説明

物性が向上したポリエチレンフィルム

【課題】従来のメタロセン触媒で製造された線状低密度ポリエチレン(mLLDPE)よりも加工が容易であるポリエチレンから製造される、高い縦方向引裂強さ(MD引裂強さ)及び(又は)高い横断方向引裂強さ(TD引裂強さ)及び(又は)高い落槍耐衝撃性(ダーツ)を有するポリエチレンフィルムを提供する。
【解決手段】置換ハフニウム遷移金属メタロセン触媒系を利用する気相プロセスで製造される線状低密度ポリエチレン(LLDPE)よりなり、≧0.9のMD引裂強さ対TD引裂強さの比(両引裂強さともASTM D−1922により決定して)、≧350g/ミル(8,890g/μ)のMD引裂強さ、≧500g/ミル(12,700g/μ)の落槍衝撃強さ(ASTM D−1709により決定して)及び≧70%のMD収縮率を有し、該フィルム特性は≧12ポンド/時/inダイ円周(16.00Kg/時/cmダイ円周)の押出量のときに達成可能であるポリオレフィンフィルム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物性の優れたバランスを示すフィルム並びに従前のメタロセン触媒で製造されたポリオレフィン及び(又は)ポリエチレンよりも加工するのが容易であるフィルムを製造するのに使用されるメタロセン触媒で製造されたポリエチレンに関する。このフィルムは、比較的広い組成分布(CD)及び比較的広い分子量分布(MWD)を有するポリエチレンより製造される。
【背景技術】
【0002】
メタロセン触媒で製造されたエチレン共重合体は既知であって、向上した加工性及びフィルム性、例えば落槍衝撃強さ(ダーツ)を有する。しかし、当業者の誰も、以下に検討するバランスの取れた物性、分子特性及び加工容易性を達成していない。慣用のチーグラー−ナッタ触媒で製造された線状低密度ポリエチレン(Z−N LLDPE)は、1%割線モジュラスにより表わして良好な剛性並びに良好なエルメンドルフ引裂強さを有することが知られている。
【0003】
しかし、ポリエチレンフィルムの技術における通常の知識は、これらのフィルムの製造中にフィルムの縦方向(MD)の配向を増大させることによって、物性、例えばMD引裂強さは低下するであろうというものである。
【0004】
この点について、Polymer Engneering and Science 1994年10月中旬、Vol.34、No.19において、著者は、ポリエチレンインフレートフィルムにおける加工−構造−性質の関係を検討している。著者は、MDエルメンドルフ引裂強さが引落比及びMD収縮率と逆比例することを示唆している。
【0005】
更に、Polymer、41(2000)、9205−9217において、著者は、高いMD伸び率では、多数の分子が結晶化の開始の前にMDに沿って配向すること及びこのことがMD引裂強さ性能の見地から有害であることを示唆している。
【0006】
PCT公開WO 90/03414(1990年4月5日公開)に記載のように、メタロセン触媒成分を組み合わせてブレンド組成物を形成させることができる。また、米国特許第4,937,299号及び同4,935,474号に記載のように、混合メタロセンを使用して広い分子量分布及び(又は)多モード分子量分布を有する重合体を生じさせることができる。
【0007】
米国特許第5,514,455号は、ポリエチレンフィルムのゲージの縮小が引裂強さ値の増大をもたらすことを示唆している。この文書は、ポリエチレンの製造のためにチタンマグネシウム触媒を使用するので、ポリエチレン中にチタン残渣を包む。報告されたエルメンドルフ縦方向(MD)引裂強さ対横断方向(TD)引裂強さの値は、発明的な実施例については0.1〜0.3の範囲内にある。
【0008】
米国特許第5,744,551号は、引裂特性の改善のバランスを示唆している。また、この文書は、ポリエチレンの製造のためにチタンマグネシウム触媒を使用するので、ポリエチレン中にチタン残渣を包む。更に、MD/TD引裂強さの比は、発明的な実施例については0.63〜0.80の範囲内にある。
【0009】
米国特許第5,382,630号は、同じ分子量であるが異なった共単量体含有量、又は同じ共単量体含有量であるが異なった分子量、又は分子量と共に増大する共単量体含有量を有することができる成分から製造された線状エチレン共重合体を開示している。米国特許第5,382,630号は、引裂強さが制御できる多モードのポリエチレンブレンドを開示している。しかし、この文書は、固有の引裂強さのみを使用し、エルメンドルフMD/TD引裂強さの比について、また固有の引裂強さを除いたその他のどんな値についても無言である。
【0010】
また、米国特許第6,242,545号及び同6,248,845並びに米国特許仮出願第60/306,503号(2001年7月19日出願)及び同60/306,903号(2001年7月19日出願)には、これらの文書の特許権者/出願人は、広い組成分布、狭い分子量又は広い組成分布のいずれかである比較的広い分子量分布のポリエチレンの製造を報告した。しかし、これらの文書は、流延フィルムのMD引裂強さの向上を示すが、インフレートフィルムについて評価可能な改善を示していない。
【特許文献1】PCT公開WO 90/03414(1990年4月5日公開)
【特許文献2】米国特許第4,937,299号明細書
【特許文献3】米国特許第4,935,474号明細書
【特許文献4】米国特許第5,514,455号明細書
【特許文献5】米国特許第5,744,551号明細書
【特許文献6】米国特許第5,382,630号明細書
【特許文献7】米国特許第6,242,545号明細書
【特許文献8】米国特許第6,248,845号明細書
【特許文献9】米国特許仮出願第60/306,503号(2001年7月19日出願)
【特許文献10】米国特許仮出願第60/306,903号(2001年7月19日出願)
【非特許文献1】Polymer Engneering and Science 1994年10月中旬、Vol.34、No.19
【非特許文献2】Polymer、41(2000)、9205−9217
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、従来のメタロセン触媒で製造された線状低密度ポリエチレン(mLLDPE)よりも加工が容易であるポリエチレンから製造される、高い縦方向引裂強さ(MD引裂強さ)及び(又は)高い横断方向引裂強さ(TD引裂強さ)及び(又は)高い落槍耐衝撃性(ダーツ)を有するポリエチレンフィルムに対して、特に、インフレートフィルムポリエチレンフィルムに対して商業的なニーズが存在する。換言すれば、ZN LLDPEの加工適性、剛性及び引裂強さをmLLDPEの落槍衝撃強さと組合せることが望ましい。
【0012】
要約
驚いたことに、このような向上した物性を示すフィルムが、実質的に単一の触媒を使用して単一の反応器で製造されるポリエチレンの成果であることがここに発見された。このような向上した物性は、予期せぬことであって、驚くべきことである。更に、これらのフィルムのMD引裂強さは、これらのフィルムの製造中にそれらのMD配向を増大させることによって増大させることができるのである。このことも予期せぬことであって、驚くべきことである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
しかして、本発明は、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)よりなり、≧0.9、又は≧1.0、又は≧1.1、又は≧1.2、又は≧1.3のMD引裂強さ対TD引裂強さの比(両引裂強さともASTM D−1922により決定して)を有するフィルムを提供する。
【0014】
他の具体例では、本発明は、このようなフィルムが≧350g/ミル(8,890g/μ)のMD引裂強さ及び≧500g/ミル(12,700g/μ)の落槍衝撃強さ(ASTM D−1709により決定して)を有することを意図する。更に、本発明は、LLDPEを≧350g/ミル(8,890g/μ)のMD引裂強さを有するフィルムを生じさせるのに有効な温度で押出すことによってこのようなフィルムを製造するための方法を提供する。
【0015】
また、意図されるのは、LLDPEのフィルムを≧350g/ミル(8,890g/μ)のMD引裂強さを有するフィルムを生じさせるのに有効な引落比で押出すことによってこれらのフィルムを製造するための方法である。
【0016】
更に他の具体例には、≧1.0のMD引裂強さ対TD引裂強さの比を有するフィルムを形成させるのに有効な温度で又は引落比で押出されたLLDPEよりなり、≧450g/ミル(≧11,430g/μ)のMD引裂強さ及び≧500g/ミル(≧12,700g/μ)の落槍衝撃強さを有するポリオレフィンフィルムが包含される。同様に、意図されるのは、LLDPEよりなり、≧1.0のMD引裂強さ対TD引裂強さの比(両引裂強さともASTM D−1922により決定して)、≧400g/ミル(≧10,160g/μ)のMD引裂強さ及び≧500g/ミル(≧12,700g/μ)の落槍衝撃強さ(ASTM D−1709により決定して)を有する、物性のバランスが取れたフィルムである。更に、本発明は、LLDPEよりなり、≧500g/ミル(≧12,700g/μ)のMD引裂強さ及び≧70%のMD収縮率を有するポリエチレンフィルムを意図する。
【0017】
また、意図されるのは、LLDPEよりなり、MD引裂強さとMD収縮率又は引落比との間に正比例の関係があるポリエチレンフィルムである。
【0018】
更に、本発明は、2.5〜7の範囲の分子量分布、広く多モードの組成分布、一般的に≦55%の組成分布幅指数(結晶化分析分別(CRYSTAF)により測定して)を有するLLDPEを提供する。
【0019】
本発明の具体例のこれらの特色及びその他の特色、局面並びに利点は、以下の説明、請求の範囲及び添付する図面を参照すればより良く理解されるであろう。
【0020】
図1は、MD引裂強さ対MD収縮率としてプロットしたデータを示す。本発明の具体例からのフィルムデータを、比較のためのPolymer Eng.and Science、1994年10月中旬、Vol.34、No.19からのデータと共にプロットする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明のある種の具体例では、MD引裂強さとTD引裂強さとの独特のバランスがあり及び(又は)MD引裂収縮率の増大と同時にMD引裂強さが増大するというフィルムが意図される。
【0022】
以下は、ポリエチレン製造技術のある種の組合せ、そのように製造されたポリエチレンのフィルムへの使用、これらのフィルムからごみ袋又は強力輸送袋のような有用な物品の製造並びにこれらの物品の用途についての詳細な説明である。当業者ならば、これらの具体例に対して多くの変形が本発明の範囲から逸脱することなくなし得ることを認識しよう。例えば、ある種のポリエチレンを使用するある種の特定のフィルム押出技術を検討し例示するが、その他のポリエチレン及び押出パラメーターも意図される。更に、本発明の具体例のための用途にはごみ袋及び強力輸送袋があるが、その他の用途も意図される。
【0023】
この説明が特定のものであるという範囲で、それは、専ら本発明のある種の具体例を例示するためのものであり、本発明の範囲をこれらの特定の具体例に限定するものと理解するべきではない。
【0024】
本発明のフィルムは、≧0.1、又は≧0.2、又は≧0.3ミル(≧2.5、又は5.1、又は7.6μ)から≦3、又は≦2.5、又は≦2、又は≦1.5、又は≦1、又は≦0.8、又は0.75、又は≦0.6ミル(≦76、又は≦64、又は≦51、又は≦38、又は≦25、又は≦20、又は≦19、又は≦15μ)の全厚みを有し得る。
【0025】
触媒成分及び触媒系
【0026】
本発明の具体例には、米国特許第6,242,545号及び(又は)同6,248,845号に記載のようなハフニウム遷移金属メタロセン型触媒系の使用が包まれる。触媒の製造技術はこれらの特許に包まれているが、いくつかの技術を後記の例1により例示する。
【0027】
更に、他の具体例では、本発明の方法は、重合触媒を担持された形で、例えば、担体又は支持体に付着させ、それに結合させ、それと接触させ若しくはその中に組み入れ、又はそれに吸着若しくは吸収させた形で使用する。その他の具体例では、メタロセンは、予め担持した活性剤を油、ペンタンのような炭化水素、溶媒又は非溶媒中でスラリーとなし、次いで撹拌しながらメタロセンを固体として添加することによって担体上に導入される。メタロセンは、微粉末状の固体であってよい。メタロセンは典型的に希釈媒体中で非常に低い溶解度のものであるが、担体上に分布して重合に対して活性であることが分かる。鉱油(例えば、Kaydol(登録商標)又はDrakol(登録商標))又はペンタンのような非常に低溶解性媒体も使用できる。希釈剤はろ過することができ、そして残留する固体は、触媒が慣用法、例えば触媒をトルエン中でメチルアルモキサンと接触させ、次いで溶媒を除去することによって製造されたならば予期されるであろう重合能力を示す。希釈剤がペンタンのように揮発性であるならば、それは、活性な触媒を与えるように真空下で又は窒素によるパージによって除去することができる。混合時間は4時間以上であってよいが、これよりも短い時間も好適である。また、このような技術は後記の例23により例示する。
【0028】
本発明の重合方法
上で検討した置換嵩高配位子ハフニウム遷移金属メタロセン型触媒化合物及び触媒系が、単量体と随意の1種以上の共単量体を溶液相、気相又はスラリー相の任意の重合方法で重合させるのに適している。
【0029】
一具体例では、本発明は、2〜30個の炭素原子、又は2〜12個の炭素原子、又は2〜8個の炭素原子を有する単量体の1種以上の重合を伴う溶液、スラリー又は気相重合又は共重合反応に関する。本発明は、単量体、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセンのα−オレフィン単量体及びシクロペンテンのような環状オレフィン、スチレン又はこれらの組合せの1種以上の重合を伴う共重合反応に全く適している。その他の単量体には、極性ビニル単量体、ジエンのようなジオレフィン、ポリエン、ノルボルネン、ノルボルナジエン、アセチレン、及びアルデヒド単量体が含まれる。一般に、エチレンの共重合体が製造される。
【0030】
他の具体例では、本発明の方法は、エチレンと4〜8個の炭素原子を有する少なくとも1種の共単量体との重合に関する。共単量体は1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン及び1−オクテンである。
【0031】
典型的には、気相重合方法では、連続サイクルが使用され、反応器のサイクルの一部において循環ガス流れ(再循環流れ又は流動化媒体として知られる。)が反応器において重合熱により加熱される。この熱は、サイクルの別の部分において反応器外の冷却系によって除去される。(例えば、米国特許第4,543,399号、同4,588,790号、同5,028,670号、同5,317,036号、同5,352,749号、同5,405,922号、同5,436,304号、同5,453,471号、同5,462,999号、同5,616,661号及び同5,668,228号を参照されたい。これらの全てを参照することによってここに含めるものとする。)
【0032】
一般的に、重合体を製造するための気相流動床法においては、1種以上の単量体を含有するガス状流れが流動床に触媒の存在下に反応性条件下で連続的に循環される。ガス状流れが流動床から引き出され、反応器に再循環される。同時に、重合体生成物が反応器から引き出され、重合した単量体を置き換えるように新たな単量体が添加される。反応器の圧力は、100psig(680kPag)〜500psig(3448kPag)の範囲、又は200psig(1379kPag)〜400psig(2759kPag)の範囲、又は250psig(1724kPag)〜350psig(2414kPag)の範囲で変動できる。反応器の温度は、60℃〜120℃の範囲、又は60℃〜115℃の範囲、又は70℃〜110℃の範囲、又は70℃〜95℃又は70℃〜90℃の範囲で変動できる。触媒又は触媒系の生産性は、主要単量体の分圧により影響される。主要単量体であるエチレンのモル%は25〜90モル%、又は50〜90モル%、又は70〜85モル%であり、単量体の分圧は75psia(517kPa)〜300psia(2069kPa)の範囲、又は100〜275psia(689〜1894kPa)の範囲、又は150〜265psia(1034〜1826kPa)の範囲、又は200〜250psia(1378〜1722kPa)の範囲にある。これらは気相重合方法における典型的な条件である。
【0033】
本発明の方法により製造された重合体の沈降嵩密度は、10〜35ポンド/ft3(160〜561kg/m3)の範囲、又は12〜35ポンド/ft3(193〜561kg/m3)の範囲、又は14〜32ポンド/ft3(224〜513kg/m3)の範囲、又は15〜30ポンド/ft3(240〜481kg/m3)の範囲にある。
【0034】
本発明の方法により意図されるその他の気相法には、米国特許第5,627,242号、同5,665,818号及び同5,677,375号並びにヨーロッパ特許公開EP−A−0794200、EP−A−0802202及びEP−B634421(これらの全てを参照することによってここに含めるものとする。)に記載されているものが含まれる。
【0035】
本発明の方法具体例の一つは、トリエチルアルミニウム、トリメチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリn−ヘキシルアルミニウム及び塩化ジエチルアルミニウムなどのようなスキャベンジャーの実質的な不存在下に又はこれらを本質的に含まないで操作される方法、スラリー若しくは気相法又は気相法である。この方法はPCT公開WO96/08520(これを参照することによってここに含めるものとする。)に記載されている。
【0036】
スラリー重合方法は、一般に、1〜50気圧の範囲の圧力及びこれよりも高い圧力、0℃〜200℃の範囲の温度を使用する。スラリー重合方法では、固形の粒状重合体の懸濁液が液状重合媒体中で形成され、これにエチレンと共単量体及びしばしば水素が触媒と共に添加される。重合媒体に使用される液体は、アルカン若しくはシクロアルカン、又はトルエン、エチルベンゼン若しくはキシレンのような芳香族炭化水素であってよい。使用する媒体は、重合条件下で液状であり且つ比較的不活性であるべきである。ヘキサン又はイソブタン媒質を使用できる。
【0037】
一具体例では、本発明の重合技術は、粒子形態又はスラリー法といわれるもので、ここでは温度は重合体が溶液になる温度よりも低く保持される。このような技術は、斯界で周知である。例えば、米国特許第3,248,179号を参照されたい。粒子形態法における温度は、185°F(85℃)〜230°F(110℃)の範囲内にある。スラリー法のための二つの重合方法は、ループ反応器を使用するもの並びに複数の撹拌反応器を直列で、並列で又はこれらの組み合わせて利用するものである。スラリー法の例として連続ループ又は撹拌タンク法が含まれるが、これらに限定されない。また、スラリー法のその他の例が、米国特許第4,613,484号(これを参照することによってここに含めるものとする。)に記載されている。
【0038】
一具体例では、本発明で使用される反応器は、500ポンド/時(227Kg/時)以上〜200,000ポンド/時(90.900Kg/時)若しくはそれ以上の重合体、又は1,000ポンド/時(455Kg/時)以上、又は10,000ポンド/時(4540Kg/時)以上、又は25,000ポンド/時(11,3000Kg/時)以上、又は35,000ポンド/時(15,900Kg/時)以上、又は50,000ポンド/時(22,700Kg/時)以上、又は65,000ポンド/時(29,000Kg/時)以上〜100,000ポンド/時(45,500Kg/時)以上までの重合体を製造することができる。
【0039】
重合体生成物
本発明で使用される重合体は、典型的に、0.86g/cc〜0.97g/ccの範囲、又は0.88g/cc〜0.965g/ccの範囲、又は0.900g/cc〜0.96g/ccの範囲、又は0.905g/cc〜0.95g/ccの範囲、又は0.910g/cc〜0.940g/ccの範囲、又は0.910g/cc以上、又は0.915g/cc以上の密度を有する。0.915〜0.940g/ccのポリエチレンは、LLDPEと見なされる。本発明の重合体は、典型的に、2.5〜7、又は2.7〜6又は2.8〜5の重量平均分子量対数平均分子量(Mw/Mn)である分子量分布を有する。また、本発明の重合体は、典型的に、CRYSTAFにより決定して、一般に、≦55%、又は≦50%、又は≦45%、又は≦40%の広い多モード組成物分布(CDBI)を有する。他の具体例では、本発明の方法、特にスラリー法及び気相法により製造される重合体は、5ppm未満のハフニウム、又は2ppm以下のハフニウム、又は1.5ppm以下のハフニウム、又は1ppm未満のハフニウムを含有する。更に、本発明は、本発明の具体例のポリエチレンが≦5ppm、又は≦3ppm、又は≦1ppmの少ないチタン量を有し、或いは現在の分析法で検出できる0ppmでチタンを有しないことを意図する。
【0040】
本発明のフィルムを製造するのに使用される重合体は、シートのようなその他の成形操作に、繊維の押出及び同時押出に、並びに吹込成形、射出成形及び回転成形に有用でもある。フィルムには、食品と接触する用途及び食品と接触しない用途における収縮フィルム、粘着フィルム、延伸フィルム、封止用フィルム、配向フィルム、スナック包装材、強力袋、乾物用袋、焼いた食品及び冷凍食品用袋、医療用包装材、工業用ライナー、膜などとして有用な、同時押出又は積層により成形されたインフレートフィルム又はキャストフィルムが含まれる。繊維には、フィルター、ダイヤパー生地、医療用衣料、地盤用シートなどを生産するために織布又は非織布の形で使用するための溶融紡糸及び溶融吹込繊維操作が含まれる。押出物品には、医療用チューブ、電線被覆、地盤用膜、池用ライナーが含まれる。成型物品には、瓶、タンク、大型中空物品、硬質食品コンテナー、玩具などの形の単層及び多層構造体が含まれる。
【0041】
本発明の一具体例では、重合生成物は、エチレンとα−オレフィン共単量体、又は1−ヘキセン又は1−オクテンを、≧0.915g/ccの重合体密度及び≧25,000の重合体重量平均分子量のために、1〜5モル%の結合α−オレフィン共単量体含有量の程度まで重合させることによって製造された線状低密度ポリエチレン(LLDPE)である。このようなエチレン−α−オレフィン共重合体は、触媒系であってそのハフノセン成分が全遷移金属化合物成分の少なくとも95モル%又はそれ以上であるようなものを使用して製造される。本発明の別の具体例では、本発明の触媒系によってそのように製造されたLLDPE樹脂がフィルム物品に転換される。
【0042】
フィルムの押出及びフィルムの性質
このようなLLDPE樹脂は、これと匹敵するメルトインデックス、共単量体のタイプ及び密度のEXCEED(登録商標)樹脂(エクソンモービル・ケミカル社から入手できる。)と比べて、キャストフィルム又はインフレートフィルム加工技術によって低いモーター負荷、高い処理量及び(又は)低下したヘッド圧でもってフィルム製品に一層容易に押出される。このようなLLDPE樹脂は、匹敵できるMIについてみれば、EXCEED樹脂よりも高い重量平均分子量及び広いMWDを有する。引裂特性のバランスの向上は、MD対TD引裂強さ(エルメンドルフ)の比として表わすことができる。本発明の具体例のためには、この比は、一般に、≧0.9、又は≧1.0、又は≧1.1、又は≧1.2、又は≧1.3である。別の具体例では、≧350g/ミル、又は≧400g/ミル、又は≧450g/ミル、又は≧500g/ミル(≧8,890g/μ、又は≧10,160g/μ、又は≧11,430g/μ、又は≧12,700g/μ)のMD引裂強さ値が意図される。両MD及びTD引裂強さとして同じ試験を使用するが、ただし板状試料を圧縮成形により用意して決定される固有引裂強さは、LLDPE材料については、一般に、MD引裂強さよりも大きいと思われる。しかし、本発明の具体例では、エルメンドルフMD引裂強さで割った固有引裂強さは、≧1、又は≧1.1、又は≧1.2、又は≧1.4、又は≧1.6である。他の具体例では、落槍衝撃抵抗(ダーツ)は≧500g/ミル(≧12,700g/μ)であり、他の具体例ではこのダーツは優秀なMD引裂強さ値と結び付く。また、他の具体例では、フィルムの製造中に使用される加工パラメーターを使用して物性、特にMD引裂強さを向上させることができる。溶融温度(押出)、ダイギャップ、ブローアップ比(BUR)及び最終フィルムゲージのようなパラメーターがフィルムの性質に影響し得ることが知られている。引落比(DDR)は、以下のように定義される。
DDR = ダイギャップ/(最終フィルム厚み×BUR)
【0043】
これらの押出可変因子の結果としてフィルムに加えられた残留応力は、収縮率の測定値と相関させることができる。典型的には、収縮率とDDRとの間には正比例の関係があり、収縮率とMD引裂強さとの間には逆比例の関係がある。本発明の具体例においては、収縮率とDDRとの間で正比例の関係が見出されたが、驚いたことに、従来技術とは逆に、MD引裂強さとMD収縮率との間に正比例の関係が予期せずに見出された。
【0044】
このような具体例において、MD引裂強さは≧500g/ミル、又は≧550g/ミル(≧12,700g/μ、又は≧13,970g/μ)であると同時に、MD収縮率は≧70%、又は≧75%である。
【0045】
更に、その他のポリエチレンを使用し且つ以下で概説するフィルム押出技術を使用することなく成形された3ミルを超える厚いフィルムについて若干の物性の向上が見られるが、本発明は、一般に、ここに開示するポリエチレン及び押出技術を使用して、商用フィルム及びこれから作った物品が≦3ミル、又は≦2ミル、又は≦1ミル、又は0.1ミル、又は≧0.2ミル(≦76.2μ、又は≦50.8μ、又は≦25.4μ、又は≧2.54μ、又は≧5.08μ)の厚みを有することを意図する。また、性質の向上が一般的に不満足な商用的でない低い押出速度で見られる。しかし、本発明の具体例のフィルムの性質は、一般に、≧8、又は≧10、又は≧12、又は≧14、又は≧16、又は≧18ポンド/時/inダイ円周(≧9.14、又は≧11.43、又は≧13.71、又は≧16.00、又は≧18.28、又は≧20.57Kg/時/cmダイ円周)又はそれ以上の重合体押出量で達成できる。
【0046】
共単量体としてヘキセンを使用する前記のようなLLDPEは、10〜0.1MIの範囲にある相当するMI値で25,000〜200,000の重量平均分子量を示し、またこの重量平均分子量は80,000〜150,000の範囲にあり、この範囲ではメルトインデックスがそれぞれ3〜0.5の値にある。このようなLLDPE樹脂について、メルトインデックス比(ここに記載するI21/I2によって定義されるMIR)は、≧20又は≦40、或いは≧25又は≦35である。
【0047】
典型的なダイギャップは、30〜120ミル(762〜3,048μ)、又は60〜110ミル(1,524〜2,794μ)である。溶融温度は、350〜550°F(176〜287℃)、又は390〜450°F(199〜232℃)の間である。引落比は、20〜50であり、約30〜40である。
【0048】
本発明は、ここで検討した物性の一つ以上を達成するためにある種の押出条件を組み合わせて又は単独で有効な量で使用できることを意図する。ここに、有効な量とは、ここに示すガイドに従って、押出技術における通常の熟練と相俟って、当業者ならばこれらの性質を達成するように条件を選択できることを意味する。
【0049】
定義及び試験のプロトコル
【表1】

【0050】
*収縮率測定のための円形試験片を、100mmのダイを使用してフィルムから切り取った。この試料にそれぞれの方向にマークを付ける。試料にタルクを散布し、予熱したタルクを被覆したタイル上に置く。次いで、試料を加熱用ガン(モデルHG−501A)を使用してほぼ10〜45秒間又は寸法の変化が止むまで加熱する。3個の試験片の平均を記録した。以下の表において、収縮率の負の数は、その加熱前の寸法と比較して、加熱後の寸法の拡大を示すことを認識されたい。
【0051】
溶融強度は、ドイツのゲットフェルト社製商用装置(レオテスター1000)を使用して190℃で測定した。
【0052】
CRYSTAFデータは、スペインのバレンシアのポリマーチャーズ社製商用装置(モデル200)を使用して得た。Macromol.Mater.Eng.、279、46−51(2000)に概説された技術を使用する。
【0053】
MWD、即ち多分散性は、重合体の周知の特性である。MWDは、一般に、重量平均分子量(Mw)対数平均分子量(Mn)の比と説明される。Mw/Mnの比は、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)技術によって、又はASTM D−1238−F及びASTM D−1238−Eに記載のようなI21対I2(メルトインデックス)の比を測定することによって間接的に測定することができる。
【実施例】
【0054】
例1
触媒の製造
斯界で周知の手順に従って二塩化ビス(n−プロピルシクロペンタジエニル)ハフニウムメタロセンを合成した。1140ccのメチルアルミノキサン(MAO)の30重量%トルエン溶液(ルイジアナ州バートンルージュのアルベマルレ社から得られる。)を2ガロンの清浄な乾燥容器に添加し、60rpmで80°F(26.7℃)で15分間撹拌した。追加の1500ccのトルエンを撹拌しながら添加した。メタロセン(21.6g)を250ccのトルエンに溶解し、移送用容器を追加の150ccのトルエンですすいだ。メタロセン/MAO混合物を120rpmで1時間撹拌した。次に、850gのシリカ、ダビソン948(W.R.グレース社、ダビソン・ケミカル・ディビジョン、メリーランド州バルチモア、600℃で脱水)を添加し、55分間撹拌した。次いで、触媒を30rpmで撹拌しながら155°F(68℃)で10時間乾燥した。
【0055】
例2〜19
重合体の製造
表Iにリストした条件に従って、例1の触媒を使用して例2〜19を重合させる。
【0056】
ダブルコーンブレンダーを使用して、顆粒状樹脂を500ppmのIrganox(登録商標)(IR)(チバガイギー社から入手)1076、2000ppmのIR168及び8000ppmのFX5920A(ダイナマール社製の加工助剤)と乾式ブレンドした。表に示した樹脂のいくつかは、エルカアミド及び(又は)ABT25000をそれぞれスリップ剤及び粘着防止剤として含有した。また、いくつかの例には、白色マスターバッチであるポリエチレン中50%TiO2混合物も添加した。0.125hph/ポンド(0.056hph/Kg)の特定のエネルギー入力を使用してファレル連続ミキサー(4LMSD)上で樹脂のペレット化を行なった。生産速度は500ポンド/時(226.8Kg/時)であり、溶融温度は226℃であった。
【0057】
フィルムの製造
例2〜19及び比較例20〜22を、6in(15.2cm)のオシレートダイ及びフーチャーデザイン(登録商標)エアーリングを備えた2.5in(6.3cm)のバッテンフィールド・グロウセスターのインフレートフィルムライン(30:1のL:D)を使用してフィルムに押出した。生産速度は、188ポンド/時(10ポンド/時/inダイ円周){85.2Kg/時(11.43Kg/時/cmダイ円周)}であった。標準「ハンプ」温度プロフィルを使用した(ここで、BZはバレル帯域であり、温度は°F(℃)である。)。
BZ1=310/BZ2=400/BZ3=380/BZ4=430/BZ5=350°F
(BZ1=154/BZ2=204/BZ3=193/BZ4=221/BZ5=177℃)
アダプター=390/ダイ=390°F(アダプター=199/ダイ=199℃)
【0058】
例23
触媒の製造
斯界で周知の手順に従って二塩化ビス(n−プロピルシクロペンタジエニル)ハフニウムメタロセンを合成した。シリカに担持したメチルアルミノキサン(MOS)は、TX州のマウントベルビウのユニべーション・テクノロジーズ商用触媒施設から得た。
【0059】
グローブボックス内で、704gのMOS(シリカに担持したMAO)を3Lのビーカーに秤量した。このMOSに3486gの脱ガスしたWitco Kaydol(登録商標)鉱油を添加し、ブラウンのハンドミキサーによって均一に分散されるまで(約5分間)混合した。次いで、12.05gの二塩化ビス(n−プロピルシクロペンタジエニル)ハフニウムメタロセンを添加し、更に10分間攪拌した。触媒は、118:1のAl:HFモル比及び固形物中0.65重量%のハフニウムでもって処方した。最終スラリー濃度は、油中で17重量%の固形分であった。メタロセン/MOS/油スラリーをビーカーから2Lのホークボンベを経て触媒実験室用混合タンクに移した。メタロセン/MOS/油スラリーを混合タンク内で約19時間混合し、次いでスラリーを2Lのボンベから取出した。
【0060】
鉱油を3ガロンのバッチで脱ガスした。3ガロンの丸底フラスコは、攪拌機、焼結ガラス製スパージチューブ、真空源及び熱源よりなる。フラスコを真空にすると同時に油に高純度窒素をスパージした。この間に油を110℃に加熱した。全過程を8〜14時間続ける。
【0061】
例24〜26
重合体の製造
表Iにリストした条件に従って、例23の触媒を使用して、公称14in(35.5cm)直径の流動床反応器において例24〜26を重合させた。スラリー触媒を2Lのホークボンベから不活性にし撹拌した受器に移した。物質を反応器に3/16in(0.47cm)の注入チューブを経て注入供給装置を使用して供給した。注入チューブに供給した4ポンド/時(1.8Kg/時)の窒素は、反応器への適切な触媒の分散を容易にさせた。反応器のガス組成は、GCによりモニターし、必要時に単量体及び不活性ガスの供給速度並びに反応器のガス抜きを調節することによって保持した。樹脂は、約110ポンド(49.9Kg)の床重量を保持するようなバッチ方式で反応器からファイバーパックに排出させた。湿った窒素パージをファイバーパックに約5〜10ポンド/時(2.2〜4.5Kg/時)で供給した。
【0062】
ダブルコーンブレンダーを使用して、顆粒状樹脂を500ppmのIR1076、2000ppmのIR168及び800ppmのFX5920Aと乾式ブレンドした。ウレナー&フライデラーZSK57mm二軸スクリュー押出機上で樹脂のペレット化を実施した。押出速度は150ポンド/時(68.0Kg/時)であり、溶融温度は樹脂のメルトインデックスに応じて205〜219℃の間であった。ペレットの数は34〜36個のペレット/gであった。
【0063】
フィルムの製造
例24〜26及び比較例27〜28を、6in(15.2cm)のオシレートダイ及びフーチャーデザインエアーリングを備えた2.5in(6.3cm)のバッテンフィールド・グロウセスターのインフレートフィルムライン(30:1のL:D)を使用してフィルムに押出した。生産速度は、188ポンド/時(10ポンド/時/inダイ円周){85.2Kg/時(11.43Kg/時/cmダイ円周)}であった。標準「ハンプ」温度プロフィルを使用した
BZ1=310/BZ2=400/BZ3=380/BZ4=350/BZ5=350°F
(BZ1=154/BZ2=204/BZ3=193/BZ4=177/BZ5=177℃)
アダプター=390/ダイ=390°F(アダプター=199/ダイ=199℃)
【0064】
フィルムの性質
例2〜19及び比較例20〜22についてフィルムの性質を表IIに示す。比較例はメタロセン触媒で製造したポリエチレンであって、比較例20はEXCEED(登録商標)1018CAであり、比較例21はEXCEED ECD313である。比較例22は、商用のZ−N LLDPE、NTX0−95である。何れもエクソンモービル・ケミカル社から入手できる。表は、例2〜19について、MD引裂強さ/TD引裂強さの比が全て0.9よりも大きく、少なくとも350g/ミル(8,890g/μ)の絶対MD引裂強さ値を有することを明示している。
【0065】
同様に、表IIIにおいて、例24〜26について、MD/TDの比は、比較例27〜28とは対照をなして、全て1.0よりも上であり、500g/ミル(12,700g/μ)を超えるダーツ値を有する。比較例27は、エクソンモービル・ケミカル社から入手できる商用のmLLDPE(比較例20と同じ等級)である。比較例28は、ダウケミカル社から入手できる商用のmLLDPE(Elite(登録商標)5400)である。
【0066】
【表2】

【0067】
【表3−1】

【表3−2】

【表3−3】

【0068】
【表4】

【0069】
【表5】

【0070】
本発明をある種の具体例を参照して詳細に説明したが、その他の具体例が可能である。例えば、向上した機械方向エルメンドルフ引裂強さを持つインフレートフィルムを例示したが、その他の性質及びフィルムの向上が意図される。従って、請求項の精神及び範囲はここに開示した具体例の設EMIに限定されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】MD引裂強さ対収縮率としてプロットしたデータを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
置換ハフニウム遷移金属メタロセン触媒系を利用する気相プロセスで製造される線状低密度ポリエチレン(LLDPE)よりなり、≧0.9のMD引裂強さ対TD引裂強さの比(両引裂強さともASTM D−1922により決定して)、≧350g/ミル(8,890g/μ)のMD引裂強さ、≧500g/ミル(12,700g/μ)の落槍衝撃強さ(ASTM D−1709により決定して)及び≧70%のMD収縮率を有し、該フィルム特性は≧12ポンド/時/inダイ円周(16.00Kg/時/cmダイ円周)の押出量のときに達成可能であるポリオレフィンフィルム。
【請求項2】
ビス(n−プロピルシクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド触媒系を利用する気相プロセスで、α−オレフィンコモノマーの組み込み量を1〜5mol%としてエチレンとα−オレフィンコモノマー又は1−ヘキセン又は1−オクテンとを重合することにより製造された≧0.915g/ccのポリマー密度を有するLLDPEよりなり、≧1.0のMD引裂強さ対TD引裂強さの比、≧450g/ミル(11,430g/μ)のMD引裂強さ、≧500g/ミル(12,700g/μ)の落槍衝撃強さ及び≧70%のMD収縮率を有するフィルムを形成させるのに有効な温度で押出され又は引落比として押出され、該フィルム特性は≧12ポンド/時/inダイ円周(16.00Kg/時/cmダイ円周)の押出量のときに達成可能であるポリオレフィンフィルム。
【請求項3】
置換ハフニウム遷移金属メタロセン触媒系を利用する気相プロセスで製造されるLLDPEよりなり、≧1.0のMD引裂強さ対TD引裂強さの比、≧400g/ミル(10,160g/μ)のMD引裂強さ、≧500g/ミル(12,700g/μ)の落槍衝撃強さ及び≧70%のMD収縮率を有し、該フィルム特性は≧12ポンド/時/inダイ円周(16.00Kg/時/cmダイ円周)の押出量で30〜120mil(762〜3048μ)のダイギャップとしたときに達成可能であり、厚みが≦2mil(50.8μ)である物性のバランスが取れたポリオレフィンフィルム。

【図1】
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【公開番号】特開2007−154204(P2007−154204A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−241(P2007−241)
【出願日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【分割の表示】特願2004−515583(P2004−515583)の分割
【原出願日】平成14年7月19日(2002.7.19)
【出願人】(599168648)ユニベーション・テクノロジーズ・エルエルシー (70)
【Fターム(参考)】