説明

特殊文字を含むメールデータを表示可能な携帯電話端末及び特殊文字処理機能を備えた携帯電話端末

【目的】 簡単な構造で以って特殊文字を含むメールデータを完全な状態で正確に表示することが出来る特殊文字処理方法及び特殊文字処理機能を備えた携帯電話端末を提供する。
【構成】 電子メール機能を有する携帯電話端末(PHS端末を含む)10が、該端末に設定された規格と異なる特殊文字コードテーブル24aを有する携帯電話端末とメールデータを送受信する特殊文字処理機能を備えた携帯電話端末10において、特殊文字を含むメールデータを入力する入力手段25と、一又は複数種の特殊文字コードテーブルを格納する格納手段24と、前記格納手段から対応する一又は複数の特殊文字コードテーブルを選択する選択手段23と、前記選択された特殊文字コードテーブルに基づき前記メールデータを符合化/復号化する文字変換手段22と、前記変換されたメールデータを記憶する記憶手段21と、前記メールデータの送受信を制御する通信制御手段20と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、PHS端末を含む携帯電話端末間で電子メールを利用する際に、メールデータを構成する文字コードに、前記端末間で互換性のない独自の特殊文字コード、つまり機種依存文字を含むメールデータを送受信して該端末画面に表示するときの特殊文字処理方法及び特殊文字処理機能を備えた携帯電話端末に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、通話機能を有する携帯電話端末(PHS端末を含む)での電子メールの利用は広く普及しつつある。従来は携帯電話端末間でのシステムであったものが、近年はWAP(Wireless Application Protocol)などの規格によって携帯電話でインターネットに直接接続でき、インターネット網を介したメールの送受信が可能となってきている。かかる電子メール機能は、携帯電話端末に入力された文字情報を規定の文字コードに符号化した後、該メールデータを相手先の携帯電話端末に送信し、一方送信側端末では受信したメールデータを復号化し、文字情報として端末画面に表示するというものである。しかしながら文字情報を符号化/復号化するための文字コードには端末製造メーカ独自のコードが含まれる場合がある。これは、携帯端末に電子メール機能が出来る前に、携帯メーカが独自規格のメール機能をサポートしていたため、その規格内でのみ使用される文字コードが存在していたためである。
【0003】特殊文字とは、丸付き数字やギリシャ文字、絵文字等の各メーカ独自に作成された機種依存文字のことをいい、各製造メーカの規格により対応する文字コードが異なっている。さらに、この特殊文字の変換機構は各メーカにより異なる場合があるが、例えば、漢字、カナ、英数字等の基本文字コードテーブルの空き領域に前記特殊文字を割り振る方法、また、前記基本文字コードテーブルとは別に特殊文字コードテーブルを備え、前記基本文字コードテーブルの空き領域に割り振られた制御コードにより前記特殊文字コードテーブルから検索するように指示が出される方法、等がある。そのため、異なる特殊文字規格、特殊文字変換機構の特殊文字コードテーブルを有する携帯電話端末間でのメールデータの送受信においては特殊文字が正確に表示出来ないという問題が生じる。つまり、夫々の製造メーカの異なる特殊文字コードテーブルを有する端末から送信されたメールデータは、文字コードを復号化する際に送信した特殊文字と異なる文字を表示してしまう文字化けが発生してしまう。そこで、異機種間でのメールデータの送受信の際にも文字化けしないで正確に表示できる発明として、特開平11−143862号公報ではコード変換テーブルを備えた装置を提供している。
【0004】かかる発明は、特殊文字の文字コードとして、異種編集装置で使用される文字コード間の対応関係を示すコード変換テーブル、および電子メール送受信相手同士で使用される編集装置の種別との対応を表す種別対応テーブルを記憶する記憶手段と、電子メールを受信した際、若しくは電子メールを送信する際に、電子メール中に含まれる特殊文字の文字コードを前記種別対応テーブル及び文字コード変換テーブルに基づいて送信側の文字コードから受信側の文字コードに変換することを特徴としている。このように、前記特殊文字の文字コードを相手先に対応する文字コードに変換することで、文字化けすることなく正確に特殊文字を表示することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特殊文字の処理においては文字コードのみでなく文字コード変換機構が異なる場合もあり、前記従来技術のように文字コードのみを変換しただけでは正確に表示することは困難である。また、夫々の規格毎に特殊文字数、特殊文字種類は様々であり、文字コード変換テーブルを作成するのが困難である上に、結果として類似文字の表示のみにとどまり正確な変換が出来ず発信者の伝えたい事が正確に伝わらない場合がある。本発明はかかる従来技術の問題に鑑み、簡単な構造で以って発信者の作成したメールデータを完全な状態で正確に相手先端末に表示することが出来る特殊文字処理方法及び特殊文字処理機能を備えた携帯電話端末を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明はかかる課題を解決するために、請求項1記載の発明として、電子メール機能を有する、PHS端末を含む携帯電話端末が、該端末に設定された規格と異なる特殊文字コードテーブルを用いて作成されたメールデータを受信して端末画面に表示可能な携帯電話端末において、符号化されて受信したメールデータの属性から対応する特殊文字コードテーブルを識別し、該端末内に格納された一又は複数種の特殊文字コードテーブルから前記識別された特殊文字コードテーブルに該当する一又は複数を選択し、選択された特殊文字コードテーブルに基づき前記メールデータを復号化して前記携帯電話端末画面に表示することを特徴とする。
【0007】かかる発明によれば、異なる規格の特殊文字コードテーブルにて作成されたメールデータを受信した際にも、端末内に格納される特殊文字コードテーブルから対応するテーブルを選択して、該テーブルに基づき特殊文字コードを変換することにより、文字化けすることなく正確な文字を表示することが出来る。尚、本発明において、特殊文字コードテーブルとは、基本的な文字コードテーブルの空き領域に特殊文字コードを割り当てた文字コードテーブルに関しては、該文字コードテーブル中の特殊文字領域を抜き出したもの、また、前記基本文字コードテーブルの空き領域に割り振られた制御コードと関連付けられた特殊文字コードのみが示された特殊文字コードテーブル、など、文字テーブルの形式で表される特殊文字コードの集まりをいう。
【0008】また、請求項2記載の発明は、電子メール機能を有する、PHS端末を含む携帯電話端末が、該端末に設定された規格と異なる特殊文字コードテーブルを有する携帯電話端末へメールデータを送信して送信先端末画面に表示可能な携帯電話端末において、前記携帯電話端末内に格納された一又は複数種の特殊文字コードテーブルから前記送信先の端末が有する特殊文字コードテーブルに該当する一又は複数を選択し、該選択された特殊文字コードテーブルに基づき入力された特殊文字情報を含む文字情報を符号化して作成されたメールデータを送信して送信先端末画面に表示することを特徴とする。かかる発明は、メールデータを送信する前に相手先の特殊文字テーブルの規格に応じた文字コードに変換して送信する方法で、これにより、送信先の携帯電話端末は通常のメール受信動作にて容易に、かつ端末画面に正確に表示されるメールデータを受信することができる。
【0009】さらに、請求項3及び4記載の発明は、前記特殊文字コードテーブルに関するもので、前記携帯電話端末が対応する規格の特殊文字コードテーブルを保有していないと判断した場合に、該判断信号に基づいて前記対応特殊文字コードテーブルを外部から取得して前記端末内に格納し、また、前記対応特殊文字コードテーブルの文字コードに追加若しくは変更があった場合に、外部よりの判断信号若しくは自己の端末送受信時に判断信号に基づき、前記追加若しくは変更部分を外部から取得して前記端末内に格納することを特徴とするものである。
【0010】これによれば、必要な規格の特殊文字コードテーブルを自動的に、若しくは手動により取得することが出来る為、初期の設定には含まれていない特殊文字も表示することが出来、多様な規格の特殊文字に対応可能である。さらに、特殊文字コードテーブル提供業者からの案内や通知、若しくはメールデータの送受信時に対応する特殊文字コードテーブルを使用しているにも関わらず不足文字や変換不良文字が認識された場合における自己端末からの特殊文字コードテーブル更新要求に応じて、自動的に、若しくは手動により追加、変更部分を取得することができ、文字化けや変換ミスが発生することなく正確に表示することが可能である。
【0011】請求項5及び6記載の発明は、前記対応する特殊文字コードテーブルを識別する方法であって、前記メールデータの復号化若しくは符号化に使用される特殊文字コードテーブルの種類は、端末のメールアドレスから識別されたり、前記メールデータに付加された特殊文字識別信号により識別されたりして、該当するテーブルを選択することを特徴とする。これによれば、メールデータに含まれるメールアドレスや付加情報としての識別コード等の識別信号により対応する規格を認識することが出来、対応する特殊文字コードテーブルの規格を把握していない場合においても容易に対応テーブルの選択をすることが出来る。
【0012】さらにまた、請求項7記載の発明は、特殊文字自体を画像としてメールデータに添付する方法であって、前記特殊文字識別手段には、対応する特殊文字コードテーブルに含まれない特殊文字が画像情報の形式で含まれ、メールデータを表示する際に前記特殊文字を表す画像情報が前記メールデータ内に挿入されることを特徴としており、文字情報を表示するテキストデータの所定位置に該画像情報を挿入することで、文字化けすることのない正確なメールデータを送受信することができる。
【0013】そして、前記1乃至7記載の発明において、前記特殊文字コードテーブルを用いて復号化/符号化を行う特殊文字コード変換は、夫々の端末が有する特殊文字規格に基づいた変換機構により行われることを特徴とする。かかる発明は、異規格の特殊文字コードを有するのみでなく、異なる特殊文字コード変換機構を有する端末間でのメールデータの送受信において、特殊文字コードテーブルのみでなく、該特殊文字コードテーブルに対応する特殊文字コード変換機構をも備えた構成とする。これにより、異なる変換機構であっても確実に変換処理を行うことができ、送信された特殊文字を正確に表示することが出来る。また、必要に応じて前記特殊文字コード変換機構を外部から取得できる構成としているため、メモリ資源を有効活用することができる。
【0014】請求項9乃至13記載の発明は、前記したような特殊文字処理方法を効果的に実現するための装置に関する発明で、請求項9記載の発明は、電子メール機能を有するPHS端末を含む携帯電話端末が、該端末に設定された規格と異なる特殊文字コードテーブルを用いて作成されたメールデータを受信して表示画面に表示する特殊文字処理機能を備えた携帯電話端末において、符号化された受信メールデータを記憶する記憶手段と、前記記憶されたメールデータの属性から対応する特殊文字コードテーブルを識別する識別手段と、一又は複数種の特殊文字コードテーブルを格納する格納手段と、前記格納手段から前記識別された特殊文字コードテーブルに該当する一又は複数を選択する選択手段と、前記選択された特殊文字コードテーブルに基づき前記メールデータを復号化する文字変換手段と、前記復号化されたメールデータを該端末画面に表示する表示手段と、を備えたことを特徴とする。
【0015】また、請求項10記載の発明は、電子メール機能を有する、PHS端末を含む携帯電話端末が、該端末に設定された規格と異なる特殊文字コードテーブルを有する携帯電話端末へメールデータを送信する特殊文字処理機能を備えた携帯電話端末において、特殊文字を含むメールデータを入力する入力手段と、一又は複数種の特殊文字コードテーブルを格納する格納手段と、前記格納手段から送信先の特殊文字コードテーブルに該当する一又は複数を選択する選択手段と、前記選択された特殊文字コードテーブルに基づき前記入力されたメールデータを符号化する文字変換手段と、前記符号化されたメールデータを記憶する記憶手段と、前記記憶されたメールデータを送信する送信手段と、を備えたことを特徴とする。
【0016】さらに請求項11記載の発明は、前記携帯電話端末内に対応する規格の特殊文字コードテーブルが格納されていないことを判断する手段と、該判断手段からの信号に基づいて前記対応特殊文字コードテーブルを外部から取得して格納手段に格納する取得手段とを備えたことを特徴とする。請求項12記載の発明は、前記識別手段は、端末のメールアドレスにより対応する特殊文字コードテーブルを識別することを特徴とする。請求項13記載の発明は、前記識別手段は、メールデータに付加された特殊文字コード識別信号により識別することを特徴とする。これらの発明によれば、前記した発明と同様の効果を得ることが出来る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。図1は本発明の実施形態にかかる文字処理システムの全体構成図、図2は受信したメールデータの文字処理を行う文字処理システムの部分構成図、図3は送信するメールデータの文字処理を行う文字処理システムの部分構成図を示す。
【0018】かかる実施形態において、図1に示されるように、10は携帯電話やPHS等の通話機能及びメール機能を備えた携帯電話端末、11はメールの保管、管理を行うサーバ(管理センタ)、12はインターネット網を示す。かかる携帯電話端末10は、前記インターネット網12を介してサーバ11に接続可能で、該携帯電話端末10により送信されたメールデータは一旦前記サーバ11のメールボックスに保管され、送信先の携帯電話端末10からの受信要求に応じて該サーバ11から送信先に送られる。前記携帯電話端末10はメール機能を有しており、インターネット網12を介してデータ通信を行っているため、異なる通信方式を用いている携帯電話端末同士でもメールデータの送受信が可能となっている。かかる携帯電話端末10は、通信制御部20、メールデータ記憶部21、文字変換部22、特殊文字コードテーブル選択部23、文字コードテーブル格納部24、入力部25、表示部26、及びメール機能に必要な基本的機能を備えているものとする。
【0019】また、前記文字コードテーブル格納部は、カナ、漢字、アルファベット等の基本文字コードが集約された文字コードテーブル24A、端末独自の規格を有する特殊文字コードが集約された特殊文字コードテーブル24a、24b…、及びその他の領域である空き領域24xで構成され、前記特殊文字コードテーブルには少なくともかかる携帯電話端末10の製造メーカが提供する規格の特殊文字コードテーブル24aを有しているものとする。さらに、前記文字コードテーブル格納部24には他規格の特殊文字コードテーブル24b、…を複数有していても良く、予め携帯電話端末10内に複数種の特殊文字コードテーブルを格納しておく方法、また、後述するようにメールデータを受信した際に対応する特殊文字コードテーブルを、前記空き領域24xにダウンロードする方法などにより必要な特殊文字コードテーブルを選択可能な構成とする。
【0020】ここで、受信したメールデータの文字処理を行う場合の夫々の機能を図2を用いて説明する。受信メールデータ記憶部21はインターネット網12を介して受信したメールデータ21bを記憶する機能を有する。該受信メールデータ記憶部21は、後述するようにメールデータを送信する際には入力された文字情報を符号化して送信メールデータとして蓄積する機能を備える。特殊文字コードテーブル選択部23は、前記受信メールデータ記憶部に保存されたメールデータ21bからメールアドレスを抽出して、該メールアドレスから送信先の携帯電話端末を判別する。
【0021】そして、前記判別された前記携帯電話端末から、該端末の有する特殊文字コードテーブルを判別する。尚、前記特殊文字コードテーブルの判別には、メールデータ21bにメールデータの作成に使用された規格を識別する識別コード等の識別信号を付加させて、該メールデータ21bを受信した際に前記特殊文字コードテーブル選択部23にて該識別信号を抽出して対応する特殊文字コードテーブルを判別しても良い。かかる特殊文字コードテーブル選択部23には対応テーブルの有無を判断する判断手段(不図示)、及び対応テーブルが存在しない場合に特殊文字コードテーブル提供業者である管理センタ11から該対応テーブルを取得する取得手段(不図示)を備えるものとする。
【0022】また、前記文字コードテーブル格納部24は、前記したように一又は複数の特殊文字コードテーブルを有し、前記判断手段及び取得手段に基づき受信メールデータ21bに対応する特殊文字コードテーブルが存在しない場合には図7に示されるように、外部から取得するようにする。さらに、文字変換手段22は、前記特殊文字コードテーブル選択部23で選択された文字コードテーブルを利用して符号化/復号化を行う文字コード変換を行う。このとき、文字変換手段22に含まれる文字コード変換機構に、対応する特殊文字コード変換機構が含まれない場合には前記特殊文字コードテーブルと同様に外部からダウンロードできるようにする。これにより、異なる変換機構であっても確実に変換処理を行うことができ、送信された特殊文字を正確に表示することが出来る。
【0023】図7(a)に示されるのは前記サーバを備えた管理センタ11から受信要求のあった特殊文字コードテーブルをダウンロードする場合の概略図であり、前記管理センタ11はメールデータの保管機能を含むメールサービスを行っている他、複数規格の特殊文字コードテーブルを管理しており、該特殊文字コードテーブルに追加若しくは変更があった場合には該サービスに加入している利用者に案内や通知を送信したり、該利用者に宛てて自動的にダウンロードするサービスを行う。このように構成されることにより、初期の設定には含まれていない特殊文字も表示することが出来、多様な規格の特殊文字に対応可能である。さらに、前記テーブルの追加若しくは変更があった場合にも自動的に、若しくは手動により追加、変更部分を取得することができるため、常に最新の状態で特殊文字コードテーブルを保持することができ、文字化けや変換ミスが発生することなくメールデータを正確に表示することが可能である。
【0024】また、図7(b)には、PDA(携帯情報機器)13等の外部機器からダウンロードする場合の概略図を示しており、図7(a)、(b)ともに、前記特殊文字コードテーブルの変更若しくは追加があった場合には、最新のコードテーブルに更新できるように構成されている。さらに、文字変換部(復号化部)22は前記受信メールデータ記憶部21に保存された受信メールデータ21bを、前記文字コードテーブル格納部に格納されている前記特殊文字コードテーブル選択部23が判別した特殊文字コードテーブル、及び基本文字コードテーブルに基づき復号化してテキストデータに変換する。そして表示部26に該テキストデータを表示する機能を有する。
【0025】図3には、文字処理を施してからメールデータを送信する文字処理システムの部分構成図が示されており、特殊文字コードテーブル選択部23は、入力部25からの特殊文字コードテーブルの選択、若しくは送信先のメールアドレスから該特殊文字コードテーブルを識別して選択することにより、メールデータ作成に使用する特殊文字コードを指示する。このとき、前記した受信時文字処理と同様に、送信先の機種に対応する特殊文字コードテーブルが端末内に存在しないときは外部からダウンロードするか、若しくは特殊文字コードテーブルを使用不可とすることが出来る。
【0026】また、前記文字変換部(符号化部)22は、前記入力部25から入力された文字情報を文字コードテーブル格納部24に格納されている基本文字コードテーブル及び前記特殊文字コードテーブル23にて選択された特殊文字コードテーブルに基づき文字コードに符号化して該当する文字列を端末画面の表示部26に表示する。さらに送信メールデータ記憶部21は、前記文字変換部22にて符号化された文字コードをメールデータ21aとして記憶し、利用者の送信要求に応じてインターネットを介して送信される。これにより、送信先の携帯電話端末は通常のメール受信動作にて容易に、かつ端末画面に正確に表示することの出来るメールデータを受信することが可能となる。
【0027】尚、前記文字変換部22及び特殊文字コードテーブル選択部23にJAVA(登録商標)を用いたプログラムにより処理させることも可能で、このようにすることでより広範囲な機種に対応することができるとともに、いかなる機種においても互換性を保持することが可能となる。また、前記特殊文字コードテーブルに含まれない特殊文字を画像情報の形式でメールデータに添付し、該メールデータを復号化して文字情報を表示する際に所定位置に該特殊文字を画像情報として挿入させることにより、さらに複雑な構造を有する特殊文字においても表示が可能となる。
【0028】次に、本実施形態において、メールデータを受信した後に文字処理する場合の流れを図5のフロー図を用いて説明する。まず、本実施形態では、携帯電話端末の前記通信制御部20からの受信要求に応じてメールデータを受信し、前記メールデータ記憶部21に該メールデータを記憶する(S1)。そして、変換方式を手動変換、自動変換、変換なしから選択し(S2)する。これは、前記メールデータを受信した際に選択する方法と、予め前記変換方式から一を選択して設定しておく方法と、どちらを選択しても良いこととする。
【0029】さて、前記変換方式に手動変換を選択した場合(S3)、つまりこの場合には既に受信者側が送信元の携帯電話端末の機種を把握している場合には、どの規格の特殊文字コードテーブルを使用するかを選択し(S4)、該端末内の前記文字コードテーブル格納部24に対応する特殊文字テーブルが存在するか判別し(S5)、対応する特殊文字テーブルの存在が認められた場合には、メールデータに含まれる特殊文字コードを前記特殊文字コードテーブルに基づき特殊文字情報に変換する(S13)。
【0030】さらに、メールデータ内に、使用している特殊文字コードテーブルに対応しない文字コードが存在するかどうかを判別し(S14)、存在しない場合には表示処理を施して表示部26に画面表示する(S17)。一方、前記特殊文字コードテーブルに対応しない文字コードが存在する場合には、特殊文字コードなしのメッセージを表示し(S9)、無変換か特殊文字コードテーブルをダウンロードするかを選択させる(S10)。そして、ダウンロードするか否かの選択(S11)においてダウンロードを選択した場合には、対応する特殊文字コードテーブルをダウンロードし(S12)、前記文字コードテーブル格納部24に格納する。尚、かかる特殊文字コードテーブルに対応する特殊文字コード変換機構を備えていない場合には、同時に、該変換機構をダウンロードする。
【0031】このとき、図4に示されるように、例えば、B社の特殊文字コードテーブル24bを保有しないA社の携帯電話端末10Aが、B社の携帯電話端末10Bにて作成されたメールデータを受信した場合には、前記サーバ11からB社の特殊文字コードテーブル24bをダウンロードするように要求を出す。同様に、B社の携帯電話端末10BがA社、C社の端末10A、10Cの規格にて作成されたメールデータを受信した場合には、夫々A社、C社の特殊文字コードテーブル24a、24cをダウンロードし、C社の携帯電話端末10CがA社、B社の端末10A、10Bにて作成されたメールデータを受信した場合には、夫々A社、B社の特殊文字コードテーブル24a、24bをダウンロードする。
【0032】そして、前記ダウンロードされた特殊文字コードテーブルに基づき、メールデータ内の特殊文字コードを変換し(S13)、さらに対応しない特殊文字コードがあるか否か(S14)の判断をした後、存在しない場合には該メールデータの文字情報を画面表示(S17)する。このとき、対応しない特殊文字コードが存在する場合には、前記した特殊文字コードなしのメッセージの表示(S9)のステップから特殊文字コードの変換(S13)のステップまでの処理を繰り返す。尚、前記ダウンロードをするか否かの選択(S11)において、ダウンロードをしない処理を選択した場合には、そのまま通常の表示処理(S16)が行われた後画面表示(S17)される。
【0033】続いて、メールデータを受信した後に自動変換の選択がなされた場合について説明する。自動変換(S6)に設定された場合、メールアドレス又は前記メールデータに付加された識別情報を基に使用する特殊文字コードテーブルを選択し(S7)、対応する特殊文字コードテーブルが端末内の前記文字コードテーブル格納部24に格納されているか否かを判別し(S8)、存在が認められた場合にはメールデータ内の特殊文字コードを対応する特殊文字コードテーブルに基づき変換する(S13)。
【0034】さらに対応しない特殊文字コードの有無を確認した(S14)後、存在しなければ前記メールデータを画面表示(S17)し、存在する場合には特殊文字コードなしのメッセージを表示し(S9)、無変換か特殊文字コードテーブルをダウンロードするか選択させ(S10)、ダウンロードの選択(S11)にて特殊文字コードテーブルをダウンロードする(S12)か、そのまま表示処理を行う(S16)かを選択する。
【0035】前記表示処理を行ったメールデータ、及び前記特殊文字コードテーブルをダウンロードして前記特殊文字を変換し(S13)、全ての特殊文字が変換されたメールデータは前記表示部26に文字情報として画面表示される(S17)。尚、変換方式の選択(S2)で変換なし(S15)を選択した場合には、そのまま通常の表示処理が行われ(S16)、本規格に対応しない特殊文字コードが存在する際には文字化けした状態で画面表示(S17)されることとなる。
【0036】次に、本実施形態において、文字処理を施した後メールデータを送信する場合の流れを図6のフロー図を用いて説明する。まず、送信先のメールアドレスをメールデータ作成前に入力するか否かを選択する(S18)。該メールアドレスを先に入力する場合には、該アドレスからどの規格の特殊文字コードテーブルを使用するか自動選択し(S19)、一方、アドレスを入力しない場合にはメールデータ作成時に特殊文字を入力する際、どの規格の特殊文字コードテーブルを使用するかの選択をする(S20)。このようにして対応する特殊文字コードテーブルの有無を判別し(S21)、存在する場合には、選択した特殊文字コードテーブルから特殊文字を含むメールデータを作成する。
【0037】前記特殊文字コードテーブルが存在しない場合には、特殊文字コードテーブルをダウンロードするか否かの選択をさせる(S22)。該特殊文字コードテーブルをダウンロードするか否かの選択(S23)に対して、前記特殊文字コードテーブルをダウンロードする場合(S24)には、ダウンロードしたコードテーブルから特殊文字コードを含むメールデータを作成し(S27)、ダウンロードしない場合には、特殊文字コードを使用不可とし(S25)、メールデータを作成する(S26)。このように、作成したメールデータは前記通信制御装置20により送信され(S28)インターネット12を介して送信先へ送られる。
【0038】
【発明の効果】以上記載のごとく本発明によれば、異なる規格の特殊文字コードを有する通信端末において作成された特殊文字を含むメールデータを文字化けすることなく正確に表示することができる。また、異なる規格の特殊文字コードを有する携帯電話端末にメールデータを送信する際にも、予め送信先の端末に対応した特殊文字コードに変換してから送信するため、受信側は通常のメールデータ受信動作と同様に容易にメールデータを閲覧することが出来る。さらにまた、特殊文字コードテーブルに対応する特殊文字コード変換機構を利用するようにした為、確実に変換処理を行うことができ、送信された特殊文字を正確に表示することが出来る。
【0039】また、携帯電話端末内の空き領域に特殊文字コードテーブルを自由に格納可能にしたため、端末の保有しない特殊文字の規格を使用したメールデータを送受信する際にも、インターネット等を利用して容易にダウンロードできるため多様な規格への対応が可能となるとともに、必要に応じて特殊文字コードテーブル及び特殊文字コード変換機構を取得する構成であるためメモリ資源を有効に活用することができる。さらに、相手先のメールアドレス若しくは識別情報により使用されている特殊文字コードテーブルを識別可能に構成されるため、利用者が相手先の使用規格を把握しておく必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態にかかる文字処理システムの全体構成図を示す。
【図2】 本実施形態において受信したメールデータの文字処理を行う文字処理システムの部分構成図を示す。
【図3】 本実施形態において送信するメールデータの文字処理を行う文字処理システムの部分構成図を示す。
【図4】 異規格の特殊文字コードテーブルを有する端末間のテーブル取得関係を示す概略図である。
【図5】 受信したメールデータの文字処理の流れを示すフロー図である。
【図6】 送信するメールデータの文字処理の流れを示すフロー図である。
【図7】 本実施形態において、外部から特殊文字コードテーブルをダウンロードする場合の模式図を示す。
【符号の説明】
10 携帯電話端末(携帯電話)
11 管理センタ(サーバ)
12 インターネット
20 通信制御部
21 メールデータ記憶部
22 文字変換部
23 特殊文字コードテーブル選択部
24 文字コードテーブル格納部
24a、24b 特殊文字コードテーブル
25 表示部
26 入力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】 電子メール機能を有する、PHS端末を含む携帯電話端末が、該端末に設定された規格と異なる特殊文字コードテーブルを用いて作成されたメールデータを受信して端末画面に表示可能な携帯電話端末において、符号化されて受信したメールデータの属性から対応する特殊文字コードテーブルを識別し、該端末内に格納された一又は複数種の特殊文字コードテーブルから前記識別された特殊文字コードテーブルに該当する一又は複数を選択し、選択された特殊文字コードテーブルに基づき前記メールデータを復号化して前記携帯電話端末画面に表示することを特徴とする特殊文字を含むメールデータを表示可能な携帯電話端末。
【請求項2】 電子メール機能を有する、PHS端末を含む携帯電話端末が、該端末に設定された規格と異なる特殊文字コードテーブルを有する携帯電話端末へメールデータを送信して送信先端末画面に表示可能な携帯電話端末において、前記携帯電話端末内に格納された一又は複数種の特殊文字コードテーブルから前記送信先の端末が有する特殊文字コードテーブルに該当する一又は複数を選択し、該選択された特殊文字コードテーブルに基づき入力された特殊文字情報を含む文字情報を符号化して作成されたメールデータを送信して送信先端末画面に表示することを特徴とする特殊文字を含むメールデータを表示可能な携帯電話端末。
【請求項3】 前記携帯電話端末が対応する規格の特殊文字コードテーブルを保有していないと判断した場合に、該判断信号に基づいて前記対応特殊文字コードテーブルを外部から取得して前記端末内に格納することを特徴とする請求項1若しくは2記載の特殊文字を含むメールデータを表示可能な携帯電話端末。
【請求項4】 前記特殊文字コードテーブルの文字コードに追加若しくは変更があった場合に、外部よりの判断信号若しくは自己の端末送受信時の判断信号に基づき、前記追加若しくは変更部分を外部から取得して前記端末内に格納することを特徴とする請求項1若しくは2記載の特殊文字を含むメールデータを表示可能な携帯電話端末。
【請求項5】 前記メールデータの復号化若しくは符号化に使用される特殊文字コードテーブルの種類は、端末のメールアドレスから識別され、選択されることを特徴とする請求項1若しくは2記載の特殊文字を含むメールデータを表示可能な携帯電話端末。
【請求項6】 前記メールデータの復号化若しくは符号化に使用される特殊文字コードテーブルの種類は、前記メールデータに付加された特殊文字識別信号により識別され、選択されることを特徴とする請求項1若しくは2記載の特殊文字を含むメールデータを表示可能な携帯電話端末。
【請求項7】 前記特殊文字識別手段には、対応する特殊文字コードテーブルに含まれない特殊文字が画像情報の形式で含まれ、メールデータを表示する際に前記特殊文字を表す画像情報が前記メールデータ内に挿入されることを特徴とする請求項1若しくは2記載の特殊文字を含むメールデータを表示可能な携帯電話端末。
【請求項8】 前記特殊文字コードテーブルを用いて復号化/符号化を行う特殊文字コード変換は、夫々の端末が有する特殊文字規格に基づいた変換機構により行われることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の特殊文字を含むメールデータを表示可能な携帯電話端末。
【請求項9】 電子メール機能を有するPHS端末を含む携帯電話端末が、該端末に設定された規格と異なる特殊文字コードテーブルを用いて作成されたメールデータを受信して表示画面に表示する特殊文字処理機能を備えた携帯電話端末において、符号化された受信メールデータを記憶する記憶手段と、前記記憶されたメールデータの属性から対応する特殊文字コードテーブルを識別する識別手段と、一又は複数種の特殊文字コードテーブルを格納する格納手段と、前記格納手段から前記識別された特殊文字コードテーブルに該当する一又は複数を選択する選択手段と、前記選択された特殊文字コードテーブルに基づき前記メールデータを復号化する文字変換手段と、前記復号化されたメールデータを該端末画面に表示する表示手段と、を備えたことを特徴とする特殊文字処理機能を備えた携帯電話端末。
【請求項10】 電子メール機能を有する、PHS端末を含む携帯電話端末が、該端末に設定された規格と異なる特殊文字コードテーブルを有する携帯電話端末へメールデータを送信する特殊文字処理機能を備えた携帯電話端末において、特殊文字を含むメールデータを入力する入力手段と、一又は複数種の特殊文字コードテーブルを格納する格納手段と、前記格納手段から送信先の特殊文字コードテーブルに該当する一又は複数を選択する選択手段と、前記選択された特殊文字コードテーブルに基づき前記入力されたメールデータを符号化する文字変換手段と、前記符号化されたメールデータを記憶する記憶手段と、前記記憶されたメールデータを送信する送信手段と、を備えたことを特徴とする特殊文字処理機能を備えた携帯電話端末。
【請求項11】 前記携帯電話端末内に対応する規格の特殊文字コードテーブルが格納されていないことを判断する手段と、該判断手段からの信号に基づいて前記対応特殊文字コードテーブルを外部から取得して格納手段に格納する取得手段とを備えたことを特徴とする請求項9若しくは10記載の特殊文字処理機能を備えた携帯電話端末。
【請求項12】 前記識別手段は、端末のメールアドレスにより対応する特殊文字コードテーブルを識別することを特徴とする請求項9若しくは10記載の特殊文字処理機能を備えた携帯電話端末。
【請求項13】 前記識別手段は、メールデータに付加された特殊文字コード識別信号により識別することを特徴とする請求項9若しくは10記載の特殊文字処理機能を備えた携帯電話端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2003−67302(P2003−67302A)
【公開日】平成15年3月7日(2003.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−257702(P2001−257702)
【出願日】平成13年8月28日(2001.8.28)
【出願人】(591210851)日立アプリケーションシステムズ株式会社 (1)
【Fターム(参考)】