説明

産業廃棄物溶融固化装置

【課題】酸素富化空気や高温の空気で産業廃棄物を溶融処理するにおいて、その燃焼速度の制御を簡単にできる産業廃棄物溶融固化装置を提供する。
【解決手段】 溶融炉10と、溶融炉10に酸素富化空気を供給する酸素発生装置30と、溶融炉10内に臨むように設けられたバーナ28とを備え、アスベスト、残農薬、焼却灰等の産業廃棄物wを上記溶融炉10に投入し、その産業廃棄物中の可燃物とバーナ28からの燃料を酸素富化空気を用いて高温で燃焼させて産業廃棄物を溶融処理する。溶融炉10に形成した投入口15に、投入ゲート16を介して水冷ジャケット22を設け、その水冷ジャケット22に、産業廃棄物wを投入する投入ドア23を設けると共に水冷ジャケット22に、投入された産業廃棄物wを上記投入口15に押し出して燃焼速度を制御するプッシャー25を設けて投入速度を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アスベスト、残農薬、焼却灰等の産業廃棄物を溶融固化するための産業廃棄物溶融固化装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、産業廃棄物でアスベスト、残農薬、焼却灰等の固形物は、一般にプラスチック又は木製の可燃物の容器に格納されていて、人体に及ぼす悪影響を避けるためにも容器に包装のまま炉に直接投入して燃焼処理することが望ましい。
【0003】
しかし、アスベストや焼却灰等の固形物は、通常の溶融炉では溶融処理することが困難である。
【0004】
特許文献1〜3に示されるように、酸素富化空気を用いて燃焼させて、炉内温度を1500℃以上にすることで、これら固形物を溶融処理することが提案されている。
【0005】
また酸素富化空気を用いずに、排ガスと燃焼空気を熱交換して高温の空気(熱風)とし、これをバーナに導入することでも、炉内温度を150℃以上とすることも提案されている。
【0006】
【特許文献1】特開2001−317713号公報
【特許文献2】特開平11−141848号公報
【特許文献3】特開平8−200637号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、これら固形物は様々な可燃物が混ざり合っており、可燃物の燃焼に必要な酸素富化空気や高温の空気を導入する結果、可燃物の量や質に伴い燃焼速度が異なることにより、炉内温度及び炉内圧力の制御が困難であった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、酸素富化空気や高温の空気で産業廃棄物を溶融処理するにおいて、その燃焼速度の制御を簡単にできる産業廃棄物溶融固化装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、溶融炉と、溶融炉に酸素富化空気を供給する酸素発生装置と、溶融炉内に臨むように設けられたバーナとを備え、アスベスト、残農薬、焼却灰等の産業廃棄物を上記溶融炉に投入し、その産業廃棄物中の可燃物とバーナからの燃料を酸素富化空気を用いて高温で燃焼させて産業廃棄物を溶融処理する産業廃棄物溶融固化装置において、溶融炉に形成した投入口に、投入ゲートを介して水冷ジャケットを設け、その水冷ジャケットに、産業廃棄物を投入する投入ドアを設けると共に水冷ジャケットに、投入された産業廃棄物を上記投入口に押し出して燃焼速度を制御するプッシャーを設けたことを特徴とする産業廃棄物溶融固化装置である。
【0010】
請求項2の発明は、溶融炉と、溶融炉に排ガスと熱交換した高温の空気を供給する熱風発生装置と、溶融炉内に臨むように設けられたバーナとを備え、アスベスト、残農薬、焼却灰等の産業廃棄物を上記溶融炉に投入し、その産業廃棄物中の可燃物とバーナからの燃料を高温の空気を用いて高温で燃焼させて産業廃棄物を溶融処理する産業廃棄物溶融固化装置において、溶融炉に形成した投入口に、投入ゲートを介して水冷ジャケットを設け、その水冷ジャケットに、産業廃棄物を投入する投入ドアを設けると共に水冷ジャケットに、投入された産業廃棄物を上記投入口に押し出して燃焼速度を制御するプッシャーを設けたことを特徴とする産業廃棄物溶融固化装置である。
【0011】
請求項3の発明は、投入口は、溶融炉の側壁に形成され、その投入口に、耐火物からなると共に産業廃棄物及びプッシャーを通過させる開口を有する投入ゲートがスライド自在に設けられ、その投入口に対して水平に水冷ジャケットが接続され、プッシャーは、産業廃棄物を投入口に向けて水平に押し出すように水冷ジャケットに設けられる請求項1または2記載の産業廃棄物溶融固化装置。
【0012】
請求項4の発明は、溶融炉は、その下部が、連通路を介して二次炉と接続され、溶融炉内に投入された産業廃棄物中の可燃分が、熱分解されると共に不燃分が溶融され、その熱分解ガスが連通路を介して二次炉に導入されて二次燃焼され、溶融物が、高温ガスと並行して連通路を流れて、その連通路の底部に形成した排出口から排出される請求項1〜3いずれか記載の産業廃棄物溶融固化装置である。
【0013】
請求項5の発明は、溶融炉は、連通路を含む下部が取り外し可能に設けられる請求項1〜4いずれかに記載の産業廃棄物溶融固化装置である。
【0014】
請求項6の発明は、産業廃棄物は、収容容器毎水冷ジャケットに投入される請求項1〜5いずれかに記載の産業廃棄物溶融固化装置である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、溶融炉に産業廃棄物を投入するにおいて、水冷ジャケットとプッシャーを用いて溶融炉に投入することで、溶融炉内の燃焼制御が容易にできるという優れた効果を発揮するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の好適な一実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0017】
図1は、本発明の産業廃棄物溶融固化装置の全体図を示したもので、基本的には、産業廃棄物wを燃焼し溶融する溶融炉10と、溶融炉10で発生した熱分解ガスを燃焼させる二次炉11と、二次炉11で発生した燃焼排ガス中の塩素などのハロゲンを中和除去する中和槽12とから構成される。
【0018】
溶融炉10は耐火物で箱形に形成され、二次炉11は同じく耐火物で箱形或いは筒状に形成され、溶融炉10と二次炉11の下部が、連通路13で一体に接続される。
【0019】
溶融炉10と二次炉11の下部は、図示した分割線Lで、上下に分割され、溶融炉10の炉床10aと連通路13の下部13aとが、取り外し可能に設けられ、これらが消耗したときに簡単に取り替えができるようになっている。
【0020】
連通路13の上部13bは、溶融炉10の上部10bと一体に形成され、その上部13bに、二次炉11の下部11aが、接続されるようになっている。
【0021】
溶融炉10の上部10bと二次炉11は、架台14にて支持され、溶融炉10の炉床10aと連通路13の下部13aは、分割線Lで、フランジ(図示せず)などにて、連通路13の上部13bと溶融炉10の上部10bに取り外し可能に接続される。
【0022】
二次炉11と反対側の溶融炉10の側壁には、投入口15が形成され、その投入口15に耐火物からなる投入ゲート16が設けられる。
【0023】
投入ゲート16は、図3に示すように投入口15と同じ開口17が形成された耐火物からなるスライド板18が、溶融炉10の側壁に設けたゲートボックス19内に上下スライド自在に設けられ、スライド板18の下部に油圧シリンダ21のロッド20が接続され、油圧シリンダ21にて上下動されることで、投入口15を開閉できるようになっている。またこの油圧シリンダ21間には後述するバーナ28が位置する。
【0024】
図1、図2(a)、図2(b)に示すように投入ゲート16には、産業廃棄物wを投入するための水冷ジャケット22が接続される。水冷ジャケット22には、産業廃棄物wの投入ドア23が油圧シリンダ24にて開閉自在に設けられると共に水冷ジャケット22内に投入された産業廃棄物wを投入口15に押し出すためのプッシャー25が設けられる。
【0025】
水冷ジャケット22は、投入口15と同じ大きさの断面に形成され、投入ドア23から投入口15までが、水冷構造にされ、後述する給水ライン26から冷却水が供給され、排水ライン27から排水され、その冷却水が、排水ライン27より中和槽12に戻され循環するようになっている。
【0026】
産業廃棄物wは、例えば、50×50×100cmの容器内に、アスベストなどが収容されたものからなり、その容器毎水冷ジャケット22内に投入される。
【0027】
これにより産業廃棄物wの外形寸法が一定となり、プッシャー25による押出速度で、燃焼速度を制御することが可能となる。
【0028】
図1に示すように、溶融炉10の炉床10aの側壁には、重油などの燃料が供給されるバーナ28が設けられる。このバーナ28とその上部の側壁に、酸素富化空気が供給される。
【0029】
酸素富化空気は、酸素発生装置(PSA)30にて、酸素濃度90%前後の酸素が製造される。この酸素発生装置30は、詳細は図示していないが、一対の窒素吸着塔からなり、圧縮空気を一方の吸着塔に供給して窒素を吸着することで酸素を製造し、他方の吸着塔では、圧力を大気圧まで減圧することで吸着した窒素がパージされて再生され、これを交互に繰り返すことで酸素を連続的に製造する。
【0030】
連通路13の上部13bには、連通路13を通る燃焼ガスの温度を検出する温度検出器31が設けられ、燃焼ガス温度が1500℃以上となるようにバーナ28が制御される。
【0031】
連通路13の下部13aには、溶融炉10内で溶融した溶融物sを排出する排出口32が設けられ、その排出口32に水冷コンベアー33が接続される。
【0032】
水冷コンベアー33は、冷水を貯留する水槽35に、掻き取りコンベアー36を、その水槽35の底面から液面上部に延びるように設け、その液面から延びた掻き取りコンベアー36を覆って溶融物を排出する排出フード37が設けられて構成され、排出口32より水槽35に落下して水砕冷却された溶融物sを掻き取って液面上に掻き上げ排出フード37の排出口から固形物ピット38に排出するようになっている。
【0033】
水槽35内には、給水ライン26から冷却水が供給され、排水ライン40を介して中和槽12に戻される。水槽35では、溶融物の冷却により蒸気が発生するが、蒸気が排出口32から連通路13内に逆流しないように、水槽35の上部の圧力が圧力計38にて検出され、排水ライン40に接続した制御弁42が開閉制御されて、水槽33内の圧力が、連通路13内の圧力より低くなるようにされる。
【0034】
二次炉11には、連通路13からの熱分解ガスを燃焼させるための二次バーナ44が設けられ、そのバーナ44が二次炉11に設けた温度検出器45にて制御される。このバーナ44には、通常の空気を供給する。
【0035】
二次炉11からの排ガスは排ガスライン46よりジェットスクラバー47を介して中和槽12に供給される。ジェットスクラバー47には給水ライン26からの給水が排ガスライン46からの排ガスと共に中和槽12内に噴射される。
【0036】
この中和槽12には、ジェットスクラバー47と対向して排気ライン48が接続され、その排気ライン48に誘引ファン49が接続され、誘引ファン49により、溶融炉10、二次炉11の排ガスが吸引されてジェットスクラバー47を介して中和槽12に排ガスが導入されるようになっている。
【0037】
中和槽12には、補給水ライン50が設けられ、中和槽12に設けた液位計51にて中和槽12内の液位が検出され、それに応じて補給水ライン50の給水弁52が開閉され、中和槽12内の液位が一定になるようにされる。
【0038】
中和槽12の補給水ライン50と対向する側には給水ライン26が接続され、その給水ライン26に循環ポンプ54が接続され、給水ライン26にて中和槽12の水が、水冷ジャケット22、水冷コンベアー33に供給されるようになっている。
【0039】
中和槽12には、苛性ソーダ供給装置53から苛性ソーダが供給され、ジェットスクラバー47から導入される排ガス中の塩素、臭素などのハロゲンを中和するようになっている。この苛性ソーダ供給装置53は、循環ポンプ54の上流側の給水ライン26に設けたpH計55の検出値に応じて、中和槽12に供給する苛性ソーダ量が調整される。
【0040】
また中和槽12の底部12aは、ジェットスクラバー47から排気ライン48側にかけて順次下方に傾斜され、ジェットスクラバー47から導入される排ガス中の固形分が底部12aを流下するようにされる。
【0041】
中和槽12には、図1、図4に示すように、中和液中の固形分を分離するセパレータ57が設けられ、セパレータ57の下流側に固形分が流れないようにすると共にセパレータ57を伝って固形分が底部12aに沈殿するようにされる。またセパレータ57と底部12aとには固形分が流れる隙間dを形成する。
【0042】
中和槽12には、固形分と共に余剰の中和液を排水する排水ライン58が接続される。
【0043】
次に、本発明の溶融処理を説明する。
【0044】
投入ドア23を開き、処理物である産業廃棄物wを容器毎水冷ジャケット22内に投入後、そのドア23を閉じてから、投入ゲート16を開き、プッシャー25で溶融炉10に投入する際の速度を加減し、炉内輻射を産業廃棄物wの前面に受け、そこで、可燃物の熱分解を徐々に行わしめることとし、プッシャー速度による燃焼量の制御を行う。
【0045】
冷水ジャケット22は、水冷構造で投入する産業廃棄物wを冷却するため、クリンカーの発生を防ぐと共にプッシャー機能が高温による低下を避けることとしている。
【0046】
投入ゲート16は、スライド板18の下部に接続した油圧シリンダ21で上下動させるため、熱の影響を受けることがなく、またスライド板18の開口17は、投入口15と同じ大きさにされるため、産業廃棄物wとプッシャー25の先端のガイドとなると共に溶融炉10から水冷ジャケット22内への熱風の侵入を防止する。
【0047】
産業廃棄物w中の可燃物は、熱分解ガスとなり、溶融炉10内に流入し、下向きに流れ、側壁に設けられたバーナ28からの酸素富化空気により完全燃焼し、高温を発生させることができるので、バーナ28からの燃料を節約させることができる。
【0048】
高温燃焼ガスは、炉床10aに近い底部を流れ、溶融物sの排出口までの加温を行い溶融物sの炉10内での固化を防止する。
【0049】
溶融物sは、排出口32から水冷コンベアー33内に落下し、瞬時に水砕冷却される。
【0050】
PSA等の酸素発生装置30は、概ね酸素が90%前後であるため大気を用いた燃焼の如く、窒素(79%)による冷却効果がないため、極めて容易に高温が得られるし、同目的の水分解の酸素水素バーナの如くプラスチック等の可燃分燃焼のための空気を取り入れる必要がなく、プラスチック等の燃焼があれば、燃料のみコントロールすれば良く燃料費の節約となる。
【0051】
再投入は、プッシャー25が完全に産業廃棄物wを溶融炉10内に投入させてから後退させ、投入ゲート16を閉じてから、投入ドア23を開いて行う。
【0052】
溶融炉10の炉床10aは損傷しやすいので、分割線Lから下を取り外し容易にし、修理の利便性を確保している。
【0053】
高温燃焼ガスが、溶融物sの排出口32の連通路13を必ず高速で通ることにより、溶融物sの冷却固化がないようにすると共に溶融前の産業廃棄物wが投入場所より排出口32まで容易に移動しない十分な距離を設ける。
【0054】
バーナ28には酸素富化空気のみ導入し、これにより溶融炉10内を1500℃以上にすることができ、産業廃棄物wに含まれるアスベストの溶融、残農薬の分解、焼却灰の溶融固形化が可能となる。
【0055】
二次炉11では、バーナ44より大気中の空気を燃焼用として導入し、熱分解ガスを800℃以上で燃焼させたのち、これをジェットスクラバー47にて、給水ライン26の中和液(冷却水)と共に中和槽12に吹き込むことでダイオキシンの発生を防止する。
【0056】
排ガス中に含まれる、塩素、臭素などのハロゲン物質は中和槽12内の苛性ソーダ溶液からなる中和液で中和されて固形物とされ、中和槽12の底部12aに沈殿して、排出ライン58から排水される。また中和液中に浮遊する固形分はセパレータ57で分離、捕集されて底部12aに沈殿され、液分のみが循環ポンプ54より給水ライン26にて水冷ジャケット22や水冷コンベアー33に供給循環される。
【0057】
図5は、本発明の他の実施の形態を示したものである。
【0058】
図1の実施の形態においては、溶融炉10とバーナ28に酸素発生装置30からの酸素富化空気を供給する例で説明したが、本実施の形態においては、熱風発生装置60にて、バーナ28と溶融炉10内に高温の空気(熱風)を供給するようにしたものである。
【0059】
すなわち、二次炉11の排ガスライン46に熱交換器61を接続し、押し込みファン62から空気を熱交換器61を通して排ガスと熱交換させて800℃以上の燃焼空気とし、これを供給ライン63を介してバーナ28と溶融炉10に供給するようにして熱風発生装置60を構成したものである。
【0060】
このように、排ガスライン46を通る排ガスの熱を熱風発生装置60で熱回収してバーナ28等に送る燃焼空気を高温とすることで、溶融炉10内を1500℃以上にすることができ、アスベスト等の産業廃棄物wを溶融処理することが可能となる。
【0061】
また排ガスライン46で熱交換後の排ガスはジェットスクラバー47で中和槽12内に供給されるが、この際に排ガス温度が低くなるため、中和槽12での冷却負荷が少なくてすむ。
【0062】
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されるものはなく、種々の変形を行ってもよい。すなわち、図1に示した排ガスライン47に図5に示した熱交換器61を接続し、酸素発生装置30の酸素富化空気を高温に加熱するようにしても、またこの酸素富化空気に通常の空気を混入させてバーナ28等に供給するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の一実施の形態を示す全体図である。
【図2】図1における産業廃棄物の投入部の詳細を示す部分断面図である。
【図3】図1における投入ゲートの詳細を示す図である。
【図4】図1のA−A線断面図である。
【図5】本発明の他の実施の形態を示す全体図である。
【符号の説明】
【0064】
10 溶融炉
15 投入口
16 投入ゲート
22 水冷ジャケット
23 投入ドア
25 プッシャー
28 バーナ
30 酸素発生装置
w 産業廃棄物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融炉と、溶融炉に酸素富化空気を供給する酸素発生装置と、溶融炉内に臨むように設けられたバーナとを備え、アスベスト、残農薬、焼却灰等の産業廃棄物を上記溶融炉に投入し、その産業廃棄物中の可燃物とバーナからの燃料を酸素富化空気を用いて高温で燃焼させて産業廃棄物を溶融処理する産業廃棄物溶融固化装置において、溶融炉に形成した投入口に、投入ゲートを介して水冷ジャケットを設け、その水冷ジャケットに、産業廃棄物を投入する投入ドアを設けると共に水冷ジャケットに、投入された産業廃棄物を上記投入口に押し出して燃焼速度を制御するプッシャーを設けたことを特徴とする産業廃棄物溶融固化装置。
【請求項2】
溶融炉と、溶融炉に排ガスと熱交換した高温の空気を供給する熱風発生装置と、溶融炉内に臨むように設けられたバーナとを備え、アスベスト、残農薬、焼却灰等の産業廃棄物を上記溶融炉に投入し、その産業廃棄物中の可燃物とバーナからの燃料を高温の空気を用いて高温で燃焼させて産業廃棄物を溶融処理する産業廃棄物溶融固化装置において、溶融炉に形成した投入口に、投入ゲートを介して水冷ジャケットを設け、その水冷ジャケットに、産業廃棄物を投入する投入ドアを設けると共に水冷ジャケットに、投入された産業廃棄物を上記投入口に押し出して燃焼速度を制御するプッシャーを設けたことを特徴とする産業廃棄物溶融固化装置。
【請求項3】
投入口は、溶融炉の側壁に形成され、その投入口に、耐火物からなると共に産業廃棄物及びプッシャーを通過させる開口を有する投入ゲートがスライド自在に設けられ、その投入口に対して水平に水冷ジャケットが接続され、プッシャーは、産業廃棄物を投入口に向けて水平に押し出すように水冷ジャケットに設けられる請求項1または2記載の産業廃棄物溶融固化装置。
【請求項4】
溶融炉は、その下部が、連通路を介して二次炉と接続され、溶融炉内に投入された産業廃棄物中の可燃分が、熱分解されると共に不燃分が溶融され、その熱分解ガスが連通路を介して二次炉に導入されて二次燃焼され、溶融物が、高温ガスと並行して連通路を流れて、その連通路の底部に形成した排出口から排出される請求項1〜3いずれかに記載の産業廃棄物溶融固化装置。
【請求項5】
溶融炉は、連通路を含む下部が取り外し可能に設けられる請求項1〜4いずれかに記載の産業廃棄物溶融固化装置。
【請求項6】
産業廃棄物は、収容容器毎水冷ジャケットに投入される請求項1〜5いずれかに記載の産業廃棄物溶融固化装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2008−202803(P2008−202803A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−159689(P2006−159689)
【出願日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【特許番号】特許第3929064号(P3929064)
【特許公報発行日】平成19年6月13日(2007.6.13)
【出願人】(504216077)
【Fターム(参考)】