説明

生体認証装置

【課題】本人認証に用いられた生体情報が、真に再登録が必要なほど変化していることを条件として再登録のための処理を行なうことにより、不必要な再登録による無駄を省くことのできる生体照合装置を提供する。
【解決手段】マンションの居住者の生体情報を予め登録しておき、入口ドアの電子錠を開錠したい居住者が自己の生体情報を電子錠に読取らせて登録生体情報と照合して本人認証に成功すれば電子錠が開錠される。照合結果の一致度合いが認証判定しきい値(90%)以上でかつ再登録判定しきい値(93%)以下になったときに(S416DとS422DでYES)、新たな生体情報の再登録報知の指示を行なう(S428D)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば、指紋、静脈、網膜、虹彩、顔等をデータ化した情報、あるいは、人間が発した声に基づく声紋等の生体情報による本人認証を行なう生体認証装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の生体認証装置において、従来から一般的に知られているものに、たとえば、読取った生体情報の一例の指紋データと登録されている照合用生体情報の一例の照合用指紋データとを照合して本人認証を行ない、その本人認証に成功した場合にはその成功と判定された指紋データを新たな照合用指紋データとして登録して古い照合用指紋データと置き換え、または置き換えることなく新たな照合用指紋データを追加登録するように構成されたものがあった(たとえば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2004−342073号公報(段落0019参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この特許文献1に記載の従来技術においては、本人認証に成功した生体情報を新たな照合用生体情報として用いることにより、照合対象となる照合用生体情報を常に新しいものに更新することができ、人の成長や季節変動等によって徐々に生体情報が変化したとしても常に照合用生体情報を新しいものに更新することによりその変化に対応することができる。
【0004】
しかし、たとえば、住宅や事務所等の電子錠や毎日紙幣が回収される金庫や自動販売機等のように、数日当たり少なくとも1回以上生体照合をするような生体照合装置の場合においては、生体情報がこのような短期間に急激に変化することはないため、本人認証が成功する毎に成功した読取データを新たな照合用生体情報として更新あるいは追加登録する処理を行なうと、無駄な更新処理や追加登録を頻繁に行なうこととなり、合理的なシステムではなくなってしまうという不都合が生ずる。
【0005】
本発明は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、本人認証に用いられた生体情報が、真に再登録が必要なほど変化していることを条件として再登録のための処理を行なうことにより、不必要な再登録による無駄を省くことのできる生体認証装置を提供することである。
【課題を解決するための手段の具体例およびその効果】
【0006】
(1) 生体情報(たとえば、指紋、静脈、網膜、虹彩、顔等をデータ化した情報、声紋等)による本人認証を行なう生体認証装置であって、
生体情報を照合用生体情報として登録しておく生体情報登録手段(たとえば、図2、図16の記憶部320)と、
認証対象者の生体情報を取得する生体情報取得手段(たとえば、図2、図16の生体情報取得部350)と、
該生体情報取得手段で取得された生体情報を前記生体情報登録手段に登録されている照合用生体情報と照合した結果の一致度合いに基づいて本人認証を行なう照合認証手段(たとえば、図7のS412C、S430D)と、
該照合認証手段により、前記一致度合いが予め定められた値以下であると判定されたことを条件に、該判定された生体保有者の生体情報の再登録を促す再登録報知手段(たとえば、図7のS428D)とを備えていることを特徴とする。
【0007】
このような構成によれば、取得した生体情報を生体情報登録手段に登録されている認証用生体情報と照合した結果の一致度合が予め定められた値以下であると判定されたことを条件に、該判定された生体保有者の生体情報の再登録を促す再登録報知が行なわれるために、一致度合が予め定められた値以下に低下して真に再登録が必要なほど認証対象者の生体情報が変化したことを条件として再登録報知がなされることとなり、未だ再登録の必要性がないにもかかわらず再登録報知を行なう無駄を防止することができ、合理的なシステムとなる。
【0008】
(2) 前記照合認証手段により照合された結果の一致度合いを特定可能な履歴情報を、各照合用生体情報に対応させて記憶しておく照合履歴記憶手段(たとえば、図7のS415)と、
前記照合認証手段により、前記一致度合いが予め定められた値以下であると判定されたことに応じて、該判定に用いられた照合用生体情報に対応する履歴情報に基づいて当該判定結果が突発的事象か傾向的事象かを判定する事象判定手段(たとえば、図8のS1452、S1454)とをさらに備え、
前記再登録報知手段は、前記事象判定手段により前記傾向的事象であると判定されたことにより前記生体情報の再登録を促す(たとえば、図8のS1454でYESと判定されたときにS1455で再登録報知を行なう)ことを特徴とする。
【0009】
このような構成によれば、認証対象者の生体情報の一致度合が予め定められた値以下であると判定された場合に、該判定に用いられた照合用生体情報に対応する履歴情報に基づいて当該判定結果が突発的事象か傾向的事象かが判定され、傾向的事象であると判定されたことにより生体情報の再登録が促されるために、生体情報の変化が再登録しなければならないほど変化していないにもかかわらずたとえば生体情報の読取位置のずれ等の生体情報取得時の誤差等に起因して突発的に生体情報の一致度合が予め定められた値以下となったときにその生体情報の再登録を促すという無駄な再登録報知を防止することができ、より一層合理的なシステムとなる。
【0010】
(3) 前記照合認証手段は、照合の結果、前記一致度合いが予め定められたしきい値(たとえば、認証成功しきい値90%)以上であるときに、本人である旨の認証を行い(たとえば、図7のS412C、S430D)、
前記再登録報知手段は、前記一致度合いが、前記しきい値以上でありかつ該しきい値との差が所定値(たとえば、3)以下であることを条件に、再登録を促す(たとえば、図7のS416DでYESと判定されたことを条件にS428Dを実行する)ことを特徴とする。
【0011】
このような構成によれば、照合の結果の一致度合が本人認証に成功するしきい値以上でありかつ該しきい値との差が所定値以下であることを条件に、再登録が促されるために、再登録を促す対象者を本人認証に成功した者に限定することができ、本人であるか否か不明な者の生体情報が再登録される不都合を極力防止することができる。
【0012】
(4) 生体情報(たとえば、指紋、静脈、網膜、虹彩、顔等をデータ化した情報、声紋等)による本人認証を行なう生体認証装置であって、
認証対象者の生体情報と照合される照合用生体情報を登録しておく生体情報登録手段(たとえば、図2、図16の記憶部320)と、
認証対象者の生体情報を取得する生体情報取得手段(たとえば、図2、図16の生体情報取得部350)と、
該生体情報取得手段で取得された生体情報を前記生体情報登録手段に登録されている照合用生体情報と照合した結果の一致度合いに基づいて本人認証を行なう照合認証手段(たとえば、図12のS412C、S430D)と、
該照合認証手段により、前記一致度合いが予め定められた値以下であると判定されたことを条件に、該判定された生体保有者用の新たな前記照合用生体情報を前記生体情報登録手段に再登録する再登録手段(たとえば、図12のS428E)とを備えていることを特徴とする。
【0013】
このような構成によれば、取得した生体情報を生体情報登録手段に登録されている認証用生体情報と照合した結果の一致度合が予め定められた値以下であると判定されたことを条件に、該判定された生体保有者用の新たな照合用生体情報が再登録されるために、一致度合が予め定められた値以下に低下して真に再登録が必要なほど認証対象者の生体情報が変化したことを条件として再登録がなされることとなり、未だ再登録の必要性がないにもかかわらず再登録を行なう無駄を防止することができ、合理的なシステムとなる。
【0014】
(5) 前記照合認証手段により照合された結果の一致度合いを特定可能な履歴情報を、各照合用生体情報に対応させて記憶しておく照合履歴記憶手段(たとえば、図12のS415)と、
前記照合認証手段により、前記一致度合いが予め定められた値以下であると判定されたことに応じて、該判定に用いられた各照合用生体情報に対応する履歴情報に基づいて当該判定結果が突発的事象か傾向的事象かを判定する事象判定手段(たとえば、図13のS1452、S1454)とをさらに備え、
前記再登録手段は、前記事象判定手段により前記傾向的事象であると判定されたことにより前記照合用生体情報の再登録を行なう(たとえば、図13のS1454でYESと判定されたときにS1455Eで再登録処理を行なう)ことを特徴とする。
【0015】
このような構成によれば、認証対象者の生体情報の一致度合が予め定められた値以下であると判定された場合に、該判定に用いられた照合用生体情報に対応する履歴情報に基づいて当該判定結果が突発的事象か傾向的事象かが判定され、傾向的事象であると判定されたことにより照合用生体情報の再登録が行われるために、生体情報の変化が再登録しなければならないほど変化していないにもかかわらずたとえば生体情報の読取位置のずれ等の生体情報取得時の誤差等に起因して突発的に生体情報の一致度合が予め定められた値以下となったときに照合用生体情報の再登録を行なう無駄を防止することができ、より一層合理的なシステムとなる。
【0016】
(6) 前記照合履歴記憶手段は、前記照合認証手段による認証結果本人であると認証されたときの照合済生体情報を過去複数分(たとえば、5個分)記憶するとともに、該照合済生体情報それぞれの履歴情報を記憶し(たとえば、図12のS415、図10の履歴データテーブルD1200、図11の履歴データテーブルD1200A)、
前記再登録手段は、前記照合履歴記憶手段に記憶されている前記複数の照合済生体情報の1つを新たな前記照合用生体情報として再登録する(たとえば、図12のS415で記憶された複数の照合済生体情報(履歴データ)のうちの1つの照合済生体情報(たとえば、最も新しい履歴データ)を登録する)ことを特徴とする。
【0017】
このような構成によれば、突発的事象か傾向的事象かを判定するために照合履歴記憶手段に記憶されている過去複数分の照合済み生体情報の1つが新たな照合用生体情報として再登録されるために、記憶している照合済み生体情報を利用した再登録が行なわれ、未だ再登録の必要性がないにもかかわらず再登録を行なう無駄を防止することができ、合理的なシステムとなる。
【0018】
(7) 前記照合認証手段は、照合の結果、前記一致度合いが予め定められたしきい値(たとえば、認証成功しきい値90%)以上であるときに、本人である旨の認証を行ない(たとえば、図12のS412C、S430D)、
前記再登録手段は、前記一致度合いが、前記しきい値以上でありかつ該しきい値との差が所定値(たとえば、3)以下であることを条件に、再登録を行なう(たとえば、図12のS416DでYESと判定されたことを条件にS428Eを実行する)ことを特徴とする。
【0019】
このような構成によれば、照合の結果の一致度合が本人認証に成功するしきい値以上でありかつ該しきい値との差が所定値以下であることを条件に、再登録されるために、再登録される対象者を本人認証に成功した者に限定することができ、本人であるか否か不明な者に対する再登録が行なわれる不都合を極力防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0021】
以下に説明する本発明のシステムにおける本人認証を行なう処理は、人間の生体情報を使用した認証(バイオメトリクス認証)の技術では一般的である本人拒否率および他人許容率に基づいて定められた値(以下、認証成功判定しきい値ともいう)に基づいて行なわれる。
【0022】
ここで、認証成功判定しきい値は、本人認証が成功したか否かを判定するためのしきい値である。ここで、本人拒否率とは、本人を他人であると誤認する確率である。また、他人許容率とは、他人を本人であると誤認する確率である。
【0023】
<第1の実施の形態>
(システムの構成)
図1は、本実施の形態における生体情報認証装置10000の構成の一例を示す図である。この生体情報認証装置10000は、共同住宅の一例のマンション2に用いられている。マンション2の通路の入口ドア7に電子錠3aが設けられている。マンション2の入口ドア6からロビーに入ったマンション居住者は電子錠3aを開錠することによりマンション2の通路に進入可能となる。また、マンション2の通路から各住居A〜Dへの入口ドア8〜11にも、それぞれ電子錠3bが設けられている。さらに管理装置500が設置されている管理人室の入口ドア12にも、同様の電子錠3bが設けられている。各電子錠3a、3bは、それぞれ通信ケーブルにより管理装置500に配線接続されている。通信ケーブルは、たとえば、データをシリアル転送するためのRS−485(Recommended Standard 485)に準拠したケーブルである。なお、通信ケーブルは、RS−485に準拠したケーブルに限定されることなく、データをシリアル転送またはパラレル転送を行なうことが可能なケーブルであれば、他の規格のケーブルであってもよい。電子錠3aと電子錠3bとの相違点は、電子錠3aには住居者IDを入力するための入力部340(図2、図3参照)が設けられている一方、電子錠3bにはそのような入力部が設けられていない点である。
【0024】
マンション2の住民(居住者)は、管理装置500から自己の指紋等の生体情報や住居者ID等の認証に必要なデータを入力する。すると、その入力した認証に必要なデータが通路の入口ドア7の電子錠3aに送信されて登録される。また、管理装置500は、入力された認証に必要なデータを当該入力した居住者の住居の電子錠3bにも送信し、その送信されてきた認証に必要なデータが電子錠3bに登録される。この認証に必要なデータの入力および送信(配信)処理に関しては、図5に基づいて後述する。この状態で、マンション2の住居者がマンション2に入る場合には、まず入口ドア6からロビーに入った後、通路の入口ドア7の電子錠3aに指を挿入してその指の指紋情報(生体情報)を電子錠3aに読取らせ、その生体情報と登録されている生体情報との照合の結果本人認証を行なってもらう。本人認証が確認されると電子錠3aが開錠されて入口ドア7が開放されて通路に入ることができる。通路から自己の住居内に居住者が入る場合には、自己の住居の入口ドアに設けられている電子錠3bに指を挿入して生体情報を読取らせ、その生体情報と登録されている生体情報との照合の結果本人確認がなされると、住居の入口ドアが開放される。
【0025】
図2は、電子錠3aの内部構成の一例を示すブロック図である。図3は、電子錠3aの外観を正面から示した図である。図2では、説明のために管理装置500も示している。図2、図3を参照して、電子錠3aには、表示部330と、入力部340と、生体情報取得部350とを含む。
【0026】
表示部330は、文字や画像等を表示する機能を有する。表示部330は、LCDパネル(Liquid Crystal Display Panel)、FEDパネル(Field Emission Display Panel)および有機ELディスプレイパネル(Organic Electro luminescence Display Panel)のいずれかを使用した装置である。なお、表示部530は、上記以外の表示方式のパネルを使用した装置であってもよい。
【0027】
入力部340は、複数のボタンを含む。複数のボタンは、数字、文字等を入力するためのボタンである。複数のボタンは、電子錠3aの外部に設けられている。複数のボタンのうち、いずれかのボタンが押下操作されると、入力部340は、押下操作されたボタンに対応するボタン信号を、後述する制御部310へ送信する。以下においては、オペレーター等による、入力部340に含まれる複数のボタンの押下操作をインターフェース操作Tともいう。
【0028】
生体情報取得部350は、詳細は後述するが、人間の生体情報を取得する機能を有する。本実施の形態では、生体情報は、人間の体の一部である指紋をデータ化した情報であるとする。この場合、生体情報は、指紋の画像データ、指紋の特徴部分を抽出したデータ等となる。なお、生体情報は、指紋をデータ化した情報に限定されることなく、静脈、網膜、虹彩、顔等をデータ化した情報であってもよい。また、生体情報は、人間が発した声に基づく声紋等であってもよい。
【0029】
生体情報取得部350は、人間の体の一部が接触すると、接触した体の一部をデータ化した生体情報を、後述する制御部310へ送信する。生体情報取得部350により、送信された生体情報を利用して、後述する照合処理により、認証が成功すると、電子錠3a、3bが開錠されて入口ドア6〜12が開放可能となる。
【0030】
なお、生体情報取得部350は、人間の体の一部が接触しなくても生体情報を取得することが可能である。この場合、生体情報取得部350は、たとえば、CCD(Charge Coupled Device)等を備える。生体情報取得部350は、CCDにより、静脈、網膜、虹彩、顔等を撮像することで生体情報を取得する。
【0031】
また、生体情報取得部350は、声紋をデータ化した生体情報を取得することも可能である。この場合、生体情報取得部350はマイクを備える。生体情報取得部350は、マイクが収集した声に基づいて、当該声の声紋をデータ化した生体情報を取得する。以下においては、電子錠3a、3bを「認証端末」または単に「端末」ともいう。
【0032】
電子錠3aは、さらに、制御部310と、記憶部320と、通信部360とを含む。制御部310、記憶部320および通信部360は、制御基板CP320上に配置される。
【0033】
記憶部320は、データを不揮発的に記憶する機能を有する。記憶部320は、制御部310によってデータアクセスされる。記憶部320は、電源を供給されなくてもデータを不揮発的に保持可能な媒体(たとえば、フラッシュメモリ)である。記憶部320には、後述するデータ、その他の各種データ等が記憶されている。
【0034】
制御部310は、電子錠3a内の各部に対する各種処理や、演算処理等を行なう機能を有する。制御部310は、マイクロプロセッサ(Microprocessor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、およびその他の演算機能を有する回路のいずれであってもよい。
【0035】
制御部310は、生成した文字または画像等を、表示部330に表示させる処理も行なう。また、制御部310は、入力部340に含まれる、前述した複数のボタンのうち、押下操作があったボタンに対応するボタン信号を、入力部340から受信する。制御部310は、受信したボタン信号に応じた処理を行なう。
【0036】
また、制御部310は、前述した生体情報取得部350から送信された生体情報を受信し、後述する、認証処理等を行なう。
【0037】
通信部360は、制御部310とデータの送受信を行なう。また、通信部360は、シリアルデータ通信を行なう通信用インターフェースの機能を有する。通信部360は、通信ケーブルにより、管理装置500と接続される。したがって、制御部310は、通信部360を利用して、管理装置500とデータ通信が可能である。なお、通信部360は、パラレルデータ通信を行なう通信用インターフェースの機能を有していてもよい。
【0038】
なお、通信部360は、無線によりデータ通信を行なう機能を有していてもよい。この場合、通信部360は、無線LANの規格である、IEEE802.11a、IEEE802.11bおよびIEEE802.11gのいずれかに基づく無線技術を利用してデータ通信を行なう機能を有する。なお、無線技術は、IEEE802.11a、IEEE802.11bおよびIEEE802.11gのいずれかに基づく技術に限定されることはなく、その他の無線技術であってもよい。この場合、通信部360は、無線により、管理装置500とデータ通信を行なうことができる。
【0039】
電子錠3bについては、前述の電子錠3aにおける入力部340を削除したものであり、説明の繰り返しを省略する。
【0040】
(管理装置)
次に、管理装置500について詳細に説明する。
【0041】
図4は、本実施の形態における管理装置500の内部構成の一例を示すブロック図である。なお、図4には、説明のために、電子錠3a、3b、記録媒体555、後述する生体情報取得装置590も示している。記録媒体555には、後述するプログラム180が記録されている。すなわち、プログラム180は、媒体等に記録されてプログラム製品として流通される。また、記録媒体555もプログラム製品として流通される。
【0042】
図4を参照して、管理装置500には、マウス542と、キーボード544とが接続される。
【0043】
マウス542は、オペレーターが管理装置500を操作するためのインターフェースである。キーボード544は、オペレーターが管理装置500を操作するためのインターフェースである。なお、キーボード544は、管理装置500の内部に設けられる構成であってもよい。また、マウス542は、たとえば、タッチパッド等として、管理装置500の内部に設けられる構成であってもよい。また、管理装置500には、ペンタブレットが入力機器として接続されていてもよい。
【0044】
管理装置500は、表示部530と、制御部510と、記憶部520と、一時記憶部522とを備える。
【0045】
記憶部520は、データを不揮発的に記憶する機能を有する。記憶部520は、制御部510によってデータアクセスされる。記憶部520は、大容量のデータを記憶可能なハードディスクである。なお、記憶部520は、ハードディスクに限定されることなく、電源を供給されなくてもデータを不揮発的に保持可能な媒体(たとえば、フラッシュメモリ)であればよい。記憶部520には、プログラム180、その他の各種データ等が記憶されている。
【0046】
表示部530は、文字や画像等を表示する機能を有する。表示部530は、LCDパネル、CRT(Cathode Ray Tube)、FEDパネル、PDP(Plasma Display Panel)および有機ELディスプレイパネルのいずれかを使用した装置である。なお、表示部530は、上記以外の表示方式のパネルを使用した装置であってもよい。なお、表示部530は、管理装置500の外部に設けられた表示装置であってもよい。
【0047】
制御部510は、記憶部520に記憶されたプログラム180に従って、管理装置500内の各部に対する各種処理や、演算処理等を行なう機能を有する。制御部510は、マイクロプロセッサ、FPGA、ASIC、DSPおよびその他の演算機能を有する回路のいずれであってもよい。
【0048】
一時記憶部522は、制御部510によってデータアクセスされ、一時的にデータを記憶するワークメモリとして使用される。一時記憶部522は、RAM(Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SDRAM(Synchronous DRAM)、DDR−SDRAM(Double Data Rate SDRAM)、その他、データを揮発的に記憶保持可能な構成を有する回路のいずれであってもよい。
【0049】
管理装置500は、さらに、VDP532と、VRAM(Video Random Access Memory)536とを備える。
【0050】
VRAM536は、画像データを一時的に記憶する機能を有する。
制御部510は、記憶部520に記憶されたプログラム180に従って、VDP532に対し、描画指示を出す。描画指示とは、画像を生成し、当該画像を表示部530に表示させる指示である。
【0051】
VDP532は表示部530と接続されている。VDP532は、制御部510からの描画指示に応じて、記憶部520内の後述するプログラム180からフォントデータ、図形データ等を読出し、VRAM536を利用して画像を生成する。そして、VDP532は、VRAM536に記憶された画像データを読出し、表示部530に、当該画像データに基づく画像を表示させる。
【0052】
管理装置500は、さらに、入力部540と、記録媒体アクセス部550を備える。
入力部540には、マウス542と、キーボード544とが接続されている。オペレーターは、マウス542またはキーボード544を利用して、管理装置500に指示を与える。マウス542またはキーボード544からの入力指示は、入力部540を介して制御部510へ送信される。制御部510は、入力部540からの入力指示に基づいて所定の処理を行なう。以下においては、オペレーター等による、マウス542またはキーボード544の操作を、インターフェース操作Pともいう。
【0053】
記録媒体アクセス部550は、記録媒体555に記憶されている、データおよびプログラム等を読み出す機能を有する。記録媒体555に記憶されているプログラム180は、制御部510のインストール処理により、記録媒体アクセス部550により読み出され、制御部510が、プログラム180を、記憶部520に記憶させる。このインストール処理用プログラムは、予め、記憶部520に格納されており、インストール処理は、制御部510が、インストール処理用プログラムに基づいて行なう。
【0054】
なお、記憶部520には、プログラム180がインストールされていなくてもよい。この場合、制御部510は、記録媒体アクセス部550を利用して、記録媒体555に記憶されたプログラム180を読み出して、プログラム180に基づいた所定の処理を行なう。
【0055】
記録媒体555は、Blu-ray Disc(登録商標)、HD−DVD(High-Definition Digital Versatile Disc)(登録商標)、DVD−ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、DVD−R(Digital Versatile Disk Recordable)、DVD−RAM(Digital Versatile Disk Random Access Memory)、DVD+RW(Digital Versatile Disk Re-Writable)、DVD−RW、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto Optical Disk)、フロッピー(登録商標)ディスク、CFカード(登録商標)、SM(Smart Media(登録商標))、MMC(登録商標)、SDメモリーカード(登録商標)、メモリースティック(登録商標)、xDピクチャーカード、USBメモリ、磁気テープおよび上記以外の不揮発性メモリのいずれであってもよい。
【0056】
管理装置500は、さらに、通信部560と、通信部562とを備える。
通信部560は、制御部510とデータの送受信を行なう。なお、通信部560は、前述の通信部360と同様な構成および機能を有するので詳細な説明は繰り返さない。すなわち、通信部560は、電子錠3a、3bと有線または無線で、データの送受信を行なう機能を有する。
【0057】
通信部562は、制御部510と、データの送受信を行なう。通信部562は、USB(Universal Serial Bus)1.1またはUSB2.0の規格に基づく、シリアル転送を行なう通信用インターフェースの機能を有する。なお、シリアル転送を行なう通信用インターフェースの規格は、USB1.1またはUSB2.0に限定されることなく他の規格であってもよい。
【0058】
なお、通信部562は、パラレル転送を行なう通信用インターフェースの機能を有していてもよい。パラレル転送を行なう通信用インターフェースは、たとえば、セントロニクス準拠の規格またはIEEE1284(Institute of Electrical and Electronic Engineers 1284)の規格に準拠したインターフェースである。また、通信部562は、IEEE1394に基づく通信用インターフェースの機能を有していてもよい。
【0059】
通信部562には、生体情報取得装置590が接続されている。生体情報取得装置590は、電子錠3a、3bの生体情報取得部350と同様な機能を有するので詳細な説明は繰り返さない。すなわち、生体情報取得装置590は、人間の生体情報を取得する機能を有する。生体情報取得装置590には、生体情報を取得するための、生体情報取得部592が設けられる。生体情報取得装置590は、生体情報取得部592が取得した生体情報を、通信部562を介して、制御部510へ送信する。
【0060】
なお、生体情報取得装置590は、管理装置500の内部に設けられる構成であってもよい。この場合、生体情報取得装置590により取得された生体情報は、制御部510へ送信される。
【0061】
管理装置500は、さらに、音声出力部572と、音声入力部574と、LED576とを備える。
【0062】
音声出力部572は、制御部510で行なわれる処理に対応した音声を出力する機能を有する。音声出力部572には、音声を出力するスピーカが含まれる。制御部510は、音声出力部572とデータ通信する。制御部510が、音声データを音声出力部572へ送信すると、音声出力部572は、制御部510から受信した音声データに基づく音声をスピーカから出力する。
【0063】
音声入力部574は、音声を入力する機能を有する。音声入力部574には、音声を入力するマイクが含まれる。音声入力部574は、マイクにより取得した音声を音声データに変換して、音声データを、制御部510へ送信する。制御部510は、音声入力部574とデータ通信する。
【0064】
オペレーターが音声入力部574に含まれるマイクに対して音声を発すると、音声入力部574は、マイクにより取得した音声を音声データに変換して、音声データを、制御部510へ送信する。
【0065】
LED576は、管理装置500で行なわれる処理に応じて、光による報知を行なう。LED576は、制御部510からの制御指示に基づいて、光を発する。
【0066】
図5は、管理装置500により実行される生体情報入力配信処理を示すフローチャートである。この生体情報入力配信処理は、新たにこのマンション2の居住者となった者の生体情報を電子錠3b、3aに配信して登録しておくための処理である。図5を参照して、先ず、管理装置500の制御部510は、ステップS(以下単に「S」という)1により、居住者ID、氏名、生体情報の登録を行なう指の種類、自己の住居の電子錠3bのID(端末ID)、および生体情報の入力があったか否かを判断し、入力されるまで待機する。入力があった場合には、S2により、通路入口の電子錠3aに入力された情報を送信する。電子錠3aでは、その送信されてきた情報を登録生体情報管理テーブルD600A(図6参照)として記憶部320に登録する。
【0067】
さらに、管理装置500は、入力された端末IDの電子錠3bすなわち入力した居住者の住居の電子錠3bに、入力された情報(具体的には、氏名、生体情報の登録を行なう指の種類、生体情報)を送信する。電子錠3bでは、その送信されてきた情報を登録生体情報管理テーブル(図示省略)として記憶部320に登録する。
【0068】
図6は、前述した登録生体情報管理テーブルD600Aを示す図である。図6を参照して、生体情報(指紋等)は、右人差し指、左人差し指、右中指、左中指の合計4個まで登録できる。図6を参照して、登録生体情報管理テーブルD600Aにおいて、「居住者ID」の行にはマンション2の居住者が入力した居住者IDのデータが記憶され、「氏名」の行にはマンション2の居住者が入力した氏名のデータが居住者IDに対応して記憶され、「生体情報名」の行には、入力した指紋情報の種類(入力した各指の種類)を示す生体情報名のデータが居住者IDに対応して記憶される。
【0069】
「生体情報ID」とは、記憶部520において、生体情報名に対応づけて記憶されている生体情報を特定するためのID(各指に対応するID)である。「照合回数」とは、居住者が電子錠3aで認証に使用した各指毎の使用回数のデータであり、後に詳述する。「登録済み端末ID」の領域には、入力された端末IDのデータが居住者IDに対応して記憶される。この端末IDは、居住者の住居の電子錠3bに予め割振られている。
【0070】
端末IDがMB001の電子錠3bが設けられている住居の居住者は、氏名が、H.K、Y.K、M.K、S.Kの4人家族であり、家族全員共通の居住者ID1101が割振られている。また、端末IDがMB002の電子錠3bが設けられている住居の居住者は、3人家族である。
【0071】
記憶部520において、生体情報名に対応づけて記憶されている各指の名称は、具体的には、右人差し指、左人差し指、右中指、左中指であり、生体情報IDに対応づけて記憶されている各指に対応するIDは、具体的には、BM0101、BM0102、BM0103、BM0104等である。また、照合回数に対応づけて記憶されている各指の照合回数は、たとえば、20、15、5、3等である。生体情報は、前述したように、生体情報名(たとえば、右人指し指)の指紋をデータ化した情報である。たとえば、生体情報ID“BM0103”は、記憶部520において、生体情報名「右中指」に対応付けて記憶されている、右中指の指紋をデータ化した情報(たとえば、右中指の指紋の画像データ)である。
【0072】
電子錠3bの記憶部320に登録される登録生体情報管理テーブルは、図6の登録生体情報管理テーブルD600Aと比べて、「居住者ID」および「登録済み端末ID」のデータが削除されており、これら以外のデータが1家族分記憶される。
【0073】
図7は、電子錠3aで実行される認証処理TDのフローチャートである。図7を参照して、S400では、居住者IDが入力されたか否か判断され、入力されるまで待機する。居住者が入力部340から居住者IDを入力すると、S402により、制御部510が、マンション居住者の生体情報を取得したか否かが判定される。S402において、NOならばS401でキャンセル操作があったか否か判断され、キャンセル操作があればS400に戻るが、キャンセル操作がなくS402でYESならば、S403に進む。なお、S402でNOと判断された場合に、キャンセル操作の代わりとしてタイマによる所定時間(10秒程度)の経過によりS400に戻るように制御してもよい。S403では、登録生体情報管理テーブルD600Aを参照して、入力された居住者IDに対応する生体情報(照合用生体情報)を読出す。たとえば、入力された居住者IDが「1101」の場合には、図6を参照して、H.K、Y.K、M.K、S.Kの4人における右人差し指、左人差し指、右中指、左中指の各生体情報が読み出される。次にS412Cに進む。
【0074】
ここで、居住者が、管理装置500において予め登録した照合用生体情報に対応する体の一部を、生体情報取得部350に接触させるとする。この場合、生体情報取得部350は、接触した体の一部をデータ化した生体情報を、制御部310へ送信する。したがって、S402において、YESと判定され、S412Cに進む。
【0075】
S412Cでは、居住者の本人認証を行なうための照合認証処理Cが行なわれる。照合認証処理Cでは、制御部310が、前述の処理により、生体情報取得部350から受信した生体情報と、S403で読出した複数の照合用生体情報の各々とを照合し、一致度合いを判定する。
【0076】
この処理により、生体情報取得部350から受信した生体情報と、複数の照合用生体情報の各々とを照合した結果の、一致度合いが判定される。
【0077】
生体情報が、画像データである場合、当該一致度合いの判定は、たとえば、画像のマッチング処理により行なわれる。また、生体情報が、体の一部の特徴部分を抽出したデータである場合、当該一致度合いの判定は、たとえば、抽出データのマッチング処理により行なわれる。
【0078】
制御部310は、受信した生体情報と、複数の生体情報IDにそれぞれ対応する複数の照合用生体情報の各々との一致度合いにおいて、1つでも認証成功判定しきい値以上の一致度合いがあると、認証成功と判定する。認証成功判定しきい値は、居住者の本人認証が成功したか否かを判定するためのしきい値である。認証成功判定しきい値は、たとえば、90%であるとする。すなわち、認証成功と判定さるのは、本人認証が成功と判定された場合である。
【0079】
一方、制御部310は、受信した生体情報と、複数の照合用生体情報の各々との一致度合いにおいて、認証成功判定しきい値以上の一致度合いが1つもない場合、認証失敗と判定する。すなわち、本人認証が失敗と判定される。
【0080】
ここで、制御部310が生体情報取得部350から受信した生体情報は、居住者の右人指し指の指紋をデータ化した情報(たとえば、指紋の画像)であるとする。そのため、この照合認証処理Cでは、制御部310により、受信した生体情報と、複数の生体情報ID“BM0101”,“BM0102”,“BM0103”,“BM0104”・・・によりそれぞれ特定される複数の照合用生体情報の各々との一致度合いが判定される。この複数の照合用生体情報の各々との照合を行なう際、照合回数(図6の登録生体情報管理テーブルD600A参照)が多い照合用生体情報から順番に照合する。照合回数が多いということは照合に頻繁に使用する指ということであり、今回の照合に使用された可能性が高い指の照合用生体情報である。ゆえに、使用頻度の高い照合用生体情報から優先して照合することにより、早期にマッチする照合用生体情報との照合が達成でき、照合処理の効率化(迅速化)が図られる。
【0081】
ここでは、判定された一致度合いは、92%であるとする。したがって、一致度合いが92%であると判定されるのに使用された居住者の生体情報は、居住者の右人指し指の指紋をデータ化した情報(たとえば、指紋の画像)である。また、一致度合いが92%であると判定されるのに使用された照合用生体情報は、生体情報ID“BM0101”により特定される照合用生体情報(居住者ID“1101”の氏名H.Kの居住者の右人指し指の生体情報)であるとする。また、この場合、制御部310により認証成功と判定されたとする。制御部510により、認証の結果が判定されると、照合認証処理Cは終了し、S414に進む。
【0082】
S414では、認証結果情報(成功または失敗)を管理装置500へ送信する処理が行なわれる。管理装置500では、これを受信して、電子錠3aへのアクセス履歴データを集計し、必要に応じて表示または印字出力する。アクセス履歴データは、アクセス日時、アクセス者を特定する居住者IDや氏名、認証結果情報(成功または失敗)等が一覧表になったデータである。
【0083】
次に、S415により、履歴データを履歴データテーブルD1200(図10参照)として記憶する。履歴データは、現在の日時と、認証処理の対象となった居住者の居住者IDと、認証処理の対象となった居住者の生体情報を特定する生体情報IDと、照合認証処理Cにおいて判定された一致度合いとを示す。また、生体情報IDに対応させて今回照合された生体情報(照合済生体情報)も記憶される。この照合済生体情報をも含めて「履歴データ」という。なお、制御部310は、1つの生体情報IDにつき、履歴データは、所定個数までしか記憶部320に記憶させない。所定個数は、たとえば、5である。1つの生体情報IDにつき、所定個数より多い履歴データが記憶部320に記憶されている場合、制御部310は、最も古い履歴データを削除して、最新の履歴データを記憶部320に記憶させる。図10に示す履歴データテーブルD1200から最も古い履歴データを削除して、最新の履歴データを記憶部320に記憶させた状態が、図11に示している。
【0084】
この履歴データテーブルD1200の記憶データ(履歴データ)の更新制御を、具体的に説明する。
【0085】
まず、所定期間(たとえば、一週間)において、同一の居住者ID(たとえば、“1101”)の居住者が、同一の生体情報ID(たとえば、“BM0101”)により特定される生体情報を使用して、同一の端末ID(たとえば、“MB001”の電子錠3a(認証端末)の操作を複数回行なったとする。この場合、の電子錠3a(認証端末)において、前述の図7の認証処理TDが、複数回行なわれたとする。この処理により、電子錠3aの記憶部520には、図7のS415の処理が繰返し行なわれることにより、履歴データテーブルが記憶される。履歴データテーブルは、同一の生体情報IDを示す所定個数の履歴データから構成される。所定個数は、たとえば、5であるとする。ここで、履歴データテーブルは、図10の履歴データテーブルD1200であるとする。
【0086】
次に、電子錠3a(認証端末)において、図7の認証処理TDが行なわれる場合の処理について説明する。端末ID“MB001”の電子錠3a(認証端末)の操作を行なう居住者の居住者IDは、“1101”であるとする。
【0087】
この状態で図7の認証処理TDが実行されてS415で履歴データの記憶が行なわれた場合には、履歴データが図11に示すものになる。
【0088】
図11を参照して、履歴データテーブルD1200Aは、図10の履歴データテーブルD1200と比較して、履歴データテーブルD1200番号“1”の履歴データがない点と、履歴データテーブルD1200の番号“2”〜“5”の履歴データが、履歴データテーブルD1200Aの番号“1”〜“4”の履歴データとなっている点と、番号“5”の履歴データが追加されている点とが異なる。それ以外は、履歴データテーブルD1200と同様なので詳細な説明は繰り返さない。履歴データテーブルD1200Aにおける、番号“5”の履歴データは、S415で記憶された図11の履歴データD1100Aである。すなわち、最も古い履歴データが削除され、最新の履歴データが追加されることになる。
【0089】
そして、この図11の履歴データテーブルD1200Aに基づいて図8のS1450〜S1454の処理が実行されることとなる。
【0090】
次に、S416Dでは、制御部310が、前述の照合認証処理Cにおいて判定された一致度合いが、再登録判定しきい値以下であるか否かを判定する。S416Dにおいて、YESならば、S420Dに進む。一方、S416Dにて、NOならば、後述するS430Dに進む。
【0091】
再登録判定しきい値は、登録時一致度合いと、現在一致度合いとの差が所定値(たとえば、3)以上となった場合に、後述する再登録を報知する処理または自動的に再登録を実行する処理を行なうか否かを判定するためのしきい値である。当該再登録は、居住者の現在の生体情報の再登録である。
【0092】
ここで、登録時一致度合いとは、事前に電子錠3a(認証端末)に登録した居住者の照合用生体情報(以下、事前登録照合用生体情報ともいう)と、当該登録時における居住者の生体情報との平均的な一致度合いである。したがって、登録時一致度合いは、100%に近い値となる。現在一致度合いとは、事前登録照合用生体情報と、現在の居住者の生体情報との一致度合いである。
【0093】
前述したように、人間の生体情報は、当該人間の成長、季節の変化等によりわずかながらでも変化するのが一般的である。したがって、事前に電子錠3a(認証端末)に事前登録照合用生体情報を登録したとき(以下、生体情報事前登録日時ともいう)から、多くの時間が多く経過する程、登録時一致度合いと、現在一致度合いとの差は大きくなる可能性がある。
【0094】
再登録判定しきい値は、生体情報事前登録日時から、多くの時間が経過しても、現在一致度合いにより、本人認証が成功されるような値に設定される。すなわち、再登録判定しきい値は、認証成功判定しきい値以上であり、かつ、認証成功判定しきい値に所定値(たとえば、3)を加算した値に設定される。認証成功判定しきい値が、90(%)である場合、再登録判定しきい値は、たとえば、93(%)に設定されるとする。ここで、前述の照合認証処理Cにおいて判定された一致度合いは、92(%)であるとする。この場合、S416Dにおいて、YESと判定され、S420Dに進む。
【0095】
なお、再登録判定しきい値は、現在一致度合いにより本人認証が失敗される値であり、かつ、認証成功判定しきい値に近い値に設定されてもよい。この場合、再登録判定しきい値は、認証成功判定しきい値未満であり、かつ、認証成功判定しきい値から所定値(たとえば、3)を減算した値に設定される。認証成功判定しきい値が、90(%)である場合、再登録判定しきい値は、たとえば、87(%)に設定される。
【0096】
S420Dでは、制御部310が、前述の照合認証処理Cにおいて判定された一致度合いが、前述した生体情報取得部位判定しきい値以上であるか否かを判定する。S420Dにおいて、YESならば、S421に進む。一方、S420Dにおいて、NOならば、後述するS430Dに進む。ここで、前述の照合認証処理Cにおいて判定された一致度合いは、92(%)であるとする。また、生体情報取得部位判定しきい値は、80(%)であるとする。生体情報取得部位判定しきい値は、生体情報取得部350により取得された居住者の生体情報の部位を特定するための値であり、照合回数関連付け処理(後述する)を行なうために最低限必要な生体情報の取得部位を特定するためのしきい値である。S420Dにおいて、YESと判定された場合にはS421に進む。
【0097】
S421では、照合回数関連付け処理が行なわれる。照合回数関連付け処理では、制御部310が、記憶部320に記憶されている登録生体情報管理テーブルD600A(図6参照)において、居住者の複数の生体情報IDのうち、今回照合に使用された生体情報に対応する生体情報IDの照合回数に「1」を加算更新する。
【0098】
ここで、照合回数とは、記憶部320に記憶されている複数の照合用生体情報のうち、前述の照合に使用された居住者の生体情報との一致度合いが生体情報取得部位判定しきい値以上の照合用生体情報の使用頻度を示す情報である。すなわち、本人認証が成功した場合、または、本人認証が失敗しても、照合に使用された生体情報(たとえば、右人指し指の生体情報)が特定できた場合に、照合回数関連付け処理が行なわれる。なお、照合回数関連付け処理は、本人認証が成功された場合にのみ行なわれてもよい。
【0099】
なお、登録生体情報管理テーブルD600A(図6参照)において、複数の生体情報IDのうち、照合に使用された生体情報に対応する生体情報IDに照合回数が関連付けられてない場合、制御部310は、当該照合に使用された生体情報に対応する生体情報IDに関連付ける照合回数を1回とする。なお、既に照合回数が関連付けられている場合、制御部310は、照合回数関連付け処理が行なわれる毎に、関連付けられている照合回数を1加算更新する。そして、ステップS421の処理は終了する。
【0100】
S422Dでは、制御部310が、前述の照合認証処理Cにおいて判定された一致度合いが、認証成功判定しきい値以上であるか否かを判定する。S422Dにおいて、YESならば、S428Dに進む。一方、S422Dにおいて、NOならば、S430に進む。ここで、前述の照合認証処理Cにおいて判定された一致度合いは、92(%)であるとする。また、認証成功判定しきい値は、90(%)であるとする。この場合、S422Dにおいて、YESと判定されて、S428Dに進む。
【0101】
S428Dでは、制御部310が、再登録報知処理行なう。この再登録報知処理については、後述する。S428Dの処理の後、前述したS430Dの処理が行なわれる。
【0102】
S430Dでは、制御部310が、前述の照合認証処理Cにおいて、認証成功と判定されたか否かを判定する。S430Dにおいて、YESならば、S438に進む。一方、S430Dにおいて、NOならば、S439に進む。ここでは、照合認証処理Cにおいて、認証成功と判定されたとして、S438に進む。
【0103】
S438では、電子錠の開錠処理が行なわれ、入り口ドアーが開放可能となる。
一方、S430DでNOと判定された場合には、S439に進み、認証失敗処理が行なわれる。認証失敗処理では、制御部310が、表示部330にエラーメッセージを表示させる。エラーメッセージは、たとえば、「認証NG」というメッセージである。
【0104】
なお、前述したS416Dにいて、NOならば、S430Dに進む。ここで、再登録判定しきい値は、93(%)であるとする。また、前述の照合認証処理Cにおいて判定された一致度合いは、95(%)であるとする。この場合、S416Dにおいて、NOと判定され、S430Dに進む。
【0105】
図8は、前述のS428Dで示した再登録報知処理の具体的制御を示すフローチャートである。まず、S1430では、制御部310が、記憶部320に、1つの生体情報IDにつき、所定個数以上の履歴データが記憶されているか否かを判定する。ここで、所定個数は、たとえば、“5”であるとする。S1430において、YESならば、S1450に進む。S1450では、制御部310が、今回照合された生体情報(S415で記憶された履歴データ)の生体情報IDと、所定個数以上の履歴データが示す同一の生体情報IDとが一致するか否かを判定する。S1450において、YESならば、S1452に進む。一方、S1450において、NOならば、リターンする。ここで、記憶部320には、5個の履歴データから構成される、図11の履歴データテーブルD1200Aが記憶されているとする。この場合、5個の履歴データが示す同一の生体情報IDは、“BM0101”であるとする。この場合、S1450において、YESと判定されて、S1452に進む。
【0106】
S1452では、生体情報の認証結果の一致度合いが再登録判定しきい値(93%)以下になった現象が、突発的事象であるか傾向的事象であるかの事象判定処理が行なわれる。
【0107】
前述したように、人間の生体情報は、一般的には、当該人間の成長、季節の変化等により時間の経過に従って徐々に変化する傾向がある。このような経時的に徐々に変化する傾向的事象に起因して一致度合いが再登録判定しきい値(93%)以下になった場合には、その変化に追従した認証を可能にするべく、登録されている照合用生体情報をその変化した生体情報に更新する必要がある。一方、生体情報の変化は、前述の傾向的事象の他に、たとえば、生体情報取得時における指の読取り角度の不具合や指の怪我等により、読取った生体情報が突発的に変化したものとなる場合がある。このような突発的事象により変化した生体情報の場合には、本来の正しい生体情報でないために、登録されている照合用生体情報をその生体情報に更新しないほうが望ましい。このような実情に鑑み、本実施の形態では、読取った生体情報の変化が突発的事象に起因したものなのか傾向的事象に起因したものなのかを判定し、傾向的事象に起因したものの場合にのみ生体情報の更新を行なうための処理を実行するようにしている。
【0108】
先ず、S1452の事象判定処理では、制御部310が、同じ生体情報IDを示す複数の履歴データにそれぞれ示される複数の一致度合いの平均値を算出する。そして、制御部310は、算出した平均値と、今回照合された生体情報(S415で記憶された履歴データ)の一致度合いとの差が傾向的事象判定しきい値以上であるか否かを判定する。ここで、傾向的事象判定しきい値は、記憶部320に記憶されている、同一の生体情報を示す複数の履歴データに対応する生体情報が、突発的事象により大きく変化することがない傾向的事象であることを判定するためのしきい値である。
【0109】
ここで、突発的事象とは、前述したように、居住者の右人指し指を接触させる位置が正しい位置より少しずれていた事象、居住者の生体情報を取得させる部位が怪我をした事象等である。したがって、突発的事象が発生すると、判定される一致度合いは、複数の履歴データにそれぞれ示される複数の一致度合いの平均値から大きく離れる値となる。
【0110】
制御部310は、算出した平均値と、今回照合された生体情報(S415で記憶された履歴データ)の一致度合いとの差が傾向的事象判定しきい値以内であると判定した場合、傾向的事象と判定する。また、制御部310は、算出した平均値と、今回照合された生体情報(S415で記憶された履歴データ)の一致度合いとの差が傾向的事象判定しきい値より大きいと判定した場合、突発的事象と判定する。傾向的事象判定しきい値は、たとえば、2であるとする。
【0111】
ここで、算出された平均値は、94であるとする。また、S415で記憶された履歴データは、図11の履歴データD1100Aであるとする。したがって、S415で記憶された履歴データが示す一致度合いは、92(%)である。この場合、算出した平均値と、S415で記憶された履歴データが示す一致度合いとの差が傾向的事象判定しきい値以内と判定され、傾向的事象と判定する。
【0112】
なお、傾向的事象および突発的事象の判定方法は、上記方法に限定されることなく他の方法であってもよい(変形例として後述する)。その後、S1454に進む。
【0113】
S1454では、制御部510が、事象判定処理により傾向的事象と判定されたか否かを判定する。S1454において、YESならば、S1455に進む。一方、S1454において、NOならば、リターンする。
【0114】
以上説明したように、複数の履歴データから、最新の履歴データに基づき、傾向的事象および突発的事象のいずれかが判定される。そして、傾向的事象と判定された場合にのみ、生体情報の再登録を促す報知が行なわれる。
【0115】
したがって、突発的事象による無意味な再登録を促す報知を無くすことができるという効果を奏する。ここで、突発的事象とは、前述したように、たとえば、居住者の右人指し指を接触させる位置が正しい位置より少しずれていた事象、居住者の生体情報を取得させる部位が怪我をした事象等である。
【0116】
一方、S1430において、NOならば、S1455に進む。S1455では再登録報知を行なう。
【0117】
以上のように、突発的事象の場合には、S1454によりNOと判断されて、再登録報知は行なわれず、認証成功の判断に従った開錠処理のみが行なわれるため(S430D、S438)、突発的事象による無意味な再登録を促す報知を無くすことができるという効果を奏する。
【0118】
図9は、表示部330で表示される再登録報知画像WG1300を示す図である。図9を参照して、再登録報知画像WG1300には、認証処理の対象となった居住者の生体情報の再登録を促すメッセージが表示される。当該メッセージは、たとえば、「H.K様、右人差し指の生体情報の再登録を行なってください」である。
【0119】
以上説明したように、事前に電子錠3a(認証端末)に登録した居住者の照合用生体情報と、当該登録時における居住者の生体情報との平均的な一致度合いが、認証成功判定しきい値以上であって、かつ、認証成功判定しきい値に近い値まで低下した場合に、生体情報の再登録を促す報知が行なわれる。
【0120】
これにより、再登録の対象となった居住者は、管理装置500において、現在の再登録を要求されている生体情報を登録する。そして、管理装置500は、当該登録した生体情報を、新たな照合用生体情報として、該当する電子錠3a(認証端末)に送信して再登録させる。該当する電子錠3aは、管理装置500が記憶している居住者IDと登録済み端末IDとを対応づけるテーブル(図示省略)を参照して居住者IDに対応する登録済み端末IDを検索することにより割り出す。当該再登録後においては、再登録の対象となった居住者の認証処理による一致度合いは向上する。
【0121】
なお、人間の生体情報は短期間で変化することはない。したがって、短期間(たとえば、1週間)毎に生体情報の再登録を促す報知が行なわれることはない。したがって、合理的な生体情報照合システムを提供することができる。
【0122】
電子錠3bによる認証処理については、図7のS400、S403のステップが削除されており、その他の制御は図7、図8と同様である。電子錠3bでは、照合対象の生体情報が1家族分であるため、居住者IDから照合対象の認証用生体情報の絞込みを行なう必要がないのである。
【0123】
(生体情報の自動登録)
次に、前述の実施の実施の形態では、生体情報の再登録が必要なときに、その旨の報知を行なう内容であったが、以下には、生体情報を自動的に再登録するための実施の形態について説明する。前述したように、人間の生体情報は、当該人間の成長、季節の変化等によりわずかながらでも変化するのが一般的である。以下においては、生体情報が変化した場合に、複数の電子錠3a(認証端末)の各々において行なわれる、居住者の本人認証を行なうための認証処理(以下、認証処理TEともいう)について説明する。
【0124】
なお、認証端末としての電子錠3aの記憶部320には、照合用生体情報が記憶されているとする。記憶部320に記憶されている照合用生体情報は、「生体情報ID」により特定される全ての生体情報である。
【0125】
また、電子錠3aの記憶部320には、図6の登録生体情報管理テーブルD600Aが記憶されているものとする。
【0126】
図12は、認証処理TEのフローチャートである。図12を参照して、認証処理TEは、図7の認証処理TDと比較して、S428Dの代わりにS428Eの再登録処理が行なわれる点が異なる。それ以外は、認証処理TDと同様なので詳細な説明は繰り返さない。以下、認証処理TDと異なる処理を、主に説明する。
【0127】
図13は図12のS428Eの再登録処理の具体的制御内容を示すフローチャートである。このフローチャートは、図8と類似しており、相違点は、S1455Aで電子錠3aが生体情報の再登録処理を行なう点である。再登録処理では、制御部310が、照合対象となった照合用生体情報を記憶部320から削除し、S415で記憶した履歴データに含まれる照合済生体情報を、当該削除した照合用生体情報の代わりに新たな照合用生体情報として記憶部320に記憶させる。記憶部320に記憶される新たな照合用生体情報は、S415で記憶した照合済生体情報に含まれる生体情報IDにより特定される生体情報(照合済生体情報)である。つまり、現時点で記憶している照合済生体情報のうち最近に記憶された最も新しいものを選択して新たな照合用生体情報として登録する。
【0128】
具体的に説明すれば、図10の履歴データテーブルD1200の状態で今回照合された生体情報が履歴データ(照合済生体情報を含む)として新たに登録されると、図11の履歴データテーブルD1200Aのように、1番古い履歴データが抹消された上で今回の履歴データが新たに記憶される。その今回新たに記憶された履歴データである番号5の「06/09/28/10:35」の時点で照合された生体情報(照合済生体情報)が新たな照合用生体情報として登録されるのである。その結果、再登録移行は、この最新の照合用生体情報を用いての照合認証が行なわれることになり、傾向的事象に起因した生体情報の経時的変化に追従した照合認証が可能になる。
【0129】
なお、照合済生体情報は、上記の方法により選択されるものに限定されることなく、たとえば、当該複数の照合済生体情報の平均の生体情報であってもよい。また、照合済生体情報は、たとえば、複数の照合済生体情報のうち、対応する一致度合の平均値に最も近い照合済生体情報であってもよい。
【0130】
以上説明したように、事前に電子錠3a(認証端末)に登録した居住者の照合用生体情報と、当該登録時における居住者の生体情報との平均的な一致度合いが、認証成功判定しきい値以上であって、かつ、認証成功判定しきい値に近い値まで低下した場合に、現在の居住者の生体情報が、新たな照合用生体情報として、複数の電子錠3a(認証端末)に自動的に再登録される。
【0131】
したがって、管理装置500において、再登録の操作を行なうといった無駄な手間をかけることなく、再登録の対象となった居住者の認証処理による一致度合いは向上する。
【0132】
なお、人間の生体情報は短期間で変化することはない。したがって、短期間(たとえば、1週間)毎に生体情報の再登録が行なわれることはない。したがって、合理的な生体情報照合システムを提供することができる。
基づいて図13のSD1450〜S1454の処理が実行されることとなる。
【0133】
以上説明したように、複数の履歴データから、最新の履歴データに基づき、傾向的事象および突発的事象のいずれかが判定される。そして、傾向的事象と判定された場合にのみ、複数の電子錠3a(認証端末)の各々において生体情報の再登録が自動的に行なわれる。
【0134】
したがって、突発的事象による無意味な再登録を無くすことができるという効果を奏する。ここで、突発的事象とは、前述したように、たとえば、居住者の右人指し指を接触させる位置が正しい位置より少しずれていた事象、居住者の生体情報を取得させる部位が怪我をした事象等である。
【0135】
また、複数の電子錠3a(認証端末)の各々に自動的に再登録が行なわれる生体情報は、認証成功した複数の生体情報のうち、最も一致度合いが低いものである。そのため、複数の電子錠3a(認証端末)の各々に新たに登録された照合用生体情報は信頼性の高いものとなり、居住者の認証処理による一致度合いは向上する。
<第2の実施の形態>
(システムの構成)
図14は、第2の実施の形態における生体認証装置10000の構成の一例を示す図である。第1の実施の形態と同様の装置には同じ参照番号を付してあり、ここでは説明の繰返しを省略する。第2の実施の形態における生体認証装置10000は、遊技場4000に用いられる。図14を参照して、管理事務所3000には管理装置500が設置される。管理装置500は、PC(Personal Computer)である。なお、管理装置500は、PCに限定されることなく、通信機能を有する装置であれば、どのような装置であってもよい。
【0136】
遊技場4000には、後に詳述するが、複数の島金庫300(図15参照)に収納された貨幣を複数の係員が手分けして回収するための担当エリアAR1,AR2,・・・,ARnが定められている。
【0137】
担当エリアAR1,AR2,・・・,ARnの各々は、複数の遊技機設置島を含む。担当エリアAR1,AR2,・・・,ARnの各々は、遊技場の同一階のフロアにある。なお、担当エリアAR1,AR2,・・・,ARnの各々は、遊技場の異なる階(たとえば、1階、2階)のフロアにあってもよい(たとえば、1階を担当エリアAR1、2階を担当エリアAR2等)。
【0138】
管理装置500は、担当エリアAR1,AR2,・・・,ARnの各々に含まれる複数の遊技機設置島1000の島金庫300(図15参照)と、通信ケーブルにより接続されている。通信ケーブルは、たとえば、データをシリアル転送するためのRS−485(Recommended Standard 485)に準拠したケーブルである。なお、通信ケーブルは、RS−485に準拠したケーブルに限定されることなく、データをシリアル転送またはパラレル転送を行なうことが可能なケーブルであれば、他の規格のケーブルであってもよい。
【0139】
また、管理装置500は、担当エリアAR1,AR2,・・・,ARnの各々に含まれる複数の遊技機設置島1000の島金庫300と、無線によりデータ通信を行なってもよい。この場合、無線LANの規格である、IEEE802.11a、IEEE802.11bおよびIEEE802.11gのいずれかに基づく無線技術等により、無線データ通信が行なわれる。
【0140】
次に、一例として、担当エリアAR1に含まれる複数の遊技機設置島1000の1つについて説明する。
【0141】
図15は、遊技機設置島1000の構成の一例を示す図である。なお、図15には、説明のために管理装置500も示している。図15を参照して、遊技機設置島1000は、複数の遊技機200を含む。複数の遊技機200の各々の左横には、台間機210が設置される。遊技機200は、パチンコ遊技機、スロットマシン、コイン遊技機およびその他の遊技機のいずれであってもよい。すなわち、遊技機200は、貨幣を使用して、遊技を行なうことが可能な機器であれば、どのような機器であってもよい。以下において、貨幣とは、紙幣または硬貨のことを示すとする。したがって、貨幣とは、たとえば、1000円紙幣、500円硬貨等のことを示す。
【0142】
遊技機設置島1000は、さらに、島金庫300と、貨幣搬送装置400とを含む。
貨幣搬送装置400は、貨幣搬送路410を介して、複数の台間機210の各々と接続される。貨幣搬送路410は、島金庫300と接続される。
【0143】
台間機210は、貨幣投入口212から投入された貨幣が真の貨幣であるか否かを判定する。台間機210により真の貨幣であると判定された貨幣は、台間機210により、台間機210に接続されている貨幣搬送路410へ排出される。貨幣搬送路410は、たとえば、ベルトコンベアにより、島金庫300へ貨幣の搬送を行なう機構が設けられている。
【0144】
貨幣搬送装置400は、貨幣搬送路410に対し、複数の台間機210の各々から、貨幣搬送路410に排出された貨幣MNを、島金庫300へ搬送する処理を行なわせる。
【0145】
島金庫300は、詳細は後述するが、貨幣搬送路410が搬送した貨幣を蓄積する。なお、図14の担当エリアAR1,AR2,・・・,ARnの各々に含まれる複数の遊技機設置島の各々に、島金庫300が設置される。すなわち、島金庫300は、遊技場4000に複数台設置される。
【0146】
図16は、島金庫300の内部構成の一例を示すブロック図である。図16では、説明のために管理装置500も示している。図16を参照して、島金庫300は、第1の実施の形態における電子錠3bとほぼ同様の回路構成と制御機能を有しており、相違点は貨幣蓄積部390を含む点である。
【0147】
貨幣蓄積部390は、前述の貨幣搬送路410が搬送した貨幣を蓄積する。貨幣蓄積部390は、蓄積している貨幣の総額情報を、後述する制御部310へ送信する。
【0148】
図17は、開錠状態の島金庫300を示す図である。図17を参照して、島金庫300は、前面扉CP310と、制御基板CP320と、貨幣蓄積部390とを備える。
【0149】
前面扉CP310には、後述する制御基板CP320が設けられる。前面扉CP310が開閉可能状態になると、貨幣蓄積部390に蓄積された貨幣を取り出し可能となる。
【0150】
以下においては、遊技場4000に含まれる、複数の島金庫300の各々に蓄積された貨幣を回収することを許可された者を、貨幣回収担当者ともいう。貨幣回収担当者は、島金庫300を操作することにより島金庫300を開錠状態にすることができる。貨幣回収担当者は、管理装置500において、自分の指紋情報を予め登録しておく。そして、貨幣回収担当者は、島金庫300の指紋情報取得部350により、自分の指紋情報を取得させ、認証が成功すると、島金庫300を開錠状態にし、貨幣蓄積部390に蓄積された貨幣を回収することができる。
【0151】
このように、第2の実施の形態では、マンション2の電子錠3bが島金庫300に相当し、マンション2の居住者の代わりに貨幣回収担当者が指紋情報を登録して本人認証を行なう。そして、管理装置500は第1の実施の形態で説明した管理装置500と同様の制御機能(図5)を有し、島金庫300は第1の実施の形態で説明した電子錠3bと同様の制御機能(図7、図8、図12、図13)を有する。相違点は、1人の貨幣回収担当者が貨幣の回収を担当する島金庫300は、通常、複数の担当エリアAR1〜ARnのうちのいずれか1つの担当エリアに属する複数の島金庫300であるため、図6の登録生体情報管理テーブルD600Aの「居住者ID」は「貨幣回収担当者ID」となって1つのIDに1人のの貨幣回収担当者のデータのみが対応して記憶され、かつ、登録済み端末IDは、貨幣回収担当者が担当する複数の島金庫300の端末IDが登録されることになり、登録された貨幣回収担当者の生体情報がそれら複数の端末IDの島金庫300に一斉配信されることになる点である。そして、貨幣回収担当者は、自己の担当する島金庫300を開錠するべく生体情報を島金庫300の生体情報取得部350で読取らせ、既に登録されている生体情報と照合して本人認証に成功すれば、その島金庫300が開錠されて貨幣の回収が可能となる。
【0152】
なお、島金庫300を、前述の電子錠3aタイプの端末すなわち入力部340が設けられて貨幣回収担当者IDを入力できるもので構成してもよい。その場合には、生体情報の照合認証の際に、貨幣回収担当者IDを入力してそのIDに該当する照合用生体情報に絞り込んだ上で、読取った生体情報との照合を行なうことができ(図7、図12のS403、S412Cの制御)、照合認証の効率化(迅速化)を図ることができる。
【0153】
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 取得した生体情報を生体情報登録手段に登録されている認証用生体情報と照合した結果の一致度合が予め定められた値以下であると判定されたことを条件に、該判定された生体保有者の生体情報の再登録を促す再登録報知が行なわれるために、一致度合が予め定められた値以下に低下して真に再登録が必要なほど認証対象者の生体情報が変化したことを条件として再登録報知がなされることとなり、未だ再登録の必要性がないにもかかわらず再登録報知を行なう無駄を防止することができ、合理的なシステムとなる。
【0154】
(2) 認証対象者の生体情報の一致度合が予め定められた値以下であると判定された場合に、該判定に用いられた照合用生体情報に対応する履歴情報に基づいて当該判定結果が突発的事象か傾向的事象かが判定され、傾向的事象であると判定されたことにより生体情報の再登録が促されるために、生体情報の変化が再登録しなければならないほど変化していないにもかかわらずたとえば生体情報の読取位置のずれ等の生体情報取得時の誤差等に起因して突発的に生体情報の一致度合が予め定められた値以下となったときにその生体情報の再登録を促すという無駄な再登録報知を防止することができ、より一層合理的なシステムとなる。
【0155】
(3) 照合の結果の一致度合が本人認証に成功するしきい値以上でありかつ該しきい値との差が所定値以下であることを条件に、再登録が促されるために、再登録を促す対象者を本人認証に成功した者に限定することができ、本人であるか否か不明な者の生体情報が再登録される不都合を極力防止することができる。
【0156】
(4) 取得した生体情報を生体情報登録手段に登録されている認証用生体情報と照合した結果の一致度合が予め定められた値以下であると判定されたことを条件に、該判定された生体保有者用の新たな照合用生体情報が再登録されるために、一致度合が予め定められた値以下に低下して真に再登録が必要なほど認証対象者の生体情報が変化したことを条件として再登録がなされることとなり、未だ再登録の必要性がないにもかかわらず再登録を行なう無駄を防止することができ、合理的なシステムとなる。
【0157】
(5) 認証対象者の生体情報の一致度合が予め定められた値以下であると判定された場合に、該判定に用いられた照合用生体情報に対応する履歴情報に基づいて当該判定結果が突発的事象か傾向的事象かが判定され、傾向的事象であると判定されたことにより照合用生体情報の再登録が行われるために、生体情報の変化が再登録しなければならないほど変化していないにもかかわらずたとえば生体情報の読取位置のずれ等の生体情報取得時の誤差等に起因して突発的に生体情報の一致度合が予め定められた値以下となったときに照合用生体情報の再登録を行なう無駄を防止することができ、より一層合理的なシステムとなる。
【0158】
(6) 突発的事象か傾向的事象かを判定するために照合履歴記憶手段に記憶されている過去複数分の照合済み生体情報の1つが新たな照合用生体情報として再登録されるために、記憶している照合済み生体情報を利用した再登録が行なわれ、未だ再登録の必要性がないにもかかわらず再登録を行なう無駄を防止することができ、合理的なシステムとなる。
【0159】
(7) 照合の結果の一致度合が本人認証に成功するしきい値以上でありかつ該しきい値との差が所定値以下であることを条件に、再登録されるために、再登録される対象者を本人認証に成功した者に限定することができ、本人であるか否か不明な者に対する再登録が行なわれる不都合を極力防止することができる。
【0160】
次に、以上説明した実施の形態における変形例や特徴点を以下に列挙する。
(1) 図8S1448の再登録報知(図8S1448参照)は、管理装置500と端末(電子錠3a、3b、島金庫300)との両方で行なってもよい。また、端末(電子錠3a、3b、島金庫300)側で再登録報知を行なうときには、端末(電子錠3a、3b、島金庫300)にスピーカを設け、音声でも再登録報知を行なうことができるようにしてもよい。
【0161】
(2) 以上説明した実施の形態では、登録生体情報管理テーブルD600Aや履歴データテーブルD1200、D120Aに生体情報を特定するための生体情報IDを記憶するようにしたが、生体情報IDに加えてまたはその代わりに、直接対応する生体情報を履歴データテーブルD1200に記憶するようにしてもよい。さらに、履歴データテーブルD1200では、照合された日時を直接記録するようにしているが、それに代えて、照合時期が早いか遅いかの順番を特定する情報を記憶させるようにしてもよい。
【0162】
(3) 前述の実施の形態では、遊技機設置島1000に設置されている複数の台間機210から挿入された貨幣が島金庫300一箇所に回収されるものを示したが、各台間機210自体に貨幣収納部(島金庫)を設け、係員(回収担当者)が各台間機210の貨幣収納部(島金庫)から貨幣を回収する作業を行なうようにしてもよい。
【0163】
(4) 遊技場に複数の監視カメラを設置し、本人認証の結果何らかの異常が判別された場合にその異常であると判別された島金庫300を監視カメラでズームアップして撮影し、その撮影画像を管理装置500の表示部530で表示させるとともに記憶部520に画像を記憶させるようにしてもよい。
【0164】
(5) 前述の実施の形態では、生体情報認証装置としてマンション2の複数の電子錠3a、3bと管理装置500、遊技場4000の複数の島金庫300と管理装置500のように、複数の機器が配線接続されたシステムで構成されたものを示したが、それに限らず、たとえばパーソナルコンピュータ等のスタンドアローン型の装置に使用して使用者(オペレータ)の本人認証を行なうものであってもよい。すなわち、本発明の「生体情報認証装置」は、システムおよび装置単体のいずれも含む広い概念である。
【0165】
(6) 以上説明した実施の形態では、図8や図13のS1450〜S1454の傾向的事象であるか否かの判別機能を端末(電子錠3a、3b、島金庫300)の方に設けたが、それに代えて、管理装置500の方に設けてもよい。その場合には、端末(電子錠3a、3b、島金庫300)がS415で履歴データを記憶する代わりにその履歴データを管理装置500に送信し、管理装置500において、その履歴データを図10や図11の履歴データテーブルD1200、D1200Aとして記憶し、その履歴データテーブルD1200、D1200Aを用いて傾向的事象であるか否かの判別を行なう。そして、傾向的事象の場合には、その旨を自ら報知したり、または端末に返信して端末側で報知したり新たな照合用生体情報の自動登録を行なったりする。
【0166】
さらに、端末(電子錠3a、3b、島金庫300)から読取った生体情報を管理装置500に送信してもらい、管理装置500において、図7、図12に示す照合認証処理や再登録するための処理を実行するようにしてもよい。特に、前述の第1の実施の形態では、電子錠3aがマンション2の全住人の照合用生体情報を記憶して照合しており、端末の負担が増大するが、管理装置500側において照合認証すれば、このような端末側の負担を軽減できる。
【0167】
(7) 前述の実施の形態では、生体情報の照合結果一致度合いが再登録判定しきい値(93%)以下でかつ認証成功判定しきい値(90%)以上であることを条件として(図7、図12のS422D)、生体情報の再登録報知処理(図7のS428D)や再登録処理(図12のS428D)が実行されるものを示したが、図7、図12のS422Dのステップを削除し、一致度合いが再登録判定しきい値(93%)以下でかつ生体情報取得部位判定しきい値(80%)以上であれば(図7、図12のS420D)生体情報の再登録報知処理(図7のS428D)や再登録処理(図12のS428D)を実行するようにしてもよい。
【0168】
(8) 前述の実施の形態では、傾向的事象であるか否かの判定(図8、図13のS1452、S1454)を、同じ生体情報IDを示す複数の履歴データにそれぞれ示される複数の一致度合いの平均値と今回照合された生体情報の一致度合いとの差を求め、その差が傾向的事象判定しきい値以上であるか否かにより行なっていた。しかし、その他の方法として、次のようなものであってもよい。
【0169】
(i) 過去数回(たとえば5回)の認証時の生体情報を履歴データとして登録する代わりに、前回認証時の生体情報1つのみ(再登録判定しきい値(93%)以上の一致度合いのものに限る)を履歴データとして登録しておき、その最新の生体情報(履歴データ)1つの一致度合いと今回取得された生体情報の一致度合いとの差が、傾向的事象判定しきい値以上であるか否かにより、判定するようにしてもよい。
【0170】
(ii) 複数の履歴データにそれぞれ示される複数の一致度合いとそれらに対応した判定日時(図10、図11参照)とから、単位時間あたりの変化率を求め、前回認証時から今回認証時までの経過時間と前記単位時間あたりの変化率との積から今回認証時点での一致度合いを予測し、その予測一致度合いと今回照合された生体情報の一致度合いとの差が傾向的事象判定しきい値以上であるか否かにより、判定するようにしてもよい。
【0171】
(9) 前述の実施の形態では、傾向的事象であるか否かの判定(図8、図13のS1452、S1454)に用いられる複数の履歴データ中には、突発的事象に起因して再登録判定しきい値(93%)以下になったものも含まれているが(S416Dの再登録判定しきい値(93%)以下か否かの判定ステップ以前のステップ(S415)で履歴データの記憶を行なっている)、突発的事象に起因して再登録判定しきい値(93%)以下になったものを履歴データとして記憶しないように制御してもよい。このようにすれば、怪我や読取り時の不具合で変化した生体情報が複数の履歴データ中に含まれず、本来の適正な生体情報に基づいた傾向的事象であるか否かの判定が行なわれることとなり、判定制度を向上することができる。
【0172】
さらに、突発的事象であるか否かにかかわらず、再登録判定しきい値(93%)以下になったものを全て履歴データとして記憶しないように制御してもよい。
【0173】
(10) 前述の第1の実施の形態では、1家族に対し共通の居住者IDを割る振っているが(図6の登録生体情報管理テーブルD600A参照)、1家族でも家族1人1人に別々の居住者IDを割る振ってもよい。そのようにすれば、照合回数の多い照合用生体情報から優先して照合する際に、照合対象となる照合用生体情報を1人の照合用生体情報に絞り込んだ上で照合でき(図7、図12のS403、S412Cの制御)、より一層照合の効率化(迅速化)が達成できる。
【0174】
(11) 今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0175】
【図1】本実施の形態における生体情報認証装置の構成の一例を示す図である。
【図2】電子錠の内部構成の一例を示すブロック図である。
【図3】電子錠の外観を正面から示した図である。
【図4】管理装置の内部構成の一例を示すブロック図である。
【図5】管理装置の生体情報入力配信処理のフローチャートである。
【図6】一例としての登録生体情報管理テーブルを示す図である。
【図7】認証処理TDのフローチャートである。
【図8】再登録報知処理のフローチャートである。
【図9】一例としての再登録報知画像を示す図である。
【図10】一例としての履歴データテーブルを示す図である。
【図11】一例としての履歴データテーブルを示す図である。
【図12】認証処理TEのフローチャートである。
【図13】再登録処理のフローチャートである。
【図14】第2の実施の形態における生体情報認証装置の構成の一例を示す図である。
【図15】第2の実施の形態における遊技機設置島の構成の一例を示す図である。
【図16】第2の実施の形態における島金庫の内部構成の一例を示すブロック図である。
【図17】第2の実施の形態における開錠状態の島金庫を示す図である。
【符号の説明】
【0176】
200 遊技機、210 台間機、300 島金庫、310 制御部、320 記憶部、360 通信部、500 管理装置、510 制御部、530 表示部、520 記憶部、522 一時記憶部、600 出社退社判定装置、1000 遊技機設置島、3000 管理事務所、4000 遊技場。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体情報による本人認証を行なう生体認証装置であって、
生体情報を照合用生体情報として登録しておく生体情報登録手段と、
認証対象者の生体情報を取得する生体情報取得手段と、
該生体情報取得手段で取得された生体情報を前記生体情報登録手段に登録されている照合用生体情報と照合した結果の一致度合いに基づいて本人認証を行なう照合認証手段と、
該照合認証手段により、前記一致度合いが予め定められた値以下であると判定されたことを条件に、該判定された生体保有者の生体情報の再登録を促す再登録報知手段とを備えていることを特徴とする、生体認証装置。
【請求項2】
前記照合認証手段により照合された結果の一致度合いを特定可能な履歴情報を、各照合用生体情報に対応させて記憶しておく照合履歴記憶手段と、
前記照合認証手段により、前記一致度合いが予め定められた値以下であると判定されたことに応じて、該判定に用いられた照合用生体情報に対応する履歴情報に基づいて当該判定結果が突発的事象か傾向的事象かを判定する事象判定手段とをさらに備え、
前記再登録報知手段は、前記事象判定手段により前記傾向的事象であると判定されたことにより前記生体情報の再登録を促すことを特徴とする、請求項1に記載の生体認証装置。
【請求項3】
前記照合認証手段は、照合の結果、前記一致度合いが予め定められた閾値以上であるときに、本人である旨の認証を行ない、
前記再登録報知手段は、前記一致度合いが、前記閾値以上でありかつ該閾値との差が所定値以下であることを条件に、再登録を促すことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の生体認証装置。
【請求項4】
生体情報による本人認証を行なう生体認証装置であって、
認証対象者の生体情報と照合される照合用生体情報を登録しておく生体情報登録手段と、
認証対象者の生体情報を取得する生体情報取得手段と、
該生体情報取得手段で取得された生体情報を前記生体情報登録手段に登録されている照合用生体情報と照合した結果の一致度合いに基づいて本人認証を行なう照合認証手段と、
該照合認証手段により、前記一致度合いが予め定められた値以下であると判定されたことを条件に、該判定された生体保有者用の新たな前記照合用生体情報を前記生体情報登録手段に再登録する再登録手段とを備えていることを特徴とする、生体認証装置。
【請求項5】
前記照合認証手段により照合された結果の一致度合いを特定可能な履歴情報を、各照合用生体情報に対応させて記憶しておく照合履歴記憶手段と、
前記照合認証手段により、前記一致度合いが予め定められた値以下であると判定されたことに応じて、該判定に用いられた各照合用生体情報に対応する履歴情報に基づいて当該判定結果が突発的事象か傾向的事象かを判定する事象判定手段とをさらに備え、
前記再登録手段は、前記事象判定手段により前記傾向的事象であると判定されたことにより前記照合用生体情報の再登録を行なうことを特徴とする、請求項4に記載の生体認証装置。
【請求項6】
前記照合履歴記憶手段は、前記照合認証手段による認証結果本人であると認証されたときの照合済生体情報を過去複数分記憶するとともに、該照合済生体情報それぞれの履歴情報を記憶し、
前記再登録手段は、前記照合履歴記憶手段に記憶されている前記複数の照合済生体情報の1つを新たな前記照合用生体情報として再登録することを特徴とする、請求項5に記載の生体認証装置。
【請求項7】
前記照合認証手段は、照合の結果、前記一致度合いが予め定められた閾値以上であるときに、本人である旨の認証を行ない、
前記再登録手段は、前記一致度合いが、前記閾値以上でありかつ該閾値との差が所定値以下であることを条件に、再登録を行なうことを特徴とする、請求項4〜請求項6のいずれかに記載の生体認証装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2008−102770(P2008−102770A)
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−285233(P2006−285233)
【出願日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【出願人】(000144153)株式会社三共 (5,148)
【Fターム(参考)】