説明

画像処理装置、画像処理方法、およびプログラム

【課題】赤目補正を適切に行うことを可能とする。
【解決手段】赤目領域特定情報生成部23は、顔領域における2つの目領域の特徴量が類似していると判定された場合、特徴量を軸とする空間における2つの目領域の特徴量の分布において、赤目領域を構成する画素の分布とそれ以外の画素の分布を分離する分離曲線を生成する。赤目領域特定情報生成部23は、分離曲線に基づいて、2個の目領域における赤目領域をそれぞれ特定する。補正部24は、特定された赤目領域に対して赤目を修正する補正を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
人物をフラッシュを使用して撮影した場合、目の色が赤色や金色に撮影される赤目現象が発生する。デジタルカメラ、コンピューター、またはプリンター等の画像処理機能を有する装置には、この赤目現象が発生した画像を画像処理によって補正できるものがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−233929号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の方法では、赤目現象を適切に行うことができない場合があった。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、赤目補正を適切に行うことができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面は、カラー画像における顔の画像を含む顔領域と、顔領域におけるそれぞれ1つの目の画像を含む2個の目領域を取得する取得手段と、取得された2個の目領域のそれぞれから、その領域の色についての少なくとも2つの特徴量を抽出する抽出手段と、抽出された2つの目領域の特徴量が類似しているか否かを判定する判定手段と、判定手段により2つの目領域の特徴量が類似していると判定された場合、特徴量を軸とする空間における2つの目領域の特徴量の分布において、赤目領域を構成する画素の分布とそれ以外の画素の分布を分離する分離曲線を生成する分離曲線生成手段と、分離曲線に基づいて、2個の目領域における赤目領域をそれぞれ特定する特定手段と、特定手段により特定された赤目領域に対して赤目を修正する補正を行う補正手段とを有することを特徴とする。
【0007】
顔領域におけるそれぞれ1つの目の画像を含む2個の目領域のそれぞれの特徴量が類似していると判定された場合、特徴量を軸とする空間における2つの目領域の特徴量の分布において、赤目領域を構成する画素の分布とそれ以外の画素の分布を分離する分離曲線を生成し、その分離曲線に基づいて、2個の目領域における赤目領域をそれぞれ特定するようにしたので、たとえばバランスよく左右の目の赤目領域を特定することができ、赤目を修正することができる。
【0008】
分離曲線生成手段は、顔領域の肌色の色度を目標値に補正する補正処理が施された目領域の特徴量について、特徴量を軸とする空間における2つの目領域の特徴量の分布において、赤目領域を構成する画素の分布とそれ以外の画素の分布を分離する分離曲線を生成することができる。これにより、より正確に赤目領域を構成する画素の分布とそれ以外の画素の分布を分離する分離曲線を赤目生成することができる。
【0009】
本発明の一側面は、カラー画像における顔の画像を含む顔領域と、顔領域におけるそれぞれ1つの目の画像を含む2個の目領域を取得する取得ステップと、取得された2個の目領域のそれぞれから、その領域の色についての少なくとも2つの特徴量を抽出する抽出ステップと、抽出された2つの目領域の特徴量が類似しているか否かを判定する判定ステップと、判定ステップの処理で2つの目領域の特徴量が類似していると判定された場合、特徴量を軸とする空間における2つの目領域の特徴量の分布において、赤目領域を構成する画素の分布とそれ以外の画素の分布を分離する分離曲線を生成する分離曲線生成ステップと、分離曲線に基づいて、2個の目領域における赤目領域をそれぞれ特定する特定ステップと、特定ステップの処理で特定された赤目領域に対して赤目を修正する補正を行う補正ステップとを含むことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態に係るプリンター1の構成を示す斜視図である。
【図2】赤目領域特定情報生成処理Z1と補正処理Z2を実行するための図1のプリンター1の機能的構成例を示すブロック図である。
【図3】印刷処理対象画像TIを模式的に示した図である。
【図4】図3の印刷処理対象画像TIの中央の人物の左目を含む画像領域を拡大して模式的に示した図である。
【図5】赤目領域特定情報生成処理Z1の流れを示すフローチャートである。
【図6】図5のステップS11の特徴量抽出処理の詳細を示すフローチャートである。
【図7】補正処理対象領域Pe1の各画素を、R値とR値/G値を軸とする平面に、そのR値とR値/G値に応じてプロットした図である。
【図8】補正強度マップ生成処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】補正強度係数テーブルの例を示す図である。
【図10】補正処理Z2の流れを示すフローチャートである。
【図11】赤目候補領域Pe2部分の、補正強度マップMaに設定された補正強度のイメージを示した図である。
【図12】補正強度マップMaに設定された補正強度係数に応じて補正された赤目候補領域Pe2のイメージを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[プリンター1の構成の説明]
図1は、本発明の実施の形態としてのプリンター1のハードウェアの構成例を示すブロック図である。このプリンター1は、メモリーカード18等から取得した画像データに基づき画像を印刷する、いわゆるダイレクトプリントに対応したカラーインクジェットプリンターである。また、プリンター1は、印刷するカラー画像に対して、赤目部分を検出し、その部分を自然な色(たとえば、黒色等)に補正する機能(以下、赤目補正機能と称する)を有している。
【0012】
プリンター1は、CPU11、内部メモリー12、操作部13、表示部14、プリンターエンジン15、およびカードインターフェース(カードI/F)16を備えている。
【0013】
CPU(central processing unit)11は、各部を制御して、内部メモリー12に格納されているプログラムに応じて各種の処理等を実行する。
【0014】
たとえばCPU11は、印刷に先立って、印刷されるカラー画像(以下、印刷処理対象画像TIと称する)の画像全体、またはユーザーが指定した点の周囲の領域の中から、人物、犬などのペット等の顔の画像を含む領域を検出するとともに、その顔の画像の中の、目の画像を含む領域を検出する処理(以下、検出処理Z0と称する)を実行する。CPU11はまた、検出した目の画像を含む領域(以下、補正処理対象領域Pe1と称する)から、赤目現象が発生している赤目領域を特定するための情報を生成する処理(以下、赤目領域特定情報生成処理Z1と称する)を実行し、その情報により特定される赤目領域の色を自然な色(たとえば、黒色等)に置き換える処理(すなわち赤目を修正する補正処理(以下、補正処理Z2と称する))を実行する。
【0015】
内部メモリー12は、CPU11が実行する各種プログラムや各種データを格納しているROM(Read Only Memory)、およびCPU11が実行対象とするプログラムやデータを一時的に格納するRAM(Random Access Memory)によって構成されている。
【0016】
操作部13は、ボタンやタッチパネルの1つまたは複数により構成され、ユーザーによる操作内容をCPU11に通知する。
【0017】
表示部14は、液晶ディスプレイ等により構成され、CPU11から供給された表示データに対応する画像を表示する。
【0018】
プリンターエンジン15は、CPU11から供給された印刷データに基づき印刷を行う印刷機構である。
【0019】
カードインターフェース(I/F)16は、カードスロット17に挿入されたメモリーカード18との間でデータのやり取りを行うためのインターフェースである。なお、この例では、メモリーカード18にRGBデータとしての画像データが格納されており、プリンター1は、カードインターフェース16を介してメモリーカード18に格納された画像データの取得を行う。
【0020】
プリンター1の各構成要素は、バス19を介して互いに接続されている。
【0021】
なおプリンター1は、さらに、他の機器(たとえばデジタルスチルカメラやコンピューター)とのデータ通信を行うためのインターフェースを備えているとしてもよい。
【0022】
[プリンター1の機能的構成例の説明]
図2は、検出処理Z0、並びに赤目領域特定情報生成処理Z1および補正処理Z2を実行するためのプリンター1の機能的構成例を示すブロック図である。この機能は、CPU11が内部メモリー12に記憶されている所定のプログラムを実行することより実現可能となる。
【0023】
画像読取部21は、印刷処理対象画像TIを、たとえばメモリーカード18から、カードI/F16を介して読み取る。
【0024】
部位領域取得部22は、たとえば、画像読取部21により読み取られた印刷処理対象画像TIのレプリカ(以下、単に、印刷処理対象画像TIとも称する)に対して、検出処理Z0を実行する。具体的には、たとえば人物の目、鼻、および口等の基本的な形状を表すテンプレートを利用したパターンマッチングによる方法(たとえば、特開2006−279460号公報参照)といった公知の検出方法を用いて、目の部分の画像とともに、顔の画像を含む領域(以下、顔領域と称する)を検出する。部位領域取得部22はさらに、検出した目の画像(すなわち補正処理対象領域Pe1)から、赤みがかった瞳孔や虹彩を含む領域を取得する処理を実行する。なおこの処理の結果取得された赤みがかった瞳孔や虹彩を含む領域を、赤目候補領域Pe2と称する。
【0025】
図3は、印刷処理対象画像TIを模式的に示した図である。図3にはまた、この印刷処理対象画像TIの中央の人物の顔領域FAが示されている。図4は、図3の印刷処理対象画像TIの中央の人物の目を含む画像領域を拡大して模式的に示した図である。図4には、左目の画像を含む左目の補正処理対象領域Pe1と右目の画像を含む右目の補正処理対象領域Pe1とともに、その補正処理対象領域Pe1から検出された赤目候補領域Pe2がそれぞれ示されている。この例の場合、目玉、白目、瞼、目頭、目尻等の部位を含む矩形領域が、補正処理対象領域Pe1として検出され、その中の目玉を含む円形領域が、赤目候補領域Pe2として検出される。
【0026】
図2に戻り赤目領域特定情報生成部23は、部位領域取得部22により取得された左目および右目の補正処理対象領域Pe1を用いて、赤目領域特定情報生成処理Z1を実行する。この例において、赤目領域を特定するための情報として、色の特徴量を軸とする空間における左目および右目の補正処理対象領域Pe1の両方の特徴量の分布において、赤目領域を構成する画素の分布とそれ以外の画素の分布を分離する分離曲線が生成される。そして左目の補正処理対象領域Pe1と右目の補正処理対象領域Pe1のそれぞれについて、補正処理対象領域Pe1の画素毎に分離曲線からの距離に応じた補正強度係数を格納する補正強度マップMaが生成される。すなわち左目用の補正強度マップMaと右目用の補正強度マップMaが生成される。補正強度マップMaは、補正処理対象領域Pe1の各画素に対応する格納部を有しており、各格納部には、対応する補正処理対象領域Pe1の画素が赤目領域を構成する画素である可能性に応じた補正強度係数が格納される。
【0027】
赤目領域特定情報生成部23は、特徴量抽出部31、分離曲線生成部32、および補正強度マップ生成部33を有して構成される。それらの構成要素の動作については、赤目領域特定情報生成処理Z1の説明と合わせて後述する。
【0028】
補正部24は、赤目領域特定情報生成部23により生成された左目用の補正強度マップMaに格納されている補正強度係数に応じた補正強度で、印刷処理対象画像TIの左目部分の色を黒色等に置き換える(赤目を修正する)補正処理Z2を実行し、また右目用の補正強度マップMaに格納されている補正強度係数に応じた補正強度で、印刷処理対象画像TIの左目部分の色を黒色等に置き換える補正処理Z2を実行して、印刷データを生成する。
【0029】
図5は、赤目補正処理の流れを示すフローチャートである。ステップS11において、部位領域取得部22は、画像読取部21により読み取られた印刷処理対象画像TIに対して、検出処理Z0を実行する。その結果、図3および図4に示したような、顔領域、並びに左目と右目の補正処理対象領域Pe1と赤目候補領域Pe2がそれぞれ検出される。なお印刷処理対象画像TIによっては、顔領域や補正処理対象領域Pe1等が検出されない場合もあるが、この例では、顔領域、並びに左目と右目の補正処理対象領域Pe1と赤目候補領域Pe2がそれぞれ検出されるものとする。
【0030】
[赤目領域特定情報生成処理Z1の説明]
次にステップS12からステップS15において、赤目領域特定情報生成処理Z1が実行される。
【0031】
ステップS12において、赤目領域特定情報生成部23の特徴量抽出部31は、1つの顔領域から検出された、左目と右目の2個の補正処理対象領域Pe1の特徴量を抽出する。
【0032】
図6は、この特徴量抽出処理の詳細を示すフローチャートである。
【0033】
特徴量抽出部31は、ステップS21において、検出された両目(2個)の補正処理対象領域Pe1のそれぞれについて、その大きさが適切な大きさであるか否かを判定する。具体的には、たとえば、補正処理対象領域Pe1の長手方向の幅が、赤目候補領域Pe2の直径の2倍以上の長さであるか否かが判定される。なお補正処理対象領域Pe1の大きさについてこのような判定を行う理由については、後述する。
【0034】
ステップS21で、いずれかの補正処理対象領域Pe1が適切な大きさでない場合(すなわちこの例の場合、長手方向の幅が赤目候補領域Pe2の直径の2倍より短い場合)と判定された場合、ステップS22において、特徴量抽出部31は、その補正処理対象領域Pe1を適切な大きさに拡大する。この例の場合、補正処理対象領域Pe1の長手方向の幅が赤目候補領域Pe2の直径の2倍となる拡大率で、補正処理対象領域Pe1の画素が補完される。
【0035】
ステップS21で、2個の補正処理対象領域Pe1の大きさが適切な大きさであると判定されたとき、またはステップS22で、補正処理対象領域Pe1が適切な大きさに拡大されたとき、ステップS23において、特徴量抽出部31は、2個の補正処理対象領域Pe1のそれぞれについて、G成分値(G値)、およびB成分値(B値)の平均値をそれぞれ算出する。
【0036】
次にステップS24において、特徴量抽出部31は、2個の補正処理対象領域Pe1のそれぞれについて、R値/G値の標準偏差とR値/B値の標準偏差をそれぞれ算出する。
【0037】
ステップS25において、特徴量抽出部31は、左目の補正処理対象領域Pe1と右目の補正処理対象領域Pe1の特徴量が類似しているか否かを判定する。具体的には、左目の補正処理対象領域Pe1のR値、G値、およびB値の平均値のそれぞれと、右目の補正処理対象領域Pe1のR値、G値、およびB値の平均値のそれぞれの差異が、一定量以内であるか否かが判定される。左目の補正処理対象領域Pe1のR値、G値、およびB値の平均値を、Rra、Gra、Braとし、右目の補正処理対象領域Pe1のR値、G値、およびB値の平均値を、Rla、Gla、Blaとし、所定の閾値をWr、Wg、Wbした場合、(Rra−Rla)<Wr、(Gra−Gla)<Wg、(Bra−Bla)<Wbが成立するか否かが判定され、いずれの式も成立すると判定された場合、両者の特徴量は類似すると判定される。
【0038】
また左目の補正処理対象領域Pe1のR値/G値の標準偏差とR値/B値の標準偏差のそれぞれと、右目の補正処理対象領域Pe1のR値/G値の標準偏差とR値/B値の標準偏差のそれぞれとの差異が一定量以内であるか否かを判定することもできる。または平均値と標準偏差の両方の比較結果に基づいて判定することもできる。
【0039】
ステップS25で、右目の補正処理対象領域Pe1と左目の補正処理対象領域Pe1の特徴量が類似していると判定された場合、ステップS26において、特徴量抽出部31は、2個の補正処理対象領域Pe1の画素のR成分値(R値)、G成分値(G値)、およびB成分値(B値)を用いて、2個の補正処理対象領域Pe1全体のR値、G値、およびB値の平均値をそれぞれ算出する。
【0040】
次にステップS27において、特徴量抽出部31は、2個の補正処理対象領域Pe1の画素のR成分値(R値)、G成分値(G値)、およびB成分値(B値)を用いて、2個の補正処理対象領域Pe1全体のR値/G値の標準偏差とR値/B値の標準偏差をそれぞれ算出する。
【0041】
ステップS28において、特徴量抽出部31は、R値の軸の範囲(0〜255)を16等分して得られた区間(以下、赤成分区間Lrと称する)毎に、その赤成分区間LrのR値を有する2個の補正処理対象領域Pe1の両方の画素のR値/G値の平均値とR値/B値の平均値を、それぞれ求める。
【0042】
このように、「2個の補正処理対象領域Pe1全体のR値、G値、B値のそれぞれの平均値」、および「2個の補正処理対象領域Pe1全体のR値/G値の標準偏差とR値/B値の標準偏差」、並びに「赤成分区間Lr毎の2個の補正処理対象領域Pe1全体についてのR値/G値の平均値とR値/B値の平均値」が、特徴量として抽出される。その後、処理は、図5のステップS13に進む。なお抽出された特徴量は、適宜、内部メモリー12に記憶される。
【0043】
ステップS25で、右目の補正処理対象領域Pe1と左目の補正処理対象領域Pe1の特徴量が類似していないと判定された場合、ステップS26〜S28の処理はスキップされ、処理は、図5のステップS13に進む。
【0044】
ステップS13において、赤目領域特定情報生成部23の分離曲線生成部32は、左目の補正処理対象領域Pe1と右目の補正処理対象領域Pe1の特徴量が類似しているか否かを判定する。具体的には、図6のステップS26〜S28の処理で、「2個の補正処理対象領域Pe1全体のR値、G値、B値のそれぞれの平均値」、「2個の補正処理対象領域Pe1全体のR値/G値の標準偏差とR値/B値の標準偏差」、および「赤成分区間Lr毎の2個の補正処理対象領域Pe1全体についてのR値/G値の平均値とR値/B値の平均値」が、特徴量として抽出されたか否かが判定される。
【0045】
ステップS13で、左目の補正処理対象領域Pe1と右目の補正処理対象領域Pe1の特徴量が類似していると判定された場合、ステップS14において、分離曲線生成部32は、左目の補正処理対象領域Pe1と右目の補正処理対象領域Pe1の両方の特徴量を用いて、分離曲線を求める。この例では、式(1)に示すFR/G(r)と式(2)に示すFR/B(r)が求められる。
【数1】

【数2】

【0046】
式(1)中、HR/G(r)は、赤成分区間LrのステップS28で求められたR値/G値の平均値を通る曲線である。rは、R値である。σR/Gは、ステップS29で求められた2個の補正処理対象領域Pe1全体のR値/G値の標準偏差である。αR/GとβR/Gは所定の係数である。また式(2)中、HR/B(r)は、赤成分区間LrのステップS28で求められたR値/B値の平均値を通る曲線である。σR/Bは、ステップS29で求められた2個の補正処理対象領域Pe1全体のR値/B値の標準偏差である。αR/BとβR/Bは所定の係数である。
【0047】
すなわちいずれの分離曲線についても、その形は、式(1)および式(2)の第1項で決定され、赤成分区間LrのR値/G値またはR値/B値の平均値を基準として、R値/G値またはR値/B値の標準偏差の大きさに応じた大きさの凹凸で変化する。なおαによりその変化が微調整される。曲線の高さは、式(1)および式(2)の第2項で決定され、補正処理対象領域Pe1における、R値の平均値とG値の平均値(それぞれステップS26で求められる)の比またはR値の平均値とB値の平均値(それぞれステップS26で求められる)の比が基準となっている。なおβによりその高さが微調整される。
【0048】
ここで式(1)および式(2)の意味について説明する。
【0049】
図7は、補正処理対象領域Pe1の各画素を、R値とR値/G値を軸とする平面に、そのR値とR値/G値に応じた位置にプロットした図である。白抜きの四角印(□印)は、赤色の赤目現象が生じている画素(以下、適宜、赤色赤目画素と称する)を示し、黒塗りの四角印(■印)は、赤色赤目画素以外の画素(すなわち赤色の赤目現象が生じていない画素(以下、適宜、非赤色赤目画素と称する))を示している。赤目現象には、瞳孔部分が赤色になる場合の他に、金色(いわゆる金目)になる現象があるが、金色の赤目現象が生じている画素については、後述する。
【0050】
図7の例では、非赤色赤目画素は、その多くが下側に集まっている。一方赤色赤目画素は、非赤色赤目画素に比べ分散して分布しており、その多くは、非赤色赤目画素が集まっている領域より上方に存在する。
【0051】
ところで補正処理対象領域Pe1(図4)の大きさが十分大きい場合、補正処理対象領域Pe1には、瞳孔以外の部分の画像の画素が多く含まれる。すなわち補正処理対象領域Pe1における非赤色赤目画素の数は、赤色赤目画素の数より圧倒的に多くなる。したがって補正処理対象領域Pe1の大きさが十分に大きい場合、R値毎(たとえば、赤成分区間Lr毎)のR値/G値の平均値は、非赤色赤目画素の分布を表していることになる。したがって式(1)に示した赤成分区間LrのR値/G値の平均値を通る曲線HR/G(r)は、非赤色赤目画素の分布に沿った曲線になる。
【0052】
また非赤色赤目画素の分布に沿った曲線HR/G(r)を、[補正処理対象領域Pe1におけるR値の平均値とG値の平均値の比]に対応する値だけ上方に移動させると(すなわち加算されると)、非赤色赤目画素の分布の上側に沿った曲線を得ることができる。赤色赤目画素の多くは非赤色赤目画素が集まっている領域より上方に存在するので、この非赤色赤目画素の分布の上側に沿った曲線は、非赤色赤目画素の分布と赤色赤目画素の分布の境界を示す曲線、すなわち両者を分離する曲線になる。したがって式(1)のFR/G(r)は、非赤色赤目画素の分布の上側に沿った曲線であって、非赤色赤目画素の分布と赤色赤目画素の分布を分離する曲線になる。
【0053】
一方、金色の赤目現象が生じている画素(以下、金色赤目画素と称する)は、黄色系の色であるので、金色赤目画素は、R値とR値/G値を軸とする平面では、非赤色赤目画素の分布の中に含まれてしまう。しかしながら、R値とR値/B値を軸とする平面では、金色赤目画素の分布は、R値とR値/G値を軸とする平面における赤色赤目画素と同じように上方に分散して分布する。金色赤目画素以外の画素(以下、非金色赤目画素と称する)は、R値とR値/G値を軸とする平面における非赤色赤目画素と同じようにその多くが下側に集まるように分布する。したがって金色赤目画素は、非金色赤目画素が集まっている領域より上方に存在する。
【0054】
そのことから式(2)のFR/B(r)も、式(1)のFR/G(r)と同様な理由により、非金色赤目画素の分布の上側に沿った曲線であって、非金色赤目画素の分布と金色赤目画素の分布を分離する曲線となる。
【0055】
なお非赤色赤目画素の分布と赤色赤目画素の分布を分離する曲線FR/G(r)と、非金色赤目画素の分布と金色赤目画素の分布を分離する曲線FR/B(r)を得るには、R値毎(この例の場合、赤成分区間Lr毎)のR値/G値の平均値が、非赤色赤目画素の分布を表し、R値/B値の平均値が、非金色赤目画素の分布を表していることが必要になる。すなわち補正処理対象領域Pe1が、瞳孔以外の部分の画像の画素が多く含むような画サイズを有する必要がある。
【0056】
そのような理由から補正処理対象領域Pe1の特徴量抽出処理(図5のステップS11)では、補正処理対象領域Pe1が、瞳孔以外の部分の画像を多く含むだけの大きさであるか否かが判定され(図6のステップS21)、そのような大きさでないと判定された場合、補正処理対象領域Pe1が拡大される(ステップS22)。この例の場合、補正処理対象領域Pe1の長手方向の幅が、赤目候補領域Pe2の直径の2倍になるように補正処理対象領域Pe1が拡大される。
【0057】
分離曲線生成部32は、求めた分離曲線FR/G(r)とFR/B(r)を、内部メモリー12に記憶する。
【0058】
なおこの例の場合、R=0、R=225、および各赤成分区間Lrの中央値(16点)に対応付けてR値/G値の平均値を、分離曲線FR/G(r)の制御点として記憶し、その制御点の間は両隣の制御点に基づいて補完するものとする。またR=0、R=225、および各赤成分区間Lrの中央値(16点)に対応付けてR値/B値の平均値を、分離曲線FR/B(r)の制御点として記憶し、その制御点の間は両隣の制御点に基づいて補完するものとする。このように制御点のみを記憶することで、記憶容量を節約することができる。
【0059】
このように左目の補正処理対象領域Pe1と右目の補正処理対象領域Pe1の両方の特徴量を用いて分離曲線が生成されると、処理は、図5のステップS15に進む。ステップS15において、赤目領域特定情報生成部23の補正強度マップ生成部33は、分離曲線に基づいて、左目の赤目領域を特定し、左目用の補正強度マップMaを生成する。
【0060】
左目用の補正強度マップMaは、上述したように、左目の補正処理対象領域Pe1の各画素に対応する格納部を有している。格納部は、画素とみなすことができるので、左目の補正強度マップMaは、少なくとも、左目の補正処理対象領域Pe1と同じ画サイズを有していることになる。補正強度マップMaの各格納部(すなわち各画素)には、この例の場合、対応する補正処理対象領域Pe1の画素が赤目領域を構成する画素であると推定できる場合は、128以上の値が、そうでない場合には128より小さい値が格納される。
【0061】
図8は、左目用の補正強度マップ生成処理の流れを示すフローチャートである。
【0062】
ステップS31において、補正強度マップ生成部33は、左目の補正処理対象領域Pe1から注目する1個の画素(以下、注目画素と称する)を選択し、ステップS32において、注目画素のR値、R値/G値、およびR値/B値を取得する。
【0063】
次にステップS33において、補正強度マップ生成部33は、注目画素のR値に対応する分離曲線の値(以下、分離閾値と称する)を取得する。具体的には、式(1)より注目画素のR値における分離閾値としてのR値/G値(以下、分離閾値R/Gと称する)が求められ、式(2)より注目画素のR値における分離閾値としてのR値/B値(以下、分離閾値R/Bと称する)が求められる。
【0064】
ステップS34において、補正強度マップ生成部33は、ステップS33で求められた分離閾値に応じた補正強度係数を求める。たとえば、図9に示す補正強度係数テーブルが参照されて、注目画素のR値/G値と分離閾値R/Gの比に対応する補正強度係数と、注目画素のR値/B値と分離閾値R/Bの比に対応する補正強度係数とが求められ、大きい方の補正強度係数が、その注目画素の補正強度係数とされる。そして補正強度マップ生成部33は、求めた補正強度係数を、注目画素に対応する補正強度マップMaの格納部に格納する。図9に示す補正強度係数テーブルは、たとえば内部メモリー12に記憶されている。
【0065】
注目画素のR値/G値と分離閾値R/Gの比が1以上となる画素は、R値とR値/G値を軸とする平面において(図7)、分離曲線FR/G上またはそれより上方に存在する。また注目画素のR値/B値と分離閾値R/Bの比が1以上となる画素は、R値とR値/B値を軸とする平面において、分離曲線FR/B上またはそれより上方に存在する。したがって注目画素のR値/G値と分離閾値R/Gの比、または注目画素のR値/B値と分離閾値R/Bの比が1以上になったときは、注目画素は、赤目画素の分布の中の画素、すなわち赤目領域を構成する画素として推定され、その画素には、128以上の値が割り当てられる。
【0066】
一方、注目画素のR値/G値と分離閾値R/Gの比が1より小さい画素は、R値とR値/G値を軸とする平面において(図7)、分離曲線FR/Gより下方に存在する。また注目画素のR値/B値と分離閾値R/Bの比が1より小さい画素は、R値とR値/B値を軸とする平面において、分離曲線FR/Bより下方に存在する。したがって注目画素のR値/G値と分離閾値R/Gの比、および注目画素のR値/B値と分離閾値R/Bの比がいずれも1より小さいときは、注目画素は、非赤目画素の分布の中の画素、すなわち赤目を構成しない画素として推定され、128より小さな値が割り当てられる。
【0067】
なお赤目を構成しない画素と推定された画素においても、R値/G値と分離閾値R/Gの比(またはR値/B値と分離閾値R/Bの比)が0.8以上である場合は(すなわち分離曲線から2割下側に分布する画素については)、ある大きさの補正強度係数が割り与えられる。その結果、その画素には、補正処理Z2によりその補正強度係数に応じた補正強度で色補正される。これは、瞳孔でなくても赤目現象の影響を受けている部分にもある程度の補正をかけるためである。
【0068】
図8に戻りステップS35において、補正強度マップ生成部33は、左目の補正処理対象領域Pe1内のすべての画素を注目画素として選択したか否かを判定する。まだ注目画素として選択されていない画素が存在する場合、補正強度マップ生成部33は、ステップS31に戻り、他の画素を注目画素として選択し、ステップS32以降の処理を同様に実行する。
【0069】
ステップS35で、左目の補正処理対象領域Pe1内のすべての画素を注目画素として選択したと判定された場合、処理が終了し、左目用の補正強度マップMaが生成される。この補正強度マップMaには、赤目領域を構成する画素であると推定された画素については128以上の値が格納され、赤目を構成しない画素であると推定された画素については128より小さな値が格納される。
【0070】
このように左目用の補正強度マップMaが生成されると、処理は、図5のステップ16に進み、分離曲線に基づいて、右目の赤目領域が特定され、右目用の補正強度マップMaが生成される。この処理は、図8に示した左目用の補正強度マップ生成処理と基本的には同様であり、その詳細な説明は省略するが、左目の補正処理対象領域Pe1に代えて、右目の補正処理対象領域Pe1に対して処理が施される。
【0071】
このように、左目と右目の赤目領域が特定され、それぞれの補正強度マップMaが生成されると、赤目領域特定情報生成処理Z1は終了する。その処理は、ステップS17に進み、左目に対する補正処理Z2が実行される。
【0072】
[補正処理Z2の説明]
図10は、左目に対する補正処理Z2の流れを示すフローチャートである。ステップS41において、補正部24は、左目の赤目候補領域Pe2(図4)から注目する画素を選択し、ステップS42において、左目用の補正強度マップMaから、注目画素に相当する格納部に格納されている補正強度係数を読み取る。
【0073】
ステップS43において、補正部24は、読み取った補正強度係数に応じて、注目画素の色を調整する。たとえば補正強度係数の大きさに応じた濃さの黒色を選択し、注目画素の色を、その黒色に置き換える。
【0074】
たとえば式(3)により、左目の赤目候補領域Pe2の注目画素iとその両隣の画素i-1,画素i+1のRGBがブレンドされる。そして式(4)により、ブレンドされたRGB(式(3)中、R’,G’,B’)を用いて、ターゲットカラー(式(4)中、TargetColor)としてのグレー色が求められる。
【数3】

【数4】

【0075】
さらに式(5)により、注目画素の補正強度係数(式(5)中、Intensity)を用いて、ターゲットカラーと注目画素のRGBがブレンドされて、置き換えられる色(式(5)中、Rnew、Gnew,Bnew)が決定される。そして注目画素の色が、ここで求められた色に置き換えられる。
【数5】

【0076】
次にステップS44において、補正部24は、左目の赤目候補領域Pe2内のすべての画素を注目画素として選択したか否かを判定する。まだ注目画素として選択されていない画素が存在する場合、ステップS41に戻り、補正部24は、他の画素を注目画素として選択し、ステップS42以降の処理を同様に実行する。
【0077】
ステップS44で、左目の赤目候補領域Pe2内のすべての画素を注目画素として選択されたと判定された場合、左目に対する補正処理Z2は終了する。このように補正強度係数の大きさに応じた度合いで色補正が行われる。
【0078】
図11は、左目の赤目候補領域Pe2部分の、左目用の補正強度マップMaに設定された補正強度のイメージを示した図である。図11には白色の程度が示されていないが、より白色の程、補正強度係数が高いことになる。このように赤目領域とされた領域に対して、所定の補正強度係数で色補正が施される。図12は、その補正が施された赤目候補領域Pe2のイメージを示した図である。この例では、図4と比較して瞳孔部分は黒色で示されているが、これは色補正が行われたことを表している。
【0079】
このように左目の赤目が補正されると、処理は、図5のステップS18に進み、今度は、右目に対する補正処理Z2が実行される。この処理は、図10に示した左目に対する補正処理Z2と基本的には同様であるので、その詳細な説明は省略するが、左目の赤目候補領域Pe2に対する左目用の補正強度マップMaに基づく処理に代えて、右目の赤目候補領域Pe2に対する右目用の補正強度マップMaに基づく処理が行われる。
【0080】
以上のように、左目と右目の赤目が補正されると、赤目補正処理は終了する。
【0081】
ステップS13で、左目の補正処理対象領域Pe1と右目の補正処理対象領域Pe1の特徴量が類似していないと判定された場合、ステップS14〜18の処理がスキップされ、赤目補正処理は終了する。すなわちその場合、赤目の補正は行われない。
【0082】
[実施形態における効果]
1.以上のように、補正処理対象領域Pe1から特徴量として、R値、およびR値/G値(またはR値/G値)を抽出し、
R値とR値/G値を軸とする平面におけるR値/G値の分布において(またはR値とR値/B値を軸とする平面におけるR値/B値の分布において)、赤色赤目画素の分布と非赤色赤目画素の分布(または金色赤目画素の分布と非金色赤目画素の分布)を分離する分離曲線を生成するようにしたので、赤目領域を適切に特定することができる。
【0083】
2.また以上のように、左目と右目の補正処理対象領域Pe1の色についての特徴量が類似している場合、左目と右目の両方の補正処理対象領域Pe1の特徴量に基づいて共通の分離曲線を生成し、その分離曲線に基づいて、左目と右目の赤目領域を特定するようにしたので(図5のステップS13)、左目と右目の両方の補正処理対象領域Pe1全体の特徴量に基づいて赤目領域を特定することができ、バランスよく左右の目の赤目領域を特定することができる。また共通の分離曲線を用いて補正強度マップMaを生成するようにしたので、左目と右目の赤目部分を、バランスよく色補正することができる。また片目の赤目だけが修正されるようなことを防止することができる。
【0084】
[変形例]
【0085】
1.なお以上においては、色の特徴量を軸とする空間における補正処理対象領域Pe1の両方の特徴量の分布において、赤目領域を構成する画素の分布とそれ以外の画素の分布を分離する分離曲線を生成し、その分離曲線に基づいて赤目領域を特定したが、分離曲線生成に先立って、補正処理対象領域Pe1に対して肌色補正を施すことにより、赤目現象が生じている画素とそれ以外の画素をより正確に分離することができる。
【0086】
たとえば検出した顔領域から肌色の状態(たとえば、サンプリングした肌色の平均値)をトーンカーブを用いて目標とする肌色に変換する肌色補正を、補正処理対象領域Pe1を施し、その結果得られた補正処理対象領域Pe1から分離曲線を生成することができる。
【0087】
2.また以上においては、左目と右目の補正処理対象領域Pe1の特徴量が類似していない場合、左目と右目の赤目の修正は行われないが(図5のステップS14〜18の処理がスキップされるが)、左目と右目の補正処理対象領域Pe1の特徴量が類似していない場合、それぞれの補正処理対象領域Pe1の特徴量から、それぞれの分離曲線を生成し、それぞれの分離曲線に基づいて赤目領域を特定することもできる。
【0088】
3.また以上においては、1つの顔領域の左目と右目の補正処理対象領域Pe1から1つの分離曲線を生成し、その分離曲線を用いて、左目と右目の赤目領域をそれぞれ特定したが、2個以上の顔領域の左目と右目の補正処理対象領域Pe1から1つの分離曲線を生成し、その分離曲線を用いて、複数の顔領域の左目と右目の赤目領域をそれぞれ特定することもできる。
【0089】
4.また以上においては、R値/G値またはR値/B値の分布に基づいて分離曲線を生成したが、赤目領域を構成する画素とそうでない画素を分離できる分布形態を有する特徴量であれば、他の特徴量を用いて分離曲線を生成することができる。
【0090】
5.また以上においては、プリンター1を利用した場合を例として説明したが、コンピューター、デジタルビデオカメラ、またはデジタルスチルカメラ等の他の画像処理装置に適用することができる。すなわち画像処理装置にインストールされる赤目補正ソフトウェア等に実装することができる。この場合、補正強度マップMaを生成する機能が画像処理装置に実装され、画像処理装置からプリンターや表示側に補正強度マップMaが提供され、プリンターや表示側で色補正が実行されるようにすることもできる。
【0091】
6.また上述した機能は、コンピューター等によって実現される場合、上述した機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピューターで実行することにより、処理機能がコンピューター上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピューターで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピューターで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリーなどがある。磁気記録装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープなどがある。光ディスクには、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM、CD−ROM(Compact Disc ROM)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)などがある。光磁気記録媒体には、MO(Magnet-Optical disk)などがある。
【0092】
プログラムを流通させる場合には、たとえば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROMなどの可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピューターの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピューターから他のコンピューターにそのプログラムを転送することもできる。
【0093】
プログラムを実行するコンピューターは、たとえば、可搬型記録媒体に記録されたプログラム若しくはサーバコンピューターから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピューターは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピューターは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピューターは、サーバコンピューターからプログラムが転送される毎に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0094】
なお上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。
【0095】
またフローチャートにその流れを示した処理は、各ステップが、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくても、並列的あるいは個別に実行される処理を含むものである。また適宜処理を省略することもできる。
【符号の説明】
【0096】
1 プリンター, 11 CPU , 12 内部メモリー, 13 操作部, 14 表示部, 15 プリンターエンジン, 16 カードI/F, 17 カードスロット, 18 メモリーカード, 21 画像読取部, 22 部位領域取得部, 23 赤目領域特定情報生成部, 24 補正部, 31 特徴量抽出部, 32 分離曲線生成部, 33 補正強度マップ生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラー画像における顔の画像を含む顔領域と、上記顔領域におけるそれぞれ1つの目の画像を含む2個の目領域を取得する取得手段と、
取得された上記2個の目領域のそれぞれから、その領域の色についての少なくとも2つの特徴量を抽出する抽出手段と、
抽出された上記2つの目領域の上記特徴量が類似しているか否かを判定する判定手段と、
上記判定手段により上記2つの目領域の上記特徴量が類似していると判定された場合、上記特徴量を軸とする空間における上記2つの目領域の上記特徴量の分布において、赤目領域を構成する画素の分布とそれ以外の画素の分布を分離する分離曲線を生成する分離曲線生成手段と、
上記分離曲線に基づいて、上記2個の目領域における赤目領域をそれぞれ特定する特定手段と、
上記特定手段により特定された赤目領域に対して赤目を修正する補正を行う補正手段と
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像処理装置において、
前記分離曲線生成手段は、前記顔領域の肌色の色度を目標値に補正する補正処理が施された前記目領域の前記特徴量について、前記特徴量を軸とする空間における上記2つの目領域の上記特徴量の分布において、赤目領域を構成する画素の分布とそれ以外の画素の分布を分離する分離曲線を生成する
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
カラー画像における顔の画像を含む顔領域と、上記顔領域におけるそれぞれ1つの目の画像を含む2個の目領域を取得する取得ステップと、
取得された上記2個の目領域のそれぞれから、その領域の色についての少なくとも2つの特徴量を抽出する抽出ステップと、
抽出された上記2つの目領域の上記特徴量が類似しているか否かを判定する判定ステップと、
上記判定ステップの処理で上記2つの目領域の上記特徴量が類似していると判定された場合、上記特徴量を軸とする空間における上記2つの目領域の上記特徴量の分布において、赤目領域を構成する画素の分布とそれ以外の画素の分布を分離する分離曲線を生成する分離曲線生成ステップと、
上記分離曲線に基づいて、上記2個の目領域における赤目領域をそれぞれ特定する特定ステップと、
上記特定ステップの処理で特定された赤目領域に対して赤目を修正する補正を行う補正ステップと
を含むことを特徴とする画像処理方法。
【請求項4】
画像処理をコンピューターに実行させるプログラムであって、
カラー画像における顔の画像を含む顔領域と、上記顔領域におけるそれぞれ1つの目の画像を含む2個の目領域を取得する取得ステップと、
取得された上記2個の目領域のそれぞれから、その領域の色についての少なくとも2つの特徴量を抽出する抽出ステップと、
抽出された上記2つの目領域の上記特徴量が類似しているか否かを判定する判定ステップと、
上記判定ステップの処理で上記2つの目領域の上記特徴量が類似していると判定された場合、上記特徴量を軸とする空間における上記2つの目領域の上記特徴量の分布において、赤目領域を構成する画素の分布とそれ以外の画素の分布を分離する分離曲線を生成する分離曲線生成ステップと、
上記分離曲線に基づいて、上記2個の目領域における赤目領域をそれぞれ特定する特定ステップと、
上記特定ステップの処理で特定された赤目領域に対して赤目を修正する補正を行う補正ステップと
を含む画像処理をコンピューターに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−120126(P2011−120126A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−277256(P2009−277256)
【出願日】平成21年12月7日(2009.12.7)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】