説明

画像データ送信装置及び方法、遠隔表示制御装置及びその制御方法、プログラム、記憶媒体

【課題】 携帯機器の表示部に表示した画像を、ネットワークを介して接続する装置の表示部に高画質に表示すること。
【解決手段】 写真などの画像データが含まれる送信元の表示画面を送信先の機器において遠隔表示する場合、表示画面における写真などの画像部分については、送信元の記憶部に保存している圧縮画像データを、送信先の機器に送信することによって、送信先の機器の画面上に写真部分の画像を高画質で遠隔表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯機器の表示部に表示した画像を、ネットワークを介して接続する装置の表示部に高画質に表示する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラやビデオカメラなどの撮像装置で撮影した静止画および動画は、複数人が同時閲覧可能なようにケーブル等により接続したテレビジョン装置の表示画面に表示することができる。具体的には、撮像装置が有する表示画面に表示される画像信号をNTSC方式のテレビジョン用の画像に変換する。そして、そのNTSC方式の画像がケーブルで接続したテレビジョン装置に出力することによって達成される。
【0003】
テレビジョン装置の表示形式は、720×480の解像度で表示するNTSC方式や、1920×1600の高解像度で表示するHD方式などがある。
【0004】
また、ネットワークに接続した環境において、クライアントマシン上でサーバマシンを隔操作可能にする機能としてリモートデスクトップ技術がある。これは、まず、サーバマシン上のデスクトップ画面をビットマップ画像に変換し、変換したビットマップ画像を遠隔操作する側のクライアントマシンに、あらかじめ決められたプロトコル形式で順次送信する。そして送信されたビットマップ画像をクライアントマシンの表示画面のサイズに合わせるべく拡大縮小して表示する。これによって、サーバマシンのデスクトップ画面を遠隔表示可能にするものである。
【0005】
上述の従来技術として、例えば、特許文献1に示されるものがある。
【特許文献1】特開平6−124080号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のデジタルカメラなどの携帯機器においては、表示画面からNTSC方式などの低解像度の画像を生成し、大型テレビジョン装置に送信して表示する場合、画像の粗さが顕著に表れてしまう。
【0007】
本発明は、上記の従来技術の課題を鑑みてなされたものであり、デジタルカメラ等の携帯機器の表示部に表示した画像を、ネットワークを介して接続する装置の表示部に高画質に表示する技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するべく、本発明にかかる画像データ送信装置及び遠隔表示制御装置は、主として、以下の構成を備えることを特徴とする。
【0009】
すなわち、本発明にかかる画像データ送信装置は、表示手段の表示を、ネットワークを介して接続する機器に表示させるために、当該表示手段の表示に対応する画像データを、当該機器に送信する画像データ送信装置であって、
前記表示手段の表示に対応する圧縮画像データと、当該圧縮画像データの属性情報と、を含む送信データを生成する送信データ生成手段と、
前記ネットワークを介して接続する機器に対し、前記送信データ生成手段により生成された送信データを送信する送信制御手段と
を備えることを特徴とする。
【0010】
あるいは、本発明にかかる遠隔表示制御装置は、第1機器における表示手段の表示を、ネットワークを介して接続する第2機器における表示手段の表示形式に適合させて表示させる遠隔表示制御装置であって、
前記第1機器から送信される、圧縮画像データを含む送信データの属性を解析する解析手段と、
前記解析手段の解析結果に従い、前記圧縮画像データに基づいて、前記第2機器における表示手段の表示形式に適合した画像データを生成する画像データ生成手段と、
前記生成された画像データに基づいて、前記第2機器における表示手段に、前記画像データ生成手段により生成された画像データに基づく表示をさせる表示制御手段と
を備えることを特徴とする。
【0011】
好ましくは、画像データ送信装置とネットワークを介して接続するテレビジョン装置は、上述の遠隔表示制御装置の構成を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、携帯機器の表示部に表示した画像を、ネットワークを介して接続する装置の表示部に高画質に表示することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。図1は本発明の実施形態に係るテレビジョン装置101、デジタルカメラ103等を含むシステムの概要を示す図である。同図において、テレビジョン装置101は、LAN102に接続されている。LAN102には、デジタルカメラやカメラ機能を有する携帯電話などの画像データ送信装置103(以下、デジタルカメラを好適な例として説明する)、情報処理装置(PC)104、ファイルサーバ105が接続されている。
【0014】
図2Aは本発明の実施形態に係る撮像装置としてのデジタルカメラ(第1機器)103の構成を示すブロック図である。図2Aにおいて、CPU201はシステム制御部であり、デジタルカメラ103全体を制御する。ROM202は、CPU201の制御プログラムや各種固定データを格納するものである。RAM203は、SRAM、DRAMなどで構成され、プログラム制御変数などを格納するためのものである。また、各種設定パラメータ、各種ワーク用バッファもRAM203に格納されるものである。記憶部204は、ハードディスクなどで構成され、撮影した画像データを格納するためのものである。撮影部205は、風景や人物などの撮影対象を撮影する撮像素子からなる。操作部206は、ボタンやタッチパネルなどで構成され、オペレータが各種入力操作を行うためのものである。表示部207は、LCDなどによって構成される。LANi/f 208は、LAN回線209に接続するためのインターフェースである。USBi/f 210は、USB回線211に接続するためのインターフェースである。デジタルカメラ103で撮像された画像データは、その属性の解析結果とともに、ファイルサーバ105に格納することが可能である。
【0015】
本実施形態にかかるデジタルカメラ(画像データ送信装置)103は、CPU201の制御の下、表示部207の表示に対応する圧縮画像データと、圧縮画像データの属性情報とを含む送信データを生成する送信データ生成部212を備える。また、デジタルカメラ(画像データ送信装置)103は、CPU201の制御の下、送信データ生成部212により生成された送信データを、ネットワーク102を介して接続する機器に送信する送信制御部213を備える。この送信制御部213は、生成された送信データを、ユーザの送信指示に従って、指定された機器に、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)形式で送信することが可能である。また、送信制御部213は、TCP/IP形式でデータを送信することが可能である。
【0016】
表示部207の表示が、複数の画像データに基づく場合、送信データ生成部212は、送信データがXOP(XML-binary Optimization Packaging)形式であることを示す属性情報を送信データのヘッダに付加する。尚、XOP(XML-binary Optimization Packaging)形式の説明は、複数の画像データの受信処理に関連して以下に説明する。
【0017】
表示部207の表示が、例えば、図9に示すような複数の画像データに基づく場合、送信データ生成部212は、RAM203に保持されている背景画像901及び描画データ903と、記憶部204の圧縮画像データ902とを基に送信データを生成する。ここで、描画データ903は、図10に示すとおり、各圧縮画像データ、背景画像データを特定する参照情報(データ名、ID)と、表示部207上における各圧縮画像データ、背景画像データに基づく表示の表示位置及び表示サイズを特定するための配置情報と、を含む情報である。
【0018】
この具体的な処理は、図9、図10、及び図11のステップS306に対応するものである。
【0019】
第1機器(デジタルカメラ103)における表示部207の表示を、第2機器(テレビジョン装置101またはPC104)における表示部305の表示形式に適合させて表示させる遠隔表示制御装置280は、以下の図2Bに示す構成を備える。
【0020】
図2Bにおいて、ROM252は、CPU251の制御プログラムや各種データを格納する。RAM253は、SRAM、DRAMなどで構成され、プログラム制御変数などを格納するための内部メモリとして機能する。記憶部204は、ハードディスクなどで構成され、デジタルカメラ103から送信される圧縮画像データ、圧縮画像データの属性を示す属性情報等を格納することが可能である。
【0021】
解析部271は、第1機器(デジタルカメラ103)から送信される送信データに含まれる圧縮画像データの属性を解析する。画像データ生成部273は、解析部271の解析結果に従い、デジタルカメラ103から送信された圧縮画像データに基づいて、第2機器における表示部305の表示形式に適合した画像データを生成する。表示制御部274は、生成された画像データに基づいて、第2機器(例えば、テレビジョン装置101)における表示部305に、画像データを表示させる。
【0022】
図3は本発明の実施形態に係るテレビジョン装置(第2機器)101の構成を例示するブロック図である。図3において、CPU301はシステム制御部であり、装置全体を制御する。ROM302は、CPU301の制御プログラムや各種固定データを格納するものである。RAM303は、SRAM、DRAMなどで構成され、プログラム制御変数などを格納するためのものである。また、各種設定パラメータ、各種ワーク用バッファもRAM303に格納されるものである。操作部304はボタンやタッチパネルなどで構成され、オペレータが各種入力操作を行うためのものである。表示部305は、画像を表示するテレビジョンの画面である。LANi/f 306は、LAN回線307に接続するためのインターフェースである。USBi/f 308は、USB回線309に接続するためのインターフェースである。LANi/f 306又はUSBi/f 308を介して、テレビジョン装置101は、デジタルカメラ103から送信される送信データを受信することが可能である。
【0023】
図3において、280は、図2Bで説明した遠隔表示制御装置である。本装置280により、デジタルカメラ103における表示部207の表示を、テレビジョン装置101における表示部305の表示形式に適合させて、高画質に表示することが可能になる。尚、図3は、テレビジョン装置101の構成中に遠隔表示制御装置280を設けた例を示したが、PC104の表示を制御する場合でも、遠隔表示制御装置280をPC104の構成に組み込むことで、PC104の表示部の表示形式に適合した表示制御が可能である。
【0024】
(遠隔表示の例)
次に、デジタルカメラ103の表示部207に表示した、JPEG形式で圧縮した1枚の画像をテレビジョン装置101やPC104の画面に遠隔表示する例について説明する。JPEG形式の圧縮画像データは、記憶部204に格納されており、CPU201は、格納されているデータの参照により、表示部207に画像を表示させることができる。
【0025】
尚、本実施形態では、圧縮画像データとしてJPEG形式を例として説明しているが、本発明の趣旨はこれに限定されるものではなく、PNG形式で圧縮したデータに対しても適用することは可能である。
【0026】
図4は、デジタルカメラ103で撮像した画像をデジタルカメラ103の表示部207上に表示させたときの表示画面の一例を示す図である。表示部207の表示画面には、画像選択用の操作ボタン401と、テレビジョン装置101に対し、選択した画像に対応する圧縮画像データの送信を指示する送信ボタン402が設けられている。
【0027】
ユーザは、画像選択用の操作ボタン401を操作することにより、表示部207に表示される画像を順次切り替えることが可能である。ユーザは、所望の画像を選択して、送信ボタン402を押下する。この操作を検出すると、デジタルカメラ103は、選択された画像に関する送信データを生成し、生成した送信データの送信処理に移行する。以下、図5のフローチャートを参照して、データの送信処理の流れを説明する。
【0028】
(データの送信処理)
図5は、CPU201の制御の下、デジタルカメラ103の表示部207上に表示される1枚の画像に対応する圧縮画像データを、ネットワーク102を介してテレビジョン装置101に送信する手順を示したフローチャートである。
【0029】
まず、1枚の画像を表示部207に表示するモードの選択を検出する(S102)。そして、このモードにおいてユーザが選択した画像に対応する圧縮画像データのファイル名を内部メモリ(例えば、RAM203)に保存する(S103)。
【0030】
表示部207に画像を表示させる領域のサイズを参照して、CPU201は、画像データの間引き処理を行い、表示部207に表示させる画像データを生成する(S104)。
【0031】
ステップS105において、CPU201は、ユーザが送信ボタン402を選択したか判定する。送信ボタン402が選択されたと判定した場合、送信データ生成部212は、内部メモリに保存したファイル名を参照して、表示部207上の画像データの代替の画像データとして、記憶部204に保存してある圧縮画像データおよび圧縮画像データの属性を示す属性情報を選択する。そしてこれら選択された圧縮画像データ及び属性情報とに基づき送信データを生成する。送信データ生成部212は、圧縮画像データの属性を判定し、圧縮画像データがJPEG形式のデータの場合、"image/jpeg""を属性情報として送信データのヘッダに付加して、送信データを生成する。そして、CPU201の制御の下、送信制御部213は、生成された送信データを、ネットワーク102を介して接続する機器(例えば、テレビジョン装置101)にHTTP形式で送信する(S106)。
【0032】
(データの受信処理)
次に、デジタルカメラ103から送信される送信データを、テレビジョン装置101において受信する処理を説明する。
【0033】
図6は、デジタルカメラ103から送信された送信データを受信して、テレビジョン装置101の表示部305に表示する手順を示したフローチャートである。CPU301は、LAN i/f又はUSB i/f(306、308)を介して、デジタルカメラ103を含む他の機器からHTTP形式で送信されてくるデータを監視する(S202)。HTTP形式のデータを受信したと判定した場合、CPU301は受信に成功した結果を、送信データの送信元であるデジタルカメラ103に返信する(S204)。
【0034】
ステップS205において、デジタルカメラ103から送信されたHTTP形式の送信データのヘッダに付加されている属性情報を解析し、ステップS206で、属性情報がJPEG形式であるか判定する。ここで、属性に関する判定処理は、CPU301の制御の下、遠隔表示制御装置280における解析部271が実行するものとする。
【0035】
圧縮画像データの属性情報の解析結果がJPEG形式である場合(S206-YES)、処理をステップS207に進め、圧縮画像データを解析して、ビットマップ画像を生成する。
【0036】
ステップS214において、生成したビットマップ画像に基づき、NTSC形式やHD形式など、表示部305の表示形式に合わせてラスター画像を生成し、表示部305に表示する(S214)。ここで、表示部305の表示形式に合わせてラスター画像を生成する処理は、CPU301の制御の下、画像データ生成部273が実行し、表示部305への表示は表示制御部274が実行するものとする。
【0037】
以上の手順によって、デジタルカメラ103の表示部207に表示した1枚の画像を、図7に示すように、テレビジョン装置101の表示部305に高画質で表示することができる。
【0038】
ユーザがデジタルカメラ103の操作ボタン401、送信ボタン402を用いて、次の画像の選択と送信を指示した場合には、同様の手順によって新たに選択された画像に対応する圧縮画像データを含む送信データが生成される。そして、新たに生成された送信データは、解析部271、画像データ生成部273、表示制御部274により処理され、表示部305の表示形式に適合したラスター画像が生成され、高画質の表示が可能になる。
【0039】
(複数の画像の遠隔表示)
次に、デジタルカメラ103の表示部207に表示した、撮影済みの複数の画像をテレビジョン装置101の画面に遠隔表示する例について説明する。図8は、撮影済みの画像、pic001.jpg〜pic006.jpgの画像を、画像ファイルの名前の順番に表示した例を示す図である。この画像の背景画像(back.bmp)には、画像を配置するための枠やオペレータが操作する、「表示」、[削除]、「送信」ボタン801等が設けられている。タッチパネルとなっているデジタルカメラの表示部207に設けられたボタンの操作により、イベント(操作指示)がアプリケーションに通知され、サムネイル表示されている画像を切り替えることができる。
【0040】
図9は、図8のサムネイル表示に使用するデータの構成を示す図である。ビットマップで描かれた背景画像901と、この背景画像901及び撮影済みの画像データをデジタルカメラの表示部に表示する際に用いるSVG形式の描画データ903はRAM203に保存されているものとする。また、撮影画像としての圧縮画像データ902は記憶部204に保存されているものとする。
【0041】
この描画データ903は、図10に示すようなW3C標準のベクターグラフィックスの仕様に基づいたSVG形式の構造化文書であるとする。この描画データ903において、背景画像901(データ名'back.bmp')はID=0に割り当てられている。また、背景画像901の表示位置は、左上座標(0、0)、幅400pixel、高さ350pixelとして描画するように指定されている。
【0042】
図10において、データ名、IDは、参照情報として、各圧縮画像データ(背景画像を含む)を特定する情報である。また、左上座標や幅、高さに関する情報は、配置情報であり、各圧縮画像データ(背景画像を含む)の表示部207上の表示位置及び表示サイズを特定するための情報である。このように描画データ903によって、配置情報と各圧縮画像データ(背景画像を含む)とを対応づけることが可能になる。
【0043】
図10の例では、圧縮画像データ(データ名pic001.jpg〜pic006.jpg)には参照情報としてID=1〜6がそれぞれ割り当てられている。また、配置情報として、各画像データが描画される画面上の左上の座標(X、Y)、幅情報、高さ情報が指定されている。
【0044】
SVG形式の描画データ903は、各圧縮画像データに関する参照情報と配置情報を含む。描画データ903内の配置情報の記述を変更することにより、テレビジョン装置101における各圧縮画像データの表示位置や表示サイズを制御することが可能になる。
【0045】
(データの送信処理)
デジタルカメラ103における表示部207において、複数の画像データに基づく画像が表示されている場合の処理を説明する。図11は、CPU201の制御の下、背景画像901、撮影済みの圧縮画像データ902、描画データ903を基に、デジタルカメラ103の表示部207に複数の画像データに基づく表示をさせる手順を示すフローチャートである。
【0046】
まず、ユーザが複数の画像を表示するモードを選択したことを検出する(S302)。このモードの選択の検出に応じて、CPU201は、RAM203に保存してある描画データ903を解析して描画した画像を生成する(S303)。そしてこの生成された描画画像を表示部207に表示する(S304)。そして、ステップS305において、CPU201は、送信ボタン801の選択が検出されたか否かを判定する。
【0047】
送信ボタン801の選択を検出した場合、CPU201の制御の下、送信データ生成部212は、RAM203の背景画像901及び描画データ903と、記憶部204の圧縮画像データ902とを基に、図12のような送信データを生成する(S306)。
【0048】
CPU201の制御の下、送信データ生成部212が生成する送信データには、送信データが表示部207に表示される複数の画像データに基づくことを示す属性情報1201('multipart/related')が送信データのヘッダに付加される。更に、送信データには、先に説明した参照情報(ID(1202)、データ名(1203))、配置情報(画面上の左上座標、幅、高さ情報)1204及び各圧縮画像データ1205が含まれる。
【0049】
この送信データは、W3C勧告として公開した、Webサービスでバイナリーデータを扱うため、XML文書とバイナリーデータをそのまま通信パケットにまとめる標準的な手段を提供する仕様であるXOP形式のデータである。遠隔表示制御装置280の解析部271は、属性情報1201('multipart/related')に基づいて、送信データがXOP形式のデータであるか否かを判定することが可能である。
【0050】
そして、ステップS307において、CPU201の制御の下、送信制御部213は、生成された送信データを、ネットワーク102を介して接続する機器(例えば、テレビジョン装置101)にHTTP形式で送信する。
【0051】
(データの受信処理)
デジタルカメラ103からHTTP形式で送信されたXOP形式の送信データが、テレビジョン装置101に受信されると、1枚の画像に対応する圧縮画像データの処理と同様に、図6のS202〜S205の各ステップにより処理される。
【0052】
そして、ステップS206の解析で、送信データのヘッダに付加されている属性情報がJPEG形式(image/jpeg)でない場合(S206-NO)、処理はステップS208に進められる。
【0053】
ステップS208において、CPU301の下、遠隔表示制御装置280における解析部271は、受信した送信データに付加されている属性情報が、XOP形式(multipart/related)のデータであるか判定する。XOP形式でないと判定した場合(S208-NO)、CPU301は、送信データがテレビジョン装置101でサポートされていないデータであることを送信元のデジタルカメラ103に返信する(S215)。
【0054】
一方、ステップS208の判定で、XOP形式のデータであると判定した場合(S208-YES)、解析部271は、更に、受信した送信データを解析する(S209)。そして、解析部271は、SVG形式の描画データを内部メモリに保存し(S210)、受信した送信データに含まれる圧縮画像のバイナリーデータと、それに対応するデータ名とを内部メモリに保存する(S211)。
【0055】
ステップS212において、画像データ生成部273は、NTSC方式やHD方式などテレビジョン装置101の表示方式に基づいて、テレビジョンの画面を満たすように各圧縮画像データを表示するのに必要な拡大倍率を求める。そして、画像データ生成部273は、求めた拡大倍率に基づいて内部メモリに保存してあるSVG形式の描画データ(参照情報、配置情報)を表示部305の表示形式に適合させるために書き換え、記憶部254に保存する(S212)。このステップS212の処理により、画像データの再描画のたびにテレビジョン装置101の表示方式を参照することがなくなり、描画スピードが上がる。画像データ生成部273は、書き換えたSVG形式の描画データとに基づいて描画した画像データを生成する(S213)。
【0056】
ステップS214において、画像データ生成部273は、テレビジョン装置101における表示部305の表示形式に合わせて、生成した画像データに基づきラスター画像を生成する。そして、遠隔表示制御装置280における表示制御部274は、テレビジョン装置101の表示部305に、画像データ生成部273により生成されたラスター画像を表示させる(S214)。
【0057】
これにより、例えば、デジタルカメラ103の表示部207に表示した画像を、図13に示すように、テレビジョン装置101の表示部305に、写真部分を高画質で表示することが可能となる。
【0058】
写真などの画像データが含まれる送信元の表示画面を送信先の機器において遠隔表示する場合、写真などの画像部分は、送信元の記憶部に保存している圧縮画像データを送信先の機器に送信して送信先の機器の画面上に写真部分の画像を高画質で遠隔表示できる。
【0059】
本実施形態によれば、携帯機器の表示部に表示した画像を、ネットワークを介して接続する装置の表示部に高画質に表示することが可能になる。
【0060】
(他の実施形態)
なお、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給することによっても、達成されることは言うまでもない。また、システムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0061】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0062】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,不揮発性のメモリカード,ROMなどを用いることができる。
【0063】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現される。また、プログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施形態に係るテレビジョン、デジタルカメラ等を含むシステムの概要を示す図である。
【図2A】本発明の実施形態に係るデジタルカメラ(第1機器)の構成を示すブロック図である。
【図2B】本発明の実施形態にかかる遠隔表示制御装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係るテレビジョン(第2機器)の構成を例示するブロック図である。
【図4】デジタルカメラ103を用いて撮影した1枚の圧縮画像データを、表示部207のサイズに合わせて縦横比を調整し表示している画像データの例を示す図である。
【図5】デジタルカメラの表示部に表示している1枚の画像に対応する圧縮画像データを、ネットワークを介して接続しているテレビジョンに送信する手順を示したフローチャートである。
【図6】デジタルカメラから送信された送信データを受信して、テレビジョンの表示部に表示する手順を示したフローチャートである。
【図7】上記実施例において、1枚の画像データを表示したデジタルカメラの表示画面を、テレビジョンの表示部に遠隔表示した例である。
【図8】撮影済みの画像を、画像ファイルの名前の順番に表示した例を示す図である。
【図9】図8のサムネイル表示に使用するデータの構成を示す図である。
【図10】デジタルカメラの表示部に描画する際に用いられる、構造化文書で記述したSVG形式の描画データを例示する図である。
【図11】背景画像、撮影済みの圧縮画像データ、描画データを基に、デジタルカメラの表示部に複数の画像データに基づく表示をさせる手順を示すフローチャートである。
【図12】XOP形式の送信データの構成を例示する図である。
【図13】複数の画像データを表示したデジタルカメラの表示画面を、テレビジョンの表示部に遠隔表示した例を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段の表示を、ネットワークを介して接続する機器に表示させるために、当該表示手段の表示に対応する画像データを、当該機器に送信する画像データ送信装置であって、
前記表示手段の表示に対応する圧縮画像データと、当該圧縮画像データの属性情報と、を含む送信データを生成する送信データ生成手段と、
前記ネットワークを介して接続する機器に対し、前記送信データ生成手段により生成された送信データを送信する送信制御手段と
を備えることを特徴とする画像データ送信装置。
【請求項2】
前記表示手段の表示が、複数の圧縮画像データに基づく場合、
前記送信データ生成手段は、
前記送信データがXOP(XML-binary Optimization Packaging)形式であることを示す属性情報を、当該送信データのヘッダに付加することを特徴とする請求項1に記載の画像データ送信装置。
【請求項3】
前記表示手段の表示が、複数の圧縮画像データに基づく場合、
前記送信データ生成手段は、
前記表示手段上における各圧縮画像データに基づく表示の表示位置及び表示サイズを特定するための配置情報と各圧縮画像データを特定するための参照情報とを含む描画情報と、各圧縮画像データと、に基づいて、前記送信ファイルを生成することを特徴とする請求項1または2に記載の画像データ送信装置。
【請求項4】
表示手段の表示を、ネットワークを介して接続する機器に表示させるために、当該表示手段の表示に対応する画像データを、当該機器に送信する画像データ送信方法であって、
前記表示手段の表示に対応する圧縮画像データと、当該圧縮画像データの属性情報と、を含む送信データを生成する送信データ生成工程と、
前記ネットワークを介して接続する機器に対し、前記送信データ生成工程により生成された送信データを送信する送信制御工程と
を備えることを特徴とする画像データ送信方法。
【請求項5】
前記表示手段の表示が、複数の圧縮画像データに基づく場合、
前記送信データ生成工程は、
前記送信データがXOP(XML-binary Optimization Packaging)形式であることを示す属性情報を、当該送信データのヘッダに付加することを特徴とする請求項4に記載の画像データ送信方法。
【請求項6】
前記表示手段の表示が、複数の圧縮画像データに基づく場合、
前記送信データ生成工程は、
前記表示手段上における各圧縮画像データに基づく表示の表示位置及び表示サイズを特定するための配置情報と各圧縮画像データを特定するための参照情報とを含む描画情報と、各圧縮画像データと、に基づいて、前記送信ファイルを生成することを特徴とする請求項4または5に記載の画像データ送信方法。
【請求項7】
第1機器における表示手段の表示を、ネットワークを介して接続する第2機器における表示手段の表示形式に適合させて表示させる遠隔表示制御装置であって、
前記第1機器から送信される、圧縮画像データを含む送信データの属性を解析する解析手段と、
前記解析手段の解析結果に従い、前記圧縮画像データに基づいて、前記第2機器における表示手段の表示形式に適合した画像データを生成する画像データ生成手段と、
前記生成された画像データに基づいて、前記第2機器における表示手段に、前記画像データ生成手段により生成された画像データに基づく表示をさせる表示制御手段と
を備えることを特徴とする遠隔表示制御装置。
【請求項8】
前記解析手段の解析により、前記送信データが、XOP(XML-binary Optimization Packaging)形式である場合、
前記画像データ生成手段は、前記第2機器における表示手段の表示形式に基づいて、前記送信データに含まれる圧縮画像データを、当該第2機器における表示手段上に表示するのに必要な拡大倍率を求めることを特徴とする請求項7に記載の遠隔表示制御装置。
【請求項9】
前記解析手段の解析により、前記送信データが、XOP(XML-binary Optimization Packaging)形式である場合、
前記送信データには、複数の圧縮画像データと、各圧縮画像データに基づく表示の表示位置及び表示サイズを前記第1機器における表示手段上で特定するための配置情報及び各圧縮画像データを特定するための参照情報とを含む描画情報と、が含まれ、
前記画像データ生成手段は、前記描画情報を前記拡大倍率に基づいて書き換えることを特徴とする請求項8に記載の遠隔表示制御装置。
【請求項10】
前記画像データ生成手段は、前記書き換えられた描画情報と、前記各圧縮画像データとに基づいて、前記第2機器における表示手段の表示形式に適合した画像データを生成することを特徴とする請求項8に記載の遠隔表示制御装置。
【請求項11】
第1機器における表示手段の表示を、ネットワークを介して接続する第2機器における表示手段の表示形式に適合させて表示させる遠隔表示制御装置の制御方法であって、
前記第1機器から送信される、圧縮画像データを含む送信データの属性を解析する解析工程と、
前記解析工程の解析結果に従い、前記圧縮画像データに基づいて、前記第2機器における表示手段の表示形式に適合した画像データを生成する画像データ生成工程と、
前記生成された画像データに基づいて、前記第2機器における表示手段に、前記画像データ生成工程により生成された画像データに基づく表示をさせる表示制御工程と
を備えることを特徴とする遠隔表示制御装置の制御方法。
【請求項12】
前記解析工程の解析により、前記送信データが、XOP(XML-binary Optimization Packaging)形式である場合、
前記画像データ生成工程は、前記第2機器における表示手段の表示形式に基づいて、前記送信データに含まれる圧縮画像データを、当該第2機器における表示手段上に表示するのに必要な拡大倍率を求めることを特徴とする請求項11に記載の遠隔表示制御装置の制御方法。
【請求項13】
前記解析工程の解析により、前記送信データが、XOP(XML-binary Optimization Packaging)形式である場合、
前記送信データには、複数の圧縮画像データと、各圧縮画像データに基づく表示の表示位置及び表示サイズを前記第1機器における表示手段上で特定するための配置情報及び各圧縮画像データを特定するための参照情報とを含む描画情報と、が含まれ、
前記画像データ生成工程は、前記描画情報を前記拡大倍率に基づいて書き換えることを特徴とする請求項11または12に記載の遠隔表示制御装置の制御方法。
【請求項14】
前記画像データ生成工程は、前記書き換えられた描画情報と、前記各圧縮画像データとに基づいて、前記第2機器における表示手段の表示形式に適合した画像データを生成することを特徴とする請求項11または13に記載の遠隔表示制御装置の制御方法。
【請求項15】
請求項7乃至10のいずれか1項に記載の遠隔表示制御装置を備えることを特徴とするテレビジョン装置。
【請求項16】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像データ送信装置と、
請求項15に記載のテレビジョン装置と、
を有することを特徴とするシステム。
【請求項17】
請求項4乃至6のいずれか1項に記載の画像データ送信方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項18】
請求項11乃至14のいずれか1項に記載の遠隔表示制御装置の制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項19】
請求項17に記載のプログラムを格納したことを特徴とするコンピュータ可読の記憶媒体。
【請求項20】
請求項18に記載のプログラムを格納したことを特徴とするコンピュータ可読の記憶媒体。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−60148(P2007−60148A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−241558(P2005−241558)
【出願日】平成17年8月23日(2005.8.23)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】