説明

画像処理システム、画像処理装置、および表示方法

【課題】画像処理装置のメンテナンスを適切にアシストすることができる画像処理システムを提供する。
【解決手段】MFP100のCPU10は、携帯端末からの指示入力に基づいてメンテナンスの手順上の位置を特定し、携帯端末での撮影画像に合成されるタグ情報から上記メンテナンスの手順に応じたタグデーターを生成するためのタグデーター生成部103と、携帯端末の位置および向きとメンテナンス対象の部品との位置関係に応じて、送信対象のコンテンツをタグデーターからメンテナンスの手順に沿って連続して再生される画面データーに切り替えて画面データーを生成するための画面データー生成部105とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は画像処理システム、画像処理装置、および表示方法に関し、特に、画像処理装置のメンテナンスに関連した情報を処理する画像処理システム、画像処理装置、および表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
オフィス環境などにおいて、コピー機、プリンター、これらの複合機であるMFP(Multi-Functional Peripherals)等の画像形成装置が広く用いられている。
【0003】
これら画像形成装置のメンテナンスを容易にする方法として、たとえば特開2002−176571号公報(特許文献1)の開示しているカメラの修理をアシストする方法を応用することもできる。上記特許文献1には、修理モードにしてカメラ内のHDDを取り出して他の表示デバイスに接続すると、当該カメラのメンテナンス用のアニメーション画像が表示デバイスで再生される技術が開示されている。この技術を応用すると、たとえばサービスマンの携帯する携帯端末と画像形成装置とを通信することで、携帯端末に当該画像形成装置のメンテナンスをアシストするアニメーション画像を表示させることが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−176571号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように上記特許文献1に開示された方法を応用することで、サービスマンは表示されたアニメーション画像等を参照してメンテナンスを遂行することができるものの、たとえば当該サービスマンのメンテナンススキルが低いなどの場合には、表示された画像に従ってメンテナンスを遂行することが難しい場合もある。つまり、この方法では実際に行なっているメンテナンスに応じてアシストするものではないため、実際に行なっているメンテナンスと表示されているコンテンツとが解離してしまうことになり得る。そのため、適切なメンテナンスがなされない場合もある、という問題が生じる。
【0006】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、メンテナンスを適切にアシストすることができる画像処理システム、画像処理装置、および表示方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明のある局面に従うと、画像処理システムは、撮影手段、表示手段、および入力手段を含む携帯端末と、画像処理装置と、携帯端末および画像処理装置と相互に通信可能なサーバーとを備える。画像処理装置は、当該画像処理装置の位置情報を記憶するための第1の記憶手段と、当該画像処理装置のメンテナンス対象の部品の位置を記憶するための第2の記憶手段と、画像処理装置でのメンテナンスに関するコンテンツを生成するための生成手段と、コンテンツを携帯端末に送信するための送信手段と、コンテンツの携帯端末への送信を制御するための制御手段とを含む。コンテンツは、メンテナンスの手順ごとのメンテナンスの内容を表わす画像データーおよび当該メンテナンス対象の部品を特定する情報を含むものであって、携帯端末での撮影画像に合成される第1のコンテンツと、メンテナンスの手順に沿って連続して再生される第2のコンテンツとを含む。制御手段は、携帯端末からの指示入力に基づいてメンテナンスの手順上の位置を特定し、当該位置に応じた第1のコンテンツを画像処理装置に送信する処理と、携帯端末の位置および向きとメンテナンス対象の部品との位置関係に応じて、送信対象のコンテンツを第1のコンテンツから第2のコンテンツに切り替えて第2のコンテンツを画像処理装置に送信する処理とを実行する。
【0008】
好ましくは、制御手段は、第2のコンテンツを画像処理装置に送信する処理において、第1のコンテンツを画像処理装置に送信する処理において特定されたメンテナンスの手順上の位置に基づいて、第1のコンテンツから切り替えた第2のコンテンツの再生開始点を特定する処理を行ない、再生開始点から第2のコンテンツを画像処理装置に送信する。
【0009】
好ましくは、サーバーは、画像処理装置の位置を記憶するための第1の記憶手段と、携帯端末の位置および向きを取得するための取得手段と、携帯端末での撮影時の位置および向きに応じて、携帯端末での撮影範囲に含まれる画像処理装置をコンテンツの送信対象と特定し、画像処理装置に対してコンテンツの送信を要求する処理を行なうための処理手段とを備える。
【0010】
好ましくは、携帯端末は、自身の位置情報を取得するための位置情報取得手段を備える。
【0011】
好ましくは、画像処理装置は、自身の位置情報を取得するための位置情報取得手段を備える。
【0012】
好ましくは、制御手段は、携帯端末での撮影範囲にメンテナンス対象の部品が含まれていない場合に、メンテナンスに関する第1のコンテンツを第2のコンテンツに切り替えて携帯端末に送信する。
【0013】
好ましくは、制御手段は、携帯端末での撮影範囲にメンテナンス対象の部品が含まれていない場合に、第1のコンテンツの送信に先立って位置の変更を促す画面データーを携帯端末に送信する。
【0014】
本発明の他の局面に従うと、画像処理装置は、撮影手段、表示手段、および入力手段を含む携帯端末と通信可能な画像処理装置であって、当該画像処理装置の位置情報を記憶するための第1の記憶手段と、当該画像処理装置のメンテナンス対象の部品の位置を記憶するための第2の記憶手段と、画像処理装置でのメンテナンスに関するコンテンツを生成するための生成手段と、コンテンツを携帯端末に送信するための送信手段と、コンテンツの携帯端末への送信を制御するための制御手段とを含む。コンテンツは、メンテナンスの手順ごとのメンテナンスの内容を表わす画像データーおよび当該メンテナンス対象の部品を特定する情報を含むものであって、携帯端末での撮影画像に合成される第1のコンテンツと、メンテナンスの手順に沿って連続して再生される第2のコンテンツとを含む。制御手段は、携帯端末からの指示入力に基づいて送信対象とするメンテナンスの手順上の位置を特定し、当該位置に応じた第1のコンテンツを画像処理装置に送信する処理と、携帯端末の位置および向きとメンテナンス対象の部品との位置関係に応じて、送信対象のコンテンツを第1のコンテンツから第2のコンテンツに切り替えて第2のコンテンツを画像処理装置に送信する処理とを実行する。
【0015】
本発明のさらに他の局面に従うと、表示方法は画像処理装置のメンテナンスに関するコンテンツを撮影手段および表示手段を含む携帯端末に表示させる方法であって、コンテンツは、メンテナンスの手順ごとのメンテナンスの内容を表わす画像データーおよび当該メンテナンス対象の部品を特定する情報を含むものであって、携帯端末での撮影画像に合成される第1のコンテンツと、メンテナンスの手順に沿って連続して再生される第2のコンテンツとを含み、携帯端末での撮影時の位置および向きを、携帯端末から、携帯端末の撮影範囲に存在する画像処理装置に送信するステップと、画像処理装置において携帯端末からの指示入力に基づいてメンテナンスの手順上の位置を特定し、当該位置に応じた第1のコンテンツを画像処理装置に送信するステップと、記携帯端末において、第1のコンテンツを携帯端末での撮影画像に合成して表示するステップと、画像処理装置において、携帯端末の位置および向きとメンテナンス対象の部品との位置関係に応じて、送信対象のコンテンツを第1のコンテンツから第2のコンテンツに切り替えて第2のコンテンツを画像処理装置に送信するステップと、携帯端末において、撮影画像に合成された第1のコンテンツの表示を切り替えて、第2のコンテンツの再生を開始するステップとを備える。
【0016】
本発明のさらに他の局面に従うと、表示プログラムは画像処理装置のメンテナンスに関するコンテンツを撮影手段および表示手段を含む携帯端末に表示させる処理を画像処理装置に実行させるためのプログラムであって、コンテンツは、メンテナンスの手順ごとのメンテナンスの内容を表わす画像データーおよび当該メンテナンス対象の部品を特定する情報を含むものであって、携帯端末での撮影画像に合成される第1のコンテンツと、メンテナンスの手順に沿って連続して再生される第2のコンテンツとを含み、携帯端末での撮影時の位置および向きを携帯端末から受信すると、携帯端末からの指示入力に基づいてメンテナンスの手順上の位置を特定し、当該位置に応じた第1のコンテンツを画像処理装置に送信するステップと、携帯端末の位置および向きとメンテナンス対象の部品との位置関係に応じて、送信対象のコンテンツを第1のコンテンツから第2のコンテンツに切り替えて第2のコンテンツを画像処理装置に送信するステップとを画像処理装置に実行させる。
【発明の効果】
【0017】
この発明によると、メンテナンス作業に応じた表示がなされるため、適切にメンテナンス作業をアシストすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施の形態にかかる画像処理システムの構成の具体例を示す図である。
【図2】画像処理システムに含まれるMFPのハードウェア構成の具体例を示す図である。
【図3】画像処理システムに含まれる携帯端末のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【図4】画像処理システムに含まれるサーバーのハードウェア構成の具体例を示す図である。
【図5】画像処理システムでの、情報の流れを表わした図である。
【図6】画像処理システムでの動作概要を表わした図である。
【図7】MFPの機能構成の具体例を示すブロック図である。
【図8】携帯端末の機能構成の具体例を示すブロック図である。
【図9】サーバーの機能構成の具体例を示すブロック図である。
【図10】サーバーでの動作の流れの具体例を表わすフローチャートである。
【図11】携帯端末での動作の流れの具体例を表わすフローチャートである。
【図12】MFPでの動作の流れを表わすフローチャートである。
【図13】表示画面の具体例を示す図である。
【図14】表示画面の具体例を示す図である。
【図15】表示画面の具体例を示す図である。
【図16】表示画面の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。
【0020】
<システム構成>
図1は、本実施の形態にかかる画像処理システムの構成の具体例を示す図である。
【0021】
図1を参照して、本実施の形態にかかる画像処理システムは、画像処理装置としての、MFP(Multi-Functional Peripheral)100Aと、携帯端末200と、サーバー300とを含む。
【0022】
画像処理装置はMFPに限定されず、プリンターやファクシミリ送受信機やコピー機などのその他の装置であってもよい。MFP100は、これら機能を複合的に備えた画像処理装置である。
【0023】
携帯端末200は、たとえば携帯電話機などが該当し、少なくともカメラ機能と、指示入力機能と、通信機能とを備えていれば、他の装置であってもよい。
【0024】
サーバー300は、一般的なパーソナルコンピューターなどから構成されるものであればよい。
【0025】
なお、以下の説明では、図1に示されたように、MFP100とは別にサーバー300が含まれるものとしているが、サーバー300がMFP100に含まれ、MFP100がサーバーとして機能してもよい。
【0026】
MFP100とサーバー300とは互いに通信可能であり、情報をやり取りする。MFP100とサーバー300との通信は、有線、無線を問わず、いずれの通信形態であってもよい。本実施の形態にかかる画像処理システムはオフィス環境で用いられることが想定されるため、一例として、有線、または無線のLAN(Local Area Network)にMFP100とサーバー300とが接続され、該ネットワークを介して情報をやり取りする通信形態が挙げられる。
【0027】
携帯端末200とサーバー300とも互いに通信可能であり、情報をやり取りする。携帯端末200とサーバー300との通信は、無線通信であればどのような通信形態であってもよい。以降の例では電話回線を利用した無線通信であるものとするが、その他、赤外線通信や近距離無線通信などであってもよいし、無線のLANに携帯端末200とサーバー300とが接続されている場合には該ネットワークを介して情報をやり取りする通信形態も挙げられる。
【0028】
なお、以降の説明において、MFP100とサーバー300とはLANを介した通信、および携帯端末200とサーバー300とは電話回線を利用した無線通信を行なうものと、すなわちこれらは異なる通信形態であるものとするが、たとえばすべてLANを介した通信など、同じ通信形態であってもよい。
【0029】
<装置構成>
図2は、MFP100のハードウェア構成の具体例を示す図である。
【0030】
図2を参照して、MFP100は、全体を制御するための演算装置であるCPU(Central Processing Unit)10と、CPU10で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM(Read Only Memory)11と、CPU10でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM(Random Access Memory)12と、図示しない原稿台に載置された原稿を光学的に読み取って画像データーを得るためのスキャナー13と、画像データーを印刷用紙上に固定するためのプリンター14と、情報を表示したり当該MFP100に対する操作入力を受け付けたりするためのタッチパネルを含んだ操作パネル15と、画像データーを保存するためのメモリー16と、LANを介した通信の制御するためのネットワークコントローラー17と、MFP100の状態を検出するためのセンサー18とを含む。
【0031】
操作パネル15は、図示しないタッチパネルと操作キー群とを含む。タッチパネルは、液晶表示装置などの表示装置と光学式タッチパネルや静電容量タッチパネルなどの位置指示装置とが重なって構成され、操作画面を表示して、その操作画面上の指示位置を特定する。CPU10は予め記憶されている画面表示をさせるためのデーターに基づいてタッチパネルに操作画面を表示させる。
【0032】
センサー18としては、たとえば、トナー量残量を検出するためのセンサーや、各部のジャム(紙詰まり)や温度異常や動作異常等を検出するためのセンサーや、各部品の装着の有無を検知するためのセンサーなどが該当する。
【0033】
メモリー16には、さらに、メンテナンス対象となる部品ごとの情報である部品情報と、メンテナンスに関する情報であるメンテナンス情報と、当該MFP100の設置された位置を表わす情報(位置情報)とが記憶されている。当該MFP100の設置された位置は、当該MFP100が図示しない位置検出機能を有する場合には当該機能によって取得されるものであってもよいし、操作パネル15から入力されるものであってもよい。部品ごとの位置は、予め入力されているものであってもよいし、当該部品が装着された際等にセンサー18によって検知されて登録されるものであってもよい。ここで、MFP100の設置された位置は、一例として緯度経度などの絶対位置で登録されるものであってよく、部品ごとの位置は、たとえば操作パネル15の1つの角を原点とするなど、規定位置を原点として原点からの座標で登録されるものであってよい。原点の絶対位置が特定されることで、部品ごとの絶対位置も特定される。
【0034】
メンテナンス情報は、後述するタグを表示させるためのデーターであるタグデーターを生成するために用いられるタグ情報と、動画やアニメーション等でメンテナンス手順に沿ってメンテナンス内容を連続して画面表示させるため画面データーを生成するために用いられる画像情報とを含む。
【0035】
タグ情報は、メンテナンスごとに、メンテナンスの手順と、当該手順におけるメンテナンス内容と、そのメンテナンス内容の対象とする部品とを表わす情報を指す。メンテナンス内容は、後述するタグとして表示される画像でメンテナンスをアシストするために表示される内容であって、後述されるように、MFP100の撮影画像に対して当該その内容を表わす画像(タグ)が付加して表示されるものである。
【0036】
図3は、携帯端末200のハードウェア構成の具体例を示す図である。
図3を参照して、携帯端末200は、全体を制御するための演算装置であるCPU20と、CPU20で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM21と、CPU20でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM22と、磁気センサーを含んで当該携帯端末200の向きを検出するための電子コンパス23と、GPS(Global Positioning System)信号または基地局からの位置信号を受信して当該携帯端末の位置情報を取得するためのGPSコントローラー24と、情報を表示したり当該携帯端末200に対する操作入力を受け付けたりするためのタッチパネルを含んだ操作パネル25と、カメラ26と、図示しない基地局と通信することによる電話回線を介した通信を制御するためのコントローラー27と、電話帳データーなどを記憶するためメモリー28とを含む。
【0037】
操作パネル25は、MFP100の操作パネル15と同様の構成であってよい。すなわち、一例として、液晶表示装置などの表示装置と光学式タッチパネルや静電容量タッチパネルなどの位置指示装置とが重なって構成されたタッチパネルと、操作キーとを含む。
【0038】
CPU200は予め記憶されている画面表示をさせるためのデーターに基づいてタッチパネルに操作画面を表示させる。タッチパネルでは操作画面上の指示位置が特定され、その位置を示す操作信号がCPU20に入力される。また、押下されたキーを示す操作信号がCPU20に入力される。CPU20は押下されたキー、または表示している操作画面と指示位置とから操作内容を特定し、それに基づいて処理を実行する。
【0039】
また、電子コンパス23およびGPSコントローラー24は、取得した当該携帯端末200の向きや位置情報を示す信号をCPU20に入力する。
【0040】
図4は、サーバー300のハードウェア構成の具体例を示す図である。
図4を参照して、サーバー300は上述のように一般的なコンピュータ等によって構成されるものであり、一例として、全体を制御するための演算装置であるCPU30と、CPU30で実行されるプログラムなどを記憶するためのROM31と、CPU30でプログラムを実行する際の作業領域として機能するためのRAM32と、MFP情報などを記憶するためのHD(Hard Disk)33と、電話回線を介した通信を制御するための通信コントローラー34と、LANを介した通信の制御するためのネットワークコントローラー35とを含む。
【0041】
HD33には、MFP100に関する情報として、MFP100の位置情報が記憶されている。この位置情報は、予め入力されることで記憶されているものでもよいし、MFP100から送信されて記憶されてもよい。
【0042】
<動作概要>
図5は、本実施の形態にかかる画像処理システムでの、情報の流れを表わした図である。
【0043】
図5を参照して、携帯端末200は、カメラ26で撮影した際の位置および向きを表わす情報をサーバー300に対して送信する。また、表示を更新する指示や、タグからアニメーション等のメンテナンス用画面に表示を切り替える指示をサーバー300に対して送信する。サーバー300は、携帯端末200からの要求に応じて表示用データーをMFP100に対して要求する。
【0044】
MFP100は、サーバー300からの要求に応じて表示用データーを生成し、当該表示用データーをサーバー300に対して送信する。サーバー300は受け取った表示用データーを携帯端末200に転送する。
【0045】
携帯端末200では、表示用データーがタグを表示するためのデーターである場合には、表示用データーで表わされる画像であるタグを撮影画像に合成して表示する。表示用データーがアニメーション等のメンテナンス用画面を表示するためのデーターである場合には、当該表示用データーで表わされるメンテナンス用画面を表示する。
【0046】
図6は、本実施の形態にかかる画像処理システムでの動作概要を表わした図である。
図6を参照して、携帯端末においてメンテナンス用のアプリケーションが起動され(ステップS11)、撮影指示に従ってカメラ26で撮影されると(ステップS12)、撮影時の位置および向きを表わす情報がサーバーに送信されて、それによってタグデーターがサーバーに対して要求される(ステップS13)。
【0047】
サーバーは、受信した携帯端末の位置および向きを表わす情報を保存する(ステップS31)。そして、記憶しているMFPの位置情報から、携帯端末の撮影範囲に存在しているMFPを特定し(ステップS32)、当該MFPに対して携帯端末の位置および向きを表わす情報を送信することで、対応するタグデーターを要求する(ステップS33)。
【0048】
MFPは、対象のメンテナンスに関するメンテナンス情報のうちのタグ情報を読み出して、タグデーターを生成する(ステップS51)。ここでは、メンテナンス手順に沿って順に表示するためのタグの、表示順に従って、最初のタグデーターから順に生成し、サーバーに送信する(ステップS52)。サーバーは、受信したタグデーターを携帯端末に転送する(ステップS34)。
【0049】
携帯端末は、撮影画像にタグデーターに基づくタグを重ねて表示する(ステップS14)。タグが表示された画面には、次のメンテナンス手順のためのタグの表示へ更新するための、たとえば「次へ」ボタンなどが表示されている。そして、そのボタンなどによって更新指示を受け付けると(ステップS15)、上記ステップS13からの動作に戻る。タグ表示の更新指示がある度に上記ステップS13からの動作が繰り返されることになり、メンテナンス手順に沿って更新指示に従ってタグが順に撮影画像に重ねて表示されることになる。
【0050】
ここで、携帯端末には、タグ表示からアニメーション等のメンテナンス用画面へ表示の切り替えを指示するための手段が設けられているものとする。この手段は、たとえばタグが表示された画面に設けられた切替ボタンであってもよいし、図示しないキーなどであってもよい。
【0051】
タグ表示からアニメーション等のメンテナンス用画面へ表示を切り替える指示を受け付けると(ステップS16)、携帯端末はサーバーに対してメンテナンス用画面を表示するための画面データーを要求する(ステップS17)。サーバーはMFPに対して当該要求を転送する(ステップS35)。
【0052】
MFPはこの要求を受け付けると、タグデーターの送信から画面データーの送信へと切り替える切替処理を実行する(ステップS53)。ここでは、具体的には、サーバーに対して最後に送信したタグデーターに表わされたメンテナンス手順を参照して、連続してメンテナンス内容を表示するメンテナンス用画面のうちの該当箇所を再生開始位置として特定する。そして、その位置から再生開始されるように画像情報に基づいて画面データーを生成し、サーバーに対して送信する(ステップS54)。サーバーは受信した画面データーを携帯端末に対して転送する(ステップS36)。
【0053】
携帯端末では、受信した画面データーを再生する(ステップS18)。これによって、最終に表示されたタグで表わされたメンテナンス手順の次の手順からのメンテナンス内容が画面データーで連続して順に再生されることになる。
【0054】
<機能構成>
図7は、上述の動作を実現するためのMFP100の機能構成の具体例を示すブロック図である。図7に示される各機能は、CPU10がROM11に記憶されるプログラムを読み出してRAM12上で実行することで、主にCPU10に形成される機能である。しかしながら、少なくとも一部の機能が図2に示されたハードウェア構成によって形成されてもよい。
【0055】
図7を参照して、メモリー16には、部品ごとの情報である部品情報を記憶するための部品情報記憶部161と、メンテナンスに関する情報であるメンテナンス情報を記憶するためのメンテナンス情報記憶部162とが含まれる。
【0056】
さらに図7を参照して、MFP100は、ネットワークコントローラー17を介してサーバーからデーターの要求を受け付けるための入力部101と、当該要求がタグデーターの要求であった場合に、当該要求と共に送信された携帯端末の位置および向きが、メンテナンス対象の部品に向かう位置であるか否かを判断するための判断部102と、その判断に応じて、タグ情報を参照してタグデーターを生成するためのタグデーター生成部103と、上記要求がメンテナンス画面データーの要求であった場合に再生開始位置を特定するための特定部104と、画像情報を参照して再生開始位置から画面データーを生成するための画面データー生成部105と、ネットワークコントローラー17を介してデーターをサーバーに対して送信するための送信部106とを含む。
【0057】
図8は、上述の動作を実現するための携帯端末200の機能構成の具体例を示すブロック図である。図8に示される各機能は、CPU20がROM21に記憶されるプログラムを読み出してRAM22上で実行することで、主にCPU20に形成される機能である。しかしながら、少なくとも一部の機能が図3に示されたハードウェア構成によって形成されてもよい。
【0058】
図8を参照して、上記動作を実現するための機能として携帯端末200は、操作パネル25からの指示入力を受け付けるための指示入力部201と、操作パネル25からの撮影指示に応じてGPSコントローラー24から得られた信号より当該携帯端末200の位置を取得するための位置取得部202と、操作パネル25からの撮影指示に応じて電子コンパス23から得られた信号より当該携帯端末200の向きを取得するための向き取得部203と、操作パネル25からの撮影指示に応じてカメラ26による撮影を実行して撮影された画像データーを取得するための画像取得部204と、操作パネル25からの撮影指示に応じて取得された位置および向きを表わす情報をコントローラー27を介してサーバー300に対して送信するための送信部205と、サーバー300から送信されたタグデーターの入力をコントローラー27を介して受け付けるためのタグデーター入力部206と、撮影して得られた画像データーにタグデーターに基づいたタグを合成して表示用データーを生成するための生成部207と、サーバー300から送信された画面データーの入力をコントローラー27を介して受け付けるための画面データー入力部209と、表示用データーまたは画面データーに基づいた画面を操作パネル25に表示する処理を実行するための表示処理部208とを含む。さらに、送信部205は、操作パネル25からのタグを更新する指示や、タグの表示をメンテナンス用画面に切り替える指示に応じた要求を、コントローラー27を介してサーバーに対して送信する。なお、位置取得部202および向き取得部203は、それぞれ上記指示がなされたときの当該携帯端末の位置および向きを取得し、送信部205が上記要求と共に送信するようにしてもよい。
【0059】
図9は、サーバー300の機能構成の具体例を示すブロック図である。図9に示される各機能は、CPU30がROM31に記憶されるプログラムを読み出してRAM32上で実行することで、主にCPU30に形成される機能である。しかしながら、少なくとも一部の機能が図4に示されたハードウェア構成によって形成されてもよい。
【0060】
図9を参照して、HD33には、MFPの位置を記憶するための記憶領域であるMFP情報記憶部331と、携帯端末200から送信された当該携帯端末200の位置および向きを記憶するための記憶領域である携帯端末情報記憶部332とが含まれる。その他、MFPから送信されたタグデーターや画面データーを記憶するための記憶領域が含まれてもよい。
【0061】
さらに図9を参照して、上記動作を実現するための機能としてサーバー300は、通信コントローラー34を介して携帯端末200から撮影時の位置および向きと共に表示用データーの要求を受け付けるための第1入力部301と、当該位置および向きを携帯端末200の位置および向きとして携帯端末情報記憶部332に格納するための格納部302と、携帯端末200の位置および向きと記憶されているMFPの位置とから、携帯端末200の撮影範囲に存在するMFPを表示用データーの要求先として特定するための特定部306と、ネットワークコントローラー35を介してMFP100からタグデーターまたは画面データーの入力を受け付けるための第2入力部303と、その表示用データーを通信コントローラー34を介して携帯端末200に対して送信するための第1送信部304と、ネットワークコントローラー35を介して特定されたMFP100に対して携帯端末200からの位置および向きを転送すると共に表示用データーを要求するための第2送信部305とを含む。
【0062】
<動作フロー>
図10は、サーバー300での動作の流れの具体例を表わすフローチャートである。図10のフローチャートに示される動作は、CPU30がROM31に記憶されるプログラムを読み出してRAM32上で実行し、図9に示される各機能を発揮することによって実現される。
【0063】
図10を参照して、サーバー300のCPU30は、携帯端末200から表示用データーの要求を受け付けると(ステップS101でYES)、当該要求に含まれる携帯端末の位置および向きを保存する(ステップS103)。ここでは、タグデーターを要求する場合であって、その更新を要求する場合であっても、あるいはアシスト画面表示用の画面データーを要求する場合であっても、携帯端末200から要求時の位置および向きが送信されるものとする。
【0064】
CPU30は、携帯端末の位置および向きと、記憶しているMFPの位置とを比較し、携帯端末の撮影範囲に存在するMFPを特定する。その結果、撮影範囲内に存在するMFPが特定された場合(ステップS105でYES)、CPU30は当該MFPに対して表示用データーを要求する(ステップS107)。
【0065】
当該要求に応じてMFP100から送信された表示用データーを受信すると(ステップS109でYES)、ステップS111でCPU30は当該表示用データーを携帯端末200に転送する。
【0066】
なお、図10では、携帯端末200の撮影範囲にMFP100が存在しない場合には以降の動作がスキップされるとしている。他の例として、当該撮影範囲に最も近いMFPを抽出して、当該MFPに対して送信するようにしてもよい。この場合、画面データーを要求するようにしてもよい。
【0067】
または、タグの更新が指示されている場合に、当該携帯端末200の撮影範囲にMFP100が存在しない場合には、タグデーターの要求に替えて画面データーをMFP100に対して要求するようにしてもよい。このようにすることで、携帯端末200での撮影範囲からMFP100から外れた場合であっても、携帯端末200では最も近いMFP100に関するメンテナンスをアシストする表示が行なわれることになる。また、撮影画像にMFP100が含まれなくなった場合にタグに替えてアニメーション等のアシスト画面が表示されることになる。
【0068】
図11は、携帯端末200での動作の流れの具体例を表わすフローチャートである。図11のフローチャートに示される動作は、CPU20がROM21に記憶されるプログラムを読み出してRAM22上で実行し、図8に示される各機能を発揮することによって実現される。
【0069】
図11を参照して、携帯端末200のCPU20は、アシスト用のアプリケーションが起動した状態で操作パネル25からの撮影指示を受け取ると(ステップS301でYES)、ステップS303で撮影動作を実行すると共に、ステップS305でそのときの位置および向きをサーバー300に対して送信することで、タグデーターを要求する。
【0070】
当該要求に応じて送信されたタグデーターを受信すると(ステップS307でYES)、ステップS309でCPU20は、受信したタグデーターで表わされるタグを上記ステップS303の撮影で得られた撮影画像に合成した画面を操作パネル25に表示する。
【0071】
タグの更新の指示を受け付けると(ステップS311でYES)、CPU20は動作を上記ステップS305に戻し、その時点での当該携帯端末200の位置および向きをサーバー300に対して送信することで、タグデーターの更新を要求する。
【0072】
タグの表示からアシスト画面の表示へ切り替える指示を受け付けると(ステップS313でYES)、ステップS315でCPU20は、サーバー300に対して画面データーを要求する。
【0073】
当該要求に応じて送信された画面データーを受信すると(ステップS317でYES)、ステップS319でCPU20は、受信した画面データーを再生し、動画やアニメーション等のアシスト画面を操作パネル25に表示する。
【0074】
図12は、MFP100での動作の流れを表わすフローチャートである。図12のフローチャートに表わされる動作は、CPU10がROM11に記憶されるプログラムを読み出してRAM12上で実行し、図7に示される各機能を発揮することによって実現される。
【0075】
図12を参照して、MFP100のCPU10はサーバー300からタグデーターの要求を受け取ると(ステップS501でYES)、当該要求に含まれる携帯端末200の位置および向きとメンテナンス対象の部品の位置とを比較して、当該メンテナンスの作業範囲内に携帯端末200が存在するか否かを判断する。その結果、作業範囲内に携帯端末200が存在し、作業方向に向いていると判断されると(ステップS503でYES)、ステップS505でCPU10は、当該メンテナンスのためのタグデーターをタグ情報に基づいて作成し、サーバー300に対して送信する。このとき、ステップS501の要求がタグデーターの更新である場合には、先に送信したタグデーターの次のメンテナンス手順に応じたタグデーターを作成し、送信する。
【0076】
一方、作業範囲内に携帯端末200が存在していない場合や、存在していても作業方向を向いていないと判断された場合には(ステップS503でNO)、ステップS503でこれらの位置を比較することで移動方向を特定し、その方向に移動を促すメッセージを表示するための表示用データーを作成して、サーバー300に対して送信する。これは、予め記憶されているフォーマットに特定された移動方向を代入する、などの方法によって作成される。
【0077】
または、この場合に、タグデーターに替えて、先に送信したタグデーターの画面データーをサーバー300に対して送信するようにしてもよい。このとき、CPU10は、サーバー300に対して最後に送信したタグデーターに表わされたメンテナンス手順上の位置を参照して、連続してメンテナンス内容を表示するメンテナンス用画面のうちの該当箇所を再生開始位置として特定する。そして、その位置から再生開始されるように画像情報に基づいて画面データーを生成し、サーバー300に対して送信する。
【0078】
サーバー300から画面データーの要求を受け取ると(ステップS509でYES)、ステップS511でCPU10は、上記ステップS505で最後に送信したタグデーターに基づいて次のメンテナンス手順上の位置を特定し、画像情報の当該メンテナンス手順上の位置に対応した位置を再生開始位置と特定する。そしてステップS513でCPU10は、その位置から再生が開始される画面データーを作成して、サーバー300に対して送信する。
【0079】
<実施の形態の効果>
本実施の形態にかかる画像形成システムでこのような動作が行なわれることで、携帯端末では、当該携帯端末を携帯するサービスマンのメンテナンスの進捗状況に応じてタグが撮影画像に重ねて表示されることになる。そのため、サービスマンは、自身の進捗状況に応じてタグを参照しながらメンテナンスすることが可能となり、効率よくメンテナンスすることができる。
【0080】
たとえば、当該携帯端末を携帯するサービスマンが適切に作業位置にいない場合には、図13に示されるように、作業位置に誘導するタグが撮影画像に重ねて表示される。
【0081】
そして、メンテナンス作業を開始すると、図14に示されるような、そのメンテナンス手順でのメンテナンス内容を表わしたタグが撮影画像に重ねて表示される。サービスマンはこのタグを参照して、タグに示される箇所のメンテナンス作業を行なうことで、当該メンテナンス手順の作業を行なうことができる。
【0082】
そして、そのメンテナンス内容を遂行すると、たとえば図14に表わされた「次へ」ボタンを押下するなどタグの更新を指示することで、図15に示された、次のメンテナンス手順のメンテナンス内容を表わしたタグが撮影画像に重ねて表示される。図15の画面でも同様に「次へ」ボタンを押下するなどタグの更新を指示することで、図16に示された、次のメンテナンス手順のメンテナンス内容を表わしたタグが撮影画像に重ねて表示される。このように、サービスマンは自身のメンテナンスの進捗状況に応じてタグを更新することができ、効率的にメンテナンスを行なうことができる。
【0083】
また、たとえば両手を使う場合など、携帯端末で撮影しながらメンテナンスを行なうことが難しい場合には、図15や図16に表わされた「アニメ切替」ボタンを押下するなどアニメーション等のアシスト画面への切替を指示することで、撮影画像にタグを合成した表示から、アニメーション等のアシスト画面へ画面が切り替わる。このとき、すでにタグでメンテナンス手順に沿ってメンテナンスを行なっている場合、その続きのメンテナンス手順から順にアシスト画面が再生されることになるので、効率的にメンテナンスを行なうことができる。
【0084】
さらに、上述の動作をMFP100や携帯端末200やサーバー300に実行させるためのプログラムを提供することもできる。このようなプログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびメモリカードなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて、プログラムを提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって、プログラムを提供することもできる。
【0085】
なお、本発明にかかるプログラムは、コンピュータのオペレーティングシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0086】
また、本発明にかかるプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
【0087】
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
【0088】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0089】
10,20,30 CPU、11,21,31 ROM、12,22,32 RAM、13 スキャナー、14 プリンター、15,25 操作パネル、16,28 メモリー、17,35 ネットワークコントローラー、18 センサー、23 電子コンパス、24 GPSコントローラー、26 カメラ、27 コントローラー、34 通信コントローラー、100 MFP、101 入力部、102 判断部、103 タグデーター生成部、104,306 特定部、105 画面データー生成部、106,205 送信部、161 部品情報記憶部、162 メンテナンス情報記憶部、200 携帯端末、201 指示入力部、202 位置取得部、203 向き取得部、204 画像取得部、206 タグデーター入力部、207 生成部、208 表示処理部、209 画面データー入力部、300 サーバー、301 第1入力部、302 格納部、303 第2入力部、304 第1送信部、305 第2送信部、331 MFP情報記憶部、332 携帯端末情報記憶部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影手段、表示手段、および入力手段を含む携帯端末と、
画像処理装置と、
前記携帯端末および前記画像処理装置と相互に通信可能なサーバーとを備え、
前記画像処理装置は、
当該画像処理装置の位置情報を記憶するための第1の記憶手段と、
当該画像処理装置のメンテナンス対象の部品の位置を記憶するための第2の記憶手段と、
前記画像処理装置でのメンテナンスに関するコンテンツを生成するための生成手段と、
前記コンテンツを前記携帯端末に送信するための送信手段と、
前記コンテンツの前記携帯端末への送信を制御するための制御手段とを含み、
前記コンテンツは、前記メンテナンスの手順ごとのメンテナンスの内容を表わす画像データーおよび当該メンテナンス対象の部品を特定する情報を含むものであって、前記携帯端末での撮影画像に合成される第1のコンテンツと、前記メンテナンスの手順に沿って連続して再生される第2のコンテンツとを含み、
前記制御手段は、
前記携帯端末からの指示入力に基づいてメンテナンスの手順上の位置を特定し、当該位置に応じた第1のコンテンツを前記画像処理装置に送信する処理と、
前記携帯端末の位置および向きと前記メンテナンス対象の部品との位置関係に応じて、送信対象のコンテンツを前記第1のコンテンツから前記第2のコンテンツに切り替えて前記第2のコンテンツを前記画像処理装置に送信する処理とを実行する、画像処理システム。
【請求項2】
前記制御手段は、前記第2のコンテンツを前記画像処理装置に送信する処理において、前記第1のコンテンツを前記画像処理装置に送信する処理において特定されたメンテナンスの手順上の位置に基づいて、前記第1のコンテンツから切り替えた前記第2のコンテンツの再生開始点を特定する処理を行ない、前記再生開始点から前記第2のコンテンツを前記画像処理装置に送信する、請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項3】
前記サーバーは、
前記画像処理装置の位置を記憶するための第1の記憶手段と、
前記携帯端末の位置および向きを取得するための取得手段と、
前記携帯端末での撮影時の位置および向きに応じて、前記携帯端末での撮影範囲に含まれる前記画像処理装置を前記コンテンツの送信対象と特定し、前記画像処理装置に対して前記コンテンツの送信を要求する処理を行なうための処理手段とを備える、請求項1または2に記載の画像処理システム。
【請求項4】
前記携帯端末は、自身の位置情報を取得するための位置情報取得手段を備える、請求項1〜3のいずれかに記載の画像処理システム。
【請求項5】
前記画像処理装置は、自身の位置情報を取得するための位置情報取得手段を備える、請求項1〜4のいずれかに記載の画像処理システム。
【請求項6】
前記制御手段は、前記携帯端末での撮影範囲に前記メンテナンス対象の部品が含まれていない場合に、前記メンテナンスに関する前記第1のコンテンツを前記第2のコンテンツに切り替えて前記携帯端末に送信する、請求項1〜5のいずれかに記載の画像処理システム。
【請求項7】
前記制御手段は、前記携帯端末での撮影範囲に前記メンテナンス対象の部品が含まれていない場合に、前記第1のコンテンツの送信に先立って位置の変更を促す画面データーを前記携帯端末に送信する、請求項1〜5のいずれかに記載の画像処理システム。
【請求項8】
撮影手段、表示手段、および入力手段を含む携帯端末と通信可能な画像処理装置であって、
当該画像処理装置の位置情報を記憶するための第1の記憶手段と、
当該画像処理装置のメンテナンス対象の部品の位置を記憶するための第2の記憶手段と、
前記画像処理装置でのメンテナンスに関するコンテンツを生成するための生成手段と、
前記コンテンツを前記携帯端末に送信するための送信手段と、
前記コンテンツの前記携帯端末への送信を制御するための制御手段とを含み、
前記コンテンツは、前記メンテナンスの手順ごとのメンテナンスの内容を表わす画像データーおよび当該メンテナンス対象の部品を特定する情報を含むものであって、前記携帯端末での撮影画像に合成される第1のコンテンツと、前記メンテナンスの手順に沿って連続して再生される第2のコンテンツとを含み、
前記制御手段は、
前記携帯端末からの指示入力に基づいて送信対象とするメンテナンスの手順上の位置を特定し、当該位置に応じた第1のコンテンツを前記画像処理装置に送信する処理と、
前記携帯端末の位置および向きと前記メンテナンス対象の部品との位置関係に応じて、送信対象のコンテンツを前記第1のコンテンツから前記第2のコンテンツに切り替えて前記第2のコンテンツを前記画像処理装置に送信する処理とを実行する、画像処理装置。
【請求項9】
画像処理装置のメンテナンスに関するコンテンツを、撮影手段および表示手段を含む携帯端末に表示させる方法であって、
前記コンテンツは、メンテナンスの手順ごとのメンテナンスの内容を表わす画像データーおよび当該メンテナンス対象の部品を特定する情報を含むものであって、前記携帯端末での撮影画像に合成される第1のコンテンツと、前記メンテナンスの手順に沿って連続して再生される第2のコンテンツとを含み、
前記携帯端末での撮影時の位置および向きを、前記携帯端末から、前記携帯端末の撮影範囲に存在する前記画像処理に送信するステップと、
前記画像処理装置において前記携帯端末からの指示入力に基づいてメンテナンスの手順上の位置を特定し、当該位置に応じた第1のコンテンツを前記画像処理装置に送信するステップと、
前記携帯端末において、前記第1のコンテンツを前記携帯端末での撮影画像に合成して表示するステップと、
前記画像処理装置において、前記携帯端末の位置および向きと前記メンテナンス対象の部品との位置関係に応じて、送信対象のコンテンツを前記第1のコンテンツから前記第2のコンテンツに切り替えて前記第2のコンテンツを前記画像処理装置に送信するステップと、
前記携帯端末において、前記撮影画像に合成された前記第1のコンテンツの表示を切り替えて、前記第2のコンテンツの再生を開始するステップとを備える、表示方法。
【請求項10】
画像処理装置のメンテナンスに関するコンテンツを、撮影手段および表示手段を含む携帯端末に表示させる処理を前記画像処理装置に実行させるためのプログラムであって、
前記コンテンツは、メンテナンスの手順ごとのメンテナンスの内容を表わす画像データーおよび当該メンテナンス対象の部品を特定する情報を含むものであって、前記携帯端末での撮影画像に合成される第1のコンテンツと、前記メンテナンスの手順に沿って連続して再生される第2のコンテンツとを含み、
前記携帯端末での撮影時の位置および向きを前記携帯端末から受信すると、前記携帯端末からの指示入力に基づいてメンテナンスの手順上の位置を特定し、当該位置に応じた第1のコンテンツを前記画像処理装置に送信するステップと、
前記携帯端末の位置および向きと前記メンテナンス対象の部品との位置関係に応じて、送信対象のコンテンツを前記第1のコンテンツから前記第2のコンテンツに切り替えて前記第2のコンテンツを前記画像処理装置に送信するステップとを前記画像処理装置に実行させる、表示プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−46379(P2013−46379A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−185046(P2011−185046)
【出願日】平成23年8月26日(2011.8.26)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】