説明

画像処理装置および方法、並びにプログラム

【課題】正確に奥行値を設定することができるようにする。
【解決手段】焦点情報抽出部31は、入力画像の画素毎に、注目画素に対応する周辺画素の輝度信号より高周波成分を焦点情報として抽出する。領域統合部32は、注目画素毎に、注目画素の焦点情報を、その周辺の画素の焦点情報に合わせる様に統合焦点情報を生成する。暗部処理部33は、注目画素の焦点情報を、注目画素周辺の焦点情報よりも大きな値の平均値に置き換えて暗部焦点情報を生成する。照明成分抽出部35は、入力画像の注目画素毎の輝度信号を周辺画素の輝度信号に合わせるようにすることにより照明成分を抽出する。奥行生成部34は、統合焦点情報と暗部焦点情報とを、照明成分に基づく係数により積和演算して各画素単位の奥行値を求め、正規化し、正規化した奥行値をトーンカーブにより制御する。本発明は、画像処理装置に適用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置および方法、並びにプログラムに関し、特に、画像における被写体の奥行値を正確に求め、求められた奥行値に基づいて画像を処理できるようにした画像処理装置および方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像の中で、被写体毎に奥行値を設定し、奥行値に応じて画像を処理する技術が提案されている(特許文献1)。また、画像より被写体の奥行値を抽出して、抽出された奥行値に対応して、上述した画像処理を施す処理が提案されている。
【0003】
【特許文献1】特開2002−197486号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、画像の輪郭成分、または高周波成分から奥行値を検出する場合、輝度の情報のみに基づいたものであることが多いため、平坦部分では輪郭、および高周波成分が微小であることから、奥行値が正確に得られないことがあり、画像処理を適正に行うことができない恐れがあった。また、暗い領域においても、輪郭、および高周波成分が小さくなることから、正確な奥行値を求めることができないことがあり、やはり画像処理を適正に行うことができない恐れがあった。
【0005】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、特に、画像における暗い部分などの平坦部分においても正確に奥行値を設定することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面の画像処理装置は、入力画像の画素毎に、周辺画素の輝度信号より高周波成分を焦点情報として抽出する焦点情報抽出手段と、前記画素毎に、周辺画素の焦点情報を統合することで前記統合焦点情報を生成する領域統合手段と、前記画素毎に、周辺画素の焦点情報のうち、自らの焦点情報よりも大きな焦点情報に基づいて得られる値に置き換えることで、前記入力画像の暗部焦点情報を生成する暗部処理手段と、前記画素毎の輝度信号を、周辺画素の輝度信号に統合することで照明成分を抽出する照明成分抽出手段と、前記統合焦点情報と前記暗部焦点情報との、前記照明成分を用いた係数による積和演算により画素毎の奥行値を計算する明暗統合手段と、前記画素毎の奥行値を正規化する正規化手段と、前記正規化手段により正規化された奥行値をトーンカーブにより制御するトーンカーブ制御手段と、前記画素毎に彩度を検出する彩度検出手段と、前記トーンカーブ制御手段により、前記トーンカーブにより制御された前記奥行値を前記彩度により制御する彩度制御手段とを含む。
【0007】
前記彩度制御手段により前記トーンカーブで制御された前記奥行値に基づいた係数により、前記入力画像の画素毎の輝度、および色差信号を制御する遠近感制御手段をさらに含ませるようにすることができる。
【0008】
前記輝度のシャープネスを制御するシャープネス制御手段と、前記輝度のコントラストを制御するコントラスト制御手段と、前記画素毎の色差信号を制御する色差制御手段とをさらに含ませるようにすることができ、前記遠近感制御手段には、前記画素毎の輝度に加えて、前記シャープネス制御手段により制御された輝度、および前記コントラスト制御手段により制御された輝度を用いて、前記係数により輝度を制御させ、前記色差信号、および前記色差制御手段により制御された色差信号を用いて、前記奥行値に基づいた係数により前記色差信号を制御させるようにする。
【0009】
本発明の一側面の画像処理方法は、入力画像の画素毎に、周辺画素の輝度信号より高周波成分を焦点情報として抽出する焦点情報抽出ステップと、前記画素毎に、周辺画素の焦点情報を統合することで前記統合焦点情報を生成する領域統合ステップと、前記画素毎に、周辺画素の焦点情報のうち、自らの焦点情報よりも大きな焦点情報に基づいて得られる値に置き換えることで、前記入力画像の暗部焦点情報を生成する暗部処理ステップと、前記画素毎の輝度信号を、周辺画素の輝度信号に統合することで照明成分を抽出する照明成分抽出ステップと、前記統合焦点情報と前記暗部焦点情報との、前記照明成分を用いた係数による積和演算により画素毎の奥行値を計算する明暗統合ステップと、前記画素毎の奥行値を正規化する正規化ステップと、前記正規化ステップの処理により正規化された奥行値をトーンカーブにより制御するトーンカーブ制御ステップと、前記画素毎に彩度を検出する彩度検出ステップと、前記トーンカーブ制御ステップの処理により、前記トーンカーブにより制御された前記奥行値を前記彩度により制御する彩度制御ステップとを含む。
【0010】
本発明の一側面のプログラムは、入力画像の画素毎に、周辺画素の輝度信号より高周波成分を焦点情報として抽出する焦点情報抽出ステップと、前記画素毎に、周辺画素の焦点情報を統合することで前記統合焦点情報を生成する領域統合ステップと、前記画素毎に、周辺画素の焦点情報のうち、自らの焦点情報よりも大きな焦点情報に基づいて得られる値に置き換えることで、前記入力画像の暗部焦点情報を生成する暗部処理ステップと、前記画素毎の輝度信号を、周辺画素の輝度信号に統合することで照明成分を抽出する照明成分抽出ステップと、前記統合焦点情報と前記暗部焦点情報との、前記照明成分を用いた係数による積和演算により画素毎の奥行値を計算する明暗統合ステップと、前記画素毎の奥行値を正規化する正規化ステップと、前記正規化ステップの処理により正規化された奥行値をトーンカーブにより制御するトーンカーブ制御ステップと、前記画素毎に彩度を検出する彩度検出ステップと、前記トーンカーブ制御ステップの処理により、前記トーンカーブにより制御された前記奥行値を前記彩度により制御する彩度制御ステップとを含む処理をコンピュータに実行させる。
【0011】
本発明の一側面においては、入力画像の画素毎に、周辺画素の輝度信号より高周波成分が焦点情報として抽出され、前記画素毎に、周辺画素の焦点情報を統合することで前記統合焦点情報が生成され、前記画素毎に、周辺画素の焦点情報のうち、自らの焦点情報よりも大きな焦点情報に基づいて得られる値に置き換えられることで、前記入力画像の暗部焦点情報が生成され、前記画素毎の輝度信号が、周辺画素の輝度信号に統合されることで照明成分が抽出され、前記統合焦点情報と前記暗部焦点情報との、前記照明成分を用いた係数による積和演算により画素毎の奥行値が計算され、前記画素毎の奥行値が正規化され、正規化された奥行値がトーンカーブにより制御され、前記画素毎に彩度が検出され、前記トーンカーブにより制御された前記奥行値が前記彩度により制御される。
【0012】
本発明の画像処理装置は、独立した装置であっても良いし、画像処理を行うブロックであっても良い。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一側面によれば、画像における被写体の奥行値を正確に求めることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
[画像処理装置の構成例]
図1は、本発明を適用した一実施の形態の構成例を示す画像処理装置である。
【0015】
図1の画像処理装置1は、YUV分離部11、統合部12、シャープネス制御部13、コントラスト制御部14、彩度制御部15、および奥行検出部16より構成される。画像処理装置1は、入力画像より画像内における広がり、すなわち、画素単位での奥行値を求めて、求められた奥行値に応じた処理を入力画像に施し、高画質化させるものである。
【0016】
YUV分離部11は、例えば、RGB信号などから構成される入力画像をYUV(輝度、および色差信号)に画素単位で変換して分離し、輝度信号Yを統合部12、シャープネス制御部13、コントラスト制御部14、および奥行検出部16に供給する。またYUV分離部11は、入力画像より分離した色差信号U,Vを彩度制御部15、および奥行検出部16に供給する。尚、入力画像がYUV信号より構成される場合、YUV分離部11は、単に輝度信号Yと色差信号U,Vとを分離するのみである。
【0017】
シャープネス制御部13は、入力された輝度信号Yの高周波成分を画素単位で強調するように制御することで、シャープネスを制御した輝度信号Ysを生成して統合部12に供給する。
【0018】
コントラスト制御部14は、入力された輝度信号のコントラストを画素単位で強調するように制御することにより、コントラストが強調された輝度信号Ycを生成して統合部12に供給する。
【0019】
彩度制御部15は、画素毎に色差信号U,Vに対して所定の係数を乗じることにより彩度を強調した色差信号Uc,Vcを生成して統合部12に供給する。
【0020】
奥行検出部16は、輝度信号Yおよび色差信号U,Vより画素単位で奥行値dを求めて統合部12に供給する。尚、奥行検出部16については、図2を参照して、詳細な構成例について後述する。
【0021】
統合部12は、奥行値dに基づいて、輝度信号Y,Yc,Ys、および色差信号Uc,Vcを遠近感を強調するように統合して出力画像P’として出力する。
【0022】
[奥行検出部の構成例]
次に、図2を参照して、奥行検出部16の詳細な構成例について説明する。
【0023】
奥行検出部16は、焦点情報抽出部31、領域統合部32、暗部処理部33、奥行生成部34、照明成分抽出部35、および彩度検出部36より構成されており、輝度信号Yおよび色差信号U,Vより画素単位で奥行値dを求め、統合部12に供給する。
【0024】
焦点情報抽出部31は、輝度信号Yに水平HPF(High Pass Filter)および垂直HPFを掛けることにより高周波成分を抽出して焦点情報Fとして領域統合部32、および暗部処理部33に供給する。尚、焦点情報抽出部31の構成例については、図3を参照して詳細を後述する。
【0025】
領域統合部32は、LPF(Low Pass Filter)より構成されており、焦点情報Fを平滑化することにより、画素毎に周辺画素の焦点情報Fの値に近付けるように統合することで、焦点情報FLを生成し、奥行生成部34に供給する。尚、領域統合部32は、焦点情報Fを周辺の焦点情報Fの値に近付けられように統合処理ができるものであればよいので、LPFなどの他、FIR(Finite Impulse Response Filter)、IIR(Infinite Impulse Response Filter)、εフィルタ、またはメディアンフィルタなどでもよいものである。
【0026】
暗部処理部33は、画素毎に周辺画素の焦点情報Fとの比較により、注目画素の焦点情報Fよりも大きな値の平均値を求める。そして、暗部処理部33は、求められた平均値で注目画素の焦点情報Fを置き換えることにより、暗部を明るするように処理することで焦点情報FDを生成し、奥行生成部34に供給する。
【0027】
照明成分抽出部35は、LPFより構成されており、輝度信号Yを平滑化することで、周辺の画素の輝度信号Yに近付けるように処理して、照明成分LFを抽出して奥行生成部34に供給する。
【0028】
彩度検出部36は、色差信号U,Vより彩度Sを検出し、検出した彩度Sを奥行生成部34に供給する。
【0029】
奥行生成部34は、焦点情報FL,FD、照明成分LF、および彩度Sに基づいて、奥行値dを生成して出力する。尚、奥行生成部34については、図5を参照して詳細を後述する。
【0030】
[焦点情報抽出部の構成例]
次に、図3を参照して、焦点情報抽出部31の詳細な構成例について説明する。
【0031】
焦点情報抽出部31は、水平方向HPF51、絶対値処理部52、最大値抽出部53、垂直方向HPF54、および絶対値処理部55から構成されており、輝度信号Yの高周波成分を抽出し、焦点情報Fとして出力する。
【0032】
水平方向HPF51は、例えば、図4の左部で示されるような、水平方向の高周波成分を抽出するHPFであり、入力される輝度信号Yの水平方向の高周波成分YHを抽出して絶対値処理部52に供給する。
【0033】
絶対値処理部52は、水平方向の高周波成分として抽出された高周波成分YHの絶対値を求めて最大値抽出部53に供給する。
【0034】
垂直方向HPF54は、例えば、図4の右部で示されるような、垂直方向の高周波成分を抽出するHPFであり、入力される輝度信号Yの垂直方向の高周波成分YVを抽出して絶対値処理部52に供給する。
【0035】
絶対値処理部55は、垂直方向の高周波成分として抽出された高周波成分YVの絶対値を求めて最大値抽出部53に供給する。
【0036】
最大値抽出部53は、高周波成分YH,YVの最大値を抽出し、焦点情報Fとして出力する。
【0037】
[奥行生成部の構成例]
次に、図5を参照して、奥行生成部34の詳細な構成例について説明する。
【0038】
奥行生成部34は、明暗統合部71、正規化部72、トーンカーブ制御部73、および彩度制御部74より構成されており、焦点情報FL,FD、照明成分LF、および彩度Sに基づいて、奥行値dを生成して出力する。
【0039】
明暗統合部71は、領域統合部32からの輝度信号YLと、暗部処理部33からの輝度信号YDとを、照明成分抽出部35より供給されてくる照明成分LFに基づいた比率で合成することで、輝度信号の明部と暗部とを統合し、合成信号gを正規化部72に供給する。
【0040】
正規化部72は、明暗統合部71より供給されてくる合成信号gを正規化し、正規化された合成信号g’としてトーンカーブ制御部73に供給する。
【0041】
トーンカーブ制御部73は、予め設定されているトーンカーブにしたがって、合成信号g’を制御して奥行値dgを生成し、彩度制御部74に供給する。
【0042】
彩度制御部74は、トーンカーブ制御部73より供給されてくる奥行値dgに、彩度検出部36より供給されてくる彩度Sに基づいて設定される係数を乗じることにより奥行値dを生成し統合部12に供給する。
【0043】
[画像処理装置による画像処理]
次に、図6のフローチャートを参照して、図1の画像処理装置1による画像処理について説明する。
【0044】
ステップS11において、YUV分離部11は、新たな画像が供給されてきたか否かを判定し、新たな画像が供給されてくるまで、同様の処理を繰り返す。ステップS1において、例えば、新たな画像が入力されてきた場合、処理は、ステップS12に進む。
【0045】
ステップS12において、YUV分離部11は、画素単位でYUV信号に変換して分離し、輝度信号Yをシャープネス制御部13、コントラスト制御部14、および奥行検出部16に供給すると共に、色差信号U,Vを彩度制御部15、および奥行検出部16に供給する。
【0046】
ステップS13において、シャープネス制御部13は、入力画像の輝度信号Yを、画素単位で、輪郭強調処理などによりシャープネスを強調するように制御し、輝度信号Ysとして統合部12に供給する。
【0047】
ステップS14において、コントラスト制御部14は、入力画像の輝度信号Yを、以下の式(1)で示される演算処理により、画素単位でコントラストを高めるように制御し、輝度信号Ycを生成して統合部12に供給する。
【0048】
Yc=(Y−Ymin)/(Ymax−Ymin)
・・・(1)
【0049】
式(1)において、Yは入力画像の各画素の輝度信号であり、Yminは、入力画像内の輝度信号Yの最小値であり、Ymaxは、入力画像内の輝度信号Yの最大値であり、Ycは、コントラスト制御された輝度信号である。
【0050】
すなわち、ステップS14の処理により、コントラスト制御部14は、輝度信号Yを、輝度信号Yと最小値Yminとの差分の、最大値Ymaxと最小値Yminとの差分に対する比率に変換することで、コントラストを強調する。
【0051】
ステップS15において、彩度制御部15は、供給されてくる色差信号U,Vのそれぞれに対して、所定の係数κを乗じることにより彩度を強調するように制御し、色差信号Uc(=κU),Vc(=κV)を統合部に供給する。尚、所定の係数κは、任意に設定することが可能である。
【0052】
ステップS16において、奥行検出部16は、輝度信号Yおよび色差信号U,Vに基づいて、奥行検出処理を実行し、奥行値dを画素単位で求め、統合部12に供給する。
【0053】
[奥行検出処理]
ここで、図7のフローチャートを参照して奥行検出処理について説明する。
【0054】
ステップS31において、彩度検出部36は、供給されてきた色差信号U,Vより彩度Sを以下の式(2)を演算することにより求め、奥行生成部34に供給する。
【0055】
S=√(U2+V2
・・・(2)
【0056】
ここで、U,Vは、色差信号である。すなわち、彩度Sは、色差信号U,Vの二乗和の平方根として求められる。
【0057】
ステップS32において、照明成分抽出部35は、各画素の周辺の輝度信号Yにより平滑化することにより、周辺の画素の輝度信号Yに近付けるように処理し、照明成分LFを抽出して奥行生成部34に供給する。すなわち、明るい領域は、焦点が合っている状態でも高周波成分が小さくなるため、周辺の画素の輝度信号Yに近い値が照明成分LFとして抽出される。
【0058】
ステップS33において、焦点情報抽出部31は、各画素について焦点情報抽出処理を実行し、輝度信号Yより焦点情報Fを求めて領域統合部32、および暗部処理部33に供給する。
【0059】
[焦点情報抽出処理]
ここで、図8のフローチャートを参照して、焦点情報抽出処理について説明する。
【0060】
ステップS51において、水平方向HPF51は、入力される輝度信号Yに、例えば、図4の左部で示されるような水平方向のフィルタ処理を施し、高周波成分YHを抽出して絶対値処理部52に供給する。
【0061】
ステップS52において、絶対値処理部52は、水平方向の高周波成分として抽出された高周波成分YHの絶対値を求めて最大値抽出部53に供給する。
【0062】
ステップS53において、垂直方向HPF54は、入力される輝度信号Yに、例えば、図4の右部で示されるような垂直方向のフィルタ処理を施し、高周波成分YVを抽出して絶対値処理部54に供給する。
【0063】
ステップS54において、絶対値処理部55は、垂直方向の高周波成分として抽出された高周波成分YVの絶対値を求めて最大値抽出部53に供給する。
【0064】
ステップS55において、最大値抽出部53は、高周波成分YH,YVの最大値、すなわち、いずれか大きな値を抽出し、焦点情報Fとして領域統合部32、および暗部処理部33に出力する。
【0065】
以上の処理により、入力画像Pの各画素について輝度信号Yの水平方向、または、垂直方向の高周波成分のうち、いずれか大きな値が焦点情報Fとして出力される。
【0066】
ここで、図7のフローチャートの説明に戻る。
【0067】
ステップS34において、領域統合部32は、焦点情報Fを平滑化することにより、周辺の画素の焦点情報Fの値に近づけて焦点情報FLを生成し、奥行生成部34に供給する。すなわち、この処理により、領域統合部32は、焦点情報Fを、全体が高周波成分の画像であるものとして、平滑化して処理し、焦点情報FLを生成して奥行生成部34に供給する。
【0068】
ステップS35において、暗部処理部33は、画素毎に画素周辺の焦点情報Fとの比較により、処理対照となる画素の焦点情報Fよりも大きな周辺画素の焦点情報Fの平均値を求める。すなわち、暗部処理部33は、例えば、図9で示されるように、図中の黒丸で示される処理対象の画素を中心とした垂直方向、または、水平方向などの1次元の範囲Wにおける焦点情報Fのうち、太線で示される注目画素の焦点情報Fよりも大きな値の平均値FA(図9の白丸)を求める。そして、暗部処理部33は、処理対象となる画素の焦点情報Fを、求めた平均値FAで置き換えることにより焦点情報FDを生成する。この処理により、画素毎に、周辺画素の焦点情報Fのうち、自らよりも明るいものの平均値FAに置換されて、焦点情報FDが生成されることになるので、明るくなるように処理される。すなわち、例えば、画像内で暗い範囲に存在するような画素については、明るく処理されることになる。尚、暗部処理部33の処理については、処理対象の画素の近傍の所定範囲の平均値を用いるようにすればよく、例えば、処理対象の画素を中心とした2次元の範囲における焦点情報Fよりも大きな値の平均値で、焦点情報Fを置き換えるようにしてもよい。
【0069】
ステップS36において、奥行生成部34は、奥行生成処理を実行し、焦点情報FL,FD、照明成分LF、および彩度Sに基づいて、奥行値dを生成して統合部12に出力する。
【0070】
[奥行生成処理]
ここで、図10のフローチャートを参照して、奥行生成処理について説明する。
【0071】
ステップS71において、明暗統合部71は、輝度信号YLと輝度信号YDとを用いて、以下の式(3)を演算することにより、照明成分LFに基づいた比率で合成し、合成信号gを生成し、合成信号gを正規化部72に供給する。
【0072】
g=A×FD+(1−A)×FL
・・・(3)
【0073】
ここで、gは合成信号を示し、FDは暗部の輝度信号を示し、YLは明部の輝度信号を示し、Aは、図11で示されるように、照明成分LFに基づいて決定される係数である。すなわち、係数Aは、0乃至1.0の値であり、照明成分LFが0近傍であるとき1.0を取り、照明成分LFが所定の値までは1.0であるが、所定の値より大きくなると、照明成分LFが大きくなるに従って線形的に小さくなり、所定の値を超えると0となる。
【0074】
従って、明暗統合部71は、明部の輝度信号YLと暗部の輝度信号YDとを、照明成分LFが大きく、全体として明るい画像に対しては、明部の輝度信号YLの割合を高めるように合成する。逆に、明暗統合部71は、明部の輝度信号YLと暗部の輝度信号YDとを、照明成分LFが小さく、全体として暗い画像に対しては、暗部の輝度信号YDの割合を高めるように合成する。
【0075】
結果として、焦点情報Fは、入力画像Pが全体として明るい場合、高周波成分の高い輝度信号YLに追従して調整され、逆に、全体として暗い場合、暗部処理された輝度信号YDに追従して調整される。
【0076】
ステップS72において、正規化部72は、合成信号gを、例えば、以下の式(4)で示されるような演算を実行することにより、正規化し、正規化した合成信号g’をトーンカーブ制御部73に供給する。
【0077】
g’=(g−gmin)/(gmax−gmin)
・・・(4)
【0078】
ここで、g’は正規化された合成信号を、gは正規化される前の合成信号を、gmaxは、入力画像における各画素の合成信号gのうち最大値を、gminは、入力画像における各画素の合成信号gのうち最小値を、それぞれ表している。
【0079】
ステップS73において、トーンカーブ制御部73は、例えば、図12で示されるようなトーンカーブにしたがって、合成信号g’を制御して奥行値dgを生成し、彩度制御部74に供給する。すなわち、図12で示されるように、予め設定されたトーンカーブにおいては、合成信号g’が0近傍、または1近傍の値においては、奥行値dgが緩やかに増加し、合成信号g’が0.4近傍においては、奥行値dgが急峻に増加する。このため、合成信号g’が大きい場合、奥行値dgが小さく設定され、合成信号g’が小さい場合は、奥行値dgが大きく設定される。また、合成信号g’の大きさにより奥行値dgは、0または1.0のいずれかの値に近い値となり、奥行について、手前に位置するものであるのか、または、奥に位置するものであるのかが、比較的鮮明に分けられ易く制御される。
【0080】
ステップS74において、彩度制御部74は、トーンカーブ制御部73より供給されてくる奥行値dgに、彩度検出部36より供給されてくる図13で示される彩度Sにより設定される係数Bを乗じることで、彩度Sにより制御された奥行値dを生成する。より具体的には、彩度制御部74は、以下の式(5)で示される演算を実行することにより、奥行値dを計算し、計算した奥行値dを統合部12に供給する。
【0081】
d=B×dg
・・・(5)
【0082】
ここで、dは彩度Sにより制御された奥行値を、Bは図13で示されるように彩度Sにより設定される係数を、dgは彩度Sにより制御される前の奥行値をそれぞれ表している。
【0083】
図13で示されるように、係数Bは、予め設定される係数Bの最小値Bmin乃至最大値Bmaxの範囲における値をとり、入力画像における彩度Sの最小値Sminと最大値Smaxとの間で線形変換される値である。すなわち、奥行値dは、彩度Sが大きいほど、制御される前の奥行値dgが大きな値となるように制御され、逆に、彩度Sが小さいほど、制御される前の奥行値dgが小さな値となるように制御される。このため、彩度Sが大きいほど奥行値dが大きくなり、より奥行をはっきりと識別できる値に設定することが可能なり、彩度Sが小さいほど、奥行値dが小さくなり、より奥行を識別し難い値に設定することが可能となる。
【0084】
以上の処理により、入力画像における画素単位での明暗に応じて設定される合成係数g、照明成分LF、および彩度Sに基づいて、奥行値dが設定されるので、適切に奥行値dを計算することが可能となる。
【0085】
ここで、図6のフローチャートの説明に戻る。
【0086】
すなわち、図7のフローチャートにおけるステップS36の奥行生成処理が終了すると、図6のフローチャートにおけるステップS16の奥行検出処理が終了し、処理は、ステップS17に進む。
【0087】
ステップS17において、統合部12は、奥行値dに基づいて、入力画像の輝度信号Y、シャープネスが強調された輝度信号Ys、コントラストが強調された輝度信号Yc、および彩度が強調された色差信号Uc,Vcを統合して出力する。より具体的には、統合部12は、以下の式(6)乃至式(8)で示されるように演算し、奥行値dに対応した新たな輝度信号Y’、および色差信号U’,V’からなる出力画像P’を生成して出力する。
【0088】
Y’=(1−α)×Y+α×(β×Ys+γ×Yc)
・・・(6)
U’=(1−α)×U+α×Uc
・・・(7)
V’=(1−α)×V+α×Vc
・・・(8)
【0089】
ここで、αは図14の上部で示されるように奥行値dに対応して設定される係数であり、βは図14の中部で示されるように奥行値dに対応して設定される係数であり、γは図14の下部で示されるように奥行値dに対応して設定される係数である。
【0090】
すなわち、係数αは、0乃至1.0の値を取り、奥行値dの入力画像における最小値dminから最大値dmaxの範囲において、線形的に変化する。係数βは、係数βの最小値βmin乃至最大値βmaxの値を取り、奥行値dの入力画像における最小値dminから最大値dmaxの範囲において、線形的に変化する。係数γは、係数γの最小値γmin乃至最大値γmaxの値を取り、奥行値dの入力画像における最小値dminから最大値dmaxの範囲において、線形的に変化する。
【0091】
画素単位で奥行値dが大きくなるほど、係数α,β,γがいずれも大きな値となるため、輝度信号Y’は、シャープネスが強調された輝度信号Ys、およびコントラストが強調された輝度信号Ycによる影響が大きくなる。また、色差信号U’,V’は、いずれも彩度が制御された色差信号Uc,Vcの影響が大きくなる。このため、画像処理装置1は、入力画像Pを処理することにより、コントラストやシャープネスが強調された、メリハリのある奥行感の大きな出力画像P’として出力される。
【0092】
一方、画素単位で奥行値dが小さくなるほど、係数α,β,γがいずれも小さな値となるため、輝度信号Y’は、入力画像Pにおける輝度信号Yによる影響が大きくなる。また、色差信号U’,V’は、いずれも入力画像Pにおける色差信号U,Vの影響が大きくなる。このため、画像処理装置1は、入力画像Pに加える処理が小さな、ほぼそのままの画像として出力画像P’が出力される。
【0093】
結果として、奥行値dに応じて、入力画像を適切な奥行感に制御して処理することが可能となる。
【0094】
また、係数β,γは、図15で示されるように、それぞれの最小値βmin,γmin、および最大値βmax,γmaxとして異なる値に設定することで、シャープネスが強調された輝度信号Ysおよびコントラストが強調された輝度信号Ycの輝度信号Y’への影響の程度を調整するようにしても良い。尚、図15においては、例えば、最小値βmin=0.2,γmin=0.1、および最大値βmax=0.6,γmax=0.4である場合の例を示している。
【0095】
さらに、係数β,γは、例えば、γ=1−βとして定義することにより、係数β,γとの関係を連携するようにしてもよく、このように設定することで、シャープネスが強調された輝度信号Ysおよびコントラストが強調された輝度信号Ycの輝度信号Y’への影響の程度をある程度規制することが可能となる。
【0096】
本発明によれば、明部および暗部の輝度信号、および色差信号による彩度に基づいて、画像における画素単位での奥行値を適切に設定することが可能となる。このため、例えば、画像中における暗い部分や平坦部分についても適切に奥行値を設定することが可能となり、奥行値に応じた画素単位での処理が可能となる。
【0097】
ところで、上述した一連の情報処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、記録媒体からインストールされる。
【0098】
図16は、汎用のパーソナルコンピュータの構成例を示している。このパーソナルコンピュータは、CPU(Central Processing Unit)1001を内蔵している。CPU1001にはバス1004を介して、入出力インタフェース1005が接続されている。バス1004には、ROM(Read Only Memory)1002およびRAM(Random Access Memory)1003が接続されている。
【0099】
入出力インタフェース1005には、ユーザが操作コマンドを入力するキーボード、マウスなどの入力デバイスよりなる入力部1006、処理操作画面や処理結果の画像を表示デバイスに出力する出力部1007、プログラムや各種データを格納するハードディスクドライブなどよりなる記憶部1008、LAN(Local Area Network)アダプタなどよりなり、インターネットに代表されるネットワークを介した通信処理を実行する通信部1009が接続されている。また、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini Disc)を含む)、もしくは半導体メモリなどのリムーバブルメディア1011に対してデータを読み書きするドライブ1010が接続されている。
【0100】
CPU1001は、ROM1002に記憶されているプログラム、または磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリ等のリムーバブルメディア1011から読み出されて記憶部1008にインストールされ、記憶部1008からRAM1003にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM1003にはまた、CPU1001が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
【0101】
尚、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理は、もちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明を適用した画像処理装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】図1の奥行検出部の構成例を示すブロック図である。
【図3】図2の焦点情報抽出部の構成例を示すブロック図である。
【図4】水平方向HPFおよび垂直方向HPFの構成例を示すブロック図である。
【図5】図2の奥行生成部の構成例を示すブロック図である。
【図6】図1の画像処理装置による画像処理を説明するフローチャートである。
【図7】奥行検出処理を説明するフローチャートである。
【図8】焦点情報抽出処理を説明するフローチャートである。
【図9】暗部処理部の動作を説明する図である。
【図10】奥行生成処理を説明するフローチャートである。
【図11】奥行生成処理を説明する図である。
【図12】トーンカーブを説明する図である。
【図13】彩度Sと係数Bとの関係を説明する図である。
【図14】奥行値dと係数α,β,γとの関係を説明する図である。
【図15】奥行値dと係数β,γとのその他の関係を説明する図である。
【図16】パーソナルコンピュータの構成例を説明する図である。
【符号の説明】
【0103】
1 画像処理装置, 11 YUV分離部, 12 統合部, 13 シャープネス制御部, 14 コントラスト制御部, 15 彩度制御部, 16 奥行検出部, 31 焦点情報抽出部, 32 領域統合部, 33 暗部処理部, 34 奥行生成部, 35 照明成分抽出部, 36 彩度検出部, 51 水平方向HPF, 52 絶対値処理部, 52, 53 最大値抽出部, 54 垂直方向HPF, 55 絶対値処理部, 71 明暗統合部, 72 正規化部, 73 トーンカーブ制御部, 74 彩度制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力画像の画素毎に、周辺画素の輝度信号より高周波成分を焦点情報として抽出する焦点情報抽出手段と、
前記画素毎に、周辺画素の焦点情報を統合することで前記統合焦点情報を生成する領域統合手段と、
前記画素毎に、周辺画素の焦点情報のうち、自らの焦点情報よりも大きな焦点情報に基づいて得られる値に置き換えることで、前記入力画像の暗部焦点情報を生成する暗部処理手段と、
前記画素毎の輝度信号を、周辺画素の輝度信号に統合することで照明成分を抽出する照明成分抽出手段と、
前記統合焦点情報と前記暗部焦点情報との、前記照明成分を用いた係数による積和演算により画素毎の奥行値を計算する明暗統合手段と、
前記画素毎の奥行値を正規化する正規化手段と、
前記正規化手段により正規化された奥行値をトーンカーブにより制御するトーンカーブ制御手段と、
前記画素毎に彩度を検出する彩度検出手段と、
前記トーンカーブ制御手段により、前記トーンカーブにより制御された前記奥行値を前記彩度により制御する彩度制御手段と
を含む画像処理装置。
【請求項2】
前記彩度制御手段により前記トーンカーブで制御された前記奥行値に基づいた係数により、前記入力画像の画素毎の輝度、および色差信号を制御する遠近感制御手段をさらに含む
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記輝度のシャープネスを制御するシャープネス制御手段と、
前記輝度のコントラストを制御するコントラスト制御手段と、
前記画素毎の色差信号を制御する色差制御手段とをさらに含み、
前記遠近感制御手段は、前記画素毎の輝度に加えて、前記シャープネス制御手段により制御された輝度、および前記コントラスト制御手段により制御された輝度を用いて、前記係数により輝度を制御し、前記色差信号、および前記色差制御手段により制御された色差信号を用いて、前記奥行値に基づいた係数により前記色差信号を制御する
請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
入力画像の画素毎に、周辺画素の輝度信号より高周波成分を焦点情報として抽出する焦点情報抽出ステップと、
前記画素毎に、周辺画素の焦点情報を統合することで前記統合焦点情報を生成する領域統合ステップと、
前記画素毎に、周辺画素の焦点情報のうち、自らの焦点情報よりも大きな焦点情報に基づいて得られる値に置き換えることで、前記入力画像の暗部焦点情報を生成する暗部処理ステップと、
前記画素毎の輝度信号を、周辺画素の輝度信号に統合することで照明成分を抽出する照明成分抽出ステップと、
前記統合焦点情報と前記暗部焦点情報との、前記照明成分を用いた係数による積和演算により画素毎の奥行値を計算する明暗統合ステップと、
前記画素毎の奥行値を正規化する正規化ステップと、
前記正規化ステップの処理により正規化された奥行値をトーンカーブにより制御するトーンカーブ制御ステップと、
前記画素毎に彩度を検出する彩度検出ステップと、
前記トーンカーブ制御ステップの処理により、前記トーンカーブにより制御された前記奥行値を前記彩度により制御する彩度制御ステップと
を含む画像処理方法。
【請求項5】
入力画像の画素毎に、周辺画素の輝度信号より高周波成分を焦点情報として抽出する焦点情報抽出ステップと、
前記画素毎に、周辺画素の焦点情報を統合することで前記統合焦点情報を生成する領域統合ステップと、
前記画素毎に、周辺画素の焦点情報のうち、自らの焦点情報よりも大きな焦点情報に基づいて得られる値に置き換えることで、前記入力画像の暗部焦点情報を生成する暗部処理ステップと、
前記画素毎の輝度信号を、周辺画素の輝度信号に統合することで照明成分を抽出する照明成分抽出ステップと、
前記統合焦点情報と前記暗部焦点情報との、前記照明成分を用いた係数による積和演算により画素毎の奥行値を計算する明暗統合ステップと、
前記画素毎の奥行値を正規化する正規化ステップと、
前記正規化ステップの処理により正規化された奥行値をトーンカーブにより制御するトーンカーブ制御ステップと、
前記画素毎に彩度を検出する彩度検出ステップと、
前記トーンカーブ制御ステップの処理により、前記トーンカーブにより制御された前記奥行値を前記彩度により制御する彩度制御ステップと
を含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−72983(P2010−72983A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−240335(P2008−240335)
【出願日】平成20年9月19日(2008.9.19)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】