説明

生体認証システム

【課題】コストの増大を防止しながら、認識精度の向上、他人受け入れ率の低減を実現した生体認証システムを提供すること。
【解決手段】生体認証システムでは、登録者が、ノートPC120を起動させると、1本目の指の照合を行う場合には、登録者の1本目の指105の静脈を映した画像を撮像する。そして、静脈の血管パターンを抽出し、抽出した指情報とHDD124に登録された指情報とが一致するか否かを比較・照合する処理を行う。一致する場合には、同様にして、登録者の2本目の指105の静脈を映した画像を撮像し、比較・照合する処理を行う。1本目、2本目の指の両方共に、一致すると判定した場合には、液晶ディスプレイ126に登録者に認証が終了した旨を通知するメッセージを表示する処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置等が起動する際に、この情報処理装置を操作する登録者の身体に基づいた指情報により認証を行う生体認証システムに関する。
【背景技術】
【0002】
最近では、生体識別装置においては、人間の指紋や網膜を用いた生体認証だけでなく、指の静脈パターンの画像によって識別し認証を行う静脈認証装置が普及してきている。静脈認証装置の静脈パターンの撮影装置としては、以下のような非接触に指静脈パターンを取得する生体識別装置に関する特許文献1がある。
【0003】
図12は、この生体識別装置の機構的構成図である。識別対象である指200を置く指置き台112と、該指置き台112に置かれた指200の画像を撮影する指に対して光を入射する赤外線光源102と、前記指置き台112に置かれた指200の画像を撮影するカメラ108をもち、指の甲側から腹側に赤外線入射光線が入射されている。カメラ108の撮影領域は、図13に示すように、指200の第1関節401から第2関節402までをカバーしている。
【0004】
図14は、非接触に指血管パターンを取得する個人認証装置に関する特許文献2の機構的構成図である。光源114から発光された透過光を指の側面に照射することで、この光源114を撮像部112の近くに置く構成とし小型化を実現している。また、本人認証については、特許文献1に記載された生体識別装置と同様に各指毎に行っている。
【0005】
【特許文献1】実願2003−271749号公報
【特許文献2】特開2005−253989号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ノートPCの内部に内蔵する等により指静脈装置の適用範囲を広めるには指静脈撮影装置薄型化、低価格化が重要である。図15は、薄型化を実現した場合の従来の静脈認証装置の機構図を示す説明図である。この静脈認証装置は、認証対象者の指105の腹側の第一関節401、第2関節402を挟み込むように赤外線を照射する2つの赤外線光源101と、認証対象者の指105の腹側に対向する位置に設けられたカメラ102と、指105を反射した反射光を検出することにより指105が静脈認証装置の撮像位置に置かれたことを検出するフォトスイッチ104とを備えている。
【0007】
この静脈認証装置の場合は認証対象者の第1関節401、第2関節402を挟むように赤外線光源101を配置するので赤外線が照射される部分が絞り込まれ、図16に示すように、カメラ102の撮影領域601が狭くなる。また、カメラ102の底部から指105内の静脈501までの静脈認証装置の撮影高さ502が低くなる。このため、撮影領域601内に画像歪影響範囲が現れる。この歪範囲を小さくしようとすると歪をおこしずらい高価なカメラ102を開発する必要がある。カメラ102の性能を従来同程度とすると静脈認証用にカメラ102で撮影した画像は従来の他の静脈認証装置で取った画像にくらべて、撮影範囲が狭い(撮影画像の狭域化)、画像周辺部の画像歪が大きくなる等の問題が生ずる。これらの問題により、従来の静脈認証装置に比べて認識精度が落ち、他人受け入れ率があがってしまう課題がある。
【0008】
本発明は、以上の問題点を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、コストの増大を防止しながら、認識精度の向上、他人受け入れ率の低減を実現した生体認証システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、情報処理装置が起動する際に、この情報処理装置を操作する登録者の身体に基づいた指情報により認証を行う生体認証システムにおいて、
登録者を識別するための識別情報と、登録者の身体から取得した複数の指情報と、前記複数の指情報を取得したそれぞれの順番情報とを関連付けて記憶した指情報記憶手段と、
前記情報処理装置が起動する際に、登録者が入力した識別情報を読み取る識別読取手段と、
前記情報処理装置が起動する際に、登録者の複数の指から指情報を取得する指情報取得手段と、
前記識別読取手段が読み取った識別情報に基づいて、前記指情報記憶手段に記憶された複数の指情報および順番情報を検索して読み出す指情報検索手段と、
前記指情報取得手段が取得した複数の指情報を、これらの複数の指情報それぞれの取得した順番に従って、前記指情報検索手段が読み出した前記複数の指情報とこれらの複数の指情報それぞれの順番情報毎に一致するか否かを照合する指情報照合手段と、
前記指情報照合手段が照合した結果に基づいて、前記認証を行う指情報認証手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の生体認証システムにおいて、
前記指情報記憶手段は、登録者を識別するための識別情報と、登録者の身体から取得した複数の指情報と、前記複数の指情報を取得したそれぞれの指の種類情報とを関連付けて記憶し、
指情報検索手段は、前記識別読取手段が読み取った識別情報に基づいて、前記指情報記憶手段に記憶された複数の指情報および種類情報を検索して読み出し、
前記指情報照合手段は、前記指情報取得手段が取得した複数の指情報を、これらの複数の指情報それぞれの取得した指の種類に従って、前記指情報検索手段が読み出した前記複数の指情報とこれらの複数の指情報それぞれの種類情報毎に一致するか否かを照合することを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の生体認証システムにおいて、
前記指情報記憶手段は、登録者を識別するための識別情報と、登録者の身体から取得した複数の指情報と、前記複数の指情報を取得したそれぞれの順番情報と、登録者の身体から取得した予備用指情報とを関連付けて記憶し、
前記指情報検索手段は、前記識別読取手段が読み取った識別情報に基づいて、前記指情報記憶手段に記憶された複数の指情報、順番情報、予備用指情報を検索して読み出し、
前記指情報照合手段が照合した結果一致しない場合には、前記指情報取得手段が取得した指情報を、前記指情報検索手段が読み出した前記予備用指情報と一致するか否かを照合する第2の指情報照合手段を備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項4に係る発明は、請求項1に記載の生体認証システムにおいて、
前記識別読取手段は、前記情報処理装置が起動する際に、登録者が所持する識別情報を記憶した識別記録媒体から識別情報を読み取ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る生態認証システムによれば、コストの増大を防止しながら、認識精度の向上、他人受け入れ率の低減を実現することが可能になる。
【0014】
請求項1に係る発明によれば、識別読取手段が、情報処理装置が起動する際に登録者が入力した識別情報を読み取り、指情報取得手段が、情報処理装置が起動する際に登録者の複数の指から指情報を取得し、指情報検索手段が識別読取手段が読み取った識別情報に基づいて、指情報記憶手段に記憶された複数の指情報および順番情報を検索して読み出す。そして、指情報照合手段が、指情報取得手段が取得した複数の指情報を、これらの複数の指情報それぞれの取得した順番に従って、指情報検索手段が読み出した複数の指情報とこれらの複数の指情報それぞれの順番情報毎に一致するか否かを照合するので、登録者の指一本のみの指情報を用いて照合する場合と比較して、指情報の偽造等の不正をより困難とすることができ、複数の指情報をこれらの複数の指情報それぞれの順番情報毎に照合するので、より認証精度を向上させ、他人受け入れ率の低減を効果的に実現することができる。また、生体認証システムの装置を複雑化することなく、コストの増大を防止できる。
【0015】
請求項2に係る発明によれば、指情報照合手段が、指情報取得手段が取得した複数の指情報を、これらの複数の指情報それぞれの取得した指の種類に従って、指情報検索手段が読み出した複数の指情報とこれらの複数の指情報それぞれの種類情報毎に一致するか否かを照合するので、登録者の指一本のみの指情報を用いて照合する場合と比較して、指情報の偽造等の不正をより困難とすることができ、複数の指情報をこれらの複数の指情報それぞれの種類情報毎に照合するので、より認証精度を向上させ、他人受け入れ率の低減を効果的に実現することができる。また、生体認証システムの装置を複雑化することなく、コストの増大を防止できる。
【0016】
請求項3に係る発明によれば、第2の指情報照合手段が指情報照合手段が照合した結果一致しない場合には、指情報取得手段が取得した指情報を、指情報検索手段が読み出した予備用指情報と一致するか否かを照合するので、指情報照合手段が照合した結果一致しない場合でも、改めて第2の指情報照合手段が照合を行い、認証を行うことができる。
【0017】
請求項4に係る発明によれば、識別読取手段が、情報処理装置が起動する際に登録者が所持する識別情報を記憶した識別記録媒体から識別情報を読み取るので、登録者は、識別記録媒体を用いて識別情報の読み取り作業を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
(第1の実施の形態)
以下、本発明に係る生体認証システムをノートPC等の起動時のOSへのログイン認証に適用した実施形態について説明する。図1は、第1の実施の形態における生体認証システムの全体構成を示す説明図である。生体認証システムは、例えば一般的な情報処理装置等であるノートPC120の内部に、ノートPC120が起動する際にこのノートPC120を操作する登録者の身体に基づいた指情報により認証を行う静脈認証装置100を備えている。ここで、指情報とは、登録者の身体の指の腹側等の表面から撮像して取得した指の静脈の血管パターンを映した画像情報を含む情報である。
【0019】
ノートPC120は、静脈認証装置100に対して信号や情報の送受信を行うI/F121と、各構成要素の動作を制御して各種の演算等の処理を行うCPU122と、CPU122が演算等の処理を行った結果等の情報を一時的に格納するメモリ123と、登録者の身体に基づいた指情報等の情報を登録し記憶するHDD124と、ノートPC120を操作する登録者が文字情報等の入力操作や選択操作を行うためのキーボード125と、CPU122が実行したプログラムの処理結果や情報やデータを画面表示する表示手段である液晶ディスプレイ126と、ノートPC120の動作中のエラー音等を出力するスピーカ127とを備えている。
【0020】
CPU122は、静脈認証装置100から送信された画像情報をメモリ123に一時的に格納して、画像情報から指情報を抽出、取得して暗号化する処理を行い、HDD124に記憶する機能を有する。また、画像情報に基づいて輝度を算出し、この輝度に応じて静脈認証装置100内の後述する赤外線光源101が発光する赤外線の光量を調節するための処理を行う機能を有する。
【0021】
静脈認証装置100は、登録者の指105を認証を行うための所定の位置に置くための指置き部103と、指105に対して赤外線を照射する赤外線光源101と、赤外線光源101が赤外線を発光し照射することにより映し出された指105の静脈を撮像するカメラ102と、指置き部103に指105が置かれたことを検出するためのフォトセンサ104と、カメラ102が撮像した画像のアナログデータをデジタルデータに変換処理するA/D変換器106と、A/D変換器106が変換処理したデジタルデータを用いてデジタル情報の画像情報を生成する画像入力部107と、CPU122からI/F121を介して送信された発光制御信号に応じて赤外線光源101の動作の制御を行う発光制御部108とを備えている。
【0022】
図2は、静脈認証装置100の断面構成を示す説明図である。例えば近赤外線LED等の赤外線光源101、赤外線用CCD等のカメラ102は、図2に示すように、指置き台103を挟む様にして指置き台103の上方および下方に配置されており、指置き台103に指105を置いた際に、指105の甲側、腹側から指105を挟んで互いに対向するようになっている。認証を行う際には、赤外線光源101か発光した赤外線が指105を甲側から腹側に向かって照射して指105内を透過し、指105内の静脈を映し出してカメラ102が撮像するようになっている。
【0023】
指置き台103は、上側表面に例えば一様断面の凹部が形成されており、この凹部に指105の腹側の表面を合わせて置くことにより、認証を行うための所定の位置を特定して指105を置くことが可能となっている。
【0024】
フォトセンサ104は、指置き台103の上側表面から上方に向かって指検出用の検出光を発光する検出光発光部と、指105の腹側表面を反射した検出光を検出する光検出部とを備えている。また、指置き台103に指105を置いた際には、検出光発光部が発光し指105の腹側表面を反射した検出光を光検出部が検出して、指105が指置き台103に置かれていると判定し、認証のスイッチオン信号をI/F121を介してCPU122に送信する機能を有する。指置き台103に指105を置いていない際には、検出光を光検出部が検出せず、指105が指置き台103に置かれていないと判定し、認証のスイッチオフ信号をI/F121を介してCPU122に送信する機能を有する。
【0025】
図3は、指105の静脈をカメラ102が撮影する様子を示す説明図である。図3に示すように、指置き台103に置かれた指105に対して、赤外線光源101が赤外線を照射し、静脈の血管パターンが映し出された撮影領域203をカメラ102が撮像するようになっている。また、CPU122は、撮影領域203の画像情報の中央部分204の輝度を算出し、赤外線の光量を調節するための処理を行うようになっている。
【0026】
図6は、HDD124に記憶された指情報1001を示す説明図である。指情報1001には、登録者の身体から取得した指情報等の情報として、登録者の1本目の指から取得した指情報と、1本目とは別の2本目の指から取得した指情報とが登録され記憶されるようになっている。
【0027】
続いて、本実施の形態における生体認証システムの動作について図面を用いて詳細に説明する。まず、登録者の指の静脈の血管パターンを含む指情報を登録する処理について図4に示すフローチャートを用いて説明する。ノートPC120を操作する登録者が、キーボード125を操作して、HDD124に記憶された静脈パターン登録プログラムを開始させると、CPU122は、ノートPC120のハードウェア全体の初期化や静脈パターン登録プログラムの実行に必要となる一時的な変数に初期値を代入する処理を行う(ステップ801)。
【0028】
次に、CPU122は、初期化状態への移行が完了すると、何本目の指を登録するかを判定する処理を行う(ステップ802)。最初に1本目の指を登録する場合には、「一本目の指登録操作」のメッセージを液晶ディスプレイ126に表示する処理を行い、静脈認証装置100の指置き台103に登録者の例えば人差し指等の1本目の指105を置くように促すための画面表示をする(ステップ803)。また、1本目の指の登録が終了しており2本目の指を登録する場合には、「二本目の指登録操作」のメッセージを液晶ディスプレイ126に表示する処理を行い、静脈認証装置100の指置き台103に登録者の例えば中指等の2本目の指105を置くように促すための画面表示をする(ステップ804)。
【0029】
次に、CPU122は、静脈認証装置100をアイドリング状態とし、指置き台103に指105が置かれたことに応じて発光量調節処理を行い、赤外線光源101の発光量を適切に調整し、指105の鮮明な静脈の血管パターン等を映した画像を撮像する(ステップ805)。ここで発光量調節処理で異常が検出され発光量異常のメッセージを表示する処理が行われた場合には、処理を終了する。
【0030】
次に、CPU122は、静脈の血管パターンを抽出する処理を行う(ステップ806)。発光量調節処理で取得した鮮明な静脈の血管パターン等を映した画像情報をメモリ123から読出し、この画像情報の画像のうち、血管パターンが映されていない部分を削除して静脈の血管パターン等を映した部分を指情報として抽出する処理を行う。
【0031】
次に、CPU122は、指情報を暗号化する処理を行う(ステップ807)。例えば所定の暗号化プログラムに基づいた暗号化パターンにより、この抽出した指情報を暗号化する処理を行う。
【0032】
次に、CPU122は、何本目の指の指情報の登録であるかを判定する処理を行う(ステップ808)。例えば指情報を登録する処理を何回行ったか判定することにより、この抽出した指情報が何本目の指から取得した指情報であるかを判定し、1本目である場合には、この抽出した指情報を1本目の指の静脈の血管パターンとして1本目を示す情報と関連付けて指情報1001に登録し記憶する処理を行う(ステップ809)。
【0033】
次に、CPU122は、液晶ディスプレイ126に登録者に指を抜くように指示するメッセージを表示する処理を行う(ステップ811)。例えば、「指を抜いてください」のメッセージを液晶ディスプレイ126に表示する処理を行う。
【0034】
次に、CPU122は、フォトセンサ104からスイッチオフ信号が送信されたか否かを判定する処理を行い(ステップ813)、スイッチオフ信号が送信された場合には(ステップ813のYES)、ステップ802以降の処理を繰り返し実行する。スイッチオフ信号が送信されていない場合には(ステップ813のNO)、送信されるまでステップ813の処理を繰り返し実行する。
【0035】
ここで、ステップ808において、例えば指情報を登録する処理を何回行ったか判定することにより、この抽出した指情報が何本目の指から取得した指情報であるかを判定し、2本目である場合には、この抽出した指情報を2本目の指の静脈の血管パターンとして2本目を示す情報と関連付けて指情報1001に登録し記憶する処理を行う(ステップ810)。
【0036】
次に、CPU122は、液晶ディスプレイ126に登録者に登録処理が終了した旨を知らせるメッセージを表示する処理を行う(ステップ812)。例えば、「登録完了」のメッセージを液晶ディスプレイ126に表示する処理を行う。
【0037】
続いて、上述のステップ805において実行する発光量調節処理について図5に示すフローチャートを用いて説明する。まず、CPU122は、静脈認証装置100をアイドリング状態とし、初期値として所定の発光量で発光するための発光制御信号をI/F121を介して発光制御部108に送信する処理を行う(ステップ901)。発光制御部108は、この発光制御信号を受信するとこの所定の発光量で発光で赤外線光源101から赤外線を発光させる制御を行う。
【0038】
次に、CPU122は、フォトセンサ104からスイッチオン信号が送信されたか否かを判定する処理を行う(ステップ902)。液晶ディスプレイ126に表示された「一本目の指登録操作」等のメッセージに従って、登録者が1本目等の指105を指置き台103に置かれたことに応じて、フォトセンサ104がこれを検出しスイッチオン信号をI/F121を介してCPU122に送信したか否かを判定する処理を行う。スイッチオン信号が送信されていない場合には(ステップ902のNO)、送信されるまでステップ902の処理を繰り返し実行する。
【0039】
次に、CPU122は、スイッチオン信号が送信された場合には(ステップ902のYES)、静脈の画像を撮影中であることを知らせるメッセージを表示する処理を行う(ステップ903)。例えば、「静脈撮影中」のメッセージを液晶ディスプレイ126に表示する処理を行う。
【0040】
次に、CPU122は、指105の静脈の血管パターン等を映した画像を撮像する処理を行う(ステップ904)。指置き台103に置かれた指105から、赤外線光源101から発光された赤外線が照射されることにより、映し出された静脈の画像を発光制御部108を介してカメラ102を動作させて撮像する処理を行う。そして、カメラ102により撮像された静脈の画像のアナログデータは、A/D変換器106によりデジタルデータに変換処理され、画像入力部107がこのデジタルデータを用いてデジタル情報の画像情報を生成し、I/F121を介してメモリ123に送信されて格納される。
【0041】
次に、CPU122は、画像情報の発光量の輝度を算出する処理を行う(ステップ905)。メモリ123から画像情報を読み出し、この画像情報から、図3に示すように、撮影領域203の中央部分204の輝度を算出する処理を行う。
【0042】
次に、CPU122は、画像情報の発光量の輝度が予め設定された目標範囲内であるか否かを判定する処理を行う(ステップ906)。予めHDD124に設定され記憶された画像情報の輝度の目標範囲の上限値および下限値を読み出し、算出した発光量の輝度がこれらの上限値および下限値の範囲内に含まれているか否かを判定する処理を行う。ここで、画像情報の輝度の目標範囲の上限値および下限値には、撮影領域203の中央部分204に映された静脈の血管パターンを把握できる様に鮮明に映されている際の輝度の上限値、下限値が設定されている。即ち、上限値および下限値の目標範囲内の輝度では、中央部分204に映された静脈の血管パターンの形状や模様等が鮮明に映し出されており、この静脈の血管パターンの画像情報を用いて照合の処理等が実行可能となっている。
【0043】
次に、CPU122は、画像情報の発光量の輝度が予め設定された目標範囲内である場合には(ステップ906のYES)、赤外線光源101の発光を停止するための発光制御信号をI/F121を介して発光制御部108に送信する処理を行う(ステップ912)。また、発光制御部108は、この発光制御信号を受信すると赤外線光源101の発光を停止させる制御を行う。そして処理を終了する。
【0044】
また、ここでCPU122は、画像情報の発光量の輝度が予め設定された目標範囲内でない場合には(ステップ906のNO)、目標範囲を超えているか否かを判定する処理を行う(ステップ907)。算出した発光量の輝度が、画像情報の輝度の目標範囲の上限値を超えているか、または、目標範囲の下限値より低いか否かを判定する処理を行う。
【0045】
次に、CPU122は、算出した発光量の輝度が目標範囲の上限値を超えている場合には(ステップ907のYES)、赤外線光源101の発光量を下げる処理を行う(ステップ908)。赤外線光源101で発光する赤外線の発光量として、初期値の発光量から、1ステップ減らした少ない発光量で発光するための発光制御信号をI/F121を介して発光制御部108に送信する処理を行う。
【0046】
また、CPU122は、算出した発光量の輝度が目標範囲の下限値より低い場合には(ステップ907のNO)、赤外線光源101の発光量を上げる処理を行う(ステップ909)。赤外線光源101で発光する赤外線の発光量として、初期値の発光量から、1ステップ増やした多い発光量で発光するための発光制御信号をI/F121を介して発光制御部108に送信する処理を行う。
【0047】
そして、発光制御部108は、この発光制御信号を受信すると、発光制御信号で指定した赤外線光源101での発光量が、赤外線光源101で発光できる赤外線の発光量の範囲内であるか否かを判定し(ステップ910)、赤外線光源101で発光できる範囲内である場合には(ステップ910のYES)、この発光制御信号で指定した発光量で赤外線光源101から赤外線を発光させる制御を行う。そして、ステップ904以降の処理を繰り返し実行する。
【0048】
次に、CPU122は、赤外線光源101で発光できる範囲内でない場合には(ステップ910のNO)、発光量が異常であることを知らせるメッセージを表示する処理を行う(ステップ911)。発光制御部108が発光制御信号で指定した赤外線光源101での発光量が、赤外線光源101で発光できる赤外線の発光量の範囲内でないと判定し、これに応じて発光量が異常である旨を通知する通知情報がI/F121を介してCPU122に送信したことに従って、CPU122は、例えば、「発光量異常」のメッセージを液晶ディスプレイ126に表示する処理を行う。
【0049】
次に、CPU122は、赤外線光源101の発光を停止するための発光制御信号をI/F121を介して発光制御部108に送信する処理を行う(ステップ913)。発光制御部108は、この発光制御信号を受信すると赤外線光源101の発光を停止させる制御を行う。そして処理を終了する。
【0050】
続いて、ノートPC120を起動させる際に、指情報により照合を行い認証を行う処理について、図7に示すフローチャートを用いて説明する。ノートPC120を操作する登録者が、ノートPC120の電源を投入することにより起動させると、CPU122は、ノートPC120のハードウェア全体の初期化や静脈パターン照合プログラムの実行に必要となる一時的な変数に初期値を代入する処理を行う(ステップ1101)。
【0051】
次に、CPU122は、初期化状態への移行が完了すると、何本目の指の照合を行うかを判定する処理を行う(ステップ1102)。最初に1本目の指の照合を行う場合には、「一本目の指照合操作」のメッセージを液晶ディスプレイ126に表示する処理を行い、静脈認証装置100の指置き台103に登録者の例えば人差し指等の1本目の指105を置くように促すための画面表示をする(ステップ1103)。また、1本目の照合が終了しており2本目の指の照合を行う場合には、「二本目の指照合操作」のメッセージを液晶ディスプレイ126に表示する処理を行い、静脈認証装置100の指置き台103に登録者の例えば中指等の2本目の指105を置くように促すための画面表示をする(ステップ1104)。
【0052】
次に、CPU122は、静脈認証装置100をアイドリング状態とし、指置き台103に指105が置かれたことに応じて、上述のステップ805と同様の発光量調節処理を行い、赤外線光源101の発光量を適切に調整し、指105の鮮明な静脈の血管パターン等を映した画像を撮像する(ステップ1105)。ここで発光量調節処理で異常が検出され発光量異常のメッセージを表示する処理が行われた場合には、ステップ1102以降の処理を繰り返し実行する。
【0053】
次に、CPU122は、静脈の血管パターンを抽出する処理を行う(ステップ1106)。発光量調節処理で取得した鮮明な静脈の血管パターン等を映した画像情報をメモリ123から読出し、この画像情報の画像のうち、血管パターンが映されていない部分を削除して静脈の血管パターン等を映した部分を指情報として抽出する処理を行う。
【0054】
次に、CPU122は、何本目の指の指情報の照合であるかを判定する処理を行う(ステップ1107)。例えば指情報を照合する処理を何回行ったか判定することにより、この抽出した指情報が何本目の指から取得した指情報であるかを判定する。
【0055】
次に、CPU122は、この抽出した指情報が1本目の指から取得した指情報である場合には、指情報1001に登録された1本目の指の指情報を読み出す処理を行う(ステップ1108)。HDD124内を検索して指情報1001に登録された1本目の指の指情報を読み出し、この読み出した1本目の指の指情報の暗号化を解凍する処理を行う。
【0056】
またここで、CPU122は、この抽出した指情報が2本目の指から取得した指情報である場合には、指情報1001に登録された2本目の指の指情報を読み出す処理を行う(ステップ1109)。HDD124内を検索して指情報1001に登録された2本目の指の指情報を読み出し、この読み出した2本目の指の指情報の暗号化を解凍する処理を行う。
【0057】
次に、CPU122は、抽出した指情報と登録された指情報とが一致するか否かを比較・照合する処理を行う(ステップ1110)。抽出した指情報と、読み出した指情報とを、例えば指情報に含まれる静脈の血管パターンの形状や模様等が一致するか否かを比較・照合する処理を行う。
【0058】
次に、CPU122は、抽出した指情報と登録された指情報とが一致する場合には(ステップ1110のYES)、液晶ディスプレイ126に登録者に指を抜くように指示するメッセージを表示する処理を行う(ステップ1111)。例えば、「指を抜いてください」のメッセージを液晶ディスプレイ126に表示する処理を行う。
【0059】
次に、CPU122は、フォトセンサ104からスイッチオフ信号が送信されたか否かを判定する処理を行い(ステップ1113)、スイッチオフ信号が送信されていない場合には(ステップ1113のNO)、送信されるまでステップ1113の処理を繰り返し実行する。
【0060】
次に、CPU122は、スイッチオフ信号が送信された場合には(ステップ1113のYES)、2本の指の指情報の照合が完了したか否かを登録であるかを判定する処理を行う(ステップ1115)。ステップ1110において、1本目、2本目の指の両方共に、抽出した指情報と登録された指情報とが一致すると判定しているか否かを判定する処理を行う。1本目、2本目の指の両方共に、一致すると判定していない場合には(ステップ1115のNO)、ステップ1102以降の処理を繰り返し実行する。
【0061】
次に、CPU122は、1本目、2本目の指の両方共に、一致すると判定している場合には(ステップ1115のYES)、液晶ディスプレイ126に登録者に認証が終了した旨を通知するメッセージを表示する処理を行う(ステップ1116)。例えば、「認証しました」のメッセージを液晶ディスプレイ126に表示する処理を行う。そして、処理を終了する。
【0062】
また、ステップ1109において、抽出した指情報と登録された指情報とが一致しない場合には(ステップ1110のNO)、CPU122は、液晶ディスプレイ126に登録者に不一致である旨を通知するメッセージを表示する処理を行う(ステップ1112)。例えば、「不一致」のメッセージを液晶ディスプレイ126に表示する処理を行う。
【0063】
次に、CPU122は、フォトセンサ104からスイッチオフ信号が送信されたか否かを判定する処理を行い(ステップ1114)、スイッチオフ信号が送信されていない場合には(ステップ1114のNO)、送信されるまでステップ1114の処理を繰り返し実行する。また、CPU122は、スイッチオフ信号が送信された場合には(ステップ1114のYES)、ステップ1102以降の処理を繰り返し実行する。
【0064】
以上のように、本実施の形態における生体認証システムでは、ノートPC120を操作する登録者が、ノートPC120の電源を投入することにより起動させると、最初に1本目の指の照合を行う場合には、登録者の例えば人差し指等の1本目の指105の鮮明な静脈の血管パターン等を映した画像を撮像する。そして、静脈の血管パターンを抽出し、抽出した指情報とHDD124の指情報1001に登録された指情報とが一致するか否かを比較・照合する処理を行う。一致する場合には、同様にして、登録者の例えば中指等の2本目の指105の鮮明な静脈の血管パターン等を映した画像を撮像し、比較・照合する処理を行う。1本目、2本目の指の両方共に、一致すると判定した場合には、液晶ディスプレイ126に登録者に認証が終了した旨を通知するメッセージを表示する処理を行う。
【0065】
このため、従来技術における1本の指のみを用いて指情報の比較・照合の処理を行うことと比較して、1本目、2本目の指の両方共に指情報が一致しなければ認証が得られないため、より認証精度の向上を図ることができ、他人受け入れ率の低減を実現することができる。また、認証のための指の本数を変更して2本の指を用いて指情報の比較・照合の処理を行うだけであるので、装置の複雑化等によるコストの増大を防止しながら実現することができる。
【0066】
以上のように、本実施の形態では指2本にて認証を行うので、他人受け入れ率、本人拒否率は以下の表1の通りとなり、他人受け入れ率が格段に低減することができる。
【表1】

【0067】
(第2の実施の形態)
以下、本発明に係る生体認証システムの第2の実施の形態について説明する。図8は、第2の実施の形態における生体認証システムの全体構成を示す説明図である。第2の実施の形態における生体認証システムでは、第1の実施の形態と同様の構成を有するノートPC120が、外部機器と情報やデータの送受信を行うための外部接続端子1201と、この外部接続端子1201に対してUSBケーブル1203を介して接続された外部機器であるカードリーダ1200とを備えている。その他の構成は、第1の実施の形態と同様であり説明を省略する。
【0068】
カードリーダ1200は、例えば登録者が所持する磁気情報等を記憶したカードをかざすことによりこのカードに記憶された情報を読み取る読取部を備えており、この読取部が読み取った情報を外部接続端子1201、USBケーブル1203を介してCPU122に送信する機能を有する。ここで、登録者が所持するカードとは、例えば所定の一部に磁気情報を記憶する記憶部が設けられたカードであり、この記憶部には、後述する登録者番号の情報等が記憶されている。
【0069】
図10は、第2の実施の形態における生体認証システムのノートPC120のHDD124に記憶された指情報1401を示す説明図である。指情報1401には、登録者を識別するための登録者番号と、登録者の身体から取得した指情報等の情報として、登録者の1本目の指から取得した指情報と、1本目とは別の2本目の指から取得した指情報とが登録され記憶されるようになっている。
【0070】
続いて、本実施の形態における生体認証システムの動作について図面を用いて詳細に説明する。まず、登録者の指の静脈の血管パターンを含む指情報を登録する処理について図9に示すフローチャートを用いて説明する。第2の実施の形態におけるこの処理は、図4に示す第1の実施の形態の指情報を登録する処理と略同様であり、一部の処理のみが異なるため、この異なる処理について説明する。
【0071】
ステップ801において、初期化状態への移行が完了すると、次に、CPU122は、カードリーダ1200により登録者番号の情報を読み取る処理を行う(ステップ1300)。登録者がカードリーダ1200の読取部に自己が所持するカードをかざしたことに応じて、カードリーダ1200がカードの記憶部に記憶された登録者番号を読み取りCPU122に送信すると、CPU122は、送信された登録者番号の情報をメモリ123に格納する処理を行う。そして、ステップ802以降の処理を実行する。
【0072】
また、ステップ808において、何本目の指の指情報の登録であるかを判定する処理を行い、1本目である場合には、CPU122は、この抽出した指情報を1本目の指の静脈の血管パターンとして指情報1401に登録し記憶する処理を行う(ステップ1301)。メモリ123から登録者番号の情報を読み出し、この抽出した指情報を1本目の指の静脈の血管パターンとして、登録者番号、1本目を示す情報と関連付けて指情報1401に登録し記憶する処理を行う。そして、ステップ811以降の処理を実行する。
【0073】
ここで、ステップ808において、何本目の指の指情報の登録であるかを判定する処理を行い、2本目である場合には、この抽出した指情報を2本目の指の静脈の血管パターンとして、登録者番号、2本目を示す情報と関連付けて指情報1401に登録し記憶する処理を行う(ステップ1302)。そして、ステップ812以降の処理を実行する。
【0074】
続いて、ノートPC120を起動させる際に、指情報により照合を行い認証を行う処理について、図11に示すフローチャートを用いて説明する。第2の実施の形態におけるこの処理は、図7に示す第1の実施の形態の指情報により照合を行い認証を行う処理と略同様であり、一部の処理のみが異なるため、この異なる処理について説明する。
【0075】
ステップ1101において、初期化状態への移行が完了すると、次に、CPU122は、カードリーダ1200により登録者番号の情報を読み取る処理を行う(ステップ1500)。登録者がカードリーダ1200の読取部に自己が所持するカードをかざしたことに応じて、カードリーダ1200がカードの記憶部に記憶された登録者番号を読み取りCPU122に送信すると、CPU122は、送信された登録者番号の情報をメモリ123に格納する処理を行う。そして、ステップ1102以降の処理を実行する。
【0076】
また、ステップ1107において、何本目の指の指情報の照合であるかを判定する処理を行い、抽出した指情報が1本目の指から取得した指情報である場合には、CPU122は、指情報1401に登録された1本目の指の指情報を読み出す処理を行う(ステップ1501)。メモリ123から登録者番号の情報を読み出し、HDD124内を検索して、指情報1401からこの登録者番号に関連付けられた1本目の指の指情報を読み出し、この読み出した1本目の指の指情報の暗号化を解凍する処理を行う。そして、ステップ1110以降の処理を実行する。
【0077】
ここで、ステップ808において、何本目の指の指情報の照合であるかを判定する処理を行い、抽出した指情報が2本目の指から取得した指情報である場合には、CPU122は、指情報1401に登録された2本目の指の指情報を読み出す処理を行う(ステップ1502)。メモリ123から登録者番号の情報を読み出し、HDD124内を検索して、指情報1401からこの登録者番号に関連付けられた2本目の指の指情報を読み出し、この読み出した2本目の指の指情報の暗号化を解凍する処理を行う。そして、ステップ1110以降の処理を実行する。
【0078】
なお、上述のステップ805において実行する発光量調節処理については、図5に示す第1の実施の形態における発光量調節処理と同様であるため、説明を省略する。
【0079】
以上のように、本実施の形態における生体認証システムでは、ノートPC120を操作する登録者が、ノートPC120の電源を投入することにより起動させると、カードリーダ1200により登録者が所持するカードの登録者番号の情報を読み取る処理を行い、最初に1本目の指の照合を行う場合には、登録者の例えば人差し指等の1本目の指105の鮮明な静脈の血管パターン等を映した画像を撮像する。そして、静脈の血管パターンを抽出し、抽出した指情報とHDD124の指情報1401に登録された、登録者番号に関連付けられた指情報とが一致するか否かを比較・照合する処理を行う。一致する場合には、同様にして、登録者の例えば中指等の2本目の指105の鮮明な静脈の血管パターン等を映した画像を撮像し、比較・照合する処理を行う。1本目、2本目の指の両方共に、一致すると判定した場合には、液晶ディスプレイ126に登録者に認証が終了した旨を通知するメッセージを表示する処理を行う。
【0080】
このため、複数の登録者が生体認証システムを利用する場合においても、登録者番号毎に関連付けて1本目、2本目の指情報を指情報1401に登録しておき、従来技術における1本の指のみを用いて指情報の比較・照合の処理を行うことと比較して、1本目、2本目の指の両方共に指情報が一致しなければ各登録者が認証が得られないため、より認証精度の向上を図ることができ、他人受け入れ率の低減を実現することができる。また、認証のための指の本数を変更して2本の指を用いて指情報の比較・照合の処理を行うだけであるので、装置の複雑化等によるコストの増大を防止しながら実現することができる。
【0081】
(他の実施の形態)
上述の実施の形態において、指置き台103に置かれた指105から、静脈の画像をカメラ102を動作させて撮像し、1本目、2本目の指の指情報を指情報1001または1401に登録して比較・照合する処理を行ったが、静脈の画像に限られず、指105から指紋の画像を撮像し、1本目、2本目の指の指情報を指情報1001または1401に登録して比較・照合する処理を行っても良い。
【0082】
また、上述の実施の形態において、登録者が1本目等の指105を指置き台103に置いたことに応じて、フォトセンサ104がこれを検出しスイッチオン信号を送信して、静脈の画像を撮影中であることを知らせるメッセージを表示する処理を行ったが、指置き台103の上側表面にスイッチオン信号をCPU122に送信するための押圧スイッチを設けて、これを指105の指先等で押圧することに応じてスイッチオン信号を送信しても良い。
【0083】
上述の実施の形態において、1本目、2本目の指の指情報を指情報1001または1401に登録して比較・照合する処理を行ったが、これに限られず、3本目、4本目等指の本数を適宜変更して指情報を指情報1001または1401に登録して比較・照合する処理を行っても良い。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】第1の実施の形態における生体認証システムの全体構成を示す説明図である。
【図2】第1の実施の形態における生体認証システムの静脈認証装置の構成を示す説明図である。
【図3】第1の実施の形態における生体認証システムのカメラの撮影領域を示す説明図である。
【図4】第1の実施の形態における生体認証システムの指情報を登録する処理を示すフローチャートである。
【図5】第1の実施の形態における生体認証システムの発光量調節処理を示すフローチャートである。
【図6】第1の実施の形態における生体認証システムのHDDに登録された指情報を示す説明図である。
【図7】第1の実施の形態における生体認証システムの指情報により照合を行う処理を示すフローチャートである。
【図8】第2の実施の形態における生体認証システムの全体構成を示す説明図である。
【図9】第2の実施の形態における生体認証システムの指情報を登録する処理を示すフローチャートである。
【図10】第2の実施の形態における生体認証システムのHDDに登録された指情報を示す説明図である。
【図11】第2の実施の形態における生体認証システムの指情報により照合を行う処理を示すフローチャートである。
【図12】従来の技術における生体識別装置の構成を示す説明図である。
【図13】従来の技術における生体識別装置のカメラの撮影領域を示す説明図である。
【図14】従来の技術における個人認証装置の構成を示す説明図である。
【図15】従来の技術における静脈認証装置の構成を示す説明図である。
【図16】従来の技術における静脈認証装置のカメラの撮影領域を示す説明図である。
【符号の説明】
【0085】
100 静脈認証装置
101 赤外線光源
102 カメラ
103 指置き台
104 フォトセンサ
105 指
106 A/D変換器
107 画像入力部
108 発光制御部
120 ノートPC
121 I/F
122 CPU
123 メモリ
124 HDD
125 キーボード
126 液晶ディスプレイ
127 スピーカ
1001、1401 指情報





【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置が起動する際に、この情報処理装置を操作する登録者の身体に基づいた指情報により認証を行う生体認証システムにおいて、
登録者を識別するための識別情報と、登録者の身体から取得した複数の指情報と、前記複数の指情報を取得したそれぞれの順番情報とを関連付けて記憶した指情報記憶手段と、
前記情報処理装置が起動する際に、登録者が入力した識別情報を読み取る識別読取手段と、
前記情報処理装置が起動する際に、登録者の複数の指から指情報を取得する指情報取得手段と、
前記識別読取手段が読み取った識別情報に基づいて、前記指情報記憶手段に記憶された複数の指情報および順番情報を検索して読み出す指情報検索手段と、
前記指情報取得手段が取得した複数の指情報を、これらの複数の指情報それぞれの取得した順番に従って、前記指情報検索手段が読み出した前記複数の指情報とこれらの複数の指情報それぞれの順番情報毎に一致するか否かを照合する指情報照合手段と、
前記指情報照合手段が照合した結果に基づいて、前記認証を行う指情報認証手段とを備えたことを特徴とする生体認証システム。
【請求項2】
請求項1に記載の生体認証システムにおいて、
前記指情報記憶手段は、登録者を識別するための識別情報と、登録者の身体から取得した複数の指情報と、前記複数の指情報を取得したそれぞれの指の種類情報とを関連付けて記憶し、
指情報検索手段は、前記識別読取手段が読み取った識別情報に基づいて、前記指情報記憶手段に記憶された複数の指情報および種類情報を検索して読み出し、
前記指情報照合手段は、前記指情報取得手段が取得した複数の指情報を、これらの複数の指情報それぞれの取得した指の種類に従って、前記指情報検索手段が読み出した前記複数の指情報とこれらの複数の指情報それぞれの種類情報毎に一致するか否かを照合することを特徴とする生体認証システム。
【請求項3】
請求項1に記載の生体認証システムにおいて、
前記指情報記憶手段は、登録者を識別するための識別情報と、登録者の身体から取得した複数の指情報と、前記複数の指情報を取得したそれぞれの順番情報と、登録者の身体から取得した予備用指情報とを関連付けて記憶し、
前記指情報検索手段は、前記識別読取手段が読み取った識別情報に基づいて、前記指情報記憶手段に記憶された複数の指情報、順番情報、予備用指情報を検索して読み出し、
前記指情報照合手段が照合した結果一致しない場合には、前記指情報取得手段が取得した指情報を、前記指情報検索手段が読み出した前記予備用指情報と一致するか否かを照合する第2の指情報照合手段を備えたことを特徴とする生体認証システム。
【請求項4】
請求項1に記載の生体認証システムにおいて、
前記識別読取手段は、前記情報処理装置が起動する際に、登録者が所持する識別情報を記憶した識別記録媒体から識別情報を読み取ることを特徴とする生体認証システム。





【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−233461(P2007−233461A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−50875(P2006−50875)
【出願日】平成18年2月27日(2006.2.27)
【出願人】(000233055)日立ソフトウエアエンジニアリング株式会社 (1,610)
【Fターム(参考)】