説明

現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置

【課題】現像剤供給装置から現像剤が供給される現像装置で、現像剤供給装置との連結部からの現像剤の飛散を防止することができる現像装置、並びにこれを備えたプロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】現像装置5は、画像形成装置に設置することによって現像剤供給装置であるトナー補給装置と連結し、トナー補給装置からトナーを供給され、現像装置5本体を形成する現像ケーシングである上部ケーシング及び下部ケーシング50とは別体で形成され、トナー補給装置と連結する現像剤受入部材60を有し、現像剤受入部材60は弾性部材であるクッション部材63を介して下部ケーシング50に取り付けられ、クッション部材63が変形することによって現像剤受入部材60の現像ケーシングに対する位置が変位し、トナー補給装置と連結する現像剤受入口であるトナー受入口61の下部ケーシング50に対する位置が変位可能となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等に用いられる現像装置に係り、詳しくは、現像剤供給装置から現像剤が供給される現像装置、並びにこれを備えたプロセスカートリッジ及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真式の画像形成装置では、潜像担持体上に形成された静電潜像に対して現像装置がトナーを供給することによって潜像担持体上にトナー像を形成し、このトナー像を直接または中間転写体を介して記録体に転写することで画像形成を行う。静電潜像にトナーを供給することによって現像装置内のトナーは消費されるが、特許文献1に記載の画像形成装置のように現像装置にトナーを供給するトナー供給装置を備えるものであれば、現像装置内のトナーの量を一定の範囲内に維持することができる。
また、現像装置はメンテナンス性の向上のため、通常は画像形成装置本体に対して取り外し可能になっているおり、トナー供給装置のトナー排出口と現像装置のトナー受入口とを連結させるように現像装置を画像形成装置本体に取り付ける。
また、特許文献1に記載の画像形成装置では、トナー受入口の周辺にシール部材を設置して、トナー排出口とトナー受入口との連結部の密閉性を向上し、連結部からの現像剤が飛散することを防止している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、現像装置を画像形成装置本体に設置するときの装置本体に対する現像装置の位置決めは、作像部での位置の精度が優先される。詳しくは、現像装置単体を設置する場合は、装置本体側の感光体に対する現像剤の位置の精度が優先され、感光体と現像装置とを備えたプロセスカートリッジを設置する場合は装置本体側の転写装置に対する感光体の位置の精度が優先される。
このため、トナー排出口とトナー受入口との位置合わせはアバウトにならざるを得ず、部品の製造誤差や組み付け誤差の公差の積み重ねによってトナー排出口に対するトナー受入口の位置がずれて、連結部の合わせ目からトナーが飛散するなどの不具合が発生することがあった。
このような問題は、トナーとキャリアとからなる二成分現像剤を用いる二成分現像方式の現像装置でも、キャリアを含まない一成分現像方式の現像装置でも起こり得る問題である。また、現像装置にトナーを供給するものに限らず、トナーとキャリアとからなる二成分現像剤を供給する供給装置やキャリアのみを供給する供給装置と、現像装置との連結部であっても生じ得る問題である。すなわち、現像装置に現像剤を供給する現像剤供給装置に対する現像装置の現像剤受入口の位置がずれると生じ得る問題である。
【0004】
本発明は、以上の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、現像剤供給装置から現像剤が供給される現像装置で、現像剤供給装置との連結部からの現像剤の飛散を防止することができる現像装置、並びにこれを備えたプロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、画像形成装置に設置することによって現像剤供給装置と連結し、該現像剤供給装置から現像剤を供給される現像装置において、現像装置本体を形成する現像ケーシングとは別体で形成され、該現像剤供給装置と連結する現像剤受入部材を有し、該現像剤受入部材の少なくとも該現像剤供給装置と連結する現像剤受入口の該現像ケーシングに対する位置が変位可能であることを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の現像装置において、上記現像剤受入部材は、上記現像剤供給装置と連結する現像剤受入口の周辺に受入口シールを備えることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の現像装置において、上記現像剤受入部材の上記現像ケーシングに対する位置が変位可能であることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3の現像装置において、上記現像剤受入部材は弾性部材を介して上記現像ケーシングに取り付けられ、該弾性部材が変形することによって該現像剤受入部材の該現像ケーシングに対する位置が変位することを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4の現像装置において、上記現像剤受入部材と上記弾性部材とが二色成形で形成されていることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項4または5の現像装置において、上記現像剤受入部材は、上記現像剤供給装置と連結する現像剤受入口の周辺に受入口シールを備え、上記弾性部材よりも該受入口シール部材の方が高硬度であることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1または2の現像装置において、上記現像剤受入部材は弾性体からなり、該現像剤受入部材が変形することによって上記現像剤受入口の上記現像ケーシングに対する位置が変位することを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1、2、3、4、5、6または7の現像装置において、上記現像ケーシングは下部ケーシングと上部ケーシングとからなり、上記現像剤受入部材は該下部ケーシングに取り付けられるものであって、該上部ケーシングの一部と該現像剤受入部材との一部とがオーバーラップして固定設置されていることを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7または8の現像装置において、上記現像剤受入部材は上記現像剤供給装置との位置決め形状を有することを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、少なくとも現像手段と潜像像担持体とを一体的に構成して画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジにおいて、該現像手段として請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9の現像装置を備えることを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、少なくとも潜像担持体と、該潜像担持体表面を帯電させるための帯電手段と、該潜像担持体上に静電潜像を形成するための潜像形成手段と、該静電潜像を現像してトナー像化するための現像手段とを有する画像形成装置において、該現像手段として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9に記載の現像装置を用いることを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項11の画像形成装置において、少なくとも上記潜像像担持体と上記現像装置とを一体的に構成して画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジを備えることを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項12の画像形成装置において、上記プロセスカートリッジを複数備えることを特徴とするものである。
【0006】
上記請求項1乃至13の発明においては、作像部での位置の精度を優先して画像形成装置本体に対して位置決めがなされた現像ケーシングに対する現像剤受入口の位置を変位させることによって、現像剤供給装置に対して高精度に現像剤受入口の位置決めを行うことができる。
【発明の効果】
【0007】
請求項1乃至13の発明によれば、現像剤供給装置に対して高精度に現像剤受入口の位置決めを行うことによって、現像装置と現像剤供給装置との連結部からの現像剤の飛散を防止することができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施形態に係るプリンタの全体を示す概略構成図。
【図2】イエロー用の作像部を示す拡大構成図。
【図3】現像装置の外観正面図。
【図4】下部ケーシングに上部ケーシングを取り付けた現像装置の外観図、(a)は、上面図、(b)は、側面図。
【図5】現像剤受入部材の説明図、(a)は、図3に示す現像剤受入部材を右斜め上方から見た斜視図、(b)は、図3に示す現像剤受入部材を左斜め上方から見た斜視図。
【図6】下部ケーシングに対する現像剤受入部材の設置を説明する説明図。
【図7】下部ケーシングに現像剤受入部材を設置した状態の斜視拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を適用した画像形成装置として、複数の感光体が並行配設されたタンデム型のカラープリンタ(以下、単に「プリンタ100」という)の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るプリンタ100の全体を示す概略構成図である。
図1に示すように、プリンタ100本体の上方にあるトナー容器収容部31には、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した4つのトナー容器32(Y,M,C,K)がプリンタ100に対して着脱自在(交換自在)に設置されている。
トナー容器収容部31の下方には中間転写ユニット15が配設されている。その中間転写ユニット15の中間転写ベルト8に対向するように、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部6(Y,M、C,K)が並設されている。
【0010】
図2は、プリンタ100が備える4つ作像部6(Y,M,C,K)のうちの1つであるイエロー用の作像部6Yを示す拡大構成図である。
図2に示すように、イエロー用の作像部6Yは、潜像担持体である感光体1Yと、感光体1Yの周囲に配設された帯電手段としての帯電ローラ4Y、現像手段である現像装置5Y、クリーニング手段であるクリーニング装置2Y等を備える。さらに、不図示の除電手段を備える。そして、感光体1Y上で、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程)がおこなわれて、感光体1Y上にイエロー画像が形成されることになる。
【0011】
なお、他の3つの作像部6(M,C,K)も、使用されるトナーの色が異なる以外は、イエローに対応した作像部6Yとほぼ同様の構成となっていて、それぞれのトナー色に対応した画像が形成される。以下、他の3つの作像部6(M,C,K)の説明を適宜に省略して、イエローに対応した作像部6Yのみの説明をおこなうことにする。
【0012】
図2に示すように、感光体1Yは、不図示の駆動モータによって図2中の時計方向に回転駆動される。そして、帯電ローラ4Yとの対向位置で、感光体1Yの表面が一様に帯電される(帯電工程)。
帯電ローラ4との対向位置で一様帯電された感光体1Yの表面は、図1中の露光装置7から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によってイエローに対応した静電潜像が形成される(露光工程)。
静電潜像が形成された感光体1Yの表面は、現像装置5Yとの対向位置に達して、この位置で静電潜像が現像されて、イエローのトナー像が形成される(現像工程)。
【0013】
トナー像が形成された感光体1Yの表面は、中間転写ベルト8及び一次転写バイアスローラ9Yとの対向位置に達して、この位置で感光体1Y上のトナー像が中間転写ベルト8上に転写される(一次転写工程)。このとき、感光体1Y上には、僅かながら未転写トナーが残存する。
一次転写バイアスローラ9Yとの対向位置を通過した感光体1Yの表面は、クリーニング装置2Yとの対向位置に達して、この位置で感光体1Y上に残存した未転写トナーがクリーニングブレード2aによって機械的に回収される(クリーニング工程)。
クリーニング装置2Yとの対向位置を通過した感光体1Yの表面は、最後に不図示の除電装置との対向位置に達して、この位置で感光体1Y上の残留電位が除去される。
【0014】
このようにして、感光体1Y上でおこなわれる、一連の作像プロセスが終了する。
なお、上述した作像プロセスは、他の作像部6(M,C,K)でも、イエロー作像部6Yと同様におこなわれる。すなわち、作像部6(M,C,K)の下方に配設された露光装置7から、画像情報に基いたレーザ光Lが、各作像部6(M,C,K)の潜像担持体上に向けて照射される。詳しくは、露光装置7は、光源からレーザ光Lを発して、そのレーザ光Lを回転駆動されたポリゴンミラーで走査しながら、複数の光学素子を介して各感光体1(M,C,K)上に照射する。
その後、現像工程を経て各感光体1(M,C,K)上に形成した各色のトナー像を、イエローのトナー像が転写された中間転写ベルト8上に重ねて転写する。このようにして、中間転写ベルト8上にカラー画像が形成される。
【0015】
図1に示すように、中間転写ユニット15は、中間転写ベルト8、4つの一次転写バイアスローラ9(Y,M,C,K)、二次転写バックアップローラ12、クリーニングバックアップローラ13、テンションローラ14、中間転写クリーニング装置10、等で構成される。中間転写ベルト8は、3つのローラ12〜14によって張架・支持されるとともに、張架する3つのローラのうちの1つのローラの回転駆動によって図1中の矢印方向に無端移動される。なお、プリンタ100では二次転写バックアップローラ12を駆動ローラとして回転駆動させる。
【0016】
4つの一次転写バイアスローラ9(Y,M,C,K)は、それぞれ、中間転写ベルト8を感光体1(Y,M,C,K)との間に挟み込んで一次転写ニップを形成している。そして、一次転写バイアスローラ9(Y,M,C,K)に、トナーの極性とは逆の転写バイアスが印加される。
そして、中間転写ベルト8は、矢印方向に走行して、各一次転写バイアスローラ9(Y,M,C,K)の一次転写ニップを順次通過する。このようにして、感光体1(Y,M,C,K)上の各色のトナー像が、中間転写ベルト8上に重ねて一次転写され、中間転写ベルト8上にカラー画像が形成される。
【0017】
各色のトナー像が重ねて転写されてカラー画像が形成された中間転写ベルト8は、二次転写ローラ19との対向位置に達する。この位置では、二次転写バックアップローラ12が、二次転写ローラ19との間に中間転写ベルト8を挟み込んで二次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト8上に形成された4色のトナー像は、この二次転写ニップの位置に搬送された転写紙等の被転写材P上に転写される。このとき、中間転写ベルト8には、被転写材Pに転写されなかった未転写トナーが残存する。
二次転写ニップを通過した中間転写ベルト8は、中間転写クリーニング装置10との対向位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト8上の未転写トナーが回収される。
このようにして、中間転写ベルト8上でおこなわれる、一連の転写プロセスが終了する。
【0018】
ここで、二次転写ニップの位置に搬送された被転写材Pは、プリンタ100本体の下方に配設された給紙部26から、給紙ローラ27やレジストローラ対28等を経由して搬送されたものである。
詳しくは、給紙部26には、転写紙等の被転写材Pが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ27が図1中の反時計方向に回転駆動されると、給紙部26内の一番上の被転写材Pがレジストローラ対28のローラ間に向けて給送される。レジストローラ対28に搬送された被転写材Pは、回転駆動を停止したレジストローラ対28のローラニップの位置で一旦停止する。そして、中間転写ベルト8上のカラー画像にタイミングを合わせて、レジストローラ対28が回転駆動されて、被転写材Pが二次転写ニップに向けて搬送される。このようにして、被転写材P上に所望のカラー画像が転写される。
【0019】
二次転写ニップの位置でカラー画像が転写された被転写材Pは、定着装置20に搬送され、定着装置20が備える定着ローラ及び圧力ローラによる熱と圧力とにより、表面に転写されたカラー画像が被転写材P上に定着される。
定着装置20でカラー画像が定着された被転写材Pは、排紙ローラ対29のローラ間を経て、装置外へと排出される。排紙ローラ対29によって装置外に排出された被転写Pは、出力画像として、スタック部30上に順次スタックされる。
このようにして、画像形成装置における、一連の画像形成プロセスが完了する。
【0020】
次に、作像部6Yが備える現像装置5Yについて説明する。
現像装置5Yは、感光体1Yに対向する現像剤担持体としての現像ローラ51Yを備え、現像ローラ51Yに供給する現像剤を収容する現像剤収容部として第一現像剤収容部53Yと第二現像剤収容部54とを形成している。また、現像装置5Yは、現像ローラ51Yに対向する層厚規制部材であるドクタ52Yを備え、第一現像剤収容部53Y及び第二現像剤収容部54Y内に配設された2つの搬送スクリュとして第一搬送スクリュ55Y及び第二搬送スクリュ57Yを備える。
さらに、現像剤収容部のうちの第二現像剤収容部54内の現像剤中のトナー濃度を検知する濃度検知センサ56Y等を備える。現像剤ローラ51Yは、内部に固設された磁石や、磁石の周囲を回転するスリーブ等で構成される。また、第一現像剤収容部53Y及び第二現像剤収容部54Yには、キャリアとトナーとからなる二成分現像剤Gが収容されている。
第一現像剤収容部53Yと第二現像剤収容部54Yとは仕切り壁58Yによって仕切られており、仕切り壁58Yは第一現像剤収容部53Yの搬送スクリュの軸方向両端部に開口部を備えている。そして、この開口部によって第一現像剤収容部53Yと第二現像剤収容部54Yとが連通し、第一搬送スクリュ55Y及び第二搬送スクリュ57Yが回転することによって、二成分現像剤Gが第一現像剤収容部53Yと第二現像剤収容部54Yとを循環する。
また、第二現像剤収容部54Yの上方には、現像剤としてのトナーの供給を受ける現像剤受入部材60Yを備える。現像剤受入部材60Yはその内部にトナー受入路62Yを形成し、トナー受入路62Yの上部開口部として現像剤受入口であるトナー受入口61Yを備える。そして、第二現像剤収容部54Yはその上方に形成された開口を介してトナー受入路62Yと連通している。
【0021】
また、プリンタ100はトナー容器32Y内に収容されているトナーを現像装置5Yの現像剤収容部54Y内に補給する現像剤供給装置として、図2中に模式的に図示するトナー補給装置35Yを備える。トナー補給装置35Yはトナー容器32Yとトナー搬送部材34Yとからなる。トナー搬送部材34Yとしては、トナー搬送部材34Y内部のトナー搬送路(不図示)内にトナーを通過させて、補給先までトナーを搬送するものであればよく、トナー搬送路内にオーガ等の搬送部材を備えるものや、トナー搬送路内に気流を発生させるトナーポンプを用いるものなどが挙げられる。また、トナー搬送路の搬送方向下流端部の開口部がトナー排出口33Yであり、現像装置5Yをプリンタ100本体に設置することによって、トナー受入口61Yとトナー排出口33Yとが対向し、トナー補給装置35Yのトナー搬送路と現像装置5の第二現像剤収容部54Yとがトナー受入路62Yを介して連通する。
【0022】
現像装置5Y内の現像剤Gは、現像剤中のトナーの割合(トナー濃度)が所定の範囲内になるように調整される。現像装置5Y内のトナー消費に応じて、トナー容器32Yに収容されているトナーが、トナー補給装置35Yによって第二現像剤収容部54Y内に補給される。
第二現像剤収容部54Y内に補給されたトナーは、第二搬送スクリュ57Y及び第一搬送スクリュ55Yによって、現像剤Gとともに混合・撹拌されながら、第一現像剤収容部53Yと第二現像剤収容部54Yとを循環する(図2の紙面垂直方向の移動である。)。そして、現像剤G中のトナーは、キャリアとの摩擦帯電によりキャリアに吸着して、現像ローラ51Y上に形成された磁力によりキャリアとともに現像ローラ51Y上に担持される。
【0023】
このように構成された現像装置5Yは、次のように動作する。
現像ローラ51Yのスリーブは、図2中の矢印方向(反時計回り方向)に回転している。そして、スリーブ内部の磁石により形成された磁界によって現像ローラ51Y上に担持された現像剤Gは、スリーブの回転にともない現像ローラ51Y上を移動する。
現像ローラ51Y上に担持された現像剤Gは、図2中の矢印方向に搬送されて、現像ローラ51とドクタ52Yとの対向位置に達する。そして、現像ローラ51Y上の現像剤Gは、この位置で現像剤量が適量化された後に、現像ローラ51Yと感光体1Yとの対向位置である現像領域まで搬送される。そして、現像領域で現像ローラ51Yと感光体1Yとの間に形成された現像電界によって、感光体1Y上に形成された静電潜像にトナーが吸着される。現像領域を通過したあとの現像ローラ51Y上に残った現像剤Gはスリーブの回転にともない第一現像剤収容部53Yの上方に達して、この位置で現像ローラ51Yから離脱し、第一現像剤収容部53Y内で攪拌されながら搬送される。
上述の説明では、イエロー用のトナーを補給するトナー補給装置35Yについて説明したが、作像部6と同様に各色のトナー補給装置35はそれぞれ扱うトナーの色が異なる点以外は略同様の構成となっている。
【0024】
次に、画像形成装置本体に対する現像装置の設置について説明する。
なお、上述したように、4つの作像部6(Y,M,C,K)は、それぞれ扱うトナーの色が異なる点以外はほぼ同様の構成になっている、以下の説明では、作像部6が備える各部材についてY,M,C,Kという添字を省略する。
現像装置の画像形成装置本体へのセットは、画像形成装置本体に設けられた位置決め部と現像装置に設けられた位置決め部とが勘合することにより画像形成装置本体からの駆動伝達などが適切に行われる状態となり実現される。このとき、トナー補給装置のトナー排出口と現像装置のトナー受入口との位置合わせも同時に行われる。
トナー補給装置は、トナーの排出力に重力を加算することが可能となる為、現像装置の上方に位置するレイアウトが一般的となっている。そして、トナー補給装置は鉛直方向下向きに設けられたトナー排出口からトナーを現像装置に向けて供給する。
【0025】
本実施形態のプリンタ100においても上述したようにトナー補給装置35は現像装置5の上方に配置されており、トナー排出口33は鉛直方向下側に設けられている。このトナー排出口33と現像装置5のトナー受入口61とが対向し、トナー搬送路とトナー受入路62が連通することにより現像装置5へのトナー補給が実施できる状況となる。
【0026】
従来からトナー補給装置のトナー排出口の周辺にシール部材を設け、現像装置のトナー受入口の周辺にもシール部材を設けることにより、開口部同士の位置合わせ距離の余裕度を上げる設計がなされている。しかしながら、現像装置本体の画像形成装置本体への位置決めが優先される為、トナー補給装置のトナー排出口と現像装置のトナー受入口との位置合わせはアバウトにならざるを得ない。そして、位置合わせの誤差がシール部材の変形によって吸収できる範囲の誤差を超えてしまうと開口部同士の合わせ目に隙間が生じ、画像形成装置本体駆動時に開口部同士の合わせ目からトナーが飛散するなどの不具合が発生することがあった。
【0027】
次に、本実施形態のプリンタ100が備える現像装置5の特徴部について説明する。
図3は、図2中の紙面手前側から見た現像装置5の外観正面図である。なお、現像装置5を形成する現像ケーシングは上部ケーシング40と下部ケーシング50とからなり、図3に示す現像装置5は上部ケーシング40を取り外した状態の正面図である。また、図4に示す現像装置5は下部ケーシング50に上部ケーシング40を取り付けた状態であり、図4(a)は上面図、図4(b)は側面図である。
図3に示すように、現像剤供給装置であるトナー補給装置35と連結する現像剤受入部材60は、現像ケーシングである下部ケーシング50とは別体で形成され、弾性部材であるクッション部材63を介して下部ケーシング50に設置されている。そして、クッション部材63が上下方向に収縮することによって、クッション部材63が収縮できる範囲で現像剤受入部材60の下部ケーシング50に対する位置を変位させることができる。すなわち、下部ケーシング50のプリンタ100本体の位置に対して独立して、トナー受入口61をトナー排出口33に対して位置を合わせることができる。これにより、現像剤受入部材60のトナー受入口61の下部ケーシング50に対に対する位置を上下方向、すなわち、下部ケーシング50についてトナー補給装置35のトナー排出口33のある方向に、ある範囲で変位させることができるようになる。
【0028】
なお、本実施形態の現像装置5では、クッション部材63が縮んでいない状態では現像剤受入部材60の上端部である受入口シール64の上面の位置がトナー排出口33を備えるトナー補給装置35の下端部の位置よりも高い位置となる。そして、現像装置5をプリンタ100本体に設置するときには、現像装置5の取り付け位置の上方で待っているトナー補給装置35の下端部に受入口シール64の上面を当てながら、現像装置5をその取り付け位置に挿入する。トナー補給装置35の下端部に受入口シール64の上面があたることによりクッション部材63が縮んでトナー排出口33に対するトナー受入口61の位置決めを行うことができる。これにより、製造誤差や組み付け誤差によって生じるトナー排出口33に対するトナー受入口61の位置ずれを吸収することができる。
【0029】
このような本実施形態の現像装置5では、作像部での位置の精度を優先してプリンタ100本体に対して位置決めがなされた現像ケーシングの下部ケーシング50に対するトナー受入口61の位置を変位させることができる。これにより、トナー補給装置35に対して高精度にトナー受入口61の位置決めを行うことができる。すなわち、トナー補給装置35のトナー排出口33と現像装置5のトナー受入口61との位置合わせを高精度に行うことができ、トナー補給装置35と現像装置5との連結部である開口部同士の合わせ目に隙間が生じることを防止することができる。このため、プリンタ本体駆動時にトナーが飛散するなどの不具合の発生を防止することができる。
【0030】
また、図3に示すように現像剤受入部材60は、現像剤供給装置であるトナー補給装置35と連結する現像剤受入口であるトナー受入口61の周辺に受入口シール64を備えている。現像剤受入部材60は硬質の樹脂または金属からなり、トナー補給装置35のトナー排出口33の近傍は硬質の樹脂または金属からなる。硬質の材料同士で連結部を形成すると僅かな位置のズレによって開口部同士の合わせ目に隙間が生じるおそれがある。このような問題に対して、受入口シール64を備えることにより、受入口シール64の圧縮形態の差によって開口部同士の合わせ目の密閉性を向上することができ、この合わせ目からの現像剤飛散を防止することができる。
なお、本実施形態では開口部同士の合わせ目の密閉性を向上するシール部材として受入口シール64を現像装置5側の現像剤受入部材60に固定している。シール部材を設ける位置としては現像剤受入部材60に限らず、トナー補給装置35のトナー排出口33の近傍に設けても良い。
【0031】
現像装置5の上部ケーシング40は図4に示すように、爪部40aを備える。そして、爪部40aが下部ケーシング50の上部に固定された現像剤受入部材60の下方のクッション部材63と下部ケーシング50との間に挟まるように下部ケーシング50に対して上部ケーシング40を固定する。これにより、上部ケーシング40の一部である爪部40aに現像剤受入部材60が重なった状態となり、上部ケーシング40の一部と現像剤受入部材60の一部とがオーバーラップして固定設置された状態となる。このように爪部40aをクッション部材63の下方に挟むことにより、現像剤受入部材60を設置した位置の近傍における下部ケーシング50と上部ケーシング40との密閉性を高めることができ、この位置からの現像剤飛散を防止することができる。
【0032】
次に、現像剤受入部材60について説明する。
図5は、現像剤受入部材60の説明図であり、図5(a)は図3に示す現像剤受入部材60を右斜め上方から見た斜視図であり、図5(b)は図3に示す現像剤受入部材60を左斜め上方から見た斜視図である。図5に示すように、現像剤受入部材60は突起部65及び引掛け部66を備える。
【0033】
図6は、下部ケーシング50に対する現像剤受入部材60の設置を説明する説明図であり、図7は下部ケーシング50に現像剤受入部材60を設置した状態の斜視拡大図である。
現像剤受入部材60を現像ケーシングに設置するときには、図6中のαの位置で現像剤受入部材60の円筒状の突起部65を下部ケーシング50に設けた不図示の穴部に挿入する。その後、穴部に挿入した突起部65を支点として現像剤受入部材60を図6中矢印β方向に回転させて、下部ケーシング50に設けられた突起59と現像剤受入部材60の引掛け部66とをセットすることによって、下部ケーシング50に対する現像剤受入部材60の設置が完了する。
【0034】
本実施形態の現像装置5では、現像剤受入部材60と下部ケーシング50との間に挿入する弾性部材であるクッション部材63としてはモルトプレンなどのシール部材を用いている。クッション部材としては、もちろん樹脂やバネ性を有する金属材質で成形された板バネなども同様の役割を果たすものであることは言うまでも無い。現像装置5では、モルトプレンを現像装置5のハウジングを構成する下部ケーシング50に両面テープなどにより固定し、その上から現像剤受入部材60を設置する構成を採用している。
現像剤受入部材を現像装置のハウジングに設置する構成については、現像装置5のように円筒形の突起部65と穴との嵌合だけではなく、円筒形状の突起部65と長穴との嵌合などとしてもよい。突起部65と長穴との嵌合の構成を用いることにより、弾性部材であるクッション部材63の変形量に応じて現像剤受入部材60の変位量を大きくすることが可能となる。
【0035】
また、本実施形態の現像装置5では、弾性部材であるクッション部材63よりも受入口シール部材である受入口シール64の方が高硬度である。クッション部材63に比べて受入口シール64の方が柔らかい部材であると、トナー排出口33に対するトナー受入口61の位置ずれが生じたときに、受入口シール64のみが変形する状態となり、現像剤受入部材60の位置を変位させることができない。受入口シール64のみで変形が生じる状態で、現像剤受入部材60の受入口シール64を貼り付けた面とトナー補給装置35のトナー排出口33を設けた下面とが斜めに対向した場合、受入口シール64が斜めに挟まれてしまう。そして、斜めに挟まれた受入口シール64の変形量が小さいが側では、受入口シール64とトナー補給装置35の下面との間で圧力がかかっていない状態、または、隙間が生じたい状態となり、このような状態の箇所から現像剤が漏れてしまうおそれがある。一方、弾性部材であるクッション部材63の方が柔らかいと、現像装置5の下部ケーシング50に対して現像剤受入部材60全体が変位するので、トナー受入口61をトナー補給装置35に対して位置合わせを行うことができる。
【0036】
また、本実施形態の現像装置5の現像剤受入部材60は現像剤供給装置であるトナー補給装置35との位置決め形状を有する。詳しくは、現像剤受入部材60が不図示の位置決め突起を備えており、トナー補給装置35側が備える不図示の位置決め凹部に位置決め突起が係合することでトナー補給装置35に対する現像剤受入部材60の位置決めがなされる。
作像部での位置精度が優先されるようにプリンタ100本体に設置された現像装置5で、製造誤差や組み付け誤差があると、トナー排出口33に対するトナー受入口61の位置ずれが生じて、位置決め形状による位置決めは困難であった。一方、本実施形態の現像装置5ではこれらの誤差によって生じるトナー排出口33に対するトナー受入口61の位置ずれを吸収することができるため、位置決め形状同士が係合するようにクッション部材63が変形して現像剤受入部材60の位置が変位することによって、位置決め形状による位置決めを行うことができるようになる。このため、トナー排出口33に対するトナー受入口61の位置合わせをさらに高精度に行うことができるようになる。
【0037】
また、本実施形態のプリンタ100では、現像装置5と感光体1とを備えた作像部6を構成する部材が一体的に支持され、差作像部6がプロセスカートリッジとしてプリンタ100本体から着脱可能に構成されている。これにより、作像部での位置精度が高いのみではなく、トナー排出口33に対するトナー受入口61の位置精度が高い現像装置5と感光体1とを容易に交換することができる。
また、感光体1と、帯電ローラ4と、露光装置7と、現像手段とを有する画像形成装置であるプリンタ100において、現像手段として現像装置5を備えることにより、トナー排出口33に対するトナー受入口61の位置合わせを高精度に行うことができるため、開口部同士の合わせ目からトナーが漏れることを防止することができ、プリンタ100内がトナーで汚れることを防止することができる。
【0038】
また、本実施形態では現像剤供給装置が現像剤としてトナーを補給するトナー補給装置35である構成について説明した。しかし、現像剤受入部材60の現像剤受入口から供給される現像剤はトナーに限るものではなく、キャリアとトナーを混合した現像剤やキャリアのみの場合についても同様の効果が得られる。
【0039】
〔変形例1〕
上述の実施形態の現像装置5では、現像装置5の下部ケーシング50に弾性部材であるクッション部材63を固定した後に、現像剤受入部材60を下部ケーシング50に設置し、クッション部材63を介して現像剤受入部材60が下部ケーシング50に対して取り付けられるものである。すなわち、クッション部材63と現像剤受入部材60とは別部材であった。
以下、弾性部材と現像剤受入部材60とを一つの部材とする変形例1について説明する。
変形例1では、エラストマー等の弾性材料からなる弾性部材と現像剤受入部材60とを二色成形によって一体成形する。二色成形によって弾性部材が一体成形されることにより部材点数の削減を図ることができる。なお、二色成形によって現像剤受入部材60と一体成形する弾性部材の材料としてはエラストマーに限るものではなく、現像剤受入部材60を構成する材料と二色成形を行えるものであれば良い。
【0040】
〔変形例2〕
上述の実施形態の現像装置5では、現像剤受入部材60が硬質の樹脂材料からなり、硬質の現像剤受入部材60と現像ケーシングとの間の弾性部材が変形することによって、現像ケーシングに対する現像剤受入口の位置を変位させる構成であった。
以下、現像剤受入部材60自体が弾性体からなる変形例2について説明する。
変形例2では、現像剤受入部材60自体が弾性体からなることにより、現像剤受入部材60が変形することによって、現像剤受入部材60のトナー受入口61の現像ケーシングに対する位置を変位させることができる。これにより、上述の実施形態と同様に、トナー排出口33に対するトナー受入口61の位置合わせをさらに高精度に行うことができるようになる。
また、現像剤受入部材60が弾性体からなることにより、硬質の材料からなる部材と弾性部材とを組み合わせる必要が無く、部材点数の削減を図ることができる。
【0041】
以上、本実施形態によれば、現像装置5は、画像形成装置であるプリンタ100に設置することによって現像剤供給装置であるトナー補給装置35と連結し、トナー補給装置35から現像剤としてトナーを供給される現像装置である。また、現像装置5本体を形成する現像ケーシングである上部ケーシング40及び下部ケーシング50とは別体で形成され、トナー補給装置35と連結する現像剤受入部材60を有する。また、現像剤受入部材60の少なくともトナー補給装置35と連結する現像剤受入口であるトナー受入口61の下部ケーシング50に対する位置が変位可能である。すなわち、下部ケーシング50のプリンタ100本体の位置に対して独立して、トナー受入口61をトナー排出口33に対して位置を合わせることができる。これにより、作像部での位置の精度を優先してプリンタ100本体に対して位置決めがなされた現像装置5の下部ケーシング50に対するトナー受入口61の位置を変位させることによって、トナー補給装置35に対して高精度にトナー受入口61の位置決めを行うことができる。よって、現像装置5とトナー補給装置35との連結部であるトナー排出口33及びトナー受入口61の開口部同士の合わせ目からのトナーの飛散を防止することができる。
また、現像剤受入部材60は、トナー補給装置35と連結するトナー受入口61の周辺に受入口シール64を備えることによって、開口部同士の合わせ目の密閉性を向上することができ、この合わせ目からのトナー飛散をより確実に防止することができる。
また、現像剤受入部材60の現像ケーシングである下部ケーシング50に対する位置を変位可能とすることにより、トナー受入口61の下部ケーシング50に対する位置を変位可能とする構成を実現することができる。
また、現像剤受入部材60は弾性部材であるクッション部材63を介して下部ケーシング50に取り付けられ、クッション部材63が変形することによって現像剤受入部材60の現像ケーシングに対する位置が変位する。これにより、トナー受入口61の下部ケーシング50に対する位置を変位可能とする構成を実現することができる。
また、現像剤受入部材60が備える受入口シール64の方がクッション部材63よりも高硬度であることにより、受入口シール64よりもクッション部材63の方が変形しやすいため、下部ケーシング50に対して現像剤受入部材60全体が変位する。これにより、トナー受入口61をトナー補給装置35に対して位置合わせを行うことができる。
また、現像装置5の現像ケーシングは下部ケーシング50と上部ケーシング40とからなり、現像剤受入部材60は下部ケーシング50に取り付けられるものであって、上部ケーシング40の一部である爪部40aと現像剤受入部材60との一部とがオーバーラップして固定設置されている。これにより、現像剤受入部材60を設置した位置の近傍における下部ケーシング50と上部ケーシング40との密閉性を高めることができ、この位置からの現像剤飛散を防止することができる。
また、現像剤受入部材60がトナー補給装置35との位置決め形状を有することによって、トナー排出口33に対するトナー受入口61の位置合わせをさらに高精度に行うことができるようになる。
また、少なくとも現像手段と潜像像担持体である感光体1とを一体的に構成して画像形成装置であるプリンタ100本体に着脱可能なプロセスカートリッジである作像部6が、現像手段として現像装置5を備えることによって、トナー排出口33に対するトナー受入口61の位置精度が高い現像装置5と感光体1とを容易に交換することができる。
また、少なくとも潜像担持体である感光体1と、感光体1表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ4と、感光体1上に静電潜像を形成するための潜像形成手段である露光装置7と、静電潜像を現像してトナー像化するための現像手段とを有する画像形成装置であるプリンタ100において、現像手段として、現像装置5を用いることによって、トナー排出口33とトナー受入口61との開口部同士の合わせ目からトナーが漏れることを防止することができ、プリンタ100内がトナーで汚れることを防止することができる。
また、プリンタ100が、少なくとも潜像像担持体である感光体1と現像装置5とを一体的に構成してプリンタ100本体に着脱可能なプロセスカートリッジを備えることにより、トナー排出口33に対するトナー受入口61の位置精度が高く、トナー供給部でのトナーが漏れることを防止できる現像装置5と感光体1とを容易に交換することができる。
また、プリンタ100が、プロセスカートリッジを複数備えることによって、カラーであっても各色毎にトナー供給部でのトナーが漏れることを防止できる現像装置5と感光体1とを容易に交換することができる。
また、変形例1のように、現像剤受入部材60と弾性部材とを二色成形で形成することにより、部材点数の削減を図ることができる。
また、変形例2のように、現像剤受入部材60自体を弾性体とすることにより、現像剤受入部材60が変形することによってトナー受入口61の下部ケーシング50に対する位置が変位する構成を実現でき、且つ、部材点数の削減を図ることができる。
【符号の説明】
【0042】
1 感光体
2 クリーニング装置
4 帯電ローラ
5 現像装置
6 作像部
7 露光装置
8 中間転写ベルト
15 中間転写ユニット
19 二次転写ローラ
20 定着装置
31 トナー容器収容部
32 トナー容器
33 トナー排出口
34 トナー搬送部材
35 トナー補給装置
40 上部ケーシング
40a 爪部
50 下部ケーシング
51 現像ローラ
59 突起
60 現像剤受入部材
61 トナー受入口
62 トナー受入路
63 クッション部材
64 受入口シール
65 突起部
66 引掛け部
100 プリンタ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0043】
【特許文献1】特開2002−341648号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置に設置することによって現像剤供給装置と連結し、該現像剤供給装置から現像剤を供給される現像装置において、
現像装置本体を形成する現像ケーシングとは別体で形成され、該現像剤供給装置と連結する現像剤受入部材を有し、
該現像剤受入部材の少なくとも該現像剤供給装置と連結する現像剤受入口の該現像ケーシングに対する位置が変位可能であることを特徴とする現像装置。
【請求項2】
請求項1の現像装置において、
上記現像剤受入部材は、上記現像剤供給装置と連結する現像剤受入口の周辺に受入口シールを備えることを特徴とする現像装置。
【請求項3】
請求項1または2の現像装置において、
上記現像剤受入部材の上記現像ケーシングに対する位置が変位可能であることを特徴とする現像装置。
【請求項4】
請求項3の現像装置において、
上記現像剤受入部材は弾性部材を介して上記現像ケーシングに取り付けられ、該弾性部材が変形することによって該現像剤受入部材の該現像ケーシングに対する位置が変位することを特徴とする現像装置。
【請求項5】
請求項4の現像装置において、
上記現像剤受入部材と上記弾性部材とが二色成形で形成されていることを特徴とする現像装置。
【請求項6】
請求項4または5の現像装置において、
上記現像剤受入部材は、上記現像剤供給装置と連結する現像剤受入口の周辺に受入口シールを備え、
上記弾性部材よりも該受入口シール部材の方が高硬度であることを特徴とする現像装置。
【請求項7】
請求項1または2の現像装置において、
上記現像剤受入部材は弾性体からなり、該現像剤受入部材が変形することによって上記現像剤受入口の上記現像ケーシングに対する位置が変位することを特徴とする現像装置。
【請求項8】
請求項1、2、3、4、5、6または7の現像装置において、
上記現像ケーシングは下部ケーシングと上部ケーシングとからなり、上記現像剤受入部材は該下部ケーシングに取り付けられるものであって、
該上部ケーシングの一部と該現像剤受入部材との一部とがオーバーラップして固定設置されていることを特徴とする現像装置。
【請求項9】
請求項1、2、3、4、5、6、7または8の現像装置において、
上記現像剤受入部材は上記現像剤供給装置との位置決め形状を有することを特徴とする現像装置。
【請求項10】
少なくとも現像手段と潜像像担持体とを一体的に構成して画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジにおいて、
該現像手段として請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9の現像装置を備えることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項11】
少なくとも潜像担持体と、
該潜像担持体表面を帯電させるための帯電手段と、
該潜像担持体上に静電潜像を形成するための潜像形成手段と、
該静電潜像を現像してトナー像化するための現像手段とを有する画像形成装置において、
該現像手段として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9に記載の現像装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項11の画像形成装置において、
少なくとも上記潜像像担持体と上記現像装置とを一体的に構成して画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジを備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
請求項12の画像形成装置において、
上記プロセスカートリッジを複数備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−181558(P2012−181558A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−142347(P2012−142347)
【出願日】平成24年6月25日(2012.6.25)
【分割の表示】特願2007−253654(P2007−253654)の分割
【原出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】