説明

画像データ処理装置

【課題】高速再生の停止がユーザの所望する画像より遅い場合と、早い場合におけるユーザの場面探索の利便性を向上させること。
【解決手段】MPEG方式の動画像圧縮技術により符号化されたデータを復号して出力する画像データ処理装置であって、高速再生停止後、高速再生の停止指示を受けた時点で出力している画像と、予め指定された枚数の画像を前記出力画像から再生順方向と、再生逆方向の画像とをビデオデコーダ部から受信、画像一覧として出力する映像出力制御部を具備する画像データ処理装置により、高速再生の停止がユーザの所望する画像より遅い場合と、早い場合におけるユーザの場面探索の利便性が向上できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、MPEG(Moving Picture Experts Group)の動画像圧縮技術により符号化されたデータを復号して出力する画像データ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
MPEG方式の動画像圧縮技術には、フレーム間予測と呼ばれる圧縮技術を用いる。フレーム間予測により符号化された符号化データの復号の際には、当該フレームの符号化データのみならず、予め復号化された当該フレームの過去または、未来の復号化データが必要である。
【0003】
符号化データには、当該フレームの符号化データのみで復号が可能なIピクチャ(Intra Picture)、当該フレームの符号化データと以前に復号化された過去のIピクチャまたはPピクチャから復号が可能なPピクチャ(Predictive Picutre)、当該フレームの符号化データと以前に復号化された過去および未来のIピクチャまたはPピクチャから復号が可能なBピクチャ(Bidirectionally Predictive Picture)の3種類がある。
【0004】
Bピクチャは復号化の際、未来のデータを必要とするため符号化する場合には順を入れ替えて符号化する。IピクチャとPピクチャは未来のデータを必要としないため符号化する場合には順を入れ替えず符号化する。
【0005】
MPEG方式における高速再生では、画像の表示間隔を短くし、再生速度と処理性能によってはBピクチャを破棄して表示または、Bピクチャ及び、Pピクチャを破棄して表示する方法が一般的である。
【0006】
このような高速再生において、ユーザの主な場面探索方法は、高速再生中の表示画像を目視し、ユーザの任意の操作タイミングで再生を開始する方法である。しかし、所望の画像を発見してから操作した場合は、実際の操作と画像データ処理装置の処理の差分により、所望の画像から行き過ぎて高速再生を停止し、行き過ぎることを見越して早めに操作した場合は、所望の画像より高速再生の停止が早すぎる傾向にある。また、高速再生の停止と再開を繰り返すことでようやく所望の画像に到達することもある。
【0007】
従来の画像データ処理装置において、高速再生中に復号し、表示した画像を保持し、高速再生を停止したときに、保持していた表示中の画像とそれ以前の画像を一覧表示し、一覧表示した画像のうち、ユーザが選択した画像から再生できるようにすることで、ユーザが所望する画像から行き過ぎた画像で停止した場合における場面探索の利便性を向上させる方法がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−33841号公報(第1頁、第1図等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来の画像データ処理装置においては、高速再生による場面探索で、ユーザの所望する画像より高速再生の停止が遅い場合の利便性向上に対応しているが、高速再生の停止が早い場合の利便性向上には対応できていない、という課題があった。
【0010】
本発明は、高速再生を停止したときに出力中の画像と、高速再生停止以前に出力した画像と、停止以降に出力する予定の画像を一覧として表示することで、高速再生の停止がユーザの所望する画像より遅い場合と、早い場合におけるユーザの場面探索の利便性が向上する画像データ処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の態様において、画像データ処理装置は、MPEG方式の動画像圧縮技術により符号化されたデータを復号して出力する画像データ処理装置であって、高速再生停止後、高速再生の停止指示を受けた時点で出力している画像と、予め指定された枚数の画像を前記出力画像から再生順方向と、再生逆方向の画像とをビデオデコーダ部から受信、画像一覧として出力する映像出力制御部を具備する画像データ処理装置である。
【0012】
かかる構成により、出力画像から予め指定された枚数の再生順方向および再生逆方向の画像を画像一覧として出力するので、高速再生の停止がユーザの所望する画像より遅い場合と、早い場合におけるユーザの場面探索の利便性が向上する。
【0013】
また、本発明の第2の態様において、画像データ処理装置は、第1の態様に対して、前記映像出力制御部は、前記画像一覧からユーザが指定した画像を開始点として、通常再生、高速再生または、コマ送りの開始を制御する機能を有する画像データ処理装置である。
【0014】
かかる構成により、画像一覧からユーザが指定した画像を開始点として、通常再生、高速再生または、コマ送りを開始するので、高速再生の停止がユーザの所望する画像より遅い場合と、早い場合におけるユーザの場面探索の利便性が向上する。
【0015】
また、本発明の第3の態様において、画像データ処理装置は、第1の態様に対して、前記映像出力制御部は、画像一覧を出力するとき、予め指定された枚数の画像を間引いて画像一覧として出力する機能を有する画像データ処理装置である。
【0016】
かかる構成により、予め指定された枚数の画像を間引いて画像一覧として出力するので、動画像データの時間軸上で探索対象の画像をより広い範囲を表示でき、高速再生の停止がユーザの所望する画像より遅い場合と、早い場合におけるユーザの場面探索の利便性が向上する。
【0017】
また、本発明の第4の態様において、画像データ処理装置は、第1の態様に対して、高速再生で出力対象となる画像を予め指定された枚数だけ復号、保持してから高速再生を開始し、予め指定された枚数だけ画像を出力したとき、保持している出力済みの画像の中で、最も古い画像を破棄し、高速再生を停止したとき、保持している画像の情報を前記映像出力制御部に送信するビデオデコーダ部を具備する画像データ処理装置である。
【0018】
かかる構成により、予め指定された枚数だけ画像を出力したとき、保持している出力済みの画像の中で、最も古い画像を破棄するので、高速再生の停止がユーザの所望する画像より遅い場合と、早い場合におけるユーザの場面探索の利便性が向上する。
【0019】
また、本発明の第5の態様において、本発明の画像データ処理装置は、高速再生で出力対象となる画像を高速再生するためのビデオデコーダ部と、高速再生停止後、高速再生の停止指示を受けた時点で出力している画像及び出力画像から、所定の枚数の再生順方向及び再生逆方向の画像を前記ビデオデコーダ部から受信し、画像一覧として出力する映像出力制御部と、を備え、前記ビデオデコーダ部は、高速再生中、出力対象画像を保持し、当該出力対象画像を出力タイミングにあわせ出力し、所定の枚数だけ出力すると、保持している出力済みの画像の中で最も古い画像を破棄し、高速再生を停止すると、保持している画像の情報を前記映像出力制御部に出力する出力部と、前記出力部とは非同期で動作し、出力対象画像を復号するデコーダ部と、を有する。
【0020】
かかる構成により、十分なデコード性能を持ったデコーダ部が高速再生中にデコード画像を保持することで、高速再生の停止がユーザの所望する画像より遅い場合と、早い場合におけるユーザの場面探索の利便性が向上する。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る画像データ処理装置によれば、高速再生の停止がユーザの所望する画像より遅い場合と、早い場合におけるユーザの場面探索の利便性が向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】実施の形態1による画像データ処理装置1の構成を示すブロック図
【図2】実施の形態1によるビデオデコーダ部16のフローチャート
【図3】実施の形態1による字幕デコーダ部17のフローチャート
【図4】実施の形態1によるオーディオデコーダ部15のフローチャート
【図5】実施の形態1による映像出力制御部18のフローチャート
【図6】実施の形態1による高速再生の方法を説明するための図
【図7】高速再生開始から停止までの映像出力制御部18の動作を説明するための図
【図8】実施の形態1による映像制御部18の一覧表示を説明するための図
【図9】実施の形態1の変形例1によるデコーダ部160Aのフローチャート
【図10】実施の形態1の変形例1による出力部161Aのフローチャート
【図11】実施の形態1の変形例2による映像制御部18Aの一覧表示を説明するための図
【図12】実施の形態1の変形例2による映像制御部18Aの一覧表示を説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
【0024】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1において、高速再生開始時に予め復号した画像を保持することで、高速再生停止以前に出力した画像と、停止以降に出力する予定の画像を一覧として表示する方法について説明する。
【0025】
実施の形態1に係る画像データ処理装置1は、MPEG方式の動画像圧縮技術により符号化されたデータを復号して出力することができ、通常のAV再生だけでなく字幕再生や、早送り、早戻しといった高速再生、コマ送り等も可能である画像データ処理装置である。
【0026】
MPEG方式とは、MPEG2、MPEG4−SP、MPEG4−AVCなどMPEG全般が対象である。
【0027】
図1を参照して、実施の形態1における画像データ処理装置1の構成について説明する。図1は、本実施の形態における画像データ処理装置1のブロック図である。図1に示す画像データ処理装置1は、スピーカ2と、表示デバイス3と、ディスク4やメモリカード5の記録媒体に記録されたデータの入力を制御する入力制御部10と、メモリ11と、CPU12と、ユーザインターフェース13と、多重分離部14と、オーディオデコーダ部15、ビデオデコーダ部16、字幕デコーダ部17、映像出力制御部18、とを備える。
【0028】
ディスク4やメモリカード5に記録されたデータには、画像データ処理装置1で出力可能な、MPEG方式の動画像圧縮技術により符号化されたデータが含まれる他、音声データや字幕データも含まれる。
【0029】
入力制御部10は、CPU12の制御により、ディスク4やメモリカード5に記録されたデータの入力を制御する。入力制御部10は、ディスク4やメモリカード5から入力されたデータをメモリ11に出力する。
【0030】
多重分離部14は、CPU12の制御により、メモリ11から出力されたデータを、オーディオデータ、MPEG方式で符号化された動画像データ(以下、MPEG動画像データと称する)、字幕データに分離する。多重分離部14は、分離されたオーディオデータをオーディオデコーダ部15に、動画像データをビデオデコーダ部16に、字幕データを字幕デコーダ部17に、それぞれ出力する。
【0031】
ビデオデコーダ部16は、デコーダ部160と、出力部161から構成される。デコーダ部160は、高速再生で出力対象となるMPEG動画像データを構成する画像を「予め指定された枚数」だけ復号、保持してから高速再生を開始し、「予め指定された枚数」だけ画像を映像出力制御部18へ出力したとき、保持している出力済みの画像の中で、「最も古い画像」を破棄する。デコーダ部160は、高速再生を停止したとき、その時点でデコーダ部160が保持している画像の情報を、出力部161から映像出力制御部18に出力する。
【0032】
ここで、「予め指定された枚数」とは、画像データ処理装置が1内部に持つ設定記憶部に固有で保持する値でも、ユーザがユーザインターフェース13を介して予め設定する値でも良い。また、再生順方向の枚数、再生逆方向の枚数、それぞれに対して別々の値を、ユーザがユーザインターフェース13を介して予め指定しても良い。
【0033】
ここで、「最も古い画像」とは、早送りの場合、時間情報が最も古い先頭方向の画像を指し、早戻しの場合、時間情報が最も新しい終端方向の画像を指す。
【0034】
デコーダ部160は出力対象画像を復号したとき、出力対象画像の時間情報を、出力部161からオーディオデコーダ部15と字幕デコーダ部17とに出力する。デコーダ部160は出力済み画像を破棄したとき、破棄画像の時間情報を、出力部161からオーディオデコーダ部15と字幕デコーダ部17とに出力する。
【0035】
デコーダ部160は、出力対象画像を、再生速度、1枚あたりの表示時間、デコーダ性能等から判定する。
【0036】
映像出力制御部18は、高速再生停止後、高速再生の停止指示を受けた時点で出力している画像と、出力画像から「予め指定された枚数」の再生順方向および再生逆方向の画像とを、ビデオデコーダ部16から受けて、表示デバイス3へ画像一覧として出力する。このとき、映像出力制御部18は、画像一覧に出力される画像に対応する音声認識データ及び字幕データを、それぞれオーディオデコーダ部15と字幕デコーダ部17とから受信する。
【0037】
高速再生の再生方向は、早送り、早戻しのどちらの方向でも実施可能である。再生順方向とは、早送りなら、動画像データの終端方向を、早戻しなら動画像データの先頭方向を指し、再生逆方向とは、早送りなら、動画像データの先頭方向を、早戻しなら動画像データの終端方向を指す。
【0038】
映像出力制御部18は、画像一覧を表示デバイス3に表示中、ユーザからユーザインターフェース13を介して、音声認識データ表示への切り替えを要求された場合、画像一覧を各画像と画像に対応した音声認識データとの合成表示に切り替える。
【0039】
ここで、音声認識データとは、オーディオデコーダ部15の音声認識部150が、音声データを復号し、音声認識処理して得られる文字列情報である。
【0040】
また、合成表示の実施方法は、画像と文字列が被る形で表示しても、画像と文字列の関連がわかる程度に被らない形で表示してもよい。画像の出力、表示とは、ディスプレイへの表示、プロジェクターを用いた投影、プリンタへの印字、外部の装置への送信、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラム等への処理結果の引渡し等を含む概念である。
【0041】
同様に、映像出力制御部18は、画像一覧を表示デバイス3に表示中、ユーザからユーザインターフェース13を介して、字幕データ表示の切り替えを要求された場合、画像一覧を各画像と画像に対応した字幕データとの合成表示に切り替える。さらに、映像出力制御部18は、画像一覧を表示デバイス3に表示中、ユーザからユーザインターフェース13を介して、時間表示の切り替えを要求されたとき、画像一覧を各画像と画像に対応した時間情報との合成表示に切り替える。
【0042】
また、映像出力制御部18は、ユーザがユーザインタフェース13を介して指定した画像を開始点として、通常再生、高速再生または、コマ送りを開始する。
【0043】
映像出力制御部18は、ディスプレイ等の出力デバイス3を含んでも良い。映像出力制御部18は、出力デバイス3のドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
【0044】
オーディオデコーダ部15は、音声認識部150と、デコーダ部151と、出力部152とから構成される。デコーダ部151がデコーダ部160から出力対象画像の時間情報を受信すると、時間情報を基準に予め指定された範囲の時間だけ音声データを復号し、音声認識部150が復号した音声データを音声認識処理し、音声認識データの作成と保持する。そして、音声認識部150は、デコーダ部160から破棄画像の時間情報を受信すると、破棄画像の時間情報に対応する音声認識データを破棄し、高速再生を停止すると、保持している音声認識データの情報を、出力部152を介して、映像出力制御部18に出力するする。
【0045】
字幕デコーダ部17は、デコーダ部160から出力対象画像の時間情報を受信すると、時間情報を基準に、予め指定された範囲の時間だけ字幕データの復号と保持する。そして、字幕デコーダ部17は、破棄画像の時間情報を受信すると、破棄画像の時間情報に対応した字幕データを破棄し、高速再生を停止すると、保持している字幕データの情報を映像出力制御部18に送信する。
【0046】
映像出力制御部18、ビデオデコーダ部16、オーディオデコーダ部15、字幕デコーダ部17は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。字幕デコーダ部17の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0047】
次に、画像データ処理装置1の動作について図2〜図5に示すフローチャートを用いて説明する。図2に示すフローチャートは、ビデオデコーダ部16の動作を示し、図3に示すフローチャートは、字幕デコーダ部17の動作を示し、図4に示すフローチャートは、オーディオデコーダ部15の動作を示し、図5に示すフローチャートは、映像出力制御部18の動作を示す。
【0048】
ここで、図2を参照して、ビデオデコーダ部16のデコーダ部160の動作を説明する。図2に示すフローチャートのステップは、ステップS001からS012で構成される。
【0049】
(ステップS001)
デコーダ部160は、高速再生中の場合、停止要求があるかどうかを判定する。
【0050】
(ステップS002)
デコーダ部160は、ステップS001の判定で高速再生の継続を判定したとき、動画像データのフレームヘッダを検索し、発見した動画像データのフレームヘッダの解析を行う。
【0051】
(ステップS003)
デコーダ部160は、ステップS002の解析結果から、発見した画像が高速再生で出力対象の画像であるかどうかを判定する。
【0052】
(ステップS004)
デコーダ部160は、ステップS003の判定で出力対象外と判定したとき、対象画像のデータを破棄して、ステップS001に戻る。
【0053】
(ステップS005)
デコーダ部160は、ステップS003の判定で出力対象と判定したとき、対象画像のデコード処理と、デコード画像の蓄積を行う。
【0054】
(ステップS006)
デコーダ部160は、ステップS005のデコードで得られた時間情報を、出力部161からオーディオデコーダ部15、字幕デコーダ部17に出力する。
【0055】
(ステップS007)
デコーダ部160は、蓄積されたデコード画像の枚数を判定する。判定条件は、枚数が予め指定された再生順方向枚数(以降nとする)+1以上であるかどうかである。n+1未満ならステップS001に戻り、n+1以上ならステップS008の処理を行う。
【0056】
(ステップS008)
デコーダ部160は、最も古い未出力のデコード画像を、再生速度や画像の時間情報等の応じた時間だけ出力する。最も古いとは、早送りの場合、時間情報が最も古い先頭方向の画像、早戻しの場合、時間情報が最も新しい終端方向の画像である。
【0057】
(ステップS009)
デコーダ部160は、表示デバイス3に表示中されている画像を除き、出力済みのデコード画像の枚数を判定する。判定条件は、枚数が予め指定された再生逆方向枚数(以降mとする)+1以上であるかどうかである。m+1未満ならステップS001に戻り、m+1以上ならステップS010の処理を行う。
【0058】
(ステップS010)
デコーダ部160は、最も古い出力済みのデコード画像を破棄する。
【0059】
(ステップS011)
デコーダ部160は、ステップS010で破棄したデコード画像の時間情報を、出力部161からオーディオデコーダ部15、字幕デコーダ部17に出力する。ステップS001に戻る。
【0060】
(ステップS012)
デコーダ部160は、ステップS001で高速再生の停止要求があった場合に処理する。デコーダ部160は、ビデオデコーダ部16が保持している最大n+m+1枚のデコード画像の情報を、出力部161から映像出力制御部18に出力する。
【0061】
なお、図2に示すフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0062】
ここで、図3を参照して、字幕デコーダ部17の動作を説明する。図3に示すフローチャートのステップは、ステップS101からS106で構成される。
【0063】
(ステップS101)
字幕デコーダ部17は、高速再生中の場合、停止要求があるかどうかを判定する。
【0064】
(ステップS102)
字幕デコーダ部17は、ステップS101で高速再生の継続と判定すると、ビデオデコーダ部16からデコード画像の時間情報を受信しているかどうかを判定する。字幕デコーダ部17は、デコード画像の時間情報を受信していればステップS103の処理を、デコード画像の時間情報を受信していなければステップS104の処理を行う。
【0065】
(ステップS103)
字幕デコーダ部17は、デコード画像の時間情報を、受信したデコード画像の時間情報(以降Tとする)から予め指定された時間(以降T1とする)を引いた時間の範囲(T−T1からTまで)にある字幕データを検索、デコード、蓄積する。
【0066】
(ステップS104)
字幕デコーダ部17は、ビデオデコーダ部16から破棄したデコード画像の時間情報を受信しているかどうかを判定する。字幕デコーダ部17は、破棄したデコード画像の時間情報を受信していればステップS105の処理を、破棄したデコード画像の時間情報を受信していなければステップS101に戻る。
【0067】
(ステップS105)
字幕デコーダ部17は、受信したデコード画像の時間情報に対応した字幕データを破棄する。
【0068】
(ステップS106)
字幕デコーダ部17は、ステップS101で高速再生の停止要求があった場合に処理する。字幕デコーダ部17が保持している字幕データの情報を映像出力制御部18に出力する。
【0069】
なお、図3に示すフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0070】
ここで、図4を参照して、オーディオデコーダ部15の動作を説明する。図4に示すフローチャートのステップは、ステップS201からS207で構成される。
【0071】
(ステップS201)
音声認識部150は、高速再生中の場合、停止要求があるかどうかを判定する。
【0072】
(ステップS202)
音声認識部150は、ステップS201で高速再生の継続を判定すると、音声認識部150は、ビデオデコーダ部16からデコード画像の時間情報を受信しているかどうかを判定する。音声認識部150は、デコード画像の時間情報を受信していればステップS203の処理を、デコード画像の時間情報を受信していなければステップS205の処理を行う。
【0073】
(ステップS203)
デコーダ部151は、受信したデコード画像の時間情報から予め指定された時間(以下T2、T3とする)の範囲(T−T2からT+T3まで)のオーディオデータを検索、デコードする。
【0074】
(ステップS204)
音声認識部150は、ステップS203でデコードしたオーディオデータの音声認識処理をし、音声認識データを蓄積する。
【0075】
(ステップS205)
音声認識部150は、ビデオデコーダ部16から破棄したデコード画像の時間情報を受信しているかどうかを判定する。音声認識部150は、破棄したデコード画像の時間情報を受信していればステップS206の処理を、音声認識部150が破棄したデコード画像の時間情報を受信していなければステップS201に戻る。
【0076】
(ステップS206)
音声認識部150は、受信したデコード画像の時間情報に対応した音声認識データを破棄する。
【0077】
(ステップS207)
音声認識部150は、ステップS201で高速再生の停止要求があった場合に処理する。音声認識部150は、オーディオデコーダ部15が保持している音声認識データの情報を、出力部152を介して、映像出力制御部18に出力する。
【0078】
なお、図4に示すフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0079】
ここで、図5を参照して、映像出力制御部18の動作を説明する。図5に示すフローチャートのステップは、ステップS301からS314で構成される。
【0080】
(ステップS301)
映像出力制御部18は、高速再生中の場合、停止要求があるかどうかを判定する。
【0081】
(ステップS302)
映像出力制御部18は、ステップS301の判定で高速再生の継続を判定すると、映像出力制御部18は、ビデオデコーダ部16からデコード画像を受信しているかどうかを判定する。映像出力制御部18は、デコード画像を受信していればステップS303の処理を行う。映像出力制御部18がデコード画像を受信していなければステップS301に戻る。
【0082】
(ステップS303)
映像出力制御部18は、受信したデコード画像で、表示デバイス3の画像一覧に表示されている画面を更新する。そして、ステップS301に戻る。
【0083】
(ステップS304)
映像出力制御部18は、ステップS301で高速再生の停止要求があった場合に処理する。映像出力制御部18は、オーディオデコーダ部15、ビデオデコーダ部16、字幕デコーダ部17からそれぞれ音声認識データ、デコード画像、字幕データの情報を受信するのを待つ。
【0084】
(ステップS305)
映像出力制御部18は、ステップS304の受信待ち完了後、デコード画像の出力画面への一覧表示をする。
【0085】
(ステップS306)
映像出力制御部18は、字幕表示の切り替え要求があるかどうかを判定する。
【0086】
(ステップS307)
映像出力制御部18は、ステップS306で字幕表示の切り替え要求があると判定すると、映像出力制御部18は、一覧表示中の各画像と画像に対応した字幕データを、合成表示ONであれば合成して表示デバイス3に表示し、合成表示OFFであれば表示デバイス3に画像のみ表示するようにする。
【0087】
(ステップS308)
映像出力制御部18は、音声認識データ表示の切り替え要求があるかどうかを判定する。
【0088】
(ステップS309)
映像出力制御部18は、ステップS308で音声認識データ表示の切り替え要求があると判定すると、映像出力制御部18は、一覧表示中の各画像と画像に対応した音声認識データを、合成表示ONであれば合成して表示デバイス3に表示し、合成表示OFFであれば画像のみを表示デバイス3に表示する。
【0089】
(ステップS310)
映像出力制御部18は、時間情報データ表示の切り替え要求があるかどうかを判定する。
【0090】
(ステップS311)
映像出力制御部18は、ステップS310で時間情報データ表示の切り替え要求があると判定すると、映像出力制御部18は、表示デバイス3に表示されている画像一覧の各画像と各画像に対応した時間情報データとを、合成表示ONであれば合成して表示デバイス3に表示し、合成表示OFFであれば画像のみを表示デバイス3に表示する。
【0091】
(ステップS312)
映像出力制御部18は、再生開始の要求があるかどうかを判定する。要求がない場合、ステップS306に戻る。
【0092】
(ステップS313)
映像出力制御部18は、ステップS312で通常再生の開始を判定すると、映像出力制御部18は、選択されている画像から通常再生を開始する。
【0093】
(ステップS314)
映像出力制御部18は、ステップS312で高速再生の開始を判定すると、選択されている画像から高速再生を開始する。
【0094】
なお、図5に示すフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0095】
以下、本実施の形態に係る画像データ処理装置1の具体的な動作について、図6〜図8を用いて説明する。
【0096】
図6は、高速再生時の画像データ処理装置1の具体的な動作を説明するための図である。図中の矢印は再生方向を示す。図6に示すようにI〜I10で構成されるIピクチャのみを出力して早送りを行う高速再生の場合、ビデオデコーダ部16は、Pピクチャ(図中では、P、Pのみ示す)、Bピクチャ(図中、B〜Bのみ示す)のデコードをせず破棄、I〜I10で構成されるIピクチャをデコードする。そして、ビデオデコーダ部16は、指定された速度に応じた出力時間だけ、「予め指定された枚数」の画像を表示デバイス3に出力する。例えば10倍速でIピクチャの間隔が1秒毎であれば出力時間は100msとなる。
【0097】
図7は、高速再生を開始してから停止するまでの画像データ処理装置1の動作を説明するための図である。ユーザは、ユーザインターフェース13を介して、再生順方向枚数nと再生逆方向枚数mを設定することができる。本例ではn=4、m=4と設定する。
【0098】
図7において、画像データ処理装置1は、再生方向に向けて12枚の画像(IピクチャーI〜I12に対応)を処理するものとする。また、図7の縦軸は時間を示し、矢印の向きに時間が進んでいるものとする。
【0099】
図7に示すように、高速再生開始時、映像出力制御部18は、n+1の5枚のデコード済みの画像を蓄積する。高速再生直後、画像(IピクチャーIに対応)が映像出力制御部18から表示デバイス3に出力され、映像出力制御部18には、未出力のデコード画像(IピクチャーI〜Iに対応)が蓄積される。
【0100】
高速再生中、映像出力制御部18に出力済みの画像(IピクチャーI〜Iに対応)がm+1の5枚以上蓄積されると、映像出力制御部18は、表示デバイス3に表示中の画像(IピクチャーI〜Iに対応)から一番遠い、先頭方向の画像(IピクチャーIに対応)を削除する。
【0101】
高速再生停止時、ビデオデコーダ部16が保持しているn+m+1の9枚の画像の情報を映像出力制御部18に出力し、画像情報を受信した映像出力制御部18は、デコード画像を画像一覧として表示デバイス3で表示する。
【0102】
ここで、図8を参照して、画像一覧としてデコード画像を表示デバイス3に表示する例を説明する。図8は、画像一覧の表示例を示す図である。
【0103】
高速再生停止時、表示デバイス3に表示されている画像(IピクチャーIに対応)が、表示デバイス3の中心に表示されている。そして、表示デバイス3の左上に向かって動画の先頭方向の画像を、右下に向かって動画の終端方向の画像を表示している。
【0104】
図8に示す表示例では、各画像の左上に時間情報(例えば、0:12:20)を合成表示し、各画像の下に字幕データ(例えば、ggg ggg)を合成表示している。ただし、音声認識データは表示していない。ユーザは、ユーザインテーフェース13を介して、画像を選択して、時間情報、字幕データ、音声認識データをそれぞれについて、合成表示する。
【0105】
各データの表示選択は、例えば、地上デジタル放送に対応したリモコンであれば、各色のボタンの押下で選択できる。パーソナルコンピュータ上のソフトであれば、別途用意されたチェックボックス等で選択できる。
【0106】
以上、本実施の形態に係る画像データ処理装置1によれば、高速再生開始時に予め復号した画像を保持することで、高速再生停止以前に出力した画像と、停止以降に出力する予定の画像を一覧として表示できる。これにより、ユーザの場面探索の利便性を向上することができる。また、音声認識データ、字幕データ、時間情報の合成表示により判断材料が増えるため、場面探索の利便性を向上することができる。
【0107】
さらに、本実施の形態における処理は、ソフトウェアで実現しても良い。そして、このソフトウェアをソフトウェアダウンロード等により配布しても良い。また、このソフトウェアをCD−ROMなどの記録媒体に記録して流布しても良い。なお、このことは、本明細書における他の実施の形態においても該当する。
【0108】
(変形例1)
ここで、実施の形態1の変形例1である画像データ処理装置1Aにおいて、十分なデコード性能を持ったデコーダが高速再生中にデコード画像を保持することで、高速再生停止以前に出力した画像と、停止以降に出力する予定の画像を一覧として表示する方法について説明する。
【0109】
変形例1では、デコーダ部160Aと出力部161Aとで構成されるビデオデコーダ部16Aの動作が、実施の形態1におけるビデオデコーダ部16の動作と異なる。それ以外の構成は、実施の形態1と同じ機能を有するため、同じ参照番号を付記し、その詳細な説明を省略する。
【0110】
変形例1では、ビデオデコーダ部16Aは、高速再生中、出力対象画像を保持し、出力対象画像を出力タイミングにあわせ出力し、予め指定された枚数だけ出力したとき、保持している出力済みの画像の中で最も古い画像を破棄し、高速再生を停止したとき、予め指定された枚数だけ保持するまで待ち、保持している場合、保持画像の情報を映像出力制御部18に送信する出力部161Aと、出力部とは非同期で動作し出力対象画像を復号するデコーダ部160Aを有する。デコーダ部160Aは、高速再生における1枚あたりの表示時間より十分に速いデコード性能を持っている方が好ましい。
【0111】
ビデオデコーダ部16Aは、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。ビデオデコーダ部16Aの処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0112】
次に、実施の形態1の変形例である画像データ処理装置1Aの動作について、図9、10のフローチャートを用いて説明する。図9に示すステップS401からS406はビデオデコーダ部16A内のデコーダ部160Aの動作である。
【0113】
(ステップS401)
デコーダ部160Aは、高速再生中の場合、停止要求があるかどうかを判定する。
【0114】
(ステップS402)
デコーダ部160Aは、ステップS401の判定で高速再生の継続を判定したとき、動画像データのフレームヘッダを検索し、発見した符号化されている画像データのフレームヘッダの解析を行う。
【0115】
(ステップS403)
デコーダ部160Aは、ステップS402の解析結果から、発見した画像が高速再生で出力対象の画像であるかどうかを判定する。
【0116】
(ステップS404)
デコーダ部160Aは、ステップS403の判定で出力対象外と判定したとき、対象画像のデータを破棄して、ステップS401に戻る。
【0117】
(ステップS405)
デコーダ部160Aは、ステップS403の判定で出力対象と判定したとき、対象画像のデコード処理と、デコード画像の蓄積を行う。
【0118】
(ステップS406)
デコーダ部160Aは、ステップS405のデコードで得られた時間情報を、オーディオデコーダ部15、字幕デコーダ部17に送信し、ステップS401に戻る。
【0119】
図10に示すステップS410からS418はビデオデコーダ部16内の出力部161Aの動作である。
【0120】
(ステップS410)
出力部161Aは、高速再生中の場合、停止要求があるかどうかを判定する。
【0121】
(ステップS411)
出力部161Aは、ステップS410の判定で高速再生の継続を判定したとき、デコーダ部160がデコードした画像があるかどうか判定する。デコード画像がなければ、ステップS410に戻る。
【0122】
(ステップS412)
出力部161Aは、ステップS411の判定でデコード画像があると判定したとき、デコード画像が高速再生での出力タイミングになっているかどうか判定する。出力タイミングでなければ、ステップS410に戻る。
【0123】
(ステップS413)
出力部161Aは、ステップS412の判定で出力タイミングになっていれば、高速再生の速度等から算出された出力時間だけデコード画像を出力する。
【0124】
(ステップS414)
出力部161Aは、表示中を除く、出力済みのデコード画像の枚数を判定する。判定条件は、枚数が予め指定された再生逆方向枚数(以降mとする)+1以上であるかどうかである。m+1未満ならステップS410に戻り、m+1以上ならステップS415の処理を行う。
【0125】
(ステップS415)
出力部161Aは、最も古い出力済みのデコード画像を破棄する。
【0126】
(ステップS416)
出力部161Aは、ステップS415で破棄したデコード画像の時間情報を、オーディオデコーダ部15、字幕デコーダ部17に送信する。ステップS410に戻る。
【0127】
(ステップS417)
出力部161Aは、ステップS410で高速再生の停止要求があった場合に処理する。出力していないデコード画像の枚数を判定し、枚数が予め指定された再生順方向枚数(以降nとする)未満なら、本ステップを繰り返し、n枚以上ならステップS418の処理を行う。
【0128】
(ステップS418)
出力部161Aは、保持しているデコード画像の情報を映像出力制御部18に送信する。
【0129】
なお、図9、10のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0130】
以下、本実施の形態における画像データ処理装置1の具体的な動作について説明する。ユーザはユーザインターフェース13を利用して、再生順方向枚数nと再生逆方向枚数mを設定することができる。本例ではn=4、m=4と設定する。
【0131】
ビデオデコーダ部16A内のデコーダ部160Aは、高速再生開始後、Iピクチャのみを出力する早送りである場合、Iピクチャの検索とデコード処理を出力部161Aとは非同期で、処理性能に応じて行う。高速再生中、デコード画像がn+m+1の9枚の画像を蓄積したとき、Iピクチャの検索とデコード処理を停止し、出力部161Aのデコード画像の破棄を検出したとき、処理を再開する。
【0132】
ビデオデコーダ部16A内の出力部161Aは、高速再生中、デコーダ部160がデコードした画像があれば出力する。出力済みの画像がm+1の5枚以上蓄積されると表示中の画像から一番遠い、先頭方向の画像を削除する。高速再生を停止したとき、未出力のデコード画像nの4枚以上になるまで待ち、4枚以上になれば画像の情報を映像出力制御部18に送信し、受信した映像出力制御部18はデコード画像を一覧表示する。
【0133】
以上、本実施の形態によれば、十分なデコード性能を持ったデコーダが高速再生中にデコード画像を保持することで、高速再生停止以前に出力した画像と、停止以降に出力する予定の画像を一覧として表示できる。これにより、ユーザの場面探索の利便性を向上することができる。また、音声認識データ、字幕データ、時間情報の合成表示により、場面探索の際の判断材料を増えるため、場面探索の利便性を向上することができる。
【0134】
(変形例2)
実施の形態1の変形例2である画像データ処理装置1Bにおいて、高速再生停止以前に出力した画像と、停止以降に出力する予定の画像を一覧表示する際、動画像データの時間軸上で、より広い範囲を表示する方法について説明する。
【0135】
変形例2では、映像出力制御部18A及びCPU12Aの動作が、実施の形態1における映像出力制御部18及びCPU12の動作と異なる。それ以外の構成は、実施の形態1と同じ機能を有するため、同じ参照番号を付記し、その詳細な説明を省略する。
【0136】
映像出力制御部18Aは、高速再生停止後、高速再生の停止指示を受けた時点で出力している画像と、出力画像から予め指定された枚数の再生順方向および再生逆方向の画像とをビデオデコーダ部16から受信し、予め指定された枚数の画像を間引いて画像一覧として出力する。
【0137】
以下、変形例2における画像データ処理装置1Bの具体的な動作について、図11を用いて説明する。ユーザはユーザインターフェース13を利用して、再生順方向枚数nと再生逆方向枚数mの設定及び、デコード画像の一覧表示方法を設定することができる。本例ではn=4、m=4と設定し、デコード画像の一覧表示方法を、高速再生停止時の出力画像から動画像データの時間軸が離れるに従って間引く枚数を0枚、1枚、2枚と増加させていくように設定する。
【0138】
CPU12Aは、n、mの値と間引き方法からビデオデコーダ部16に対して、デコード画像の蓄積枚数を設定する。本実施の形態では、再生順方向になる未出力の画像を10枚、再生逆方向になる出力済みの画像を10枚と設定する。
【0139】
ビデオデコーダ部16は、高速再生を停止したとき、出力中のデコード画像を含めた10+10+1の21枚の画像の情報を映像出力制御部18に送信する。映像出力制御部18Aは、図11のように出力中の画像から動画像データの時間軸上で離れるに従って0枚、1枚、2枚、3枚と間引いて一覧表示する。
【0140】
以上、変形例2によれば、高速再生停止以前に出力した画像と、停止以降に出力する予定の画像を一覧表示する際、動画像データの時間軸上で、より広い範囲を表示できる。また、本実施の形態によれば、図12のように1枚毎や、2枚毎のように間引く画像の枚数を一定枚数にして一覧表示することができる。
【0141】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0142】
以上のように、本発明にかかる画像データ処理装置は、MPEG方式の動画像圧縮技術により符号化されたデータの高速再生において、高速再生を停止したときに出力中の画像と、高速再生停止以前に出力した画像と、停止以降に出力する予定の画像を一覧として表示することで、高速再生の停止がユーザの所望する画像より遅い場合と、早い場合にユーザの場面探索の利便性が向上するという効果を有し、DVDやBDなどの光ディスク、HDDやSDなどのストレージデバイス、レコーダや携帯端末などの機器に記録された動画の再生等として有用である。
【符号の説明】
【0143】
1、1A、1B 画像データ処理装置
2 スピーカ
3 表示デバイス
4 ディスク
5 メモリカード
10 入力制御部
11 メモリ
12 CPU
13 ユーザインターフェース
14 多重分離部
15 オーディオデコーダ部
16、16A ビデオデコーダ部
17 字幕デコーダ部
18、18A 映像出力制御部
150 音声認識部
151 デコーダ部
152 出力部
160、160A デコーダ部
161、161A 出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
MPEG方式の動画像圧縮技術により符号化されたデータを復号して出力する画像データ処理装置であって、
高速再生で出力対象となる画像を予め指定された枚数だけ復号、保持してから高速再生を開始するビデオデコーダ部と、
高速再生停止後、高速再生の停止指示を受けた時点で出力している画像と、出力画像から予め指定された枚数の再生順方向および再生逆方向の画像とを前記ビデオデコーダ部から受信し、画像一覧として出力する映像出力制御部と、を具備する画像データ処理装置。
【請求項2】
前記映像出力制御部は、前記画像一覧からユーザが指定した画像を開始点として、通常再生、高速再生または、コマ送りの開始を制御する機能を有する請求項1に記載の画像データ処理装置。
【請求項3】
前記映像出力制御部は、画像一覧を出力するとき、予め指定された枚数の画像を間引いて画像一覧として出力する機能を有する請求項1に記載の画像データ処理装置。
【請求項4】
前記ビデオデコーダ部は、予め指定された枚数だけ画像を出力したとき、保持している出力済みの画像の中で、最も古い画像を破棄し、高速再生を停止したとき、保持している画像の情報を前記映像出力制御部に送信する請求項1に記載の画像データ処理装置。
【請求項5】
MPEG方式の動画像圧縮技術により符号化されたデータを復号して出力する画像データ処理装置であって、
高速再生で出力対象となる画像を高速再生するためのビデオデコーダ部と、
高速再生停止後、高速再生の停止指示を受けた時点で出力している画像及び出力画像から、所定の枚数の再生順方向及び再生逆方向の画像を前記ビデオデコーダ部から受信し、画像一覧として出力する映像出力制御部と、を備え、
前記ビデオデコーダ部は、
高速再生中、出力対象画像を保持し、当該出力対象画像を出力タイミングにあわせ出力し、所定の枚数だけ出力すると、保持している出力済みの画像の中で最も古い画像を破棄し、
高速再生を停止すると、保持している画像の情報を前記映像出力制御部に出力する出力部と、
前記出力部とは非同期で動作し、出力対象画像を復号するデコーダ部と、を有する、画像データ処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−35447(P2011−35447A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−176709(P2009−176709)
【出願日】平成21年7月29日(2009.7.29)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】