説明

現像装置及び画像形成装置

【課題】本発明は、部材同士の移動による擦れを極力避け、大きな部品の追加も無く、規制部材におけるトナーフィルミングの発生を抑制することが可能な現像装置を提供する
【解決手段】その表面に一成分現像剤を保持し、保持した一成分現像剤を回転することで現像領域へ搬送する現像剤担持体13aと、現像剤担持体の表面に押圧当接し、当該表面に付着する一成分現像剤を帯電するとともに保持される一成分現像剤の層厚を規制するブレード状の現像剤規制部材13cとを有する現像装置13において、現像剤担持体に表面に圧接する現像剤規制部材の接触面は、当接面の圧力が最大になる最大圧力部P1を境目にして、現像剤担持体の回転方向の上流側に位置する接触部P1aと下流側に位置する接触部P1bとを有し、接触面の位置を変位させることで、変位前の下流側接触部P1bを変位後の最大圧力部の上流側に位置させるクリーニングモードを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプリンタ、複写機などの画像形成装置とそれに用いる現像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真技術は広く利用されており、ファクシミリやパーソナルコンピュータに接続するプリンタ、これら機能を複数備えた複合機等に利用されているが、近年デジタル記録技術は、プリンタのみならず通常の複写機にも応用されデジタル複写機の開発が進み、その需要は今後益々高まっていく傾向にある。
【0003】
電子写真方式の画像形成装置においては、予め一様に帯電された潜像担持体上に光学的な画像情報を形成することによって得た静電潜像を、現像装置から供給される現像剤を構成するトナーにより可視化し、この可視像を転写紙上に転写、定着することによって画像形成を行っている。
【0004】
現像剤には、トナーとキャリアからなる二成分方式と、トナー単体からなるに一成分方式とがある。一成分方式を採用する画像形成装置においては、現像装置が備えた現像剤担持体となる現像ローラに供給される一成分現像剤であるトナーを、現像ローラの表面に当接する規制部材と現像ローラ表面との間を通過させることで、トナーを摩擦帯電させ、かつ一定の厚さのトナー薄層として保持して現像領域へ搬送している。規制部材としては、板状の弾性ブレードが用いられることが多いが、この場合、板状の規制部材の同じ箇所が常に現像ローラに当接しているため、長期の使用により不具合が発生し易くなる。
【0005】
一成分現像剤を用いる場合の顕著な問題として、現像ローラと規制部材の間にトナーやその外添材が堆積し、それを核として、規制部材の現像ローラとの当接部にトナーフィルミングが生じ、やがて固着する問題がある。
【0006】
板状の規制部材における現像ローラとの当接部へのトナーの固着は、様々な問題を引き起こす。まず、トナーへの正規な摩擦帯電付与機能が弱くなり、トナーを十分帯電させることができなくなりトナー飛散や地汚れの問題が生じる。現像ローラ長手方向に対する部分的なトナーの固着は、その部分だけトナーが規制部材を通過できなくなるため、部分的にトナーが供給されず、白スジ画像となって表れる。これらの問題から解るように、常に一定層厚のトナーを通過させるためには、規制部材の表面にトナーの固着・フィルミングを生じさせないことが重要である。
そこで、規制部材に対するトナーフィルミングの改善策として、以下のようなものが提案されている。
【0007】
特許文献1では、現像剤担持体とブレード状の規制部材との間に規制部材の幅方向にスライド可能な固着トナー除去部材を設け、これをスライドさせることで規制部材からトナーの固着物を除去する構成や、ブレード状の規制部材を現像剤担持体に沿って上下方向にスライド可能に構成し、ブレードを上下にスライドすることで固着物の除去を図ることが提案されている。
特許文献2では、現像剤担持体となる現像ローラに付着するトナーの量を規制する規制部材をローラ形状とし、この規制ローラに付着するトナーを除去するクリーニング部材をローラ状又はベルト状に形成して規制ローラに圧接させて設けた構成が記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1のように、幅方向にスライドする固着トナー除去部材や規制部材となるブレード自身を現像ローラに擦りつけることで、トナーの固着の改善は測れるが、部材同士を頻繁に動かして擦り合わせることで、傷等が生じる可能性があり、耐久性の面で課題がある。
特許文献2では、規制部材をローラ形状として用いるので、容易にクリーニングすることは可能であるが、ブレード部材に比べて設置スペースを要するので、複数個の現像装置を用いるカラー画像形成装置に用いる場合には、装置の大型化を避けることが難しい。
本発明は、部材同士の移動による擦れを極力避け、大きな部品の追加も無く、規制部材におけるトナーフィルミングの発生を抑制することが可能な現像装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、その表面に一成分現像剤を保持し、保持した一成分現像剤を回転することで現像領域へ搬送する現像剤担持体と、現像剤担持体の表面に押圧当接し、当該表面に付着する一成分現像剤を帯電するとともに保持される一成分現像剤の層厚を規制するブレード状の現像剤規制部材とを有する現像装置において、現像剤担持体に表面に圧接する現像剤規制部材の接触面は、当接面の圧力が最大になる最大圧力部を境目にして、現像剤担持体の回転方向の上流側に位置する接触部と下流側に位置する接触部とを有し、接触面の位置を変位させることで、変位前の下流側接触部を変位後の最大圧力部の上流側に位置させるクリーニングモードを有すること特徴としている。
【0010】
本発明に係る現像装置において、クリーニングモードは、現像剤担持体の表面に保持されている一成分現像剤を消費しない状態で、現像剤担持体を空転することを特徴としている。
【0011】
本発明に係る現像装置において、現像剤規制部材の最大圧力部を変位する変位手段を有し、変位手段は、現像剤担時体との当接面と反対側に配置されるカム部材と、カム部材を回転駆動する駆動手段とを有し、カム部材は、1回転する間に少なくともその1箇所で、現像剤規制部材の接触部よりも現像剤担時体の回転方向下流側で、現像剤規制部材の反対側から同現像剤規制部材に圧接し、同1回転の間で少なくとも1箇所で現像剤規制部材に接触しない部分を有することを特徴としている。
【0012】
本発明に係る現像装置において、現像剤規制部材は、現像剤担時体の長手方向に延設されていて、カム部材は、現像剤規制部材の長手方向において複数配置されていることを特徴としている。
本発明に係る現像装置において、変位前の現像剤規制部材と現像剤担時体の当接面の最大圧力部の下流側接触部が、変位後の最大圧力部に対して上流側に位置するまで、現像剤担時体に接触した状態で現像剤規制部材を移動する移動手段を有することを特徴としている。
本発明に係る現像装置において、変位前の現像剤規制部材と現像剤担時体の当接面の最大圧力部の下流側接触部が、変位後の最大圧力部に対して上流側に位置するまで、現像剤担時体に接触した状態で現像剤担時体を移動する移動手段を有することを特徴としている。
本発明に係る画像形成装置は、上記何れか1つに記載の現像装置を有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、変位前のブレード状の現像剤規制部材への付着物が堆積し易い現像剤規制部材と現像剤担持体との接触部における最大圧力部よりも下流側を、変位後にトナーの流れる力で堆積物を除去することができる最大圧力部よりも上流側に移動させるクリーニングモードを有するので、上流側にあるトナーの流れによって、付着物を除去する効果を得ることができる。このため、部材同士の駆動による擦れを極力避け、大きな部品の追加も無く、現像剤規制部材におけるトナーフィルミングの発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明が適用された画像形成装置の一形態を示す斜視図である。
【図2】本発明が適用された現像装置の構成を示す拡大断面図である。
【図3】現像剤担持体の構成を示す拡大断面図である。
【図4】(a)は現像剤担持体と規制部材の当接部の構成を示す拡大図、(b)は現像剤担持体と規制部材の当接部にトナーフィルミングが発生した状態を示す拡大図である。
【図5】(a)はカム部材が非作動時の当接部近傍の拡大図、(b)はカム部材が作動時の当接部近傍の拡大図である。
【図6】(a)は現像剤担持体と規制部材の当接初期状態を示す図、(b)は規制部材が当接位置をずらす方向に移動した状態を示す図である。
【図7】規制部材の当接位置ずれによりトナーフィルミングが上流側に移動した状態を示す拡大図である。
【図8】(a)は現像剤担持体と規制部材の当接初期状態を示す図、(b)は現像剤担持体が当接位置をずらす方向に移動した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図を参照して本発明の実施形態を説明する。各実施形態及び変形例等に亘り、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すに留め、重複説明は省略する。なお、実施形態に記載した内容は、一形態に過ぎず、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。
【0016】
図1を用いて画像形成装置の全体構成と動作について説明し、その後、本発明の特徴部分について説明する。図1において、画像形成装置は、タンデム型カラー複写機である。タンデム型カラー複写機は、その装置本体1の上方に、原稿の画像情報を読み込む原稿読込部4と、原稿を原稿読込部4に搬送する原稿搬送部3が配置されている。装置本体1の下方には、転写紙等の記録媒体Pが収容される給紙部7が配置されている。
【0017】
装置本体1の内部には、入力画像情報に基づいたレーザ光を発する書込み部2、記録媒体Pの搬送タイミングを調整するレジストローラ9、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対応するプロセスカートリッジ10Y,10M,10C,10K、プロセスカートリッジ10Y,10M,10C,10Kが備えている各感光体ドラム11上に形成されるトナー像を記録媒体P上に重ねて転写する転写バイアスローラ(1次転写バイアスローラ)14と、複数色のトナー像が重ねて転写される中間転写体となる中間転写ベルト17と、中間転写ベルト17を清掃する中間転写ベルトクリーニング部16と、中間転写ベルト17上のカラートナー像を記録媒体P上に一括転写するための2次転写バイアスローラ18、記録媒体P上の未定着画像を記録媒体Pに定着する定着装置20が配置されている。
【0018】
プロセスカートリッジ10Y,10M,10C,10Kの構成について説明する。各プロセスカートリッジは、現像剤となるトナーの色が異なる以外は同一構成であるので、ここでは、図2に示すように、符号のアルファベット(Y,C,M,K)を除し、かつ1つのプロセスカートリッジ10を代表して説明する。プロセスカートリッジ10は、像担持体である感光体ドラム11、帯電部を構成する帯電ローラ12、現像部を構成する現像装置13、感光体ドラム11のクリーニング部15が一体化されたものであって、装置本体1に対して着脱自在(交換自在)に設置されている。
【0019】
以下、画像形成装置における、通常のカラー画像形成時の動作について説明する。プロセスカートリッジ10Y,10M,10C,10Kの感光体ドラム11上で行なわれる作像プロセスについては、図2も参照する。
【0020】
画像形成装置では、原稿が原稿搬送部3の搬送ローラによって、原稿台から搬送されて、原稿読込部4のコンタクトガラス上に載置される。そして、原稿読込部4で、コンタクトガラス上に載置された原稿の画像情報が光学的に読み取られる。
【0021】
詳しくは、原稿読込部4は、コンタクトガラス上の原稿の画像に対して、照明ランプから発した光を照射しながら走査する。そして、原稿にて反射した光を、ミラー群及びレンズを介して、カラーセンサに結像する。原稿のカラー画像情報は、カラーセンサにてRGB(レッド、グリーン、ブルー)の色分解光ごとに読み取られた後に電気的な画像信号に変換される。さらに、RGBの色分解画像信号をもとにして画像処理部で色変換処理、色補正処理、空間周波数補正処理等の処理を行い、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのカラー画像情報を得る。イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像情報は、書込み部2に送信される。そして書込み部2からは、各色の画像情報に基づいたレーザ光L(図2参照)が、それぞれ対応する感光体ドラム11上に向けて発せられる。
【0022】
一方、各感光体ドラム11は、図示しない駆動モータによって図1、図2において反時計方向に回転される。そして、感光体ドラム11の表面が、帯電ローラ12との対向部で一様に帯電される(帯電工程)。こうして感光体ドラム11上には、帯電電位が形成され、その後、帯電された感光体ドラム11の表面は、それぞれのレーザ光Lの照射位置に達する。
【0023】
書込み部2において、4つの光源から画像信号に対応したレーザ光Lが各色に対応してそれぞれ射出される。各レーザ光Lは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分ごとに別の光路を通過することになる(露光工程)。
【0024】
イエロー成分に対応したレーザ光は、図1の紙面左側から1番目のプロセスカートリッジ10Yの感光体ドラム11Y表面に照射される。このとき、イエロー成分のレーザ光は、高速回転するポリゴンミラーにより、感光体ドラム11の回転軸方向(主走査方向)に走査される。こうして、帯電ローラ12にて帯電された後の感光体ドラム11上には、イエロー成分に対応した静電潜像が形成される。
【0025】
同様に、マゼンタ成分に対応したレーザ光は、紙面左から2番目のプロセスカートリッジ10Mの感光体ドラム11Mの表面に照射されて、マゼンタ成分に対応した静電潜像が形成される。シアン成分のレーザ光は、紙面左から3番目のプロセスカートリッジ10Cの感光体ドラム11Cの表面に照射されて、シアン成分の静電潜像が形成される。ブラック成分のレーザ光は、紙面左から4番目のプロセスカートリッジ10Kの感光体ドラム11Kの表面に照射されて、ブラック成分の静電潜像が形成される。
【0026】
その後、各色の静電潜像が形成された各プロセスカートリッジ10Y,10M,10C,10Kの各感光体ドラム11の表面は、それぞれ現像装置13との対向位置に達する。そして、各現像装置13から感光体ドラム11上に各色のトナーが供給されて、感光体ドラム11上の潜像が現像される(現像工程)。
【0027】
現像工程後の各感光体ドラム11の表面は、それぞれ中間転写ベルト17との対向部に達する。ここで、それぞれの対向部には中間転写ベルト17の内周面に当接するように転写バイアスローラ14がそれぞれ設置されている。そして、転写バイアスローラ14の位置で、中間転写ベルト17上に、プロセスカートリッジ10Y,10M,10C,10Kの各感光体ドラム11上にそれぞれ形成された各色のトナー像が、順次重ねて転写される(1次転写工程)。
【0028】
転写工程後の各感光体ドラム11の表面は、それぞれクリーニング部15との対向位置に達する。そして、クリーニング部15で、各感光体ドラム11上に残存する未転写トナーが回収される(クリーニング工程)。クリーニング後、各感光体ドラム1の表面は、不図示の除電部を通過して、各感光体ドラム11における一連の作像プロセスが終了する。
【0029】
他方、各色の感光体ドラム11上の各色のトナーが重ねて転写(担持)された中間転写ベルト17は、図1中の時計方向に走行して、2次転写バイアスローラ18との対向位置に達する。そして2次転写バイアスローラ18との対向位置で、記録媒体P上に中間転写ベルト17上に担持されたカラーのトナー像が一括転写される(2次転写工程)。
【0030】
転写後、中間転写ベルト17の表面は、中間転写ベルトクリーニング部16の位置に達する。そして中間転写ベルト17上に付着した未転写トナーが中間転写ベルトクリーニング部16に回収されて、中間転写ベルト17における一連の転写プロセスが終了する。
【0031】
ここで、中間転写ベルト17と2次転写バイアスローラ18との間(2次転写ニップ)に搬送される記録媒体Pは、給紙部7からレジストローラ9等を経由して搬送されたものである。
【0032】
詳しくは、記録媒体Pを収納する給紙部7から、給紙ローラ8により給送された記録媒体Pは、搬送ガイドを通過した後に、レジストローラ9に導かれる。レジストローラ9に達した記録媒体Pは、フルカラートナー画像とのタイミングを合わせて、2次転写ニップに向けて搬送される。
【0033】
フルカラートナー画像が2次転写ニップで転写された記録媒体Pは、搬送ベルトによって定着装置20に導かれる。定着装置20では、定着ベルトと加圧ローラとで形成された定着ニップにて、カラー画像が記録媒体P上に定着される。定着後の記録媒体Pは、排紙ローラ21によって、装置本体1外に出力画像として排出されて、一連の画像形成プロセスが完了する。
【0034】
次に、図2を用いて画像形成装置における作像部であるプロセスカートリッジ10について詳述する。プロセスカートリッジ10は、像担持体としての感光体ドラム11、帯電ローラ12、現像装置13、クリーニング部15等で構成されている。
【0035】
像担持体としての感光体ドラム11は、負帯電の有機感光体であって、装置本体1側に設置された不図示の駆動モータから駆動力を受けて図2において反時計方向に回転駆動される。
【0036】
帯電ローラ12は、芯金上に、ウレタン樹脂、導電性粒子としてのカーボンブラック、硫化剤、発泡剤等を処方した中抵抗の発泡ウレタン層をローラ状に形成した弾性を有するローラ部材である。帯電ローラ12の中抵抗層の材質としては、ウレタン、エチレン−プロピレン−ジエンポリエチレン(EPDM)、ブタジエンアクリロニトリルゴム(NBR)、シリコーンゴムや、イソプレンゴム等に抵抗調整のためにカーボンブラックや金属酸化物等の導電性物質を分散したゴム材や、またこれらを発泡させたものを用いることもできる。なお、本実施形態では、感光体ドラム11に対して帯電ローラ12を接触するように構成しているが、感光体ドラム11に対して帯電ローラ12が接触しないように構成することもできる。
【0037】
クリーニング部15は、感光体ドラム11表面にその先端が摺接するクリーニングブレード15aが設置されていて、感光体ドラム11表面の未転写トナーを機械的に除去・回収する。
【0038】
現像装置13は、現像剤担持体としての現像ローラ13aが感光体ドラム11の表面に接触するように配置されていて、双方の部材の間には現像領域(現像ニップ部)が形成される。現像装置13内には、トナー(1成分現像剤)が収容されている。現像装置13は、感光体ドラム11の表面に形成される静電潜像をトナー像として現像する。
【0039】
現像装置13は、1成分現像方式の現像装置であって、現像ローラ13a、供給ローラ13b、薄層化部材であり規制部材となる規制ブレード13c、撹拌部材13d、アジテータ13e、トナー供給口13f、シール部材13g等を備えている。現像装置13には、トナー収容部B1とトナー供給部B2とが設けられている。
【0040】
現像ローラ13aは、図3に示すように、ステンレスや鉄等からなる芯金13a5上に、弾性層13a4、中間層13a3、表面下層13a2、表面層13a1が順次積層された5層のローラ部材である。弾性層13a4は、ウレタンゴム、シリコンゴム、NBR等の弾性材料にて、JIS−A硬度が50度以下に、電気抵抗値が10〜1010Ωになるように形成されていて、感光体ドラム11の表面に接触する現像ローラ13aの状態を安定させるためのものである。中間層13a3は、導電性樹脂材料で形成されていて、現像ローラ13a全体の電気抵抗等の電気特性を最適化するためのものである。表面層13a1は、耐摩耗性を有するとともにトナーの極性とは逆の極性に帯電しやすい導電性樹脂材料にて、表面粗さ(Ra)が0.2〜2.0μmになるように形成されていて、その外周面に帯電したトナー(帯電トナー)を担持するためのものである。表面下層13a2は、表面層13a1の内周面に内接するように積層されていて(表面層13a1と中間層13a3との間に積層されていて)、マーカー剤として機能する発色剤と顕色剤とが含有されている。
【0041】
現像ローラ13aは、不図示の高圧電源から所定の現像バイアスが印加されながら、不図示の駆動モータからギア列を介して駆動力が伝達されることで、図2において時計回り方向に回転駆動される。
【0042】
供給ローラ13bは、芯金上にセル構造の発泡材料が被覆されたローラ部材であって、電気抵抗値が10〜1014Ωになるように形成されていて、現像ローラ13aとの摺接部でトナーを摩擦帯電させながら現像ローラ13a上にトナーを供給するものである。
【0043】
供給ローラ13bは、不図示の高圧電源から所定のバイアスが印加されながら、不図示の駆動モータからギア列を介して駆動力が伝達されることで、図2において時計回り方向に回転駆動される。なお、本実施形態において、供給ローラ13bに印加されるバイアスはトナーと同極性のバイアスであって、これにより供給ローラ13b側から現像ローラ13a側にトナーが静電気的に移行することになる。
【0044】
規制ブレード13cは、ステンレス(例えば、SUS304CSPやSUS301CSP等)やリン青銅等からなる板バネ部材であって、現像ローラ13aの軸線方向に延設されている。規制ブレード13cは、その基端が現像装置13のケーシングに固定されていて、その自由端側が現像ローラ13aの表面に10〜100N/mの押圧力で当接するように設定されている。現像ローラ13aの表面上に担持されたトナーは、規制ブレード13cによって、薄層化・均一化されながら摩擦帯電された後に、現像領域の位置に搬送される。本実施形態では、規制ブレード13cにトナーと同極性のバイアスが印加されていて、これにより現像ローラ13a側から規制ブレード13c側へのトナーの移動が静電気的に制限されるとともに、トナーの摩擦帯電が促進されることになる。
【0045】
撹拌部材13dは、トナー供給部B2内に収容されたトナーの凝集を防止するためのものであって、図2において矢印方向に回転する。アジテータ13eは、トナー収容部B1内に収容されたトナーの凝集を防止するためのものであって、図2において矢印方向に回転する。
【0046】
トナー供給口13fは、トナー収容部B1内に収容されたトナーをトナー供給部B2内に向けて適宜に供給するためのものである。トナー供給口13fによってトナー供給部B2内に収容されるトナー量が制限されることで、トナー供給部B2内に収容されるトナーが凝集しにくくなる。
【0047】
シール部材13gは、現像領域に対して現像ローラ13aの回転方向下流側の位置で現像ローラ13aに当接するように設置されていて、現像装置13から装置外部へのトナーの漏出を防止している。
【0048】
このように構成された現像装置13は、次のように動作する。
【0049】
トナー収容部B1からトナー供給口13fを介してトナー供給部B2内に供給されて収容されたトナーの一部が、供給ローラ13bに担持される。供給ローラ13bに担持されたトナーは、現像ローラ13aとの圧接部で摩擦帯電された後に、現像ローラ13a上に移動して担持される。現像ローラ13a上に担持されたトナーは、規制ブレード13cとの対向位置で、薄層化・均一化された後に、感光体ドラム11との当接位置となる現像領域に達する。そして、この現像領域に達したトナーは、現像領域に形成された電界(現像電界)によって、感光体ドラム11上に形成された潜像に吸着されて、トナー像を形成する。
【0050】
上述したように、本実施形態における現像装置13では、現像ローラ13a(表面層13a1)に摺接する他の部材が、感光体ドラム11、供給ローラ13b、規制ブレード13cの3つの部材となっている。
【0051】
次に本発明の特徴的な構成について説明する。
図4(a)は現像装置13の通常動作時における規制ブレード13cと現像ローラ13aの当接部60を拡大した模式図である。表層に弾性層をもつ現像ローラ13aは、規制ブレード13cが圧接することによって内側に凹んで変形しており、圧力を受けている当接面の圧力が最大になる最大圧力部(中心部分)をピーク圧部P1とする。規制ブレード13cにおいて、ピーク圧部P1に対し、現像ローラ回転方向の上流側の領域を上流側接触部P1aとし、下流側の領域を下流側接触部P1bとする。上流側接触部P1aのトナー供給部B2内のトナーをT1とすると、当接部のピーク圧部P1を境に下流側接触部P1bにトナー薄層T2が規制ブレード13cの機能によって形成されている。
【0052】
図4(b)は長期の使用等で当接部60に付着物17が生じている状態を拡大して示す模式図である。一般的に上流側接触部P1aでは、トナー供給部B2内のトナーT1からのトナー流れがあり、この流れに押し流されるため、規制ブレード13cへの付着物等の堆積がし難い。一方、下流側接触部P1bではトナーの流れが無いため、特にトナー薄層T2と規制ブレード13cが離れる部分にトナーやその外添材等が堆積し易く付着物17が発生し易くなる。
【0053】
特にベタ画像等を印字してトナー消費が多く、現像ローラ13a上のトナー薄層T2が頻繁に入れ替わると、多くの外添材やトナーが当接部を通過するため、付着物17は溜まり易くなる。一方、印字量が少なくトナー薄層T2が入れ替わらないまま空転を続けると、付着物は堆積し難くなる。
【0054】
一成分現像の規制では、基本的にピーク圧部P1で現像ローラ13a上のトナー薄層が形成される。上流側接触部P1aはトナー供給部B2内でトナーT1が動き回っている状態であるので、それをピーク圧部P1で規制して、下流側接触部P1bでは現像ローラ13a上のトナー薄層となります。このとき上流側接触部P1aでは規制部に向かう流れと、そこから戻る流れが生じるため、上流側接触部P1aではトナーの流れが発生する。これに対し下流側接触部P1bとなる規制下流では、トナー薄層になっているので、規制上流側ほどトナーが激しく動くことがなく、トナーの流れは極めて少ない。
【0055】
図5は、当接部60の位置を変位するクリーニングモードを実行するための変位手段30の一形態を示すものある。変位手段30は、各現像装置が備えている。本形態における変位手段30は、軸31aを中心にして回転可能に支持されたカム部材31と、カム部材31を回転駆動する駆動手段となる駆動モータ32を備えていて、規制ブレード13cの最大圧力部となるピーク圧部P1の位置を変位するものである。カム部材31は、規制ブレード13cの現像ローラ13aとの当接面13c1と反対側となる裏面13c2側に配置されている。カム部材31は、1回転する間に少なくともその1箇所で、ピーク圧部P1よりも、現像ローラ13aの回転方向下流側で、裏面13c2側から規制ブレード13cに圧接し、同1回転の間で少なくとも1箇所で、規制ブレード13cに接触しない部分を有する外形とされている。図5(a)に示すカム部材31は、変位前となる通常使用時であり、規制ブレード13cに接触していない待機位置を占めている状態を示している。
【0056】
本形態において、クリーニングモードは、一定時間毎に実行されるもので、図示しない制御手段に設定されている。クリーニングモードが実行されると、現像装置13は、規制ブレード13cと現像ローラ13aとの当接部60の位置を変位することで、変位前の下流側接触部P1bを変位後のピーク圧部P1の上流側に位置させるとともに、現像ローラ13aの表面に保持されているトナーを消費しない状態で、現像ローラ13aを所定時間回(空転)するようにクリーニング動作を実行する。
【0057】
図5(b)は、現像装置13のクリーニングモード時の当接部60とカム部材31の状態を示す模式図である。この状態では、カム部材31が駆動モータ32によって回転され、規制ブレード13cを作用面13c2からカム先端で押し付ける。この状態をカム部材31の作用位置とする。カム部材31は、規制ブレード13cが現像ローラ13aの軸線方向に延設されているため、少なくとも同方向に1つ以上配置する必要がある。カム部材31が1つの場合、規制ブレード13cの軸線方向への幅と同等の幅とし、軸線方向に同一形状の部材で構成されることが望ましい。しかし、1つのカム部材31で規制ブレード13cの軸線方向へ長く形成すると、トナー供給部B2内のトナーT1の流れが阻害されることも想定されるので、この点を考慮すると、カム部材31は規制ブレード13cの軸線方向に複数に分割した構成とし、複数配置するようにしても良い。カム部材31については、これを回転させることで押し付けられる規制ブレード13cと現像ローラ13aの当接部のピーク位置P2が、付着物17より現像ローラ回転方向下流側になるような配置する。
【0058】
このように、カム部材31が回転すると、回転前のピーク圧部P1が規制圧ピーク位置P2へと移動するとともに、この移動によりピーク圧部P1の下流側に堆積した付着物17がピーク圧部P2の上流側に移ることになる。この状態で現像ローラ13aが図6において時計回り方向に回転駆動すると、トナー供給部B2内トナーT1からの矢印で示すトナー流れが付着物17に当たるとともに、付着物17が上流側に戻るトナーの流れに乗って拡散されて運び去られるため堆積し難くなる。
【0059】
このとき、トナー薄層T2は、現像ローラ13aが印字量を少なくした状態(白紙印字が望ましい)で空転することで、規制圧ピーク部P2の下流側に付着をさせることなく、上流側の付着物17を低減させることができる。
【0060】
現像ローラ13aを一定時間空転させた後に、駆動モータ32を作動してカム部材18を図5(b)に示す作用位置から図5(a)に示す待機位置に戻す。この状態はクリーニングモードから通常使用モードに戻す工程である。
【0061】
このような現像装置13に対するクリーニングモードを有し、このモードを実行することで、当接下流部P1bの付着物17がなくなった状態で現像装置13を使用することができる。このようなクリーニングモードを定期的に実行することで、長期的にトナーフィルミングの発生を改善することができる。
【0062】
クリーニングモードでは、現像ローラ13aの表面に保持されているトナーを消費しない状態で現像ローラ13aを空転するので、トナーの消費をしないことで、下流側接触部P1bへの堆積を避けることができ、下流側接触部P1bでの付着物除去効果のみを得ることができる。
【0063】
通常使用時のピーク圧部P1より下流側をカム部材31で押し付けることで、通常使用時のピーク圧部P1を下流側接触部P1bに移動するので、上流側にあるトナーの流れによって、付着物17を除去する効果を得ることができる。このため、部材同士の駆動による擦れを極力避け、大きな部品の追加も無く、規制ブレード13cにおけるトナーフィルミングの発生を抑制することができる
つまり、通常使用時のピーク圧部P1に対する下流側接触部P1bが、ピーク圧P1に対する上流側となるように、カム部材31で規制ブレード13cを裏側13c2側から押すことで、上流側にあるトナーの流れによって、付着物17を除去する効果を得ることができるようになる。
【0064】
図6,図7は、当接位置変更手段の別な形態を示すものである。
図6に示す当接位置可変手段40は、規制ブレード13cを現像ローラ13aに対して動かす手段である。この形態では、規制ブレード13cを現像ローラ13aに対して動かして、図7に示すように規制ブレード13cと現像ローラ13aの当節位置を変化させ、規制ブレード13cへの付着物17をピーク圧部P3より当接上流側に移動する。図6では規制ブレード13cを現像ローラ13aに向かって押し下げて当接位置を変更しているが、規制ブレード13cを現像ローラ13aに押し付ける方向で当接位置を変更しても良い。
【0065】
図7に示す状態で現像ローラ13aを時計回り方向に回転駆動させると、トナー供給部B2内のトナーT1によるトナー流れが付着物17に当たるとともに、付着物17が上流側に戻るトナーの流れに乗って拡散されて運び去られるため、堆積し難くなる。このため、規制ブレード13cの当接面13c1への付着を低減することができる。
【0066】
図8は、当接位置可変手段の別な形態を示すものである。図10に示す当接位置可変手段50は、現像ローラ13aを規制ブレード13cに対して動かす手段で構成している。図8に示すように、規制ブレード13cと現像ローラ13aの当接位置を変更し、規制ブレード13cへの付着部17を図7に示すように、規制ピーク圧P3より当接上流部側P1aに位置させる。この状態で現像ローラ13aを時計回り方向に回転駆動させると、トナー供給部B2内のトナーT1によるトナー流れが、付着物17に当たるとともに、付着物17が上流側に戻るトナーの流れに乗って拡散されて運び去られるため、堆積し難くなり、付着が低減する。
【0067】
次に本発明の検証実験の結果を記載する。
本発明で用いたトナーは以下のとおり。
カーボンブラック(キャボット社製リーガル400R):40部、結着樹脂:ポリエステル樹脂(三洋化成RS−801 酸価10、Mw20,000、Tg64℃):60部、水:30部をヘンシェルミキサーにて混合し、顔料凝集体中に水が染み込んだ混合物を得た。これをロール表面温度130℃に設定した2本のロールにより45分間混練を行い、パルベライザーで1mmの大きさに粉砕し、[マスターバッチ1]を得た。
<油相作製工程>
撹拌棒および温度計をセットした容器に、[ポリエステル1]545部、[パラフィンワックス(融点74℃)]181部、酢酸エチル1450部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却した。次いで容器に[マスターバッチ1]500部、酢酸エチル100部を仕込み、1時間混合し[原料溶解液1]を得た。[原料溶解液1]1500部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、顔料、WAXの分散を行った。次いで、[ポリエステル2]の66%酢酸エチル溶液655部を加え、上記条件のビーズミルで1パスし、[顔料・WAX分散液1]を得た。[顔料・WAX分散液1]976部をTKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmにて1分間混合した後、[イソシアネート変性ポリエステル1]88部を加え、TKホモミキサー(特殊機化製)で5,000rpmにて1分間混合して[油相1]を得た。得られた[油相1]の固形分を測定したところ、52.0重量%であり、固形分に対する酢酸エチルの量は92重量%であった。
<水相の調製>
イオン交換水970部、分散安定用の有機樹脂微粒子(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の25wt%水性分散液40部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液95部、酢酸エチル98部を混合撹拌したところpH6.2となった。これに、10%水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpH9.5に調整し、[水相1]を得た。
<芯粒子作製工程>
得られた[油相1]に[水相1]1200部を加え、ミキサーのせん断熱による温度上昇を抑えるために水浴で冷却をすることにより液中温度を20〜23℃の範囲になるように調整しながら、TKホモミキサーを用い回転数8,000〜15,000rpmで調整して2分間混合したのち、アンカー翼を取り付けたスリーワンモーターで回転数130〜350rpmの間に調整しながら10分間攪拌し、芯粒子となる油相の液滴が水相に分散された[芯粒子スラリー1]を得た。
<突起部の形成>
[芯粒子スラリー1]を、アンカー翼を取り付けたスリーワンモーターで回転数130〜350rpmの間に調整して攪拌しながら、液温が22℃の状態で、[樹脂分散体1]106部とイオン交換水71部を混合したもの(固形分濃度15%)を3分間かけて滴下した。滴下後、回転数を200〜450rpmの間に調整して30分間攪拌を続け、[複合粒子スラリー1]を得た。この[複合粒子スラリー1]を1ml取って10mlに希釈し、遠心分離を行ったところ、上澄み液は透明であった。
<脱溶剤>
撹拌機および温度計をセットした容器に、[複合粒子スラリー1]を投入し、攪拌を行いながら30℃で8時間脱溶剤を行い、[分散スラリー1]を得た。[分散スラリー1]を少量スライドグラス上に置き、カバーガラスを挟んで光学顕微鏡にて200倍の倍率で様子を観察したところ、均一な着色粒子が観察された。また[分散スラリー1]を1mリットル取って10mリットルに希釈し、遠心分離を行ったところ、上澄み液は透明であった。
<洗浄・乾燥工程>
[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、
(1):濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(2):(1)の濾過ケーキにイオン交換水900部を加え、超音波振動を付与してTKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。リスラリー液の電気伝導度が10μC/cm以下となるようにこの操作を繰り返した。
(3):(2)のリスラリー液のpHが4となる様に10%塩酸を加え、そのままスリーワンモーターで攪拌30分後濾過した。
(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。リスラリー液の電気伝導度が10μC/cm以下となるようにこの操作を繰り返し[濾過ケーキ1]を得た。
【0068】
[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、[トナー母体1]が得られた。得られた[トナー母体1]を走査電子顕微鏡で観察したところ、芯粒子の表面にビニル樹脂が均一に付着していた。
【0069】
以上により作成したトナーをカラーレーザープリンター(リコー製イプシオSPC310)に充填し、高温高湿環境で、ベタ連続印字した場合と、500枚おきに1分間の上記のクリーニングモードを実施した場合とで画像に白筋等の異常が発生する枚数を比較した。その結果を以下に述べる。
【0070】
連続印字をした場合は1000枚印字程度で画像に微細な白筋が発生した。一方500枚おきに1分間のクリーニングモードを実行した場合は、2000枚で充填トナー量が不足するまで画像異常は発生しなかった。この結果より、クリーニングモードの実行により規制ブレード13cへのトナーフィルミングが抑制できていることが確認できた。
【符号の説明】
【0071】
13 現像装置
13a 現像剤担持体
13c 現像剤規制部材
P1 最大圧力部
P1a 上流側接触部
P1b 下流側接触部
30,40,50変位手段
31 カム部材
32 駆動手段
【先行技術文献】
【特許文献】
【0072】
【特許文献1】特開平7−168440号公報
【特許文献2】特開2000−122417号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
その表面に一成分現像剤を保持し、保持した一成分現像剤を回転することで現像領域へ搬送する現像剤担持体と、前記現像剤担持体の表面に押圧当接し、当該表面に付着する一成分現像剤を帯電するとともに保持される一成分現像剤の層厚を規制するブレード状の現像剤規制部材とを有する現像装置において、
前記現像剤担持体に表面に圧接する前記現像剤規制部材の接触面は、前記当接面の圧力が最大になる最大圧力部を境目にして、前記現像剤担持体の回転方向の上流側に位置する接触部と下流側に位置する接触部とを有し、
前記接触面の位置を変位させることで、変位前の下流側接触部を変位後の最大圧力部の上流側に位置させるクリーニングモードを有すること特徴とする現像装置。
【請求項2】
請求項1に記載した現像装置において、
前記クリーニングモードは、前記現像剤担持体の表面に保持されている一成分現像剤を消費しない状態で、前記現像剤担持体を空転することを特徴とする現像装置。
【請求項3】
請求項1または2記載する現像装置において、
前記現像剤規制部材の最大圧力部を変位する変位手段を有し、
前記変位手段は、前記現像剤担時体との当接面と反対側に配置されるカム部材と、前記カム部材を回転駆動する駆動手段とを有し、
前記カム部材は、1回転する間に少なくともその1箇所で、前記現像剤規制部材の接触部よりも、前記現像剤担時体の回転方向下流側で、前記現像剤規制部材の反対側から同現像剤規制部材に圧接し、同1回転の間で少なくとも1箇所で、前記現像剤規制部材に接触しない部分を有することを特徴とする現像装置。
【請求項4】
請求項3記載の現像装置において、
前記現像剤規制部材は、前記現像剤担時体の長手方向に延設されていて、
前記カム部材は、前記現像剤規制部材の長手方向において複数配置されていることを特徴とする現像装置。
【請求項5】
請求項1に記載する現像装置において、
変位前の前記現像剤規制部材と前記現像剤担時体の当接面の最大圧力部の下流側接触部が変位後の最大圧力部に対して上流側に位置するまで、前記現像剤担時体に接触した状態で前記現像剤規制部材を移動する移動手段を有することを特徴とする現像装置。
【請求項6】
請求項1記載の現像装置において、
変位前の前記現像剤規制部材と前記現像剤担時体の当接面の最大圧力部の下流側接触部が変位後の最大圧力部に対して上流側に位置するまで、前記現像剤担時体に接触した状態で前記現像剤担時体を移動する移動手段を有することを特徴とする現像装置。
【請求項7】
請求項1ないし6の何れか1つに記載の現像装置を有することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−32707(P2012−32707A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−173722(P2010−173722)
【出願日】平成22年8月2日(2010.8.2)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】