説明

用紙搬送装置、画像形成装置、用紙搬送装置の制御方法、及び用紙搬送装置の制御プログラム

【課題】製造コストが低く、かつ、小型化可能である、用紙の両面に画像を形成可能にする用紙搬送装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置1は、本体部90と、両面印刷ユニット(用紙搬送装置の一例)100とを備えている。両面印刷ユニット100は、給紙カセット103と、給紙ユニット121と、反転ローラ125とを備えている。用紙10は、給紙カセット103から給紙ユニット121により給紙され、本体部90の画像形成部30によりその片面に画像が形成される。用紙10は、反転ローラ125により第2経路127及び第3経路129を経由し搬送される。このとき、給紙ユニット121が変位することで、給紙カセット103の近傍にスイッチバックエリアが確保される。給紙ユニット121は、用紙10をスイッチバックエリアに搬送してスイッチバックさせて用紙10を表裏反転させ、第1経路123を経由し画像形成部30に再給紙する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、用紙搬送装置、画像形成装置、用紙搬送装置の制御方法、及び用紙搬送装置の制御プログラムに関し、特に、用紙の両面に画像を形成可能にする用紙搬送装置、画像形成装置、用紙搬送装置の制御方法、及び用紙搬送装置の制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
用紙搬送装置により画像形成動作中に用紙を反転し、用紙の両面に画像を形成可能な画像形成装置(スキャナ機能、ファクシミリ機能、複写機能、プリンタとしての機能、データ通信機能、及びサーバ機能を備えたMFP(Multi Function Peripheral)、ファクシミリ装置、複写機、プリンタなど)がある。
【0003】
下記特許文献1には、片面に画像形成を行った用紙を両面印刷ユニット内で反転させて搬送し、両面に画像形成を行う画像形成装置が開示されている。用紙を反転させるスペースは、用紙の搬送路に並ぶように設けられている。
【0004】
また、下記特許文献2には、片面に画像形成を行った用紙を画像形成装置外に一時的に排出して反転した後、その用紙を画像形成装置内に再搬送し、両面に画像形成を行うようにした画像形成装置が開示されている。
【0005】
図16は、従来の画像形成装置の一例を示す側面図である。
【0006】
図を参照して、画像形成装置81は、給紙部83と、給紙カセット85と、画像形成部87aと、定着部87bと、排紙トレイ89を備えている。給紙カセット85には、用紙80が載置されている。給紙部83は、給紙カセット85から用紙80を給紙する。用紙は画像形成部87a及び定着部87bで画像の転写、定着工程を経て、排紙トレイ89に排出される。
【0007】
画像形成装置81は、両面印刷ユニット800を用いることにより、用紙80の両面に画像を形成可能である。画像形成装置81は、上述の特許文献2に開示されている画像形成装置と同様に、用紙80を画像形成装置81外に一時的に排出して用紙80のスイッチバックを行う。両面印刷ユニット800は、用紙80が載置される給紙カセット803と、給紙カセット803から用紙80を給紙する給紙部805とを有している。また、両面印刷ユニット800は、スイッチバックした用紙80を搬送するための反転ローラ813と、反転ローラ813により搬送される用紙80が経由する搬送経路815とを有している。
【0008】
用紙80の両面に画像を形成する両面印刷の実行時には、まず、用紙80は、画像形成部87a及び定着部87bでその片面に画像が形成された後、一時的に排紙トレイ89に排出される。このとき、用紙80は完全には排出されない。その後、用紙80は排紙トレイ89から再び画像形成装置81内に取り込まれ、搬送経路815をたどり、反転ローラ813によって再び画像形成部87aに搬送される。排紙トレイ89に一時的に排出されてスイッチバックされるので、用紙80は表裏反転され、用紙80の両面に画像を形成することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平11−92041号公報
【特許文献2】特開平5−24746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、上記のような画像形成装置では、以下のような問題が生じることがあった。すなわち、上記特許文献1に記載の画像形成装置においては、用紙の反転を行うためのスペースを有する両面印刷ユニットを設けているため、画像形成装置が大型になる。また、このような両面印刷ユニットには、用紙を反転させて搬送するためのローラなどを設けることが必要であり、画像形成装置の製造コストが増大する。
【0011】
また、上記特許文献2に記載の画像形成装置や、図16に示す画像形成装置においては、用紙を一旦画像形成装置の外部に排出したときに、用紙に埃などが付着する可能性がある。そのため、用紙を装置内に再搬送する際に埃が装置内に侵入する可能性があり、画像形成装置の故障を招いたり、高画質な画像の形成に支障を来すことがある。
【0012】
この発明はそのような問題点を解決するためになされたものであり、製造コストが低く、かつ、小型化可能である、用紙の両面に画像を形成可能にする用紙搬送装置、画像形成装置、用紙搬送装置の制御方法、及び用紙搬送装置の制御プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するためこの発明のある局面に従うと、用紙に画像を形成する画像形成部を有する画像形成装置本体と共に用いられる用紙搬送装置は、用紙載置部から画像形成部に用紙を給紙する給紙手段と、画像形成部により片面に画像が形成された用紙を、画像形成部よりも用紙搬送方向の下流側から画像形成部よりも用紙搬送方向の上流側に搬送可能な用紙搬送手段と、用紙搬送手段により搬送される用紙を、用紙載置部又はその近傍のスイッチバックエリアでスイッチバックさせ、片面への画像形成時から表裏反転した状態で画像形成部に搬送するスイッチバック手段とを備える。
【0014】
好ましくは給紙手段は、用紙の給紙時においてその用紙を挟むように、互いに対向して配置されている一対のローラである。
【0015】
好ましくは給紙手段は、用紙の給紙時に用紙載置部に載置された用紙の上面に接触して回転することでその用紙を給紙する給紙ローラと、給紙ローラに従動し、用紙の給紙時にその用紙の下面に接触する従動ローラとを有する。
【0016】
好ましくはスイッチバック手段は、給紙手段と同じ部材で構成され、給紙手段は、少なくとも、用紙搬送手段により搬送される用紙をスイッチバックエリアに搬送する第1の動作状態と、スイッチバックエリアに搬送された用紙を再度画像形成部に給紙する第2の動作状態とで動作可能である。
【0017】
好ましくは給紙手段は、第1の動作状態では、用紙搬送手段により搬送される用紙を受け入れ可能な受け入れ位置に位置し、第2の動作状態では、スイッチバックする用紙を再度給紙するための再給紙位置に位置する。
【0018】
好ましくは給紙手段は、第2の動作状態では、用紙載置部からの用紙の給紙時と略同位置である給紙位置に位置し、第1の動作状態では、給紙位置よりも上方で用紙から離れたスイッチバック位置に位置する。
【0019】
好ましくは用紙載置部は、用紙の給紙時において第1の位置に位置し、用紙のスイッチバック時において第1の位置から第2の位置に退避することによりスイッチバックエリアを確保する。
【0020】
好ましくは第2の位置は、第1の位置から下方の位置である。
【0021】
好ましくは用紙搬送装置は、用紙載置部の用紙の残量を検知する用紙残量検知手段と、用紙残量検知手段の検知結果に基づいて給紙手段又は用紙載置部の位置を制御する位置制御手段とをさらに備える。
【0022】
好ましくは用紙搬送装置は、画像形成部よりも用紙搬送方向の下流側からスイッチバックエリアに用紙を搬送するための第1の用紙搬送経路と、スイッチバックエリアから画像形成部へ用紙を搬送するための第2の用紙搬送経路とを切り替える搬送経路切替手段をさらに備える。
【0023】
好ましくは搬送経路切替手段は、給紙手段又は用紙載置部に連動して切り替えを行う。
【0024】
この発明の他の局面に従うと、画像形成装置は、上述のいずれかに記載の用紙搬送装置と、給紙手段により給紙された用紙に画像を形成する画像形成部とを備える。
【0025】
この発明のさらに他の局面に従うと、用紙に画像を形成する画像形成部を有する画像形成装置本体と共に用いられ、用紙載置部から画像形成部に用紙を給紙する給紙手段と、画像形成部により片面に画像が形成された用紙を、画像形成部よりも用紙搬送方向の下流側から画像形成部よりも用紙搬送方向の上流側に搬送可能な用紙搬送手段とを備えた用紙搬送装置の制御方法は、用紙搬送手段により搬送される用紙を、用紙載置部又はその近傍に設けられたスイッチバックエリアでスイッチバックさせ、片面への画像形成時から反転された状態で画像形成部に搬送するスイッチバックステップを備える。
【0026】
この発明のさらに他の局面に従うと、用紙に画像を形成する画像形成部を有する画像形成装置本体と共に用いられ、用紙載置部から画像形成部に用紙を給紙する給紙手段と、画像形成部により片面に画像が形成された用紙を、画像形成部よりも用紙搬送方向の下流側から画像形成部よりも用紙搬送方向の上流側に搬送可能な用紙搬送手段とを備えた用紙搬送装置の制御プログラムは、用紙搬送手段により搬送される用紙を、用紙載置部又はその近傍に設けられたスイッチバックエリアでスイッチバックさせ、片面への画像形成時から反転された状態で画像形成部に搬送するスイッチバックステップをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0027】
これらの発明に従うと、用紙搬送手段により搬送される用紙は、用紙載置部又はその近傍に設けられたスイッチバックエリアでスイッチバックされて片面への画像形成時から表裏反転される。したがって、製造コストが低く、かつ、小型化可能である、用紙の両面に画像を形成可能にする用紙搬送装置、画像形成装置、用紙搬送装置の制御方法、及び用紙搬送装置の制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1の実施の形態における画像形成装置のハードウェア構成を示す側面図である。
【図2】画像形成装置の給紙部の制御回路の概略構成を示すブロック図である。
【図3】給紙部の概略構成を示す側面図である。
【図4】給紙ユニットがスイッチバック位置にあるときの給紙部の概略構成を示す側面図である。
【図5】両面印刷の実行時の画像形成装置の各部の動作を示すタイムチャートである。
【図6】第2の実施の形態における画像形成装置の給紙部の概略構成を示す側面図である。
【図7】第2の実施の形態における給紙部の制御回路の概略構成を示すブロック図である。
【図8】給紙部のうち搬送ガイドの近傍の部位の構成を示す側面図である。
【図9】用紙のスイッチバック後の給紙部のうち搬送ガイドの近傍の部位の構成を示す側面図である。
【図10】第2の実施の形態における両面印刷の実行時の画像形成装置の各部の動作を示すタイムチャートである。
【図11】第3の実施の形態における画像形成装置の給紙部の概略構成を示す側面図である。
【図12】第3の実施の形態における給紙部の制御回路の概略構成を示すブロック図である。
【図13】両面印刷の実行時における給紙部を示す側面図である。
【図14】第3の実施の形態における両面印刷の実行時の画像形成装置の各部の動作を示すタイムチャートである。
【図15】両面印刷の実行時の画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【図16】従来の画像形成装置の一例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態における画像形成装置について説明する。
【0030】
[第1の実施の形態]
【0031】
図1は、本発明の第1の実施の形態における画像形成装置1のハードウェア構成を示す側面図である。
【0032】
図を参照して、画像形成装置1は、おおまかに、本体部(画像形成装置本体の一例)90と、両面印刷ユニット(用紙搬送手段の一例、用紙搬送装置の一例)100との2つの部分に分かれている。画像形成装置1の本体部90は、給紙カセット3と、排紙トレイ5と、給紙ユニット21と、画像形成部30と、定着部35と、排紙経路切替部37と、排紙ローラ39とを備えている。画像形成部30は、感光体31と、転写ローラ33とを有している。
【0033】
画像形成装置1の両面印刷ユニット100は、給紙カセット(用紙載置部の一例)103と、給紙部120と、反転ローラ125とを備えている。給紙部120には、給紙ユニット(給紙手段の一例)121が設けられている。
【0034】
なお、画像形成装置1は、本体部90のみでも用紙10の片面に画像を形成可能であるが、両面印刷ユニット100を用いることにより、用紙10の両面に画像を形成(以下、両面印刷と呼ぶことがある)可能である。
【0035】
両面印刷ユニット100の筐体は、例えば、画像形成装置1の本体部90の背面(図1において右側面)と下面とを覆うようなL字状の側断面を有している。本体部90に両面印刷ユニット100が接続されている状態で、用紙10の搬送経路として、給紙部120から画像形成部30に用紙10を導入する第1経路123が構成される。また、定着部35から両面印刷ユニット100に用紙10を導入する第2経路127と、第2経路127から給紙部120に用紙10を導入する第3経路129とが構成される。
【0036】
両面印刷ユニット100は、画像形成部30により片面に画像が形成された用紙10を、第2経路127、第3経路129、及び第1経路123でこの順に搬送する。すなわち、両面印刷ユニット100は、画像形成部30よりも用紙10の搬送方向の下流側にある排紙経路切替部37から、画像形成部30よりも用紙10の搬送方向の上流側に用紙10を搬送可能である。なお、第2経路127及び第3経路129は、画像形成部30よりも用紙10の搬送方向の下流側からスイッチバックエリア140(図4に示す。)に用紙10を搬送するための第1の用紙搬送経路を構成する。
【0037】
給紙カセット3,103には、例えば、互いに異なるサイズの用紙(B5サイズ、A4サイズ、及びA3サイズなど)10が載置されている。給紙カセット3は、本体部90の下部に配置されている。また、給紙カセット103は、両面印刷ユニット100の下部に配置されている。各給紙カセット3,103に載置された用紙10は、印字時に、1枚ずつ給紙カセット3,103から給紙され、画像形成部30に送られる。なお、各給紙カセット3,103の数は1つに限られず、それより多くてもよい。
【0038】
排紙トレイ5は、本体部90の筐体の上面に配置されている。排紙トレイ5には、画像形成部30及び定着部35により画像が形成された用紙10が筐体の内部から排紙される。
【0039】
画像形成装置1は、例えば、電子写真方式で用紙10に画像を形成する。
【0040】
画像形成部30は、帯電、露光、現像の各工程を経て感光体31上にトナー像を形成する。形成されたトナー像は、転写ローラ33によって感光体31から用紙10の片面に転写される。なお、画像形成部30は、モノクロ画像を用紙10に形成可能であってもよいし、中間転写ベルト等を利用してカラー画像を用紙10に形成可能であってもよい。
【0041】
定着部35は、加熱ローラ及び加圧ローラを有している。定着部35は、加熱ローラと加圧ローラとでトナー像が形成された用紙10を挟みながら搬送し、その用紙10に加熱及び加圧を行う。これにより、定着部35は、用紙10に付着したトナーを溶融させて用紙10に定着させ、用紙10に画像を形成する。
【0042】
排紙経路切替部37は、定着部35より下流側の用紙10の搬送経路上に設けられている。排紙経路切替部37は、用紙10の搬送経路を変更することにより、用紙10を排紙ローラ39に送るか両面印刷ユニット100に送るかを切り替える。排紙ローラ39に送られた用紙10は排紙ローラ39により排紙トレイ5に排出される。また、両面印刷ユニット100に送られた用紙10は、第2経路127を経由して両面印刷ユニット100内に搬送される。
【0043】
図2は、画像形成装置1の給紙部120の制御回路の概略構成を示すブロック図である。
【0044】
図を参照して、給紙部120の動作は、CPU(制御部)60により制御される。CPU60は、給紙ローラ駆動部61と、給紙ユニット上下駆動部63と、用紙残量検知センサ(用紙残量検知部;用紙残量検知手段の一例)150とを制御することにより、給紙部120の動作を制御する。また、CPU60は、画像形成装置1の各部の動作の制御を行う。CPU60は、ワーキングメモリなどに利用されるRAM(図示せず)や制御プログラム65aなどが記憶されたROM65などと通信し、制御プログラム65aなどを実行することにより、種々の制御を実行する。
【0045】
給紙ローラ駆動部61は、給紙ユニット121の給紙ローラ(図3に示す。)131などの動作を制御する。また、給紙ユニット上下駆動部63は、給紙ユニット121の上下位置を制御する。CPU60は、用紙残量検知センサ150の検知結果に基づいて、給紙ユニット上下駆動部63の制御を行う。これらのCPU60による制御の流れについては、後述する。
【0046】
図3は、給紙部120の概略構成を示す側面図である。
【0047】
図を参照して、給紙部120は、給紙ユニット121のほか、ピニオン137を有している。給紙ユニット121は、給紙ローラ131と、従動ローラ133とを有している。従動ローラ133は、給紙ローラ131の下方に配置されている。すなわち、給紙ローラ131と従動ローラ133とは、互いに対向するように一対に配置されている。給紙ローラ131と従動ローラ133とは、互いに接触している。このように給紙ローラ131と従動ローラ133とが配置されていることにより、給紙ローラ131と従動ローラ133との間には、給紙ニップが設けられている。給紙ローラ131は、給紙ローラ駆動部61により制御されるモータ(図示せず)により駆動され、回転する。従動ローラ133は、給紙ローラ131又は給紙される用紙10の下面に接触することで、給紙ローラ131に従動する。
【0048】
給紙ローラ131は、用紙10の給紙時において、水平かそれより若干だけ傾いた姿勢の用紙10の上面に接触した状態で回転することで、その用紙10を給紙する。また、このとき、従動ローラ133は、給紙される用紙10の下面に接触して給紙ローラ131に従動する。すなわち、給紙ローラ131と従動ローラ133とは、用紙10の給紙時において、給紙ローラ131が駆動されることにより、用紙10を給紙ニップで挟みながら回転して、用紙10を給紙・搬送する。
【0049】
給紙ローラ131及び従動ローラ133は、共に給紙ユニット121のフレーム(図示せず)に軸支されている。給紙ユニット121のフレームの図3における右側には、ラック135が上下に形成されている。ラック135の歯は、ピニオン137の歯に噛み合っている。ピニオン137は、給紙ユニット上下駆動部63により駆動されるモータ(図示せず)により駆動され、回転する。給紙ユニット上下駆動部63は、ピニオン137を順転(図の矢印G方向に回転)させることにより、給紙ユニット121を下方に変位させる。また、給紙ユニット上下駆動部63は、ピニオン137を逆転(図の矢印Gとは反対の方向、図4の矢印C方向に回転)させることにより、給紙ユニット121を上方に変位させる。なお、ピニオン137を駆動するモータや、給紙ローラ131を駆動するモータや、その他のローラなどを駆動するモータなどは、互いに共用されていてもよい。その場合、そのモータからの動力伝達を切り替える動力伝達機構を用いることなどにより、各ローラやピニオン137などを選択的に駆動することが可能である。
【0050】
給紙ユニット121の筐体には、用紙残量検知センサ150が取り付けられている。用紙残量検知センサ150は、給紙ユニット121の位置に応じて、給紙カセット103に載置されている用紙10に接触し給紙ユニット121に対し変位するように配置されている。用紙残量検知センサ150は、例えば用紙10に接触したとき又は接触しなくなったとき、CPU60に信号を出力する。すなわち、CPU60は、用紙残量検知センサ150からの信号を検知結果として、給紙ユニット121と用紙10との位置関係を検知可能である。CPU60は、この位置関係に基づいて、給紙ユニット121を用紙10を適正に給紙可能な位置に位置させることができ、また、後述するような用紙10のスイッチバックのための最適な空間を確保することが可能となる。
【0051】
本実施の形態において、給紙ユニット121は、給紙カセット103に載置されている用紙10を給紙する給紙位置と、後述するように給紙位置よりも上方の位置であり用紙10から離れたスイッチバック位置(受け入れ位置と呼ぶことがある)との間で上下に移動可能である。図3において、給紙ユニット121は、給紙位置に位置している。
【0052】
給紙ユニット121が給紙位置にあるとき、給紙ローラ131は、給紙カセット103の最上部の用紙10の上面に接触する。したがって、給紙ローラ131及び従動ローラ133が回転することにより、給紙カセット103の最上部の用紙10を図の矢印F方向に給紙することができる。このとき、給紙ローラ131は、給紙方向(図において反時計回り)に回転する。給紙される用紙10は、第1経路123に沿って、両面印刷ユニット100から本体部90に搬送される。なお、給紙位置は、給紙カセット103に載置されている用紙10の残量に応じて変位する。したがって、CPU60は、用紙残量検知センサ150の検知結果に基づいて給紙ユニット121の位置を制御することにより、給紙ユニット121が適正に給紙できるようにする。
【0053】
図4は、給紙ユニット121がスイッチバック位置にあるときの給紙部120の概略構成を示す側面図である。
【0054】
図を参照して、給紙ユニット121がスイッチバック位置にあるとき、給紙ローラ131は、給紙カセット103に載置されている用紙10から離れた位置に位置している。このとき、給紙ユニット121の給紙ニップは、第3経路129と略同じ高さに位置している。両面印刷ユニット100により、用紙10が第3経路129に沿って図の矢印B方向に搬送され、給紙ユニット121に送られると、給紙ユニット121は、その用紙10を給紙ニップで受け入れ可能である。
【0055】
ここで、給紙ユニット121がスイッチバック位置にあるとき、給紙カセット103の上方の空間すなわちその給紙ユニット121の図中左の空間がスイッチバックエリア140となる。スイッチバックエリア140は、両面印刷時に、用紙10の表裏を反転させるために給紙カセット103の近傍の部位に確保される。すなわち、スイッチバックエリア140は、画像形成装置1の筐体の内部に設けられている。
【0056】
本実施の形態において、給紙ユニット121は、両面印刷の実行時において、両面印刷ユニット100により搬送される用紙10を、給紙カセット103の近傍のスイッチバックエリア140でスイッチバックさせる。これにより、給紙ユニット121は、用紙10を、片面への画像形成時から表裏反転した状態で画像形成部30に搬送する。
【0057】
両面印刷の実行時において、CPU60は、給紙ローラ131を、順転(図において反時計回りへの回転)させたり、逆転(図において時計回りへの回転)させたりする。すなわち、給紙ユニット121は、給紙ローラ131を逆転させる第1の動作状態をとることが可能である。また、給紙ユニット121は、給紙ローラ131を順転させる第2の動作状態をとることが可能である。
【0058】
以下、おおまかに、両面印刷の実行時の動作について説明する。
【0059】
まず、用紙10の片面への画像の形成は、両面印刷でない片面印刷を行うときと同様に行われる。すなわち、給紙ユニット121が給紙位置に位置した状態(図3)で、CPU60の制御により、給紙ローラ131が順転する。これにより、用紙10が給紙カセット103から第1経路123に給紙される。画像形成部30及び定着部35において、給紙された用紙10の片面には、画像が形成される。画像が形成された用紙10は、排紙経路切替部37により搬送経路が変更されることにより、第2経路127を経由して両面印刷ユニット100内に搬送される。
【0060】
両面印刷ユニット100では、反転ローラ125により、用紙10が第2経路127から第3経路129に搬送される。ここで、CPU60は、給紙ユニット121を受け入れ位置(図4)に位置させるとともに、給紙ユニット121を第1の動作状態で駆動する。これにより、給紙ローラ131が逆転し、両面印刷ユニット100により搬送される用紙10が給紙ニップに挟まれ、給紙ユニット121に受け入れられる。用紙10は、給紙ユニット121により、スイッチバックエリア140に搬送される。
【0061】
その後、CPU60は、給紙ユニット121を再給紙位置(図3)に位置させるとともに、給紙ユニット121を第2の動作状態で駆動する。ここで、再給紙位置は、スイッチバックエリア140に導入した用紙10を画像形成装置1に給紙することが可能な位置であり、本実施の形態において、給紙位置と略同位置である。このとき、給紙ローラ131が順転し、給紙ユニット121は、スイッチバックエリア140に搬送された用紙10を再度画像形成部30に給紙する。
【0062】
なお、給紙ユニット121は、スイッチバックエリア140に用紙10を導入したとき、その用紙10の端部を給紙ニップで挟んだままであるが、その用紙10を給紙カセット103上に落として再給紙時にその用紙10を改めて取るようにしてもよい。
【0063】
このように、両面印刷の実行時には、片面に画像が形成された用紙10は、両面印刷ユニット100を経由して給紙部120においてスイッチバックされ、表裏反転した状態で画像形成部30に再度給紙される。したがって、画像形成装置1は、用紙10の裏面にも適正に画像を形成することができる。
【0064】
なお、CPU60は、制御プログラム65aなどを実行して画像形成装置1の各部の制御を行うことにより、画像形成装置1に両面印刷を実行させる。制御プログラム65aに基づいて行われる画像形成装置1の制御内容や動作の流れ(図15に示す。)については、後述する。
【0065】
図5は、両面印刷の実行時の画像形成装置1の各部の動作を示すタイムチャートである。
【0066】
図を参照して、給紙ローラ131は、順転、停止、逆転のいずれかの動作状態をとる。反転ローラ125と排紙ローラ39とは、それぞれ、順転又は停止の動作状態をとる。また、給紙ユニット121は、用紙10に給紙ローラ131が接触する給紙位置か、給紙カセット103のスイッチバック位置に位置する。
【0067】
図を参照して、時刻t1から時刻t2までの表面印刷期間において、給紙ローラ131が順転する。このとき、給紙ユニット121の位置は、用紙10に当接する給紙位置である。表面印刷期間では、用紙10の給紙が開始され、その用紙10の片面に画像が形成される。
【0068】
時刻t2において、用紙10の反転が開始される。時刻t2から時刻t3までの反転搬送期間において、給紙ローラ131は停止し、反転ローラ125が順転する。また、このとき、給紙ユニット121は、給紙位置から上方に移動する。給紙ユニット121の位置は、スイッチバック位置となる。
【0069】
時刻t3において、反転ローラ125が停止し、給紙部120において用紙10のスイッチバックが開始される。時刻t3から時刻t4までのスイッチバック期間において、まず、給紙ローラ131が逆転することにより、用紙10がスイッチバックエリア140に搬送される。そして、用紙10がスイッチバックエリア140に搬送されると、用紙10を挟んだまま、給紙ローラ131が停止する。給紙ローラ131が停止すると、給紙ユニット121は、用紙10を挟んだまま、給紙位置(再給紙位置)に戻る。
【0070】
時刻t4において、給紙ローラ131が順転し、スイッチバックエリア140に搬送した用紙10の再給紙が開始される。時刻t4から時刻t5までの裏面印刷期間では、用紙10の画像が形成された面とは逆の面に画像が形成される。
【0071】
時刻t5において、用紙10の両面に画像が形成されると、給紙ローラ131が停止し、排紙ローラ39が順転する。これにより、用紙10が画像形成装置1外に排出される。
【0072】
このように、本実施の形態においては、両面印刷の実行時に、給紙ユニット121が変位することにより、給紙カセット103の近傍に用紙10を反転するためのスイッチバックエリア140が確保される。給紙カセット103に載置されている用紙10と給紙ローラ131とを一時的に離して給紙部120において用紙10をスイッチバックさせ、用紙10を表裏反転させて再給紙することができる。
【0073】
用紙10をスイッチバックさせるために、本来の給紙ローラ131とは別に、用紙10を給紙ユニット121に進退させるためのローラを設けると、画像形成装置1のハードウェア構成が複雑になり、部品点数が増え、コストが増加する。しかしながら、本実施の形態においては、給紙ユニット121は、第1の動作状態と第2の動作状態とで動作し、給紙ローラ131を順転・逆転させることにより用紙10を進退させることができる。そのため、画像形成装置1の製造コストを低減させることができる。
【0074】
[第2の実施の形態]
【0075】
第2の実施の形態における画像形成装置1の基本的な構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるためここでの説明を繰り返さない。第2の実施の形態においては、用紙10の搬送経路を用紙10のスイッチバック前後で切り替え可能である点が第1の実施の形態と異なる。
【0076】
図6は、第2の実施の形態における画像形成装置1の給紙部220の概略構成を示す側面図である。
【0077】
図を参照して、給紙部220は、第1の実施の形態と同様に、給紙ユニット121と、ピニオン137と、用紙残量検知センサ150とを備える。また、給紙部220は、給紙接続路(第2の用紙搬送経路の一例)223と、搬送ガイド(搬送経路切替手段の一例)250とを備えている。なお、給紙ユニット121のラックやピニオン137の歯の図示は省略する。
【0078】
給紙接続路223は、第3経路129から第1経路123に繋がる経路である。給紙接続路223は、スイッチバックエリア140に搬送された用紙10を、スイッチバックエリア140から、第3経路129を経由して第1経路123に搬送可能に形成されている。
【0079】
搬送ガイド250は、給紙接続路223と第3経路129とが接続された部位の近傍に配置されている。搬送ガイド250は、例えばモータや他のアクチュエータなど(図示せず)により駆動されて回転する。搬送ガイド250は、後述のように、スイッチバック時の各部の動作に応じて、用紙10の搬送経路を用紙10のスイッチバック前後で切り替える。搬送ガイド250の動作については後述する。
【0080】
図7は、第2の実施の形態における給紙部220の制御回路の概略構成を示すブロック図である。
【0081】
図を参照して、給紙部220の動作は、CPU60により制御される。給紙ユニット121の位置や給紙ローラ131の動作は、第1の実施の形態と同様に、給紙ユニット上下駆動部63及び用紙残量検知センサ(用紙残量検知部)150や、給紙ローラ駆動部61により制御される。第2の実施の形態において、CPU60は、搬送ガイド駆動部67を制御する。
【0082】
搬送ガイド駆動部67は、搬送ガイド250の動作を制御する。CPU60は、例えば給紙ユニット121の上下動作や給紙ローラ131の動作と搬送ガイド250の動作とを同期させて制御し、両面印刷の実行時において用紙10のスイッチバックを行う。
【0083】
図8は、給紙部220のうち搬送ガイド250の近傍の部位の構成を示す側面図である。
【0084】
図において、両面印刷の実行時であって用紙10のスイッチバック前の状態を示している。図を参照して、両面印刷の実行時に、用紙10が第3経路129を搬送されるとき、給紙ユニット121は、スイッチバック位置(受け入れ位置)に位置している。画像形成装置1において、第3経路129は、給紙部220の近傍部位において略水平に用紙10を搬送するように形成されている。給紙接続路223は、第3経路129のうちスイッチバックエリア140の近傍の部分に、上方からスイッチバックエリア140に向けて弧を成すように接続されている。搬送ガイド250は、例えば、第3経路129と給紙接続路223との接続部の下方に配置されている。搬送ガイド250は、例えば軸支部250aに、側面視で第3経路129の幅より長い腕部250bが接続された構造を有している。
【0085】
両面印刷の実行時において、搬送ガイド250は、図に矢印Bで示すように、反転される用紙10が第3経路129を通過しスイッチバックエリア140に搬送されるまで、用紙反転姿勢となる。搬送ガイド250は、用紙反転姿勢であるとき、第3経路129を遮らないような水平姿勢を維持する。
【0086】
図9は、用紙10のスイッチバック後の給紙部220のうち搬送ガイド250の近傍の部位の構成を示す側面図である。
【0087】
第2の実施の形態において、図を参照して、両面印刷の実行時において、用紙10のスイッチバック後、用紙10を再給紙するときには、給紙ユニット121は、スイッチバック位置とされる。すなわち、本実施の形態において、再給紙位置は、第1の実施の形態とは異なり給紙位置ではなく、スイッチバック位置である。
【0088】
用紙10の再給紙時には、搬送ガイド250は、軸支部250aを中心に図に矢印Rで示すように回転し、通常給紙姿勢となる。搬送ガイド250は、通常給紙姿勢であるとき、第3経路129のうち給紙接続路223が接続されている部位の奥を腕部250bで塞ぐ。このとき、搬送ガイド250は、その腕部250bの一部で、再給紙される用紙10を第3経路129から給紙接続路223に案内するようにして保持される。これにより、スイッチバックエリア140から再給紙される用紙10は、矢印Fで示すように、第3経路129を逆に搬送されることなく、第3経路129から給紙接続路223を経由して第1経路123に搬送される。
【0089】
図10は、第2の実施の形態における両面印刷の実行時の画像形成装置1の各部の動作を示すタイムチャートである。
【0090】
図において、給紙ローラ131、反転ローラ125、及び排紙ローラ39の動作は、第1の実施の形態と同様であるため、その説明は省略する。搬送ガイド250の姿勢は、通常給紙姿勢と用紙反転姿勢との間で切り替わる。
【0091】
図を参照して、時刻t1から時刻t2の表面印刷期間において、給紙ユニット121の位置は、用紙10に当接する給紙位置であり、搬送ガイド250は、通常給紙姿勢である。なお、このとき、搬送ガイド250は、用紙反転姿勢であってもよい。
【0092】
時刻t2において、用紙10の片面に画像が形成されて用紙10の反転が開始され、反転搬送期間になると、給紙ユニット121は、給紙位置から上方に移動する。給紙ユニット121の位置は、給紙カセット103の上方のスイッチバック位置となる。第2の実施の形態において、給紙ユニット121の位置は、これ以後用紙10が画像形成装置1から排出されるまではスイッチバック位置のままである。また、このとき、搬送ガイド250が回転し、通常給紙姿勢から用紙反転姿勢になる。すなわち、搬送ガイド250は、給紙ユニット121に連動して動作する。
【0093】
時刻t3において、給紙部220で用紙10のスイッチバックが開始される。搬送ガイド250は用紙反転姿勢であるので、給紙ローラ131が逆転することにより、用紙10がスイッチバックエリア140に搬送される。時刻t3から時刻t4までのスイッチバック期間において、用紙10がスイッチバックエリア140に搬送されると、給紙ローラ131が停止する。また、このとき、搬送ガイド250は、通常給紙姿勢に戻る。
【0094】
時刻t4から時刻t5までの裏面印刷期間では、給紙ローラ131が順転する。これにより、スイッチバックエリア140に搬送された用紙10の再給紙が開始される。搬送ガイド250が通常給紙姿勢であるので、用紙10は、給紙接続路223から第1経路123を経由して画像形成部30に搬送され、用紙10の裏面に画像が形成される。
【0095】
時刻t5において、用紙10が画像形成装置1外に排出される。なお、このとき、搬送ガイド250が用紙反転姿勢に戻ってもよい。
【0096】
なお、第2の実施の形態において、CPU60は、第1の実施の形態と略同様の制御を行うことにより、画像形成装置1に両面印刷を実行させる。画像形成装置1の制御内容や動作の流れ(図15に示す。)については、後述する。
【0097】
このように、第2の実施の形態では、給紙ユニット121がスイッチバック位置にある状態で、用紙10を再給紙することができる。したがって、用紙10のスイッチバックを速やかに実行することができ、両面印刷をより速やかに終えることができる。
【0098】
[第3の実施の形態]
【0099】
第3の実施の形態における画像形成装置1の基本的な構成は、第1の実施の形態におけるそれと同じであるためここでの説明を繰り返さない。第3の実施の形態においては、用紙10のスイッチバックを行うときに給紙カセット303(図11に示す。)が移動する点が第1の実施の形態と異なる。
【0100】
図11は、第3の実施の形態における画像形成装置1の給紙部320の概略構成を示す側面図である。
【0101】
図を参照して、給紙部320には、給紙カセット303と、給紙ユニット321とが設けられている。また、給紙部320には、給紙接続路223及び搬送ガイド250が設けられている。
【0102】
第3の実施の形態において、給紙ユニット321は、第1の実施の形態の給紙ユニット121と同様に給紙ローラ131及び従動ローラ133を有する一方で、ラックを有していない。また、給紙部320は、ピニオンを有していない。すなわち、給紙ユニット321は、第1の実施の形態や第2の実施の形態の給紙ユニット121とは異なり、その画像形成装置1の筐体に対する位置が略固定されている。第3の実施の形態において、給紙ユニット321からの用紙10の搬送経路は、給紙カセット303からの用紙10の給紙時と、後述するような両面印刷の実行時の用紙10の再給紙時とで同一である。
【0103】
給紙カセット303は、例えばモータやアクチュエータなど(図示せず)により用紙10の下部に敷かれた押上板303aを上下させることなどにより、その給紙ユニット321側の部位を昇降する。これにより、給紙カセット303は、載置された用紙10の給紙ユニット321側の部分を押し上げたり、用紙10を略水平姿勢にしたりすることができる。
【0104】
給紙カセット303は、図に示すような給紙位置(第1の位置の一例)と給紙位置から変位した位置であるスイッチバック位置(第2の位置の一例であり、図13に示す。)とのいずれかの位置に位置することができる。給紙カセット303がスイッチバック位置に位置している状態において、押上板303aを図11の矢印S1方向に変位させることにより、給紙カセット303の位置が給紙位置となる。このとき、給紙カセット303は、押上板303aで用紙10を押し上げ、用紙10のうち最も上方のものを給紙ローラ131に当接させる。
【0105】
画像形成を行うための給紙時には、給紙カセット303は、給紙位置に位置する。これにより、給紙ユニット321によって、用紙10が給紙カセット303から給紙される。なお、このとき、搬送ガイド250は、通常給紙姿勢である。それにより、用紙10は、給紙カセット303から、給紙接続路223と第1経路123とを経由し、画像形成部30に給紙される。
【0106】
図12は、第3の実施の形態における給紙部320の制御回路の概略構成を示すブロック図である。
【0107】
図を参照して、給紙部320の動作は、CPU60により制御される。また、給紙ローラ131の動作や搬送ガイド250の動作は、第2の実施の形態と同様に、給紙ローラ駆動部61や、搬送ガイド駆動部67により制御される。第3の実施の形態において、CPU60は、押上板上下駆動部69を制御する。
【0108】
押上板上下駆動部69は、給紙カセット303の動作を制御する。CPU60は、例えば給紙カセット303や給紙ローラ131の動作と搬送ガイド250の動作とを同期させて制御し、給紙カセット303からの用紙10の給紙や、両面印刷の実行時における用紙10のスイッチバックを行う。
【0109】
なお、CPU60により給紙カセット320の用紙10の昇降量を制御するため、用紙10の残量を検知するセンサを利用してもよい。このセンサとしては、例えば、給紙ユニット321に用紙残量検知センサ150と同様のセンサを設けたり、又は画像形成装置1の筐体に用紙残量を検知可能なセンサを設けたりすればよい。
【0110】
図13は、両面印刷の実行時における給紙部320を示す側面図である。
【0111】
図を参照して、第3の実施の形態において、両面印刷の実行時には、給紙カセット303は、図の矢印S2で示すように、図11の給紙位置から押上板303aを下方に退避させ、用紙10を略水平姿勢で保持するスイッチバック位置に位置している。すなわち、給紙カセット303は、給紙位置からスイッチバック位置に退避することにより、給紙ユニット321の前方(図において左方向)に、スイッチバックエリア140を確保する。また、搬送ガイド250は、上述のように用紙10が給紙カセット303から給紙された後、用紙反転姿勢になる。
【0112】
図14は、第3の実施の形態における両面印刷の実行時の画像形成装置1の各部の動作を示すタイムチャートである。
【0113】
図において、給紙ローラ131、反転ローラ125、及び排紙ローラ39の動作は、第1の実施の形態と同様であるため、その説明は省略する。搬送ガイド250は、通常給紙姿勢と用紙反転姿勢との間で切り替わる。また、給紙カセット303は、押上板303aが用紙10を給紙ローラ131に当接させる給紙位置と、押上板303aが給紙ローラ131と用紙10との当接を解除させるスイッチバック位置とのいずれかに位置する。
【0114】
図を参照して、時刻t1から時刻t2までの表面印刷期間において、給紙カセット303は、給紙位置をとる。また、このとき、搬送ガイド250は、通常給紙姿勢である。
【0115】
時刻t2において、用紙10の片面に画像が形成されて用紙10の反転が開始され、反転搬送期間になると、給紙カセット303は、スイッチバック位置に位置する。これにより、スイッチバックエリア140が確保される。給紙カセット303の位置は、これ以後用紙10が排出されるまではスイッチバック位置のままである。また、搬送ガイド250は、通常給紙姿勢から用紙反転姿勢になる。すなわち、搬送ガイド250は、給紙カセット303に連動して動作する。
【0116】
時刻t3において、給紙部320において用紙10のスイッチバックが開始される。スイッチバック期間においては、搬送ガイド250は用紙反転姿勢であるので、給紙ローラ131が逆転することにより、用紙10がスイッチバックエリア140に搬送される。用紙10がスイッチバックエリア140に搬送され、給紙ローラ131が停止すると、搬送ガイド250は、通常給紙姿勢に戻る。
【0117】
時刻t4から時刻t5までの裏面印刷期間に入ると、給紙ローラ131が順転し、スイッチバックエリア140に搬送された用紙10の再給紙が開始される。搬送ガイド250が通常給紙姿勢であるので、用紙10は、給紙接続路223から第1経路123を経由し、画像形成部30に搬送される。これにより、用紙10の裏面に画像が形成される。なお、このとき、給紙カセット303が給紙位置に戻り、再給紙される用紙10を支持するようにしてもよい。
【0118】
時刻t5において、用紙10が画像形成装置1外に排出される。
【0119】
なお、第3の実施の形態において、CPU60は、第1の実施の形態と略同様の制御を行うことにより、画像形成装置1に両面印刷を実行させる。画像形成装置1の制御内容や動作の流れ(図15に示す。)については、後述する。
【0120】
このように、第3の実施の形態では、給紙カセット303が、用紙10のスイッチバック時において給紙位置からスイッチバック位置に退避することにより、スイッチバックエリア140を確保する。したがって、用紙10を、給紙カセット303の近傍で給紙ユニット321を用いてスイッチバックすることができる。モータなどにより駆動されるローラなどの可動部を変位させることを要しない比較的簡素な構成であっても、給紙及びスイッチバックを給紙ユニット321に実行させることができる。したがって、画像形成装置1の製造コストを安くすることができ、また、画像形成装置1の信頼性を高くすることができる。
【0121】
なお、給紙ユニット321などに用紙残量検知センサを設けてもよい。このとき、CPU60は、用紙残量検知センサの検知結果に基づいて、給紙カセット303の位置を制御して給紙可能にしてもよい。これにより、用紙10のスイッチバックのための最適な空間を確保することが可能となる。
【0122】
[画像形成装置1の制御内容や動作の流れの例]
【0123】
図15は、両面印刷の実行時の画像形成装置1の動作を示すフローチャートである。
【0124】
CPU60は、制御プログラム65aなどを実行して制御を行うことにより、画像形成装置1に両面印刷を実行させる。なお、この制御プログラム65aは、互いに異なるハードウェア構成を有する、上記第1の実施の形態に係る画像形成装置1、第2の実施の形態に係る画像形成装置1、及び第3の実施の形態に係る画像形成装置1のそれぞれに共用可能なものである。
【0125】
図を参照して、ステップS101において、CPU60は、外部機器等からの印刷情報の入力を受け付ける。
【0126】
ステップS103において、CPU60は、上記第2の又は第3の実施の形態のように搬送ガイド250が有れば、搬送ガイド250を回転させ、給紙カセット103,303から用紙10を給紙可能にする。
【0127】
ステップS105において、CPU60は、押上板303aの上下動作が可能であるかどうかを確認する。
【0128】
第3の実施の形態のように、ステップS105において押上板303aの上下動作が可能であれば、ステップS107において、CPU60は、押上板303aを上昇させ、給紙カセット303の位置を給紙位置とする。
【0129】
第1の又は第2の実施の形態のようにステップS105において押上板の上下動作が不可能である場合、又はステップS107の処理を行った場合、ステップS109において、CPU60は、給紙ローラ131を回転させる。給紙ローラ131は、反時計回りに回転すなわち順転する。これにより、給紙ユニット121,321により、用紙10が給紙カセット103,303から給紙される。用紙10は、第1経路123を経由し、画像形成部30に搬送される。
【0130】
ステップS111において、CPU60は、画像形成部30や定着部35を制御し、用紙10の片面に印刷を行う。用紙10は、第2経路127を経由して両面印刷ユニット100に搬送される。
【0131】
ステップS113において、CPU60は、搬送ガイド250が有れば、搬送ガイド250を回転させ、用紙10を第3経路129から給紙部120,220,320に搬送可能にする。
【0132】
ステップS115において、CPU60は、押上板303aの上下動作が可能であるかどうかを確認する。
【0133】
ステップS115において押上板303aの上下動作が可能であれば、ステップS117において、CPU60は、押上板303aを下降させ、給紙カセット303の位置をスイッチバック位置とする。
【0134】
ステップS115において押上板303aの上下動作が不可能であれば、ステップS119において、CPU60は、給紙カセット103の用紙10の残量を測定する。測定は、用紙残量検知センサ150などの検知結果に基づいて行われる。
【0135】
ステップS121において、CPU60は、スイッチバックエリア140が有るかどうかを判断する。この判断は、例えば、用紙10の残量の測定結果に基づいて行われる。
【0136】
ステップS121においてスイッチバックエリア140が無ければ、ステップS123において、CPU60は、給紙ユニット121をスイッチバック位置に上昇させ、スイッチバックエリア140を確保する。
【0137】
ステップS121,S123でスイッチバックエリア140が有った場合、又はステップS117の処理を行ったとき、ステップS125において、CPU60は、給紙ユニット121,321を第1の動作状態で動作させ、給紙ローラ131を駆動する。給紙ローラ131は、時計回りに回転すなわち逆転する。これにより、両面印刷ユニット100に搬送された用紙10が、給紙ローラ131によりスイッチバックエリア140に搬送される。
【0138】
ステップS127において、CPU60は、搬送ガイド250が有れば、搬送ガイド250を回転させ、給紙カセット103,303から用紙10を給紙可能にする。
【0139】
ステップS129において、CPU60は、押上板303aの上下動作が可能であるかどうかを確認する。
【0140】
ステップS129において押上板303aの上下動作が不可能であれば、ステップS131において、CPU60は、給紙カセット103の用紙10の残量を測定する。なお、この処理は、行わないようにしてもよい。
【0141】
ステップS133において、CPU60は、スイッチバックエリア140が有るかどうかを判断する。この判断は、例えば、用紙10の残量の測定結果に基づいて行われる。
【0142】
ステップS133においてスイッチバックエリア140が有り、第1の実施の形態のようにスイッチバック位置からの再給紙が不可能であれば、ステップS135において、CPU60は、給紙ユニット121を再給紙位置に下降させる。なお、第2の実施の形態のようにスイッチバック位置からの再給紙が可能であれば、このように給紙ユニット121を下降させなくてもよい。
【0143】
ステップS129において押上板303aの上下動作が可能である場合、ステップS133においてスイッチバックエリア140が無い場合、又はステップS135の処理を行った場合、ステップS137において、CPU60は、給紙ユニット121,321を第2の動作状態で動作させ、給紙ローラ131を駆動する。給紙ローラ131は、反時計回りに回転すなわち順転する。これにより、スイッチバックエリア140に搬送された用紙10が再度給紙され、片面への画像形成時から表裏反転した状態で、第1経路123から画像形成部30に搬送される。
【0144】
なお、特に第2の実施の形態のように、給紙ユニット121がスイッチバック位置に有る状態で再給紙可能である場合、CPU60は、ステップS129からS135の処理を実行せず、ステップS127の終了後にそのままステップS137の処理を行い、再給紙を行うようにしてもよい。
【0145】
ステップS139において、CPU60は、画像形成部30や定着部35を制御し、用紙10の既に画像が形成されている面とは逆の面に画像を形成する。画像が形成された用紙10は、排紙ローラ39に向けて搬送される。
【0146】
ステップS141において、CPU60は、排紙ローラ39により、用紙10を画像形成装置1外に排出する。排出された用紙10は、排紙トレイ5上に載置される。これにより、1枚の用紙10の両面印刷が終了する。
【0147】
[実施の形態における効果]
【0148】
従来の画像形成装置では、給紙カセット内に載置された用紙は、用紙押し上げ板などにより押し上げられて給紙ローラに接触しており、片面印刷済みの用紙を給紙ユニット内で進退させるのは困難であった。しかしながら、以上のように構成された画像形成装置では、給紙ユニットを変位させたり給紙カセットを昇降させることにより、給紙ユニット近傍にスイッチバックエリアを設け、用紙のスイッチバックを行うことができる。このように用紙の収納エリアがスイッチバックエリアを兼ねるので、画像形成装置の小型化を図ることが可能となる。
【0149】
また、画像形成装置の機外に用紙を一時的に排出することなく、スイッチバックを装置内部で行うことにより、用紙上への異物の付着を防止し、異物の装置内部への侵入を防止することができる。したがって、画像形成装置の部材の劣化や故障を防止することができ、画像形成装置により安定して画像形成を行うことができる。
【0150】
また、スイッチバックを行う用途に、給紙を行うための給紙ローラを兼用するので、スイッチバック専用のローラを設ける必要がない。したがって、画像形成装置の製造コストを低減することが可能となる。
【0151】
また、高温になる定着部から離れた場所でスイッチバックを行うので、スイッチバックを行うためのローラが高熱に晒されず、ローラの変形などの不良の発生を防止することができる。したがって、用紙の搬送の際の斜め送りなどのノイズの発生を防ぐことが可能となる。
【0152】
[その他]
【0153】
なお、給紙ユニットは、共に給紙モータにより駆動される、互いに対向する2つのローラを有していてもよい。また、給紙部は、給紙ユニットのローラのほか、給紙カセットに載置されている用紙を1枚ずつ給紙ユニットにピックする装置を有していてもよい。
【0154】
また、用紙残量検知センサとして、例えば非接触方式によって給紙ユニットと用紙との距離を検知可能なものを用いてもよい。また、用紙残量検知センサは、設けなくてもよい。この場合、予め設定された給紙位置とスイッチバック位置との間を給紙ユニットや給紙カセットが移動するようにして、両面印刷を行うことができる。
【0155】
また、上述の各実施の形態の構成を組み合わせて、給紙カセットの近傍で用紙のスイッチバックを行うことが可能な画像形成装置を構成してもよい。例えば、両面印刷の実行時において、給紙カセットと給紙ユニットとが共に変位することによりスイッチバックエリアが確保されるようにしてもよい。
【0156】
また、画像形成装置の本体部90側の給紙カセット3に片面に画像が形成された用紙を搬送可能にし、その本体部90側の給紙カセット3の近傍にスイッチバックエリアを設け、用紙を表裏反転させるようにしてもよい。また、画像形成装置は、本体部と両面印刷ユニットとに分かれているものに限られない。例えば、1つの筐体内に、画像形成部よりも下流側から上流側に用紙を搬送するための搬送路が設けられているものなど、画像形成装置の内部に上記の両面印刷ユニットに相当する用紙搬送装置を有するようにしてもよい。
【0157】
また、画像形成装置としては、モノクロ/カラーの複写機、プリンタ、ファクシミリ装置やこれらの複合機(MFP)などいずれであってもよい。また、画像形成装置は、電子写真方式により画像を形成するものに限られず、例えばいわゆるインクジェット方式により画像を形成するものであってもよい。
【0158】
また、上述の実施の形態における処理は、ソフトウェアによって行っても、ハードウェア回路を用いて行ってもよい。
【0159】
また、上述の実施の形態における処理を実行するプログラムを提供することもできるし、そのプログラムをCD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク、ROM、RAM、メモリカードなどの記録媒体に記録してユーザに提供することにしてもよい。また、プログラムはインターネットなどの通信回線を介して、装置にダウンロードするようにしてもよい。上記のフローチャートで文章で説明された処理は、そのプログラムに従ってCPUなどにより実行される。
【0160】
なお、上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0161】
1 画像形成装置(用紙搬送装置の一例)
10 用紙
30 画像形成部
60 CPU
65a 制御プログラム
90 本体部(画像形成装置本体の一例)
103,303 給紙カセット(用紙載置部の一例)
100 両面印刷ユニット(用紙搬送装置の一例、用紙搬送手段の一例)
120,220,320 給紙部
121,321 給紙ユニット(給紙手段の一例、スイッチバック手段の一例)
127 第2経路(第1の用紙搬送経路の一例)
129 第3経路(第1の用紙搬送経路の一例)
131 給紙ローラ
133 従動ローラ
140 スイッチバックエリア
150 用紙残量検知センサ(用紙残量検知手段の一例)
223 給紙接続路(第2の用紙搬送経路の一例)
250 搬送ガイド(搬送経路切替手段の一例)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙に画像を形成する画像形成部を有する画像形成装置本体と共に用いられる用紙搬送装置であって、
用紙載置部から前記画像形成部に用紙を給紙する給紙手段と、
前記画像形成部により片面に画像が形成された用紙を、前記画像形成部よりも用紙搬送方向の下流側から前記画像形成部よりも用紙搬送方向の上流側に搬送可能な用紙搬送手段と、
前記用紙搬送手段により搬送される用紙を、前記用紙載置部又はその近傍のスイッチバックエリアでスイッチバックさせ、前記片面への画像形成時から表裏反転した状態で前記画像形成部に搬送するスイッチバック手段とを備える、用紙搬送装置。
【請求項2】
前記給紙手段は、用紙の給紙時においてその用紙を挟むように、互いに対向して配置されている一対のローラである、請求項1に記載の用紙搬送装置。
【請求項3】
前記給紙手段は、
用紙の給紙時に前記用紙載置部に載置された用紙の上面に接触して回転することでその用紙を給紙する給紙ローラと、
前記給紙ローラに従動し、用紙の給紙時にその用紙の下面に接触する従動ローラとを有する、請求項1又は2に記載の用紙搬送装置。
【請求項4】
前記スイッチバック手段は、前記給紙手段と同じ部材で構成され、
前記給紙手段は、少なくとも、前記用紙搬送手段により搬送される用紙を前記スイッチバックエリアに搬送する第1の動作状態と、前記スイッチバックエリアに搬送された用紙を再度前記画像形成部に給紙する第2の動作状態とで動作可能である、請求項1から3のいずれかに記載の用紙搬送装置。
【請求項5】
前記給紙手段は、前記第1の動作状態では、前記用紙搬送手段により搬送される用紙を受け入れ可能な受け入れ位置に位置し、前記第2の動作状態では、スイッチバックする用紙を再度給紙するための再給紙位置に位置する、請求項4に記載の用紙搬送装置。
【請求項6】
前記給紙手段は、前記第2の動作状態では、前記用紙載置部からの用紙の給紙時と略同位置である給紙位置に位置し、前記第1の動作状態では、前記給紙位置よりも上方で前記用紙から離れたスイッチバック位置に位置する、請求項4又は5に記載の用紙搬送装置。
【請求項7】
前記用紙載置部は、用紙の給紙時において第1の位置に位置し、前記用紙のスイッチバック時において前記第1の位置から第2の位置に退避することにより前記スイッチバックエリアを確保する、請求項1から6のいずれかに記載の用紙搬送装置。
【請求項8】
前記第2の位置は、前記第1の位置から下方の位置である、請求項7に記載の用紙搬送装置。
【請求項9】
前記用紙搬送装置は、
前記用紙載置部の用紙の残量を検知する用紙残量検知手段と、
前記用紙残量検知手段の検知結果に基づいて前記給紙手段又は前記用紙載置部の位置を制御する位置制御手段とをさらに備える、請求項5から8のいずれかに記載の用紙搬送装置。
【請求項10】
前記用紙搬送装置は、前記画像形成部よりも用紙搬送方向の下流側から前記スイッチバックエリアに用紙を搬送するための第1の用紙搬送経路と、前記スイッチバックエリアから前記画像形成部へ用紙を搬送するための第2の用紙搬送経路とを切り替える搬送経路切替手段をさらに備える、請求項1から9のいずれかに記載の用紙搬送装置。
【請求項11】
前記搬送経路切替手段は、前記給紙手段又は前記用紙載置部に連動して前記切り替えを行う、請求項10に記載の用紙搬送装置。
【請求項12】
請求項1から11のいずれかに記載の用紙搬送装置と、
前記給紙手段により給紙された用紙に画像を形成する画像形成部とを備える、画像形成装置。
【請求項13】
用紙に画像を形成する画像形成部を有する画像形成装置本体と共に用いられ、
用紙載置部から前記画像形成部に用紙を給紙する給紙手段と、
前記画像形成部により片面に画像が形成された用紙を、前記画像形成部よりも用紙搬送方向の下流側から前記画像形成部よりも用紙搬送方向の上流側に搬送可能な用紙搬送手段とを備えた用紙搬送装置の制御方法であって、
前記用紙搬送手段により搬送される用紙を、前記用紙載置部又はその近傍に設けられたスイッチバックエリアでスイッチバックさせ、前記片面への画像形成時から反転された状態で前記画像形成部に搬送するスイッチバックステップを備える、用紙搬送装置の制御方法。
【請求項14】
用紙に画像を形成する画像形成部を有する画像形成装置本体と共に用いられ、
用紙載置部から前記画像形成部に用紙を給紙する給紙手段と、
前記画像形成部により片面に画像が形成された用紙を、前記画像形成部よりも用紙搬送方向の下流側から前記画像形成部よりも用紙搬送方向の上流側に搬送可能な用紙搬送手段とを備えた用紙搬送装置の制御プログラムであって、
前記用紙搬送手段により搬送される用紙を、前記用紙載置部又はその近傍に設けられたスイッチバックエリアでスイッチバックさせ、前記片面への画像形成時から反転された状態で前記画像形成部に搬送するスイッチバックステップをコンピュータに実行させる、用紙搬送装置の制御プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−84346(P2011−84346A)
【公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−235859(P2009−235859)
【出願日】平成21年10月13日(2009.10.13)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】