説明

燃料電池車両

【課題】車両衝突時の燃料電池スタックやコンバータの破損を抑制する。
【解決手段】燃料電池車両1に搭載された燃料電池システム2は、燃料電池スタック10と、当該燃料電池スタック10の出力電圧を変圧するDC−DCコンバータ14と、当該燃料電池スタック10を稼働させるために必要な関連装置群A1、A2と、を有している。燃料電池車両1において、燃料電池スタック10は、車両1の左右方向に2分割されて配置されている。DC−DCコンバータ14は、分割された燃料電池スタック10の間に配置されている。関連装置群A1、A2は、DC−DCコンバータ14の前後に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池システムが搭載された燃料電池車両に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば燃料電池システムが搭載された燃料電池自動車には、車両のフロア下部に、燃料電池システムの構成装置である、燃料電池スタック、コンバータ、及びその他の気液分離器、ポンプなどの関連装置や、水素タンク等が搭載されている。
【0003】
通常、燃料電池自動車には、前方から燃料電池スタックと水素タンクがこの順に配置され、その他の関連装置、コンバータが適宜配置されている。また、コンバータは、燃料電池スタックの近辺に配置することが提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−207582号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の燃料電池自動車では、車両衝突時に車両の前方から大きな外力が加わると、車両が潰され、燃料電池スタックに外力が作用して燃料電池スタックやコンバータが破損することがある。特に、比較的重量があり強度の高い水素タンクが後方にある場合には、燃料電池タンクが慣性により車両の前方側に移動し、燃料電池スタックに衝突して燃料電池スタックやコンバータを破損する場合がある。燃料電池スタックは、多数の単セルが積層された構造を有しており、衝突により大きなダメージを受けやすい。燃料電池スタックは、発電により高電圧となっている場合があり、また反応ガスとして水素ガス等が使用されているために、破損すると不都合が生じる恐れがある。また、使用時には通常コンバータにも電荷が蓄積されており、破損すると不都合が生じる恐れがある。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、車両衝突時の燃料電池スタックやコンバータの破損を抑制できる燃料電池車両を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明は、燃料電池システムが搭載された燃料電池車両であって、前記燃料電池システムは、燃料電池スタックと、当該燃料電池スタックの出力電圧を変圧するコンバータと、当該燃料電池スタックを稼働させるために必要な関連装置群と、を有し、前記燃料電池スタックは、車両の左右方向に2分割されて配置され、前記コンバータは、分割された前記燃料電池スタックの間に配置され、前記関連装置群は、前記コンバータの前後に配置されていることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、燃料電池スタックが車両の左右方向に2分割されており、その間にコンバータが配置され、その前後に関連装置群が配置されているため、車両衝突時には、初めに関連装置群に外力が加わることになり、それによって燃料電池スタックやコンバータが保護される。特に燃料電池スタックは、左右方向に2分割されており、外力により関連装置群が移動しても関連装置群が直接衝突しないので、車両衝突時の破損を十分に抑制できる。
【0009】
分割された前記燃料電池スタックは、車両の中央側が低くなるように斜めに傾斜されて設置されていてもよい。かかる場合、燃料電池スタックで生成された液体の排水を好適に行うことができる。
【0010】
前記燃料電池スタック、前記コンバータ及び前記関連装置群は、保護フレームにより囲まれていてもよい。かかる場合、燃料電池スタックやコンバータが十分に保護される。
【0011】
前記燃料電池スタックの側面側の前記保護フレームには、筋交いが形成されていてもよい。かかる場合、車両の側面からの外力に対しても燃料電池スタックやコンバータをより強固に保護できる。
【0012】
前記保護フレームの下面には、衝撃緩衝用カバーが設けられていてもよい。かかる場合、保護フレーム内の燃料電池スタックやコンバータが、路面や路面上の障害物との衝突から保護される。
【0013】
前記燃料電池スタック及び前記コンバータを囲む前記保護フレームの前記衝撃緩衝用カバーは、車両の前後方向の途中が下に凸に湾曲した板状に形成され、湾曲の最下部が前後方向の中央より前方側に位置し、前記最下部から後方側が前方側よりも緩やかな傾斜に形成されていてもよい。かかる場合、路面衝突時における燃料電池スタックやコンバータへの衝撃を効果的に緩和できる。
【0014】
前記コンバータより前方の前記関連装置群を囲む前記保護フレームの前記衝撃緩衝用カバーは、車両の前後方向の途中が下に凸に湾曲した板状に形成され、湾曲の最下部が前後方向の中央より後方側に位置し、前記最下部から前方側が後方側よりも緩やかな傾斜に形成されていてもよい。かかる場合、路面衝突時におけるコンバータへの衝撃を効果的に緩和できる。
【0015】
前記コンバータは、コンデンサと、前記コンデンサの前に配置され、前方側からの外力によりコンデンサに短絡を生じさせてコンデンサの電荷を減少させることが可能な部材と、を有していてもよい。かかる場合、車両衝突時にコンデンサの電荷を減少させて、衝突時の安全性を向上できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、車両衝突時の燃料電池スタックやコンバータの破損を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】燃料電池車両の構成の概略を示す模式図である。
【図2】燃料電池システムの構成の概略を示す模式図である。
【図3】保護フレームの構造を示す説明図である。
【図4】衝撃緩衝用カバーが取り付けられた保護フレームを有する車両の側面を示す説明図である。
【図5】衝撃緩衝用カバーの斜視図である。
【図6】燃料電池スタックの保護フレームの衝撃緩衝用カバーに衝突物が衝突した様子を示す説明図である。
【図7】関連装置群の保護フレームの衝撃緩衝用カバーに衝突物が衝突した様子を示す説明図である。
【図8】DC−DCコンバータの内部構造の概略を示す模式図である。
【図9】燃料電池スタックが斜めに配置された状態の保護フレームを車両の前後方向から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態に係る燃料電池車両1の構成の概略を示す説明図である。
【0019】
燃料電池車両1は、燃料電池システム2を有している。燃料電池システム2は、図2に示すように、例えば反応ガス(酸化ガス及び燃料ガス)の供給を受けて電力を発生する燃料電池スタック10、燃料電池スタック10に酸化ガス(例えば空気)を供給する酸化ガス配管系11、燃料電池スタック10に燃料ガスとしての水素ガスを供給する水素ガス配管系12、燃料電池スタック10に冷却液を供給する冷却液配管系13等を備えている。
【0020】
燃料電池スタック10は、反応ガスの供給を受けて発電する単電池(単セル)を所要数積層して構成したスタック構造を有している。 燃料電池スタック10には、燃料電池スタック10の出力電圧を変圧するDC−DCコンバータ14や、インバータ15、発電された電力を制御するパワーコントロールユニット16等が接続されている。
【0021】
酸化ガス配管系11は、例えば加湿器20と、加湿器20により加湿された酸化ガスを燃料電池スタック10に供給するガス供給流路21と、燃料電池スタック10から排出された酸化オフガスを加湿器20に送るガス排出流路22と、加湿器20の酸化オフガスを外部に排出するガス排気流路23を備えている。ガス供給流路21には、大気中の酸化ガスを取り込んで加湿器20に圧送するコンプレッサ24等が設けられている。
【0022】
水素ガス配管系12は、例えば高圧(例えば70MPa)の水素ガスを貯留した燃料供給源としての水素タンク30と、水素タンク30の水素ガスを燃料電池スタック10に供給するためのガス供給流路31と、燃料電池スタック10から排出された水素オフガスをガス供給流路31に戻すための循環流路32を備えている。
【0023】
ガス供給流路31には、例えば水素タンク30の元弁として機能し、水素タンク30から燃料電池スタック10側への水素ガスの供給を遮断又は許容する遮断弁33と、水素ガスの圧力を予め設定した二次圧に減圧するレギュレータ34と、燃料電池スタック10側に供給する水素ガスの流量やガス圧を高精度に調整するインジェクタなどの調圧装置35が設けられている。
【0024】
循環流路32には、例えば水素オフガスから水や不純物を除去する気液分離器36と、循環流路32内の水素オフガスを加圧してガス供給流路31側へ圧送する水素ポンプ37が設けられている。気液分離器36には、気液分離器36により分離された水や一部の水素オフガスを外部に排出する排出流路38が接続されている。当該排出流路38には、気液分離器36からの水や一部の水素オフガスの排出を制御する排出制御弁39が設けられている。
【0025】
冷却液配管系13は、例えば冷却液を燃料電池スタック10との間で循環させる冷却液流路40、ラジエータ41、バルブ42、冷却液を圧送するポンプ43等を備えている。
【0026】
図1に示すように燃料電池車両1には、上述した燃料電池システム2を構成する燃料電池スタック10、DC−DCコンバータ14、気液分離器36やポンプ43などのその他の関連装置群A1、A2、水素タンク30等が配置されている。燃料電池スタック10は、車両の左右方向に2分割され、燃料電池車両1の中央より側面側に間隔をおいて配置されている。2分割された燃料電池スタック10の間には、DC−DCコンバータ14が配置されている。DC−DCコンバータ14の前後には、関連装置群A1、A2が配置されている。車両前方側の関連装置群A1には、例えば気液分離器36、ポンプ43、インバータ15などが含まれている。車両後方側の関連装置群A2には、例えば水素ガス配管系12の遮断弁33、レギュレータ34、調圧装置35などの非発電系の装置が含まれている。水素タンク30は、関連装置群A2の後方に配置されている。なお、燃料電池スタック10の単セルの積層方向は、車両1の前後方向、左右方向のどちらでもよい。
【0027】
図3に示すように燃料電池スタック10、DC−DCコンバータ14及び関連装置群A1、A2は、それらを外力から保護する保護フレーム50により囲まれている。燃料電池スタック10及びDC−DCコンバータ14を収容する保護フレーム50aは、例えば直方体の枠形状に形成されている。保護フレーム50aの燃料電池スタック10の側面側には、筋交い51が形成されている。また、関連装置群A1、A2を収容する保護フレーム50b、50cは、例えば下面が方形の枠形状で、側面が直角三角形の枠形状に形成されている。
【0028】
図4に示すように各保護フレーム50a、50b、50cの下面には、路面衝突による衝撃緩衝用カバー60、61、62が設けられている。図5に示すように衝撃緩衝用カバー60、61、62は、各保護フレーム50a、50b、50cの下面を覆うように車両1の左右方向に長い略長方形の板形状に形成されている。衝撃緩衝用カバー60、61、62の表面には、複数のビードSが形成されており、衝撃緩衝用カバー60、61、62は、可撓性を有している。
【0029】
図4に示すように衝撃緩衝用カバー60は、保護フレーム50aの下面に取り付けられ、例えば前後方向の途中が下に凸に湾曲した板状に形成され、湾曲の最下部60aが前後方向の中央より前方側に位置し、最下部60aから後方側が前方側よりも緩やかな傾斜に形成されている。衝撃緩衝用カバー60は、保護フレーム50aの下面の両端部に亘って形成されている。かかる場合、走行中に燃料電池車両1の底が路面や障害物などに衝突した際に、例えば図6に示すように衝突物Pが最初に最下部60aにあたり、衝撃緩衝用カバー60が当該衝撃を緩衝しつつ、そのときの力で保護フレーム50aが上方に移動し衝突物Pから退避する。この結果、燃料電池スタック10やDC−DCコンバータ14に大きな力が直接的になおかつ継続的に作用せず、燃料電池スタック10やDC−DCコンバータ14が、路面衝突による衝撃から守られる。
【0030】
図7に示すように衝撃緩衝用カバー61は、保護フレーム50bの下面に取り付けられ、例えば前後方向の途中が下に凸に湾曲した板状に形成され、湾曲の最下部61aが前後方向の中央より後方側に位置し、最下部61aから前方側が後方側よりも緩やかな傾斜に形成されている。この衝撃緩衝用カバー61は、他の衝撃緩衝用カバー60、62に比べて最下部が低く形成されている。走行中に燃料電池車両1の底に路面の障害物などが衝突した際に、例えば衝突物Pが先ず緩やかな傾斜面に当たり、その後最下部61aに当たる。これにより、保護フレーム50bが、当該衝突物Pにより徐々に押し上げられ、衝突物Pに対し斜め上方にジャンプする。この結果、保護フレーム50bの後方の保護フレーム50aが衝突物Pを飛び越え、保護フレーム50aに直接衝突物Pが衝突しなくなる。これにより、保護フレーム50aの燃料電池スタック10やDC−DCコンバータ14が、路面衝突による衝撃から守られる。
【0031】
図4に示すように衝撃緩衝用カバー62は、保護フレーム50cの下面に取り付けられ、衝撃緩衝用カバー60と同様に、例えば前後方向の途中が下に凸に湾曲した板状に形成され、湾曲の最下部62aが前後方向の中央より前方側に位置し、最下部62aから後方側が前方側よりも緩やかな傾斜に形成されている。これにより、走行中に燃料電池車両1の底に衝突物Pが衝突した際に、保護フレーム50cの関連装置A2に大きな力が直接的になおかつ継続的に作用せず、路面衝突による衝撃から関連装置A2が守られる。
【0032】
DC−DCコンバータ14は、図8に示すように燃料電池スタック10の出力電圧を保持し平準化するコンデンサ70、電流を一時的に保持し元電流に上乗せして昇圧させるリアクタンス71、スイッチングを行うIPM72、及びリレー及びサービスプラグ73等を有している。例えばコンデンサ70は、前方に配置され、その後ろにリアクタンス71が配置されている。IPM72は、コンデンサ70の下方に配置されている。リレー及びサービスプラグ73は、コンデンサ70の両電極の端子の前の最前部に配置されている。これにより、DC−DCコンバータ14に前方から外力が加わった場合に、最初にリレー及びサービスプラグ73に外力が加わり、リレー及びサービスプラグ73が後方に移動してコンデンサ70に衝突し、それによってコンデンサ70に短絡を生じさせてコンデンサ70の電荷を強制的に減少或いは消滅させることができる。
【0033】
以上の実施の形態によれば、燃料電池スタック10が車両1の左右方向に2分割されており、その間にDC−DCコンバータ14が配置され、その前後に関連装置群A1、A2が配置されているため、車両衝突時に車両1が押しつぶされたときに、初めに関連装置群A1、A2に外力が加わるので、燃料電池スタック10やDC−DCコンバータ14が守られる。特に燃料電池スタック10は、左右方向に2分割されており、外力により関連装置群A1、A2が移動しても関連装置群A1、A2が直接衝突しないので、車両衝突時の破損を十分に抑制できる。
【0034】
燃料電池スタック10、DC−DCコンバータ14及び関連装置群A1、A2は、保護フレーム50により囲まれているので、車両衝突時の外力から燃料電池スタック10やDC−DCコンバータ14が十分に保護される。
【0035】
保護フレーム50aの燃料電池スタック10の側面側には、筋交い51が形成されているので、車両1の側面からの外力に対しても燃料電池スタック10を保護できる。
【0036】
保護フレーム50a、50b、50cの下面には、衝撃緩衝用カバー60、61、62が設けられているので、保護フレーム50a内の燃料電池スタック10やDC−DCコンバータ14が、路面や路面上の障害物との衝突による衝撃から守られる。また、衝撃緩衝用カバー60、61、62を保護フレーム50に取り付けることにより、保護フレーム50の強度を上げることができる。また、路面衝突があった場合の保護フレーム50の破損も抑制でき、仮に強い衝撃があっても衝撃緩衝用カバー60、61、62の破損のみで留めることができるので、当該破損に対し衝撃緩衝用カバー60、61、62の取り換えで対応できる。
【0037】
保護フレーム50aの衝撃緩衝用カバー60は、前後方向の途中が下に凸に湾曲した板状に形成され、湾曲の最下部60aが前後方向の中央より前方側に位置し、最下部60aから後方側が前方側よりも緩やかな傾斜に形成されているので、路面衝突時に保護フレーム50aが上方に退避し、路面衝突による燃料電池スタック10やDC−DCコンバータ14への衝撃を効果的に緩和できる。
【0038】
保護フレーム50bの衝撃緩衝用カバー61は、前後方向の途中が下に凸に湾曲した板状に形成され、湾曲の最下部61aが前後方向の中央より後方側に位置し、最下部61bから前方側が後方側よりも緩やかな傾斜に形成されているので、路面衝突時に保護フレーム50bと保護フレーム50aがジャンプし、路面衝突によるDC−DCコンバータ14への衝撃を効果的に緩和できる。
【0039】
DC−DCコンバータ14は、コンデンサ70と、コンデンサ70の前に配置され、前方側からの外力によりコンデンサ70に短絡を生じさせてコンデンサ70の電荷を減少させることが可能な部材であるリレー及びサービスプラグ73を有している。このため、車両衝突時にコンデンサ70の電荷を減少させて、衝突時の安全性を向上できる。
【0040】
以上の実施の形態において、図9に示すように分割された燃料電池スタック10は、車両1の中央側が低くなるように斜めに傾斜されて設置されていてもよい。かかる場合、保護フレーム50aの燃料電池スタック10を囲む部分も斜めに形成される。かかる場合、燃料電池スタック10で生成された水が車両1の中央側に集められるので、燃料電池スタック10の排水を容易になおかつ確実に行うことができる。
【0041】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0042】
例えば以上の実施の形態における関連装置群A1、A2に含まれる装置は、燃料電池システムを構成するいずれの装置を選択してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、車両衝突時の燃料電池スタックやコンバータの破損を抑制する際に有用である。
【符号の説明】
【0044】
1 燃料電池車両
2 燃料電池システム
10 燃料電池スタック
14 DC−DCコンバータ
50 保護フレーム
60、61、62 衝撃緩衝用カバー
A1、A2 関連装置群

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子素子が設けられた構成部が積層されており、
前記構成部同士の貼り合せ面には、冷却水を流す冷却水路が形成され、少なくとも当該貼り合せ面を挟んだ両側の構成部を貫通する貫通孔が開口し、
前記貼り合せ面の前記冷却水路と前記貫通孔との間には、冷却水路から漏れた冷却水が入り込む溝が形成されていることを特徴とする、電力変換装置。
【請求項2】
前記溝は、前記貫通孔と連通しない前記貼り合せ面内の排水部に連通していることを特徴とする、請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記溝は、
燃料電池システムが搭載された燃料電池車両であって、
前記燃料電池システムは、燃料電池スタックと、当該燃料電池スタックの出力電圧を変圧するコンバータと、当該燃料電池スタックを稼働させるために必要な関連装置群と、を有し、
前記燃料電池スタックは、車両の左右方向に2分割されて配置され、
前記コンバータは、分割された前記燃料電池スタックの間に配置され、
前記関連装置群は、前記コンバータの前後に配置されていることを特徴とする、燃料電池車両。
【請求項4】
分割された前記燃料電池スタックは、車両の中央側が低くなるように斜めに傾斜されて設置されていることを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池車両。
【請求項5】
前記燃料電池スタック、前記コンバータ及び前記関連装置群は、保護フレームにより囲まれていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の燃料電池車両。
【請求項6】
前記燃料電池スタックの側面側の前記保護フレームには、筋交いが形成されていることを特徴とする、請求項3に記載の燃料電池車両。
【請求項7】
前記保護フレームの下面には、衝撃緩衝用カバーが設けられていることを特徴とする、請求項3又は4に記載の燃料電池車両。
【請求項8】
前記燃料電池スタック及び前記コンバータを囲む前記保護フレームの前記衝撃緩衝用カバーは、車両の前後方向の途中が下に凸に湾曲した板状に形成され、湾曲の最下部が前後方向の中央より前方側に位置し、前記最下部から後方側が前方側よりも緩やかな傾斜に形成されていることを特徴とする、請求項5に記載の燃料電池車両。
【請求項9】
前記コンバータより前方の前記関連装置群を囲む前記保護フレームの前記衝撃緩衝用カバーは、車両の前後方向の途中が下に凸に湾曲した板状に形成され、湾曲の最下部が前後方向の中央より後方側に位置し、前記最下部から前方側が後方側よりも緩やかな傾斜に形成されていることを特徴とする、請求項5又は6に記載の燃料電池車両。
【請求項10】
前記コンバータは、コンデンサと、前記コンデンサの前に配置され、前方側からの外力によりコンデンサに短絡を生じさせてコンデンサの電荷を減少させることが可能な部材と、を有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の燃料電池車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−18553(P2011−18553A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−162175(P2009−162175)
【出願日】平成21年7月8日(2009.7.8)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】