説明

画像処理システム、及び方法。

関節炎の症候を指示する画像を作成するための方法が提供される。制約された変形可能な統計的テンプレートが作成され、特定の関節のデジタル化された目標放射線写真中の複数の部位がフィッティングされ、デジタル化された目標放射線画像内でフィッティングされた複数の部位の位置がパラメータ化され、統計的テンプレートからデジタル化された目標放射線写真のパラメータに対する値を抽出することにより、統計的テンプレートのインスタンスが生成され、デジタル化された目標放射線写真の少なくとも1つの領域に対する統計的テンプレートの最適な適合が見出されるまで、デジタル化された目標放射線写真へと統計的テンプレートを適用することにより、デジタル化された目標放射線写真が検索され、デジタル化された目標放射線写真における少なくとも1つの領域と、統計的テンプレートにおける最適な適合と、を比較することにより、比較画像が作成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2007年1月16日に出願された米国仮特許出願第60/880,601号に係る、先の出願日の利益を主張する。
【0002】
技術分野
本発明は一般に、デジタル化された放射線写真における、自動化あるいは半自動化された分析のための、方法及びコンピュータプログラム製品に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
リウマチ性関節炎(R.A.)は、関節の内膜(滑膜とも呼ばれる)における炎症によって主に特徴付けられる、慢性疾患である。リウマチ性関節炎は、結果としての慢性的な痛みを伴う長期間の関節損傷や、機能喪失、及び障害を引き起こす可能性がある。世界人口の1〜2%が、リウマチ性関節炎に侵されていると推定される。定義上、リウマチ性関節炎は、慢性的な対称性の多発性関節炎(すなわち、5を超える別個の関節を含んだ関節炎)とされている。際立った特徴としては、大部分の患者においてリウマチ因子に対する血液検査で陽性となること、炎症の更なる臨床的形跡、「リウマチ結節」として知られる、骨又は関節近くでの皮下のしこり、特定の関節障害、そして増殖性の関節破壊がある。これらの特徴にも関わらず、リウマチ性関節炎の診断は、必ずしも明白なものであるとは限らない。診断においては、典型的に、病歴、身体検査、臨床試験、そして、関節、あるいはこの疾患にかかることが知られている他の区域の撮像が必要となる。
【0004】
X線画像のような放射線画像は、異なる時間点において撮られた画像を比較するための有益なベースラインを提供するのであり、リウマチ性関節炎の診断において主力となるものである。例えば、活動低下や炎症の結果である、患部関節周辺における軟組織の腫れや骨密度の低下が、X線画像により表示される。疾患が進行すると、X線画像により、骨の端部付近での小さな孔、あるいは侵食や、軟骨損失による関節腔狭小化が示されることがある。以前であれば、医師は、疾患の積極的治療を開始する前に、侵食が現れるまで待っていた。しかしながら現在では、侵食が進展するよりも前にリウマチ性関節炎を積極的に治療するほうがよいと、広く信じられている。
【0005】
磁気共鳴映像法(MRI)に依存した方法及びシステムによって、X線画像上で可視となるよりも前に早期の炎症の兆候を検出することが可能であって、そのような方法及びシステムは、特に滑膜炎を特定するために適している。それらは、ラジオグラフィーが比較的役に立たないようなリウマチ性関節炎の早期段階においては特に、ラジオグラフィーよりも非常に高い骨侵食への感度を有する。これにより、滑膜炎や骨浮腫のような侵食前の特徴が検出可能となるとともに、MRIベースの方法とシステムとをもって、疾患の非常に早期の過程で、リウマチ性関節炎の悪性表現型を有する患者を識別することの助けとすることが可能となる。また、MRIベースのシステムと方法とを用い、臨床試験において、ラジオグラフィーが与えるよりも大きな統計検出力で疾患進行と治療反応とを監視することができる。
【0006】
したがって、臨床実務の主流への構造修正療法の導入により、早期のリウマチ性関節炎における侵食損傷を予測及び監視するに際して従来のラジオグラフィーの技術的限界を超えた感度及び正確性への要求が駆り立てられるにつれて、MRIベースのシステム及び方法、そして特殊分子マーカーは、臨床実務、そして臨床試験における治療効果を評価するための、一層魅力的な選択肢となった。しかしながら、MRIベースのシステム及び方法に関するコストは、日常の臨床で用いるためには極めて高いということがわかっている。ゆえに当面の間は、ラジオグラフィーを用いた分析が、主要な画像ベースの診断ツールであり続ける。
【0007】
リウマチ性関節炎を検出して追跡するための知られているアプローチの1つとしては、その疾患の重症度、及び/又は進行を指示するスコアないしはレベルを決定するというものがある。疾患の重症度、及び/又は疾患が進行した程度に基づいたスコアを与えるための既存のシステムは、2つのグループに分けられる。大域的、及び詳細スコアリングシステムである。大域的スコアリングシステムは、見える異常の全てを考慮して関節全体に1つのスコアを割り当てるが、一方で詳細システムは、評価される各々の関節に対して、少なくとも2つの別々の変数でスコアを割り当てる。
【0008】
最も広く用いられている詳細スコアリングシステムはModified Sharp Scoring System及びそのバリエーションであって、それらは非特許文献1、及び非特許文献2において詳しく説明されている。最も広く用いられている大域的スコアリングシステムはModified Larsen Scoring Systems及びそのバリエーションであって、それらは非特許文献3、及び非特許文献4において詳しく説明されている。
【0009】
Modified Sharp Scoring Systemにおいて検出可能な最小の差異(SDD)は、例えば、0から488の範囲に亘るスコアの中の5.0ユニットであることが分かっており、そして関節腔幅、及び侵食に対するSDD閾値での変化に対する、その平均感度は87%であり、対応する特異度は83%である。これに対して、非特許文献5において与えられるとおり、侵食のみを考慮する場合の感度は40−52%であり、対応する特異度は92−100%である。5.0ユニットほど悪くはなく、好ましくは3.0ユニットよりも低いSDDを、自動化された方法によって与えることが望まれている。
【0010】
Modified Sharp Scoring Systemはまた、非特許文献6で与えられるとおり、有病率に対しては0.96に等しいクラス内相関係数(ICC)の評定者内信頼性を有し、また進行に対しては、0.83から0.86の範囲内でのICC評定者内信頼性を有する。マニュアルで得ることができる値よりも悪くはなく、好ましくは0.97及び0.90よりもそれぞれ大きな、対応する評定者内信頼性及びICC評定者内信頼性の値を、自動化された方法によって与えることが望まれている。
【0011】
非特許文献7によれば、Modified Sharp Scoring Systemを用いて手足の放射線写真をスコア付けするために必要な時間は、11.1分から20.5分の範囲に亘る。そのように大きな時間遅延は、Modified Sharp Scoring Systemを用いたスコアリングにおける1つの欠点である。自動化された方法により、好ましくは5分未満で関節をスコア付けすることが望まれている。
【0012】
リウマチ性関節炎を検出及び追跡するための別のアプローチが、非特許文献8及び9により提案されている。この特定のアプローチにおいては、Active Shape Model (ASM)が用いられる。ASMとは、例えば指節骨のような骨の境界を識別するための、ある種の統計的テンプレートである。その後、識別された境界は、侵食の境界を包囲するか、侵食の境界にアノテーションを付けるために用いられる。それにより、骨の輪郭を見出すために、疾患に罹っていない関節又は骨の画像から統計モデルが構築されるのであるが、一方ではその統計モデルを用いて、非統計的モデルを輪郭の小円鋸歯侵食へと適用することにより、侵食にアノテーションが付けられる。
【0013】
疾患進行スコアを与えるために望まれる方法又はシステムを作り上げ、選択するに際しての、幾つかの問題を考慮すべきである。読取装置での不一致、そして観察者間及び観察者内での変動は、特定のスコアリングシステムあるいは方法に確実に精通するための十分なトレーニング期間によりそれらがしばしば最小化可能ではあるにしても、重要な問題である。連続損傷に対して別個の数字、あるいはスコアを割り当てる必要がある場合、これら問題は大きなものとなる。時間に伴う変化を検出するに際してのスコアリングシステム又は方法の感度についての問題も持ち上がっている。
【0014】
国際的な専門家パネルによる最近の報告により、Modified Sharp Scoringシステム及び方法を用いた、5.0ユニットとしての検出可能な最小の差異は、リウマチ専門医が治療を変更するか修正することを検討するような放射線学上の進行として定義される、臨床的に重要な最小の差異(MCID)と密接に対応することが分かった。対照的に、Modified Larsenシステム及び方法による検出可能な最小の差異は、関連する臨床的変化のための閾値として用いるには感度が低すぎるということが分かった。
【0015】
結果として、幾つかのケースにおける高い疾患活動性と共に、リウマチ性関節炎の早期段階の患者、及び更に進行したリウマチ性関節炎の患者に起こる変化がしばしば検出されない。スコアリングシステム及び方法における、医学的介入あるいは他の手段によって起こる回復の放射線学上の兆候を算定するための機能も、また1つの問題となりうる。回復現象は関節の約6%において見られるが、新たな疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)により、この数字を上昇させることができる。したがって、臨床試験において用いられる放射線学的スコアリングシステム及び方法は、回復の可能性を考慮することが可能であるべきである。
【0016】
故に、関節において、侵食及び/又は嚢胞の存在、関節腔狭小化、亜脱臼及び他の関節劣化についての放射線学的兆候のうちの1以上によって指示される関節破壊、あるいは回復の兆候を、個々の患者に対する長期的研究におけるさまざまな時間点での測定値の比較を可能とするようなやり方で測定することの必要性が存在する。
【0017】
統計的テンプレートを構築して使用するためのソフトウェアシステムが、Image Metrics LimitedのGareth Edwards,Kevin Walker,及びAlan Brettによって1999年から2001年の間に初めて開発された。手の放射線写真サンプルを用いてテンプレートを作成する能力を実証するためのソフトウェアシステムの第1バージョンは、2006年2月に構築された。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】英国特許出願GB20039821A 明細書
【非特許文献】
【0019】
【非特許文献1】Van der Heijde et al. in The Lancet, 1989; i: pp. 1036-38
【非特許文献2】Genant et al. in Arthritis Rheum., 1998; 41 : pp. 1583-90
【非特許文献3】Rau et al. in The Journal of Rheumatology, 1995; 22: pp. 1976-82
【非特許文献4】Scott et al. in British Journal of Rheumatology, 1995; pp. 34:56
【非特許文献5】Bruynesteyn et al. in Arthritis & Rheum., 2002; 46(4): 913-920
【非特許文献6】Boini et al. in Annals of the Rheumatic Diseases, 2001 ; 60: 817-827
【非特許文献7】Van der Heijde et al. in Rheumatology, 1999; 38: 1213-20
【非特許文献8】Langs et al. in Scandinavian Conference on Image Analysis 2003, Lecture Notes in Computer Science 2749, pp. 454-461 , 2003
【非特許文献9】Academic Radiology 2007, 14:1179-88
【非特許文献10】Bland and Altman in the British Medical Journal 1996; 313:744
【非特許文献11】Cootes et al., Training Models of Shape from Sets of Examples, in Proc. BMVC Springer-Verlag, pp. 9-18, 1992
【非特許文献12】T. F. Cootes and C. J. Taylor, Statistical Models of Appearance for Medical Image Analysis and Computer Vision, in Proc. SPIE Medical Imaging,_(2001)
【非特許文献13】Johnson and Wichern, in Applied Multivariate Statistical Analysis, pp. 458-513 (5th Edition, 2002)
【非特許文献14】Zhang et al. in Local features and kernels for classification of texture and object categories: A comprehensive study, in the International Journal of Computer Vision, September 2006
【非特許文献15】S. J. Caulkin, Generating Synthetic Abnormalities in Digital Mammograms Using Statistical Models, in Ph.D. Thesis, University of Manchester, 2001
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明は、研究用の、及びさまざまな他の治験用途のための、あるいはリウマチ性関節炎を診断及び追跡するための、デジタル化された放射線写真を自動的にあるいは半自動的に分析する方法及びコンピュータプログラム製品を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0021】
デジタル化された目標放射線写真の、コンピュータモデルにより表される病気ではない形状及び外観と比較しての差異についての測定数値を自動的に決定する方法が与えられる。その方法によれば、モデル構築段階の間に、特定の関節の病的な変化を実質的に排除して、その特定の関節についての放射線写真の形状、及び外観における正常な病気ではないバリエーションを表すために選択されるサンプル放射線写真のセットから、コンピュータモデルが構築される。その方法においては、その後のランタイム段階の間に、被験者のデジタル化された目標放射線写真が受信される。次に、その方法においては、上記ランタイム段階の間に、そのデジタル化された目標放射線写真と先のコンピュータモデルとが比較される。次に、その方法においては、上記ランタイム段階の間に、上記比較に応答して、上記デジタル化された目標放射線写真における、上記コンピュータモデルにより表される病気でない形状及び外観に比較しての差異についての測定数値が自動的に決定され、そして報告される。
【0022】
関節炎の症候を指示する画像を作成するための方法が提供される。その方法によれば、モデル構築段階の間に、特定の関節における特定の特徴についての空間的位置のセットを表すベクトル空間に広がるパラメータのセットによって特徴付けられる、制約された変形可能な統計的テンプレートが作成される。ベクトル空間中の各々のベクトルは、母平均からのユニークな変化を記述する。統計的テンプレートの作成には、少なくともその特定の関節を含む骨格系の放射線写真サンプルのセットから統計的テンプレートを構築することが含まれる。その放射線写真サンプルのセットは、その骨格系についての形状と外観における正常なバリエーションのみを表し、関節炎により引き起こされる病的な変化は表さないように選択される。その後、その方法においては、ランタイム段階の間に、その特定の関節についてのデジタル化された目標2次元放射線写真において、その特定の関節における特定の特徴に関連する複数の部位のフィッティングが行われ、上記統計的テンプレートに関してのパラメータ化が可能となる。ここにおいて、そのデジタル化された目標放射線写真は侵食の形跡を有していてもよい。次に、その方法においては、ランタイム段階の間に、デジタル化された目標放射線写真においてフィッティングされた複数の部位の位置がパラメータ化され、デジタル化された目標放射線写真のパラメータのための値を統計的テンプレートから取り出すことにより、その統計的テンプレートのインスタンスが生成される。次に、その方法においては、ランタイム段階の間に、上記デジタル化された目標放射線写真において少なくとも1つの領域に対する統計的テンプレートの最適な適合が見出されるまで、当該デジタル化された目標放射線写真へと統計的テンプレートを適用することにより、デジタル化された目標放射線写真が検索される。ここにおいて、デジタル化された目標放射線写真における最適な適合の検索には、統計的テンプレートと上記デジタル化された目標放射線写真における上記少なくとも1つの領域との間での差異を最小化するまで、統計的テンプレートの位置、方向、形状、及びテクスチャを調整することが含まれる。次に、その方法においては、ランタイム段階の間に、上記デジタル化された目標放射線写真における上記少なくとも1つの領域を上記統計的テンプレートにおける最適な適合と比較することにより、比較画像が作成される。
【0023】
関節炎の症候を指示する測定値を取り出すための方法が与えられる。その方法によれば、モデル構築段階の間に、特定の関節における特定の特徴についての空間的位置のセットを表すベクトル空間に広がるパラメータのセットによって特徴付けられる、制約された変形可能な統計的テンプレートが作成される。ベクトル空間中の各々のベクトルは、母平均からのユニークな変化を記述する。統計的テンプレートの作成には、少なくともその特定の関節を含む骨格系の放射線写真サンプルのセットから統計的テンプレートを構築することが含まれる。その放射線写真サンプルのセットは、その骨格系についての形状と外観における正常なバリエーションのみを表し、関節炎により引き起こされる病的な変化は表さないように選択される。その後、その方法においては、ランタイム段階の間に、その特定の関節についてのデジタル化された目標2次元放射線写真において、その特定の関節における特定の特徴に関連する複数の部位のフィッティングが行われ、上記統計的テンプレートに関してのパラメータ化が可能となる。ここにおいて、そのデジタル化された目標放射線写真は侵食の形跡を有していてもよい。次に、その方法においては、ランタイム段階の間に、デジタル化された目標放射線写真においてフィッティングされた複数の部位の位置がパラメータ化され、デジタル化された目標放射線写真のパラメータのための値を統計的テンプレートから取り出すことにより、その統計的テンプレートのインスタンスが生成される。次に、その方法においては、ランタイム段階の間に、上記デジタル化された目標放射線写真において少なくとも1つの領域に対する統計的テンプレートの最適な適合が見出されるまで、当該デジタル化された目標放射線写真へと統計的テンプレートを適用することにより、デジタル化された目標放射線写真が検索される。ここにおいて、デジタル化された目標放射線写真における最適な適合の検索には、統計的テンプレートと上記デジタル化された目標放射線写真における上記少なくとも1つの領域との間での差異を最小化するまで、統計的テンプレートの位置、方向、形状、及びテクスチャを調整することが含まれる。次に、その方法においては、ランタイム段階の間に、上記デジタル化された目標放射線写真における上記少なくとも1つの領域を上記統計的テンプレートにおける最適な適合と比較することにより、上記特定の関節における、関節炎の症候を指示する少なくとも1つの測定値が取り出される。
【0024】
方法が与えられる。その方法によれば、モデル構築段階の間に、特定の関節における特定の特徴についての空間的位置のセットを表すベクトル空間に広がるパラメータのセットによって特徴付けられる、制約された変形可能な統計的テンプレートが作成される。ベクトル空間中の各々のベクトルは、母平均からのユニークな変化を記述する。統計的テンプレートの作成には、少なくともその特定の関節を含む骨格系の放射線写真サンプルのセットから統計的テンプレートを構築することが含まれる。その放射線写真サンプルのセットは、その骨格系についての形状と外観における正常なバリエーションのみを表し、関節炎により引き起こされる病的な変化は表さないように選択される。その後、その方法においては、ランタイム段階の間に、その特定の関節についてのデジタル化された第1目標2次元放射線写真において、その特定の関節における特定の特徴に関連する複数の部位のフィッティングが行われ、上記統計的テンプレートに関してのパラメータ化が可能となる。ここにおいて、そのデジタル化された第1目標放射線写真は侵食の形跡を有していてもよい。次に、その方法においては、ランタイム段階の間に、デジタル化された第1目標放射線写真においてフィッティングされた複数の部位の位置がパラメータ化され、デジタル化された第1目標放射線写真のパラメータのための値を統計的テンプレートから取り出すことにより、その統計的テンプレートのインスタンスが生成される。次に、その方法においては、ランタイム段階の間に、上記デジタル化された第1目標放射線写真において少なくとも1つの領域に対する統計的テンプレートの第1の最適な適合が見出されるまで、当該デジタル化された第1目標放射線写真へと統計的テンプレートを適用することにより、デジタル化された第1目標放射線写真が検索される。ここにおいて、デジタル化された第1目標放射線写真における第1の最適な適合の検索には、統計的テンプレートと上記デジタル化された第1目標放射線写真における上記少なくとも1つの領域との間での差異を最小化するまで、統計的テンプレートの位置、方向、形状、及びテクスチャを調整することが含まれる。次に、その方法においては、ランタイム段階の間に、フィッティング、パラメータ化、及び検索のステップが、第2の時刻において得られた、上記特定の関節におけるデジタル化された第2目標2次元放射線写真に対して繰り返され、上記デジタル化された第2目標放射線写真における少なくとも1つの領域に対する上記統計的テンプレートの第2の最適な適合が見出される。次に、その方法においては、ランタイム段階の間に、上記統計的テンプレートにおける第1の最適な適合と上記統計的テンプレートにおける第2の最適な適合とを比較することにより、上記特定の関節における、関節炎の症候の進行を指示する少なくとも1つの測定値が取り出される。
【0025】
制約された変形可能な統計的テンプレートと、デジタル化された入力目標放射線写真を受信して、デジタル化された目標放射線写真に対する上記統計的テンプレートの最適な適合を生成するためのコンピュータプログラムコードとを備えた、関節炎の症候を指示する画像を作成するためのコンピュータプログラム製品が与えられる。統計的テンプレートは、特定の関節における特定の特徴についての空間的位置のセットを表すベクトル空間に広がるパラメータのセットによって特徴付けられる。ベクトル空間中の各々のベクトルは、母平均からのユニークな変化を記述するのであり、またここにおいて上記統計的テンプレートは、少なくともその特定の関節を含む骨格系の放射線写真サンプルのセットから構築される。その放射線写真サンプルのセットは、その骨格系についての形状と外観における正常なバリエーションのみを表し、関節炎により引き起こされる病的な変化は表さないように選択される。コンピュータプログラム製品は、特定の関節についての、侵食の形跡を有していてもよい、デジタル化された目標2次元放射線写真において、その特定の関節における特定の特徴に関連する複数の部位をフィッティングして、上記統計的テンプレートに関してのパラメータ化を可能とするためのコードと、デジタル化された目標放射線写真においてフィッティングされた複数の部位の位置をパラメータ化し、デジタル化された目標放射線写真のパラメータのための値を統計的テンプレートから取り出すことにより、その統計的テンプレートのインスタンスを生成するためのコードと、上記デジタル化された目標放射線写真において少なくとも1つの領域に対する統計的テンプレートの最適な適合が見出されるまで、デジタル化された目標放射線写真へと統計的テンプレートを適用することにより、上記デジタル化された目標放射線写真を検索するためのコードであって、デジタル化された目標放射線写真における最適な適合の検索には、統計的テンプレートと上記デジタル化された目標放射線写真における上記少なくとも1つの領域との間での差異を最小化するまで、統計的テンプレートの位置、方向、形状、及びテクスチャを調整することが含まれるコードと、上記デジタル化された目標放射線写真における上記少なくとも1つの領域を上記統計的テンプレートにおける最適な適合と比較することにより、比較画像を作成するためのコードと、を含む。
【0026】
制約された変形可能な統計的テンプレートと、デジタル化された入力目標放射線写真を受信して、デジタル化された目標放射線写真に対する上記統計的テンプレートの最適な適合を生成するためのコンピュータプログラムコードとを備えた、関節炎の症候を指示する画像を作成するためのコンピュータプログラム製品が与えられる。統計的テンプレートは、特定の関節における特定の特徴についての空間的位置のセットを表すベクトル空間に広がるパラメータのセットによって特徴付けられる。ベクトル空間中の各々のベクトルは、母平均からのユニークな変化を記述するのであり、またここにおいて上記統計的テンプレートは、少なくともその特定の関節を含む骨格系の放射線写真サンプルのセットから構築される。その放射線写真サンプルのセットは、その骨格系についての形状と外観における正常なバリエーションのみを表し、関節炎により引き起こされる病的な変化は表さないように選択される。コンピュータプログラム製品は、特定の関節についての、侵食の形跡を有していてもよい、デジタル化された目標2次元放射線写真において、その特定の関節における特定の特徴に関連する複数の部位をフィッティングして、上記統計的テンプレートに関してのパラメータ化を可能とするためのコードと、デジタル化された目標放射線写真においてフィッティングされた複数の部位の位置をパラメータ化し、デジタル化された目標放射線写真のパラメータのための値を統計的テンプレートから取り出すことにより、その統計的テンプレートのインスタンスを生成するためのコードと、上記デジタル化された目標放射線写真において少なくとも1つの領域に対する統計的テンプレートの最適な適合が見出されるまで、デジタル化された目標放射線写真へと統計的テンプレートを適用することにより、上記デジタル化された目標放射線写真を検索するためのコードであって、デジタル化された目標放射線写真における最適な適合の検索には、統計的テンプレートと上記デジタル化された目標放射線写真における上記少なくとも1つの領域との間での差異を最小化するまで、統計的テンプレートの位置、方向、形状、及びテクスチャを調整することが含まれるコードと、上記デジタル化された目標放射線写真における上記少なくとも1つの領域を上記統計的テンプレートにおける最適な適合と比較することにより、関節炎の症候を指示する少なくとも1つの測定値を取り出すためのコードと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、開示される主題の幾つかの実施形態に従って、画像を作成し、関節炎の症候を指示する測定値を取り出すための方法についての、フローチャートを図示している。
【図2】図2は、開示される主題の幾つかの実施形態に従う、標準的な手の放射線写真上の中手指(MCP)関節におけるランドマークと自動化されたアノテーションとを示す。
【図3】図3は、開示される主題の幾つかの実施形態に従う、関節の一端から別の一端への線に沿った関節腔幅(JSW)の測定を示す。
【図4】図4は、開示される主題の幾つかの実施形態に従って放射線画像のテクスチャにおける差異として検出される、MCP関節の中手骨頭上の小さな侵食を図示している。
【図5】図5は、開示される主題の幾つかの実施形態に従って最適にフィッティングされる、正常な形状及び外観であるMCP関節のテンプレートを示す。
【図6】図6は、図4における元の画像上の興味あるオーバーレイ領域を描いており、開示される主題の幾つかの実施形態に従って、侵食の異常が強調されている。
【発明を実施するための形態】
【0028】
詳細な説明
リウマチ性関節炎を検出及び追跡するための望ましい方法における特徴
リウマチ性関節炎の進行を監視するために望ましい方法は、幾つかの特徴を有する。第1に、望ましい方法とは、DMARDsが最大の恩恵をもたらす可能性がある早期段階において疾患を検出するために、高い感度と特異度とを備えたものでなければならない。
【0029】
被験者が、ベースライン画像取得とフォローアップ画像取得との間でリウマチ性関節炎の進行を示す場合、その被験者は「陽性」であると分類される。逆に、疾患が悪化、あるいは更なる進行をしていなかった場合、被験者は「陰性」であると分類される。被験者の正しい分類は「正しい」と記述され、そして間違った分類は、「誤り」として記述される。正しい陽性の数を、正しい陽性の数と誤った陰性の数との和で除算した数として、変化への感度を定義できる。また、正しい陰性の数を、正しい陰性の数と誤った陽性の数との和で除算した数として、特異度を定義できる。
【0030】
変化への感度を、関連する進行に対する閾値としての、少なくとも二人の観察者によって決定される検出可能な最小の差異(SDD)として計算することもできる。SDDの計算には、測定誤差を定めるための統計的方法を用いることができるのであり、それは非特許文献10において説明されるとおり、95%の一致限界に基づいている。その方法により、ある患者における2つのスコア間での個人差が、本当の変化であるのか、あるいは、測定誤差から確実に分離することが不可能な変化であるのか、が算定される。SDDよりも小さい進行スコアを、測定誤差から確実に区別することは不可能である。
【0031】
関連する時間に伴った変化、あるいは進行を示す被験者のパーセンテージを決定するためには、連続的なデータを2つに分ける必要があり、したがって正当な臨床的に関連するカットオフレベルを選択すべきである。このカットオフレベルは、臨床的に重要な最小の差異(MCID)と呼ばれる。カットオフレベルとしてSDDが提案されているが、それよりも大きい、あるいは小さい値へと、カットオフレベルを任意に設定することができる。
【0032】
この方法及びコンピュータプログラム製品における、その疾患により引き起こされる単一点の損傷を定め、そのような損傷の重大性を定量化し、疾患の進行と結果として生じる損傷とを正確に、精密に監視し、そのような確実な結果を再現する能力によって、当該方法及びコンピュータプログラム製品の性能を測ることができる。
【0033】
リウマチ性関節炎に対するスコアリングシステムの相対的算定において、通常、決定要因となるものは信頼度である。臨床的変数を測定するために用いられる、如何なるスコアリング方法における値も、読取り者内、及び読取り者間の再現性により示されるとおりの、その信頼性に依存する。これについては、所定の時間点において絶対的スコアを用いて算定することが可能であるし、あるいは、2つの時間点の間で、進行に関する値を用いて算定することもできる。信頼性を算定するためには、Spearman及びPearsonの相関係数、クラス内相関係数(ICC)、及びκ統計量が用いられる。しかしながら、Spearman及びPearsonの相関係数は関連性のみを測定するのであり、一致を測定するものではないので、最も適切な方法はICC及びκ統計である。
【0034】
幾つかのインスタンスにおける信頼性は、評定者間における、クラス内相関係数によって表されるとおりの一致の程度に言及するものである。自動化された方法について言えば、単独の評定者、あるいは複数の評定者が自動化されたスコアリング技法を用いる場合、繰り返される測定値、あるいはスコアの信頼性を、評定者内、又は評定者間の信頼性と比較することができる。
【0035】
望ましい方法における他の特徴としては、幅広い利用可能性、コストパフォーマンス、有害な副作用がないこと、使用が容易であること、及び結果が迅速に生成されることがある。容易にランダム化、及び不可視化することが可能な永続的レコードを作成することも、また望ましい。さらに、リウマチ性関節炎の進行を追跡するための望ましい方法における別の重要な特徴は、しばしば変動する可能性がある臨床的な疾病経過との相関である。
【0036】
長期間での結果を決定するために放射線画像の監視をすることが重要であるため、リウマチ性関節炎により引き起こされる放射線画像での損傷について、その量と進行とを評価して定量化するための、標準化された体系的な方法が求められている。関節損傷と損傷の進行とを特徴付ける定量的なアプローチによれば、「より良い」、「同じ」、「より悪い」のような評価スコアを用いた定性的な評価に頼った方法あるいはシステムを超えて幾つかの利点が与えられる。リウマチ性関節炎が誘発する関節損傷の状態を評価するための定量的、体系的なアプローチによって、観察者間、及び観察者内での高い相関が得られ、また疾患の進行が早期に特徴付けられる、ということが、データにより示されている。また、そのような方法によって母平均を作成することが可能となり、次に、そのようにして作成された母集団により、異なるグループ間での、そして、場合によっては異なった調査にさえまたがっての、より正確な比較が可能となる。
【0037】
イントロダクション
本発明の好ましい実施形態に従えば、研究及び他の調査目的のための、あるいは関節炎の兆候の発達を診断して追跡するための、コンピュータ実施される方法、及びコンピュータプログラム製品が提供される。より詳細には、幾つかの実施形態において、骨格関節におけるリウマチ性関節炎(RA)の進行を検出して監視するための方法及びコンピュータプログラム製品が提供される。
【0038】
幾つかの実施形態において、マニュアル、あるいは機械によりアノテーションが付けられた骨格関節の正常組織(すなわち、実質的にリウマチ性関節炎には罹っていない組織)の多数のサンプル放射線写真における形状とテクスチャ両方の統計的分析により作成された変形可能な統計的テンプレートを用いて、手、膝、手首、及び足のような1以上の関節を含む骨格系のデジタル化された放射線写真のコンピュータ分析が、自動的に、あるいは半自動的に実行される。放射線写真のテクスチャという用語は、例えばグレースケールレベルのような画素輝度における局所空間的な変動に言及するものである。
【0039】
骨格関節のデジタル化された放射線写真における自動的なアノテーション付けにより、ランドマークとも呼ばれる2次元点のセットが与えられる。当該2次元点のセットをデジタル画像内に格納して、骨格関節における輪郭及び/又はテクスチャの変化を比較及び監視するために用いることができる。幾つかの事例において、アノテーションという用語は、画像中で、特徴、境界、あるいは輪郭の位置を指示するための、当該画像上を覆っている点と線とによる、あるランドマークの特徴、あるいは突き出た境界、又は輪郭の識別へと言及するものである。
【0040】
ここにおいて説明され特許が請求される方法及びコンピュータプログラム製品を、関節におけるリウマチ性関節炎の進行、侵食の大きさや場所の変化、及び侵食区域全体における変化を監視し、そして比較するために用いることができる。例えば、その方法及びコンピュータプログラム製品によって、ベースラインとフォローアップとの比較を実行することができる。その比較においては、患者が参加する長期的研究においてベースライン画像とそれに続くフォローアップ画像との間での比較を行うことにより、その患者における関節炎の兆候の進展を監視することができる。
【0041】
幾つかの事例において、侵食という用語は、2つの骨の間にある関節の炎症によって失われた、比較的小さな骨の体積へと言及するものである。例えば、侵食はX線画像上で、しばしば関節周囲における暗いパッチとして現れる。画像中の暗いパッチは、グレースケールレベルの低い画素が結合された領域、あるいは集合体である。侵食は、グレースケールレベルの低い画素の空間的に明瞭な集合体として現れるかもしれない。変形可能な統計テンプレートのインスタンスを表す合成画像と比較する場合には、画素のグレースケールレベルにおける顕著な残存差異領域として、侵食を識別することができる。
【0042】
侵食を特徴付けるために、画素の集合体が識別される。このことは、標準的な領域拡張、あるいはクラスタ分析アルゴリズムを用いて行うことができる。その後、これら集合体を、単独の侵食として個別にカウントすることができる。画素集合体を横断する最も長い距離を計算することにより(1次元測定と言われる)、あるいは、その最も長い距離と、その距離に対して垂直な距離と、を計算することにより(2次元(2D)測定と言われる)、侵食の大きさを測定することができる。また、集合体の区域を、それを構成する画素を合計することで見積もることにより、侵食の大きさを測定することができる。
【0043】
上記測定を単独に、あるいは組み合わせて用いて、この集合体が、例えば骨量の少ない領域、あるいは撮像アーティファクトではなく、本物の侵食である確率を計算することができる。加えて、個々の侵食をカウントして、各々の関節上での、あるいは手全体においての、侵食スコアあるいは侵食数値に対する計量をすることが可能である。
【0044】
統計的な測定を用いて、画素の集合体を識別することができる。第1次の統計値は、単独の画素に対する画像の値を記述するために用いられる。画像中、興味ある領域を処理するに際しては、平均値、分散、変動係数、歪度、尖度、エネルギー、及び、その領域におけるグレースケールレベル分布のエントロピーが、典型的な第1次の統計値である。第1次の統計測定値は、お互いの画素についての相対的な位置に関する情報を担うことはないという、制限を受ける。画素領域についてのグレーレベル同時生起マトリクスに基づいた記述子のセットは、テクスチャの2次統計値を構成する。
【0045】
変形可能な統計的テンプレートの使用は、共に係属中である、2006年3月16日に出願された米国特許出願第11/376,868号において詳しく説明されており、当該出願はAppendix1としてここに添付されている。変形可能との用語は、サンプルトレーニングデータに基づいて得られる座標の基底系に関連した、テンプレートのパラメータ化に言及するものである。統計的との用語は、被験者母集団のメンバ間におけるパラメータ変動の分析についての、モデルの基礎へと言及するものである。
【0046】
変形可能な統計的テンプレートを用いた放射線画像の分析から得られる情報は、本発明の代替的実施形態に従って、さまざまな他の用途のために役立つ。これら他の用途は主に、画像中の被写体の形状やグレースケールテクスチャを説明する際、テンプレートは、被写体のクラスの平均及びモデル化された母集団を参照しつつ、その形状及びグレースケールテクスチャを統計的に記述するという意味で、その被写体をパラメータ化しなければならない、という事実に基づくものである。
【0047】
人又は動物の、中手指(MCP)関節、あるいは、手、手首、膝、及び足の骨における他の関節のような骨格関節の放射線写真を分析して、あるいは用いて、変形可能な統計的テンプレートをトレーニングすることができる。典型的には、X線などの透過性放射線における関節の透過を表す2次元(2D)放射線画像が用いられる。
【0048】
本発明は、特定の撮像システム、あるいは方法の様式へとその範囲が制限されるものではなく、また、得られた(1の、あるいは2以上の)画像についての特定の記憶及び取り扱い様式へとその範囲が制限されるものでもないことを理解すべきではあるが、その一方、X線やガンマ線のような高エネルギー放射線によって有利に与えられる高い空間分解能のような、特定の様式から生じる利点が存在する。
【0049】
方法及びコンピュータプログラム製品の説明
図1は、開示される主題の幾つかの実施形態に従って、画像を分析し、関節炎の症候を指示する測定値を取り出すための、コンピュータ実施される方法100についてのフローチャートである。併せて図2−6が、方法100をよりよく説明するために、単独で、そしてグループとして参照される。
【0050】
方法100は、2つの別個の段階に分けられる。モデル構築段階101と、ランタイム利用段階103である。モデル構築段階101の間、制約された変形可能な統計的テンプレート(単純にモデルとも呼ばれる)が構築され、個々の被験者における関節のサンプル画像を用いてトレーニングされる。
【0051】
102において、正常な病気ではないバリエーションを表す特定の関節のサンプル放射線写真セットが受信される。これは、幾つかの実施形態においては、リウマチ性関節炎、あるいは他の同様な苦しみを与える疾患に罹っていない個々の被験者における特定の関節の放射線写真のみを用いることにより、実現可能である。そのような制約されたサンプル放射線写真を用いることは、放射線写真中に存在する強度のバリエーションを誤認することがないような、制約されたモデルを構築するために重要である。
【0052】
変形可能な統計的テンプレートが境界を位置付けて画素のグレースケールレベルを表すことのできる正確性は、特定の統計的モデルによって制約を受ける。テンプレートは、トレーニングのためにそのテンプレートに与えられたサンプルセット中で観察されているようなやり方でのみ、変形することができる。放射線写真中の被写体が、トレーニングセット内に存在しない独特なタイプの変形を示すならば、そのテンプレートは被写体に適合しないであろう。このことは、粗い変形について、及び微細な変形について正しい。例えば、関節炎の兆候がない、正常な関節の放射線写真のみが、テンプレートの構築及びトレーニングのために用いられる場合、通常そのテンプレートは、正常な、病気ではないバリエーションを示す骨格関節のみに適合するであろう。
【0053】
幾つかの実施形態において、サンプル、あるいはトレーニング、2次元(2D)データブロックのセットは、特定の関節の放射線画像アンサンブルから取得される。幾つかの実施形態においては、モデル構築プロセスの前にマニュアルで調整することにより、これらデータを増やすことができる。
【0054】
104において、入力制約パラメータのセットが受信される。統計的テンプレートにおける個々のインスタンスを表す画像が、ランタイム利用段階103のようなランタイム段階の間に合成される場合、モデルは、最も重要なパラメータのみを選ぶことにより、許容される外観の変形へと制約を受ける。ここで、学習された変形は、トレーニングセットによって表される外観の典型的には95%を表すように、そして、それらパラメータが典型的には平均的な外観の各々の側での+/−3の標準偏差へと制限されることを可能とするように、捕捉されている。したがって、テンプレートにより生成される外観が元のトレーニングセットの外観と確かに類似することとなる。
【0055】
例えば、制約パラメータは、変形可能な統計的テンプレートが形状と外観とにおいて平均からはるかに離れた個々のインスタンスを作り出すことを阻止する。モデルが過剰に制約を受けている場合、そのモデルは、正常なバリエーションへ十分に適応することができず、また、「誤った陽性」、あるいは存在しない疾患の指示を作り出すかもしれない。一方で、モデルへの制約が不十分である場合、モデルは過剰に適応性を有することとなりうるのであり、そして侵食に順応して「誤った陰性」を作り出すかもしれず、あるいは疾患が存在する場合に疾患がないことの指示を作り出すかもしれない。
【0056】
選択的に、106において、変形可能な統計的テンプレートを半自動的に構築するため、入力サンプル放射線写真におけるマニュアルアノテーションが受信される。幾つかの実施形態においては、手作業でアノテーションが付けられたサンプル放射線写真を用いて、変形可能な統計的テンプレートが半自動的に構築される。例えば、技能者であれば、サンプル放射線写真中、骨あるいは関節の輪郭線を手書きすることができる。テンプレートが自動的に構築される場合、サンプル放射線写真におけるマニュアルアノテーションは必須ではない。
【0057】
108において、制約されたサンプル画像から、制約された変形可能な統計的テンプレート又はモデルが作成される。
モデルの作成には、モデルの構築とトレーニングの両方が含まれるということを理解すべきである。
デジタル化された、入力目標関節放射線写真の分析は、デジタル化された目標放射線写真に適用されるモデルに基づいて、続行される。
モデルとの用語は一般に、被験者あるいはその構成部分における形状、外観、位置、及び/又は動きをパラメータ化する任意の数学的描写へと言及するものである。
モデルが統計的であると言われる場合、そのモデルは、個々の被験者母集団のメンバ間におけるパラメータ変動の分析に基づいているということが理解される。
【0058】
より詳細には、本発明は、モデルのクラスを参照しつつ説明される。ここにおいて、各々のモデルは、「ランドマーク」とも呼ばれ、図2にて示されるとおり関節の輪郭を描く2次元(2D)点202、204の特定セットの平均的な相対位置を表す。各々のモデルはまた、これら相対的な位置が、特定の個体において時間の経過と共に、あるいはリウマチ性関節炎の進行など、生じる状況によって変わりうる仕組み、及び相対的な位置が通常の状況において個体間で変わる仕組みの数学的描写を表す。
【0059】
本発明の実施は、もっともらしい形態についての数学的モデルが存在するという仮定に基づいている。ここにおいて、形態とは、形状及び形状の変化を含むものであり、またモデル化される被写体のテクスチャのような、外観についての他の態様を含んでもよい。特定の関節のデジタル化された目標放射線写真から得られる入力データにモデルを適用するために、方法100のような方法が採用される。しかしながらその方法は、MCPや、手、手首、膝、及び足の骨における他の関節の特徴上に、自動的、あるいは半自動的に置かれる、如何なる特定の点セット配置に対しても特有のものではない。
【0060】
モデルを構築する目的において、2次元(2D)点の相対的位置は、絶対的というよりも間接的な空間参照位置である。したがって、モデルを構築するに際して、第1のステップは典型的に、2Dデータの各フレームを共通の参照フレームへと調整することである。これについては、非特許文献11において説明されている「Procrustes Analysis」等、さまざまな標準的調整技法のうちの1つを用いて行うことが可能である。
【0061】
幾つかの実施形態においては、特徴に印が付けられた放射線画像又は放射線写真のトレーニングセットを用いて、統計的モデルが構築される。幾つかの実施形態においては、2次元(2D)座標セットを用いて関節の輪郭線(形状とも呼ばれる)が描かれているような、関節の放射線写真のセットが用いられる。形状は全て、共通の参照フレームへと調整されており、トレーニングセットの基本形状によって一般に定められる。基本形状は、(1)各サンプル形状の平均を除去し、(2)お互いに対応する形状を調整し、(3)形状ベクトルの長さを単位長へと正規化する、ことにより得られる。例えばCootes等による「Procrustes Algorithm」を用いて、基本形状の計算を実行することが可能である。
【0062】
形状を、式(1)の列ベクトルxとして記述することができる。
【数1】

【0063】
ここで、(xi,yi)は、添え字「i」を有する点の2D座標であり、上付き文字「t」は転置操作を示す。幾つかの実施形態においては、非特許文献12によって記述される方法を用いて、形状がモデルの参照フレームへと調整される。形状は、Cootesの方法により、式(2)中のベクトルx’として記述される。
【数2】

【0064】
ここにおいてx’は、計算される調整変換パラメータ行列Tをxへと適用した結果である。
【0065】
サンプル形状の調整の後、行列X’によってトレーニングセットを表すことができる。ここで、調整されたサンプル形状は、X’の列内に格納されている。ここで基本形状は、定義により、X’の列の平均である。
【0066】
放射線写真のテクスチャをモデル化するため、基本形状の参照フレームに関連してサンプリング点が定められる。これらサンプリング点の場所におけるグレースケール値を、式(3)の列ベクトルg内に収集することができる。
【数3】

【0067】
ここでgiは、添え字「i」を有するサンプリング場所でのグレースケール値である。位置情報とテクスチャからの変位を予測することが狙いであるので、例示的形状に摂動を加えて、目標外の位置に対するテクスチャ情報が得られる。
【0068】
これらの摂動は、2つの成分からなる。第1の成分は、拡大縮小、回転、及び並進のような大域的性質に対処するものであり、第2の成分は局所的な変位に対処する。これら変位は、異なる方法で得ることが可能である。例えば、2つの例示的形状がランダムに選択され、そしてそれらの差異の比が、摂動として選ばれる。別の選択肢としては、例示的形状における全ての点をランダムに変位させるということがある。この方法において得られるデータ量は、しばしば高次元となるのであって、ゆえに次元を下げる操作を実行することは有利となりうる。1つの例としては、非特許文献13で説明されている主成分分析(PCA)がある。
【0069】
テクスチャサンプルを、例示的画像間での強度変化に関して見込まれる不変量として作成することも有益である。例えばProcrustes Analysisやinfraのような、局所的、及び大域的な規格化スキームを、この目的のために用いることができるのであり、そのような適切な規格化手続きが、次元縮小の前に行われているものとする。次元縮小の後、ベクトルgは変換Rによって次元の低いベクトルbへとマッピングされる。PCAを用いる場合、この変換は式(4)のように書くことができる。
【数4】

【0070】
ここでRは変換行列である。
【0071】
PCAの直接的な利点は、テクスチャベクトルgの推定再構築を、式(5)のように合成できるということである。
【数5】

【0072】
ここでgrは再構築ベクトルであり、

は、PCAを計算するために用いられるサンプルの平均である。
しかしながら、トレーニングデータに基づいてテクスチャベクトルを合成するために他の方法を利用することもできる。
【0073】
次元縮小変換を受けた後、モデルにおいてはトレーニングを受ける準備ができている。トレーニングは、ソース及び目標ベクトルのセットを作成することからなる。目標ベクトルは、基準形状の参照フレーム中で、現在の形状位置から正しい形状位置までに得る必要がある変位δx’を表す。対応するソースベクトルは、2つの寄与からなる。第1の寄与は、ベクトルbによってエンコードされるテクスチャ情報である。第2の寄与は、基準形状の参照フレーム中での現在の形状と、基準形状それ自体との間での差δsである。
【0074】
トレーニングデータを得るために、上述した方法と同様の方法によって、サンプルデータは再び摂動を受ける。目標及びソースベクトルは、各々の摂動に対して保持される。それらの関係を統計的分類子、あるいは線形回帰を介した方法など当該技術分野において知られている方法を用いてトレーニングすることができる。現在の実施においては線形回帰を用いる。したがって、予測される変位は式(6)により与えられる。
【数6】

【0075】
ここにおいて、δx’は、基準形状の参照フレームにおける現在の点位置に対する更新ベクトルであって、Aは回帰行列であって、そしてbは上述のとおり定義されるものであり、そしてδsは、基準形状の参照フレーム中での現在の形状と、基準形状それ自体との間での差のベクトルである。
【0076】
ランタイム利用段階103の間、102,104、106、及び108におけるモデル構築段階101の間に作成されたモデルは、正常なバリエーションを無視しつつ、デジタル化された目標関節放射線写真中に存在しうる病的な如何なる変化をも検出するために、デジタル化された目標放射線写真へと適用される。
【0077】
式(6)において記述される、トレーニングされた関係を用いて、モデルによっては見えないデジタル化された目標放射線写真にアノテーションが付けられる。第1に、形状のインスタンスが画像中に置かれる。インスタンスは、基準形状の参照フレームへと変換され、それについて基準形状との差が記憶され、そしてグレースケール値がサンプリングされる。式(4)において用いられた次元縮小Rをグレースケール値へと適用した後、線形回帰が適用され、求めていた変位が得られる。一般に、所望の解を見つけ出すためには、この手続きを数回繰り返すことが必要である。
【0078】
このプロセスは、特定の基準内に収束するまで、あるいは、特定の最大数だけ繰り返しが実行されるまで、繰り返される。繰り返しが完了すると、最終ステップの出力は、モデルパラメータによるフィッティングとしての、2D点の完全なセットに対する解となる。これが最適な適合である。
【0079】
ここで、最後のアノテーション(すなわち、放射線写真における、特定の初期化位置の識別)を用いて、放射線写真から多数の測定値を抽出することができる。以下にその例を概説する。上述のとおり、その方法により、合成画像を生成するために用いることができるテクスチャベクトルの再構築が可能となる。その再構築は、PCAか、あるいは他の、最後のアノテーションからテクスチャベクトルを再構築可能であるような任意の適切な方法に基づいていてよい。ちなみに、最後のアノテーションから直接、b及び/又はδs、及び/又はδx’パラメータを用いることさえ可能である。
【0080】
より詳細には、110において、特定の関節についてのデジタル化された目標放射線写真が受信される。次に、112において、目標放射線写真内の関節をパラメータ化する準備のために、デジタル化された目標放射線写真中の複数の部位がフィッティングされる。MCPあるいは他の関節の画像中で、特定の点があらかじめ識別されるか、あるいはそれらにアノテーションが付けられる。幾つかの実施形態においては、これらの位置を識別するようトレーニングされたプログラム要素によって、アノテーションが実行される。半自動的な分析において、変形可能な統計的テンプレートの作成に際し、アプリケーションのユーザは、自動的又は半自動的に識別されたMCP、あるいは他の関節についての、放射線写真上ランドマークの幾つかの(あるいは適切な、又は完全な)サブセットを定めることを求められる。これらの位置は、外部の、あるいは他の特徴に関連して、関節の放射線写真上の外観を効果的に記述するようなやり方で定められる。
【0081】
114において、デジタル化された目標放射線写真中の複数の部位についての位置がパラメータ化され、それにより、統計的テンプレートのインスタンスが生成される。関節の正確な形態は被験者間で異なり、そして時間によって変化するのではあるが、大部分において、これらのランドマークは識別可能なままである。平均及び正常変動を用いて、あるいは、役に立つ非制限的な他のモーメントを用いて、特定の関節における放射線写真の外観の、被験者アンサンブルにまたがる表現的な特徴付けとして分布をモデル化するという点において、テンプレート、あるいはモデルは統計的である。したがってテンプレートは、形態について有限数の値という意味でのパラメータ化を可能とするのであって、本発明は如何なる特定のパラメータ化スキームからも独立している。
【0082】
116において、制約された変形可能な統計的モデルを用いて、図5に描かれるような最適な適合が見出されるまで、デジタル化された目標放射線写真が検索される。検索アルゴリズムの狙いは、変形可能な統計的テンプレートを新たな画像と照合することである。このアルゴリズムでは、サンプリングされた画像のグレースケールレベルの外観(テクスチャとも呼ばれる)と、平均的な形状と現在の形状との間の差異とを用いて、アノテーション点の現在の位置に対する変位を予測する。これにより、放射線写真中の各々のランドマーク特徴に対して、よりよい位置が定められる。この検索アルゴリズムでは、現在のランドマーク特徴の推定位置と、計算された更新位置との間での差異が統計的に有意ではないものとなるまで繰り返される。このとき、変形可能な統計的テンプレートは、画像に対する「最適な適合」に達したと言われる。
【0083】
展開されている統計的モデルによって、2次元(D)の点セットにおける個々の点の、画像中の関節の骨格形態を特徴付ける正しい場所に対する移動が予測される。予測は、モデルにおける実際のインスタンスの位置パラメータ、及びテクスチャに基づくものであり、また2D点の正しい位置を更新するために変位が生み出される。
【0084】
関節を検出してアノテーションを付けるために変形可能な統計的テンプレートが用いられたので、このテンプレートについての最適な適合から、関節形状のパラメータ化を定めることができる。したがって、関節の(テクスチャ情報を含む)形状を、正常な(すなわち疾患に罹っていない)関節母集団の形状と比較することが可能であって、あるいは、長期的研究における異なる時間点での形状パラメータの変化を、疾患の進行についての新たな測定値として用いることができる。
【0085】
経過する時間に亘る特定の測定においては、医学的介入の存在下での、あるいは不在下での、変化をマッピングすることができる。医学的介入の例は、ここにおいて、及び添付の任意の請求項において、最も一般的な意味で「治療法」と呼ばれるものであり、これには薬剤の管理が含まれるのであるが、しかしながらそれに制限されるわけではない。
【0086】
半自動化された分析において、アプリケーションのユーザは、手の放射線写真上で関節を指示するよう求められる。特定の点に基づいて関節の基本的な外観を最もよく説明するために、変形可能なテンプレートを用いて、画像における、そのテンプレートについての最適な適合の検索がなされる。自動化された、及び半自動化された分析の両方において、関節の縁には自動的にアノテーションが付される。
【0087】
118において、デジタル化された目標放射線写真が、最適に適合された統計的テンプレートと比較され、そして、当該デジタル化された目標放射線写真と、最適に適合された統計的テンプレートと間での差異が与えられる。幾つかの実施形態においては、目標画像と、最適に適合された統計的テンプレートとの間での差異を用いて比較画像が作成される。幾つかの事例において、比較画像とは、各々の画素が、目標あるいは入力画像と、合成あるいはパラメータ化された画像とにおいて、ある領域における対応する画素の強度値を比較する測定値を表すような、画像のことをいう。関節に対して、侵食であることと、侵食ではないこととを各画素ベースで分類することにより、侵食見込みマップの可視化が可能となるのであり、そして、侵食画素を列挙することにより、その関節に対する全体的な侵食スコアが得られる。
【0088】
所定の画素について、局所的近傍から抽出された、ローカルテクスチャ及び/又は形状を包含する特徴を、画素ごとに侵食と非侵食とを分類するプロセスへの入力として用いることができる。そのような特徴抽出及び分類ステップを実行する方法は、非特許文献14において説明されている。
【0089】
各画素が正常であるか、あるいは侵食区域中の画素であるか、についてのベイジアン事前確率を、分類ステップへの入力として用いることができる。そのような事前確率の推定を医学的用途において実行するための方法は、非特許文献15に説明されている。
【0090】
さまざまな関節形状とテクスチャ特徴との間の関係、及び関節に対する全体スコアを学習する、関節全域に対する侵食スコアの分類子を用いることもできる。各画素ベースのアプローチからの出力を、完全関節における、より高いレベルの侵食スコア分類子への入力の一部として用いることが可能であるし、又は単純なピクセルごとの見込みの合計として用いることもできる。あるいは、クラスタ化、グループ化、及び/又はフィルタリング技法を侵食見込みマップに適用してもよい。2003年4月30日に出願され2004年12月8日に公開された、英国特許出願GB20039821Aが教示するとおり、分類結果を組み合わせて、組合せ確率スコアを与えることも可能である。
【0091】
幾つかの実施形態においては、リウマチ性関節炎により引き起こされた損傷を指示する1以上の測定値が、目標画像、及び最適に適合する統計的テンプレートの間の差異を用いて与えられる。本発明の好ましい実施形態に従い、放射線写真から多数の測定値を抽出するために、既に説明したとおりの自動化されたアノテーションが用いられる。
【0092】
例えば、長期的研究におけるさまざまな時間点での最小関節腔幅(mJSW)の差異を比較することにより、あるいは、他の関節のJSWと比較することにより、任意のアノテーションが付けられた関節中での、関節腔幅(JSW)の狭小化を測定することができる。図2に示すとおり、関節中、任意の位置におけるJSWに対して、関節の一端から別の一端への線に沿って、JSW測定位置をパラメータ化することができるのであり、したがって、長期的研究においてはさまざまな時間点でこの測定を比較することができる。手の中手骨と指骨との配列を比較することによって亜脱臼の角度を測定することができるし、関節のアノテーションにより定められる区域を測定することもできる。
【0093】
統計的テンプレートが、正常な手の骨格を表す放射線写真の例を用いて意図的に構築されたため、形状及びグレースケールテクスチャの統計的テンプレートは、RAに罹った患者の手に存在する関節破壊(侵食)を完全に記述することができない。このような、正確な記述の欠如は、図4−6において示されるとおり、統計的テンプレートにより作り出される再構築と比較した場合の、放射線画像のテクスチャにおける差異から明らかである。モデルの再構築と画像とを比較する場合、グレースケールにおける顕著な残存差異を有する空間的に明瞭な画素のクラスタとして、その差異を分析することができる。その後、これらクラスタをカウントするか積算して、各々の関節(又は手の全体)についての侵食スコア、又は侵食数の測定値を作り出すことができる。
【0094】
コンピュータプログラム製品の実装
開示された、リウマチ性関節炎を診断するための方法を、コンピュータシステムと共に用いるためのコンピュータプログラム製品として実装することができる。そのような実装には、コンピュータ読取可能な媒体(例えば、ディスケット、CD−ROM、ROM、フラッシュメモリ、あるいは固定ディスク等)のような有体媒体上に固定された、あるいはコンピュータシステムへと、モデムを介して、あるいは、媒体を介してネットワークへと接続された通信アダプタのような他のインターフェースデバイスを介して伝送可能な、コンピュータ命令のシリーズを含むことができる。
【0095】
媒体は、有体媒体(例えば光学あるいはアナログ通信線)や、あるいは無線技術(例えばマイクロ波、赤外線、あるいは他の伝送技術)を用いて実装された媒体であってもよい。コンピュータ命令のシリーズにより、ここにおいて前述した機能の全て、あるいは一部がシステムに対して具体化される。当業者であれば、多くのコンピュータアーキテクチャ、あるいはオペレーティングシステムと共に用いるために、そのようなコンピュータ命令を多数のプログラミング言語で記述することが可能であると分かるであろう。
【0096】
さらに、そのような命令を、半導体、磁気、光学、あるいは他のメモリデバイスのような任意のメモリデバイス内に記憶することが可能であるし、またそのような命令を、光学、赤外線、マイクロ波、又は他の伝送技術のような任意の伝送技術を用いて伝送することが可能である。
【0097】
そのようなコンピュータプログラム製品を、取り外し可能な媒体として、印刷された、又は電子的な付属文書と共に(例えば、パッケージソフトウェアとして)配布するということが考えられるし、コンピュータシステムに(例えば、システムROM上に、あるいは固定ディスク上に)あらかじめロードしておくことや、あるいはネットワーク(例えば、インターネット又はWorld Wide Web)を介してサーバ、又は電子掲示板から配布するということも予測される。当然ながら、本発明の幾つかの実施形態を、ソフトウェア(例えばコンピュータプログラム製品)とハードウェアの両方の組合せとして実装することができる。さらに、本発明の他の実施形態は、完全にハードウェアとして、あるいは完全にソフトウェア(例えばコンピュータプログラム製品)として実装される。
【0098】
本発明のさまざまな実施形態は例示として与えられるのであり、これらは制限ではない。
【0099】
説明された本発明の実施形態は、単なる例示として意図されたものであり、したがって、多くのバリエーションや修正が当業者にとって明らかとなるであろう。例えば、手首、膝、及び足を、関節腔狭小化、侵食、及び一般的な関節劣化に関し、併せてスコア付けする場合、自動化された、及び半自動化された方法を作り出すために、上記において論じたものと同様の技術を、手に加えて手首、膝、及び足の放射線写真へと適用することができる。
【0100】
同様の原理が、手、手首、膝、及び足についてのCT画像、あるいは磁気共鳴映像(MRI)にも当てはまる。例えば、手におけるリウマチ性関節炎の評価は、手の前頭面内切断画像上で行われるのが最も一般的である。また、侵食は、さまざまなMRI連続画像内でよく写るのであり、カウントすることができる。このコンテクストで現在用いられているスコアリングシステムは、Outcome Measures in Rheumatology Clinical Trials (OMERACT) Rheumatoid Arthritis MRI Scoring System (RAMRIS)である。そのようなバリエーション、及び修正は、全て本発明の範囲内であるよう意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル化された目標放射線写真における、コンピュータモデルによって表される病気ではない形状及び外観と比較しての差異の測定数値を自動的に決定するための方法であって、
a.モデル構築段階の間に、特定の関節の病的な変化を実質的に排除して、該特定の関節についての放射線写真の形状、及び外観における変化を表すために選択されるサンプル放射線写真のセットから、コンピュータモデルを構築するステップと、
b.ランタイム段階の間に、対象のデジタル化された目標放射線写真を受信するステップと、
c.前記ランタイム段階の間に、前記デジタル化された目標放射線写真を前記コンピュータモデルと比較するステップと、
d.前記ランタイム段階の間に、前記比較に応答して、前記デジタル化された目標放射線写真における、前記コンピュータモデルにより表される病気ではない形状及び外観に比較しての差異についての測定数値を自動的に決定し、報告するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記コンピュータモデルは、前記特定の関節の空間的位置のセットを表すベクトル空間に広がるパラメータのセットによって特徴付けられる、制約された変形可能な統計的テンプレートを含み、該ベクトル空間中の各々のベクトルは、母平均からのユニークな変化を記述し、該制約された変形可能な統計的テンプレートは、前記特定の関節についての前記放射線写真の形状及び外観が変形することが可能な範囲を定める、入力制約パラメータ、を受信する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記デジタル化された目標放射線写真を前記コンピュータモデルと比較するステップは、
e.前記ランタイム段階の間に、前記デジタル化された目標放射線写真中の前記特定の関節に関連する複数の部位をフィッティングするステップと、
f.前記ランタイム段階の間に、前記複数の部位の各位置において、前記デジタル化された目標放射線写真をサンプリングするステップであって、前記複数の部位の各位置においてサンプリングされる前記デジタル化された目標放射線写真は、前記複数の部位の各位置において、前記特定の関節の前記外観を指示するステップと、
g.前記ランタイム段階の間に、統計的テンプレートを用いて、該統計的テンプレートのインスタンスを生成するステップであって、該統計的テンプレートは、前記複数の部位の位置と、前記複数の部位の各位置においてサンプリングされた前記デジタル化された目標放射線写真とを用いて、該統計的テンプレートの該インスタンスを出力するステップと、
h.前記ランタイム段階の間に、前記統計的テンプレートを用いて前記統計的テンプレートの連続的なインスタンスを生成するステップであって、前記統計的テンプレートは、前記デジタル化された目標放射線写真上に配置された前記統計的テンプレートの前記インスタンスにおける新たな複数の部位の位置と、該新たな複数の部位の各位置においてサンプリングされた画像と、を用いて前記統計的テンプレートの該連続的なインスタンスを出力するステップと、
i.前記ランタイム段階の間に、前記統計的テンプレートの前記インスタンスと、前記統計的テンプレートの前記連続的なインスタンスと、を比較するステップと、
j.前記ランタイム段階の間に、前記統計的テンプレートの前記インスタンスと前記統計的テンプレートの前記連続的なインスタンスとの間で統計的に有意な差異が存在しなくなるまでステップ(h)及び(i)を繰り返すことにより、前記統計的テンプレートの最適に適合されたインスタンスを得るステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記デジタル化された目標放射線写真における、前記コンピュータモデルにより表される病気ではない形状及び外観に比較しての差異についての前記測定数値を自動的に決定するステップは、前記ランタイム段階の間に、前記デジタル化された目標放射線写真を統計的テンプレートの最適に適合されたインスタンスと比較することにより、前記対象の前記デジタル化された目標放射線写真内に表される関節炎の重症度を決定するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記デジタル化された目標放射線写真における、前記コンピュータモデルにより表される病気ではない形状及び外観に比較しての前記差異は、前記デジタル化された目標放射線写真の各画素の外観と、前記コンピュータモデルにより表される前記病気ではない外観における各画素の外観と、の間での差異を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
制約された変形可能な統計的テンプレートにおける、デジタル化された目標放射線写真に対する最適な適合を作成するための方法であって、
a.モデル構築段階の間に、特定の関節における特定の特徴の空間的位置のセットを表すベクトル空間に広がるパラメータのセットによって特徴付けられる、制約された変形可能な統計的テンプレートを作成するステップであって、該ベクトル空間中の各々のベクトルは、母平均からのユニークな変化を記述し、該統計的テンプレートの作成は、少なくとも該特定の関節を含む骨格系のサンプル放射線写真のセットから統計的テンプレートを構築することを含み、選択される該サンプル放射線写真のセットは、特定の関節の病的な変化を実質的に排除して、放射線写真の形状及び外観における変化を表す、ステップと、
b.ランタイム段階の間に、前記特定の関節のデジタル化された目標2次元放射線写真中で、前記特定の関節における前記特定の特徴に関連する複数の部位をフィッティングし、前記統計的テンプレートに関するパラメータ化を可能とするステップと、
c.前記ランタイム段階の間に、前記デジタル化された目標放射線画像内でフィッティングされた前記複数の部位の位置をパラメータ化し、前記統計的テンプレートから前記デジタル化された目標放射線写真のパラメータに対する値を抽出することにより、前記統計的テンプレートのインスタンスを生成するステップと、
d.前記ランタイム段階の間に、前記デジタル化された目標放射線写真の少なくとも1つの領域に対する前記統計的テンプレートの最適な適合が見出されるまで、前記デジタル化された目標放射線写真へと前記統計的テンプレートを適用することにより、前記デジタル化された目標放射線写真を検索するステップであって、前記デジタル化された目標放射線写真における該最適な適合の検索は、前記統計的テンプレートと前記デジタル化された目標放射線写真における前記少なくとも1つの領域との間での差異が最小化されるまで、前記統計的テンプレートの位置、方向、形状、及びテクスチャを調整するステップを含む、ステップと、
を含む方法。
【請求項7】
前記ランタイム段階の間に、前記デジタル化された目標放射線写真における前記少なくとも1つの領域と、前記統計的テンプレートにおける前記最適な適合と、を比較することにより、比較画像を作成するステップを更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
a.前記比較画像と、
b.前記比較画像からの、前記デジタル化された目標放射線写真の差分と、
c.前記比較画像、及びデジタル化された目標放射線写真の着色された重ね合わせと、
のうち、少なくとも1つを表示するステップを更に含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記骨格系は、手、手首、膝、脚、又は足の骨の間の1以上の関節を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記特定の関節は、中手指関節を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
前記デジタル化された目標2次元放射線写真は、X線画像、コンピュータ断層撮影(CT)画像、及び磁気共鳴映像法(MRI)画像を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項12】
前記ランタイム段階における、前記特定の関節における前記特定の特徴に関連する前記複数の部位をフィッティングするステップは、操作者の入力を受信するステップを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項13】
e.前記ランタイム段階の間に、前記デジタル化された目標放射線写真における前記少なくとも1つの領域を前記統計的テンプレートにおける前記最適な適合と比較することにより、前記特定の関節における関節炎の症候を指示する少なくとも1つの測定値を抽出するステップ
を更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項14】
前記特定の関節における関節炎の症候を指示する前記少なくとも1つの測定値は、
a.関節侵食を指示する画素クラスタ、
b.関節侵食を指示する画素クラスタの1次元での広がり、
c.関節侵食を指示する画素クラスタの2次元での広がり、
d.関節侵食を指示する画素クラスタ中の、画素数、
e.関節侵食を指示する画素クラスタのテクスチャ、
f.関節侵食を指示する画素クラスタのテクスチャと関連する、1次及び2次統計値、
のうちの少なくとも1つを包含する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記特定の関節における関節炎の症候を指示する前記少なくとも1つの測定値は、
a.アノテーションが付された任意の関節における、最小の関節腔幅(JSW)と、
b.ベースライン放射線写真とフォローアップ放射線写真とを比較する時に関節内で測定される、JSWの狭小化と、
c.関節を同一個体における他の関節と比較するときに該関節内で測定される、JSWの狭小化と、
d.関節内特定位置におけるJSWと、
e.関節のアノテーションによって定められる区域と、
f.手の、中手骨と指骨との配列を比較することによって測定される、亜脱臼の角度と、
g.関節中に、侵食又は嚢胞が存在すること、又は存在しないことと、
h.関節上に存在する、各侵食又は嚢胞の範囲と、
を含むグループから選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つの測定値に基づいて、関節炎の症候の進行に関して前記特定の関節をスコア付けするステップを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
骨格形態の時間発展を記述するために、連続的な時間点において、ステップ(b)からステップ(e)までを繰り返すことを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
制約された変形可能な統計的テンプレートにおける、デジタル化された目標放射線写真に対する最適な適合を作り出すためのコンピュータプログラム製品であって、
a.特定の関節における特定の特徴の空間的位置のセットを表すベクトル空間に広がるパラメータのセットによって特徴付けられる、制約された変形可能な統計的テンプレートであって、該ベクトル空間中の各々のベクトルは、母平均からのユニークな変化を記述し、該統計的テンプレートは、少なくとも該特定の関節を含む骨格系のサンプル放射線写真のセットから構築され、該サンプル放射線写真のセットは、特定の関節の病的な変化を実質的に排除して、放射線写真の形状及び外観における変化を表すよう選択される、統計的テンプレートと、
b.前記特定の関節の、デジタル化された目標2次元放射線写真において、前記特定の関節における前記特定の特徴に関連する複数の部位をフィッティングして、前記統計的テンプレートに関してのパラメータ化を可能とするためのコードと、
c.前記デジタル化された目標放射線写真においてフィッティングされた前記複数の部位の位置をパラメータ化して、前記デジタル化された目標放射線写真のパラメータのための値を前記統計的テンプレートから抽出することにより、前記統計的テンプレートのインスタンスを生成するためのコードと、
d.前記デジタル化された目標放射線写真における少なくとも1つの領域に対する前記統計的テンプレートの最適な適合が見出されるまで、前記デジタル化された目標放射線写真へと前記統計的テンプレートを適用することにより、前記デジタル化された目標放射線写真を検索するためのコードであって、前記デジタル化された目標放射線写真における前記最適な適合の検索には、前記統計的テンプレートと前記デジタル化された目標放射線写真における前記少なくとも1つの領域との間での差異が最小化されるまで、前記統計的テンプレートの位置、方向、形状、及びテクスチャを調整することが含まれる、コードと、
を含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項19】
前記デジタル化された目標放射線写真における前記少なくとも1つの領域を前記統計的テンプレートにおける前記最適な適合と比較することにより、比較画像を作成するためのコード、を更に含む、請求項18に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項20】
前記デジタル化された目標放射線写真における前記少なくとも1つの領域を前記統計的テンプレートにおける前記最適な適合と比較することにより、前記特定の関節における関節炎の症候を指示する少なくとも1つの測定値を抽出するためのコードを更に含む、請求項18に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項21】
a.モデル構築段階の間に、特定の関節における特定の特徴の空間的位置のセットを表すベクトル空間に広がるパラメータのセットによって特徴付けられる、制約された変形可能な統計的テンプレートを作成するステップであって、該ベクトル空間中の各々のベクトルは、母平均からのユニークな変化を記述し、該統計的テンプレートの作成は、少なくとも該特定の関節を含む骨格系のサンプル放射線写真のセットから統計的テンプレートを構築することを含み、選択される該サンプル放射線写真のセットは、特定の関節の病的な変化を実質的に排除して、放射線写真の形状及び外観における変化を表すよう選択される、ステップと、
b.ランタイム段階の間に、前記特定の関節の、デジタル化された第1の目標2次元放射線写真において、前記特定の関節における前記特定の特徴に関連する複数の部位をフィッティングして、前記統計的テンプレートに関してのパラメータ化を可能とするステップと、
c.前記ランタイム段階の間に、前記デジタル化された第1の目標放射線画像内でフィッティングされた前記複数の部位の位置をパラメータ化し、前記統計的テンプレートから前記デジタル化された目標放射線写真のパラメータに対する値を取り出すことにより、前記統計的テンプレートのインスタンスを生成するステップと、
d.前記ランタイム段階の間に、前記デジタル化された第1の目標放射線写真の少なくとも1つの領域に対する、前記統計的テンプレートの第1の最適な適合が見出されるまで、前記デジタル化された第1の目標放射線写真へと前記統計的テンプレートを適用することにより、前記デジタル化された第1の目標放射線写真を検索するステップであって、前記デジタル化された第1の目標放射線写真における該第1の最適な適合の検索は、前記統計的テンプレートと前記デジタル化された第1の目標放射線写真における前記少なくとも1つの領域との間での差異が最小化されるまで、前記統計的テンプレートの位置、方向、形状、及びテクスチャを調整するステップを含む、ステップと、
e.前記ランタイム段階の間に、第2の時刻において得られた、前記特定の関節におけるデジタル化された第2の目標2次元放射線写真に対してステップ(b)、(c)、(d)を繰り返し、該デジタル化された第2の目標放射線写真の少なくとも1つの領域に対する前記統計的テンプレートの第2の最適な適合を見出すステップと、
f.前記ランタイム段階の間に、前記統計的テンプレートにおける前記第1の最適な適合と前記統計的テンプレートにおける前記第2の最適な適合とを比較することにより、前記特定の関節における関節炎の症候の進行を指示する少なくとも1つの測定値を抽出するステップと、
を含む、コンピュータ実施される方法。
【請求項22】
前記特定の関節における関節炎の症候の進行を指示する少なくとも1つの測定値は、
a.アノテーションが付された任意の関節における、最小の関節腔幅(JSW)と、
b.ベースライン放射線写真とフォローアップ放射線写真とを比較する時に関節内で測定される、JSWの狭小化と、
c.関節を同一個体における他の関節と比較するときに該関節内で測定される、JSWの狭小化と、
d.関節内特定位置におけるJSWと、
e.関節のアノテーションによって定められる区域と、
f.手の、中手骨と指骨との配列を比較することによって測定される、亜脱臼の角度と、
g.関節中に、侵食又は嚢胞が存在すること、又は存在しないことと、
h.関節上に存在する、各侵食又は嚢胞の範囲と、
を含むグループから選択される、請求項21に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2010−515557(P2010−515557A)
【公表日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−546023(P2009−546023)
【出願日】平成20年1月16日(2008.1.16)
【国際出願番号】PCT/IB2008/000574
【国際公開番号】WO2008/087556
【国際公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【出願人】(507317524)オプタジア メディカル リミテッド (2)
【Fターム(参考)】