説明

生体情報を用いた個人認証システム,方法およびプログラム

【課題】複数の登録生体データに対して認証者の生体情報の認証を行なう際に、ID等による一次認証が不要であるとともに、認証時間を短縮する。
【解決手段】生体情報入力部13と、認証者に関する特徴情報d2を取得するための特徴情報取得部14と、登録者に関する登録生体データd3を、特徴情報d2に従って、照合グループに関連付けて保存しておく生体データ登録部15と、生体情報入力部13によって採取された生体情報d1に基づいて、登録生体データd3の照合を行なう生体データ照合部16とをそなえ、この生体データ照合部16が、特徴情報d2に基づいて、特定の照合グループ31を抽出し、この抽出した照合グループに関する登録生体データd3に対して、前記照合を行なうことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば指紋,掌紋,指形,掌形,音声,網膜,虹彩,顔画像,動的署名,血管パターン,キーストローク等の生体情報を用いて個人の認証を行なうシステム、方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、マンションのエントランス等における入退室の認証や、現金自動取引装置等における取引の認証を行なう際に、本人の確認を行なうための認証手段として、個人固有の生体情報を用いて照合を行なう個人認証技術が普及しつつある。
この生体情報を用いた個人認証技術は、従来から用いられているパスワードの入力等による認証技術よりも信頼性が高いと考えられており、又、個人固有の生体情報としては、例えば、指紋,掌紋,指形,掌形,音声,網膜,虹彩,顔画像,動的署名,血管パターン,キーストローク等が用いられる。
【0003】
従来の生体情報を用いた個人認証システムとして、認証者(入退室者)に対して予め設定されたID(Identity;Identification)をIDカード等を介して取得し、予め取得したIDに関連付けられている一の登録生体データを抽出(一次認証)した後に、この抽出した登録生体データと生体情報入力部(例えば、指紋センサ)によって採取された認証者の生体情報とを照合することにより認証を行なう「1:1認証」が知られている。
【0004】
このような「1:1認証」を用いた個人認証手法として、例えば、下記特許文献1に開示された手法が知られている。
また、認証者の認証は、例えば、認証者の生体情報と登録生体データとを比較・照合してこれらのデータの一致率を算出することにより行なわれ、一致率が所定値以上であれば、認証者は登録者本人であると判断され、一致率が所定値以下であれば、認証者は登録者本人ではないと判断される。
【0005】
このように、従来の生体情報を用いた個人認証システムにおいては、IDを取得する一次認証を行なった後に、取得したIDに対応する一の登録生体データを予め登録された複数の登録生体データの中から抽出し、認証者の生体情報と一の登録生体データとを照合する「1:1認証」を二次認証として行なうことにより、認証時間を短縮している。
【特許文献1】特開平05−233896号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述した「1:1認証」を行なうためには、複数の登録生体データから一の登録生体データを抽出しなければならないので、IDを取得する一次認証が必要である。そのため、IDカードを紛失したり、ID番号を忘れたりした場合には、IDに対応する一の登録生体データを抽出することができず、生体情報を用いた二次認証を行なうことができないという課題がある。
【0007】
また、予めIDカード等を発行する必要があり、煩雑であるという課題もある。
一方で、上述した「1:1認証」とは別の認証手段として、複数の登録生体データから一の登録生体データを順次抽出し、認証者の生体情報と順次照合することにより、複数(N個;Nは自然数)の登録生体データに対して認証者の生体情報の認証を行なう「N:1認証」が知られている。
【0008】
図12は、従来の生体情報を用いた個人認証システムにおける「N:1認証」の検索方法を示す図である。
この「N:1認証」は、上述した「1:1認証」のような一次認証を必要としないことから、利便性が高い。
しかしながら、「N:1認証」にあっては、登録生体データの数Nが多い場合には認証に要する時間が長くなるおそれがあり、特に、認証者の生体情報と一致する登録生体データが最後の方にある場合には、認証時間が大幅に長くなる。又、認証者の生体情報と一致する登録生体データが抽出されるまで認証処理を完了することができない。
【0009】
さらに、システムの認証処理速度を上げることにより、認証時間を短縮する手段が考えられるが、この手段を実現するためには、高速処理能力を備えた機器等を準備するか、もしくは、高速処理が可能なシステム構築を行なわなければならず、結果的にシステムの複雑化や高コスト化を招くという課題がある。
また、例えば、マンションのエントランスに用いる入退室管理システムにおいては、機器が一定の位置に固定されていることから、子供や車椅子の利用者等の認証者によっては操作性が悪くなってしまうという課題がある。
【0010】
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、複数の登録生体データに対して認証者の生体情報の認証を行なう際に、ID等による一次認証が不要であるとともに、認証時間を短縮することができ、又、操作性の良い、個人認証システム、方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明に係る生体情報を用いた個人認証システムは、認証者の生体情報を採取するための生体情報入力部と、認証者に関する特徴情報を取得するための特徴情報取得部と、登録者に関する登録生体データを、特徴情報に従って、予めグループ分けされた複数の照合グループの中からいずれかの照合グループに関連付けて保存しておく生体データ登録部と、生体情報入力部によって採取された生体情報に基づいて、認証者について該生体データ登録部に予め登録保存されている登録生体データの照合を行なう生体データ照合部とをそなえ、生体データ照合部が、特徴情報取得部によって取得された特徴情報に基づいて、生体データ登録部における特定の該照合グループを抽出し、抽出した照合グループに関する登録生体データに対して、照合を行なうことを特徴としている(請求項1)。
【0012】
なお、生体データ照合部が、抽出した照合グループに関する登録生体データにおいて、生体情報に相当する登録生体データを検出できない場合に、抽出した照合グループに特徴情報が近似する他の照合グループに関する登録生体データに対して、照合を行なうことが好ましい(請求項2)。
さらに、生体情報入力部は、認証者の生体情報を採取しうる採取センサと、特徴情報取得部によって取得された特徴情報に基づいて採取センサを移動させる駆動部とをそなえることが好ましい(請求項3)。
【0013】
また、上記目的を達成するために、本発明に係る生体情報を用いた個人認証方法は、認証者の生体情報を採取する生体情報入力ステップと、認証者に関する特徴情報を取得する特徴情報取得ステップと、登録者に関する登録生体データを、特徴情報に従って、予めグループ分けされた複数の照合グループの中からいずれかの照合グループに関連付けて保存しておく生体データ登録ステップと、生体情報入力ステップによって採取された生体情報に基づいて、認証者について生体データ登録ステップにより予め登録保存されている登録生体データの照合を行なう生体データ照合ステップとをそなえ、生体データ照合ステップが、特徴情報取得ステップによって取得された特徴情報に基づいて、保存されている複数の照合グループの中から特定の該照合グループを抽出し、抽出した照合グループに関する登録生体データに対して、照合を行なうことを特徴としている(請求項4)。
【0014】
また、上記目的を達成するために、本発明に係る生体情報を用いた個人認証プログラムは、認証者の生体情報を採取する生体情報入力ステップと、認証者に関する特徴情報を取得する特徴情報取得ステップと、登録者に関する登録生体データを、特徴情報に従って、予めグループ分けされた複数の照合グループの中からいずれかの該照合グループに関連付けて保存しておく生体データ登録ステップと、特徴情報取得ステップによって取得された特徴情報に基づいて、保存されている複数の照合グループの中から特定の照合グループを抽出し、抽出した照合グループに関する登録生体データに対して、生体情報入力ステップによって採取された生体情報と照合を行なう生体データ照合ステップとを、コンピュータに実行させることを特徴としている(請求項5)。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、登録者に関する登録生体データを、特徴情報に従って、予めグループ分けされた複数の照合グループの中からいずれかの照合グループに関連付けて保存しておき、認証者に関する特徴情報に基づいて、特定の照合グループを抽出し、この抽出した照合グループに関する登録生体データに対して、認証者の生体情報と照合を行なうことにより、複数の登録生体データに対して認証者の生体情報の認証を行なう際に、照合の対象となる登録生体データの数を低減させ、これにより、認証時間を短縮することができる。又、「N:1認証」であるので、ID等による一次認証が不要であり、利便性が高い(請求項1、4、5)。
【0016】
また、抽出した照合グループに関する登録生体データにおいて、生体情報に相当する登録生体データを検出できない場合に、抽出した照合グループに特徴情報が近似する他の照合グループに関する登録生体データに対して、認証者の生体情報と照合を行なうことにより、認証者の特徴情報に誤差が生じた場合等、認証者に関する生体情報が予め登録されている照合グループが特定の照合グループとして抽出されなかった場合であっても、他の照合グループとして抽出され、確実に登録生体データの照合を行なうことができる。又、この際、近似する他の照合グループに関する登録生体データに対して照合を行なうことにより、他の照合グループの抽出作業を少ない回数で行なうことができる。
【0017】
したがって、登録生体データに対して漏れなく照合を行なうことができるとともに、認証時間を短縮することができる(請求項2)。
また、特徴情報として身長を用いることにより、認証者の外観を撮影するだけで、照合グループを区別できる程度のデータを容易に取得できるので、抽出する照合グループを特定する処理時間を短縮することができる。
【0018】
また、生体情報入力部が、認証者の特徴情報に基づいて移動可能に構成されているので、認証者の体型、姿勢等が異なった様々な認証者が容易に生体情報入力部に生体情報を入力することができ、操作性が高くなる。
例えば、子供や車椅子に座っている人等が認証者の場合であっても、低い位置から容易に生体情報入力部に生体情報を入力することができる(請求項3)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
〔1〕本発明の一実施形態の説明
まず、図1〜8を参照しながら、本発明の一実施形態としての生体情報を用いた個人認証システムの構成について、マンションのエントランスに用いる入退室管理システムを例に説明する。
【0020】
図1は本発明の一実施形態としての生体情報を用いた個人認証システムの構成を示すブロック図、図2(a)はその端末機器を示す斜視図、図2(b)はその生体情報入力部の構成を示す斜視図、図3はその生体情報入力部の構成を示すブロック図、図4はその特徴情報取得部の構成を示すブロック図、図5はその特徴情報の取得手法を説明するための図、図6(a)はその認証者画像の例を示す図、図6(b)はそのテンプレート画像の例を示す図、図6(c)はその認証者画像とテンプレート画像とをマッチングさせた状態を示す図である。
【0021】
本実施形態に係る生体情報を用いた個人認証システム10は、図1に示すように、認証者が操作しうるように、例えば、壁面に設置される端末機器11と、この端末機器11から出力される情報に基づいて扉を開閉しうる扉開閉部12とを有している。
端末機器11は、図1および図2に示すように、生体情報入力部13,特徴情報取得部14,生体データ登録部15,生体データ照合部16,データ管理部17,表示部18および電源部19をそなえて構成されている。
【0022】
なお、本実施形態においては、特徴情報d2として身長を用い、生体情報d1として指紋を用いた場合について説明する。
生体情報入力部13は、認証者の生体情報d1を採取するものであって、図3に示すように、指紋センサ20と、センサ駆動部21とをそなえて構成されている。
指紋センサ20は、認証者の指紋画像(生体情報d1)を採取する採取センサであって、図2(a)に示すように、外方に露出する一側面をセンサ面32として構成されており、このセンサ面32が上下方向に移動した場合であっても入力が妨げられないようになっている。
【0023】
また、指紋センサ20には、センサ回動軸22が左右方向に沿って設けられ、このセンサ回動軸22を中心として、指紋センサ20が回動しうるように構成されており、この回動に伴って、センサ面32の角度を変更することができるようになっている。また、図2(b)に示すように、センサ回動軸22には、従動ギア23が固定されている。
センサ駆動部(駆動部)21は、後述する特徴情報取得部14によって取得された特徴情報に基づいて指紋センサ20(センサ面32)を移動させるものであって、図3に示すように、特徴情報取得部14によって取得された特徴情報に基づいて指紋センサ20の角度を決定する角度調節部24と、角度調節部24により決定された角度情報に基づいて駆動する駆動モータ25により構成されている。この駆動モータ25は、例えば、ステッピングモータによって構成されている。
【0024】
また、図2(b)に示すように、駆動モータ25には、駆動モータ25の駆動力により回動するスピンドル26が設けられ、更に、スピンドル26には、駆動ギア27が固定されており、この、駆動ギア27と前述した従動ギア23とは、互いに歯合して設けられ、スピンドル26の回動に伴ってセンサ回動軸22が回動するように構成されている。
特徴情報取得部14は、認証者に関する特徴情報d2を取得するものであって、図4および図5に示すように、感知センサ28,撮像部29および身長演算部30をそなえて構成されている。
【0025】
感知センサ28は、認証者が端末機器11に接近することを感知するものであって、例えば、赤外線発光型のセンサであり、この感知センサ28は、認証者の存在を検知すると認証者感知情報d4を撮像部29に出力するようになっている。
なお、感知センサ28は、赤外線発光型のセンサ以外のものであっても良く、種々変形して実施することができる。
【0026】
撮像部29は、感知センサ28からの認証者感知情報d4に基づいて認証者を撮影して認証者画像g1を取得するものであって、例えば、デジタル画像を取得できるカメラであり、認証者感知情報d4が入力されると認証者を撮影して、認証者画像g1を取得するようになっている。又、この取得(撮像)された認証者画像g1は、身長演算部30に出力されるようになっている。
【0027】
身長演算部30は、撮像部29により取得した認証者画像g1に基づいて認証者の身長を算出するものである。
この身長演算部30は、図6(b)に示すような、身長測定用のテンプレート画像g2をメモリ(図示省略)に予めそなえており、撮像部29から出力された認証者画像g1(図6(a)参照)とテンプレート画像g2とを、図6(c)に示すように、マッチングするようになっている。
【0028】
図6(b)に示すように、テンプレート画像g2には上下方向に所定間隔をおいて目盛Lが付されており、図6(c)に示すように、身長演算部30において認証者画像g1をマッチングした場合に、隣り合う目盛L,L間の各領域に認証者画像g1が存在するか否かを判定し、認証者画像g1が不存在のL,L間の領域の1つ下の領域を認証者の身長に対応するものと判断することにより認証者の身長情報d2が算出・判断される。本実施形態における目盛Lは、120〜200cmの範囲で10cmの間隔で付されており、認証者の身長情報d2は、例えば、「140〜150cmの範囲内」のように、10cm単位で算出される。
【0029】
身長演算部30で算出された認証者の身長情報d2は、図4に示すように、角度調整部24と生体データ照合部16とに出力されるようになっている。
角度調整部24においては、身長演算部30より出力された認証者の身長情報d2に基づいてセンサ面32の角度を決定する。センサ面32の角度は、予め認証者の身長情報d2に対応させて設定されており、又、認証者の身長情報d2に対応させて、10cm単位で決定されるようになっている。
【0030】
生体データ登録部15は、登録者に関する登録生体データd3を保存しておくものであって、例えば、データベース(DB)として構成され、HDD(Hard Disk Drive:固定ディスク装置)やメモリ等の記憶装置により実現される。
この生体データ登録部15には、登録生体データd3が、登録者の身長に従って、予めグループ分けされた複数の照合グループの中からいずれかの照合グループに関連付けて保存されるようになっている。登録生体データd3は、例えば、指紋画像である。
【0031】
図7は、生体データ登録部に形成された複数の照合グループの例を示す図であり、この図7に示す生体データ登録部15においては、身長に基づいて所定範囲ごとにグループ分けされた複数の照合グループ31a,31b,31c,31d,31e,31f・・・が設けられている。
なお、以下、照合グループを示す符号としては、複数の照合グループのうち1つを特定する必要があるときは符号31a,31b,31c,31d,31e,31f・・・を用いるが、任意の照合グループを指すときは符号31を用いる。
【0032】
そして、登録生体データd3は、登録者の身長に対応した格納部31a,31b,31c,31d,31e,31f・・・のいずれかに保存されるのである(生体データ登録ステップ)。
本実施形態における複数の照合グループ31は、上述したテンプレート画像g2の目盛Lの間隔に対応して、10cm間隔で設定されており、120cm未満の登録者の登録生体データが照合グループ31aに,120〜130cmの登録者の登録生体データが照合グループ31bに,130〜140cmの登録者の登録生体データが照合グループ31cに,140〜150cmの登録者の登録生体データが照合グループ31dに,150〜160cmの登録者の登録生体データが照合グループ31eに,160〜170cmの登録者の登録生体データが照合グループ31fに、それぞれグループ分け(関連付け)されるようになっている。
【0033】
例えば、図8に示すように、120cm未満の身長である “若林A子”の生体情報Aは照合グループ31aにグループ分けされ、120〜130cmの身長である“宮島B子”の生体情報Bは照合グループ31bにグループ分けされて保存されている。以下、120〜130cmの身長である“稲岡C子”の生体情報Cは照合グループ31bに、130〜140cmの身長である“後藤D雄”の生体情報Dは照合グループ31cに、140〜150cmの身長である“村野F次”の生体情報Eは照合グループ31dに、150〜160cmの身長である“伊藤K子”の生体情報Fは照合グループ31eに、160〜170cmの身長である“伊藤I子”の生体情報Gは照合グループ31fに、160〜170cmの身長である“村野G子”の生体情報Hは照合グループ31fに、それぞれグループ分けされて保存されている。
【0034】
生体データ照合部16は、生体情報入力部13によって採取された生体情報d1に基づいて、認証者について生体データ登録部15に予め登録保存されている登録生体データd3の照合を行なうものであって、図1に示すように、特徴情報取得部14によって取得された認証者の身長情報d2に基づいて、生体データ登録部15における特定の照合グループ31を抽出し、抽出した照合グループ31に関する登録生体データd3に対して、認証者の生体情報d1との照合を行ない、その照合結果を扉開閉部12および表示部18に出力するようになっている。
【0035】
すなわち、生体データ照合部16は、特徴情報取得部14から出力された認証者の身長情報d2に基づいて、この身長情報d2に対応する特定の照合グループ31a,31b,31c,31d,31e,31f・・・のいずれかを抽出する。
そして、生体データ照合部16は、抽出した特定の照合グループ31に関する全ての登録生体データd3に対して、認証者の生体情報d1との照合を行なうようになっている。
【0036】
また、認証者の身長情報d2に基づいて抽出した特定の照合グループ31において、認証者の生体情報d1と一致する登録生体データd3が検出されない場合には、生体データ照合部16は、図9に示すように、まず、グループを特定するための値(特徴情報の値)が特定の照合グループ31の下位側(身長が低い側)において近似する他の照合グループ31を優先的に抽出し、この抽出された他の照合グループ31に関する全ての登録生体データd3に対して、認証者の生体情報d1との照合を行なうようになっており、以下、抽出した特定の照合グループ31の身長と近似する他の照合グループ31から順次抽出し、このように抽出された照合グループ31に関する全ての登録生体データd3に対して、認証者の生体情報d1との照合を順次行なうようになっている。
【0037】
例えば、身長演算部30により認証者の身長が130〜140cmと算出された場合には、先ず、生体データ照合部16は、特定の照合グループ31cを抽出する。
そして、特定の照合グループ31cにおいて、認証者の生体情報d1と一致する登録生体データd3が検出されない場合には、生体データ照合部16は、次に、特定の格納部31cの下位側において近似する他の照合グループ31bを抽出し、この他の照合グループ31bに関する全ての登録生体データに対して、認証者の生体情報d1との照合を行なう。
【0038】
次に、この他の照合グループ31bにおいて、認証者の生体情報d1と一致する登録生体データd3が検出されない場合には、生体データ照合部16は、特定の格納部31cの上位側において近似する他の照合グループ31dを抽出する。生体データ照合部16は、以下同様に、他の照合グループ31a、31e・・・を抽出して、上記と同様の照合を行なう。
【0039】
この場合、最初に生体データ照合部16により抽出された照合グループ31を中心に、下位側の照合グループ31と上位側の照合グループ31とを交互に照合対象にすることが望ましい。
上記の処理は、認証者の生体情報d1と一致する登録生体データd3が検出されるまで行なわれ、認証者の生体情報d1と一致する登録生体データd3が検出された場合、もしくは、登録されている全ての登録生体データd3と照合を行なった結果、認証者の生体情報d1と一致する登録生体データd3が検出されない場合に処理が終了するようになっている。
【0040】
照合の結果、認証者の生体情報d1と登録生体データd3とが一致した場合には、生体データ照合部16は、入室を許可する信号を扉開閉部12に出力し、この扉開閉部12の扉が開かれるようになっている(なお、扉については図示を省略する)。
データ管理部17は、入退室の履歴を管理するものであって、生体データ照合部16による照合の結果、認証者の生体情報d1に一致した登録生体情報d3にかかる情報、例えば、名前と入室した日時とを対応付けて、入室履歴として保存するようになっている。
【0041】
表示部18は、生体データ照合部16の照合結果を表示するものであって、照合結果の他、操作者(認証者)に対する指示等を表示するようになっている。
電源部19は、端末機器11の各構成要素に電気を供給するためのものである。
以下、図10に示すフローチャート(ステップS11〜S22)を参照しながら、上述の如く構成された本実施形態に係る生体情報を用いた個人認証システム10のより具体的な動作手順を説明する。
【0042】
先ず、認証者が端末機器11に接近することにより、感知センサ28が認証者を感知して(人感知;ステップS11)、認証者感知情報d4を撮像部29に出力する。
認証者感知情報d4を受信した撮像部29は、カメラで認証者を撮影して認証者画像g1を取得し(ステップS12;特徴情報取得ステップ)、撮影画像をメモリに取り込む(ステップS13)。又、撮像部29は、認証者画像g1を身長演算部30に出力する。
【0043】
身長演算部30は、認証者画像g1と身長演算部30に保存されているテンプレート画像g2とのマッチングを行ない、テンプレート画像g2に付されている各目盛L,L間の領域に認証者画像g1が存在するか否かを判定することにより認証者の身長情報d2を算出する(ステップS14)。又、身長演算部30は、算出した身長情報d2を角度調節部24と生体データ照合部16とに出力する。
【0044】
角度調節部24は、身長情報d2が入力されると、センサ面32の最適な位置を決定し、駆動モータ25を駆動させてセンサ面32の角度を調節して、センサ面32を最適な位置に配置させる(ステップS15;駆動ステップ)。
生体データ照合部16は、特徴情報取得部14から入力された身長情報d2に基づいて、複数の照合グループ31の中から特定の照合グループ31を抽出する(ステップS16;照合グループ抽出ステップ)。
【0045】
また、生体データ照合部16は、生体情報入力部13から生体情報d1を取得し(ステップS17;生体情報入力ステップ)、抽出された優先順位1位の特定の照合グループ31に関する全ての登録生体データd3に対して、認証者の生体情報d1との照合を行ない(ステップS18;生体データ照合ステップ)、本人確認を行なう(ステップS19)。
ここで、認証者の生体情報d1と登録生体データd3とが一致した場合には(ステップS19のOKルート参照)、生体データ照合部16は、照合結果を表示部18と扉開閉部12とに出力する。そして、表示部18においてOKが表示され、扉開閉部12が扉を開き(ステップS20)、処理を終了する。
【0046】
一方、認証者の生体情報d1と登録生体データd3とが一致しない場合には(ステップS19のNGルート参照)、抽出されていない他の照合グループ31が存在するか否かについての判断を行なうことにより、生体データ照合部16は、比較していない照合グループ31の有無を判断する(ステップS21)。
ここで、抽出されていない他の照合グループが存在しない場合には、(ステップS21の無ルート参照)、生体データ照合部16は、照合結果を表示部18に出力する。そして、表示部18においてNGが表示され(ステップS22)、扉が開けられることなく処理を終了する。
【0047】
一方、抽出されていない他の照合グループが存在する場合には、(ステップS21の有ルート参照)、生体データ照合部16は、特定の照合グループ31に近似する他の照合グループ31を抽出し、この抽出された他の照合グループ31に関する全ての登録生体データd3に対して、認証者の生体情報d1との照合を行なうことにより、次優先順位グループとの比較を行なう(ステップS23)。
【0048】
この場合、特定の照合グループ31の下位側において最も近似する他の照合グループ31が抽出されていない場合には、その他の近似する照合グループ31を順次抽出して同様の照合を行ない、ステップS19に戻る。
このように、本発明の一実施形態としての生体情報を用いた個人認証システム10によれば、登録者に関する登録生体データd3を、特徴情報d2に従って、予めグループ分けされた複数の照合グループ31の中からいずれかに関連付けて保存しておき、認証者に関する特徴情報d2に基づいて、特定の照合グループ31を抽出し、この抽出した特定の照合グループ31に関する登録生体データd3に対して、認証者の生体情報d1と照合を行なうことにより、複数の登録生体データd3に対して認証者の生体情報d1の認証を行なう際に、照合の対象となる登録生体データd3の数を低減させることができ、認証時間を短縮することができる。又、「N:1認証」であるので、ID等による一次認証が不要であり利便性が高い。
【0049】
また、抽出した特定の照合グループ31に関する登録生体データd3において、認証者の生体情報d1に相当する登録生体データd3を検出できない場合に、抽出した特定の照合グループ31に特徴情報d2が近似する他の照合グループに関する登録生体データd3に対して、認証者の生体情報d1と照合を行なうことにより、例えば、認証者がヒールの高い靴を履いていた等の理由で認証者の特徴情報d2に誤差が生じ、認証者の登録生体データd3が予め登録されている照合グループ31が特定の照合グループ31として抽出されなかった場合であっても、近似する他の照合グループ31の中から、認証者の登録生体データd3が登録されている照合グループ31を確実且つ早期に抽出することができ、他の照合グループ31の抽出を少ない回数で行なうことができる。
【0050】
また、登録されている生体データに対して漏れなく照合を行なうことができるとともに、認証時間を短縮することができる。
また、特徴情報d2として身長を用いることにより、認証者の外観を撮像部29により撮影するだけで、複数の照合グループ31の中から特定の照合グループ31を抽出できる程度の特徴情報d2を容易に取得できるので、特定の照合グループ31を抽出するための時間を短縮することができる。
【0051】
また、生体データ照合部16が、抽出した特定の照合グループ31において、認証者の生体情報d1と一致する登録生体データd3が検出されない場合に、まず、その特定の照合グループ31の下位側において近似する他の照合グループ31を優先的に抽出するので、認証者が成長の早い子供やハイヒール等の底が高い履物を履いている場合に、認証時において、生体データ照合部16により、その認証者の登録生体データd3が予め登録されている照合グループ31よりも身長が大きい照合グループ31が特定の照合グループ31として抽出された場合であっても、早い段階でその認証者の登録生体データd3が登録されている照合グループ31を抽出することができ、認証時間を短縮するとともに、確実に認証を行なうことができる。
【0052】
また、生体情報入力部13が、認証者による生体情報d1の入力に先立って、生体情報入力部13(センサ面32)を認証者の特徴情報d2に基づいて移動させることにより、認証者の体型、姿勢等が異なった様々な認証者が容易に生体情報入力部13に生体情報d1を入力することができる。
特に、特徴情報d2として身長を用いることにより、子供や車椅子に座っている人等が認証者の場合であっても、駆動部21が、センサ面32が下方を向くようにその角度を調整するので、操作性が向上し、認証者が低い位置から容易に生体情報入力部13に生体情報d1を入力することができる。
【0053】
〔2〕その他
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。図11は本発明の一実施形態としての端末機器11の変形例を示すブロック図である。
例えば、上述した実施形態では、生体データ登録部15を端末機器11内にそなえて構成した例について説明したが、これに限定されるものではなく、図11に示すように、生体データ登録部45を端末機器41の外部に設けても良い。
【0054】
また、上述した実施形態では、指紋センサ20がセンサ回転軸22を軸に回動するように構成されているが、これに限定されるものではなく、指紋センサ20が上下方向や左右方向に移動するように構成しても良い。
また、上述した実施形態では、生体情報として指紋を用いたが、これに限定されるものではなく、掌紋,指形,掌形,音声,網膜,虹彩,顔画像,動的署名,血管パターン,キーストローク等を生体情報として用いても良い。
【0055】
また、上述した実施形態では、マンションのエントランスに用いる入退室管理システムを例に説明したが、これに限定されるものではなく、他の用途に適用しても良い。
また、上述した実施形態では、特徴情報として身長を用いたが、これに限定されるものではなく、体重等を特徴情報として用いても良く、この場合、特徴情報取得部14は、認証者の体重を測定する体重計や体重センサ等により構成することができる。
【0056】
また、上述した実施形態では、指紋センサ20によって採取された生体情報d1と登録生体データd3との照合を行なう例について説明したが、これに限定されるものではなく、登録生体情報d3として、登録者の指紋から抽出した特定情報(特徴点等)を登録しておくとともに、指紋センサ20によって採取された指紋画像d1に基づいて、特定情報抽出部(図示を省略する)により特定情報(特徴点等)を抽出し、生体データ照合部16において、これらの特定情報と登録生体データd3との照合を行なっても良い。
【0057】
なお、上述した生体情報を用いた個人認証システム10における、生体データ照合部16,データ管理部17,扉開閉部12,角度調節部24および身長演算部30としての各機能は、コンピュータ(CPU,情報処理装置,各種端末を含む)が所定のアプリケーションプログラム(生体情報を用いた個人認証プログラム)を実行することによって実現されてもよい。
【0058】
そのプログラムは、例えばフレキシブルディスク,CD(CD−ROM,CD−R,CD−RWなど),DVD(DVD−ROM,DVD−RAM,DVD−R,DVD−RW,DVD+R,DVD+RWなど)等のコンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。この場合、コンピュータはその記録媒体から生体情報を用いた個人認証プログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送し格納して用いる。また、そのプログラムを、例えば磁気ディスク,光ディスク,光磁気ディスク等の記憶装置(記録媒体)に記録しておき、その記憶装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。
【0059】
ここで、コンピュータとは、ハードウェアとOS(オペレーティングシステム)とを含む概念であり、OSの制御の下で動作するハードウェアを意味している。また、OSが不要でアプリケーションプログラム単独でハードウェアを動作させるような場合には、そのハードウェア自体がコンピュータに相当する。ハードウェアは、少なくとも、CPU等のマイクロプロセッサと、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムを読み取るための手段とをそなえている。
【0060】
上記生体情報を用いた個人認証プログラムとしてのアプリケーションプログラムは、上述のようなコンピュータに、上述した生体情報を用いた個人認証システム10における、生体データ照合部16,データ管理部17,扉開閉部12,角度調節部24および身長演算部30としての機能を実現させるプログラムコードを含んでいる。また、その機能の一部は、アプリケーションプログラムではなくOSによって実現されてもよい。
【0061】
なお、本実施形態としての記録媒体としては、上述したフレキシブルディスク,CD,DVD,磁気ディスク,光ディスク,光磁気ディスクのほか、ICカード,ROMカートリッジ,磁気テープ,パンチカード,コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ),外部記憶装置等や、バーコードなどの符号が印刷された印刷物等の、コンピュータ読取可能な種々の媒体を利用することもできる。
【0062】
〔3〕付記
(付記1) 認証者の生体情報を採取するための生体情報入力部と、
該認証者に関する特徴情報を取得するための特徴情報取得部と、
登録者に関する登録生体データを、該特徴情報に従って、予めグループ分けされた複数の照合グループの中からいずれかの該照合グループに関連付けて保存しておく生体データ登録部と、
該生体情報入力部によって採取された生体情報に基づいて、認証者について該生体データ登録部に予め登録保存されている登録生体データの照合を行なう生体データ照合部とをそなえ、
該生体データ照合部が、該特徴情報取得部によって取得された該特徴情報に基づいて、該生体データ登録部における特定の該照合グループを抽出し、当該抽出した照合グループに関する該登録生体データに対して、前記照合を行なうことを特徴とする、生体情報を用いた個人認証システム。
【0063】
(付記2) 該生体データ照合部が、前記抽出した照合グループに関する該登録生体データにおいて、該生体情報に相当する該登録生体データを検出できない場合に、前記抽出した照合グループに該特徴情報が近似する他の照合グループに関する該登録生体データに対して、前記照合を行なうことを特徴とする、付記1記載の生体情報を用いた個人認証システム。
【0064】
(付記3) 前記複数の照合グループは、該特徴情報を示す数値の大小に基づいてグループ分けされ、
該生体データ照合部が、前記他の照合グループとして、前記抽出した照合グループに対して前記特徴情報を示す数値において近似する前記他の照合グループから順次選択して前記照合を行なうことを特徴とする、付記2記載の生体情報を用いた個人認証システム。
【0065】
(付記4) 該特徴情報が身長であることを特徴とする、付記1〜付記3のいずれか1項に記載の生体情報を用いた個人認証システム。
(付記5) 該生体情報入力部は、該認証者の生体情報を採取しうる採取センサと、該特徴情報取得部によって取得された該特徴情報に基づいて該採取センサを移動させる駆動部とをそなえることを特徴とする、付記1〜付記4のいずれか1項に記載の生体情報を用いた個人認証システム。
【0066】
(付記6) 該採取センサには、センサ回動軸が左右方向に沿って設けられ、
該採取センサが、該センサ回動軸を中心として回動しうるように構成され
該駆動部は、該特徴情報取得部によって取得された該特徴情報に基づいて該採取センサの角度を決定する角度調節部をそなえていることを特徴とする、付記5記載の生体情報を用いた個人認証システム。
【0067】
(付記7) 認証者の生体情報を採取する生体情報入力ステップと、
該認証者に関する特徴情報を取得する特徴情報取得ステップと、
登録者に関する登録生体データを、該特徴情報に従って、予めグループ分けされた複数の照合グループの中からいずれかの該照合グループに関連付けて保存しておく生体データ登録ステップと、
該生体情報入力ステップによって採取された生体情報に基づいて、認証者について該生体データ登録ステップにより予め登録保存されている登録生体データの照合を行なう生体データ照合ステップとをそなえ、
該生体データ照合ステップが、該特徴情報取得ステップによって取得された該特徴情報に基づいて、保存されている前記複数の照合グループの中から特定の該照合グループを抽出し、当該抽出した照合グループに関する該登録生体データに対して、前記照合を行なうことを特徴とする、生体情報を用いた個人認証方法。
【0068】
(付記8) 該生体データ照合ステップが、前記抽出した照合グループに関する該登録生体データにおいて、該生体情報に相当する該登録生体データを検出できない場合に、前記抽出した照合グループに該特徴情報が近似する他の照合グループに関する該登録生体データに対して、前記照合を行なうことを特徴とする、付記7記載の生体情報を用いた個人認証方法。
【0069】
(付記9) 前記複数の照合グループは、該特徴情報を示す数値の大小に基づいてグループ分けされ、
該生体データ照合ステップが、前記他の照合グループとして、前記抽出した照合グループに対して前記特徴情報を示す数値において近似する前記他の照合グループから順次選択して前記照合を行なうことを特徴とする、付記8記載の生体情報を用いた個人認証方法。
【0070】
(付記10) 該特徴情報が身長であることを特徴とする、付記7〜付記9のいずれか1項に記載の生体情報を用いた個人認証方法。
(付記11) 認証者の生体情報を採取する生体情報入力ステップと、
該認証者に関する特徴情報を取得する特徴情報取得ステップと、
登録者に関する登録生体データを、該特徴情報に従って、予めグループ分けされた複数の照合グループの中からいずれかの該照合グループに関連付けて保存しておく生体データ登録ステップと、
該特徴情報取得ステップによって取得された該特徴情報に基づいて、保存されている前記複数の照合グループの中から特定の該照合グループを抽出し、当該抽出した照合グループに関する該登録生体データに対して、該生体情報入力ステップによって採取された生体情報と照合を行なう生体データ照合ステップとを、コンピュータに実行させることを特徴とする、生体情報を用いた個人認証プログラム。
【0071】
(付記12)
該生体データ照合ステップに、前記抽出した照合グループに関する該登録生体データにおいて、該生体情報に相当する該登録生体データを検出できない場合に、前記抽出した照合グループに該特徴情報が近似する他の照合グループに関する該登録生体データに対して、前記照合を行なわせることを特徴とする、付記11記載の生体情報を用いた個人認証プログラム。
【0072】
(付記13) 前記複数の照合グループは、該特徴情報を示す数値の大小に基づいてグループ分けされ、
該生体データ照合ステップに、前記他の照合グループとして、前記抽出した照合グループに対して前記特徴情報を示す数値において近似する前記他の照合グループから順次選択して前記照合を行なわせることを特徴とする、付記12記載の生体情報を用いた個人認証プログラム。
【0073】
(付記14) 該特徴情報が身長であることを特徴とする、付記11〜付記13のいずれか1項に記載の生体情報を用いた個人認証プログラム。
(付記15) 認証者の生体情報を採取する生体情報入力ステップと、
該認証者に関する特徴情報を取得する特徴情報取得ステップと、
登録者に関する登録生体データを、該特徴情報に従って、予めグループ分けされた複数の照合グループの中からいずれかの該照合グループに関連付けて保存しておく生体データ登録ステップと、
該特徴情報取得ステップによって取得された該特徴情報に基づいて、保存されている前記複数の照合グループの中から特定の該照合グループを抽出し、当該抽出した照合グループに関する該登録生体データに対して、該生体情報入力ステップによって採取された生体情報と照合を行なう生体データ照合ステップとを、コンピュータに実行させることを特徴とする、生体情報を用いた個人認証プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
【0074】
(付記16) 該生体データ照合ステップに、前記抽出した照合グループに関する該登録生体データにおいて、該生体情報に相当する該登録生体データを検出できない場合に、前記抽出した照合グループに該特徴情報が近似する他の照合グループに関する該登録生体データに対して、前記照合を行なわせることを特徴とする、付記15記載の生体情報を用いた個人認証プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
【0075】
(付記17) 前記複数の照合グループは、該特徴情報を示す数値の大小に基づいてグループ分けされ、
該生体データ照合ステップに、前記他の照合グループとして、前記抽出した照合グループに対して前記特徴情報を示す数値において近似する前記他の照合グループから順次選択して前記照合を行なわせることを特徴とする、付記16記載の生体情報を用いた個人認証プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
【0076】
(付記18) 該特徴情報が身長であることを特徴とする、付記15〜付記17のいずれか1項に記載の生体情報を用いた個人認証プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の一実施形態としての生体情報を用いた個人認証システムの構成を示すブロック図である。
【図2】(a)は本発明の一実施形態としての生体情報を用いた個人認証システムにおける端末機器を示す斜視図、(b)は生体情報入力部の構成を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態としての生体情報を用いた個人認証システムにおける生体情報入力部の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態としての生体情報を用いた個人認証システムにおける特徴情報取得部の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態としての生体情報を用いた個人認証システムにおける特徴情報の取得手法を説明するための図である。
【図6】(a)は本発明の一実施形態としての生体情報を用いた個人認証システムにおける認証者画像の例を示す図、(b)はそのテンプレート画像の例を示す図、(c)は認証者画像とテンプレート画像とをマッチングさせた状態を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態としての生体情報を用いた個人認証システムにおける生体データ登録部に形成された複数の照合グループの例を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態としての生体情報を用いた個人認証システムにおける生体データ登録部に保存された登録生体データの例を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態としての生体情報を用いた個人認証システムにおける生体データ照合部による照合グループの抽出手法を説明するための図である。
【図10】本発明の一実施形態としての生体情報を用いた個人認証システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【図11】本発明の一実施形態としての生体情報を用いた個人認証システムの変形例を示すブロック図である。
【図12】従来の生体情報を用いた個人認証システムにおける「N:1認証」の検索方法を示す図である。
【符号の説明】
【0078】
10,40 生体情報を用いた個人認証システム
11,41 端末機器
12 扉開閉部
13 生体情報入力部
14 特徴情報取得部
15,45 生体データ登録部
16 生体データ照合部
17 データ管理部
18 表示部
19 電源部
20 指紋センサ(採取センサ,生体情報入力部)
21 センサ駆動部
22 センサ回動軸
23 従動ギア
24 角度調節部
25 駆動モータ
26 スピンドル
27 駆動ギア
28 感知センサ
29 撮像部(特徴情報入力部)
30 身長演算部
31,31a,31b,31c,31d,31e,31f 照合グループ
32 センサ面
d1 生体情報
d2 特徴情報(身長情報)
d3 登録生体データ
d4 認証者感知情報
g1 認証者画像
g2 テンプレート画像
L 目盛

【特許請求の範囲】
【請求項1】
認証者の生体情報を採取するための生体情報入力部と、
該認証者に関する特徴情報を取得するための特徴情報取得部と、
登録者に関する登録生体データを、該特徴情報に従って、予めグループ分けされた複数の照合グループの中からいずれかの該照合グループに関連付けて保存しておく生体データ登録部と、
該生体情報入力部によって採取された生体情報に基づいて、認証者について該生体データ登録部に予め登録保存されている登録生体データの照合を行なう生体データ照合部とをそなえ、
該生体データ照合部が、該特徴情報取得部によって取得された該特徴情報に基づいて、該生体データ登録部における特定の該照合グループを抽出し、当該抽出した照合グループに関する該登録生体データに対して、前記照合を行なうことを特徴とする、生体情報を用いた個人認証システム。
【請求項2】
該生体データ照合部が、前記抽出した照合グループに関する該登録生体データにおいて、該生体情報に相当する該登録生体データを検出できない場合に、前記抽出した照合グループに該特徴情報が近似する他の照合グループに関する該登録生体データに対して、前記照合を行なうことを特徴とする、請求項1記載の生体情報を用いた個人認証システム。
【請求項3】
該生体情報入力部は、該認証者の生体情報を採取しうる採取センサと、該特徴情報取得部によって取得された該特徴情報に基づいて該採取センサを移動させる駆動部とをそなえることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の生体情報を用いた個人認証システム。
【請求項4】
認証者の生体情報を採取する生体情報入力ステップと、
該認証者に関する特徴情報を取得する特徴情報取得ステップと、
登録者に関する登録生体データを、該特徴情報に従って、予めグループ分けされた複数の照合グループの中からいずれかの該照合グループに関連付けて保存しておく生体データ登録ステップと、
該生体情報入力ステップによって採取された生体情報に基づいて、認証者について該生体データ登録ステップにより予め登録保存されている登録生体データの照合を行なう生体データ照合ステップとをそなえ、
該生体データ照合ステップが、該特徴情報取得ステップによって取得された該特徴情報に基づいて、保存されている前記複数の照合グループの中から特定の該照合グループを抽出し、当該抽出した照合グループに関する該登録生体データに対して、前記照合を行なうことを特徴とする、生体情報を用いた個人認証方法。
【請求項5】
認証者の生体情報を採取する生体情報入力ステップと、
該認証者に関する特徴情報を取得する特徴情報取得ステップと、
登録者に関する登録生体データを、該特徴情報に従って、予めグループ分けされた複数の照合グループの中からいずれかの該照合グループに関連付けて保存しておく生体データ登録ステップと、
該特徴情報取得ステップによって取得された該特徴情報に基づいて、保存されている前記複数の照合グループの中から特定の該照合グループを抽出し、当該抽出した照合グループに関する該登録生体データに対して、該生体情報入力ステップによって採取された生体情報と照合を行なう生体データ照合ステップとを、コンピュータに実行させることを特徴とする、生体情報を用いた個人認証プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2007−249556(P2007−249556A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−71595(P2006−71595)
【出願日】平成18年3月15日(2006.3.15)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】