説明

画像の動きを補償する装置及び方法

実施形態例は、動き推定回路(112)、フロントエンド動き補償回路(110)及びビデオ信号変換回路(134、136)を有するビデオ画像ディスプレイ・システムに関する。動き推定回路は動きベクトルを入力ビデオ信号の関数として生成し、フロントエンド動き補償回路は入力ビデオ信号を、一般的なビデオ表示のための動きベクトルの関数として処理し、ビデオ信号変換回路は、フロントエンド動き補償回路から処理済ビデオ信号を受信し、特定のビデオ表示のための表示信号を処理済ビデオ信号及び動きベクトルの関数として生成する。一実施例では、スケーラ(120)が、特定のディスプレイ・タイプのためにビデオ信号をスケーリングするよう実施され、動き補償の成分は、スケーラとともに用いるよう実施される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像処理に関し、特に、動き補償に係わる画像処理に関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオ・カメラやフィルム・カメラなどのイメージング機器は通常、動くビデオをピクチャ・ストリームとして記録する。ストリーム内の各ピクチャは、特定時点で記録されたシーンを表す。このストリームの再生に用いる表示装置がピクチャ間の時間的距離を維持する場合、元の平滑な動きが維持される。このことは例えば、一部の伝統的な陰極線管(CRT)ディスプレイの場合に当てはまる。しかし、いくつかの表示手法は、各ピクチャを構成する色成分(例えば、RGB)、又は各色を構成するグレイ値を時間系列的に描写することに依拠している。前者の例には、単一パネルの反射型液晶(LCoS)プロジェクタがある。後者の例には、プラズマ・ディスプレイ及びディジタル光処理(DLP)ディスプレイがある。多くの応用例では、前者のLCoSプロジェクタに当てはまる原理は、プラズマ・ディスプレイ及びDLPディスプレイにも当てはまる。
【0003】
テレビジョン・ディスプレイの応用例をはじめとする多くのディスプレイの応用例では、ビデオ信号の処理及び表示の特性によって、アーチファクトと呼ばれる、不必要なビデオの収差が生じる。アナログ・ビデオ信号内のアーチファクトには、例えば、影付きの画像又は白斑で覆われた画像があり得る。ディジタル・ビデオ信号の場合、アーチファクトは多くの場合、ディスプレイの部分内の急な変動、ディスプレイの部分内の変退色又は色割れとして生じる。動画像専門家グループ(MPEG)標準を使用したものなどの多くのディジタル・アプリケーションでは、前述及び他のアーチファクトは、信号圧縮の結果として、又はフレームが順次提示される速度の結果として生じる。
【0004】
単一パネルのLCoSディスプレイ内では、原色を表す信号は順次に、例えば、R、次いでG、次いでBが表示される。更に、いわゆる「色割れ」アーチファクトを最小にするために、表示フレーム・レートが、ピクチャ・レートに対して、例えば、60Hzから180Hzに増やされる。この特定のケースでは、単一の時点を表す各入力ピクチャは、3フレーム(180/60)×3色フィールド/フレーム(RGB)=9連続フィールドとして表示される。例えば、時点tでの2つの連続ピクチャRGB[t] RGB[t+Tl]は、R[t] G[t+T2] B[t+2T2] R[t+3T2] G[t+4T2] B[t+5T2] R[t+6T2] G[t+7T2] B[t+8T2] R[t+T1] G[t+T1+T2]等として表示され、T1は元のピクチャ間の時間に等しく、T2=T1/9である。このことは、どのようにして9個の色成分のうちの8個が時間的に間違った時点で(すなわち、時点tでなく)表示され、動きジャダと呼ばれる可視アーチファクトにつながるかを示す。動きの描写を、動きベクトルを用いた入力ピクチャ間の内挿によって正しい動き位相が算出される方法である動き補償フレーム・レート・アップコンバージョンを施すことによって改良することが可能である。
【0005】
動き補償の背景情報については、それぞれの内容全体を本明細書及び特許請求の範囲に援用するSiemens A. G.による独国特許第195 10 389号明細書、並びにDe Haanらによる米国特許第6,208,760号明細書及び米国特許第6,278,736号明細書を参照することができる。前述の動き補償手法は、不適切なタイミングの課題を解決及び/又は補正するよう実施することが可能である一方、多くの場合、実施するうえで特定の回路や他のサポート・アイテムを必要とする。多くの動き補償手法は、一般に、複雑である、かつ/又は、はなはだしく費用がかかる。プラズマ・ディスプレイに係わるものなどの多くの応用例では、動き補償の費用はその実施に対して法外に高いものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の種々の局面は、動き補償に関し、より具体的な応用例では、動きベクトルの生成に係わる動き補償に関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態例によれば、ビデオ画像ディスプレイ・システムは、動き推定回路、フロントエンド動き補償回路及びビデオ信号変換回路を有する。動き推定回路は動きベクトルを入力ビデオ信号の関数として生成し、フロントエンド動き補償回路は入力ビデオ信号を、一般的なビデオ表示のための動きベクトルの関数として処理し、ビデオ信号変換回路は、フロントエンド動き補償回路からの処理済ビデオ信号を用いて、特定のビデオ表示のための表示信号を処理済ビデオ信号及び動きベクトルの関数として生成する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の他の局面は、上記回路のより具体的な実施形態例に関し、通信端末で動き推定データを処理するための関連した方法論に関する。
【0009】
上記要約は、本発明の各例証実施形態又は全実施形態を説明することを意図するものでない。添付図面、及び以下の詳細な説明は、前述の実施形態をより具体的に例示するものである。
【0010】
本発明は、添付図面に関して、本発明の種々の実施形態の以下の詳細な説明を検討することによってより完全に理解することができる。
【実施例】
【0011】
本発明は種々の修正及び代替の対象となるが、その具体的内容を例として添付図面に示しており、詳細に説明するものとする。しかし、記載した特定の実施形態に本発明を限定することを意図するものでないものとする。逆に、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨及び範囲内に収まる修正形態、同等物及び代替的形態全てを包含することを意図するものである。
【0012】
本発明は画像処理への適用可能性が高いものと考えられ、本発明は、動き補償に対して特に効果的であることが明らかになっている。本発明は前述の応用例に必ずしも限定されないが、本発明の種々の局面の理解は、前述の環境における例の記載によって最もうまく得られるものである。
【0013】
本発明の実施形態例によれば、ディスプレイ上に示す対象のビデオ画像は、ディスプレイでの動き推定処理の再使用を伴う動き補償手法を用いて処理される。動きベクトルを有する動き推定信号は、ディスプレイ・システムによる更なる使用のためのビデオ信号を処理するフロントエンド・タイプ回路で生成される。前述のフロントエンド・タイプの回路は、動き推定を使用する種々の回路(例えば、フィールド・レート・アップコンバート回路又はフレーム・レート・アップコンバート回路(例えば、フィルムからビデオへ、すなわち、24Hzから60Hzへ)、雑音除去回路、及び/又はデインターレース回路)のうちの1つ又は複数を有し得る。
【0014】
動き推定信号は、フロントエンド・タイプの回路によって用いられ、表示回路にも送られ、表示回路は、フロントエンド・タイプの回路によって処理されたビデオ信号を受信する。表示回路は、動き推定信号を用いて前述のものなどの動き関連表示状態を補償するよう構成される。場合によっては、動き推定信号は、分解能や時間位相などの、ディスプレイの特定の特性に合うよう調節される。この手法によって、動き推定を再使用し、よって、更なる動き推定信号を生成するための回路要件及び/又はメモリ要件を削減することが可能である。
【0015】
種々の実施形態では、動きベクトルは、適宜、アップコンバージョンに必要な特定の表示分解能及び時間位相について調節される。特に、分解能、表示のサイズ/形状、及び時間的空間的関係などのディスプレイ特有の特性が、通常のように、動きベクトルを調節する際に考慮に入れられる。
【0016】
図1は、本発明の別の実施形態例による、動き補償を用いるシステム100を示す構成図である。システム100は、動き推定回路112及びメモリ114に結合され、ディスプレイ・システム130によって用いるビデオ信号を生成するよう構成されたフロントエンド動き補償回路110を有する。動き補償回路110及び動き推定回路112は、入力ビデオ信号を受信し、メモリ114に記憶された情報を用いるよう結合される。動き推定回路112は、メモリ114内の情報を用いて入力ビデオ信号を処理して動きベクトルを生成するよう構成される。動きベクトルを、メモリ114内の情報とともに動き補償回路110によって用いて、ディスプレイ・システム130用の信号を生成する。ディスプレイ・システム130用に生成される信号は通常、各種のディスプレイに有用であり、生成信号の更なる処理が、ディスプレイの特定の特性に信号を合わせるためにディスプレイ・システムで行われる。任意的には、空間的スケーラ120を動き補償回路110とディスプレイ・システム130との間で用いて、動き補償回路130からの出力の空間的分解能をスケーリングしてディスプレイ・システム130の分解能に合わせる。
【0017】
動き推定回路112は、種々の画像部分が順次生成される場合に画像の特性を予測するのに用いる動きベクトルを生成するうえでの種々の手法のうちの1つ又は複数を用いる。例えば、前述のように、連続カラー表示(例えば、LCoSによる)又はグレイ値表示(例えば、DLPディスプレイによる)は、経時的に生じる、ビデオ内のシフトに関連したタイミング不一致を起こしやすい。この点で、動き推定回路112は、特定のビデオ信号成分の適切な特性(例えば、移動の速度及び方向)の推定を、画像を生成するのに用いるビデオ・フレームによって表す時点とは異なる時点で備えるよう構成される。この動き情報によって、ビデオ信号成分の既知の位置に対するビデオ信号成分の推定位置を判定することが可能である。
【0018】
動き補償回路110は、各種の回路及び機能のうちの1つ又は複数を備える。一実施形態では、動き補償回路110は、ビデオ信号をより高い時間周波数に変換して期間毎により多くの情報(例えば、フレーム)を有する信号を供給(し、ビデオ位置のより正確な表現を相応に供給)するよう構成されたフィールド・レート・アップコンバージョン回路又はフレーム・レート・アップコンバージョン回路を有する。別の実施形態では、動き補償回路110は、インターレース・ビデオ・フィールドをプログレッシブ走査フレームに合成するよう構成されたデインターレース回路を備える。更に別の実施形態では、動き補償回路110は、デインターレース機能及びアップコンバート機能の組み合わせを有する。動き補償回路110は任意的には、入力ビデオ上の特性によって非活性化される(例えば、アップコンバージョンが入力ビデオには必要でない場合、動き補償回路110は必要でない場合がある。)。
【0019】
動き補償回路110は動き推定回路112からの動きベクトルを用いて、特定の時点でのビデオ信号の成分の位置を判定する。例えば、色連続表示(例えば、LCoS)が用いられる(例えば、ビデオ信号(フレーム)の赤色成分の表示に、ビデオ・フレームの緑色成分の表示が続く)場合、緑色成分の表示は、事実上遅れる。緑色成分の表示の遅れによって、赤色成分に対するビデオ信号(フレーム)の緑色成分の空間的時間的表現が不正確なものになってしまう。この点で、動きベクトルを動き補償回路110によって用いて、赤色成分が表示された後の時点で緑色成分の位置を推定(例えば、内挿)する。この推定は、例えば、表示されるフレームまでのビデオ・フレーム及びそのフレームに後続するビデオ・フレームのストリームを用いて、速度及び方向の動き関連特性を(動きベクトルを介して)生成し、表示する対象の時点で緑色成分の位置を適宜、推定する。この手法によって、ビデオ・フレームの緑色成分の、より時間精度の高い表示が容易になる。
【0020】
一実施形態では、動きベクトルを用いた入力ピクチャ間の内挿によって正しい動き位相が算出される手法である動き補償フレーム・レート・アップコンバージョンを用いて動き描写を拡充する。この内挿には通常、動きベクトルを用いることが係わる。前述の動き補償の手法及びシステムに関するより具体的な情報、及び、本発明の種々の実施形態例に関して実施することが可能な動き推定処理に関する具体的な情報については、内容全体を本明細書及び特許請求の範囲に援用するDe Haanらによる米国特許第6,208,760号明細書及び米国特許第6,278,736号明細書を参照することができる。この動き補償フレーム・レート・アップコンバージョンは、本明細書記載の動きベクトルの使用に係わる手法を用い、一部の場合には、上記参照特許文献のうちの一方又は両方に記載の手法によって生成された動きベクトルを再利用して実施される。
【0021】
メモリ114は、フロントエンド動き補償回路110によって用いる1つ又は複数の先行フレームを記憶して連続したフィールド又はフレーム間で内挿するのに用いられる。メモリ114は又、連続したフィールド又はフレーム間の動きの速度及び方向を推定するのに動き推定回路112によって用いられる。
【0022】
ディスプレイ・システム130は、動き補償回路110によって生成された(、かつ、任意的には、空間スケーラ120によってスケーリングされた)信号を受信するよう結合された動き補償回路134を有する。動き補償回路134は、動きベクトル精緻化回路136との間で、かつ、動き補償回路110から受信されるにつれ内挿される対象のビデオ・フレームを保持するメモリ132との間で動き情報を通信するよう結合される。動き補償回路110によって生成される信号を動き補償回路134によって、ビデオ・ディスプレイ138の特性に一致するよう調節する。LCoSパネルやDLPディスプレイなどのビデオ・ディスプレイ138は、動き補償回路134からの処理済ビデオ信号を受信し、表示するよう結合される。
【0023】
動きベクトル精緻化回路136は、動き推定回路112によって生成される動きベクトルを受信し、動き補償回路134によって用いる動きベクトルを処理するよう結合される。動きベクトル精緻化回路136によって用いる処理情報は、メモリ132に記憶し得る。場合によっては、動きベクトル精緻化回路136は又、アップコンバージョン回路110(又はスケーリング回路120)からのビデオ・データを受信し、用いて、動き補償回路134によって用いる動きベクトルを処理する。
【0024】
受信動きベクトルは、ビデオ・ディスプレイ138の特性の関数として動きベクトル精緻化回路136によって事実上合わせられる。例えば、動き推定回路112によって生成される動きベクトルは、動き補償回路110に一般的に合わせられており、それは、ビデオ・ディスプレイ138との互換性を有するビデオ信号の生成に必ずしも関するものでない。この点で、ビデオ・ディスプレイのサイズ、分解能、フレーム・レ―トや他の特性が、動きベクトル112を精緻化する場合に考慮に入れられる。例えば、動き推定回路112が、ビデオ・ディスプレイ138のアスペクト比とは異なるアスペクト比(幅:高さ)を有するディスプレイに適切な動きベクトルを生成する場合、動きベクトルによって示される方向及び速度は適宜調節される。動きベクトルの空間的時間的グリッドは、ディスプレイの空間的時間的グリッドに一致するよう適宜調節される。前述や他の精緻化は、例えば、動きベクトル精緻化回路136への制御入力を用いて行われ、かつ、記憶された精緻化特性を用いることに係わり得る。こうした精緻化特性は、例えば、ビデオ・ディスプレイ138の一部である小型ROM内に、又は、制御入力をやはり供給する外部CPU(例えば、ビデオ・ディスプレイ138を用いるテレビに組み込まれたCPU)に記憶することができる。
【0025】
別の実施形態では、動き補償回路110は、動き補償回路134及び動きベクトル精緻化回路126の機能を、メモリ132にデータを有するメモリ114とともに有する。動き推定回路110によって最終的に生成される信号はよって、ビデオ・ディスプレイ138に直接実施される。この点で、動き補償回路110は、この場合にビデオ・ディスプレイ138のタイプに特に合わせられる。
【0026】
図2は、動きベクトルが再利用され、色表示が連続する一般的な場合に関する動き補償に対する別の手法例を示す。ブロック210では、ビデオ信号が、雑音除去装置、アップコンバージョン装置及び/又はデインターレース装置などのフロントエンド装置で受信される。動きベクトルはブロック220でビデオ信号を用いて生成され、動きベクトルは、特定の時点でビデオ信号によって表される画像コンテンツの速度及び方向の特性を表す(、かつ、よって、動きベクトルは経時的に変動する。)。ブロック230では、動き補償タイプの関数が、ブロック220で生成された動きベクトルを用いてビデオ信号に対して行われる。その結果は、特定のビデオ・フレームの別々の成分の連続表示に通常関連した空間的時間的不一致に対する動き関連特性を補償するビデオ・データを有する処理済ビデオ信号である。
【0027】
処理済ビデオ信号が生成された後、動きベクトル精緻化信号がブロック240で動きベクトル及び表示制御信号の関数として生成される。場合によっては、動きベクトル精緻化信号は又、ビデオ信号(又はその処理済バージョン)の関数として生成される。動きベクトル精緻化信号は、ブロック220で生成される動きベクトルによって表されるが、特定のビデオ・ディスプレイに相当するようその特性を精緻化させた、ビデオ信号の成分の速度及び方向に関する情報を有する。ブロック250では、ビデオ信号が、ブロック210で受信されたビデオ信号の関数として特定のビデオ・ディスプレイ上にビデオを表示するよう生成され、(かつ、任意的には処理され、)かつ、動きベクトル精緻化信号がブロック240で生成される。特に、ビデオ信号が生成され、これは、ビデオ信号を表示する対象の特定のディスプレイに一致するアスペクト比、分解能、空間的時間的グリッドや他の特性を有する。
【0028】
図3は、本発明の別の実施形態例による、動き補償回路を有するテレビ装置300である。テレビ装置300は、ディスプレイ310、フロントエンド動き補償回路320、及びディスプレイ動き補償回路330を有する。ビデオ入力ジャック305はビデオ入力信号を受信し、この信号をフロントエンド動き補償回路320に転送し、このフロントエンド動き補償回路320は、ビデオ入力信号に対して動き補償を、生成動きベクトルの関数として行う。フロントエンド動き補償回路320は、動きベクトル及び動き補償ビデオを転送するようディスプレイ特有動き補償回路330に結合される。フロントエンド補償回路320によって行われる動き補償関数には例えば、フィールド・レート又はフレーム・レートのアップコンバージョン、雑音除去及びデインターレースなどの1つ又は複数の関数があり得る。前述の関数は一般に、ディスプレイ310の特性と無関係に実施することが可能である。フロントエンド動き補償回路320は、よって、種々のディスプレイ・タイプに適用可能である。
【0029】
ディスプレイ特有動き補償回路330は、ディスプレイ310の特定のタイプに合わせられる(例えば、ディスプレイの空間的時間的グリッド、分解能や他の特性を考慮に入れる。)。大半の場合には、ディスプレイ動き補償回路330は、ディスプレイ310と一体化させる。別の場合には、ディスプレイ動き補償回路330は、ディスプレイ310とは別個に実施することが可能である。何れの場合にも、ディスプレイ特有動き補償回路330は、ディスプレイ310の特定の特性に合うよう修正された動きベクトルを用いて(例えば、動き補償ビデオをアンプコンバートすることによって)動き補償ビデオを修正する。修正された動き補償ビデオは次いでディスプレイ310に送られ、ディスプレイ310では、ユーザがそれをみることが可能である。
【0030】
本発明は、上記特定の例に限定されるものとして解釈されるべきでない。例えば、上記手法の多くは、上記装置の代替策として、又は上記装置に加えて各種のイメージング装置によって実施することができる。例えば、プラズマ及び/又はDLPのタイプのディスプレイを、上記LCoSタイプのディスプレイの代わりに用いることが可能である。種々の修正形態、同等な処理、並びに、本発明が適用可能であり得る数多くの構造は、特許請求の範囲に相当に記載した本発明の範囲内に収まるものである。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施形態例による、動き補償システムを示す構成図である。
【図2】本発明の別の実施形態例による、動き補償手法の流れ図である。
【図3】本発明の別の実施形態例による、動き補償回路を有するディスプレイの図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデオ画像ディスプレイ・システムであって、
入力ビデオ信号及び記憶ビデオ・データの関数として動きベクトルを生成するよう構成された動き推定回路と、
前記入力ビデオ信号、前記動きベクトル及び記憶ビデオ・データの関数として処理済ビデオ信号を生成するよう構成されたフロントエンド動き補償回路と、
前記処理済ビデオ信号及び前記動きベクトルの関数として特定のビデオ・ディスプレイ用に表示信号を生成するよう構成されたビデオ信号変換回路とを備えることを特徴とするシステム。
【請求項2】
請求項1記載のシステムであって、前記フロントエンド動き補償回路が前記動き推定回路を備えることを特徴とするシステム。
【請求項3】
請求項1記載のシステムであって、前記フロントエンド動き補償回路がアップコンバージョン回路であることを特徴とするシステム。
【請求項4】
請求項3記載のシステムであって、前記アップコンバージョン回路は、より高い周波数を有する信号に前記入力ビデオ信号を変換し、前記動きベクトルを用いて各時点で出力ビデオの動き位相を再生するよう構成されることを特徴とするシステム。
【請求項5】
請求項1記載のシステムであって、前記フロントエンド動き補償回路がデインターレース回路を備えることを特徴とするシステム。
【請求項6】
請求項1記載のシステムであって、前記ビデオ信号変換回路が、前記ビデオ信号変換回路によって用いる前記動きベクトルを処理するよう構成された動きベクトル精緻化回路を備えることを特徴とするシステム。
【請求項7】
請求項6記載のシステムであって、前記動きベクトル精緻化回路は、前記ビデオ信号変換回路が前記表示信号を生成するビデオ・ディスプレイの分解能及び時間的位相のうちの少なくとも一方の関数として前記動きベクトルを修正するよう構成されることを特徴とするシステム。
【請求項8】
請求項1記載のシステムであって、前記フロントエンド動き補償回路によって用いて、前記入力ビデオ信号を処理するための処理情報を記憶するための情報を記憶するよう構成されたメモリを更に備えることを特徴とするシステム。
【請求項9】
請求項1記載のシステムであって、前記ビデオ信号変換回路によって用いて、前記表示信号を生成するための処理情報を記憶するための情報を記憶するよう構成されたメモリを更に備えることを特徴とするシステム。
【請求項10】
請求項1記載のシステムであって、前記ビデオ信号変換回路は、前記フロントエンド動き補償回路から相当するビデオ信号を受信し、前記特定のビデオ・ディスプレイに対する前記ビデオ信号の成分の空間的時間的特性を推定することによって相当するビデオ信号を処理するよう構成されることを特徴とするシステム。
【請求項11】
請求項10記載のシステムであって、動き推定データを再利用する手段を更に備えることを特徴とするシステム。
【請求項12】
請求項1記載のシステムであって、前記フロントエンド動き補償回路は、動き補償関数を実施する計算手段を有することを特徴とするシステム。
【請求項13】
請求項12記載のシステムであって、前記ビデオ信号変換回路は、前記フロントエンド動き補償回路から相当するビデオ信号を受信し、前記特定のビデオ・ディスプレイに対する前記ビデオ信号の成分の空間的時間的特性を推定することによって相当するビデオ信号を処理するよう構成されることを特徴とするシステム。
【請求項14】
請求項1記載のシステムであって、前記フロントエンド動き補償回路は、時間的リフレッシュ・レートが高い関数を実施する計算手段を有することを特徴とするシステム。
【請求項15】
請求項1記載のシステムであって、前記フロントエンド動き補償回路は、色連続表示のための高分解能関数を実施する計算手段を有することを特徴とするシステム。
【請求項16】
請求項1記載のシステムであって、前記フロントエンド動き補償回路は、時間的リフレッシュ・レートが高い関数を実施し、色連続表示のための高分解能関数を実施する計算手段を有することを特徴とするシステム。
【請求項17】
請求項16記載のシステムであって、前記ビデオ信号変換回路は、前記フロントエンド動き補償回路から相当するビデオ信号を受信し、前記特定のビデオ・ディスプレイに対する前記ビデオ信号の成分の空間的時間的特性を算出することによって相当するビデオ信号を処理するよう構成されることを特徴とするシステム。
【請求項18】
ビデオ・ディスプレイに用いる、ビデオを生成する方法であって、
入力ビデオ信号及び記憶ビデオ・データの関数として動きベクトルを生成する工程と、
処理済ビデオ信号を前記入力ビデオ信号、前記動きベクトル及び記憶ビデオ・データの関数として生成する工程と、
前記処理済ビデオ信号及び前記動きベクトルの関数として特定のビデオ・ディスプレイ用の表示信号を生成する工程とを備えることを特徴とする方法。
【請求項19】
ビデオ画像ディスプレイ・システムであって、
入力ビデオ信号及び記憶ビデオ・データの関数として動きベクトルを生成する手段と、
処理済ビデオ信号を前記入力ビデオ信号、前記動きベクトル及び記憶ビデオ・データの関数として生成する手段と、
前記処理済ビデオ信号及び前記動きベクトルの関数として特定のビデオ・ディスプレイ用の表示信号を生成する手段とを備えることを特徴とするビデオ画像ディスプレイ・システム。
【請求項20】
ビデオ画像ディスプレイ・システムであって、
入力ビデオ信号及び記憶ビデオ・データの関数として動きベクトルを生成するよう構成された動き推定回路と、
前記入力ビデオ信号、前記動きベクトル及び記憶ビデオ・データの関数として処理済ビデオ信号を生成するよう構成されたフロントエンド動き補償回路と、
前記処理済ビデオ信号に応じて、スケーリングされたビデオ信号を供給するよう構成されたスケーラと、
前記スケーリングされたビデオ信号及び前記動きベクトルの関数として特定のビデオ・ディスプレイ用に表示信号を生成するよう構成されたビデオ信号変換回路とを備えることを特徴とするビデオ画像ディスプレイ・システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−525703(P2007−525703A)
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−550444(P2006−550444)
【出願日】平成17年1月24日(2005.1.24)
【国際出願番号】PCT/IB2005/050276
【国際公開番号】WO2005/073945
【国際公開日】平成17年8月11日(2005.8.11)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】