、前記磁気記録ヘッド上にクラッド層を形成する段階をさらに含んで、前記磁気記録ヘッドと光伝送モジュールとの間にクラッド層を形成することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明による熱補助磁気記録ヘッド及びその製造方法によれば、フォトニック結晶導波路を使用することにより、光源設置の自由度を高め、ウェーハ工程である半導体の一括工程を通じて磁気記録ヘッドと近接場発生光伝送モジュールとを集積化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態による熱補助磁気記録ヘッド及びその製造方法を詳細に説明する。
【0032】
図2は、本発明の一実施形態による熱補助磁気記録ヘッドを概略的に示し、図3は、本発明の他の実施形態による熱補助磁気記録ヘッドを概略的に示す図である。
【0033】
図2及び図3を参照すれば、本発明による熱補助磁気記録ヘッドは、磁気記録ヘッド110と、光を生成出射する光源130と、磁気記録ヘッド110の一方の側に位置され、光源130側から入力された光を伝送する光伝送モジュール150とを備えて構成される。前記光伝送モジュール150は、光源130方向から出射された光を伝送して磁気記録媒体100の一部領域Bに光を照射することによって、磁気記録媒体100を局所的に加熱して磁気記録媒体100の保磁力を一時的に低下させて記録を促進する。
【0034】
前記磁気記録ヘッド110は、磁気記録媒体100に磁気記録場を印加するための記録ポール(P1)111と、この記録ポール111と磁気的に連結されて磁路を形成するリターンポール(P2)113とを備える。磁気記録ヘッド110は、前記記録ポール111とリターンポール113とを磁気的に連結するヨーク115と、該ヨーク115の周りを取り囲む誘導コイル117とをさらに備える。誘導コイル117は、前記記録ポール111に磁場を誘導する。図2及び図3に示す磁気記録ヘッド110は一例であり、磁気記録ヘッド110は、磁気記録ヘッド分野で知られている多様な構成を有することができる。この磁気記録ヘッド110の基本的な構成及び役割については、磁気記録ヘッド分野ではよく知られているので、その詳細な説明は省略する。
【0035】
一方、本発明による熱補助磁気記録ヘッドは、図2及び図3に示すように、読み取りセンサー119をさらに備え、記録だけでなく読み取りも可能な磁気記録再生ヘッドとなりうる。
【0036】
図2は、読み取りセンサー119、例えば、磁気抵抗(MR)センサーが光伝送モジュール150側に設けられた例を示す。この場合には、光伝送モジュール150と読み取りセンサー119との間に遮蔽層120をさらに備えることが望ましい。
【0037】
図3は、読み取りセンサー119、例えば、磁気抵抗(MR)センサーが磁気記録ヘッド110の前記光伝送モジュール150から遠い側に設けられた例を示す。この場合には、磁気記録ヘッド110と読み取りセンサー119との間に遮蔽層125をさらに備えることが望ましい。
【0038】
本発明による熱補助磁気記録ヘッドにおいて、光伝送モジュール150は、光源130側から入力された光の進行をガイドするフォトニック結晶導波路160と、該フォトニック結晶導波路160を介して伝送された光の強度分布を変えることで光フィールドを強化させるナノアパーチャ170とを備える。
【0039】
前記光源130としては、レーザーダイオード(LD)を使用することができる。この光源130は、前記フォトニック結晶導波路160の入力端に接触接合(butt coupling)されるか、または光ファイバーなどを使用してフォトニック結晶導波路160と光学的にカップリングされうる。
【0040】
前記フォトニック結晶導波路160の少なくとも一方の側には、クラッド層151、153をさらに備えてもよい。図2及び図3は、フォトニック結晶導波路160の両側にいずれもクラッド層151、153が位置した場合を示す。すなわち、図2の場合、磁気記録ヘッド110とフォトニック結晶導波路160の一方の側との間、フォトニック結晶導波路160の他方の側と遮蔽層120との間にそれぞれクラッド層151、153が位置する。図3の場合、磁気記録ヘッド110とフォトニック結晶導波路160の一方の側との間、フォトニック結晶導波路160の他方の側にそれぞれクラッド層151、153が位置する。
【0041】
図4A及び図4Bは、それぞれ本発明による熱補助磁気記録ヘッドに適用されるフォトニック結晶導波路160の実施形態を概略的に示す平面図である。
【0042】
図4A及び図4Bを参照すれば、フォトニック結晶導波路260、360は、屈折率が周期的に変わるフォトニック結晶から少なくとも1行以上の周期性を除去した光導波用の線欠陥領域261、361を備える。図4Aは、光導波用の線欠陥領域261が屈曲261bを有する形態に形成された例を示し、図4Bは、光導波用の線欠陥領域361が直線形態に形成された例を示す。図4Aは、光導波用の線欠陥領域261が90゜の角度で光経路を変更できる一つの屈曲261bを有する場合を示すが、屈曲の数は、必要に応じて少なくとも一つ以上形成され、屈曲の角度も必要に応じて何度でも変更可能である。図4A及び図4Bにおいて、WDは、本発明による熱補助磁気記録ヘッドと磁気記録媒体100との作動距離を示す。
【0043】
図4Aに示すように、屈曲を有する光導波用の線欠陥領域261は、光の経路を曲げて光を導波する。また、図4Bに示すように、直線形態の光導波用の線欠陥領域361は、光を直進導波する。
【0044】
一般的な2次元平面光導波路の場合は、光の経路を90゜程度に変更して導波することができない。しかし、フォトニック結晶導波路の場合には、ほとんど伝達損失なしに光の経路を90゜程度に曲げて導波することができる。
【0045】
フォトニック結晶導波路160は、光導波用の線欠陥領域の形成によって、図4Aに示すように、光をその経路を曲げて導波するか、または図4Bに示すように光を直進的に導波できるので、光経路形成の自由度が大きい。すなわち、本発明による熱補助磁気記録ヘッドによれば、光経路が制限されず、これにより、光源130の設置場所も限定されることがない。光源130の設置場所は、フォトニック結晶導波路160の光導波用の線欠陥領域を変更することにより、必要に応じて如何様にも変えることができる。
【0046】
このように本発明による熱補助磁気記録ヘッドによれば、光源130の設置場所の自由度が従来に比べて大きく向上し、これにより、熱補助磁気記録ヘッド全体の設計自由度及び実際の製造の自由度も従来に比べて大きく向上する。
【0047】
一方、前記フォトニック結晶導波路260、360は、図4A及び図4Bに示すように、光導波用の線欠陥領域261、361によってガイドされる光の一部を誘導して、モニタリング光としてガイドするモニタリング光導波用の線欠陥領域265をさらに備えてもよい。また、本発明による熱補助磁気記録ヘッドは、モニタリング光導波用の線欠陥領域265チャンネルに沿ってガイドされたモニタリング光を受光して、フォトニック結晶導波路260、360によって入力された光量をモニタリングするモニタリング光検出器(PD)235をさらに備えてもよい。
【0048】
前記モニタリング光導波用の線欠陥領域265は、光導波用の線欠陥領域261、361チャンネルに沿ってガイドされる光の一部が、モードホッピング(mode hopping)によってそのモニタリング光導波用の線欠陥領域265へ誘導されうるように光導波用の線欠陥領域261、361に近接して形成される。
【0049】
前記のように、フォトニック結晶導波路260、360にモニタリング光導波用の線欠陥領域265チャンネルを形成し、このモニタリング光を受光するモニタリング光検出器235を備えるにより、前記モニタリング光検出器235の検出信号によって光源130の光出力を制御して、記録媒体100の保磁力を所望の通りに低下させうる最適の光量が磁気記録媒体100に照射されるように制御することが可能となる。
【0050】
一方、前記ナノアパーチャ170は、後述するように、特定偏光の光に対して光フィールド強化がさらに効率的に行われる特性を有する。したがって、前記フォトニック結晶導波路160は、ナノアパーチャ170によって光フィールド強化がより効率的に行われるように、該ナノアパーチャ170に適した特定偏光の光のみをガイドしてナノアパーチャ170に伝達すべく偏光制御機能を有するように形成されることがさらに望ましい。
【0051】
図4C及び図4Dは、前記フォトニック結晶導波路160の光導波用の線欠陥領域が偏光制御機能を有するように形成された実施形態のフォトニック結晶導波路460を示す。
【0052】
図4C及び図4Dを参照すれば、フォトニック結晶導波路460は、光導波用の線欠陥領域461が、例えば、光入力端から出力端まで形成された第1光導波用の線欠陥領域461aと、これに隣接して光出力端側が閉じられた(フォトニック結晶が存在する)構造の第2光導波用の線欠陥領域461bとを備えるように形成されうる。
【0053】
この時、フォトニック結晶導波路460が、空気ホール463を規則的に形成したフォトニック結晶からなる時、第1光導波用の線欠陥領域461aと第2導波用の線欠陥領域461bとの間に位置した空気ホール465は、図4C及び図4Dに示すように、残りの普通の空気ホール463より小さな直径を有するように形成される。
【0054】
図4C及び図4Dに示すようなフォトニック結晶導波路460によれば、TEモード偏光の光は、隣接チャンネルにほとんど伝えられずに進む特性があり、TMモード偏光の光は、隣接チャンネルへ移動する特性がある。
【0055】
したがって、ナノアパーチャ170がTEモード偏光の光に対して光フィールド強化を可能なように設けられた場合、光源130は、図4Cのように、光が第1光導波用の線欠陥領域461aの入力端を通じて入力されるように配置することが望ましい。この場合、TEモード偏光の光がフォトニック結晶導波路460によって導波されてナノアパーチャ170に到達する。
【0056】
また、ナノアパーチャ170がTMモード偏光に対して光フィールド強化を可能なように設けられた場合、光源130は、図4Dのように、第2光導波用の線欠陥領域461bの入力端を通じて入力されるように配置することが望ましい。この場合、TMモード偏光の光がフォトニック結晶導波路460によって導波されてナノアパーチャ170に到達する。
【0057】
図4C及び図4Dに示すような構造のフォトニック結晶導波路460を本発明による熱補助磁気記録ヘッドに適用する場合、ナノアパーチャ170の構造を考慮して、光源130を第1光導波用の線欠陥領域461aの入力端に位置させるか、または第2導波用の線欠陥領域461bの入力端に位置させるかだけ決定すれば、所望の偏光の光のみを導波させうるので、光源130のアラインが容易である。
【0058】
このように、偏光制御機能を有するフォトニック結晶導波路460を使用する本発明による熱補助磁気記録ヘッドによれば、フォトニック結晶導波路460が特定偏光の光のみを導波させることができるので、光源130をフォトニック結晶導波路460に結合させるときに、偏光方向を考慮したアラインメントが厳格ではない。
【0059】
また、本発明によれば、偏光器の役割を行うフォトニック結晶を使用して、ウェーハレベルの平面工程によって偏光器及び光導波路としての役割を行うフォトニック結晶導波路460を形成できるので、製作工程及び構造を単純化することができる。ここで、図4C及び図4Dは、偏光制御機能を有するフォトニック結晶導波路の一例であり、フォトニック結晶導波路の構造がこれに限定されるものではない。
【0060】
一方、通常の光導波路を使用する場合には、ナノアパーチャに適した特定偏光の光のみ得るために、偏光子を使用しなければならないため、光伝送モジュールがバルク化される。また、ナノアパーチャの構造を考慮して、特定方向に偏光された光を光導波路に正確にアラインして入力させなければならないため、アラインが容易ではない。さらに、通常の光導波路の場合、光導波路内において製作上の欠陥または構造的な欠陥がある場合、散乱によって導波光の効率が低下し、かつ光の偏光に影響を与えることもある。
【0061】
一般的な光導波路を使用する従来の熱補助磁気記録ヘッドでは、光モジュール内に偏光器を適用する場合、ヘッドのサイズが大きくなり、全体的な結合構造が複雑となる。
【0062】
図4C及び図4Dでは、フォトニック結晶導波路460の光導波用の線欠陥領域461部分のみを示し、フォトニック結晶導波路460の光導波用の線欠陥領域461は、図4Aのように直線に形成されるか、または図4Bを参照して説明したように少なくとも一つ以上の屈曲を有するように形成されうる。また、第1または第2光導波用の線欠陥領域461a、461bの一方の側にモードホッピングによってモニタリング光を誘導するモニタリング光導波用の線欠陥領域(図4A及び図4Bの265)をさらに備えてもよい。
【0063】
図2及び図3をさらに参照すれば、前記ナノアパーチャ170は、フォトニック結晶導波路160を介して伝送された光エネルギー分布を変えることで、強化された近接場を形成するためのものであって、フォトニック結晶導波路160の光導波用の線欠陥領域、例えば、フォトニック結晶導波路260、360または460の光導波用の線欠陥領域261、361または461の出力端に金属材質から形成される。前記ナノアパーチャ170は、表面プラズモンの生成または励起を発生させるほどに導電性の高い金属から形成されうる。例えば、前記ナノアパーチャ170は、Au、Ag、Pt、Cu、Al及びそれらのうち少なくともいずれか一つを含む合金から選択されたいずれか一つの金属材質から形成されうる。
【0064】
光源130から放出されてフォトニック結晶導波路160を介して伝送された光は、金属である近接場アパーチャ、すなわち、前記ナノアパーチャ170を通過しながら表面プラズモンを生成または励起させ、これにより、例えば、数十nmサイズの小さなスポットの高効率光が磁気記録媒体100に照射されて熱を加える。
【0065】
前記ナノアパーチャ170は、図5A及び図5Bに示すように、スロット271と、該スロット271の周辺に複数のグルーブ273とが形成された構造のスロット型ナノアパーチャ270を備えうる。図5Aは、スロット型ナノアパーチャ270を示す断面図であり、図5Bは、フォトニック結晶導波路160の出力端から見たフォトニック結晶導波路160とスロット型ナノアパーチャ270とを示す断面図である。
【0066】
スロット271の周辺に形成された複数のグルーブ273は、表面プラズモンを生成する。この表面プラズモンによって、図5Cに示すように、表面波が生じて波長より狭幅のスロット271で光通過及び光フィールド強化が可能となる。複数のグルーブ273は、シワ形態のグルーブ293(図5E参照)から形成されうる。
【0067】
図5Dは、波長より狭幅のスロット281のみを有するナノアパーチャ280である場合、光透過が回折によってのみなされ、光透過率が非常に低いことを示す。図5Eは、波長より狭幅のスロット291の周辺に複数のシワ形態のグルーブ293が形成された構造のスロット型ナノアパーチャ290である場合、光フィールドが強化されうるということを示す。
【0068】
一方、図6A及び図6Bは、一般的なスロット281’で特定偏光の光のみが通過できることを示す。図6A及び図6Bに示すように、スロット281’の幅方向に偏光された光のみがスロット281’を通過することができる。
【0069】
したがって、ナノアパーチャ170としてスロット型ナノアパーチャ270を備える場合には、フォトニック結晶導波路160を、前記スロット型ナノアパーチャ270のスロット271の幅方向に偏光された光を伝達するように設けるか、またはフォトニック結晶導波路160によって導波された特定偏光の方向がスロット271の幅方向となるようにスロット型ナノアパーチャ270を形成すれば、スロット型ナノアパーチャ270は、フィールド強化された近接場を形成することができる。
【0070】
一方、前記ナノアパーチャ170は、図7A及び図7Bに示すようなC型ナノアパーチャ370を備えてもよい。図7Aは、C型ナノアパーチャ370を示す斜視図であり、図7Bは、フォトニック結晶導波路160の出力端から見たフォトニック結晶導波路160とC型ナノアパーチャ370とを示す断面図である。
【0071】
ここで、前記ナノアパーチャ170は、スロット型ナノアパーチャ270やC型ナノアパーチャ370以外ニ他ノ多様ナ構造ヲ有シテモヨイ。例エバ、前記ナノアパーチャ170ハ、ボウタイアンテナ(bow−tie antenna)構造ノナノアパーチャヲ有シテモヨイ。
【0072】
図7A及ビ図7Bヲ参照スレバ、C型ナノアパーチャ370は、貫通孔371の中心部に向かって突出した突出部373を有し、該突出部373の存在によって、前記貫通孔371の狭幅の中央部分で電気双極子の振動によって電場が強化されて、広い領域の光エネルギーを局所部位に集中できる。突出部373がx軸に平行した方向に突出する時、C型ナノアパーチャ370は、x軸に平行に偏光された光に対して光フィールドを強化させる。図7Bは、C型ナノアパーチャ370がフォトニック結晶導波路160の平面に平行した偏光、すなわち、TM偏光の光に対して光フィールドを強化させるように設けられた例を示す。
【0073】
したがって、ナノアパーチャ170としてC型ナノアパーチャ370を備える場合には、フォトニック結晶導波路160を、前記C型ナノアパーチャ370の突出部373が突出した方向と平行した方向に偏光された光を伝達するように設けるか、またはフォトニック結晶導波路160によって導波された特定偏光の方向が、前記突出部373が突出した方向となるようにC型ナノアパーチャ370を形成すれば、C型ナノアパーチャ370は、フィールド強化された近接場を形成することができる。
【0074】
前記のようなナノアパーチャ170は、フォトニック結晶導波路160の出力端にウェーハ工程、すなわち、半導体集積化工程によって製作される。
【0075】
以下、図8A〜図8Lを参照して、図2及び図3の本発明による熱補助磁気記録ヘッドの製造方法の一実施形態について説明する。
【0076】
本発明による熱補助磁気記録ヘッドの製造方法は、磁気記録ヘッド110を形成する工程(図8A)と、該磁気記録ヘッド110上に光伝送モジュールを形成する工程(図8B〜図8L)とを含む。
【0077】
まず、図8A及び図8Bを参照すれば、記録ポールとリターンポールとを備える磁気記録ヘッド110を形成し、該磁気記録ヘッド110上に第1クラッド層151を蒸着する。
【0078】
次に、図8Cに示すように、第1クラッド層151上に導波路層160’を蒸着する。
【0079】
次に、図8Dを参照すれば、導波路層160’をパターニングして光の進行をガイドするフォトニック結晶導波路160を形成する。前記フォトニック結晶導波路160は、導波路層160’にナノインプリント工程によって形成するか、または電子リソグラフィ法及び乾式エッチング工程を通じて形成する。参照番号161aは、出力領域を示す。
【0080】
その後、図8E〜図8Lの工程を通じて、フォトニック結晶導波路160の出力領域161aにナノアパーチャ170を形成する。
【0081】
図8E〜図8Hは、フォトニック結晶導波路160の出力領域161aに金属層175を形成する工程を示す。
【0082】
前記出力領域161aに金属層175を形成するために、まず、図8Eに示すように、フォトニック結晶導波路160層上にフォトレジスト171をコーティングした後、ナノアパーチャ170を形成するフォトニック結晶導波路160の出力領域161aを露光する。図8Eにおける参照番号172は、露光された領域を示す。
【0083】
次に、図8Fに示すように、前記露光された領域172を現像して、出力領域161aからフォトレジスト171を除去し、図8Gに示すように、金属を蒸着する。これにより、前記出力領域161a及び除去されずに残留したフォトレジスト171上に金属層173が形成される。
【0084】
次に、図8Hに示すように、リフトオフ工程によって前記残りのフォトレジスト171を除去すれば、出力領域161aにのみ金属層175が存在するようになる。
【0085】
その後、図8I及び図8Jに示すような工程を通じて、出力領域161aに存在する金属層175部分のみが露出されたフォトレジスト層176を形成する。
【0086】
図8Iを参照すれば、出力領域161aに存在する金属層175及びフォトニック結晶導波路160上にフォトレジスト176’をコーティングする。その後、露光及び現像するか、またはナノインプリント及びリリース(Release)して、図8Jに示すような出力領域161aに存在する金属層175部分のみが露出されたフォトレジスト層176を形成する。
【0087】
次に、FIB(Focused Ion Beam)工程または乾式エッチング工程を通じて、図8Kに示すように、金属層175にナノアパーチャ170を形成し、フォトレジスト層176を除去すれば、図8Lに示すようなフォトニック結晶導波路160の出力領域161aにナノアパーチャ170を有する構造が得られる。
【0088】
図8K及び図8Lでは、ナノアパーチャ170がスロット179を有するスロット型ナノアパーチャに形成された例を示す。
【0089】
以後、必要に応じてフォトニック結晶導波路160上に第2クラッド層153を形成する工程をさらに進行してもよい。また、フォトニック結晶導波路160に近い側に読み取りセンサー119をさらに備える場合、前記第2クラッド層153上に遮蔽層を形成する工程及びこの遮蔽層上の磁気記録媒体100に向かう端部側に読み取りセンサーを形成する工程をさらに進行してもよい。
【0090】
前記のように、本発明による熱補助磁気記録ヘッドは、ウェーハ工程を通じて集積化が可能である。
【0091】
すなわち、本発明によれば、磁気記録ヘッドと一体に平面構造形態のフォトニック結晶導波路160とナノアパーチャ170とをウェーハ工程である半導体の一括工程を通じて形成するので、熱補助磁気記録ヘッド(すなわち、磁気ヘッドと光伝送モジュール150)の集積化が可能である。
【0092】
また、一括的なウェーハ工程を通じて形成できるので、工程時間の短縮、工程の単純化、低い製作コスト、及び高い精密度を実現することができる。
【0093】
また、光源130の設置位置に対する空間的自由度が大きくなって、小型化の可能性を高めることができる。すなわち、システムのサイズを最小化できる適切な位置に光源130を配置することが可能なので、小型化の可能性を高めることができる。
【0094】
また、2次元の平面加工の可能なフォトニック結晶導波路160を使用することによって、低損失、高効率の光特性を有して偏光制御が容易であり、且つ他の偏光素子が不要なので、小型化に寄与できる。
【0095】
また、製作可能な平面構造の磁気記録ヘッド110と光伝送モジュール150との集積化によって小型化を実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明は、磁気記録媒体関連の技術分野に好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】特許文献1に開示された従来のHAMRヘッドを示す図である。
【図2】本発明の一実施形態による熱補助磁気記録ヘッドを概略的に示す図である。
【図3】本発明の他の実施形態による熱補助磁気記録ヘッドを概略的に示す図である。
【図4A】本発明による熱補助磁気記録ヘッドに適用されるフォトニック結晶導波路の実施形態を概略的に示す平面図である。
【図4B】本発明による熱補助磁気記録ヘッドに適用されるフォトニック結晶導波路の実施形態を概略的に示す平面図である。
【図4C】本発明による熱補助磁気記録ヘッドに適用されるフォトニック結晶導波路の光導波用の線欠陥領域が偏光制御機能を有するように形成された実施形態のフォトニック結晶導波路を示す。
【図4D】本発明による熱補助磁気記録ヘッドに適用されるフォトニック結晶導波路の光導波用の線欠陥領域が偏光制御機能を有するように形成された実施形態のフォトニック結晶導波路を示す。
【図5A】スロット型ナノアパーチャを示す断面図である。
【図5B】フォトニック結晶導波路の出力端から見たフォトニック結晶導波路とスロット型ナノアパーチャとを示す断面図である。
【図5C】図5A及び図5Bのスロット型ナノアパーチャにおいて、スロット周辺に形成された複数のグルーブにより生成される表面プラズモンによる光フィールド強化を示す図である。
【図5D】波長より狭幅のスロットのみを有する場合、光透過が回折によってのみなされて、光透過率が非常に低いことを示す図である。
【図5E】波長より狭幅のスロットの周辺に複数のしわ形態のグルーブが形成された構造のスロット型ナノアパーチャである場合、光フィールドが強化できることを示す図である。
【図6A】一般的なスロットで特定偏光の光のみが通過できることを示す図である。
【図6B】一般的なスロットで特定偏光の光のみが通過できることを示す図である。
【図7A】C型ナノアパーチャを示す斜視図である。
【図7B】フォトニック結晶導波路の出力端から見たフォトニック結晶導波路とC型ナノアパーチャとを示す断面図である。
【図8A】本発明による熱補助磁気記録ヘッドの製造方法の一実施形態の工程図である。
【図8B】本発明による熱補助磁気記録ヘッドの製造方法の一実施形態の工程図である。
【図8C】本発明による熱補助磁気記録ヘッドの製造方法の一実施形態の工程図である。
【図8D】本発明による熱補助磁気記録ヘッドの製造方法の一実施形態の工程図である。
【図8E】本発明による熱補助磁気記録ヘッドの製造方法の一実施形態の工程図である。
【図8F】本発明による熱補助磁気記録ヘッドの製造方法の一実施形態の工程図である。
【図8G】本発明による熱補助磁気記録ヘッドの製造方法の一実施形態の工程図である。
【図8H】本発明による熱補助磁気記録ヘッドの製造方法の一実施形態の工程図である。
【図8I】本発明による熱補助磁気記録ヘッドの製造方法の一実施形態の工程図である。
【図8J】本発明による熱補助磁気記録ヘッドの製造方法の一実施形態の工程図である。
【図8K】本発明による熱補助磁気記録ヘッドの製造方法の一実施形態の工程図である。
【図8L】本発明による熱補助磁気記録ヘッドの製造方法の一実施形態の工程図である。
【符号の説明】
【0098】
100 磁気記録媒体
110 磁気記録ヘッド
111 記録ポール
113 リターンポール
115 ヨーク
117 誘導コイル
119 読み取りセンサー
120、125 遮蔽層
130 光源
150 光伝送モジュール
151、153 クラッド層
160、260、360、460 フォトニック結晶導波路
160’ 導波路層
161a 出力領域
170、270、280、290、370 ナノアパーチャ
171 フォトレジスト
172 露光された領域
173、175 金属層
176 フォトレジスト層
176’ フォトレジスト
179、271、281、281’、291 スロット
235 モニタリング光検出器
261、361、461、461a、461b 光導波用の線欠陥領域
261b 屈曲
265 モニタリング光導波用の線欠陥領域265
273、293 グルーブ
371 貫通孔
373 突出部
463、465 空気ホール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気記録媒体に磁気記録場を印加するための記録ポールと、前記記録ポールと磁気的に連結されて磁路を形成するリターンポールとを備える磁気記録ヘッドと、
光を生成出射する光源と、
前記磁気記録ヘッドの一方の側に位置し、前記光源から入力された光の進行をガイドするフォトニック結晶導波路と、前記フォトニック結晶導波路を介して伝送された光の強度分布を変えることで光フィールドを強化させるナノアパーチャとを備える光伝送モジュールと、を備えることを特徴とする熱補助磁気記録ヘッド。
【請求項2】
前記フォトニック結晶導波路は、屈折率が周期的に変わるフォトニック結晶から少なくとも1列以上の周期性を除去した光導波用の線欠陥領域を備え、
前記光導波用の線欠陥領域は、直線形態または少なくとも一つ以上の屈曲を有する形態に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の熱補助磁気記録ヘッド。
【請求項3】
前記フォトニック結晶導波路は、
入力されて前記光導波用の線欠陥領域によってガイドされる光の一部を誘導して、モニター用の光としてガイドするモニタリング光導波用の線欠陥領域をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の熱補助磁気記録ヘッド。
【請求項4】
前記ガイドされたモニター用の光を受光して、前記フォトニック結晶導波路に入力された光量をモニタリングするモニター用の光検出器をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の熱補助磁気記録ヘッド。
【請求項5】
前記ナノアパーチャは、特定偏光の光に対して光フィールドを強化させて、
前記フォトニック結晶導波路は、前記ナノアパーチャによって光フィールド強化が行われるように、前記ナノアパーチャに適した特定偏光の光をガイドするような偏光制御機能を有することを特徴とする請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の熱補助磁気記録ヘッド。
【請求項6】
前記ナノアパーチャは、
C型ナノアパーチャと、スロットと該スロットの周辺に複数のグルーブとが形成されたスロット型ナノアパーチャとのうちいずれか一つであることを特徴とする請求項5に記載の熱補助磁気記録ヘッド。
【請求項7】
前記フォトニック結晶導波路の前記磁気記録ヘッドから遠い側、または前記磁気記録ヘッドの前記フォトニック結晶導波路から遠い側に読み取りセンサーをさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の熱補助磁気記録ヘッド。
【請求項8】
前記フォトニック結晶導波路の前記磁気記録ヘッドから遠い側、または前記磁気記録ヘッドの前記フォトニック結晶導波路から遠い側に読み取りセンサーをさらに備えることを特徴とする請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の熱補助磁気記録ヘッド。
【請求項9】
前記磁気記録ヘッドと前記フォトニック結晶導波路の一方の側との間、及び前記フォトニック結晶導波路の他方の側のうち少なくともいずれか一方の側にクラッド層をさらに備えることを特徴とする請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の熱補助磁気記録ヘッド。
【請求項10】
磁気記録媒体に磁気記録場を印加するための記録ポールと、前記記録ポールと磁気的に連結されて磁路を形成するリターンポールとを備える磁気記録ヘッドを形成する段階と、
前記磁気記録ヘッド上に光伝送モジュールを形成する段階と、を含み、
前記光伝送モジュールを形成する段階は、
前記磁気記録ヘッド上に導波路層を蒸着する段階と、
前記導波路層をパターニングして光の進行をガイドするフォトニック結晶導波路を形成する段階と、
前記フォトニック結晶導波路の出力領域に前記フォトニック結晶導波路を介して伝送された光の強度分布を変えることで光フィールドを強化させるナノアパーチャを形成する段階と、を含むことを特徴とする熱補助磁気記録ヘッドの製造方法。
【請求項11】
前記フォトニック結晶導波路は、前記導波路層にナノインプリント、または電子リソグラフィ及び乾式エッチングを含む工程によって形成することを特徴とする請求項10に記載の熱補助磁気記録ヘッドの製造方法。
【請求項12】
前記ナノアパーチャを形成する段階は、
前記フォトニック結晶導波路の出力領域に金属層が存在するように形成する段階と、
前記出力領域に存在する前記金属層部分が露出されたフォトレジスト層を形成する段階と、
FIB工程または乾式エッチング工程を通じて、前記金属層にナノアパーチャを形成し、フォトレジスト層を除去する段階とを含むことを特徴とする請求項10に記載の熱補助磁気記録ヘッドの製造方法。
【請求項13】
前記金属層が存在するように形成する段階は、
前記フォトニック結晶導波路層上にフォトレジスト層をコーティングする段階と、
ナノアパーチャを形成する前記フォトニック結晶導波路の出力領域を露光する段階と、
前記露光された領域を現像して、前記出力領域のフォトレジスト層を除去する段階と、
金属を蒸着する段階と、
残りのフォトレジスト層を除去して、前記出力領域にのみ金属層が存在するようにする段階と、を含むことを特徴とする請求項12に記載の熱補助磁気記録ヘッドの製造方法。
【請求項14】
前記フォトニック結晶導波路は、屈折率が周期的に変わるフォトニック結晶から少なくとも1列以上の周期性を除去した光導波用の線欠陥領域を備え、
前記光導波用の線欠陥領域は、直線形態または少なくとも一つ以上の屈曲を有する形態に形成されたことを特徴とする請求項10〜請求項13のうちいずれか一項に記載の熱補助磁気記録ヘッドの製造方法。
【請求項15】
前記フォトニック結晶導波路は、
入力されて前記光導波用の線欠陥領域によってガイドされる光の一部を誘導して、モニター用の光としてガイドするモニタリング光導波用の線欠陥領域をさらに備えることを特徴とする請求項14に記載の熱補助磁気記録ヘッドの製造方法。
【請求項16】
前記ナノアパーチャは、特定偏光の光に対して光フィールドを強化させ、
前記フォトニック結晶導波路は、前記ナノアパーチャによって光フィールド強化が行われるように、前記ナノアパーチャに適した特定偏光の光をガイドするように偏光制御機能を有することを特徴とする請求項14に記載の熱補助磁気記録ヘッドの製造方法。
【請求項17】
前記ナノアパーチャは、
C型ナノアパーチャと、スロットと該スロットの周辺に複数のグルーブとが形成されたスロット型ナノアパーチャとのうちいずれか一つであることを特徴とする請求項16に記載の熱補助磁気記録ヘッドの製造方法。
【請求項18】
前記磁気記録ヘッドと光伝送モジュールとの間にクラッド層を形成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項10〜請求項13のうちいずれか一項に記載の熱補助磁気記録ヘッドの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図8E】
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【図8F】
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【図8G】
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【図8H】
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【図8I】
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【図8J】
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【図8K】
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【図8L】
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【公開番号】特開2007−188621(P2007−188621A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−311683(P2006−311683)
【出願日】平成18年11月17日(2006.11.17)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】