画像処理システム、画像処理装置、及び画像処理方法
【課題】画像補正処理を特定の機器に限定することなく適切に分担して実行し、画像出力のための画像補正処理を効率良くかつ高精度で実行できるようにする。
【解決手段】撮像装置1と、画像表示装置2と、画像出力装置3とが所定の通信手段を介して互いに通信可能に接続された画像処理システムにて、ユーザー操作により画像データの印画を指示する画像出力コマンドが発生された場合に、上記各装置のシステム制御部107、117、122が、画像出力コマンドに応じて実行する画像補正項目に関する能力についてネゴシエーションを行い、画像補正項目毎に実行する装置を決定するようにする。
【解決手段】撮像装置1と、画像表示装置2と、画像出力装置3とが所定の通信手段を介して互いに通信可能に接続された画像処理システムにて、ユーザー操作により画像データの印画を指示する画像出力コマンドが発生された場合に、上記各装置のシステム制御部107、117、122が、画像出力コマンドに応じて実行する画像補正項目に関する能力についてネゴシエーションを行い、画像補正項目毎に実行する装置を決定するようにする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理システム、画像処理装置、及び画像処理方法に関し、各装置の画像処理能力に応じて画像補正処理を分散し実行する画像処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラと、デジタルカメラにより撮影した画像を印刷媒体である紙に出力可能なダイレクトプリンターとから構成されるプリントシステムがある。このプリントシステムにおいて、撮影した画像を紙に印刷し出力する際には、両機器間で画像処理に関してネゴシエーションを行うことにより構成機器に適した方法で出力のための画像処理がなされている。
【0003】
特許文献1には、それぞれ画像処理手段を備えたデジタルカメラとダイレクトプリンターからなるプリントシステムが記載されている。特許文献1記載の技術では、デジタルカメラとダイレクトプリンター間で各機器が有する画像処理能力をネゴシエーションし、出力しようとする画像の画像補正情報がデジタルカメラからダイレクトプリンターに供給される。これにより、特許文献1記載のプリントシステムは、ダイレクトプリンターでの画像処理に必要なリソースを低減することを可能にしている。
【0004】
特許文献2記載の技術では、デジタルカメラがプリンターの画像処理能力をプリンターから読み出してデジタルカメラのそれと比較する。その結果、プリンターの画像処理能力がデジタルカメラのそれより高い場合には、プリンターに画像処理を委ねて、デジタルカメラは印刷プレビュー画像を表示する。また、プリンター及びデジタルカメラの画像処理能力がほぼ同等と判断した場合には、プリンターに画像処理を委ねて、デジタルカメラは印刷プレビュー画像を表示する。一方、プリンターの画像処理能力がデジタルカメラのそれより低い場合には、デジタルカメラ自らが画像処理、及び印刷プレビュー画像表示の双方を実行する。この方法により、少しでも精度の高い画像補正を可能にしている。
【0005】
【特許文献1】特開2004−364161号公報
【特許文献2】特開2001−298694号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1記載の技術においては、デジタルカメラはダイレクトプリンターにおける画像補正処理の援助として画像補正情報を提供しているにすぎない。つまり、画像出力のための画像補正項目の実行がすべてダイレクトプリンターに委ねられており、ダイレクトプリンター側で実行する画像処理の負荷そのものを低減するには至っていない。
【0007】
また、特許文献2記載の技術においては、すべての画像補正項目をダイレクトプリンター又はデジタルカメラが実行しており、数ある画像補正項目を分担していない。そのため、例えばデジタルカメラが画像補正処理を行うことになった場合には、プリンターにて実行するほうが好ましい画像補正項目があったとしてもデジタルカメラでその項目が実行される。同様に、プリンターが画像補正処理を行うことになった場合にも、デジタルカメラにて実行するほうが好ましい画像補正項目があったとしてもプリンターでその項目が実行される。
【0008】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、画像補正処理を特定の機器に限定することなく適切に分担して実行し、画像出力のための画像補正処理を効率良くかつ高精度で実行できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の画像処理システムは、撮像装置と、画像出力装置と、当該撮像装置及び画像出力装置とは異なる外部装置とが所定の通信手段を介して互いに通信可能に接続された画像処理システムであって、上記撮像装置は、撮像画像に係る画像データを記憶する記憶手段と、上記画像データに補正処理を施す第1の画像処理手段と、上記記憶手段及び上記画像処理手段を制御する第1の制御手段とを有し、上記画像出力装置は、画像データの印画を指示する画像出力コマンドに応じて、当該画像データを印刷媒体に出力する出力手段と、上記画像データに補正処理を施す第2の画像処理手段と、上記出力手段及び上記第2の画像処理手段を制御する第2の制御手段とを有し、上記外部装置は、上記画像データに補正処理を施す第3の画像処理手段と、上記第3の画像処理手段を制御する第3の制御手段とを有し、ユーザー操作により上記画像出力コマンドが発生された場合に、上記各装置の制御手段は、当該画像出力コマンドに応じて実行する画像補正項目に関する能力について上記通信手段を介してネゴシエーションを行い、当該画像補正項目を実行する装置を決定することを特徴とする。
本発明の画像処理システムは、撮像装置と画像出力装置が所定の通信手段を介して互いに通信可能に接続された画像処理システムであって、上記撮像装置は、撮像画像に係る画像データを記憶する記憶手段と、上記画像データに補正処理を施す第1の画像処理手段と、上記記憶手段及び上記画像処理手段を制御する第1の制御手段とを有し、上記画像出力装置は、画像データの印画を指示する画像出力コマンドに応じて、当該画像データを印刷媒体に出力する出力手段と、上記画像データに補正処理を施す第2の画像処理手段と、上記出力手段及び上記第2の画像処理手段を制御する第2の制御手段とを有し、ユーザー操作により上記画像出力コマンドが発生された場合に、上記撮像装置及び上記画像出力装置の制御手段は、当該画像出力コマンドに応じて実行する画像補正項目に関する能力について上記通信手段を介してネゴシエーションを行い、当該画像補正項目を実行する装置を決定することを特徴とする。
本発明の画像処理装置は、画像出力装置と、当該画像出力装置とは異なる外部装置とに通信手段を介して互いに通信可能に接続される画像処理装置であって、撮像画像に係る画像データを記憶する記憶手段と、上記画像データに補正処理を施す画像処理手段と、上記記憶手段及び上記画像処理手段を制御する制御手段とを有し、上記画像出力装置より画像データを出力する画像出力コマンドがユーザー操作により発生された場合に、上記制御手段は、当該画像出力コマンドに応じて実行する画像補正項目に関する能力について上記画像出力装置及び上記外部装置とネゴシエーションを行い、実行する画像補正項目を決定することを特徴とする。
本発明の画像処理装置は、撮像装置と、当該撮像装置とは異なる外部装置とに通信手段を介して互いに通信可能に接続される画像処理装置であって、撮像画像に係る画像データの印画を指示する画像出力コマンドに応じて、当該画像データを印刷媒体に出力する出力手段と、上記画像データに補正処理を施す画像処理手段と、上記出力手段及び上記画像処理手段を制御する制御手段とを有し、ユーザー操作により上記画像出力コマンドが発生された場合に、上記制御手段は、当該画像出力コマンドに応じて実行する画像補正項目に関する能力について上記撮像装置及び上記外部装置とネゴシエーションを行い、実行する画像補正項目を決定することを特徴とする。
本発明の画像処理方法は、撮像画像に係る画像データを記憶する記憶手段、上記画像データに補正処理を施す第1の画像処理手段、及び上記記憶手段並びに上記画像処理手段を制御する第1の制御手段を有する撮像装置と、画像データの印画を指示する画像出力コマンドに応じて、当該画像データを印刷媒体に出力する出力手段、上記画像データに補正処理を施す第2の画像処理手段、及び上記出力手段並びに上記第2の画像処理手段を制御する第2の制御手段を有する画像出力装置と、上記画像データに補正処理を施す第3の画像処理手段、及び上記第3の画像処理手段を制御する第3の制御手段を有する外部装置とが、所定の通信手段を介して互いに通信可能に接続された画像処理システムでの画像処理方法であって、ユーザー操作により上記画像出力コマンドが発生された場合に、上記各装置が、当該画像出力コマンドに応じて実行する画像補正項目に関する能力について上記通信手段を介してネゴシエーションを行い、当該画像補正項目を実行する装置を決定することを特徴とする。
本発明のプログラムは、上記画像処理システムの各手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする。
本発明のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、上記プログラムを記録したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、画像出力コマンドが発生された場合に、撮像装置、画像出力装置、及び外部装置が、当該画像出力コマンドに応じて実行する画像補正項目に関する能力についてネゴシエーションを行い当該画像補正項目を実行する装置を決定する。これにより、画像出力コマンドに応じて実行する画像補正項目を撮像装置、画像出力装置、及び外部装置により適切に分担して実行することが可能になり、特定の機器に限定することなく画像出力のための画像補正処理を効率良くかつ高精度で実行できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態による画像処理システムの構成例を示す図である。図1においては、本実施形態による画像処理システムの一例として、撮像装置(デジタルカメラ)1、画像表示装置(ディスプレイ)2、及び画像出力装置(プリンター)3から構成されるプリントシステムを示している。このプリントシステムを構成する撮像装置1、画像表示装置2、及び画像出力装置3は、所定の通信手段を介して互いに通信可能なように接続されている。
【0013】
撮像装置1の構成について説明する。
101はズームレンズ、フォーカスレンズから成る撮影レンズ、102は絞り機能を備えたシャッター、103は光学像を電気信号に変換する撮像素子、104は撮像素子103のアナログ出力をデジタル信号に変換するA/D変換器である。タイミング発生回路105は、システム制御部107及びメモリ制御回路109により制御され、シャッター102、撮像素子103、A/D変換器104、及びD/A変換器110にそれぞれクロック信号や制御信号を供給する。
【0014】
画像処理部106は、A/D変換器104からのデータ或いはメモリ制御回路109からのデータに対して、所定の画素補間処理や色変換処理を行う。また、画像処理部106は、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてシステム制御部107が、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理を行う。また、画像処理部106は、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてAWB(オートホワイトバランス)処理を行う。
【0015】
メモリ制御部109は、A/D変換器104、タイミング発生回路105、画像処理部106、画像メモリ108、画像表示メモリ111をそれぞれ制御する。A/D変換器104のデータが、画像処理部106及びメモリ制御回路109を介して、或いは直接メモリ制御回路109を介して、画像メモリ108又は画像表示メモリ111に書き込まれる。
【0016】
画像メモリ108は、撮影した静止画像や動画像を格納するためのものであり、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像を格納するのに十分な記憶容量を備えている。これにより、複数枚の静止画像を連続して撮影する連写撮影やパノラマ撮影の場合にも、高速かつ大量の画像書き込みを画像メモリ108に対して行うことが可能となる。また、画像メモリ108はシステム制御部107の作業領域としても使用することが可能である。
【0017】
画像表示メモリ111は、表示用の画像データを格納するためのものであり、画像表示メモリ111に書き込まれた表示用の画像データはD/A変換器110を介して画像表示部112により表示される。画像表示部112は、例えばLCD(液晶表示装置)で構成される。画像表示部112は、システム制御部107の指示により任意に表示をON/OFFすることが可能であり、表示をOFFにした場合には撮像装置1の電力消費を大幅に低減することができる。
【0018】
システム制御部107は、撮像装置1全体を制御するものであり、ユーザーインターフェース部113を介して入力されるユーザーの指示等に応じて撮像装置1の動作を制御する。ユーザーインターフェース部113は、画像出力に関しての情報を表示可能であるとともに、ユーザーの指示を入力するためのものであり、この部分でのユーザーの指示がシステム制御部107に送られる。
【0019】
表示装置2の構成について説明する。
画像入力部114は、撮像装置1や出力装置3から転送された画像データを読み込む。画像入力部114により読み込まれた画像データは、画像処理を必要とする場合には画像処理部115に転送され、画像処理を必要としない場合には画像バッファ116に転送される。
【0020】
画像処理部115は、画像入力部114から転送された画像データに対して、表示部118に画像データを表示する際に必要な画像処理や、出力装置3から紙を印刷媒体として画像データを出力する際に必要な画像処理を実行する。画像バッファ116は、画像入力部114から転送された画像データや、画像処理部115にて画像処理が施された画像データを格納する。
【0021】
システム制御部117は、表示装置2全体を制御するものである。システム制御部117は、画像バッファ116に格納された画像データを、表示部118にて表示したり、撮像装置1や出力装置3に転送したりする。
【0022】
出力装置3の構成について説明する。
画像入力部119は、撮像装置1や表示装置2から転送された画像データを読み込む。画像入力部119は、読み込んだ画像データを印刷媒体である紙に出力するために、所定の画像処理を必要とする場合には画像処理部120に画像データを転送し、画像処理を必要としない場合には画像バッファ121に画像データを転送する。
【0023】
画像処理部120は、画像入力部119から転送された画像データに対して、出力装置3から紙を媒体として画像データを出力する際に必要な画像処理を実行する。画像バッファ121は、印画しようとする画像データ等を格納するものであり、画像入力部119から転送された画像データや画像処理部120にて画像処理が施された画像データを格納する。
【0024】
システム制御部122は、出力装置3全体を制御するものである。システム制御部122は、画像バッファ121に格納された画像データのYe(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)信号を受け取り、それらの信号を印刷部123に送る。印刷部123は、画像バッファ121に格納された画像データの信号がシステム制御部122を介して入力され、画像データに基づく画像を媒体である紙に印画する。
【0025】
撮像装置1の画像処理部106、画像表示装置2の画像処理部115、出力装置3の画像処理部120のそれぞれは、ネゴシエーションにより画像処理の補正項目として自装置が分担することになった画像処理を実行する。
【0026】
図1に示した画像処理部106について、図2を参照して詳細に説明する。図2は、図1に示した画像処理部106の構成例を示すブロック図である。
【0027】
図1に示した撮像素子103により読み出されたCCDデジタル信号は、ホワイトバランス処理部301に供給され、ホワイトバランス処理部301にて画像中の白が白信号となるようなホワイトバランス係数及び光源の色温度が求められる。また、求められたホワイトバランス係数がCCDデジタル信号にかけられ画像中の白が白信号になるようにホワイトバランス処理される。
【0028】
ホワイトバランス処理されたCCDデジタル信号は、補間処理部302及び輝度信号作成選択部308に供給される。
補間処理部302は、単板CCDの画素配列からA、B、C、D位置の画素をそれぞれを用いた補間演算を行いA、B、C、D信号の面データを作成する。
【0029】
補間処理部302において作成されたA、B、C、D信号の面データは、マトリクス演算処理部303にて式(1)を用いた色変換が画素毎に行われる。
【0030】
【数1】
【0031】
マトリクス演算処理部303においてマトリクス演算処理されたCCDデジタル信号は、色差ゲイン演算処理部304にて色差信号にゲインがかけられる。
具体的には、色差ゲイン演算処理部304は、マトリクス演算処理部303からのRm、Gm、Bm信号を式(2)に従ってY、Cr、Cb信号に変換する。
【0032】
【数2】
【0033】
また、色差ゲイン演算処理部304は、得られた色差信号であるCr、Cb信号に式(3)、式(4)に示すようにゲインをそれぞれかける。
【0034】
【数3】
【0035】
さらに、色差ゲイン演算処理部304は、上述のようにして得られたY、Cr’、Cb’信号を式(5)(式(2)の逆行列演算に相当)に従って、Rg、Gg、Bg信号に変換する。
【0036】
【数4】
【0037】
色差ゲイン演算処理部304において色差ゲイン演算処理されたCCDデジタル信号は、ガンマ処理部305に供給される。ガンマ処理部305は、以下の式(6)〜式(8)を用いてデータ変換を行い、いわゆるガンマ変換処理を行う。
【0038】
【数5】
【0039】
ガンマ処理部305においてガンマ処理されたCCDデジタル信号は、色相補正演算処理部306に供給される。色相補正演算処理部306は、ガンマ処理部305からのRt、Gt、Bt信号を式(9)に従ってY、Cr、Cb信号に変換する。
【0040】
【数6】
【0041】
また、色相補正演算処理部306は、得られた色差信号であるCr、Cb信号を式(10)に従って補正する。
【0042】
【数7】
【0043】
さらに、色相補正演算処理部306は、上述のようにして得られたY、Cr’、Cb’信号を式(11)(式(9)の逆行列演算に相当)に従って、Rh、Gh、Bh信号に変換する。
【0044】
【数8】
【0045】
色相補正演算処理部306において色相補正演算処理されたCCDデジタル信号は、色差信号変換処理部307に供給される。色差信号変換処理部307は、色相補正演算処理部306からのRh、Gh、Bh信号を式(12)により変換し、UV信号を作成する。
【0046】
【数9】
【0047】
一方、輝度信号作成選択部308に供給されたCCDデジタル信号は、プロダクト情報に基づいて決定された処理選択情報を基に処理方法の選択が行われる。具体的には、CCDが原色フィルタを用いたものであれば原色輝度信号作成処理部309により輝度信号が作成され、CCDが補色フィルタを用いたものであれば補色輝度信号作成処理部310により輝度信号が作成される。
【0048】
以下、原色輝度信号作成処理部309による原色輝度信号、及び補色輝度信号作成処理部310による補色輝度信号の作成方法について説明する。
図3(a)に示すような原色フィルタを用いた場合の輝度信号は、R、Bの信号をすべて0にして、図3(c)に示す係数を持つ2次元フィルタ処理を施して得られた信号を輝度信号とする。一方、図3(b)に示すような補色フィルタを用いた場合の輝度信号は、そのまま図3(c)に示す係数を持つ2次元フィルタ処理を施して得られた信号を輝度信号とする。
【0049】
原色輝度信号作成処理部309又は補色輝度信号作成処理部310において作成された輝度信号は、高域強調処理部311にてエッジ強調処理され、さらにガンマ処理部312にてガンマ変換処理されてY信号が作成される。
なお、図2に示す各処理部には図示していないが、プロダクト情報に基づいてパラメータを決定するパラメータ決定部があり、そこでプロダクト情報に基づいて決定されたパラメータが各々設定される。
【0050】
次に、本実施形態における画像処理システムの動作について説明する。
図4は、本実施形態における画像処理システムでの分散型画像処理の動作シーケンスを示すフローチャートである。
本実施形態の画像処理システムは撮像装置(デジタルカメラ)1、表示装置(ディスプレイ)2、及び出力装置(プリンター)3は、通信手段であるUSB(Universal Serial Bus)を介して互いに通信可能に接続されているとする。なお、USBは一例であってこれに限定されるものではなく、互いに通信可能に接続する通信手段であれば任意である。
【0051】
まず、ユーザー操作により撮像装置1、表示装置2、及び出力装置3の何れかより画像出力(印画)のコマンドが発生される(S701)。撮像装置1、表示装置2、及び出力装置3の各システム制御部107、117、122は、それぞれの画像処理部106、115、120が有する紙を媒体として画像を出力する場合に要求される画像補正項目に対する能力をネゴシエーションする。このネゴシエーションにより、どの画像処理部106、115、120がどの画像補正項目を実行するかを決定する(S702)。
【0052】
ここで、画像補正項目とは、顔検出、赤目補正、自動階調補正、色ガンマ補正、グレーバランス、ホワイトバランスなどであり、各画像処理部106、115、120が任意に備えているものとする。また、画像補正項目を実行する装置の決定は、各画像補正項目のそれぞれについて画像処理部106、115、120の中からもっとも高い能力を有する画像処理部を備える装置に決定する。
【0053】
画像補正処理の分担が決定した後、撮像装置1の画像処理部106は、自らが担当する画像補正項目に係る処理を実行する(S703)。撮像装置1は、担当する画像補正項目に係る処理を実行した後、処理後の画像データを表示装置2に転送する(S704)。ここで、撮像装置1が担当する画像補正項目のうち、他機器の画像補正処理終了後に実行しないと不都合が生じるような項目があると撮像装置1が判断した場合には、その項目を実行しないまま表示装置2に画像データを転送することができる。
【0054】
次に、表示装置2の画像処理部115は、自らが担当する画像補正項目に係る処理を実行する(S705)。表示装置2は、担当する画像補正項目に係る処理を完了させた後、出力装置3に画像データを転送する(S706)。ここで、表示装置2が自ら担当する画像補正項目のうち、他機器の画像補正終了後に実行しないと不都合が生じるような項目があると表示装置2が判断した場合には、その項目を実行しないまま出力装置3に画像データを転送することができる。
【0055】
画像データが表示装置2から出力装置3に転送されると、出力装置3の画像処理部120は自らが担当する画像補正項目に係る処理を実行する(S707)。
各装置の画像処理部106、115、120が、画像データに対する一通りの画像補正処理を終了した後、各装置のシステム制御部107、117、122はネゴシエーションを実行し、全画像補正項目が完了しているか否かを確認する(S708)。その結果、全画像補正項目が完了していることを各システム制御部107、117、122にて確認できた場合には、出力装置3の印刷部123は画像補正処理が施された画像データを印画(出力)する(S713)。
【0056】
一方、全画像補正項目のうち未完了の項目が存在している場合には、各装置のシステム制御部107、117、122がネゴシエーションを実行して残りの画像補正項目に係る処理を実行する順序を決定する(S709)。ここで、どの機器から残りの補正画像項目に係る処理を実行するかは各機器の稼動状況や優先的に終了させるべき画像補正項目等に依存する。
【0057】
ステップS709において決定した画像補正項目の処理順序に沿って画像データが転送され(S710)、画像補正項目に係る処理が実行される(S711)。そして、すべての画像補正項目に係る処理が完了した画像データが出力装置3に転送され(S712)、出力装置3の印刷部123により画像データが印画される(S713)。
【0058】
ステップS713において、出力される画像データは、システム制御部122にてYUVデータがRGBデータに再変換され、輝度信号Yをもって以下の式(13)に従ってYe、M、Cデータに変換される。
【0059】
【数10】
【0060】
上記式(13)に従って得られたYe、M、Cの各信号値は、さらに式(14)〜(16)を用いて、Ye'、M'、C'に変換される。
【0061】
【数11】
【0062】
その後、印刷部123に転送され、Ye'面、M'面、C'面の順に印画される紙を媒体として出力される。
【0063】
以下に、出力装置3による紙を媒体とした画像出力の過程の一例を説明する。
図5は、出力される画像(画面)をm×nブロック(m、nは自然数)に分割した状態を示しており、図中での斜線で示した部分が1ブロックラインである。図5の場合には、画面がn本のブロックラインから構成されている。
【0064】
出力装置3は、一枚の用紙にて上端のラインから下端のラインまでYe面の印画を行う。それが終了すると用紙を印画スタート位置に戻し、M面の印画がYe面の印画時同様に行われる。M面の印画が終了した後は、用紙を再び印画スタート位置に戻し、C面の印画が同様に行われる。
【0065】
上述のようにYe面の印画からはじまる。画像処理部106にて第1ブロックラインから第nブロックラインの信号値Y1、R−Y1,B−Y1、Y2、R−Y2、B−Y2、…、Yn、R−Yn、B−Ynを式(13)により変換する。そして、Ye1、Ye2、…、Yen信号を求め、画像出力装置3に転送され、黄色面の印画が行われる。
【0066】
黄色の印画終了後は黄色印画時同様、第1〜第nブロックラインでM1、M2、…、Mn信号値算出、転送、マゼンタ面の印画が行われる。
マゼンタ色の印画終了後は黄色、マゼンタ色印画時同様、第1〜第nブロックラインでC1、C2、…、Cn信号値算出、転送、シアン面の印画が行われる。
なお、上述した出力装置3による画像出力の過程は一例であり、これに限定されるものではない。
【0067】
以上、説明したように第1の実施形態によれば、印刷媒体である紙に画像データを出力する場合に行う画像補正処理を特定の装置に限定することなく、また複数の画像補正項目を各装置の画像処理部が自ら得意とするものを分担して実行することが可能になる。これにより、複数の装置にて画像補正処理を適切に分担し、画像出力のための画像補正処理を効率良くかつ高精度で実行することができ、高品質な画像を出力することができる。
【0068】
なお、各機器間での画像データの転送はすべてトークンリング方式により行われる。
また、本実施形態では、画像処理システムが撮像装置1、表示装置2、及び出力装置3の3種類からなる場合を一例として説明したが、これに限られるものではない。例えば、画像処理システムが撮像装置1と出力装置3からなる場合でも構成機器間のネゴシエーションによる画像補正項目の分担、実行が可能である。
【0069】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
なお、本発明の第2の実施形態における画像処理システムの構成は、上述した第1の実施形態による画像処理システムと同様であるので、その説明は省略する。
第2の実施形態における画像処理システムの動作について説明する。図6A及び図6Bは第2の実施形態における画像処理システムの動作シーケンスを示すフローチャートである。
【0070】
まず、ユーザー操作により撮像装置1、表示装置2、及び出力装置3の何れかより画像出力(印画)のコマンドが発生される(S1001)。撮像装置1、表示装置2、及び出力装置3の各システム制御部107、117、122は、それぞれの画像処理部106、115、120が有する紙を媒体として画像を出力する場合に要求される画像補正項目に対する能力をネゴシエーションする。このネゴシエーションにより、どの画像処理部106、115、120がどの画像補正項目を実行するかを決定する。また、それと同時に、実行される全画像補正項目、担当装置、画像補正項目が完了しているか否かの状態、及びどの機器が画像データを持っているかを明記できるチェックボックスを作成する装置を決定する(S1002)。このとき、チェックボックスを作成しない装置は、自らが持つシステム制御部107、117、122によりチェックボックスを閲覧、記入することができる。
【0071】
例として、以下に示すように画像補正項目の分担が決定した場合について説明する。撮像装置1では赤目補正及びホワイトバランス、表示装置2では顔検出、出力装置3では自動階調補正、グレーバランス、及び色ガンマ補正が実行されるとし、以後、この分担内容に基づいて説明を行うこととする。このとき、本実施形態では図7に示すようなチェックボックスが作成される。なお、作成されるチェックボックスの態様は図7に示すものに限定されるものではない。
【0072】
チェックボックス作成後、撮像装置1のシステム制御部107は、チェックボックス上に撮像装置1が画像補正処理を実行中である旨を表示する(S1003)。ここでの表示方法は、例えば図8に示すように、画像補正処理の装置を他の装置と異ならせるようにして表示する方法が挙げられるが、これに限られたものではない。
【0073】
撮像装置1の画像処理部106は、自らが担当する画像補正項目に係る処理を実行する(S1004)。撮像装置1は、担当する画像補正項目に係る処理を実行した後、図9に示すようにチェックボックスに画像補正項目に係る処理が完了した旨を表示すべく、マークを記入する(S1005)。ここで、撮像装置1の画像処理部106が実行していない画像補正項目が存在する場合には、その項目にはマークを付与する必要が無い。なお、処理が完了した旨を表示すべく付与するマーク例として図9を一例として示しているが、これに限定されるものではない。
【0074】
撮像装置1は、チェックボックスにマークを付与した後、処理後の画像データを表示装置2に転送する(S1006)。表示装置2のシステム制御部117は、画像データを受け取り次第、チェックボックス上に表示装置2が画像補正処理中である旨を図10に示すような方法で表示する(S1007)。表示装置2が処理を実行中である旨の表示例として図10を示しているが、これに限定されるものではない。そして、表示装置2の画像処理部115は、自らが担当する画像補正項目に係る処理を実行する(S1008)。
【0075】
表示装置2は、担当する画像補正項目に係る処理を実行した後、図11に示すようにチェックボックスに画像補正項目に係る処理が完了した旨を表示すべく、マークを記入する(S1009)。ここで、表示装置2の画像処理部117が実行していない画像補正項目が存在する場合には、その項目にはマークを付与する必要がない。なお、表示装置2にて画像補正処理が完了した旨を表示すべく付与するマーク例として図11を一例として示しているが、これに限定されるものではない。
【0076】
表示装置2は、チェックボックスにマークを付与した後、出力装置3に画像データを転送する(S1010)。出力装置3のシステム制御部122は、画像データを受け取り次第、チェックボックス上に出力装置3が画像補正処理中である旨を図12に示すような方法で表示する(S1011)。出力装置3が処理を実行中である旨の表示例として図12を示しているが、これに限定されるものではない。そして、出力装置3の画像処理部119は、自らが担当する画像補正項目に係る処理を実行する(S1012)。
【0077】
出力装置3は、担当する画像補正項目に係る処理を実行した後、図13に示すようにチェックボックスに画像補正項目に係る処理が完了した旨を表示すべく、マークを記入する(S1013)。ここで、出力装置3の画像処理部120が実行していない画像補正項目が存在する場合には、その項目にはマークを付与する必要がない。なお、出力装置3にて画像補正処理が完了した旨を表示すべく付与するマーク例として図13を一例として示しているが、これに限定されるものではない。
【0078】
次に、各装置の画像処理部106、115、120が画像データに対する一通りの画像補正処理を終了した後、各装置のシステム制御部107、117、122はチェックボックスに表示される画像補正項目すべてが完了しているか否かを確認する(S1014)。その結果、すべての画像補正項目が完了している場合には、出力装置3の印刷部123が駆動し、画像処理が施された画像データが印画される(S1019)。
【0079】
一方、未完了の画像補正項目が存在している場合には、各装置のシステム制御部107、117、122が未完了の画像補正項目に係る処理を実行する順序をネゴシエーションする(S1015)。ネゴシエーションにより未完了の画像補正項目に係る処理順序が決定した後、出力装置3がはじめに画像補正を実行する装置に画像データを転送する(S1016)。画像補正未完了の装置のみ、決定した処理順序に従って上述した方法でチェックボックスでの表示、画像処理部での画像補正を実行する(S1017)。そして、最後に画像補正処理を実行した装置は出力装置3に画像データを転送し(S1018)、出力装置3の印刷部123により画像データが印画される(S1019)。
【0080】
以上、説明したように第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果が得られる。さらに、チェックボックスを作成して画像データがどの装置に存在し、どの画像補正項目に係る処理を実行中であるかを表示することで、ユーザーに対して画像処理に関する情報を視覚的かつ容易に理解できるように提供することができる。
【0081】
なお、各機器間での画像データの転送はすべてトークンリング方式により行われる。
また、本実施形態では、画像処理システムが撮像装置1、表示装置2、及び出力装置3の3種類からなる場合を一例として説明したが、これに限られるものではない。例えば、画像処理システムが撮像装置1と出力装置3からなる場合でも構成機器間のネゴシエーションによる画像補正項目の分担、実行ならびにその分担を表示したチェックボックスの作成が可能である。
【0082】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。
本発明の第3の実施形態による画像処理システムは、画像データが1枚の場合のみならず、複数枚の場合にも対応した撮像装置、表示装置、及び出力装置からなるプリントシステムである。なお、本発明の第3の実施形態における画像処理システムの構成は、上述した第1の実施形態による画像処理システムと同様であるので、その説明は省略する。
【0083】
第3の実施形態における画像処理システムの動作について説明する。図14A及び図14Bは第3の実施形態における画像処理システムの動作シーケンスを示すフローチャートである。なお、以下の説明では、上述した、第1及び第2の実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0084】
ユーザー操作により画像出力(印画)のコマンドが発生した後、撮像装置1、表示装置2、及び出力装置3の各システム制御部107、117、122は、ユーザーの印画指定枚数と画像名を認識する(S1702)。次に、各システム制御部107、117、122は、画像補正項目の分担、チェックボックスを作成する装置、UIで印画情報を表示する装置を決定する(S1703)。
チェックボックスを作成する装置は、印画枚数分の図7に示したようなチェックボックスを作成する(S1704)。なお、このとき、作成されるチェックボックスの態様は図7に示すものに限定されない。
【0085】
撮像装置1の画像処理部106は、ユーザーから指定された画像に対して順次画像補正処理を実行する。撮像装置1は、1枚の画像について画像補正処理が終わる毎にチェックボックス上の完了した画像補正項目にマークを付与し、画像補正処理後の画像データを表示装置2に順次転送する(S1705〜S1708)。
【0086】
表示装置2の画像処理部115は、撮像装置1の画像処理部106と同様に、転送された画像に対して順次画像補正処理を実行する。表示装置2は、1枚の画像について画像補正処理が終わる毎にチェックボックス上の完了した画像補正項目にマークを付与し、画像補正処理後の画像データを出力装置3に順次転送する(S1709〜S1712)。
【0087】
出力装置3の画像処理部120は、撮像装置1及び画像表示装置2の画像処理部106、115と同様に、転送された画像に対して順次画像補正処理を実行する。出力装置3は、1枚の画像について画像補正処理が終わる毎にチェックボックス上の完了した画像補正項目にマークを付与する(S1713〜S1715)。
【0088】
1枚の画像について各装置の画像処理部106、115、120が一通りの画像補正処理を終了した後、第2の実施形態で述べたS1004〜S1018での動作が行われる。何れかの装置のシステム制御部107、117、122は作成された全チェックボックスの全画像補正項目にマークが付与されていることを確認する(S1721)。そして、ユーザーインターフェース部により印画情報を表示する装置は、ユーザーインターフェース上で撮像装置1が本画像処理システムから外すことができる旨を表示する(S1722)。
【0089】
ユーザーが印画情報を表示中の装置のユーザーインターフェース部を介して撮像装置1を本画像処理システムから外したいか否かを決定する(S1723)。ユーザーが撮像装置1を本システムから外す意思が無い場合にはそのまま印画を続行する(S1727)。
一方、ユーザーが撮像装置1を本システムから外す意思をユーザーインターフェース部を介して示した場合には、各装置のシステム制御部107、117、122が印画情報のUIを所有している機器を確認する(S1724)。その結果、撮像装置1が所有している場合には印画情報のUIを表示装置2又は出力装置3に移動させる(S1725)。そして、印画情報のUIを撮像装置1が所有していないことが確認できたらユーザーは撮像装置1を本システムから外すことができる(S1726)。
【0090】
なお、各機器間での画像データの転送はすべてトークンリング方式により行われる。
また、本実施形態では、画像処理システムが撮像装置1、表示装置2、及び出力装置3の3種類からなる場合を一例として説明したが、これに限られるものではない。例えば、画像処理システムが撮像装置1と出力装置3からなる場合でも構成機器間のネゴシエーションにより印画情報を表示したUIの移動、撮像装置の取り外しが可能である。
【0091】
なお、上述した第1〜第3の実施形態では、ユーザーインターフェース部113は撮像装置1のみ備えているが、本発明はこれに限定されず、表示装置2及び出力装置3がユーザーインターフェース部を備えていても良い。
【0092】
また、上述した第1〜第3の実施形態では、画像データは撮像装置1、表示装置2、及び出力装置3を順に転送して画像補正処理を施すようにしている。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、自動諧調補正の後にホワイトバランスを行う必要があり、かつ撮像装置1がホワイトバランスを行うことになった場合には、撮像装置1はホワイトバランス処理を行わずに一旦表示装置2又は出力装置3に画像データを送る。そして、表示装置2又は出力装置3にて階調補正処理が施された後、その画像データが撮像装置1に再び供給され、撮像装置1にてホワイトバランス処理を行う。このように、画像補正処理の順番によっては、画像データの流れが逆転し、ある装置から一旦出力した画像データが他の装置での処理後に戻ってきる場合もある。
【0093】
(本発明の他の実施形態)
上述した実施形態の機能を実現するべく各種のデバイスを動作させるように、該各種デバイスと接続された装置又はシステム内のコンピュータに対し、上記実施形態の機能を実現するためのソフトウェアのプログラムコードを供給してもよい。そのシステム又は装置のコンピュータ(CPU又はMPU)に格納されたプログラムに従って上記各種デバイスを動作させることによって実施したものも、本発明の範疇に含まれる。
また、この場合、上記ソフトウェアのプログラムコード自体が上述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体は本発明を構成する。また、そのプログラムコードをコンピュータに供給するための手段、例えばかかるプログラムコードを格納した記録媒体は本発明を構成する。かかるプログラムコードを記憶する記録媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
また、コンピュータが供給されたプログラムコードを実行することにより、上述の実施形態の機能が実現されるだけでなく、以下の実施態様も本発明の範疇に含まれる。つまり、そのプログラムコードがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)又は他のアプリケーションソフト等と共同して上述の実施形態の機能が実現される場合にもかかるプログラムコードは本発明の範疇に含まれる。
さらに、供給されたプログラムコードの指示に基づいてその機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合にも本発明に含まれることは言うまでもない。
【0094】
なお、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化のほんの一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明の第1の実施形態による画像処理システムの構成例を示す図である。
【図2】図1に示した画像処理部の構成例を示すブロック図である。
【図3】単板CCDの画像データ及びフィルタ係数を示す図である。
【図4】第1の実施形態における画像処理システムでの分散型画像処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】画像のブロックラインを示す図である。
【図6A】第2の実施形態における画像処理システムでの分散型画像処理の流れを示すフローチャートである。
【図6B】第2の実施形態における画像処理システムでの分散型画像処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】第2の実施形態におけるチェックボックスの一例を示す図である。
【図8】第2の実施形態にて撮像装置が画像処理実行中のチェックボックスの一例を示す図である。
【図9】第2の実施形態にて撮像装置が画像処理を完了した旨を表示しているチェックボックスの一例を示す図である。
【図10】第2の実施形態にて表示装置が画像処理実行中のチェックボックスの一例を示す図である。
【図11】第2の実施形態にて表示装置が画像処理を完了した旨を表示しているチェックボックスの一例を示す図である。
【図12】第2の実施形態にて出力装置が画像処理実行中のチェックボックスの一例を示す図である。
【図13】第2の実施形態にて出力装置が画像処理を完了した旨を表示しているチェックボックスの一例を示す図である。
【図14A】第3の実施形態における画像処理システムでの分散型画像処理の流れを示すフローチャートである。
【図14B】第3の実施形態における画像処理システムでの分散型画像処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0096】
1 撮像装置
2 画像表示装置
3 画像出力装置
106 画像処理部
107 システム制御部
108 画像メモリ
109 メモリ制御回路
115 画像処理部
117 システム制御部
118 表示部
120 画像処理部
122 システム制御部
123 印刷部
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理システム、画像処理装置、及び画像処理方法に関し、各装置の画像処理能力に応じて画像補正処理を分散し実行する画像処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラと、デジタルカメラにより撮影した画像を印刷媒体である紙に出力可能なダイレクトプリンターとから構成されるプリントシステムがある。このプリントシステムにおいて、撮影した画像を紙に印刷し出力する際には、両機器間で画像処理に関してネゴシエーションを行うことにより構成機器に適した方法で出力のための画像処理がなされている。
【0003】
特許文献1には、それぞれ画像処理手段を備えたデジタルカメラとダイレクトプリンターからなるプリントシステムが記載されている。特許文献1記載の技術では、デジタルカメラとダイレクトプリンター間で各機器が有する画像処理能力をネゴシエーションし、出力しようとする画像の画像補正情報がデジタルカメラからダイレクトプリンターに供給される。これにより、特許文献1記載のプリントシステムは、ダイレクトプリンターでの画像処理に必要なリソースを低減することを可能にしている。
【0004】
特許文献2記載の技術では、デジタルカメラがプリンターの画像処理能力をプリンターから読み出してデジタルカメラのそれと比較する。その結果、プリンターの画像処理能力がデジタルカメラのそれより高い場合には、プリンターに画像処理を委ねて、デジタルカメラは印刷プレビュー画像を表示する。また、プリンター及びデジタルカメラの画像処理能力がほぼ同等と判断した場合には、プリンターに画像処理を委ねて、デジタルカメラは印刷プレビュー画像を表示する。一方、プリンターの画像処理能力がデジタルカメラのそれより低い場合には、デジタルカメラ自らが画像処理、及び印刷プレビュー画像表示の双方を実行する。この方法により、少しでも精度の高い画像補正を可能にしている。
【0005】
【特許文献1】特開2004−364161号公報
【特許文献2】特開2001−298694号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1記載の技術においては、デジタルカメラはダイレクトプリンターにおける画像補正処理の援助として画像補正情報を提供しているにすぎない。つまり、画像出力のための画像補正項目の実行がすべてダイレクトプリンターに委ねられており、ダイレクトプリンター側で実行する画像処理の負荷そのものを低減するには至っていない。
【0007】
また、特許文献2記載の技術においては、すべての画像補正項目をダイレクトプリンター又はデジタルカメラが実行しており、数ある画像補正項目を分担していない。そのため、例えばデジタルカメラが画像補正処理を行うことになった場合には、プリンターにて実行するほうが好ましい画像補正項目があったとしてもデジタルカメラでその項目が実行される。同様に、プリンターが画像補正処理を行うことになった場合にも、デジタルカメラにて実行するほうが好ましい画像補正項目があったとしてもプリンターでその項目が実行される。
【0008】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、画像補正処理を特定の機器に限定することなく適切に分担して実行し、画像出力のための画像補正処理を効率良くかつ高精度で実行できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の画像処理システムは、撮像装置と、画像出力装置と、当該撮像装置及び画像出力装置とは異なる外部装置とが所定の通信手段を介して互いに通信可能に接続された画像処理システムであって、上記撮像装置は、撮像画像に係る画像データを記憶する記憶手段と、上記画像データに補正処理を施す第1の画像処理手段と、上記記憶手段及び上記画像処理手段を制御する第1の制御手段とを有し、上記画像出力装置は、画像データの印画を指示する画像出力コマンドに応じて、当該画像データを印刷媒体に出力する出力手段と、上記画像データに補正処理を施す第2の画像処理手段と、上記出力手段及び上記第2の画像処理手段を制御する第2の制御手段とを有し、上記外部装置は、上記画像データに補正処理を施す第3の画像処理手段と、上記第3の画像処理手段を制御する第3の制御手段とを有し、ユーザー操作により上記画像出力コマンドが発生された場合に、上記各装置の制御手段は、当該画像出力コマンドに応じて実行する画像補正項目に関する能力について上記通信手段を介してネゴシエーションを行い、当該画像補正項目を実行する装置を決定することを特徴とする。
本発明の画像処理システムは、撮像装置と画像出力装置が所定の通信手段を介して互いに通信可能に接続された画像処理システムであって、上記撮像装置は、撮像画像に係る画像データを記憶する記憶手段と、上記画像データに補正処理を施す第1の画像処理手段と、上記記憶手段及び上記画像処理手段を制御する第1の制御手段とを有し、上記画像出力装置は、画像データの印画を指示する画像出力コマンドに応じて、当該画像データを印刷媒体に出力する出力手段と、上記画像データに補正処理を施す第2の画像処理手段と、上記出力手段及び上記第2の画像処理手段を制御する第2の制御手段とを有し、ユーザー操作により上記画像出力コマンドが発生された場合に、上記撮像装置及び上記画像出力装置の制御手段は、当該画像出力コマンドに応じて実行する画像補正項目に関する能力について上記通信手段を介してネゴシエーションを行い、当該画像補正項目を実行する装置を決定することを特徴とする。
本発明の画像処理装置は、画像出力装置と、当該画像出力装置とは異なる外部装置とに通信手段を介して互いに通信可能に接続される画像処理装置であって、撮像画像に係る画像データを記憶する記憶手段と、上記画像データに補正処理を施す画像処理手段と、上記記憶手段及び上記画像処理手段を制御する制御手段とを有し、上記画像出力装置より画像データを出力する画像出力コマンドがユーザー操作により発生された場合に、上記制御手段は、当該画像出力コマンドに応じて実行する画像補正項目に関する能力について上記画像出力装置及び上記外部装置とネゴシエーションを行い、実行する画像補正項目を決定することを特徴とする。
本発明の画像処理装置は、撮像装置と、当該撮像装置とは異なる外部装置とに通信手段を介して互いに通信可能に接続される画像処理装置であって、撮像画像に係る画像データの印画を指示する画像出力コマンドに応じて、当該画像データを印刷媒体に出力する出力手段と、上記画像データに補正処理を施す画像処理手段と、上記出力手段及び上記画像処理手段を制御する制御手段とを有し、ユーザー操作により上記画像出力コマンドが発生された場合に、上記制御手段は、当該画像出力コマンドに応じて実行する画像補正項目に関する能力について上記撮像装置及び上記外部装置とネゴシエーションを行い、実行する画像補正項目を決定することを特徴とする。
本発明の画像処理方法は、撮像画像に係る画像データを記憶する記憶手段、上記画像データに補正処理を施す第1の画像処理手段、及び上記記憶手段並びに上記画像処理手段を制御する第1の制御手段を有する撮像装置と、画像データの印画を指示する画像出力コマンドに応じて、当該画像データを印刷媒体に出力する出力手段、上記画像データに補正処理を施す第2の画像処理手段、及び上記出力手段並びに上記第2の画像処理手段を制御する第2の制御手段を有する画像出力装置と、上記画像データに補正処理を施す第3の画像処理手段、及び上記第3の画像処理手段を制御する第3の制御手段を有する外部装置とが、所定の通信手段を介して互いに通信可能に接続された画像処理システムでの画像処理方法であって、ユーザー操作により上記画像出力コマンドが発生された場合に、上記各装置が、当該画像出力コマンドに応じて実行する画像補正項目に関する能力について上記通信手段を介してネゴシエーションを行い、当該画像補正項目を実行する装置を決定することを特徴とする。
本発明のプログラムは、上記画像処理システムの各手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする。
本発明のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、上記プログラムを記録したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、画像出力コマンドが発生された場合に、撮像装置、画像出力装置、及び外部装置が、当該画像出力コマンドに応じて実行する画像補正項目に関する能力についてネゴシエーションを行い当該画像補正項目を実行する装置を決定する。これにより、画像出力コマンドに応じて実行する画像補正項目を撮像装置、画像出力装置、及び外部装置により適切に分担して実行することが可能になり、特定の機器に限定することなく画像出力のための画像補正処理を効率良くかつ高精度で実行できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態による画像処理システムの構成例を示す図である。図1においては、本実施形態による画像処理システムの一例として、撮像装置(デジタルカメラ)1、画像表示装置(ディスプレイ)2、及び画像出力装置(プリンター)3から構成されるプリントシステムを示している。このプリントシステムを構成する撮像装置1、画像表示装置2、及び画像出力装置3は、所定の通信手段を介して互いに通信可能なように接続されている。
【0013】
撮像装置1の構成について説明する。
101はズームレンズ、フォーカスレンズから成る撮影レンズ、102は絞り機能を備えたシャッター、103は光学像を電気信号に変換する撮像素子、104は撮像素子103のアナログ出力をデジタル信号に変換するA/D変換器である。タイミング発生回路105は、システム制御部107及びメモリ制御回路109により制御され、シャッター102、撮像素子103、A/D変換器104、及びD/A変換器110にそれぞれクロック信号や制御信号を供給する。
【0014】
画像処理部106は、A/D変換器104からのデータ或いはメモリ制御回路109からのデータに対して、所定の画素補間処理や色変換処理を行う。また、画像処理部106は、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてシステム制御部107が、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理を行う。また、画像処理部106は、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてAWB(オートホワイトバランス)処理を行う。
【0015】
メモリ制御部109は、A/D変換器104、タイミング発生回路105、画像処理部106、画像メモリ108、画像表示メモリ111をそれぞれ制御する。A/D変換器104のデータが、画像処理部106及びメモリ制御回路109を介して、或いは直接メモリ制御回路109を介して、画像メモリ108又は画像表示メモリ111に書き込まれる。
【0016】
画像メモリ108は、撮影した静止画像や動画像を格納するためのものであり、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像を格納するのに十分な記憶容量を備えている。これにより、複数枚の静止画像を連続して撮影する連写撮影やパノラマ撮影の場合にも、高速かつ大量の画像書き込みを画像メモリ108に対して行うことが可能となる。また、画像メモリ108はシステム制御部107の作業領域としても使用することが可能である。
【0017】
画像表示メモリ111は、表示用の画像データを格納するためのものであり、画像表示メモリ111に書き込まれた表示用の画像データはD/A変換器110を介して画像表示部112により表示される。画像表示部112は、例えばLCD(液晶表示装置)で構成される。画像表示部112は、システム制御部107の指示により任意に表示をON/OFFすることが可能であり、表示をOFFにした場合には撮像装置1の電力消費を大幅に低減することができる。
【0018】
システム制御部107は、撮像装置1全体を制御するものであり、ユーザーインターフェース部113を介して入力されるユーザーの指示等に応じて撮像装置1の動作を制御する。ユーザーインターフェース部113は、画像出力に関しての情報を表示可能であるとともに、ユーザーの指示を入力するためのものであり、この部分でのユーザーの指示がシステム制御部107に送られる。
【0019】
表示装置2の構成について説明する。
画像入力部114は、撮像装置1や出力装置3から転送された画像データを読み込む。画像入力部114により読み込まれた画像データは、画像処理を必要とする場合には画像処理部115に転送され、画像処理を必要としない場合には画像バッファ116に転送される。
【0020】
画像処理部115は、画像入力部114から転送された画像データに対して、表示部118に画像データを表示する際に必要な画像処理や、出力装置3から紙を印刷媒体として画像データを出力する際に必要な画像処理を実行する。画像バッファ116は、画像入力部114から転送された画像データや、画像処理部115にて画像処理が施された画像データを格納する。
【0021】
システム制御部117は、表示装置2全体を制御するものである。システム制御部117は、画像バッファ116に格納された画像データを、表示部118にて表示したり、撮像装置1や出力装置3に転送したりする。
【0022】
出力装置3の構成について説明する。
画像入力部119は、撮像装置1や表示装置2から転送された画像データを読み込む。画像入力部119は、読み込んだ画像データを印刷媒体である紙に出力するために、所定の画像処理を必要とする場合には画像処理部120に画像データを転送し、画像処理を必要としない場合には画像バッファ121に画像データを転送する。
【0023】
画像処理部120は、画像入力部119から転送された画像データに対して、出力装置3から紙を媒体として画像データを出力する際に必要な画像処理を実行する。画像バッファ121は、印画しようとする画像データ等を格納するものであり、画像入力部119から転送された画像データや画像処理部120にて画像処理が施された画像データを格納する。
【0024】
システム制御部122は、出力装置3全体を制御するものである。システム制御部122は、画像バッファ121に格納された画像データのYe(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)信号を受け取り、それらの信号を印刷部123に送る。印刷部123は、画像バッファ121に格納された画像データの信号がシステム制御部122を介して入力され、画像データに基づく画像を媒体である紙に印画する。
【0025】
撮像装置1の画像処理部106、画像表示装置2の画像処理部115、出力装置3の画像処理部120のそれぞれは、ネゴシエーションにより画像処理の補正項目として自装置が分担することになった画像処理を実行する。
【0026】
図1に示した画像処理部106について、図2を参照して詳細に説明する。図2は、図1に示した画像処理部106の構成例を示すブロック図である。
【0027】
図1に示した撮像素子103により読み出されたCCDデジタル信号は、ホワイトバランス処理部301に供給され、ホワイトバランス処理部301にて画像中の白が白信号となるようなホワイトバランス係数及び光源の色温度が求められる。また、求められたホワイトバランス係数がCCDデジタル信号にかけられ画像中の白が白信号になるようにホワイトバランス処理される。
【0028】
ホワイトバランス処理されたCCDデジタル信号は、補間処理部302及び輝度信号作成選択部308に供給される。
補間処理部302は、単板CCDの画素配列からA、B、C、D位置の画素をそれぞれを用いた補間演算を行いA、B、C、D信号の面データを作成する。
【0029】
補間処理部302において作成されたA、B、C、D信号の面データは、マトリクス演算処理部303にて式(1)を用いた色変換が画素毎に行われる。
【0030】
【数1】
【0031】
マトリクス演算処理部303においてマトリクス演算処理されたCCDデジタル信号は、色差ゲイン演算処理部304にて色差信号にゲインがかけられる。
具体的には、色差ゲイン演算処理部304は、マトリクス演算処理部303からのRm、Gm、Bm信号を式(2)に従ってY、Cr、Cb信号に変換する。
【0032】
【数2】
【0033】
また、色差ゲイン演算処理部304は、得られた色差信号であるCr、Cb信号に式(3)、式(4)に示すようにゲインをそれぞれかける。
【0034】
【数3】
【0035】
さらに、色差ゲイン演算処理部304は、上述のようにして得られたY、Cr’、Cb’信号を式(5)(式(2)の逆行列演算に相当)に従って、Rg、Gg、Bg信号に変換する。
【0036】
【数4】
【0037】
色差ゲイン演算処理部304において色差ゲイン演算処理されたCCDデジタル信号は、ガンマ処理部305に供給される。ガンマ処理部305は、以下の式(6)〜式(8)を用いてデータ変換を行い、いわゆるガンマ変換処理を行う。
【0038】
【数5】
【0039】
ガンマ処理部305においてガンマ処理されたCCDデジタル信号は、色相補正演算処理部306に供給される。色相補正演算処理部306は、ガンマ処理部305からのRt、Gt、Bt信号を式(9)に従ってY、Cr、Cb信号に変換する。
【0040】
【数6】
【0041】
また、色相補正演算処理部306は、得られた色差信号であるCr、Cb信号を式(10)に従って補正する。
【0042】
【数7】
【0043】
さらに、色相補正演算処理部306は、上述のようにして得られたY、Cr’、Cb’信号を式(11)(式(9)の逆行列演算に相当)に従って、Rh、Gh、Bh信号に変換する。
【0044】
【数8】
【0045】
色相補正演算処理部306において色相補正演算処理されたCCDデジタル信号は、色差信号変換処理部307に供給される。色差信号変換処理部307は、色相補正演算処理部306からのRh、Gh、Bh信号を式(12)により変換し、UV信号を作成する。
【0046】
【数9】
【0047】
一方、輝度信号作成選択部308に供給されたCCDデジタル信号は、プロダクト情報に基づいて決定された処理選択情報を基に処理方法の選択が行われる。具体的には、CCDが原色フィルタを用いたものであれば原色輝度信号作成処理部309により輝度信号が作成され、CCDが補色フィルタを用いたものであれば補色輝度信号作成処理部310により輝度信号が作成される。
【0048】
以下、原色輝度信号作成処理部309による原色輝度信号、及び補色輝度信号作成処理部310による補色輝度信号の作成方法について説明する。
図3(a)に示すような原色フィルタを用いた場合の輝度信号は、R、Bの信号をすべて0にして、図3(c)に示す係数を持つ2次元フィルタ処理を施して得られた信号を輝度信号とする。一方、図3(b)に示すような補色フィルタを用いた場合の輝度信号は、そのまま図3(c)に示す係数を持つ2次元フィルタ処理を施して得られた信号を輝度信号とする。
【0049】
原色輝度信号作成処理部309又は補色輝度信号作成処理部310において作成された輝度信号は、高域強調処理部311にてエッジ強調処理され、さらにガンマ処理部312にてガンマ変換処理されてY信号が作成される。
なお、図2に示す各処理部には図示していないが、プロダクト情報に基づいてパラメータを決定するパラメータ決定部があり、そこでプロダクト情報に基づいて決定されたパラメータが各々設定される。
【0050】
次に、本実施形態における画像処理システムの動作について説明する。
図4は、本実施形態における画像処理システムでの分散型画像処理の動作シーケンスを示すフローチャートである。
本実施形態の画像処理システムは撮像装置(デジタルカメラ)1、表示装置(ディスプレイ)2、及び出力装置(プリンター)3は、通信手段であるUSB(Universal Serial Bus)を介して互いに通信可能に接続されているとする。なお、USBは一例であってこれに限定されるものではなく、互いに通信可能に接続する通信手段であれば任意である。
【0051】
まず、ユーザー操作により撮像装置1、表示装置2、及び出力装置3の何れかより画像出力(印画)のコマンドが発生される(S701)。撮像装置1、表示装置2、及び出力装置3の各システム制御部107、117、122は、それぞれの画像処理部106、115、120が有する紙を媒体として画像を出力する場合に要求される画像補正項目に対する能力をネゴシエーションする。このネゴシエーションにより、どの画像処理部106、115、120がどの画像補正項目を実行するかを決定する(S702)。
【0052】
ここで、画像補正項目とは、顔検出、赤目補正、自動階調補正、色ガンマ補正、グレーバランス、ホワイトバランスなどであり、各画像処理部106、115、120が任意に備えているものとする。また、画像補正項目を実行する装置の決定は、各画像補正項目のそれぞれについて画像処理部106、115、120の中からもっとも高い能力を有する画像処理部を備える装置に決定する。
【0053】
画像補正処理の分担が決定した後、撮像装置1の画像処理部106は、自らが担当する画像補正項目に係る処理を実行する(S703)。撮像装置1は、担当する画像補正項目に係る処理を実行した後、処理後の画像データを表示装置2に転送する(S704)。ここで、撮像装置1が担当する画像補正項目のうち、他機器の画像補正処理終了後に実行しないと不都合が生じるような項目があると撮像装置1が判断した場合には、その項目を実行しないまま表示装置2に画像データを転送することができる。
【0054】
次に、表示装置2の画像処理部115は、自らが担当する画像補正項目に係る処理を実行する(S705)。表示装置2は、担当する画像補正項目に係る処理を完了させた後、出力装置3に画像データを転送する(S706)。ここで、表示装置2が自ら担当する画像補正項目のうち、他機器の画像補正終了後に実行しないと不都合が生じるような項目があると表示装置2が判断した場合には、その項目を実行しないまま出力装置3に画像データを転送することができる。
【0055】
画像データが表示装置2から出力装置3に転送されると、出力装置3の画像処理部120は自らが担当する画像補正項目に係る処理を実行する(S707)。
各装置の画像処理部106、115、120が、画像データに対する一通りの画像補正処理を終了した後、各装置のシステム制御部107、117、122はネゴシエーションを実行し、全画像補正項目が完了しているか否かを確認する(S708)。その結果、全画像補正項目が完了していることを各システム制御部107、117、122にて確認できた場合には、出力装置3の印刷部123は画像補正処理が施された画像データを印画(出力)する(S713)。
【0056】
一方、全画像補正項目のうち未完了の項目が存在している場合には、各装置のシステム制御部107、117、122がネゴシエーションを実行して残りの画像補正項目に係る処理を実行する順序を決定する(S709)。ここで、どの機器から残りの補正画像項目に係る処理を実行するかは各機器の稼動状況や優先的に終了させるべき画像補正項目等に依存する。
【0057】
ステップS709において決定した画像補正項目の処理順序に沿って画像データが転送され(S710)、画像補正項目に係る処理が実行される(S711)。そして、すべての画像補正項目に係る処理が完了した画像データが出力装置3に転送され(S712)、出力装置3の印刷部123により画像データが印画される(S713)。
【0058】
ステップS713において、出力される画像データは、システム制御部122にてYUVデータがRGBデータに再変換され、輝度信号Yをもって以下の式(13)に従ってYe、M、Cデータに変換される。
【0059】
【数10】
【0060】
上記式(13)に従って得られたYe、M、Cの各信号値は、さらに式(14)〜(16)を用いて、Ye'、M'、C'に変換される。
【0061】
【数11】
【0062】
その後、印刷部123に転送され、Ye'面、M'面、C'面の順に印画される紙を媒体として出力される。
【0063】
以下に、出力装置3による紙を媒体とした画像出力の過程の一例を説明する。
図5は、出力される画像(画面)をm×nブロック(m、nは自然数)に分割した状態を示しており、図中での斜線で示した部分が1ブロックラインである。図5の場合には、画面がn本のブロックラインから構成されている。
【0064】
出力装置3は、一枚の用紙にて上端のラインから下端のラインまでYe面の印画を行う。それが終了すると用紙を印画スタート位置に戻し、M面の印画がYe面の印画時同様に行われる。M面の印画が終了した後は、用紙を再び印画スタート位置に戻し、C面の印画が同様に行われる。
【0065】
上述のようにYe面の印画からはじまる。画像処理部106にて第1ブロックラインから第nブロックラインの信号値Y1、R−Y1,B−Y1、Y2、R−Y2、B−Y2、…、Yn、R−Yn、B−Ynを式(13)により変換する。そして、Ye1、Ye2、…、Yen信号を求め、画像出力装置3に転送され、黄色面の印画が行われる。
【0066】
黄色の印画終了後は黄色印画時同様、第1〜第nブロックラインでM1、M2、…、Mn信号値算出、転送、マゼンタ面の印画が行われる。
マゼンタ色の印画終了後は黄色、マゼンタ色印画時同様、第1〜第nブロックラインでC1、C2、…、Cn信号値算出、転送、シアン面の印画が行われる。
なお、上述した出力装置3による画像出力の過程は一例であり、これに限定されるものではない。
【0067】
以上、説明したように第1の実施形態によれば、印刷媒体である紙に画像データを出力する場合に行う画像補正処理を特定の装置に限定することなく、また複数の画像補正項目を各装置の画像処理部が自ら得意とするものを分担して実行することが可能になる。これにより、複数の装置にて画像補正処理を適切に分担し、画像出力のための画像補正処理を効率良くかつ高精度で実行することができ、高品質な画像を出力することができる。
【0068】
なお、各機器間での画像データの転送はすべてトークンリング方式により行われる。
また、本実施形態では、画像処理システムが撮像装置1、表示装置2、及び出力装置3の3種類からなる場合を一例として説明したが、これに限られるものではない。例えば、画像処理システムが撮像装置1と出力装置3からなる場合でも構成機器間のネゴシエーションによる画像補正項目の分担、実行が可能である。
【0069】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
なお、本発明の第2の実施形態における画像処理システムの構成は、上述した第1の実施形態による画像処理システムと同様であるので、その説明は省略する。
第2の実施形態における画像処理システムの動作について説明する。図6A及び図6Bは第2の実施形態における画像処理システムの動作シーケンスを示すフローチャートである。
【0070】
まず、ユーザー操作により撮像装置1、表示装置2、及び出力装置3の何れかより画像出力(印画)のコマンドが発生される(S1001)。撮像装置1、表示装置2、及び出力装置3の各システム制御部107、117、122は、それぞれの画像処理部106、115、120が有する紙を媒体として画像を出力する場合に要求される画像補正項目に対する能力をネゴシエーションする。このネゴシエーションにより、どの画像処理部106、115、120がどの画像補正項目を実行するかを決定する。また、それと同時に、実行される全画像補正項目、担当装置、画像補正項目が完了しているか否かの状態、及びどの機器が画像データを持っているかを明記できるチェックボックスを作成する装置を決定する(S1002)。このとき、チェックボックスを作成しない装置は、自らが持つシステム制御部107、117、122によりチェックボックスを閲覧、記入することができる。
【0071】
例として、以下に示すように画像補正項目の分担が決定した場合について説明する。撮像装置1では赤目補正及びホワイトバランス、表示装置2では顔検出、出力装置3では自動階調補正、グレーバランス、及び色ガンマ補正が実行されるとし、以後、この分担内容に基づいて説明を行うこととする。このとき、本実施形態では図7に示すようなチェックボックスが作成される。なお、作成されるチェックボックスの態様は図7に示すものに限定されるものではない。
【0072】
チェックボックス作成後、撮像装置1のシステム制御部107は、チェックボックス上に撮像装置1が画像補正処理を実行中である旨を表示する(S1003)。ここでの表示方法は、例えば図8に示すように、画像補正処理の装置を他の装置と異ならせるようにして表示する方法が挙げられるが、これに限られたものではない。
【0073】
撮像装置1の画像処理部106は、自らが担当する画像補正項目に係る処理を実行する(S1004)。撮像装置1は、担当する画像補正項目に係る処理を実行した後、図9に示すようにチェックボックスに画像補正項目に係る処理が完了した旨を表示すべく、マークを記入する(S1005)。ここで、撮像装置1の画像処理部106が実行していない画像補正項目が存在する場合には、その項目にはマークを付与する必要が無い。なお、処理が完了した旨を表示すべく付与するマーク例として図9を一例として示しているが、これに限定されるものではない。
【0074】
撮像装置1は、チェックボックスにマークを付与した後、処理後の画像データを表示装置2に転送する(S1006)。表示装置2のシステム制御部117は、画像データを受け取り次第、チェックボックス上に表示装置2が画像補正処理中である旨を図10に示すような方法で表示する(S1007)。表示装置2が処理を実行中である旨の表示例として図10を示しているが、これに限定されるものではない。そして、表示装置2の画像処理部115は、自らが担当する画像補正項目に係る処理を実行する(S1008)。
【0075】
表示装置2は、担当する画像補正項目に係る処理を実行した後、図11に示すようにチェックボックスに画像補正項目に係る処理が完了した旨を表示すべく、マークを記入する(S1009)。ここで、表示装置2の画像処理部117が実行していない画像補正項目が存在する場合には、その項目にはマークを付与する必要がない。なお、表示装置2にて画像補正処理が完了した旨を表示すべく付与するマーク例として図11を一例として示しているが、これに限定されるものではない。
【0076】
表示装置2は、チェックボックスにマークを付与した後、出力装置3に画像データを転送する(S1010)。出力装置3のシステム制御部122は、画像データを受け取り次第、チェックボックス上に出力装置3が画像補正処理中である旨を図12に示すような方法で表示する(S1011)。出力装置3が処理を実行中である旨の表示例として図12を示しているが、これに限定されるものではない。そして、出力装置3の画像処理部119は、自らが担当する画像補正項目に係る処理を実行する(S1012)。
【0077】
出力装置3は、担当する画像補正項目に係る処理を実行した後、図13に示すようにチェックボックスに画像補正項目に係る処理が完了した旨を表示すべく、マークを記入する(S1013)。ここで、出力装置3の画像処理部120が実行していない画像補正項目が存在する場合には、その項目にはマークを付与する必要がない。なお、出力装置3にて画像補正処理が完了した旨を表示すべく付与するマーク例として図13を一例として示しているが、これに限定されるものではない。
【0078】
次に、各装置の画像処理部106、115、120が画像データに対する一通りの画像補正処理を終了した後、各装置のシステム制御部107、117、122はチェックボックスに表示される画像補正項目すべてが完了しているか否かを確認する(S1014)。その結果、すべての画像補正項目が完了している場合には、出力装置3の印刷部123が駆動し、画像処理が施された画像データが印画される(S1019)。
【0079】
一方、未完了の画像補正項目が存在している場合には、各装置のシステム制御部107、117、122が未完了の画像補正項目に係る処理を実行する順序をネゴシエーションする(S1015)。ネゴシエーションにより未完了の画像補正項目に係る処理順序が決定した後、出力装置3がはじめに画像補正を実行する装置に画像データを転送する(S1016)。画像補正未完了の装置のみ、決定した処理順序に従って上述した方法でチェックボックスでの表示、画像処理部での画像補正を実行する(S1017)。そして、最後に画像補正処理を実行した装置は出力装置3に画像データを転送し(S1018)、出力装置3の印刷部123により画像データが印画される(S1019)。
【0080】
以上、説明したように第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果が得られる。さらに、チェックボックスを作成して画像データがどの装置に存在し、どの画像補正項目に係る処理を実行中であるかを表示することで、ユーザーに対して画像処理に関する情報を視覚的かつ容易に理解できるように提供することができる。
【0081】
なお、各機器間での画像データの転送はすべてトークンリング方式により行われる。
また、本実施形態では、画像処理システムが撮像装置1、表示装置2、及び出力装置3の3種類からなる場合を一例として説明したが、これに限られるものではない。例えば、画像処理システムが撮像装置1と出力装置3からなる場合でも構成機器間のネゴシエーションによる画像補正項目の分担、実行ならびにその分担を表示したチェックボックスの作成が可能である。
【0082】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。
本発明の第3の実施形態による画像処理システムは、画像データが1枚の場合のみならず、複数枚の場合にも対応した撮像装置、表示装置、及び出力装置からなるプリントシステムである。なお、本発明の第3の実施形態における画像処理システムの構成は、上述した第1の実施形態による画像処理システムと同様であるので、その説明は省略する。
【0083】
第3の実施形態における画像処理システムの動作について説明する。図14A及び図14Bは第3の実施形態における画像処理システムの動作シーケンスを示すフローチャートである。なお、以下の説明では、上述した、第1及び第2の実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0084】
ユーザー操作により画像出力(印画)のコマンドが発生した後、撮像装置1、表示装置2、及び出力装置3の各システム制御部107、117、122は、ユーザーの印画指定枚数と画像名を認識する(S1702)。次に、各システム制御部107、117、122は、画像補正項目の分担、チェックボックスを作成する装置、UIで印画情報を表示する装置を決定する(S1703)。
チェックボックスを作成する装置は、印画枚数分の図7に示したようなチェックボックスを作成する(S1704)。なお、このとき、作成されるチェックボックスの態様は図7に示すものに限定されない。
【0085】
撮像装置1の画像処理部106は、ユーザーから指定された画像に対して順次画像補正処理を実行する。撮像装置1は、1枚の画像について画像補正処理が終わる毎にチェックボックス上の完了した画像補正項目にマークを付与し、画像補正処理後の画像データを表示装置2に順次転送する(S1705〜S1708)。
【0086】
表示装置2の画像処理部115は、撮像装置1の画像処理部106と同様に、転送された画像に対して順次画像補正処理を実行する。表示装置2は、1枚の画像について画像補正処理が終わる毎にチェックボックス上の完了した画像補正項目にマークを付与し、画像補正処理後の画像データを出力装置3に順次転送する(S1709〜S1712)。
【0087】
出力装置3の画像処理部120は、撮像装置1及び画像表示装置2の画像処理部106、115と同様に、転送された画像に対して順次画像補正処理を実行する。出力装置3は、1枚の画像について画像補正処理が終わる毎にチェックボックス上の完了した画像補正項目にマークを付与する(S1713〜S1715)。
【0088】
1枚の画像について各装置の画像処理部106、115、120が一通りの画像補正処理を終了した後、第2の実施形態で述べたS1004〜S1018での動作が行われる。何れかの装置のシステム制御部107、117、122は作成された全チェックボックスの全画像補正項目にマークが付与されていることを確認する(S1721)。そして、ユーザーインターフェース部により印画情報を表示する装置は、ユーザーインターフェース上で撮像装置1が本画像処理システムから外すことができる旨を表示する(S1722)。
【0089】
ユーザーが印画情報を表示中の装置のユーザーインターフェース部を介して撮像装置1を本画像処理システムから外したいか否かを決定する(S1723)。ユーザーが撮像装置1を本システムから外す意思が無い場合にはそのまま印画を続行する(S1727)。
一方、ユーザーが撮像装置1を本システムから外す意思をユーザーインターフェース部を介して示した場合には、各装置のシステム制御部107、117、122が印画情報のUIを所有している機器を確認する(S1724)。その結果、撮像装置1が所有している場合には印画情報のUIを表示装置2又は出力装置3に移動させる(S1725)。そして、印画情報のUIを撮像装置1が所有していないことが確認できたらユーザーは撮像装置1を本システムから外すことができる(S1726)。
【0090】
なお、各機器間での画像データの転送はすべてトークンリング方式により行われる。
また、本実施形態では、画像処理システムが撮像装置1、表示装置2、及び出力装置3の3種類からなる場合を一例として説明したが、これに限られるものではない。例えば、画像処理システムが撮像装置1と出力装置3からなる場合でも構成機器間のネゴシエーションにより印画情報を表示したUIの移動、撮像装置の取り外しが可能である。
【0091】
なお、上述した第1〜第3の実施形態では、ユーザーインターフェース部113は撮像装置1のみ備えているが、本発明はこれに限定されず、表示装置2及び出力装置3がユーザーインターフェース部を備えていても良い。
【0092】
また、上述した第1〜第3の実施形態では、画像データは撮像装置1、表示装置2、及び出力装置3を順に転送して画像補正処理を施すようにしている。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、自動諧調補正の後にホワイトバランスを行う必要があり、かつ撮像装置1がホワイトバランスを行うことになった場合には、撮像装置1はホワイトバランス処理を行わずに一旦表示装置2又は出力装置3に画像データを送る。そして、表示装置2又は出力装置3にて階調補正処理が施された後、その画像データが撮像装置1に再び供給され、撮像装置1にてホワイトバランス処理を行う。このように、画像補正処理の順番によっては、画像データの流れが逆転し、ある装置から一旦出力した画像データが他の装置での処理後に戻ってきる場合もある。
【0093】
(本発明の他の実施形態)
上述した実施形態の機能を実現するべく各種のデバイスを動作させるように、該各種デバイスと接続された装置又はシステム内のコンピュータに対し、上記実施形態の機能を実現するためのソフトウェアのプログラムコードを供給してもよい。そのシステム又は装置のコンピュータ(CPU又はMPU)に格納されたプログラムに従って上記各種デバイスを動作させることによって実施したものも、本発明の範疇に含まれる。
また、この場合、上記ソフトウェアのプログラムコード自体が上述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体は本発明を構成する。また、そのプログラムコードをコンピュータに供給するための手段、例えばかかるプログラムコードを格納した記録媒体は本発明を構成する。かかるプログラムコードを記憶する記録媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
また、コンピュータが供給されたプログラムコードを実行することにより、上述の実施形態の機能が実現されるだけでなく、以下の実施態様も本発明の範疇に含まれる。つまり、そのプログラムコードがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)又は他のアプリケーションソフト等と共同して上述の実施形態の機能が実現される場合にもかかるプログラムコードは本発明の範疇に含まれる。
さらに、供給されたプログラムコードの指示に基づいてその機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合にも本発明に含まれることは言うまでもない。
【0094】
なお、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化のほんの一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明の第1の実施形態による画像処理システムの構成例を示す図である。
【図2】図1に示した画像処理部の構成例を示すブロック図である。
【図3】単板CCDの画像データ及びフィルタ係数を示す図である。
【図4】第1の実施形態における画像処理システムでの分散型画像処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】画像のブロックラインを示す図である。
【図6A】第2の実施形態における画像処理システムでの分散型画像処理の流れを示すフローチャートである。
【図6B】第2の実施形態における画像処理システムでの分散型画像処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】第2の実施形態におけるチェックボックスの一例を示す図である。
【図8】第2の実施形態にて撮像装置が画像処理実行中のチェックボックスの一例を示す図である。
【図9】第2の実施形態にて撮像装置が画像処理を完了した旨を表示しているチェックボックスの一例を示す図である。
【図10】第2の実施形態にて表示装置が画像処理実行中のチェックボックスの一例を示す図である。
【図11】第2の実施形態にて表示装置が画像処理を完了した旨を表示しているチェックボックスの一例を示す図である。
【図12】第2の実施形態にて出力装置が画像処理実行中のチェックボックスの一例を示す図である。
【図13】第2の実施形態にて出力装置が画像処理を完了した旨を表示しているチェックボックスの一例を示す図である。
【図14A】第3の実施形態における画像処理システムでの分散型画像処理の流れを示すフローチャートである。
【図14B】第3の実施形態における画像処理システムでの分散型画像処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0096】
1 撮像装置
2 画像表示装置
3 画像出力装置
106 画像処理部
107 システム制御部
108 画像メモリ
109 メモリ制御回路
115 画像処理部
117 システム制御部
118 表示部
120 画像処理部
122 システム制御部
123 印刷部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置と、画像出力装置と、当該撮像装置及び画像出力装置とは異なる外部装置とが所定の通信手段を介して互いに通信可能に接続された画像処理システムであって、
上記撮像装置は、撮像画像に係る画像データを記憶する記憶手段と、上記画像データに補正処理を施す第1の画像処理手段と、上記記憶手段及び上記画像処理手段を制御する第1の制御手段とを有し、
上記画像出力装置は、画像データの印画を指示する画像出力コマンドに応じて、当該画像データを印刷媒体に出力する出力手段と、上記画像データに補正処理を施す第2の画像処理手段と、上記出力手段及び上記第2の画像処理手段を制御する第2の制御手段とを有し、
上記外部装置は、上記画像データに補正処理を施す第3の画像処理手段と、上記第3の画像処理手段を制御する第3の制御手段とを有し、
ユーザー操作により上記画像出力コマンドが発生された場合に、上記各装置の制御手段は、当該画像出力コマンドに応じて実行する画像補正項目に関する能力について上記通信手段を介してネゴシエーションを行い、当該画像補正項目を実行する装置を決定することを特徴とする画像処理システム。
【請求項2】
上記撮像装置、上記画像出力装置、及び上記外部装置のうち、実行する画像補正項目毎にもっとも高い能力を有する装置を当該画像補正項目を実行する装置に決定することを特徴とする請求項1記載の画像処理システム。
【請求項3】
上記画像データをシステム内のどの装置が所有し、かつ何れの画像補正項目に係る処理を実行中であるかを各装置が相互理解できることを特徴とする請求項1又は2記載の画像処理システム。
【請求項4】
所定の装置で実行する画像補正項目のうち、上記所定装置とは異なる他の装置で実行される画像補正項目が完了する前に実行すると不都合が生じる画像補正項目が存在する場合には、当該他の装置で実行される画像補正項目の完了後に、上記所定の装置で未完了の画像補正項目を実行すること特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の画像処理システム。
【請求項5】
上記画像出力コマンドが発生された場合に、上記撮像装置、上記画像出力装置、及び上記外部装置により実行される上記画像補正項目の分担内容に係るチェックボックスを作成するチェックボックス作成手段を有することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の画像処理システム。
【請求項6】
上記画像出力コマンドに応じて実行する画像補正項目のうち、上記撮像装置にて実行する画像補正項目がすべて完了した場合には、当該撮像装置をシステムから外すことができることを特徴とする請求項1記載の画像処理システム。
【請求項7】
上記画像出力コマンドに応じて実行する画像補正項目のうち、上記撮像装置にて実行する画像補正項目がすべて完了した場合には、上記撮像装置、画像出力装置、及び画像表示装置のうちの何れかの装置のユーザーインターフェースにより当該撮像装置をシステムから外すことができることを表示可能にしたことを特徴とする請求項1記載の画像処理システム。
【請求項8】
上記画像出力コマンドに応じて実行する画像補正項目のうち、上記撮像装置にて実行する画像補正項目がすべて完了した場合には、上記撮像装置、画像出力装置、及び画像表示装置のうちの何れかの装置のユーザーインターフェースを介して当該撮像装置をシステムから外す意思を決定できることを特徴とする請求項1記載の画像処理システム。
【請求項9】
撮像装置と画像出力装置が所定の通信手段を介して互いに通信可能に接続された画像処理システムであって、
上記撮像装置は、撮像画像に係る画像データを記憶する記憶手段と、上記画像データに補正処理を施す第1の画像処理手段と、上記記憶手段及び上記画像処理手段を制御する第1の制御手段とを有し、
上記画像出力装置は、画像データの印画を指示する画像出力コマンドに応じて、当該画像データを印刷媒体に出力する出力手段と、上記画像データに補正処理を施す第2の画像処理手段と、上記出力手段及び上記第2の画像処理手段を制御する第2の制御手段とを有し、
ユーザー操作により上記画像出力コマンドが発生された場合に、上記撮像装置及び上記画像出力装置の制御手段は、当該画像出力コマンドに応じて実行する画像補正項目に関する能力について上記通信手段を介してネゴシエーションを行い、当該画像補正項目を実行する装置を決定することを特徴とする画像処理システム。
【請求項10】
上記画像出力コマンドは、上記撮像装置及び上記画像出力装置のうち何れからでも発生可能であることを特徴とする請求項9記載の画像処理システム。
【請求項11】
上記撮像装置及び上記画像出力装置は、自装置で実行する画像補正項目のうち、他の装置で実行される画像補正項目が完了する前に実行すると不都合が生じる場合には、当該他の装置で実行される画像補正項目の完了後に、自装置で未完了の画像補正項目を実行することを特徴とする請求項9記載の画像処理システム。
【請求項12】
上記画像データを上記撮像装置、画像出力装置間で転送する際、当該画像データを上記撮像装置又は上記画像出力装置のどちらの装置が所有し、かつ何れの画像補正項目に係る処理を実行するかを上記撮像装置及び上記画像出力装置が相互理解できることを特徴とする請求項9記載の画像処理システム。
【請求項13】
上記画像出力コマンドが発生された場合に、上記撮像装置及び上記画像出力装置により実行される上記画像補正項目の分担内容に係るチェックボックスを作成するチェックボックス作成手段を有することを特徴とする請求項9記載の画像処理システム。
【請求項14】
上記通信手段を介してネゴシエーションを行い、上記チェックボックスを上記撮像装置又は上記画像出力装置が作成するかを決定することを特徴とする請求項13記載の画像処理システム。
【請求項15】
上記撮像装置及び上記画像出力装置は、画像データに対する画像補正が完了した場合に、当該画像補正に対応する上記チェックボックス中の画像補正項目に所定のマークを付加する付加手段をそれぞれ有することを特徴とする請求項13記載の画像処理システム。
【請求項16】
上記撮像装置又は上記画像出力装置の一方の装置が、当該一方の装置で実行する画像補正項目を未完了のまま他方の装置に画像データを転送したことを当該他方の装置が上記チェックボックスから認識した場合に、上記一方の装置に画像データを再転送可能であることを特徴とする請求項13記載の画像処理システム。
【請求項17】
上記撮像装置又は上記画像出力装置の一方の装置が、当該一方の装置で実行する画像補正項目を未完了のまま他方の装置に画像データを転送したことを上記一方の装置が上記チェックボックスから認識した場合に、上記一方の装置が画像データを所有している上記他方の装置に対して上記画像データを上記一方の装置に再転送させるコマンドを発生可能であることを特徴とする請求項13記載の画像処理システム。
【請求項18】
上記画像出力コマンドに応じた画像補正項目がすべて完了したことを、上記チェックボックスから認識して上記画像出力装置の出力手段に画像出力を指示することを特徴とする請求項13記載の画像処理システム。
【請求項19】
上記撮像装置又は上記画像出力装置のユーザーインターフェースにより画像出力に関しての情報を表示することを特徴とする請求項9記載の画像処理システム。
【請求項20】
上記ユーザーインターフェースにより画像出力に関しての情報を表示する場合に、上記撮像装置又は上記画像出力装置のどちらのユーザーインターフェースにより情報を表示するかネゴシエーションを実行することを特徴とする請求項19記載の画像処理システム。
【請求項21】
上記画像出力コマンドに応じて実行する画像補正項目のうち、上記撮像装置にて実行する画像補正項目がすべて完了した場合には、当該撮像装置をシステムから外すことができることを特徴とする請求項9記載の画像処理システム。
【請求項22】
上記画像出力コマンドに応じて実行する画像補正項目のうち、上記撮像装置にて実行する画像補正項目がすべて完了した場合には、上記撮像装置又は上記画像出力装置のユーザーインターフェースにより当該撮像装置をシステムから外すことができることを表示可能にしたことを特徴とする請求項9記載の画像処理システム。
【請求項23】
上記画像出力コマンドに応じて実行する画像補正項目のうち、上記撮像装置にて実行する画像補正項目がすべて完了した場合には、上記撮像装置又は上記画像出力装置のユーザーインターフェースを介して当該撮像装置をシステムから外す意思を決定できることを特徴とする請求項9記載の画像処理システム。
【請求項24】
上記撮像装置をシステムから外す意思を表明し、かつ画像出力に関しての情報を表示するユーザーインターフェースが撮像装置にある場合には、ユーザーインターフェースを上記画像出力装置に移動可能にしたことを特徴とする請求項23記載の画像処理システム。
【請求項25】
画像出力装置と、当該画像出力装置とは異なる外部装置とに通信手段を介して互いに通信可能に接続される画像処理装置であって、
撮像画像に係る画像データを記憶する記憶手段と、
上記画像データに補正処理を施す画像処理手段と、
上記記憶手段及び上記画像処理手段を制御する制御手段とを有し、
上記画像出力装置より画像データを出力する画像出力コマンドがユーザー操作により発生された場合に、上記制御手段は、当該画像出力コマンドに応じて実行する画像補正項目に関する能力について上記画像出力装置及び上記外部装置とネゴシエーションを行い、実行する画像補正項目を決定することを特徴とする画像処理装置。
【請求項26】
撮像装置と、当該撮像装置とは異なる外部装置とに通信手段を介して互いに通信可能に接続される画像処理装置であって、
撮像画像に係る画像データの印画を指示する画像出力コマンドに応じて、当該画像データを印刷媒体に出力する出力手段と、
上記画像データに補正処理を施す画像処理手段と、
上記出力手段及び上記画像処理手段を制御する制御手段とを有し、
ユーザー操作により上記画像出力コマンドが発生された場合に、上記制御手段は、当該画像出力コマンドに応じて実行する画像補正項目に関する能力について上記撮像装置及び上記外部装置とネゴシエーションを行い、実行する画像補正項目を決定することを特徴とする画像処理装置。
【請求項27】
撮像画像に係る画像データを記憶する記憶手段、上記画像データに補正処理を施す第1の画像処理手段、及び上記記憶手段並びに上記画像処理手段を制御する第1の制御手段を有する撮像装置と、
画像データの印画を指示する画像出力コマンドに応じて、当該画像データを印刷媒体に出力する出力手段、上記画像データに補正処理を施す第2の画像処理手段、及び上記出力手段並びに上記第2の画像処理手段を制御する第2の制御手段を有する画像出力装置と、
上記画像データに補正処理を施す第3の画像処理手段、及び上記第3の画像処理手段を制御する第3の制御手段を有する外部装置とが、所定の通信手段を介して互いに通信可能に接続された画像処理システムでの画像処理方法であって、
ユーザー操作により上記画像出力コマンドが発生された場合に、上記各装置が、当該画像出力コマンドに応じて実行する画像補正項目に関する能力について上記通信手段を介してネゴシエーションを行い、当該画像補正項目を実行する装置を決定することを特徴とする画像処理方法。
【請求項28】
請求項1記載の各手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項29】
請求項28記載のプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項1】
撮像装置と、画像出力装置と、当該撮像装置及び画像出力装置とは異なる外部装置とが所定の通信手段を介して互いに通信可能に接続された画像処理システムであって、
上記撮像装置は、撮像画像に係る画像データを記憶する記憶手段と、上記画像データに補正処理を施す第1の画像処理手段と、上記記憶手段及び上記画像処理手段を制御する第1の制御手段とを有し、
上記画像出力装置は、画像データの印画を指示する画像出力コマンドに応じて、当該画像データを印刷媒体に出力する出力手段と、上記画像データに補正処理を施す第2の画像処理手段と、上記出力手段及び上記第2の画像処理手段を制御する第2の制御手段とを有し、
上記外部装置は、上記画像データに補正処理を施す第3の画像処理手段と、上記第3の画像処理手段を制御する第3の制御手段とを有し、
ユーザー操作により上記画像出力コマンドが発生された場合に、上記各装置の制御手段は、当該画像出力コマンドに応じて実行する画像補正項目に関する能力について上記通信手段を介してネゴシエーションを行い、当該画像補正項目を実行する装置を決定することを特徴とする画像処理システム。
【請求項2】
上記撮像装置、上記画像出力装置、及び上記外部装置のうち、実行する画像補正項目毎にもっとも高い能力を有する装置を当該画像補正項目を実行する装置に決定することを特徴とする請求項1記載の画像処理システム。
【請求項3】
上記画像データをシステム内のどの装置が所有し、かつ何れの画像補正項目に係る処理を実行中であるかを各装置が相互理解できることを特徴とする請求項1又は2記載の画像処理システム。
【請求項4】
所定の装置で実行する画像補正項目のうち、上記所定装置とは異なる他の装置で実行される画像補正項目が完了する前に実行すると不都合が生じる画像補正項目が存在する場合には、当該他の装置で実行される画像補正項目の完了後に、上記所定の装置で未完了の画像補正項目を実行すること特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の画像処理システム。
【請求項5】
上記画像出力コマンドが発生された場合に、上記撮像装置、上記画像出力装置、及び上記外部装置により実行される上記画像補正項目の分担内容に係るチェックボックスを作成するチェックボックス作成手段を有することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の画像処理システム。
【請求項6】
上記画像出力コマンドに応じて実行する画像補正項目のうち、上記撮像装置にて実行する画像補正項目がすべて完了した場合には、当該撮像装置をシステムから外すことができることを特徴とする請求項1記載の画像処理システム。
【請求項7】
上記画像出力コマンドに応じて実行する画像補正項目のうち、上記撮像装置にて実行する画像補正項目がすべて完了した場合には、上記撮像装置、画像出力装置、及び画像表示装置のうちの何れかの装置のユーザーインターフェースにより当該撮像装置をシステムから外すことができることを表示可能にしたことを特徴とする請求項1記載の画像処理システム。
【請求項8】
上記画像出力コマンドに応じて実行する画像補正項目のうち、上記撮像装置にて実行する画像補正項目がすべて完了した場合には、上記撮像装置、画像出力装置、及び画像表示装置のうちの何れかの装置のユーザーインターフェースを介して当該撮像装置をシステムから外す意思を決定できることを特徴とする請求項1記載の画像処理システム。
【請求項9】
撮像装置と画像出力装置が所定の通信手段を介して互いに通信可能に接続された画像処理システムであって、
上記撮像装置は、撮像画像に係る画像データを記憶する記憶手段と、上記画像データに補正処理を施す第1の画像処理手段と、上記記憶手段及び上記画像処理手段を制御する第1の制御手段とを有し、
上記画像出力装置は、画像データの印画を指示する画像出力コマンドに応じて、当該画像データを印刷媒体に出力する出力手段と、上記画像データに補正処理を施す第2の画像処理手段と、上記出力手段及び上記第2の画像処理手段を制御する第2の制御手段とを有し、
ユーザー操作により上記画像出力コマンドが発生された場合に、上記撮像装置及び上記画像出力装置の制御手段は、当該画像出力コマンドに応じて実行する画像補正項目に関する能力について上記通信手段を介してネゴシエーションを行い、当該画像補正項目を実行する装置を決定することを特徴とする画像処理システム。
【請求項10】
上記画像出力コマンドは、上記撮像装置及び上記画像出力装置のうち何れからでも発生可能であることを特徴とする請求項9記載の画像処理システム。
【請求項11】
上記撮像装置及び上記画像出力装置は、自装置で実行する画像補正項目のうち、他の装置で実行される画像補正項目が完了する前に実行すると不都合が生じる場合には、当該他の装置で実行される画像補正項目の完了後に、自装置で未完了の画像補正項目を実行することを特徴とする請求項9記載の画像処理システム。
【請求項12】
上記画像データを上記撮像装置、画像出力装置間で転送する際、当該画像データを上記撮像装置又は上記画像出力装置のどちらの装置が所有し、かつ何れの画像補正項目に係る処理を実行するかを上記撮像装置及び上記画像出力装置が相互理解できることを特徴とする請求項9記載の画像処理システム。
【請求項13】
上記画像出力コマンドが発生された場合に、上記撮像装置及び上記画像出力装置により実行される上記画像補正項目の分担内容に係るチェックボックスを作成するチェックボックス作成手段を有することを特徴とする請求項9記載の画像処理システム。
【請求項14】
上記通信手段を介してネゴシエーションを行い、上記チェックボックスを上記撮像装置又は上記画像出力装置が作成するかを決定することを特徴とする請求項13記載の画像処理システム。
【請求項15】
上記撮像装置及び上記画像出力装置は、画像データに対する画像補正が完了した場合に、当該画像補正に対応する上記チェックボックス中の画像補正項目に所定のマークを付加する付加手段をそれぞれ有することを特徴とする請求項13記載の画像処理システム。
【請求項16】
上記撮像装置又は上記画像出力装置の一方の装置が、当該一方の装置で実行する画像補正項目を未完了のまま他方の装置に画像データを転送したことを当該他方の装置が上記チェックボックスから認識した場合に、上記一方の装置に画像データを再転送可能であることを特徴とする請求項13記載の画像処理システム。
【請求項17】
上記撮像装置又は上記画像出力装置の一方の装置が、当該一方の装置で実行する画像補正項目を未完了のまま他方の装置に画像データを転送したことを上記一方の装置が上記チェックボックスから認識した場合に、上記一方の装置が画像データを所有している上記他方の装置に対して上記画像データを上記一方の装置に再転送させるコマンドを発生可能であることを特徴とする請求項13記載の画像処理システム。
【請求項18】
上記画像出力コマンドに応じた画像補正項目がすべて完了したことを、上記チェックボックスから認識して上記画像出力装置の出力手段に画像出力を指示することを特徴とする請求項13記載の画像処理システム。
【請求項19】
上記撮像装置又は上記画像出力装置のユーザーインターフェースにより画像出力に関しての情報を表示することを特徴とする請求項9記載の画像処理システム。
【請求項20】
上記ユーザーインターフェースにより画像出力に関しての情報を表示する場合に、上記撮像装置又は上記画像出力装置のどちらのユーザーインターフェースにより情報を表示するかネゴシエーションを実行することを特徴とする請求項19記載の画像処理システム。
【請求項21】
上記画像出力コマンドに応じて実行する画像補正項目のうち、上記撮像装置にて実行する画像補正項目がすべて完了した場合には、当該撮像装置をシステムから外すことができることを特徴とする請求項9記載の画像処理システム。
【請求項22】
上記画像出力コマンドに応じて実行する画像補正項目のうち、上記撮像装置にて実行する画像補正項目がすべて完了した場合には、上記撮像装置又は上記画像出力装置のユーザーインターフェースにより当該撮像装置をシステムから外すことができることを表示可能にしたことを特徴とする請求項9記載の画像処理システム。
【請求項23】
上記画像出力コマンドに応じて実行する画像補正項目のうち、上記撮像装置にて実行する画像補正項目がすべて完了した場合には、上記撮像装置又は上記画像出力装置のユーザーインターフェースを介して当該撮像装置をシステムから外す意思を決定できることを特徴とする請求項9記載の画像処理システム。
【請求項24】
上記撮像装置をシステムから外す意思を表明し、かつ画像出力に関しての情報を表示するユーザーインターフェースが撮像装置にある場合には、ユーザーインターフェースを上記画像出力装置に移動可能にしたことを特徴とする請求項23記載の画像処理システム。
【請求項25】
画像出力装置と、当該画像出力装置とは異なる外部装置とに通信手段を介して互いに通信可能に接続される画像処理装置であって、
撮像画像に係る画像データを記憶する記憶手段と、
上記画像データに補正処理を施す画像処理手段と、
上記記憶手段及び上記画像処理手段を制御する制御手段とを有し、
上記画像出力装置より画像データを出力する画像出力コマンドがユーザー操作により発生された場合に、上記制御手段は、当該画像出力コマンドに応じて実行する画像補正項目に関する能力について上記画像出力装置及び上記外部装置とネゴシエーションを行い、実行する画像補正項目を決定することを特徴とする画像処理装置。
【請求項26】
撮像装置と、当該撮像装置とは異なる外部装置とに通信手段を介して互いに通信可能に接続される画像処理装置であって、
撮像画像に係る画像データの印画を指示する画像出力コマンドに応じて、当該画像データを印刷媒体に出力する出力手段と、
上記画像データに補正処理を施す画像処理手段と、
上記出力手段及び上記画像処理手段を制御する制御手段とを有し、
ユーザー操作により上記画像出力コマンドが発生された場合に、上記制御手段は、当該画像出力コマンドに応じて実行する画像補正項目に関する能力について上記撮像装置及び上記外部装置とネゴシエーションを行い、実行する画像補正項目を決定することを特徴とする画像処理装置。
【請求項27】
撮像画像に係る画像データを記憶する記憶手段、上記画像データに補正処理を施す第1の画像処理手段、及び上記記憶手段並びに上記画像処理手段を制御する第1の制御手段を有する撮像装置と、
画像データの印画を指示する画像出力コマンドに応じて、当該画像データを印刷媒体に出力する出力手段、上記画像データに補正処理を施す第2の画像処理手段、及び上記出力手段並びに上記第2の画像処理手段を制御する第2の制御手段を有する画像出力装置と、
上記画像データに補正処理を施す第3の画像処理手段、及び上記第3の画像処理手段を制御する第3の制御手段を有する外部装置とが、所定の通信手段を介して互いに通信可能に接続された画像処理システムでの画像処理方法であって、
ユーザー操作により上記画像出力コマンドが発生された場合に、上記各装置が、当該画像出力コマンドに応じて実行する画像補正項目に関する能力について上記通信手段を介してネゴシエーションを行い、当該画像補正項目を実行する装置を決定することを特徴とする画像処理方法。
【請求項28】
請求項1記載の各手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項29】
請求項28記載のプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【公開番号】特開2007−142585(P2007−142585A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−330664(P2005−330664)
【出願日】平成17年11月15日(2005.11.15)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月15日(2005.11.15)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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