説明

画像処理装置、及び印刷方法

【課題】 ネットワークに接続されている情報処理装置により生成されたデータを可及的に所望のタイミングで受信して印刷出力し得る画像処理装置、及び印刷方法を提供する。
【解決手段】 画像形成装置は、挿着されたIDカードに記録されているユーザIDと、画像形成装置内のローカルディスクに格納されている文書ファイルのユーザ識別子が合致するか否かを判別する。そして、合致する場合は、画像形成装置は、当該ユーザ識別子に対応する文書ファイルが当該画像形成装置内に存在するか否かを判別する。対応する文書ファイルが画像形成装置内に存在しない場合は、画像形成装置は、その文書ファイルをLANを介してファイルサーバから取り込んでプリントアウトする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LAN等のネットワークに接続される画像処理装置、及び印刷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像形成装置においては機能の複合化が進み、複写機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能等が1台の装置で実現されており、その上、このような画像形成装置はネットワーク等に接続されてネットワーク上のパソコン、ワークステーション用のプリンタ、スキャナとして利用されるようになっている。
【0003】
このようにネットワークに接続した場合は、ネットワークを介して送られてくる画像データ(厳密には画像データそのものではなく、文字コード等の視認可能に印刷されるべきデータの場合が多い)、電話回線を介して送られるファクシミリ画像データは、前記画像形成装置のファイルに一旦格納された後、複写動作の合間をぬって画像形成され排出される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のような画像形成装置を中心としたシステムでは、次のような間題があった。すなわち、ネットワーク上の端末から画像形成装置に対して画像データを転送したとしても、当該画像形成装置で複写処理が行われている場合は、その複写処理が優先されるため、一連の複写処理が終了するまで転送に係る画像データを出力することができない。このため、画像形成装置に複写処理の待ち行列が発生している場合や、大量の原稿を複写している場合等は、転送に係る画像データが出力されるのに時間がかかるという間題があった。
【0005】
更に、後処理装置の収納トレイに出力紙が放置されている状態で、画像データに付随した排紙後処理がなされると、適切な形で出力束を得ることができないという問題があった。
【0006】
また、複合機能を有する画像形成装置の排紙トレイが単一である場合、その排紙トレイには各種の機能に係る出力紙が時を選ばず出力され、機能別の仕分け、シート束間の仕分けがなされないまま出力紙が放置されることがあった。
【0007】
排紙トレイが単一でなく、プリント機能やFAX機能、コピー機能など画像形成装置の各機能に対応する排紙トレイが設けられていたとしても、ある機能の排紙トレイに着目してみれば、別々に出力されたシート束とシート束を仕切る手段はなく、画像形成装置からの出力紙は、ただ漫然と排紙トレイに積み重ねられているのみであり、どれが所望のシ一ト束であるか判別できなかった。
【0008】
従って、所望のシート束を取り出す際は、全てのシート束を取り出してその中から所望の束を探し出し、残りの束は元の排紙トレイに戻すという作業を余儀なくされていた。このような状況下では、出力されたドキュメントの一部、または、全部が紛失してしまうという不測の事態が発生することもあった。
【0009】
本発明は、このような背景の下になされたもので、その目的は、ネットワークに接続されている情報処理装置により生成されたデータを可及的に所望のタイミングで受信して印刷出力し得る画像処理装置、及び印刷方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明に係る画像処理装置は、情報処理装置により生成された所定のデータを特定することが可能な識別子であって、当該情報処理装置からの印刷要求に応じて出力された識別子を受信して管理する管理手段と、前記管理手段により管理されている識別子を特定する特定手段と、前記特定手段により特定された識別子に対応するデータを、ネットワークを介して受信する受信手段と、前記受信手段により受信されたデータを印刷する印刷手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、管理手段により管理されている識別子を特定手段により特定すると、その特定された識別子に対応するデータが、受信手段によりネットワークを介して受信される。そして、受信されたデータは、印刷手段により印刷される。
【0012】
従って、ネットワークに接続されている情報処理装置により生成されたデータを可及的に所望のタイミングで受信して印刷出力し得る画像処理装置、及び印刷方法を提供することが可能となる。これにより、従来のように、排紙トレイに積み重ねられた印刷に係るシート束の中から所望のシートを探し出す必要はなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を示すブロック図、図2は、上記画像形成装置の概略構成を示す縦断側面図である。図1、図2に示すように、本形態に係る画像形成装置は、画像入力装置(以下、リーダー部という)1、画像出力部(以下、プリンタ部という)2、外部装置3、循環式自動原稿給送装置4、シート後処理装置5を主要構成要素としており、リーダー部1とプリンタ部2とにより、本体部が構成されている。
【0015】
[本体部(リーダー部1とプリンタ部2)の構成]
リーダー部1は、原稿に記録された情報を光学的に読取って光電変換して画像データとして入力するものであり、原稿載置台(プラテンガラス)101、ランプ102とミラー103とを有するスキャナユニット104、ミラー105,106、レンズ107、CCD等の光電変換素子を有するイメージセンサ(以下、CCDという)108等を有している。
【0016】
プリンタ部2は、リーダー部1等により入力された画像データを記録紙(以下、シートという)上に可視像として出力する画像形成手段であり、光制御部201、感光体202、現像器203、複数種類のシートカセット204,205、転写部206、定着部207、排紙部208、搬送方向切替部材209、再給紙用シート積載部210、および搬送ローラ211等を有している。
【0017】
[本体部(リーダー部1とプリンタ部2)の動作]
次に、図2を参照しながらリーダー部1、プリンタ部2の動作を説明する。
【0018】
まず、リーダー部1においては、循環式自動原稿給送装置4上に積載された原稿は、1枚ずつ順次プラテンガラス101上に搬送される。なお、循環式自動原稿給送装置4の構成・動作は後述する。原稿がプラテンガラス101の所定位置へ搬送されると、スキャナユニット104は、ランプ102を点灯させた状態で移動して原稿を照射する。原稿からの反射光は、ミラー103,105,106、およびレンズ107を介してCCD108に入力される。そして、CCD108は、入力された原稿からの反射光を光電変換してデジタルの画像データとしてプリンタ部2に出力する。
【0019】
プリンタ部2においは、露光制御部201の制御の下に、入力に係る画像データ(プリンタ部2、または外部装置3から入力された画像データ)に基づいて変調された光信号を感光体202に照射する。この照射光によって感光体202上に形成された潜像は、現像器203によって現像される。
【0020】
この現像された像の先端とタイミングを合わせてシートカセット204,または205よりシートが搬送される。そして、搬送されたシートに対して、転写部206によって上記現像された像がシートに転写され、定着部207にて定着された後、シートは排紙部208により本体部の外部に排出される。そして、排紙部208により外部に排出されたシートは、シート後処理装置5(シート後処理装置5の構成・動作は後述する)により、予め指定された動作モードに応じて、仕分け、綴じ等が行われる。
【0021】
上記のシート搬送動作は、順次読込んだ画像をシートの片面に記録する場合であるが、シートの両面に記録する場合には、次のようなシート搬送動作を行う。
【0022】
すなわち、両面に記録する場合は、定着部207で定着処理がなされたシートを、一度、排紙部208まで搬送した後、シートの搬送方向を逆にして搬送方向切替部材209を介して再給紙用シート積載部210に搬送する。そして、次の原稿が準備されると、上記プロセスと同様にして原稿画像が読取られるが、シートについては再給紙用シート積載部210より再給紙されるので、結局、同一のシートの表面、裏面に2枚の原稿画像を記録することができる。
【0023】
[外部装置3の構成]
外部装置3は、リーダー部1とケーブルを介して電気的に接続されており、各種の機能を有している。すなわち、外部装置3は、ファクシミリ送受信を行うファクシミリ部301、該ファクシミリ部301と接続されているハードディスク302、各種の原稿情報を電気信号に変換して光磁気ディスク等の外部記憶装置303に保存するファイル部304、LAN6等のネットワークを介してコンピュータと接続するためのネットワークインターフェイス部305、コンピユータからの文字等のコード情報を可視像とするためにイメージ情報に変換して展開するフォーマッタ部306、リーダー部1からの情報を蓄積したり、コンピュータから送られてきた情報を一時的に蓄積するためのイメージメモリ部307、及び上記各機能を制御するコア部308等を備えている。なお、外部装置3の動作(特に外部装置3内のコア部308)の動作については後述する。
【0024】
[循環式自動原稿給送装置4の構成]
循環式自動原稿給送装置4は、図3に示したように、原稿束を積載する原稿積載トレイ401を有し、この原稿積載トレイ401には、原稿給送機構が装備されている。この原稿給送機構は、半月ローラ402と、分離搬送ローラ403と、分離モータ(不図示)と、レジストローラ404と、全面ベルト405と、ベルトモータ(不図示)と、搬送大ローラ406と、搬送モータ(不図示)と、排紙ローラ407と、フラッパ408と、リサイクルレバー409と、給紙センサー、反転センサー,排紙センサー(不図示)等から構成されている。
【0025】
[循環式自動原稿給送装置4の動作]
前記半月ローラ402と分離搬送ローラ403は、前記分離モータにより回転されて、原稿積載トレイ401上の原稿束の最下部から原稿を1枚ずつ分離して給送する。また、レジストローラ404と全面ベルト405は、ベルトモータにより回転されて、1枚ずつ分離された原稿をシートパスa、bを介してプラテンガラス101上の露光位置(シートパスc)まで搬送する。また、搬送大ローラ406は、搬送モータにより回転されてプラテンガラス101上の原稿をシートパスcからシートパスeに搬送する。このシートパスeに搬送された原稿は、排紙ローラ407により原稿積載トレイ401の原稿束の最上部に戻される。
【0026】
なお、リサイクルレバー409は、原稿の一循環を検知するものであり、原稿給送開始時にリサイクルレバー409を原稿束の上部に載せ、原稿が順次給送され、最終原稿の後端がリサイクルレバー409を抜ける時に自重で落下することにより、原稿の一循環を検知する。
【0027】
両面に情報が記録された両面原稿を給送する場合は、上記原稿給送機構は、両面原稿を一旦シートパスa、bからcに導いて片面を読取り、次いで、搬送大ローラ406を回転させてフラッパ408を切換えることにより両面原稿の先端をシートパスdに導いて反転させ、次いで、レジストローラ404により両面原稿をシートパスbを通し、この後、全面ベルト405によりプラテンガラス101上に搬送して他面を読取る。
【0028】
なお、原稿積載トレイ401に積載された原稿束の原稿を1枚ずつシートパスa,b,c,d,eを通して、リサイクルレバー409により一循環したことが検知されるまで搬送することによって、原稿積載トレイ401に積載された原稿の枚数をカウントすることができる。
【0029】
[シート後処理装置5の構成・動作]
図4,図5に示したように、シート後処理装置5は、機体501、ビンユニット(排出手段)502、およびステイプラ(綴じ手段)510を有しており、機体501は、搬入口503の近傍に搬入ローラ対504を備えている。搬入ローラ対504の下流には、搬送パス505,或いは506へシート搬送方向を切換えるフラッパ507が配設されている。
【0030】
そして、一方の搬送パス505はほぼ水乎方向に延びて、その下流に搬送ローラ対508が配設されており、また他方の搬送パス506は下方向に延びて、その下流に搬送ローラ対509が配設されており、この搬送ローラ対509の近傍にステイプラ510が配設されている。
【0031】
搬入ローラ対504と搬送ローラ対508,509は、搬送モータ(不図示)により駆動されている。上記搬送パス505には、シートの通過を検出するノンソートパスセンサ511が、そして搬送パス506には、ソートパスセンサ512が配設されている。
【0032】
ビンユニット502は、多数のビンBを備えており、搬送ローラ対508,509の下流側に配置されている。このビンユニット502のフックに一端を係合し、他端を機体501に固定したばねで重量を保持することにより、ビンユニット502は昇降自在に支持されている。
【0033】
ビンユニット502の基端側の上下部には、ガイドローラ513,514が回動自在に支持されており、このガイドローラ513,514は、機体501に上下方向に延びるように設けられた案内溝515内を転動して前記ビンユニット502の昇降を案内するように構成されている。
【0034】
また、機体501には、シフトモータ516が配設されている。機体501に枢支された回転軸517には、リードカム518が固定されている。また、前記シフトモータ516の出力軸には、チェーン519が張設されており、これによってシフトモータ516の回転は、チェーン519を介して回転軸517へ伝達されるようになっている。
【0035】
さらに、ビンユニット502は、傾斜部及び垂直部からなる底部フレーム520と、この底部フレーム520の先端手前側と奥側とに垂直に設けられた対をなすフレーム521、このフレーム521によって支持されたカバー522により構成されるユニット本体523を有している。
【0036】
このユニット本体523の手前側には、シートに当接して整合することが可能な基準板が設けられている。底部フレーム520の基端奥側には、第1整合モータ(不図示)により回動する第1下アームが回動自在に支持されている。さらに、カバー522の前記第1下アームと対向する位置に第1上アームが、前記第1下アームの支持軸と同軸を介して回動自在に支持されている。前記第1上アームの先端と前記第1下アームの先端には、第1整合棒524が架設されている。この第1整合棒524は第1整合モータにより回動するように構成されており、ビンB上のシートSを手前側に整合するようになっている。
【0037】
また同様に、上記底部フレーム520の基端手前側に、第2整合モータ(不図示)により回動する第2下アームが回動自在に支持されている。カバー522の前記第2下アームと対向する位置に第2上ア一ムが、前記第2下アームの支持軸と同軸を介して回動自在に支持されている。前記第2下アームの先端と前記第2上アームの先端には、第2整合棒525が架設されており、この第2整合棒525は第2整合モータ(不図示)により回動するように構成されており、ビンB上のシートSを奥側に整合するようになっている。
【0038】
第1および第2整合モータは、ステッピングモータにより構成され、第1および第2整合棒524、525の位置は、整合棒ホームセンサにより検知可能となっている。従って、第1および第2整合棒524、525の位置は、整合棒ホームセンサにて位置を確認しながらステッピングモータに与えるパルス数を適性に制御することにより、正確に制御することができる。
【0039】
前記ビンBは、先端手前及び奥にそれぞれ係合板が形成されており、この係合板がフレーム521の内側に設けられた支持板と係合することにより、ビンBは先端側を支持されるようになっている。さらに、ビンBには、前記第1上,下アームの支持軸から所定距離だけ離れた位置に、第1整合棒524の回転距離より長く、かつ第1整合棒524の幅よりも十分幅広な長孔526と、前記第2上,下アームの支持軸から所定距離だけ離れた位置に、第2整合棒525の回転距離より長く、かつ第2整合捧525の幅よりも十分幅広な長孔527が開設されている。
【0040】
ビンBの基端部Baは、シート収納面Bbに対して垂直に立ち上がっている。ビンBは、機体501に対して先端が上方向に所定角度傾斜しており、この傾斜によりシートは、シート収納面Bbを滑って後端を基端部Baに当接して前後方向を整合されるようになっている。
【0041】
また、ビンBには、ステイプラ510の進入する部分に切欠きが設けられており、ステイプラ510と干渉しないようになっている。そして、ビンB1,B2,…Bnの長孔526には、第1整合棒524が嵌挿されており、この第1整合捧524は、長孔526内を回動して、ビンB上のシートを手前側に整合するよう精成されている。同様に、ビンB1,B2,…Bnの長孔527には前記整合棒525が嵌挿されており、この整合棒525は長孔527内を回動して、ビンB上のシートを奥側に整合するよう構成されている。
【0042】
また、前記リードカム518は、ビンBの一部分と係合しており、リードカム518の回転により、ビンユニット502は案内溝515に沿って昇降するように構成されている。なお、リードカム518の1回転は、ビンホームポジションセンサ529の近傍に配設されたリードカムセンサ528によって検出される。また、ビンユニット502の位置は、ビンホームポジションセンサ529によって検出される。ビンB上のシートの存在は、ソートトレイ紙有無検知センサ530によって検出できる。
【0043】
搬送ローラ対509の近傍には、ビンBに収納したシートを綴じ止め(ステイプル)処理する電動ステイプラ510が、シートの搬入方向に直交する位置に駆動手段により進退可能に配設されており、この電動ステイプラ510は、通常、ビンBの上下動の際に干渉しないように、第1位置“イ”に退避しており、ビンB上のシートの束を綴じ止めする際には、前記駆動手段により第2位置“ロ”に位置付けされてシートの束を綴じ止め処理する。綴じ止め処理終了後、この電動ステイプラ510は、前記駆動手段により第1位置イに復帰移動される。
【0044】
また、電動ステイプラ510は、図示しないモータの回転によりステイプル動作を行い、複数のビンB1,B2,…Bnのシートを綴じ止めするときに、1つのビンBのシートのステイプル動作終了後に、ビンユニット502が所定の位置に移動して、他のビンBに収納したシートを綴じ止めするようになっている。また、前記駆動手段は、図4に示された矢印“R”方向、図5に示された矢印“Y”方向に電動ステイプラ510を回転、移動(スライド)させることができる。
【0045】
ただし、シートが反転して排出された場合は、電動ステイプラ510は、前記駆動手段により上下反転され、また、後述する画像回転回路145で出力画像が回転された場合は、図示しないステイプラ位置検出手段の検出結果に応じて、前記駆動手段により、図5に示された矢印“Y”方向にスライドされた後、上記同様にステイプル動作を行う。
【0046】
なお、図5において、531はマニュアルステイプルキーであって、ソート終了後にマニュアルステイプルキー531が押下された場合は、ステイプル動作を行なう。また、第1整合棒524の回動動作により、ビンB上のシート束の位置を手前に押し出すことが可能なようになっている。
【0047】
[操作部、表示部の構成]
図6は、本体(リーダ部1とプリンタ部2)に設けた操作・表示パネルの配置構成を示す平面図である。
【0048】
図6に示すように、この操作・表示パネル600の操作面には、後述する各種のキーと、液晶表示器等からなる表示部601とが設けられている。表示部601は、本装置の状態、コピー枚数、倍率、シート選択および各種の操作に関する情報を表示するものである。この表示部601としては、タッチパネル方式が採用され、各キーを押下することにより各種のモードを表示、選択可能となっている。
【0049】
602は複写開始キー(コピースタートキー)であり、複写を開始するときに押下する。603はクリア/ストップキーであり、待機(スタンバイ)中に押下するとクリアキーとして機能し、複写記録中に押下するとストップキーとして機能する。このクリア/スットプキー603は、設定した複写枚数を解除する場合にも利用される。604はテンキーであり、複写枚数を設定する場合等に利用される。605は複写濃度キーであり、複写濃度を手動で調節するときに押下する。606はAEキーであり、原稿の濃度に応じて複写濃度を自動的に調節するときに、またはAE(自動濃度調節)を解除して濃度調節をマニュアル(手動)に切換えるときに押下する。607はカセット選択キーであり、図2に示す複数種類のシートカセット204,205等を選択するときに押下する。また、原稿搬送装置4に原稿が積載されている場合には、カセット選択キー607によりAPS(自動用紙選択)を選択できる。APSが選択されたときには、原稿と同じ大きさの転写紙を収納したカセットが自動的に選択される。
【0050】
608は等倍キーであり、等倍(原寸)の複写をとるときに押下する。609はズームキーであり、64〜142%の間で任意の倍率を指定することができる。610および611は定形変倍キーであり、定形サイズの縮小・拡大を指定するときに押下する。また、612はシート後処理装置5の各種動作モードを選択するソータキーであり、排紙方法(ステイプル、ソート、グループ)の選択、記録後の用紙をステイプルで綴じることのできる電動ステイプラ510が接続されている場合は、ステイプルモード/ソートモードの選択、記録済用紙の折り(断面Z形/断面V形)の選択および解除等ができる。
【0051】
さらに、613、614および615は、各種の処理を設定するキーであり、例えば、両面モード、綴じ代設定、写真モード、多重処理、ページ連写、2in1モード等を設定できる。また、620はID入力キーであり、ID入力キー620を押下することで操作部はID入力待ちモードになる。ID入力待ち状態でテンキー604からIDコードを入力し、入力終了後ID入力キー620を再び押下することで、入力に係るIDコードを確定する。
【0052】
[ネットワークの説明]
図7は、本形態におけるネットワークの構成を示す図である。画像形成装置は、原稿の画像を読取るためのリーダー部1、入力された画像データを出力するためのプリンタ部2、原稿を自動給紙してリーダー部1に読込ませるためのフィーダ(循環式自動原稿給送装置)4、プリンタ部2から排紙された用紙を複数あるビンの内の1つに格納するためのソータ(シート後処理装置)5から構成され、この画像形成装置は、ネットワーク制御機能を持つ外部装置3を介してLAN6、電話回線10に接続されている。
【0053】
LAN6は、任意の機器間でデータ交換を可能にするネットワークであり、画像形成装置の他にワークステーション7、パソコン8、ファイルサーバ9等が接続れている。なお、ワークステーション7、パソコン8は、ドキュメントの作成、修正、表示を行うものであり、ファイルサーバ9は、LAN6を経由して、外部装置3、ワークステーション7、パソコン8などからアクセス可能な大容量の記憶装置である。電話回線10は、FAXのデーク送受信に使われると共に、リーダー部1、プリンタ部2、またはLAN6に接続された任意の機器が、遠隔地のネットワークにアクセスする場合にも利用される。
【0054】
[コア部308の構成・動作]
図8は、図1および図2における外部装置3のコア部308の詳細構成を示すブロック図であり、コア部308のコネクタ131は、リーダ部1のコネクタとケーブルで接続される。コネクタ131には、4種類の信号ラインが内蔵されており、その第1の信号ライン187の信号は、8ビット多値のビデオ信号である。第2の信号ライン185の信号は、ビデオ信号を制御する制御信号、第3の信号ライン181の信号は、リーダー部1内のCPUと通信を行う。第4の信号ライン182の信号は、リーダー部1内のSUB・CPUと通信を行う信号である。
【0055】
信号ライン181,182の信号は、通信用IC132により通信プロトコル処理され後、CPUバス183を介してCPU133に通信情報を伝達する。信号ライン187は、双方向のビデオ信号ラインであり、リーダー部1からの情報をコア部308で受取ることや、コア部308からの情報をリーダー部1に出力することが可能である。信号ライン187は、バッファ140に接続され、ここで双方向信号から片方向の信号ライン188と信号ライン170に分離される。信号ライン188の信号は、リーダー部1からの8ビット多値のビデオ信号であり、次段のLUT141に入力される。
【0056】
前記LUT141は、リーダー部1からの画像情報をルックアップテープルにより所望する値に変換する。LUT141からの出力信号189は2値化回路142および、セレクタ143に入力される。2値化回路142は、信号ライン189に出力された多値の信号を固定のスライスレベルで2値化する単純2値化機能、スライスレベルが注目画素の周囲の画素の値によって変動する変動スライスレベルによる2値化機能、および誤差拡散法による2値化機能を有している。
【0057】
2値化された情報は、“0”の時“00H”、“1”のとき“FFH”の多値信号に変換され、次段のセレクタ143に入力される。セレクタ143は、LUT141からの信号、または2値化回路142の出力信号のいずれかを選択する。セレクタ143からの出力信号190は、セレクタ144に入力される。セレクタ144は、ファクシミリ部301、ファイル部304、コンピユータインターフェイス部305、フォーマッタ部306、イメージメモリ部307からの出力ビデオ信号を、それぞれコネクタ135,136,137,138,139を介してコア部308に入力した信号194と、セレクク143の出力信号190とをCPU133の指示により選択する。
【0058】
セレクタ144の出力信号191は、回転回路145、またはセレクタ146に入力される。回転回路145は、画像信号を+90度、−90度、+180度に回転する機能を有している。すなわち、リーダー部1から出力され、2値化回路142にて2値信号に変換された画像信号を記憶し、CPU133からの指示により、記憶した画像信号を回転して読出す。
【0059】
セレクタ146は、回転回路145の出力信号192、回転回路145の入力信号191のどちらかを選択し、信号ライン193を介して、ファクシミリ部301とのコネクタ135、ファイル部304とのコネクタ136、コンピユータインターフェイス部305とのコネクク137、フォーマッタ部306とのコネクク128、イメージメモリ部307とのコネクク139、およびセレクタ147に出力する。この信号ライン193は、コア部308からファクシミリ部301、ファイル部304、コンピュータインターフェイス部305、フォーマッタ部306、イメージメモリ部307へ画像情報の転送を行う同期式8ビットの片方向ビデオバスである。
【0060】
信号ライン194は、ファクシミリ部301、ファイル部304、コンピュータインターフェイス部305、フォーマッタ部306、イメージメモリ部307から画像情報の転送を行う同期式8ビットの片方向ビデオバスである。上記の信号ライン193,194(同期式ビデオバス)の制御を行っているのがビデオ制御回路134であり、ビデオ制御回路134からの信号ライン186を介してバス制御を行う。
【0061】
コネクタ135〜139には、信号ライン186の他に信号ライン184がそれぞれ接続される。信号ライン184は、双方向の16ビットCPUバスであり、非同期式によるデータ・コマンドの授受を行う。ファクシミリ部301、ファイル部304、コンピユータインターフェイス部305、フォーマッタ部306、またはイメージメモリ部307と、コア部308との間の情報の転送は、上記の2つのビデオバス193,194とCPUバス184とで十分可能である。
【0062】
ファクシミリ部301、ファイル部304、コンピュータインターフェイス部305、フォーマッタ部306、イメージメモリ部307から信号ライン194に出力された信号は、セレクタ144とセレクタ147に入力される。セレクタ144は、信号ライン194から入力された信号を、CPU133の指示により選択して次段の回転回路145に入力する。また、セレクタ147は、信号ライン193、194からの信号をCPU133の指示により選択する。
【0063】
セレクタ147の出力信号195は、パターンマッチング部148とセレクタ149に入力される。パターンマッチング部148は、入力信号195と予め決められたパターンとのパターンマッチングを行い、パターンが一致した場合、予め決められた多値の信号を信号ライン196に出力する。パターンが一致しなかった場合は、入力信号195をそのまま信号ライン196に出力する。
【0064】
セレクタ149は、パターンマッチング部148からの上記2種類の信号のうちの一方をCPU133の指示により選択する。セレクタ149の出力信号は、信号ライン197を介して次段のLUT150に入力される。LUT150は、プリンタ部2に画像情報を出力する際に、プリンタの特性に合わせて入力信号を変換する。セレクタ151は、LUT150の出力信号、セレクタ147の出力信号のいずれかをCPU133の指示により選択して、次段の拡大回路152に入力する。
【0065】
拡大回路152は、CPU133からの指示により、X方向、Y方向独立に拡大倍率を設定することが可能であり、拡大方法としては、1次の線形補間方法が採用されている。拡大回路152の出力信号は、信号ライン170を介してバッファ140に入力される。バッファ140に入力された信号は、CPU133の指示により、双方向信号ライン187、コネクタ131を介してプリンタ部2に送られ、プリントアウトされる。
【0066】
次に、コア部308の動作を説明する。
【0067】
[ファクシミリ部301の情報に基づくコア部308の動作]
ファクシミリ部301に情報を出力する場合(FAX送信を行う場合)、CPU133は、通信用IC132を介して、リーダー部1のCPU122(図示省略)と通信を行い、原稿スキャン命令を出す。リーダー部1は、この命令に応答してスキャナユニット104により原稿をスキャンすることにより、画像情報をコネクタ120(図示省略)に出力する。すると、リーダー部1の上記コネクタ120と外部装置3はケーブルで接続されているので、リーダー部1からの画像情報は、コア部308のコネクタ131に入力される。コネクタ131に入力された画像情報は、多値8bitの信号ライン187を通ってバッファ140に入力される。バッファ140は、入力された画像情報を、CPU133の指示により、片方向の信号ライン188を介してLUT141に入力する。
【0068】
LUT141では、リーダー部1からの画像情報をルックアップテーブルを用いて所望する値に変換する。この変換により、例えば、原稿の下地を飛ばすことなどが可能である。LUT141の出力信号は、次段の2値化回路142に入力される。2値化回路142は、8bit多値信号を2値化信号に変換する。2値化回路142は、2値化された信号が“0”の場合“00H”,“1”の場合“FFH”と2つの多値の信号に変換して出力する。
【0069】
2値化回路142の出力信号は、セレクタ143,144を介して回転回路145、またはセレクタ146に入力される。回転回路145の出力信号もセレクタ146に入力され、セレクタ146は、回転回路145からの回転処理された信号か、回転処理されていない信号のどちらかを選択する。信号の選択は、CPU133がCPUバス184を介してファクシミリ部301と通信を行うことにより決定する。セレクタ146からの出力信号は、信号ライン193、コネクタ135を介してファクシミリ部301に送られる。
【0070】
次に、ファクシミリ部301からの情報を受け取る場合(FAX受信・記録を行う場合)について説明する。ファクシミリ部301からの画像情報は、コネクタ135、信号ライン194を介してセレクタ144とセレクタ147に入力される。
【0071】
CPU133の指示に基づいて、プリンタ部2にファクシミリ受信時の画像を回転して出力する場合には、セレクタ144に入力した画像情報を回転回路145に出力して回転処理する。回転回路145からの出力信号192はセレクタ146、セレクタ147を介してパターンマッチング部148に入力される。一方、CPU133の指示に基づいて、ファクシミリ受信時の画像をそのままプリンタ2に出力する場合には、セレクタ147に直接入力した画像情報をパターンマッチング部148に入力する。
【0072】
パターンマッチング部148は、ファクシミリ受信した際の画像のガタガタを滑らかにする機能を有する。パターンマッチングされた信号は、セレクタ149を介してLUT150に入力される。LUT150のテーブルは、ファクシミリ受信した画像をプリンタ部2に所望する濃度で出力するために、CPU133により変更可能となっている。LUT150の出力信号は、セレクタ151を介して拡大回路152に入力される。拡大回路152は、2つの値(00H,FFH)を有する8bit多値信号を、1次の線形補間法により拡大処理を行う。拡太回路152からの多くの値を有する8bit多値信号は、バッファ140、コネクタ131を介してリーダー部1に送られる。
【0073】
リーダー部1は、この信号をコネクタ120を介して外部I/F切替回路119(図示省略)に入力する。外部I/F切替回路119は、ファクシミリ部4からの信号をY信号生成・色検出回路113(図示省略)に入力する。Y信号生成・色検出回路113からの出力信号は、所定の処理を施された後、プリンタ部2に出力され、出力用紙上に画像形成が行われる。
【0074】
[ファイル部304の情報に基づくコア部308の動作]
ファイル部304に情報を出力する場合、CPU133は、通信用IC132を介して、リーダー部1のCPU122と通信を行い、原稿スキャン命令を出す。リーダー部1は、この命令に応答してスキャナユニット104により原稿をスキャンすることにより、画像情報をコネクタ120(図示省略)に出力する。すると、リーダー部1の上記コネクタ120と外部装置3はケーブルで接続されているので、リーダー部1からの画像情報は、コア部308のコネクタ131に入力される。
【0075】
コネクタ131に入力された画像情報は、バッファ140、信号ライン188を介して、多値8bitの信号としてLUT141に入力され、所望する信号に変換される。LUT141の出力信号は、セレクタ143、セレクタ144、およびセレクタ146を介してコネクタ136に入力される。すなわち、2値化回路142および回転回路145の機能を用いずに8ビット多値のままファイル部303に転送する。ただし、CPUバス184を介してCPU133によりファイル部303に対して2値化信号のファイリングを行うように指令した場合には、2値化回路142、回転回路145の機能を使用する。2値化処理および回転処理は、上記したファクシミリの場合と同様なため説明を省略する。
【0076】
次に、ファイル部303からの情報を受取る場合について説明する。
【0077】
ファイル部303からの画像情報は、コネクタ136、信号ライン194を介してセレクタ144かセレクタ147に入力される。すなわち、8bit多値信号のファイリングの場合はセレクタ147へ、2値信号のファイリングの場合には、セレクタ144、またはセレクタ147に入力することが可能である。
【0078】
2値信号のファイリングの場合は、ファクシミリと同様な処理のため説明を略す。多値信号のファイリングの場合は、セレクタ147からの出力信号をセレクタ149を介してLUT150に入力する。LUT150では、所望するプリント濃度に合わせてCPU133の指示によりルックアップテーブルを作成する。
【0079】
LUT150からの出力信号は、セレクタ151を介して拡大回路152に入力される。拡大回路152によって所望する拡大率に拡大された8bit多値信号は、バッファ140、コネクタ131を介してリーダー部1に送られる。リーダー部1に送られたファイル部304からの情報は、上記したファクシミリと同様にプリンタ部2に出力され、出力用紙上に画像形成が行われる。
【0080】
[コンピユータ・インターフェイス部305の情報に基づくコア部308の動作]
コンピユータ・インターフェイス部305は、LAN6を介して外部装置3に接続されるコンピユータ(ワークステーション7、パソコン8、ファイルサーバ9)とのインターフェイスを行う。コンピユータ・インターフェイス部305は、SCSI,RS232C,セントロニクス系との通信を行う複数のインターフェイスを備えている。コンピュータ・インターフェイス部305は、上記の3種類のインターフェイスからのデータを、コネクタ137、データバス184を介してCPU133に転送する。CPU133は、転送されてきたデータの内容に応じて各種の制御を行う。
【0081】
[フォーマッタ部306の情報に基づくコア部308の動作]
フォーマッタ部306は、上述したコンピユータインターフェイス部305から送られてきた文書ファイルのコードデータ等をイメージデータに展開する機能を有している。
【0082】
すなわち、CPU133は、コンピユータ・インターフェイス部305からデータバス184を介して送られてきたデータがフォーマッタ部306に関するデータであると判断すると、そのデータをコネクタ138を介してフォーマッタ部306に転送する。フォーマッタ部306は、転送されてきた文字・図形コードデータ等を文字・図形等のパターンデータ(イメージデータ)に変換してメモリに展開する。
【0083】
次に、フォーマッタ部306からの情報を受取って出力用紙上に画像形成を行う場合について説明する。
【0084】
フォーマッタ部306からの画像情報は、コネクタ138を介して、信号ライン194に2つの値(00H,FFH)を有する多値信号として出力され、セレクタ144、セレクタ147に入力される。そして、セレクタ144および147はCPU133により制御されて選択処理を行う。以後の動作は、上記したファクシミリ部の場合と同様なため説明を省略する。
【0085】
[イメージメモリ部307の情報に基づくコア部308の動作]
次に、イメージメモリ部307に情報を出力する場合について説明する。CPU133は、通信用IC132を介して、リーダー部1のCPU122と通信を行い、原稿スキャン命令を出す。リーダー部1は、この命令に応答してスキャナユニット104により原稿をスキャンすることにより、画像情報をコネクタ120(図示省略)に出力する。すると、リーダー部1の上記コネクタ120と外部装置3はケーブルで接続されているので、リーダー部1からの画像情報は、コア部308のコネクタ131に入力される。
【0086】
コネクタ131に入力された画像情報は、バッファ140、信号ライン188を介して、多値8bitの信号としてLUT141に入力され、所望する信号に変換される。LUT141の出力信号、すなわち下地の飛ばし等の処理が施された原稿読取画像情報は、セレクタ143、セレクタ144、セレクタ146、およびコネクタ139を介してイメージメモリ部307に転送されて記憶される。
【0087】
そして、イメージメモリ部307に記憶された画像情報は、コネクタ139、CPUバス184を介してCPU133に送られる。CPU133は、イメージメモリ部307から送られてきた画像情報を、上述したコンピユータインターフェイス部305に転送する。
【0088】
コンピユータインターフェイス部305は、上記した3種類のインターフェイス(SCSI、RS232C、セントロニクス)のうちの所望するインターフェイスで、転送に係る画像情報をコンピユータに送信する。
【0089】
次に、イメージメモリ部307からの情報を受取る場合について説明する。
【0090】
まず、コンピュータインターフェイス部305を介してコンピュータから画像情報がコア部308に送られる。コア部308のCPU133は、コンピユータ・インターフェイス部305からCPUバス184を介して送られてきたデータが、イメージメモリ部307に関するデータであると判断すると、コネクタ139を介しイメージメモリ部307に転送する。次にイメージメモリ部307は、コネクク139を介して8bit多値信号194をセレクタ144、セレクタ147に伝送する。セレクタ144または、セレクタ147からの出力信号は、CPU133の指示により、前記したファクシミリと同様に、プリンタ部2に出力され出力用紙上に画像形成が行われる。
【0091】
本実施の形態に特有な処理は、図7に示したネットワークの環境の下に実現される。
【0092】
ユーザはワークステーション7、またはパソコン8を使用して文書の作成を行う。文書作成が終了し、その内容を用紙に出力する場合には、ユーザはプリント手続き(画像形成装置の指定、枚数/部数の指定、後処理方法の指定、即時プリントの指定)を入力した後、プリントコマンドを発行する。画像形成装置は、LAN6を経由してプリント指示があった場合、一旦、データを内部のローカルディスク内に格納する。その後、プリントコマンド内の各種プリント手続き情報を参照してプリント機能を働かせる。また、画像形成装置がコピージョブ処理中の場合には、ユーザの指示により割込処理も可能である。
【0093】
図9は、ワークステーション7、またはパソコン8から画像形成装置に対してプリントを指示するためのコマンドフォーマットである。コマンドの機能を示すコマンドID、このコマンドを発行したユーザを示すユーザ識別子、プリントすべき文書データ(文書ファイルそのもの(実態)、または文書ファイルを示すファイル識別子)、プリントすベき画像形成装置の指定、枚数/部数指定、後処理方法指定等の情報を格納する処理方法、即時プリント指定の可/不可を示すフラグにより構成されている。
【0094】
図10は、パソコン8、またはワークステーション7が内部のハードディスクに文書ファイルを格納する場合のワークステーション7、またはパソコン8の動作を示すフローチャートである。
【0095】
電源を投入した直後は、ユーザからのコマンド入力待ち状態となっている(ステップS1)。このコマンド入力待ち状態で、新規ファイル作成、または編集が指定された場合は、それぞれ新規作成、または編集処理に係るファイルのファイル名の入力処理を行った後(ステップS2、またはステップS3)、入力操作に従った編集処理を行う(ステップS4)。そして、編集処理の終了指示に従って編集処理に係る文書データを内部のハードディスクに格納して(ステップS5)、ステップS1に戻る。
【0096】
一方、コマンド入力待ち状態で、プリントアウトが指定された場合は、そのプリントすべきファイルのファイル名の入力処理を行う(ステップS6)。そして、複写機の指定、枚数/部数指定、後処理方法指定などのプリント手続き情報の入力処理を行い(ステップS7)、即時プリントか否かの情報の入力処理を行う(ステップS8)。次に、指定された複写機等の画像形成装置に対して、LAN6を経由して文書ファイル(実態)を含むプリントコマンドを発行して(ステップS9)、ステップS1に戻る。
【0097】
図11は、LAN6経由して外部のファイルサーバ9に文書ファイルを格納する場合のファイルサーバパソコン8、またはワークステーション7の動作を示すフローチャートである。
【0098】
電源を投入した直後は、ユーザからのコマンド入力待ち状態となっている(ステップS21)。このコマンド入力待ち状態で、新規ファイル作成、または編集が指定された場合は、それぞれ新規作成、または編集処理に係るファイルのファイル名の入力処理を行った後(ステップS22、またはステップS23)、入力操作に従った編集処理を行う(ステップS24)。そして、編集処理の終了指示に従って編集処理に係る文書データを外部のファイルサーバ9に格納して(ステップS25)、ステップS21に戻る。
【0099】
一方、コマンド入力待ち状態で、プリントアウトが指定された場合は、そのプリントすべきファイルのファイル名の入力処理を行う(ステップS26)。そして、複写機の指定、枚数/部数指定、後処理方法指定などのプリント手続き情報の入力処理を行い(ステップS27)、即時プリントか否かの情報の入力処理を行う(ステップS28)。次に、指定された複写機等の画像形成装置に対して、LAN6を経由して文書ファイルの識別子を含むプリントコマンドを発行して(ステップS29)、ステップS21に戻る。
【0100】
図12と図13は、画像形成装置の動作を示したものである。各フローチャートはマルチタスクモニタの管理下で平行して動作を行っている。
【0101】
図12は画像形成装置の受信処理部のフローチャートである。アイドル状態では、LAN6からのコマンド受信状態となっており(ステップS31)、このコマンド受信状態でプリントコマンド以外のコマンドを受信した場合は、そのコマンドに応じた処理を実行して(ステップS33)、ステップS31に戻る。
【0102】
一方、図9に示したプリントコマンドを受信した場合は、その受信内容を画像形成装置内のローカルディスクに格納して(ステップS34)、ステップS31に戻る。
【0103】
なお、以上の受信動作において、LAN6からのデータは、図8に示したコンピュータインターフェース部305から入力される。また、上記ローカルディスクはファイル部304に相当し、受信処理部としての全体の制御はCPU133が行っている。
【0104】
図13は、画像形成装置のプリント処理部のフローチャートである。アイドル状態では画像形成装置内のローカルディスク内にプリントすべきデータが存在するか否かを常にチェックしている(ステップS41)。プリントすべきデータが存在する場合、まず、図9に示したプリントコマンド中の即時プリントのフラグをチェックする(ステップS42)。
【0105】
そのフラグにより即時プリント不可に指定されている場合には、プリント枚数が予め定められた所定枚数以下であるか否かを判断する(ステップS43)。その結果、所定枚数以下でなければ、即時プリント不可として処理すべく、ステップS48に進み、所定枚数以下であれば、即時プリントを実行すべくステップS45に進む。
【0106】
一方、上記フラグにより即時プリントが指定されている場合には、さらに排紙処理の方法も同時に指定されているか否かを判断する(ステップS44)。その結果、排紙処理が指定されてなければ、即時プリントを実行すべくステップS45に進み、排紙処理が指定されていれば、上記フラグによる即時プリントの指定の如何にかかわらず無条件に即時プリント不可として処理すべく、ステップS48に進む。
【0107】
以上のようなシーケンスで即時プリントの可/不可を規定した後、即時プリント可の場合には、現在コピー中であるか否かを判断する(ステップS45)。その結果、コピー中であれば、そのコピーが終了するのを待って指定に係る処理方法でプリントを行い(ステップS46,S47)、コピー中でなければ、直ぐに指定に係る処理方法でプリントを実行して(ステップS47)、ステップS41に戻る。
【0108】
即時プリント不可の場合には、まず、ステップS48にて、現在コピー中であるか否かを判断する。その結果、コピー中であれば、操作・表示パネル600の操作によりユーザから割込み指示がなされるのを待ち(ステップS49)、割込み指示に応答して割込み処理モードに入り(ステップS50)、ステップS51に進む。一方、コピー中でなければ、直ちにステップS51に進む。
【0109】
ステップS51では、画像形成装置のカードリーダ616にIDカードが挿着されるのを待つ。そして、IDカードが挿着されると、そのIDカードに記録されているユーザIDと画像形成装置のローカルディスクに格納されている文書ファイルのユーザ識別子が合致するか否かを判別する(ステップS52)。その結果、合致しなければ、操作パネルに警告を表示して(ステップS53)、ステップS51に戻り、再度、IDカードが挿着されるのを待つ。
【0110】
ユーザIDとユーザ識別子が合致する場合は、該当する文書ファイルの実体が画像形成装置内に存在するか否かをチェックする(ステップS54)。その結果、該当する文書ファイルの実体が本装置内に存在しなければ、上記ユーザ識別子に該当する文書ファイルをLAN6を経由してファイルサーバ9から取込んで(ステップS55)、ステップS56に進み、該当する文書ファイルの実体が本装置内に存在すれば、直ちにステップS56に進む。
【0111】
ステップS56では、ユーザIDとユーザ識別子が合致した文書ファイルを指定された排紙処理方法でプリントする。この際、排紙処理装置のビンに放置紙が存在する場合は、プリント動作前に放置紙を除く旨のメッセージが表示される。この様な不具合が無い場合は、直ちにプリント動作が始まり、適切な排紙後処理がなされる。そして、そのプリントが終了した後は、割込中であるか否かを判断する(ステップS57)。その結果、割込中であれば、中断されたコピージョブを再開して、そのコピーを完了させてステップS41に戻り、割込中でなければ、直ちにステップS41に戻る。
【0112】
以上の動作において、プリント実行、カードリーダ制御、および操作パネル制御は、図8に示したコネクタ131を介して行われ、プリント処理部としての全体の制御はCPU133により行われる。また、ローカルディスクはファイル部304に相当する。

以上説明したように、画像形成装置は、挿着されたIDカードに記録されているユーザIDと、画像形成装置内のローカルディスクに格納されている文書ファイルのユーザ識別子が合致するか否かを判別する。そして、合致する場合は、画像形成装置は、当該ユーザ識別子に対応する文書ファイルが当該画像形成装置内に存在するか否かを判別する。対応する文書ファイルが画像形成装置内に存在しない場合は、画像形成装置は、その文書ファイルをLAN6を介してファイルサーバ9から取り込んでプリントアウトする。 このように、ユーザの指示に基づいて印刷出力を行えるようにしたので、換言すれば、所望のタイミングで印刷出力できるようにしたので、従来のように、排紙トレイに積み重ねられた印刷に係るシート束の中から所望のシートを探し出す必要はなくなり、使い勝手が向上する。また、印刷枚数が所定枚数以下の場合は、たとえ即時に印刷を行うべき旨が送信側からのコマンドにより指示されていなくても、ユーザの指示によらずに自動的に印刷を行えるようにしたので、印刷に係る少数のシートを得るためにユーザがわざわざ装置を操作しなくても済み、使い勝手が向上する。
【0113】
なお、本発明は、パソコン、ワークステーション等のデータ処理装置からネットワークを介して画像形成装置に供給される処理データの形態が、本実施の形態のように文字コードにより構成された文書データ等ではなく、画像(イメージ)データそのものである場合にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】上記画像形成装置の概略構成を示す縦断側面図である。
【図3】上記像形成装置における循環式自動原稿送り装置の概略構成を示す縦断側面図である。
【図4】上記画像形成装置におけるシート後処理装置の概略構成を示す縦断側面図である。
【図5】上記画像形成装置におけるシート後処理装置の概略構成を示す斜視図である。
【図6】上記画像形成装置における操作・表示パネルの概略構成を示す平面図である。
【図7】上記画像形成装置が接続されたネットワークの構成例を示す図である。
【図8】図1におけるコア部の詳細な構成を示すブロック図である。
【図9】上記画像形成装置に供給されるコマンドフォーマットを示す図である。
【図10】上記画像形成装置に印刷対象の処理データを供給するデータ処理装置が第1の形態で処理データを供給する場合の動作を示すフローチャートである。
【図11】上記画像形成装置に印刷対象の処理データを供給するデータ処理装置が第2の形態で処理データを供給する場合の動作を示すフローチャートである。
【図12】上記画像形成装置の受信動作を示すフローチャートである。
【図13】上記画像形成装置の印刷動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0115】
2…プリンタ部、6…LAN、7…ワークステーション、8…パソコン、9…ファイルサーバ、10…コア部、133…CPU、304…ファイル部(ローカルディスク)、600…操作・表示パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置により生成された所定のデータを特定することが可能な識別子であって、当該情報処理装置からの印刷要求に応じて出力された識別子を受信して管理する管理手段と、
前記管理手段により管理されている識別子を特定する特定手段と、
前記特定手段により特定された識別子に対応するデータを、ネットワークを介して受信する受信手段と、
前記受信手段により受信されたデータを印刷する印刷手段と、
を備えることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
ユーザが操作を行うための操作手段をさらに備え、
前記特定手段は、前記操作手段により入力された識別子を特定する情報に基づいて識別子を特定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記印刷手段は、前記操作手段により入力されたデータに係る認証情報と、前記管理手段により管理されている識別子に対応するデータに係る認証情報が一致する場合に、該データを印刷することを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記受信手段は、前記特定手段により特定された識別子に対応するデータを、前記ネットワークを介して接続された記憶装置から受信することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
印刷対象のデータを記憶する記憶手段をさらに備え、
前記記憶手段において前記特定手段により特定された識別子に対応するデータを記憶している場合には、前記受信手段によりデータを受信することなく、該記憶手段から該データを読み出して前記印刷手段により印刷することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
情報処理装置により生成された所定のデータを特定することが可能な識別子であって、当該情報処理装置からの印刷要求に応じて出力された識別子を受信して管理する管理工程と、
前記管理工程により管理されている識別子を特定する特定工程と、
前記特定工程により特定された識別子に対応するデータを、ネットワークを介して受信する受信工程と、
前記受信工程により受信されたデータを印刷する印刷工程と、
を備えることを特徴とする印刷方法。
【請求項7】
ユーザが操作を行うための操作工程をさらに備え、
前記特定工程は、前記操作工程により入力された識別子を特定する情報に基づいて識別子を特定することを特徴とする請求項6に記載の印刷方法。
【請求項8】
前記印刷工程は、前記操作工程により入力されたデータに係る認証情報と、前記管理工程により管理されている識別子に対応するデータに係る認証情報が一致する場合に、該データを印刷することを特徴とする請求項7に記載の印刷方法。
【請求項9】
前記受信工程は、前記特定工程により特定された識別子に対応するデータを、前記ネットワークを介して接続された記憶装置から受信することを特徴とする請求項6から8のいずれか1項に記載の印刷方法。
【請求項10】
データを記憶する記憶工程をさらに備え、
前記記憶工程において前記特定工程により特定された識別子に対応するデータを記憶している場合には、前記受信工程によりデータを受信することなく、該記憶工程により記憶された該データを読み出して前記印刷工程により印刷することを特徴とする請求項6から9のいずれか1項に記載の印刷方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−21542(P2006−21542A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−268636(P2005−268636)
【出願日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【分割の表示】特願平8−61657の分割
【原出願日】平成8年2月26日(1996.2.26)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】