説明

現像剤容器、現像装置、及びプロセスカートリッジ

【課題】簡易で小型化に対応し易い構成にて良好に現像剤を搬送することのできる現像剤容器、現像装置、及びプロセスカートリッジを提供する。
【解決手段】現像室18bと、現像剤が通過する開口部18cが設けられた隔壁26によって現像室と隔てられ下方に配置され現像室に供給する現像剤を収納する現像剤収納室18aと、回転することによって現像剤収納室から現像室へと現像剤を供給する搬送部材22と、を有する現像装置は、搬送部材に接触して搬送部材の回転に伴って搬送部材の有する弾性力に抗して付勢して変形させる、開口部18cよりも下方に配置された変形部18a2と、搬送部材の回転に伴って変形部による付勢が開放された搬送部材が、上記弾性力により復元する方向に変形することを許す、搬送部材の回転方向において変形部よりも下流側且つ前記開口よりも上流側に配置された復元部18a4と、を現像剤収納室内に有する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像剤容器、現像装置、及び、電子写真画像形成装置に着脱可能なプロセスカートリッジに関するものである。
【0002】
ここで、電子写真画像形成装置(以下、単に「画像形成装置」ともいう)とは、電子写真画像形成方式を用いて記録材(記録媒体)に画像を形成するものである。画像形成装置の例としては、複写機、プリンタ(レーザービームプリンタ、LEDプリンタ等)、ファクシミリ装置、ワードプロセッサ、及び、これらの複合機(マルチファンクションプリンタ)などが含まれる。
【背景技術】
【0003】
電子写真画像形成方式(電子写真プロセス)を用いたプリンタ等の画像形成装置では、像担持体としての電子写真感光体(以下、「感光体」という)を一様に帯電させる。次いで、帯電した感光体を選択的に露光することによって、感光体上に静電像を形成する。次いで、感光体上に形成された静電像を、現像剤のトナーでトナー像として顕像化する。そして、感光体上に形成されたトナー像を、記録用紙、プラスチックシート等の記録材に転写し、更に記録材上に転写されたトナー像に熱や圧力を加えることでトナー像を記録材に定着させることで画像記録を行う。
【0004】
このような画像形成装置は、一般に、現像剤の補給や各種のプロセス手段のメンテナンスを必要とする。この現像剤の補給作業や各種のプロセス手段のメンテナンスを容易にするために、感光体、帯電手段、現像手段、クリーニング手段等を枠体内にまとめてカートリッジ化し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジとすることが実用化されている。プロセスカートリッジ方式によれば、ユーザビリティーに優れた画像形成装置を提供することができる。
【0005】
又、近年、複数色の現像剤を用いてカラー画像を形成するカラー画像形成装置が普及してきている。カラー画像形成装置としては、複数色の現像剤を用いた画像形成動作のそれぞれに対応する感光体を、トナー像が転写される被転写体の表面移動方向に沿って一列に配置した、所謂、インライン方式の画像形成装置が知られている。インライン方式のカラー画像形成装置には、複数の感光体が鉛直方向(重力方向)と交差する方向(例えば水平方向)に一列に配置されたものがある。インライン方式は、画像形成速度の高速化やマルチファンクションプリンタへの展開などの要望に対応し易いなどの点で好ましい画像形成方式である。
【0006】
又、複数の感光体を鉛直方向と交差する方向に一列に配置したインライン方式の画像形成装置として、複数の感光体を、被転写体としての中間転写体、又は被転写体としての記録材を搬送する記録材担持体の下方に配置したものがある(特許文献1参照)。
【0007】
感光体を中間転写体や記録材担持体の下方に配置する場合、画像形成装置本体内において中間転写体や記録材担持体を間に挟む態様で、例えば定着装置と現像装置(或いは露光装置)とを離れた位置に配置することができる。そのため、現像装置(或いは露光装置)が定着装置の熱の影響を受け難いなどの利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−173083号公報
【特許文献2】特許第3111885号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
例えば、上述のように感光体を中間転写体又は記録材担持体の下方に配置するような場合に、現像装置において、重力に反して現像剤を搬送する必要が生じることがある。
【0010】
即ち、現像装置は、一般に、感光体に現像剤を供給する現像剤担持体や、現像剤担持体に現像剤を供給する現像剤供給部材などが設けられた現像室と、この現像室に供給する現像剤を収納する現像剤収納室とを有する。そして、現像室よりも下方に位置する現像剤収納室から、現像室へと、重力に反して現像剤を供給する必要が生じることがある。
【0011】
ここで、特許文献1には、現像剤収納室から、その上方に配置された現像室へと現像剤を搬送する手段として、現像剤収納室内の現像剤を撹拌する撹拌部材の先端に、可撓性のシート部材で形成された搬送部材を貼り付ける方法が開示されている。しかしながら、特許文献1に記載の方法では、撹拌部材の回転半径方向外側の端部に取り付けられた搬送部材により、現像剤を保持したまま現像剤収納室に送り込むようになっているため、現像剤収納室の小型化が困難である。又、この方法では、現像剤を搬送するための構成が比較的複雑である。又、供給ローラの下方にトナー受け部材が設けられているため、トナー受け部材と供給ローラとの隙間で現像剤がパッキングしないようにする必要がある。
【0012】
従って、本発明の目的は、重力に反して現像剤を搬送する構成を有する場合に、より簡易で小型化に対応し易い構成にて良好に現像剤を搬送することができる現像剤容器、現像装置、及びプロセスカートリッジを提供することである。
【0013】
又、本発明の他の目的は、現像剤供給ローラとその下方に設けられた隔壁との間で現像剤を撹拌し、その現像剤を現像剤供給ローラへ供給することができる撹拌部を有する現像装置、及びプロセスカートリッジを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記目的を達成するための本発明に係る代表的な構成は、画像形成装置に用いられる現像剤容器において、その上方に開口部を有し、前記開口部へ供給するための現像剤を収納する現像剤収納室と、前記現像剤収納室に設けられ、弾性を有し、回転することによって前記現像剤を搬送する搬送部材と、前記搬送部材と接触するように、前記現像剤収納室に設けられ、前記搬送部材の回転に伴って前記搬送部材を前記弾性に抗して変形させる変形部と、前記搬送部材と接触しないように、前記現像剤収納室に設けられ、前記搬送部材上の前記現像剤を前記開口部へ飛翔させるために、前記変形部によって変形した前記搬送部材を前記弾性により復元させる復元部と、を有し、前記変形部と前記復元部の境界部は、前記開口部の下端よりも下方に設けられていることを特徴とする。
【0015】
又、前記目的を達成するための本発明に係る他の代表的な構成は、画像形成装置に用いられる現像装置において、現像剤を担持する回転可能な現像ローラと、前記現像ローラに前記現像剤を供給する回転可能な現像剤供給ローラと、前記現像剤供給ローラの下方に設けられた隔壁と、前記現像剤を通過させるための撹拌開口部を有し、前記現像剤供給ローラと前記隔壁との間に設けられ、前記撹拌開口部が前記現像剤供給ローラへ近づく動作と、前記撹拌開口部が前記現像剤供給ローラから遠ざかる動作と、を有するように揺動することにより、前記現像剤を撹拌する撹拌部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、重力に反して現像剤を搬送する構成を有する場合に、より簡易で小型化に対応し易い構成にて良好に現像剤を搬送することができる。
【0017】
又、他の本発明によれば、現像剤供給ローラとその下方に設けられた隔壁との間で現像剤を撹拌し、その現像剤を現像剤供給ローラへ供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一実施例の断面図である。
【図2】本発明に係るプロセスカートリッジの一実施例の断面図である。
【図3】本発明に係るプロセスカートリッジの一実施例の断面図である。
【図4】本発明に係るプロセスカートリッジの一実施例におけるトナー搬送部材の長手方向の構成図である。
【図5】現像室におけるトナーの撹拌状態を説明するための本発明に係るプロセスカートリッジの一実施例の部分断面図である。
【図6】本発明に係るプロセスカートリッジの一実施例における撹拌部材の正面図である。
【図7】本発明に係るプロセスカートリッジの他の実施例の断面図である。
【図8】トナーの搬送状態を説明するための本発明に係るプロセスカートリッジの一実施例の断面図である。
【図9】本発明に係るプロセスカートリッジの他の実施例の断面図である。
【図10】図9のプロセスカートリッジが備えるトナー搬送部材の部分拡大斜視図である。
【図11】本発明に係るプロセスカートリッジの更に他の実施例の断面図である。
【図12】本発明に係るプロセスカートリッジの更に他の実施例の部分断面図である。
【図13】本発明に係るプロセスカートリッジの更に他の実施例の部分断面図である。
【図14】本発明に係るプロセスカートリッジの更に他の実施例における撹拌部の側面図である。
【図15】本発明に係るプロセスカートリッジの更に他の実施例における撹拌規制部を示す分解斜視図である。
【図16】図15と同様の図であり撹拌規制部を取り除いた状態を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る現像剤容器、現像装置、及びプロセスカートリッジを図面に則して説明する。
【0020】
実施例1
[電子写真画像形成装置]
先ず、本発明に係る電子写真画像形成装置(画像形成装置)の一実施例の全体構成について説明する。図1は、本実施例の画像形成装置100の断面図である。本実施例の画像形成装置100は、インライン方式、中間転写方式を採用したフルカラーレーザービームプリンタである。画像形成装置100は、画像情報に従って、記録材(例えば、記録用紙、プラスチックシート、布など)にフルカラー画像を形成することができる。画像情報は、画像形成装置本体に接続された画像読み取り装置、或いは画像形成装置本体に通信可能に接続されたパーソナルコンピュータ等のホスト機器から、画像形成装置本体に入力される。
【0021】
画像形成装置100は、複数の画像形成部として、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を形成するための第1、第2、第3、第4の画像形成部SY、SM、SC、SKを有する。本実施例では、第1〜第4の画像形成部SY、SM、SC、SKは、鉛直方向と交差する方向に一列に配置されている。
【0022】
尚、本実施例では、第1〜第4の画像形成部の構成及び動作は、形成する画像の色が異なることを除いて実質的に同じである。従って、以下、特に区別を要しない場合は、いずれかの色用に設けられた要素であることを表すために符号に与えた添え字Y、M、C、Kは省略して、総括的に説明する。
【0023】
本実施例では、画像形成装置100は、複数の像担持体として、鉛直方向と交差する方向に並設された4個のドラム型の電子写真感光体、即ち、感光体ドラム1を有する。感光体ドラム1は、図示矢印A方向(時計方向)に図示しない駆動手段(駆動源)により回転駆動される。感光体ドラム1の周囲には帯電ローラ2及びスキャナユニット(露光装置)3が配置されている。ここで、帯電ローラ2は、感光体ドラム1の表面を均一に帯電する帯電手段である。そして、スキャナユニット(露光装置)3は、画像情報に基づきレーザーを照射して感光体ドラム1上に静電像(静電潜像)を形成する露光手段である。又、感光体ドラム1の周囲には、現像ユニット(現像装置)4及びクリーニング部材6が配置されている。ここで、現像ユニット4は、静電像をトナー像として現像する現像手段である。又、クリーニング部材6は、転写後の感光体ドラム1の表面に残ったトナー(転写残トナー)を除去するクリーニング手段である。更に、4個の感光体ドラム1に対向して、感光体ドラム1上のトナー像を記録材12に転写するための中間転写体としての中間転写ベルト5が配置されている。感光体ドラム1の回転方向において、帯電ローラ2による帯電位置、スキャナユニット3による露光位置、現像ユニット4による現像位置、中間転写ベルト5へのトナー像の転写位置、クリーニング部材6によるクリーニング位置は、この順番で設けられている。
【0024】
尚、本実施例では、現像ユニット4は、現像剤として非磁性一成分現像剤、即ち、トナーを用いる。又、本実施例では、現像ユニット4は、現像剤担持体としての現像ローラ(後述)を感光体ドラム1に対して接触させて反転現像を行うものである。即ち、本実施例では、現像ユニット4は、感光体ドラム1の帯電極性と同極性(本実施例では負極性)に帯電したトナーを、感光体ドラム1上で露光されることにより電荷が減衰した部分(画像部、露光部)に付着させる。これにより、感光体ドラム1上の静電像が現像される。
【0025】
本実施例では、感光体ドラム1と、感光体ドラム1に作用するプロセス手段としての帯電ローラ2、現像装置4及びクリーニング部材6とは、一体的にカートリッジ化されて、プロセスカートリッジ7を形成している。プロセスカートリッジ7は、画像形成装置本体に設けられた装着ガイド、位置決め部材などの装着手段を介して、画像形成装置100に着脱可能となっている。本実施例では、各色用のプロセスカートリッジ7は全て同一形状を有しており、各色用のプロセスカートリッジ7内には、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナーが収容されている。本実施例では、プロセスカートリッジについて説明するが、現像装置4が単独で画像形成装置本体に着脱可能な構成としても良い。
【0026】
中間転写体としての無端状のベルトで形成された中間転写ベルト5は、全ての感光体ドラム1に当接し、図示矢印B方向(反時計方向)に循環移動(回転)する。中間転写ベルト5は、複数の支持部材(駆動ローラ51、二次転写対向ローラ52、従動ローラ53)に掛け渡されている。
【0027】
中間転写ベルト5の内周面側には、各感光体ドラム1に対向するように、一次転写手段としての、4個の一次転写ローラ8が並設されている。一次転写ローラ8は、中間転写ベルト5を感光体ドラム1に向けて押圧し、中間転写ベルト5と感光体ドラム1とが接触する一次転写部N1にニップ(一次転写ニップ)を形成する。そして、一次転写ローラ8に、図示しない一次転写バイアス印加手段としての一次転写バイアス電源(高圧電源)から、トナーの正規の帯電極性とは逆極性のバイアスが印加される。これによって、感光体ドラム1上のトナー像が中間転写ベルト5上に転写(一次転写)される。
【0028】
又、中間転写ベルト5の外周面側において二次転写対向ローラ52に対向する位置には、二次転写手段としての二次転写ローラ9が配置されている。二次転写ローラ9は中間転写ベルト5を介して二次転写対向ローラ52に圧接し、中間転写ベルト5と二次転写ローラ9とが接触する二次転写部N2にニップ(二次転写ニップ)を形成する。そして、二次転写ローラ9に、図示しない二次転写バイアス印加手段としての二次転写バイアス電源(高圧電源)から、トナーの正規の帯電極性とは逆極性のバイアスが印加される。これによって、中間転写ベルト5上のトナー像が記録材12に転写(二次転写)される。一次転写ローラ8と二次転写ローラ9とは同様の構成を有する。
【0029】
画像形成時には、先ず、感光体ドラム1の表面が帯電ローラ2によって一様に帯電される。次いで、スキャナユニット3から発された画像情報に応じたレーザー光によって、帯電した感光体ドラム1の表面が走査露光され、感光体ドラム1上に画像情報に従った静電像が形成される。次いで、感光体ドラム1上に形成された静電像は、現像ユニット4によってトナー像として現像される。感光体ドラム1上に形成されたトナー像は、一次転写ローラ8の作用によって中間転写ベルト5上に転写(一次転写)される。
【0030】
例えば、フルカラー画像の形成時には、上述のプロセスが、第1〜第4の画像形成部SY、SM、SC、SKにおいて順次に行われ、中間転写ベルト5上に各色のトナー像が順次に重ね合わせて一次転写される。
【0031】
その後、中間転写ベルト5の移動と同期が取られて記録材12が二次転写部N2へと搬送される。そして、記録材12を介して中間転写ベルト5に当接している二次転写ローラ9の作用によって、中間転写ベルト5上の4色トナー像は、一括して記録材12上に二次転写される。
【0032】
トナー像が転写された記録材12は、定着手段としての定着装置10に搬送される。定着装置10において記録材12に熱及び圧力を加えられることで、記録材12にトナー像が定着される。
【0033】
又、一次転写工程後に感光体ドラム1上に残留した一次転写残トナーは、クリーニング部材6によって除去され、除去トナー室(後述)に回収される。又、二次転写工程後に中間転写ベルト5上に残留した二次転写残トナーは、中間転写ベルトクリーニング装置11によって清掃される。
【0034】
尚、画像形成装置100は、所望の単独又はいくつか(全てではない)の画像形成部のみを用いて、単色又はマルチカラーの画像を形成することもできるようになっている。
【0035】
[プロセスカートリッジ]
次に、本実施例の画像形成装置100に装着されるプロセスカートリッジ7の全体構成について説明する。図2は、感光体ドラム1の長手方向(回転軸線方向)に沿って見た本実施例のプロセスカートリッジ7の断面(主断面)図である。尚、本実施例では、収容している現像剤の種類(色)を除いて、各色用のプロセスカートリッジ7の構成及び動作は実質的に同一である。
【0036】
プロセスカートリッジ7は、感光体ドラム1等を備えた感光体ユニット13と、現像ローラ17等を備えた現像ユニット4とを有する。
【0037】
感光体ユニット13は、感光体ユニット13内の各種要素を支持する枠体としてのクリーニング枠体14を有する。クリーニング枠体14には、図示しない軸受を介して感光体ドラム1が回転可能に取り付けられている。感光体ドラム1は、図示しない駆動手段(駆動源)としての駆動モータの駆動力を受けることによって、画像形成動作に応じて図示矢印A方向(時計方向)に回転駆動される。
【0038】
又、感光体ユニット13には、感光体ドラム1の周面上に接触するように、帯電ローラ2、クリーニング部材6が配置されている。又、クリーニング部材6によって感光体ドラム1の表面から除去された転写残トナーを収容する除去トナー室14aが、クリーニング枠体14内に形成されている。クリーニング部材6によって感光体ドラム1の表面から除去された転写残トナーは、除去トナー室14a内に落下するように構成されている。
【0039】
又、クリーニング枠体14には、帯電ローラ軸受15が取り付けられている。ここで、帯電ローラ軸受15は、帯電ローラ2の回転中心と感光体ドラム1の回転中心とを通る線に沿って、図示矢印C方向に移動可能に取り付けられている。帯電ローラ2の回転軸2aは、帯電ローラ軸受15に回転可能に取り付けられている。そして、帯電ローラ軸受15は、付勢手段としての帯電ローラ加圧バネ16により感光体ドラム1に向かって付勢される。
【0040】
一方、現像ユニット4は、現像ユニット4内の各種要素を支持する枠体としての現像枠体18を有する。現像ユニット4には、感光体ドラム1と接触して図示矢印D方向(反時計方向)に回転する現像剤担持体としての現像ローラ17が設けられている。本実施例では、現像ローラ14と感光体ドラム1とは、対向部(接触部)において互いの表面が同方向(本実施例では下から上に向かう方向)に移動するようにそれぞれ回転する。現像ローラ17は、その長手方向(回転軸線方向)の両端部において、現像側板19(19R、19L)を介して、回転可能に現像枠体18に支持されている。ここで、現像側板19(19R、19L)は、現像枠体18の両側部にそれぞれ取り付けられている。尚、本実施例では、現像ローラ17は感光体ドラム1に接触して配置されているが、現像ローラ17は、感光体ドラム1に対して所定間隔を開けて近接配置される構成であってもよい。
【0041】
又、現像ユニット4には、図示矢印E方向(反時計方向)に回転する現像剤供給部材としての現像剤供給ローラ(以下、単に「供給ローラ」という。)20が配置されている。ここで、供給ローラ20は、現像ローラ17の周面上に接触する。本実施例では、供給ローラ20と現像ローラ17とは、対向部(接触部)において互いの表面が逆方向に移動するようにそれぞれ回転する。供給ローラ20は、現像ローラ17上にトナーを供給すると共に、現像に供されずに現像ローラ17上に残留したトナーを現像ローラ17上から剥ぎ取る作用をなす。又、現像ユニット4には、供給ローラ20によって現像ローラ17上に供給されたトナーの層厚を規制する現像剤規制部材としての現像ブレード21が配置されている。ここで、現像ブレード21は現像ローラ17の周面上に接触する。
【0042】
現像枠体18内に形成された現像剤収納室としてのトナー収納室18aには、現像剤として非磁性一成分現像剤、即ち、トナーが収納されている。又、トナー収納室18a内には、現像枠体18に回転自在に支持されたトナー搬送部材22が設けられている。トナー搬送部材22は、詳しくは後述するように、トナー収納室18a内に収納されたトナーを撹拌すると共に、上記現像ローラ17や供給ローラ20が設けられた現像室18bへとトナーを搬送する。尚、本実施例は、トナー収納室18a及びトナー搬送部材22だけを有し、装置本体に着脱可能な現像剤容器(トナーカートリッジ)として構成したものにも適用できる。
【0043】
そして、現像ユニット4は、現像側板19(19R、19L)に設けられた、穴部19a(19Ra、19La)に嵌合する結合軸23(23R、23L)を中心にして、感光体ユニット13に揺動可能に結合されている。画像形成時には、現像ユニット4は、付勢手段としての現像ユニット加圧バネ24により付勢されて、結合軸23を中心に図示矢印F方向(時計方向)に回動する。これによって、現像ローラ17が感光体ドラム1に当接する。
【0044】
[トナー搬送構成]
次に、本実施例におけるプロセスカートリッジ7の現像ユニット4におけるトナー搬送構成について詳しく説明する。
【0045】
尚、本明細書において、現像ユニット(現像装置)或いはプロセスカートリッジの構成や動作について、上、下、垂直、水平といった方向を表す用語は、特に断りのない場合は、それらの通常の使用状態において見た時の方向を表す。つまり、現像ユニット(現像装置)或いはプロセスカートリッジの通常の使用状態は、適正に配置された画像形成装置本体に対して適正に装着され、画像形成動作に供し得る状態である。
【0046】
図3はトナーの搬送状態を説明するためのプロセスカートリッジ7の概略断面図である。
【0047】
現像ユニット4は、現像室18bとトナー収納室18aとを有する。現像室18bには、現像ローラ17、供給ローラ20及び現像ブレード21などが収容されている。トナー収納室18aには、現像室18bに供給されるトナーが収納されると共に、現像室18bにトナーを供給するトナー搬送部材(シート部材)22が設けられている。そして、トナー収納室18aは、現像室18bよりも鉛直方向下方に配置されている。従って、トナー収納室18aから現像室18bへと重力に反してトナーを搬送する必要がある。
【0048】
前述のように、従来、重力に反してトナーを搬送する構成を有する場合に、簡易で小型化に対応し易い構成にて効率良く良好なトナーの搬送性を得ることは難しかった。現像ローラ17や供給ローラ20が設けられた現像室18bへのトナー供給不良が発生すると、画像白抜け(出力画像上で局所的にトナーが載らずに抜け落ちる現象)等の画像不具合の発生に繋がる。
【0049】
従って、本実施例の目的の1つは、重力に反してトナーを搬送する構成を有する場合に、簡便で、低コスト化、小型化が容易な構成にて、トナー供給不良による画像白抜け等の画像不具合を抑制することである。
【0050】
そこで、本実施例では、現像ユニット4は、次の構成を有している。即ち、現像ユニット4は、現像枠体18内に形成された、現像室18b及びトナー収納室18aを有する。現像室18bには、現像ローラ17及び供給ローラ20が設けられている。又、トナー収納室18aは、現像室18bの下方に配置されている。ここで、トナー収納室18aは、現像室18bに供給するトナーを収納する。現像室18bとトナー収納室18aとの間には、トナーが通過するための開口部18cを有する隔壁26が設けられている。ここで、開口部18cは、トナー収納室18aの上方に設けられている。又、トナー収納室18a内には、現像室18bにトナーを供給するための弾性を有するトナー搬送部材22が回転可能に設けられている。
【0051】
そして、トナー収納室18aには、開口部18cの下方に、トナー搬送部材22と当接する変形部としてのガイド部18a2が設けられている。トナー搬送部材22は、その回転に伴って、ガイド部18a2に当接する。これによって、トナー搬送部材22がガイド部18a2から力を受ける。その結果、トナー搬送部材22の有する弾性力に抗してトナー搬送部材22が変形する。又、トナー搬送部材22は、ガイド部18a2に接触した状態で回転することで、その回転方向下流側の表面上にトナーを担持した状態で搬送する。本実施例では、ガイド部18a2は、図3に示すように、トナー収納室18aの内壁のうち直線状の部分であって、トナー搬送部材22が離れる点pまでの箇所を指す。又、トナー収納室18aには、トナー搬送部材22の回転方向においてガイド部18a2よりも下流側、且つ、開口部18cよりも上流側において、復元部18a4が設けられている。ここで、復元部18a4は、トナー搬送部材22とトナー収納室18aの内壁との接触を開放するための部分である。本実施例では、復元部18a4は、トナー収納室18aの内壁のうち点pから開口部18cまでの箇所を指す。又、復元部18a4は、トナー搬送部材22の回転軸を含む水平面よりも上方に配置されている。言い換えると、境界部18a3が、トナー搬送部材22の回転中心を通る水平面と同じ高さか、前記水平面よりも上方に設けられている。
【0052】
従って、トナー搬送部材22の回転に伴ってトナー搬送部材22の自由端側(トナー収納室18aの内壁側)の先端がガイド部18a2を通過した後に、トナー搬送部材22のトナー収納室18aの内壁との当接が開放される。すると、トナー搬送部材22は、ガイド部18a2によって変形していた状態から開放されて、それ自体の弾性復元力によって自然状態(元の形状)へと復元する。このトナー搬送部材22の復元方向への形状変化によって、トナー搬送部材22上に担持されて搬送されていたトナーは、開口部18cへ向けて重力に反して飛翔する。この開口部18cは、復元部18a4よりもトナー搬送部材22の回転方向下流側に位置する。
【0053】
ここで、点pは、ガイド部18a2と復元部18a4との間の境界部18a3である。そして、この境界部18a3は、開口部18cの下端18c1(即ち、開口部18cの最下点)よりも下方に設けられている。そして、トナー搬送部材22は、境界部18a3から離れる際には、その弾性による復元によって開口部18cの周辺と接触可能な位置まで回転している。従って、トナー搬送部材22が境界部18a3から離れた瞬間に、トナー搬送部材22はその弾性力でもって開口部18cの周辺に突き当たる。これにより、トナーを確実に開口部18cへ飛翔させることができる。
【0054】
又、境界部18a3は、トナー搬送部材22の回転中心を通る水平面よりも上方に設けられている。
【0055】
これにより、より簡易で小型化にも対応し易い構成にて、効率よく良好に重力に反してトナーを搬送することができる。以下、更に詳しく説明する。
【0056】
現像枠体18は、現像室18bとトナー収納室18aとを隔てる隔壁26を有する。本実施例では、隔壁26は、水平面からの傾斜がより大きく、供給ローラ20の側方(図中左側)に位置する第1の隔壁面26aと、水平面からの傾斜がより小さく、供給ローラ20の下方に位置する第2の隔壁面26bとを有する。隔壁26が水平面に対して傾斜していることによって、現像室18b内でのトナーの搬送性が向上する。特に、隔壁26が水平面に対する傾斜の異なる第1の隔壁面26aと第2の隔壁面26bとを有していることによって、供給ローラ20と隔壁26の対向面が広く確保できる。これにより、供給ローラ20の近傍に貯留するトナー量を増加させることができ、供給ローラ20へのトナー供給を向上する効果が得られる。
【0057】
供給ローラ20を挟んで供給ローラ20と現像ローラ17との当接部aの反対側に位置する第1の隔壁面26aに、開口部18cが設けられている。この開口部18cを介して、トナー収納室18a内のトナーが、現像室18bに搬送される。ここで、本実施例では、供給ローラ20は、開口部18cとの対向部において表面が上方から下方へ移動する方向に回転する。即ち、供給ローラ20は、開口部18cから現像室18bに供給されたトナーを、隔壁26に沿って下方に向けて取り込むように回転する。又、開口部18cの下端18c1は、供給ローラ20の下端bよりも上方に配置される。これにより、現像室18bに収納されるトナーの剤面(集合としてのトナーの表面)は、開口部18cの下端18c1に依存する。従って、トナーの剤面が供給ローラ20の下端よりも上方になる。そのため、供給ローラ20の表面とトナーとの接触面積が増加し、供給ローラ20へのトナー供給を向上する効果が得られる。
【0058】
トナー収納室18a内には、トナーを現像室18bへ搬送するためのトナー搬送部材22が回転可能に設けられている。トナー搬送部材22は、その長手方向(回転軸線方向)の両端部において、トナー収納室18aを形成する現像枠体18に回転可能に支持されている。そして、トナー搬送部材22は、図示しない駆動手段(駆動源)により図示矢印G方向(時計方向)に回転駆動される。
【0059】
トナー搬送部材22は、トナーを搬送するための搬送部としての可撓性を有するシート部22aと、シート部22aが取り付けられると共に回転駆動力を受けるための搬送支持軸(回転軸)22bとを有している。搬送支持軸22bは、感光体ドラム1、現像スリーブ17及び供給ローラ20の長手方向(回転軸線方向)と略平行に、トナー収納室18aの長手方向の全域にわたって配置されている。シート部22aは、搬送支持軸22bの長手方向(回転軸線方向)の略全域にわたって延在する連続したシート(板状部材)である。そして、シート部22aは、搬送支持軸22bの長手方向と略直交する方向(回転半径方向,短手方向)の一端部において搬送支持軸22bに取り付けられている。
【0060】
シート部22aは、例えば、ポリエステルフィルム、ポリフェニレンスルフィドフィルム、ポリカーボネートフィルムなどの可撓性の樹脂製シートを用いて好適に作製することができる。シート部22aの厚みは、50μm〜250μmが好適である。
【0061】
トナー搬送部材22の回転中心からシート部22aの自由端22a1までの長さL1は、トナー搬送部材22の回転中心からトナー収納室18aの内壁18a1までの直線距離L2よりも大きく設定されている。ここで、上記長さL1は、シート部22aが変形されていない自然状態におけるトナー搬送部材22の回転半径の最大値に相当する。上記長さL2は、前記回転中心からシート部22aと接触するトナー収納室18aの内壁18a1までの直線距離の最大値である。又、上記長さL1は、前記回転中心から開口部18cの下端18c1(即ち、開口部18cの最下点)までの直線距離L3よりも大きく設定されている。これにより、トナーをより確実に開口部18cへ送ることができる。又、前記回転中心からガイド部18a2までの直線距離L4は、前記回転中心から内壁18a1までの直線距離の最大値である上記長さL2よりも小さく設定されている。即ち、本実施例では、上記長さL1、L2、L3、L4は、次の関係を満たす。
L1>L2 ・・・(1)
L1>L3 ・・・(2)
L2>L4 ・・・(3)
【0062】
上記式(1)のL1>L2の関係を満たすことにより、シート部22aは、トナー収納室18aの内壁18a1に当接して、その回転に伴って大きく撓む。そして、次の領域内のシート部22a上に溜められたトナーが、トナー搬送部材22の回転によって搬送される。即ち、搬送されるトナーは、撓んでいないシート部22aの表面を示す仮想線と、撓んだ状態のシート部22aと、トナー収納室18aの内壁18a1とで規定されるくさび形の領域27内のシート部22a上のトナーである。
【0063】
又、上記式(3)のL2>L4の関係を満たす事により、シート部22aは、ガイド部18a2に当接して撓む。そして、次の領域内のシート部22a上に溜まったトナーが、現像室18bへ搬送される。即ち、搬送されるトナーは、撓んでいないシート部22aの表面を示す仮想線と、ガイド部18a2に当接して撓んだ状態のシート部22aの表面と、シート部22aの先端22a1の移動軌跡の仮想線とによって規定されるくさび形の領域27a内のシート部22a上のトナーである。
【0064】
又、トナー収納室18aには、トナー搬送部材22の回転方向Gにおいて、ガイド部18a2よりも下流側、且つ、開口部18cの上端18c2よりも上流側に、シート部22aの自由端側の先端22a1が接触しない復元部18a4が形成されている。復元部18a4は、シート部22aと接触しないトナー収納室18aの内壁の一部によって形成されている。復元部18a4は、前述した境界部18a3(点p)の上方(若しくは回転方向Gの下流側)に位置する。ここで、変形していない自然状態におけるシート部22aの自由端側の先端22a1の回転軌跡である仮想円と、ガイド部18a2を形成するトナー収納室18aの内壁との交点をqとする。その時、点pは交点qよりも下方(若しくは回転方向Gの上流側)に位置する。これは、シート部22aがトナー収納室18aの内壁との摩擦及びトナーの重さにより撓むため、シート部22aが内壁から離れる場所は点qよりも回転方向Gの上流側になるからである。そして、境界部(点p)が開口部18cの下端18c1よりも下方になるようにガイド部18a2が形成されている。復元部18a4では、シート部22aの自由端側の先端22a1はトナー収納室18aの内壁に接触しない。
【0065】
トナー搬送部材22が回転して、シート部22aの自由端側の先端22a1が、トナー搬送部材22の回転方向Gにてガイド部18a2を通過する際に、シート部22aの変形が開放される。このように、ガイド部18a2と開口部18cとの間で弾性を有するシート部22aの変形が開放されると、シート部22aには変形される前の自然状態に戻ろうとする弾性復元力が発生する。このシート部22aの弾性復元力によって、シート部22a上のトナーは、図3に示す矢印H方向、即ち、隔壁26に形成された開口部18cに向かう方向へ跳ね上がる。
【0066】
ここで、上記式(2)のL1>L3の関係を満たすことにより、開口部18cに対して、シート部22aは次のようにして動作する。即ち、この場合、シート部22aの変形が開放されて自然状態になったシート部22aの自由端側の先端22a1は、シート部22aが開口部18cに達した時に、開口部18cの下端18c1よりも上方に位置する。これにより、シート部22aの変形が開放された際に、シート部22aの自由端側に溜まっているトナーを現像室18bへ安定して搬送することができる。このようにして、十分な量のトナーを供給ローラ20へ供給することができ、トナー供給不足による白抜け等の画像不具合を抑制することができる。但し、上記式(2)のL1>L3は、トナーを現像室18bに効率良く良好に搬送するための一手段であり、シート部22aの弾性復元力でトナーを跳ね上げる本構成において必須条件ではない。
【0067】
更に、上記式(3)のL2>L4の関係を満たすことにより、ガイド部18a2を通過する時におけるシート部22aの変形量を大きくして、トナーの跳ね上げをより良好に行うことができる。
【0068】
図4は、図3に示す矢印V方向から見たトナー搬送部材22の長手方向の構成図である。好ましくは、シート部22aの長手方向の長さMは、開口部18cの長手方向の長さNよりも長い。
【0069】
尚、本実施例によれば、トナー搬送部材22の自由端22a1が境界部18a3(点p)に接触している状態において、前記自由端22a1におけるトナー搬送部材22の回転方向下流側へ延びた法線(図3の矢印J)が、前記自由端22a1から上方に延びた鉛直面を基準として開口部18cが設けられた側とは反対側に位置するように構成している。これによって、トナーを飛翔させる直前まで、トナー搬送部材22上により多くのトナーを保持することができる。そのため、開口部18cにトナーを効率良く供給することができる。
【0070】
上述のように、本実施例によれば、トナー搬送部材22は、実質的にシート部22aとそれを支持する搬送支持軸22bとから成る簡易な構成である。そのため、トナーを上方へ搬送する手段として、例えばスクリューなどを用いる構成に比べて、より安価な構成である。
【0071】
又、本実施例によれば、トナー搬送部材22に弾性を有するシート部22aを用いるため、トナーはシート部22aの弾性復元力により跳ね上げられる。このため、例えば撹拌部材等がトナーを保持したまま現像室18bへ搬送するような構成に比べて、トナー収納室18aを小型化することできる。又、トナー収納室18aの小型化に伴い、現像装置4、プロセスカートリッジ7及び画像形成装置100を小型化することができる。
【0072】
又、本実施例によれば、重力に反して良好にトナーを搬送できるので、例えば中間転写ベルト5の鉛直方向下方にプロセスカートリッジ7を配置する構成などを実現することが可能である。これにより、例えば、スキャナユニット3と定着装置10とを離れた場所に配置することが可能であり、定着装置10の熱がスキャナユニット3に及ぼす影響を低減することができる。又、定着装置10の熱がスキャナユニット3に及ぼす影響を低減するための空間を廃除するか又は減少させることができる。これにより、例えば画像形成装置100の高さを抑えるなど、画像形成装置100の小型化を図ることができる。又、定着装置10を、現像装置4及びプロセスカートリッジ7に対し、中間転写ベルト5を挟んで上方の離れた位置に配置することができる。このため、定着装置10の熱が現像装置4及びプロセスカートリッジ7に与える影響を低減することができる。定着装置10の熱が現像装置4又はプロセスカートリッジ7に与える影響を低減するための空間を排除するか又は減少させることができる。これにより、例えば画像形成装置100の高さを抑えるなど、画像形成装置100の小型化を図ることができる。
【0073】
[現像室撹拌構成]
次に、現像室18bにおけるトナーの撹拌構成について説明する。図5(a)〜図5(d)は現像室18bにおけるトナーの撹拌構成を説明するための現像室18bの近傍の部分断面図である。
【0074】
現像室18a内でのトナーの流動・循環に関しては、現像剤担持体としての現像ローラ17や、現像ローラ17へトナーを供給する現像剤供給部材としての供給ローラ20の近傍に撹拌部材を配置している。これにより、トナーのパッキング、即ち、必要以上に密にトナーが詰まることを抑制し、現像ローラ17へのトナー供給、現像ローラ17上のトナー規制の安定化を図ることができる。
【0075】
現像ローラ17及び供給ローラ20の周囲において、トナーの循環を促進して、トナーのパッキングを抑制し、現像ローラ17へのトナー供給を安定して行うことにより、画像を向上させることができる。これに反して、現像ローラ17へのトナー供給が不安定化すると、画像ムラ等の画像不具合が発生することがある。
【0076】
従って、本実施例の目的の1つは、現像ローラ17等の周囲のトナーを良好に循環させて、トナー供給不良による画像ムラ等の画像不具合を抑制することである。
【0077】
そこで、本実施例では、現像ユニット4は、次の構成を有している。本実施例では、現像室18b内に撹拌部材25が配置されている。撹拌部材25は、撹拌部25aと、回転部としての撹拌支持軸25bと、を有する。ここで、撹拌支持軸25bは現像室18bに回転可能に支持されている。そして、撹拌部25aは、この撹拌支持軸25bに回動可能に支持されており、撹拌支持軸25bの回転に連動して揺動する。又、撹拌支持軸25bは、供給ローラ20の回転方向において、撹拌部25aの下流側に位置する。これによって、供給ローラ20の回転方向上流側よりも下流側において、撹拌部25aの動きを大きくすることができる。撹拌部25aは、供給ローラ20と隔壁26との間に位置している。ここで、撹拌部25aには、トナーを通過させるための撹拌開口部25cが設けられている(図6)。その撹拌開口部25cが供給ローラ20へ近づく動作と、撹拌開口部25cが供給ローラ20から遠ざかる動作と、を有するように、撹拌部25aが揺動する。ここで、撹拌開口部25cが供給ローラ20へ近づく動作では、撹拌開口部25cの周辺部がトナーを供給ローラの設けられた方向へ移動させる。又、撹拌開口部25cが供給ローラ20から遠ざかる動作では、撹拌開口部25cの下方に存在するトナーが撹拌開口部25cを通じて供給ローラ20へ向けて移動する。このように、撹拌開口部25cを有する撹拌部25aが揺動することによって、トナーを撹拌しつつ、その解したトナーを供給ローラ20へ良好に供給することができる。又、撹拌部25aは、供給ローラ20の接線方向にも沿って進退する。即ち、撹拌部25aは、供給ローラ20の回転半径の円(回転軌跡)の接線方向にも沿って揺動する。更に言い換えれば、供給ローラ20の回転方向(回転軸線と交差する方向)に沿っても撹拌部25aが揺動する。撹拌部25aのこの動きによって、更にトナーを良好に撹拌することができる。
【0078】
現像室18bに搬送されたトナーは、供給ローラ20と第1の隔壁面26aとの間に形成される第1の領域eと、供給ローラ20と第2の隔壁面26bと現像ブレード21との間に形成される第2の領域fと、に収納される。即ち、現像室18bの第1の領域eは、供給ローラ20と、開口部18cよりも下方であって供給ローラ20の側方(図中左側)に位置する隔壁26の部分との間に形成される領域である。又、現像室18bの第2の領域fは、供給ローラ20と、供給ローラ20の下方に位置する隔壁26の部分と、現像ブレード21との間に形成される領域である。供給ローラ20は、第1の領域e及び第2の領域fに収納されたトナーを現像ローラ17へと供給する。
【0079】
ここで、第2の領域fには、撹拌部25aとして、現像ローラ17及び供給ローラ20の長手方向に見た時に略「く(L)」の字状の断面を有する板状部材である撹拌部25aが配置されている。即ち、本実施例では、撹拌部25aは、第1の面25gと第2の面25hと屈曲部25fとを有する。ここで、第1の面25gは、供給ローラ20の回転軸線方向に沿って延在する。又、第2の面25hは、第1の面25gに対して所定の角度をもっており、供給ローラ20の回転軸線方向に沿って延在する。即ち、第1の面25gと第2の面25hは互いに交差している。そして、屈曲部25fは、第1の面25gと第2の面25hとの間に位置しており、第1の面25gと第2の面25hとを繋いでいる。本実施例では、撹拌部25aは、供給ローラ20の回転半径方向外側に向けて凸となる方向に屈曲している。即ち、第1の面25gと第2の面25hとで構成された凹部は、供給ローラ20と対向している。又、この撹拌部25aは、樹脂材料で形成されている。
【0080】
又、第2の領域fには、撹拌支持軸25bとして、クランク軸25bが回転可能に配置されている。ここで、撹拌部25aがクランク軸25bに回動可能に支持されている。クランク軸25bは、現像ローラ17及び供給ローラ20の長手方向と略平行に、現像室18bの長手方向の全域にわたって配置されている。クランク軸25bは、その長手方向(回転軸線方向)の両端部において、現像室18bを形成する現像枠体18に回転可能に支持されている。
【0081】
尚、本実施例では撹拌部25aは樹脂材料で形成されているが、撹拌部25aは、例えば金属材料で形成されていても良い。
【0082】
撹拌部25aの短手方向の一方の端部である係合端25a1は、クランク軸25bに回転(回動)可能に係合(結合)されている。即ち、本実施例では、撹拌部材25の撹拌支持軸は、その回転中心に対する偏心位置において撹拌部材としての撹拌部25aが結合されたクランク軸25bである。そして、図5(a)〜図5(d)に示すように、クランク軸25bが図示しない駆動手段(駆動源)によって回転駆動されることで、撹拌部25aのクランク軸25bと係合していない方の一方の端部である自由端25a2が、図示矢印I方向に往復運動する。即ち、撹拌部25aは、供給ローラ20の接線方向に沿って往復運動する。
【0083】
撹拌部25aの自由端25a2は、上述のような往復運動の軌跡において、第1の領域eに侵入し、そこに貯留しているトナーに接触するように配置される。このように、本実施例では、隔壁26は、第1の隔壁面26aと第2の隔壁面26bとを有しており、撹拌部25aは、供給ローラ20と、第1及び第2の隔壁面26a、26bとの間において往復運動を行う。これにより、現像室18bに供給されたトナーが、第1の領域eにおいてパッキングして流動性が低下することを抑制することが可能となり、更に第2の領域f及び供給ローラ20へのトナーの供給を促進することができる。
【0084】
尚、本実施例では、第1の領域eに撹拌部25aが侵入する構成とした。しかし、斯かる構成に限定されるものではない。撹拌部25aの自由端25a2の往復運動によって、現像室18bにおけるトナーの循環を促進して、トナーのパッキング等を抑制できる構成であれば、撹拌部25aの自由端25a2は必ずしも第1の領域eに侵入しなくても良い。
【0085】
又、上述のような往復運動と同時に、撹拌部25aは、供給ローラ20の半径方向に沿って、供給ローラ20に対して接離する方向にも揺動する。これにより、撹拌部25aは、第2の領域fに貯留するトナーを撹拌してパッキング等を抑制すると共に、供給ローラ20に押し当てる作用をなす。ここで、図5を用いて撹拌部25aの動きを説明する。図5(a)の状態では、自由端25a2の先端部分(第一押圧部)がトナーを供給ローラ20へ押圧する。更に、図5(b)の状態では、撹拌部25aの係合端25a1側(第二押圧部)がトナーを供給ローラ20へ押圧する。更に、図5(d)の状態では、再度、自由端25a2の先端部分(第一押圧部)がトナーを供給ローラ20へ押圧する。即ち、供給ローラ20の回転方向において、撹拌部25aの異なる箇所で、トナーを供給ローラ20に押し付けている。このように、撹拌部25aが揺動することによって、供給ローラ20へのトナーの供給を促進することができる。
【0086】
クランク軸25bの回転方向はどちらの方向であっても、上述のような第1の領域eにおけるトナーのパッキングを抑制する効果、又供給ローラ20へのトナー供給を促進する効果を得ることができる。本実施例では、クランク軸25bは、図示しない駆動手段(駆動源)によって図示矢印J方向(時計方向)に回転駆動され、撹拌部25aを揺動(往復運動)させる。
【0087】
図6は撹拌部材25の正面図である。板状の形状を有する撹拌部25aは、供給ローラ20に対向する面に撹拌開口部25cが形成されている。本実施例では、撹拌部25aには撹拌開口部25c(複数の開口(貫通穴))が設けられている。従って、撹拌部25aは、撹拌開口部25cが供給ローラ20へ近づく工程と、撹拌開口部25cが供給ローラ20から遠ざかる工程と、を有するように揺動する。即ち、撹拌開口部25cを設けることにより、撹拌部25aの往復運動によって撹拌部25aの下方へトナーを押し込めることなく、撹拌開口部25cからトナーを逃がすことができる。これにより、トナーの流動性を確保し、供給ローラ20へのトナー供給を促進することができる。ここで、供給ローラ20の回転方向において、上流側の列に位置する開口を第1の開口25c1として、第1の開口25c1よりも下流側に配置された開口を第2の開口25c2とする。そして、第1の開口25c1及び第2の開口25c2を供給ローラ20の回転軸に投影させた場合に、第1の開口25c1の一部が第2の開口25c2の一部と重なっている。これにより、供給ローラ20の長手方向におけるトナーの撹拌ムラを減少させることができる。更に、クランク軸25bの回転軸と平行な方向において第2の開口25c2と並んだ開口を第3の開口25c3とする。そして、第2の開口25c2と第3の開口25c3との間の領域Rと第1の開口25c1を供給ローラ20の回転軸に投影させた場合に、領域Rは、第1の開口25c1の一部と重なっている。これによって、領域Rで画像ムラが発生するのを防止することができる。ここで、第1の開口25c1は、第2の面25hに設けられており、第2の開口25c2及び第3の開口25c3は、第1の面25gに設けられているとしたが、各開口が異なる平面に設けられていても良い。即ち、第1の開口25c1が、第1の面25gに設けられており、第2の開口25c2及び第3の開口25c3が、第2の面25hに設けられていても良い。
【0088】
本実施例によれば、撹拌部25aの自由端側が第1の領域eに侵入して往復運動をすることにより、第1の領域eのトナーが撹拌される。これにより、第1の領域eにおいてトナーがパッキングして流動性が低下することを抑制することが可能となる。又、本実施例によれば、第2の領域f及び供給ローラ20へのトナー供給を促進することができる。従って、供給ローラ20から現像ローラ17へのトナー供給が安定し、トナー供給不良による画像ムラ等の画像不具合の発生を抑制することが可能となる。
【0089】
以上説明したように、本実施例によれば、弾性を有するトナー搬送部材22がトナー収納室18aのガイド部18a2を通過した後に、トナー収納室18aの内壁とトナー搬送部材22との当接が開放される。この時に、トナーがトナー収納室18aの鉛直方向上方に配置された現像室18bに搬送される。トナーが上方に搬送されるように構成したことで、例えば中間転写ベルト5の鉛直方向下方にプロセスカートリッジ7を配置する構成などを実現することができる。これにより、前述のように、スキャナユニット3、現像装置4或いはプロセスカートリッジ7から離れた場所に定着装置10を配置することが可能になる。これによって、これらスキャナユニット3、現像装置4或いはプロセスカートリッジ7に対する定着装置10の熱の影響を低減することができる。又、スキャナユニット3、現像装置4或いはプロセスカートリッジ7に与える定着装置10の熱の影響を低減するための空間を排除するか又は減少させることができる。これにより、例えば画像形成装置100の高さを抑えるなど、画像形成装置100の小型化を図ることができる。
【0090】
本実施例によれば、トナー搬送部材22は、弾性を有するため、その弾性復元力によりトナーを跳ね上げる。このため、例えば撹拌部材等がトナーを保持したまま現像室18bへ搬送するような構成に比べて、トナー収納室18a内の大きさを小型化することできる。更に、実質的に弾性を有するトナー搬送部材22だけでトナーを搬送することができる。そのため、部品点数が少なく、簡便で安価なトナー搬送構成を実現することが可能となる。
【0091】
従って、重力に反してトナーを搬送する構成を有する場合に、簡便で、低コスト化、小型化が容易な構成にて、トナー供給不良による画像白抜け等の画像不具合を抑制することが可能となる。
【0092】
又、現像室18b内の供給ローラ20と、現像室18bとトナー収納室18aとを隔てる隔壁26と、の間に撹拌部25aを揺動可能に配設している。これにより、現像室18bに供給されたトナーを撹拌し、供給ローラ20へのトナー供給を促進することができる。従って、供給ローラ20から現像ローラ17へのトナー供給を安定させることができ、トナー供給不良による画像ムラ等の画像不具合の発生を抑制することが可能となる。
【0093】
実施例2
次に、本発明に係る他の実施例について説明する。本実施例の現像装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置の基本的な構成は、実施例1のものと同じである。従って、実施例1のものと同一又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して詳しい説明は省略する。本実施例では、ガイド部18a2がトナー収納室18aの内側に凸となる形状に形成されていることが実施例1とは異なる。
【0094】
図7は本実施例のプロセスカートリッジ7の断面図である。
【0095】
本実施例では、トナー収納室18aには、トナー搬送部材22の回転方向Gにおいて、隔壁26に形成された開口部18cよりも上流側に、ガイド部18a2が設けられている。ここで、ガイド部18a2は、トナー搬送部材22の回転に伴ってシート部22aの弾性に抗してシート部22aを変形させるためにシート部22aと接触する変形部として機能する。ガイド部18a2は、トナー搬送部材22の回転方向Gにおいて、ガイド部18a2とトナー搬送部材22の回転中心の距離が徐々に近くなるように形成されている。又、トナー搬送部材22の回転方向Gにおいて、ガイド部18a2よりも下流側、且つ、開口部18cよりも上流側に、シート部22aの自由端側の先端22a1が接触しない復元部18a4が形成されている。復元部18a4は、トナー収納室18aの内壁の一部によって形成されている。復元部18a4は、上記回転方向Gにおけるガイド部18a2の下流側端部(以下、「境界部」と称す)18a3よりも更に下流側に設けられている。又、復元部18a4は、トナー搬送部材22の回転中心からの距離が遠くなるように、トナー収納室18aの内壁に段差18a5が設けられることで形成されている。ここで、段差18a5は、トナーが落下するように、トナーの安息角よりも大きく設定している。又、復元部18a4では、シート部22aの自由端側の先端22a1はトナー収納室18aの内壁に接触しない。
【0096】
トナー搬送部材22が回転して、シート部22aの自由端側の先端22a1が、境界部18a3を通過した後に、シート部材22aとトナー収納室18aの内壁(復元部18a4)とは接触しなくなる。それによって、シート部22aの変形が開放される。このように、弾性を有するシート部22aの変形が開放されると、シート部22aには変形される前の自然状態に戻ろうとする弾性復元力が発生する。この弾性復元力によって、シート部22a上(搬送部材上)のトナーは、開口部18cに向かう方向(図7に示す矢印H方向)へ跳ね上がる(飛翔する)。尚、本実施例でも、実施例1と同様に、開口部18cの下端18c1よりも下方に境界部18a3が設けられている。
【0097】
次に、境界部18a3の位置を、トナー搬送部材22の回転中心を通る水平線と同じ直線上に配置した時と、水平線よりも上方の範囲に配置した時とでの、トナーが跳ね上げられる挙動について説明する。図8は境界部18a3の配置を変えた時のトナーの搬送状態を説明するためのプロセスカートリッジ7の断面図である。
【0098】
図8(a)は、境界部18a3(シート部22aの先端22a1がガイド部18a2を通過して、シート部22aの変形が開放される位置)を、トナー搬送部材22の回転中心線を通る水平線上に配置した場合を示す。この場合には、シート部22aから滑り落ちるトナーが少ないため、シート部22aの自由端側に溜まるトナーは多くなる。一方、境界部18a3から開口部18cまでの距離は長くなる。この場合、例えば、同じ材料を用いるとすれば、シート部22aの厚みを比較的厚くして、シート部22aの変形が開放される時の弾性復元力を増大させることで、トナーを良好に現像室18bに搬送できるように調整することができる。又、例えば、異なる材料を用いるとすれば、シート部22aに比較的剛性の高い材料を用いることでも、上記同様にトナーを良好に現像室18bに搬送できるように調整することができる。
【0099】
図8(b)、図8(c)は、境界部18a3を、トナー搬送部材22の回転中心を通る水平線よりも上方に配置した場合を示す。図8(c)に示す構成では、境界部18a3は、図8(b)に示す構成よりも更に上方に配置されている。即ち、図8(b)、図8(c)に示す構成では、図8(a)に示す構成と比較すると、境界部18a3は隔壁26の開口部18cにより近づく方向に配置される。この場合、シート部22a上を滑り落ちるトナーが多くなるため、シート部22aの自由端側に溜まるトナーは少なくなる。この場合、例えば、同じ材料を用いるとすれば、シート部22aの厚みを比較的薄くすることで、シート部22aをより大きく撓ませるようにして、シート部22aの自由端側に溜まるトナーを増やすように調整することができる。又、例えば、異なる材料を用いるとすれば、シート部22aに比較的剛性の低い材料を用いることでも、上記同様にシート部22aの自由端側に溜まるトナーを増やすように調整することができる。又、この場合、シート部22aの弾性復元力は小さくなるが、境界部18a3から隔壁26に形成された開口部18cまでの距離が短いため、トナーを良好に現像室18bに搬送することができる。
【0100】
以上のことを踏まえて鋭意検討した結果、現像室18bに十分な量のトナーを搬送して、より良好にトナー供給不良による画像白抜け等の画像不具合の発生を抑制するためには、ガイド部18a2の位置は次のように設定することが好ましいことが分かった。
【0101】
即ち、境界部18a3は、トナー搬送部材22の回転中心を通る水平面と同じ高さか、前記水平面よりも上方に設けられていることが好ましい。
【0102】
更に言及すると、トナー搬送部材22の回転中心を通る水平線と、トナー搬送部材22の回転中心と境界部18a3とを結んだ直線とのなす角度θ1は、
0°≦θ1≦70° ・・・(4)
の範囲であることが好ましい。
【0103】
又、境界部18a3を通る鉛直線とガイド部18a2の表面(接線)とのなす角度をθ2は、
15°≦θ2≦60° ・・・(5)
の範囲であることが好ましい。
【0104】
更に、上述のように、シート部22aの変形が開放された後に、シート部22aの自由端側の先端22a1がトナー収納室18aの内壁に当接しないように18a4が形成されている。そして、ガイド部18a2の表面(接線)と、ガイド部18a2と復元部18a4との間に設けられた段差18a5を形成する端面の表面(接線)とのなす角度θ3は、
0°<θ3≦90° ・・・(6)
の範囲であることが好ましい。
【0105】
又、本実施例においても、実施例1にて説明したものと同様の長さL1、L2、L3、L4の関係を適用することができる。
【0106】
以上説明したように、本実施例によれば、実施例1と同様の効果を得ることができる。又、本実施例では、ガイド部18a2のうち、境界部18a3がトナー搬送部材22の回転中心に最も近いように構成されている。更には、ガイド部18a2は、トナー搬送部材22の回転方向Gに進むにつれて、ガイド部18a2とトナー搬送部材22の回転中心との距離が徐々に近くなるように形成されている。即ち、ガイド部18a2は、境界部18a3に近いほど、前記回転中心に近い。このため、ガイド部18a2を通過する際、シート部22aの変形も徐々に大きくなる。そして、シート部22aの変形は、境界部18a3で瞬時に開放される。これにより、実施例1よりも多くのトナーを現像室18bへ供給することができる。
【0107】
尚、本実施例でも、トナー搬送部材22は、境界部18a3から離れる際には、その弾性によって開口部18cの周辺と接触可能な位置まで回転している。
【0108】
又、本実施例でも、トナー搬送部材22の回転半径の最大値は、トナー搬送部材22の回転中心と開口部18cの下端18c1との間の距離よりも大きい。これによって、確実に開口部18cにトナーを供給することができる。
【0109】
又、本実施例でも、トナー搬送部材22の自由端22a1が境界部18a3に接触している状態において、前記自由端22a1におけるトナー搬送部材22の回転方向下流側へ延びた法線(図7の矢印K)が、前記自由端22a1から上方に延びた鉛直面を基準として開口部18cが設けられた側とは反対側に位置するように構成している。これによって、トナーを飛翔させる直前まで、トナー搬送部材22上により多くのトナーを保持することができる。そのため、開口部18cにトナーを効率良く供給することができる。
【0110】
実施例3
次に、本発明に係る他の実施例について説明する。本実施例の現像装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置の基本的な構成は、実施例1及び2のものと同じである。従って、実施例1及び2のものと同一又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して詳しい説明は省略する。本実施例では、トナー収納室18a内に設けられるトナー搬送部材28の構成が実施例1及び2とは異なる。
【0111】
図9は、本実施例のプロセスカートリッジ7の断面図である。又、図10は、本実施例におけるトナー搬送部材28の部分拡大斜視図である。
【0112】
本実施例では、トナー搬送部材28は、(a)回転軸28a、(b)固定羽根28b、(c)回動羽根28c、を有する。ここで、固定羽根28bは、回転軸28aに一体に設けられている。又、回動羽根28cは、固定羽根28bに対して、トナー搬送部材28の回転方向Gとは反対方向にのみ回動可能である。本実施例では、トナー搬送部材28は更に、(d)弾性部材28d、を有する。ここで、弾性部材28dは、固定羽根28bと回動羽根28cとの結合部において、回動羽根28cをトナー搬送部材28の回転方向Gと同方向に回動させるように付勢する。特に、本実施例では、弾性部材28dは、回動軸28c1に嵌合する捩りコイルバネ28dである。又、回動軸28c1は、回動羽根28cに形成されており、固定羽根28bに形成された穴28b1に嵌合されて、回動可能に支持されている。
【0113】
回動羽根28cがトナー収納室18aの内壁18a1に当接する場合、回動羽根28cは固定羽根28bに対して、トナー搬送部材28の回転方向Gと反対方向に回動した状態でトナーを搬送する。トナー搬送部材28が回転して、回動羽根28cの自由端側の先端が境界部18a3を通過する際に、捩りコイルバネ28dの付勢力によって、回動羽根28cはトナー搬送部材28の回転方向Gと同じ方向に回動する。そして、固定羽根28bの回動羽根28c側の端面である固定羽根側突き当て部28b2と、回動羽根28cの固定羽根28b側の端面である回動羽根側突き当て部28c2とが当接した状態になる。即ち、本実施例では、搬送部材28は、第1の部分28bと、第1の部分28bに回動可能に結合され、第1の部分28bよりも回転中心から離れて配置された第2の部分28cと、を有する。又、本実施例では、搬送部材28は、第2の部分28cを搬送部材28の回転方向と同方向に回動させるように付勢する弾性部材28dを有している。そして、この搬送部材28は、第2の部分28cがガイド部18a2によって弾性部材28dの有する弾性力に抗して付勢されることで変形する。
【0114】
このように、回動羽根28cがトナー搬送部材28の回転方向Gと同じ方向に回動することで、回動羽根28cによって搬送されてきたトナーを跳ね上げる。これによって、本実施例におけるトナー搬送部材28は、実施例1及び2におけるトナー搬送部材22と同様の作用をなす。
【0115】
本実施例においても、実施例1にて説明したものと同様の長さL1、L2、L3、L4の関係を適用することができる。尚、本実施例では、長さL1は、固定羽根側突き当て部28b2と回動羽根側突き当て部28c2とが当接した状態でのトナー搬送部材28の回転半径(最大値)に相当する。又、本実施例においても、実施例2にて説明したものと同様の角度θ1、θ2、θ3の範囲を適用することができる。
【0116】
特に、本実施例においても、実施例1と同様に、突き当て部28b2、28c2同士が当接した状態でのトナー搬送部材28の回転半径が、トナー搬送部材28の回転中心から開口部18cの下端18c1までの距離よりも大きいことが望ましい。又、本実施例においても、実施例2と同様に、角度θ1が、0°≦θ1≦70°の範囲になるようにガイド部18a2の配置を設定することが望ましい。
【0117】
以上説明したように、本実施例によれば、実施例1及び2と同様の効果を得ることができる。又、本実施例では、トナーの上方への搬送力は、捩りコイルバネ28dの付勢力によるため、トナー収納室内18aのトナー量に拘わらず、常に安定して、トナーを現像室18bへ供給することができる。
【0118】
実施例4
次に、本発明に係る更に他の実施例について説明する。本実施例の現像装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置の基本的な構成は、実施例1及び2のものと同じである。従って、実施例1及び2のものと同一又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して詳しい説明は省略する。本実施例では、供給ローラ20に対する開口部18cの位置が実施例1及び2とは異なる。
【0119】
図11は、本実施例のプロセスカートリッジ7の断面図である。本実施例では、トナー収納室18aと現像室18bとの間の隔壁26に形成される開口部18cの下端18c1は、供給ローラ20の上端(最上点)cよりも上方に設けられている。
【0120】
尚、図11においては、説明を容易とするために、実施例1において説明した現像室18b内の撹拌部材25が図示を省略されているが、本実施例においても実施例1及び2と同様の撹拌部材25を現像室18b内に設けることができる。
【0121】
又、特に、本実施例においても、実施例2と同様に、角度θ1が、0°≦θ1≦70°の範囲になるようにガイド部18a2の配置を設定することが望ましい。
【0122】
実施例2において、図8を参照して説明した通り、ガイド部18a2の位置とシート部22aの厚みを調整することで、トナーの跳ね上げる方向を調整することができる。そのため、開口部18cが供給ローラ20の上端cよりも上方に配設されている場合でも、例えば、次のようにして、トナーを現像室18bに良好に搬送できるように調整することができる。即ち、例えば、この場合、ガイド部18a2をトナー搬送部材22の回転中心を通る水平線上に配置して、シート部22aの厚みを増すなどして、トナーの搬送量を調整すればよい。
【0123】
以上、本実施例によれば、実施例1及び2と同様の効果を得ることができる。又、本実施例では、供給ローラ20はトナー搬送部材22によって現像室18bへ搬送されたトナーによって全周が覆われる。そのため、供給ローラ20から現像ローラ17へのトナー供給を容易に行なうことができる。
【0124】
実施例5
次に、本発明に係る更に他の実施例について説明する。本実施例の現像装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置の基本的な構成は、実施例1及び2のものと同じである。従って、実施例1及び2のものと同一又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して詳しい説明は省略する。本実施例では、現像室18bとトナー収納室18aとを隔てる隔壁26の構成が実施例1及び2とは異なる。
【0125】
図12は、本実施例のプロセスカートリッジ7の部分断面図である。本実施例では、現像室18bとトナー収納室18aとを隔てる隔壁26は、水平面に対して傾斜角を有する1つの面(隔壁面)で構成されている。
【0126】
実施例1及び2と同様に、隔壁26には、トナー収納室18aから現像室18bへトナーを搬送するための開口部18cが設けられており、開口部18cの下端18c1は、供給ローラ20の下端bよりも上方に位置する。又、供給ローラ20と隔壁26と現像ブレード21とで形成される現像室18bの第2の領域fには、撹拌部材25が配置される。より詳細には、第2の領域fは、供給ローラ20と、供給ローラ20の下方に位置する隔壁26の部分と、現像ブレード21との間に形成される領域である。
【0127】
撹拌部25aの自由端25a2は、その往復運動の軌跡において、現像室18bの第1の領域eに侵入し、そこに貯留しているトナーに接触するよう配置される。第1の領域eは、供給ローラ20と、開口部18cよりも下方であって供給ローラ20の側方(図中左側)に位置する隔壁26の部分との間に形成される領域である。これにより、現像室18bに供給されたトナーが、第1の領域e付近においてパッキングして流動性が低下することを抑制することが可能となり、更に第2の領域f及び供給ローラ20へのトナーの供給を促進することができる。
【0128】
実施例6
次に、本発明に係る更に他の実施例について説明する。本実施例の現像装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置の基本的な構成は、実施例1及び2のものと同じである。従って、実施例1及び2のものと同一又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して詳しい説明は省略する。本実施例では、現像室18bとトナー収納室18aとを隔てる隔壁26の構成が実施例1及び2とは異なる。
【0129】
図13は、本実施例のプロセスカートリッジ7の部分断面図である。本実施例では、現像室18bとトナー収納室18aとを隔てる隔壁26は、供給ローラ20に対して一定の距離を有した隔壁曲面部26cを一部に有している。即ち、本実施例では、隔壁26の一部が供給ローラ20を取り囲むように湾曲した曲面で構成されている。換言すれば、本実施例では、実施例1において角度を有する屈曲部を介して連続していた第1の隔壁面26aと第2の隔壁面26bとが、曲面を介して連続するように構成されている。
【0130】
トナー収納室18aから現像室18bへトナーを搬送するための開口部18cは、隔壁曲面部26cより上方に設けられている。又、開口部18cの下端18c1は、供給ローラ20の下端bよりも上方に位置する。又、供給ローラ20と隔壁26と現像ブレード21とで形成される現像室18bの第2の領域fには、撹拌部材25が配置される。より詳細には、第2の領域fは、供給ローラ20と、供給ローラ20の下方に位置する隔壁26の部分と、現像ブレード21との間に形成される領域である。
【0131】
撹拌部25aの自由端25a2は、その往復運動の軌跡において、現像室18bの第1の領域eに侵入し、そこに貯留しているトナーに接触するよう配置される。第1の領域eは、供給ローラ20と、開口部18cよりも下方に位置する隔壁曲面部26cとの間に形成される領域である。これにより、現像室18bに供給されたトナーが、第1の領域e付近においてパッキングして流動性が低下することを抑制することが可能となり、更に第2の領域f及び供給ローラ20へのトナーの供給を促進することができる。
【0132】
以上説明したように、本実施例の構成においても、実施例1及び2にて説明したものと同様の現像室18bにおけるトナーの撹拌効果を得ることができる。
【0133】
実施例7
次に、本発明に係る更に他の実施例について説明する。本実施例の現像装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置の基本的な構成は、実施例1及び2のものと同じである。従って、実施例1及び2のものと同一又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して詳しい説明は省略する。本実施例では、現像室18bに設けられる撹拌部材25の構成が実施例1及び2とは異なる。
【0134】
図14は、本実施例における撹拌部25aの側面図である。本実施例では、現像室18bにおいて下側に配置される撹拌部25aの面(下面)には、その表面から突出するリブ(突出部)25dが形成されている。本実施例では、撹拌部25aの下面に、複数のリブ25dが設けられている。リブ25dは、現像室18bの長手方向の全域のトナーを撹拌できるように、例えば、撹拌部25aの長手方向(クランク軸25bの回転軸線方向に沿う方向)において複数配置されるか、撹拌部25aの長手方向の略全域に連続して形成される。又、リブ25dは、撹拌部25aの往復移動方向において複数設けることができる。
【0135】
これによって、現像室18bにおいて、例えば第2の領域fの撹拌部25aの下面側にトナーがパッキングした場合でも、撹拌部25aが往復運動をすることで、リブ25dによってより良好にトナーをほぐすことができる。
【0136】
以上説明したように、本実施例の構成においても、実施例1及び2にて説明したものと同様の現像室18bにおけるトナーの撹拌効果を得ることができる。特に、本実施例のように撹拌部25aの下面側にリブ25dを配設することで、現像室18bにおいてトナーをより良好にほぐすことができる。これによって、トナーがパッキングして流動性が低下することをより良好に抑制して、供給ローラ20へのトナー供給をより促進することができる。従って、供給ローラ20から現像ローラ17へのトナー供給が安定し、トナー供給不良による画像ムラ等の画像不具合の発生をより良好に抑制することが可能となる。
【0137】
実施例8
次に、本発明に係る更に他の実施例について説明する。本実施例の現像装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置の基本的な構成は、実施例1及び2のものと同じである。従って、実施例1及び2のものと同一又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して詳しい説明は省略する。本実施例では、現像室18bに設けられる撹拌部材25の構成が実施例1及び2とは異なる。
【0138】
図15及び図16は、本実施例における撹拌部25aの上下動規制構成を示すプロセスカートリッジ7の分解斜視図である。
【0139】
撹拌部25aが係合するクランク軸25bは、軸方向両端部を現像枠体18のクランク軸溝18dに支持される。そして、クランク軸ブッシュ30を押さえ部材として用いる。即ち、クランク軸溝18dの導入口側から底部へと移動されてクランク溝18d内に配置されたクランク軸25bの軸方向端部が、該導入口側へ移動するのを、クランク軸ブッシュ30の軸押さえ部30bによって規制する。
【0140】
そして、このクランク軸ブッシュ30には、撹拌規制部30aが設けられている。撹拌規制部30aは、撹拌部25aの被規制部25eの上下動を規制する。本実施例では、被規制部25eは、板状部材である撹拌部25aの長手方向の端部から突出して形成されている。即ち、本実施例では、現像室18aには、撹拌部25aの上方に向かう動きを抑制するように撹拌部25aの移動軌跡を規制する規制部材としてクランク軸ブッシュ30が設けられている。
【0141】
これによって、撹拌部25aの下面側においてトナーがパッキングするようなことがあっても、撹拌部25aが浮き上がってパッキングしたトナーの上面で往復運動をすることなく、パッキングしたトナーの内部に侵入する状態を維持することができる。
【0142】
以上説明したように、本実施例の構成においても、実施例1及び2にて説明したものと同様の現像室18bにおけるトナーの撹拌効果を得ることができる。特に、本実施例のように撹拌部25aの上下動を規制する撹拌規制部30aを配設することで、現像室18bにおけるトナーの撹拌効果をより良好に維持することができる。これによって、トナーがパッキングして流動性が低下することをより良好に抑制して、供給ローラ20へのトナー供給を促進する効果をより良好に維持することができる。従って、供給ローラ20から現像ローラ17へのトナー供給が安定し、トナー供給不良による画像ムラ等の画像不具合の発生を抑制する効果をより良好に維持することが可能となる。
【0143】
以上、本発明を具体的な実施例に則して説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではない。例えば、上述の実施例では、現像装置(現像ユニット)は、プロセスカートリッジとして画像形成装置本体に対して着脱可能とされるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。現像装置は、画像形成装置に固定であってもよいし、又現像装置が単独でカートリッジ化されて、画像形成装置本体に対して着脱可能とされていてもよい。
【0144】
又、上述の実施例では、画像形成装置は、中間転写体を有する中間転写方式のものであるとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。当業者には周知の通り、記録材を担持して搬送する記録材担持体として、例えば、無端状のベルトで形成された搬送ベルトを有する画像形成装置がある。斯かる画像形成装置では、感光体上に形成されたトナー像は、記録材担持体上に担持された記録材上に直接転写される。このような画像形成装置においても、上述の実施例における中間転写ベルトの代わりに搬送ベルトが配置され、この搬送ベルトの下方にプロセスカートリッジ等を備えた画像形成部が配置されることがある。この場合、現像装置において、トナーを重力に反して搬送する必要が生じる場合があり、そのような場合には本発明は有効に作用する。
【0145】
又、上記各実施例は、任意に組み合わせて実施することができ、上記各実施例にてそれぞれ説明したものと同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0146】
1 感光体ドラム(電子写真感光体)
4 現像ユニット(現像装置)
7 プロセスカートリッジ
17 現像ローラ(現像剤担持体)
18 現像枠体
18a トナー収納室(現像剤収納室)
18a1 トナー搬送部材と当接する内壁
18a2 ガイド部(変形部)
18a3 境界部
18a4 復元部
18a5 段差
18b 現像室
18c 開口部
20 供給ローラ(現像剤供給ローラ)
21 現像ブレード(現像剤規制部材)
22 トナー搬送部材(搬送部材)
22a シート部
22b 搬送支持軸
25 撹拌部材
25a 撹拌部
25b クランク軸(撹拌支持軸)
25c 撹拌開口部
25d リブ(突出部)
26 隔壁
26a 第1の隔壁面
26b 第2の隔壁面
28 トナー搬送部材(搬送部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置に用いられる現像剤容器において、
その上方に開口部を有し、前記開口部へ供給するための現像剤を収納する現像剤収納室と、
前記現像剤収納室に設けられ、弾性を有し、回転することによって前記現像剤を搬送する搬送部材と、
前記搬送部材と接触するように前記現像剤収納室に設けられ、前記搬送部材の回転に伴って前記搬送部材を前記弾性に抗して変形させる変形部と、
前記搬送部材と接触しないように前記現像剤収納室に設けられ、前記搬送部材上の前記現像剤を前記開口部へ飛翔させるために、前記変形部によって変形した前記搬送部材を前記弾性により復元させる復元部と、
を有し、
前記変形部と前記復元部の境界部は、前記開口部の下端よりも下方に設けられていることを特徴とする現像剤容器。
【請求項2】
前記境界部は、前記搬送部材の回転中心を通る水平面と同じ高さか、前記水平面よりも上方に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の現像剤容器。
【請求項3】
前記搬送部材の先端が前記境界部から離れる際に、前記搬送部材は前記弾性による復元によって前記開口部の周辺と接触可能な位置まで回転していることを特徴とする請求項1又は2に記載の現像剤容器。
【請求項4】
前記搬送部材の回転半径の最大値は、前記搬送部材の回転中心と前記開口部の下端との間の距離よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の現像剤容器。
【請求項5】
前記変形部のうち、前記境界部が前記回転中心に最も近いことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の現像剤容器。
【請求項6】
前記変形部は、前記境界部に近いほど、前記回転中心に近いことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の現像剤容器。
【請求項7】
前記搬送部材の先端が前記境界部に接触している状態において、前記先端における前記搬送部材の回転方向下流側へ延びた法線は、前記先端から上方に延びた鉛直面を基準として前記開口部が設けられた側とは反対側に位置することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の現像剤容器。
【請求項8】
画像形成装置に用いられる現像装置において、
現像剤を担持する現像ローラと、
前記現像ローラが設けられた現像室と、
前記現像室へ前記現像剤を供給するために前記現像剤を通過させる開口部を上方に有し、前記現像剤を収納する現像剤収納室と、
前記現像剤収納室に設けられ、弾性を有し、回転することによって前記現像剤を搬送する搬送部材と、
前記搬送部材と接触するように前記現像剤収納室に設けられ、前記搬送部材の回転に伴って前記搬送部材を前記弾性に抗して変形させる変形部と、
前記搬送部材と接触しないように前記現像剤収納室に設けられ、前記搬送部材上の前記現像剤を前記開口部へ飛翔させるために、前記変形部によって変形した前記搬送部材を前記弾性により復元させる復元部と、
を有し、
前記変形部と前記復元部の境界部は、前記開口部の下端よりも下方に設けられていることを特徴とする現像装置。
【請求項9】
前記境界部は、前記搬送部材の回転中心を通る水平面と同じ高さか、前記水平面よりも上方に設けられていることを特徴とする請求項8に記載の現像装置。
【請求項10】
前記搬送部材の先端が前記境界部から離れる際に、前記搬送部材は前記弾性による復元によって前記開口部の周辺と接触可能な位置まで回転していることを特徴とする請求項8又は9に記載の現像装置。
【請求項11】
前記搬送部材の回転半径の最大値は、前記搬送部材の回転中心と前記開口部の下端との間の距離よりも大きいことを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項12】
前記変形部のうち、前記境界部が前記回転中心に最も近いことを特徴とする請求項8乃至11のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項13】
前記変形部は、前記境界部に近いほど、前記回転中心に近いことを特徴とする請求項8乃至11のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項14】
前記搬送部材の先端が前記境界部に接触している状態において、前記先端における前記搬送部材の回転方向下流側へ延びた法線は、前記先端から上方に延びた鉛直面を基準として前記開口部が設けられた側とは反対側に位置することを特徴とする請求項8乃至13のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項15】
画像形成装置に着脱可能なプロセスカートリッジにおいて、
電子写真感光体と、
前記電子写真感光体に形成された静電像を現像するために現像剤を担持する現像ローラと、
前記現像ローラが設けられた現像室と、
前記現像室へ前記現像剤を供給するために前記現像剤を通過させる開口部を上方に有し、前記現像剤を収納する現像剤収納室と、
前記現像剤収納室に設けられ、弾性を有し、回転することによって前記現像剤を搬送する搬送部材と、
前記搬送部材と接触するように前記現像剤収納室に設けられ、前記搬送部材の回転に伴って前記搬送部材を前記弾性に抗して変形させる変形部と、
前記搬送部材と接触しないように前記現像剤収納室に設けられ、前記搬送部材上の前記現像剤を前記開口部へ飛翔させるために、前記変形部によって変形した前記搬送部材を前記弾性により復元させる復元部と、
を有し、
前記変形部と前記復元部の境界部は、前記開口部の下端よりも下方に設けられていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項16】
画像形成装置に用いられる現像装置において、
現像剤を担持する回転可能な現像ローラと、
前記現像ローラに前記現像剤を供給する回転可能な現像剤供給ローラと、
前記現像剤供給ローラの下方に設けられた隔壁と、
前記現像剤を通過させるための撹拌開口部を有し、前記現像剤供給ローラと前記隔壁との間に設けられ、前記撹拌開口部が前記現像剤供給ローラへ近づく動作と、前記撹拌開口部が前記現像剤供給ローラから遠ざかる動作と、を有するように揺動することにより、前記現像剤を撹拌する撹拌部と、
を有することを特徴とする現像装置。
【請求項17】
前記撹拌開口部が前記現像剤供給ローラへ近づく動作と、前記撹拌開口部が前記現像剤供給ローラから遠ざかる動作とともに、前記撹拌部は、前記現像剤供給ローラの回転方向にも沿って揺動することを特徴とする請求項16に記載の現像装置。
【請求項18】
前記現像装置は、回転可能な回転部を有し、前記撹拌部は、前記回転部の回転に連動して揺動することを特徴とする請求項16又は17に記載の現像装置。
【請求項19】
前記現像剤供給ローラの回転方向において、前記回転部は前記撹拌部の下流側に位置することを特徴とする請求項18に記載の現像装置。
【請求項20】
前記回転部はクランク軸であり、前記撹拌部は前記クランク軸に回動可能に支持されていることを特徴とする請求項18又は19に記載の現像装置。
【請求項21】
前記撹拌開口部は、第1の開口と、第2の開口と、を有し、前記第1の開口及び前記第2の開口を前記現像剤供給ローラの回転軸に投影させた場合に、前記第1の開口の一部が前記第2の開口の一部と重なっていることを特徴とする請求項16乃至20のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項22】
前記撹拌開口部は、前記回転軸と平行な方向において前記第2の開口と並んだ第3の開口を有し、前記第2の開口と前記第3の開口との間の領域と、前記第1の開口と、を前記回転軸に投影させた場合に、前記領域は、前記第1の開口の一部と重なっていることを特徴とする請求項21に記載の現像装置。
【請求項23】
前記撹拌部は、互いに交差する第1の面及び第2の面を有しており、前記第1の面と前記第2の面とで構成された凹部が前記現像剤供給ローラと対向していることを特徴とする請求項16乃至22に記載の現像装置。
【請求項24】
前記撹拌部は、互いに交差する第1の面及び第2の面を有しており、前記第1の面と前記第2の面とで構成された凹部が前記現像剤供給ローラと対向しており、前記第1の開口は前記第1の面に設けられており、前記第2の開口は前記第2の面に設けられていることを特徴とする請求項21に記載の現像装置。
【請求項25】
前記撹拌部は、互いに交差する第1の面及び第2の面を有しており、前記第1の面と前記第2の面とで構成された凹部が前記現像剤供給ローラと対向しており、前記第1の開口は前記第1の面に設けられており、前記第2の開口及び前記第3の開口は前記第2の面に設けられていることを特徴とする請求項22に記載の現像装置。
【請求項26】
前記撹拌部の下に、前記撹拌部から突出した突出部が設けられていることを特徴とする請求項16乃至25のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項27】
電子写真感光体と、前記電子写真感光体に形成された静電像を現像するために、請求項16乃至26のいずれか1項に記載された現像装置と、を有するプロセスカートリッジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−253203(P2011−253203A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−177343(P2011−177343)
【出願日】平成23年8月12日(2011.8.12)
【分割の表示】特願2007−278173(P2007−278173)の分割
【原出願日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】