特定のナノ構造体を製造するためのナノ粒子への光エネルギーの印加
ナノ構造体を生成するために、所定の条件下でナノ粒子材料の1つまたは複数の層に光エネルギーを印加することによって製品が作製される。ナノ構造体は、所定の細孔密度、所定の細孔径、またはこれらの両方を含む、光融合したナノ粒子の層を有する。光エネルギーを印加するための所定の条件は、所定の電圧、所定の時間、所定の出力密度、またはこれらの組合せを含み得る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、ナノ粒子に光エネルギーを印加して特定のナノ構造体を製造することに関連する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2010年7月14日に出願された米国非仮出願第12/836,547号の優先権を主張し、関連するものであり、参照によりここに組み込まれる。
【0003】
2010年7月14日に出願された米国非仮出願第12/836,547号は、2009年7月15日に出願された米国仮出願第61/225,797号の優先権を主張し、関連するものであり、参照によりここに組み込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7,514,369号明細書
【特許文献2】米国特許第7,531,155号明細書
【特許文献3】米国特許第7,244,513号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
製品は、融合していないナノ粒子材料の1つまたは複数の層に所定の条件下で光エネルギーを印加して、特定の特性及び特徴を有するナノ構造体を生成するステップを含む方法によって製造され得る。例えば、ナノ構造体は、所定の細孔密度、所定の細孔径、またはこれらの両方を有する層を備え得る。光エネルギーを印加するために使用される所定の条件は、所定の電圧、所定の期間、所定の出力密度、またはこれらの組み合わせを含み得る。
【0006】
融合していないナノ粒子材料の1つまたは複数の層は、ポリアミド基板上に配置されたナノ粒子Cuの少なくとも1つの層を含み得る。ナノ粒子Cuの少なくとも1つの層のCuナノ粒子の少なくとも一部は、光融合されて基板上に連続的な膜を形成し得る。ナノ粒子Cuの少なくとも1つの層は、インク配合として基板上に適用され、滴下印刷法(drop down printing process)またはスクリーン印刷法などの印刷法によって基板上に配置され得る。
【0007】
融合していないナノ粒子材料の1つまたは複数の層は、ナノ粒子Cuの1つまたは複数の層上に配置されたナノ粒子Siの少なくとも1つの層をさらに含み得る。ナノ粒子Siの少なくとも1つの層のSiナノ粒子の少なくとも一部は、ナノ粒子Siの少なくとも1層が所定の細孔密度、所定の細孔径、またはこれらの両方を有するように、光融合され得る。少なくとも1つのナノ粒子Si層は、インク配合としてナノ粒子Cuの1つまたは複数の層上に適用され、印刷法によってナノ粒子Cuの1つまたは複数の層上に配置され得る。
【0008】
さらに、融合していないナノ粒子材料の1つまたは複数の層は、その中にナノ粒子MnO添加物を含むナノ粒子Cuの少なくとも1つの層を含み得る。Cu酸化物層は、ナノ粒子MnO添加物を含むナノ粒子Cuの少なくとも1つの層から形成され得る。
【0009】
ナノ構造体の特性及び特徴は、ナノ構造体の特定の用途に基づいて事前に決定され得る。例えば、ナノ構造体を使用して、リチウムイオン電池のSiアノードを形成することができる。従って、リチウムイオン電池のSiアノードとして機能するために最適な特徴を有するナノ構造体を生成するように、融合していないナノ粒子材料の多数の層に光エネルギーが印加される。
【0010】
別の実施形態では、ナノ構造体を使用してスーパーキャパシタを形成することができる。そのため、スーパーキャパシタとして機能するように設計された特徴及び特性を有するナノ構造体を生成するように、融合していないナノ粒子材料の多数の層に光エネルギーが印加される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】光エネルギーをナノ粒子に印加して、所定及び特定の特徴及び特性を有するナノ構造体を製造する方法を示す。
【図2】光エネルギーを1つまたは複数の層のナノ粒子Cuの層及び1つまたは複数の層のナノ粒子Siの層に印加して、Cu導電層上に融合したSiナノ粒子構造体を含み、かつ所定の特性及び特徴を有するナノ構造体を製造する方法を示す。
【図3A】第1の量が融合したナノ粒子Cuの走査型電子顕微鏡(SEM)画像である。
【図3B】第2の量が融合したナノ粒子CuのSEM画像である。
【図4A】光エネルギーを印加する前のナノ粒子Siの例である。
【図4B】光エネルギーを印加する前のナノ粒子Siの例である。
【図4C】光エネルギーを印加する前のナノ粒子Siの例である。
【図5A】ナノ粒子Cuの層上に印刷されたナノ粒子Siの低倍率SEM画像である。
【図5B】ナノ粒子Cuの層上に印刷されたナノ粒子Siの高倍率SEM画像である。
【図6A】第1セットの所定条件の下で、光エネルギーに所定のレベル及び期間暴露された基板及び光融合したナノ粒子Cuの層上に配置された、光融合したナノ粒子Siの低倍率SEM画像である。
【図6B】第1セットの所定条件の下で、光エネルギーに所定のレベル及び期間曝露された基板及び光融合したナノ粒子Cuの層上に配置された、光融合したナノ粒子Siの高倍率SEM画像である。
【図7A】第2セットの所定条件の下で、光エネルギーに所定のレベル及び期間曝露された基板及び光融合したナノ粒子Cuの層上に配置された、光融合したナノ粒子Siの低倍率SEM画像である。
【図7B】第2セットの所定条件の下で、光エネルギーに所定のレベル及び期間暴露された基板及び光融合したナノ粒子Cuの層上に配置された、光融合したナノ粒子Siの高倍率SEM画像である。
【図8A】所定のレベル及び期間光エネルギーを印加する前の、融合していないナノ粒子Siのエネルギー分散X線分光分析(EDS)画像を示すグラフである。
【図8B】所定のレベル及び期間光エネルギーに暴露された後の、図8Aのナノ粒子SiのEDS画像を示すグラフであり、ここでナノ粒子Siは光融合している。
【図9】所定のレベル及び期間光エネルギーに暴露された基板及び光融合したナノ粒子Cuの層上に配置された、光融合したナノ粒子SiのTEM画像である。
【図10】所定のレベル及び期間光エネルギーに暴露されたKAPTON(登録商標)基板及び光融合したナノ粒子Cuの層上に配置された、光融合したナノ粒子SiのさらなるSEM画像である。
【図11】その中に配置されたナノ粒子MnO添加物を含むナノ粒子Cuの層に光エネルギーを印加し、その中に配置されたMnO添加物を含む光融合したナノ粒子Cuの層を酸化して、所定の特性及び特徴を有する特定のナノ構造体を製造する工程を示す。
【図12】所定の特性及び特徴を有する特定のナノ構造体を製造する工程を例示するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付の図面を参照して詳細な説明を説明する。図面では、参照符号の最も左側の数字によって、参照符号が最初に現われる図面が特定される。類似の形状及び要素を参照するために、図面を通して同一の符合が使用される。
【0013】
図1は、ナノ粒子に光エネルギーを印加して特定の特性及び特徴を有するナノ構造体を製造するステップを示す。特に、図1は、ナノ粒子104に光エネルギーを印加するための光エネルギー源102を示す。光エネルギー源102は、約106W程度の光強度を有する、高輝度、広帯域ランプであってよく、100マイクロ秒から1ミリ秒の間の期間印加することができる。
【0014】
光エネルギーをナノ粒子104に印加すると、ナノ粒子104は光融合してナノ構造体106〜110を形成し得る。光エネルギー源102の所定の条件は、ナノ粒子104に印加される光エネルギー量に基づいて、ナノ構造体106〜110の特徴及び特性を制御することができる。例えば、電圧、時間、出力密度、またはこれらの組み合わせを変更することによって、ナノ構造体106、108、または110を製造することができる。
【0015】
特に、ナノ粒子104が光融合する範囲または程度は、ナノ粒子104に印加される光エネルギー源102の出力密度、電圧、及び時間(すなわち期間)に依存し得る。従って、所定及び特定の範囲の光エネルギー源104の電圧、時間、及び出力密度によって、多様なナノ構造体106〜110を製造することができる。場合によっては、特定のナノ構造体を製造するために印加される光エネルギー源104の所定の電圧、時間、及び出力密度は、ナノ粒子104の化学的同一性及び組成も考慮する。例示のために、光エネルギー源102の各セットの条件をCuナノ粒子に印加して、ナノ構造体106〜110の1つを製造する。さらに、光エネルギー源102の各セットの条件をSiナノ粒子に印加して、ナノ構造体106〜110を製造する。
【0016】
ナノ構造体106〜110は、ナノ粒子104に光エネルギーを印加した場合にナノ粒子104が融合する程度によって特徴付けることができる。つまり、光融合の程度を定量化することでナノ構造体の特性が明らかになる。例えば、光エネルギー源102の所定の電圧、時間(すなわち期間)、及び/または出力密度設定によって、ナノ構造体106のように、第1の量または程度融合したナノ粒子を有するナノ構造体が製造され得る。
【0017】
別の実施例では、光エネルギー源104の異なる電圧、期間、及び/または出力密度設定によって、ナノ構造体108のように、第2の量または程度融合したナノ粒子を有するナノ構造体が生成され得る。さらなる実施例では、光エネルギー源106の他の電圧、期間、及び/または出力密度設定によって、ナノ構造体110のように、融合したナノ粒子の連続膜が製造され得る。
【0018】
融合されるナノ粒子104の程度または量は、細孔の点から表すことができる。特に、光融合の程度は、ナノ構造体106〜110内の細孔径、ナノ構造体106〜110の細孔数(すなわち細孔密度)、または光エネルギーをナノ粒子104に印加するために使用する所定の処理条件に依存して両方の点から特徴付けられる。融合されるナノ粒子104の程度は、追加または代替として、光融合したナノ粒子の粒径として表され得る。
【0019】
特に、ナノ構造体106〜110の細孔は、ナノ構造体106からナノ構造体110へと次第に減少する。従って、ナノ構造体106の細孔密度は、ナノ構造体108の細孔密度より高い。ナノ構造体108の細孔密度は、ナノ構造体110の細孔密度より高い。さらに、光融合したナノ粒子の細孔径は、ナノ構造体106からナノ構造体110へと増加する。従って、ナノ構造体106の光融合したナノ粒子の細孔径は、ナノ構造体108の光融合したナノ粒子の細孔径より小さく、ナノ構造体108の光融合したナノ粒子の細孔径は、ナノ構造体110の光融合したナノ粒子の細孔径より小さい。
【0020】
光エネルギーをナノ粒子104に印加する所定の処理条件を変更することによって、ナノ構造体106〜110の特徴を特定の用途用に設計することができる。例えば、いくつかの用途では、特に特定の組成の融合したナノ粒子の所定の細孔径及び/または細孔密度を有するナノ構造体が必要とされ得る。従って、光エネルギー源104の設定は、目的の用途に適した特徴を有するナノ構造体を製造するために、所定のやり方で制御され得る。
【0021】
図2は、融合していないナノ粒子に光エネルギーを印加して、特定のナノ構造体を製造する例示的プロセス示す。特に、図2は、基板202を示す。基板202は、ポリマー材料とすることができる。場合によっては、ポリマー材料はKAPTONなどのポリアミドとすることができる。基板202はまた、その中に分散または包含された金属成分を含むように配合され得る。
【0022】
融合していないナノ粒子Cuの層204、及び融合していないナノ粒子Siの1つまたは複数の層206などの、融合していないナノ粒子の1つまたは複数の層を基板202に適用することができる。ナノ粒子の1つまたは複数の層は、印刷法によって基板202に適用され得る。例えば、ナノ粒子Cuの1つまたは複数の層204は、従来のドローダウン印刷法によって基板202に適用され得る。さらに、ナノ粒子Siの1つまたは複数の層206は、従来のドローダウン印刷法によってナノ粒子Cuの1つまたは複数の層204に適用され得る。基板202にナノ粒子の1つまたは複数の層204、206を適用するために使用される印刷方法は、周知のスクリーン印刷法を含み得る。ナノ粒子の1つまたは複数の層202、204はまた、周知のインク堆積法によって基板202に適用され得る。さらには、ナノ粒子の1つまたは複数の層204、206は、グリッドパターンなどのパターン、または連続層として基板202に適用され得る。
【0023】
融合していないナノ粒子Cuの1つまたは複数の層204及び/または融合していないナノ粒子Siの1つまたは複数の層206は、ナノ粒子Cu及び/またはナノ粒子Siを含むインク配合であり得る。ナノ粒子Cu及びナノ粒子Siのインク配合は、特許文献1、2、及び3に記載された技術によって調製され得る。これらの文献は、参照により全体がここに組み込まれる。特定の実施例では、ナノ粒子Siのインク配合は、販売者から受け取った状態のSiナノ粒子、ナノサイズ粒子に機械的に粉砕された結晶性シリコン粉末、湿式酸エッチングされたシリコンナノ粒子、またはこれらの組み合わせ由来のものとすることができる。Siナノ粒子のサイズは、100nm未満であり得る。さらに、Siナノ粒子は、p型Siナノ粒子、n型Siナノ粒子、またはこれらの混合物を含み得る。
【0024】
例示的実施例では、ナノ粒子Siを含むインク配合を調製するために、マイクロメートルサイズのSi粉末またはフラグメントをボールミル粉砕、続いて化学エッチング、続いてSiナノ粒子のサイズ分離が行われる。Siナノ粒子はその後、VACCUM ATMOSPHERERS NEXUS(登録商標)グローブボックスなどの不活性雰囲気のグローブボックスへと移送され、ベンジルアルコールなどの低沸点溶媒及び分散剤と配合される。さらなる超音波処理のためにSi3N4ビーズがさらに添加され得る。混合物はその後、シールされ、不活性N2雰囲気に維持されたガラスボトルに移される。結果として得られるナノ粒子スラリは、超音波浴において少なくとも30分間超音波処理され、次いで回転式タンブラー装置を使用してボールミル粉砕される。遠心分離によってSi3N4ビーズを除去し、懸濁液中に残留する粒子をデカントしてナノ粒子Siを含むインク配合を得ることができる。ナノ粒子Siを含有するインク配合の量は、目的のSi量を得るために、機能性溶媒を使用して調節され得る。
【0025】
基板202にそれぞれのナノ粒子層を適用する各ステップの後に、層は焼成され得る。例えば、ナノ粒子Siの1つまたは複数の層206を基板202に適用した後、ナノ粒子Siの層206は、約100℃の温度で約10分間焼成され得る。
【0026】
光エネルギー208は、層204及び206などのナノ粒子の1つまたは複数の層、ならびに基板202に印加される。光エネルギー208は、キセノンランプなど、高輝度、広帯域源から得られ得る。光エネルギー208は、1つまたは複数の層204、206の各々の所望の融合の量または程度、細孔径、及び/または細孔密度に応じて、所定の期間及び所定の電圧、及び/または所定の出力密度で印加され得る。特定の実施例では、光エネルギー源の出力密度は、5.50kW/cm2から6.50kW/cm2の範囲である。この実施例では、光エネルギー208は、1075Vから1175Vの範囲の電圧で印加され得、光エネルギー208は、約800マイクロ秒印加され得る。光エネルギー208はまた、空気中で、かつ/または約25℃で印加され得る。
【0027】
層204、206のナノ粒子によって吸収された光エネルギー208は、熱エネルギーに変換され、ナノ粒子の温度を上昇させる。ナノ粒子は、バルク材料よりも低温で溶ける傾向にあるため、層204、206のナノ粒子は、ある程度融合され得る。ナノ粒子からの熱エネルギーの一部は、基板202及び外気へと消散する。光エネルギーは比較的短時間の間に印加されるため、基板202の温度は100℃未満となり、これによって、基板202の熱的損傷が有利に防止または最小化される。
【0028】
光エネルギー208を印加した後、導電性を有する光融合したCu層210が形成され得る。さらに、光融合したSiナノ粒子構造体212もまた形成され得る。導電性Cu層210及び/またはSiナノ粒子構造体212の特性及び特徴は、光エネルギー208を印加するために使用される光エネルギー源の設定によって、制御され得るかまたは事前に決定され得る。場合によっては、ナノ粒子Siの層206のSiナノ粒子は、光融合して光融合したナノ粒子Siボール214(すなわち凝集体)を形成し得る。光融合したナノ粒子Siボール214のサイズ及び/または密度は、融合していないSiナノ粒子の層204に光エネルギー208を印加する条件によって制御されるか、または事前に決定される。1つまたは複数の層204、206のナノ粒子を光融合させることに加えて、ナノ粒子の1つまたは複数の層204、206を硬化させることもできる。硬化させると、ナノ粒子Cuの1つまたは複数の層204は、約105S/cmより高い導電性を有し得る。
【0029】
例えばLi、B、Zn、Ag、Al、Ni、Pd、Sn、Ga、または同様のものなどの元素ナノ粒子のその他の層が基板202に適用され得る。また、Cu−Zn、Al−Zn、Li−Pd、Al−Mg、Mg−Al−Zn、または同様のものなどのナノ粒子合金が基板202上に配置され得る。さらに、ITO、SnO2、NaCl、MgO、Si3N4、GaN、ZnO、ZnS、または同様のものなどのナノ粒子化合物が基板202上に配置され得る。
【0030】
例示的実施では、ナノ粒子構造体212、導電性Cu層210、及び基板202は、リチウムイオン電池アノードなど、電池のアノードを構成するために使用され得る。特に、Siは、約4200mAh/gの理論放電容量を有するリチウムイオン電池用のアノードとしての用途の候補となり得る。しかしながら、多くのSiアノードの容量は繰り返し使用する間に低下する。例えば、Siは、以下の式に従ってLiと金属間化合物合金を形成し得る:
44Li+10Si=10Li4.4Si (式1)
Liの原子半径はSiよりも大きいため(Liは約2.05Åであるのに対してSiは約1.46Å)、Si格子の体積膨張が起こり得る。このようなSi格子の体積膨張は、Si格子の内部応力を引き起こす可能性があり、Si粒子の内部粉砕及び亀裂をもたらす。結果として、リチウムイオン拡散経路は、崩壊する。リチウム拡散経路の崩壊は、電流の損失を引き起こし、リチウムイオン電池のサイクルが進行するにつれて容量の低下をもたらすか、または増加する。
【0031】
ある場合には、リチウムイオン電池のSiアノードのサイクル特性を向上させる試みとして、アモルファスシリコン、シリコン複合体、シリコン合金、及びナノサイズのシリコンが設計された。しかしながら、場合によって、例えばナノサイズSi粉末に関すると、Siはサイクルの間に凝集する場合があり、リチウムの伝導経路を制限する。別の場合には、アモルファスSi及びSi合金などでは、これらの材料から形成されたSiアノードの特性が向上し得る。さらに、金種触媒を有するステンレス鋼基板上のSiナノワイヤの場合には、触媒のコスト及び工程の複雑な特性が限定的であり得る。
【0032】
従って、ナノ粒子Siの1つまたは複数の層に光エネルギーを印加することによってナノ粒子Siを融合して光融合したナノ粒子構造体212を形成することで、ナノ粒子構造体212の機械強度が有利に増加し、Li伝導経路が維持されるかまたは向上する。さらには、簡単な融合方法の容易性及び費用効果によって、既存のSi電池アノード製造方法の優れた代替法が提供される。
【0033】
図3Aは、第1の量が融合したナノ粒子Cuの走査型電子顕微鏡(SEM)画像である。SEM画像は、JEOL 35CF走査型電子顕微鏡またはJEOL6330F電界放射型走査電子顕微鏡を使用して得ることができる。
【0034】
図3Bは、第2の量が融合したナノ粒子CuのSEM画像である。
【0035】
図4Aは、シグマアルドリッチ社などの製造者から受け取った状態の、平均直径約30nm、ローディング濃度(loading concentration)約9重量%、及び10rpmでの粘度約5cpを有するナノ粒子SiのSEM画像である。
【0036】
図4Bは、平均直径約100nm、ローディング濃度約2重量%、及び10rpmでの粘度約3cpを有する粉砕したナノ粒子のSEM画像である。
【0037】
図4Cは、平均粒径約15nm、ローディング濃度約8重量%、及び10rpmでの粘度約5cpを有する湿式エッチングしたナノ粒子のSEM画像である。
【0038】
図4A〜4Cのナノ粒子Siは、図1のナノ粒子104を含み得、かつ/または図2の基板202などの基板に適用され得る。
【0039】
図5Aは、ナノ粒子Cuの層上に印刷されたナノ粒子Siの低倍率SEM画像である。図5Bは、ナノ粒子Cuの層上に印刷されたナノ粒子Siの高倍率SEM画像である。図5A及び5Bのナノ粒子Siは、Siバルクまたは粉末原材料を使用して生成され得る。Siバルクまたは粉末材料を、ボールミル粉砕、化学エッチング、サイズ分離して図5A及び5Bのナノ粒子Siを得ることができる。図5A及び5Bのナノ粒子Siは、図1のナノ粒子104を含み得、かつ/または図2の基板202などの基板に適用され得る。
【0040】
図6Aは、出力密度約4.69kW/cm2を有する光エネルギーを約1000Vの電圧で約800マイクロ秒の間暴露した基板及び光融合されたナノ粒子Cuの層の上に配置された光融合したナノ粒子Siの低倍率SEM画像である。図6Bは、出力密度約4.69kW/cm2を有する光エネルギーを約1000Vの電圧で約800マイクロ秒の間暴露した基板及び光融合されたナノ粒子Cuの層の上に配置された光融合したナノ粒子Siの高倍率SEM画像である。図6A及び6Bは、融合したナノ粒子Siの欠如を示唆している。
【0041】
図7Aは、約1150Vの電圧で約800マイクロ秒の間、約6.20kW/cm2の出力密度を有する光エネルギーに暴露された、光融合したナノ粒子Cuの層及び基板上に位置する光融合したナノ粒子Siの低倍率SEM画像である。図7Bは、約1150Vの電圧で約800マイクロ秒の間、約6.20kW/cm2の出力密度を有する光エネルギーに暴露された、光融合したナノ粒子Cuの層及び基板上に位置する光融合したナノ粒子Siの高倍率SEM画像である。図7A及び7Bは、融合したナノ粒子Siの形成を示唆している。
【0042】
図8Aは、所定のレベル及び期間の光エネルギーを印加する前のナノ粒子Siのエネルギー分散X線分光分析(EDS)画像を示すグラフである。図8Bは、約1150Vの電圧で約800マイクロ秒の間、約6.20kW/cm2の出力密度を有する光エネルギーに暴露された後の図8Aのナノ粒子SiのEDS画像を示すグラフである。図8A及び8BのEDSスペクトルのピークは、光エネルギーの印加後に検出限界未満の量のO2とともにSiの存在を示唆している。
【0043】
図9は、約1150Vの電圧で約800マイクロ秒の間、約5.67kW/cm2の出力密度を有する光エネルギーに暴露された基板及び光融合したナノ粒子Cuの層上に配置された、光融合したナノ粒子SiのTEM画像である。TEM画像は、Philips CM−200TEMを使用して得ることができる。
【0044】
図10は、所定のレベル及び期間の光エネルギーに暴露されたKAPTON基板及び光融合したナノ粒子Cuの層に適用された、光融合したナノ粒子Siの追加の画像である。
【0045】
図11は、その中に配置されたナノ粒子MnO添加物を含むナノ粒子Cuの層に光エネルギーを印加し、MnO添加物を含む光融合したナノ粒子Cuの層を酸化して、所定の特性及び特徴を有する特定のナノ構造体を製造する工程を示す。特に、図11は基板1102を示す。基板1102は、ポリマー材料とすることができる。場合によっては、ポリマー材料は、KAPTONなどのポリアミドとすることができる。基板1102は、分散された金属成分を含むかまたは中に含有されるように調製することも可能である。
【0046】
融合していないナノ粒子の1つまたは複数の層、例えば融合していないナノ粒子Cuの1つまたは複数の層1104などは、基板1102に適用され得る。融合していないナノ粒子の1つまたは複数の層は、印刷法によって基板1102に適用され得る。例えば、融合していないナノ粒子Cuの1つまたは複数の層1104は、周知の従来のドローダウン印刷法によって基板1102に適用され得る。さらに、基板1102に1つまたは複数の層を適用するために使用される印刷法は、周知の従来のスクリーン印刷法もまた含み得る。融合していないナノ粒子の1つまたは複数の層はまた、周知のインク堆積法によって基板1102に適用され得る。
【0047】
融合していないナノ粒子Cuの層1104は、ナノ粒子Cuを含むインク配合とすることができる。インク配合はまた、ナノ粒子MnO添加物1106など、その中に位置する添加物を含み得る。ナノ粒子Cu及びナノ粒子MnO添加物を含むインク配合は、米国特許第7,514,369号、第7,531,155号、第7,244,513号に記載された方法によって調製することができる。これらの文献は参照によって全体がここに組み込まれる。特定の実施例では、ナノ粒子Cu及びナノ粒子MnOは、NETZSCH(登録商標)社のMicroCerボールミルにおいて2000〜2500rpmの撹拌速度で混合され、超音波処理によって約30分間粉砕され得る。ナノ粒子Cu及びナノ粒子MnO添加物を含有するインク配合は、5cpから15cpの間の粘度、20mN/mから30mN/mの間の表面張力、及び約100nm未満の平均粒径を有し得る。さらに、ナノ粒子MnO添加物の添加量は、10重量%から40重量%の間とすることができる。
【0048】
光エネルギー1108が、例えば層1104、及び基板1102などの、融合していないナノ粒子の1つまたは複数の層に適用される。光エネルギー1108は、高強度の広帯域ランプ由来のものとすることができる。特に、光エネルギー源は、キセノンランプとすることができる。1つまたは複数の層1104の各々に所定の量または程度の融合、細孔径、及び/または細孔密度がもたらされるように、光エネルギー1108は、所定の時間及び所定の電圧、並びに/または所定の出力密度で印加され得る。ナノ粒子Cuの1つまたは複数の層1104及び基板1102に印加される総エネルギー密度は、0.2ミリ秒から1.0ミリ秒の間の期間で、最大約12J/cm2とすることができる。
【0049】
光エネルギー1108を印加した後、光融合したCu導電層1110が形成され得る。光融合したCu導電層1110の特性及び特徴は、光エネルギー1108を印加するために使用される光エネルギー源の設定によって、制御され得るかまたは事前に決定され得る。光融合したCu導電層1110は、1Ω/cm2未満の抵抗を有し得る。
【0050】
さらに、Cu酸化層1112が、光融合したCu導電層1110上に形成され得る。例えば、光融合したCu導電層1110は、200℃から300℃の間の温度で3分間から5分間の間、空気またはO2雰囲気中で加熱され得る。
【0051】
例示的実施形態では、基板1102、光融合したCu導電層1110、及びCu酸化層1112を含むナノ構造体は、スーパーキャパシタの電極として使用され得る。特に、酸化銅電極は、以下の式によってエネルギーを貯蔵することができる。
【0052】
【数1】
【0053】
スーパーキャパシタは、PCMCIAカード、小型フラッシュメモリ、携帯電話、スマートフォン、携帯情報端末(PDA)、デジタルカメラ、ネットブック、デジタルメディアプレーヤ、玩具、電子書籍リーダなどのワイヤレス部材及び携帯装置に利用され得る。スーパーキャパシタの利点は、高速充電/放電速度、長寿命、高サイクル特性、及び広い作動温度範囲を含み得る。しかし、スーパーキャパシタは、低い比エネルギー密度を有し得る。
【0054】
特に、基板1102、光融合したCu導電層1110、及びCu酸化層1112を含むナノ構造体は、シュードキャパシタを構成するために使用することができる。シュードキャパシタは、電子移動反応並びにバルク及び界面過程など、電気化学二重層キャパシタ及び電池の両方の特徴を表す。シュードキャパシタは、表面及び/または表面下にエネルギーを貯蔵する。従って、高表面積を有するシュードキャパシタは、より高いエネルギー密度を有し得る。図11のナノ構造体の多孔性に起因して、ナノ構造体は、20Wh/kg超のエネルギー密度及び1kW/kg超の比出力密度を伴う高い比表面積を有し得る。
【0055】
図12は、所定の特性及び特徴を有する光融合したナノ粒子を含むナノ構造体を製造するための工程1200のフロー図である。1202では、ナノ構造体の所望の特徴及び特性が決定される。例えば、ナノ構造体の特徴及び特性は、ナノ粒子構造体の用途に依存し得る。特に、ある用途では、第1の細孔密度及び細孔径を有するナノ構造体を利用してよく、別の用途では、第1の細孔密度及び細孔径を有するナノ構造体を利用する。場合によっては、特定される細孔径は、平均細孔径とすることができる。ナノ構造体の1つまたは複数の層の抵抗、ナノ構造体の1つまたは複数の層の熱伝導率など、ナノ構造体のその他の性質もまた決定され得る。
【0056】
1204では、所定の特徴を有するナノ構造体を製造するために、光エネルギー源の設定が事前に決定される。例えば、ナノ粒子開始材料に光エネルギー源が印加されると所定の特徴を有するナノ構造体が生成されるように、光エネルギー源の作動に関連する電圧、時間、及び/または出力密度が事前に決定され得る。
【0057】
1206では、融合していないナノ粒子の1つまたは複数の層が、基板に適用される。融合していないナノ粒子の層の組成は、結果として得られるナノ構造体の所定の特徴及び特性に依存し得る。例えば、融合していないナノ粒子の1つまたは複数の層の組成は、ナノ構造体の所定の抵抗量に依存し得る。別の実施例では、基板に適用される融合していないナノ粒子の1つまたは複数の層の組成は、ナノ構造体の所定の機械的安定性に依存し得る。さらなる実施例では、基板に適用される融合していないナノ粒子の1つまたは複数の層は、ナノ構造体の所定の熱伝導率に依存し得る。場合によっては、ナノ粒子の1つまたは複数の層の組成は、ナノ粒子Cuもしくはナノ粒子Siなどのナノ素粒子、添加物がその中に配置されたナノ粒子を含有するナノ素粒子、ナノ粒子化合物、ナノ粒子合金、またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0058】
1208では、基板に適用された、融合していないナノ粒子の1つまたは複数の層に光エネルギーが印加される。光エネルギーは、所定の特徴を有するナノ構造体を製造するために、所定の時間、電圧、及び/または出力密度設定で印加される。1210では、ナノ構造体がさらに処理され得る。例えば、ナノ構造体の1つまたは複数の層は、熱硬化され得る。別の実施例では、ナノ構造体の1つまたは複数の層に、酸化処理が行われ得る。
【0059】
1212では、ナノ構造体は特定の用途に利用される。例えば、ナノ構造体は、リチウムイオン電池アノードなどのアノードとして使用され得る。別の場合では、ナノ構造体は、スーパーキャパシタとして使用され得る。
【0060】
工程1202〜1212は、特定の順序で行うように記載されているが、工程1202〜1212が記載された順序は限定として解釈されることを意図されたものではなく、工程1200を実施するために、任意の数の記載された工程をいかなる順序で組み合わせること、及び/または並列に組み合わせることが可能である。
【0061】
[実施例1]
ナノ粒子Cuの層とナノ粒子Siの層とを備えるKAPTON基板に光エネルギーを印加した。ナノ粒子Siの層は、10rpmでの粘度5cp及びローディング濃度9重量%を有する、業者から購入した状態のSiナノ粒子から調製したSiインク配合から構成される。約3.00kW/cm2の出力密度を有する光エネルギーを約800Vの電圧で約800マイクロ秒間印加した。ナノ粒子Siの層は硬化されず、ナノ粒子Siはほとんどまたは全く融合されなかった。さらに、ナノ粒子Cuの層も硬化されなかった。
【0062】
[実施例2]
ナノ粒子Cuの層とナノ粒子Siの層とを備えるKAPTON基板に光エネルギーを印加した。ナノ粒子Siの層は、10rpmでの粘度5cp及びローディング濃度9重量%を有する、業者から購入した状態のSiナノ粒子から調製したSiインク配合から構成される。約4.69kW/cm2の出力密度を有する光エネルギーを約1000Vの電圧で約800マイクロ秒間印加した。ナノ粒子Siの層は硬化されず、ナノ粒子Siはほとんどまたは全く融合されなかった。さらに、ナノ粒子Cuの層は硬化され、導電性であった。
【0063】
[実施例3]
ナノ粒子Cuの層とナノ粒子Siの層とを備えるKAPTON基板に光エネルギーを印加した。ナノ粒子Siの層は、10rpmでの粘度5cp及びローディング濃度9重量%を有する、業者から購入した状態のSiナノ粒子から調製したSiインク配合から構成される。約5.67kW/cm2の出力密度を有する光エネルギーを約110Vの電圧で約800マイクロ秒間印加した。ナノ粒子Siの層は硬化され、ナノ粒子Siの融合が見られた。さらに、ナノ粒子Cuの層は硬化され、導電性であった。
【0064】
[実施例4]
ナノ粒子Cuの層とナノ粒子Siの層とを備えるKAPTON基板に光エネルギーを印加した。ナノ粒子Siの層は、10rpmでの粘度5cp及びローディング濃度9重量%を有する、業者から購入した状態のSiナノ粒子から調製したSiインク配合から構成される。約6.20kW/cm2の出力密度を有する光エネルギーを約1150Vの電圧で約800マイクロ秒間印加した。ナノ粒子Siの層は硬化され、ナノ粒子Siの融合が見られた。さらに、ナノ粒子Cuの層は硬化され、導電性であった。
【0065】
[実施例5]
ナノ粒子Cuの層とナノ粒子Siの層とを備えるKAPTON基板に光エネルギーを印加した。ナノ粒子Siの層は、10rpmでの粘度5cp及びローディング濃度9重量%を有する、業者から購入した状態のSiナノ粒子から調製したSiインク配合から構成される。約6.75kW/cm2の出力密度を有する光エネルギーを約1200Vの電圧で約800マイクロ秒間印加した。ナノ粒子Siの層は、ナノ粒子Cuの層から部分的に分離された。さらに、ナノ粒子Cuの層は硬化され、導電性であった。
【0066】
[実施例6]
ナノ粒子Cuの層とナノ粒子Siの層とを備えるKAPTON基板に光エネルギーを印加した。ナノ粒子Siの層は、10rpmでの粘度5cp及びローディング濃度9重量%を有する、業者から購入した状態のSiナノ粒子から調製したSiインク配合から構成される。約19.20kW/cm2の出力密度を有する光エネルギーを約1600Vの電圧で約500マイクロ秒間印加した。ナノ粒子Siの層は、ナノ粒子Cuの層から分離された。さらに、ナノ粒子Cuの層は、基板から部分的に分離された。
【0067】
[実施例7]
ナノ粒子Cuの層とナノ粒子Siの層とを備えるKAPTON基板に光エネルギーを印加した。ナノ粒子Siの層は、10rpmでの粘度5cp及びローディング濃度9重量%を有する、業者から購入した状態のSiナノ粒子から調製したSiインク配合から構成される。約5.00kW/cm2の出力密度を有する光エネルギーを約2000Vの電圧で約200マイクロ秒間印加した。ナノ粒子Siの層は硬化され、ナノ粒子Siの層のいくらかの融合が見られたが、ナノ粒子Siの硬化及び融合は均一でなかった。さらに、ナノ粒子Cuの層は硬化され、導電性であった。
【0068】
[実施例8]
サンプルSiアノードの電気化学測定では、Princeton Applied ResearchVMP3−CHAS16チャネル分析装置を使用して、実施例3の最終生成物の比容量を測定した。試験条件は以下の通りである:
半電池
作動電極:Si系薄膜
参照電極:Li
対極:Li
電解液:FC−130
セパレータ:ポリプロピレン
電位窓:0.02V〜1.5V
電流:100mA/g
【0069】
第1サイクルの比容量は、6000mAh/gであり、第2サイクルの比容量は1700mAh/gであった。
【符号の説明】
【0070】
102 光エネルギー源
104 ナノ粒子
106、108、110 ナノ構造体
【技術分野】
【0001】
本出願は、ナノ粒子に光エネルギーを印加して特定のナノ構造体を製造することに関連する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2010年7月14日に出願された米国非仮出願第12/836,547号の優先権を主張し、関連するものであり、参照によりここに組み込まれる。
【0003】
2010年7月14日に出願された米国非仮出願第12/836,547号は、2009年7月15日に出願された米国仮出願第61/225,797号の優先権を主張し、関連するものであり、参照によりここに組み込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7,514,369号明細書
【特許文献2】米国特許第7,531,155号明細書
【特許文献3】米国特許第7,244,513号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
製品は、融合していないナノ粒子材料の1つまたは複数の層に所定の条件下で光エネルギーを印加して、特定の特性及び特徴を有するナノ構造体を生成するステップを含む方法によって製造され得る。例えば、ナノ構造体は、所定の細孔密度、所定の細孔径、またはこれらの両方を有する層を備え得る。光エネルギーを印加するために使用される所定の条件は、所定の電圧、所定の期間、所定の出力密度、またはこれらの組み合わせを含み得る。
【0006】
融合していないナノ粒子材料の1つまたは複数の層は、ポリアミド基板上に配置されたナノ粒子Cuの少なくとも1つの層を含み得る。ナノ粒子Cuの少なくとも1つの層のCuナノ粒子の少なくとも一部は、光融合されて基板上に連続的な膜を形成し得る。ナノ粒子Cuの少なくとも1つの層は、インク配合として基板上に適用され、滴下印刷法(drop down printing process)またはスクリーン印刷法などの印刷法によって基板上に配置され得る。
【0007】
融合していないナノ粒子材料の1つまたは複数の層は、ナノ粒子Cuの1つまたは複数の層上に配置されたナノ粒子Siの少なくとも1つの層をさらに含み得る。ナノ粒子Siの少なくとも1つの層のSiナノ粒子の少なくとも一部は、ナノ粒子Siの少なくとも1層が所定の細孔密度、所定の細孔径、またはこれらの両方を有するように、光融合され得る。少なくとも1つのナノ粒子Si層は、インク配合としてナノ粒子Cuの1つまたは複数の層上に適用され、印刷法によってナノ粒子Cuの1つまたは複数の層上に配置され得る。
【0008】
さらに、融合していないナノ粒子材料の1つまたは複数の層は、その中にナノ粒子MnO添加物を含むナノ粒子Cuの少なくとも1つの層を含み得る。Cu酸化物層は、ナノ粒子MnO添加物を含むナノ粒子Cuの少なくとも1つの層から形成され得る。
【0009】
ナノ構造体の特性及び特徴は、ナノ構造体の特定の用途に基づいて事前に決定され得る。例えば、ナノ構造体を使用して、リチウムイオン電池のSiアノードを形成することができる。従って、リチウムイオン電池のSiアノードとして機能するために最適な特徴を有するナノ構造体を生成するように、融合していないナノ粒子材料の多数の層に光エネルギーが印加される。
【0010】
別の実施形態では、ナノ構造体を使用してスーパーキャパシタを形成することができる。そのため、スーパーキャパシタとして機能するように設計された特徴及び特性を有するナノ構造体を生成するように、融合していないナノ粒子材料の多数の層に光エネルギーが印加される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】光エネルギーをナノ粒子に印加して、所定及び特定の特徴及び特性を有するナノ構造体を製造する方法を示す。
【図2】光エネルギーを1つまたは複数の層のナノ粒子Cuの層及び1つまたは複数の層のナノ粒子Siの層に印加して、Cu導電層上に融合したSiナノ粒子構造体を含み、かつ所定の特性及び特徴を有するナノ構造体を製造する方法を示す。
【図3A】第1の量が融合したナノ粒子Cuの走査型電子顕微鏡(SEM)画像である。
【図3B】第2の量が融合したナノ粒子CuのSEM画像である。
【図4A】光エネルギーを印加する前のナノ粒子Siの例である。
【図4B】光エネルギーを印加する前のナノ粒子Siの例である。
【図4C】光エネルギーを印加する前のナノ粒子Siの例である。
【図5A】ナノ粒子Cuの層上に印刷されたナノ粒子Siの低倍率SEM画像である。
【図5B】ナノ粒子Cuの層上に印刷されたナノ粒子Siの高倍率SEM画像である。
【図6A】第1セットの所定条件の下で、光エネルギーに所定のレベル及び期間暴露された基板及び光融合したナノ粒子Cuの層上に配置された、光融合したナノ粒子Siの低倍率SEM画像である。
【図6B】第1セットの所定条件の下で、光エネルギーに所定のレベル及び期間曝露された基板及び光融合したナノ粒子Cuの層上に配置された、光融合したナノ粒子Siの高倍率SEM画像である。
【図7A】第2セットの所定条件の下で、光エネルギーに所定のレベル及び期間曝露された基板及び光融合したナノ粒子Cuの層上に配置された、光融合したナノ粒子Siの低倍率SEM画像である。
【図7B】第2セットの所定条件の下で、光エネルギーに所定のレベル及び期間暴露された基板及び光融合したナノ粒子Cuの層上に配置された、光融合したナノ粒子Siの高倍率SEM画像である。
【図8A】所定のレベル及び期間光エネルギーを印加する前の、融合していないナノ粒子Siのエネルギー分散X線分光分析(EDS)画像を示すグラフである。
【図8B】所定のレベル及び期間光エネルギーに暴露された後の、図8Aのナノ粒子SiのEDS画像を示すグラフであり、ここでナノ粒子Siは光融合している。
【図9】所定のレベル及び期間光エネルギーに暴露された基板及び光融合したナノ粒子Cuの層上に配置された、光融合したナノ粒子SiのTEM画像である。
【図10】所定のレベル及び期間光エネルギーに暴露されたKAPTON(登録商標)基板及び光融合したナノ粒子Cuの層上に配置された、光融合したナノ粒子SiのさらなるSEM画像である。
【図11】その中に配置されたナノ粒子MnO添加物を含むナノ粒子Cuの層に光エネルギーを印加し、その中に配置されたMnO添加物を含む光融合したナノ粒子Cuの層を酸化して、所定の特性及び特徴を有する特定のナノ構造体を製造する工程を示す。
【図12】所定の特性及び特徴を有する特定のナノ構造体を製造する工程を例示するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付の図面を参照して詳細な説明を説明する。図面では、参照符号の最も左側の数字によって、参照符号が最初に現われる図面が特定される。類似の形状及び要素を参照するために、図面を通して同一の符合が使用される。
【0013】
図1は、ナノ粒子に光エネルギーを印加して特定の特性及び特徴を有するナノ構造体を製造するステップを示す。特に、図1は、ナノ粒子104に光エネルギーを印加するための光エネルギー源102を示す。光エネルギー源102は、約106W程度の光強度を有する、高輝度、広帯域ランプであってよく、100マイクロ秒から1ミリ秒の間の期間印加することができる。
【0014】
光エネルギーをナノ粒子104に印加すると、ナノ粒子104は光融合してナノ構造体106〜110を形成し得る。光エネルギー源102の所定の条件は、ナノ粒子104に印加される光エネルギー量に基づいて、ナノ構造体106〜110の特徴及び特性を制御することができる。例えば、電圧、時間、出力密度、またはこれらの組み合わせを変更することによって、ナノ構造体106、108、または110を製造することができる。
【0015】
特に、ナノ粒子104が光融合する範囲または程度は、ナノ粒子104に印加される光エネルギー源102の出力密度、電圧、及び時間(すなわち期間)に依存し得る。従って、所定及び特定の範囲の光エネルギー源104の電圧、時間、及び出力密度によって、多様なナノ構造体106〜110を製造することができる。場合によっては、特定のナノ構造体を製造するために印加される光エネルギー源104の所定の電圧、時間、及び出力密度は、ナノ粒子104の化学的同一性及び組成も考慮する。例示のために、光エネルギー源102の各セットの条件をCuナノ粒子に印加して、ナノ構造体106〜110の1つを製造する。さらに、光エネルギー源102の各セットの条件をSiナノ粒子に印加して、ナノ構造体106〜110を製造する。
【0016】
ナノ構造体106〜110は、ナノ粒子104に光エネルギーを印加した場合にナノ粒子104が融合する程度によって特徴付けることができる。つまり、光融合の程度を定量化することでナノ構造体の特性が明らかになる。例えば、光エネルギー源102の所定の電圧、時間(すなわち期間)、及び/または出力密度設定によって、ナノ構造体106のように、第1の量または程度融合したナノ粒子を有するナノ構造体が製造され得る。
【0017】
別の実施例では、光エネルギー源104の異なる電圧、期間、及び/または出力密度設定によって、ナノ構造体108のように、第2の量または程度融合したナノ粒子を有するナノ構造体が生成され得る。さらなる実施例では、光エネルギー源106の他の電圧、期間、及び/または出力密度設定によって、ナノ構造体110のように、融合したナノ粒子の連続膜が製造され得る。
【0018】
融合されるナノ粒子104の程度または量は、細孔の点から表すことができる。特に、光融合の程度は、ナノ構造体106〜110内の細孔径、ナノ構造体106〜110の細孔数(すなわち細孔密度)、または光エネルギーをナノ粒子104に印加するために使用する所定の処理条件に依存して両方の点から特徴付けられる。融合されるナノ粒子104の程度は、追加または代替として、光融合したナノ粒子の粒径として表され得る。
【0019】
特に、ナノ構造体106〜110の細孔は、ナノ構造体106からナノ構造体110へと次第に減少する。従って、ナノ構造体106の細孔密度は、ナノ構造体108の細孔密度より高い。ナノ構造体108の細孔密度は、ナノ構造体110の細孔密度より高い。さらに、光融合したナノ粒子の細孔径は、ナノ構造体106からナノ構造体110へと増加する。従って、ナノ構造体106の光融合したナノ粒子の細孔径は、ナノ構造体108の光融合したナノ粒子の細孔径より小さく、ナノ構造体108の光融合したナノ粒子の細孔径は、ナノ構造体110の光融合したナノ粒子の細孔径より小さい。
【0020】
光エネルギーをナノ粒子104に印加する所定の処理条件を変更することによって、ナノ構造体106〜110の特徴を特定の用途用に設計することができる。例えば、いくつかの用途では、特に特定の組成の融合したナノ粒子の所定の細孔径及び/または細孔密度を有するナノ構造体が必要とされ得る。従って、光エネルギー源104の設定は、目的の用途に適した特徴を有するナノ構造体を製造するために、所定のやり方で制御され得る。
【0021】
図2は、融合していないナノ粒子に光エネルギーを印加して、特定のナノ構造体を製造する例示的プロセス示す。特に、図2は、基板202を示す。基板202は、ポリマー材料とすることができる。場合によっては、ポリマー材料はKAPTONなどのポリアミドとすることができる。基板202はまた、その中に分散または包含された金属成分を含むように配合され得る。
【0022】
融合していないナノ粒子Cuの層204、及び融合していないナノ粒子Siの1つまたは複数の層206などの、融合していないナノ粒子の1つまたは複数の層を基板202に適用することができる。ナノ粒子の1つまたは複数の層は、印刷法によって基板202に適用され得る。例えば、ナノ粒子Cuの1つまたは複数の層204は、従来のドローダウン印刷法によって基板202に適用され得る。さらに、ナノ粒子Siの1つまたは複数の層206は、従来のドローダウン印刷法によってナノ粒子Cuの1つまたは複数の層204に適用され得る。基板202にナノ粒子の1つまたは複数の層204、206を適用するために使用される印刷方法は、周知のスクリーン印刷法を含み得る。ナノ粒子の1つまたは複数の層202、204はまた、周知のインク堆積法によって基板202に適用され得る。さらには、ナノ粒子の1つまたは複数の層204、206は、グリッドパターンなどのパターン、または連続層として基板202に適用され得る。
【0023】
融合していないナノ粒子Cuの1つまたは複数の層204及び/または融合していないナノ粒子Siの1つまたは複数の層206は、ナノ粒子Cu及び/またはナノ粒子Siを含むインク配合であり得る。ナノ粒子Cu及びナノ粒子Siのインク配合は、特許文献1、2、及び3に記載された技術によって調製され得る。これらの文献は、参照により全体がここに組み込まれる。特定の実施例では、ナノ粒子Siのインク配合は、販売者から受け取った状態のSiナノ粒子、ナノサイズ粒子に機械的に粉砕された結晶性シリコン粉末、湿式酸エッチングされたシリコンナノ粒子、またはこれらの組み合わせ由来のものとすることができる。Siナノ粒子のサイズは、100nm未満であり得る。さらに、Siナノ粒子は、p型Siナノ粒子、n型Siナノ粒子、またはこれらの混合物を含み得る。
【0024】
例示的実施例では、ナノ粒子Siを含むインク配合を調製するために、マイクロメートルサイズのSi粉末またはフラグメントをボールミル粉砕、続いて化学エッチング、続いてSiナノ粒子のサイズ分離が行われる。Siナノ粒子はその後、VACCUM ATMOSPHERERS NEXUS(登録商標)グローブボックスなどの不活性雰囲気のグローブボックスへと移送され、ベンジルアルコールなどの低沸点溶媒及び分散剤と配合される。さらなる超音波処理のためにSi3N4ビーズがさらに添加され得る。混合物はその後、シールされ、不活性N2雰囲気に維持されたガラスボトルに移される。結果として得られるナノ粒子スラリは、超音波浴において少なくとも30分間超音波処理され、次いで回転式タンブラー装置を使用してボールミル粉砕される。遠心分離によってSi3N4ビーズを除去し、懸濁液中に残留する粒子をデカントしてナノ粒子Siを含むインク配合を得ることができる。ナノ粒子Siを含有するインク配合の量は、目的のSi量を得るために、機能性溶媒を使用して調節され得る。
【0025】
基板202にそれぞれのナノ粒子層を適用する各ステップの後に、層は焼成され得る。例えば、ナノ粒子Siの1つまたは複数の層206を基板202に適用した後、ナノ粒子Siの層206は、約100℃の温度で約10分間焼成され得る。
【0026】
光エネルギー208は、層204及び206などのナノ粒子の1つまたは複数の層、ならびに基板202に印加される。光エネルギー208は、キセノンランプなど、高輝度、広帯域源から得られ得る。光エネルギー208は、1つまたは複数の層204、206の各々の所望の融合の量または程度、細孔径、及び/または細孔密度に応じて、所定の期間及び所定の電圧、及び/または所定の出力密度で印加され得る。特定の実施例では、光エネルギー源の出力密度は、5.50kW/cm2から6.50kW/cm2の範囲である。この実施例では、光エネルギー208は、1075Vから1175Vの範囲の電圧で印加され得、光エネルギー208は、約800マイクロ秒印加され得る。光エネルギー208はまた、空気中で、かつ/または約25℃で印加され得る。
【0027】
層204、206のナノ粒子によって吸収された光エネルギー208は、熱エネルギーに変換され、ナノ粒子の温度を上昇させる。ナノ粒子は、バルク材料よりも低温で溶ける傾向にあるため、層204、206のナノ粒子は、ある程度融合され得る。ナノ粒子からの熱エネルギーの一部は、基板202及び外気へと消散する。光エネルギーは比較的短時間の間に印加されるため、基板202の温度は100℃未満となり、これによって、基板202の熱的損傷が有利に防止または最小化される。
【0028】
光エネルギー208を印加した後、導電性を有する光融合したCu層210が形成され得る。さらに、光融合したSiナノ粒子構造体212もまた形成され得る。導電性Cu層210及び/またはSiナノ粒子構造体212の特性及び特徴は、光エネルギー208を印加するために使用される光エネルギー源の設定によって、制御され得るかまたは事前に決定され得る。場合によっては、ナノ粒子Siの層206のSiナノ粒子は、光融合して光融合したナノ粒子Siボール214(すなわち凝集体)を形成し得る。光融合したナノ粒子Siボール214のサイズ及び/または密度は、融合していないSiナノ粒子の層204に光エネルギー208を印加する条件によって制御されるか、または事前に決定される。1つまたは複数の層204、206のナノ粒子を光融合させることに加えて、ナノ粒子の1つまたは複数の層204、206を硬化させることもできる。硬化させると、ナノ粒子Cuの1つまたは複数の層204は、約105S/cmより高い導電性を有し得る。
【0029】
例えばLi、B、Zn、Ag、Al、Ni、Pd、Sn、Ga、または同様のものなどの元素ナノ粒子のその他の層が基板202に適用され得る。また、Cu−Zn、Al−Zn、Li−Pd、Al−Mg、Mg−Al−Zn、または同様のものなどのナノ粒子合金が基板202上に配置され得る。さらに、ITO、SnO2、NaCl、MgO、Si3N4、GaN、ZnO、ZnS、または同様のものなどのナノ粒子化合物が基板202上に配置され得る。
【0030】
例示的実施では、ナノ粒子構造体212、導電性Cu層210、及び基板202は、リチウムイオン電池アノードなど、電池のアノードを構成するために使用され得る。特に、Siは、約4200mAh/gの理論放電容量を有するリチウムイオン電池用のアノードとしての用途の候補となり得る。しかしながら、多くのSiアノードの容量は繰り返し使用する間に低下する。例えば、Siは、以下の式に従ってLiと金属間化合物合金を形成し得る:
44Li+10Si=10Li4.4Si (式1)
Liの原子半径はSiよりも大きいため(Liは約2.05Åであるのに対してSiは約1.46Å)、Si格子の体積膨張が起こり得る。このようなSi格子の体積膨張は、Si格子の内部応力を引き起こす可能性があり、Si粒子の内部粉砕及び亀裂をもたらす。結果として、リチウムイオン拡散経路は、崩壊する。リチウム拡散経路の崩壊は、電流の損失を引き起こし、リチウムイオン電池のサイクルが進行するにつれて容量の低下をもたらすか、または増加する。
【0031】
ある場合には、リチウムイオン電池のSiアノードのサイクル特性を向上させる試みとして、アモルファスシリコン、シリコン複合体、シリコン合金、及びナノサイズのシリコンが設計された。しかしながら、場合によって、例えばナノサイズSi粉末に関すると、Siはサイクルの間に凝集する場合があり、リチウムの伝導経路を制限する。別の場合には、アモルファスSi及びSi合金などでは、これらの材料から形成されたSiアノードの特性が向上し得る。さらに、金種触媒を有するステンレス鋼基板上のSiナノワイヤの場合には、触媒のコスト及び工程の複雑な特性が限定的であり得る。
【0032】
従って、ナノ粒子Siの1つまたは複数の層に光エネルギーを印加することによってナノ粒子Siを融合して光融合したナノ粒子構造体212を形成することで、ナノ粒子構造体212の機械強度が有利に増加し、Li伝導経路が維持されるかまたは向上する。さらには、簡単な融合方法の容易性及び費用効果によって、既存のSi電池アノード製造方法の優れた代替法が提供される。
【0033】
図3Aは、第1の量が融合したナノ粒子Cuの走査型電子顕微鏡(SEM)画像である。SEM画像は、JEOL 35CF走査型電子顕微鏡またはJEOL6330F電界放射型走査電子顕微鏡を使用して得ることができる。
【0034】
図3Bは、第2の量が融合したナノ粒子CuのSEM画像である。
【0035】
図4Aは、シグマアルドリッチ社などの製造者から受け取った状態の、平均直径約30nm、ローディング濃度(loading concentration)約9重量%、及び10rpmでの粘度約5cpを有するナノ粒子SiのSEM画像である。
【0036】
図4Bは、平均直径約100nm、ローディング濃度約2重量%、及び10rpmでの粘度約3cpを有する粉砕したナノ粒子のSEM画像である。
【0037】
図4Cは、平均粒径約15nm、ローディング濃度約8重量%、及び10rpmでの粘度約5cpを有する湿式エッチングしたナノ粒子のSEM画像である。
【0038】
図4A〜4Cのナノ粒子Siは、図1のナノ粒子104を含み得、かつ/または図2の基板202などの基板に適用され得る。
【0039】
図5Aは、ナノ粒子Cuの層上に印刷されたナノ粒子Siの低倍率SEM画像である。図5Bは、ナノ粒子Cuの層上に印刷されたナノ粒子Siの高倍率SEM画像である。図5A及び5Bのナノ粒子Siは、Siバルクまたは粉末原材料を使用して生成され得る。Siバルクまたは粉末材料を、ボールミル粉砕、化学エッチング、サイズ分離して図5A及び5Bのナノ粒子Siを得ることができる。図5A及び5Bのナノ粒子Siは、図1のナノ粒子104を含み得、かつ/または図2の基板202などの基板に適用され得る。
【0040】
図6Aは、出力密度約4.69kW/cm2を有する光エネルギーを約1000Vの電圧で約800マイクロ秒の間暴露した基板及び光融合されたナノ粒子Cuの層の上に配置された光融合したナノ粒子Siの低倍率SEM画像である。図6Bは、出力密度約4.69kW/cm2を有する光エネルギーを約1000Vの電圧で約800マイクロ秒の間暴露した基板及び光融合されたナノ粒子Cuの層の上に配置された光融合したナノ粒子Siの高倍率SEM画像である。図6A及び6Bは、融合したナノ粒子Siの欠如を示唆している。
【0041】
図7Aは、約1150Vの電圧で約800マイクロ秒の間、約6.20kW/cm2の出力密度を有する光エネルギーに暴露された、光融合したナノ粒子Cuの層及び基板上に位置する光融合したナノ粒子Siの低倍率SEM画像である。図7Bは、約1150Vの電圧で約800マイクロ秒の間、約6.20kW/cm2の出力密度を有する光エネルギーに暴露された、光融合したナノ粒子Cuの層及び基板上に位置する光融合したナノ粒子Siの高倍率SEM画像である。図7A及び7Bは、融合したナノ粒子Siの形成を示唆している。
【0042】
図8Aは、所定のレベル及び期間の光エネルギーを印加する前のナノ粒子Siのエネルギー分散X線分光分析(EDS)画像を示すグラフである。図8Bは、約1150Vの電圧で約800マイクロ秒の間、約6.20kW/cm2の出力密度を有する光エネルギーに暴露された後の図8Aのナノ粒子SiのEDS画像を示すグラフである。図8A及び8BのEDSスペクトルのピークは、光エネルギーの印加後に検出限界未満の量のO2とともにSiの存在を示唆している。
【0043】
図9は、約1150Vの電圧で約800マイクロ秒の間、約5.67kW/cm2の出力密度を有する光エネルギーに暴露された基板及び光融合したナノ粒子Cuの層上に配置された、光融合したナノ粒子SiのTEM画像である。TEM画像は、Philips CM−200TEMを使用して得ることができる。
【0044】
図10は、所定のレベル及び期間の光エネルギーに暴露されたKAPTON基板及び光融合したナノ粒子Cuの層に適用された、光融合したナノ粒子Siの追加の画像である。
【0045】
図11は、その中に配置されたナノ粒子MnO添加物を含むナノ粒子Cuの層に光エネルギーを印加し、MnO添加物を含む光融合したナノ粒子Cuの層を酸化して、所定の特性及び特徴を有する特定のナノ構造体を製造する工程を示す。特に、図11は基板1102を示す。基板1102は、ポリマー材料とすることができる。場合によっては、ポリマー材料は、KAPTONなどのポリアミドとすることができる。基板1102は、分散された金属成分を含むかまたは中に含有されるように調製することも可能である。
【0046】
融合していないナノ粒子の1つまたは複数の層、例えば融合していないナノ粒子Cuの1つまたは複数の層1104などは、基板1102に適用され得る。融合していないナノ粒子の1つまたは複数の層は、印刷法によって基板1102に適用され得る。例えば、融合していないナノ粒子Cuの1つまたは複数の層1104は、周知の従来のドローダウン印刷法によって基板1102に適用され得る。さらに、基板1102に1つまたは複数の層を適用するために使用される印刷法は、周知の従来のスクリーン印刷法もまた含み得る。融合していないナノ粒子の1つまたは複数の層はまた、周知のインク堆積法によって基板1102に適用され得る。
【0047】
融合していないナノ粒子Cuの層1104は、ナノ粒子Cuを含むインク配合とすることができる。インク配合はまた、ナノ粒子MnO添加物1106など、その中に位置する添加物を含み得る。ナノ粒子Cu及びナノ粒子MnO添加物を含むインク配合は、米国特許第7,514,369号、第7,531,155号、第7,244,513号に記載された方法によって調製することができる。これらの文献は参照によって全体がここに組み込まれる。特定の実施例では、ナノ粒子Cu及びナノ粒子MnOは、NETZSCH(登録商標)社のMicroCerボールミルにおいて2000〜2500rpmの撹拌速度で混合され、超音波処理によって約30分間粉砕され得る。ナノ粒子Cu及びナノ粒子MnO添加物を含有するインク配合は、5cpから15cpの間の粘度、20mN/mから30mN/mの間の表面張力、及び約100nm未満の平均粒径を有し得る。さらに、ナノ粒子MnO添加物の添加量は、10重量%から40重量%の間とすることができる。
【0048】
光エネルギー1108が、例えば層1104、及び基板1102などの、融合していないナノ粒子の1つまたは複数の層に適用される。光エネルギー1108は、高強度の広帯域ランプ由来のものとすることができる。特に、光エネルギー源は、キセノンランプとすることができる。1つまたは複数の層1104の各々に所定の量または程度の融合、細孔径、及び/または細孔密度がもたらされるように、光エネルギー1108は、所定の時間及び所定の電圧、並びに/または所定の出力密度で印加され得る。ナノ粒子Cuの1つまたは複数の層1104及び基板1102に印加される総エネルギー密度は、0.2ミリ秒から1.0ミリ秒の間の期間で、最大約12J/cm2とすることができる。
【0049】
光エネルギー1108を印加した後、光融合したCu導電層1110が形成され得る。光融合したCu導電層1110の特性及び特徴は、光エネルギー1108を印加するために使用される光エネルギー源の設定によって、制御され得るかまたは事前に決定され得る。光融合したCu導電層1110は、1Ω/cm2未満の抵抗を有し得る。
【0050】
さらに、Cu酸化層1112が、光融合したCu導電層1110上に形成され得る。例えば、光融合したCu導電層1110は、200℃から300℃の間の温度で3分間から5分間の間、空気またはO2雰囲気中で加熱され得る。
【0051】
例示的実施形態では、基板1102、光融合したCu導電層1110、及びCu酸化層1112を含むナノ構造体は、スーパーキャパシタの電極として使用され得る。特に、酸化銅電極は、以下の式によってエネルギーを貯蔵することができる。
【0052】
【数1】
【0053】
スーパーキャパシタは、PCMCIAカード、小型フラッシュメモリ、携帯電話、スマートフォン、携帯情報端末(PDA)、デジタルカメラ、ネットブック、デジタルメディアプレーヤ、玩具、電子書籍リーダなどのワイヤレス部材及び携帯装置に利用され得る。スーパーキャパシタの利点は、高速充電/放電速度、長寿命、高サイクル特性、及び広い作動温度範囲を含み得る。しかし、スーパーキャパシタは、低い比エネルギー密度を有し得る。
【0054】
特に、基板1102、光融合したCu導電層1110、及びCu酸化層1112を含むナノ構造体は、シュードキャパシタを構成するために使用することができる。シュードキャパシタは、電子移動反応並びにバルク及び界面過程など、電気化学二重層キャパシタ及び電池の両方の特徴を表す。シュードキャパシタは、表面及び/または表面下にエネルギーを貯蔵する。従って、高表面積を有するシュードキャパシタは、より高いエネルギー密度を有し得る。図11のナノ構造体の多孔性に起因して、ナノ構造体は、20Wh/kg超のエネルギー密度及び1kW/kg超の比出力密度を伴う高い比表面積を有し得る。
【0055】
図12は、所定の特性及び特徴を有する光融合したナノ粒子を含むナノ構造体を製造するための工程1200のフロー図である。1202では、ナノ構造体の所望の特徴及び特性が決定される。例えば、ナノ構造体の特徴及び特性は、ナノ粒子構造体の用途に依存し得る。特に、ある用途では、第1の細孔密度及び細孔径を有するナノ構造体を利用してよく、別の用途では、第1の細孔密度及び細孔径を有するナノ構造体を利用する。場合によっては、特定される細孔径は、平均細孔径とすることができる。ナノ構造体の1つまたは複数の層の抵抗、ナノ構造体の1つまたは複数の層の熱伝導率など、ナノ構造体のその他の性質もまた決定され得る。
【0056】
1204では、所定の特徴を有するナノ構造体を製造するために、光エネルギー源の設定が事前に決定される。例えば、ナノ粒子開始材料に光エネルギー源が印加されると所定の特徴を有するナノ構造体が生成されるように、光エネルギー源の作動に関連する電圧、時間、及び/または出力密度が事前に決定され得る。
【0057】
1206では、融合していないナノ粒子の1つまたは複数の層が、基板に適用される。融合していないナノ粒子の層の組成は、結果として得られるナノ構造体の所定の特徴及び特性に依存し得る。例えば、融合していないナノ粒子の1つまたは複数の層の組成は、ナノ構造体の所定の抵抗量に依存し得る。別の実施例では、基板に適用される融合していないナノ粒子の1つまたは複数の層の組成は、ナノ構造体の所定の機械的安定性に依存し得る。さらなる実施例では、基板に適用される融合していないナノ粒子の1つまたは複数の層は、ナノ構造体の所定の熱伝導率に依存し得る。場合によっては、ナノ粒子の1つまたは複数の層の組成は、ナノ粒子Cuもしくはナノ粒子Siなどのナノ素粒子、添加物がその中に配置されたナノ粒子を含有するナノ素粒子、ナノ粒子化合物、ナノ粒子合金、またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0058】
1208では、基板に適用された、融合していないナノ粒子の1つまたは複数の層に光エネルギーが印加される。光エネルギーは、所定の特徴を有するナノ構造体を製造するために、所定の時間、電圧、及び/または出力密度設定で印加される。1210では、ナノ構造体がさらに処理され得る。例えば、ナノ構造体の1つまたは複数の層は、熱硬化され得る。別の実施例では、ナノ構造体の1つまたは複数の層に、酸化処理が行われ得る。
【0059】
1212では、ナノ構造体は特定の用途に利用される。例えば、ナノ構造体は、リチウムイオン電池アノードなどのアノードとして使用され得る。別の場合では、ナノ構造体は、スーパーキャパシタとして使用され得る。
【0060】
工程1202〜1212は、特定の順序で行うように記載されているが、工程1202〜1212が記載された順序は限定として解釈されることを意図されたものではなく、工程1200を実施するために、任意の数の記載された工程をいかなる順序で組み合わせること、及び/または並列に組み合わせることが可能である。
【0061】
[実施例1]
ナノ粒子Cuの層とナノ粒子Siの層とを備えるKAPTON基板に光エネルギーを印加した。ナノ粒子Siの層は、10rpmでの粘度5cp及びローディング濃度9重量%を有する、業者から購入した状態のSiナノ粒子から調製したSiインク配合から構成される。約3.00kW/cm2の出力密度を有する光エネルギーを約800Vの電圧で約800マイクロ秒間印加した。ナノ粒子Siの層は硬化されず、ナノ粒子Siはほとんどまたは全く融合されなかった。さらに、ナノ粒子Cuの層も硬化されなかった。
【0062】
[実施例2]
ナノ粒子Cuの層とナノ粒子Siの層とを備えるKAPTON基板に光エネルギーを印加した。ナノ粒子Siの層は、10rpmでの粘度5cp及びローディング濃度9重量%を有する、業者から購入した状態のSiナノ粒子から調製したSiインク配合から構成される。約4.69kW/cm2の出力密度を有する光エネルギーを約1000Vの電圧で約800マイクロ秒間印加した。ナノ粒子Siの層は硬化されず、ナノ粒子Siはほとんどまたは全く融合されなかった。さらに、ナノ粒子Cuの層は硬化され、導電性であった。
【0063】
[実施例3]
ナノ粒子Cuの層とナノ粒子Siの層とを備えるKAPTON基板に光エネルギーを印加した。ナノ粒子Siの層は、10rpmでの粘度5cp及びローディング濃度9重量%を有する、業者から購入した状態のSiナノ粒子から調製したSiインク配合から構成される。約5.67kW/cm2の出力密度を有する光エネルギーを約110Vの電圧で約800マイクロ秒間印加した。ナノ粒子Siの層は硬化され、ナノ粒子Siの融合が見られた。さらに、ナノ粒子Cuの層は硬化され、導電性であった。
【0064】
[実施例4]
ナノ粒子Cuの層とナノ粒子Siの層とを備えるKAPTON基板に光エネルギーを印加した。ナノ粒子Siの層は、10rpmでの粘度5cp及びローディング濃度9重量%を有する、業者から購入した状態のSiナノ粒子から調製したSiインク配合から構成される。約6.20kW/cm2の出力密度を有する光エネルギーを約1150Vの電圧で約800マイクロ秒間印加した。ナノ粒子Siの層は硬化され、ナノ粒子Siの融合が見られた。さらに、ナノ粒子Cuの層は硬化され、導電性であった。
【0065】
[実施例5]
ナノ粒子Cuの層とナノ粒子Siの層とを備えるKAPTON基板に光エネルギーを印加した。ナノ粒子Siの層は、10rpmでの粘度5cp及びローディング濃度9重量%を有する、業者から購入した状態のSiナノ粒子から調製したSiインク配合から構成される。約6.75kW/cm2の出力密度を有する光エネルギーを約1200Vの電圧で約800マイクロ秒間印加した。ナノ粒子Siの層は、ナノ粒子Cuの層から部分的に分離された。さらに、ナノ粒子Cuの層は硬化され、導電性であった。
【0066】
[実施例6]
ナノ粒子Cuの層とナノ粒子Siの層とを備えるKAPTON基板に光エネルギーを印加した。ナノ粒子Siの層は、10rpmでの粘度5cp及びローディング濃度9重量%を有する、業者から購入した状態のSiナノ粒子から調製したSiインク配合から構成される。約19.20kW/cm2の出力密度を有する光エネルギーを約1600Vの電圧で約500マイクロ秒間印加した。ナノ粒子Siの層は、ナノ粒子Cuの層から分離された。さらに、ナノ粒子Cuの層は、基板から部分的に分離された。
【0067】
[実施例7]
ナノ粒子Cuの層とナノ粒子Siの層とを備えるKAPTON基板に光エネルギーを印加した。ナノ粒子Siの層は、10rpmでの粘度5cp及びローディング濃度9重量%を有する、業者から購入した状態のSiナノ粒子から調製したSiインク配合から構成される。約5.00kW/cm2の出力密度を有する光エネルギーを約2000Vの電圧で約200マイクロ秒間印加した。ナノ粒子Siの層は硬化され、ナノ粒子Siの層のいくらかの融合が見られたが、ナノ粒子Siの硬化及び融合は均一でなかった。さらに、ナノ粒子Cuの層は硬化され、導電性であった。
【0068】
[実施例8]
サンプルSiアノードの電気化学測定では、Princeton Applied ResearchVMP3−CHAS16チャネル分析装置を使用して、実施例3の最終生成物の比容量を測定した。試験条件は以下の通りである:
半電池
作動電極:Si系薄膜
参照電極:Li
対極:Li
電解液:FC−130
セパレータ:ポリプロピレン
電位窓:0.02V〜1.5V
電流:100mA/g
【0069】
第1サイクルの比容量は、6000mAh/gであり、第2サイクルの比容量は1700mAh/gであった。
【符号の説明】
【0070】
102 光エネルギー源
104 ナノ粒子
106、108、110 ナノ構造体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の条件の下で、ナノ粒子材料の1つまたは複数の層に光エネルギーを印加して、所定の細孔密度、所定の細孔径、またはこれらの両方を有する、1つまたは複数の光融合層を備えたナノ構造体を製造するステップを含む方法によって製造された製品。
【請求項2】
前記ナノ粒子材料の1つまたは複数の層が、ナノ粒子Cuの少なくとも1つの層を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ナノ粒子Cuの少なくとも1つの層をポリアミド基板上に配置する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ナノ粒子Cuの少なくとも1つの層を前記ポリアミド基板上に印刷することによって、前記ナノ粒子Cuの少なくとも1層を前記ポリアミン基板上に配置する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ナノ粒子の少なくとも1つの層を、滴下印刷法、スクリーン印刷法、またはこれらの組み合わせによって前記ポリアミド基板上に印刷する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ナノ粒子材料の1つまたは複数の層が、ナノ粒子Siの少なくとも1つの層を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ナノ粒子Siの少なくとも1つの層をナノ粒子Cuの少なくとも1つの層上に配置する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
滴下印刷法、スクリーン印刷法、またはこれらの組み合わせによって、前記ナノ粒子Siの少なくとも1つの層を前記ナノ粒子Cuの少なくとも1つの層上に配置する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記所定の条件が、所定の電圧、所定の期間、所定の出力密度、またはこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
106Wの光強度を有する光エネルギー源によって前記光エネルギーを印加する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
0.2から1.0ミリ秒の期間、前記光エネルギーを印加する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
最大12J/cm2のエネルギー密度で前記光エネルギーを印加する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法によって製造されたリチウムイオン電池のSiアノード。
【請求項14】
前記ナノ粒子材料の1つまたは複数の層が、その中に配置されたナノ粒子MnO添加物を含むナノ粒子Cuの少なくとも1つの層を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
その中に配置された前記ナノ粒子MnO添加物を含む前記ナノ粒子Cuの少なくとも1つの層に、200℃から300℃の間の温度の熱を3から5分間の期間加えることによって、酸化銅層を形成するステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法によって製造されたスーパーキャパシタ。
【請求項17】
基板と、
前記基板上に配置されたナノ粒子Cuの少なくとも1つの層であって、該ナノ粒子Cuの少なくとも1つの層のうちのCuナノ粒子の少なくとも一部が、光融合して連続膜を形成している、ナノ粒子Cuの少なくとも1つの層と、
前記ナノ粒子Cuの少なくとも1つの層上に配置されたナノ粒子Siの少なくとも1つの層であって、該ナノ粒子Siの少なくとも1つの層のうちのSiナノ粒子の少なくとも一部が光融合しており、該ナノ粒子Siの少なくとも1つの層が所定の細孔密度、所定の細孔径、またはこれらの両方を有する、ナノ粒子Siの少なくとも1つの層と、
を備える製品。
【請求項18】
印刷法によって、前記基板上に前記ナノ粒子Cuの少なくとも1つの層を配置するステップと、
追加の印刷法によって前記ナノ粒子Cuの少なくとも1つの層上に前記ナノ粒子Siの少なくとも1つの層を配置するステップと、
前記基板、前記ナノ粒子Cuの少なくとも1つの層、及び前記ナノ粒子Siの少なくとも1つの層に光エネルギーを印加するステップと、
を含む請求項17に記載の製品の製造方法。
【請求項19】
5.50kW/cm2から6.50kW/cm2の間の出力密度で、約800マイクロ秒の期間、1050Vから1175Vの間の電圧で前記光エネルギーを印加するステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
ナノ粒子Cuを含むインク配合を提供するステップであって、印刷法によって前記基板上に前記ナノ粒子Cuの少なくとも1つの層を配置するステップが、印刷法によって前記基板上にナノ粒子Cuを含む前記インク配合を適用するステップを含む、ステップと、
ナノ粒子Siを含む追加のインク配合を提供するステップであって、追加の印刷法によって前記ナノ粒子Cuの少なくとも1つの層の上に前記ナノ粒子Siの少なくとも1つの層を配置するステップが、追加の印刷法によって前記ナノ粒子Siを含む前記インク配合を適用するステップを含む、ステップと、
をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記光エネルギーをキセノンランプによって印加する、請求項18に記載の方法。
【請求項1】
所定の条件の下で、ナノ粒子材料の1つまたは複数の層に光エネルギーを印加して、所定の細孔密度、所定の細孔径、またはこれらの両方を有する、1つまたは複数の光融合層を備えたナノ構造体を製造するステップを含む方法によって製造された製品。
【請求項2】
前記ナノ粒子材料の1つまたは複数の層が、ナノ粒子Cuの少なくとも1つの層を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ナノ粒子Cuの少なくとも1つの層をポリアミド基板上に配置する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ナノ粒子Cuの少なくとも1つの層を前記ポリアミド基板上に印刷することによって、前記ナノ粒子Cuの少なくとも1層を前記ポリアミン基板上に配置する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ナノ粒子の少なくとも1つの層を、滴下印刷法、スクリーン印刷法、またはこれらの組み合わせによって前記ポリアミド基板上に印刷する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ナノ粒子材料の1つまたは複数の層が、ナノ粒子Siの少なくとも1つの層を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ナノ粒子Siの少なくとも1つの層をナノ粒子Cuの少なくとも1つの層上に配置する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
滴下印刷法、スクリーン印刷法、またはこれらの組み合わせによって、前記ナノ粒子Siの少なくとも1つの層を前記ナノ粒子Cuの少なくとも1つの層上に配置する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記所定の条件が、所定の電圧、所定の期間、所定の出力密度、またはこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
106Wの光強度を有する光エネルギー源によって前記光エネルギーを印加する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
0.2から1.0ミリ秒の期間、前記光エネルギーを印加する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
最大12J/cm2のエネルギー密度で前記光エネルギーを印加する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法によって製造されたリチウムイオン電池のSiアノード。
【請求項14】
前記ナノ粒子材料の1つまたは複数の層が、その中に配置されたナノ粒子MnO添加物を含むナノ粒子Cuの少なくとも1つの層を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
その中に配置された前記ナノ粒子MnO添加物を含む前記ナノ粒子Cuの少なくとも1つの層に、200℃から300℃の間の温度の熱を3から5分間の期間加えることによって、酸化銅層を形成するステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法によって製造されたスーパーキャパシタ。
【請求項17】
基板と、
前記基板上に配置されたナノ粒子Cuの少なくとも1つの層であって、該ナノ粒子Cuの少なくとも1つの層のうちのCuナノ粒子の少なくとも一部が、光融合して連続膜を形成している、ナノ粒子Cuの少なくとも1つの層と、
前記ナノ粒子Cuの少なくとも1つの層上に配置されたナノ粒子Siの少なくとも1つの層であって、該ナノ粒子Siの少なくとも1つの層のうちのSiナノ粒子の少なくとも一部が光融合しており、該ナノ粒子Siの少なくとも1つの層が所定の細孔密度、所定の細孔径、またはこれらの両方を有する、ナノ粒子Siの少なくとも1つの層と、
を備える製品。
【請求項18】
印刷法によって、前記基板上に前記ナノ粒子Cuの少なくとも1つの層を配置するステップと、
追加の印刷法によって前記ナノ粒子Cuの少なくとも1つの層上に前記ナノ粒子Siの少なくとも1つの層を配置するステップと、
前記基板、前記ナノ粒子Cuの少なくとも1つの層、及び前記ナノ粒子Siの少なくとも1つの層に光エネルギーを印加するステップと、
を含む請求項17に記載の製品の製造方法。
【請求項19】
5.50kW/cm2から6.50kW/cm2の間の出力密度で、約800マイクロ秒の期間、1050Vから1175Vの間の電圧で前記光エネルギーを印加するステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
ナノ粒子Cuを含むインク配合を提供するステップであって、印刷法によって前記基板上に前記ナノ粒子Cuの少なくとも1つの層を配置するステップが、印刷法によって前記基板上にナノ粒子Cuを含む前記インク配合を適用するステップを含む、ステップと、
ナノ粒子Siを含む追加のインク配合を提供するステップであって、追加の印刷法によって前記ナノ粒子Cuの少なくとも1つの層の上に前記ナノ粒子Siの少なくとも1つの層を配置するステップが、追加の印刷法によって前記ナノ粒子Siを含む前記インク配合を適用するステップを含む、ステップと、
をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記光エネルギーをキセノンランプによって印加する、請求項18に記載の方法。
【図1】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図12】
【図2】
【図11】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図12】
【図2】
【図11】
【公表番号】特表2012−533438(P2012−533438A)
【公表日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−520792(P2012−520792)
【出願日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際出願番号】PCT/US2010/042169
【国際公開番号】WO2011/008980
【国際公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(511134757)アプライド ナノテク インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際出願番号】PCT/US2010/042169
【国際公開番号】WO2011/008980
【国際公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(511134757)アプライド ナノテク インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】
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