燃料充填容器及びガス燃焼式打込み工具
【課題】口部の構造が単純で、打込み工具に対する着脱が簡単かつ容易である。
【解決手段】ガス燃焼式打込み工具の工具本体34に着脱自在に設けられて工具本体34の打撃機構に燃料ガスを供給する燃料充填容器Aであって、容器本体1の端部に形成された口部に噴出ノズル4を摺動自在に設け、噴出ノズル4の先端が常時容器本体1から突出するように第1の圧縮バネ16により付勢し、上記噴出ノズル4の先端部に燃料ガスの噴射孔が開口形成された。
【解決手段】ガス燃焼式打込み工具の工具本体34に着脱自在に設けられて工具本体34の打撃機構に燃料ガスを供給する燃料充填容器Aであって、容器本体1の端部に形成された口部に噴出ノズル4を摺動自在に設け、噴出ノズル4の先端が常時容器本体1から突出するように第1の圧縮バネ16により付勢し、上記噴出ノズル4の先端部に燃料ガスの噴射孔が開口形成された。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料ガスを充填した燃料充填容器と、該燃料充填容器から供給された燃料ガスを爆発的に燃焼させて打撃機構を駆動するガス燃焼式の釘打ち機等の打込み工具の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から知られる燃料容器の機械本体への接続部の一例においては、燃料容器を接続するための接続部を備える機械本体側に該接続部から燃料計量装置へと通じる通路が形成され、燃料容器から供給された燃料を燃料計量装置を介して機械の燃焼室へと供給するようにし、燃料容器の上記接続部による接続は、燃料容器側の突起部の中心にノズル開口を備えた雄型ノズル部材と、機械本体側ソレノイド下部の突起部の中心にノズル開口を備えた雄型ノズル部材とがそれぞれ、ソレノイド下部のブッシュ体により保持可能とされる接続具であるシール部材を収納したシール保持体に押し込み挿入されることで行なわれている
(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、別の例においては、燃料容器のノズル側には接続時のシール部材を収納したアダプタがセットされており、ノズル(燃料セルステム)はこのアダプタにより外側から保護されている。燃料容器の装着は燃料セル室に配置した燃料容器を一方向に押し込むことで該セル室に配設されたラッチの係止舌部にノズル外周のラグが係合することでなされ、燃料容器の取り外しはラッチの押しボタン操作により係止舌部をノズル外周のラグから外すことで行なわれている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】米国特許第6217085号明細書
【特許文献2】特開2002−192479号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述の例においては、燃料容器が接続されない状態における機械本体側の接続部は通路が開放された状態となり、また接続具であるシール保持体のノズルのシール部も露出状態とされるため、これらの部分にゴミや塵埃等が入り易く、燃料計量装置やノズルのシール部に不具合が生じることになる。さらに、シール保持体に押し込み挿入された燃料容器の雄型ノズル部材はシール部の摺動抵抗によりしっかりと保持されるので、燃料容器の取り外し時の燃料容器ノズル部の戻し荷重では初期位置に戻らないことから、該容器の取り外しは、燃料容器を引っ張り出すようにしなければならず、容器の着脱における操作性が良くない。
【0005】
そして、上述の別の例においては、複雑な構造のアダプタを備えており、燃料容器の着脱のための構造は複雑であり、燃料容器の着脱性も良いとは言えない。
【0006】
本発明は、燃料容器の燃料通路が不具合を生じることなく確実に確保され、しかも燃料容器の口部の構造は単純で、該容器のガス燃焼式打込み工具に対する着脱を簡単かつ容易に行うことができる燃料容器及びガス燃焼式打込み工具を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1に係る燃料充填容器は、ガス燃焼式打込み工具の工具本体に着脱自在に設けられて工具本体の打撃機構に燃料ガスを供給する燃料充填容器であって、容器本体の端部に形成された口部に噴出ノズルを摺動自在に設け、噴出ノズルの先端が常時容器本体から突出するように圧縮バネにより付勢し、上記噴出ノズルの先端部に燃料ガスの噴射孔が開口形成されたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1において、上記口部には弁体を配置し、上記噴出ノズルが上記バネ付勢に抗して摺動したときに開閉機構を開き作動させることを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2において、上記容器本体には、上記噴出ノズルの周囲にアダプタスリーブを設けたことを特徴とする。
【0010】
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれかにおいて、上記噴出ノズルの先端は上記アダプタスリーブの開口端よりも外方に突出するように設けられたことを特徴とする。
【0011】
請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれかにおいて、上記アダプタスリーブの内部には上記噴出ノズルと嵌合する嵌合孔を備えたインナープレートを摺動自在に設け、かつこのインナープレートを常時アダプタスリーブの外方に突出する方向にバネ付勢したことを特徴とする。
【0012】
請求項6に係る発明は、請求項1〜5のいずれかにおいて、上記インナープレートには、打込み工具に設けられた接続部を上記噴出ノズルに案内する案内部を形成したことを特徴とする。
【0013】
請求項7に係る発明は、請求項1〜6のいずれかにおいて、上記インナープレートはアダプタスリーブの開口端よりも外方に突出するようにバネ付勢されていることを特徴とする。
【0014】
請求項8に係る発明は、請求項1〜7のいずれかにおいて、上記噴出ノズルと同軸上に圧縮バネ、インナープレート、アダプタスリーブを配置することを特徴とする。
【0015】
請求項9に係る発明は、請求項1〜8のいずれかにおいて、上記アダプタスリーブにはキャップと噴出ノズルとを覆うキャップを着脱自在に設け、キャップの内側中央には上記噴出ノズルの先端から内部に挿入可能な針部を備えるとともに、上記キャップの内径は燃料充填容器底部外径より若干大きくなるように形成されていることを特徴とする。
【0016】
請求項10に係るガス燃焼式打込み工具は、燃料ガスを充填した容器本体の端部に噴出ノズルを摺動自在に設け、上記噴出ノズルの先端が常時容器本体から突出するように第1の圧縮バネにより付勢し、上記噴出ノズルが第1の圧縮バネに抗して押し込まれたときに開閉機構が開き作動して燃料ガスを上記噴出ノズルから噴射する燃料充填容器を、一端から装填可能とする筒状収納部を備え、この収納部の他端には燃料充填容器の噴出ノズルを挿入可能な接続スリーブを設け、この接続スリーブには、上記収納部に装填された燃料充填容器の噴出ノズルの先端と当接可能なノズルピストンを摺動自在に収容し、ノズルピストンを常時接続スリーブの先端部近傍に第2の圧縮バネにより付勢し、上記第1の圧縮バネを第2の圧縮バネよりも強くするとともに、燃料充填容器を上記収納部内に押し込んで第1の圧縮バネによりノズルピストンをその移動端まで後退させた後に、燃料充填容器をさらに押し込むことにより上記ノズルピストンが上記噴出ノズルを押し込んで開閉機構を開き作動させ、噴出ノズルから燃料ガスを噴射させて上記接続スリーブ側に供給させることを特徴とする。
【0017】
請求項11に係る発明は、請求項10において、上記ノズルピストンの先端部は閉じ、先端部の近傍の側壁に導入孔を形成する一方、上記噴出ノズルの先端部の近傍の側壁に噴射孔を形成するとともに、上記接続スリーブの内周面には2つのシール部材を間隔をおいて設け、これらのシール部材の間に上記噴射孔と導入孔が位置したときに、上記接続スリーブの内周面とノズルピストンと噴出ノズルの各先端外周面との間に上記燃料充填容器から接続スリーブ側に燃料通路が形成されるようにしたことを特徴とする。
【0018】
請求項12に係る発明は、請求項10又は11において、上記導入孔を、上記ノズルピストンに代えて、上記接続スリーブの側壁で、かつ上記2つのシール部材の間に貫通形成したことを特徴とする。
【0019】
請求項13に係る発明は、請求項10〜12のいずれかにおいて、工具本体には、上記燃料通路に通じる燃料計量装置を設けたことを特徴とする。
【0020】
請求項14に係る発明は、請求項10〜13のいずれかにおいて、容器本体には、上記噴出ノズルの周囲にアダプタスリーブを設け、アダプタスリーブの内部には上記噴出ノズルと嵌合する嵌合孔を備えたインナープレート摺動自在に設け、かつこのインナープレートを常時アダプタスリーブの外方に突出する方向にバネ付勢したことを特徴とする。
【0021】
請求項15に係る発明は、請求項10〜14のいずれかにおいて、上記接続スリーブの端部の内周面には、待機状態において上記ノズルピストンと接して上記端部から塵埃が進入するのを防止する防塵用シール部材を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
請求項1に係る発明によれば、容器本体の端部に形成された口部に噴出ノズルを摺動自在に設け、噴出ノズルの先端が常時容器本体から突出するように圧縮バネにより付勢しているので、ガス燃焼式打込み工具の工具本体に装填したときに噴出ノズルをバネ付勢に抗して摺動させるように構成することにより、燃料充填容器装填と同時に燃料充填容器内の燃料ガスを工具本体に供給することができる。
【0023】
また、噴射孔は噴出ノズルの先端部の側壁に貫通形成されているので、噴出ノズルの先端を床などに押し付けても、噴射孔が塞がることはないので、残留ガスを効率的に排出させることができる。噴出ノズルの噴射孔は、燃料ガスを噴出ノズルの側方に排出できる構造であればよく、先端が閉じていてもよく、また溝状に形成してもよい。
【0024】
請求項2に係る発明によれば、上記口部には弁体を配置し、上記噴出ノズルが上記バネ付勢に抗して摺動したときに開閉機構を開き作動させるので、燃料充填容器装填と同時にノズルが摺動し、燃料充填容器内の燃料ガスを工具本体に供給することができる。
【0025】
請求項3に係る発明によれば、上記容器本体には、上記噴出ノズルの周囲にアダプタスリーブが設けられているので、噴出ノズルが周囲の外力から保護することができる。
【0026】
請求項4に係る発明によれば、噴出ノズルの先端は上記アダプタスリーブの開口端よりも外方に突出するように設けられているから、噴出ノズルの先端を適宜の部材に押し付けることにより、噴出ノズルがアダプタスリーブよりも突出した分だけ押し込まれるので、開閉機構を開かせることができ、内部に残留していた燃料ガスを噴出ノズルの噴射孔から排出させることができる。
【0027】
請求項5に係る発明によれば、上記アダプタスリーブの開口端には上記噴出ノズルと嵌合する嵌合孔を備えたインナープレートが設けられているので、噴出ノズルを安定的に保持することができるとともに、噴出ノズルの開閉機構のシール部を外部から保護するほか、埃などの付着を防止する効果もある。また、インナープレートは摺動自在に設けられているので、噴出ノズルとともに摺動することができ、開閉機構の開閉作動の妨げにならない。
【0028】
請求項6に係る発明によれば、上記インナープレートには、打込み工具に設けられた接続部を上記噴出ノズルに案内する案内部が形成されているので、接続部の所定の位置に噴出ノズルを対応配置することができる。
【0029】
請求項7に係る発明によれば、上記インナープレートはアダプタスリーブの開口端よりも外方に突出するようにバネ付勢されているので、噴射ノズルの安定保持、防塵などの効果がより確実になるとともに、打込み工具に対して装着するときに、付勢バネを圧縮するように構成することにより、使用後に取り外すときに付勢バネのバネ力を利用して取り外すことができる。
【0030】
請求項8に係る発明によれば、上記噴出ノズルと同軸上に圧縮バネ、インナープレート、アダプタスリーブを配置したので、噴出ノズルの摺動とインナープレートの摺動と圧縮バネの伸縮を同じ方向にして全体の機構を簡潔に構成することができる。
【0031】
請求項9に係る発明によれば、上記アダプタスリーブにはキャップと噴出ノズルとを覆うキャップを着脱自在に設け、キャップの内側中央には上記噴出ノズルの先端から内部に挿入可能な針部を備えるとともに、上記キャップの内径は燃料充填容器底部外径より若干大きくなるように形成されているから、燃料充填容器を交換するときは、新しい燃料充填容器のキャップを古い燃料充填容器の底部に強く押し込んで嵌合させることにより、中央の針部が古い燃料充填容器の底部を突き破り、内部の圧縮ガスを排出させることができるので、安全に廃棄することができる。
【0032】
請求項10に係る発明によれば、燃料ガスを充填した容器本体の端部に噴出ノズルを摺動自在に設け、上記噴出ノズルの先端が常時容器本体から突出するように第1の圧縮バネにより付勢し、上記噴出ノズルが第1の圧縮バネに抗して押し込まれたときに開閉機構が開き作動して燃料ガスを上記噴出ノズルから噴射する燃料充填容器を、一端から装填可能とする筒状収納部を備え、この収納部の他端には燃料充填容器の噴出ノズルを挿入可能な接続スリーブを設け、この接続スリーブには、上記収納部に装填された燃料充填容器の噴出ノズルの先端と当接可能なノズルピストンを摺動自在に収容し、ノズルピストンを常時接続スリーブの先端部近傍に第2の圧縮バネにより付勢し、上記第1の圧縮バネを第2の圧縮バネよりも強くするとともに、燃料充填容器を上記収納部内に押し込んで第1の圧縮バネによりノズルピストンをその移動端まで後退させた後に、燃料充填容器をさらに押し込むことにより上記ノズルピストンが上記噴出ノズルを押し込んで開閉機構を開き作動させ、噴出ノズルから燃料ガスを噴射させて上記接続スリーブ側に供給させる構成であるから、燃料充填容器を収納部に押し込み装填すると同時に、燃料充填容器の開閉機構を開き作動させ、噴出ノズルから燃料ガスを噴射させて接続スリーブ側に供給させることができる。したがって、燃料充填容器からの燃料ガスの燃料通路を確保して確実に打込み工具を作動させることができる。また、燃料容器の口部の構造は単純であるから、該容器の打込み工具に対する着脱を簡単かつ容易に行うことができる。
【0033】
請求項11に係る発明によれば、上記ノズルピストンの先端部は閉じ、先端部の近傍の側壁に導入孔を形成する一方、上記噴出ノズルの先端部の近傍の側壁に噴射孔を形成するとともに、上記接続スリーブの内周面には2つのシール部材を間隔をおいて設け、これらのシール部材の間に上記噴射孔と導入孔が位置したときに、上記接続スリーブの内周面とノズルピストンと噴出ノズルの各先端外周面との間に上記燃料充填容器から接続スリーブ側に燃料通路が形成されるようにしたので、噴出ノズルからノズルピストンに燃料ガスを供給することができる。
【0034】
請求項12に係る発明によれば、上記導入孔を、上記ノズルピストンに代えて、上記接続スリーブの側壁で、かつ上記2つのシール部材の間に貫通形成したので、燃料通路は接続スリーブに限定されず、自由に設計することができる。
【0035】
請求項13に係る発明によれば、工具本体に、上記燃料通路に通じる燃料計量装置を設けたので、燃料充填容器に燃料計量装置を設ける必要がなく、燃料充填容器のコストを低減することができる。
【0036】
請求項14に係る発明によれば、燃料充填容器内の燃料ガスが消費され尽くしたときは、収納部を開放することにより、インナープレートにより圧縮していた付勢バネのバネ力が解放されるとともに、第1の圧縮バネと第2の圧縮バネも解放されるから、これらのバネ力により燃料充填容器は後方に押し出される。このため、燃料充填容器を簡単に取り外すことができる。
【0037】
請求項15に係る発明によれば、上記接続スリーブの開口端部の内周面には、待機状態において端部が閉鎖されたノズルピストンと接して上記端部から塵埃が進入するのを防止するシール部材を設けたから、燃料充填容器が接続されていない状態でも塵埃が接続スリーブ内に進入することがない。また、燃料充填容器が装填されている状態においても、上記シール部材は噴出ノズルと接しているから、外部の塵埃が内部に進入するのを有効に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
図1及び図2において符号Aは燃料充填容器Aを示す。この燃料充填容器Aは後述のガス燃焼式打込み工具に着脱自在に設けられて工具本体の打撃機構に燃料ガスを供給するもので、容器本体1と、容器本体1の内部に配置されたインナーバッグ2と、インナーバッグ2内に充填された燃料ガスを噴出するための開閉機構3等から構成されている。インナーバッグ2内には液化燃料ガスG1が充填され、容器本体1とインナーバッグ2間の空間Sには、液化燃料ガスG1の圧力よりも高圧の圧縮ガスG2が充填されている。この圧縮ガスG2はインナーバッグ2の表面を押圧し、インナーバッグ2を押し潰して液化燃料ガスG1を噴出ノズル4から外部に噴射させるためのもので、通常はプロペラントガスが充填されている。このように、容器本体1のプロペラントガスの圧力はインナーバッグ2の内圧よりも2、3気圧高くなるように設定され、プロペラントガスのガス圧によりインナーバッグ2を圧迫して燃料ガスを噴出させるようになっている。
【0039】
容器本体1は、所定の径と長さで所定肉厚のアルミニウム製の円筒状部材からなり、先端口部には液化燃料ガスを充填する端壁1aが形成されている。底部1bは円錐状にへこみ、その中央部には圧縮ガス充填用の開口部5が形成され、ゴム栓6で閉じられている。これに対し、インナーバッグ2は容器本体1の内部に配置されることから、その内部に充填されるガスの未充填状態において、容器本体1に類似する外形を有するとともに、容器本体1よりも小さく、変形し易い薄手のアルミニウム製等の有底円筒部材からなる。
【0040】
次に、容器本体1の先端部には環状の膨突部7が形成され、その近傍には端壁1aが設けられ、端壁1aの中央部には短筒部8が外方に突出して形成され、短筒部8の先端は絞られ、短筒部8の内径よりも小さい口部10が形成されている。短筒部8の内側にはシール部11と噴出ノズル4とにより、インナーバッグ2と噴出ノズル4とを開閉する開閉機構3が設けられている。
【0041】
シール部11は合成樹脂製で環状に形成されて短筒部8の底部に固定されている。噴出ノズル4は上記口部10に摺動自在に設けられている。噴出ノズル4も合成樹脂製で、その外側の端部13は開口し、内側の端部13は閉鎖されている。また、噴出ノズル4の内側の端部12の近傍にはバネ受け座14が形成され、バネ受け座14の端部側には弁孔15が貫通形成されている。9はバネ受けで、バネ受け9と弁孔15との間には第1の圧縮バネ16が配置され、これにより噴出ノズル4は常時外方に突出するように付勢されている。噴出ノズル4が待機状態にあるときは、弁孔15はシール部11によって閉じられている。そして、上記第1の圧縮バネ16に抗して図3に矢印で示すように噴出ノズル4が内側に押し込まれたときは、弁孔15はのシール部11から外れるので、開閉機構3が開くようになっている。
【0042】
また、噴出ノズル4の外側の端部近傍には、噴出ノズル4内の燃料ガスを外部に噴出させる供給孔17が貫通形成されている。
【0043】
次に、容器本体1の先端部にはアダプタスリーブ18が取り付けられ、アダプタスリーブ18の先端にはインナープレート20が摺動自在に設けられている。
【0044】
アダプタスリーブ18は合成樹脂製で筒状に形成され、その基部の外周面には容器本体1の先端膨突部7の内側に嵌合装着可能な環状凹部21が形成されている。これにより、アダプタスリーブ18は容器本体1の膨突部7の内側に強く押し込むことにより装着することができる。また上記環状凹部21の近傍に鍔部22が形成され、鍔部22の外側には間隔をおいて複数のリブ23が形成されている。これらのリブ23の外側面を結んだ円の直径は容器本体1の直径と略同じになるように形成されている。さらに、アダプタスリーブ18の先端には内側に絞り込まれた係合縁24が形成されている。なお、噴出ノズル4の先端はアダプタスリーブ18の開口端よりも外方に突出するように設けられている。
【0045】
インナープレート20はアダプタスリーブ18の内側に摺動自在に嵌合され、中央部には上記噴出ノズル4用の嵌合孔25が形成されている。また、嵌合孔25の外側には案内突起(案内部)26が間隔をおいて環状に設けられている。そして、インナープレート20は、待機状態にあるときは、容器本体1の口部の端壁1aとの間に設けられた付勢バネ27により、外周端に形成された突縁28がアダプタスリーブ18の係合縁24に係合している。
【0046】
なお、噴出ノズル4と第1の圧縮バネ16と付勢バネ27とインナープレート20とアダプタスリーブ18とは同軸上に配置されている。
【0047】
次に、アダプタスリーブ18にはキャップ30が着脱自在に設けられている。キャップ30はインナープレート20と噴出ノズル4とを覆って外力や塵埃から保護したり、誤まって燃料ガスを噴出するのを防止したりするもので、キャップ30の内径は燃料充填容器Aの底部外径より若干大きくなるように形成されている。キャップ30の開口端部の内周面にはアダプタスリーブ18の鍔部22に係合可能な係合溝31が形成されている。また、キャップ30の内側中央には上記噴出ノズル4の先端から内部に挿入可能な針部32が突出形成されている。
【0048】
上記燃料充填容器構成によれば、容器本体1の端部に形成された口部に噴出ノズル4を摺動自在に設け、噴出ノズル4の先端が常時容器本体1から突出するように第1の圧縮バネ16により付勢し、上記口部には弁体を配置し、噴出ノズル4が上記バネ付勢に抗して摺動したときに開閉機構3を開き作動させるようになっているので、ガス燃焼式打込み工具の工具本体に装填したときに噴出ノズル4を第1の圧縮バネ16によりバネ付勢に抗して摺動させるように構成することにより、燃料充填容器Aを装填すると同時に燃料充填容器A内の燃料ガスを工具本体に供給することができる。
【0049】
また、上記容器本体1には、上記噴出ノズル4の周囲にアダプタスリーブ18が設けられているので、噴出ノズル4が周囲の外力から保護することができる。
【0050】
また、噴出ノズル4の先端は上記アダプタスリーブ18の開口端よりも外方に突出するように設けられているから、噴出ノズル4の先端を適宜の部材に押し付けることにより、噴出ノズル4がアダプタスリーブ18よりも突出した分だけ押し込まれるので、開閉機構3を開かせることができ、内部に残留していた燃料ガスを噴出ノズル4の供給孔17から排出させることができる。供給孔17は噴出ノズル4の先端部の側壁に貫通形成されているので、図3に示されるように、噴出ノズル4の先端を床などに押し付けても、供給孔17が塞がることはないので、残留ガスを効率的に排出させることができる。
【0051】
このように、噴出ノズル4の供給孔17は、燃料ガスを噴出ノズル4の側方に排出できる構造であればよく、図4のように先端が閉じていてもよく、また図5(a)(b)(c)に示されるように、溝状に形成してもよい。
【0052】
さらに、上記アダプタスリーブ18の開口端には上記噴出ノズル4と嵌合する嵌合孔25を備えたインナープレート20が設けられているので、噴出ノズル4を安定的に保持することができるとともに、噴出ノズル4の開閉機構3のシール部11を外部から保護するほか、埃などの付着を防止する効果もある。また、インナープレート20は摺動自在に設けられているので、噴出ノズル4とともに摺動することができ、開閉機構3の開閉作動の妨げにならない。
【0053】
上記インナープレート20には、打込み工具に設けられた接続部を上記噴出ノズル4に案内する案内部26が形成されているので、接続部の所定の位置に噴出ノズル4を対応配置することができる。
【0054】
また、上記噴出ノズル4と同軸上に第1の圧縮バネ16、付勢バネ27、インナープレート20及びアダプタスリーブ18を配置したので、噴出ノズル4の摺動とインナープレート20の摺動と第1の圧縮バネ16、付勢バネ27の伸縮を同じ方向にして全体の機構を簡潔に構成することができる。
【0055】
さらに、上記アダプタスリーブ18には上記キャップ30と噴出ノズル4とを覆うキャップ30を着脱自在に設け、キャップ30の内側中央には上記噴出ノズル4の先端から内部に挿入可能な針部32を備えるとともに、上記キャップ30の内径は燃料充填容器Aの底部外径より若干大きくなるように形成されているから、外力や塵埃から保護したり、誤まって燃料ガスを噴出するのを防止したりすることができるとともに、針部32が噴出ノズル4の内部に挿入されているので、噴出ノズル4を安定した状態に保持することができる。また、燃料充填容器Aを交換するときは、図6に示されるように、新しい燃料重点容器Aのキャップ30を古い燃料充填容器Aの容器本体1の底部に強く押し込んで嵌合させることにより、中央の針部32が古い燃料充填容器Aの底部を突き破り、内部の圧縮ガスを排出させることができるので、使用済みの燃料充填容器Aを安全に廃棄することができる。
【0056】
次に、上記燃料充填容器Aをガス燃焼式打込み工具に装着する機構について説明する。
【0057】
図7において符号Bは上記打ち込み工具(釘打機)を示し、34はその工具本体を示す。この工具本体34にはグリップ35とマガジン36とが連接されているとともに、内部には燃焼室37と打撃機構が設けられている。工具本体34の下方には釘を打ち出すノーズ部38が設けられ、ノーズ部38には釘を供給するマガジン36が連設されている。
【0058】
打撃機構は、打撃シリンダ41内に打撃ピストン42を摺動自在に収容するとともに、打撃ピストン42の下方にドライバ43を一体的に結合させたものである。
【0059】
シリンダヘッド部44には点火プラグ(図示せず)と回転ファン46と燃料噴出ノズル45が設けられている。点火プラグは燃焼室37内の燃料ガスと空気との混合ガスに点火して燃焼させるためのものであり、また回転ファン46は、上記ガス燃料と空気とを撹拌混合するためのものであり、可動スリーブ47の中央に配置されている。48は回転ファン46の駆動用モータである。
【0060】
打撃シリンダ41の外側上部には燃焼室37を構成する可動スリーブ47が配置されている。可動スリーブ47は円筒状に形成され、打撃シリンダ41と上部ハウジングの内部に形成されたシリンダヘッド部44との間に上下方向に摺動可能に配置されている。そして、上動したときは、可動スリーブ47の内部には密閉した燃焼室37が形成され、下動したときは燃焼室37が開くようになっている。
【0061】
なお、可動スリーブ47は図示しないリンク部材を介してノーズ部38の先端に摺動自在に設けられたコンタクト部材51に連結している。コンタクト部材51はノーズ部38の先端から突出するようにバネ付勢されている。したがって、ノーズ部38を被打ち込み材に押し付けると、コンタクト部材51は押し込まれて上動するので、リンク部材を介して可動スリーブ47も上動し密閉した燃焼室37が構成される。逆に、ノーズ部38を被打ち込み材から離すと、コンタクト部材51は元の位置に移動するので、可動スリーブ47も下方に移動し、燃焼室37が開放されるのである。
【0062】
したがって、密閉状態の燃焼室37に後述の燃料計量装置から燃料ガスを供給し、この燃料ガスと空気との混合ガスを攪拌した後に点火して燃焼させることにより、打撃機構の打撃ピストンが駆動され、ノーズ部38内に供給された釘が打ち出される。
【0063】
次に、上記マガジン36の上部には、上記燃料充填容器Aを装填可能な収納部52が形成されている。収納部52は円筒状に形成され、その後端部には、ロック部材53が設けられ、前端側には燃料充填容器Aとの接続部54が設けられている。また、接続部54はさらに燃料供給管55を介して工具本体34の上部に設けられた燃料計量装置50に接続されている。燃料計量装置50は、一定量の燃料ガスを別の燃料供給管50aを介して燃料噴出ノズル45に供給するもので、公知のものでよい。
【0064】
図7〜図9に示されるように、ロック部材53は、収納部52の後端を閉鎖可能な大きさの板状体56の一部から収納部52に連結する連結片57を形成し、連結片57をはさむ両側には係止突片58を突出形成してなり、連結片57は収納部52の後端部に形成された長孔59に開閉かつ摺動可能に連結されている。また、係止突片58は収納部52の後端の両側部に形成された係止溝60に弾性的に係止可能に形成されている。
【0065】
次に、図10に示されるように、接続部54には、後端が上記燃料供給管55に開口する接続スリーブ61が設けられ、接続スリーブ61にはノズルピストン62が摺動自在に収容されている。接続スリーブ61は上記燃料充填容器Aのインナープレート20の案内突起26の内部嵌合可能な大きさに形成され、先端には排気孔63が形成されている。また、接続スリーブ61の内周面には、先端と上記排気孔63との間に第1シール部材64が設けられ、また排気孔63と基部との間に第2シール部材65と第3シール部材66とが間隔をおいて設けられている。
【0066】
ノズルピストン62は噴出ノズル4と同径の筒状体で、先端が閉じられ、後端は開口するとともに、先端部の近傍の側壁には燃料ガスの導入孔67が形成されている。ノズルピストン62の後部には環状の突縁68が形成され、この突縁68と接続スリーブ61の底部との間に配置された第2の圧縮バネ70によりノズルピストン62は常時接続スリーブ61の先端部近傍に位置する、または突出するように付勢されている。上記第2の圧縮バネ70は燃料充填容器A内で噴出ノズル4を付勢する第1の圧縮バネ16よりもバネ力は小さい。
【0067】
なお、ノズルピストン62が待機状態にあるときは、上記導入孔67は接続スリーブ61の排気孔63と整合する位置にあり、工具本体34の燃料供給管55内に残留した燃料ガスは上記排気孔から大気に放出されるようになっている。
【0068】
なお、燃料充填容器Aが収納部52に装填されたとき、噴出ノズル4とノズルピストン62はほぼ同軸上に並ぶように構成されている。
【0069】
上記構成において、キャップ30を外した燃料充填容器Aを上記収納部52の後端から挿入して押し込むと、図11に示されるように、接続スリーブ61がインナープレート20の案内突起26の内側に案内されて嵌合し、噴出ノズル4の先端がノズルピストン62に当接する。噴出ノズル4を付勢する第1の圧縮バネ16はノズルピストン62を付勢する第2の圧縮バネ70よりもバネ力が大きいので、図12に示されるように、燃料充填容器Aを押し込むにつれてノズルピストン62は第2の圧縮バネ70に抗して押し込まれ、噴出ノズル4は接続スリーブ61の開口端から内部に進入し、最終的にはノズルピストン62は接続スリーブ61の底部に当接する。このとき、噴出ノズル4の供給孔17とノズルピストン62の導入孔67が接続プレートの第2シール部材65と第3シール部材66との間に位置するので、上記接続スリーブ61の内周面とノズルピストン62と噴出ノズル4の各先端外周面との間に燃料計量装置50に通じる燃料通路69が形成さる。なお、インナープレート20もアダプタスリーブ18の内側に押し込まれる。
【0070】
さらに、燃料充填容器Aを最後まで押し込むと、図13に示されるように、ノズルピストン62は押し込まれることはないので、こんどは噴出ノズル4が第1の圧縮バネ16に抗して押し込まれて後退移動する。これにより、噴出ノズル4の弁孔15はシール部11の環状部の内面から離脱するので開閉機構3が開き、インナーバッグ2内の燃料は上記弁孔15から噴出ノズル4の内部空間を経て供給孔17から燃料通路を通り、ノズルピストン62の内部空間からさらに燃料供給管55を通って燃料計量装置50に供給される。
【0071】
燃料充填容器Aを収納部52に十分に押し込んだ後は、図7のようにロック部材53を回動し、その係止片を収納部52の係止溝60に弾性的に係止させることにより、燃料充填容器Aは燃料ガスを常に燃料計量装置50に供給する状態に保持される。
【0072】
燃料充填容器A内の燃料ガスが消費され尽くしたときは、上記ロック部材53を下方に回動させて係止を解除して収納部52を開放させる。これにより、インナープレート20が押しこまれることにより圧縮していた付勢バネ27のバネ力が解放されるとともに、第1の圧縮バネ16と第2の圧縮バネ70も解放されるから、これらのバネ力により燃料充填容器Aは後方に押し出される。このため、燃料充填容器Aを簡単に取り外すことができる。なお、上記インナープレート20の付勢バネ27と第2の圧縮バネ70の合計バネ荷重は噴出ノズル4と接続スリーブ61のシール部材63〜65との摺動抵抗よりも大きい設定とする。
【0073】
燃料充填容器Aを交換するときは、新しい燃料充填容器Aのキャップ30を古い燃料充填容器Aの底部に強く押し込んで嵌合させることにより、中央の針部32が古い燃料充填容器Aの底部を突き破り、内部の圧縮ガスを排出させることができるので、安全に廃棄することができる。
【0074】
上記構成によれば、燃料充填容器Aを収納部52に押し込み装填すると同時に、燃料充填容器Aの開閉機構3を開き作動させ、噴出ノズル4から燃料ガスを噴射させて接続スリーブ61に供給させ、さらに接続スリーブ61から常に燃料計量装置50に供給することができるから、燃料計量装置50で計量された所定量の燃料ガスが燃焼室に送られて点火され燃焼して打撃機構を駆動することができる。
【0075】
また、上記ノズルピストン62の先端部は閉じ、先端部の近傍の側壁に導入孔67を形成する一方、上記噴出ノズル4の先端部の近傍の側壁に供給孔17を形成するとともに、上記接続スリーブ61の内周面には第1及び第2シール部材65、66を間隔をおいて設け、これらのシール部材65、66の間に上記供給孔17と導入孔67が位置したときに、上記接続スリーブ61の内周面とノズルピストン62と噴出ノズル4の各先端外周面との間に上記燃料充填容器Aから接続スリーブ61側に燃料通路が形成されるようにしたので、噴出ノズル4からノズルピストン62に燃料ガスを供給することができる。
【0076】
また、工具本体34に、上記燃料通路に通じる燃料計量装置50を設けたので、燃料充填容器Aに燃料計量装置50を設ける必要がなく、燃料充填容器Aのコストを低減することができる。
【0077】
さらに、上記接続スリーブ61の開口端部の内周面には、待機状態において上記ノズルピストン62と接して上記端部から塵埃が進入するのを防止する第1シール部材64を設けたから、燃料充填容器Aが接続されていない状態でも塵埃が接続スリーブ61内に進入することがない。また、燃料充填容器Aが装填されている状態においても、上記第1シール部材64は噴出ノズル4と接しているから、外部の塵埃が内部に進入するのを有効に防止することができる。
【0078】
なお、上記導入孔67を、上記ノズルピストン62に代えて、図14に示されるように、上記接続スリーブ61の側壁で、かつ上記2つのシール部材65、66の間に貫通形成してもよい。これによれば、燃料通路69は接続スリーブ61に限定されず、自由に設計することができる。
【0079】
さらに、噴出ノズル4は一体に形成されていなくてもよい。図15に示されるように、噴出ノズル4を第1噴出ノズル4aと第2噴出ノズル4bとを直列に連結する構造であってもよい。これによれば、第1噴出ノズル4aが短い場合に、第1の圧縮バネ16のストローク分が確保できる。
【0080】
また、図16に示されるように、噴出ノズル4を内側の第1噴出ノズル4aと外側の補助噴出ノズル4cに分け、補助噴出ノズル4cを接続スリーブ61に摺動自在に設ける構成としてもよい。この補助噴出ノズル4cの外側には接続スリーブ61の外側に摺動自在に嵌合する外筒71が一体に形成され、補助噴出ノズル4cのノズルピストン62側の端部側壁に供給孔17が形成され、反対側の部分はインナープレート20の案内突起26に嵌合可能に形成されている。
【0081】
上記構成によっても、燃料充填容器Aが装填されたときは、第2噴出ノズル4bが第1噴出ノズル4aとともにノズルピストン62を押し込んだ後にノズルピストン62が押し返して開閉機構3を開き作動させ、噴出ノズル4から燃料通路に燃料ガスを供給することができる。上記第2噴出ノズル4bは燃料充填容器A装填時の衝撃を緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明に係る燃料容器の縦断面図
【図2】上記容器をキャップで閉じた状態の縦断面図
【図3】残留燃料ガスを排出する態様を示す要部の断面図
【図4】噴出ノズルの端部開口部の他の態様の縦断面図
【図5】(a)(b)(c)は噴出ノズルのさらに他の形態の縦断面図
【図6】圧縮ガスの排出態様説明図
【図7】ガス燃焼式打込み工具に燃料容器を装填した状態の要部縦断面図
【図8】収納部とロック部材の側面図
【図9】ロック部材をロック操作した状態の断面図
【図10】接続部に燃料容器を装着する直前の状態の断面図
【図11】接続部に燃料容器の先端が当接した状態の断面図
【図12】接続部に燃料容器を押し付け途中で燃料通路が形成された状態を示す断面図
【図13】さらに燃料容器を押し付けて燃料容器と燃料供給管が連通した状態の断面図
【図14】燃料通路の他の形態を示す断面図
【図15】噴出ノズルの他の形態を示す断面図
【図16】噴出ノズルの一部が接続スリーブ側に設けられた形態を示す断面図
【符号の説明】
【0083】
1 容器本体
3 開閉機構
4 噴出ノズル
16 第1の圧縮バネ
17 供給孔
18 アダプタスリーブ
20 インナープレート
70 第2の圧縮バネ
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料ガスを充填した燃料充填容器と、該燃料充填容器から供給された燃料ガスを爆発的に燃焼させて打撃機構を駆動するガス燃焼式の釘打ち機等の打込み工具の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から知られる燃料容器の機械本体への接続部の一例においては、燃料容器を接続するための接続部を備える機械本体側に該接続部から燃料計量装置へと通じる通路が形成され、燃料容器から供給された燃料を燃料計量装置を介して機械の燃焼室へと供給するようにし、燃料容器の上記接続部による接続は、燃料容器側の突起部の中心にノズル開口を備えた雄型ノズル部材と、機械本体側ソレノイド下部の突起部の中心にノズル開口を備えた雄型ノズル部材とがそれぞれ、ソレノイド下部のブッシュ体により保持可能とされる接続具であるシール部材を収納したシール保持体に押し込み挿入されることで行なわれている
(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、別の例においては、燃料容器のノズル側には接続時のシール部材を収納したアダプタがセットされており、ノズル(燃料セルステム)はこのアダプタにより外側から保護されている。燃料容器の装着は燃料セル室に配置した燃料容器を一方向に押し込むことで該セル室に配設されたラッチの係止舌部にノズル外周のラグが係合することでなされ、燃料容器の取り外しはラッチの押しボタン操作により係止舌部をノズル外周のラグから外すことで行なわれている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】米国特許第6217085号明細書
【特許文献2】特開2002−192479号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述の例においては、燃料容器が接続されない状態における機械本体側の接続部は通路が開放された状態となり、また接続具であるシール保持体のノズルのシール部も露出状態とされるため、これらの部分にゴミや塵埃等が入り易く、燃料計量装置やノズルのシール部に不具合が生じることになる。さらに、シール保持体に押し込み挿入された燃料容器の雄型ノズル部材はシール部の摺動抵抗によりしっかりと保持されるので、燃料容器の取り外し時の燃料容器ノズル部の戻し荷重では初期位置に戻らないことから、該容器の取り外しは、燃料容器を引っ張り出すようにしなければならず、容器の着脱における操作性が良くない。
【0005】
そして、上述の別の例においては、複雑な構造のアダプタを備えており、燃料容器の着脱のための構造は複雑であり、燃料容器の着脱性も良いとは言えない。
【0006】
本発明は、燃料容器の燃料通路が不具合を生じることなく確実に確保され、しかも燃料容器の口部の構造は単純で、該容器のガス燃焼式打込み工具に対する着脱を簡単かつ容易に行うことができる燃料容器及びガス燃焼式打込み工具を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1に係る燃料充填容器は、ガス燃焼式打込み工具の工具本体に着脱自在に設けられて工具本体の打撃機構に燃料ガスを供給する燃料充填容器であって、容器本体の端部に形成された口部に噴出ノズルを摺動自在に設け、噴出ノズルの先端が常時容器本体から突出するように圧縮バネにより付勢し、上記噴出ノズルの先端部に燃料ガスの噴射孔が開口形成されたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1において、上記口部には弁体を配置し、上記噴出ノズルが上記バネ付勢に抗して摺動したときに開閉機構を開き作動させることを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2において、上記容器本体には、上記噴出ノズルの周囲にアダプタスリーブを設けたことを特徴とする。
【0010】
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれかにおいて、上記噴出ノズルの先端は上記アダプタスリーブの開口端よりも外方に突出するように設けられたことを特徴とする。
【0011】
請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれかにおいて、上記アダプタスリーブの内部には上記噴出ノズルと嵌合する嵌合孔を備えたインナープレートを摺動自在に設け、かつこのインナープレートを常時アダプタスリーブの外方に突出する方向にバネ付勢したことを特徴とする。
【0012】
請求項6に係る発明は、請求項1〜5のいずれかにおいて、上記インナープレートには、打込み工具に設けられた接続部を上記噴出ノズルに案内する案内部を形成したことを特徴とする。
【0013】
請求項7に係る発明は、請求項1〜6のいずれかにおいて、上記インナープレートはアダプタスリーブの開口端よりも外方に突出するようにバネ付勢されていることを特徴とする。
【0014】
請求項8に係る発明は、請求項1〜7のいずれかにおいて、上記噴出ノズルと同軸上に圧縮バネ、インナープレート、アダプタスリーブを配置することを特徴とする。
【0015】
請求項9に係る発明は、請求項1〜8のいずれかにおいて、上記アダプタスリーブにはキャップと噴出ノズルとを覆うキャップを着脱自在に設け、キャップの内側中央には上記噴出ノズルの先端から内部に挿入可能な針部を備えるとともに、上記キャップの内径は燃料充填容器底部外径より若干大きくなるように形成されていることを特徴とする。
【0016】
請求項10に係るガス燃焼式打込み工具は、燃料ガスを充填した容器本体の端部に噴出ノズルを摺動自在に設け、上記噴出ノズルの先端が常時容器本体から突出するように第1の圧縮バネにより付勢し、上記噴出ノズルが第1の圧縮バネに抗して押し込まれたときに開閉機構が開き作動して燃料ガスを上記噴出ノズルから噴射する燃料充填容器を、一端から装填可能とする筒状収納部を備え、この収納部の他端には燃料充填容器の噴出ノズルを挿入可能な接続スリーブを設け、この接続スリーブには、上記収納部に装填された燃料充填容器の噴出ノズルの先端と当接可能なノズルピストンを摺動自在に収容し、ノズルピストンを常時接続スリーブの先端部近傍に第2の圧縮バネにより付勢し、上記第1の圧縮バネを第2の圧縮バネよりも強くするとともに、燃料充填容器を上記収納部内に押し込んで第1の圧縮バネによりノズルピストンをその移動端まで後退させた後に、燃料充填容器をさらに押し込むことにより上記ノズルピストンが上記噴出ノズルを押し込んで開閉機構を開き作動させ、噴出ノズルから燃料ガスを噴射させて上記接続スリーブ側に供給させることを特徴とする。
【0017】
請求項11に係る発明は、請求項10において、上記ノズルピストンの先端部は閉じ、先端部の近傍の側壁に導入孔を形成する一方、上記噴出ノズルの先端部の近傍の側壁に噴射孔を形成するとともに、上記接続スリーブの内周面には2つのシール部材を間隔をおいて設け、これらのシール部材の間に上記噴射孔と導入孔が位置したときに、上記接続スリーブの内周面とノズルピストンと噴出ノズルの各先端外周面との間に上記燃料充填容器から接続スリーブ側に燃料通路が形成されるようにしたことを特徴とする。
【0018】
請求項12に係る発明は、請求項10又は11において、上記導入孔を、上記ノズルピストンに代えて、上記接続スリーブの側壁で、かつ上記2つのシール部材の間に貫通形成したことを特徴とする。
【0019】
請求項13に係る発明は、請求項10〜12のいずれかにおいて、工具本体には、上記燃料通路に通じる燃料計量装置を設けたことを特徴とする。
【0020】
請求項14に係る発明は、請求項10〜13のいずれかにおいて、容器本体には、上記噴出ノズルの周囲にアダプタスリーブを設け、アダプタスリーブの内部には上記噴出ノズルと嵌合する嵌合孔を備えたインナープレート摺動自在に設け、かつこのインナープレートを常時アダプタスリーブの外方に突出する方向にバネ付勢したことを特徴とする。
【0021】
請求項15に係る発明は、請求項10〜14のいずれかにおいて、上記接続スリーブの端部の内周面には、待機状態において上記ノズルピストンと接して上記端部から塵埃が進入するのを防止する防塵用シール部材を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
請求項1に係る発明によれば、容器本体の端部に形成された口部に噴出ノズルを摺動自在に設け、噴出ノズルの先端が常時容器本体から突出するように圧縮バネにより付勢しているので、ガス燃焼式打込み工具の工具本体に装填したときに噴出ノズルをバネ付勢に抗して摺動させるように構成することにより、燃料充填容器装填と同時に燃料充填容器内の燃料ガスを工具本体に供給することができる。
【0023】
また、噴射孔は噴出ノズルの先端部の側壁に貫通形成されているので、噴出ノズルの先端を床などに押し付けても、噴射孔が塞がることはないので、残留ガスを効率的に排出させることができる。噴出ノズルの噴射孔は、燃料ガスを噴出ノズルの側方に排出できる構造であればよく、先端が閉じていてもよく、また溝状に形成してもよい。
【0024】
請求項2に係る発明によれば、上記口部には弁体を配置し、上記噴出ノズルが上記バネ付勢に抗して摺動したときに開閉機構を開き作動させるので、燃料充填容器装填と同時にノズルが摺動し、燃料充填容器内の燃料ガスを工具本体に供給することができる。
【0025】
請求項3に係る発明によれば、上記容器本体には、上記噴出ノズルの周囲にアダプタスリーブが設けられているので、噴出ノズルが周囲の外力から保護することができる。
【0026】
請求項4に係る発明によれば、噴出ノズルの先端は上記アダプタスリーブの開口端よりも外方に突出するように設けられているから、噴出ノズルの先端を適宜の部材に押し付けることにより、噴出ノズルがアダプタスリーブよりも突出した分だけ押し込まれるので、開閉機構を開かせることができ、内部に残留していた燃料ガスを噴出ノズルの噴射孔から排出させることができる。
【0027】
請求項5に係る発明によれば、上記アダプタスリーブの開口端には上記噴出ノズルと嵌合する嵌合孔を備えたインナープレートが設けられているので、噴出ノズルを安定的に保持することができるとともに、噴出ノズルの開閉機構のシール部を外部から保護するほか、埃などの付着を防止する効果もある。また、インナープレートは摺動自在に設けられているので、噴出ノズルとともに摺動することができ、開閉機構の開閉作動の妨げにならない。
【0028】
請求項6に係る発明によれば、上記インナープレートには、打込み工具に設けられた接続部を上記噴出ノズルに案内する案内部が形成されているので、接続部の所定の位置に噴出ノズルを対応配置することができる。
【0029】
請求項7に係る発明によれば、上記インナープレートはアダプタスリーブの開口端よりも外方に突出するようにバネ付勢されているので、噴射ノズルの安定保持、防塵などの効果がより確実になるとともに、打込み工具に対して装着するときに、付勢バネを圧縮するように構成することにより、使用後に取り外すときに付勢バネのバネ力を利用して取り外すことができる。
【0030】
請求項8に係る発明によれば、上記噴出ノズルと同軸上に圧縮バネ、インナープレート、アダプタスリーブを配置したので、噴出ノズルの摺動とインナープレートの摺動と圧縮バネの伸縮を同じ方向にして全体の機構を簡潔に構成することができる。
【0031】
請求項9に係る発明によれば、上記アダプタスリーブにはキャップと噴出ノズルとを覆うキャップを着脱自在に設け、キャップの内側中央には上記噴出ノズルの先端から内部に挿入可能な針部を備えるとともに、上記キャップの内径は燃料充填容器底部外径より若干大きくなるように形成されているから、燃料充填容器を交換するときは、新しい燃料充填容器のキャップを古い燃料充填容器の底部に強く押し込んで嵌合させることにより、中央の針部が古い燃料充填容器の底部を突き破り、内部の圧縮ガスを排出させることができるので、安全に廃棄することができる。
【0032】
請求項10に係る発明によれば、燃料ガスを充填した容器本体の端部に噴出ノズルを摺動自在に設け、上記噴出ノズルの先端が常時容器本体から突出するように第1の圧縮バネにより付勢し、上記噴出ノズルが第1の圧縮バネに抗して押し込まれたときに開閉機構が開き作動して燃料ガスを上記噴出ノズルから噴射する燃料充填容器を、一端から装填可能とする筒状収納部を備え、この収納部の他端には燃料充填容器の噴出ノズルを挿入可能な接続スリーブを設け、この接続スリーブには、上記収納部に装填された燃料充填容器の噴出ノズルの先端と当接可能なノズルピストンを摺動自在に収容し、ノズルピストンを常時接続スリーブの先端部近傍に第2の圧縮バネにより付勢し、上記第1の圧縮バネを第2の圧縮バネよりも強くするとともに、燃料充填容器を上記収納部内に押し込んで第1の圧縮バネによりノズルピストンをその移動端まで後退させた後に、燃料充填容器をさらに押し込むことにより上記ノズルピストンが上記噴出ノズルを押し込んで開閉機構を開き作動させ、噴出ノズルから燃料ガスを噴射させて上記接続スリーブ側に供給させる構成であるから、燃料充填容器を収納部に押し込み装填すると同時に、燃料充填容器の開閉機構を開き作動させ、噴出ノズルから燃料ガスを噴射させて接続スリーブ側に供給させることができる。したがって、燃料充填容器からの燃料ガスの燃料通路を確保して確実に打込み工具を作動させることができる。また、燃料容器の口部の構造は単純であるから、該容器の打込み工具に対する着脱を簡単かつ容易に行うことができる。
【0033】
請求項11に係る発明によれば、上記ノズルピストンの先端部は閉じ、先端部の近傍の側壁に導入孔を形成する一方、上記噴出ノズルの先端部の近傍の側壁に噴射孔を形成するとともに、上記接続スリーブの内周面には2つのシール部材を間隔をおいて設け、これらのシール部材の間に上記噴射孔と導入孔が位置したときに、上記接続スリーブの内周面とノズルピストンと噴出ノズルの各先端外周面との間に上記燃料充填容器から接続スリーブ側に燃料通路が形成されるようにしたので、噴出ノズルからノズルピストンに燃料ガスを供給することができる。
【0034】
請求項12に係る発明によれば、上記導入孔を、上記ノズルピストンに代えて、上記接続スリーブの側壁で、かつ上記2つのシール部材の間に貫通形成したので、燃料通路は接続スリーブに限定されず、自由に設計することができる。
【0035】
請求項13に係る発明によれば、工具本体に、上記燃料通路に通じる燃料計量装置を設けたので、燃料充填容器に燃料計量装置を設ける必要がなく、燃料充填容器のコストを低減することができる。
【0036】
請求項14に係る発明によれば、燃料充填容器内の燃料ガスが消費され尽くしたときは、収納部を開放することにより、インナープレートにより圧縮していた付勢バネのバネ力が解放されるとともに、第1の圧縮バネと第2の圧縮バネも解放されるから、これらのバネ力により燃料充填容器は後方に押し出される。このため、燃料充填容器を簡単に取り外すことができる。
【0037】
請求項15に係る発明によれば、上記接続スリーブの開口端部の内周面には、待機状態において端部が閉鎖されたノズルピストンと接して上記端部から塵埃が進入するのを防止するシール部材を設けたから、燃料充填容器が接続されていない状態でも塵埃が接続スリーブ内に進入することがない。また、燃料充填容器が装填されている状態においても、上記シール部材は噴出ノズルと接しているから、外部の塵埃が内部に進入するのを有効に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
図1及び図2において符号Aは燃料充填容器Aを示す。この燃料充填容器Aは後述のガス燃焼式打込み工具に着脱自在に設けられて工具本体の打撃機構に燃料ガスを供給するもので、容器本体1と、容器本体1の内部に配置されたインナーバッグ2と、インナーバッグ2内に充填された燃料ガスを噴出するための開閉機構3等から構成されている。インナーバッグ2内には液化燃料ガスG1が充填され、容器本体1とインナーバッグ2間の空間Sには、液化燃料ガスG1の圧力よりも高圧の圧縮ガスG2が充填されている。この圧縮ガスG2はインナーバッグ2の表面を押圧し、インナーバッグ2を押し潰して液化燃料ガスG1を噴出ノズル4から外部に噴射させるためのもので、通常はプロペラントガスが充填されている。このように、容器本体1のプロペラントガスの圧力はインナーバッグ2の内圧よりも2、3気圧高くなるように設定され、プロペラントガスのガス圧によりインナーバッグ2を圧迫して燃料ガスを噴出させるようになっている。
【0039】
容器本体1は、所定の径と長さで所定肉厚のアルミニウム製の円筒状部材からなり、先端口部には液化燃料ガスを充填する端壁1aが形成されている。底部1bは円錐状にへこみ、その中央部には圧縮ガス充填用の開口部5が形成され、ゴム栓6で閉じられている。これに対し、インナーバッグ2は容器本体1の内部に配置されることから、その内部に充填されるガスの未充填状態において、容器本体1に類似する外形を有するとともに、容器本体1よりも小さく、変形し易い薄手のアルミニウム製等の有底円筒部材からなる。
【0040】
次に、容器本体1の先端部には環状の膨突部7が形成され、その近傍には端壁1aが設けられ、端壁1aの中央部には短筒部8が外方に突出して形成され、短筒部8の先端は絞られ、短筒部8の内径よりも小さい口部10が形成されている。短筒部8の内側にはシール部11と噴出ノズル4とにより、インナーバッグ2と噴出ノズル4とを開閉する開閉機構3が設けられている。
【0041】
シール部11は合成樹脂製で環状に形成されて短筒部8の底部に固定されている。噴出ノズル4は上記口部10に摺動自在に設けられている。噴出ノズル4も合成樹脂製で、その外側の端部13は開口し、内側の端部13は閉鎖されている。また、噴出ノズル4の内側の端部12の近傍にはバネ受け座14が形成され、バネ受け座14の端部側には弁孔15が貫通形成されている。9はバネ受けで、バネ受け9と弁孔15との間には第1の圧縮バネ16が配置され、これにより噴出ノズル4は常時外方に突出するように付勢されている。噴出ノズル4が待機状態にあるときは、弁孔15はシール部11によって閉じられている。そして、上記第1の圧縮バネ16に抗して図3に矢印で示すように噴出ノズル4が内側に押し込まれたときは、弁孔15はのシール部11から外れるので、開閉機構3が開くようになっている。
【0042】
また、噴出ノズル4の外側の端部近傍には、噴出ノズル4内の燃料ガスを外部に噴出させる供給孔17が貫通形成されている。
【0043】
次に、容器本体1の先端部にはアダプタスリーブ18が取り付けられ、アダプタスリーブ18の先端にはインナープレート20が摺動自在に設けられている。
【0044】
アダプタスリーブ18は合成樹脂製で筒状に形成され、その基部の外周面には容器本体1の先端膨突部7の内側に嵌合装着可能な環状凹部21が形成されている。これにより、アダプタスリーブ18は容器本体1の膨突部7の内側に強く押し込むことにより装着することができる。また上記環状凹部21の近傍に鍔部22が形成され、鍔部22の外側には間隔をおいて複数のリブ23が形成されている。これらのリブ23の外側面を結んだ円の直径は容器本体1の直径と略同じになるように形成されている。さらに、アダプタスリーブ18の先端には内側に絞り込まれた係合縁24が形成されている。なお、噴出ノズル4の先端はアダプタスリーブ18の開口端よりも外方に突出するように設けられている。
【0045】
インナープレート20はアダプタスリーブ18の内側に摺動自在に嵌合され、中央部には上記噴出ノズル4用の嵌合孔25が形成されている。また、嵌合孔25の外側には案内突起(案内部)26が間隔をおいて環状に設けられている。そして、インナープレート20は、待機状態にあるときは、容器本体1の口部の端壁1aとの間に設けられた付勢バネ27により、外周端に形成された突縁28がアダプタスリーブ18の係合縁24に係合している。
【0046】
なお、噴出ノズル4と第1の圧縮バネ16と付勢バネ27とインナープレート20とアダプタスリーブ18とは同軸上に配置されている。
【0047】
次に、アダプタスリーブ18にはキャップ30が着脱自在に設けられている。キャップ30はインナープレート20と噴出ノズル4とを覆って外力や塵埃から保護したり、誤まって燃料ガスを噴出するのを防止したりするもので、キャップ30の内径は燃料充填容器Aの底部外径より若干大きくなるように形成されている。キャップ30の開口端部の内周面にはアダプタスリーブ18の鍔部22に係合可能な係合溝31が形成されている。また、キャップ30の内側中央には上記噴出ノズル4の先端から内部に挿入可能な針部32が突出形成されている。
【0048】
上記燃料充填容器構成によれば、容器本体1の端部に形成された口部に噴出ノズル4を摺動自在に設け、噴出ノズル4の先端が常時容器本体1から突出するように第1の圧縮バネ16により付勢し、上記口部には弁体を配置し、噴出ノズル4が上記バネ付勢に抗して摺動したときに開閉機構3を開き作動させるようになっているので、ガス燃焼式打込み工具の工具本体に装填したときに噴出ノズル4を第1の圧縮バネ16によりバネ付勢に抗して摺動させるように構成することにより、燃料充填容器Aを装填すると同時に燃料充填容器A内の燃料ガスを工具本体に供給することができる。
【0049】
また、上記容器本体1には、上記噴出ノズル4の周囲にアダプタスリーブ18が設けられているので、噴出ノズル4が周囲の外力から保護することができる。
【0050】
また、噴出ノズル4の先端は上記アダプタスリーブ18の開口端よりも外方に突出するように設けられているから、噴出ノズル4の先端を適宜の部材に押し付けることにより、噴出ノズル4がアダプタスリーブ18よりも突出した分だけ押し込まれるので、開閉機構3を開かせることができ、内部に残留していた燃料ガスを噴出ノズル4の供給孔17から排出させることができる。供給孔17は噴出ノズル4の先端部の側壁に貫通形成されているので、図3に示されるように、噴出ノズル4の先端を床などに押し付けても、供給孔17が塞がることはないので、残留ガスを効率的に排出させることができる。
【0051】
このように、噴出ノズル4の供給孔17は、燃料ガスを噴出ノズル4の側方に排出できる構造であればよく、図4のように先端が閉じていてもよく、また図5(a)(b)(c)に示されるように、溝状に形成してもよい。
【0052】
さらに、上記アダプタスリーブ18の開口端には上記噴出ノズル4と嵌合する嵌合孔25を備えたインナープレート20が設けられているので、噴出ノズル4を安定的に保持することができるとともに、噴出ノズル4の開閉機構3のシール部11を外部から保護するほか、埃などの付着を防止する効果もある。また、インナープレート20は摺動自在に設けられているので、噴出ノズル4とともに摺動することができ、開閉機構3の開閉作動の妨げにならない。
【0053】
上記インナープレート20には、打込み工具に設けられた接続部を上記噴出ノズル4に案内する案内部26が形成されているので、接続部の所定の位置に噴出ノズル4を対応配置することができる。
【0054】
また、上記噴出ノズル4と同軸上に第1の圧縮バネ16、付勢バネ27、インナープレート20及びアダプタスリーブ18を配置したので、噴出ノズル4の摺動とインナープレート20の摺動と第1の圧縮バネ16、付勢バネ27の伸縮を同じ方向にして全体の機構を簡潔に構成することができる。
【0055】
さらに、上記アダプタスリーブ18には上記キャップ30と噴出ノズル4とを覆うキャップ30を着脱自在に設け、キャップ30の内側中央には上記噴出ノズル4の先端から内部に挿入可能な針部32を備えるとともに、上記キャップ30の内径は燃料充填容器Aの底部外径より若干大きくなるように形成されているから、外力や塵埃から保護したり、誤まって燃料ガスを噴出するのを防止したりすることができるとともに、針部32が噴出ノズル4の内部に挿入されているので、噴出ノズル4を安定した状態に保持することができる。また、燃料充填容器Aを交換するときは、図6に示されるように、新しい燃料重点容器Aのキャップ30を古い燃料充填容器Aの容器本体1の底部に強く押し込んで嵌合させることにより、中央の針部32が古い燃料充填容器Aの底部を突き破り、内部の圧縮ガスを排出させることができるので、使用済みの燃料充填容器Aを安全に廃棄することができる。
【0056】
次に、上記燃料充填容器Aをガス燃焼式打込み工具に装着する機構について説明する。
【0057】
図7において符号Bは上記打ち込み工具(釘打機)を示し、34はその工具本体を示す。この工具本体34にはグリップ35とマガジン36とが連接されているとともに、内部には燃焼室37と打撃機構が設けられている。工具本体34の下方には釘を打ち出すノーズ部38が設けられ、ノーズ部38には釘を供給するマガジン36が連設されている。
【0058】
打撃機構は、打撃シリンダ41内に打撃ピストン42を摺動自在に収容するとともに、打撃ピストン42の下方にドライバ43を一体的に結合させたものである。
【0059】
シリンダヘッド部44には点火プラグ(図示せず)と回転ファン46と燃料噴出ノズル45が設けられている。点火プラグは燃焼室37内の燃料ガスと空気との混合ガスに点火して燃焼させるためのものであり、また回転ファン46は、上記ガス燃料と空気とを撹拌混合するためのものであり、可動スリーブ47の中央に配置されている。48は回転ファン46の駆動用モータである。
【0060】
打撃シリンダ41の外側上部には燃焼室37を構成する可動スリーブ47が配置されている。可動スリーブ47は円筒状に形成され、打撃シリンダ41と上部ハウジングの内部に形成されたシリンダヘッド部44との間に上下方向に摺動可能に配置されている。そして、上動したときは、可動スリーブ47の内部には密閉した燃焼室37が形成され、下動したときは燃焼室37が開くようになっている。
【0061】
なお、可動スリーブ47は図示しないリンク部材を介してノーズ部38の先端に摺動自在に設けられたコンタクト部材51に連結している。コンタクト部材51はノーズ部38の先端から突出するようにバネ付勢されている。したがって、ノーズ部38を被打ち込み材に押し付けると、コンタクト部材51は押し込まれて上動するので、リンク部材を介して可動スリーブ47も上動し密閉した燃焼室37が構成される。逆に、ノーズ部38を被打ち込み材から離すと、コンタクト部材51は元の位置に移動するので、可動スリーブ47も下方に移動し、燃焼室37が開放されるのである。
【0062】
したがって、密閉状態の燃焼室37に後述の燃料計量装置から燃料ガスを供給し、この燃料ガスと空気との混合ガスを攪拌した後に点火して燃焼させることにより、打撃機構の打撃ピストンが駆動され、ノーズ部38内に供給された釘が打ち出される。
【0063】
次に、上記マガジン36の上部には、上記燃料充填容器Aを装填可能な収納部52が形成されている。収納部52は円筒状に形成され、その後端部には、ロック部材53が設けられ、前端側には燃料充填容器Aとの接続部54が設けられている。また、接続部54はさらに燃料供給管55を介して工具本体34の上部に設けられた燃料計量装置50に接続されている。燃料計量装置50は、一定量の燃料ガスを別の燃料供給管50aを介して燃料噴出ノズル45に供給するもので、公知のものでよい。
【0064】
図7〜図9に示されるように、ロック部材53は、収納部52の後端を閉鎖可能な大きさの板状体56の一部から収納部52に連結する連結片57を形成し、連結片57をはさむ両側には係止突片58を突出形成してなり、連結片57は収納部52の後端部に形成された長孔59に開閉かつ摺動可能に連結されている。また、係止突片58は収納部52の後端の両側部に形成された係止溝60に弾性的に係止可能に形成されている。
【0065】
次に、図10に示されるように、接続部54には、後端が上記燃料供給管55に開口する接続スリーブ61が設けられ、接続スリーブ61にはノズルピストン62が摺動自在に収容されている。接続スリーブ61は上記燃料充填容器Aのインナープレート20の案内突起26の内部嵌合可能な大きさに形成され、先端には排気孔63が形成されている。また、接続スリーブ61の内周面には、先端と上記排気孔63との間に第1シール部材64が設けられ、また排気孔63と基部との間に第2シール部材65と第3シール部材66とが間隔をおいて設けられている。
【0066】
ノズルピストン62は噴出ノズル4と同径の筒状体で、先端が閉じられ、後端は開口するとともに、先端部の近傍の側壁には燃料ガスの導入孔67が形成されている。ノズルピストン62の後部には環状の突縁68が形成され、この突縁68と接続スリーブ61の底部との間に配置された第2の圧縮バネ70によりノズルピストン62は常時接続スリーブ61の先端部近傍に位置する、または突出するように付勢されている。上記第2の圧縮バネ70は燃料充填容器A内で噴出ノズル4を付勢する第1の圧縮バネ16よりもバネ力は小さい。
【0067】
なお、ノズルピストン62が待機状態にあるときは、上記導入孔67は接続スリーブ61の排気孔63と整合する位置にあり、工具本体34の燃料供給管55内に残留した燃料ガスは上記排気孔から大気に放出されるようになっている。
【0068】
なお、燃料充填容器Aが収納部52に装填されたとき、噴出ノズル4とノズルピストン62はほぼ同軸上に並ぶように構成されている。
【0069】
上記構成において、キャップ30を外した燃料充填容器Aを上記収納部52の後端から挿入して押し込むと、図11に示されるように、接続スリーブ61がインナープレート20の案内突起26の内側に案内されて嵌合し、噴出ノズル4の先端がノズルピストン62に当接する。噴出ノズル4を付勢する第1の圧縮バネ16はノズルピストン62を付勢する第2の圧縮バネ70よりもバネ力が大きいので、図12に示されるように、燃料充填容器Aを押し込むにつれてノズルピストン62は第2の圧縮バネ70に抗して押し込まれ、噴出ノズル4は接続スリーブ61の開口端から内部に進入し、最終的にはノズルピストン62は接続スリーブ61の底部に当接する。このとき、噴出ノズル4の供給孔17とノズルピストン62の導入孔67が接続プレートの第2シール部材65と第3シール部材66との間に位置するので、上記接続スリーブ61の内周面とノズルピストン62と噴出ノズル4の各先端外周面との間に燃料計量装置50に通じる燃料通路69が形成さる。なお、インナープレート20もアダプタスリーブ18の内側に押し込まれる。
【0070】
さらに、燃料充填容器Aを最後まで押し込むと、図13に示されるように、ノズルピストン62は押し込まれることはないので、こんどは噴出ノズル4が第1の圧縮バネ16に抗して押し込まれて後退移動する。これにより、噴出ノズル4の弁孔15はシール部11の環状部の内面から離脱するので開閉機構3が開き、インナーバッグ2内の燃料は上記弁孔15から噴出ノズル4の内部空間を経て供給孔17から燃料通路を通り、ノズルピストン62の内部空間からさらに燃料供給管55を通って燃料計量装置50に供給される。
【0071】
燃料充填容器Aを収納部52に十分に押し込んだ後は、図7のようにロック部材53を回動し、その係止片を収納部52の係止溝60に弾性的に係止させることにより、燃料充填容器Aは燃料ガスを常に燃料計量装置50に供給する状態に保持される。
【0072】
燃料充填容器A内の燃料ガスが消費され尽くしたときは、上記ロック部材53を下方に回動させて係止を解除して収納部52を開放させる。これにより、インナープレート20が押しこまれることにより圧縮していた付勢バネ27のバネ力が解放されるとともに、第1の圧縮バネ16と第2の圧縮バネ70も解放されるから、これらのバネ力により燃料充填容器Aは後方に押し出される。このため、燃料充填容器Aを簡単に取り外すことができる。なお、上記インナープレート20の付勢バネ27と第2の圧縮バネ70の合計バネ荷重は噴出ノズル4と接続スリーブ61のシール部材63〜65との摺動抵抗よりも大きい設定とする。
【0073】
燃料充填容器Aを交換するときは、新しい燃料充填容器Aのキャップ30を古い燃料充填容器Aの底部に強く押し込んで嵌合させることにより、中央の針部32が古い燃料充填容器Aの底部を突き破り、内部の圧縮ガスを排出させることができるので、安全に廃棄することができる。
【0074】
上記構成によれば、燃料充填容器Aを収納部52に押し込み装填すると同時に、燃料充填容器Aの開閉機構3を開き作動させ、噴出ノズル4から燃料ガスを噴射させて接続スリーブ61に供給させ、さらに接続スリーブ61から常に燃料計量装置50に供給することができるから、燃料計量装置50で計量された所定量の燃料ガスが燃焼室に送られて点火され燃焼して打撃機構を駆動することができる。
【0075】
また、上記ノズルピストン62の先端部は閉じ、先端部の近傍の側壁に導入孔67を形成する一方、上記噴出ノズル4の先端部の近傍の側壁に供給孔17を形成するとともに、上記接続スリーブ61の内周面には第1及び第2シール部材65、66を間隔をおいて設け、これらのシール部材65、66の間に上記供給孔17と導入孔67が位置したときに、上記接続スリーブ61の内周面とノズルピストン62と噴出ノズル4の各先端外周面との間に上記燃料充填容器Aから接続スリーブ61側に燃料通路が形成されるようにしたので、噴出ノズル4からノズルピストン62に燃料ガスを供給することができる。
【0076】
また、工具本体34に、上記燃料通路に通じる燃料計量装置50を設けたので、燃料充填容器Aに燃料計量装置50を設ける必要がなく、燃料充填容器Aのコストを低減することができる。
【0077】
さらに、上記接続スリーブ61の開口端部の内周面には、待機状態において上記ノズルピストン62と接して上記端部から塵埃が進入するのを防止する第1シール部材64を設けたから、燃料充填容器Aが接続されていない状態でも塵埃が接続スリーブ61内に進入することがない。また、燃料充填容器Aが装填されている状態においても、上記第1シール部材64は噴出ノズル4と接しているから、外部の塵埃が内部に進入するのを有効に防止することができる。
【0078】
なお、上記導入孔67を、上記ノズルピストン62に代えて、図14に示されるように、上記接続スリーブ61の側壁で、かつ上記2つのシール部材65、66の間に貫通形成してもよい。これによれば、燃料通路69は接続スリーブ61に限定されず、自由に設計することができる。
【0079】
さらに、噴出ノズル4は一体に形成されていなくてもよい。図15に示されるように、噴出ノズル4を第1噴出ノズル4aと第2噴出ノズル4bとを直列に連結する構造であってもよい。これによれば、第1噴出ノズル4aが短い場合に、第1の圧縮バネ16のストローク分が確保できる。
【0080】
また、図16に示されるように、噴出ノズル4を内側の第1噴出ノズル4aと外側の補助噴出ノズル4cに分け、補助噴出ノズル4cを接続スリーブ61に摺動自在に設ける構成としてもよい。この補助噴出ノズル4cの外側には接続スリーブ61の外側に摺動自在に嵌合する外筒71が一体に形成され、補助噴出ノズル4cのノズルピストン62側の端部側壁に供給孔17が形成され、反対側の部分はインナープレート20の案内突起26に嵌合可能に形成されている。
【0081】
上記構成によっても、燃料充填容器Aが装填されたときは、第2噴出ノズル4bが第1噴出ノズル4aとともにノズルピストン62を押し込んだ後にノズルピストン62が押し返して開閉機構3を開き作動させ、噴出ノズル4から燃料通路に燃料ガスを供給することができる。上記第2噴出ノズル4bは燃料充填容器A装填時の衝撃を緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明に係る燃料容器の縦断面図
【図2】上記容器をキャップで閉じた状態の縦断面図
【図3】残留燃料ガスを排出する態様を示す要部の断面図
【図4】噴出ノズルの端部開口部の他の態様の縦断面図
【図5】(a)(b)(c)は噴出ノズルのさらに他の形態の縦断面図
【図6】圧縮ガスの排出態様説明図
【図7】ガス燃焼式打込み工具に燃料容器を装填した状態の要部縦断面図
【図8】収納部とロック部材の側面図
【図9】ロック部材をロック操作した状態の断面図
【図10】接続部に燃料容器を装着する直前の状態の断面図
【図11】接続部に燃料容器の先端が当接した状態の断面図
【図12】接続部に燃料容器を押し付け途中で燃料通路が形成された状態を示す断面図
【図13】さらに燃料容器を押し付けて燃料容器と燃料供給管が連通した状態の断面図
【図14】燃料通路の他の形態を示す断面図
【図15】噴出ノズルの他の形態を示す断面図
【図16】噴出ノズルの一部が接続スリーブ側に設けられた形態を示す断面図
【符号の説明】
【0083】
1 容器本体
3 開閉機構
4 噴出ノズル
16 第1の圧縮バネ
17 供給孔
18 アダプタスリーブ
20 インナープレート
70 第2の圧縮バネ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス燃焼式打込み工具の工具本体に着脱自在に設けられて工具本体の打撃機構に燃料ガスを供給する燃料充填容器であって、容器本体の端部に形成された口部に噴出ノズルを摺動自在に設け、噴出ノズルの先端が常時容器本体から突出するように圧縮バネにより付勢し、上記噴出ノズルの先端部に燃料ガスの噴射孔が開口形成されたことを特徴とする燃料充填容器。
【請求項2】
上記口部には弁体を配置し、上記噴出ノズルが上記バネ付勢に抗して摺動したときに開閉機構を開き作動させることを特徴とする、請求項1に記載の燃料充填容器。
【請求項3】
上記容器本体には、上記噴出ノズルの周囲にアダプタスリーブを設けたことを特徴とする、請求項1又は2に記載の燃料充填容器。
【請求項4】
上記噴出ノズルの先端は上記アダプタスリーブの開口端よりも外方に突出するように設けられたことを特徴とする、請求項〜3のいずれかに記載の燃料充填容器。
【請求項5】
上記アダプタスリーブの内部には上記噴出ノズルと嵌合する嵌合孔を備えたインナープレートを摺動自在に設け、かつこのインナープレートを常時アダプタスリーブの外方に突出する方向にバネ付勢したことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の燃料充填容器。
【請求項6】
上記インナープレートには、打込み工具に設けられた接続部を上記噴出ノズルに案内する案内部を形成したことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の燃料充填容器。
【請求項7】
上記インナープレートはアダプタスリーブの開口端よりも外方に突出するようにバネ付勢されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の燃料充填容器。
【請求項8】
上記噴出ノズルと同軸上に圧縮バネ、インナープレート、アダプタスリーブを配置することを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の燃料充填容器。
【請求項9】
上記アダプタスリーブにはキャップと噴出ノズルとを覆うキャップを着脱自在に設け、キャップの内側中央には上記噴出ノズルの先端から内部に挿入可能な針部を備えるとともに、上記キャップの内径は燃料充填容器底部外径より若干大きくなるように形成されていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の燃料充填容器。
【請求項10】
燃料ガスを充填した容器本体の端部に噴出ノズルを摺動自在に設け、上記噴出ノズルの先端が常時容器本体から突出するように第1の圧縮バネにより付勢し、上記噴出ノズルが第1の圧縮バネに抗して押し込まれたときに開閉機構が開き作動して燃料ガスを上記噴出ノズルから噴射する燃料充填容器を、一端から装填可能とする筒状収納部を備え、この収納部の他端には燃料充填容器の噴出ノズルを挿入可能な接続スリーブを設け、この接続スリーブには、上記収納部に装填された燃料充填容器の噴出ノズルの先端と当接可能なノズルピストンを摺動自在に収容し、ノズルピストンを常時接続スリーブの先端部近傍に第2の圧縮バネにより付勢し、上記第1の圧縮バネを第2の圧縮バネよりも強くするとともに、燃料充填容器を上記収納部内に押し込んで第1の圧縮バネによりノズルピストンをその移動端まで後退させた後に、燃料充填容器をさらに押し込むことにより上記ノズルピストンが上記噴出ノズルを押し込んで開閉機構を開き作動させ、噴出ノズルから燃料ガスを噴射させて上記接続スリーブ側に供給させることを特徴とするガス燃焼式打込み工具。
【請求項11】
上記ノズルピストンの先端部は閉じ、先端部の近傍の側壁に導入孔を形成する一方、上記噴出ノズルの先端部の近傍の側壁に噴射孔を形成するとともに、上記接続スリーブの内周面には2つのシール部材を間隔をおいて設け、これらのシール部材の間に上記噴射孔と導入孔が位置したときに、上記接続スリーブの内周面とノズルピストンと噴出ノズルの各先端外周面との間に上記燃料充填容器から接続スリーブ側に燃料通路が形成されるようにしたことを特徴とする、請求項10に記載のガス燃焼式打込み工具。
【請求項12】
上記導入孔を、上記ノズルピストンに代えて、上記接続スリーブの側壁で、かつ上記2つのシール部材の間に貫通形成したことを特徴とする、請求項10又は11に記載のガス燃焼式打込み工具。
【請求項13】
工具本体には、上記燃料通路に通じる燃料計量装置を設けたことを特徴とする、請求項10〜12のいずれかに記載のガス燃焼式打込み工具。
【請求項14】
容器本体には、上記噴出ノズルの周囲にアダプタスリーブを設け、アダプタスリーブの内部には上記噴出ノズルと嵌合する嵌合孔を備えたインナープレート摺動自在に設け、かつこのインナープレートを常時アダプタスリーブの外方に突出する方向にバネ付勢したことを特徴とする、請求項10〜13のいずれかに記載のガス燃焼式打込み工具。
【請求項15】
上記接続スリーブの端部の内周面には、待機状態において上記ノズルピストンと接して上記端部から塵埃が進入するのを防止するシール部材を設けたことを特徴とする、請求項10〜14のいずれかに記載のガス燃焼式打込み工具。
【請求項1】
ガス燃焼式打込み工具の工具本体に着脱自在に設けられて工具本体の打撃機構に燃料ガスを供給する燃料充填容器であって、容器本体の端部に形成された口部に噴出ノズルを摺動自在に設け、噴出ノズルの先端が常時容器本体から突出するように圧縮バネにより付勢し、上記噴出ノズルの先端部に燃料ガスの噴射孔が開口形成されたことを特徴とする燃料充填容器。
【請求項2】
上記口部には弁体を配置し、上記噴出ノズルが上記バネ付勢に抗して摺動したときに開閉機構を開き作動させることを特徴とする、請求項1に記載の燃料充填容器。
【請求項3】
上記容器本体には、上記噴出ノズルの周囲にアダプタスリーブを設けたことを特徴とする、請求項1又は2に記載の燃料充填容器。
【請求項4】
上記噴出ノズルの先端は上記アダプタスリーブの開口端よりも外方に突出するように設けられたことを特徴とする、請求項〜3のいずれかに記載の燃料充填容器。
【請求項5】
上記アダプタスリーブの内部には上記噴出ノズルと嵌合する嵌合孔を備えたインナープレートを摺動自在に設け、かつこのインナープレートを常時アダプタスリーブの外方に突出する方向にバネ付勢したことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の燃料充填容器。
【請求項6】
上記インナープレートには、打込み工具に設けられた接続部を上記噴出ノズルに案内する案内部を形成したことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の燃料充填容器。
【請求項7】
上記インナープレートはアダプタスリーブの開口端よりも外方に突出するようにバネ付勢されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の燃料充填容器。
【請求項8】
上記噴出ノズルと同軸上に圧縮バネ、インナープレート、アダプタスリーブを配置することを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の燃料充填容器。
【請求項9】
上記アダプタスリーブにはキャップと噴出ノズルとを覆うキャップを着脱自在に設け、キャップの内側中央には上記噴出ノズルの先端から内部に挿入可能な針部を備えるとともに、上記キャップの内径は燃料充填容器底部外径より若干大きくなるように形成されていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の燃料充填容器。
【請求項10】
燃料ガスを充填した容器本体の端部に噴出ノズルを摺動自在に設け、上記噴出ノズルの先端が常時容器本体から突出するように第1の圧縮バネにより付勢し、上記噴出ノズルが第1の圧縮バネに抗して押し込まれたときに開閉機構が開き作動して燃料ガスを上記噴出ノズルから噴射する燃料充填容器を、一端から装填可能とする筒状収納部を備え、この収納部の他端には燃料充填容器の噴出ノズルを挿入可能な接続スリーブを設け、この接続スリーブには、上記収納部に装填された燃料充填容器の噴出ノズルの先端と当接可能なノズルピストンを摺動自在に収容し、ノズルピストンを常時接続スリーブの先端部近傍に第2の圧縮バネにより付勢し、上記第1の圧縮バネを第2の圧縮バネよりも強くするとともに、燃料充填容器を上記収納部内に押し込んで第1の圧縮バネによりノズルピストンをその移動端まで後退させた後に、燃料充填容器をさらに押し込むことにより上記ノズルピストンが上記噴出ノズルを押し込んで開閉機構を開き作動させ、噴出ノズルから燃料ガスを噴射させて上記接続スリーブ側に供給させることを特徴とするガス燃焼式打込み工具。
【請求項11】
上記ノズルピストンの先端部は閉じ、先端部の近傍の側壁に導入孔を形成する一方、上記噴出ノズルの先端部の近傍の側壁に噴射孔を形成するとともに、上記接続スリーブの内周面には2つのシール部材を間隔をおいて設け、これらのシール部材の間に上記噴射孔と導入孔が位置したときに、上記接続スリーブの内周面とノズルピストンと噴出ノズルの各先端外周面との間に上記燃料充填容器から接続スリーブ側に燃料通路が形成されるようにしたことを特徴とする、請求項10に記載のガス燃焼式打込み工具。
【請求項12】
上記導入孔を、上記ノズルピストンに代えて、上記接続スリーブの側壁で、かつ上記2つのシール部材の間に貫通形成したことを特徴とする、請求項10又は11に記載のガス燃焼式打込み工具。
【請求項13】
工具本体には、上記燃料通路に通じる燃料計量装置を設けたことを特徴とする、請求項10〜12のいずれかに記載のガス燃焼式打込み工具。
【請求項14】
容器本体には、上記噴出ノズルの周囲にアダプタスリーブを設け、アダプタスリーブの内部には上記噴出ノズルと嵌合する嵌合孔を備えたインナープレート摺動自在に設け、かつこのインナープレートを常時アダプタスリーブの外方に突出する方向にバネ付勢したことを特徴とする、請求項10〜13のいずれかに記載のガス燃焼式打込み工具。
【請求項15】
上記接続スリーブの端部の内周面には、待機状態において上記ノズルピストンと接して上記端部から塵埃が進入するのを防止するシール部材を設けたことを特徴とする、請求項10〜14のいずれかに記載のガス燃焼式打込み工具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−247064(P2012−247064A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−172829(P2012−172829)
【出願日】平成24年8月3日(2012.8.3)
【分割の表示】特願2008−129721(P2008−129721)の分割
【原出願日】平成20年5月16日(2008.5.16)
【出願人】(000006301)マックス株式会社 (1,275)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年8月3日(2012.8.3)
【分割の表示】特願2008−129721(P2008−129721)の分割
【原出願日】平成20年5月16日(2008.5.16)
【出願人】(000006301)マックス株式会社 (1,275)
【Fターム(参考)】
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