説明

燃焼ガスセンサ

燃焼により放出されるガスのためのセンサであって、該センサは、吸着半導体を形成する1又はそれ以上の金属酸化物を含み、吸着されるガスによって電気抵抗が変化し、上記半導体は、触媒化学反応を伴わずにガスを直接吸着するための半導体であり、上記センサは、燃えさかる火災の場合には酸化窒素を検知するように配列され、及び/又はくすぶっている火災の場合には部分的未燃焼ガス、具体的にはアルコール、アルデヒド、ケトン、カルボン酸又はアミンを検知するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸着したガスによって抵抗が変化するガス吸着半導体のための1又はそれ以上の金属酸化物を含む、燃焼により放出されるガスのためのセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
国際特許出願WO98/08084号により、このようなセンサが知られている。この文献には、単独で、或いは鉱物半導体と混合した形で使用するフタロシアニンなどの有機半導体に基づいて、或いは鉱物半導体のみの使用に基づいてセンサを作り出す可能性についての記載がある。これらのセンサは、くすぶっている火災、すなわち炎を伴わない火災、及び燃えさかる火災、すなわち炎を伴う火災の両方を検知する。有機及び鉱物半導体により形成されるこれらのセンサの機能は、燃焼中に放出される1又はそれ以上のガスの存在を検知することである。
【0003】
火災の検知においては、煙内に存在する固体粒子をイオン及び光学センサが検知する煙検知器も知られている。しかしながら、これらの種類の検知器は、その反応性が放出される粒子のサイズに特に依存するため、いくつかの問題点を抱えている。また、アルコール火災などのいくつかの火災では固体粒子が放出されず、従ってこれらを検知することができない。この結果、これらの煙検知器は全ての種類の火災を検知するわけではないということになる。
【0004】
半導体によるガスの検知についてはよく知られているが、火災の検知においては、あらゆる干渉のリスク、従って誤報を避けるために、燃焼中に放出されるガスのみを検知することが重要である。
【0005】
燃焼中に放出されるガスを検知するセンサによる火災の検知の利点は、基本的に以下の事実の中に存在する。ガスの伝搬速度は、イオン式及び光学式煙検知器により検出される固体粒子の伝搬速度よりも遥かに速いため、これらのセンサにより火災を遥かに早く検知できるようになる。また、これらのセンサが、あらゆる種類の燃焼中に放出されるガスを検出するのであれば、その検知範囲を全ての種類の火災へと広く拡張することができる。通常、COの燃焼ガスしか検知しない一酸化炭素CO検知器の場合には、明らかにこの基準は満たされない。なぜなら、例えば燃えさかるアルコール火災などのいくつかの種類の火災では、極めて微量のCOしか放出されないからである。
【0006】
燃焼ガス検知器はまた、粉塵に強く、従って埃っぽい工業環境又はその他の環境で使用できるという事実によっても特に有利である。
【0007】
例えば、米国特許第6,046,054号又は英国特許第2267968号Aに記載されるような火災の検知に使用できる金属酸化物に基づくセンサは、一般に、貴金属をドープした酸化スズSnO2か、或いは例えば欧州特許第0609316号B1、欧州特許第0656111号B1、米国特許第5,767,388号又は米国特許第5,635,628号に記載されるような複酸化物CrTiOX、CrRbOX、又はSrTiO3かのいずれかを使用する。これらの必須機能は、可燃性ガスの放出を検知すること、具体的には、火災を検知するために、干渉ガスを避けようとする一方で一酸化炭素COの放出を検知することである。その他の種類のガスセンサとしては、一酸化炭素COを特別に検知する電気化学セルに基づくものがある。不都合なことには、これらは特定のガス(CO)の存在しか検知しないため、全ての種類の火災を検知するわけではない。
【0008】
酸化スズSnO2、酸化ガリウムGa23などの金属酸化物に基づくセンサは、400℃を超える高温で機能する。周囲大気内では、その半導体性は、表面に吸着される空気中の酸素に依存する。一酸化炭素、炭化水素及び部分酸化炭化水素などの可燃性ガスが存在する場合、これらは、以前に吸着した酸素とともにセンサの表面で触媒燃焼を起こす。この結果、表面に吸着された酸素の量が減少し、従ってセンサの電気抵抗が変化する。これらのセンサは、金属酸化物に基づく「触媒」センサのなかに分類すべきものである。
【0009】
また一方、これらの種類の検知器は、一酸化炭素COの放出が十分に多いくすぶっている火災の検知との関連においてしか使用できない。実際、これらは、未燃残留物及び一酸化炭素をほとんど放出しない炎を伴う火災は検出しない。
【0010】
くすぶっている火災しか検知しないとすれば、この種のセンサを単独で使用する利用分野は比較的小さく、一般に、(光学、熱などの)他の種類のセンサと結合させる必要がある。
【0011】
ドープ酸化スズSnO2又は酸化ガリウムGa23に基づく「触媒」センサは多くの干渉を有し、二酸化イオウSO2の存在下での標準的な腐食試験にはほとんど耐えられない。また、その感度は周囲湿度に影響を受ける。
【0012】
これらのセンサは、燃焼中に放出されるガスの吸着及び脱着の原理に基づいて通常の温度で機能する。従って、これらはもはや「触媒」センサではなく、半導体表面に燃焼ガスを「吸着」させるセンサである。
【0013】
原則として、通常の温度で機能すればセンサを加熱する必要がないため、エネルギー消費量に関して特定の利点を有することができる。数百のセンサを含む場合もある監視ラインでは、コンセントからの給電が中断した場合、72時間監視を維持できなければならない電池による給電を行う必要があるため、センサのエネルギー消費量は実際に極めて重要な因子である。個々の検知器の消費量が多すぎると、必要な電池の量及びコストが極端に増える。
【0014】
しかしながら、通常の温度で使用可能なこれらのセンサは、空気の組成及び周囲温度の変化によって基本信号がかなり大きく変動する。この場合、所定の時間中のセンサの反応の変化を詳細に評価する高性能な電子的手段によってしか火災の検知を行うことができない。
【0015】
これは、フタロシアニンが、空気中の酸素に特に依存するが、オゾン及び酸化窒素などの自然大気汚染物質には特に依存しない半導体性を有する半導体だからである(抵抗性pは、107と109Ω-1cm-1との間で変動する)。一方、真空又は不活性空気中では、フタロシアニンは完全に絶縁性となる(p>1015Ω-1cm-1)。
【0016】
従って、大気温度で使用されるこれらのセンサは、空気中のオゾンO3、酸化窒素NOX、及び湿度の比率に極めて敏感である。検知器の感度は、季節によってこれらの大気汚染物質の含有量とともに変動するため、センサのオゾン及び酸化窒素への依存性により、その用途は大幅に制限される。従って、自然ドーピング元素及び干渉ガスに対する感度よりも燃焼ガスなどの検出すべきガス状物質に対して遥かに高い感度を有するセンサを作り出すことが重要である。
【0017】
抵抗が増加の方向に変化する場合、センサの感度Sは、検出すべきガス状物質が存在する際の抵抗Ragの、この瞬間の周囲に対するセンサの抵抗Rambに対する比率S=Rag/Rambとして定義され、抵抗が減少する場合、感度はこの逆比S=Ramb/Ragで表わされる。
【0018】
フタロシアニンが周囲大気に依存する半導体であることを考えれば、この場合フタロシアニンは再び絶縁体になるため、フタロシアニンをフィルタで排除することによりフタロシアニンのオゾンに対する感度を低下させることは不可能である。最終的に、欧州特許第0,918,985号B1に記載されるように粉末の形のフタロシアニンから作り出したセンサは時間とともに焼結し、これにより感度が徐々に低下する。
【0019】
また、これらのセンサの反応に対する湿度の影響によっても、その用途に制限が加わる。なぜなら、一般にこれらのセンサは、時間の関数としてセンサの抵抗の変化に基づいて機能するため、空気中の湿度レベルの突然の変化(風呂のドアの開放、シャワー、台所の湯気等)が誤報の原因となる可能性があるからである。
【0020】
しかしながら、湿度を含む周囲大気の変動に対する感度とは別に、周囲温度で機能するセンサを使用することにより、タバコの煙、フォンデュのアルコールの火、ろうそく、様々な家庭内の溶剤、香水、多岐にわたる火などの存在によるあらゆる性質の大気内物質の作用後のセンサの回復時間に関する別の問題が見えてくる。回復時間、すなわち、吸着したガスを脱着することにより通常のベースラインに戻る期間が比較的長くなり、このため毒物が強く作用している間、数時間〜24時間続く記憶効果がもたらされ、この期間中、検知器は非可動のままとなる。
【0021】
安全域においては、反応は長期にわたって、及びいかなる時でも完全に一定したものであり、再現可能でなければならないため、火災の検知という観点で見ると、これら全ての問題点により、これらのセンサの使用は極めて問題をはらむものとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0022】
【特許文献1】国際特許出願WO98/08084号
【特許文献2】米国特許第6,046,054号
【特許文献3】英国特許第2267968号A
【特許文献4】欧州特許第0609316号B1
【特許文献5】欧州特許第0656111号B1
【特許文献6】米国特許第5,767,388号
【特許文献7】米国特許第5,635,628号
【特許文献8】欧州特許第0,918,985号B1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
本発明の目的は、周囲環境の変動にはわずかしか反応しないが、炎を伴う火災又は炎を伴わない火災のいずれか、或いは炎を伴う火災及び炎を伴わない火災の両方を検知できる、燃焼により放出されるガスのためのセンサを作り出すことにある。
【課題を解決するための手段】
【0024】
この目的のために、本発明によるセンサは、上記半導体を、触媒化学反応を伴わずにガスを直接吸着する半導体とし、上記センサを、燃えさかる火災の場合には酸化窒素を検知し、及び/又はくすぶっている火災の場合には部分的未燃焼ガス、具体的にはアルコール、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、又はアミンを検知するように構成したことを特徴とする。このようにして作られた、触媒化学反応を行うことなくガスを直接吸着する半導体金属酸化物に基づく伝導度測定センサ又は抵抗センサは、周囲大気の組成物(O2、O3、NOX、H2Oなど)に依存しない。また、驚くことに、触媒化学反応を行うことなくガスを直接吸着する半導体金属酸化物を含むセンサで酸化窒素を検出することにより、燃えさかる火災を検知できることが判明した。これもまた驚くことに、触媒化学反応を行うことなくガスを直接吸着する半導体金属酸化物を含むセンサで部分的未燃焼ガスを検知することにより、くすぶっている火災を検知できることが判明した。最終的に、これらのセンサは、周囲よりも高いが比較的低い温度範囲、すなわち150℃と350℃との間にある温度範囲で使用することができる。
【0025】
本発明によるセンサの第1の優先的な実施形態は、金属酸化物を150℃と350℃との間の温度まで加熱するための加熱素子、具体的には電気素子を含むことを特徴とする。これにより、センサを加熱し、ひいては選択した温度に基づいて複数の使用範囲を設けることが可能となる。この複数の範囲により、例えば火災検知器、タバコの煙検知器などとしてのその最終用途に応じてセンサの感度を調節できるようになる。
【0026】
本発明によるセンサの第2の優先的な実施形態は、金属酸化物が、酸化タングステンWO3、酸化クロムCr23、酸化銅CuO、酸化ランタンLa23、又はCrXTiy3などの特定の複酸化物、或いはこれらの混合物から選択されることを特徴とする。これらの金属酸化物は広く市販されている。
【0027】
本発明によるセンサの第3の優先的な実施形態は、センサが、金属格子を設けたケーシングに収容されることを特徴とする。金属格子の存在が、周囲の変化による変動を防ぎ、ひいてはセンサのより良好な機能を確実にする。
【0028】
本発明はまた、燃えさかる火災の場合には酸化窒素を検知し、及び/又はくすぶっている火災の場合には、部分的未燃焼ガスを、具体的にはアルコール、アルデヒド、ケトン、カルボン酸又はアミンを検知するために、触媒化学反応を伴わずにガスを直接吸着する半導体を形成するとともに吸着したガスによって電気抵抗が変化する1又はそれ以上の金属酸化物の使用にも関する。
【0029】
本発明はまた、このようなセンサを製造し、較正する方法にも関する。
【0030】
最後に、本発明は、加熱素子に連続モード又はパルスモードのいずれかで電流を供給する、本発明によるセンサを機能させる方法に関する。このようにして、これらのセンサのこれらの実施形態により、エネルギー消費を大幅に抑えることが可能となる。
【0031】
以下、図面を利用して本発明についてさらに詳述する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1a】金属酸化物による、酸素及び一酸化炭素に対する吸着及び触媒反応の現象を示す図である。
【図1b】金属酸化物上の触媒反応を伴わずに酸化窒素及びホルムアルデヒドを直接吸着する現象を示す図である。
【図2】炎を伴う火災中の本発明によるセンサの抵抗の変化を示す図である。
【図3】炎を伴わない火災中の本発明によるセンサの抵抗の変化を示す図である。
【図4】還元ガスが存在する際の本発明によるセンサの抵抗の変化を示す図である。
【図5】本発明によるセンサの抵抗の変化をセンサの温度の関数として示す図である。
【図6】本発明によるセンサの実施形態を示す図である。
【図7】本発明によるセンサの実施形態を示す図である。
【図8】本発明によるセンサの実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図面では、同じ構成要素又は同様の構成要素には同じ参照番号を割り当てている。
【0034】
酸化スズSnO2又は酸化ガリウムGa23などの金属酸化物に基づくセンサは、一般に400℃を超える温度で機能する。周囲大気中では、これらの半導体性は、表面に吸着される空気中の酸素に依存する。図1aは、一酸化炭素(CO)などの可燃性ガスが存在する場合、炭化水素及び部分酸化炭化水素が、以前に吸着した酸素によってセンサの表面で触媒燃焼を起こすことを示している。これは、周囲空気中に存在する酸素が、センサの一部を形成する基板に存在するn型金属酸化物の自由電子と接触する際に、この酸素の吸着及び自由電子の捕捉が行われるためである。
2+2e−→2O−
【0035】
この結果、自由電子の数が減少し、従って表面に吸着される酸素の量が減少する。一方、センサの電気抵抗は増大する。これらのセンサは、金属酸化物に基づく、いわゆる「触媒」センサの中に分類されることになる。また、大気中にCOが存在する場合、吸着された酸素との触媒反応が起きる。
CO+O-→CO2+e-
【0036】
これにより、自由電子の数が再び増大し、センサの抵抗が減少するようになる。
【0037】
先の段落で説明したように、本発明によるセンサは、燃焼により放出されるガスを触媒化学反応を伴わずに直接吸着する種類の1又はそれ以上の金属酸化物を使用する。(触媒化学反応を伴わずに直接吸着を行う)半導体を形成するこれらの金属酸化物の特異性は、まず第1に、半導体性がとりわけ検知層自体における化学量論的欠陥及び結晶欠陥に起因するという点で、この半導体が未調整半導体の例であるという事実に由来する。従って、元々の半導体性は、検知層上に酸素又は大気汚染物質が存在することに起因するものではない。この結果、直接吸着半導体の場合、事前吸着した化学種と事前に触媒化学反応が起きることなく、半導体上で検出すべきガスの直接的な及び明確な作用によって検知が行われることになる。図1bはこの現象を示す図である。例えば、酸化窒素(NO2)が、本発明によるセンサの金属酸化物と接触した場合、自由電子が捕捉される。
NO2+e-→NO2
【0038】
自由電子の数が減少し、センサの抵抗が増大する。アルデヒド(H2C=O)が存在する場合は、自由電子が放出され、センサの抵抗が減少する。
【0039】
従って、例えば、燃えさかる火災、従って炎を伴う燃焼中は温度が比較的高く、酸素及び大気窒素の反応により、酸化窒素、詳細にはNO2が形成される。驚くことに、このガスは一旦生成されると、触媒化学反応(図1b)を仲介せずにセンサの検知層に直接作用することが現在では判明している。二酸化窒素NO2は強力な酸化剤であるため、半導体に存在する自由電子のセンサに影響を及ぼし、n型半導体の場合、負電荷キャリアの数を実際に減少させる。この結果、センサの電気抵抗は僅かしか増加しない。
【0040】
逆に、くすぶっている火災、従って炎を伴わない燃焼の場合、火災により放出されるガスは部分的に未燃焼のものとなる。これらのガスは、部分的に酸化されており、詳細にはアルコール、ケトン、アルデヒド、カルボン酸、アミン等を含む。これらの分子は、その電子構造により電子供与体であり、従って、直接作用によりn型半導体の負電荷キャリアの数が増加することになる。従って、センサの電気抵抗はかなりの程度まで減少する。
【0041】
p型半導体が存在する際には、抵抗のこれらの変化の方向が逆転することは明かである。
【0042】
検知すべきガスのこの直接作用により、一般に、非調整金属酸化物センサの方が、調整済み触媒センサよりも選択性が遥かに大きくなる。従って、本発明は、燃えさかる火災の場合には酸化窒素を検知し、及び/又はくすぶっている火災の場合には、部分的未燃焼ガスを、具体的にはアルコール、アルデヒド、ケトン、カルボン酸又はアミンを検知するために、触媒化学反応を伴わずにガスを直接吸着する半導体を形成するとともに吸着したガスによって電気抵抗が変化する1又はそれ以上の金属酸化物の使用に基づくものとなる。
【0043】
また、酸素との触媒燃焼に頼ることなくガスの直接作用により検知が行われるという事実により、センサの挙動に関して極めて重要な結果が得られるようになる。これは、特にこれらのセンサを非常に低い温度で、具体的には150℃と350℃との間にある範囲で使用できるためである。この範囲は、通常の金属酸化物の「触媒」センサが使用する400℃と900℃との間にある範囲よりもかなり低い。
【0044】
検出すべきガスを直接吸着する非調整金属酸化物に基づくセンサのうち、例えば、酸化タングステンWO3、酸化クロムCr23、酸化銅CuO又は酸化ランタンLa23を引き合いに出すことができ、CrXTiy3のような特定の複酸化物を引き合いに出すこともできる。これらは、大気により調整されていない半導体であり、このため、自然の大気変動に対する感度が極めて低い。これらの酸化物を単独で、混ぜ合わせて、或いは重ねた層の形で使用することができる。また、「触媒」酸化物に基づく通常のセンサよりも作動温度が低いことを考えると、センサの反応は、センサの電気抵抗を修正する燃焼ガスの吸着及び脱着の平衡のみに起因することになる。
【0045】
このようにして作られるセンサは、比較的単純な電子技術を必要とする。このセンサの構成によれば、例えば周囲において105Ω付近の電気抵抗を測定し、1つはくすぶっている火災用に107Ω、もう1つは燃えさかる火災用に103Ωの2つの警報しきい値を定めれば十分である。使用する火災は、欧州規格(EN54−7)及び米国規格(UL 268)に記載されるものと一致する。従って、図2及び図3に示すように、電気抵抗は一方の又は他方の方向に100倍(S=100)変化する。図2及び図3は、それぞれ炎を伴う火災及び炎を伴わない火災中の本発明によるセンサの抵抗の変化を示す図である。当然、使用する金属酸化物がn型である場合、炎を伴う火災では抵抗が増加するのに対し、炎を伴わない火災では抵抗が減少することになる。しかしながら、通常の周囲環境では、抵抗は時間の経過とともにほとんど変化しなくなる(Smax≒6)。また、壁に金属格子を設けたケーシングにセンサを入れた場合、これらの周囲環境の変化も大幅に減少する(Smax≒2)。これは、これらの周囲の変動が基本的にオゾンに対して感度が低いためである。この結果、センサをケーシングに入れた場合、オゾンは主に壁で破壊され、この結果、事実上センサの抵抗にこれ以上影響を及ぼさなくなる。この金属格子の存在が、周囲環境の変化による変動を大幅に減少させ、ひいてはセンサのより良好な機能を確実にする。
【0046】
また、本発明によるセンサは、周囲湿度の変動にほとんど反応しないことにも注目する必要がある。従って、これらのセンサを、湿度の変動が大きな通常の状態で使用できるだけでなく、さらに特定の用途、すなわち、海洋環境、乾燥室、サウナ等でも使用することができる。
【0047】
センサを、制御された温度に対応できるようにすることにより、例えば冷凍倉庫又は製鋼業、セメント工事などの、温度条件が−50℃と300℃との間の場所で使用できるようになる。これらの環境では、周囲環境が埃っぽいことが多く、周囲温度は極めて多様である(低温又は高温)。
【0048】
炎を伴った燃えさかる火災が発生した場合(図2)、炎の温度が極めて高く、このケースでは空中の窒素及び酸素が反応することにより二酸化窒素が形成されるため、センサは、これらの条件下で常に放出される二酸化窒素NO2の発生を検知する。n型半導体の場合、数ppm付近の割合に達することがある二酸化窒素NO2の存在により、半導体の表面上の電荷キャリアの数が減少し、従ってセンサの電気抵抗が非常に大きな程度まで増加する。例えば、標準的な燃えさかるヘプタン火災の場合、化学発光により測定した二酸化窒素NO2の割合は、〜1ppmに達する。図2(点線)は、空気中で1ppmの割合のNO2にさらされたセンサの反応が全く同じであることを示す。従って、センサの較正手順中、又はこの基準で行われる感度試験中にこのガスを使用することもできる。なお、通常の環境では、二酸化窒素NO2の割合が50ppbを超えることは滅多にない。
【0049】
くすぶっている火災が発生した場合(図3)、炎が到達する温度は遥かに低く、二酸化窒素を形成することができない。この場合、燃焼が不完全となり、具体的には多少酸化されたアルコールROH、アルデヒドRHCO、ケトンR12CO又はアミンR123Nを含む部分的未燃焼ガスが特に生じるが、これらは、センサに吸着されている間、負の電荷キャリアの数を表面で増加させる傾向にあり、これにより、n型半導体で作ったセンサの抵抗が大幅に減少するという効果が得られる。図4は、それぞれアルコール、アルデヒド、ケトン、さらにはアミンの機能を有するこれらの様々な種類のガスが、センサの電気抵抗を減少させる傾向にあるという効果が得られることを示す図である。実際には、図4は、1000ppm注入したホルムアルデヒド、アセトン及びエタノールに対するセンサの反応を示している。くすぶっている火災は全て、燃料の性質及び火災の温度によって様々な割合でこれらの種類のガスを放出する。これら全てのガスが、センサの抵抗を同じ方向に変化させ、これらの効果は蓄積する。従って、くすぶっている火災の検知は、単一のガスによって行うことはできないが、これらの種類の機能を有する全てのガスによって行うことができる。また、センサの較正にも同じ部分的未燃焼ガスを使用することができる。
【0050】
この火災の種類による抵抗の変化の方向は、p型半導体が存在する際には逆転することが明らかである。
【0051】
また、本発明が関連するセンサは、燃焼中に放出されるガス(酸化窒素、アルデヒド、ケトン等)に対して極めて特異的であることにも留意されたい。というのは、例えば酸化スズなどの高温(>400℃)で使用される「触媒」金属酸化物とは異なり、これらのセンサが(水素、一酸化炭素、アルカン、メタン、プロパンなどの)可燃性ガスには全く反応しないからである。この挙動は、センサの抵抗の変化が、燃焼ガスが金属酸化物の表面に吸着されたことのみに起因し、「触媒」酸化物の場合のように、この燃焼ガスと以前に表面に吸着された酸素との間の触媒反応に起因するものではないという事実によるものである。
【0052】
図5に示すように、半導体の性質及び動作温度を選択することにより、(炎を伴う又は伴わない)異なる種類の火災に対するセンサの感度を増加又は減少させることもできる。センサの温度におけるこの調節を可能にするために、後者に加熱素子、具体的には電気素子を装備する。加熱素子は、半導体を150℃と350℃との間にある温度に加熱するように構成される。従って、このようにして、遭遇するリスクの種類及び場所(トンネル、駐車場、産業、埃っぽい環境、電気ケーブルの過熱等)によって、本発明のこの優先的な実施形態によるセンサを、センサを使用する特定の環境に適応させることができる。
【0053】
図6は、センサの一般的な構造を示す図である。この構造は、例えば、アルミナ、表面が酸化したシリコン、シリコン窒化物などの介在層を設けたシリコン、又は測定される検知層の抵抗に対して完全に絶縁性のさらに別の酸化物又は窒化物からなる絶縁基板1を含む(Rsupport>>>Rsensitive layer)。この条件が満たされる場合、基板の性質は、性能にはほとんど影響を及ぼさず、実行の方法、従って電気エネルギーの消費量のみを決定する。
【0054】
この基板には、通常、例えば金、プラチナなどの貴金属、或いは実に酸化ルテニウムRU02からもなる2つの櫛形電極2が設けられる。回路の設計は、使用する基板の種類によって異なる。例えば、堆積する金属を含むインクをスクリーン印刷することにより、或いは(溶媒に分散させ、薄い層に広げた)金属粉末を堆積させ、その後レーザー焼結することによりアルミナ担体上に基板を作ることができる。シリコンベースの基板上には、通常マイクロエレクトロニクスの分野で使用されるフォトリソグラフィー技術によって電極を作ることができる。
【0055】
基板には、電気抵抗が優れた温度係数(0.3%/°K)を有することにより、センサの作動温度を正確に固定できるようになる多結晶シリコン(ポリシリコンとも呼ばれる)、又は酸化ルテニウム、又はプラチナなどの貴金属のコイルのいずれかからなる加熱素子3により形成された加熱素子も設けることが好ましい。電極の定置に使用した技術と同じ技術により、この素子の定置を行うことができる。基板の一方の面又は他方の面の構成によって、この加熱素子を位置決めすることができる。この加熱素子は、全ての種類の火災、又は上記くすぶっている火災、又は上記燃えさかる火災のいずれかを検知するために、使用温度によってセンサの感度を調節するように構成された温度調節手段を含むことが好ましい。電気素子として可変抵抗を使用すること、又は電気素子に供給する電流を変化させることにより、これらの調節手段を形成することができる。
【0056】
電極を含む面は、周囲大気により調整されていない吸着半導体金属酸化物からなる検知層で覆われる。応用分野によって異なる技術により堆積を行うことができる。
【0057】
また、応用分野によって、金属酸化物の性質、検知層の堆積に使用する技術及びセンサの温度などの使用条件を区別することもできる。
【0058】
これは、例示の実施形態で説明するように、火災の検知が、家庭内分野又は第3分野(ビル、行政機関、病院、ホテル等)における火災のリスクのみに要約されるわけではないからである。利用可能なセンサを、例えば埃っぽい工業環境、屋根付き駐車場、トンネル内、冷凍倉庫等で使用できるようにすることも重要である。
【0059】
特殊なインクでスクリーン印刷することにより、担体上に検知層の堆積を行うことができる。これらのインクは、適当な添加剤(界面活性剤、増粘剤等)を含む有機溶媒中に直接吸着半導体金属酸化物粉末を分散させることによって得られる。詳細には、これらの添加剤の効果は、固体粒子を浮遊状態のまま保ち、その凝固を防ぐことにある。従って、固体粒子の表面電荷及びその表面電位ζを固定することにより、互いに反発し合って塊にならないようにすることが重要である。これらのインク内で分散する酸素粒子のサイズは、0.005μと数μとの間である。
【0060】
本発明の第1の実施形態では、基板は、3×3mm、0.5mmの厚さのAl23ウェハーから成り、櫛形の2重コームの形で配置された電極は、例えば、幅が150μmで間隔が200μmである。同じ面に位置する加熱素子(Rheat)はプラチナで作られ、25℃の抵抗は例えば17Ωである。使用分野によって、温度は150℃と350℃との間に固定され、これは、選択した例では、電子調節によってそれぞれ25.6Ω及び33.8Ωに固定された抵抗に対応する。
【0061】
検知層は、粒子の大きさが極めて小さい場合(<10μm)にはゾルゲル法により、或いは詳細には検知すべき1又は複数のガスを直接吸着する半導体金属酸化物を含む適当なインクのスクリーン印刷により堆積される。その後、層は乾燥され、インクの補助剤が熱で除去される。層に与えることが望まれる感度に基づいて、ゾルゲル又はスクリーン印刷による堆積の工程を(同じ又は異なる1又はそれ以上の層に)何度か繰り返すことができる。
【0062】
温度を平均値の250℃(Rheat=11.7Ω)で固定した場合、この構成で得られる結果は、図2及び図3により説明したものとなり、この結果は、くすぶっている火災及び炎を伴う火災に対してほぼ100の感度Sに対応する。
【0063】
温度を200℃付近の低い値に固定した場合、感度Sは、くすぶっている火災に対して50、炎を伴う火災に対して200付近に位置する。
【0064】
逆に、温度を300℃付近の高い値に固定した場合、感度Sは、くすぶっている火災に対して250、炎を伴う火災に対して30に位置する。
【0065】
図5は、これらの2つの種類の火災の温度Tによる感度Sの変化を示す図である。従って、カバーするリスクの種類及び使用場所によって、温度を最も適当な値に調節することができる。
【0066】
この第1の構成では、実現すべき温度によって、電気エネルギー消費が300mW付近に位置するようになる。
【0067】
干渉が望まれず、図2及び図3で説明するような全ての種類の標準的な火災に完全に対応することが望まれる従来の火災の検知では、6つまでの層の「吸着」酸化物を堆積することができ、これにより、このように例えば5μと50μとの間で変化する層の厚さが決まる。この厚さが、実際にセンサの感度の決定因子となる。
【0068】
例えば、火災の検知器ではなく、タバコの煙検知器を作製することが望まれる場合、例えば層の数を1つに減少させ、くすぶっている火災に対する感度を増大させる範囲(高温)に温度を維持することにより感度が増大する。これらの条件下では、6×4×4mの部屋で紙巻タバコを半分消費すると数分の間に感度Sが値30に到達するため、喫煙者の存在が容易に検知される。
【0069】
同様に、少数の層を含むセンサでは、(明らかな燃焼も目に見える煙の放出もない)電気ケーブルの過熱を容易に検知することができる。これは、厳密な意味の燃焼は未だ始まっていないが、ケーブルの鞘に封入されていたガスが脱気するからである。従って、例えば、0.5×1.2×2mの電気キュービクル内では、10cmの長さで1.5mm2の電気ケーブルを80℃で単純に過熱すると、ほぼ2分以内にセンサの抵抗が既に100倍(S=100)変化することになる。ケーブルではなくプリント回路を過熱した場合、より一般的には、構造内に有機ポリマを含むあらゆる電気部品を過熱した場合、結果は明らかに同じになる。
【0070】
第2の構成(図5)では、酸化又は窒化シリコンの担体(4=基板、1=酸化物又は窒化物)上にセンサを作製する。これらの2×2×1.5mmの担体は、電極及び加熱素子(3)を配置する地点の厚さを大幅に減少させるために、シリコン基板の塊の底面をくり抜いたものである。これらの電極(2)は、マイクロエレクトロニクスでは一般的なフォトリソグラフィー技術によって堆積される。この場合、センサの上面を粗くして、前述のようにスクリーン印刷、ゾルゲル法又は陰極スパッタによって酸化物層を堆積できるようにするか、或いは表面を滑らかにして、後の2つの技術のみを使用できるようにするかのいずれかが行われる。
【0071】
陰極スパッタは、例えば、酸化タングステンWOの層を生成するときには、タングステン陰極及び低分圧の酸素を使用する。
【0072】
加熱するために、別の構成がプラチナ又はポリシリコンコイルで電極の上面を取り巻いてなる。
【0073】
このようにして作製したセンサは、アルミナAl23上に作製したセンサと同じ性能を有するが、電気消費が15倍(すなわち例えば20mW)減少する。
【0074】
エネルギー消費をさらに減少させる別の方法は、連続モードではなくパルスモードでセンサを作動させるステップからなる。この場合、例えば10又は20秒毎に2秒間センサの加熱素子を供給することが重要である。加熱時間、ひいては電気消費が大幅に減少し、この結果、選択した加熱及び休止期間に基づいて電気消費を5〜10倍再び減少させることができる。
【0075】
図6(縮尺通りではない)に示す第3の構成では、シリコン基板(4)が長方形形状を有し、その寸法は例えば2×2mmである。この基板には、上面3に二酸化シリコン又は窒化シリコンのいずれかの様々な層が形成又は堆積される。この基板もまた、厚さが例えば5μmに減少するまでその底面をくり抜いたものである。上述の例のように、このくり抜いた面上の例えば50×100μmの長方形内に電極2、加熱素子1及び検知層が堆積される。最後に、検知層が位置する長方形に対応するストリップの3つの側面を切断する(図7)。第4の側面により、電極及び加熱素子への電気的接触を確立できるようになる。シリコン又は二酸化シリコン及び/又は窒化シリコンの機械的膨張及び収縮引張の影響及び温度の影響を受けて、このストリップが持ち上がる。
【0076】
この結果、素子が連続又はパルスモードで供給された場合、この極めて薄いストリップのみが加熱され、エネルギー消費量が再び大幅に減少する(2〜10倍)。感度がセンサの表面の範囲に依存しないため、様々な種類の火災に対するこれらのセンサの挙動が同じであることは明らかである。
【0077】
全てのこれらの動作により、カバーするリスク及び応用分野に基づいて、検知器を実際に直面する要件に適合できるようになる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼により放出されるガスのためのセンサであって、該センサは、吸着半導体を形成する1又はそれ以上の金属酸化物を含み、吸着されるガスによって電気抵抗が変化し、前記半導体は、触媒化学反応を伴わずにガスを直接吸着するための半導体であり、前記センサは、燃えさかる火災の場合に酸化窒素を検知するように構成される、
ことを特徴とするセンサ。
【請求項2】
燃焼により放出されるガスのためのセンサであって、該センサは、吸着半導体を形成する1又はそれ以上の金属酸化物を含み、吸着されるガスによって電気抵抗が変化し、前記半導体は、触媒化学反応を伴わずにガスを直接吸着するための半導体であり、前記センサは、くすぶっている火災の場合に部分的未燃焼ガス、具体的にはアルコール、アルデヒド、ケトン、カルボン酸又はアミンを検知するように構成される、
ことを特徴とするセンサ。
【請求項3】
前記半導体は、触媒化学反応を伴わずにガスを直接吸着するための半導体であり、前記センサは、くすぶっている火災の場合に部分的未燃焼ガス、具体的にはアルコール、アルデヒド、ケトン、カルボン酸又はアミンを検知するように構成される、
ことを特徴とする請求項1に記載のガスセンサ。
【請求項4】
半導体を150℃と350℃との間の温度まで加熱するための加熱素子、具体的には電気抵抗を含む、
ことを特徴とする請求項1から請求項3の1項に記載のセンサ。
【請求項5】
前記加熱素子は、全ての種類の火災の検知、又は前記くすぶっている火災の検知、或いは前記燃えさかる火災の検知のいずれかのために前記センサの感度を使用温度によって調節するように構成された前記温度を調節する手段を含む、
ことを特徴とする請求項4に記載のガスセンサ。
【請求項6】
前記金属酸化物及び前記加熱素子は、有機ポリマを含むケーブル又は電気部品の過熱を検知できるように選択される、
ことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のセンサ。
【請求項7】
前記金属酸化物は、酸化タングステンWO3、酸化クロムCr23、酸化銅CuO、酸化ランタンLa23、又はCrXTiy3などの特定の複酸化物、或いはこれらの混合物から選択される、
ことを特徴とする請求項1から請求項6の1項に記載のセンサ。
【請求項8】
前記金属酸化物は、重ね合わせた層の形で加えられる、
ことを特徴とする請求項1から請求項7の1項に記載のセンサ。
【請求項9】
金属格子を設けたケーシングに収容される、
ことを特徴とする請求項1から請求項8の1項に記載のセンサ。
【請求項10】
タバコの煙を検知するように構成される、
ことを特徴とする請求項1から請求項9の1項に記載のセンサ。
【請求項11】
触媒化学反応を伴わずにガスを直接吸着するための半導体を形成する1又はそれ以上の金属酸化物の用途であって、燃えさかる火災の場合に酸化窒素を検知するために、前記金属酸化物の前記電気抵抗が前記吸着されたガスによって変化する、
ことを特徴とする使用法。
【請求項12】
触媒化学反応を伴わずにガスを直接吸着するための半導体を形成する1又はそれ以上の金属酸化物の使用法であって、くすぶっている火災の場合に部分的未燃焼ガス、具体的にはアルコール、アルデヒド、ケトン、カルボン酸又はアミンを検知するために、前記金属酸化物の前記電気抵抗が前記吸着されたガスによって変化する、
ことを特徴とする使用法。
【請求項13】
前記使用法によって前記半導体の動作温度を150℃と350℃との間の温度に調節することができる、
ことを特徴とする請求項11又は請求項12の1項に記載の使用法。
【請求項14】
燃焼により放出されるガスのためのセンサを製造する方法であって、該方法によって、吸着半導体を形成する少なくとも1又はそれ以上の金属酸化物が基板に加えられ、前記吸着半導体の前記電気抵抗が前記吸着されたガスによって変化し、触媒化学反応を伴わずにガスを直接吸着するための半導体が前記吸着半導体として加えられる、
ことを特徴とする請求項1から請求項10の1項に記載の方法。
【請求項15】
前記金属酸化物は、インクスクリーン印刷、ゾルゲル又はスパッタ技術のうちの1つにより、酸化又は窒化シリコンの層で覆われたアルミナ又はシリコン絶縁基板上に1回又は数回堆積され、その後、前記酸化物層の温度を150℃と350℃との間で選択した温度に維持するための電極及び加熱素子が前記基板に設けられる、
ことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記加熱素子は、連続モード又はパルスモードのいずれかで電流を供給される、
ことを特徴とする請求項4、請求項5又は請求項6の1項に記載のセンサを機能させる方法。
【請求項17】
前記センサの感度は、燃えさかる火災の場合には酸化窒素により較正され、くすぶっている火災の場合にはアルコール、アルデヒド、ケトン、カルボン酸及びアミンにより較正される、
ことを特徴とする請求項1から請求項10の1項に記載のセンサを較正する方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2010−507088(P2010−507088A)
【公表日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−532823(P2009−532823)
【出願日】平成19年10月19日(2007.10.19)
【国際出願番号】PCT/EP2007/061247
【国際公開番号】WO2008/046926
【国際公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【出願人】(509111375)ソシエテ ド シミ イノルガニク エ オルガニク アン アブレジェ “ソシノール” (1)
【Fターム(参考)】