説明

燃料電池システムの改質装置、及びこれを含む燃料電池システム

【課題】燃料電池システムの改質装置、及びこれを含む燃料電池システムを提供する。
【解決手段】燃料と酸化剤の酸化触媒反応を通して、熱を発生させる熱源部、及び改質触媒反応を通して、燃料から水素ガスを発生させる改質反応部を含み、前記酸化触媒は強酸イオン及び無機酸化物を含む固体酸、及び白金系金属を含む。これにより、低い温度で燃料の酸化触媒反応が始まり、また熱源部の構造を簡単に構成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は燃料電池システムの改質装置、及びこれを含む燃料電池システムに係り、より詳しくは、低い温度でも燃料の酸化触媒反応を開始させることができて、簡単な構造を有する燃料電池システムの改質装置、及びこれを含む燃料電池システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は炭化水素系の燃料を用いて、電気エネルギーを発生させる発電システムとして構成される。
【0003】
このような燃料電池は大きく、固体高分子型燃料電池(PEMFC)と、直接酸化型燃料電池(DOFC)に区分できる。
【0004】
この中で固体高分子型燃料電池は出力特性が卓越し、作動温度が低く、始動及び応答特性が速いので、自動車のような移動用電源は勿論、住宅、公共建物のような分散用電源及び電子機器用のような小型電源などその応用範囲が広い。
【0005】
このような固体高分子型燃料電池システムは燃料電池本体のスタック(以下、便宜上“スタック”という)と、燃料を改質して、水素ガスを発生させ、この水素ガスをスタックに供給する改質装置と、酸化剤ガスをスタックに供給するための酸化剤供給部を備える。従ってスタックでは改質装置から供給される改質ガス、及び酸化剤供給部から供給される酸化剤ガスの電気化学的な反応によって、電気エネルギーを発生させる。
【0006】
この中で、改質装置は酸化触媒による燃料の酸化方式で熱エネルギーを発生させる熱源部と、この熱を用いた燃料の改質触媒反応によって、燃料から改質ガスを発生させる改質反応部を含んで構成される。しかしながら、従来の改質装置においては、前記熱源部では高い温度で酸化触媒による燃料ガスの酸化反応が起こるので、酸化触媒を高い温度で予熱しなければならない。従って、燃料電池システムの熱効率が問題になっている。
【特許文献1】米国特許第5,345,011号
【特許文献2】米国特許第5,139,994号
【特許文献3】米国特許第6,187,709号
【特許文献4】米国特許第6,086,835号
【非特許文献1】エー・テルンクローナ、他、「酸化コバルト及びセリアを添加した白金及びパラジウム促進触媒の低温触媒活性:前処理とガス組成の影響」、アプライド・カタリシス B:エンヴァイアランメンタル、第14巻、第1−2号、1997年12月5日―エルゼヴィエール、ページ131−146.(A.Toerncrona, et al. :“Low temperature catalytic activity of cobalt oxide and ceria promoted Pt and Pd: influence of pretreatment and gas composition”, Applied Catalysis B: Environmental, Volume 14, Issues1-2, 5 December 1997- Elsevier, Pages 131-146.)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、低い温度でも燃料の酸化触媒反応を開始させることができて、簡単な構造を有する燃料電池システムの改質装置を提供することにある。
【0008】
本発明の他の課題は前記改質装置を含む燃料電池システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の一実施形態によれば、燃料と酸化剤の酸化触媒反応を通して、熱を発生させる熱源部、及び改質触媒反応を通して、燃料から水素ガスを発生させる改質反応部を含む、燃料電池システムの改質装置を提供する。前記酸化触媒は、強酸イオン及び無機酸化物を含む固体酸、及び白金系金属を含む固体酸を含む。
【0010】
前記白金系金属はPt、Pd、Ru、Rh、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される少なくとも一つを含むことができる。前記無機酸化物はZr、Al、Ti、Si、Mg、Zn、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される元素の酸化物である。
【0011】
前記強酸イオンは硫酸イオン、燐酸イオン、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される少なくとも一つを含むことができる。
【0012】
前記白金系金属は前記固体酸に担持されることができる。
【0013】
前記酸化触媒は酸化触媒100重量部に対して白金系金属を0.5重量部以上50重量部以下で含む。本発明の一実施形態によれば、前記酸化触媒は1乃至5の重量部で白金系金属を含む。また、前記酸化触媒は酸化触媒100重量部に対して固体酸を10乃至70の重量部含む。一実施形態によれば、前記酸化触媒は20乃至60の重量部で固体酸を含む。
【0014】
前記酸化触媒は、白金系金属及び固体酸を担持する担体を更に含むことができる。前記担体はAl、TiO、SiO、及びこれらの組み合わせから成る群から選択されることができる。本発明の一実施形態によれば、Alを使うことが好ましい。
【0015】
前記酸化触媒が前記担体を更に含む場合、前記酸化触媒は酸化触媒100重量部に対して担体を89.5重量部未満含む。本発明の一実施形態によれば、前記酸化触媒は35乃至80の重量部で前記担体を含む。
【0016】
前記燃料の酸化触媒反応は90℃以上で開始する。
【0017】
本発明の他の実施形態によれば、前記熱源部は、強酸イオン及び無機酸化物を含む固体酸、及び白金系金属を含む白金系触媒を含む第1反応部、及び非白金系触媒を含む第2反応部を含む燃料電池システムの改質装置を提供する。
【0018】
前記第1反応部と第2反応部は順次に配置されることが好ましい。
【0019】
前記燃料と酸化剤は前記第1反応部に供給された後、順次に第2反応部に供給されることが好ましい。
【0020】
前記白金系触媒と非白金系触媒は1:1乃至1:5の体積比で含まれることが好ましい。
【0021】
前記白金系金属はPt、Pd、Ru、Rh、及びこれらの組み合わせから成る群から選択されることが好ましい。
【0022】
前記無機酸化物はZr、Al、Ti、Si、Mg、Zn、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される元素の酸化物であることが好ましい。
【0023】
前記強酸イオンは硫酸イオン、燐酸イオン、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される少なくとも一つを含むことが好ましい。
【0024】
前記白金系金属は、前記固体酸に担持されることが好ましい。
【0025】
前記白金系触媒は前記白金系金属と前記固体酸を0.5以上50以下:10乃至70の重量比で含むことが好ましい。
【0026】
前記白金系触媒は白金系金属及び固体酸を担持する担体を更に含むことが好ましい。
【0027】
前記担体はAl、TiO、SiO、及びこれらの組み合わせから成る群から選択されることが好ましい。
【0028】
前記担体は、前記白金系触媒100重量部に対して89.5重量部未満含まれることが好ましい。
【0029】
前記非白金系触媒はCeO、MO(ここで、Mは遷移金属)、及びCuOを含む金属酸化物を含むことが好ましい。
【0030】
前記MはNi、Co、Fe、及びこれらの組み合わせで作られた群から選択されることが好ましい。
【0031】
前記非白金系触媒はCeOを10乃至30重量部、MOを0.1乃至5重量部、及びCuOを1乃至10重量部含むことが好ましい。
【0032】
前記非白金系触媒はZrOを更に含むことが好ましい。
【0033】
前記非白金系触媒はZrOを5乃至20重量部、CeOを5乃至20重量部、MOを0.1乃至5重量部、及びCuOを1乃至10重量部含むことが好ましい。
【0034】
前記非白金系触媒はAl、TiO、SiO、コージェライト(きん青石(土木系JIS用語))、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される担体に担持されることが好ましい。
【0035】
本発明の他の実施形態によれば、水素ガスと酸化剤の電気化学的な反応を通して、電気エネルギーを発生させる少なくとも一つの電気発生部と、燃料を前記改質装置に供給する燃料供給部、及び酸化剤を前記改質装置及び電気発生部に供給する酸化剤供給部とを含む前記改質装置を含む燃料電池システムが提供される。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、低い温度で燃料の酸化触媒反応が始まり、また前記燃料電池システムの改質装置は熱源部の構造を簡単に構成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
【0038】
本発明の一実施形態によれば、燃料と酸化剤の酸化触媒反応を通して、熱を発生させる熱源部、及び改質触媒反応を通して、燃料から水素を発生させる改質反応部を含む、燃料電池システムの改質装置が提供される。前記酸化触媒は強酸イオン及び無機酸化物を含む固体酸、及び白金系金属を含む。
【0039】
前記強酸イオンは、前記無機酸化物表面が強い酸化サイトを持つようにする。また、前記強酸イオンは前記無機酸化物と非常に強く結合し、前記無機酸化物の表面は熱的に安定であるようになる。
【0040】
前記固体酸は100%のHSOより酸の強さが強いので固体超強酸と呼ばれ、ルイス(Lewis)酸サイトとブレンステッド(Bronsted)酸サイトの両方を有する。
【0041】
前記固体酸は、反応装置を腐蝕せず、繰り返して使用でき、また、従来の液体超強酸と比べて、生成物の分離が容易であるので、酸廃棄物問題を誘発させないという長所がある。
【0042】
前記白金系金属が前記固体酸に担持される場合、前記固体酸は超強酸であり、比較的大きい比表面積(普通80m/g以上)を有しているため、白金系触媒の活性を改善することができる。
【0043】
前記酸化触媒を燃料電池システムの改質装置用熱源部の酸化触媒として使用する場合、燃料と酸化剤の酸化触媒反応の開始温度を低くすることができる。前記燃料と酸化剤の酸化触媒反応では、まず、燃料が酸化触媒に吸着し、次いで、前記吸着した燃料が酸化される。前記酸化触媒を燃料電池システムの改質装置用熱源部の酸化触媒として使用する場合、前記燃料は前記酸化触媒の固体酸の酸サイトに吸着するようになる。前記固体酸は超強酸であるので、前記固体酸に吸着した燃料は非常に強い極性を持つようになる。前記吸着した燃料の極性によって、前記燃料を酸化させる活性化エネルギーが低くなって、90℃の低い温度でも燃料の酸化反応を開始することができる。
【0044】
前記白金系金属はPt、Pd、Ru、Rh、及びこれらの組み合わせから成る群から選択されることが好ましい。本発明の一実施形態によれば、Ptであることが好ましい。
【0045】
前記無機酸化物はZr、Al、Ti、Si、Mg、Zn、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される元素の酸化物であることが好ましい。本発明の一実施形態によれば、Zr酸化物であることが好ましい。
【0046】
前記強酸イオンは硫酸イオン、燐酸イオン、及びこれらの組み合わせから成る群から選択されることが好ましい。
【0047】
前記酸化触媒は酸化触媒100重量部に対して白金系金属を0.5重量部以上50重量部以下含むことが好ましい。本発明の一実施形態によれば、前記酸化触媒は酸化触媒100重量部に対して1乃至5の重量部含む。前記酸化触媒が酸化触媒100重量部に対して白金系金属を0.5重量部以下含む場合、酸化触媒の活性が低下して燃料の酸化触媒反応開始温度を十分に低くすることができなくなる。50重量部を超えて含む場合、酸化触媒の製造値段が上昇する。
【0048】
前記酸化触媒は、酸化触媒100重量部に対して固体酸を10乃至70の重量部含むことが好ましい。本発明の一実施形態によれば、前記酸化触媒は酸化触媒100重量部に対して固体酸を20乃至60の重量部含む。前記酸化触媒が酸化触媒100重量部に対して固体酸を10重量部未満含む場合、酸化触媒が固体酸を含む効果を得ることができない。70重量部を超えて含む場合、酸化触媒の活性が低下して燃料の酸化触媒反応開始温度を十分に低くすることができない。前記酸化触媒は、白金系金属及び固体酸を担持する担体を更に含むことが好ましい。前記担体はAl、TiO、SiO、及びこれらの組み合わせから成る群から選択されることが好ましい。本発明の一実施形態によれば、Alを使うことが好ましい。
【0049】
前記担体を更に含む場合、前記酸化触媒は酸化触媒100重量部に対して担体を89.5重量部未満含む。本発明の一実施形態によれば、35乃至80の重量部で担体を含む。前記担体が重量89.5重量部以上の場合、固体酸の含有量が少なくなって酸サイトの数が少なくなり、また、Ptの含有量が減って、酸化触媒の活性が低下するので、燃料酸化触媒反応の開始温度を十分に低くすることができなくなる。
【0050】
前記酸化触媒は、無機酸化物に強酸イオンを含浸させて得られた生成物を焼成して固体酸を製造し、前記製造された固体酸に白金系金属を含浸させて製造することができる。
【0051】
また、前記酸化触媒が白金系金属と固体酸を担持する担体を更に含む場合、無機酸化物前駆体及び担体を混合した後焼成して、担体に担持された無機酸化物を製造することができる。
【0052】
無機酸化物及び強酸イオン含有化合物を溶媒に添加して、無機酸化物に強酸イオンを含浸させて得られた生成物を焼成すれば、固体酸を製造することができる。
【0053】
前記無機酸化物はZr、Al、Ti、Si、Mg、Zn、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される元素の酸化物を含む。前記強酸イオン含有化合物は、硫酸、硫酸アンモニウム、亜硫酸、亜硫酸アンモニウム、塩化チオニル、ジメチル硫酸、燐酸、燐酸アンモニウム、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される少なくとも一つを含む。前記溶媒としては水、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される少なくとも一つを含む。
【0054】
前記焼成の温度は焼成時間によって異なるが、本発明の一実施形態によれば、焼成温度は100乃至500℃であり、本発明の他の実施形態によれば、焼成温度は200乃至400℃である。前記焼成温度が100℃未満の場合、か焼が完全に行われず、500℃を超える場合、焼成時間が終了する前にか焼が完了されて、工程時間及びコストが浪費されるので好ましくない。
【0055】
また、前記焼成時間は焼成温度によって異なる。一般に1乃至5時間であることが好ましく、2乃至4時間であることが更に好ましい。前記焼成時間が1時間未満の場合、か焼が完全に行われず、5時間を超える場合、焼成時間が終了する前にか焼が完了してしまい、工程時間及びコストが浪費されるので好ましくない。
【0056】
前記製造された固体酸及び白金系金属含有前駆体を溶媒に添加して、固体酸に白金系金属を含浸させて得られた生成物を焼成すれば、酸化触媒を製造することができる。
【0057】
前記白金系金属含有前駆体はHPtCl、Pt(C、HClPt、PtCl、PtBr、PdCl、Pd(C、Pd(C、RuCl、Ru(C、(NHRuCl、(NHRhCl、[Rh(CHCOO)]、Rh(HO)(NO、これらの水和物、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される少なくとも一つを使用する。前記溶媒としては水、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される少なくとも一つを使用する。
【0058】
前記焼成の温度は焼成時間によって異なるが、本発明の一実施形態によると、400乃至900℃であることが好ましく、本発明の他の実施形態によると、550乃至750℃であることが好ましい。前記焼成温度が400℃未満の場合、か焼が完全に行われず、900℃を超える場合、焼成時間が終了する前にか焼が完了してしまうので、工程時間及びコストが浪費され、酸化触媒の多孔性構造が損傷する可能性がある。
【0059】
また、前記焼成時間は焼成温度によって異なるが、本発明の一実施形態によると、1乃至5時間であることが好ましく、本発明の他の実施形態によると、2乃至4時間であることが好ましい。前記焼成時間が1時間未満の場合、か焼が完全に行われず、5時間を超える場合、焼成時間が終了する前にか焼が完了してしまい、工程時間及びコストが浪費され、酸化触媒の多孔性構造が損傷する可能性がある。
【0060】
前記酸化触媒が白金系金属及び固体酸を担持する担体を更に含む場合、前記酸化触媒は、無機酸化物前駆体及び担体を混合した後焼成して担体に担持された無機酸化物を製造し、前記担体に担持された無機酸化物に強酸イオンを含浸させて得られた生成物を焼成して固体酸を製造し、前記製造された固体酸に白金系金属を含浸させて得られた生成物を焼成して製造することができる。
【0061】
前記無機酸化物前駆体としては焼成して無機酸化物を製造できるものであれば、いずれも利用可能であり、特に、Zr、Al、Ti、Si、Mg、及びZnで作られた群から選択される元素のクロライド、ブロマイド、メトキシド、エトキシド、プロポキシド、ブトキシド、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される少なくとも一つを使用することができる。
【0062】
前記担体はAl、TiO、SiO、及びこれらの組み合わせから成る群から選択されるものを使うことが好ましく、本発明の一実施形態によれば、Alを使うことが更に好ましい。
【0063】
前記焼成の温度は焼成時間によって異なるが、一般に400乃至900℃であることが好ましく、550乃至750℃であることが更に好ましい。前記焼成温度が400℃未満の場合、か焼が完全に行われず、900℃を超える場合、焼成時間が終了する前にか焼が完了してしまうので、工程時間及びコストが浪費され、得られる酸化触媒の多孔性構造が損傷する可能性がある。
【0064】
また、前記焼成時間は焼成温度によって異なるが、本発明の一実施形態によれば1乃至5時間であり、本発明の他の実施形態によれば2乃至4時間である。前記焼成時間が1時間未満の場合、か焼が完全に行われず、5時間を超える場合、焼成時間が終了する前にか焼が完了してしまい、工程時間及びコストが浪費され、酸化触媒の多孔性構造が損傷する可能性がある。
【0065】
本発明の他の実施形態によれば、燃料の酸化触媒反応を通して、熱を発生させる熱源部、及び改質触媒反応を通して、燃料から水素ガスを発生させる改質反応部を含み、前記熱源部は強酸イオン及び無機酸化物を含む固体酸、及び白金系金属を含む白金系触媒を含む第1反応部、及び非白金系触媒を含む第2反応部を含む燃料電池システムの改質装置を提供する。
【0066】
前記本発明の他の実施形態による改質装置の熱源部は、白金系触媒を含むことによって低い温度でも燃料の酸化触媒反応が始まって、従来より少量の白金系触媒を含むので製造コストが低廉である。
【0067】
前記第1反応部と第2反応部は順次に配置されることが好ましい。
【0068】
前記燃料と酸化剤は前記第1反応部に供給された後、順次に第2反応部に供給されることが好ましい。
【0069】
前記燃料と酸化剤は前記第1反応部に供給されて、白金系触媒によって、低い温度でも燃料の酸化触媒反応が進行する。前記第1反応部の燃料の酸化触媒反応によって発生した熱によって、前記第2反応部においても燃料の酸化触媒反応が進行する。結果的に、非白金系触媒を含む第2反応部においても低い温度で燃料の酸化触媒反応が進行する。
【0070】
前記白金系触媒と非白金系触媒は1:1乃至1:5の体積比に含まれることが好ましい。本発明の一実施形態によると、前記白金系触媒と非白金系触媒は1:1乃至1:4の体積比で含まれることが好ましいが、本発明の他の実施形態によると、前記白金系触媒と非白金系触媒は1:2、及び1:3の体積比で含まれることが好ましい。前記白金系触媒は、燃料の酸化触媒反応に対する活性に優れて、その含有量に特に制限はないが、値段が高いので、その含有量が少量であることがコストを節減できて好ましい。前記第1反応部の白金系触媒は、前記体積比の範囲内で低い温度で燃料の酸化触媒反応を開始させる役割を果たすものである。
【0071】
前記強酸イオン、前記固体酸、前記白金系金属、及び前記無機酸化物に関する内容は、前記本発明の一実施形態による燃料電池システムの改質装置と同一である。
【0072】
前記白金系触媒は、前記白金系金属と固体酸を0.5乃至50:10乃至70重量比で含むことが好ましい。本発明の一実施形態によると、前記白金系触媒は、前記白金系金属と固体酸を1乃至5:20乃至60重量比で含むこと好ましい。本発明の他の実施形態によると、前記白金系金属と固体酸の重量比は0.5:10、0.5:30、0.5:50、0.5:70、10:10、10:30、10:50、10:70、30:10、30:30、30:50、30:70、50:10、50:30、50:50、及び50:70であることが好ましい。
【0073】
前記白金系金属の重量比が0.5以下である場合、触媒の活性が低下して燃料の酸化触媒反応開始温度を十分に低くすることができないので好ましくない。50を超える場合、触媒の製造値段が上昇して好ましくない。
【0074】
前記固体酸の重量比が10未満の場合、白金系触媒が固体酸を含む効果を得ることができない。70を超える場合、むしろ白金系触媒の活性が低下して燃料の酸化触媒反応開始温度を十分に低くすることができなくて好ましくない。
【0075】
前記白金系触媒は白金系金属及び固体酸を担持する担体を更に含むことが好ましい。前記担体はAl、TiO、SiO、及びこれらの組み合わせから成る群から選択して使うことが好ましく、Alを使うことが更に好ましい。
【0076】
前記白金系触媒が担体を更に含む場合、前記担体は白金系触媒100重量部に対して89.5重量部未満含まれることが好ましく、本発明の一実施形態によると、35乃至80重量部含まれることが更に好ましい。本発明の一実施形態によると、前記担体の含有量は、白金系触媒100重量部に対して80、70、60、50、40、30、20、10、及び1の場合が好ましい。前記担体が白金系触媒100重量部に対して89.5重量部以上の場合、固体酸の含有量が少なくなって、酸サイトの数が少なくなる。さらに、白金系金属の含有量が減ると、白金系触媒の活性が低下して燃料の酸化触媒反応開始温度を十分に低くすることができなくて好ましくない。
【0077】
前記非白金系触媒としては、白金系金属を含まない、熱源部用燃料酸化触媒として使用される触媒であれば何でも使用可能である。前記非白金系触媒はCeO、MO(ここで、Mは遷移金属)、及びCuOを含む金属酸化物を含むことができる。
【0078】
前記CeO、MO、及びCuOを含む金属酸化物は酸化剤保存する。つまり、前記金属酸化物は燃料の酸化触媒反応の時に燃料に酸化剤を提供する。前記金属酸化物には酸化剤が豊富に含まれているので、前記燃料と酸化剤の反応速度を高め、低い温度でも燃料の酸化触媒反応が起こるようにすることができる。
【0079】
前記非白金系触媒はCeOを10乃至30重量部含むことが好ましく、本発明の一実施形態によると、15乃至25重量部含むことが好ましい。
【0080】
本発明の他の実施形態によると、前記CeOの含有量は10、15、20、25、及び30重量部である場合が好ましい。
【0081】
前記CeOの含有量が10重量部未満であれば、酸化剤の拡散濃度があまりにも低くて好ましくない。30重量部を超える場合には前記非白金系触媒の気孔構造及び熱的安定性が急激に低下して好ましくない。
【0082】
前記非白金系触媒はMOを0.1乃至5重量部含むことが好ましく、本発明の一実施形態によると、3.5乃至4.5重量部含むことが好ましい。
【0083】
本発明の他の実施形態によると、前記MOの含有量は0.1、0.5、1、2、3、4、及び5重量部である場合が好ましい。前記MOの含有量が0.1重量部未満であれば、MOを含むことによって発生する効果はほとんどない。一方、5重量部を超える場合にはむしろ非白金系触媒の活性が低下して好ましくない。
【0084】
前記MOにおいて、前記Mは遷移金属であり、Ni、Co、Fe、及びこれらの組み合わせから成る群から選択されることが好ましい。
【0085】
本発明の一実施形態によると、前記非白金系触媒はCuOを1乃至10重量部含むことが好ましいが、本発明の他の実施形態によると、2.5乃至5重量部含むことが更に好ましい。前記CuOの含有量は1、2、3、4、5、6、7、8、9、及び10重量部である場合が好ましい。前記CuOの含有量が1重量部未満であれば、前記非白金系触媒の酸素保存能力があまりにも低くて好ましくない。10重量部を超える場合にはむしろ前記非白金系触媒の活性が低下して好ましくない。
【0086】
前記CeO、MO、及びCuOを含む金属酸化物はAl、TiO、SiO、コージェライト、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される担体に担持されることが好ましく、本発明の一実施形態によると、Alに担持されることが好ましい。
【0087】
前記金属酸化物が前記担体に担持される場合、前記非白金系触媒はCeOを10乃至30重量部、MOを0.1乃至5重量部、及びCuOを1乃至10重量部、担体を55乃至88.9重量部含むことが好ましい。本発明の一実施形態によると、前記担体の含有量は55、60、65、70、75、80、85、及び88.9重量部の場合、好ましい。前記担体の含有量が55重量部未満であれば、前記非白金系触媒の機械的強度が弱くて、気孔度が小さくなり、88.9重量部を超える場合、前記金属酸化物の含有量が減って、非白金系触媒の活性が減少する問題があって好ましくない。
【0088】
また、前記金属酸化物はCeO、MO、及びCuOの固溶体であることが好ましい。前記金属酸化物が固溶体の場合、前記CeO、MO、及びCuOが分子レベルで均一に分散しているので、酸化剤を貯蔵する能力がより向上して、酸化剤を燃料に更によく供給することができる。
【0089】
前記CeO、MO(ここで、Mは遷移金属)、及びCuOを含む非白金系触媒はZrOを更に含むことができる。前記非白金系触媒はZrOを更に含むことによって、高温安定性が向上する。つまり、前記ZrOは800℃以上の高温で触媒の表面活性物質が触媒内部に溶け込むことを促進し、触媒の活性サイトが崩壊することを阻止する。
【0090】
前記非白金系触媒がZrOを更に含む場合、前記非白金系触媒はZrOを5乃至20重量部、CeOを5乃至20重量部、MOを0.1乃至5重量部、及びCuOを1乃至10重量部含むことが好ましい。
【0091】
本発明の一実施形態によると、前記ZrOの含有量は5、10、15、及び20重量部の場合が好ましい。前記ZrOの含有量が5重量部未満の場合、非白金系触媒の高温安定性を十分に向上させる効果がなく、20重量部を超える場合、むしろ非白金系触媒の活性が低下して好ましくない。
【0092】
本発明の他の実施形態によれば、前記改質装置と、水素ガスと酸化剤の電気化学的な反応を通して、電気エネルギーを発生させる少なくとも一つの電気発生部と、燃料を前記改質装置に供給する燃料供給部と、酸化剤を前記改質装置及び電気発生部に供給する酸化剤供給部とを含む燃料電池システムを提供する。
【0093】
以下、添付した図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。しかしながら、本発明は色々の変形及び同等の構成を有するものであるから、本発明はここで説明する実施形態に限られるものではない。
【0094】
図1は本発明の一実施形態による燃料電池システムの全体的な構成を概略的に示した図面であり、図2は図1に示したスタックの構造を示す分解斜視図である。
【0095】
これらの図面を参照して説明すれば、この燃料電池システム100は、水素を含有した燃料を改質して水素を発生させ、この水素と酸化剤を電気化学的に反応させて、電気エネルギーを発生させる固体高分子型燃料電池(PEMFC)である。
【0096】
前記燃料電池システム100において、酸化剤は水素と反応するガスであって、別途の保存空間に貯蔵された酸素又は酸素を含む空気が可能である。
【0097】
本発明による燃料電池システム100は、燃料を供給する燃料供給部50と、燃料供給装置50から供給された前記燃料を改質して水素を発生させ、この水素を電気発生部11に供給する改質装置30と、前記改質装置30と電気発生部11に酸化剤を供給する酸化剤供給部70と改質装置30から供給された改質ガスと酸化剤の電気化学的反応によって電気エネルギーを発生させる電気発生部11と、を含んで構成される。前記電気発生部11を積層して、スタック10を構成する。
【0098】
このような燃料電池システム100は、所定の電気エネルギーを、例えばノートパソコン、PDAのような携帯用電子機器、又は移動通信端末機器といった付加に供給するための電源とすることができるようになる。
【0099】
本発明に適用される前記改質装置30は、例えば水蒸気改質、部分酸化又は自熱反応などの熱による化学触媒反応によって、水素を含有した燃料から水素を発生させ、この水素をスタック10に供給する。前記改質装置30はパイプライン等を通して、スタック10及び燃料供給部50と連結されている。
【0100】
本発明において前記改質装置30は燃料供給部50から供給される燃料と酸化剤供給部70から供給される酸化剤の酸化触媒反応によって燃料の触媒反応を改質するために必要な所定の熱を発生させる熱源部35と、前記熱源部35から発生される熱吸収して、燃料供給部50から供給される燃料の改質触媒反応によって、前記燃料から水素を発生させる改質反応部39を含む。また、前記改質装置30は一酸化炭素を選択的に酸化させる一酸化炭素還元部を更に含むことができる。
【0101】
この時、改質装置30の熱源部35及び改質反応部39はそれぞれ独立的に形成して、通常の連結装置によって連結することができる。あるいは、内部に熱源部35が位置して、外部に改質反応部39が位置する2重管路の一体形に製作することもできる。
【0102】
前記熱源部35は、強酸イオン及び無機酸化物を含む固体酸、及び白金系金属を含む酸化触媒による燃料と酸化剤の酸化触媒反応を通して熱を発生させる。
【0103】
前記改質反応部39は反応器本体と、この反応器本体中の改質触媒を含む。前記反応器本体は色々な形状で製作できる。本発明の一実施形態によると、所定の内部空間を有する容器タイプが好ましい。
【0104】
前記改質触媒は熱源部35から発生される熱を吸収して、前記燃料の改質反応を促進させるためのものであって、アルミナ(Al)、シリカ(SiO)又はチタニア(TiO)から成る群から選択されたペレット形状の担体に担持されたニッケル(Ni)、白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)及び銅−亜鉛合金(Cu−Zn)からなる群から選択された1種以上の触媒を含む。
【0105】
このような改質触媒は、反応器本体が反応基板で構成される場合、前記反応基板のチャンネルの内表面に形成でき、前記反応器本体が容器タイプで形成される場合、ペレット又はハニカムタイプの反応触媒反応器本体の内側に充填されることが好ましい。
【0106】
上記のような改質装置30に燃料を供給する燃料供給部50は、燃料を貯蔵する燃料タンク51と、この燃料タンク51に連結設置されて、前記燃料タンク51から燃料を供給する燃料ポンプ53を含む。この時、前記燃料タンク51は、改質装置30の熱源部35及び改質反応部39とパイプラインを通して連結設置される。
【0107】
酸化剤供給部70は、所定のポンピング力で酸化剤を吸入して、この酸化剤をスタック10の電気発生部11及び前記熱源部35にそれぞれ供給する酸化剤ポンプ71を含む。 本発明の一実施形態によると、前記酸化剤供給部70は、図1のように、単一の酸化剤ポンプ71を通じて、スタック10と熱源部35に酸化剤を供給する構造で形成されているが、これに限定されず、前記スタック10及び熱源部35とそれぞれ連結される一対の酸化剤ポンプを備えてもよい。
【0108】
本発明の一実施形態による燃料電池システム100を運転すると、改質装置30から発生する水素がスタック10の電気発生部11に供給され、酸化剤が前記電気発生部11に供給されて、水素の酸化反応と酸化剤の還元反応による電気化学的な反応が起って、所定の出力量の電気エネルギーと水、そして熱を発生させる。
【0109】
一方、本発明の一実施形態による前記燃料電池システム100は、別途設置した通常のコントロールユニット(図示せず)によって、システムの全般的な稼動、例えば燃料供給部50及び酸化剤供給部70等の稼動を実質的に制御することができる。
【0110】
図2に示すように、本発明のスタック10は電気発生部11を積層して構成する。前記電気発生部11は膜−電極接合体12の両側にセパレータ(又は二極式プレートという)16を配置して、最小単位の燃料電池を形成する。
【0111】
ここで、前記膜−電極接合体12は、水素と酸化剤の電気化学反応のための活性領域をそれぞれ有するアノードとカソードを含み、アノードとカソードの間に電解質膜を備えている。
【0112】
前記アノードでは水素を酸化反応させて、水素イオン(プロトン)と電子を発生させ、カソードでは前記水素イオンと酸化剤を還元反応させて、熱と水分を発生させる。また、電解質膜はアノード電極で生成された水素イオンをカソード電極に移動させるイオン交換として機能する。そして、セパレータ16は膜−電極接合体12に水素と酸化剤を供給し、また、前記アノードとカソードを直列に接続させる電気伝導体としても作用する。
【0113】
このようなスタック10の構成は、通常の固体高分子型燃料電池のスタック構成で形成できるので、本明細書でその詳細な説明は省略する。
【0114】
以下、本発明の好ましい実施形態を記載する。但し、本発明が下記の実施形態によって限定されるものではない。
【0115】
(酸化触媒の製造)
(実施例1)
33.03gのZrO(NO・6HO及び20gのAlを300mlの水に加えて得られた生成物を300℃で1時間焼成してAlに担持されたZrOを製造した。0.981gのHSOを30mlの水に加えて製造した含浸溶液を、25gのAlに担持されたZrOに含浸させて得られた生成物を650℃で3時間焼成して、固体酸ZrO−SO2−を製造した。
【0116】
一方、3gのHPtCl・6HOを10mlの水に加えてPt前駆体溶液を製造した。前記製造したPt前駆体溶液2mlを18mlの水に加えて製造した含浸溶液を、25gのZrO−SO2−に含浸させて得られた生成物を650℃で1.5時間焼成して、酸化触媒を製造した。前記製造された酸化触媒はZrO−SO2−、及びPtを含み、Pt及びZrO−SO2−はAlに担持されている。前記酸化触媒は、酸化触媒100重量部に対してPtを1重量部、固体酸を60重量部、及びAlを39重量部含む。
【0117】
(実施例2)
酸化触媒100重量部に対してPtを1重量部、固体酸を40重量部、及びAlを59重量部含むことを除いては、実施例1と同様の方法で、酸化触媒を製造した。
【0118】
(実施例3)
酸化触媒100重量部に対してPtを1重量部、固体酸を20重量部、及びAlを79重量部含むことを除いては、実施例1と同様の方法で、酸化触媒を製造した。
【0119】
(実施例4)
酸化触媒100重量部に対してPtを2重量部、固体酸を60重量部、及びAlを38重量部含むことを除いては、実施例1と同様の方法で、酸化触媒を製造した。
【0120】
(実施例5)
酸化触媒100重量部に対してPtを2重量部、固体酸を40重量部、及びAlを58重量部含むことを除いては、実施例1と同様の方法で、酸化触媒を製造した。
【0121】
(実施例6)
酸化触媒100重量部に対してPtを2重量部、固体酸を20重量部、及びAlを78重量部含むことを除いては、実施例1と同様の方法で、酸化触媒を製造した。
【0122】
(実施例7)
酸化触媒100重量部に対してPtを3重量部、固体酸を60重量部、及びAlを37重量部含むことを除いては、実施例1と同様の方法で、酸化触媒を製造した。
【0123】
(実施例8)
酸化触媒100重量部に対してPtを3重量部、固体酸を40重量部、及びAlを57重量部含むことを除いては、実施例1と同様の方法で、酸化触媒を製造した。
【0124】
(実施例9)
酸化触媒100重量部に対してPtを3重量部、固体酸を20重量部、及びAlを77重量部含むことを除いては、実施例1と同様の方法で、酸化触媒を製造した。
【0125】
(実施例10)
酸化触媒100重量部に対してPtを4重量部、固体酸を60重量部、及びAlを36重量部含むことを除いては、実施例1と同様の方法で、酸化触媒を製造した。
【0126】
(実施例11)
酸化触媒100重量部に対してPtを4重量部、固体酸を40重量部、及びAlを56重量部含むことを除いては、実施例1と同様の方法で、酸化触媒を製造した。
【0127】
(実施例12)
酸化触媒100重量部に対してPtを4重量部、固体酸を20重量部、及びAlを76重量部含むことを除いては、実施例1と同様の方法で、酸化触媒を製造した。
【0128】
(実施例13)
酸化触媒100重量部に対してPtを5重量部、固体酸を60重量部、及びAlを35重量部含むことを除いては、実施例1と同様の方法で、酸化触媒を製造した。
【0129】
(実施例14)
酸化触媒100重量部に対してPtを5重量部、固体酸を40重量部、及びAlを55重量部含むことを除いては、実施例1と同様の方法で、酸化触媒を製造した。
【0130】
(実施例15)
11.01gのZrO(NO・6H2O及び20gのAlを100mlの水に加えて得られた生成物を、300℃で1時間焼成してAlに担持されたZrOを製造した。0.981gのHSOを30mlの水に加えて製造した溶液を、20gのAlに担持されたZrOに含浸させて得られた生成物を650℃で3時間焼成して、固体酸ZrO−SO2−を製造した。
【0131】
一方、3gのHPtCl・6HOを10mlの水に加えてPt前駆体溶液を製造した。前記製造したPt前駆体溶液2.5mlを0.5mlの水に加えて製造した含浸溶液を、6gのZrO−SO2−に含浸させて得られた生成物を650℃で1.5時間焼成して、酸化触媒を製造した。前記製造された酸化触媒はZrO−SO2−、及びPtを含み、Pt及びZrO−SO2−はAlに担持されている。前記酸化触媒は、酸化触媒100重量部に対してPtを5重量部、固体酸を20重量部、及びAlを75重量部含む。
【0132】
(熱源部の製造及び反応開始温度の測定)
管形状の反応器2個を製作して、それぞれの反応器に前記実施例1で製造された酸化触媒を9mlと、実施例15で製造された酸化触媒を8mlを充填して、改質装置の熱源部を製造した。前記製造されたそれぞれの熱源部にイソブタンが35体積%、n−ブタンが50体積%、Cが15体積%含まれている燃料を279.1ml/minで供給し、空気を2000ml/minで供給した。また、ヒーターで熱源部内部の温度を90℃に保持した。
【0133】
前記それぞれの熱源部内部での温度を測定した。実施例1で製造した酸化触媒を充填した熱源部内部の温度変化を図3に示し、実施例15で製造した酸化触媒を充填した熱源部内部の温度変化を図4に示した。図3及び図4を参照すると、熱源部内部の温度が90℃の場合にも燃料の酸化触媒反応が始まることを確認できる。
【0134】
実施例2乃至実施例14で製造した酸化触媒に対しても前記のような実験をして、90℃でも燃料の酸化触媒反応が始まることを確認することができた。
【0135】
(比較例1乃至比較例15)
比較例1乃至比較例8は非特許文献1に記載された酸化触媒を使った。前記論文で用いた酸化触媒及び燃料の酸化反応開始温度を表1に示した。
【0136】
比較例9は特許文献1に記載された酸化触媒を使った。用いた酸化触媒及び燃料の酸化反応開始温度を表1に示した。
【0137】
比較例10乃至比較例13は特許文献2に記載された酸化触媒を使った。用いた酸化触媒及び燃料の酸化反応開始温度を表1に示した。
【0138】
比較例14は特許文献3に記載された酸化触媒を使った。用いた酸化触媒及び燃料の酸化反応開始温度を表1に示した。
【0139】
比較例15は特許文献4に記載された酸化触媒を使った。用いた酸化触媒及び燃料の酸化反応開始温度を表1に示した。
【0140】
前記表1を参照すると、実施例1乃至実施例15での酸化触媒反応の開始温度が比較例1乃至比較例15におけるより低い温度であることが確認できる。
【表1】

【0141】

(酸化触媒の製造)
(実施例16:白金系触媒の製造)
33.03gのZrO(NO・6HO及び20gのAlを300mlの水に加えて得られた生成物を300℃で1時間焼成してAlに担持されたZrOを製造した。0.981gのHSOを30mlの水に加えて製造した含浸溶液を、25gのAlに担持されたZrOに含浸させて得られた生成物を650℃で3時間焼成して、固体酸ZrO−SO2−を製造した。
【0142】
一方、3gのHPtCl・6HOを10mlの水に加えて製造したPt前駆体溶液を製造した。前記製造したPt前駆体溶液2mlを18mlの水に加えて製造した含浸溶液を、25gのZrO−SO2−に含浸させて得られた生成物を650℃で1.5時間焼成して、酸化触媒を製造した。前記製造された酸化触媒はZrO−SO2−、及びPtを含み、前記酸化触媒はPt及びZrO−SO2−を担持するAlを含んだ。前記酸化触媒はPtを1重量部、固体酸を60重量部、及びAlを39重量部含んだ。
【0143】
(実施例17:非白金系触媒の製造)
162.34gのCu(NO・3HOを500mlの水に溶かして製造した。10.60gのCe(NO・6HO、及び4.124gのNi(NO・6HOを前記製造した7.4mlのCu水溶液に溶かして混合溶液を製造した。前記混合溶液に14.84gのAlを加えた。前記Alが加えられた混合溶液を掻き回しながら、100℃に加熱して水を蒸発させ、金属酸化物190.068gを製造した。前記金属酸化物を500℃で1時間か焼させた。
【0144】
前記製造された燃料酸化触媒はCeOを20重量部、NiOを4重量部、CuOを4重量部、及びAlを72重量部含んだ。
【0145】
(熱源部の製造及び性能測定)
(参考例1)
ソンヨン・シス−テック(Sunyoung Sys−Tech)社製のステンレススチールの管形状の反応器GMS 1000(タイプR)に前記実施例16で製造された燃料酸化触媒23mlを前記反応器全体に充填して熱源部を製造した。
【0146】
イソ−ブタンが35体積%、n−ブタンが50体積%、Cが15体積%含まれている燃料を、ブタン基準1160ml/minで供給しながら、前記熱源部に供給し、空気は10,000ml/minで供給した。空間速度は26,932h−1であった。
【0147】
3個の熱電対を用いて、前記反応器の燃料注入口、排出口、及び前記燃料注入口と排出口の中間地点での反応器内部温度を測定し、その結果を下記図5に示した。
【0148】
(実施例18)
前記実施例17で製造された燃料酸化触媒5mlを前記反応器の燃料注入口側に充填したことを除いては、参考例1と同様に実施して、熱源部を製造した。
【0149】
イソ−ブタンが35体積%、n−ブタンが50体積%、Cが15体積%含まれている燃料をブタン基準1160ml/minで供給しながら、前記熱源部に供給し、空気は10,000ml/minで供給した。空間速度は123,885h−1であった。
【0150】
3個の熱電対を用いて、前記反応器の燃料注入口、排出口、及び前記燃料注入口と排出口の中間地点での反応器内部温度を測定し、その結果を下記図6に示した。
【0151】
(実施例19)
前記実施例16で製造された燃料酸化触媒5mlを前記反応器の燃料注入口側に充填し、前記実施例17で製造された燃料酸化触媒18mlを前記実施例16で製造された燃料酸化触媒が充填された以外の部分に充填したことを除いては、参考例1と同一に実施して熱源部を製造した。
【0152】
イソ−ブタンが35体積%、n−ブタンが50体積%、Cが15体積%含まれている燃料をブタン基準1160ml/minで供給しながら、前記熱源部に供給し、空気は10,000ml/minで供給した。空間速度は26,932h−1であった。
【0153】
3個の熱電対を用いて、前記反応器の燃料注入口、排出口、及び前記燃料注入口と排出口の中間地点での反応器内部温度を測定し、その結果を下記図7に示した。
【0154】
図5を参照すると、熱源部全体を白金系触媒に充填する場合、空間速度が26,396h−1の場合にも燃料の酸化触媒反応が安定的に進行することを確認できる。
【0155】
図6を参照すると、熱源部の一部にだけ少量の白金系触媒が充填される場合、反応器内の最も高い温度で進行する主な燃料の酸化触媒反応は、反応器内の二つの異なる領域で進行することが確認できる。つまり、燃料酸化触媒反応の初期には、白金系金属が充填された反応器の燃料注入口付近で主な反応が進行するが、時間が経過するとともに、触媒が充填されていない反応器の中間及び排出口付近でも反応が進行することが確認できる。
【0156】
従って、白金系触媒は反応器の注入口側に一部充填させることだけでも燃料酸化反応の開始温度を低くできる可能性があることが確認できる。
【0157】
図7を参照すると、燃料酸化触媒反応が低い温度で始まり、時間が経過するとともに、反応が安定的に進行することが確認できる。従って、白金系触媒は低い温度で反応を始めるために少量だけが必要であり、前記少量の白金系触媒を除いた残りの白金系触媒を非白金系触媒に代替しても燃料酸化触媒反応が安定的に進行することが分かる。
【0158】
燃料電システムの前記改質装置は、燃料の酸化触媒反応を開始させることができ、簡単な構造を有する熱源を含むものである。
【0159】
本発明は実用的な実施形態を例示して説明してきたが、本発明は開示された実施例に限定されるものではなく、本願請求項の思想および技術範囲には種々の変形および等価の設計が含むことが意図されていると理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0160】
【図1】本発明の他の実施形態による燃料電池システムの構造を示した概略図である。
【図2】図1に示したスタックの構造を示す分解斜視図である。
【図3】本発明の実施例1で製造した酸化触媒を使用する熱源部内部の温度変化を示すグラフである。
【図4】本発明の実施例15で製造した酸化触媒を使用する熱源部内部の温度変化を示すグラフである。
【図5】本発明の参考例1で製造した熱源部内部の温度変化を示すグラフである。
【図6】本発明の実施例17で製造した熱源部内部の温度変化を示すグラフである。
【図7】本発明の実施例18で製造した熱源部内部の温度変化を示すグラフである。
【符号の説明】
【0161】
10 スタック
11 電気発生部
30 改質装置
35 熱源部
39 改質反応部
50 燃料供給部
51 燃料タンク
53 燃料ポンプ
70 酸化剤供給部
71 酸化剤ポンプ
100 燃料電池システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料と酸化剤の酸化触媒反応を通して、熱を発生させる熱源部と、
改質触媒反応を通して、燃料から水素ガスを発生させる改質反応部と、
を含み、
前記酸化触媒は、強酸イオン及び無機酸化物を含む固体酸、及び白金系金属を含むことを特徴とする、燃料電池システムの改質装置。
【請求項2】
前記白金系金属はPt、Pd、Ru、Rh、及びこれらの組み合わせから成る群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池システムの改質装置。
【請求項3】
前記無機酸化物はZr、Al、Ti、Si、Mg、Zn、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される元素の酸化物であることを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池システムの改質装置。
【請求項4】
前記強酸イオンは硫酸イオン、燐酸イオン、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される少なくとも一つを含むことを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池システムの改質装置。
【請求項5】
前記白金系金属は前記固体酸に担持されることを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池システムの改質装置。
【請求項6】
前記酸化触媒は酸化触媒100重量部に対して0.5重量部以上、50重量部以下の白金系金属を含むことを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池システムの改質装置。
【請求項7】
前記酸化触媒は酸化触媒100重量部に対して10乃至70重量部の固体酸を含むことを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池システムの改質装置。
【請求項8】
前記酸化触媒は白金系金属及び固体酸を担持する担体を更に含むことを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池システムの改質装置。
【請求項9】
前記担体はAl、TiO、SiO、及びこれらの組み合わせから成る群から選択されることを特徴とする、請求項8に記載の燃料電池システムの改質装置。
【請求項10】
前記酸化触媒は酸化触媒100重量部に対して担体を89.5重量部未満含むことを特徴とする、請求項8に記載の燃料電池システムの改質装置。
【請求項11】
前記酸化触媒は酸化触媒100重量部に対して35乃至80の重量部の担体を含むことを特徴とする、請求項10に記載の燃料電池システムの改質装置。
【請求項12】
燃料と酸化剤の酸化触媒反応を通して、熱を発生させる熱源部と、
改質触媒反応を通して、燃料から水素ガスを発生させる改質反応部と、
を含み、
前記熱源部は強酸イオン及び無機酸化物を含む固体酸、及び白金系金属を含む白金系触媒を含む第1反応部、及び非白金系触媒を含む第2反応部を含むことを特徴とする、燃料電池システムの改質装置。
【請求項13】
前記第1反応部と第2反応部は順次に配置されることを特徴とする、請求項12に記載の燃料電池システムの改質装置。
【請求項14】
前記燃料と酸化剤は前記第1反応部に供給された後、順次に第2反応部に供給されることを特徴とする、請求項13に記載の燃料電池システムの改質装置。
【請求項15】
前記白金系触媒と非白金系触媒は1:1乃至1:5の体積比で含まれることを特徴とする、請求項12に記載の燃料電池システムの改質装置。
【請求項16】
前記白金系金属はPt、Pd、Ru、Rh、及びこれらの組み合わせから成る群から選択されることを特徴とする、請求項12に記載の燃料電池システムの改質装置。
【請求項17】
前記無機酸化物はZr、Al、Ti、Si、Mg、Zn、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される元素の酸化物であることを特徴とする、請求項12に記載の燃料電池システムの改質装置。
【請求項18】
前記強酸イオンは硫酸イオン、燐酸イオン、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される少なくとも一つを含むことを特徴とする、請求項12に記載の燃料電池システムの改質装置。
【請求項19】
前記白金系金属は前記固体酸に担持されることを特徴とする、請求項12に記載の燃料電池システムの改質装置。
【請求項20】
前記白金系触媒は前記白金系金属と前記固体酸を0.5以上50以下:10乃至70の重量比で含むことを特徴とする、請求項12に記載の燃料電池システムの改質装置。
【請求項21】
前記白金系触媒は白金系金属及び固体酸を担持する担体を更に含むことを特徴とする、請求項12に記載の燃料電池システムの改質装置。
【請求項22】
前記担体はAl、TiO、SiO、及びこれらの組み合わせでから成る群から選択されることを特徴とする、請求項21に記載の燃料電池システムの改質装置。
【請求項23】
前記担体は前記白金系触媒100重量部に対して89.5重量部未満含まれることを特徴とする、請求項21に記載の燃料電池システムの改質装置。
【請求項24】
前記非白金系触媒はCeO、MO、及びCuOを含む金属酸化物を含むことを特徴とする、請求項12に記載の燃料電池システムの改質装置。
【請求項25】
前記MはNi、Co、Fe、及びこれらの組み合わせから成る群から選択されることを特徴とする、請求項24に記載の燃料電池システムの改質装置。
【請求項26】
前記非白金系触媒はCeOを10乃至30重量部、MOを0.1乃至5重量部、及びCuOを1乃至10重量部含むことを特徴とする、請求項24に記載の燃料電池システムの改質装置。
【請求項27】
前記非白金系触媒はZrOを更に含むことを特徴とする、請求項24に記載の燃料電池システムの改質装置。
【請求項28】
前記非白金系触媒はZrOを5乃至20重量部、CeOを5乃至20重量部、MOを0.1乃至5重量部、及びCuOを1乃至10重量部含むことを特徴とする、請求項27に記載の燃料電池システムの改質装置。
【請求項29】
前記非白金系触媒はAl、TiO、SiO、コージェライト、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される担体に担持されたことを特徴とする、請求項24に記載の燃料電池システムの改質装置。
【請求項30】
燃料と酸化剤の酸化触媒反応を通して、熱を発生させる熱源部と、
改質触媒反応を通して、燃料から水素ガスを発生させる改質反応部と、
を含み、
前記酸化触媒は強酸イオン及び無機酸化物を含む固体酸、及び白金系金属を含む改質装置と、
水素と酸化剤の電気化学的な反応を通して、電気エネルギーを発生させる少なくとも一つの電気発生部と、
燃料を前記改質装置に供給する燃料供給部と、
酸化剤を前記改質装置及び少なくとも一つの電気発生部に供給する酸化剤供給部と、
を含み、
前記酸化触媒は強酸イオン及び無機酸化物を含む固体酸、及び白金系金属を含む改質装置を含むことを特徴とする、燃料電池システム。
【請求項31】
前記白金系金属はPt、Pd、Ru、Rh、及びこれらの組み合わせから成る群から選択されることを特徴とする、請求項30に記載の燃料電池システム。
【請求項32】
前記無機酸化物はZr、Al、Ti、Si、Mg、Zn、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される元素の酸化物であることを特徴とする、請求項30に記載の燃料電池システム。
【請求項33】
前記強酸イオンは硫酸イオン、燐酸イオン、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される少なくとも一つを含むことを特徴とする、請求項30に記載の燃料電池システム。
【請求項34】
前記白金系金属は前記固体酸に担持されることを特徴とする、請求項30に記載の燃料電池システム。
【請求項35】
前記酸化触媒は酸化触媒100重量部に対して白金系金属を0.5重量部以上50重量部以下で含むことを特徴とする、請求項30に記載の燃料電池システム。
【請求項36】
前記酸化触媒は酸化触媒100重量部に対して固体酸を10乃至70重量部含むことを特徴とする、請求項30に記載の燃料電池システム。
【請求項37】
前記酸化触媒は白金系金属及び固体酸を担持する担体を更に含むことを特徴とする、請求項30に記載の燃料電池システム。
【請求項38】
前記担体はAl、TiO、SiO、及びこれらの組み合わせから成る群から選択されることを特徴とする、請求項37に記載の燃料電池システム。
【請求項39】
前記酸化触媒は酸化触媒100重量部に対して担体を89.5重量部未満含むことを特徴とする、請求項37に記載の燃料電池システム。
【請求項40】
前記酸化触媒は酸化触媒100重量部に対して担体を35乃至80の重量部含むことを特徴とする、請求項39に記載の燃料電池システム。
【請求項41】
燃料と酸化剤の酸化触媒反応を通して、熱を発生させる熱源部と、
改質触媒反応を通して、燃料から水素ガスを発生させる改質反応部を含む改質装置と、
水素と酸化剤の電気化学的な反応を通して、電気エネルギーを発生させる少なくとも一つの電気発生部と、
燃料を前記改質装置に供給する燃料供給部と、
酸化剤を前記改質装置及び少なくとも一つの前記電気発生部に供給する酸化剤供給部と、を含み、
前記熱源部は強酸イオン及び無機酸化物を含む固体酸と、
白金系金属を含む白金系触媒を含む第1反応部と、
非白金系触媒を含む第2反応部と、
を含むことを特徴とする、燃料電池システム。
【請求項42】
前記第1反応部と第2反応部は順次に配置されることを特徴とする、請求項41に記載の燃料電池システム。
【請求項43】
前記燃料と酸化剤は前記第1反応部に供給された後、順次に第2反応部に供給されることを特徴とする、請求項42に記載の燃料電池システム。
【請求項44】
前記白金系触媒と非白金系触媒は1:1乃至1:5の体積比で含まれることを特徴とする、請求項41に記載の燃料電池システム。
【請求項45】
前記白金系金属はPt、Pd、Ru、Rh、及びこれらの組み合わせから成る群から選択されることを特徴とする、請求項41に記載の燃料電池システム。
【請求項46】
前記無機酸化物はZr、Al、Ti、Si、Mg、Zn、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される元素の酸化物であることを特徴とする、請求項41に記載の燃料電池システム。
【請求項47】
前記強酸イオンは硫酸イオン、燐酸イオン、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される少なくとも一つを含むことを特徴とする、請求項41に記載の燃料電池システム。
【請求項48】
前記白金系金属は前記固体酸に担持されることを特徴とする、請求項41に記載の燃料電池システム。
【請求項49】
前記白金系触媒は前記白金系金属と前記固体酸を0.5以上50以下:10乃至70の重量比で含むことを特徴とする、請求項41に記載の燃料電池システム。
【請求項50】
前記白金系触媒は、白金系金属及び固体酸を担持する担体を更に含むことを特徴とする、請求項41に記載の燃料電池システム。
【請求項51】
前記担体はAl、TiO、SiO、及びこれらの組み合わせから成る群から選択されることを特徴とする、請求項50に記載の燃料電池システム。
【請求項52】
前記担体は前記白金系触媒100重量部に対して89.5重量部未満含まれることを特徴とする、請求項50に記載の燃料電池システム。
【請求項53】
前記非白金系触媒はCeO、遷移金属酸化物(MO)、及びCuOを含む金属酸化物を含むことを特徴とする、請求項41に記載の燃料電池システム。
【請求項54】
前記MはNi、Co、Fe、及びこれらの組み合わせから成る群から選択されることを特徴とする、請求項53に記載の燃料電池システム。
【請求項55】
前記非白金系触媒はCeOを10乃至30重量部、MOを0.1乃至5重量部、及びCuOを1乃至10重量部含むことを特徴とする、請求項53に記載の燃料電池システム。
【請求項56】
前記非白金系触媒はZrOを更に含むことを特徴とする、請求項53に記載の燃料電池システム。
【請求項57】
前記非白金系触媒はZrOを5乃至20重量部、CeOを5乃至20重量部、MOを0.1乃至5重量部、及びCuOを1乃至10重量部含むことを特徴とする、請求項56に記載の燃料電池システム。
【請求項58】
前記非白金系触媒はAl、TiO、SiO、コージェライト、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される担体に担持されたことを特徴とする、請求項53に記載の燃料電池システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−198609(P2008−198609A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−31041(P2008−31041)
【出願日】平成20年2月12日(2008.2.12)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】